アナザーワールドSRS・リプレイ・ビクティムガール
■ 第1ループ 『 The wrong dream 』 1ページ ■
2012年11月23日




 ●プリプレイ

 事の始まりは、『アナザーワールドSRS(以降、『AW』)』の制作者であるマーサーが、所属するTRPGサークルの同期・ぷぇと一緒に食事をしていたときのことである。

プレイヤー2・雷/私、まだ『AW』プレイしたことないんだよね。
マーサー/そのうち『AW』プレイヤーにご招待するよー。

 そして数日後。
 またまたマーサーが、所属するTRPGサークルの先輩・
ピロコトイと話をしていたときのこと。

プレイヤー4・コトイ/以前参加させてもらった『AW』のセッションが面白かったから、今度は長編のキャンペーンで参加してみたいな。
マーサー/最近は単発セッションばかりやっているので、長編のGMもそろそろやってみたいですねー。

 色んなところで『AW』をやりたいと言いまわっていたマーサーは、「長編をやるなら前々からやりたかったシナリオがある」ことを思い出した。
 思い立ったら吉日。以前約束したメンバーにメールを送るのだった。
 そうして集まったのが、GMを含め以下の4名。まずは、各プレイヤーを紹介しよう。


▼GM/マーサー
 『AW』の制作者であり、今回のシナリオのGMであり、リプレイの執筆者でもある、自作ゲームが大好きなTRPGプレイヤー。
 幼い頃からこよなく「タイムリープもの」や「ループもの」を愛し、大学4年間をTRPGに費やした末に「ループ・リトライシナリオ推奨RPG」を制作してしまった。古今東西、様々なループシナリオが好き。
 今回のキャンペーンも、某ループもの要素のあるアニメを見たことがキッカケ。

▼PL1/ぷぇ
 マーサーの所属していた女子大TRPGサークルのメンバーで、マーサーの同期。
 代表作:『ゴーストハンター02・リプレイ〜パラドックスの椿』三日原望彦、『アリアンロッドRPG・リプレイ〜ゼウス』マキアード(ゲストPC)。
 ちなみに、以前のハンドルネームは「華」。先日「ぷぇ」に改名した。このリプレイでは「ぷぇ」で表記していく。

▼PL2/雷
 ぷぇと同じく、マーサーの所属していた女子大TRPGサークルのメンバーで、マーサーの同期。
 代表作:『ルリルラ ノイシュタルトハイ・リプレイ〜異次元メルト』ヴォルト、『アリアンロッドRPG・リプレイ〜ゼウス』チーマ(ゲストPC)。
 ちなみに、マーサーが執筆したTRPGリプレイの表紙イラストを担当してもらっていた。

▼PL3/ピロ
 女子大TRPGサークルに所属していた先輩(この卓では最年長)で、『AW』は既に何回もプレイした経験者ということで参加していただいた。
 代表作:『アナザーワールドSRS・リプレイ〜アナザーイブ ウィークス』杜谷柚弦、『アナザーワールドSRS・リプレイ〜ギフト メモリーホール』砥村晴緒、『アナザーワールドSRS・リプレイ〜アポクリズモス ピリア』フランゼリカ=シュタイン、など。

▼PL4/コトイ
 ピロと同じく、女子大TRPGサークルに所属していた先輩。以前からマーサーがGMをする多くの卓に参加していたのがキッカケで、今回も参加していただくことに。
 代表作:『アナザーワールドSRS・リプレイ〜ギフト メモリーホール』三好みなみ、『ガンドッグ・リプレイ〜ヴァイオレンスジョーカー』アカツキ=クドウ、など。

マーサー(以降、GM)/それでは、お集まりいただきありがとうございます。『アナザーワールドSRS』の新キャンペーンを始めたいと思います。
一同/宜しくお願いしまーす!
GM/早速ですが、今回のキャンペーンの企画書をお配りしますのでそれをご覧ください。
プレイヤー1・ぷぇ/はーい。
GM/今回は……アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』を元ネタにしたキャンペーンをやりたいと思います!
プレイヤー2・雷/「ボクと契約して魔法少女になってよ」!
GM/そう、それ!(笑)

 参加者4人に配られたのは、『アナザーワールドSRS〜VICTIM GIRL キャンペーン企画書』と書かれた1枚の紙である。

【レギュレーション】
 キャラクターレベル4で開始。
 種族クラス[稀人]と[異端者]を選択してもいいが、必ず種族は人間であること。
 PCは12〜15歳の中学生の少女で作成する。PC1〜2は一般人の状態でスタートする。PC3は能力者の自覚のある教会関係者である。
 舞台はS市。シナリオの元ネタはアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』ではあるが、『アナザーワールドSRS』の世界観にアレンジしたオリジナルストーリーである。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:クェでむ  関係:憧れ  推奨クラス:特になし

 君は突然、異端に襲われた。
 襲われたとき助けてくれたのは、NPC3。
 華麗に可憐にこの世ならざる者を退治した彼女に、感動していた夜。とある小さな生き物が君の元にやって来た。
 彼(?)の名は、クェでむ。彼は君に言った。「ボクと契約して魔法少女になってよ!」
 (能力者のことは知らない、一般人の状態でスタートする。何も知らない読者視点役である、巻き込まれ系主人公)
▼NPC1:クェでむ
 読み方は「くえでむ」。「魔法の使者」を名乗る、魔法少女のマスコット的な愛らしい生き物。白くてふかふかしている。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:(幼馴染)  関係:好意  推奨クラス:闘士 or 狂戦士

 君には仲の良い幼馴染がいる。
 彼は優秀な芸術家だったが、事故でその芸術の道を進む夢は叶わないという。
 お見舞いを終えてPC1と一緒に帰宅の道を歩いていたところ、突然、異端とNPC3に出会った。
 不思議な魔法の使者は「クェでむ」は言う。「魔法少女になれば、何でも願い事が一つ叶うよ!」
▼NPC2:(幼馴染)
 性別、年齢、どんな性格かなど自由に決めてよい。
 ハンドアウトでは「幼馴染」と表記するが、関係は親友や恋人、家族関係など自由に決定して構わない。
 幼馴染である君ととても親しくしている。優秀な芸術家だったが、先日事故に遭い、その夢を諦めろと言われている。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:(先輩)  関係:信頼  推奨クラス:聖職者 or 処刑人

 君は教会S市支部で活動している、教会のエージェントだ。
 全国で少女の自殺事件が多発している。世間はまだ目立った騒ぎとして認識してないが、どうも同じような異端が騒ぎを作っているようだ。君はこの事件解決のため、先輩とチームを組むことになる。
 その先輩は、単なる能力者ではない。彼女は「魔法少女」と呼ばれる存在らしいが……?
▼NPC3:(先輩)
 クラスは[世界遣い]。君より年上の15歳の少女。年若いが実力がある、しっかり者。
 彼女の詳しい設定は、GMと相談して決めること。
 まだ数日しか付き合いはないが、後輩として君のことを快く思っている。

【ハンドアウト:PC4】
 ハンドアウトパターン1か3を兼用する。
 PC1の場合、PC1の友人で、一緒に異端に襲われクェでむと出会う。
 PC3の場合、PC3と同じように能力者として教会に所属している(推奨クラスは無し)。


プレイヤー3・ピロ/うわー……ハンドアウトにアレがいる。キュウべえがいる(笑)
GM/頑張ってマスコットっぽい名前を考えたんですよ、今回の顔になるNPCですからね!
プレイヤー2・雷/白くてふかふかしてるんですねー(笑)
GM/今回の長編キャンペーンは3〜4話構成、キャラクターレベル4でスタートします。ただし第1話で4レベル、第2話で8レベル、第3話で10〜12レベルになる予定です。
プレイヤー4・コトイ/おお、一気にレベルが上がるんだね。
GM/1レベルずつ上げていっても成長が面白くないんで。それだけ1つのシナリオが濃厚にしていくってことです。4レベル分の成長ができる1話をやるつもりです。
プレイヤー3・ピロ/1回でそんなに成長するってことは、凄く濃いシナリオだってこと……?(笑)
GM/ガッツリですよ。GMはアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』を初めて見たとき、「『AW』でやってみたい!」と思いまして今回のシナリオを作ってみました。あくまで元ネタなだけで、世界観は『AW』準拠です。舞台は『AW』で使われているN市。隣町はS市やA市のあそこです。
プレイヤー2・雷/『NPCパーソナリティーズ』に載ってる高坂や、アイザックやルカ達が居る街ですねー。
GM/だから、今回出てくる「魔法少女」という言葉はオリジナル設定の何かです。
プレイヤー3・ピロ/何か?
GM/「能力者には違いないけど、それとも違う特別な存在」です。
プレイヤー2・雷/ほう?
GM/詳しく聞きたいかもしれないけど、この説明はPC達の前で話したいので今はしません。イメージ的には「第13のクラス:魔法少女」をやると思ってください。
プレイヤー1・ぷぇ/へー! 特別なクラスなんだー!
GM/【ハンドアウト:PC2】に書かれていることだけど、魔法少女になると願いが叶うそうだよ。ちなみに魔法少女は「第二次性徴期の女性」に限るらしい。
プレイヤー3・ピロ/思春期の女の子じゃなきゃダメなんだ? 高校生は魔法少女になれないんだ……。
GM/てっきり魔法少女は18歳ぐらいまでOKかと思ってたんですが、調べてみたら「第二次性徴期限定」らしいんですよ。確かに言われてみれば『プリキュア』や『セーラームーン』も中学生ですし。
プレイヤー4・コトイ/『リリカルなのは』は19歳じゃ……。
GM/あれも初期の頃はちゃんと小学生です(笑) NPC3として登場する少女を「15歳の中学3年生」と設定したので、PCは必ずその子より年下になります。以上のことから皆さんに作ってもらいたいPC像は、『思春期の少女』で『願い事を叶えてでも戦う』、『欲に生きるような子』ですね。
プレイヤー4・コトイ/ふむふむ。
GM/原作『魔法少女まどか☆マギカ』は「タイトルに魔法少女とあるのに主人公が最終回まで魔法少女にならない」という異端な作品です。ですがこのキャンペーンでそれをやると……セッションになりません。キャラクターシートが使用できませんから!
プレイヤー1・ぷぇ/で、ですよねー(笑)
GM/なので、魔法少女にはなってください。NPC1の魔法生物が「ボクと契約して魔法少女になってよ!」と言うのでなってください。GMは笑わないように仕事します。
プレイヤー3・ピロ/それ、GMもそうだけどプレイヤーも笑わないようにしないといけないよね(笑)
プレイヤー2・雷/……うーん、やるならPC1かPC2が良いなー。『AW』は初めてプレイするんだし、推奨クラスがあった方が判りやすいかな?
GM/PC2は[闘士]推奨だね。
プレイヤー2・雷/……PC2、やってもいいかな?
プレイヤー4・コトイ/良いんじゃないかな。初めてなら作りやすい方が良いよ。
プレイヤー3・ピロ/私はやったことのないクラスがやりたいから、PC3の[処刑人]が良いかも。……クェでむを処刑……?
GM/なんで白くてふかふかして可愛い生き物を苛めようとするんだろう。心が悲しい人だなぁ。
プレイヤー3・ピロ/うわ、ムカつく! バリカンで刈るぞ!?(一同笑) 食っちまうぞ!
プレイヤー1・ぷぇ/食べられるんですか、それ?(笑)
GM/マシュマロ状の生き物です。食べられると新しいクェでむが画面後ろから出て来ます。
プレイヤー3・ピロ/怖い! 焼きマシュマロにすんぞ!?(一同笑)
プレイヤー1・ぷぇ/(暫く企画書に目を通して)えーと……良かったら、PC1がやりたいです。PC1を希望します! 巻き込まれたいです!
プレイヤー2・雷/わー。PC1が決まったぞー。
GM/PC1を担当するプレイヤーはクェでむの外見設定を決めてください。キャラデザをお願いします。
プレイヤー1・ぷぇ/ええっ!?(笑)
GM/君のPCが抱えられる可愛い生き物を描いてね。可愛く描いてね。可愛くなきゃダメだよ。
プレイヤー3・ピロ/ハードル高いな!?(笑)
プレイヤー2・雷/良かった、PC1にならなくて良かった……(笑)
プレイヤー4・コトイ/じゃあ、私はPC4をやりますかね。選択するハンドアウトは、2:2になるために【ハンドアウト:PC3】がいいかな。
GM/それならPC3がぼっちにならずに済みます。ハンドアウトが決定しましたね。

プレイヤー1・ぷぇ/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・雷/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・ピロ/PC3ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・コトイ/PC4で、PC3ハンドアウトを選択。

 ハンドアウトが決まったことで、キャラクターレベル4のPCを作り始める4人。

プレイヤー4・コトイ/個人的な希望を言うなら……魔法少女ものなんだから、PC1には[魔術師]をやってほしい。
プレイヤー2・雷/あー、判る!(笑)
プレイヤー1・ぷぇ/PC1で[魔術師]って良いですよね!
プレイヤー2・雷/私は一点特化がやりたいから……全レベル[闘士]にしよう! 初めてプレイするから他のクラスの特技を見てたらパンクしそうだし……。
プレイヤー3・ピロ/うーん、とりあえずクラスはやったことのない[処刑人]で。以前やったPCがどれも後衛だったから、今回は前線がやりたいな。……それと以前、古川財閥の女PCがやりたいって話してたよなー(笑)
GM/いいですね、古川系女子!
プレイヤー4・コトイ/PC3が前衛なら、PC4は後衛にしないと……回復特化にしようかなー。あ、[世界遣い]がやりたいかも。振り直し系の特技は大事……。
プレイヤー1・ぷぇ/(ルールブックを見ながら)……[異端者]、いいかも!
プレイヤー4・コトイ/えっ。[異端者]の魔法少女?(笑)
GM/種族は人間に限るけど、「先祖が狼男だった」みたいな「人外の血筋だった設定」とかにすればOKだよー。

 そんなこんなで相談し合うこと、数時間。
 この日はキャラクターメイキングとそれぞれの関係を作ることに時間を費やし、相談を終了。
 後日、改めてセッションを始めるため参加者達はGMの自宅に集まった……。


プレイヤー1・ぷぇ/イラストを描いてきたよ!
GM/見せて見せて。



プレイヤー1・ぷぇ/猫っぽい子にしてみた。ネコミミっぽい髪型に見えるでしょ?
GM/可愛い! この子が表紙を飾るPC1になるんだね。
プレイヤー1・ぷぇ/で、こっちがクェでむ! 今のところ、こんな感じを想定しています。



GM/あ。かわい……。



GM/キモッ!?
プレイヤー1・ぷぇ/素直に言われた。ファンシーかつ不安定さのあるデザインを考えてみました。
GM/いや、これはかわいい……いや、キモ……いや、かわいい……? なんだこのバランスは……すっごい不安定な気持ちが消えないんだぜ……かわ……いや……。
プレイヤー3・ピロプレイヤー4・コトイ/(GM宅にやって来て)こんにちはー、宜しくお願いしまーす。
GM/ピロ先輩! コトイ先輩! クェでむの絵があるんで見てください!
プレイヤー3・ピロ/んー?(イラストを見て)あ、かわい……キモッ!?(笑)
プレイヤー4・コトイ/どれどれ?(イラストを見て)あー、かわ……キモッ!?(笑) ええっ、何これ!?
GM/やっぱりキモイですよね!? 可愛いですけどこれ、下を見た途端みんなキモイって言いますよね!?
プレイヤー1・ぷぇ/えー。事件に巻き込まれたとき、手を差し伸べてくれるようにしたんだけど……。
プレイヤー3・ピロ/手を差し伸べるって、片手で立って片手で差し伸べるんだろ!?(笑)
プレイヤー1・ぷぇ/抱えられるぐらいの大きさだから、立つと腰ぐらいまであるのかな?
プレイヤー4・コトイ/デカいな!?(笑)
プレイヤー2・雷/(少し遅れてGM宅にやって来て)遅れてすみませーん、宜しくお願いしまーす。
GM/雷さんっ! クェでむの絵を見て!
プレイヤー2・雷/ええっ?(イラストを見て)おお、かわ……キモッ!?(笑)
GM/やっぱり!(一同爆笑)

 暫くクェでむのデザインについて盛り上がること数分。
 だがずっとそうしている訳にはいかない。魔法生物クェでむに手を差し伸べられる本番は、着々と近付いていた……。


プレイヤー4・コトイ/キモイ……いや、かわいい……いや、うーん?(笑)
プレイヤー3・ピロ/手袋部分を外したらリアルな人の手が出てきたらどうしよう……一気に『ゴーストハンター』ぽくなっちゃうよ(笑)
プレイヤー1・ぷぇ/可愛いと思うんですけどねぇ?
GM/……それでは、皆さん集まって落ち着いてきたことだし始めていきましょうか。まずは、PC1から自己紹介をお願いします。

プレイヤー1・ぷぇ(以降、しをん)/PC1。キャラクター名、高良しをん(たから・しをん)です。クラスは[魔術師]2レベル、[異端者]2レベルです。
GM/しをん。
プレイヤー2・雷/タイトルは『しをん☆マギカ』になった。
しをん/原作のキャラクターにはみんな「不自然な名前」縛りがあるそうなんで、不自然な名前を目指してみました。
GM/しをん。……ちょっと目が滑る名前だ。
しをん/自分を強化して後衛から魔法で戦うタイプです。≪魔の感知≫で情報収集をし、≪幻想式≫で支援をします。≪−50謹厳実直≫持ちなので、不良的な女の子です。
プレイヤー2・雷/不良なんだ。
しをん/『重要キーワード』が『中毒者』です。昔は煙草中毒で……。
プレイヤー3・ピロ/中学生にしてヤニ中だと?(笑)
しをん/最近はキャンディや砂糖菓子になりました。……[異端者]の能力を持っていて、自分が[異端者]だということを判らず、普段からイライラと負の感情を溜めこんでいました。それを誤魔化すために煙草を吸っていたんですけど、多分誰かに止められて……。
プレイヤー2・雷/私のPCはダメって言いそうだなー。
GM/ハンドアウトからしてPC2はPC1の知り合い設定だからね。周囲のお友達に止められて煙草をやめて、お菓子好きに至ると。
しをん/うん。今は禁煙してます。あとは……≪強化手術:意志≫を取りました。
GM/どういう設定で?
しをん/昔、病気で暫く学校に来られなかったんです。何の病気か決めてないけど、手術が必要な病気になってしまったキッカケで[異端者]に目覚めちゃいました。
GM/傷口から何か入ったかもしれん。
プレイヤー3・ピロ/でもオープニングの段階では一般人なんだよね?
GM/オープニング段階ではレベル2ぐらいの能力者だったのかも。……なるほど、病気のせいで学校に行けなかったのが、だんだんと行きずらくなってしまったのか。
しをん/行っても[異端者]の性質上、何かと負の感情に反応してイライラしちゃったりして……。
GM/盗んだバイクで走り出したくなる症候群に?
プレイヤー3・ピロ/尾崎豊みたいな感じか。
しをん/尾崎豊系の魔法少女になります。
GM/尾崎豊って[異端者]だったんだ……(笑)

 高良 しをん(プレイヤー名:ぷぇ)
 クラス:[魔術師2/異端者2]
  体力:10(+3)  反射: 8(+2)  知覚:12(+4)
  理知:15(+5)  意志:19(+6)  幸運:12(+4)
  HP最大値:20  MP最大値:27
重要キーワード:中毒者  背景:ゲームだけ上手  特徴:本の虫である
ボーナス効果:霊力ダメージ+2  スキルウェポンのイメージ:キャンディ爆弾
職業:中学2年生  性別:女  年齢:14  身長:140cm  髪色:クリーム色  瞳色:金
 スキルウェポン→≪魔導書≫
 魔術師→≪魔道具≫ ≪ニュクスの冠≫ ≪幻想式≫ ≪魔の感知≫
 異端者→≪闇の血統≫ ≪悪喰らい≫
 一般特技→≪強化手術:意志≫ ≪−50謹厳実直≫

プレイヤー2・雷(以降、鴉華羽)/キャラクター名は神白鴉華羽(かみしろ・あげは)です。クラスは[闘士]オンリー! スポーツ特待生だよ!
しをん/4レベル、強い!
GM/何のスポーツをやってるの?
鴉華羽/棒高跳び! ライフパス『背景』は『孤独』。お父さんとお母さんは小さい頃に死んじゃって、そのことに関して全く覚えてません。どうして死んじゃったのか全く判らないまま、親戚に引き取られました。
GM/今は親戚の家に?
鴉華羽/はい。いきなり誰かが居なくなったという体験をしたので、めっちゃ世話焼き。人に尽くしたくて仕方ない性格です。
GM/何歳ぐらいから記憶が無いの?
鴉華羽/3歳ぐらいからかな? 主な特技は≪カバー≫≪守護者の盾≫で【防御点】を上げて庇うタイプ。攻撃できるけど特化はしてないかな? みんなを守るよ!
GM/ふむふむ。……ハンドアウトで「PC1と一緒に下校するぐらいの仲良し設定」とされているけど、何か設定はある?
鴉華羽/不登校気味なしをんに「学校に行こうよー!」って言いに行くタイプにしようかな。
しをん/しをんは「やだ! 学校行かない!」って突っぱねるよ。
鴉華羽/ならムリヤリ部屋から連れ出します! ベッドを担いで学校に連れて行くよ!(笑)

 神白 鴉華羽(プレイヤー名:雷)
 クラス:[闘士4]
  体力:16(+5)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 9(+3)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:34  MP最大値:14
重要キーワード:孤独  背景:記憶が無い  特徴:世話焼きである
ボーナス効果:HP+2  スキルウェポンのイメージ:棒術
職業:中学2年生  性別:女  年齢:14  身長:162cm  髪色:茶  瞳色:赤
 スキルウェポン→≪両手武器≫
 闘士→≪斬り返し≫ ≪命の糧≫ ≪カバー≫ ≪疾走線≫ ≪鳥躍≫ ≪守護者の盾≫ ≪救い主の手≫ ≪武闘家の血≫

プレイヤー3・ピロ(以降、燐音)/キャラクター名は、永丘燐音(ながおか・りんね)です。クラスは[狂戦士]1レベル、[狩人]2レベル、[処刑人]1レベル。物理白兵系女子です。
プレイヤー4・コトイ/「女子力(物理)」ですね(笑)
燐音/家族は、自分以外に能力者がいない一般人の家族。『背景』は『古川の血を引いている』。古川系列の女子です!

 古川財閥。
 さまざまな分野で名を轟かせている資産家の有名一族。
 「古川家」という財閥トップを中心に、武道の「三剣家」、霊能力の「青森家」、魔術と貿易業の「八木沼家」、不動産業の「伊賀崎家」、海運業の「鏡原家」などがある。
 『AW』では世界観設定のルールページに「古川一族出身、または財閥に関係したPCをしても構わない」と記している。


GM/以前、ピロ先輩と古川次期当主の中の人とで「古川家にも女の子が欲しいね」って話してたので、今回のPC参加は嬉しいです(笑)
燐音/大屋敷に住んでいるし、≪+50黄金律≫を持っているので大金持ちだよ。
しをん/金のニオイがする!
燐音/金のニオイとか言うな!(笑) ≪巨大武器≫≪乱舞≫で範囲攻撃ができます。≪覇魔矢≫でバッドステータス:毒を与えることができます。他にも≪薬物調合≫で薬物を作れます。≪強化手術:反射≫を持っているので高めかな。お家は製薬会社という設定なので……薬漬け?
GM/ちょっとその言い方はニュアンスが悪いですね……。
燐音/じゃあ……実験体になってます。
GM/ええっ!?(一同笑)
燐音/古川財閥は異能の仕事をしてる人が多いでしょ? 異端と戦うにあたって女の子だと大変なので、基礎能力は上げておきたいって感じで新薬の実験に付き合いました。「危険なお薬の実験を一回やっておこうかー!」みたいな?
GM/自分で志願したんですよね? 強制されてじゃないですよね……?
燐音/ポジティブな人体改造です!
しをん/カジュアル実験体ですね!(笑)
燐音/出来たら学校の生徒会長をしているといい。学年も他のPCより1つ上にしたので、生徒会長でいいかな?
しをん/わーい、燐音先輩だー!

 永丘 燐音(プレイヤー名:ピロ)
 クラス:[狂戦士1/狩人2/処刑人1]
  体力:14(+4)  反射:16(+5)  知覚:15(+5)
  理知:10(+3)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:25  MP最大値:15
重要キーワード:一般人の家族  背景:古川の血を引いている  特徴:大屋敷に住んでいる
ボーナス効果:1シナリオに1回MPを2D6回復  スキルウェポンのイメージ:大鎌
職業:中学3年生  性別:女  年齢:15  身長:160cm  髪色:黒  瞳色:青
 スキルウェポン→≪巨大武器≫
 狩人→≪覇魔矢≫ ≪痕跡発見≫
 狂戦士→≪乱舞≫ ≪失われた日々≫
 処刑人→≪薬物調合≫ ≪黒水晶の盾≫
 一般特技→≪強化手術:反射≫ ≪+50黄金律≫

プレイヤー4・コトイ(以降、小鳥)/キャラクター名は、大十字小鳥(だいじゅうじ・ことり)です。
GM/なんか、巨大ロボットを呼びそうな名前ですね……『まどか☆マギカ』の脚本家的な意味で。ニトロプラス繋がりというか……。
小鳥/デモンベインは呼ばないよ(笑) クラスは[感応力師]3レベル、[世界遣い]1レベルです。支援特化型です。これからも支援系の特技を取っていくので、攻撃は出来ません。振り直し、回復、防御の特技を持っています。
鴉華羽/ありがたーい。
しをん/一応スキルウェポンは持ってるけど、それはファッション?
小鳥/ファッションスキルウェポンの≪思念の刃≫は1D6ダメージ。たしなみ程度でございます。『重要キーワード』が『消失』。これは……「事故で死にそうな兄を救うために魔法少女になる」というのを想定しています。……このお兄さん、不良なんですよ。
しをん/ワオ、不良。
小鳥/『背景』は『友達のために全力で頑張る』。だから目先の目標は……高良しをんを更正させる!
しをん/ピンポイント! 喧嘩したいですねー!(笑)
小鳥/性格的にも少し不器用かな? 出来ればPC1と対立したいね。
GM/鴉華羽には元から仲良しだから世話焼かれて、小鳥には対立の末に世話を焼かれるのか。
しをん/でもって燐音先輩には年上だから世話を焼かれる!
GM/モテモテだな、PC1。しをんは愛されてるね。……兄がキッカケで魔法少女になりたいというなら、「既に魔法少女になっている」設定はどうでしょう?
小鳥/先にクェでむと知り合い関係だったら、PC4でも関わりやすくなれるかな。……性格的に、クラス委員や生徒会役員をやってそうだ。
燐音/それなら、生徒会書記になるのはどうだろう?
GM/燐音先輩と関わりやすくて良いですね。
小鳥/あ、そうだ……『特徴』は『不器用』です。料理を作らせると、デロっとした残念な卵焼きとか作っちゃいます。
燐音/モザイクっぽい料理ができるんだ?
小鳥/それを敵に当てたら1D6ダメージ。
燐音/≪思念の刃≫だ!?(一同爆笑)
しをん/「立派な卵焼きになりたかったよ」って残念な卵の思念が伝わってきそうだよ!(笑)
鴉華羽/卵が可哀想!(笑)

NO IMAGE 大十字 小鳥(プレイヤー名:コトイ)
 クラス:[感応力師3/世界遣い1]
  体力:10(+3)  反射:12(+4)  知覚: 9(+3)
  理知:14(+4)  意志:15(+5)  幸運:13(+4)
  HP最大値:18  MP最大値:26
重要キーワード:消失  背景:友達のために全力で頑張る  特徴:不器用である
ボーナス効果:興奮剤を取得  スキルウェポンのイメージ:??
職業:中学2年生  性別:女  年齢:14  身長:150cm  髪色:黒  瞳色:緑
 スキルウェポン→≪思念の刃≫
 感応力師→≪空間知識≫ ≪肉体復元≫ ≪念動障壁≫ ≪空のリング≫ ≪覚醒具≫ ≪過去視≫
 世界遣い→≪逆転運命≫ ≪禍福のさざなみ≫
 一般特技→≪興奮剤≫

 GM/PCの自己紹介が終わったので、NPC達の確認をしましょう。まずNPC1、名前はクェでむ。……そのイラストの生き物(笑)

鴉華羽/うわー、凄いのきたー……(笑)
しをん/真面目に可愛く描いたつもりなんだけどなぁ。
鴉華羽/か、可愛いよ……。
GM/うん、かわ……きも……かわ……?
燐音/素直に可愛いと言えないんだけどな……(笑)
しをん/語尾は「でむ」がいい。
GM/了解でむ。でむにするでむよ。
しをん/うん、可愛い。
鴉華羽/かわ……可愛い……?(笑)
しをん/可愛いと思うんだけどねぇ。
GM/……次。NPC2の名前は?
鴉華羽/奥田直人(おくだ・なおと)にしました。鴉華羽の幼馴染で、鴉華羽の両親が死んでることを知っていて、その頃から励ましてくれたり一緒に居てくれた男の子です。
GM/鴉華羽の両親が亡くなったのは3歳ぐらいだよね? なら保育園ぐらいからの仲か。となると、鴉華羽と同い年の14歳中学2年生……。
鴉華羽/ハンドアウトに「芸術家」ってあるので、絵を描くことが好きな子にしたいです。性格は、自分に自信が無いような……。
GM/元気っ子な鴉華羽とは逆に、物静かな男の子。良い感じじゃないかな。
小鳥/一人称は「僕」だね。
GM/では次。NPC3の名前は……。
燐音/秋津エリ(あきつ・えり)にしました。性格は……『ペルソナ3』の美鶴先輩風だと良い!
GM/真面目で凛々しく強くってカッコイイ女性ですか。
燐音/きっと身長は168センチぐらい……デカイな(笑) 中学3年生ってハンドアウトにはあるけど、出来たら別の中学校の制服を着ていてほしい。どこの学校の生徒か判らないといい。
GM/なんだか名字で呼びそうだ。「永丘女史」って呼びそう。
小鳥/おお、カッコイイ!(笑)
燐音/同い年にしたんですけど、先輩みたいな感じでお願いします。
GM/そんなカッコイイNPCのキャラロールできるかな……(笑) それでは、全員の自己紹介も終わったことだし本編を始めていきましょうか。


 ●マスターシーン1/最悪の魔女

GM/まず最初に、マスターシーンを読み上げます。長いマスターシーンですがお聞きください。
しをん/はーい……。

 ――12月24日。
 本来ならこの日の街は賑わいを見せていただろう。
 楽しい夜、子供達はプレゼントに胸をときめかせ、皆、笑顔でその日を過ごしただろう。
 だが、そんな楽しい日はやって来ない。
 嵐が街を襲う。避難する者達も多い中、多中灯也は両手にナイフを構え、嵐へ刃を向けた。
 ありとあらゆる力が彼のナイフを妨害する。

「これはまずい」

 焦り始める灯也の背後から、彼を救うべく杜谷柚弦による大量の弓矢が放たれた。


しをん/わ、灯也くんとユズルンだ……!

 無数の防御壁を抜け、中央を狙い撃つ。
 一本の矢が核を捉えた。叫び声が上がる。
 同時に、2人の身体が吹き飛ばされるほどの力が巻き上がった。

「こんな日に、何なんだよお前……!」


燐音/(←柚弦の中の人)まったくだよ! 何なんだよクリスマスに!?(一同爆笑)
鴉華羽/ああっ、ユズルンが飛ばされてる……!(笑)
燐音/(柚弦になって)「俺のクリスマスっていつもこうだよ! うっうっ!」(笑)
しをん/ドンマイ、ユズルン!(笑)

 アンドゥ=ファナは、空から恐ろしい街の現状を見た。
 至る所に赤。血痕。死体。力無き一般人が倒れている。
 教会のエージェント達も追い付いてない。街が少しずつパニックに侵されていく。

「今度はどこに行ったというの……!?」

 翼をはためかせ、彼女は空を舞い、捜す。
 人々を一人でも傷付けないために、この惨劇の犯人を止めるために。
 剣を手に、彼女は街へ降りる。同じく戦う彼女の元へ。

「約束された……勝利のフライパーン!」


しをん/キター!(笑)

 三好みなみは、まさに『その敵』と戦っていた。
 己の相棒を振りかざす。閃光が街を包む。最強の一撃をお見舞いした。


小鳥/(←みなみの中の人)己の相棒って!(一同笑)

 と思ったも束の間、抵抗をやめない驚異達が彼女に向かって大きく刃を……。

「危ない!」

 降り立つアンドゥがみなみの前に立ち、剣で奴の攻撃を弾いた。
 激しい音がぶつかり合う。


しをん/か、カッコイイ!(笑)
燐音/アンドゥちゃん、マジ守護天使!
小鳥/……あのさ、フライパンってさ。そこ、もうちょっとさ。
燐音/コトイさんが考えたPCでしょ!?
小鳥/ご、ごめんなさい……(笑)

 轟音。あまりに強い一撃。
 彼女達の顔から、不安が消えることはなかった。


しをん/街中に、カーンカーンっていうフライパンの音が鳴り響いてるんだ……(笑)
鴉華羽/ああ……なんか凄いシーンだ(笑)

 ――S市、某所。
 ある赤い車から小柄な少年と、燕尾服の男性が下りる
 血の香りが充満する夜。緊張感漂うその街を見て、彼らは武器を持つ。

「鏡原様。多中様と杜谷様はA市へ、アンドゥ様と三好様はN市へ……魔女撃退に向かわれました」
「ああ。だけど、S市にも似たような反応がある。まだ目撃したという話は聞かないが、草壁が調べた通りおそらくは……」

 2人の会話はそこで終わる。
 とても大きな、とてもとても大きな闇が現れた。
 普段なら冷静な2人も、軽口も叩けるような熟練者である2人も、口を閉ざし、目を見開き……武器を構える。
 草壁巡一郎は魔法剣を。鏡原恭介は二丁拳銃を。


しをん/カッコイイー……!

 銃口を、彼女に向ける。
 そこに立つのは、血濡れの魔女。

 ――聖夜、魔女が降臨した――。




 ANOTHER WORLD SRS
  「VICTIM GIRL」

 First Loop 『 ...The wrong dream... 』




しをん/わあー! カッコイイー! 今までのリプレイのキャラがいっぱい出てきたね、カッコイイー!
燐音/アンドゥちゃんとみなみちゃんも凄いけど、草壁さんと恭介くんの共闘か……カッコイイな。燃える!(笑)
GM/灯也くんとユズルンの共闘も胸熱ですよね。……それにしても、みなみちゃんってギャグですね。
小鳥/1人ぐらいギャグがいても良いんじゃない?(笑)
鴉華羽/良いと思いまーす!(笑)
GM/色んなネタや伏線が散りばめられたマスターシーンでした。それでは本編を始めるよー。
しをん/わーい!