アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第1ループ4話 『 long day,long night 』 5ページ ■
2009年11月24日




●プリプレイ

GM/ついに全員が揃って本編が始められるな。……今回、SRSという折角のFEARゲー方式のゲームシステムなので各話ごとにハンドアウトとコネクションを作ってみましたー!
亜紀/わー、スゴーイ!
航/おー。……GM、なんでそんな疲れた顔なんですか。
GM/……私はいつもテンションで「今こんな気分だからこのイベントやろう」って考えるからさ、こんなにシナリオ用意してきたの久々だ……。凄いよ、今回はシナリオメモだけで13KBも使ってる。
盟/生々しい数字出ましたね、それなりの文量書いてきてるよ(笑)
GM/という訳で始めるぞ! ハンドアウトを公開します……まずは、PC1。
航/……やっぱり俺からか。
相馬/だよ。だってPC1だもん(笑)

『PC1:秤谷航 用 ハンドアウト』
 コネクション:謎の声  関係:敵視
 君は夢を見た。何度も見た夢の続きだった。その夢は、ついに最後を迎えたらしい。
 さて、君が起床すると謎の音が耳に届いた。
 それは誰かの息遣い。ある人物が、とあるバケモノに襲われるというどこかの記録。
 気を引き締めて君は戦争の始まった外へと足を踏み出した。


航/戦争が始まっちゃってる!?
相馬/しかも「謎の声」って誰だ……? ギルガメッシュのことか?
GM/……次に、PC4の亜紀くんのハンドアウトを公開。
亜紀/ふぉう!? いきなりPC4にきましたね。

『PC4:早乙女亜紀 用 ハンドアウト』
 コネクション:ランサー  関係:自由


亜紀/やったあああああああああああぁ!(一同爆笑)
相馬/(全員で亜紀くんに向かって拍手して)おめでとう、中の人! 「関係:自由」だって!
盟/(鳴り止まない拍手の中で)おめでとうっ!

 君が夜、花屋のバイトを終わらせて帰っていると、何かが貴方に襲いかかって来た。
 強烈な衝撃が来る。そう思って目を閉じると、なんともない自分が居た。
 その代わり、何者かが貴方の前に躍り出ている。
 大柄の、目の細い、槍を構えた男性は一体?


盟/大柄の目の細い……の後に「GMがやりやすそうな」を入れたくなった(笑)
航/俺は「中の人の好みそうな」って言いたくなった(笑)
GM/そういうことにしておきます(笑) ……では次、PC2の相馬さんのハンドアウト。

『PC2:相馬 用 ハンドアウト』
 コネクション:アーチャー  関係:自由

 君がが夜の捜索を何の進展も無く終わらせて部屋に戻ると、窓にコツン、コツンと音がする。
 何かが窓に当たっている音だった。その音の正体は、君が最もよく知る少年だった。
 何やら二人きりで話をしたいそうだが……。


盟/アーチャーと2人でドッキドキかぁ。いいなー。
GM/という訳で、最後だけどPC3のハンドアウトは……。
盟/はーい。

『PC3:八木沼盟 用 ハンドアウト』
 コネクション:青森恐一  関係:ウマが合う


盟/…………っ!?(一同爆笑)
航/あぶねっ! ドロリッチ吹くとこだった!(笑)

 君は夢を見る。いつか見ると思っていた夢だった。その夢は、君のサーヴァントの過去だ。
 さて、君が起床すると朝イチで来訪者が居た。
 客は君も何度も会ったことがある。黒須の同僚で、君にとっても知り合いだ。
 彼は声を小さくして話し出す。「今回の聖杯戦争、困ってるんだ」


亜紀/青森恐一って、もしかして……オッサンですか!?(笑)

 『青森恐一』。
 心霊事件関係のオカルト記事を執筆しているフリーのジャーナリスト。
 実家は青森県恐山にあるイタコの家系で、霊能力を使うことができる未婚の男性。通称「青森のオッサン」。
 詳しくは『ゴーストハンター02・リプレイ〜パラドックスの椿』参照。PCとして活躍している。
 中の人は、盟のプレイヤーである。


盟/…………殴りてぇ(一同爆笑)
航/自分の子でしょ!(笑) お前のPCだろ、なんとかしろよ!
GM/それじゃ、シナリオを始める前にPC1から自己紹介とレベルアップ報告をしてね。
航/はい。秤谷航、PC1です。…………はぁ。
亜紀/なんで「はぁ」ですか(笑)
航/キャラクターレベルが4になったので、クラスはベタに[闘士]のレベルを1上げました。その結果、≪カバー≫が使えるようになりました。クラスレベルが2なので至近距離までしか庇えないからみんな近くに居てね。
GM/庇えるようになったか……。次に、PC2。
相馬/PC2……平将門こと優しくない本物の相馬です。
航/架空の相馬さんゴメンナサイ!(一同笑)
相馬/いえいえすみません、今度からなるべくみんなに愛をあげられるよう頑張ります。
盟/いいんだよ別に! 我々が相馬さんぽいプレイが出来なかっただけだから! あんなカッコイイこと言えなかったんだよ!(笑)
相馬/いや、でも……リプレイ読んで本人がキュンときたぞ。なんだか悔しかったけど(笑) 話を戻しまして、[狂戦士]の≪獣化≫を新しく取得しました。
GM/一段と凶悪になったな。次……PC3。
盟/八木沼盟は、[魔術師]の≪魔導書≫を取得しました。……漸く基礎を学びました。いらないと思ったんだ、最初は。
航/今まで応用だけだったんだね(笑)
盟/攻撃方法は[魂を纏う腕]でなんとかなってたけど、ハンズフリーから本を持ってビジュアル映えさせました(笑)
GM/[魂を纏う腕]は1度の攻撃で【MP】4点も消費するからね……。お次、PC4どうぞ。
亜紀/はい、早乙女亜紀です。[狩人]のレベルを上げて≪幻の射撃≫……霊力のウェポンを取りました。攻撃手段を得ましたよ!
航/射程40mの武器か……火力が増えたぞ、ありがとう!
GM/それでは、自己紹介が済んだところで……本編に参りましょう。


 ●オープニング/航 〜メゾンボロリア〜


 航は夢を見た。
 相変わらずあの夢だ。またどこか判らぬベッドで、どこかの天蓋の下で眠っている。
 今日はとても苦しい。死にそうなぐらい息が、胸が、体中が苦しかった……。


GM/客観的に「これは夢だ」と判る。エルにも説明されているから死ぬという危機は無い。でも……。
航/死にそう。エルってこんな目に遭ったことがあるのかな。……で、アイツって今頃俺のどの部分の夢を見ているんだろ?(笑)
GM/それはエル本人に訊いてみないと。……こんなに苦しいのも、エルのどこかの記憶を切り抜いているんだろう。
航/あんまり怖くないけど、当人にしたら大変なことだな……ぼんやり考えてます。
GM/君が寝ている部屋にバッと誰かが勢いよく入って来る。部屋には医者らしき人が居たけど、それを払い除けてでも中に上がり込んでくる人が居る。
航/……そっちを見ます。
GM/凄い形相で、焦った顔で君を見る……金髪赤目。「死ぬな、死ぬんじゃないぞっ! お前が死ぬだなんて許さないぞっ!」
航/……俺……死ぬのか?
GM/「死ぬ訳ないだろっ!」。彼は君の手を取ってくれます……が、まさに死に逝く身体。それでも声を荒げながら「死ぬことは許さない」と男は繰り返す。
航/どうしよう……。でも、エルの友達なんだから夢の中でも優しくしなきゃいけないよな。手を伸ばして……頭を撫でてみます。
GM/それに涙を流しながら悲しんで……「お前が居たから――――を、やめたんだ。だから死なれたら困る!」
航/…………。今の、もう一回。
GM/視界がぼやけてきます。死ぬときってこんな気分なんだと君は思う。
航/お前、今なんて……?
GM/……おはようございます。ここはメゾンボロリアです。
航/……今日はバネを使った起き方は出来ませんでした。
GM/エルが隣に座ってるよ。「あ、今日は跳ね上がらないんだね?」
航/……おはようございます。
GM/「おはよう。どうしたの? そんな敬語なんて使って……今日は大和撫子の夢でも見た?」
航/ううん。正座になって、……エル。
GM/「うん?」……エルも正座します。
航/また夢の中でお前の友達に会ったよ。
GM/「俺も実は……。あっ、言わないでおくよ」
航/あ、何っ!? 超気になる!(笑)
GM/「で、どうしたの?」
航/……嫌なことかもしれないけど訊いていいか? お前の友達に……夢の中で「お前が居たからホニャララをやめたんだ」って言われたんだ。なんだと思う?
GM/「ホニャララ? ……あ、もしかしてそれ、俺が死んだときの話かな?」。エルは笑って言いますよ。
盟/……話が重い!(笑)
GM/「アイツ、何か言ってたのは覚えているんだけど、正直……あの時は耳が遠くなって判んなかったんだ!」
航/死ぬときだもんな……って、明るく言うな!(笑) こっちこそごめんな、嫌な記憶を思い出させて。
GM/「ううん、別に気にすることじゃないからいいよ」
航/……そういえば。相馬さんはこの世に強烈な未練があるみたいなこと聞いたけど、エルも願いを叶えたくてこの戦いに参加してるんだよな。
GM/「聖杯戦争だからね」
航/お前の望みって、何?
GM/「…………」。黙って話そうとしません。話させるなら【理知】判定で難易度12に成功して。
航/【理知】なら……(ころころ)よし、13で成功。
GM/「俺……生まれた理由が『ある人を止める』ことだったんだよ」
航/……夢の中のアイツか?
GM/「そう、そいつのことなんだけど。アイツが色々やっているのを押さえつけるのが俺の役目だったんだ。そのせいで……アイツに負担を掛けて自由を奪った。その結果、悔いの残る死を与えてしまって……。なんでも叶う聖杯ならその悔いだけでも無くしてあげたいと思ってる」
航/……そいつを助けるために、この戦いに参加しているのか?
GM/うん。……もう一回【理知】判定して。
航/(ころころ)11です。
GM/「……。あっ、もちろんワタルの願いも叶えるよ! マスターとサーヴァントで2人で叶えるんだから当然、ワタルの願いも叶えてあげる!」
航/うー……ありがとう。俺も頑張らない訳にはいかないよな。
GM/「うん、頑張ろう! 絶対に俺達は勝つよ!」
航/……重たい話なのにサワヤカだなぁ(笑)
盟/いいじゃん、キラキラしてて。朝から重いよりはいいだろ。
GM/では、そんなところに……壁に穴が開く。
航/……穴ぁ!?(一同笑) ボロイとは思っていたけどとうとうこんなに!?
GM/黒い穴が空いて、そこから何か、大きな……『弁慶の手玉石』ぐらいの石が出てくる。
航/石!? 穴!? な、なんですか……覗きこみますよ?
GM/シュインと穴が消えます。
航/ええっ、何だったの!? 石を置いていっただけ!? じゃあ石を触ってみますよ……何これ?
GM/声が聞こえてきます。

「……ちゃあんと、私の声が……聞こえているかな……?」
 男か女か判らないような『音』が、石の中から確かに体内へ流れ込んできていた。
「君とお話したかったんだよ、セイバーのマスター」


航/な、なんか来た……! だ、誰? 何これ!?
GM/「私は……これから君と戦う、とある参加者の一人だ」。……男か女か判らないけど、便宜上『彼』って言おうか。
航/ボイスチェンジャーで喋ってるような感じ? ……まだ出てきていないマスターかサーヴァント?
GM/「ご自由に考えてくれたまえ。これから戦っていく人々に、一つ……プレゼントを私から用意させてもらった」
航/プレゼント……?
GM/「今も尚、あちこちで戦いは続いてはいるが、それでも私は早急にカタをつけたい。だから君の戦意が上昇するよう、素敵なプレゼントを用意したよ」。……いきなりその声が止まります。
航/……石に向かって言います。何のつもりだ!?
GM/違う声が聞こえてきますね。「うー、寒い寒い……ハンドクリームぬりぬり」
航/んっ!? おまっ……!?
盟/いきなり犬の鳴き声をし始める)「グルルルル……」
亜紀/(いきなり亜紀の演出をし始める)ん!? 野犬かな、怖いなぁ、逃げよう! とっとっと……!
盟/(犬の鳴き声を続けて)「グルルルル……!」
亜紀/(亜紀の声のままで)わ、うわあぁーっ!?
GM/必死に逃げる足音。悲鳴。……そこで音は切れます。
航/ここで切れると超ピンチにしか思えない!(笑) ……あ、亜紀に何をした!?
GM/「戦う気には、なってくれたかな?」……要約すると「さっさと戦争しようぜ。みんなテンポ上げてまいていこ!」。
航/要約したら台無しになった!(笑) てめえ、ふざけんなっ……!
GM/「なお、この石は役目を果たすと、爆発する
航/ヤメテぇーっ!?(一同爆笑)
GM/ぽむっと石が消えます。
航/……今のは……お茶目な、嘘?(笑) エルを見ます。
GM/(エルになって)「……ワタルの友人の声だったね。やられたのかな」
航/わかんね……電話掛けます! もしもし、亜紀ぃ!?
GM/というところでシーン終わらせておこうか。詳しくは、亜紀くんのオープニングでね……。


 ●オープニング/亜紀 〜バイト帰りの夜道〜

亜紀/わーい! 弁慶さんだー、どうしようー!?(一同笑)
GM/ということで、君は夜、バイトが終わってハンドクリームを塗っていたところ、「グルルル」という犬の声を聞いた。
亜紀/ぬりぬりー。って、んー?
盟/(また犬の役をやって)「グルルルル……」(笑)
亜紀/なんか犬がいる……早く帰ろ! って、うわあぁー!? なんか犬の鳴き声がいっぱいいるよー! おまわりさぁーん!
GM/よく見てみると……犬は1匹だけだ。なのに鳴き声が3匹分もあって……。
亜紀/あ、頭がぁ、いっぱい目がぁー! 身体1つなのに顔が3つもあるよぉー!?(笑) ……≪バベルの唄い手≫を使って「なんでこんな所に居るの?」って尋ねていいですか?
GM/【MP】を消費してくれるならOKだよ。ケルベロスが君にじりじりと近寄って来ながら……「ニク」。
亜紀/……肉!?
GM/「ニク……ゴハン。食ベテ、傷、回復シナキャ」
亜紀/美味しくないよ、俺!? もっとね、上等な霜降り肉とか食べた方がいいって!
GM/ふるふる。「夜ミンナ居ナイ、オマエ居タ。ダカラオレサマ、オマエ、マルカジリ」
盟/(犬の別の首になって)「オレタチ、マルカジリ。ケルベロス、ウソツカナイ」(一同笑)
亜紀/わあヒドイー!?(笑) 3つの顔がみんな喋ってるよ、怖いよーっ! 俺、美味しくないよ!? 食べないでえぇーっ!
GM/「ゴハーン!」……飛びかかる犬!
亜紀/うあああぁっ!? こんなところで犬に食われてえぇーっ!?
GM/……死ぬ、そう思ったとき。
盟/(いきなりやられたような犬の声で)「キャウンッ!? ……クゥーン、キャウン……」
亜紀/……パッて目を開けてみます。
GM/目の前に、槍を持った男性が立っている。
亜紀/銃刀法違反!?

 何故、現代異能力バトルゲームのプレイヤーがそのツッコミをするのか。

盟/今更何言ってるんだよ!?(一同爆笑) お前、魔術師の家系だろっ!
GM/そのツッコミは亜紀がしちゃいけなかったな!(笑) ……槍を持った男が、チラリと亜紀を……目の細い顔で見る。
亜紀/ど、どきー。
航/恋に落ちちゃった!?(一同笑)
亜紀/いやこれは、助けられた人が助けた人をステキに見えるという吊り橋心理です!

 一撃を食らったのか、弱々しく呻き後退する謎の獣。
 だが逃さぬよう、一掃の為に槍を携えながら駆け出す男性。
 亜紀の目の前で戦いが始まる。
 ……それは、以前公園で目の前で繰り広げられた男達の戦いのような異世界だった……。


亜紀/これは……聖杯戦争……なのかな?
GM/犬はヨレヨレとなりながら……ついには消える。そして槍を持った男性が、亜紀へ振り返ります。
亜紀/あ……あ、ああっ! 助けてくれてありがとうございました! バイト帰りだったのですみません……もしかして教会の人ですか!?
GM/「その通りです。……貴方は、記憶の改竄をする必要が無い人物だと教会では言われていますが、それにしても不用心ですね」。言いながら男は槍を時空鞘にしまいます。
亜紀/は、はい……すみません。
GM/「お怪我はありませんか?」
亜紀/(いきなり素に返ったような声で)うわ、萌える。
GM/ただ「お怪我はありませんか」って尋ねただけなんだけど!?(一同爆笑)
亜紀/弁慶さんに言われたと思うとダメでしたっ!(笑)

 それにしてもこのプレイヤー、メロメロである。

GM/……。「貴方は、一人では危険すぎます。もう一度説明しましょう。貴方の記憶を消さない限り一生聖杯戦争の関係者として狙われるでしょう。自らの身を案じるなら記憶を消すべきだ」
亜紀/でも、記憶を消したら……航のことも忘れちゃうんだろ? それはイヤだ。
航/……きゅん(←萌えたらしい)
亜紀/それに、航が頑張っているのに俺だけノウノウと生きてるなんてムリだよ!
GM/「……ならば、戦うすべを持ちなさい」
亜紀/あ……はい。
GM/男は、時空鞘から何かを出します。「……これでも使ってみなさい。銃です」
盟/……あっ、≪幻の射撃≫か!?
航/今回のレベルアップで取った特技……!
亜紀/あ、ありがとうございますっ! でも、どうやって隠したらいいか……。
GM/「既に貴方も知覚できると思いますよ、『ウズマキ』については……君の友達も剣を隠している筈です」と、時空鞘のことを説明します。「まずはそれを使いこなしなさい……さあ、家まで送りましょう」
亜紀/はい……。
GM/「武器をすぐ扱えるなどとは私も思ってません。それほど貴方は出来た人間ではないでしょう?」
亜紀/んー……でも俺だって母さんから教わってるんだぞぉ。
GM/「ならその人に使用法を教わりなさい」
亜紀/……はい。
GM/彼は、君の家の前まで一緒に歩いてくれます。「……それでは失礼」
亜紀/ペコリ! ありがとうございました! あ、あの……よ、良ければお礼がしたいんですが……!
GM/「それには及びません」
亜紀/そんな……。
GM/「また会う機会は、もう作ってありますよ」
亜紀/そう……なんですか?
盟/(大きな溜息を吐くように)……はあぁ、さっすがチート!(一同爆笑)


 ●オープニング/相馬 〜八木沼邸の夜〜

 ケルベロスと大量の死霊達との激闘。
 マスターの屋敷に帰宅して、体力を回復させるため明日に備えて部屋で眠る。
 ……そんな深夜2時。


GM/君の居る部屋の窓に、コツンと小さな音が響きます。
相馬/……む?
GM/コツン……と、石が当たっている音のようだ。石って言っても砂利のような1センチぐらいの小さな物です。
相馬/……すぐに抜刀できる状態で、窓に寄ってみます。窓の外を見ますが……。
GM/遠くで大きく振りかぶっている少年が見える。
相馬/……瞬間移動の如くそいつの後ろに行っていいですかね(笑・ころころ)【体力】で15です。後ろから……何しとるんじゃぁ。
GM/あちゃぁっ!?
相馬/アーチャーの鳴き声、可愛いな!(笑)
GM/「わぁ、ビックリしたぁ。……でも来てくれたんだね、お父ちゃん!」
相馬/だからその呼び方はするなと言っとるだろうが(笑) ……何の用じゃ。
GM/「戦いに来たんじゃなくてお話しようと思ったの! ちなみにさっきのは小石を≪投擲≫で力加減して投げたんだよ。オレが≪テリトリー≫の中に入ったら感知されちゃうからね」
航/ああ……[狩人]のスキルか。
盟/……あの、アーチャーの気配を感じてみていいですか? 石とはいえ異物が≪テリトリー≫の中に来たんだから気付いてもおかしくないですよね。
GM/うん、でもこちらも対抗します。【意志】で判定してもらおうかな。(ころころ)こちら、13です。
盟/(ころころ)11です。負けた……。僕はスピーと健やかに寝ている。気のせいだ(笑)
相馬/で、おぬしは何用で来た。話とはなんじゃ。
GM/「お父ちゃんさ……お腹すいてない?」
相馬/…………。ああ、魔力供給のことか? まあ、なんともならんことでもない。
GM/「ウズウズしてるんじゃないの?」
相馬/……何が言いたい。
GM/「大丈夫かなって思って。お父ちゃんのコト気に入っちゃったから心配してあげたんだよ!」
航/(いきなりアーチャーになって)「肩たたき券も持ってきたんだから!」(一同笑) ……サーセン、度々乗っ取って。
GM/どんどん乗っ取って、架空のアーチャー可愛いよ(笑) 「そろそろオレも職を……じゃなくて、マスターを探さなきゃいけないなとは思ってるんだけどねー」
相馬/そうしとけ。なんでおぬしはマスターを探さない?
GM/「実はね! 知らない人も多いんだけど、聖杯戦争の7つのクラスには『隠しステータス』っていうのがあって、それぞれ特別な力を持ってるんだ!」
相馬/……ほほう?
GM/「アーチャーの特性はね、『マスターがいなくてもそんなに魔力供給をしなくてもいい』んだって! お父ちゃんには教えていいと思うから言っちゃうよ!」
相馬/なんだその……省エネ仕様は。
GM/「だって、狙撃兵って遠くから攻撃したりするから一人行動多いでしょ?」
相馬/あー、成程……。つまり、アレじゃな。「お互いに魔力供給をしておかないか」と言いたいのか、おぬしは。
GM/あちゃぁワカンナーイ!
相馬/あざといなぁ!(笑)
GM/「でもお父ちゃんがしたいんだったらいいよー! 知り合い同士だったらいいよねー! ダメー? 敵同士だからアウトかなー? イヤならハッキリ言ってくれればどっか行くけど」
相馬/……うむ。
GM/イヤならイヤって言えばいいんだよ。
相馬/……まさか、のっけからこんな展開になるとは思ってもいなかったので(笑)
航/PC2のハンドアウトはそういうことが多いって言ってたじゃないか。
相馬/ごめんなさい、自分がPC2ってこと忘れてた!(笑) ……じゃ、イエスで。
GM/イエスなんだ。「じゃあどっか行こうか? 場所は希望ある? 別にオレは屋根の上でもいいけど!
盟/それこそ感知すんぞオラァ!? てめーら、どっか僕んち以外に行け!(笑)
相馬/流石にここでは落ち着かんのぉ、別の場所を探すか。
GM/じゃあ……不況だし廃アパートになってるメゾンボロリアVに行こう(笑) 「コッチにおいでよー」
相馬/てくてくとついて行きますよ。
GM/「…………で?」
相馬/んぁ?
GM/「お父ちゃんはどっち?」
相馬/どっちって、そりゃあ、ワシが……上に決まってろうが。
GM/何言ってるの。オレ、男だよ
相馬/待て待て待て! おぬしにはそっちの嗜みは無いということだな!?(笑)
GM/上か下か決めるために正当な【体力】判定を要求するー!
相馬/よーし【体力】判定いってみよー! ここでファンブル出たら面白いが!(笑・ころころ)……14。
GM/(ころころ)12、負けた。……アーチャーはバタバタするけど、簡単にあしらうことができます。
相馬/手慣れた手つきでグイっと押し倒して。……フェードアウトします(笑)
GM/「うう、お父ちゃぁん……」。……そんなこんなで午前4時ぐらいになります。
航/……『夜明け前の無人のボロアパートで、体格の良い男と少年がギシアン』って、物凄いエロイ光景だな(笑) 脳内冬コミのサークルが一気に増えたよ。
盟/流石、本ステージは体験版とは違うね。年齢制限が入っただけあるよ(笑)
GM/今までキスが限界だったからな(笑) 「……なんかスッゴクお父ちゃんには情が湧いてきちゃった。だからちょっとだけ教えてあげるね」
相馬/ん……なんじゃ。
GM/「タチの悪い人がいっぱい結界張ってるみたいなんだよ」
相馬/結界を? 何故また……。
GM/「今回のゲームは野蛮な連中が多いってコトかな。そういうプレイなんだろうね」
相馬/プレイっていうか……それもプレイと言うのか(笑) いけ好かん奴らじゃのう……。判った、こちらでも警戒しておこう。
GM/「それと、昨日まで変な仕掛けが5つあったんだけど、1つ消えて4つになってたんだ。……コレってお父ちゃんのおかげ?」
相馬/だからお父ちゃんと呼ぶなと(笑) っていうかワシは「お父ちゃん」と呼ぶ奴を押し倒したのか! よくよく考えたらなんぞこれ!?(笑)
GM/「……お父ちゃん、気をつけてね。オレもあんまり良い想いはしないから、そんなのさっさと倒しちゃおって思ってるけど。……お父ちゃんと戦うなら最後がいいし!」
相馬/お互いな。
GM/「だからとっとと近くに居る奴を倒しちゃいなよ!」
相馬/はあ……こっちも色々とあるんじゃ。そうさな……いずれ誰とも近いうちには戦うことになろうて。
GM/「うん! お父ちゃんと戦うの、待ってるよ」……アーチャーはピョインと窓から出る。「そろそろ帰った方がいいよね。お父ちゃんのマスターが目覚めちゃうし」
相馬/そうじゃな。では……次の時まで達者にな。
GM/アーチャーがパチッと指を鳴らすと、炎がボッと出る。
相馬/おっ……?
GM/その炎の上に乗って「じゃあねー!」と飛んで帰って行きます。
相馬/炎の上に……なんと面妖な。
亜紀/火を出したって……。あちゃぁ、もしかして[霊媒師]なのかな?


 ●オープニング/盟 〜八木沼邸の朝〜

GM/最後に盟ちゃんのシーンになります。……じゃあ相馬さん、パス!
相馬/はい、これからGM務めさせてもらいます。

 セッションが始まる前にGMと相馬さんで相談をしていた。
 『インタールード編』で航がエンキドゥの夢を見たように、相馬と契約している盟が相馬の夢を見るというシーンを、相馬本人にGMをしてもらおうという企画である。
 ……これから先、相馬のプレイヤーが送るGM風景をご覧あれ。


相馬/……君は今、夢の中にいます。
盟/寝てます。ぐーぐー。
相馬/夢の中で、「何やら騒がしいな」と目を開けると……そこは戦場でした。
盟/おおっ!? うわあ、凄い……戦場だ、キョロキョロ。
相馬/君は大将らしい厳つい鎧を着て、おそらく駿馬であろう良い馬に乗り、先陣を立っています。
盟/おう……馬って乗り心地悪いんだね(笑)
相馬/周りの様子を見てみると、どうやら君の軍が優勢のようです。放たれた大量の弓矢が風に乗って敵を攻めていきます。
盟/おおっ、いいじゃん! 良い場所取りしたねー、絶好の眺めだ!
航/馬もテンション上がってヒヒーン!
盟/よしよし、お前も嬉しいか!(笑) よく判らないけどいっちゃうぞー!
相馬/郎党達はやいのやいのと殺り合いつつ、敵は一人、又一人と逃げ出していく。
盟/なんか……僕、何もやらなくてもイイカンジだよね。よく判らないけど相馬って凄いトコロに居たんだなー! 誰か名前言ってくれないかなー!? 誰でもいいから早く言っちゃいなよー!(笑)
亜紀/「おのれ○○!」って言ってくれれば相馬さんの正体が判りますからね(笑)
相馬/そんなハイテンションな君の元に、ある一人の老将が駆けつけてきます。
盟/おっと……ヤバ、相馬はこんな顔しないんだっけ?(笑)
相馬/「御館様! ご覧ください、敵は散り散りになって逃げて行きまする!」
盟/周りの旗を見ようとします。……どういう自陣の印とか描いてあるよね? 見て覚えて、後で書物庫で調べよう!
相馬/老将はペラペラと喋ります。「あの忌々しい貞盛めが奇襲などという卑怯な手を使うので、天も我らに味方したのでしょう!」
盟/『貞盛』……奇襲……ねぇ。
相馬/「これでまた一歩、日ノ本支配への道が近付きましたなぁ! さて、御館様は本陣にお戻りください!」
盟/本陣に行けばもっと証拠がいっぱいある……うん、そうじゃったな、御苦労であった! 我は戻ろうぞ! 憎き貞盛めを討ったことで我はご機嫌じゃぁ!(笑)
相馬/「いやいや、まだ討ってはおりませんよ。早とちりは禁物ですぞ、御館様」
盟/ハハハ、討ったも同然じゃないか、ハッハッハ……!
相馬/ご機嫌な君。自分の陣地に引き返そうとすると……急に、風向きが変わります。
盟/……ありゃ?
相馬/敵陣の方から「風が変わったぞー! 矢を放てー!」
盟/ぎゃーっ!?(笑) ま、マジでぇー!?
相馬/敵は兵の数が少なくなりつつも、急に士気がどんと上がり、反撃に出ています。
盟/我々が烏合の衆になってる!? ひゃあーっ!(笑)
相馬/夢の中の貴方も大将ながら、もう一度陣頭に立って応戦しようとします。
盟/あ、身体が勝手に動いてくれる!? よっしゃあ、オートモードだー!(笑)
相馬/波入る者を斬り捨てて、来る矢も斬り落とし……。そんな中、「鬼王丸!」と君の名を呼ぶ声がします。
盟/きおう……まる?
相馬/その声がした方を向きます。
盟/向くよ。
相馬/そうすると、額に激痛が走る。
盟/…………あ……。
相馬/その痛みに耐えかねて見ると……自分もよく見た矢羽があって、一直線に棒が伸びている。
盟/あ、あああ……。
相馬/矢を確認した瞬間、君は落馬します。
盟/うわああああぁー!?
相馬/意識が途切れる瞬間に、こんな声が聞こえます。

 「我が父、クニカの仇、討ち取ったり……!」

相馬/――そこで君は目を覚ましますよ。GM返しまーす!
GM/……スゲェ!(全員パチパチと拍手) なにそれ、凄い、カッコイイー!?
盟/ムクリとベッドから起き上がります。…………ふ、ふーん。なるほどね。歴史書を探しに部屋から出て行きますよ。
航/(ロザリーになって)「あらあら、盟様? お早いお目覚めで……朝食などの準備は出来てございますよ」
盟/ありがとう、ばあや。ちょっと調べ物をするよ。書物庫でパラパラと……鬼王丸、クニカ……?
航/(ロザリーになって)「盟様、登校のお時間がー!」
盟/く、くそぉ……時間切れか!
GM/遅刻出来ない盟ちゃんであった。書物庫から出て、食事をして、さぁ学校に行こう……というところで、「たのもぉー!」という勇ましい男の声が聞こえます。
盟/誰だ。
GM/「よう、久しぶり!」と言ってくるのは……2009年になって45歳になりました、青森恐一です。
盟/なんだ、学校に行こう。
航/自分のPCだから扱いが酷いよ!?(一同爆笑)
GM/「ち、ちょっと!? 親戚の話ぐらい聞こうよ! 俺、四捨五入するともう50歳なんだよ! でもまだ三日原望彦は22歳!
相馬/……魔王のせいでまだ年取らねえんだな……(←かつてのプレイヤー)
盟/……なんだ? 情報はあるんだろうな。僕の有益になるような話が無ければ聞かないぞ。
GM/「あるんじゃないかな。無遅刻な優等生だろうけど今日は立派な遅刻になりやがれ、聖杯戦争のマスター?」
盟/……OK、話を聞こう。
航/なんか今の……カッコ良かったぞ(笑)
盟/……くそぉ、青森が出るたびにどうしたらいいか判らなくなるんだよ(笑)
GM/ごめん。でも青森のオッサンって……ミスティックでジャーナリストで、高名な霊力の家に住んでるから[聖職者][処刑人]のクラスはどちらか入ってて、フリーのライターで有名人で、家族が居ないから動きやすくて、≪コネ「ウズマキ」≫を持ってるキャラなんだもの。
亜紀/凄いですね、便利な人だなぁ……(笑)
GM/「あ、じいやさん! お久しぶりでーす!」
盟/酒も茶菓子も出さんでいい!(笑)
航/(ロザリーになって)「まあまあ盟様、そう仰らず……ささ、青森様。今年新色の春菓子で御座います」
GM/「ああ、ありがとうございますっ。俺、甘いもん超好きなんですよー!」。ニコニコ笑いながらお菓子をつつきます。
盟/……で? なんだ。
GM/「実はだな。俺、今ちょっと教会で聖杯戦争の手助けしてるんだ。黒須とは5年ぐらい前に一緒にゴーストハンターとして仕事をしたことがあって」
航/「肩書き:神父」の人脈ですね。ありうるぞ(笑)
盟/お前の事情なんかどうでもいい、さっさと用件を話せよ!
GM/「だーかーら、それが重要なんだってば! お前がマスターっていうのは俺の情報とか情報とか情報とか駆使して調べたんだ!」
盟/お前はコネとツテしかないよな、器用貧乏だしね!(笑)

 詳しくは、『パラドックスの椿』をご覧ください。

GM/「そこで忠告っていうか、オネガイだよ」
盟/……オネガイ?
GM/「今回の聖杯戦争……平気で一般人巻き込む奴が多くて困ってるんだ」
盟/……ホントだな。
GM/「普通、一般人に危害は加えちゃいけないんだぜ! そういうことがあったらちゃんと記憶操作をするとか! 出来ないところを俺達教会がしてあげてるのに……今回モラルレスな連中が多すぎるんだよ!」
盟/……処理しきれないから、そいつらを取り締まってほしいのか?
GM/「違う。……お前も聖杯戦争の参加者だろ? だからお前は絶対やるなってオネガイしに来たんだ」
盟/……止めなくても構わないんだな。
GM/「お前だって一般人が傷付くのは嫌だろ? 優しい盟ちゃんの心もスッゴイ傷付いちゃうだろ」
盟/ちょっと躊躇します。べ、別に僕は構わないよ!(航達の方をちょっと向いて)一般人にそんな……知り合いはいない!
航/やった、僅かな枠に食い込んだぜー!(笑)
GM/「お前の父ちゃん母ちゃんだって、そういう規則を守り続けて、みんなを守ってたから素晴らしい生き方をなさってたんだぞ」
盟/でもそのせいで死んだんだ。……僕はそんな馬鹿な生き方はしたくない。
GM/「……お前さ、父ちゃん母ちゃん達に泥塗りたいの?」
盟/……死んだのはアイツらがバカだったんだ!
GM/「…………。もし知り合いが居たら、お前から忠告しろよ。まあ、お前には知り合いなんて居ないから無理か」
盟/どうせ僕は一人ですよ、一匹狼ですよ! その方がカッコイイじゃないかコンチキショー!(笑)
GM/「……という訳で、俺は数ヶ月この街に居る。何かあったら言えよ。オッサンが何でも奢ってやるからなー」
盟/判った、何かあったらコキ使うよ。……まったく、使えない親族を持つと大変だなぁ!(笑)
航/自分のPCだから容赦ないね(笑) …………なあ、今、凄い嫌なことに気付いたんだけど。
GM/なに?
航/……間接的に、旭人と盟ちゃんって知り合いなんだね。

 詳しくは、『迷宮キングダム・リプレイ〜夢魔炎上』参照。

盟/うわああああ、凄い嫌だああぁー! 親族になっちゃったー!? ホントにお前と同じ血が入ってると思うと虫唾が走るーっ!
GM/ごめんちー(一同爆笑)


 ●ミドルフェイズ1/February 11th Scene 1

GM/それでは、シーンは航に戻しましょう。
航/ぷるるるる! すぐに亜紀に電話を掛けます!
亜紀/朝ごはん食べてるところに電話が掛かってきた。むぐむぐ……ごっくん! ハイもしもし? どうかしたの、朝っぱらから?
航/亜紀、生きてたー!? 生きてたな! なんか変な犬に襲われて拉致監禁とかアーンとかされてないよな!?
亜紀/それは大丈夫。助けてもらったから。
航/良かったー! …………誰に?(笑)
亜紀/そ、それがね……名前を聞きそびれちゃったんだ。
航/どんな感じの人だった?
亜紀/大柄で目の細くて中の人が好きそうな人。
航/なんだ、ミスターBじゃないか(一同爆笑)

 もう定番の流れになってしまいました。

亜紀/ミスターBって名前なの!?(笑)
航/うん。前も亜紀を助けてくれた人で……とりあえず気を付けろって言ってたぞ。
亜紀/うん。俺もその人から武器を貰ったんだ。
航/マジで!? ……でも、これで亜紀が身を守るすべが出来た。それだけでも安心だよ。
GM/今、航はどこに居るの?
航/部屋で電話を掛けています。
GM/そっか。では、部屋で「良かったぁ」と安心しきっていると……窓の外が暗いことに気付く。雨でも降るのかなぁ? なんだか空が……黒いというか灰色っていうか、泥色っていうか。
航/……亜紀、今日の天気って晴れ、雨、曇り?
亜紀/うん? カーテンを開けて見ます。……ど、泥?
航/そんなの天気予報で聞いたこともない!(笑) ……これ、なに?
GM/物凄く変で、異常な、恐ろしい色の空。……一方その頃、盟ちゃんも「何あれ」と空を見ますね。
盟/……相馬!
相馬/おう、判っとる。何か胸騒ぎがするのぉ……。
盟/【理知】でアレが魔力的なものかどうか調べます。(ころころ)……達成値10です。
GM/昨日文献で見たアレと似たような感じがする。あの魔方陣と関連した何かか……? また同じ人が書いたとか……? そう考えながら空を見上げていると、いきなり雷のようなものが横に走る。雷は縦に落ちてくるに真横に。
亜紀/おおっ?
GM/もう1回走る。
亜紀/ええ、2回も?
GM/3回、4回。それが、ある規則性に則った動きをする。まるで空に……魔方陣を描いているかのように。
盟/……あれは!?
GM/魔方陣が出来上がると、バリバリと空全体が雷で覆われるように光る。
盟/これは……第七天魔王復活みたいなカンジ!?
相馬/……一つ増えちゃったよ!?(一同爆笑)
盟/間違えた! ……だ、だって「6」より「7」の方が強そうじゃん!?
航/このゲームのキーナンバーが「7」だから間違えるのも判るけど! ホラ、GMが笑い潰れちゃったじゃないか!(笑)
盟/素で間違えちゃったんですよ! 『BASARA』の信長みたいなのが出るのかなって思ったんです!(笑)
GM/(笑いをこらえた後に)……続けようか。何かが完成した空。盟ちゃんは思った。昨日見たものと似ているけど、決定的に何かが足りない。「ここはあと線をもう1本入れるべきだろう!」と思う。
盟/……完成しないことはいいことなんだろうけど、不完全なところがムカつく!(笑)
GM/なんで1本足りないんだろうね。……そこで相馬さんは思う。「どうやら街全体にデカイ結界を張られてしまったようだ」と。
相馬/これがアーチャーが言ってたやつかのぉ。……口に出して言います。
盟/……アーチャー? 相馬、誰かと会ったんだ……?
相馬/ああ。
盟/……で、そこで何か情報を仕入れてきたの?
相馬/何やらタチの悪い良からぬ輩が結界を張りまくっているらしいのぉ。
盟/ふーん……なんか一般人ばかりを傷つけるバカな奴らが多いらしいからね。そいつかなぁ……。
GM/そこでダバダバと屋敷から出てくる青森さん。「うわぁ……! また聖杯戦争関係ですか、マスターさん?」と嫌そうな中の人の顔をします(一同笑)
盟/こちらも負けず劣らず嫌そうな顔をします!(笑) ……そうだろうな、きっと。
GM/「……ちょっと俺、教会に行ってくるわ」
盟/情報仕入れたら持って来いよ。
GM/「お前が来い」
盟/なにーっ!?(笑) ……判った、今からついて行くよ! 遅刻した時点で学校に行く気は削がれてたから!
相馬/では教会に向かうか。教会へ歩き始めます。
GM/いや、そこは青森のオッサンが車で連れて行ってくれる。……その間、街の反応を見ると人々は「今日、天気悪いよね」という程度の印象のようです。どうやら雷や結界は能力者以外は見えていないらしい。
盟/一般人は騒いでいないか……そっちの方が好都合だな。
GM/教会に到着して、「ちょっと事情を聞かせろー」という青森さん。……入って来た盟を見る黒須さん。
盟/空について何か知っていることはある?
GM/「……あることは、ある」
盟/じゃあ話して。
GM/「……出来んな。あれはまるっきり聖杯戦争が絡んだもの。お前に話したら加担したと思われる」
盟/ふーん。……じゃあ、そこの青森に喋ってよ。僕達はたまたま聞いていただけだ。
GM/「そうか。青森、そこに座れ」
航/…………黒須さぁん!(笑)
亜紀/もう、甘いんだから幼馴染にぃ……!(笑)
相馬/しかし、なんという頓知(笑)
GM/では黒須さんは青森さんに話し出すので……青森さんのキャラロールで相槌をお願いします。
盟/いきなり青森のような口調で)「あー、なんだなんだー?(一同笑) ほーら、俺にとっとと喋れー」
GM/「あれは、街1つを包み込む……10キロメートルほどの巨大な結界だ。どうやらコツコツ時間を掛けて設置したようだな」
盟/(青森になって)「はー、気の長いこったなぁー? ……で?」
GM/「サーヴァントの者にとっては好都合なものだ。街中に住む人間から生命力を吸い上げるスタジアムを作り出したのだから」
盟/(青森になって)「サーヴァントに好都合ねぇ?」。……相馬をチラッと見て、盟を見て、ニヤリと笑って元に戻ります。「一般人から吸ってるってこと?」
GM/「吸われていることも気付かないだろうがな。……このままで街の人達は生命力を抜かれ、バタバタと死に、世間では謎の流行り病と騒がれるだろう」。……具体的に言うと結界が完成したらサーヴァント全員に『クリンナップごとに【HP】と【MP】を1D6ずつ回復』みたいな効果が発動します。聖杯戦争に参加する人なら好都合だけど、吸われた一般人はたまったもんじゃない。
盟/(青森になって)「そりゃけったいなこったぁ……狡い真似をするねぇ。そいつは早く終わらせたいみたいだなぁ?」
GM/「そうだな……聖杯戦争はバトルロワイヤルだ。最後の1組になるまで続く。人が動かなければ戦争が終わらん。こういった仕掛けを設置すれば数週間もかかる必要は無くなるということだな」
盟/(青森になって)「で、教会側はそいつのことをどう思ってるの?」
GM/「一般人を巻き込むことは許さん」。……昨日のケルベロス戦に関して、教会側に話したことにしますか?
盟/話したことにしてもいいよね?
GM/では、盟から話してもらったことにするね。「盟が昨夜報告したことだが、とある結界は学校に仕掛けられていたらしい。盟がそれを壊してくれたようだが……」と、盟に目もくれずに言います。
盟/クソ、僕のことを話してるんだから見ろよ! にじにじと待ってます!(笑)
GM/「それのおかげかな……空の結界は完成形ではない。本物なら1ヶ月……いや、1週間で街中の人間が全員死ぬぞ。結界を作った誰かは、相当早くこの戦いを終わらせたいようだな」
盟/(青森になって)「じゃあ俺はどこに派遣されればいいの? 嫌だよ、ちゃんとしたパートナーを選んでくれないとー」(笑)
GM/黒須は青森に教会としての話を続けるので、青森のシーンは終わりにして盟ちゃんのシーンに戻りましょう(笑)
盟/はーい(笑) なんか……オオゴトだったな、予想以上に。
相馬/……そういえばアーチャーの奴が、「5つあった仕掛けが4つに減った」と言っていた。……その残り4つをどうするかじゃのぉ。
GM/……ちなみに航達も盟ちゃん達と同じ情報を共有したいんだけど、どうするかね。
亜紀/うーん……そうだ! 大変なことになってるし、教会に聞けば判るかなぁ?
航/だ、だよな……困ったことがあったらすぐ教会に来いって黒須さんが言ってたし……。
亜紀/それにあそこ、安全だし!
航/そうそう、重要! あ、もしかしたら亜紀を助けてくれた…………ミスターB…………とも会えるかもしれないよ!?

 何故、一部だけ声を小さくする。

亜紀/じゃあ手作りクッキーをお礼に作って持っていきます。
航/ヤメテ!(一同笑) ……そんな感じで教会に行きますけど?
GM/教会の前までやってきますと、青森のオッサンが出てきます。
盟/青森になって)「なんだ、兄ちゃん達……マスターかい?」
亜紀/え? あ……秘密です。
盟/(青森になって)「気にすんなよ、俺は教会の人間だから! で、どうせ空のコトを聞きに来たんだろ? オジサンは良い情報を仕入れてるよー」(笑)
亜紀/わあ、オジサン凄いですね、何でも知ってるんですか!?
盟/(青森になって)「ハハハ、なんせ腕利きのライターだからな!」
航/…………亜紀。怪しい(笑)
盟/怪しいかなぁ? だって教会の人だよ。
航/教会の人って……もっとムッとした感じの、ねえ? こんな中の人が盟ちゃんと同じみたいな人じゃないよ!(一同爆笑)
盟/青森がと今までのことを話すよ。(青森になって)「ウチのチビが結界を1つ消したおかげで不十分になってるそうなんだ。あのチビもよくやるもんだね!」
航/昨日のアレか? ……オジサンって八木沼の知り合いなんですか?
盟/(青森になって)「遠い親戚だ。お前、盟の友達か? 仲良くやってくれよ。ひねくれているところもあるガキだけどよ、テキトーに操縦すれば乗ってくるから!」
航/……ホント、自分のPCだから容赦ないね(笑)
盟/(青森になって)「中に入ればもっと知っている奴も居るし。なんかあったら呼んでくれやー!」
亜紀/ありがとうございまーす。……フランクな人だったね(笑)
GM/それでは、全員共通のマップを提示します。

【メインマップ】
 @旧住宅地(昔ながらの家々。祐希宅あり)
 A新住宅地(ここ10年間で作られた真新しい家々)
 B駅
 C学校
 D公園中央部
 E動物園
 F池
 Gアメ横
 H白銀神社郡
 Iビル街

【その他マップ】
 @メゾンボロリアT(航宅)
 A早乙女家(亜紀宅)
 B八木沼邸(盟宅)
 C教会


GM/それでは、1人1回のみ、以上のマップのどこかに行くことができます。マップに行き、『学校にあったような小さな結界を探す』や『結界を張ったマスターかサーヴァントを探す』などが出来ます。なみに『学校の結界は既に解除』しましたが、一応マップには書いておきます。
盟/……池と神社って怪しいよね。
相馬/ああ、物凄い霊的なものがありそうだ。

 4人で相談した結果、以下の行動を取ることに。
 航→『公園中央部』に、エルを連れて移動。
 相馬→『池』に、移動。
 盟→『白銀神社郡』に、移動。
 亜紀→『動物園』に、移動。



 ●ミドルフェイズ2/February 11th Scene 2

GM/では最初に……亜紀くん。君は動物園に向かいます。入口でパンフレットを渡されるけど、どこに行く?
亜紀/おわあ、懐かしいなぁ。何回か来たことあるから大体の位置は覚えているけどなぁ……。動物さんと話したいので、人があんまり居なさそうな……フラミンゴの所に行って、≪バベルの唄い手≫でピピピって話しかけます。
GM/話しかけられます(笑) 「……あらま、アンタナニ?」
亜紀/最近、空とかおかしなことになってるんだけど気付いてる?
GM/「アレね! シャーッ! ナニあのアヤシイヤツ!?」「魔方陣ミタイなヤツ!」
亜紀/鳥達が……判ってる!?(笑)
GM/野生の方が勘が鋭いから敏感に感じちゃうんだろうね。「寧ろ、アレは人間にミエナイようにシテルんだよね」「そんなカンジだよネ」「ソウヨネ」「ソウヨネ」
盟/フラミンゴって群れでいるからどんどん増えてきたぞ!(笑)
亜紀/……どこが発生源か判るかな?
GM/「発生源?」「ンー、このヘンジャナイと思うヨ」「入って来ないと思うヨ」「っていうのも人間に見えないようにしてるダケだからネ」「あんなモンが近くにあったらココだと大勢でギャーギャー騒ぐワヨ」「ウルサイのがイッパイ居るよりは、モット大人しいバショに行くデショ」
亜紀/……じゃあ、動物が居ないような場所?
GM/「騒ぐようなバショには居ないノヨ」「って思うダケだけどネ」
航/いきなりフラミンゴになって)「アクマで鳥だからネ!」
相馬/同じくフラミンゴになって)「アトはジブンで確かめて!」
盟/やっぱりフラミンゴになって)「アンタも鳥ナンカに頼ってるようじゃマダマダヨ!」
亜紀/だ、だって……(笑) みんな凄いなぁ、ありがとう!
航/通りすがりの女性になって)「あらあら、お兄さんは鳥さんと仲良しさんねー、いいわねー」(一同笑)
GM/……とりあえず、鳥曰く「この動物園には無い」「騒がしい所には無いだろう」と情報を頂きます。では【幸運】判定をしてください。
亜紀/お、【幸運】?(ころころ)……8です。
GM/成功したね。「……うさうさ」
亜紀/あ、ウサギだー! ウサギさん、どうしました? ふれあい動物園から逃げてきたのかな(笑)
GM/「うさぁ……こ、コワイの見たの……うさうさ」
亜紀/怖いの? ……どんなの?
GM/「お馬さん……お空、飛んでたの……うさうさ」
亜紀/え、ペガサス!?
GM/「ワカンナイ……でも……青いお馬さん……うさうさ」
亜紀/青いお馬さん……? 判った、調べてみるよ!
GM/それでは、亜紀くんのシーンは以上で終わらせて次のシーンは、そうだな。……ハカリヤ・コワッパ・ワタルでワッタルンルン。
航/はい、HKWです。
GM/君はエルと一緒に公園にやって来ます。公園は平日でも昼間は人が居る。鳩を追いかけている子供や絵を描いているおじいさんを見ながら、何かおかしな物は無いかな……? 【知覚】判定をしてください。
航/(ころころ)8です。この辺って、前に亜紀達とカラオケ帰りに通って酷い目に遭った場所だよな……エルと出会って1週間か。積極的に探してみますよ。
GM/成功。……歩いていると、公園の中に観音堂があります。ガサガサ。……何かを見つける。これは……骨だ、ガイコツの頭だ!
航/わあっ、目が無いのに目が合ったー!?(笑)
GM/頭蓋骨、シャレコウベです。動きはしない、でも動きそうな……生きているようなガイコツ……って何それ?(笑)
航/何これ!? 神社に骨とか笑えないじゃん!
GM/さっきから寒気が止まらない。このままにしてはいけないと思う。……そこでエルが霊体化を解除します。
航/わ。
GM/エルが、剣を取り出して骨を一刀両断します。
航/わあっ!
GM/……2つに割れると、さっきまで感じていた寒気が無くなる。
航/……おお?
GM/「ワタル……勝手なことしてゴメン。すぐに破壊しておかないとヤバイ気がしたんだ」
航/あ、ありがとう。おかげで気分がラクになったよ。……でもコレって何かエルは判る?
GM/「……何か、空の仕組みに関係していることは確かだね」
航/八木沼や黒須さんの所に持って行けば判るかな……? 2つに割った頭蓋骨を鞄に詰めて持っていきます。……今、検問にかかったら言い逃れができないな(笑)
GM/では次のシーンは……盟ちゃんいこう。君は、地図で神社ばかりが並んでいる霊的な場所にやって来る。古くからの結界が沢山あるから、この中から1つだけを見付けるのは大変だなぁ。
盟/逆に結界がありすぎて判らない?
GM/多くの中から見極めなきゃいけないので【意志】判定難易度13です。難しい判定だと先に言っておきます。
盟/(ころころ)……うう、残念。1足りずに12です。
GM/ホントに残念。あと一歩のところで見つからない。……いっそこの辺の結界を全部解除してしまえばいいのにと思った。
盟/って、なんでこんなに結界多いワケ!? 僕としたことが! あーっ! ……難しいなぁ、くそぉ。
GM/最後のシーンは、相馬さん。君は公園からちょっと外れて大きな池にやって来ます。……その池は、水面に蓮の葉がみっちりとあって不気味だ。
亜紀/蓮の葉って怖いよね……なんか出てきそうだし。
GM/ここでも人は昼間だから大勢居ます。……【知覚】判定をどうぞ。
相馬/(ころころ)おお、12です。
GM/では、「こっちに何かある?」……そう思いながら、とある何の変哲もないベンチに辿り着きます。普通にあったら座るだろうし、そうでなかったら通り過ぎるだけのような、そんな所。
相馬/……そのベンチに怪しい物が無いか見てみます。
GM/……なんと、みんなスルーしているけれど、ベンチの足元にドクロが置いてあるじゃないか。そこから不穏な空気が出て、危うい雰囲気を醸し出している。
相馬/これは……斬ってしまおう。扱い慣れた自分の刀を抜きます。
GM/人の目にも留まらぬスピードで骨をザッと斬る。(ころころ)こちら、11。【反射】で対抗して。
相馬/ムッ?(ころころ)10……負けました。
GM/相馬さんの背中に「お父ちゃん!」と少年が抱きつきます。
相馬/ぎゃあっ!?(一同笑) な、情けない声を出します! お前か!? あちゃぁを投げます!
GM/ぽいんと投げられます。「今、変なの発見してたんでしょ! 先を越されたー! オレも探してたところだったんだよー!」
相馬/う……そうじゃったか。アーチャーも結界は嫌いと言ってたからな。……おぬし、これが何であるか知っとるか?
GM/「なんかの部品じゃない? コレが無きゃ作動しないってヤツじゃないかなぁ。スイッチ的な物とか?」
相馬/……コレを壊したことによって一歩前進ということかのぉ。
GM/「だね。スゴイスゴイ、真っ先にここに駆けつけてやって来るなんて! 頭いいねー、冴えてるねー! ホントはお父ちゃんがここに結界したんじゃないの!?」
相馬/んな訳あるか。ワシは魔術のことはサッパリじゃ。
GM/「でも魔術師さんと付き合ってるんでしょ」
相馬/まあな……一応マスターとサーヴァントの関係じゃ。
GM/「魔術師と付き合ってるんだよねー。……お父ちゃんのオネガイってなんだっけ?」
相馬/この日ノ本を支配することだが、何か?
GM/「そんだけ? ……はあー、昔の人ってそういう考えだよねー。まあ自分も昔の人だけどさ」
相馬/おぬしこそ、望みは一体何なんじゃ。
GM/「スッゴイ個人的なこと。世界とかどうでもいいカンジ」
相馬/ほう、なんじゃ……申してみよ。
GM/それは口を噤みます。……話させるなら【理知】で交渉判定。【幸運】でもいいよ。
相馬/じゃ【幸運】でいきます。(ころころ)……10です。
GM/10かぁ……普通の成功じゃ教えてくれないかな。「ナイショ! そうだ、お父ちゃんの正体を教えてよ。そしたらオレも教えるよ!」
相馬/莫迦言うな。……ワシはそろそろ行くぞ。
GM/「あ、行っちゃうの? オレはもうちょっとココに居るね。……そうだ。あの結界、明日ぐらいにはなんとかしないと効果が発動しそうだから早めにした方がいいよ」
相馬/だな。……このガイコツは一般人には感知されないんですよね? ならドクロを素手でガシッと掴んで歩き始めます(笑)
航/通りすがりのちょっとした霊能力を持った奥様が「なにあの人!?」って言ったりするんだ(笑)