アナザーワールドSRS・リプレイ・ビクティムガール
■ 第1ループ 『 The wrong dream 』 2ページ ■
2012年11月23日




 ●オープニングフェイズ/小鳥 〜逆行〜

GM/PCのオープニングシーンを始めていきましょう。最初は、PC4の小鳥ちゃんから。
小鳥/はい!
GM/小鳥ちゃんの設定をおさらいしましょう。改めてどんな設定か話してくれますか?
小鳥/はい。小鳥の兄・大十字隼人(だいじゅうじ・はやと)は……理由がなんであれ悪い人と付き合うようになり、不良になってしまいました。心配する両親に「うるせーな!」って乱暴に言い、夜を遊び歩くようになりました。
GM/ふむふむ。
小鳥/ある夜、兄がバイクを乗り回し……交通事故に遭ってしまいました。
GM/バイク事故ですか。被害者は彼一人かな? 運転を誤り、電柱に激突したとか。
小鳥/兄は一命は取り留めました。でも、いつ死んでも判らない状態になってしまいました。
しをん/植物人間状態?
小鳥/事故から3日経っても意識を戻さない兄。消沈する両親、どうすればいいか判らないしどうすることも出来ない小鳥。……そんな兄を救うために魔法少女になって時間を戻した、っていうのはどうかな?
GM/[世界遣い]っぽくて良いですね。それでいきましょう。
小鳥/自分はお兄ちゃんを止めることも出来なかった。優しいお兄ちゃんだったのに自分には何も出来ない。呆然と病室で座っています。
GM/この事故のとき、小鳥ちゃんは何歳?
小鳥/えっと、本編から1〜2年前ぐらいがいい。小学6年生ぐらい? お兄ちゃんは高校生ぐらいで。……お母さん達は言うんですよ、「どうしてこんなことになってしまったんだろう」って。「どうして兄が不良になってしまったんだろう」って、ずっと後悔をしている両親を見ています。
GM/両親は後悔をしているけど、当の小鳥ちゃんは?
小鳥/嘆き悲しむ両親を見て、「時が戻ればいいのに」って思っています。そしたらもっと良い家族として過ごすのに……。
GM/交通事故から3日。両親は付きっきりの看病をする訳にも行かず、小鳥ちゃんに「お兄ちゃんを宜しくね」と任せて出て行く。小学6年生には何の世話が出来るんだって感じだけど。ちょこん。
小鳥/ちょこん?
GM/可愛らしい効果音が鳴ります。
小鳥/私は病室に居るんですよね? 俯いていた顔をゆっくりと上げます。
GM/時刻は夕方。誰も居ない、橙色の夕日に照らされる病室。窓から、白くてふわふわした何かが顔を出している。
小鳥/何……?
GM/猫か仔犬ぐらいの大きさの何かだ。顔をぴょこんと出しているだけ。
しをん/まだ可愛いですよ。
小鳥/「まだ」ってどういう反応をすればいいの!?(一同笑)
しをん/普通に可愛いですよ!
小鳥/い、今はボケないでシリアスシーンを頑張る!(笑) ……突然そんなモノが現れて、ビックリするよ。
GM/「悲しいでむか?」
小鳥/喋った。咄嗟には答えられずに驚く。
GM/「悲しんでる顔をしてるでむ。泣き疲れて涙は流し尽くした顔でむ。女の子はそんな悲しい顔をしちゃダメでむ」
小鳥/……貴方は?
GM/「クェでむ。クェでむっていう名前だでむ。クェでむは魔法の生き物でむ!」
小鳥/クェ……でむ? 魔法の生き物? ふらふらとそれに近寄ります。
GM/見た事のない生き物だ。白くてふわふわ、不思議な形をしている。
小鳥/抱き上げてみようか。そっと手を伸ばす。
燐音/手がデロン。
小鳥/ここは良いとこだから! この先あるか判らないシリアスシーンだから!(一同笑)
GM/「クェでむは、悲しんでいる女の子を救いたいでむ。クェでむには救えるでむよ。クェでむは何でも願いを叶えることができるでむ。何でも叶うんだでむ」
小鳥/救う? 叶う? ……どういうこと?
GM/「クェでむの手を取れば願いが叶うでむ! でも……願いが叶ったら、クェでむと一緒に戦ってほしいでむ」
小鳥/戦う……?
GM/「一緒に悪いモノをやっつけるでむ。もしボクと一緒に戦ってくれるというのなら……君の願い、何でも叶えてあげられるでむ」 その生き物の声は、少年のように愛らしい。だけどどこか妙に説得力がある不思議な声だ。
小鳥/夢かうつつか判らない状態で……クェでむの体を抱えます。本当に何でも叶えてくれるの? お兄ちゃんは助かる? お母さんはもう泣かない? お父さんも辛くならない?
GM/「みんなが泣かないようにって願えばいいでむ。ボクは心優しい人は大歓迎でむよ。ただちょっとだけキミが辛い目に遭うだけ。少し我慢すればキミの願いでみんなが幸せにできるでむ!」
小鳥/辛いの? 痛いのは……怖いけど、幸せになれるなれるなら……助けて。
GM/願いをどうぞ、彼に言ってください。
小鳥/……時を戻してほしい。お兄ちゃんがまだ優しかった頃に。
GM/君は彼を抱きかかえ、願い事を言う。すると世界が真っ白くなる。……君は目を覚ます。
小鳥/目を……?
GM/チュンチュンという鳥の声が聞こえる。窓から朝日が差し込んでくる。今、君が居るのは……いつも自分が寝ている布団の中だ。
小鳥/自分の部屋だ……起き上がって、周りを見ます。
GM/ここは自分の部屋で間違いないけど、景色が数年前のものになっている。大体2年前ぐらいの朝の光景だ。
小鳥/小学4年生ぐらいになっているのかな……部屋に当時好きだったものがあったりするんだ。
GM/でも唯一、君の部屋に見覚えない物があった。卵ぐらいの大きさの綺麗な宝石が転がっている。
小鳥/宝石……。
GM/色は、小鳥ちゃんの好きな色です。
小鳥/じゃあ……緑色にします。
GM/緑色の綺麗な宝石が君の目の前にあります。その宝石を見ていると、お母さんが「朝ご飯よー!」と声を掛けてくれる。そして隣の部屋から「ヤッベ、遅れる!」と男の子の慌ただしい声が。
小鳥/宝石を握って、弾かれたようにパジャマのまま駆けて行く。
GM/小学4年生の君の兄は、中学2年生。これから思春期を迎える、まだ幼さの残る少年です。お母さんは小鳥ちゃんに「もうっ、こんな時間なのにまだパジャマのままなの?」って怒るよ。
燐音/お兄ちゃんは制服姿で朝食をかっ食らってるんだね。「なんでもっと早く起こしてくれなかったんだよ!」とか言ってたり(笑)
鴉華羽/お母さんが「まったく、何度も起こしたでしょ!」って言ったり(笑)
GM/お父さんも「それじゃ、行ってくるぞー」って言ったり。健康的なツヤツヤした肌でね。2〜3年前まで君の元にあった、幸せな光景だ。
小鳥/……キョトンとしてる。
しをん/(お母さんになって)「小鳥! まだ寝惚けてるの? 早く着替えてきなさい!」
小鳥/……ふぇ……と、そのまま泣き出します。
GM/泣き出したら、お兄ちゃんビックリ。出掛けるお父さんもビックリ。キッチンのお母さんもビックリ。
燐音/(お兄ちゃんになって)「ど、どうしたんだ小鳥!? どっか痛いのか!?」
鴉華羽/(お母さんになって)「だ、大丈夫!? お腹が痛いの? 平気!?」
GM/お兄ちゃんもお父さんもお母さんも、みんな君の元に寄ってくる。みんながみんな、声を掛けてきてくれる。……泣きながらお兄ちゃんの方に顔を向けると、お兄ちゃんの背後に白い生き物が笑っているのが見えた。
小鳥/それに目を合わせる。……でも、特に何も言わない。
GM/それは君が小学4年生のときのこと。その日から君は、[世界遣い]の能力者として第二の人生を歩み始めるのでした。
燐音/小学4年生からやり直すのかぁ……学校の勉強なんてチョロイね!(笑)


 ●オープニングフェイズ/鴉華羽 〜花〜

GM/次は、PC2の鴉華羽ちゃんのオープニング。君はいつもどんな風に日常を過ごしてますかね。
鴉華羽/朝起きたらおばさんと一緒にお料理を手伝います。お弁当を沢山詰めます!
GM/自分でお弁当を作ってるんだね。
鴉華羽/いっぱい食べるからね。自分で作らないとおばさんに怒られちゃうから! それからチャリアカーを出して、しをんちゃんの学校に連れて行きます!
しをん/チャリアカーで!? 学校に連れて行かれる!(笑)

 チャリアカー。
 自転車(チャリ)の後ろにリアカーを繋いだもの。
 運転手の力でリアカーに乗せた人をリラックスした状態で運搬することができる手段。


燐音/でもチャリアカーって、道路交通法違反って聞いたけど……。
GM/S市には道路交通法違反なんてものありません。
しをん/S市スゴイな!?(笑)

 現実には道路交通法違反のため、運転する側は5万円、リアカーに乗る側は2万円の罰金ものである。

鴉華羽/チャリアカーを漕いでしをんちゃんの家にピンポーン! おはようございまーす! しをんちゃんを迎えにきましたー! しをんちゃんは居ますかー!
GM/しをんママはいつものようにドアを開けてくれる。「うちの子ったらまだ寝てるのかしらねー」
鴉華羽/ドアパーン! おーいしをんちゃーん!
しをん/ヤバッ!? 昨日遅くまでゲームしてたから出遅れた!
鴉華羽/朝だよー! 学校行こうー!
しをん/いやだ!
鴉華羽/担いでヨイショヨイショ!
しをん/服! 服だけでも着させて!(笑)
燐音/(お母さんになって)「はい、制服」
鴉華羽/ありがとうございまーす!
しをん/せめて顔を洗わせて!(笑)
鴉華羽/学校行ってからでもできるよ! 大丈夫!
しをん/ハブラシは!?
鴉華羽/あるある! チャリアカーに必要な物は全部乗ってるよ!
しをん/あるんだ!? なんてこったい!(笑)
GM/通学途中、クラスメイト達が「おはよう、神白さん」って声を掛けてきたり。
鴉華羽/おはよー!
GM/「あ、高良さんもおはよう」と生徒達が通り過ぎて行く。
小鳥/……その間も、ずっとギーコギーコ揺られてるんだよね? なんなのこの羞恥プレイ(笑)
しをん/不良にだってプライドはあるんだよ!?
鴉華羽/じゃ、一緒に歩こ?
しをん/パジャマだから嫌。
燐音/着替えろ。
GM/鴉華羽ちゃんは校門に向かう。だがしかし、君は朝練に行く前に駐輪場に行かなければならない。
燐音/普通にチャリアカースペースがあるんだ……(笑)
鴉華羽/よいしょっと。しをんちゃん、着いたよー。
しをん/いつもありがとよ! よっこいしょっと!
鴉華羽/朝練してくるねー!
GM/……12月の朝練の通学時間に起こされたんだね、しをんちゃん。
小鳥/早いな。運動部の朝練って朝7時とかでしょ?
しをん/だからいつも5時起きで逃げてるんだよ!?(笑)
燐音/その気合いをもっと別のところに回そうか(笑)
鴉華羽/朝練をしてー、寒いーって言いながら動いてー。寒い寒いー、でも頑張るー!
GM/寒くても動いてれば暖かくなるよ。12月上旬の今、何も予定の無い時期なので1月下旬の大会に向けて頑張って練習してるんだね。スポーツ特待生だしちゃんと成果を出さないと。
しをん/県内記録を塗り替えたこともありそうだね。今朝もウォーミングアップしてきたし。
小鳥/朝のアレってウォーミングアップなんだ……(笑)
GM/チャリアカーってタイヤを体に括りつけて走るぐらいの運動になりそうですよ。同じ部活の女子が「私もチャリアカーを始めてみようかな」って言い始める。
しをん/この学校にチャリアカーブームが!?(笑)
鴉華羽/楽しいよ! 荷物もいっぱい持てるし便利!
しをん/荷物扱いされた!(笑)
GM/しをんちゃんと鴉華羽ちゃんはクラスが同じかな。朝練が終わって教室に戻ると、しをんちゃんが……居るのかしら?
鴉華羽/ここまで来ちゃったら帰るのは面倒臭いでしょ?
しをん/うん。しょうがないから、空き教室で着替えて身支度したよ。憮然とした顔で教室に居る。
鴉華羽/さっきも挨拶したけど、しをんちゃんおはよう!
しをん/おはよ。元気ね。
鴉華羽/どうしたの、しをんちゃん。今日、テストとかじゃないよね?
しをん/そんなの判んないよ。
小鳥/同じクラスなので登場しまーす! ……今日? 数学の小テストがありますよ。
鴉華羽/マジで!?(笑) 小鳥ちゃん! 勉強教えてー!
小鳥/ふう、たまには自分一人で勉強してみたらどうですか? それと朝の教室にしては声のボリュームが大きいです。
鴉華羽/あ、ごめんなさーい……。
燐音/うるさいから、数学の小テストに向けて勉強している男子の邪魔になるね(笑)
GM/きっと隣の席の男子の森本は、鴉華羽ちゃんがうるさくってテスト勉強が出来ません。
小鳥/……あら、高良しをんさん? 今日はちゃんと登校しているんですね?
しをん/うー。不本意だけどね……。
GM/では担任が入ってきてホームルーム。終わったら一限目、すぐに数学の小テストが開始されます。
しをん/めんどくさいなー……。
GM/3人は【理知】判定をしてね。勉強していないことを公言した鴉華羽ちゃんはマイナス2の修正付きで。
鴉華羽/終わったー!?(笑)
小鳥/(ころころ)12です。
鴉華羽/(ころころ)あれ、そんなに悪くない。10だった。
小鳥/……そこは、私の努力の結果で鴉華羽ちゃんの達成値は10になったの!(笑)
鴉華羽/こ、小鳥ちゃんありがとうありがとう!(笑)
GM/さっきの男子こと森本は出目が1・2だったそうです。
燐音/森本になって)「くそ、神白め! クソッ!」(一同笑)
しをん/ドンマイ!(笑・ころころ)しをんは13です。不登校のくせに頑張った。
GM/しをんちゃんはなんだかんだで勘は良いんじゃないかな。直前に「この式だけを覚えればいい!」でテストを切り抜けてきたタイプ。
しをん/鴉華羽、結構良い点数だったじゃん。スゴイね。しをんはいつも宝箱型のお菓子入れを持っている設定なので、だから……ハイ、あげる。
鴉華羽/わーい、お菓子だー! ありがとー!
小鳥/お菓子って校則違反じゃないんですか? 高良しをんさん、校則違反ですよ!
しをん/なにカタイこと言ってんの。いいじゃん、飴玉1つぐらい。煙草じゃないんだし。
小鳥/その1個の油断が貴方の崩壊に繋がるんです!
鴉華羽/お……オロオロ!? これって返した方がいいの!? ごめんね!?
しをん/それ、喉飴でーす。ミルキーって書いてあるけど喉飴でーす。
鴉華羽/ご、ごめんね!? ごめんね!?(笑)
GM/……何の因果か、しをんと小鳥ちゃんは席が隣同士、だからこんな言い争いが多発する。小鳥ちゃん達の前の席が鴉華羽ちゃんなので、いつも鴉華羽ちゃんは小鳥ちゃんに勉強を教えてもらっている。そして鴉華羽の隣が森本です。
燐音/森本になって)「クソッ、席替えはまだかよ!?」(一同笑)
しをん/森本……一番被害を被ってる。可哀想(笑)
GM/そんな学校の生活。放課後になったらまた部活。中学生の部活動は17時になったら終了だ。夕方5時になって、君は……?
鴉華羽/えっと……直人に会いに行きたい。
GM/直人。君の幼馴染は、現在入院中だ。
鴉華羽/じゃあ、病院に行きます。
GM/鴉華羽の幼馴染・奥田直人は美術部の男の子。絵が巧く、何度も賞を取ったことのある芸術家でした。でも3ヶ月前、まだ夏だったある日……交通事故に遭ってしまった。車に轢かれ、命は取り留めたけどリハビリが必要なためまだ学校には通えません。
燐音/リハビリは進んでる?
GM/歩けるようにはなりました。でも指がまだ本調子に戻らないため、筆を持つことはまだ出来ないそうです。
鴉華羽/直人にお花を届けに行く。病院に行きます。
GM/では、学校から歩いて行ける距離……でも君の家とは真反対の所に病院があります。部活が終わって走って行けば、ギリギリ面会時間に間に合うよ。
鴉華羽/病室に行って……。直人ー、お見舞いきたよー。出来る限り小声で言う……。
小鳥/チャリアカーはどうするの?
鴉華羽/お見舞いが終わったら、学校に戻って取って帰る。
小鳥/それもジョギングみたいなもんなんだろうか(笑) あ、病院に行く前に私服に着替えてると可愛いね。
鴉華羽/それ良いな、着替えてから行きます!(笑)
GM/小声で覗いたリハビリテーションルームに直人は居ます。理学療法士さんと手の訓練をしていました。器具を握って指を動かす運動だね。
鴉華羽/えっと、入って大丈夫かな……?
GM/看護師さんが鴉華羽ちゃんを見れば「いつも直人くんのお見舞いにくる女の子だ」って判ってくれるから、ニコニコしながら去って行ってくれるよ。
鴉華羽/あっ、い……いいんですか?
GM/(看護師になって)「いつもお見舞いありがとね。じゃ、ごゆっくり。でも一般面会時間は6時半までだからね?」
鴉華羽/は、はーい! 判りました!
GM/看護師さん達が居なくなった病室で、直人が口を開きます。「今日も、来てくれたんだ……」
鴉華羽/う、うん。お、お花をね……そろそろ替えなきゃかなって言ったらね、おばさんがね、用意してくれてね……いいでしょ、綺麗なお花だよ、買ってきたんだよ!
GM/「鴉華羽が買ったの?」
鴉華羽/あ、あたしのお小遣いじゃ買えないから、おばさんがお金を用意してくれて……その、赤いお花(笑)
GM/綺麗な赤いお花を買ってきてくれたんだね。「いつもありがとう」
鴉華羽/い、いいんだよいいんだよ! 直人こそ、早く動けるようになるといいよね!
GM/「そのために今、頑張ってるんだよ」 直人は儚く笑う。
鴉華羽/う、うん!
GM/「……でも、もうお花を持ってきてくれなくていいよ」
鴉華羽/えっ? もうすぐ治るの……?
GM/「それは判らないけど。でも、お花だって安くないんだろ?」 何回もお見舞いに来てくれて、そのたびにお金を使わせちゃっている。部活動もしているのにこっちにも時間を費やしている。「そんなことしなくていい」と、鴉華羽のことを気遣って言います。
鴉華羽/う……うう。そうだよね……ごめんね。
GM/「来てくれるのは嬉しいけど、僕のせいで鴉華羽に負担をかけるのは嫌だよ」
鴉華羽/あ、ありがとう直人……お花は無理して買ってこないようにするけど、あたしが直人に……会いたくて……来てるんだから……。
GM/「でも、部活も大変なんじゃ……」
鴉華羽/大丈夫大丈夫! 今日だって凄く巧く飛べたんだよ! すっごい綺麗な青空だったよ! 朝練でも良い記録が出たんだよ!
GM/「そっか。僕……鴉華羽が飛んでいるのを3ヶ月も見ていないんだよな」 ポツリと言う。
鴉華羽/は、早く見せたいな……!
GM/「……早く見られるようにしないとね」
鴉華羽/うん、うん……! すぐ動くようになるから大丈夫だよ! あたしも……直人の絵を早く見たいもん!
GM/それを聞いた直人は、少しだけ表情を曇らせる。……リハビリは順調のようだ。でも繊細な動きはまだ出来ないらしい。だからぎこちない笑みを浮かべて、「頑張るよ」と言う。
鴉華羽/あ……。自分でも失敗したかなって思って慌てます。が、頑張って! あっ、もう時間かな!? 洗濯物があったりしない!?
GM/「洗濯物は無いけど……そうだ。そこの引き出しを見て」
鴉華羽/うん? 引き出しを開けます。
GM/お菓子の箱があります。「お見舞いに貰ったんだけど、僕はあんまりクッキーとかいっぱい食べないし……鴉華羽なら食べてくれるかなって思って」
鴉華羽/く、くれるの? ありがとう! 今度は……あたしが直人の好きな物を持ってくるね!
GM/「だからそんなに気遣わなくていいのに」と直人は笑う。……この拒否は、あくまで君の負担になりたくないから「来なくていいよ」「面倒しなくていいよ」って言ってるだけですよ。
鴉華羽/でも折角貰ったらお返しするよー! なんだったら手作りしてこようか!?
GM/「鴉華羽って料理得意だったっけ?」
鴉華羽/失礼な! お弁当を詰めるぐらいはできるよ!
燐音/料理って何で判定すればいいの?
GM/器用さは【反射】、あとは【幸運】判定ですね。
鴉華羽/【反射】判定だったら得意だよ! 大丈夫だよ、お料理はそこそこできるもん!
GM/「そのうちね」と話していると、看護師さんが「神白さーん、そろそろ時間よー」。
鴉華羽/はーい! じゃあね、直人。
GM/「またね。最近物騒だって言うから気を付けて」
鴉華羽/大丈夫、あたしの足には誰にも追いつけないからー!(笑)
GM/そんな君は、学校に……駐輪場のチャリアカーを取りに戻りましょうか。


 ●オープニングフェイズ/しをん 〜予感〜

GM/では、PC1・しをんちゃん。君はなんで不良になったんだっけ?
しをん/元々は普通の女の子でした。中学1年のとき、病気の手術をしまして、その手術をしたぐらいから何だかいつもイライラするようになってしまいました。クラス[異端者]の演出としてなんですけど……。
GM/ふむふむ。
しをん/異端って負の感情がご馳走で、学校は異端のご馳走の溜まり場って設定がありましたよね?
GM/うん。異端は「怖い」とか「辛い」「苦しい」「嫌だ」と言ったマイナスの感情が大好物です。だから多感な年齢が集まる学校や、苦しんだ人が集まる病院は餌の宝庫です。
しをん/……退院後に何度か学校に行ったんだけど、クラスメイトの誰かが失敗したところを見たら「クスッ」て笑っちゃたり、気分が良くなることがあったんです。
燐音/それを見たクラスメイトが「なんかあの子、カンジ悪いよねー」って言いそうだ。
しをん/それもあるし、学校に行きたくない一番の理由は……自分自身も「自分はなんて嫌な奴なんだろう」って思っちゃったのがあります。
GM/自覚してるんだ。
しをん/だからこそ≪強化手術:意志≫……意志で堪えようとしてるんです。それから学校に行くのも億劫になり、自暴自棄になって煙草に逃げてしまいました。
GM/ご両親の反応は?
しをん/大手術を経験して、状況が変わってしまったのもあるし……年頃の女の子相手にどうしたらいいか判らないというのもあって、腫れ物を扱うような感じですね。
GM/只でさえ病気でナイーブになっているんだから、今は落ち着くまで様子見……少しずつ距離を縮めていこうと努力はしてる、ぐらいかな?
小鳥/お母さんは自責の念を抱えていそうだ。病弱な体に生んでしまったのもあるからね……。
GM/生まれつき体が弱くて、やっと体力がついてきたから12歳で大手術……って感じかな。それなら元気になっても「学校に行け!」と強制できないね。
しをん/元から病弱だったのもあって、見守ってくれています。……今は小鳥ちゃんに注意してもらったおかげで、煙草からお菓子に精神安定剤を変えるようになりました。
GM/小鳥ちゃんに注意してもらう以外にも、鴉華羽ちゃんが毎日「学校に行こう」と言ってくれるし。……今は安定したんだね。
しをん/正直、学校には来たいけれど……まだ自信が無い状態です。まだちゃんと馴染めるか判らないし、自分の負の面を出さないようにする自信がありません。
GM/そんな君は……今日、数学の小テストがあったけどそこそこの点数が取れた。前の席の森本が大変恨めしい顔をしていたけど好調だ。
しをん/教科書をそっと立てて森本の顔を見なーい(笑)
GM/放課後になりました。小鳥ちゃんはいつものように「生徒会の仕事がある」と言って出て行く。
小鳥/じゃあ、教室を出て行く前に。……しをんさん、もう煙草は吸ってないですよね?
しをん/どうだろうねぇ? 茶化すように言います。
小鳥/それには睨みつけます。
しをん/おお、こわいこわい。クスクス笑っています。
小鳥/……煙草に戻ったとしても、また止めるだけですけどね。
しをん/あんまり関わらない方がいいよ。めんどくさいでしょうに。
小鳥/めんどくさいかどうかは私は決めます。ぷんっ。
GM/そんなやり取りを聞いている、部活前の鴉華羽ちゃん。
鴉華羽/仲が良いなーって思ってる! しをんちゃんと小鳥ちゃんは素直になれないだけだから!(笑)
燐音/不器用と不器用と楽観的のトリオである(笑)
鴉華羽/あのさ、しをんちゃん。あたし、部活が終わったら直人の所に寄ってくるから……えっと……。
しをん/学校で待ってるよ。
鴉華羽/ご、ごめんね……。
しをん/いいよいいよ。その代わり、帰りはちゃんと乗っけて帰れ。
鴉華羽/オッケー、判った!
GM/そんな会話をしたので、鴉華羽ちゃんが病院から帰って来るまで学校で待つことにしました。
しをん/例のお菓子箱……シヲンボックスから飴玉を取り出して食べてます。
GM/シヲンボックス(笑) お菓子を食べながら夕暮れを過ごし、時刻は6時半。そろそろ学校を出なくてはいけない時間になってきた。
燐音/下校チャイムが鳴ったあたりで、見周りとして2年生の教室にやって来た生徒会の燐音を登場させたいです。
しをん/おっ!(笑) それならしをんは廊下で、先生に見付かるかもしれないのにペロペロキャンディーを堂々と食べています。
燐音/堂々と食べてるの?(笑)
しをん/窓から外を見ながら、鴉華羽はまだかなーって。
燐音/持っていた生徒会の資料で頭をポンッ。
しをん/わっ。……せ、生徒会長?
燐音/校内の飲食は原則禁止ですよ、高良しをんさん。
しをん/はーい。キャンディーを口から放します。……手に持ってるけど。やめましたよー?
燐音/今日も神白さんのお迎え待ちかしら? 有名だろうから知ってることにします。
GM/君達、有名だとよ。
しをん/誰かさんのおかげで有名人だよ!(笑)
鴉華羽/だって足から引っ張っていったら頭が痛いって言ったのはしをんちゃんじゃん!(笑)
小鳥/あと小鳥が「聞いてください先輩!」っていつも2人のことを言ってるんかも。「私が折角作った卵焼きをあろうことか生ゴミだって言うんですよ!」って。
燐音/それは高良さんは何も悪くない(笑)
鴉華羽/あ、鴉華羽はダメージ4点までの卵焼きだったら頑張ってダメージ弾いて食べるよ!?
しをん/命が惜しくないのか!?(一同笑)
燐音/……待っているのはいいけど、あんまり下校が遅くならないようにね。
しをん/はーい。生徒会長もほどほどにー。
燐音/私は好きでやっていることだから苦じゃないわ。これが生徒会長の仕事だからね。
しをん/流石ですねぇ。
燐音/夜は何かと危ないから、帰るときは気を付けなさい。
しをん/大丈夫ですよ、鴉華羽の脚力があれば誰にも追い付けませんよー。
燐音/普通の変質者だったらチャリアカーでも逃げ切れるだろうけど、それでも。……夜は危ないから気を付けてね。フラグを立てて帰ります。
しをん/フラグ、ありがとうございまーす!(笑)
燐音/お菓子を食べるときは見付からないように食べなさい。クラスの巡回に戻ります。ふう、フラグを立てるだけ立てたぜ。
GM/フラグ、ありがとうございまーす!(笑)
しをん/……言いつけだけは守って、見えないところでお菓子を食べてます。
GM/では、しをんちゃん。【知覚】判定をしてください。難易度は8。
しをん/(ころころ)普通だな、達成値11です。
GM/君が隠れたところでおやつをペロペロしていると、誰かが君を見ている気がした。
しをん/誰だ?
GM/ぴょこん。
しをん/ん?
GM/ぴょこん。ぴょこん。可愛らしい音がした気がする。
しをん/なんだ? ……犬? 猫? どれどれー?
GM/見当たらない。
しをん/んー……変な音したけど、あんな音をさせる生き物なんていたっけ?
GM/動いて探してみようかなーって考えてると、あちらの道から鴉華羽ちゃんの姿が見えてくる。
しをん/おっ。おつかれー。
鴉華羽/ただいまーっ! ……ねえねえ、直人からクッキーを貰ったの! 一緒に食べよ!
しをん/食べていいの? ……病室でデートしてきたんでしょ? あたしが貰っていいの?
鴉華羽/えっ、デートじゃないよ!? デートじゃないから! 違うもん!(笑)
GM/しをんは直人と知り合いでいいのかな?
しをん/鴉華羽がいっぱい直人のことを話すから知ってる程度かな。
燐音/美術のコンテストで入賞すると、全校生徒の前で賞状を貰ったりするだろうし……見たことはあるだろうね。
しをん/直接面識があるっていうよりも、遠くから見ていたり、鴉華羽から又聞きで知ってるぐらい。鴉華羽と一緒に写ってる写真を見せてもらったこともあるから、顔は知っている。
鴉華羽/「直人はねー、絵が巧いんだよー!」っていつも話してる(笑)
GM/そんなことをしていたら、時刻は7時。警備員のオジチャンが「そろそろ出なさーい、あと5分で校門閉めちゃうぞー」って笑って言ってくる。
鴉華羽/わー! ごめんなさーい! 今、出まーす!
しをん/すみませーん。……はあー、夜だから暗いねー。
鴉華羽/ちゃんと灯りを点けないとね。車が来るから危ないだろうし。
しをん/リアカーに乗って、懐中電灯を持ちまーす(笑) 寒いから布団を被る。
GM/そうだね、布団があったから寒くないね(笑) そんな2人の少女の姿を、とある目が追いかける。そんなことは知る由も無い。
鴉華羽/ん……?
GM/丸い丸い、真ん丸なお目々が君達を見ていた。そう、AAにしやすそうな目で……。
しをん/感情がこもってなさそうな目で可愛い!
燐音/怖いよ!?(一同笑)


 ●オープニングフェイズ/燐音 〜事件〜

GM/お待たせしました、PC3・燐音ちゃんのオープニングです。燐音ちゃんはどんなキャラクターですか?
燐音/家は古川系列の大きな製薬会社。年の離れた兄がいるので後取りではないです。家族には異能の力を持った人はいなくて、燐音だけが力を持って生まれました。
GM/ふむふむ。
燐音/周りは力に対する理解があるけど、本当の理解者はいませんでした。なので他の家に弟子入りをして、力の使い方を覚えました。
GM/三剣家に弟子入りしたとか?
燐音/はい、三剣家で! 旭人お兄様に稽古をお願いしますグシャー!
しをん/旭人さんがグシャってされた!?(笑)

 三剣家。
 古川一族の一つで、本家・古川家の当主を守る武道の家。
 元々は人外の血が混じった異能の一族らしく、人間離れした高い戦闘能力を有していることで有名。一般開放の武術道場を開いている。
 詳しくは『迷宮キングダム・リプレイ〜夢魔炎上』参照。旭人というのは、三剣家の三男坊のことである。


GM/燐音ちゃんは『サークルビショップ』の千歳お嬢様(伊賀崎家の長女)と年が近いし、『アポクリズモス』の恭介くん(鏡原家の長男)とも仲良しなイメージがある。でもそれって、古川本家に来れば孤独じゃないってだけで……ご家族では孤立してしまいがちですか。
燐音/そんな感じで、自ら志願して製薬会社で作った薬を投与してもらって「ワーイ【反射】が上がったー」とかポジティブ人体改造に日々勤しんでおります。
鴉華羽/サクサク感覚で人体改造!(笑)
GM/家柄も良く、優秀で人気もある君は当然のように生徒会長をしている。その傍ら、教会のエージェントとしてS市支部で活動をしている。そんな君は今日、教会に呼ばれます。
燐音/お仕事の話かな?
GM/君を呼んだ人の名前は、高坂といいます。
燐音/キャー! 高坂さんだー!(笑)

 高坂。
 様々な事件の仲介屋(コーディネーター)をしている男。PCのような能力者達に「仕事」を紹介することを仕事とする斡旋人。
 詳しくは『AW公式NPC・パーソナリティーズ』参照。世にも珍しい、何も裏が無くて本当に無害で善良なNPCである。


GM/気に入っていただけて嬉しいです(笑) 高坂は「会う時間は君が好きに決めていいよ」と言ってくるので、お好きな時間帯に教会でお話しましょう。
燐音/では朝に会いましょう。早めに家を出て、近所の教会に行きます。おはようございます。永丘の燐音、参りました。
GM/(高坂になって)「ああ、おはよう。朝から呼び付けちゃってごめんな」
燐音/いえ、こちらこそ朝早くからすみません。ぺこりとお辞儀します。
GM/「早い分には良いもんなー、早起きは三文の得だもんなー。これから学校に行かなきゃいけないんだし、話は早めに終わらせるよ。座ってくれ」
燐音/はい。適当な席に座ります。
GM/「燐音ちゃんの耳にも入ってるかな。……全国的に自殺事件が起きてるってやつ。この不景気、自殺は年齢問わず起きてることだけど、13〜15歳ぐらいの少女達がやけに死んでいるって話がある」
燐音/自分の学校にも1人ぐらいいたのを思い出します。苦い顔をします。
GM/「自殺とひとまとめに言っても死に方は様々だ。首を吊った、高所から飛び降りた、ホームから飛び出した……」 言いながら、高坂は資料を渡します。「ただ、ここに記した少女達に関しては、自殺する前日にある兆候を見せている」
燐音/前日に……?
GM/「彼女達は死ぬ前日、錯乱状態に陥っていた。意味不明なことを叫び出し、誰かに手を上げたり、物を壊したりしていた。『前日に錯乱した少女が死ぬ』事件は全て含めて30件は起きている」
しをん/30件!? それは多すぎじゃ……。
燐音/自殺者がそれ以上いることは確かでしょうけど……30人も同じケースがあるのはおかしいですね。集団自殺という訳でないんですね?
GM/別個の自殺が多発しています。
燐音/……でも、ただの自殺だったら教会のエージェントは動きませんよね?
GM/高坂は頷く。「ここからが本題だ。その自殺者は前日……口を揃えて言うらしい。『化け物が出た』と」
燐音/化け物?
GM/「どこに化け物が出たと訊いても、教えてくれない。いや、教えてはくれるんだが俺たちでは発見できないというか……。あ、やっと来てくれたな」 高坂は立ち上がり、扉の方に行く。
燐音/うん……? そちらを見ます。
GM/高坂は誰かと応対し、とある女性を招き入れます。「燐音ちゃん、紹介するよ。彼女は秋津エリだ」 
燐音/……初対面ですよね?
GM/初対面です。名前も聞き覚えはありません。
燐音/新しい教会のエージェントさんですか?
GM/「ああ、そんなもんだ。彼女はこの事件を担当している。この事件は俺よりも彼女の方が専門だから、バトンタッチするな」
燐音/はい……。
GM/彼女の外見は……168センチ、高身長でモデルさんみたいにスタイルが良い。中学生っぽい制服は着てるけど、大人のように落ち着いた雰囲気で、女性の目から見てもとてもカッコイイ人だ。
燐音/年上、だよね。初めまして、永丘燐音と申します。秋津先輩で宜しいですか?
GM/(キリッとした低い声で)「ああ。今回の事件のためにS市に配属された、秋津エリだ。お前が永丘だな。高坂から話は聞いている」 凛とした声で握手を求めてくる。
鴉華羽/か、カッコイイ……!(笑)
GM/「現在全国的に少女の自殺事件、錯乱事件が起きている。これらは『ある異端』によって引き起こされたと考えられている。その異端を、我々は『魔女』と呼んでいる」
燐音/魔女?
GM/「女性を惑わす悪しき者、という意味を込めての魔女というコードネームだ。ハイカラな名前が付けたかったんだがな」
燐音/は、ハイカラって……(笑)
GM/「少女達は自殺する前日、『化け物を見た』と言っている。彼女達には見えているが、他の人達には見えない化け物がいるというのだ。その化け物が自殺した少女達に接触しているのは間違いない。そして我々は『普通の人間では見えない異端』の存在を知っている。その異端というのが、魔女だ」
燐音/魔女は、なかなか姿を現さないのですか……。
GM/「姿を現さないのではない。魔女は『人間には姿を知覚することが出来ない存在』なのだ。特殊な条件を持った者でなければ、魔女を見ることができない」
燐音/姿が見えない? それは……私達のように力を持っている者でもダメなのですか?
GM/「その通りだ。そこに居る能力者のコーディネーター・高坂、君の知り合いの能力者……大十字小鳥も、魔女を知覚することはできないだろう」
小鳥/……GM。私は教会のエージェントをしていていいんですね?
GM/小鳥ちゃんは【ハンドアウト:PC3】を分割したPC4なので、燐音ちゃんより経験は無いけど能力者として活動していることにしてください。
小鳥/判りました。生徒会だけじゃなく燐音先輩とご一緒できるから、動きやすくなれますね。
燐音/……話を聞いて、そんな敵にどうやって立ち向かえばいいんですかと訊きます。
GM/「特殊な条件を満たした者が魔女を倒すしかない」
燐音/特殊な条件とは……?
GM/「魔法少女になることだ」
燐音/ポカンとした顔をします。……ワンスモア(笑)
小鳥/なんか、シリアスなシーンなのに思わず笑ってしまいそうですね(笑)
GM/「魔法少女になることだ」 キリッ。
燐音/えっ。……秋津先輩、どういうことですか?(笑)
GM/「魔女が『女性を惑わす悪しき者』だから『魔女』ととりあえず呼ばれていると言っただろう? 魔法少女も同じだ。便宜上『魔女を倒すことができる特別な魔力を所有する少女』のことを『魔法少女』って呼んでいるだけに過ぎない」
燐音/……それが『第13のクラス:魔法少女』ですか? あの、それでは魔法少女で討伐隊を組めばいいのでは? 私や小鳥さんよりも、その『特殊な条件を満たした者』に頼めば……。
GM/高坂が苦笑いをし「全くもってその通りだよな……」と、先の言葉を言いづらそうにします。だけど、エリさんはズバッと言います。「君がなってくれないか」
燐音/どういうことですか。そんな簡単になれるものなんですの!?(笑)
GM/「魔法少女になれる人間には条件がある。一つは、女性であること」
燐音/魔法少女ですからね。
GM/「二つ目は、15歳以下であること」
燐音/魔法少女……ですからね。
GM/「ここまでは必須だ。三つ目からは『出来ればそうであるといいに過ぎない』ことだが……三つ目は、能力者であること」 何も知らない一般人の女の子に「魔法少女になってくれ」と頼むするより、異端退治に精通した女性能力者の方が戦う覚悟あるよね、ってことです。
燐音/一般人を巻き込むなんて出来ませんしね……。
GM/高坂が話し始めます。(高坂になって)「実を言うと、エリちゃんは教会のエージェントではない。この事件を追い掛けている能力者ではあるが、教会所属ではないんだ。『旧き一族』の出で、教会以外の他組織の人間だ」
燐音/なんと。
GM/『AW』のPC達に所属をオススメしている退魔組織は『教会』という団体ですが、設定では全国的に色んな組織があります。教会は登録している能力者に事件を紹介し、成功したら報酬を支払うシステムを取っているボランティア団体です。基本的に依頼人からお金は取ってません。異端退治のボランティア団体ですから。
鴉華羽/それで経営、成り立つんだ……?
GM/教会はとある大企業一族と繋がっていて、その一族が資金を提供しています。あ、古川一族じゃないよ。詳しくは『設定』ページ参照ね。
燐音/エリさんは、教会の協力者なんですね?
GM/はい、そこは間違いないです。教会は日本で最も支部を持つ、一番認知されている退魔組織です。でも二番手、三番手の組織はいくらでもあります。秋津エリは、その教会以外の組織からやって来ました。教会としても全国的事件を解決したいから、魔女については一足早く解決に向け動いていたらしい別組織と手を組んだようです。
燐音/そちらの組織には魔法少女はいないんですか?
GM/(エリになって)「いたが、もういない。異端との戦いがいかに恐ろしいものかは、同じ経験者であれば君なら判ってくれるな?」
燐音/……心当たりがある。無礼なことを聞きました。
GM/「我々は、条件に当てはまる人間を魔法少女にすることが出来る。だから能力者の登録数が多い全国規模の教会に、魔法少女になってくれる人はいないか頼んでいるのだ」 単純に例を挙げると、今までの『AW』リプレイのキャラクターだって『15歳以下の少女能力者』の数が少ないですよね? そりゃそうです、あまりにチビッコ過ぎるとPCとしての行動に制約がつきますから。
燐音/該当するのは……『ラブアゲイン』の琴子ちゃんぐらいかな? だとすると琴子ちゃんが危ない!?(笑)
しをん/琴子ちゃんにも「魔法少女になってよ!」って話があるのかな?
GM/きっとね。でも琴子ちゃんなら「まずはお兄ちゃんとの面接を先に……」と言いそうだけど。
燐音/ですよねー、お兄ちゃんの壁が高いな(笑)
GM/『デイズ』のアンドゥちゃんがギリギリ15歳、『ギフト』のみなみちゃんは15歳ですが高校生なので対象外ですね。『アポクリズモス』のフランちゃんは……外見年齢が12歳なだけの人外なので彼女もダメです(笑)
燐音/だいぶ条件が厳しいのは判りました。……ですが、そう簡単に「魔法少女になります」とは言えません。まだデメリットも判りませんし。契約のハンコなんて軽々しく押せませんよ。
GM/「そう言われることは承知だ。だから、永丘。数日間、私と一緒に居てもらう。自分の目で魔女の恐ろしさを味わってほしい。見えない敵と戦うということが一般人に脅威か、そして能力者にとっても驚異なのかを知ってもらいたい」
燐音/……実地体験で判らせてくれるというなら、文句は言いません。
GM/「うむ。そろそろ登校の時間だな? すまない、短くまとめるつもりだったが長話をさせた。詳細はメールで送ろう」
燐音/宜しくお願いします。連絡先を交換しましょう。
GM/学生服の彼女は、君と一緒に登校することなくこの場に居残ります。「話は以上だ。行くがよい」
燐音/か、カッコイイ(笑) 失礼します……また放課後、ここに寄らせていただきますね。
GM/高坂が「お勉強はお勉強で頑張るんだぞー」と手を振ってくれます。
鴉華羽/高坂さんは高坂さんだなぁ……(笑)
GM/そうして燐音ちゃんは登校。いつも通りの学生生活を送る。放課後になってしをんちゃんと一緒に語らうシーンがあって……。そうだ、「小鳥ちゃんと話をして教会に向かうシーン」をしませんか?
燐音/いいですね。では生徒会室に戻って、最後の仕事をしながら小鳥さんに……教会からこんな仕事を頼まれたんだけどって話します。「魔法少女になってよ」って言われたんだけど、どうしたらいいかしら。
小鳥/能力者としては活動してるけど、魔法少女のことは知らないので……はあ、と言いますね。あ、卵状の宝石は普段から持ち歩いていますよ。
燐音/魔法少女の力を手に入れないと、「世間を騒がしている魔女という異端と戦うどころか姿を知覚できない」と言われちゃったの。
小鳥/私も高坂さんから「都合の良い時間を教えてくれ」というメールを貰いました。きっとこのことですね……。
燐音/もう一度教会に行って、新しく派遣された人とお話してみようと思うの。小鳥さんも来ない?
小鳥/そ、そうですね……判りました。お供させていただきます。
燐音/悪いわね、いつも付き合わせて。
小鳥/いえ、いいんです。付き合いますよ。永丘先輩だけですから……私のクッキーを褒めてくれたのは。
燐音/研究材料として褒めてるだけだよ! うちの実験場に持って帰って遠心分離機にかけるだけだから!
GM/わー、紫色の何かが検出されそうだー。
燐音/未知の物体が検出された結果、私の≪覇魔矢≫に還元されています(一同笑)
小鳥/じゃあ今度はマフィンを焼いてきます! また味見してくださいね!
燐音/その場では即答しない!(笑) ……資料を片付けたら、小鳥さんを連れて教会に向かいます。
GM/教会に行きましょう。到着すると……なんだか中が騒いでいるね。
小鳥/ん? なんでしょう?
GM/高坂が「エリちゃん、頼めるかい!?」と叫んでる。それを聞いてエリが「了解した。出撃する」と言っている。
燐音/何かあったんですか、高坂さん?
GM/(高坂になって)「燐音ちゃん、ちょうどいいところに! ……事件だよ!」
燐音/えっ。
GM/「暴れまくっている女の子がいるらしい!」
燐音/もしかして今朝、話された事件と関わっているのですか?
GM/「その可能性が高い。判断は……エリちゃん、君に任せるよ」「判っている」 エリは現場に向かおうとします。
燐音/私も行きます。
GM/(エリになって)「そうしてくれ。……む、そちらは大十字小鳥か?」 資料で小鳥の顔写真を見ていたらしいエリが、小鳥ちゃんに声を掛けます。
小鳥/は、はい! 背筋を伸ばします! 今日は、永丘先輩から話を聞いて……!
GM/「明日にでも会おうと思っていたが、これは好都合だ。お前も来い。行く間に話をさせてもらおう。私は秋津エリだ」
小鳥/秋津……エリ、様?
しをん/様付けだ!(笑)
GM/「すまない。大十字、急いでいるんだ。永丘、行くぞ!」
燐音/了解しました。
小鳥/高坂さんに一礼して……2人の後を追いかけます!