アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 あるいは裏切りという名の×× 』 1ページ ■
2021年10月23日




 ●プリプレイ

 たびたびオンライン飲み会をするメンバーでオンラインセッションをすることになったイガピロマーサートモ天丼
 11月にセッションをしようという話で、10月23日はただの打ち合わせ飲み会……の筈だった。


イガ(以降、GM)/『アナザーワールドSRS』のシナリオのハンドアウトが完成しました。このシナリオは『アークザラット2』が元ネタです。戦闘をやるっぽい潜入捜査系シナリオなので、戦闘できるっぽいPCだといいです! よろしくお願いします!



 アナザーワールドSRS・シナリオ「あるいは裏切りという名の××」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル7で開始。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:愛する人  関係:親愛  推奨クラス:自由

 君は幼い頃、機関に故郷を焼かれた。
 故郷にいた愛する人達を奪われた中、唯一生き残った一人だ。
 あれから数年。君は機関のオネイロス研究所に潜入する。愛する人が収容されているという確かな情報が入り、救出を決意したからだ。
▼セカイのイベント:オネイロス研究所に潜入する
▼コネクションNPC1:愛する人

 PC1の幼馴染や兄妹など、特別な関係の人物。PC1が自由に作成していい。
 君の故郷は特異な能力を持っていたため、機関に狙われた。NPCも能力者である。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:機関の研究者  関係:宿敵  推奨クラス:狩人

 君は、裏社会を牛耳り悪行を重ねる機関に対抗している、PC1の協力者だ。
 数年前にPC1の故郷を焼いた機関の研究者の情報を得たのも君だ。
 PC1と共に研究者のもとからNPC1を救うことにした。
▼セカイのイベント:オネイロス研究所に潜入する
▼コネクションNPC2:機関の研究者

 PC1の故郷を焼いた作戦を指揮した張本人。故郷に住まう能力者目当てだった。
 PC2が自由に作成していい(なければ、夜須庭航か剣菱一本松を採用する)。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:オネイロス研究所  関係:職場  推奨クラス:処刑人

 君は機関の所属員だ。
 だが裏社会を牛耳る機関の在り方に疑問を抱いている。
 PC2に情報を流したのも君だ。
 PC1が研究所に来たことを手引きした君は、PC1と行動を共にすることにした。
▼セカイのイベント:オネイロス研究所の潜入を許す
▼初期ヘルプイベントキー:オネイロス研究所

 オート。単体。オネイロス研究所に関するロールをすることでダイスロール+2。3回まで。



プレイヤー2・マーサー/個人的にはPC2ハンドアウトがやりたいです! というか、ピロ先輩の村を朱指に焼いてほしいというリクエスト!
プレイヤー1・ピロ/村焼かれPC1を拝命していた(笑) 一本松さんに村を焼かれるとかご褒美です、ありがとうございました。強火で焼いてください。消し炭にしてください。
GM/PC1は焼かないで(笑)

プレイヤー1・ピロ/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・マーサー/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・トモ天丼/PC3ハンドアウトを選択。


 真境名 玄己(プレイヤー名:ピロ)
 クラス:[霊媒師7]
  体力:10(+3)  反射: 9(+3)  知覚:15(+5)
  理知:15(+5)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:25   MP最大値:40   正気度:12
  分類1:人間(HP+4)
  使用命中値:10  回避値:6  行動値:13  物理防御点:2  霊力防御点:5
重要キーワード:双子  背景:機関に復讐するまで死ねない  特徴:巫である
ライフパス特技:≪特技取得≫  スキルウェポンのイメージ:蛇の精霊を鞭状にして薙ぎ払う
職業:潜入工作員  性別:男  年齢:20  身長:175cm  髪色:草色  瞳色:灰色
 スキルウェポン→≪魂を纏う腕≫
 霊媒師→≪清浄の使者≫ ≪清浄の盾≫ ≪魂装支援≫ ≪黄泉がえり≫ ≪神威の導き≫ ≪霊異の鼓動≫ ≪八重垣封じ≫ ≪守護霊≫ ≪いとしのシト≫ ≪完視≫ ≪死霊使役≫ ≪棺の門≫ ≪霊視≫ ≪千里眼≫

▼玄己の設定
 真境名 玄己(まじきな・くろき)。打倒機関を目的にするレジスタンスの潜入工作員。支援が主だが、一応戦う事も出来る。
 元々は降霊や神降ろしを得意とする一族の出だが、依代としての能力の高さに目を付けられ機関に里(巳輪村)を焼かれ、一族ごと誘拐された。
 玄己は双子の姉・冬霞(ふゆか)と共に里を逃げ出したが追手を撒く途中ではぐれてしまう。逃亡生活中にレジスタンスに拾われ、そこで工作員をしながら姉の行方を捜していた。
 玄己自身は降霊の才は乏しく、姉の方が依代としての能力は高い。その代わり玄己は神霊や従魔の調伏が得意で、姉が降ろした神を玄己が鎮めるというのが里での役割だった。なお、一族が祀ってる神は蛇神様。
 神を降ろす巫覡は男女どちらの性ではない、という里の仕来りで男は女装を・女は男装をして育てられていたため外見は中性的。だが口が悪い。


 ゾディアック・レオンハルト(プレイヤー名:マーサー)
 クラス:[狩人7]
  体力:12(+4)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:28   MP最大値:29   正気度:7
  分類1:人間(MP+4)  分類2:魔族(MP+4)
  使用命中値:12  回避値:8  行動値:15  物理防御点:2  霊力防御点:2
重要キーワード:汚れ仕事  背景:故郷は巳輪村だ  特徴:情報通である
ライフパス特技:≪ダイス振り直し≫  スキルウェポンのイメージ:針
職業:ブロガータレント/スパイ殺し屋  性別:女  年齢:21  身長:156cm  髪色:ピンク  瞳色:ゴールド
 スキルウェポン→≪暗器≫
 狩人→≪交わる矢≫ ≪狩衣:交わる矢≫ ≪決死の射弾≫ ≪零力射撃≫ ≪心眼≫ ≪神域の耳≫ ≪神域の眼≫ ≪銃幕≫ ≪技芸の飴≫ ≪ハントマスター≫ ≪武器改造≫ ≪破魔矢≫
 一般特技→≪鎮静剤≫ ≪興奮剤≫

▼ゾディアックの設定
 機関の大ファン! 機関製造の商品を絶賛する記事を書き、PR活動に励み、機関の売り上げに貢献する裏社会向け情報サービスのタレントです♪ 時代が時代だったら宣伝ツイートや商品PRユーチューバーやってる。まだ時代的にブログやメーリングで活動中♪
 正体は、スパイ。もちろん偽名。機関の天足からPR活動を頼まれるぐらいには内部に潜入できるようになったが、目標は打倒機関のレジスタンス側の人間。
 魔族の血が入っているので邪神寄りの考えなんです〜機関側なんですよ〜とペコペコしながらいつか機関が解体される活動に協力しているアサシン。
 巳輪村出身。10歳まで暮らしていたが、両親が他界したため上京した遠縁の親戚を頼って村を離れた。
 玄己の姉・冬霞とはお友達で、小学生時代はよく遊んでいた。


 刃(プレイヤー名:トモ天丼)
 クラス:[処刑人3/イレギュラー4]
  体力:19(+6)  反射:18(+6)  知覚:12(+4)
  理知:13(+4)  意志:19(+6)  幸運:15(+5)
  HP最大値:45   MP最大値:34   正気度:14
  分類1:従魔(HP+4)  分類2:機械(HP+4)  分類3:モブ(MP+4)
  使用命中値:11  回避値:10  行動値:18  物理防御点:3  霊力防御点:3
重要キーワード:眼鏡  背景:オリジナルには負けたくない  特徴:複製体である
ライフパス特技:≪機関「頭垓 所属」≫  スキルウェポンのイメージ:西洋剣
職業:鉄  性別:男  年齢:外見24歳  身長:180cm代  髪色:黒  瞳色:黄緑
 スキルウェポン→≪凶々しき武器≫
 処刑人→≪本能の拐引≫ ≪死神の赤≫ ≪葬送の衣≫
 イレギュラー→≪インドラ≫ ≪トイボックス≫ ≪デュプリケイト≫ ≪シュテンドウジ≫ ≪オールラウンド≫ ≪ハスター≫ ≪プロパゲイト:鳥躍≫
 一般特技→≪機関「頭垓 所属」≫ ≪機関「朱指 所属」≫ ≪機関「天足 所属」≫ ≪機関「食導 所属」≫ ≪強化手術:意志≫

▼刃の設定
 刃(つるぎ)。夜須庭 航によって造られた船橋 鉄のクローン。12体目の複製体で、形式ナンバーはMRX-12。鉄オルタ。
 様々な作戦に参加できる万能戦士として造られたが、色んな機能を付けられすぎて器用貧乏になってしまい、決定的な長所が無いつまらない個体という烙印を押されている。航に一目置かれたい。
 基本は鉄と同じで、鉄と同じであるように振る舞っているが、朱指で活動しているうちに固有の自我が芽生え始めている、のかもしれない。
 朱指による巳輪村襲撃の際、玄己を殺し損ねてしまい、複雑な感情が生じたキッカケとなる。
 刃「死ね」 玄己「八重垣封じじゃゴラァッ!!」 刃「俺の攻撃をダメージ0にするなんて……おもしれー女」 玄己「男です」


プレイヤー1・ピロ(以降、玄己)/鉄さんオルタだー! 凄い、機関シリーズのコネを全部持ってるー!? そして、モブの鉄さん……!
GM/お前のようなモブがいるか。
プレイヤー2・マーサー(以降、ゾディアック)/それと「職業:鉄」の破壊力よ。「刃と書いてつるぎと読ませる」センスは流石だし。『ワンアンドアナザー』で航先生にキャラロストさせられた鉄さん、こんなになっちゃって……。
プレイヤー3・トモ天丼(以降、刃)/やっぱ俺、顔が良くてごめんな。
玄己/鉄さんの遺伝子、強すぎない?(笑)
刃/やっぱオリジナルだよな。真打。
玄己/刃の本物だけに真打とか上手いこと言いおった。
GM/オリジナルじゃない人の神経を逆撫でるような言動を……。
刃/あくまでオルタがPCで「鉄として振る舞っている」ですから。刃自身の根本は……実際やってみないとどんなキャラか判らないかな。まずはオープニングフェイズを見よう。
GM/なら今日、オープニングフェイズちょっとやります? オープニングでやること、村焼きですよ。焼きますか?
玄己/そんな肉の焼き加減を聞くみたいに!?(笑) その選択肢は焼かれる側じゃなくて、焼く側に聞いてくださいよ!?
刃/あ、焼きます。
ゾディアック/焼いて♪ うちわと赤いペンライト振っちゃう♪(笑)


 ●オープニングフェイズ1 〜双子の姉〜

GM/PC1の故郷、巳輪村ってどれぐらいの村ですか? 文化レベルはどれぐらいですか?
玄己/未開の村とかではなく、見た目はごく普通の田舎の村ですかね。近くの集落と積極的に関わらないけど、降霊とか神降ろしとかの依頼があるので里の外との関わりはあります。周辺の村の神事を取り仕切ってたとか。
GM/雛見沢ぐらいに考えておこう。夜須庭航も「うんうん興味深い」と頷くレベル。
ゾディアック/航先生、熱心じゃん。
刃/仕事熱心だな。
玄己/やべえのに興味を持たれた(笑)
GM/では……ハンドアウトに書かれた研究所潜入よりも1年前。玄己が19歳のときの話です。
玄己/あれだよ、きっと姉さんの結納前日だったんだ。『ゼノギアス』みたいに。
ゾディアック/生意気なショタを出さなきゃ……。
刃/フィアンセの男も出さなきゃ……。
GM/姉の性格は、どんなものにしましょう?
玄己/弟の自分がキツイ系の性格なので、姉は逆に穏やかな感じかな。『ゼノギアス』のアルルみたいな。『ゼノギアス』から離れなよ。

 GM/陽が落ちた頃。君は姉の冬霞と2人で話をする。和やかなシーンです。

GM/結納前日、彼女はやっぱり緊張していた。弟もしてる?
玄己/緊張してる、かな。ずっと一緒に居た姉が、結婚して他所の家に行っちゃうことを実感してしまう。結納だからすぐ結婚する訳じゃないし、すぐ出て行く訳じゃないけど……。
GM/(冬霞になって)「玄己。私はどっか遠くに行くんじゃないんだから、そんなに変わる訳ないよ」
玄己/そうだけど。
GM/「でも、なんだか変な感じだね。結婚するってことは、名前も変わるのか。双子で同じだった名前、変わっちゃうんだ」
玄己/役場に出す書類に「真境名」って書いちゃ駄目なんだからな? つっても、古い村だから爺ちゃん婆ちゃんはずっと「真境名の」って呼ぶだろうけど。
GM/「判ってる判ってる。玄己は誰を貰うのかなぁ?」 玄己は村にいる近くの子と結婚するものだと思ってる。
ゾディアック/村が未来永劫続くと信じてる顔だ。
玄己/オレは……どうかな、巫のお勤めもあるし、結婚はな……。まあ、姉さんみたいなお転婆、貰ってくれる人が居るだけ幸運だよな。
GM/彼女は笑う。仰々しい話題はしない。普通に平凡な話をずっとする。「私が結婚するお家に、団吉(だんきち)っているよね」 旦那さんの弟の名前です。
刃/『ゼノギアス』のダンだ(笑)
玄己/ああ、生意気なあいつな(笑) 人のことを「オトコオンナー!」ってすぐ言ってくる。姉さんも「オンナオトコー!」ってずっとからかわれてたじゃん。
GM/「実は団吉、玄己が居ない所で私と二人きりになるとあの子、わりと大人しくなる」
ゾディアック/おマセさんかな(笑)
玄己/くそ、あいつ今度会ったら裏山の御神木に逆さに吊ってやる(笑)
GM/「玄己、団吉とは義理の弟になるんだよ。仲良くできる? 元から玄己と仲良しだったけど、もっと仲良くできる? 私が仲を取り持つ必要ない? 私がいなくても、大丈夫……?」 姉っぽい顔をする冬霞。
玄己/オレもう19だぜ? なんでもかんでも姉さんにおんぶに抱っこしてもらう歳じゃねーよ。
GM/「だよね。……あー、雰囲気作りにそれっぽい言ってみたけど、難しいなあ! 結納前夜だからってそれっぽい会話しよーって遊びやめよう!」
玄己/遊びだったのかよ!
ゾディアック/……あのさ。ダンの兄ちゃんの名前、『ゼノギアス』的にティモシーかな? ティモシーの日本語名って考えるの難しくない?(笑)
玄己/「大文司さん」とか?
刃/つまりダンの本名は「大文司 団吉」。強そう(笑)
玄己/ヤンチャ坊主感もあるしね(笑) つーか、オレのことばっか気にしてないで旦那のこととか、あっちの家で上手くやっていけんのかとか心配しろよな!
GM/「そ、それはそうだけどさ」
玄己/結納のときに着る着物とかは準備大丈夫なのかよ? 姉さん、縫物苦手だろ?
GM/「話はおしまい! ……その準備しよう! じゃあね!」 夕方が過ぎてまだまだ夜はこれからの時間なので、姉は逃げます。
玄己/ちぇっ。
GM/逃げられた玄己。いつも通りといえばいつも通りだ。この会話が「いつも通り」の最期になるなんて、思いもしない。
玄己/結納が終わったら、今度は結婚の準備で忙しくなるし……姉さんとゆっくり喋れるの、今日が最後だったかもしれないのに。いや、まだうちに居るんだし、結婚したって同じ村の中なんだから気にする必要は無いんだけどな。
GM/気にしすぎなだけだ。久々の若者の結婚で村の雰囲気が浮足立ってるのも落ち着かない原因だろう。
玄己/生まれてからずっと一緒に居た片割れが離れるという感覚にきっと違和感を覚えてるんだ。
ゾディアック/双子キャラあるあるだ……!
刃/村の人達の夕食の内容が「あそこの坊主が嫁をとったのか」「しかも真境名の娘か、良かったな〜」なんだ。
玄己/結婚するような若者の数はそんな多くないだろうし、それが村内の若者同士なら爺ちゃん婆ちゃん大喜びだしね。ざわざわ落ち着かないので、そのまま縁側から外に出てぶらぶら散歩する。
GM/散歩をする。やたらと風が暑苦しく思えた。11月にしては夏のよう。まるで熱風と思った冬の風。
玄己/あつ……。なんだ、季節外れの風だな? 風の吹いた方向をふと見る。
GM/そこには、何も……。というところで、オープニング1は終わり。ありがとうございます、焼き甲斐があります。
刃/焼き甲斐がある幸せな村でした(笑)


 ●オープニングフェイズ2 〜村の最期〜

GM/夜。真境名の家に、来訪者あり。インターフォンを鳴らすでもなく誰かが現れる。やって来た人がいて、出るとしたら誰だろう? 姉、母、それとも玄己、家政婦とかいる?
玄己/ああ、住み込みの家政婦さんですかね。
GM/では、パタパタと玄関に家政婦さんが「あれれ〜? 団吉くんじゃないの、どうしたんだいこんな時間に〜?」と来訪者に声を掛ける。
玄己/こんな時間に団吉?
GM/「どうしたの。まさか……転んじゃったのかい? すぐ赤チン出すからね〜」 団吉がちょっとボロッとヨロッしているので、家政婦は心配してサンダル履いて団吉に駆け寄る。
玄己/ヨネさん、団吉? どうしたんだよ? こんなボロボロで……。
GM/家政婦のヨネさんは見た(笑) 玄関に入れてもらって、それでもグスグスと泣いてる、いつもなら生意気でウルサイ悪ガキの団吉。ずっと泣いてる。
玄己/そんな泥だらけじゃあ家にも帰れねえだろ。風呂に入ってけよ。家に上がるように言う。ったく、明日はうちの姉さんとお前のとこの兄貴との結納だってのに……。

 GM/団吉の体から男がバリッと出てくる。 (我威になって)「お邪魔しまーす」

ゾディアック/(←我威の中の人)えっ!?
玄己/は?
GM/バリッと、中から着ぐるみを剥いで出るように、マーサーのPCの我威が現れた。
玄己/お邪魔しますじゃねーんだわ!?(一同笑) え……あ? 団吉……?
GM/マーサー、我威のキャラロールをお願いします。
ゾディアック/あー! なるほど、そういうことね了解! (我威になって)「俺は! ≪生体侵入≫で! 人体の中に文字通り入り込み! その体の中で実体化することができるのだ! つまり入った異物が膨れ上がってパァーンと中から破裂させるようなもの! 小学生ぐらいの団吉くんの体からお邪魔しまーすで血まみれの大男参上ッ!
GM/我威の≪生体侵入≫の設定をずっと聞いてたので、やってほしかった。団吉は破裂し、部分部分が飛び散った。生首ごろんどころじゃない。部品が散り散りだ。
刃/ひっどい!(笑)
玄己/ビチャチャッ、と団吉だったものが玄関に飛び散る! な、んで……あまりにも突然の事で頭が追い付かない。赤チン持ってきた家政婦さんもあまりの惨状に呆然としている……。
ゾディアック/我威ニタァリ。うわひどい。
玄己/お前がやったんだよ!(笑)
刃/ヨネさん、SANチェック失敗だよ(笑)
GM/(我威になって)「おっと忘れてたー! ターゲットの真ん中に入ったらこれ押すんだったー!」 ポチっ。
玄己/何か持たされてるー!?
ゾディアック/(我威になって)「ちゃんと手のひらにマジックで書いておいたから忘れなかったー!」 なお、その手は血まみれ。
玄己/マジックで書いたの、俊弥だろうなあ……(笑) それはそれとしてボタン、何!? てめえ、何しやがった!
GM/ポチ、と何かのスイッチを押した男。途端、ターゲットである家の半径2キロに結界が張られた。結界の外では何があったとしても気付けないような、中のことを見えなくさせる仕掛けだ。
玄己/はっ。我に返って、親父達に知らせ……!
GM/それと、体が重くなる。知らせようとした玄己の体がグッタリする。≪負の空間≫や≪本能の拐引≫の効果により、一般人の家政婦さんなんて一歩も動けない。
玄己/突然の闖入者に掴みかかろうとしたけれど、体が重くていうことをきかない……!
GM/(我威になって)「お邪魔しまーす」 づかづかづか、土足で血まみれの男、家の中へ。
玄己/くそ、勝手に、入るんじゃねえ……! 這いずってでも後を追う!
GM/マーサー、我威になって玄己を好きにしていいよ。
ゾディアック/(我威になって)殺さない程度に好きにしていいですか! やったー! 我威は! この5秒で! 次にすることを忘れたのである! 中の人が何も知らんから。
刃/それはそう(笑)
玄己/侵入者の行く手を阻むように、普段から使っている蛇の霊を放つ! でも結界のせいでいつもより威力は無く、ただ侵入者の足元にまとわりつくだけ……。
ゾディアック/(我威になって)「ぱしっと掴んでモグ、バリムシャ! このパスタ、霊力の味しかしねえ!」
玄己/そりゃそうよ! パスタ扱いされたにょろ!(笑)
ゾディアック/(我威になって)「そんなパスタを食べるより、俺はもっと美味しい物を見つけたのである!」 ≪生体侵入≫でにゅるんとSANチェック失敗してあわわしてる家政婦さんにイン。我威、姿が無くなります。
玄己/なっ!?
GM/(家政婦になって)「あわわ!?」
ゾディアック/そして家政婦の中から我威の声がする。
玄己/てめ、ヨネさんから出てけ……!
ゾディアック/(我威になって)「わかった」 パァーン! 「出たよ♪」 破裂した中から出てきます、真っ赤な鬼。
玄己/あっ。……あ、ああ……絶望顔になる……。
ゾディアック/(我威になって)「ごちそうさま!」 ちなみに我威は家政婦さんを殺したことに喜んでいるのではありません。それを見た玄己くんの絶望顔が美味しかったです。以上、異端者の我威でした!
GM/ひどくない?
刃/ひどくない?
玄己/て、めえええええ! 重たい身体を押してでも立ち上がって、大男に向かって突進する!
GM/我威に付けられた≪魔印≫と≪ターニングセット≫により、その場に顔を隠した黒装束の人間がザザザザっと現れる。
玄己/新手!?
GM/我威がまず侵入して、そこから結界を上書きし、彼らのホームグラウンドになったところをワープして中に入り込みました……という仕組みです。朱指の一同が現れます。

 GM/壱遥という中性的な声の主が、「馬鹿騒ぎしすぎだ……」と言って玄己をふん縛ります。我威のような遊びはなく、ササッと神業のように縛り上げる。隣には戯と王子も立っています。

ゾディアック/『しゅしキャン△』のみんなだ!?
玄己/『しゅしキャン△』ではみんなであんなキャッキャ遊んでたのに! ギャップ萌え!?(笑)
刃/手際が良いプロだ……。
玄己/(←壱遥の中の人)「ほら、関係ない奴まで無駄に殺してんじゃねえよ。後始末、大変なんだから」

 GM/戯達が家の中へそのまま入っていき、兜貴が手際良く玄己に猿轡を噛ませました。生きて捕獲します。

刃/縛られて喋れなくなった!
玄己/むぐー!? (壱遥になって)「メルギムと戯は、そのまま屋敷の制圧組だっけ? 俺とプリンスはこのまま出入口確保なー」
GM/続々と男達が中に入っていって蹂躙していく姿を、君は何もできず見ていることしかできない。

 ゾディアック/メルギムくんは、もうこの場所わっくわくですよね?

玄己/(←メルギムの中の人)メルギムは嬉々として参加してるだろうなあ……もう大型スコップが唸って光る(笑)
ゾディアック/キャトルくんも、淡々とメルギムくんと戯くんの後について行って告死天使していてほしい! (我威になって)「俺は俺は俺は俺は!?」
玄己/(壱遥になって)「頭領からはオイタしなけりゃ制圧班に加えろって言ってたけど、監督役の人は『我威くんが暴れるなら縛っておいて良いよ』って言ってた」
刃/俊也さん、それでいいんだ(笑)

 GM/なお、後方組医療班は結界のギリギリ外のワゴン車の中で待ってます。波央とかがいる。

ゾディアック/波央くんまでいるー!?(笑)
刃/朱指オールスターズだ!(笑)
玄己/波央、待機なう!(笑) も後方ワゴン組で参加してるかな?
GM/さて、玄己の目から見て君の両親とか親戚達は何者かに襲われたら反撃するタイプ? 完全降伏するタイプ?
玄己/父親とか男衆は反撃するタイプですかね。男衆が戦ってる間に母親とか姉とか女衆は裏口から逃げるみたいな。
GM/かわいそうに。……不意打ちのように現れた黒衣の男達、それに反撃する能力者の男衆達。縛られた玄己は、その戦闘には加われません。偶数が出たら玄己の家が実は優勢、奇数が出たら朱指が優勢。(1D6ころころ)2、偶数。
ゾディアック/やるじゃん!
刃/ホーム、強い。
玄己/いいぞ我が家! ホーム戦だから負けられねえ! 親父は≪神霊の一撃≫が使えるんだぞ!
GM/(メルギムになって)「やるじゃん!」 (戯になって)「うわ、ダイス超振られた!」
ゾディアック/(兜貴になって)「ダメージ軽減ー! って顔します!」
玄己/(メルギムになって)「って言っても人間だったらボクに殺せないものはなーい! 人間特攻モリモリスコップ乱舞!」
刃/引退した照行は「おめーらミスせずヤれー」って遠くの空に浮かんでます。
GM/お前は引退してるだろ(一同笑) スコップ乱舞で次々と血の海を作っていく男達。だが玄己の家は優勢だ。ダイスがそう言ってる。玄己は思う。
玄己/フラグじゃん……。

 GM/大丈夫……親父がなんとかしてくれると、玄己は信じられる。その男が来るまでは。

玄己/で、出たー!? 説得力皆無!(一同笑) ぬっと現れた黒髪の大男を見て、思わずゾッとする……!
GM/ゾッとしたのも束の間。その男が戦場に現れた途端、玄己の父の頭部は吹き飛んでいた。
ゾディアック/即死。
玄己/おや、じ。
GM/音も無く、最期の言葉も無く、父親は死んだ。唖然とする玄己の親戚達。頭部を斧で吹き飛ばした男は吹き飛んだ父親の髪をむんずと掴んで、回収するもの置き場に置きます。大事な頭なので縛っておいた玄己の隣に、ぽん。
ゾディアック/うわあ。父親の生首を、息子の隣に置いた……。
玄己/虚ろな目の父親だったものと目が合う……あ、ああ……猿轡が無ければ叫び出してただろう……。
GM/頭領らしき男は言う。「当主の身体は全て回収しろ。……抵抗が激しかった。生きて捕獲は難しいと判断し、無力化を選んだ。あれ以上戦闘を長引かせたらお前達の負担が掛かるからな」
玄己/や、優しい〜!(笑)
ゾディアック/(我威になって)「頭領、優しい!」 (兜貴になって)「やさしーって顔をします!」
GM/縛られて父親を隣に置かれた玄己。そのとき、父親の目が何かを訴えてたのが判った。出目6にする≪霊異の鼓動≫を使用。これで逃げるのだ。
刃/死んだ親父が逃がしてくれた演出だ……。
玄己/親父が最期の力で作ってくれたチャンスで、あの鬼のような大男とその部下たちの目を盗んで逃げます! まだアイツらは屋敷を探してる! 母さんと姉さん達がその間に外に逃げてくれてれば……!
GM/姉はどこだろう。母親達はちゃんと逃げたのか。偶数が出たらすぐに会える、奇数が出たらもう捕まりそう。玄己は1D6を振ってください。
玄己/(1D6ころころ)6! 親父の≪霊異の鼓動≫〜!
GM/奇跡的に父の力で逃げられた玄己は、奇跡的に母親達に再会できた。まだ追っ手は無い。
玄己/万が一の逃げ道として伝わってる裏道、そこに逃げ込んだらちょうど2人と合流できた! 母さん、姉さん! 良かった、2人とも無事で……!
GM/「玄己……!」 顔面蒼白の姉、しっかりしようとしている強い母。玄己よりも弱ってるのよく判るが、無事だ。
玄己/あいつら、ヤバい、早く逃げよう! 裏道から御山に行って、そっから隣村に行けば……!
GM/「う、うん、うん……!」 もつれる足と、負の結界のせいで怠い体で逃走を図る。
玄己/親父が死んだ、ということは今は言わない。けど多分母さんは察してるけど……。
GM/君達が逃げ出した、一方その頃……。

 GM/真境名家より2キロ先のワゴン車の中で、眼鏡の男が口を開く。「蛇、怖くない?」

ゾディアック/ワゴン車の中って……つまり、波央くん碧くんが一緒に居るね?
玄己/(波央になって)「急に何言ってるんだ、この人……」 (碧になって)「そうですか、あいつら案外可愛い顔してません? 俺、生き物係なので」
GM/「蛇ってなんか狡賢くて危険で陰湿で執念深いようなイメージあるよ〜」
玄己/おまいう。
ゾディアック/かわいこぶるな。
GM/「朱指には『出来れば素体は生きて回収』って命じたけどさ。そんな力がある連中を全部捕獲って難しいだろうからさ、もう全部焼こう」 開かれる本。火炎術式の禁書〜!
玄己/判断が早い!? (波央になって)「先生!? ちょ、早くないっすか!?」
GM/火力ブースト、オン。
玄己/(波央になって)「村の中にはまだ朱指の制圧部隊の奴らと一本松さんが残って、アーっ!?」 (碧になって)「バッ、止めろ止めろ!」
GM/元PCなら大丈夫ですよ?
ゾディアック/≪火炎術式≫は副特技だからPC相手にはダメージは無い。安全だね。違う、そうじゃない。
玄己/(碧になって)「山火事の後始末は大変だって話ですよー!?」(笑)
GM/村が燃えます。 「だから心配しなくても大丈夫だって。名前のあるキャラは死なない
ゾディアック/名も無き玄己の家族ぅーっ!(笑)
刃/ば、ばか……! もう、ばかっ!(笑)
玄己/(碧になって)「あーあーあー、俺達は止めたもんな」 (波央になって)「止めたもんな、不可抗力だよな」
GM/では一方その頃、玄己たちの視点に戻る。生き物のような炎が、何故か母親に付きまとい着火する。
玄己/母さん!?
GM/母親に名前は無いので死にます。
ゾディアック/ぎゃああ酷い! 団吉とヨネさんは名前があっても殺されたのに!? 全部我威のせいじゃん。
GM/そうだよ(笑) 「いやあああお母さんあああああああ!?」 生きた炎に殺される母親を助けようとする姉。目の前で苦しみの声を上げて死ぬ母親を見る。
玄己/くそ! 何だよこの火! 消えろ、消えろよ……! いくら上着を叩きつけても消えない。自分に燃え移りそうになったとき、母親の手が自分たちを突き放す……。
GM/「お母さん……うううううう!」 だから母親は、その場で死ぬ。
玄己/それでも母さんに近付こうとする姉さんを抱きしめて止める。う、うう……かあ、さん……なんで、どうして……。
ゾディアック/(我威になって)「おーい、こっちで声したぞー!」
玄己/っ、姉さん! 泣き崩れそうな姉の手を強く引いて、がむしゃらに山道を走って逃げる。
GM/その山道は……小学生のとき、姉と姉の女友達が遊んでいた道。おぼろげに思い出してきたので、玄己はその道を思い出していけば逃げられると思った。
玄己/そうだ、この道、昔遊んだことがある……!
GM/「昔、あの子と一緒に……ここから走って、近道で、すぐ近くの麓に出たよね……」
玄己/ああ! そうしたら麓の村で助けを求めよう! あそこの村はうちで神事をしてたとこだから、きっと手助けしてくれる筈だ……!
GM/そのとき「ぐわー!」と男の声がした。姉の婚約者である大文司の声だ。
ゾディアック/団吉のお兄ちゃんの声だ!
玄己/姉より3つ年上の大文司ー! いま決めました(笑)
刃/団吉とは年の離れた兄だったか(笑)
GM/「大文司さん……!」 姉は男の声がした方へ行く。
玄己/姉さん! そっちはダメだ!
GM/「でも……大文司さんが!」
玄己/姉さんまで死んだらどうすんだよ! 半泣きで言う!
GM/「でも……でも!」 泣きながら、バッと玄己のもとを飛び出す姉。
玄己/姉さん……! くそ! 追いかける!
GM/姉の悲鳴じみた嗚咽が、止まる。玄己が先を見やると、そこには……炎の中で、親父を殺した男が、意識を失くした姉を抱きかかえていた。
玄己/あ、あいつ、は……。姉さん!
GM/「…………。つるぎ、やれ」 男が、玄己も捕まえろ、場合によっては父親と同じように殺せと命じるように……刃に命令をする。刃、登場してください。
刃/「姉さん!」って走ってきた玄己を「うるせー死ね」と蹴り倒す。トンファーキック。
玄己/ぐはっ!? くそ、てめえ! そこ退け!
刃/剣を握って、動作確認。体は動く。正常にメンテは済んでいる。ザッと玄己に駆け寄って、まずは生かして捕らえるために左肩の下あたりを狙って刺しこもうとする!
玄己/父さんと、母さんを殺しただけじゃなく姉さんまで殺す気か!? なんで家族を、団吉や大文司や村の人達を殺した……!
刃/うるせー死ねって言ってるだろ。
玄己/うるせー! ただ殺されてやるもんかよ! 眼前に迫った刃を咄嗟に蛇の霊で防ぐ!
刃/ぐっ! ……へえ?
玄己/ガキン、と凶刃を弾く蛇の守り神! その合間に咄嗟に身体を動かして男から距離を取る!
刃/さすがいいとこの坊ちゃんか。……時間を取らせるな。
玄己/何なんだよお前ら!? 何が目的なんだよ! なんで村を焼いたりすんだよ……!?
刃/理由か? 『機関』に来たら教えてもらえるんじゃないか。機関って口に出しますね。
ゾディアック/PCに情報漏洩、偉いよ(笑)
玄己/親切(笑) 『機関』……? 聞き覚えの無い単語に眉を顰める。
刃/死ね。≪死神の赤≫+≪インドラ≫+≪機関「朱指所属」≫で攻撃する。でっかいの剣でザクッといくような構え。≪凶々しき武器≫、つまり俺の総攻撃!
ゾディアック/「凶々しき武器=刃さん自身」なんですね。
玄己/姉さんだけでも返してもらうぞ! ≪神威の導き≫で避ける! 神域だからな、結界が上書きされて張られても真境名の庭だ! 目に見えない何かに守られているかのように、男の攻撃を避け続ける!
刃/俺の一撃を避けた? へえ……おもしれー女。
玄己/オレは男だッ! 余裕かましてる隙を突いて、蛇を鞭のようにしならせて戦闘マシーンのような男に叩きつける!
刃/喚くな。頭痛がすらぁ……ってぁあっ!? ズザーッて叩きつけられます。
玄己/よし!
刃/そのとき、やばい、って顔をします。さっきまでの余裕もった悪人の顔じゃなく、やばいって顔になります。
玄己/その隙に走り込んで黒い鬼みたいな大男の元に……! 姉さんを、返せーッ!
刃/あ、しまった……!
GM/「…………」 姉を抱きかかえていた頭領らしき男は、すっとウズマキから拳銃を取り出す。その拳銃を、姉の頭に。
玄己/あ……。
GM/パンッと姉の頭を撃ちます。
玄己/なっ……≪黄泉がえり≫を使う! 姉さんを殺さない!(ころころ)代償【MP】3点、低コストで払えました。自分のホームだからきっと力が使いやすいんだ……。
GM/隙を作って刃に協力する描写にしようと思いましたが……ではご安心ください、玄己の異能のおかげで姉は生きてます。生きてる姉は「お願い、玄己に……酷いことしないで……」と男達にか細く懇願した。
ゾディアック/姉の鑑〜!
玄己/姉さん! そんなこと言ってる場合か……!
GM/「……刃。戦えるか」
刃/……いける。ふらつきながら、立ち上がる。
GM/「どうも俺は、調子が乗らんようだ。すまんが……早めに終わらせてもらう」 命中判定クリティカル+ダメージロールで玄己を撃ちます。
ゾディアック/クリティカル回避じゃなきゃ避けられないわな。
玄己/刃との攻防で≪神威の導き≫や≪霊異の鼓動≫とか使いまくったので【MP】が無い! 山道を走ったのもあってもう体は疲弊しきってる。その迫りくる弾丸を避ける事も防ぐことも出来ない……!
GM/(ころころ)物理108点ダメージです。ダァンと放ちました。
刃/安定の100点越えダメージ。
玄己/煩悩の数〜!(笑) 玄己が4人死んでお釣りが出ます……。
GM/玄己は戦闘不能になりました。……一本松は、「トドメを刺す」をせずに、背を向けます。
刃/……ヨロッと立って、玄己を見る。
GM/「死んだな? ……死んだな。行くぞ」 姉を抱いて、去ります。「……そいつは死んだのだから、帰る。それだけだ」
刃/……親父ときは「身体は全て回収しろ」て言ってたくせに?
GM/「…………。そいつも母親と同じ、揃いで死にたいだろう。元より『生きて捕獲』が仕事だ。……俺は、捕獲した。帰るぞ」 朱指の頭領、剣菱一本松は……去ります。
刃/……なんだよ、それ。……殺したくないって言いたいなら、最初からそう言えよ。
玄己/玄己はピクリとも動かない。ただ耳をすませば……か細く息をしてるのは気付くかもしれない。
刃/玄己に近づく。
玄己/ひゅう、ひゅう、と今にも死にそうな呼吸で……薄っすらと開けた目は憎悪を抱いて目の前の男を睨みつける。
刃/命令通りに動くなら、生きて捕獲。それでミッションコンプリートだ。まだこいつは生きている。生きているから……。
玄己/……ろして。
刃/……殺してほしい?
玄己/……こ、ろして、やる……!
刃/そっちか……。そのとき、刃の中に衝撃が走るッ!
ゾディアック/えっ、何?(一同笑)
刃/炎の中で「殺して」と少年に言われるという記憶が脳裏に浮かぶ。
GM/あ。
ゾディアック/ひょあ? ……あ、ああああ!?(笑)
刃/いつの間にか刃は、玄己を抱き上げていた。
GM/え、やめ……ええ? そういうことする……?(笑)
玄己/う、わ……(笑) 玄己は……刃の抱きかかえられながら、うわごとのように「ころして……やる」と繰り返す。
刃/うるせー死ね……って言いながら、引き摺って歩き始めます。頭領とは別の方角へ。少年を生かすために。知らない筈なのに、聞いたような台詞に、背筋がゾワゾワする。

 (なんで……? おい、どっちに歩いているんだ俺は……頭領はあっちに行ったぞ……ワゴンはあっちだぞ……)

 (生かして捕獲だ。生かすのは、正しい。そういう命令だ。命令は従っている……)

 (なのに何故……少年を救おうとしている? どうして生かしたい?)

 (………………生きてほしいからだ。理由なんて無い)

 (……馬鹿な!!)


刃/ずるずる引き摺って、助かりそうな道に行きます。
玄己/ぎゅう、と男の腕を掴む。……すて、てけ……おまえに、なんか、たすけられたくない……。
刃/連れていく。……助けてやるから黙ってろ。
玄己/ざ、っけんな……!
刃/うるせー大人しくしてろ。……助かりそうな場所まで来たら、ぽいっと捨てます。
玄己/いって!?
刃/その後……少し躊躇した顔をして……その場から去ります。
玄己/……変な奴。
GM/刃は朱指本陣に合流する。玄己は炎に巻かれることもない。禁書の被害にもならない、外に出られたようだ。結界から出られないと思った? 禁書が結界まで焼いちゃった。テヘペロ♪
刃/ばか!(一同爆笑)
玄己/(波央になって)「アー航先生、おやめくださいアー! ハッ、そういえば前に緑髪の子から貰ったミスリル瓶があるぞ!?
刃/それだ!(笑)
ゾディアック/エセルになって)「航センセイの後頭部を……後頭部を折るのです……」 エセルちゃん&桐生御衣ちゃん&ぷぇもきっとそう言う。
玄己/(碧になって)「天啓もやれって言ってる」 シールサーティーンディシジョンスタート! 承認! ゴッ!(一同爆笑)
GM/こうして1人生き延びられる山まで下りられたラッキーな玄己。どうする?
玄己/……なんか変な奴が気が変わって安全そうな場所まで連れて行ってくれたので、≪清浄の使者≫で回復して、ふらふら動き出します。
GM/(守護蛇になって)「ガンバレにょろ……」
刃/(守護蛇になって)「もうひと踏ん張りだにょろ……」
玄己/まだ御山だから助けてくれる蛇たちもいる……なんとかそれに助けてもらって、麓の別の村まで行きます。山火事が起きてるから麓の村の人たちも騒いでるだろう。
GM/「山向こうの巳輪の村はどうなったかのう」「あっ、あそこ! 誰かいる!」「ありゃあ真境名んとこの双子のどっちかじゃねえか!?」「良かった! 無事だったんだねえ……!」 すぐに大きな病院へ連れて行かれました。
玄己/銃弾の跡もある。ヤケドも酷い。でも一命は取り留めた……。
ゾディアック/良かった、助かった……。
GM/そして入院。数日後……ある人物が、玄己の前に現れる。
玄己/誰……?
GM/レジスタンスの所属員だ。色々事情を聞いて、君を助けようと来た人です。山火事の正体や、あそこで死体も残らず焼け死んだ事件を取材しにきたジャーナリストとして会いに来ました。
刃/表の顔はジャーナリストで、裏の顔はレジスタンスのメンバーか。
玄己/事情を話す。話を警察に言っても取り合ってくれなかったことも。アンタ達は、警察と違うのか? 『機関』って奴らの事、何か知ってるのか……?
GM/レジスタンスの人は『機関』の名前を聞くなり、君を信用して色々話します。機関の悪行、能力者や人外種族の誘拐・実験・人身売買について、それを暴こうとしている組織があり、それが自分達であることも。
玄己/人外狩り、異能者の誘拐……。じゃあ何だよ、オレ達の村はそれで襲われたのかよ……?
ゾディアック/うん……。そのジャーナリストさんから「巳輪村の事件は、間違いなく機関が絡んでます」ってレジスタンスの情報網が伝わったら、ゾディアックも動き始めますね。生き残りが「真境名 玄己である」と聞いたら、お見舞いにも行きますわ。
GM/そうして玄己は、姉のかつての友人と再会した。……オープニングシーン、一旦終わりにします。
玄己/機関やレジスタンスについて受け入れるには時間が掛かるけど、退院する頃には覚悟を決めてますね……。


 ●オープニングフェイズ3 〜心〜

GM/一方その頃。刃のオープニングシーンいきます。ハンドアウト的には色々と「機関から離反を考える」というシーンをします。
刃/いつも通りの航に会うシーンがやりたいです。終わった後、巳輪村のことを話してくれるシーンがしたいな。
GM/では、戻って来た機関の研究所にて。夜須庭航は、嬉しそうな声音で言います。(航になって)「巳輪村の能力者、凄いね。どれもキャラクターレベル7以上じゃないか」
玄己/≪神霊の一撃≫とか使えるもんな(笑)
GM/「回収できたの、予想以上に上質なものが多くて良かった〜。これ敵に回すと厄介だったよねぇ。回収できなかったやつ全部燃やしておいて正解だったと思うよ」
刃/ほんとに?(笑) そんな航の独り言を聞いてる。
GM/「MRX-12。ちゃんと朱指アタックが使えたみたいだね。実働部隊に入れられるって頭領から報告があって良かったよ」
刃/……だが、必要以上に負傷した。すまない。
GM/「君が無事で良かったよ」
刃/……っ!
GM/「テスト運用の段階で壊れたら、さすがの僕も非難轟々を受けただろうよ。でも君がしっかりと運用できるって証明できて安心した。多目的機能を付けすぎて器用貧乏という評価だったけど、これなら君は使えるパーツという認識でいられるね」
玄己/ひ、人の心〜……!(笑)
刃/…………。俺、ちゃんと、できてたか?
GM/「あれ? さっき僕が言ってたの聞こえなかった? その距離でその聴覚なら可聴範囲だと思うけど」
刃/負傷したし、捕獲数は……他の奴より少ないけど。……俺、オリジナルに近いこと、できたか?
GM/「ああ、そういうこと? 君は、80%鉄だよ。その喋り方、100%に近い。でももっと鉄は胸を張った喋りをするかな。あとたまには失敗することはあるよ。人間だもの。でも失敗してもそれを茶化すぐらいのユーモアがあったな。君は落ち込むだけだ。ユーモアセンスが足りない。そこでマイナス5点ぐらいかな? 実力は当然ながらレベル差が……」 以下、冷静な評論。
玄己/航先生、もうちょっと手心というものをだな……(笑)
ゾディアック/好きです……(笑)
刃/……判った。
GM/「判ったなら評論時間は終わりでいい? じゃあ巳輪の伝わるあれこれ解剖に脳を切り替えよ〜。あ、出て行っていいよ。僕これから忙しいから」
刃/捕らえたあの娘は、どうするつもりだ。
GM/「ちょっと、遊ぶ」
刃/そうか、と去ります。
玄己/ふ、不穏しかねえ……!(笑)
GM/航が居た研究室から出て行く刃。
刃/……あの少年は、無事だろうか。生きてるだろうか。生きてねえ訳ない。俺が助けたんだから。……助けたんだよな。なんで……?
ゾディアック/なんで……?
刃/……炎の中、殺して……と言った少年を、助けたいと思ったんだ。……これ、もしや頭垓の研究者達がやたら言ってた……自我とかいうやつか? ……判らない。航に、聞けば良かったか。壁に頭をぶつける。
GM/ガンッ。
刃/泣く。
玄己/泣いた……。
刃/壁に頭をぶつけたのだから、泣く。当然だ。だから泣いたんだ。……そうに決まってる。壁にぶつかる前から、泣いてない。……少し、機関の強化兵ぽくない動きを、この日から始めます。
ゾディアック/そうして刃さんは……機関の情報をレジスタンスに売るようになっちゃうと? ゾディアックが買って玄己くんに流して、ハンドアウトの潜入が始まる訳ですね……?
刃/はい。……ちなみに、MRX-12っていうナンバーで呼んでる航だけど、「刃(つるぎ)」という名前を付けたのは、多分一本松です。
玄己/名前を付けたり、本名で呼んだり……もぉー!(笑)
GM/そんな風にふらふらと研究所を歩いていた刃は、捕らわれた身の姉を見た。
刃/あ……。
GM/捕らわれの身なのでもう自由に歩くことはできない、備品扱いの彼女を見つけたのだった。
刃/……双子の身内が生きてるって知ったら、あれも……喜ぶんだろうな。……大抵の人間は、人間を生かしたいって思う、らしい。朱指の頭領も、そうだった。あの場所にいて、あの任務だったにも関わらず、少年を生かそうとした。
玄己/…………。
刃/そして人に似た形で造られた俺も……死にかけの人間を見て生かそうと思った。……どうしてか。そうだ……12番目で器用貧乏で不出来な俺を生かして、ナンバーじゃなく「刃」なんて名前を与えた頭領も……そういうことだったんだな。人間らしかったんだ。

 (……もっと人間らしくなれば、オリジナルに近づけるのか?)

 (……船橋鉄になれるのか? 航に、認めてもらえるのか?)

 (……じゃあ、してみよう。頭領が俺にしたこと。頭領があの女にしたこと。俺があいつにしたこと)


刃/…………人間らしく、助けてみせる。