アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第5ループ2話 『Flash back』 6ページ ■
2010年3月10日




 ●クライマックスフェイズ/February 7rd Scene 1

GM/では対決のシーンに参ります。……夜、公園にて亜紀とジークは青森&ミスターBと合流します。
亜紀/こんにちは。宜しくお願いしまーす。
GM/(ミスターBになって)「ここで結界を張りましょう。あんな結界を早急に作るぐらい急いでいるのですから、あちらから来てくれるかもしれません」
亜紀/そうですね。お願いします。
GM/Bが≪負の結界≫でワーディングを張ります。……一方その頃、キャスターが相馬さんに「誘ってますよ、あちらの人」とほっぺにチューしながら言います。
相馬/うむ、行くしかあるまい。……公園に降り立ちます。
GM/ではキャスターがトランプの騎士を4体召喚……した前に、青森とミスターBが立ちます。(ミスターBになって)「貴方達は本体を! 我らもこちらを潰し次第向かいます! ご武運を!」
亜紀/はい、判りました!
盟/(青森になって)「よーし、かかってこい、木偶の坊どもー!」
GM/(ジークになって)「協力感謝する!」……という訳で、『相馬&キャスターVS亜紀&ジーク』戦を始めます。
航/真セイバーのキャラクターシートをください! ジークを操ります。本領発揮だよね!
盟/ねっ、僕はキャスター動かしまーす。
GM/ありがとう(笑) ではクライマックス戦闘、代理PvPを始めますー!

 今回の戦闘レギュレーションは以下の通り。

【戦闘マップ】
 相馬側後衛エンゲージ:キャスター
 相馬側前衛エンゲージ:相馬
  (↑10メートル離れている↓)
 亜紀側前衛エンゲージ:真セイバー
 亜紀側後衛エンゲージ:亜紀

【注意事項】
@真セイバーは航のプレイヤーが、キャスターは盟のプレイヤーがロールする。また、真セイバーとキャスターは【HP】が0になった時点でロストする。
A青森&ミスターB(ランサー)はトランプの騎士と別戦闘を行っているため、今回の戦闘に参加できない。亜紀チームが敗北したとき、ランサーの【HP】が0になったと見なし、ロストする。
B青森はいかなる理由があってもロストしない。
C航と盟は自由なタイミングでシーンに登場することが可能。
D5ラウンド経過時点で強制イベントが発生する。

【行動値】
 真セイバー:17
 亜紀:14
 キャスター:12
 相馬:10

【令呪について】
@キャスターは、相馬に対して令呪を1回使用することができる。
A亜紀は、真セイバーに対して令呪を3回使用することができる。

 航のプレイヤーが操る真セイバーのデータは、以下の通り。
 『真セイバー(ジークフリード)』。
 キャラクタークラスは10。クラスは[闘士5/狂戦士2/感応力師3]。
 戦闘中に主に使用するものとして……。
・≪巨大武器≫(物理ダメージ)
・≪撃滅≫(ダメージ+1D6)
・≪失われた日々≫(達成値+3D6)
・≪殺界≫(ダメージ+クラスレベルD6)
・≪特攻≫(【HP】か【MP】を引きかえにダメージアップ)
・≪カバー≫(20メートルまで庇う)
・≪黄金の身体≫(ラウンドの間、防御点アップ)
・≪一心同体≫(自身の判定を採用させる)
・≪鳥躍≫(イニシアチブ割込行動)
 その他、副特技では……≪仮面の暴君≫ ≪アンドショック≫ ≪最奥の記憶≫ ≪バベルの唄い手≫ ≪サイコメトリー≫ ≪暴食≫ ≪熱血の防壁≫ ≪勇者の声≫ ≪戦士の勘≫ ≪武人の知恵≫ ≪強化手術(反射&意志)≫。

 盟のプレイヤーが操るキャスターのデータは、以下の通り。
 『キャスター(ホワイトラビット)』。
 キャラクタークラスは10。クラスは[魔術師3/世界遣い5/稀人2]。
 戦闘中に主に使用するものとして……。
・≪押し寄せる闇≫(範囲霊力ダメージ)
・≪ヒュプノスの枝≫(次の判定ダイス−1D6)
・≪未来の吐息≫(クリティカル化)
・≪リトライ≫(ファンブル化)
・≪輪廻の扇≫(ファンブル値を7、クリティカル値を8にする)
・≪模倣犯≫(他クラス特技1つコピー)
 その他、副特技では……≪クリエイトゲイト≫ ≪狂気の世界≫ ≪神聖言語≫ ≪世界創造≫ ≪圧縮された世界≫ ≪電波受信≫ ≪ホムンクルス生成≫ ≪千枚皮≫ ≪魔の結界≫ ≪鍵の番人≫ ≪すりぬけの式≫ ≪音色変成≫ ≪夢の外套≫ ≪獣の外套≫ ≪強化手術(体力)≫。


GM/それでは、1ラウンド目セットアッププロセス!
盟/ギャンブルだけど、≪世界創造≫使用! 全部6なら僕の願いが叶う!(ころころ)やっぱ駄目だった、ごめーん!
航/ジークになって……「あのマスター、怪しげなことを!」(笑)
相馬/では≪縛鎖≫を使用します、一番【行動値】の高い鎧男に!
盟/「頑張ってダーリン!」
相馬/【体力】で対抗判定をしてください。(ころころ)……10なのじゃ。
航/む、互角だ!(ころころ)わーい11……こっちも危ない! 寸前のところを避けました!
相馬/ギリッ。次こそは……。
GM/次にメインプロセスいきます。真セイバー、ジーク!
航/はい。まずは接敵を……足止めしたいのでキャスターの方へ行きます! ≪撃滅≫を使用して、≪巨大武器≫で攻撃っ!
盟/(ころころ)回避、クリティカル! きゃすんっ!
航/マジで!?(ころころ)失敗……「チクショー、すばしっこい野郎め!」
GM/ウサギさんがぴょーんと跳ねて大剣を避けました。……では次のターンは亜紀くん。
亜紀/亜紀は≪興奮剤≫を飲んで【MP】を回復します。(ころころ)1点か……。その後にメジャーで≪幻の射撃≫をキャスターに向けて撃ちます(ころころ)命中17です。
盟/(ころころ)16です、当たっちゃったー。
相馬/それなら≪死線≫を使用します! 亜紀が振った命中ダイスの高い出目を1にしてください!
亜紀/えっと……6・2が出たので1・2になって……命中12になります。それだと当たらないや。
航/やるだけやってみる! ジークが≪一心同体≫を使用! 自身が霊力命中で振ります!(ころころ)命中17、勝ったぁ! イエーイ!
相馬/くっ、それは当たってしまう!
亜紀/ダメージいきます……(ころころ)10点の霊力ダメージです!
盟/「イッターイ、腹立つー!」鎧のお兄さんに≪ヒュプノスの枝≫使いまーす。
航/かかるか!(ころころ)……6・6、クリティカル! かかんねー!「そんなものに惑わされるか!」
相馬/すまない、≪死線≫は1ラウンド1回しか使用できないんだ!
GM/クリティカルにクリティカルか。……ちょっとキャスターとジーク、やりすぎだよ(笑)
盟/じゃあ……オートで≪模倣犯≫を使用し、[感応力師]の≪肉体復元≫を取得しておきます。「プンプン、ダーリン早く頑張って!」
相馬/では、相馬はジークとキャスターのいるエンゲージに入ります。で、エンゲージに封鎖。ジークに向かって(ころころ)16!
航/(ころころ)愛だよ愛、22!
相馬/く、そんなの当たる訳が無い……。
GM/では、相馬さんのターンが終わったのでクリンナップ。その後に2ラウンド目セットアップに参ります。
相馬/≪縛鎖≫使用! 対象はジーク!
盟/ここで≪輪廻の扇≫を使用します。ファンブル値を7、クリティカル値を8を……ジークに使用!
航/7以上出せと?(ころころ)くっ……7だ。
相馬/(ころころ)よし、こっちは普通にOK! ジークの【行動値】を……7点下げてください!
航/【行動値】が10になります。相馬さんと同値になったけど……。
GM/【行動値】が同値の場合、基本はプレイヤー優先ですが今回は【反射】の能力ボーナスが高い方が先に行動することにします。
相馬/相馬のボーナスは5。
航/こちら、【反射】は6! 「勝ったー、若いからね!」
相馬/なんじゃと、ワシとて負けておらんわ!(笑)
盟/「熟成されたダーリンの方が好き!」(笑) でもこれでキャスターの方が早くなったから、ヒュプノスのかけ甲斐が出た!
GM/ではメインプロセスに参ります。ジークのイニシアチブが落ちたので亜紀くんの番だ。
亜紀/はい、亜紀はまたマイナーで≪興奮剤≫を使用して、3点回復します。またメジャーで攻撃……狙うはキャスター!(ころころ)命中12!
盟/回避しまーす(ころころ)12、受動側優先で勝利!
航/ジークが≪一心同体≫!(ころころ)……命中は、10。
盟/勝ったー! よし、次のターンはキャスターだから……。
航/その前に、ジークが≪鳥躍≫! キャスターの前に割り込みます! ≪撃滅≫≪巨大武器≫を使ってキャスターに……命中判定! 確実に当てたいから令呪をくれ!
亜紀/うん、令呪使って!
盟/じゃあ、その攻撃に≪未来の吐息≫自身の回避をクリティカル化します!
航/流石にクリティカル化は無いな……(ころころ)ダメだ、クリティカルしない!
GM/令呪を使って命中させようとしたけどキャスターはヒラリと回避しました。……今度こそキャスターの番、どうぞ。
盟/……エンゲージから離脱した方がいい? マイナーもメジャーも使用しないといけないけど。
相馬/でも亜紀の射撃は40メートルあるから結局当たってしまうんだよな。相馬は至近でないとキャスターを庇えないし……。
盟/判断は相馬さんに任せるよ。
相馬/……たとえ亜紀からの攻撃が来たとしてもジークからの攻撃は逃げられる。エンゲージは抜けた方がいい!
盟/では、マイナーとメジャーをどちらも消費してエンゲージを抜けます。それで行動完了!
相馬/次はワシの番じゃ。ジークに命中判定いきます。(ころころ)命中16!
航/(ころころ)20。
相馬/仕方ない、オートで≪失われた日々≫を使用! ……尻に敷かれつつも愛しい嫁を手に入れた。奴と共に聖杯を手に入れて新しい世界を創造しようじゃないか! ダイス振ります!
航/1ー! 1出ろー!
相馬/言うな、そういうことすると1が出るから!(ころころ)1・1・5……コンニャロ、憎い! 破裂しろ!(一同爆笑)
航/どうもー、リアル世界遣いでーす!(笑)
相馬/それでも、物理命中は23です! どうだ!?
亜紀/……避けよう! また令呪を1個使用して、ジークの回避値にプラス20!
航/ということで、回避値40で避けます!
GM/という訳で、相馬さんの攻撃をジークは避けきりましたが手札を1つ失ったね。……相馬さんが終了したのでクリンナップ。そして3ラウンド目のセットアッププロセスです。
航/ジークはセットアップで≪黄金の身体≫を使用します。物理防御と霊力防御にプラス10点ずつ! 「これでアキちゃんを守ってあげられる!」
亜紀/ひゃー、カッコイー!(笑) 亜紀も自身に≪魂装≫を使用します。
相馬/相馬は≪自己再生≫を使用します!(ころころ)【HP】を19点回復しました。
GM/ではセットアップ終了……亜紀のターンでいいのかな?
亜紀/はい。亜紀はマイナーで≪興奮剤≫使用、メジャーでキャスターに攻撃します。(ころころ)命中17です!
盟/(ころころ)……クリティカって避けられたよ! なのでキャスターが動きます。……ジークに向かって≪ヒュプノスの枝≫!(ころころ)命中15!
航/(ころころ)失敗。ガシャガシャ……フラフラします。次はこっちの番だけど、ヒュプノスも来てるから1Dマイナスか……でも行く! 相馬に≪撃滅≫≪失われた日々≫を使用! ……ロールした方がいい?
盟/したまえ、≪失われた日々≫だもん(笑)
航/じゃあそうだな……「自分には苦しい過去があった。でも今は、オレが幸せにすべき人がいる! 亜紀の為にも、そして志半ばで倒れたアーチャーの為にもオレはここで倒れる訳にはいかない!
GM/カッコイー!(笑) まず命中として1D振ってください。その後に3D6分の達成値をプラスしてくださいね。
航/(ころころ)命中値は、23だ!
相馬/(ころころ)回避15じゃ、当たるー!
航/≪特攻≫も使用!(ころころ)……よし、36点の物理ダメージ!
相馬/ぐっ、まだどうにかこうにか立っている……。ワシのターンになったから、目の前の鎧男に攻撃!(ころころ)命中17!
航/(ころころ)17、避けた!
相馬/≪修羅≫を使用! 命中判定をもう一回やり直します! 17以上が出れば……(ころころ)出た、しかも≪狩場≫の効果でクリティカルが発生します!
盟/やった!
相馬/嫁の目の前で良い格好が出来る! この攻撃のダメージに令呪を乗っけてくれ!
盟/「はーい、ダーリン! 令呪使用!
相馬/ダメージいくぞ!(ころころ)こちら、37点の防御力無視ダメージです!
亜紀/≪念動障壁≫します。(ころころ)12点軽減してください!
航/「……大丈夫、まだアキちゃんを守れる!」
相馬/おのれ、落ちんか……!
GM/ではクリンナップ。4ラウンド目、セットアップ。
亜紀/ハイ、セットアップで≪魂装≫を今度こそジークに使用します! その後、俺はマイナーで≪興奮剤≫を使って5点回復。メジャーで≪清浄の使者≫をジークに使います。(ころころ)11点回復……奮わなかった。
航/「大丈夫、全然元気!」
盟/キャスターが≪ヒュプノスの枝≫をジークに使用! このとき、ジークに≪輪廻の扇≫も使用します!
航/回避しよう……【意志】判定!(ころころ)よし、クリティカル!
盟/あー!? ご、ごめんねダーリン。(ころころ)……こっちはファンブルだ。
GM/ジークはキャスターのヒュプノスを凌ぎました。次は、ジークのターン。
航/マイナーで≪撃滅≫いくぞ!(ころころ)あ、よしクリティカルだね!
相馬/ここで避けねば男が廃る!(ころころ)無理だ、当たる!
航/≪特攻≫を使って(ころころ)……56点の物理ダメージ!
相馬/……残り【HP】は3点じゃ、そこで落ちる! だが≪不屈≫使用! 戦闘不能を解除、1D6回復!(ころころ)6点回復じゃ。ギリギリで立ってます……。
GM/≪不屈≫は戦闘不能回避なので≪リバース≫などとは違い、行動済にはなりません。なので相馬さんのターンです。
相馬/一矢報いたい!(ころころ)18……。
航/(ころころ)23……「大した闘志だ!」
相馬/くそっ……当たらない!
GM/では、5ラウンド目入ります。これが終わるとイベントが発生します。セットアップに何かする人はいないな?
航/いないな。……これがホントのラストだな。
亜紀/では亜紀はメジャーでジークに≪清浄の使者≫を使います。(ころころ)8点回復してください。
盟/……キャス子は、≪押し寄せる闇≫を使用します。(ころころ)2、敵全員に命中17です!
航/まずは回避!(ころころ)21!
亜紀/(ころころ)亜紀は15で当たります。
盟/いっきまーす。(ころころ)10点の霊力ダメージです。ごめんねー。
航/次はジークの番! マイナーで≪撃滅≫を使用! ≪特攻≫も乗っける! 命中は……(ころころ)24!
相馬/(ころころ)回避……15じゃ。
航/見事な戦いだった。君に敬意を!」(ころころ)……物理39点で、ザクッといきます!
相馬/……【HP】0! 倒れます!
GM/ターンエンド。そして5ラウンド目クリンナップ、終了。……プレイヤーである相馬が倒れたので、これにて戦闘を終了したいと思います。
相馬/倒れるときに……キャスター、逃げろ……言います。
盟/「そんな……!」
相馬/ここで終わりか……。消えゆく自分の身体を見ながら、呟きます。
GM/相馬の元にキャスターが駆けつけます。(キャスターになって)「バカッ! なんでこんなトコロでやられるの!?」と責めるように叫ぶ。
相馬/すまんのぉ……もうワシはおぬしのことを守ってやることも、助けてやることも出来ん……。
GM/「背中から抱きしめて、裏切らないって言ってくれたじゃない!?」
相馬/しかして、力の無い男などおぬしの伴侶失格じゃ。……すまん。
GM/光に包まれる相馬の前で「ぐっ」とキャスターも呻く。こちらも戦闘をしていたのだからボロボロだ。
盟/ちなみに【MP】は残り1です。
GM/1ぃ!? よく1まで削ったな!(笑) 倒れる相馬に縋りながら……「僕に魔力は残っていない。貴方に何もしてあげることは出来ない。だから……綺麗に消えて」
相馬/……ああ。もしおぬしがまた聖杯戦争に参加するようなことになったら、次は良き者を見付けるが良い。……言って、光に包まれます。
GM/「……そんな言葉、聞きたくないんだよ! ずっと傍に居てくれて、甘ったるい台詞を言ってくれればいいんだよ! ……なんでそんな弱い人と付き合っちゃったんだ僕は!」……ボロボロ泣いて元から赤い目を真っ赤にしながら、擦り寄ります。
相馬/すまぬ……。
GM/「……こっちこそゴメンね。僕が強くなかったから負けたんだ」
相馬/……いや、もう謝るのはよそう。ありがとう……名は白ウサギじゃったな。楽しかったぞ。……光になって、全部消えます。
亜紀/……バーサーカー、ロスト。
GM/「バカッ! ばかばかばか!」……何も残っていない地面をキャスターは叩きつける。
航/……ジークは、剣を収めながら悲しそうな目で見ています。
GM/ぐすんぐすんと泣き続けるキャスター。……では亜紀くん、生きているのもやっとなぐらいのキャスターが居ます。どうしますか。
亜紀/……この人がキャスターで、結界を張った張本人だというのは知ってます。それは許せません。だから……カチャっと銃を突きつけます。……あの結界を張ったのは、君だよね?
GM/「ああ、そうだよ」……泣きながら肯定します。「……こんなに早く僕の最期が来るとは思ってなかったな」
亜紀/あれが沢山の人の命を吸い取ると知っていてだよね。一般人を巻き込むなんてルール違反だ! 俺はそれを見逃せない! だから……ゴメン、君は聖杯に入ってくれ! 引き金を引きます!
GM/キャスターは【MP】1です。≪クリエイトゲイト≫さえも使えません。そのまま銃弾を受けます。
盟/……あ。今、キャスターが亜紀くんに撃たれる前に「お前に殺られるぐらいなら!」って自分で死んでいく幻影が見えた……。
GM/……それ貰いっ!(一同笑) キャスターは残りの【MP】で≪ヒュプノスの枝≫を亜紀くんにかける!
亜紀/わっ……!?
GM/亜紀の攻撃が緩んだ瞬間に、自身に向けて≪押し寄せる闇≫を使用!

 白ウサギの身体が黒い闇に押し潰されていく。
 黒い渦の中、神々しい光がパアッと輝きだす!
「あれ……なんだ……すぐにまた会えたじゃん…………?」
 ――キャスター、ロスト。


GM/……その姿を、ジークもじっと見送ります。
亜紀/……ギュっとジークの手を掴みます。勝てた……んだよね。
GM/「ああ、勝てた。強敵だった」
亜紀/戦争に参加するって俺の意思で決めたけど……でも、自分でトドメを刺そうとしたのは初めてだったから……ちょっと……うぅ。
航/……でも、結局亜紀くんの手は汚れなかったね。アーチャーを落としたのも真セイバーだし、今もキャスターが自害した訳だし……。
亜紀/ジークに抱きつきます! ちょっと泣いてます……。
GM/「アキちゃん、お疲れ様」……ぐたっとジークが亜紀に抱きつく、ところで……航と盟が登場してください!
航/この辺りでサーヴァント達の戦いが! ……というところで、亜紀くんとジークがベタベタしているのを見る!
盟/亜紀、それはサーヴァントだぞ……退け!
亜紀/航、盟ちゃん……。俺、参加者だからOKなんだよ。
GM/「アキちゃんの知り合いか?」……隣では、トランプを蹴散らしたであろう青森のオッサンと、英霊の格好をしているミスターBが立っています。
盟/2体サーヴァントが……。
航/残りのサーヴァントは何体いるんだ?
亜紀/さっき2体退治した。残っているのは……ジークと、弁慶さんと、ライダーか。残り3体だよ。
航/……なあ、ここで消える気はある?
GM/ジークが叫びます。「そんなものは無い! 今までオレ達は色んな人達を越えてきた! 勝利する為にオレはここに立っている!」
航/自分で「アーチャーの為に」とか言ったけどカッコイイ……!(笑)
亜紀/俺達は、願いがあるから頑張ってきたんだ!
盟/……ねえ。亜紀、青森、降りる気は無い? 今度はサーヴァントではなくマスターに揺さぶりを掛けます。
亜紀/無い!
GM/青森が「なんでそんなコトを訊くんだ?」と言います。
盟/……僕達にだって願いがあるんだ! ≪魔導書≫を出します。すまないが手負いのところをやらせてもらう!
航/ジャキンと剣を出して、ジークの元へ駆け出して斬りかかります!
GM/「え、ええっ!?」……ではこのボロボロの状態で、戦闘に入ります!
亜紀/ええーっ!?
GM/ちなみに(真セイバーのキャラクターシートを見て)ジークの令呪はあと1個……残り【HP】16、【MP】4の状態……か。
亜紀/亜紀は、【HP】26の【MP】26です。
航/俺らは何もかも温存されている! しかもこっちは短期決戦コンビだ!
GM/ではPvP第2ラウンド入ります! ……相馬さん、ジークを操ってもらえる?
相馬/はい! うわあ、カッツカツだなぁ……。
亜紀/でも何もしないよりやった方がいい! 戦いますっ!

 今回の戦闘レギュレーションは以下の通り。

【戦闘マップ】
 航側後衛エンゲージ :盟
 航側前衛エンゲージ :航
  (↑15メートル離れている↓)
 亜紀側前衛エンゲージ:真セイバー
 亜紀側後衛エンゲージ:亜紀

【行動値】
 真セイバー:17
 亜紀:14
 航:14
 盟:11

【令呪について】
@亜紀は、真セイバーに対して令呪を1回使用することができる。


GM/それでは、1ラウンド目セットアッププロセス!
亜紀/亜紀は≪空間知識≫をプロテクション用に使用します!
相馬/一番最初はジークの番か……仕方ない、まずはマイナーで接敵するしかないな。
航/いや、待って。ジークの前に航が≪鳥躍≫を使用! マイナーアクション≪守護者の盾≫で物理防御をプラス5して、ジークに接敵して行動済になります!
相馬/くっ……いや、これならジークのマイナーを使える! マイナーで≪撃滅≫を使用して、航に攻撃する!(ころころ)命中は20!
航/(ころころ)19、くそぉ当たる!
GM/航が飛び出してきてそこを斬りかかる! 避けようとしたけどジークに斬り返される!
亜紀/ジーク、最後の令呪を使おう! ダメージにプラス20して!
相馬/ありがたい!(ころころ)ダメージが44点の物理ダメージです!
航/……【HP】10点残った!
盟/オーケー! 次は亜紀だね。
亜紀/う、うん……じゃあ最後の≪興奮剤≫を使って3点回復。メジャーで航を撃ちます! 航に銃を向けるのはイヤだけど……(ころころ)15です!
航/(ころころ)19……亜紀の攻撃はよく判るよ、言っておきます。
亜紀/違うよ! 俺が外したんだ! 負け惜しみで言います……くそっ。
盟/悪いけど本気でいかせてもらうよ。マイナーで≪天空の羽≫、メジャーで≪ヒュプノスの枝≫を鎧のお兄さんに使用!
航/盟に≪叱咤激励≫を使用!
盟/(ころころ)……よし、クリティカった!
相馬/(ころころ)む、無理だ! ただでさえグッタリしてるんで余計クラクラします……。
GM/それで1ラウンド目は終わり。……2ラウンド目のセットアッププロセスに移行します。
盟/セットアップで≪魂砕≫を使用、僕のダメージを2D6上昇させておきます。
亜紀/こっちは≪空間知識≫
相馬/で、一番最初の行動がジークだけど……命中がマイナス1D6されているから、意識が朦朧としつつ攻撃します!「こんなところで負ける訳にはいかないのに!」(ころころ)命中18……。
盟/航に≪幻想式≫
航/無言で避けます。(ころころ)20で回避します!
相馬/くそぉ!
盟/≪天空の羽≫で次のターンは盟になります。……サーヴァントを昇華したいので、ジークに最高火力で襲いかかる! マイナーで≪強化術式≫を使って≪魔導書≫!(ころころ)命中17!
相馬/回避……!(ころころ)17です!
航/待って、盟ちゃんに≪悔改めよ≫
盟/ありがとう!(ころころ)命中24で当たる! ダメージは、25の霊力ダメージです!
相馬/……無理だ、【HP】0になって落ちます!
亜紀/やるだけやってみる、≪黄泉がえり≫を使用! 【HP】1で蘇らせます!
航/やった……いや、くそっ! まだ立てるのか!?
亜紀/ジーク、大丈夫!?
相馬/だ、大丈夫……ニヘって笑ってみます。「……だってオレ達勝たなきゃだよな……聖杯戦争の無い世の中を作ってみんなを幸せにしなきゃ! オレ達負けられないんだよ! 負けらんねーんだよ!」
亜紀/う、うん……悪あがきで回復します! ≪清浄の使者≫でジークを(ころころ)13点回復します。
相馬/【HP】14点にまで回復。「……サンキュ!」
盟/航、早く決めちゃって。
航/ああ。……たとえ聖杯戦争が無くなってもこんな世界……俺も祐希も、エルも幸せじゃない。だからいらない!
盟/航の命中判定に≪幻想式≫≪大地の勅命≫を使用して、プラス14!
航/令呪並だね。(ころころ)……物理命中は、35!
相馬/(ころころ)こちらは、回避が16……。
航/この攻撃に、『ボーナス効果:1シナリオ1回ダメージロール+5』を使います!
盟/全力で行こう! 最後の≪幻想式≫≪大地の勅命≫を使用! 更にダメージにプラス14します!
航/斬りかかる瞬間に亜紀の方を向いて……ごめん、すぐに会えるから……と言って、斬ります!(ころころ)……35点のダメージ。
相馬/……倒れます!
GM/航に斬りかかられ、物凄い勢いでジークは倒れる。……カランカランと兜が落ちると、航達には自分らと同じぐらい年の青年の顔が見えた。
亜紀/じ、ジーク! 駆け寄りますっ!
GM/「あ……う……」
亜紀/ジーク! ごめん、勝てなくって……。
GM/「……あれ……君の、親友だろ?」
亜紀/……うん。
GM/「なんで君が戦っているんだ!?」
亜紀/……あ。
GM/「なんで……親友同士で戦ってるんだ!?」
相馬/……こんな時まで人の心配かよ。
亜紀/でも、それは……向こうも願い事があったんだって……だから。
GM/「オレが……聖杯戦争に巻き込んじゃったから、親友同士で戦ったのか!? じゃなきゃ親友同士で戦わせるなんて……酷いことを君に、オレは……!?」
亜紀/違うよ! 聖杯戦争は、俺の意思で参加したんだ!
GM/「違う! 君を巻き込まなければ苦しい目に遭わせずに済んだのに! ……あのとき会わなければ良かったのに!」……光がジークを纏い始めます。
亜紀/違くない! 俺は、ジークに会えて嬉しいんだ!
GM/「でも! あんな恐ろしい目に遭った君を守れずに……!」
亜紀/俺の好きな人を否定しないで!
GM/……っ!?
亜紀/俺はジークを愛せて幸せだったから……それでいいじゃないか!
GM/……。言葉に詰まったジークは、涙をボロボロ流します。「ごめんね、ごめんね……! でも……ありがとう……」
亜紀/うん……こっちこそ、ありがとう。
GM/「今度の最期は、幸せだ……オレは幸福のまま消えられる……なんて幸せな人間なんだ」……バァッと、ジークの身体が光に包まれて、消えます。
相馬/……ジークが、幸せを感じて逝けたって……良かったのかもな。
GM/では、その戦いをみたミスターBが口を開きます。「どうやら、私の全力を出したとしても貴方達には勝てる見込みは無いようですね」
盟/ああ。すまないが、さっさと逝ってくれ。
GM/「……判りました」
亜紀/……すみません。3人分のお願い、叶わなくて……ごめんなさい。
GM/「……いいえ。我らの夢を一身に受け留めてくれて本当にありがとうございます。おそらくこれからも貴方は苦しい想いをする。それだけが気がかりです。……どうか前を向いて歩いてほしい」
亜紀/……うん。
GM/「さようなら」……弁慶は、槍を逆手に持ち……胸を刺し自害します。光がバッと彼の周囲を舞います。
盟/……ごめんね、弁ちゃん! 亜紀、憎んでくれていいよ!
航/うん、憎まれ口言っていいんだよ。
亜紀/ううん……お願い事があって衝突したんだからそれは言わない。俺は負けたんだから……これは戦争なんだから、判って参加したんだから言わない!
航/……亜紀の方に振り返らずに、ゴメンと言っておきます。
亜紀/……いいよ。
GM/そのとき、夜の街がカアッと光り輝く! それは……教会と遺跡の方だ!
航/……そっか! サーヴァントが最後の1体になったから!
GM/光り輝いたのは教会と遺跡です。3人、どうしますか?
盟/教会に行きます! ≪籠抜け≫で向かう!
航/俺は遺跡に急ぎます!
亜紀/亜紀も遺跡に行きます。
GM/じゃ、オッサンは航と亜紀に向かって「すぐに車乗れ!」って言います。車で遺跡に向かいましょう……。


 ●クライマックスフェイズ/February 7rd Scene 2

GM/青森の車に乗って遺跡に到着しました。……遺跡は光り輝き、中では張られていた筈の結界が全て消えています。
亜紀/中は、どうなって……!
GM/奥まで辿り着くと……祭壇の前に、誰か人影が見える。
航/誰だ……。
GM/金色の髪の女性だ。
亜紀/お……まさか!
GM/目を瞑って、サーヴァントが昇華するときと同じ光を纏って立っている。ふっと女性は目を開け、「最期の1人……」と呟き、消える。
航/あれ!? ……教会の方か!?
GM/では次に、教会にやって来た盟ちゃん。
盟/≪籠抜け≫で教会まで飛んで来ました! ……黒須っ!
GM/黒須の前には、紫色のスーツを着た男性が立っている。祭壇の前に黒須、藤原、盟の順番に立っている。
盟/……黒須。これが最後のサーヴァント?
GM/「……ああ」。黒須がバッと神父服の袖を捲ると、令呪が入ってる。
相馬/やっぱりお前か……!
盟/……良かった。これで願いが叶うね。
GM/「ああ、俺の願いも叶うし……彼の願いも叶う」。彼と呼ばれた藤原もコクリと頷くと……いきなり2人の前がパアッと光り輝き、美しい女性が現れる。
盟/わっ……! これが、聖杯……? 黒須が愛した人……。
GM/黒須も驚き、惚けたような顔をする。そして美しい女性が口を開く。「貴方の、願いは……?」(藤原になって)「この世を、冥府のものに変える!
相馬/……迷いが無い!
GM/もちろん完成した聖杯はそれを叶える!

 空気がすべて凍る音がした。
 地底から禍々しいオーラが湧き上がり、地響きを上げる!
 その場でか弱き者は皆、生気を奪われ死してしまうような恐ろしい瘴気。
 夜の黒い空さえも赤く染まり、残っていた結界の装置も光り出し……光を辿り死霊や魔物達が地上に這い上がってくる!
 「一体なにが?」街の人々が首を傾げ、音のした方向へ振り向く。振り向いた先には、襲いかかるモンスターの姿があった。


GM/あちこち阿鼻叫喚……人々が魔物達に喰われ、解体されていく。
亜紀/遺跡から出て来てそれを見ます! ま、街が……守りたかったのに……!
航/な、なんでこんなことに? ……俺達のせいか!?
GM/黒須が、盟の元へ近付いてきます。「盟、俺の願いは叶ったよ」
盟/良かったね……ニコッと笑います。
GM/「お前の願いは何だったかな?」
盟/もう叶ってるよ。……黒須の傍にずっと居ること、それだけだよ。
GM/「ならば聖杯よ、その願いを叶えてくれ!」……女性がコクリと頷き笑う。その瞬間、盟の中に幸福感が湧き上がる。『これからもずっといっしょだ』……その確信が、君の中に生じる。
盟/……良かったね、黒須。
GM/「ここまで俺のことを想ってくれてありがとう。愛してるぞ、盟」
盟/……やっとその言葉が聞けた。他のものなんて何にもいらないよ。何にもいらないから……ずっと一緒に居てね。
GM/……ではシーンが変わって航達は、遺跡から出て来て街を見る。生きている人達が魔物に襲われていく、そんな世界を目の当たりにします。
亜紀/銃をバンバン撃って襲われている人を助けます! ……どこが安全なんだろ、判らない……でもとりあえず倒すよ!
航/祐希っ! 教会へ向かいます!
GM/教会に走っていくと、あちらの方から祐希が走って来るのが見えます。航達を見付けてすぐに駆けてくる。何が起きたか判らないという顔で……。
航/祐希! ……もしかして俺、間違えたのか? 俺はやり直すためにやったのに……俺、こんなことしたかったんじゃないのに!
GM/「何が起きたの……何をしたの、航?」
亜紀/航のせいじゃないよ! これはきっと、誰かが聖杯に願ったんだ!
航/……そうだよな、マスターとサーヴァントが1組残っていればそっちに行くよな。先にマスターを潰しておかなかったのは……。ブツブツ言っておきます。
GM/「落ち着いて……!」と祐希が航に顔を近付ける。「こうなっちゃったのは……仕方ないよ、航のせいじゃないよ……!」
航/でも! あの人も、祐希も……普通に生きていかなきゃダメなんだよっ!
GM/「……。そうだ……僕、能力者だった」
航/……うん。だけど、でも、祐希は何もしちゃいけないよ。
GM/「ううん、しなきゃ。……もしかしたら戻れるかもしれない……どこまで戻れるか、判らないけど」
亜紀/……祐希?
GM/「本当に出来るか判らない。けど……これだけ多くの血が流れているんだから……きっと出来る筈だ」
航/あ……そんな技が[異端者]にあった!
相馬/レベル限定付き能力で……≪贄の儀式≫

 ≪贄の儀式≫
 キャラクターの1体を犠牲(戦闘不能や死亡)にすることで、代償を減らしたり制限を払うことができる特技。多くのキャラクターが死亡するたびに更なる力を得られることができる、[異端者]の大技。

GM/人が死ねば死んだだけ特技の効力が大きくできるという特技です。……そして、祐希は[世界遣い]でもあるんです。
航/……あ!
GM/「こんだけ多くの血が流れて……航が傷付いて、亜紀もとても悲しい目に遭って……。こんな世界、許しちゃダメだよね」
航/……祐希、何をする気?
GM/「最後に、僕の全力をかけて……この世界を元に戻すから」……祐希は航から離れ、自身に≪落下する光≫を打ち込む!
航/なっ……!
GM/光の中に祐希の姿が消えていく。……この場所と自分を犠牲にして、≪贄の儀式≫を発動させる。
航/ま、待って……祐希、祐希ぃ!
亜紀/ヤだよ……祐希までいなくなるのはヤだよ!
GM/……光の中に消えていきながら、祐希は微笑みます。――≪リトライ≫使用。

「……すぐに会えるから、安心して。
 今度は……間違えないでね。あの人との出会いも……絆も……今度こそ最善の道を……。
 次、みんなが間違えなければ……もっと、幸せな世界を作れる筈だから……」

 祐希が目を閉ざしたとき、世界は……『真っ白くなることなく巻き戻った』。



 ANOTHER WORLD
  「 DROWNING/phantasmagoria 」

 Fifth Loop 『 ...Flash back... 』






GM/2月1日。航はバイトを終えます。
航/さむ。糖分で死ね。
GM/店を出ると、祐希がコーヒーを持って待っています。「あ、航。コーヒー……」では、【幸運】難易度9のデジャブ判定をしてください。
航/(ころころ)11。……ぶわって泣きます。泣いて……ギュッと抱きつく!
GM/「あっ……」祐希は驚いて目を見開く。「航……どうしたの、航?」

「わかんない……わかんないけど、約束してたから……。こうしなきゃって想ったから。そうだ、そうだ……帰ったらこうするって約束してたもんな……」
 航は2月の夜の中。
 ずっと祐希を抱きしめて涙を零した――。


GM/相馬さん。君は、また死の世界を漂っていた。
相馬/……眠っています。
GM/そんな中、「貴方は聖杯戦争の……手を取る? 取らない……?」という声が聴こえてくる。
相馬/声に導かれるままに……何者かの手を取ります。
GM/「……貴方の願いが、ある人達の道も作っていく……どうか、貴方の力を貸して……」
相馬/……判った。ぼんやりしながら答えます。
GM/君が目を覚まし見ると……目の前に男性が立っている。

「さあ、行きましょう。我々は勝たなければならない……最高の世界を創り出す為に!」
 また戦場に赴く。一度死した身が、再度現界することによって。
 ランサーが苦しんでいる理由でもある、サーヴァントにとっての無限ループを知らずのうちに味わいながら――。


GM/盟ちゃん。デジャブ判定をしてください。
盟/(ころころ)13、成功。……なんか変な夢見ちゃったなー。でも何もおかしいことは……とりあえず教会行くかー。
GM/(青森の声色になって)「よぉっ!」
盟/無視! これは夢だ、ああ僕は嫌な幻影を見ている!(笑)
GM/(青森になって)「あー、そうかよ悪かった悪かった。……早く慰めてやれ、アイツ落ち込んでるから」
盟/うん? 走って奥に入って行きます。……どうしたの、柊?
GM/……涙を出している黒須が居ます。
盟/……どうしたの……柊。

「なんで……また……? 世界が戻ってるんだ!? またループしてるんだ!?」

亜紀/俺、デジャブ欲しい! 早くジークに会いたい!
盟/あ、ロリに『パブ・ラマーサ』で出会ったからプラス5のボーナスが来るよ!
GM/それならもうファンブラなきゃ大丈夫だよ。寧ろファンブれ。
亜紀/(ころころ)……ああああああぁ!? マジでええぇっ!?

 亜紀のデジャブ判定の結果。
 出目は1・1……ファンブルである。


航/…………マジで?
盟/…………マジか。
相馬/ちょっと! GMっ!?
航/亜紀くん、今ならGMにポカポカしていいよ!
亜紀/ポカポカポカ! 欲しかったのにぃー!?
GM/いやあ、言霊ってあるんだね。……では、君は2月1日花屋のバイトを終えます。
亜紀/……ハンドクリームぬりぬり。
GM/そんな君は、塀の上に座って足をブラブラしている女の子を見かけます。
亜紀/え。ど、どうしたのお嬢ちゃん? こんな時間なんだから帰らなきゃ危ないよ。
GM/「ちょっと私の愚痴、聞いてくれる?」
亜紀/う、うん。俺で良ければ……何故か正座します(笑)
GM/「私はね、ある苦悩を抱いた男に『力』を与えたの」
亜紀/うん。
GM/「その人がこの世界で満足してくれればOKだからなんでもしていいということにしてやってたの」
亜紀/うん。
GM/「その人がその人なりの幸福を手に入れたなら良いと思っていたワケ」
亜紀/うん。
GM/「だから、彼が『自分の願いが叶った! 幸せだ!』と思った時点でこの世界を手放すつもりだったの!」
亜紀/うん。
GM/「なんでこんなことになってるんでしょうね!?」
亜紀/何を言われてるか判らないけど、うん……なんかあったんだね?(笑)
GM/「例えばね! 人生ゲームがあるでしょ!? すごろくでもいいわ!」
亜紀/う、うん。
GM/「一生懸命プレイしていた男がいた! 卑怯な手もいっぱい使った! 結果、やっとゴールまでいった! そのとき、いきなり横から部外者がゲーム盤をガッシャーンとちゃぶ台返ししちゃった!」
亜紀/え、ええええ……!?
GM/「可哀想だとは思わない!? 大の大人でも泣くと思わない!?」
亜紀/俺だったら泣くよ! そ、そりゃ悲しいよね、やっとゴールにいって幸せになれたのに……。
GM/「そして……」
亜紀/そして?
GM/「貴方が……ファンブルを出した……」(一同爆笑)
亜紀/お、俺、何か悪いことしたのか!?(笑)
GM/「これからもっと簡単に手が進む筈だったのに……貴方は他のみんなから50歩もリードしてスタートする予定だったのに、1つ目のサイコロで『振り出しに戻る』って……やっぱ男って駄目ねっ!」(一同爆笑)
相馬/ロリ様! 怒らないで!(笑)
航/ロリ様、今回ブチ切れだよね(笑) 成功したと思ったら巻き戻されるし、ファンブルだから記憶引き継げないし……ロリ様に正座で謝ろう(笑)
盟/ごめんちー!(笑)
亜紀/な、なんかよく判らないけど……俺、これからも頑張るよ!?(笑)
GM/「この先で会う人に目を合わせるか合わせないかは貴方の判断よ! お行きなさい!」
盟/これが最大のロリ様の助言である(笑)

 アーチャーはビルの隙間で宙に舞う。
「みんな集まったね。オレの願いなんて超個人的なモンなんだから……さっさと叶えて物騒な戦争なんか終わらせる! 早くこの街に平和を取り戻させてやろー!」

 キャスターは八木沼邸の一室で鼻歌を唄っていた。
「ふんふふーん。早くこの戦争を終わらせてー……僕の大事な人、来てくれないかなー!」遠くの空を眺め、トランプをくるくる回し遊ぶ。

 アサシンは頭を抱え、路地裏の壁に倒れ込んだ。
「俺は……人を殺すことしか……ない、のか……?」呟き、声を押し殺し涙を流す。

「父上、行きますよ……教会としての任務です」
「あいよ。あー……戦争が終わるまでは、教会に尽くしておかなきゃなー」
 気だるげな男を連れ、ランサーは闇夜に消えて行く。

 亜紀が突き進む道、ジークが歩む場所に……金髪褐色の男が現れた。
「大丈夫……俺ならやれる。そうだよ、10年間待ったんだ、この機会を逃すものか。俺が我慢すれば……ワタルを幸せにしてあげられる筈だから」
 幸せを手にするべく剣を握り、闘いへと繰り出していく。
 すべては、彼の為に。

 そして最後に。
 ……金髪ツインテールロリータ服の幼女が、教会に現れた。
 失意に立つ――無限ループの中の男・黒須に言い放つ。

「もう……誰が生きたくても死にたくてもどうでもいいわ! 早くみんな終わらせてしまいなさい!
 私が手助けしてあげているのにこんな結果になるなんて……腹が立つから、次は最悪のループを味合わせてあげる!
 さあ、さっさと幸せになりなさい――!」




GM/……ということで、ドロリア第5ループ、これにて終わりになります。
一同/お疲れ様でしたー!
亜紀/ちくしょう! なんで俺ファンブル出したの!? ちくしょー!
航/なんか……最悪な結果だった……(笑)
盟/パソコンゲームだったら『END』だけじゃなくスタッフロールも流れるトゥルーエンドの1つだったね(笑)
GM/ある程度ネタが開示されたので、GMも告白しますね。……今までのロリループ作品で言うカイルさんや経正のように『世界をループしている核』は、黒須です。黒須がループしています。
航/藤原さんが黒須のサーヴァントだってことも確定しましたね。
GM/『何故、黒須が藤原に殺されていたか』というと……。『ループの核』は世界を終了させる権利を持ちます。ループしている人が死ねば世界は終わり、セーブしたところからやり直すことができます。ちなみにループの核が死ぬと世界は真っ白く消えていきます。
亜紀/あ、そういや『第1ループ』では赤くなって世界が終わってた……?
GM/あのとき黒須は死んでなかったから。暴走した聖杯で死んでいたから結局は白く世界が終わっていただろうけど。『第4ループ』で藤原は、相馬とアサシンに『戦争を降りる気は無いか』と確認しました。2人は降りる気は無いと断言する。つまり不完全な聖杯になってしまう。このとき藤原は相馬達に対抗できるだけの力は無い。……結果、黒須は藤原に「ケルベロスを使って俺を食わせろ」と命じました。それが『第4ループ』です。
航/『第3ループ』のマスターシーンで藤原さんが慌てていたのは……。
GM/『第3ループ』ではプレイヤー達が全員強制終了に走ったから藤原に命じて自分を殺させ、世界を終えたんです。同じ理由で『第2ループ』では青森とミスターBが強制終了しようとしたので藤原に命じて自分を殺したんです。
盟/もう……カイルさんのように自滅しなさいよ!(笑)
亜紀/聖職者は自害しちゃいけないんですよ、幸せになれないんです……(笑)
相馬/監督官になって≪小さな眼≫で全員を見つつ、こっそりライダーを動かして、しかもライダー自身にも召喚させて凄く有用な手として使い……最後に自殺用にも使う。悪い男だ……。
航/……そして迷惑だ(笑) っていうか藤原さん、可哀想だね……。藤原さんの場合は引き込んでも自分のサーヴァントには出来ないし、令呪で3回は強制的な行動を取らされる可能性があるという……難関NPCだ。
盟/だから、藤原さんの攻略には黒須攻略が同時進行しないと。……めんどくせー!(笑)
航/黒須さんが「終わった」と思ったらまたループが始まって絶望するって……イイカンジのエンディングだよね。
相馬/これは、黒須の精神がどんどん病んでいくな。
GM/だからロリが「壊れるかもねー」って言ってたでしょ。度々「疲れたような顔で」という描写を何度も入れたのもその伏線のつもりで、「今回のお前は」「次のスタートで」って言ってたのも同じです。ただ経正みたいに1万回とか、カイルさんみたいに4万ピー回とかしてないよ。まだたったの5回です。
航/……つまり、まだ絶望が大きい! 諦めきれてない!?(笑)
亜紀/一回辿り着いたんだからまた辿り着いてみせる……みたいな?
相馬/どんどん回を重ねるたびに闇が深くなっていく……一周ぐるっと回ってしまってかっとんでしまうかもしれない。
航/後の経正である(笑) ……まあ、みんな幸せになるまでもう少し頑張るよな。まだまだプレイしようか!
GM/という訳で『ドロリア』はGM自身エンディングを用意していない、みんなで作るゲームです。頑張って全員で完結を目指していきましょう!




to be continue...