アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 あるいは裏切りという名の×× 』 2ページ ■
2021年11月19日




 ●オープニングフェイズ4 〜裏切り協力〜

GM/先に言っておくんですが……シナリオを作ったときの想定だと、オープニングであんな丁寧に村焼く予定は無かった。
玄己/丁寧に焼かれたオレの村ー!(一同笑)
GM/構想段階だと「研究所に潜入からスタート!」だったので……だから、PC2のオープニングシーンも実は無いんだ。急遽作るしかない。
ゾディアック/私は玄己くんと刃さんの激突が見られただけでオープニングは大満足です。
GM/でもあれだけPC1とPC3の出番をオープニングで見せたんだから、一応PC2のオープニングぽいことはしようと思います。
玄己/ゾディちゃんのオープニング、見たい!
GM/という訳で、ゾディアックのオープニングシーンを始めよう。ゾディアックは機関とどういう繋がりあるか、改めて設定を聞かせてください。
ゾディアック/ゾディアックは裏の世界でのタレントをやってます。機関の天足が主催するイベントに呼ばれて司会をしたり、ブログで宣伝活動をしてお金を貰っています。現代だったらツイッターとか生放送動画をやってるね。
玄己/世が世ならVチューバーやってそう。
GM/既に外見がVっぽい(笑)
ゾディアック/魔道具のお披露目イベントは機関やエルスのような組織は定期的に開催していますよね。そのイベントの司会をしたり、開発者登壇の際にインタビューをしたり、そう判りやすくパフォーマンスをして能力者の顧客を増やす……裏社会のタレント業です。
刃/なるほど。異能力者のいる裏社会にはそういうタレントっているんだろうな。
ゾディアック/つまり可愛いマフィア梶田です。
玄己/字面が可愛くないんだよな!(一同爆笑)
ゾディアック/マフィア梶田は凄いぞ! あの若さで執筆力も宣伝力も広告力もご自身のタレント力もコネクションも凄いんだぞ!
刃/つい最近、星5声優として実装されたし(笑)
ゾディアック/そんな可愛いマフィア梶田の本業は、スパイで殺し屋です。マフィア梶田が殺し屋をやっていても「わかる」でしょ?
刃/むしろ殺し屋をやってなかったら訴えられる顔だ。
玄己/本当にマフィア梶田キャラでいいの!?(笑)
GM/タレント業とスパイ業の中、ゾディアックはある人物の情報を得る。NPC2……夜須庭 航の情報だ。

 夜須庭 航
 機関に所属する研究員。巳輪村襲撃の指揮を取った人物。
 異能開発に力を入れており、昨今は能力者を使用した人体実験を人里から外れた山間部に所在するオネイロス研究所にて日々熱心な研究を行なっているらしい。


玄己/航先生だ! 塩を撒かなきゃ!
ゾディアック/むしろ航先生自体が塩害みたいな男ですよね。
刃/俺の航がすまなかった。
ゾディアック/お前の航先生なんかい。
刃/うん。
玄己/うんって言った!(笑)
GM/巳輪村は……1年前の大火災時、村長宅周辺の民家2キロばかりが燃え広がり、周囲には身元が割れた焼死体がいくつも発見された。だが、周辺住民十数名の行方不明となっている。レジスタンスはその行方不明者達は「機関が連れ去った」と予想していたが……ついにその数名の姿が、オネイロス研究所で確認されている。
ゾディアック/家政婦さんのようにその場で殺されて焼死体にされた人もいれば、生きたまま機関に連れ去られた村人もいる、と。……お祝い前日だったということで玄己くんの家に何人か集まっていそうだよね。その人達は全員連れ去られてそう。
GM/そうそれ。その目撃情報のリーク先は、PC3。刃である。
刃/俺があげました。
GM/PC3の刃は反機関組織であるレジスタンスに、レジスタンス協力者であるPC2のゾディアックにこの情報を売った。ゾディアックはその情報の確実性を信じ、PC1の玄己にその話をする。そしてオネイロス研究所への潜入作戦が実行に移されることとなる……という流れです。
ゾディアック/この情報のやり取りは、実際会ってしようかな。刃さん、私と夜のデートしよう!
刃/おおー。
ゾディアック/夜の公園でデートの待ち合わせをしよう! 既に裏は取れていて、本日は直接会っての最終打ち合わせ! ……ごめんなさい待たせちゃいました〜? って一見するとまるでデートに遅れてきた女の子みたいに立っている刃さんに近づく。
刃/対魔忍みたいな格好はヤメて立ってます。
玄己/わあ、デートだ! 美男美女カップルだ(笑)
ゾディアック/デートですから、腕を組んで歩きましょうー♪ この前は色々お話してくださってありがとうございます〜。こちらの上司(レジスタンスの鶴瀬リーダー)にもお話を通しておきましたよ♪
刃/ゆっくり歩いて聞きます。
ゾディアック/上司にもちゃんと意見を貰いまして……貴方を信じられるか信じられないかで言ったら、信じられるんじゃないかな〜って思ってます!
刃/うん。
ゾディアック/もし機関の刃さんが私達レジスタンスをハメるためにわざと情報を渡しておびき寄せるのが目的ならば、それはそれで「そんなことをした悪い連中め〜!」とレジスタンス側の正義が燃えて機関を潰す糧になるだけです。
刃/うん。
ゾディアック/ただでさえレジスタンスは機関の尻尾を掴めなくてアレコレヤキモキしてまして。貴方というアプローチにどうなるか一同興味津々なんですよ〜!
刃/うん……。
玄己/……刃さん、「うん」しか言わん(笑)
ゾディアック/……ここから先は、貴方自身が口にしてほしいお話なんですけど。
刃/うん……?
ゾディアック/どうして、情報をレジスタンスに? 貴方は機関の子でしょう? どうして……親を裏切るようなことを? 刃さんの腕にしがみ付いて、甘えるように上目遣い。外から見たらイチャイチャカップルの図で問い質します。
刃/俺ならそうするから。
ゾディアック/「貴方ならそうする」から?
刃/俺はとある教会のエージェントのクローンだ。教会に所属していた男の器をもとに造られたクローンだ。
玄己/ぶ、ぶっこんできた!?(笑)
刃/機関の夜須庭 航の手によって、その教会の男を再現するために造られた。俺は完璧だ。完璧にオリジナルの男を再現されている。完璧に男を再現した結果、「人とは救うものだ」と俺は判断した。
ゾディアック/……ほえー。やっぱ機関は凄い技術をお持ちですねえ。
刃/俺は巳輪村を襲撃した一人だ。巳輪村で、数人を殺した出撃作戦に参加した。だがその作戦を本能が「それはいけない」と言った。あれは、俺の身体に植え付けられたオリジナルの意思に違いない。……俺は殺すことも奪うこともできず、一人を救った。本能は「それで良かった」と訴えをやめない。
玄己/…………。
刃/1年経って、俺の中の本能は「そのままでいい」と言っている。俺は完璧なオリジナルになるために造られた。ならその本能に従い、俺は救う。巳輪村の住民がオネイロス研究所にいたことを流したのは、そういう理由だ。
ゾディアック/…………。素敵なご意思ですね! 大変結構です♪ でもでも、とりあえず3つほどお話よろしいですか?
刃/3つは多くない?(笑)
ゾディアック/思いついちゃったんだもん♪ 1つ目。私、ブログのプロフには「レオンハルト星から来たお姫様」って書いていますが……。
刃/こりん星か?
ゾディアック/時代的にはそうだよ(笑) 本当は私、巳輪村出身なんです。貴方が焼いて、焼けなかった、それでも焼かれた、巳輪村出身なんです。
刃/…………。
ゾディアック/貴方は自分の目標に突き進む素敵な御方ですけど、今まさに「復讐の女が立ちふさがる!」展開もありえます。「わーん私の村を焼いた仇めー! 殺してやるー!」って襲ってきたら貴方はどうします? ……そしてそれは、きっとPC1の玄己くんがすることよ。
刃/…………。悩んでいる。オリジナルだったらどうするか。俺の目標を達成するために、復讐に駆られた女を殺すか? でも復讐されるに相応しいことをしたなら、そのまま罪を償うべく殺されるべきか?
ゾディアック/そこ、しっかりしといた方がいいですよ〜。
刃/……せめて、情報を流したことで人が救われる、「救えた」という実績が得られるときまで、俺を殺さないでいてほしい。
ゾディアック/ほえー。つまり、「自分優先」ですね? 「捕まった人を救う」という立派なことをやろうとしているのはお褒めしますが、やっぱり自分優先な御方なんですね?
刃/ああ。それは罪滅ぼしにならないだろうか。人を救ってから、処罰されるのは、ダメか。
ゾディアック/玄己くん、この会話を離れた所でインカムなど使って聞いていてください。この刃さんの言葉を聞いて、玄己くんはどう思いましたか?
玄己/えっ、「都合の良いこと言ってんじゃねえぞこの野郎」って真っ先に思いますね。コアリクイの威嚇のポーズ!
刃/ですよね……(笑)
GM/なお、PC3の初期ヘルプイベントキー『オネイロス研究所』があるから研究所に潜入するミドルフェイズができるので、PC1とPC2はPC3と結託してオープニングを終わらせてください。
刃/「PC3と協力しなきゃPC1はミドルフェイズでNPC1を救出に行けない」って訳ですね。
ゾディアック/セッションを始めるために協力するのはもちろんです! でも……このオープニングシーンは、「PC3が仲間になる」ために大事な会話をしたいんです!
玄己/……「都合のいいこと言ってんじゃねー!」って思うけど、姉や村の人を救うためには刃さんの協力が不可欠なんだって考えて、玄己は堪えます。勘違いするなよ! 姉さん達を救うためにお前の協力が必要なだけなんだからな! 赦した訳じゃないんだからな! レッサーパンダの威嚇のポーズ!
ゾディアック/……刃さん、2つ目のお話です。もしかしたらこの先、口には出さなくても「赦した訳じゃないんだからな!」とレッサーパンダの威嚇のポーズをする子が現れるかもしれません。それでも貴方は、耐えられますか?
刃/…………。
ゾディアック/いえ、耐えてでも私達に協力してください。そしていつ裏切られても、悪く思わないでください。貴方が機関を裏切るように、「信用しますね」と言った私達も貴方のことを耐えきれず裏切るかもしれません。
刃/……うん。分かった。
ゾディアック/3つ目のお話。……貴方を生んだ噂の夜須庭 航のこと、どう思ってるの?
刃/うん?
ゾディアック/オネイロス研究所で日々頑張ってらっしゃる機関の天才科学者、夜須庭 航。貴方はその夜須庭 航の子だと調べはついてます。オリジナルに近づくだ、人を救うだなんだ言ってますけど……貴方は本当に夜須庭 航を裏切れるの? ぶっちゃけ船橋 鉄が夜須庭 航を裏切れるの?
刃/…………。ああ。
ゾディアック/本当に? だって貴方の目標は「夜須庭 航に認められる」ことでしょ? これから先、しんどすぎない?
刃/いける。俺は、やれる。救いたい。その気持ちは、嘘じゃない。
ゾディアック/……その宣言を、信じます。じゃあ次のデートは●日で♪ 次回も楽しみにしてます〜♪ そう言ってデートを装った潜入打ち合わせをおしまいにします!
刃/ゾディアックを危なくない所まで送って、別れた後……木々を飛んでいくようにザッと消えます。
玄己/対魔忍だ……!(笑)
ゾディアック/この会話は全部録音されてま〜す。玄己くんにもレジスタンス本部にもリアルタイムで送られてまーす! ……クローンなんてものは、やっぱり悲劇的な存在ですねえ。でも、どんな相手でも利用しなきゃ今のジスタンスは前に進めない。
玄己/……ああ。
ゾディアック/どんな罠だったとしても、とりあえずは機関への取っかかりは必要だもの。……裏切られるかもしれなくても、踏み込んでいきましょうね?
GM/それでは、これから本編になります。オネイロス研究所潜入作戦、当日です。

『AF判定:NPC1愛する人と合流する』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:30

※「研究所に捕らわれているNPC1を発見、合流して一緒に逃げる説明までする」演出に成功すること。
 成功した場合、一緒に逃げるシーンに移行する。
※協調行動OK。自動成功。1人特技演出を2つ使用したらバトンタッチ。

『EX判定:襲撃と第六感』
 AF判定とは別にメジャーで行なう。シーン演出は、敵との遭遇。戦闘や逃亡などで切り抜ける。
 GMが指定した判定にいくつか成功すると、イベントが発生する。
 イベントが発生するたび、発生させたシーンプレイヤーの【正気度】−1D6÷2。

【行動値】
 刃:18
 ゾディアック:15
 玄己:13
(シーン進行は【行動値】順に行なう)

GM/ミドルフェイズでAF判定かEX判定のどれかができます。AF判定でNPC1の姉を発見して合流してください。EX判定を選択すると、研究所でイベントが発生します。
ゾディアック/EX判定……? 【正気度】の代償が重いけど、気になるな。
GM/山間部の研究施設で、警備はそこそこいます。そんな中で3は合流して姉を助けにいってください。3人の出会い方はお任せします。
玄己/玄己はゾディちゃんの正体を知ってるんだろうか?
ゾディアック/玄己くんの村焼きオープニングで「姉が山を逃げるときに言ってた一緒に遊んでいた子」がゾディアックなので、言われれば存在に気付くんじゃないかな。玄己くんが入院してたときレジスタンスとして会いに行って「ほら、よくお姉ちゃんと遊んでいたけど昔引っ越しちゃったクラスメイトだよ〜!」と自己紹介する。
玄己/なるほど、知ってる。けど名前も色味も変わっていて「え、ええっ?」ってなってそう(笑)
ゾディアック/レオンハルト星からやってきたお姫様になったからね。本名は獅子中 星子(ししなか・ほしこ)です。
刃/名前は星子のままでも良かったのでは?(笑)
玄己/星子ねーちゃん!? そんな、髪の色まで変わって!?(笑)
ゾディアック/ゾディアック・レオンハルトです〜☆ もしくはマフィア梶田♀って呼んで。
玄己/マフィア梶田路線で本当に良いのか!(一同笑)
ゾディアック/ほら、AKBが流行る前のアイドルや原宿系って変な路線が多かったし……。あ、今のうちに『契約』の相談をしておきましょ!

 プレイヤー全員で『契約』の相談をした結果……。
 玄己が刃のマスターに、刃がゾディアックのマスターに、ゾディアックが玄己のマスターになった。


玄己/刃さんに生殺与奪の権利を渡したくないので、オレがマスターになります! おうおう、協力するって言うんなら誠意見せてもらおうじゃんよ!
刃/ぴょんぴょん。小銭ちゃりちゃり。
玄己/小銭、持ってるんだ……?(笑)
ゾディアック/チェーンアクセサリーとか着けてそう。
刃/対魔忍だからな。
玄己/忍びは音が出るものを装備してちゃ駄目じゃない?(笑) ゾディさんはレジスタンスの先輩だからマスター、把握!
刃/自分は「手の内を明かすため」や「信用してもらうため」サーヴァントに契約したと。
ゾディアック/じゃあ、ミドルフェイズのAF判定の中で合流していきましょ。かわいいマフィア梶田、頑張ります!
玄己/マフィア梶田がいるなら中村悠一を連れてこなきゃ……。自分で言っていて「女顔のオレの声優が中村悠一では?」って『マクロスF』の気持ちになりました(笑)
刃/『ノーザンクロス』を歌う俺、イケメンが息をしていてごめんな?
玄己/格好良すぎて逆に腹立ってきたな!?(一同笑) バックドロップからのコブラツイストもするしドロップキックもするぞ!? そぉい!
刃/しまった、サーヴァントだから基本服従しなきゃ。コブラツイストもされるるしドロップキックもされました。
ゾディアック/すぐに仲良しになった……!(笑)


 ●ミドルフェイズ1/刃 〜救出〜

刃/【行動値】が一番高い俺からスタートしよう。……最初は普通にAF判定からにしようか? 合流演出もしたいし。
GM/まず、シーンプレイヤーは刃のシーンから。どうやって研究所に潜入させる?
刃/レジスタンスは研究所に真正面から来たい? こそこそ下水とかから来る?
玄己/下水はゼノギアス的な意味でちょっといい思い出が無いので、裏口から侵入かな?
刃/了解……。裏口には普通は見回りがいる。でも今日はいない。俺が≪機関「食導所属」≫でここらの人員に怪しまれず手配した。
ゾディアック/おおー!
刃/代わりのここら辺を見回る看守は俺だ。カモフラージュも完璧。俺がこの辺りを歩いていても何も怪しまれない。素早い動きで、侵入者を隠しながら中へと忍び込ませる。≪プロパゲイト:鳥躍≫。
玄己/手配されて忍び込む。すると、1年ぶりに見る顔が居る……。
刃/…………。
玄己/ギーッ!
ゾディアック/凄いですね刃さん、本当に人払いしてくれてた〜! 玄己くんに安心アピール! ささっと玄己くんを連れて≪神域の耳≫で周囲に人が居ないかチェック! 本当にいない!
刃/約束は守る。ギーッされてる横で言う。
玄己/……待ち伏せされてるんじゃないかって冷や冷やしたぜ。
ゾディアック/玄己くん、こちらが今回の協力者の……って説明はいらないか。
玄己/知ってます。
刃/……元気、だったか。
玄己/……誰かさんのおかげでな。ツーン。
刃/良い医者がいたようだ。
玄己/1年で姉さんを助けに行けるぐらい死に物狂いでリハビリしたんだよ。
刃/そうか。その修業が、今日、報われる。
玄己/……何なんだよ、こいつー!
ゾディアック/うんうんよしよし、しっかりと誠意を持って人払いしてくれたし安心して進みましょう。≪神域の眼≫で周囲にトラップが本当にないか確認! 大丈夫! 進むー!
玄己/ゾディ先輩、めっちゃ慎重……。≪魂装支援≫、刃の説明を黙って聞きながら注意して施設内を進む。≪霊視≫で霊的なトラップとかも無いか確認しながら……時々、この施設で亡くなったんだろう人の思念体も見付けてしまう。こんな所に姉さんが……。
刃/様々な結界≪本能の拐引≫が張ってあるというのに、残留思念がまだ残っているのか。
玄己/人の強い感情や未練なんかは早々消え去ったりなんかしねえよ。
刃/そんな結界を張っている≪機関「頭垓所属」≫の研究所の中だというのに、お前はその霊力を使えるんだな。航が欲しがる村の住民だっただけはある。無意識に煽ります。
玄己/カッチーン!
ゾディアック/今「カッチーン」って音がしたぞー! そしてそういう顔をしてるぞー! って≪心眼≫で把握する(笑)
玄己/お前らのせいで……オレの家族は! と声を荒げようとしたけど。
刃/……荒げないのか?
玄己/大声を上げて警備員が来たら作戦に支障が出る、作戦が失敗したら姉さんは助けられない……クールになれ真境名玄己! と言い聞かせる。
ゾディアック/えらい! 声を上げようとした玄己くんに≪零力射撃≫。ギーってお顔よくできました〜。
玄己/……すいません、ちょっと感情的になりました。
ゾディアック/まあ、2人がこうなることは夜のデートで予想ついてたけどね! 逆に変に仲良くしないで安心安心。緊張感があることは大事だもの。
玄己/…………。「ダイジョブ?」と心配してくれる蛇の≪守護霊≫達。にょろにょろ。クールになるにょろ!
ゾディアック/かわいいにょろ!
刃/へいきにょろ? クールになれにょろ?
GM/応援するにょろ。
玄己/刃の後ろを付いていきながら、こいつがレジスタンスに協力する理由を思い返して、複雑な気持ちになる。そんな風に思うなら、何でもっと早くそのことに気付かなかったんだ……オレ達の村を焼く前に、気付けば……。
刃/ああ、気づけていれば……。
ゾディアック/でも、刃さんは「焼いたから気付けた」んだよな……あのシチュエーションからすると。
玄己/モヤモヤとしたものを抱えつつも、今はこいつが姉さんを助けるための案内人なんだ。だから、今はぶん殴りたいの我慢していかなきゃと怒りとかそういう感情を≪八重垣封じ≫。
ゾディアック/えらいにょろ。
刃/打ち消したにょろ。
GM/頑張れにょろ。
玄己/にょろ〜。これで難易度が24減少……。
ゾディアック/ここは【体力】ボーナスが6で一番高い刃さんに振ってもらいましょう! なお、ゾの【体力】は4です。
GM/「ゾ」って名前の略し方はどうなんだ?(笑)
刃/『現在難易度:6』ならいけますね。刃が【体力】判定をします。(ころころ)達成値16。
GM/成功しました。無事に姉がいる研究室まで到着、発見できます。
ゾディアック/やったー!
GM/姉は……いかにも異能研究所っぽい所に捕らわれています。研究員や警備員はそこそこ居ますが、「合流して助け出すまで」がAF判定の範囲なのでNPCはやっつけられます。
玄己/姉さん! 思わず駆け寄りそうになるので誰か止めてください!
刃/ザッと目にもとまらぬ速さで警備員研究員を全員眠らせる。
玄己/オレを止めるんじゃなくて警備員を止めるのかよ!?(笑)
ゾディアック/これが≪プロパゲイト:鳥躍≫の力だ!(笑) ……でも、これで安心してお姉ちゃんに近寄れるね?
刃/ああ、すぐ駆け寄ってやれ。駆け寄りたいだろ?
玄己/そういうとこやぞ!(笑) あっと言う間に沈黙させられた警備員の姿に、それをした刃の姿に一瞬呆気に取られるけど……小さく「ありがと」と呟いてから、姉さんに駆け寄る。
ゾディアック/お礼が言える良い子にょろ!
玄己/姉さんに「ちゃんとお礼は言いなさい!」って育てられたから。
刃/…………。親指を立てる。
GM/親指を立てた(笑) 姉は実験体用のカプセルの中で眠らされていて、そこから出して目を覚まさせることができます。弟に体を揺すられて「……あ……誰……?」と寝惚けた顔を見せる。
玄己/起きた……! 姉さん!
ゾディアック/わあ、生きてた! 良かった〜!
刃/俺は……増援が来ないか見張っていよう。
玄己/姉さん、大丈夫か? オレのこと分かる? 怪我してないか? あいつらに変なことされてない? 平気?
GM/「……貴方は……玄己。弟の、玄己……?」
玄己/そうだよ、弟の玄己だよ。
GM/「……会いたかった」 ぎゅうっと抱き着く。
玄己/安心して、姉さんを抱き返す。オレ達、姉さんを助けに来たんだ。
GM/「私を助けに?」
玄己/うん、ここに姉さんが居るって教えてもらって……ほら、あの人分かるかな? 姉さんと昔よく遊んでた子。
ゾディアック/星子だよ〜! みんなで助けに来たんだよ! 安全な所でたくさんゆっくり、みんなでおしゃべりしに行こう!
GM/「ありがとう。玄己……星子ちゃん、会いに来てくれて」 ぎゅうっと玄己に抱きつきながら、嬉し涙を流しながら、姉は感謝する。
玄己/ここは危ないから、早く逃げよう。
GM/「でも私、裏切れないんだ」
玄己/姉さん?

 オリジナル特技≪即死≫
 自動成功。同じ村の生まれである同じ力のPC1を即死させる。


GM/死んでください。NPC1はPC1と同じ能力という設定なので、玄己の心臓を姉の蛇がザシュッと貫く。
玄己/死んだー!?
ゾディアック/なんて率直な内容の特技!?
刃/わかりやす!?
玄己/……え? 驚いた顔のまま、倒れる。
ゾディアック/にょろー!?
刃/にょろがやったんじゃないにょろ。
ゾディアック/姉さんのにょろがやったにょろ! 唖然ですよにょろ!
刃/なっ……と刃も思わず目を見開きますにょろ!
玄己/死なので玄己はもう何も喋れない。ただ胸に空いた穴から血を流すだけ。……玄己の蛇は白蛇のイメージで、姉も同じ蛇を使う設定だったんですけど……この姉の蛇は黒くなってそう。
ゾディアック/闇堕ちしてるにょろー!?
刃/剣を召喚して、すぐ姉を殺そうとする!
GM/姉、刃に殺されます。
刃/えっ。抵抗してくるかと思ったら……すぐ殺せた!?
GM/はい、すぐ殺せました。なので姉弟の死体が2つ転がります。
ゾディアック/……そういうトラップ!?
刃/……知らん。なんで……救えなかった?
ゾディアック/……この顔は、本物だ! 刃さんを信頼する! これは裏切りではない! 玄己くんに近づく! でも、もう……。
玄己/目を開けたまま、今にも「何を言ってるんだ?」と問いかけそうな顔で死んでる……。
刃/なんで……救えなかった? ダメだろ……俺が救ったのに、死ぬなんて……死ぬなよ。
玄己/死んでる。
刃/……死なないでくれ……。
玄己/死んでしまった。
刃/……死なないでくれよッ!
GM/死なないでくれよ! そう叫んだ刃。ゾと玄己に合流します。
刃/……あ……。
GM/ここはオネイロス研究所の裏口。さっき刃はレジスタンスであるゾと玄己に合流したばかり。……今回のループは、全員記憶継続OKです
刃/……ループした……。
ゾディアック/ループした! ……ミドルフェイズ開始前まで時間が戻った!
玄己/しれっと略しされすぎてるゾディ先輩(一同笑) あれ……オレ、さっき……。姉さんを助けて……姉さんに……。
刃/し、死なないで……って、夢……?
ゾディアック/……シィーンとした廊下で、3人だけが立ってる。全員で顔を見合わせる。
玄己/胸、痛くないけど、貫かれた感触は覚えてる。……な、何なんだよあれ! やっぱ罠だったのか!? 刃に詰め寄る!
刃/……罠にハメたつもりはない。俺も知らなかった。
ゾディアック/うん、多分刃さんは本当に知らなかったの。そこは私を信じて。
玄己/……ゾディ先輩が言うなら。
ゾディアック/よく[世界遣い]の人が「時間が戻る現象がある」って話していたけど、それかな。……とは言っても、ねえ?
刃/ああ。とは言っても、だな。
GM/ここで「やっぱ救出作戦やめるか」って言ってもいいですよ。そのままエンディングフェイズへ移行します。
ゾディアック/救出できないオチエンドだ〜!
玄己/オレは、ここまで来たら姉さんを助けに行く。一人でも。
ゾディアック/……私も助けに行くよ。「潜入したところからやり直し」なんだから、潜入のリスクを負ったことは消えてないんだしね。
刃/元より、助けるために手引きをしたんだ。何があったとしても助けないという理由にならない。……罪滅ぼしのためにも道は外さない。
玄己/ああ。……いったい姉さんの身に何が……機関は姉さんに何をしたんだ。
刃/何をしたんだ……「裏切れない」ってなんだ? またAF判定すると、同じ結果になりそう。
ゾディアック/だよね〜。ちょっと遠回りするけど、色々と別のものを見た方がいいかもね? 何かのフラグを詰めばAF判定の中身が変わりそう。

『AF判定:NPC1愛する人と合流する』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:30→15

※「研究所に捕らわれているNPC1を発見、合流して一緒に逃げる説明までする」演出に成功すること。
 成功した場合、一緒に逃げるシーンに移行する。
※協調行動OK。自動成功。1人特技演出を2つ使用したらバトンタッチ。

『EX判定:襲撃と第六感』
 AF判定とは別にメジャーで行なう。シーン演出は、敵との遭遇。戦闘や逃亡などで切り抜ける。
 GMが指定した判定にいくつか成功すると、イベントが発生する。
 イベントが発生するたび、発生させたシーンプレイヤーの【正気度】−1D6÷2。
 このEX判定は一度もしなくてもシナリオクリアーできる。


GM/2回目以降のAF判定は、難易度が半減して15で挑戦可能です。では、次のシーンプレイヤーは行動をしてください。
刃/先に宣言しておこう。玄己を殺さない、死なせない。お前には死なないでほしい。守るからな。
玄己/…………。
ゾディアック/玄己くん、凄く好感度高い騎士様な台詞を言われちゃってるよう?
玄己/どの、口が……ってボソッと呟く。
刃/この口が言った。俺が、守る。
玄己/……オレだけじゃダメだ。ゾディ先輩も、助けた姉さんも、守れ。でなきゃ、あのとき村で死んだ人達の命に見合わない。
刃/……了解。お前の意思に従おう。お前の心を救おう。
ゾディアック/今までがどうであれ、その誠意を信じるよ。頼んだよ、刃さん?


 ●ミドルフェイズ2/ゾディアック 〜冒涜的〜

ゾディアック/ゾいきまーす。ゾって名前にハマってきたゾ。
玄己/ゾが定着しておる(笑)

『EX判定:襲撃と第六感』
 AF判定とは別にメジャーで行なう。シーン演出は、敵との遭遇。戦闘や逃亡などで切り抜ける。
 GMが指定した判定にいくつか成功すると、イベントが発生する。
 イベントが発生するたび、発生させたシーンプレイヤーの【正気度】−1D6÷2。
 このEX判定は一度もしなくてもシナリオクリアーできる。


ゾディアック/EX判定は「敵との遭遇イベント」になるのかな? とりあえずGM、イベントくださーい!
GM/はい。1D6を振ってください。
ゾディアック/(1D6ころころ)死の4です!
玄己/不吉なこと言うなよ!(笑)
GM/なんかいる。
ゾディアック/なんかいる!
刃/なんかいる!?
GM/なんかいます。廊下の先に≪神域の眼≫でチェックしたゾは、ずるずるとしたなんかが来ると思います。
刃/……見張り?
GM/顔は姉の冬霞そのもの。裸体で腕や腰や足から臓器が剥き出しに生えている。何故か腕から腸が出ていて、その腸のようなものが蠢いて第三第四の腕となっている。触手のように蠢く臓器。肌は肌色だが、赤い腕が無数に纏って動いているので「赤くて腕が多い触手じみた姉だ」と感想を持てる。
ゾディアック/…………。なんや、それ……。
玄己/冒涜的な何か!? え、知らん……こわ……。
ゾディアック/な、何あれ? ほんま何!? 見張りにしちゃあ、ちょっとニョロっとしてすぎやしませんかね?
刃/刃はもちろん何も知りません!(笑)
玄己/見張りには前衛的過ぎるデザインじゃない!? ≪完視≫で調べられないかな!?
GM/暗がりでよく顔が見えない謎の物体を、霊的に察知する。「あれは神霊だ」と玄己なら察せられた。
刃/神霊なの?
玄己/神霊なのお?
ゾディアック/神霊なの!? 異端や人外じゃなくて!?
GM/凄く神々しい。玄己が仕えている神などの力、そのものを感じる。
ゾディアック/にょろってあんな怖いものにょろ!?
玄己/うちの、巳輪の……神様? 姉さん……なのか……?
刃/……なんだそりゃ。でも姉は研究室のカプセルの中にいた。あれは……姉の、クローン?
玄己/姉さんではない、と否定したいけど、自分の能力が「あれは姉だ」と告げている。
ゾディアック/ゾは巳輪村出身だから「優秀と言われていたお姉ちゃんがうちらの神様を降ろせたのです」って言われたらちょっと納得しちゃう!
刃/優秀な能力者だから、クローンで増やされたとか?
玄己/増やして、神を降ろしたのか……?
GM/姉の顔をした神々しいものが、ずるずるぬるると内臓を剥き出しにしたそういう生き物が……近寄って来る。【正気度】判定はシーンプレイヤーのゾだけでいいです。
ゾディアック/これゲーム的にはゾだけ減りますけど、全員間違いなくSANチェックですわね(笑・ころころ)3点減少! デカイけどそりゃなー!
玄己/納得の最大値! がっつり逝ったな!(笑)
GM/さて、【意志】難易度12の判定をしてください。
ゾディアック/【意志】はなんと3! でも振るゾ!(ころころ)出目は4と2……達成値9で失敗。
玄己/≪霊異の鼓動≫を使用! 出目2を6にしたら成功するでは?
ゾディアック/つまり+4だから……達成値12で成功! 凄い玄己くん! 凄くありがとう!
GM/判定に成功したことで君達は逃げることができます。必死に逃げられました。
刃/倒せない……神霊そのものだったら、倒せない。
玄己/ああ、あれはダメだ、逃げよう!
ゾディアック/玄己くんの声に冷静に判断! 逃げます! さっきのループでは真っ直ぐ研究室に行ったから会わなかったんだろうね!
刃/こっちだ……! 多少判っている施設を案内する!
玄己/必死に走りながら、何だよあれなんだよあれってずっと言ってる!
ゾディアック/でも、あれ……あの顔って、冬霞ちゃん……だったよね?
玄己/研究所のカプセルで寝ていた姉さんとは別だよな!?
刃/でも、お前と同じ顔だった。
玄己/マジで機関っていうか航先生、オレの姉さんに何してくれてんの!? 「ちょっと遊ぶ」って何!? ちょっとの範囲って何!?(笑)
刃/(俺の)航がすまん。
ゾディアック/そこで独占欲を微妙に隠すな(笑)
玄己/お前の航先生なら何とかしろぉー!(笑) 機関、早く滅ぼそ!?


 ●ミドルフェイズ3/ 〜陰謀〜

ゾディアック/という訳で次のミドルフェイズになった訳だけど。えー……あんなのと遭遇イベントが、まだあと5種類あるの?(笑)
玄己/とは言っても、またAF判定をしても同じ結果になりそうだしな。……EX判定をするか。えーん、死のカレルレン研究所やめろー!(笑)
ゾディアック/でも凄く「イガちゃんが作ったシナリオだな」って感じで安心しました。
玄己/それ。
刃/それ。
GM/それ?(笑)
ゾディアック/だって内臓好きでしょ?
GM/結婚したいぐらい好きですけど……。
玄己/結婚したいぐらい好き!?(一同爆笑)
GM/では次は、玄己がシーンプレイヤーのシーン。EX判定をするなら先に1D6を振ってください。4が出てもさっきと同じシーンにはなりません。
玄己/(1D6ころころ)6。行為判定のときに6が出てほしい(笑)
GM/廊下のあっちから何人かの声が聞こえてくる。玄己達はすぐに身を隠せるので見つからないだろう。
玄己/……話し声がする。
刃/コソコソ。
GM/男達の声だ。

 「……警備実習って、なんだよ」

 「警備員の実習だよ」

 「そのまんまじゃないか〜。朱指の俺達がそういう研修する必要ある〜?」

GM/戯と壱遥と王子という朱指に所属する3人の男達が会話をしているようです。
ゾディアック/『しゅしキャン△』のみんなだ!
玄己/キャンプしてなさいよ、アンタ達は!(笑)
刃/ここ、山間部だし。
玄己/なるほど、オネイロス研究所でキャンプ!?(笑)

 戯「……1年前のあそこ」
 壱遥「……なんか、未だに頭領、引き摺ってるんだって?」


ゾディアック/ほえ?
玄己/続けて。

 王子「なんか……作戦が食い違いがあったとか」
 戯「あのときの作戦、頭領が全部指揮る筈だったんだよな」
 壱遥「おかしいよな。こっちも現場で混乱してたんだよ」
 王子「……波央と碧がいうには……航先生が……」
 壱遥「えっ。マジでこっち、とばっちりじゃん!?」


ゾディアック/で、ですよねー!? 波央くんと碧くんがその真実を知ってるぞ! ぜーんぶ眼鏡のせいだって!
玄己/(波央と碧になって)「止めたけど止まりませんでした!」(笑)
刃/も、もう……航の奴……(笑)

 壱遥「……じゃあ、なんだ? あの村の被害って……」
 王子「……本来であれば、あんなことにはならなかったってこと?」


玄己/え。
ゾディアック/うわ……。

 壱遥「……誰が我威にあんな潜入をしかけたんだ?」
 王子「普通は、頭領が……」
 戯「いや、頭領はあんなやり方、しねーぞ。滅多にしねーぞ。危険な異端の集落でもない限り!」
 壱遥「じゃあ、我威があんなにテンション高かったのは……もしかして、
航先生が手引いた?

刃/我威、もしかして、操られた説。
ゾディアック/操られたっていうか……「さんざん暴れるように誘導された」可能性?
玄己/が、我威くーん!? これは保護者から抗議の声待ったなし! でも危険な異端の集落だったら頭領もそういう作戦にするんですね(笑)

 壱遥「最終的には引くに引けなくなって、朱指が出動したことには変わりないけどな……」
 戯「まあ、住民を確保するのは作戦だったし……」
 王子「でも最初は穏健に『協力に来てもらうよう要請しに行く』だけだったじゃん……」


GM/PCは知ってしまいます、機関はあくまで「能力解明のご協力の要請に行くだけだった」予定だったことを。お金を払って、ちょっと採血とかアンケート回答してもらうぐらいの筈が……歪んで、村焼きになったことを。
ゾディアック/寄生虫の解明医療団かな?
刃/入江診療所だ(笑)
玄己/え、じゃあ、父さんも母さんも、団吉も村の人達も、死ななくて良かったってこと……か?
GM/そんな話を聞いてしまったシーンプレイヤーは、【正気度】を1D6÷2点減らしてください。
玄己/(ころころ)2点減って、現在【正気度】は10点になりました。
GM/なお、PC3の刃は機関所属員なので、彼らの会話に混ざれます。混ざってもらえますか?
玄己/あんた、話を聞いてこい。
刃/朱指の一員だから行く。
GM/刃は壱遥と王子と戯がたむろっている所へ行きます。知り合いってことにしておいてください。(戯になって)「あ、どうも。そっちも警備員の研修?」
刃/ああ。こんな所まで研修なんて、たるいよな。
GM/(戯になって)「話が分かる〜」
玄己/(壱遥になって)「あ、刃さんだ。ちわっす。朱指は要人警護とかもやらされるんで研修あるのも分かりますけどねー。にしても暇ー」
ゾディアック/わりとみんな仲良しでほっとするな(笑)
刃/さっきしていた話、本当か。1年前の巳輪村の任務が……本来であれば朱指が出る必要が無かったって話。
GM/(戯になって)「本当ですよ。……一本松さんが乗り気じゃなかったって、俺、本人の口から聞いてます」
ゾディアック/本人の口から……!
GM/(戯になって)「だけど、頭垓から仕掛けられちゃったんです。そのとき我威が頭垓にちょっと世話になってたこともあり……」
玄己/(俊弥になって)「訴訟!」(笑)
GM/巳輪村はただの地方の村で、機関に歯向かったりしてません。だから何も無く村焼きに遭うのは普通はおかしいんです。憲子に喧嘩も売ってないですし。
玄己/憲子に喧嘩を売ってない! 重要!(笑)
ゾディアック/憲子に因縁をつけられちゃ「そりゃなぁ」って感じだけどね! 憲子……気まぐれでデスゲーム鑑賞したり綺麗な一族を欲しがったり、通りすがりの娘さんを食べたりするからなぁ(笑)
刃/巳輪村にはそういう因縁は一切無かったのに、航に目をつけられて我儘で燃やされたと……。
玄己/気に入ったならもうちょっと丁寧に扱ってくれませんかねえ!?(笑)
GM/(戯になって)「もし……一言でも俺達が言い出せたなら、これおかしいですって言えたなら、ちょっとは違うことになったかも。いや、もう過ぎた話ですけど。村の住民のおかげで研究が進んだって喜んでいる連中もいるんですし」
玄己/(壱遥になって)「一本松さんも上に強く言えたら良かったんですけどねー。朱指は他の部署に比べると、発言力が弱いからなあ……」
刃/確かに過ぎた話だ。……過ぎた話だが。……やるせないな。
GM/(戯になって)「…………。そういうこという人だったんですね、刃さんって?」 PC3限定『イベントキー:説得』を手に入れてください。

 『イベントキー:説得』
 機関の実働部隊を止める権限を表わしたイベントキー。君が発した言葉は、何よりも強い。


GM/(戯になって)「……これから明らかにおかしいことがあったら、俺達で一本松さんを止めましょう! 明らかに変だったら声を出さなきゃ!」
玄己/戯くん、いい子だな〜! (壱遥になって)「やりたくない仕事とか、俺達だってしたくないもんな!」
刃/おう……。すまん、こっちの監視は俺がしておく。お前らあっちでサボっててもいいぞ。3人と別れてこっちに来ないように仕向けます。
GM/3人は「わーい」と刃に従います。
ゾディアック/我威を伏線にされて中の人は爆笑してるでござる。……おかえり刃さん、話は刃さんに付けた盗聴器から聞かせてもらった!


 ●ミドルフェイズ4/刃 〜宿敵〜

GM/3人終わって1ラウンド終了。……時間が押してる。潜入して早々だらだらしている場合ではない。そろそろ時計を見ながら行動した方がいい、と第六感が告げます。
ゾディアック/……2ラウンド目から危うくなるかも? でもAF判定にいっても明確に何が変わったという感触が無いので、まだEX判定を続けてもいいと思います。
玄己/うん、あと1回ぐらいはEX判定をするターンで良いんじゃないかな? 刃さんがゲットしたイベントキーの用途もいまいち分らんしな。
刃/いいと思います。俺もEX判定します。
GM/では、1D6をどうぞ。
刃/(ころころ)1です。
GM/……ずるり、と音がする。
刃/出たか……。
GM/姉の顔をした何かが、あちらからやって来るのを刃は気づく。
玄己/姉さん……。
刃/剣を構える。だが、逃げる方針でいくぞ。
GM/姉の顔をした何かが来る。既に会ったことがあるので説明は省く。説明は省く、が……1匹。2匹。3匹。4匹。5匹。複数の姉がいる。複数の、同じ顔した化け物が現れた。
ゾディアック/多い多い多い!?(笑)
玄己/人の姉を匹で数えるな!? ほんと何してんだお前のとこの組織の研究員!? 人の姉は加工可能なフリー素材じゃねーんですよー!?
刃/俺も聞きたい。フリー素材としてコピーペーストされたな……。(ころころ)【正気度】が1減ります。現在【正気度】は14から13点になりました。
ゾディアック/刃さん、【正気度】高いね!? そっか、≪機関「朱指 所属」≫で【正気度】を使って戦うタイプだから≪機関「食導 所属」≫で【正気度】増やしてるのか。
刃/一度見たから大丈夫、安心していける。……勝てるとは言えないが。
GM/では次に、遭遇のイベントなので【反射】難易度12をどうぞ。
刃/【反射】ボーナスは6ある。(ころころ)達成値14で成功しました。
GM/成功したので、大群を蹴散らしつつ生きられます。その蹴散らしている最中に……「神霊ではあるが個々は弱いので、殺せるときは殺せるな」と思います。
ゾディアック/ほほう? 殺せるのか。……姉ちゃんの顔した殺せる個体とはいえ殺せるのヤだな。
玄己/ふざけんなよ! 姉さんをあんな目に遭わせた研究者、絶対ぶっ飛ばす!
GM/そして逃げ延びた先、君達は別の研究室にたどり着けます。ぶっ飛ばしたい研究者なら、すぐそこに居ます。
ゾディアック/え。
玄己/ふぁ?
刃/うわ。

 GM/研究者は鼻歌まじりに何かしてる。白くない白衣の男は、魔法陣が敷かれた手術台の前で、何か肉をいじってた。

玄己/で、出たー!? ……え、刃さん、帰巣本能か何か?
刃/帰巣本能!?(一同笑)
玄己/いやだって、ピンポイントすぎない? 刃さんのシーンで航先生のもとに帰ってきちゃうなんて(笑)
GM/本当だ! 偶然です!(笑) ……手術台の上には姉がいる。姉と同じ顔をした肉の化け物と言ったほうがいいか。その姉にメスを入れている……加工している科学者だと判る。
玄己/お、お前……!
GM/男は鼻歌を歌ってます。
刃/航……ちょっと、いいか……。
玄己/姉さんに、何してやがるー! 駆け出して後ろからぶん殴ろうとする!
GM/姉バリアー!(一同笑)
玄己/てめえー!? 姉さんに何をした!? 姉さんを返せ!
ゾディアック/マジ航先生さぁ! フリー素材としてお姉ちゃんを好き勝手に使い過ぎじゃない!? 本当に【正気度】が0の人だ!(笑)
GM/(航になって)「おや、今日は警備員が手薄だとは思ってたけど、まさか本当に中まで侵入者がいるとは。僕のオネイロス研究所の見学者かい? 興味があるなら色々教えるけど?」 殴りかけられたことを気にしない様子だ。
玄己/知りたくもねえよ、アンタの頭のおかしい研究なんざ!
刃/……何をしてるんだ。何を、させてしまったんだ。
GM/「MRX-12が潜入者を招いた? ……ふーん。本当に君らしいね、鉄」
刃/……だろ? 
GM/「何をしたかの説明をしようか。巳輪村の人材は、神を降ろすのにピッタリだった。神様が強い力を持っているのは誰もがご存知。機関は異能研究所として、神の力を使いたいところである。そして……真境名 冬霞の器は、神降ろしにとってもちょうどいい」
ゾディアック/凄く特殊な[霊媒師]の家系だから……。
GM/「たくさん研究するためにも、たくさん神の力を機関のために使ってもらうためにも、姉にはたくさん仕事をしてもらわなくちゃいけない。だから、増やした。最初は『村人全員を使って』と思ったけど、個体差があるから優秀なものをコピーしてペーストすることにしたんだ」
ゾディアック/ほんとコピペじゃん……!
玄己/お前……ふざけんなよ。他の連れ去った村の人は……。
GM/「他? はぁ、他は……降ろすにはちょっと弱い器だし、でも真境名家に近しい血ばかりだから使わないのはもったいない。良い器未満だけど駄作じゃないからね。いいところだけ、繋げた。こうやって……」 手術台の上にいる姉の身体には、臓器がたくさん生えてます。普通の臓器の量とは違います。別口です。
刃/……姉には多すぎる手足の正体は、村人?
玄己/姉さんのクローンに、村の人の身体や臓器を繋げた!?
ゾディアック/キメラか!? 村人は外付けHDか!?
GM/姉はクラス3つしか持てないけど、外付けすればもっとクラスが増やせるよ。
刃/シンプルに、ダメ……(笑)
玄己/村人は外付けHDじゃねーんですよー! 吐き気を催す邪悪ってやつだ……!
GM/「やっぱ村人同士は血が近いのかなあ? 普通は他人と他人って拒否反応が激しくて器がくっ付かないんだけど、くっ付くんだよ。いっぱい獲っておいて良かった〜。朱指に無理言って狩ってもらった甲斐があったね。10人もいれば研究が進むから」
刃/……じゃあ、なんで燃やした? あそこまで被害を拡大させる必要は無かった……と朱指から聞いたが?
GM/「確かに数は村長宅とその周囲ぐらいで足りてたね。でもさ……近しい人を消しておかないと、復讐しに来ない? いなくしておいて正解じゃないかな。報復の可能性があるのは怖いもん」
刃/などと供述しており。
ゾディアック/まさしく、マッドサイエンティスト……。
玄己/……怒りのあまり声が出ない……。
刃/……例えば、たった1人生き残った村人が……お前を殺そうと来る。そうなったら、お前はどう思う?
GM/「1人だけ? なら『やっぱり村を焼いて正解だったね』って思うよ。だって対処が1人で済んだってことだもん。焼かなきゃもっといっぱい時間取られたんじゃないかな〜」
玄己/……お前の、その身勝手な理屈で、オレの故郷は、家族は、焼かれたのかよ。
GM/「おや、まるで復讐者の1人のような台詞だ」
玄己/この顔を見て、まだそんな台詞吐けんのかよ。お前が弄んだ奴と同じ顔を見ても!
GM/じー。眼鏡ふきふき。じー。「あ、村の生まれだ」
玄己/今度は蛇霊を放つ! 殺してやると殺意を乗せて!
GM/姉の顔をした化け物がその攻撃から航を庇う。
玄己/くそっ……!
GM/「殺意を向ける潜入者がいたら研究が進められないねえ。……そっか、どおりで『みんな』勝手に動き出した訳だ。君はご兄弟……弟さんかな? 増えた彼女達は、君の気配を感じ取って、君に会いたくて会いに行っちゃってたんだねえ」
玄己/うわ。そういうことする?(笑)
GM/「彼女達には『僕を傷つけないでね〜』って頭をいじってあるから勝手に動いても支障は無いって放っておいたけど、なるほどー。『潜入者を排除する』なんて機能は付けてないのに徘徊するから、おかしいと思った」
ゾディアック/……ひい……。
GM/『弟と再会したかった』んだねえ。ずっと夢見心地だったから、そう寝惚けて兄弟の匂いを嗅いで近寄って……感動的だ。人の絆ってやつだね。MRX-12、勉強になるね?」
刃/…………。ああ……。頷きはするけど、頷くだけだ。……航。お前がそういう人間だってことは、判っている。俺も判っているし、この2人もきっと判ってくれた。
ゾディアック/こくこく。
玄己/わからいでか。
刃/航は丁寧な自己紹介をしてくれたよ。……同時に、もう決別は確実だ。今から玄己とお前が手を取り合って仲良しなんて、ありえないだろ。
玄己/こいつと仲良くなるぐらいなら舌を噛み切った方がマシだ。
GM/「はあ、握手ぐらいはできるけど……あ、手を洗ってきてからにしてくれる? あと僕、一応ビニール手袋したままでいい?」
玄己/その手ちょん切ってやんよお!
刃/……航。質問だ。姉はもう、救えないのか。
GM/「救えない?」
刃/もう散々弄られた姉は、弟のもとへ帰ることはできないものになっているのか? 俺は彼女を救えることはできないのか?
GM/「オリジナルは生きてるけど……」
玄己/オリジナル? ……あ、最初に俺達が会ったカプセルに寝かされていた姉さん?

 『イベントキー:交渉』
 本物の姉と交渉することを表わすイベントキー。
 『AF判定:NPC1愛する人と合流する』のシーンが、本物の交渉で合流できるシーンになる。


GM/「生きてるけど、もう僕の言いなりになっちゃってるからな〜。戻る気あるかな〜」
玄己/カプセルに寝かされていた姉さんは「裏切れない」って言ってたけど……。
ゾディアック/洗脳されてるだけなら!?
GM/「洗脳なら解けるよ。頑張ればね」
刃/オリジナルは生きてる……なら、救える?
玄己/なら、頑張るしかねえ!
GM/「さーて、警備員にこのこと知らせて僕は帰るかな〜。MRX-12、排除を頼むよ」 航は刃にそう言います。どうしますか?
刃/…………。
GM/刃は「航についていく」か「航とは離反する」か、ここでハッキリとさせてください。
玄己/わあ……。
ゾディアック/こ、これは……「PC側として戦うか」「NPC側の味方をするか」、ちゃんとしろと……。
刃/…………。俺は、オリジナルらしく……。
玄己/オリジナルなんて、オレは知らない。あんたが、どうしたいんだよ。
ゾディアック/……オリジナルじゃない姉だらけの研究室でそれを言うんだね。
玄己/刃があの眼鏡野郎についていくって言うなら止めない。あんたは元々あっち側の人間だしな。
刃/…………。航に「オリジナルに近づけ」と願われて、俺は生まれた。その願いに近づくために俺は……玄己を生かして、姉を救おうと、潜入者を手引きした。……充分、俺は近づいたよな? そう、さっき航は……俺を褒めてくれたよな?
GM/うん。
刃/じゃあ、嬉しい筈なんだ。航に褒められて、生まれてきた意味を達成できて、俺は報われて喜ぶ筈なんだ。……全然、喜べない。
ゾディアック/……嬉しくはないと。
刃/生かした玄己が苦しんでいる。憎しみで死にそうな顔をしている。そのまま戦おうとしている。俺は……その玄己の心と同調している。一緒に戦いたいと、思ってすらいる。……航に喜んでくれた嬉しさより、「喜びがその程度だった」という、何も得られなかった虚しさの方が強いんだ。
GM/へえ。
刃/……航。俺はきっとお前のことが……嫌、なんだと思う。お前が……そんな風に誰かを想わずに突っ走ってる姿が、嫌なんだと思う。
玄己/ああ……。
刃/だって……なんだかんだお前は他人の事、ずっと想って助けてくれる人間だっただろ? 人を傷つけるだけの人じゃないことを、船橋鉄は知っていた。なのに、そのときの顔をもう、してくれない。……嫌だ。
ゾディアック/……航先生は、思いやりできる人だったんだよな。だって、魔王城の作戦で瀕死の鉄さんを必死に助けてくれた。
玄己/逆に言えば、鉄さんにだけ思いやりがあったのでは……?
刃/……今の航は違う。だから、正そうとする。俺は……航から、離反する。
GM/「…………。あれ、警備員になってくれないの?」
刃/ああ。
GM/「そっかー。うん。90%鉄だね。合格」 ここで、【幸運】難易度50の通常判定をしてください。成功したら、夜須庭 航を殺せます。ここまでしたボスNPCを殺す権利、PCにはあると思います。
ゾディアック/えっ。航先生を殺す判定……?
刃/クリティカルを出せば殺せる……?
ゾディアック/クリティカル、出そうと思えば出せるぞ? 特技や異端堕ちを使えば出せるぞ?
玄己/千載一遇のチャンスかな?
GM/殺してもいいですよ。だって裏切られたんだもの。自分が育てた船橋 鉄に。裏切られたら、死ぬでしょ? 航が鉄に裏切られたら死にますよ。
ゾディアック/ひえっ!? ……ひ、ひどい! ひどい理屈!
玄己/そういうとこ! そういうとこやぞ……!
刃/や、やばい……今の一言で震えてしまった……。殺せる? 夜須庭 航を殺せるセッションが来てしまった?
ゾディアック/まままマジで殺せる!? 航先生を殺せるセッションが令和3年に来てしまった!?
玄己/よもやよもやだ! あれだけ航先生を討伐できなかったトモ天丼さんに討伐チャレンジチャンスが!?(笑)
刃/え、マジで? クリティカルを出せば殺せる? 殺せるの?
GM/誰も判定しないならそのまま逃亡しますが? 今、警備員という刃を失った彼は丸腰なので玄己がクリティカルを出して殺してもいいんですよ。
玄己/(ころころ)失敗。出目の片方が6だったらクリティカルに出来たんだがな……!
刃/どうしよう……ダイスを振るべきか、振らぬべきか。振ってみたい気がする。でも、殺したら、本当に航を裏切ったら……俺が壊れる。
玄己/汝のなしたいことをなすが良い……。
刃/…………。判定、します。(ころころ)普通に失敗です……。
ゾディアック/ゾは判定しません。……どうする?
玄己/刃さんが振り直さないなら、自分が振り直します。合法的に航先生殺せるチャンス、そうそう巡ってこないしな! ≪神威の導き≫を使用して、自身の【幸運】判定を振り直します。(ころころ)出目が6と2。6、出たわ。
ゾディアック/出た!
刃/出た……。
玄己/え、急に不安になってきた。いいの……? ……玄己が、≪霊異の鼓動≫を使用して、出目の2を6に変更。クリティカル成功にします。
GM/夜須庭 航を殺します。
刃/…………。
玄己/父さんから教わった≪霊異の鼓動≫で、全霊をかけて、躊躇する刃に気を取られてる夜須庭 航の胸を白蛇の霊で作った剣で貫きます。
ゾディアック/お父さんが使っていた技で生き延びた玄己くんが、同じ技でトドメを……!
GM/「あ」 貫かれる航の心臓。庇う人はいないのでそのまま倒れます。死亡を確認してください。
玄己/………やった、のか。
ゾディアック/……諸悪の根源が、倒れた。
刃/…………。
玄己/……本当に?
刃/俺が、庇わなかったから……俺が、裏切ったから。
GM/死んでます。転がっているのは、夜須庭 航の遺体です。
玄己/…………。は、はは。父さん、母さん……みんな……仇、取ったよ……。
ゾディアック/……巳輪村の悲劇の元凶、打ち取れた。機関の……暗部中の暗部を指揮していた男を、討伐した。レジスタンスにすぐ連絡します! 鶴瀬リーダーに連絡!
GM/朗報じゃないかな。だって悪の大幹部を倒したんだよ。
ゾディアック/救出作戦のつもりが、機関の幹部を暗殺できた……。
玄己/これで、機関も弱体化するのかな……。そうだ、レジスタンスの医療機関なら姉さんに掛けられてる洗脳を解くことが出来るかもしれない。
ゾディアック/うん、洗脳していた人が死んだ。つまり今の彼女は……少しは自分を取り戻せるかもしれない。心霊治療委員会に診てもらうためにも、注意して彼女を搬送しましょう。移動します!
GM/移動できます。ここには警備員はいません。通報する人もいません。MRX-12以外は。
刃/…………。
玄己/……大丈夫か? 刃さんに声を掛ける。
ゾディアック/刃さん。まだ、我々に協力できます?
刃/……玄己の姉を救う。それが約束だ。それに、玄己に死なれては困る……まだ殺される危険性は残っている。ついて行く。……だが、ずっと、青い顔をして……航の遺体を見ている。
ゾディアック/クローンの創造主といえど、「お父さんを見殺しにした」ようなもんだもんな……。
玄己/…………。でも、こっちは両親や友人を身勝手に殺されて、姉さんも酷い目に遭わされてるから……青い顔してる刃を見て、一瞬謝りかけたけど、それは口にしちゃいけない言葉だと思い直して飲み込む。
ゾディアック/刃さんは夜須庭 航の味方をしなかった。それだけで、我々の協力者として十分に働いてくれました。貴方に庇われてたら殺せなかった訳ですから。貴方が動かなかったことに感謝します。……そして、もう暫くお付き合いしてください。
刃/……そう、俺は玄己の両親と友人を身勝手に殺している。俺の身内……夜須庭 航という父を殺されても、俺は……玄己と同じ言葉を、言ってはいけない。……裏切ったんだ。夜須庭 航を。……好きだった人を。その責任を、俺は持たなければならない。研究室を、離れます。
GM/了解です。……殺したくなるし、殺せる状況でしょう? ここまでしておいて殺せないNPCは嫌じゃないですか?
ゾディアック/村焼きされたんだから仇討ちするシナリオだとは思ってたけど、まさか本当に仇討ちできるとは……。
刃/判るけど……けど……。
GM/ここで殺せなかったら、殺されっぱなしのPC1が可哀想だと思います。
刃/判る。玄己の復讐は叶えたい。俺の立場はそれを支援する役だ。……でも、震えてるんだ……。
玄己/振り直しても出目6が出なければそういう運命だなって納得しましたけど、まさかマジで6が出るとは思わんかった……。今更ですけど、航先生を殺しても大丈夫だったのか? これからの邪神召喚的な意味で……。
GM/このPC達には関係無い話なので大丈夫ですよ! それに、シナリオを作ったハンドアウトのNPCは「オリジナルの研究者キャラ」を想定してました。それがこの卓では夜須庭 航になっただけです。なんか重いセッションにしちゃってすみません。
玄己/村焼きの時点で重くならない訳がないですねえ!(笑)