アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第1ループ4話 『 long day,long night 』 6ページ ■
2009年11月24日




 ●ミドルフェイズ3/February 11th Scene 3

GM/それでは4人全員で合流のシーンを作りたいと思います。……合流して情報を共有しないと、既に仕掛けを解除した池や公園に行ってしまうしね。
相馬/なら、帰りがけにバッタリ会うってどうですか?
航/駅あたりで会うんじゃないかな。……さっき八木沼に骨を見せたいと言っていたところだし。
GM/じゃあ、4人はバタッと遭います。
盟/……相馬も航も、2人して、なに変な物を持ってるの? そんな、呪術に使うみたいなモン……。
亜紀/ど、ドクロだー!?
GM/では、魔術の知識のある盟と亜紀のみ【理知】判定をどうぞ。
亜紀/(ころころ)14です。
盟/(ころころ)13です。
GM/それなら2人とも判った。……コレは、結界を成り立たせる物の一つだ。つまり、これを壊してしまえば結界自体が発動しなくなるとも言える。もちろん、代わりの物を用意してしまえば済む話だけど、骨だなんて簡単に用意出来る物ではないと判ります。
相馬/……応急処置としてコレを壊す分には良い、と。
航/それに、コレを壊している人間がいると判れば……それだけで抑止力になるよな。向こうも動いてくるだろ?
盟/そうだね。今、3個潰したんだから……残り2個か。どっかにある筈だ。
亜紀/で、動物さんからの情報です。
航/……なんだって!?(笑)
亜紀/動物さん曰く、『騒がしいところには無い』らしいよ。あと、ウサギさんが怯えながら……『空飛ぶ青い馬を見た』って言ってた。
相馬/青い馬だと? ……GM、判定できますか?
GM/ケルベロスほど有名な記号も無いから……【理知】判定で難易度は15。盟ちゃんは既に結界を書物で調べているのでプラス2のボーナスを付けよう。
相馬/クリティカル狙いでいきます。(ころころ)……残念。
亜紀/(ころころ)惜しい、ダメだ!
盟/頑張ればいける!(ころころ)ダメだった……。
航/盟ちゃん、≪悔改めよ≫を使うか?
GM/ストップ、エルが発言します。「みんなが判らないなら……俺、判るかも」
航/ホントか?
GM/「ワタルが頭を切り替えろって命令してくれれば判るよ」。……具体的に言うと、『令呪使用:達成値+20』。
航/……あ、そっか!
盟/そうか、そういう使用法があるんだね。……勉強になりました(笑)
航/エルと契約解除には近付くけど、これで確実に判る……。うーん、悩むけど……ここは、頼む。
GM/それでは、令呪1回目を使用してください。……これでファンブらない限り成功になりました。
航/それ言うのはやめてください!(笑・ころころ)……出目は5です。頭の良さそうな顔のエルになった。
GM/それでは、エルは『5+エルの能力ボーナス+20』で考えます。「……青い馬、それにケルベロス。やっぱり、ギリシャ神話に関係してるんじゃないかな」
航/同じ神話から……?
GM/「きっと冥府の国の化物の一つだと思う。それにガイコツを使ったり、死霊を操ってもいるから、死の世界のサーヴァントがいるのかもしれない」。……エルが亜紀くんを見ます。「馬って何匹居たって言ってた?」
亜紀/いや、言ってなかったけど……。
GM/「もし青い馬が4匹居たら、黄金の馬車がある筈だ。それに乗る人物がギリシャ神話にいた筈。そいつは、死霊を従える王だよ」。……エルは何者か判っている顔をしますが、「確信が持てないから混乱させたら困る」と敢えて口に出しません。
相馬/馬車ってことはライダーか? どっちにしてもいいものではないな……。
GM/そのとき。「キィイイン!」と高い耳鳴り。どっかで結界で張られたときのような音がした!
亜紀/えっ!?
GM/この結界は上の方じゃない……池の方からだ。しかも今まで見てきたものとは全然違うものに思える。
航/池!?
盟/……池って、相馬が見てきたよね! 何か怪しいもの無かった?
相馬/いや、特には無かったぞ。ただアーチャーの奴が居たが。
盟/……アーチャーが居たの!? それを先に言ってよ! バカ、どんなに無害そうでも相手は英霊なんだぞ! もしかしたらマスターが居るかもしれないだろ!?
相馬/アーチャーだから結界に関して通じていないと思ったんじゃが……。とりあえず今一度見に行く必要があるのぉ。
GM/池に駆けつけるなら、【体力】判定で難易度20、15、13、8以下で『どれくらい早く駆けつけられるか』結果が変わります。池に向かうのであれば判定してください。
盟/相馬……難易度20、いける?
相馬/【体力】のボーナス値は『5』だから普通に振ったら無理だ。
盟/だったらいっそのこと令呪を使おうか。……行って、相馬!
相馬/(ころころ)よし、クリティカル一歩前! 達成値は36!
航/うわ凄っ! 2回転する前の数値だ!(笑)
GM/相馬さんは、その場からバッと消えます。……他の人達はどう?
盟/一応振ってみようかな。(ころころ)……うん、ほぼ追い付けないと言っている、10です。≪籠抜け≫があるけど【MP】を払うのはキツイ。相馬が行ったし、大丈夫だと信じてる。
亜紀/(ころころ)こちらも10です。
航/(ころころ)11でした。
GM/じゃあ相馬以外は13以下か……。では、3人が池に辿り着くのに4ラウンドかかります。
盟/……≪籠抜け≫使っておけば良かった!?
GM/一方その頃。光の速度で相馬が池まで駆けつけてみると、人が知覚出来ないほどの早さで、誰かが戦っているのが判る。……目を見張ると、1人は赤い棒を携えて空を飛び応戦するアーチャーが。
相馬/もう1人は?
GM/……どっかで見覚えがあるかもしれない、赤チェックの男。
相馬/あ、あれは……!?
GM/2人が戦っている。相馬は、自由に見ていることもできるし、中に乱入ことも可能です。
相馬/では、……皆が来るまで周りに警戒しつつ見るかの。

 おそらくオオゴトではないと思っての行動だろう。
 まだ夜でもないのにいきなり戦う二人を怪しんでの様子見は正しい行動だった。
 しかし、相馬一人で駆けつけたこと、駆けつけても行動放棄したこと、他のメンバーが4ラウンドかけてしまったことなどの『微妙なズレ』が……今後の展開を大きく動かしてしまったのかもしれない。


GM/では、相馬さんは2人の戦いを見ていてください。

 キャスターは何らかの魔術で猟銃を取り出し、アーチャーに向けて発砲する。
 アーチャーは槍のようなもので銃撃受けるが、その銃弾は思わぬ方向から発射される。未知の攻撃にアーチャーは激しく混乱していた。
 ……キャスターはアーチャーに13点のダメージを与えた。
 即座に2ラウンド目に以降され、キャスターはアーチャーを狙う。アーチャーは10点のダメージを受けた。
 一方、アーチャーは……キャスターに反撃をするも、まったくダメージが入らずにいた。


相馬/これは……!? アーチャーに加勢します!
盟/言い切った!(笑)
相馬/おいアーチャー! 何やら苦しいようじゃの、加勢するぞ!
GM/「あぅっ!? ……べ、別に加勢してくれなくても平気だけど!?」と強気を言います。
盟/この強がりさんめ!(笑)
相馬/マイナーで≪獣化≫を使用し、≪凶々しき武器≫でキャスターに斬りかかります。(ころころ)命中は16!
GM/(ころころ)残念ながら回避できませんでした。
相馬/ダメージいきます。(ころころ)14点の防御点無視ダメージを与える!
GM/(キャスターになって)「うわぁっ! いきなりパパどうしたの?」
相馬/だからその名で呼ぶなと!(笑) ……アーチャーと戦うということは、おぬしも英霊じゃったか。
GM/「あ、気づいちゃいましたー?」
相馬/気付くも気付かまいも、この状況を見たらな。
GM/「ということは、パパは剣を持っているから……セイバーかなぁ?」
相馬/さて、どうかの?
GM/まあ、アーチャーも槍っぽいのを持っているしね。……アーチャーは攻撃をしても、なかなかキャスターにダメージが入らないようです。……では3ラウンド目、セットアップ!
相馬/≪縛鎖≫を使用! キャスターの【行動値】を下げます!(ころころ)達成値14です。
GM/(ころころ)あ、負けた。
相馬/(ころころ)【行動値】マイナス5してください。
盟/……先生! 面白そうなので≪望淵鏡≫でこの状況を見ていていいですか!?
GM/いいけど。……盟は「あっちの方で戦っている」と思い、視界を遠くに向ける! すると、弥生の姿が見えた……?
盟/なっ……弥生!? 航、多分あそこで戦っているのはキャスターだ!
航/なんだって!? 相馬さんはどうしてるんだ?
亜紀/≪神域の耳≫で聞くよ……わあ、スッゴイバキバキ戦ってる音がするよ!
盟/今はアーチャーに加勢している。……そうか、キャスターなら[魔術師]のクラスだ。この騒ぎに関わっていてもおかしくはないな。

 【行動値】が下がったことにより、キャスターは7のイニシアチブになる。
 相馬は9だったので先に攻撃をすることに……。


相馬/もう一度攻撃を!(ころころ)命中は13です。
GM/(ころころ)……当たりました。
相馬/ダメージは……(ころころ)15点防御点無視で攻撃します!
GM/フラリとキャスターがよろけながらも……自分の攻撃を開始します。≪押し寄せる闇≫を使用。
航/……[世界遣い]だ!
GM/(ころころ)命中は、21。
相馬/(ころころ)回避は……無理だ!
GM/1D6を判定した結果、敵全員に当たります。(ころころ)12点の霊力ダメージを、アーチャーと相馬さんに当てます。
相馬/なに、アーチャーも……!?
GM/「対象:視界内敵全員」だから。だから射程も関係なく銃弾が当たるの。……ダメージを受け、アーチャーが膝を折ります。
盟/うわ……僕達が登場できるのっていつですか!?
GM/4ラウンド終了後だね。それでは4ラウンド目始めます……。
航/まずい……相馬さん、次のラウンドまで持ちこたえて! お前をお父ちゃんと慕っている少年が弱気になってるぞ!
相馬/まだだ、まだ逆転出来ない訳ではない! ここで退いても何もならん! メジャーで攻撃します。(ころころ)命中は16。
GM/(ころころ)……やった、回避16だ!
相馬/受動優先の法則!? クソッ、舌打ちをします……。
盟/ごめんね、≪籠抜け≫使えば良かった……!
航/ごめんね、振り直ししてあげられたら……!
GM/では、キャスターがニヤリと笑って猟銃を構えます。(ころころ)……22。
相馬/……≪失われた日々≫を宣言!

 ≪失われた日々≫
 過去を回想することで最大限まで己に秘められた力を湧かせる特技。そのときに相応しいキャラロールをすることで、次に行う判定の達成値に+3D6。1シナリオに1回まで使用可。
 命中判定に使用する場合、この特技は「達成値に+3D6」のため、通常の判定通り2D6を振ってクリティカル・ファンブルの有無を確認してから3D6分の合計値を足す。


相馬/盟は夢で見た光景かもしれない……。過去の色々とみんなに新皇と崇められつつ、時の運無くして矢を額に自分の従兄弟に討たれた自分を思い出す。
盟/従兄弟だったんだ、あの人……! しかも、得てして今も飛び道具?
相馬/その悔しさを想い、ここでまた何も自分の志を果たせずして死ぬのは……嫌だ! 回避してみせる!(ころころ)……ええっ!?

 そうして今回も時の運無くして……結果は、16。

GM/願いは届かず、また同じことを繰り返す。力を発揮させるが、それでも何も変えられず……! 銃弾が額を撃ち貫きます。ダメージは、14点の霊力ダメージ。
相馬/……落ちます。
GM/アーチャーも落ちます……2人とも倒れます。そしてキャスターが一言。「……トドメ!」
盟/倒れた瞬間に駆けつけます! 相馬……弥生っ!
航/あ、あれってあのときの……。タイちゃんも!?
亜紀/た、倒れてるよぉ……! 2人分回復します!
GM/待って。亜紀って戦闘不能回復の特技、取得してたっけ?
亜紀/……あ、持ってない!?
航/戦闘不能回復って……[世界遣い]の≪リバース≫だった!
GM/残念。……では霊体化しているエルが実体化します。4ラウンド目のクリンナップに3人がザッと駆けつけて、5ラウンド目開始します。全員キャスターまでの射程は20メートル。それではセットアップ!
盟/まずセットアップで≪魂砕≫を使用します。……で、マイナーで移動して、メジャーで≪魂を纏う腕≫を使用! キャスターに向かって命中判定を!(ころころ)……高い、20だ!
GM/(ころころ)それは当たる、どうぞダメージを。
盟/(ころころ)17の霊力ダメージ。……元サーヴァントだからって、僕は手加減しないよ。
GM/「イッタイよぉ……うう、それならボクも元マスターを倒しにかかりますよ!」。……次は、航のターン。
航/……盟ちゃんまで死なれたら困る。10メートルだけ移動して、盟の至近に行きます。これしか出来ることはない。
亜紀/僕は攻撃します! ……ミスターBから貰った武器を初めて使ってみる! マイナーで≪魂装≫を使って、メジャーで≪幻の射撃≫!(ころころ)16で命中
GM/(ころころ)命中します。
亜紀/(ころころ)9点の霊力ダメージです。
GM/「イターイ!」。……キャスターが叫びながら、銃を向けます。

 ダイスを振った結果、キャスターの命中は、20。
 航、盟、亜紀、3人とも回避は失敗。その後の1D6もキャスターは成功させ、対象は『視界内敵全員』に……。


GM/相馬さんとアーチャーを含めた全員に発砲します。……トドメを刺しにいきます。
航/わ、2人が死んじゃう……!
盟/令呪使用! サーヴァントをシーンから退場させる! ……あと1回で契約が切れるけど、殺されるよりはマシだ。させるか!
GM/相馬さん、シーンから退場してください。

 相馬、一旦『池』のマップから『八木沼邸』へ移動。

航/それならアーチャーへの攻撃を≪歪んだ奇跡≫で航に当たるよう変更させます。俺に2回分のダメージください!
GM/なら、アーチャー分の2回目の回避判定をしてください。
航/(ころころ)クリティカルしました! だから1回分のダメージは無しです!
GM/それはお見事……(ころころ)ダメージは、16点の霊力ダメージ。

 亜紀がすかさず盟に向かって≪念動障壁≫を使用し、ダメージをマイナス5点にさせる。その結果、一撃でやられるところだった盟は戦闘不能を開始した。
 6ラウンド目のセットアップで盟は≪魂砕≫を使用。そしてメインプロセスで≪魂を纏う腕≫を使い、キャスターに向かって命中を……。


盟/(ころころ)命中判定、クリティカルです!
航/おおっ、魂のクリティカル!?(笑)
GM/……クリティカルするとダメージが1D6上がるし(ころころ)残念、それは避けきれないな。
盟/凄い、キャスターを殺す気満々だ……それもこれも相馬が落ちたからだ!(ころころ)……霊力ダメージ16点です。
亜紀/これで落ちなかったら……負ける?
GM/(計算をカリカリとして)…………キャスター、落ちます。
航/……ヨシッ!
GM/盟の仕掛けた霊達を纏わせた光の一撃にキャスターは……池に落ちます。
亜紀/ボチャンッ!? わーっ!?
GM/その瞬間、キャスターの体をゴオッと光が舞う! ……聖杯が取り込まれる瞬間のようだ。昇華されるキャスターにストップをかけるなら……【意志】で難易度14で対抗してください。
盟/クリティカれ!(ころころ)……13!? あと1点なのに……僕はお前に言いたいことがまだあるんだよ……!
GM/……しかし、盟が叫んでもキャスターは光に包まれていく。……放り出された銃は、懐中時計へと姿を変えていきます。
盟/銃が、時計……?
GM/キャスターが虫の息の状態で喋り出します。「ヤバイ……間に合わない……」
盟/キャスター? ……時計、間に合わない……?
GM/そして落ちたとき、キャスターが被っていた帽子がハラリと剥がれます。その下に……ウサギの耳があらわれます。
亜紀/あっ……やっぱり! アリスのウサギさん……!?
盟/……白ウサギだ。

 ホワイトラビット白ウサギ)』
 イギリスの作家ルイス・キャロルが執筆した児童文学『不思議の国のアリス』の登場人物。姿はウサギだが、英国紳士をイメージさせるチェックのスーツと懐中時計、猟銃を所有する。
 作品のオープニングで「急がなきゃ急がなきゃ」と何かに追われている姿で登場する謎の人物。しかしその役は、「特に無し」。
 大抵フィクションの登場人物には必ず何らかの役割を持たされているものだが、彼は読者(アリス)の興味を引き寄せるため「とりあえずいる」ものであり、答えが無い曖昧な存在。そのため意味不明さ、不気味さ、面白おかしさの象徴となった。


航/そういうところから出典もアリなんだ……。「美味しいものが食べたいな」っていうのは?
GM/夢見るお茶会のこと。と言っても白ウサギは参加出来ないんだけどね。
盟/アリスを物語に参加させるためだけの存在なんですよね。「急がなきゃ」って言いながら穴に落ちていく……行く、なんかよく判らない喋るウサギ。
航/……じゃあ、急いでも辿り着ける訳がないんだね。なんかカワイソウ……。
GM/呟きながらも、白ウサギは光になって消えます。……屋敷に居る相馬さんは、瀕死の状態で……二人目のサーヴァントが聖杯にとりこまれたことに勘付く。
相馬/逝ってしまったか……ワシも逝くことになるんかのぉ……。
亜紀/弱気な相馬さんだ……! そういえば、あちゃぁは!?
GM/では、一旦ここでシーンを切ります。


 ●ミドルフェイズ3/February 11th Scene 3

GM/亜紀くんが即座にアーチャーに駆けつけてみると、戦闘不能で倒れています。でもまだ消えていないから息があるみたいだね。
亜紀/手当て、手当てをしなきゃ……!
GM/その前に。……亜紀くんの元にザッと現れる人が居ます。
亜紀/おわっ? ……どちら様?
GM/昨夜会った……亜紀くんを助けた、スーツの男です。
亜紀/み……ミスターB!?
GM/男は、槍を取り出します。
亜紀/おわっ!
GM/アーチャーに槍を向けます。
亜紀/おわわわ!?
GM/「その子は危険な存在です。……私に寄越しなさい」
亜紀/えっ!?
GM/「彼はこんな明るいうちから戦う危険人物です。人を傷付ける存在です。引き渡しては頂けませんか?」。……落ち着いた声で言います。
亜紀/ど、どうしよう……? でも……アーチャーと俺、実際面識無いからどんな子か判らないんだよな……しかもこんな真昼間からドンパチやってたし……。
GM/渡さないのなら、【体力】判定で奪います。(ころころ)15。
亜紀/わー!? 体力低いと知ってのことですね!(ころころ)……あ、クリった!
航/凄っ!(笑)
盟/そこでクリティカルか! さっすがー!(笑)
GM/それは美しい!(笑) ……【体力】ならほぼ確実にこちらの勝利だと思ってたのに……。ではミスターBは無理矢理引き離すようなことはしません。GM得意の弁慶さんで情で訴える手段に出ます。
盟/……ズルイ!(笑)
GM/まあ、クリティカルが出たし亜紀くんの意見を優先するけどね(笑) 「私は教会の者です。だから、皆さんの治安の為に動いているのです。彼は一般人に危害が加わってもおかしくない場所で戦っていた。教会の身としては許せません」と……教会面します。
亜紀/……教会の人がそう言うなら、騙されますよね。
GM/「彼を渡してください。私が殺しますから」
亜紀/……あ、あちゃぁが……でも、相馬さんが助けてたし……。
航/……そこは「相馬さんが」じゃなくて、亜紀で答えるんだ。
亜紀/う、うーん……でも……。
盟/選択肢によっては、弁慶さんとの好感度を上がるかもしれないよ?(笑)
亜紀/なんと!(笑) そうだな……教会を信じてるし、悪い人だって言われたら……。
GM/(低い声でカウントダウンをし始めて)「10、9、8……」
亜紀/…………ミスターBに味方します!

 亜紀が肯定的に口を開いた瞬間。
 まだ言葉を言い切る前に風がシュンと過ぎる。
 ……次に目を開いたときには、少年の喉に槍が突き刺さり、光が舞っていた。


亜紀/は、早い……! あ、あちゃぁ……。
GM/光に包まれ……それでもグググとアーチャーは這いずりながら逃げようとしながら……「お父ちゃん」と呟き、光に呑み込まれる。
亜紀/……せ、せめて見えないところでやってほしかった……。
GM/ミスターBが「ご協力に感謝致します」と亜紀くんの手を取ります。「お怪我はありませんか?」
亜紀/な、無いです。
GM/「本当に? 彼らの戦いに巻き込まれてしまったのでしょう? 素直に言ってくれて宜しいのですよ」
亜紀/そういえばあった(笑) で、でもちょっとだけですから平気です……!
GM/「傷を見せてください、私が治療します」と、薬を出して手当てをして……。そこで航と盟ちゃんと合流しましょうか。
盟/早乙女先輩、アーチャーは……!?
亜紀/…………ごめん。
盟/そんな、トドメは刺されていないハ……ズ?
GM/「……」。亜紀くんの手当てを終えます。
盟/……貴方は、教会の人……でしたよね?
GM/「彼の手当てはしておきました。それでは私は失礼します」
盟/バッと腕を掴んで止める! ……疑問が何点かある。教会の人間なら答えてくれるよな?
GM/「……なんでしょう?」
盟/貴方は教会の人なんですか?
GM/「ええ」
盟/じゃあ、何故アーチャーにトドメを?
GM/「何か悪いことでしたか?」
亜紀/あ、さっき聞いたのは一般人を傷つけるような悪い人だからって……!
盟/教会は絶対に不可侵だ。どちらにも味方をしない。情報を渡すことすら嫌がる黒須達がそんな直接的なことをやると思うか。……凄く怪しいよな? こんなことをしたがるのは……サーヴァントかマスターだ。
GM/右手を掴んだ盟の手に、左手を添えます。「手をお離しください。……その口ぶり、私に何をお望みなのですか?」
盟/知っていることを話してくれ。知っている奴らは全部死んでしまったからな。……今、お前がここで1人殺したから。
GM/「彼は我々にとって危険だと思ったから排除したまでです」
盟/それはなんだ、『計画に支障が出る』からか?
GM/「いえ、決してそういうのではないのですけどね……ふう」。溜息をついて、ミスターBは全員を見ます。「私は、決して、怪しい者では、ありません」……と、≪勇者の声≫を使用。
盟/……なんだとぉ!?(笑)
GM/平和的に解決するためです。【意志】で対抗してください。(ころころ)達成値は15です。
航/[闘士]なのか、この人……弁慶さんって敵にまわると怖いな!(笑・ころころ)9。……だって、この人は亜紀を助けてくれたし!
亜紀/(ころころ)14です。
盟/(ころころ)16、やった! 助けてくれた云々よりも初対面から「コイツ、怪しくね?」と見てたからね!(笑)
GM/航と亜紀はミスターBを信用してしまいますが、盟は騙されません。「……もう一度言います。手を離してはくれませんか?」
盟/……無理だね。
GM/「では、こちらの本性を見せない限り離してはくれませんか」
盟/そうだ。醜くても情報を掴む機会があればいつだってそうするよ。
GM/「……本性を明かしたら、貴方に危害が加わる……羽目になったとしても?」
盟/そんな本性を見れば、コイツらだって目が覚めるだろう。
GM/「ふふ、そうですね。ですが私は、言わない方向が一番良いと思います。…………父上!
盟/うわっ!? 何!? 怖っ……!
GM/彼が叫んだ瞬間、達成値+20が入ります。
盟/……令呪!? ハイハイ、マスターですね!(笑)
GM/彼に、いきなり大きな力が湧き上がった。こんな極端な力……サーヴァントでない限り有り得ないと察知してくれて構いません。
盟/そ、それが聞けただけでも一歩前進……!
GM/盟を黙らせようとします。……盟を口の上から手で掴んで、首を絞め、顔を重心にググッと体を持ち上げる!
航/わあっ……!?
GM/高く高く小柄な体を持ち上げて……池に投げ込もうとします。
盟/た、体力少ないからそのまま飛ぶぞー!?(笑)
航/と、止めたい!
GM/そして無防備になった盟ちゃんに対して、達成値+20で……。
航/……その前に、エル! 行け!
GM/令呪を使うの?
航/2回目、使います! アイツを止めろ!
GM/凄まじいスピードでエルが駆け出す。放り投げ出されて池に落ちる水面スレスレのところで盟ちゃんを抱き寄せ、尚且つ、締められた首を呼吸しやすいように撫でてくれます。、
盟/がはっ! はぁはぁ……! ……エル、いいひとだ。フラグ立ってもいいね(笑) ありがとうと言っておきます。
GM/ミスターBはその姿を見て槍を構え、今にも戦闘を始めようとしますが……誰かに「……わかりました」と言って、姿を消します。
盟/……なに、あの人!? アイツ、槍を持っていたからランサーだよね? 消去法で残りのサーヴァントはランサーとライダーしかいないんだからきっと……!
GM/……盟ちゃん、相馬さんを何処に飛ばしたんだっけ?
盟/屋敷です。
GM/ならエルが盟ちゃんに「彼……相馬さんのところまで送るけど、いいかな?」と合流を提案します。
盟/あ、ああ。じゃあ……屋敷まで送ってくれ。
GM/「それじゃあワタル。俺、ちょっと運んでくるよ!」
航/ああっ、俺も行きたい! 盟ちゃんのお屋敷に一度遊びに行っておきたいんだ! 今後≪クリエイトゲイト≫で「のび太さんエッチ!」なイベントを起こすために!(笑)
GM/……一緒に行きますか?
航/……でも亜紀が1人になっちゃうよな。
亜紀/う、うう……ちょっとポカーンとしてます。
航/そうだな、亜紀1人にする訳にはいかないし……エル、頼んだよ。
GM/……確認するけど、亜紀くんと航が一緒?
亜紀/はい。
GM/相馬さんは屋敷に飛ばされて、ロザリーとヘンリーが診てくれている?
相馬/はい。
GM/エルと盟で、屋敷に向かう?
盟/はい。
GM/よろしいね?
航/はい。……航は疑わないから、相馬さんと盟ちゃんがエルをボコるとか考えないよ!(笑)
盟/やんねーよ! ボロボロだし【MP】的に何も出来ないよ!(笑)
GM/…………シーン、ここで一旦切りましょう。


 ●ミドルフェイズ4/February 11th Scene 4

GM/では盟ちゃんのシーンです。
盟/はい。
GM/エルに抱かれて屋敷に行く。着いたところは、アパートです。
盟/あ。
航/……あれ?
盟/あ……ああーっ!?
航/……え? …………えっ?
GM/「傷は大丈夫?」
盟/……屋敷に行ってと言ったのにアパートに来られた……不信感丸出しになります。
GM/でもちゃんとエルに抱えられて腕の中に居るよ、君。
盟/……どうするんだ、僕を殺す気か?
GM/「……君のサーヴァントは瀕死。今は君しかいない。こんなに良いチャンスがあったら君だって逃さないだろう? ……君を殺すなと令呪で命令されていないからね」
盟/ああ、そうだね……しかも君はまだ無傷だ。
GM/「共闘していたのは航と君だ。俺は勝利したくて聖杯戦争に参加している。……君が屋敷に帰らなければ、回復する手段が無いから彼は消滅する。……そうすれば残りは俺を除いて2体だけになる」
盟/……そうきたか……。クソ、一瞬でも他人を信用した僕が馬鹿だった! 【MP】を回復しておきます!(ころころ)13点まで回復!
GM/「足掻けると思ってるの?」
盟/無様でも足掻くさ。命は惜しいからね!
GM/えっと、それじゃあ……。
盟/≪籠抜け≫使用! 屋敷に帰ろうと思います!
GM/…………。判った。【反射】判定してください。
盟/(ころころ)9です。
GM/(ころころ)こちら、13です。……では、盟は≪籠抜け≫に成功します。屋敷に戻って来たよ。
盟/……おお!? でも何があってもおかしくないんだよな……。
GM/その瞬間、胸が熱くなる。
盟/わっ?
GM/まるで……内部から攻撃されているように。
亜紀/……せ、≪生体侵入≫!? でもその特技って、眠ってる状態じゃないと出来ないんじゃ……!
GM/中の方から声がする。「どうしてだって色々考えているのは判るよ。でも、君を倒さなければ俺は先に進めないんだ……」と、エルの声が。
盟/泥人形風情が、偉そうにっ……!
GM/……数分後。ロザリーが盟が帰って来た波動を感じ、屋敷の外に出てくる。そしてロザリーが見たものは……内部からズタズタにされた盟の姿。
亜紀/(ロザリーになって)「め、盟様あああぁぁ……!?」

 2009年2月11日。
 ――八木沼盟、ロスト――。


GM/…………盟ちゃん、ごめん。
盟/…………はい。
GM/一方その頃、相馬は……アーチャーが逝った事実を感じているときに、今度はマスターとの繋がりさえも失くなっていくのに気付く。残った令呪さえも消えていく……。
盟/令呪で消える前にラスト1個を使い切る! ……相馬を逃がしたい!
相馬/そんなっ!?
盟/僕は死んでもいいけど相馬は生き残らせたい! 最後まで醜く足掻きたいんだよ! ……黒須か、青森のオッサンに……でも黒須は中立だし、教会に行かせたらミスターBが居そうだから……一番裏表の無さそうな早乙女先輩のところまで相馬を飛ばしたい!
航/……PCだしな、裏表のあるPCとか嫌だよ(笑)
GM/では、令呪を使用して『屋敷』というシーンから退場させるということで。……ここで盟ちゃんはキャラロストになるので、メッセージを一緒に送るのはどうかな?
盟/じゃあ……(スウ、と息を吸って)

「僕を殺したのはエルだ! あの泥人形、僕は絶対に許さない!
 お前だったら願い、叶えてくれるよね? 僕を置いていかないよね。
 一番安心出来そうなところにお前を送る。なんとしてでもマスターにしろ! そして、アイツを殺して――!」


相馬/……盟、おぬしの想い……全て受け取ったぞ……!


 ●ミドルフェイズ5/February 11th Scene 5

GM/航と亜紀のシーンです。何かあったなんて露知らず。「明日どうしよう? どこを調べよう?」と相談をしています。
亜紀/とりあえず……航がボロボロなので俺の家に連れて行って手当てしたいです。
GM/では、お家に帰ってきました。お母さんは傷を負った航を見て絶句する。……【MP】を減らして回復してあげてください。
亜紀/ぺたぺた……(ころころ)11点回復してください。
航/おばさん、ごめんなさい……。
GM/……お母さんは嫌そうな顔はしません。亜紀の幼馴染ですから。でもいつもだったら「ウチで夕飯でも食べていきなさい」と言うのに、「そのまま出てお行き」という雰囲気を醸し出します。
亜紀/ぶわ……そんなぁ……。
航/……すみません。大体、真昼間から戦っていること自体がおかしいんだもんな……。頭を下げます。
亜紀/ごめんね、航……。
航/仕方ないよ……亜紀こそありがとう。きっと八木沼や相馬さんも無事だからまた明日……と去ろうとしたところで。
GM/【HP】が1状態で、相馬さんが現れます。
亜紀/あ、あれ……!? 相馬さん、どうしたんですか!?
航/や、八木沼は……?
相馬/兎にも角にも目の前の亜紀に、ガシッ!
亜紀/なにっ!? ど、どうしたんですか……。
相馬/……オイ、早乙女と言ったな? ワシと契約しろ!
亜紀/いきなり!?(笑) め、盟ちゃんはどうしたんですか……?
相馬/あやつは殺された。
亜紀/……誰に?
相馬/……航をじっと見る。
航/えっ? ……なんで俺を見るんだよ、八木沼は……。
相馬/詳しい話は後じゃ! 契約しろっ!
亜紀/そ、相馬さん……体、ボロボロだぁ。じゃあ……詳しい話を聞きたいから……契約します。
相馬/契約成立じゃ!
GM/では、キャラクターシートの『マスター』と『サーヴァント』欄に名前をお書きください。相馬さんは、盟ちゃんから亜紀くんに名前を書き直してね。
亜紀/……で、盟ちゃんは?
相馬/……ワシに全てを託して逝きおった。あやつは、エンキドゥに殺された!
亜紀/……ほえ? エンキドゥって……。
相馬/(航を指差して)そやつのサーヴァントじゃ!
航/え、エンキドゥって名前を知ってるのは俺だけじゃ……。それに、エルが!? そんな訳ないだろっ!?
相馬/事実じゃ。
亜紀/そ、そんなまさか……盟ちゃんが、エルさんに……?
航/アンタのこと疑いたくないけど、アイツがそんなことする訳無い!
相馬/あやつが盟を殺さんと約束したか?
航/……約束はしてない……けど……。だけど、八木沼は……俺の友達だぞ?
相馬/あやつにおぬしと盟が友であったかどうかは関係無い。要は聖杯戦争に勝てばいいだけじゃ。……盟が伝えてきた情報はほんの断片的なものだ。それほど気になるのであればあやつに確かめてみればよい。
航/…………本当なのか、エル!? 呼び出します!
GM/では、帰ってきていたけれど、出るタイミングを失っていたエルが登場します。現れて、航の傍に寄ります。
相馬/……ギラギラした目で見る。
航/ガッと腕を……令呪の文様が浮かんでいる腕で掴んで。……本当か!?
GM/「本当だよ」
盟/……コイツ、嘘を言わない。なんてこの真っ直ぐな目なんだ!(笑)
航/……なんでだ?
GM/「聖杯戦争だから。俺がサーヴァントだから。今さっき、彼を殺す一番の機会だと思ったから。……勝利する為にやったんだよ」。真っ直ぐと、自分の主張を言います。
相馬/……あやつもワシも油断しておったからのぉ……ようしてくれたわ。
航/エルの腕を掴んだまま絶句します。……そうだよな、お前……その為にここに居るんだもんな。
GM/「うん、そうだね」
航/……でも、アイツは俺の友達だったんだ。……友達を失うのがどんだけ辛いか、友達想いのお前には判るよな!?
GM/……航の言葉にグラッと来たエルが、取り乱します。「えっ、もしや俺ってヤバイことした?」とソワソワし始めます。
航/畳みかけます! ……俺は家族が誰も居ないから友達しか世界と繋がっていられるものが無いんだよ! 俺の周りの亜紀や盟や……お前とか、友達とか、そんなちっぽけな世界さえ守れれば俺はそれで良かったんだ! それぐらい家族になってくれたお前なら判ってくれてると思ってた……違うのか!
GM/「だ、だって……お、俺は……勝利する為にやったんだよ……? 君を勝利させる為にやったんだよ? 聖杯戦争のルール判ってるだろ……なのに、なんでそんなことを言うの……?」
相馬/秤谷。言ったろう?
航/……相馬さん?
相馬/そやつの言っていることは何も間違ってはおらん。これは戦争じゃ。相手が死ぬかこっちが死ぬかそれだけの話じゃ。そいつは己と、己のマスターが死なんように行動しただけじゃ。……そしてワシのマスターは一瞬の油断で抜かってしまった。
盟/……そんな相馬さんの脳裏に「アイツ殺してよ……!」という声が蘇る。
航/……アンタ、悲しくないのか?
相馬/ここで悲しんでもアイツがうかばれる訳も無い。本当は今すぐ八つ裂きにしてやりたいも山々じゃがのぉ……だが、生憎こっちも準備が万全ではない。
GM/そんなことを言われて、エルは相馬と……契約した亜紀を見る。もちろん、敵視した目で。「君は……彼と契約したの?」
亜紀/……盟ちゃんのこと、聞きたかったから。
GM/「そう。…………ワタル、帰ろ?
亜紀/コイツ、ヤンデレだぞぉ!?(笑) 「ここに居る人達怖い」ってカンジで言われたよぉ!
航/それでなくても亜紀のお母さん達に良い目では見てないだろ……。
GM/まあ、昔からの知り合いだから「帰って!」なんて直接言わないけどね。
盟/ここで友達という唯一のライフラインが切れたね。エルが付いている限り亜紀を狙うだろうし。
航/……俺も狙われるだろうし。
亜紀/わ、航……。
航/……精一杯笑って、亜紀に「じゃあな!」と言ってその場を立ち去ります!
亜紀/航っ……! ……しょぼん。
相馬/……まあ、3日じゃ。
亜紀/3日?
相馬/3日間だけ聖杯戦争について参加するか否かの決断をしろ。もし嫌なら令呪を3回使うなりして契約を解除するがいい。またワシは別の宿主を探す。ワシも戦う意思が無い者を無理矢理参加させるとは好きではないからのぉ。
亜紀/……相馬さん、優しい……。ぐ、ぐす、ありがとう。考えてみるよ……。
相馬/……じゃが、3日間だけは体力を回復させてくれ! 世話になるぞ。勝手にズカズカと家に入っていきます。


 ●ミドルフェイズ6/February 11th Scene 6

GM/……航は、エルと一緒にメゾンボロリアに戻ります。「ワタル、ご飯食べる? 俺が何か作るけど」
航/……いらない。
GM/「傷……手当てはした?」
航/もう大丈夫。
GM/「でも、完全に回復してないよ?」
航/大丈夫。
GM/「……回復してあげたいよ。だってこれからまた何かあるかもしれないし……」
盟/……そうやってまた聖杯戦争のことをまた匂わせるんだな。
航/…………。
GM/「や、やっぱり牛乳を温めてくるよ!」。エルは、パタパタと使い慣れた冷蔵庫に向かう。
航/非現実から、いつもの現実に帰ってきたように見える……。でももう……何人も死んでるんだ。なんだ、このふたりぼっち感……。
GM/「はい、ホットミルク。…………ねえ、なんで飲んでくれないの?」
亜紀/ポツーンとホットミルクを前にションボリしているエル……。
航/……まだ、戦争って続くんだよな。
GM/「サーヴァントが生きているから。ランサーとライダーとバーサーカー……でもどうせ俺が勝利するよ」
航/…………お前には悪いけど、もう俺……戦えないよ。
GM/「え?」
航/俺は……さっきも言ったけれど、戦いじゃなくて普段通りの生活が続いて……それに、お前みたいに「ただいま」って言ったら「おかえり」って言ってくる奴が居れば良かったんだ。
GM/「……俺1人で戦えってこと?」
航/お前みたいに人を殺してまで叶えたい強烈な願いなんて無いから……俺と居たら、お前は不幸になるよ。
GM/「俺は人を殺してでもワタルに『おかえり』って言ってあげるよ」
航/…………。
GM/「最初に一緒になってくれたのは……ワタルだから。俺にとって一番大切な人はワタルだよ」
航/……聖杯戦争の主って意味だろ? 俺がマスターじゃなかったら……違うだろ?
GM/「そんなことない。ワタルが味方をしてくれる限りずっと一緒だよ。だって何度も友達にも、家族にもなってくれたじゃないか!」
航/……それでも、戦う限り亜紀も無事じゃいられないし、もう八木沼は……盟は……。
GM/「…………。ワタル、頭触っていい?」
航/…………。
GM/「最後。こうするの、最後でいいから……」
航/いいよ。……頭を差し出します。
GM/頭に手を置いて、撫でて、頬に触れて、口付けします。――≪セルロイドの心≫、使用。
亜紀/……あ……。

 ≪セルロイドの心≫
 感情を捨て、決められたことにだけ従う人形のようにする特技。話しかけられても普段通りの受け答えや複雑な行動は出来なくなってしまう。全行為判定2D6の結果を「7」として扱える。


GM/【意志】で対抗してください。
盟/これ、負けると使い魔にされるよ!
GM/(ころころ)……えっ!? 6・6……クリティカル出た!?
一同/ええーっ!?
航/こ、これは……(笑) そのまま受けておきます。
GM/……はい。キスしたときに≪セルロイドの心≫を航に使用して、人形になってもらいます。
航/その前に令呪を使用。

 「……そこまで言うならずっと俺の家族で居てくれ。俺を裏切るな」

航/……これで令呪は3回使い切りました。サーヴァントの契約は解除されますが、どうしますか?
GM/解除されたね(笑) ……令呪を使った瞬間、君の感情が無くなっていく。そのまま大人しくなった航をパタンと押し倒して……魔力供給を始めます。
航/……ボンヤリとした目で受けとめておきます。
GM/体を弄りながら……耳元で言います。「ワタルは俺に魔力をくれるだけでいい……もう君は、戦わなくていいよ」
航/それを、聞いているのか聞いていないのか判らないまま……目を閉じます。


 ●クライマックスフェイズ/February 13th Scene 1

GM/それから数日後。亜紀くんのシーンが変わります。……早乙女家に電話が掛かってきます。「亜紀、黒須さんからよ」
亜紀/黒須さんから? ……盟ちゃんを思い出しながら電話に出ます。もしもし……?
GM/「…………」
亜紀/もしもし?
GM/「はぁ、はぁ……。こっち……来れるか……?」
相馬/……瀕死の神父!?
亜紀/ど、どうしたんですか、黒須さんっ!?
GM/「お、お前に言うのもアレだが……俺を、たす」……プツ。
亜紀/く、黒須さん!? たす……? 『助けろ』だと思うんだけど……。そ、相馬さん、今動けます!?
相馬/あ、ああ……大事ない。無理に動こうとしますよ。
亜紀/教会で黒須さんが危ないみたいなんだ! 気になって……行きたいんだけど。
相馬/うむ、判った。行こう。
亜紀/これは……緊急事態だ。相馬さんにチューします! 行くよ、相馬さん!
相馬/お、おぬしも思い切りがいいのう?(笑)
亜紀/俺も男だ!(笑) ……ダーッと走って行きます!
GM/では亜紀は家を飛び出し、外を走り、教会の方向に走って来ると……教会から火が出ていることに気付く!
亜紀/火事!? 焼けてる!?
GM/近場まで来れば周囲の人々が「火事だー!」と騒いでます。……もう既に火は消せないほどにまで広まっているようだ。
亜紀/中立である教会まで……うわぁー!?
GM/ここで選択肢です。

 @人が少ない裏口から教会の中へ入り込む。
 A表で教会の周囲に居る人達から探りを入れる。


GM/直接行くか、間接的に行くかの選択肢をどちらか選んでください。
亜紀/「たす」まで言って切れちゃったんですから、絶対直接行かないと気が済まないです!
相馬/そうか。では中に行こうか、直接中に入ろう……!
GM/相馬さんが亜紀くんを抱え、人に見えない速度で消火活動をする人々を潜り抜けて……中に入っていくと。
亜紀/中も……燃えてますか?
GM/火が至る所にまわってます。……小さな頃から遊んでいた場所が燃えていく。
亜紀/で、電話口だ……! そこに黒須さんは居た筈!
GM/そこは、血糊がびっしり。
亜紀/わあぁっ!? ……こ、≪痕跡発見≫で見ていいですか?
GM/どうぞ。【知覚】判定をしてください。
相馬/こちらも≪野獣の鼻≫を使います。1D6【MP】消費なので……(ころころ)4点支払いました。
亜紀/(ころころ)こちらは、達成値11です!
GM/亜紀くんが詳しく周辺を調べると……血が点々と別の部屋に続いている……確かあっちは違う出口があった部屋だ。きっと逃げたんだ! 死体も無いからきっとそうだ!
亜紀/良かった! 相馬さんはどう……?
GM/相馬さんは、「この程度の血の量では『絶対死んでない』な」と直感的に思った。
相馬/……とりあえず外に行ったんだな。ならば外を探すか。
GM/そのとき。「……グルルルル
亜紀/こ、この声は……まさか、ケロちゃんっ!?
相馬/このクソ忙しいときに……!?
GM/「グルル……」という獣の声と同時に……「ブル、ブルル……」という声もします。……現れる、青い馬。
亜紀/馬ぁーっ!?
GM/同時に、炎が舞う教会の中にゴオッ何かが広がる。……まるで死神のような死霊達が集まって、2人を囲います。
亜紀/うわ……もしや、これって、罠にハメられた!?
相馬/飛んで火に入る夏の虫……なんということだ。
GM/……炎が舞っている中央部から、カツカツ……と、誰かがやって来る足音がする。
亜紀/だ、誰!? メラメラした火を見ます!
GM/……ちょうどよく黒い煙が舞っていて顔が見えない。
亜紀/誰だ、顔見せろ! コノヤロー!
GM/「……こんな状況だというのにそれほど強気だとはな。君達は判っていないのかね。今、我々に囲まれているんだぞ」
亜紀/……なんとかするもん! 俺ペーペーだけどなんとかするよ! それより中立の教会にこんなことをしてどうするつもりなんだ!?
GM/「関係無い」
相馬/……言いきった!?
GM/「傷を負ったサーヴァントと……戦闘慣れしていない魔術師か。この戦いはすぐに終わる……残りの食餌を美味しく頂くとしよう」。――では戦闘を始めます。敵は、ケルベロス1体、青い馬4体、死霊というトループが2体、そして偉そうなご本人。
亜紀/……無理!(笑)
GM/そして、周囲に炎が舞っているのでクリンナップ毎にマイナス1D6のダメージを受けてもらいます。
亜紀/ひえー、これって煉獄の炎的な何かだよね!? た、戦うけど……ぼろっ。
GM/多くの死霊達が2人に纏わりつく。尚且つ、傷が治ったケルベロスが猛攻撃を仕掛けてくる!
相馬/主を二度も失うのは嫌だ。……亜紀を庇うようにして戦います! もう刀もボロボロで、首だけで噛みつける!

 最期の戦いだと覚悟し、刀を持って本陣――例の彼に特攻する相馬。
 素早く駆け出し、斬りつける!
 しかしその一撃も、男の杖によって簡単に弾き返された……。


GM/近付くと、姿が見えてきます。服装は、古めかしい布を纏い、杖を携えた男だ。
相馬/何者だ、おぬしは……!
GM/相馬は思う。……ああ、そういえばこの声、聞いたことがあった。

 その声、その背格好、その顔は……。
 ……藤原!


相馬/藤原ーっ!? そ、そうか、サーヴァントがサーヴァントを仕えることも出来るんだった! ……その顔に驚愕して……。
GM/その瞬間、死霊が一斉に相馬の身体に襲いかかる。纏わりつく多くの死霊。……そこで、男がいきなり敬語で口を開きます。「相馬殿、サヨナラのご挨拶をしてあげてください」
相馬/お、おぬしは……憎々しい奴じゃのぉ!
GM/「そうだ。折角ですから……冥土の土産に、貴方の知りたいことを教えて差し上げましょう。私の名前は……ハーデスですよ」
盟/……やっぱりハデスか!

 『ハーデス』
 ハデス、ハーデス、ハーデースなどと呼ばれる、ギリシャ神話の冥府・死の国の王。
 冥府が地下にあることから「地下の神」、作物は地中から芽を出して成長することから「豊穣の神」としても崇められている。


相馬/最後の力を振り絞って……。早乙女! おぬしだけでも逃げろ!
亜紀/そ、相馬さん……! ……ごめんね、相馬さん! 願いに応えてあげられなくて……! 炎の合間をぬって外に逃げようとします!
GM/なんとかして亜紀はその場から逃げだす! けど、相馬は……。
相馬/消え逝く意識の中で…………すまぬ、盟……とポツリと言って、消えます。

 2009年2月13日。
 ――バーサーカー、ロスト――。


GM/とっとっと、走って逃げる亜紀の元へ、……ある声が掛かります。「こんばんは」
亜紀/……ふぇ?
GM/逃げた先に、彼が居ます。槍を持ったスーツの男が。
亜紀/み、ミスターB……さん?
GM/「……今、サーヴァントがまた一人、消えましたね」
亜紀/……コクリ。
GM/「それでは、私は貴方を襲う理由が無くなりました」
亜紀/あ……あの、ミスターBさん。貴方は……黒須神父がどこに居るか判りますか?
GM/「はい。彼は無事ですよ」
亜紀/……そっかぁ。良かったぁ……。
GM/「彼の元に連れて行って差し上げましょうか?」
亜紀/い、いいんですか……でも、あっちにライダーさんが居るんですけど……。
GM/「ああ、では先に彼を倒してからの方がいいですね」
亜紀/……1人で平気ですか?
GM/「ご察しの通り私もサーヴァントですから、いつかは彼とも戦わなければなりません。その為にこの世に居るんですから」
亜紀/……そうですか。
GM/「しかし……貴方は相当傷付いているようですね。体も心も……」
亜紀/はい……。べ、弁慶さんが……優しいよぉ(笑)
GM/頭に手を置いて撫でてくれます。「貴方は……日常に戻りなさい」
亜紀/…………え?
GM/亜紀くんの記憶を消そうとします。消されたくないなら、【意志】判定で対抗して。
亜紀/……忘れたいことたくさんあるよなぁ。疲れてるし、ボロンチョだし……もうみんな嫌になってるけど……でも! 相馬さん達のこと忘れたくないよぉ!(ころころ)12です!
GM/(ころころ)……13。

 「おやすみなさい」
 静かな男の声が、身体中に響いていく。
 そのまま身体の熱さは消え……視界は真っ暗に落ちていく。

 ……亜紀が次に目を開けたとき、そこはいつもの自分の部屋だった。


亜紀/……ぱちっ。
GM/起床した亜紀くんに、お母さんが朝イチで衝撃的なことを言います。「亜紀、教会が燃えちゃったんですって!」
亜紀/ええーっ!? 黒須神父は大丈夫なの!?
GM/「それがどうやら病院に運ばれたって。平気だそうよ。火事の原因はボヤだったのかしら……?」
亜紀/ぶ、無事なんだ……良かった良かった。
GM/どうやら亜紀くんは昨夜ずっと部屋で寝ていたから火事に気付かなかったみたいだね。……じゃあそろそろ学校に登校しようか? 通学途中に祐希がやってきて「おはようございます、早乙女先輩」って言ってくれたりする。
亜紀/あっ。おはよう、祐希!
GM/「その……良かったら一緒に学校、行きませんか?」
亜紀/うん、行こう行こう!
GM/そうやって一緒に学校に行ったり。お昼になったらいつも通り祐希と一緒にご飯を食べる。そんな日々。
亜紀/いっつも2人一緒だったもんね! …………でも……なんか足りないような気がするんだけど、気のせいかな。
GM/「足りない……? 早乙女先輩、何の話ですか?」
亜紀/なんか変な夢を見たみたいなんだ。そこだと俺達以外に騒がしいのがもう2人……居たような。うーん。
GM/「大丈夫ですか?」と祐希が心配してます。……そうして放課後が過ぎ、花屋のバイトの時間になり、バイトが終わり、家に帰る……。
亜紀/ふー、寒い寒い。ハンドクリームぬりぬり。てこてこてこ。
GM/「…………貴方」
亜紀/……ん?
GM/「貴方……貴方! そこの貴方よ」
亜紀/ど、どこから声がしますか?
GM/塀の上から。……金髪ツインテールの、高い所が好きそうな小さな女の子が立っている。
亜紀/お、お嬢ちゃん!?(笑) そんな所に居たら危ないよ!
GM/「…………貴方、これでいいと思う?」
亜紀/え?
GM/「こんな世界でいいって本当に思ってるの? 後悔は無い……?」
亜紀/……やっぱ何か忘れてるのかなぁ? でもなーんか思い出せないような気がするんだよね! なんだろう?
GM/「……この世界はもう終わるけど、もし貴方が望むなら、『また生き残る』チャンスをあげるわ」
亜紀/ホント? うーん……なんか、シマリ悪いから教えてくれる?
GM/「……いいわよ。じゃあ、また次の世界で逢いましょう。……大丈夫、すぐにまた逢えるわ。さよなら」。……ロリは消えます。
亜紀/……ハッ!? また俺、ワケの判らないモノと話してたー!?(笑)


 ●エンディングフェイズ/???

GM/……夜。航は自分の部屋で、布団に寝かされています。裸体で。
盟/裸体で……って、いつでも魔力供給できるようにか(笑)
航/餌か!? 餌だよ!(笑) ……ぼんやりしています。
GM/暫くすると、傷を負ったエルが帰って来る。「……ワタル、ただいま」
航/おかえり。
GM/いいこいいこと色んなところを撫でながら、「ごめんね、ちょっと性急だから……いただきます」と航に口付けます。
航/コクリと頷いて、それに応じます。
GM/身体を弄りながら……笑って言います。「ちゃんと聖杯戦争を早く終わらせて、君の願いを叶えてあげるからね」
航/願いって……何だったっけ? 思い出せないけど……いっか。エルがそう言うならそうなんだろうな……うん。
GM/「うん、ワタル……おやすみ…………」

 そうして、また眼を閉じる。

 ……同じように、相馬もずっと眼を閉じ続けていた。
 しかし眠りの中で……『何か』の声がする。


GM/どこか判らない空間で魂が彷徨っていると……『聖杯戦争について』が頭に流れ込んでくる。……そう、この戦いに勝てば……願いが叶う……猛烈な使命感が湧きあがる。
相馬/ああ……。
GM/「アナタは、聖杯戦争に参加する? 手を取る? 取らない?」……そんな、誰とも判らないけど声がする。
相馬/……言わずもがなじゃ! 手を取ります!

 力強く手を取った。
 ――この手で、聖杯を手に入れる! 戦で勝ってみせる――!
 そう強く心に刻みつけ、さて眼を開ければ……そこは、2009年2月1日の世界。


GM/目の前に男……藤原が立っています。「私は最強のカードを手に入れた……!」とニヤリと笑う彼が。
相馬/……今までの記憶は?
GM/ありません。でも自分の過去や、聖杯戦争のルールや使命はハッキリと覚えています。
相馬/フン、コイツ……いけ好かないな。とにかくワシは聖杯戦争に勝ってみせる! おぬしに協力しよう!

「さぁ、我らが望む、我々の最高の世界を創り出しましょう。
 …………そう、怨霊である貴方が私と共に戦うのは相応しい!」


 同日、盟はキャスターを召喚し……。

盟/……キャスターか、コイツしか僕のカードは無い。この切り札で頑張るんだ!

 航はごく普通のバイト生活に精を出し……。

航/無理! バレンタインシーズンとか死ぬ! あの客、俺の代わりに全員糖分やカカオ枡でまみれて死ねばいいのに!(笑)
GM/……航、【幸運】判定してください。難易度は12。
航/(ころころ)15、成功です。
GM/君は思った。……なんか体がムズムズする。
航/……なんだこれ。思春期かな!?
GM/(祐希になって)「わ、航……大丈夫?」
航/なあ祐希、前にもこんな風にコーヒー買って待っていてくれたこと……あったっけ?
GM/「……あったかな?」
航/まあ、祐希だもんな。2時間ぐらい雪に積りながら待っていてくれてもおかしくないよな。
GM/「なに……風邪引いた? 変なものに入られた?」
航/いや、身体に虫とか付いてないから!(笑)

 ……そうして。

GM/6歳児ぐらいの女の子が亜紀くんの目の前に現れます。「……貴方、生きたい? 死にたい?」
亜紀/生きたいよ。まだ俺18だし、生きざかりっ!
GM/「…………良かった。またその選択肢を選んでくれたわね。……なら生きて。それが望んだことだから。そう……貴方と、『彼の』」

 2月1日は過ぎる。
 運命の2月3日まで、あともう少し…………。



 ANOTHER WORLD
  「 DROWNING/phantasmagoria 」

 First Loop 『 ...Drowned fish... 』





to be continue...