アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ダブルダウン 』 1ページ ■
2013年9月20日




 ●プリプレイ

 2013年9月20日。
 まだまだ暑さが残る9月のある日、セッション会場であるGMのマーサー宅に、しゅうら火種せいさんMUMAの4名が集まっていた……。


マーサー(以降、GM)/『アナザーワールドSRS(以降、AW)』単発セッション、始めたいと思いまーす。
一同/はーい!
GM/今回『AW』初参加の火種ちゃんとせいさんちゃんが来てくれました! 嬉しい!
プレイヤー3・せいさん/宜しくお願いします!
プレイヤー2・火種/楽しみでーす!(笑)
GM/早速ですがハンドアウトを配ります。どうぞお読みくださいー。



 アナザーワールドSRS シナリオ名 『ダブルダウン』



【レギュレーション】

 キャラクターレベル5で開始。
 PC達は全員知り合い設定。同年代の学生で、S市高校の林間学校(8月19〜21日の3日間)に参加する。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:(派手な親友)  関係:好意  推奨クラス:狂戦士 or 異端者

 君は、日本の裏社会史上最悪の事件『機関解体事件』の生き残りである。
 当時幼かった君は『機関』の特異能力者研究所から救出され、『教会』の保護のもと今まで生活をしてきた。
 『教会』に身を寄せているが、君は中学3年 or 高校3年の夏を迎えた学生には変わらない。
 今の友人達と一緒に居られる最後の季節。君は友人達と楽しい林間学校2日目の朝を迎えた。
▼NPC1:(派手な親友)
 PC1の友人。明るい性格。赤や金やメッシュを入れたりと派手な髪色をしていて、とても目立つ。
 友達が多く、特にPC1とは3年間同じクラスだったせいか親友関係である。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:(地味な友人)  関係:友情  推奨クラス:聖職者 or 処刑人

 君はまだ経験は浅いが、『教会』で活動しているエージェントだ。
 PC1達と楽しく過ごしていた林間学校2日目の朝、『教会』の仕事斡旋人・高坂から連絡を受けてしまった。
 「異端『エアガイツ』討伐の任務をお願いしたいんだけど。あっ、今旅行中? じゃあ帰って来てから協力してくれよ!」
 そのような電話を、まさか最近親しくなった彼に聞かれてしまうとは。変なことにならないと良いんだが……。
▼NPC2:(地味な友人)
 PC2の友人。大人しい性格。目立たない外見をしている。NPC1とは3年間同じクラスで、NPC1をとても慕っている。
 君とは最近になって少しずつ話をするようになり、好意を持たれている印象である。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:ウズマキ  関係:自由  推奨クラス:魔術師 or 世界遣い

 君は、PC1やNPC1と同じ班で寝泊まりする楽しい林間学校を過ごしていた……筈だった。
 林間学校2日目である8月20日の夜。君は気付くと、PC1に武器を突き刺し、彼を殺していた。その瞬間、世界が巻き戻った。
 何故あんな世界になったのかは判らない。全て忘れ、再び迎えた2日目の朝。君の元に龍の聖剣 or ルージィルが現れた。
▼NPC3:龍の聖剣 or ルージィル
 人外。超越的な話題をする金髪碧眼の幼女と男性。とってもふしぎ。
 どちらと親しいか設定すること。

【ハンドアウト:PC4】
 ハンドアウトパターン1〜3を兼用する。
 PC1の場合、PC1と同じように『機関』事件の生き残りであり共にPC1と生きてきた。
 PC2の場合、PC2と共に『教会』に所属している(推奨クラスは無し)。
 PC3の場合、PC3と共に金髪碧眼の彼女達と話をする。


プレイヤー4・MUMA/「派手な親友」と「地味な友人」か。どっちも面白くって良いな。
プレイヤー2・火種/ああっ、噂の高坂さんがいる! キャー、高坂さーん!(笑)
プレイヤー1・しゅうら/あれっ、PC3はロリかルージィルさんか選べるんですか!? キャー、ルージィルさーん!(笑)
GM/今回のハンドアウトではロリとルージィルさんのどちらかプレイヤーがお好きな方が登場します。セカイたんからの仕事でやってくる正社員ロリと、独立して好き勝手やってるフリーダムルージィルさんのどちらを選んでもシナリオに影響はありません。
プレイヤー1・しゅうら/選べるんだ、やったー! 楽しいー!(笑)
GM/さて。今回のPCは全員退魔組織『教会』に所属する学生キャラクターをしてもらいます。そして、今回特別なハンドアウト……PC1について説明をしましょう。
プレイヤー3・せいさん/はい。
GM/PC1をやるプレイヤーは、『AW』の正規の歴史で起きたとある事件に関わるキャラクターを作っていただきます。……昔々、『機関解体事件』という事件がありました。

 『機関解体事件』。
 教会での汚職事件一連の騒動のこと。
 退魔組織『教会』は逮捕された能力者の受刑者を異端刑務所に収容していたが、一部の教会上層部達が受刑者を死刑にしたと見せかけて『機関』という特異能力研究施設に送り、受刑者達を人体実験などに使ったり異端達の食材として卸すという悪行を30年以上続けていた。
 のちに不祥事が発覚し、『機関』の中心人物達は処刑され、組織は解体。その際に『機関』で造られた魔道具、強力な魔導書が大量に押収され、非人道的な実験の被害者や生み出された稀人・異端者達も大勢保護された。
 『機関』は解体され、教会は生まれ変わっているとされているが彼らの残したものは根深く、30年以上に渡る悪行は未だに日本の裏社会の至るところで噂されている。詳しくは、『アナザーワールドSRS・リプレイ〜ワンダフルワールド(バッドルイド2)』参照。


プレイヤー1・しゅうら/うわ、その悪行ってやつ、30年も続いてたんですか……。
GM/ええ。とても長い期間、裏社会で酷いことが行われていました。ですが数年前に『機関』の悪事がついに発覚。組織は全部解体され、今の『教会』はクリーンな施設になりました。今回のPC1は『機関』が運営していた特異能力研究所にいた実験体の生き残りをしてもらいます。
プレイヤー4・MUMA/はーい……。
GM/PC1の設定は『子供の頃から能力を持っていた子』でお願いします。人外でも構いません。それとPCの年齢は、中学3年生か高校3年生のどちらか多感な時期にしてもらいます。シナリオの舞台が合同学年合宿なので、学年入り乱れて先輩後輩の仲を作ってもいいよ。
プレイヤー2・火種/はーい! ……わー、どのハンドアウトも面白そうー。どうしよー。
プレイヤー1・しゅうら/私、古川財閥のPCがやってみたいんですよね!
プレイヤー3・せいさん/古川財閥?
プレイヤー4・MUMA/「古川に無いジャンルは無い」って言われてるぐらい大きくて何でもある財閥のことだよ。
プレイヤー1・しゅうら/新しいところを開拓していきたいって思って!(笑) でもまずはハンドアウトを決めないと。後輩、どのハンドアウトをやりたい?
プレイヤー3・せいさん/えっと……PC3がやりたい!
プレイヤー2・火種/私はPC2かな?
プレイヤー1・しゅうら/それなら……私はPC1をやりたい!
プレイヤー4・MUMA/私はPC4のハンドアウトで、うーん、どれも面白そうだから……後輩と絡めるPC3にやろう! ハンドアウトによるとPC1を殺すらしいし!
プレイヤー3・せいさん/PC1を2人で一緒に「せーの!」で刺しましょう!
プレイヤー1・しゅうら/後ろから前から刺される!?(笑)
プレイヤー2・火種/さ、さよなら先輩……!
プレイヤー1・しゅうら/だ、大丈夫生きてる! ループするから! ……る、ループするといいな!?(笑)

プレイヤー1・しゅうら/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・火種/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・せいさん/PC3ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・MUMA/PC4で、PC3ハンドアウトを選択。

プレイヤー2・火種/念願の[聖職者]をするぞ〜! 女の子やりたいな〜!
プレイヤー4・MUMA/えーと……私も女の子のキャラをやろうかな。
プレイヤー1・しゅうら/じゃあPC1は男キャラをやろう。刺されるんだったら男の方が都合が良い!
プレイヤー3・せいさん/両サイドから刺される男なんですね(笑)
プレイヤー1・しゅうら/一体どんな罪深いことをしたのか、気になりますね!(笑)
プレイヤー4・MUMA/そうだ、友人の名前を決めなきゃいけないんだよ。
プレイヤー1・しゅうら/『派手な友人』か。……アレキサンドラ。
GM/判った。アレキサンドラくんね。決定。
プレイヤー1・しゅうら/ちょっと! もうちょっと! 考えます!(一同笑)
プレイヤー4・MUMA/……あの、GM。PC4のハンドアウトなのでもっとシナリオに絡みやすくするために、NPC1と兄妹設定にしてもいいですか?
GM/兄妹?
プレイヤー4・MUMA/さっきライフパスを振ってみたら、『重要キーワード』で「兄弟姉妹」が出たんです。だからNPC1がお兄ちゃんで、その妹キャラをやりたいんです。
GM/…………。うん、大丈夫だよ。NPC1の妹さんね。了解。

 そんなこんなで相談し合うこと、数時間。
 キャラクターデータを作成し、名前を決め、NPC達の設定も決定し……早速ゲーム本編に移行した。


GM/そろそろキャラクターメイキングが終わったね? セッションを始める前に自己紹介をしていきましょう。まずPC1からどうぞ。
プレイヤー1・しゅうら(以降、ナツメ)/PC1、名前は神木 ナツメ(かみき・なつめ)です。クラスは[霊媒師]2レベル、[異端者]3レベル。職業は高校3年生、受験期を迎えています。
GM/となると、年齢は18歳だね。
ナツメ/身長は203センチ。でっかい生き物です。
GM/2メートル越えか。その正体は……?
ナツメ/『天災』。大地震などを引き起こす地霊、大地の精霊です。≪地霊操作≫で地震を起こすことができます。
プレイヤー4・MUMA/精霊だー!
ナツメ/ライフパスの『重要キーワード』は「人ではないもの」。『背景』が「私の母は古川財閥出身だ」。古川財閥の出版新聞業で、お母さんはバリバリ働いています。
GM/バリバリのキャリアウーマンか。
ナツメ/そのお母さんは[霊媒師]なんです。異端であるナツメを引き取って……色々あれしてこれしてこうしたから、結果の『特徴』が「家事上手」である!(笑)
GM/お料理ができる系男子!(笑) 『機関』の能力者研究所から解放された君は、古川財閥出身のバリバリのキャリアウーマンの女性に引き取られて暮らしてきたんだね。……「神木」さん、良い名前だね。
ナツメ/出版など紙を司るところなので、カミキです! 外のことを1から10まで教えられて、今の普通の高校に通っています。カメラをいつも持っていて、そのシャッターを切ることで霊力ダメージを与えます。マックスで7D6点のダメージが振れるかな!
GM/ぜ、『零』……?(笑)
ナツメ/あと、≪+50現実検討能力≫を持ちました。
プレイヤー2・火種/『現実検討能力』?
ナツメ/その場その場に見合った判断ができるよ、悪いことしたいと思っても我慢できるよ、ということです。抑えなければいけない場では自分の衝動を完璧に抑えることができます。なので「ティッシュは食べちゃいけない!」「お腹が減ったならクッキーを出す!」と完璧に振る舞えます。
GM/おお、それは異端者には必須っぽい。ナツメくんはそうやって常識人になろうとしている……ってことなのかな?
ナツメ/はい、一生懸命頑張っていますー!

 神木 ナツメ(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[霊媒師2/異端者3]
  体力:10(+3)  反射:10(+3)  知覚:14(+4)
  理知:15(+5)  意志:12(+4)  幸運:12(+4)
  HP最大値:28  MP最大値:32
重要キーワード:人ではないもの  背景:私の母は古川財閥出身だ  特徴:家事上手である
ボーナス効果:特技を1つ自動取得  スキルウェポンのイメージ:視線による衝撃
職業:高校3年生  性別:男  年齢:18  身長:203cm  髪色:黒  瞳色:紫
 スキルウェポン→≪蒼の衝撃≫
 霊媒師→≪魂砕≫ ≪断末魔の叫び≫ ≪地霊操作≫
 異端者→≪闇の血統≫ ≪鬼の肌膚:物理≫ ≪黒のカブト≫ ≪黒のヨロイ≫ ≪異常鉱物≫ ≪野獣の鼻≫
 一般特技→≪霊薬≫ ≪+50現実検討能力≫

GM/次に、PC2どうぞ!
プレイヤー2・火種(以降、きよえ)/キャラクター名は、貝 きよえ(かい・きよえ)。女の子で18歳です。クラスは[狂戦士]4レベルの[聖職者]1レベルです! 職業はシスターで、高校3年生をしています。
GM/おー、シスターさんかー。
きよえ/身長は142センチ。黒髪で、スタイルの良い女の子です。
ナツメ/おっぱいだー!(笑)
きよえ/ライフパスの『重要キーワード』が「崇拝」なんですが、これは……ナツメさんを「崇拝に近い感情で信頼している」というのにしたいのですが、どうですか?
ナツメ/おおっ? なんか凄く嬉しいな(笑)
GM/精霊のナツメくんは人ではなく人知を超えたものだし、とても興味があるというのは面白いかもね。
きよえ/ではそれでいきますね。『背景』は「食べることが好き」。≪暴食≫を積んでいるので、何でも食べます! お腹が空いたらウェットティッシュも木の棒も何でも食べます!
プレイヤー4・MUMA/た、食べちゃ駄目だぞー!(笑)
きよえ/性格はほわっとした、何でも食べる女の子をします。ナっちゃんから手作りクッキー貰うー!
ナツメ/君の為の『家事上手』にしようかな!(笑)

 貝 きよえ(プレイヤー名:火種)
 クラス:[狂戦士4/聖職者1]
  体力:30(+10)  反射:14(+4)  知覚:12(+4)
  理知: 5(+ 1)  意志:10(+3)  幸運: 5(+1)
  HP最大値:55  MP最大値:17
重要キーワード:崇拝  背景:食べることが好き  特徴:エージェントである
ボーナス効果:最大HPに+2  スキルウェポンのイメージ:木製の尖った杭の十字架
職業:シスター高校3年生  性別:女  年齢:18  身長:142cm  髪色:黒  瞳色:茶
 スキルウェポン→≪巨大武器≫
 狂戦士→≪会心の一撃≫ ≪戦神の巣≫ ≪暴食≫ ≪食鬼≫ ≪単一化≫ ≪獣化≫
 聖職者→≪信義の盾≫ ≪神官服≫
 一般特技→≪特殊増強剤≫ ≪強化手術:体力≫

GM/PC3の自己紹介にいこうか。
プレイヤー3・せいさん(以降、千代反田)/キャラクター名は、千代反田 宗次(ちよたんだ・そうじ)です。
GM/ちよたんだ!
きよえ/ちよたん!
千代反田/17歳、遅生まれの男の子です。クラスは[感応力師]が3レベル、[世界遣い]が2レベルです。ライフパスの『重要キーワード』は「病院」。親が病院関係者で医療に近い世界で生きてきました。自分の夢も医療関係に進みたいので、『背景』が「成績のために全力」!
プレイヤー4・MUMA/おー、優等生だ。
千代反田/親がとても綺麗好きな家系に生まれたので、『特徴』が「潔癖症」です。清潔が大好きです。ウェットティッシュを常に持ち歩いています!
GM/キャラクターシートのイラストが、ティッシュの山なんだけど(笑)
きよえ/いっぱい食べるね!
千代反田/ウェットティッシュをきよえちゃんにモグモグされています。給食の時間になるとクラスの誰かから呼ばれる生活をしています。外見は身長168センチ。この中では身長は低めです。この中では。
ナツメ/全体的にこのパーティー、でっかいからな!(笑)
千代反田/男としてのプライドがそろそろズタズタ。髪も染めず、カラコンも入れず、真っ当な優等生です。特技は戦闘不能回復、振り直し、ファンブル無効化など持てるものは全て持った!
GM/それと忘れてはならない、≪禍福のさざなみ≫を持っているね。
千代反田/達成値+20するかもしれないし、自分にダメージ20点がくるかもしれない。
ナツメ/生き残れば問題ないよー。頑張りましょ!

 千代反田 宗次(プレイヤー名:せいさん)
 クラス:[感応力師3/世界遣い2]
  体力:11(+3)  反射:12(+4)  知覚: 9(+3)
  理知:13(+4)  意志:13(+4)  幸運:15(+5)
  HP最大値:21  MP最大値:26
重要キーワード:病院  背景:成績のために全力で頑張る  特徴:潔癖症である
ボーナス効果:最大MP+2  スキルウェポンのイメージ:??
職業:高校3年生  性別:男  年齢:17  身長:168cm  髪色:黒  瞳色:黒
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪肉体復元≫ ≪超復元≫ ≪風舞う翼≫ ≪センスチェック≫ ≪空のリング≫ ≪愉悦の波≫
 世界遣い→≪リライト≫ ≪リバース≫ ≪逆転運命≫ ≪禍福のさざなみ≫
 一般特技→≪+50清潔≫

GM/最期にPC4、自己紹介をお願いします。
プレイヤー4・MUMA(以降、萌)/キャラクター名は、渡久地 萌(わたくち・めぐみ)です。女の子で、3月生まれの17歳、高校3年生です!
GM/ほう、全員高校3年生なんだね。「萌」って書いて「めぐみ」って読むんだ、珍しい。
萌/クラスは[感応力師]を5レベルにしました。契約している人が同じシーンにいたら、【意志】判定のクリティカル値が9になります!
ナツメ/わあ、ステキ!(笑)
萌/クライマックス戦闘よりも、その前の情報収集に役立つキャラメを目指してみました。味方全員の【MP】を回復したり、思い出し判定にプラスをしたり、イエスノーの質問に答えさせたりできます。
GM/おー、情報収集のプロだー。
萌/フレーバーとして≪+50アイドル知識≫を積みました。ちょっとテンションの高い元気なジャニオタをやります(笑) 林間学校の間は「コンサートに使ううちわを延々と作っていたかった」ってボヤいてます……!
ナツメ/うちわなんて荷物がかさ張るから自重したんでしょ(笑)
萌/うん、自重した! 本当なら作っていたかった!(笑)

 渡久地 萌(プレイヤー名:MUMA)
 クラス:[感応力師5]
  体力: 9(+3)  反射:12(+4)  知覚: 9(+3)
  理知:15(+5)  意志:16(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:20  MP最大値:31
重要キーワード:兄弟姉妹  背景:奇妙な身体的特徴(瞳の色が青)がある  特徴:コミュニティ(ファンクラブ)の古株だ
ボーナス効果:興奮剤自動取得  スキルウェポンのイメージ:ナイフ
職業:高校3年生  性別:女  年齢:17  身長:172cm  髪色:茶  瞳色:黒
 スキルウェポン→≪肉体共鳴≫
 感応力師→≪念動障壁≫ ≪念動障壁・改≫ ≪空間知識≫ ≪超越感覚≫ ≪最奥の記憶≫ ≪シンパシー≫ ≪同調録≫ ≪絆の星≫
 一般特技→≪興奮剤≫ ≪熟練:意志≫ ≪+50アイドル知識≫

GM/NPCの確認に参りましょう。NPC1の名前は決まった?
ナツメ/渡久地 空(わたくち・あや)にしました。PC4の萌ちゃんの兄です。
萌/はい。空が4月生まれで、萌が3月終わりが誕生日です。だから同学年になっちゃった!
GM/なるほど、『マリアさまが見てる』の主人公姉弟もそうだったし、同学年になるのはギリギリOKなのか。『派手な親友』ってことだけど、外見は?
ナツメ/V系パンクです。鎖とか付けていて……。
GM/赤と黒の色合いの服で……。
ナツメ/足にベルトが付いていて、布が破れていて……。
GM/h.naotoとか着ていて……。
ナツメ/ナイトメアのアルバムが出るたびにナツメが借りに行って……(じわじわと一同笑) そういうVパン男子です!
GM/ハンドアウトに「赤や金やメッシュを入れたりと派手な髪色をしていて、とても目立つ」って書いちゃってるからそういうキャラで仕方ないね(笑) 性格は明るくチャラくします。
萌/おにぃ、チャラチャラするのヤメなよー(笑)
千代反田/僕は3年間ずっと「髪を切れ」って言ってきたよ(笑)
GM/……それともう1人、NPC2の名前は?
きよえ/名前を、十勝 大地(とかち・だいち)くんにしました。大ちゃんです。
GM/……なんか、北海道としか思えない名前だね。
きよえ/最初は名前を「北海道くん」にしようと話してました!(笑)
GM/『地味な友人』の彼は、クラスでも大人しい性格で目立たない外見をしています。背の高いナツメくんには到底及ばない普通の170センチ、超派手な空くんとは全然違って真っ黒けの髪、ちよたんのように優秀ということでもない……普通の男子です。
ナツメ/……君、「高橋くん」っていう人と名前を間違えられたりしない?(一同笑)
千代反田/同じ特性は持っていそうだよね!(笑)
GM/『デイズ』の高橋健吾くんのことか、うん、こっちも≪+50平凡≫を取っていてもおかしくないな(笑) そんな大地くんは、NPC1の空くんをとても慕っているようです。それと最近……PC2であるきよちゃんとは話が弾むようになってきたそうです。「3年間にしてやっとかよ」と思われそうだけど、漸く心を開いてくれたんだよ。
きよえ/やった〜!(笑)
千代反田/きよちゃんの性格を掴むまでに3年かかったんじゃね?(笑)
きよえ/授業中に鉛筆を食べる子だったからね〜(笑)
GM/……最後に、PC3達には「シナリオに登場するNPCを龍の聖剣とルージィルのどちらかをするか」決定してもらいましょう。どっちがいいですか?
千代反田/(即答で)ルージィル!
GM/あ、はい。
ナツメ/やったぁー! ルージィルさんだー! お手振りー!(笑)
萌/ルージィルさんってジャニーズで言うなら誰だろ!? やっぱゴローちゃんかな! キムタクよりはゴローちゃんかな〜!(笑)
GM/えーと、PC3達とルージィルさんとのご関係は……キャラクターレベル5になるまでの間に知り合って「今後ともご贔屓に」と時々お茶に誘われたりする仲です。それでいいかな?
千代反田/はいっ!
萌/大丈夫ですっ!
GM/以上で全員準備できたね? それでは、セッションを始めていきたいと思いまーす。


 ●オープニングフェイズ1/ナツメ 〜幼き日〜

GM/神木ナツメくん。18歳の高校3年生、ごく普通の男子学生として日常を送っている君は人とは違うところがある。それは、君が……。
ナツメ/天災である。
千代反田/「天才である」としか聞こえない!(一同笑)
GM/そう、君は「人ではないもの」だ。君は10年前、子供の頃にとある場所に居た。『機関』の特異能力研究所という場所に。
ナツメ/はい……。
GM/『機関』では非人道的な実験をするために能力者達を弄んでいたという過去があります。様々な人体実験の被害に遭っていたという子供の頃のの出来事を、君は覚えている?
ナツメ/きちんと覚えています。忘れようとも思ってません。それを教訓として未来に生かすために、今後はこのようなことがあってはならないと胸に刻んでいます。
GM/大人だね。
ナツメ/ピースピース!(一同笑) 引き取ってくれたお母さんがそういう風に言って育ててくれました。
GM/良いお母さんに拾われたな。……研究所では毎日のように戦わされたね。もう【HP】が0になりかけてるのに戦わされたし、【MP】が切れかけてるのに能力を使わされたし。苦痛続きだったけど、それに逆らったらもっと痛い目に遭わされた。そんな記憶が君にはあります。
ナツメ/日常的に戦闘を強制していた……。今でも戦いはあまりしたくないと思っています。
GM/……君は夢を見る。体は子供のように小さい。10歳ぐらいの君は、『機関』のとある研究所の閉鎖空間で、大きな獣と戦わされている。
ナツメ/ああ、これが……走馬灯。
萌/違うよ!?(笑)
GM/ええ、死にかけてます。
千代反田/な、なんと!?(笑)
GM/走馬灯を見るぐらい死にかけている状態です。ナツメくんのスキルウェポンは何?
ナツメ/今でこそカメラを武器として使っているけど、研究所のときは……眼鏡をしていない裸眼の状態で睨んで、瞼を閉じることがシャッターを下ろすと同じように衝撃を与え、霊力ダメージを与えていました。
GM/ヒュウ、カッコイイ演出だなぁ!(笑) ……君が一睨みした瞬間に獣が弾き飛ぶ。獣は倒れ、次々と違う化け物が襲いかかる。いや、違うな。君を見ている白衣の大人達が、次々と化け物を出しては君を襲わせてるんだ。
ナツメ/小さい頃だから……見たことのない獣に怯えて、瞼を閉じたまま開かないようにしたいぐらい怖いけれど、でもそれを堪えて、開けては閉じて、開けては閉じて……それを繰り返します。
GM/1体の獣が凄まじい風を纏いながら、君の攻撃をかわし、凄まじい勢いで君の喉元にガブリと齧り付く。
ナツメ/……痛みを堪えて、ぎゅっと目を見開いて振り払う!
GM/君の力によって吹っ飛んだ獣は、だんっだんっと床に跳ねていく。ビクビクと体を痙攣させ、次第に動かなくなっていく。そのとき、声が聞こえた。「……イタイ」という声が。
ナツメ/…………。
GM/「ヤダ……死ニタクナイ……」 獣も子供だったんでしょうか。戦わされていた幼い子供の声が聞こえてきます。
ナツメ/……泣きながら、ごめんなさいって言いながら……それでも瞼は……閉じない。彼の最期を見守る。
GM/君が「ごめんなさい」って言ってくれたら、獣の彼も君の心が少しだけだが伝わったようだ。苦しむだけじゃない表情をうっすら浮かべ、彼は息を引き取る。彼の本当の姿がどんなものか君は知らない。でも自分と同じものなのだろう。……そんな日々を君は送っていた。
ナツメ/はい……。
GM/君は頬にバチンと衝撃を受けます。
ナツメ/ぎゃあ。
GM/「起きろ! 起ーきろ!」 誰かが君の頬をパチパチ軽く引っ叩いています。
ナツメ/い、いたっ! 痛い!(笑)
GM/いつもの朝はお母さんに起こされることはあっても、そんな乱暴に男の子の声で起こされることはなかった。君が寝ている周囲はザワザワと男子達の声がするのが聞こえる。
ナツメ/えっと、ほっぺたを叩かれた?
GM/うん。今日は、林間学校2日目の朝です。派手な格好をした君の親友、空くんが君のほっぺを軽く叩いています。「早く起きねーと朝メシ食っちまうぞ!」
ナツメ/うう、あと3分〜(笑)
GM/同じクラスの男子であるちよたんはシーン登場可能です。
千代反田/何が3分だ!? さっさと起きろぉ! 他のみんなはもう起きてジャージを着始めているのにいいかげんにしろぉ!(笑)
ナツメ/ううーん3分ー。でも朝ご飯食べますぅ〜(笑)
GM/ちなみに起床予定時刻は7時だが、君が目覚めた今は7時15分だ。
千代反田/18分も寝る気か!?(笑)
ナツメ/でも遅刻してもそんなに変わるもんじゃないしぃ〜。そのまま着替えずに食堂に行こうとします。
千代反田/やめろ! せめて着替えろぉ!(笑)
GM/空くんはそんなナツメくんとちよたんをゲラゲラ笑いながら見て、一緒に食堂に向かいます。……合宿舎のおばちゃん達が作った朝食をみんなで食べましょう。女子達も登場OK、みんなちゃんと起きられたかな?
萌/眠そうな顔でジャージに着替えて、ノーメイクで「あぁ〜」って唸ってます(笑)
きよえ/萌ちゃん萌ちゃん、ちゃんと起きてよ〜。
萌/もおぉ〜、超ねむぅ〜い! きよちゃんの後ろからぎゅーってしがみ付いてズルズル食堂に向かいます〜。
千代反田/お前もか!(笑)
ナツメ/ふぁ〜、ねむぅ〜い。
萌/何度顔を洗っても眠いよね〜。
千代反田/目が覚めるまで何度でも顔洗ってこい!
きよえ/おはよ〜! きよちゃんは元気だよ〜。
GM/(空になって)「よう、きよちゃんおはよう。きよちゃんは朝から元気だな!」
きよえ/うん〜。
GM/(空になって)「ナツメ、萌。もう一回顔洗ってシャッキリしてこい」
ナツメ/顔洗ってきまーす。……でも帰ってきてもシャキッとはしません(笑)
GM/みんなが食堂のテーブルに着く頃には、6人分の冷たい麦茶をコップに注いで用意している大地くんが静かに座っています。
きよえ/わあっ。大ちゃん、ありがとう〜。
GM/(大地になって)「……おはよ」
ナツメ/大ちゃんが淹れてくれたお茶に顔を突っ込みます。ぶくぶくぶく。
萌/やだっ、キタナーイ!(笑)
千代反田/こらっ! 起きろ!(笑) ウェットティッシュをばんばん置いておく! さっさと顔を拭け!
萌/なんか……おしぼりで顔を拭くオッサンみたいだよ(笑)
GM/朝食は合宿舎のおばちゃんが作った純和食。人によっては「量、多くね?」ってぐらいの体育会系メニューだ。
萌/ううっ、こんなに食べられなーい!
きよえ/やった〜、朝からいっぱい食べる〜!(笑)
ナツメ/ナツメにはすっごく量が多いかな……焼き魚の骨はきよちゃんにあげよう。
きよえ/骨バリバリ〜。全部食べるよ〜(笑)
ナツメ/パシャッてカメラのシャッターを切ります。
千代反田/うわっ!?
ナツメ/(カメラを向ける動作をして)パシャッ。パシャッ。
萌/ピースぅ!
ナツメ/(カメラを向ける動作をして)パシャッ!
GM/ナツメくんがカメラを向けているなら、クラスメイト達が「撮って撮って〜!」ってピースして寄ってくるよ。
ナツメ/いいよー。(カメラを向ける動作をして)パシャッ! どんどんみんなをパシャパシャ撮るよ。
GM/カメラ持ってるだなんて、そりゃあ合宿ではヒーローだよね。
萌/あっちの方の男子もイエーイイエーイってピースを向けてくるよ。あたしもクラスの女子達と映るー!
ナツメ/よーし、みんな集まれー。パシャーッ!
GM/空もちよたんもきよちゃんも違うグループの子達と一緒に朝の写真の中に入ります。……大地くんはなかなか写真に映ろうとはしません。あまりそういう賑やかな席は得意ではないようです。
きよえ/あ、可愛い。食べよ。
千代反田/食べるなよ!?(笑)
GM/空が「お前も映れよ」と言えば、大地は困った顔をしながらもみんなの中に入って写真に映ります。
ナツメ/ほらほら、笑えばいいのに。可愛いんだから。パシャッと大ちゃんを撮ります。
萌/おにぃと大地くんのツーショット写真、売れるよ。
GM/なんで売るんだよ。
千代反田/どこに売れるんだよ。
萌/匿名の女子が買っていくんだよ!(笑)
きよえ/写真買って食べるの?
GM/食べないよ(笑) 漫研の女子達がツーショット写真は買うとして……目立つナツメくんの写真もこっそり売れたりするんじゃない?
ナツメ/でもナツメは身長が2メートルはあるけど写真部の地味な男子ですよ。バスケ部に誘われたけど運動は得意じゃない。俺が出来ることって言ったら待ち合わせ場所の目印になることかな!(笑)
千代反田/「中央駅の神木の下で集合」とか(笑)
萌/かわいい〜(笑)
GM/担任の先生達も、合宿の朝の楽しい風景を叱ることなく微笑ましく見ています。「おーいお前ら、騒ぐのもいいけどちゃんと食べろよー!」
きよえ/は〜い! 食べよ〜!
千代反田/ご飯粒1つ残さず綺麗に食べるぞ!
GM/空が今日の予定を確認するために、合宿のしおりを開きます。(空になって)「今日は8時半から山間部の清掃活動だ。ゴミ拾いかー」
萌/だからみんなジャージに着替えたんだ。ゴミ拾いは全部男子に任せよーっと!(笑)
千代反田/そういう不真面目な奴ばかりだからいつまで経っても山が綺麗にならないんだ! ブツブツ!(笑)
きよえ/ゴミに美味しそうな物があったら全部ちょうだい!
千代反田/そんな物は無いっ!
GM/(空になって)「ゴミなんだから拾い食いしちゃダメだってば!」(笑)
萌/夏場だから、ちゃんと食べておかないと倒れたりするかもしれないね。
GM/(空になって)「きっと今いっぱい食べても腹減るぜー」
きよえ/そのときは拾ったゴミを食べればいいんだよ〜。
千代反田/ゴミは食べないっ!(笑)
ナツメ/そうじゃなくて、お菓子を持って行けばいいんだよ!
萌/そっか、持って行こう!
GM/「8時半から出発なんだから早く食べろよー!」 そんな感じで……君達は林間学校2日目を始めていくのでした。


 ●オープニングフェイズ2/きよえ 〜任務の電話〜

GM/PC2、きよちゃんのオープニングシーンにいきましょう。
きよえ/は〜い。
GM/8時半には清掃活動がスタートする前、荷物をまとめてゆったりお腹を落ち着けていると……きよちゃんの携帯電話が電話を着信します。
きよえ/は〜い?
GM/ディスプレイを見てみると「高坂」の名前。教会の仕事斡旋人・高坂からの電話だ。
きよえ/タカさんだ。
ナツメ/タカさんって呼んでるんだ?(笑)
千代反田/ん? 高坂さんからか?
きよえ/うん、タカさんだよ〜。電話してくるね〜。友達の元をちょっと離れた所に来ます。もしもし〜?
GM/クラスメイトから離れ、学校の先生からも見つからないところで1人、君は受信ボタンを押します。(高坂になって)「おはよう、きよえちゃん」
きよえ/おはようございます〜!
GM/「教会の仕事をお願いしたいんだがいいか。今、夏休み中だから学校に行く予定は無いよな?」
きよえ/学校はないけどあります。
GM/「えっ? ……夏期講習かい?」
きよえ/ううん、林間学校です!
GM/「……ごめん。旅行中に電話しちゃったのか」
きよえ/大丈夫ですよー。どうしたんです?
GM/「異端討伐の任務をお願いしようと思って、学生の子を探していたんだが……旅行中なのか。なら違う子を探すよ。すまなかったね」
ナツメ/そ、それでいいんですか、高坂さん!(笑)
GM/高坂は『学生は学生のうちでしかできないことがあるので青春の邪魔はしたくない』というスタンスの男性です。任務よりも修学旅行や文化祭を優先すべきと考えています。そのとき一瞬一瞬を大切にする人ですから。
萌/超良い人! 高坂さん、好き!(笑)
千代反田/高坂さんカッコイイ!(笑)
GM/ループTRPGのNPCにそういうキャラは必要かなって思いまして(笑) 「えっと、その林間学校はいつ終わるんだ?」
きよえ/3日間で、今が2日目だから……明日には帰ります。
GM/「じゃあ、林間学校が終わって疲れてなかったら教会に足を運んでくれないか?」
きよえ/多分明日も疲れてないから行きますよ〜!
GM/「はは、無理をするんじゃないぞ」
きよえ/そういうのは早く解決しないといけないし、本当だったらすぐにでも教会に行って仕事を……。
GM/「駄目だよ。楽しい一度きりの時間を無駄にしたら一生後悔することになる」
きよえ/……うう、高坂さん、優しいよぉ(笑)
GM/高坂さんは電話を切ろうとします。高坂さんを引きとめて情報を手に入れたいなら、【理知】判定で難易度8。
きよえ/【理知】判定! いくよっ!(ころころ)出目が7、【理知】が1なので、達成値8です!
GM/きよちゃんの【理知】は1だったのか……ギリギリ成功だね(笑)
萌/きよちゃん、可愛い〜!(笑)
GM/「ちゃんと事前情報は聞いておかないと」と君が引きとめると、「きよえちゃんは真面目だな」と高坂は笑いながら電話を続けます。
きよえ/え、えっと! 高坂さん、異端討伐の任務ってどんなの〜!?
GM/「まずは事件の話からしようか。……各地で、学生ばかりが狙われる事件が起きている」
きよえ/……学生が狙われてるんですか?
GM/「ああ。4月あたりに、インフルエンザが爆発的に流行して休校になった学校があるというニュースは覚えているか? あれは教会の≪情報隠蔽≫の結果だ。その休校した学校は表向きインフルエンザのための学級閉鎖になっているが、実際は生徒達が錯乱してお互いを刺し合うという事件だった」
きよえ/さ、錯乱……!?
GM/「そう。4月、A学校の女子生徒達がクラスメイトを持っていたカッターナイフで次々と刺す事件が起きた。幸い彼女らに刺された友人達は軽傷で済んだ。すぐに取り押さえることができ、持っていた凶器もただのカッターだったことから死者は出ていない。似たような事件が6月に起きている。B学校の男子生徒達が教室にガソリンを撒き、火を点ける事件を起こした」
きよえ/う、うわ……放火か……。
GM/「それも不幸中の幸いと言うべきか、死傷者は出なかった。そして……加害者となった少年少女達は事情聴取でこのようなことを話している。『夢の中に獣が出た』と」
きよえ/夢の中で獣が……?
GM/「獣を見た彼らは『自分がやらなければならない』という精神的圧力により凶行に走ったと言われている」
きよえ/全ての加害者に共通点は?
GM/「他県で起きているし、男女学年様々だ。だが、学生であること……これが大きな共通点だ。多感な時期の少年少女を狙った異端なのかもしれない。教会はこの犯人を仮称として『エアガイツ』と名付け、捜索と討伐を命じている。そこで学生である君に……」
きよえ/仕事を渡そうとしたんですね……。そっか。林間学校って学生がいっぱいだよね。ちょっと注意をしてみます。
GM/「詳しい資料は教会で用意している。帰ってきたら渡すよ」
きよえ/はいっ。判りました、ありがとうございます〜。
GM/「林間学校、楽しんでおいで」 高坂は電話を切ります。そんなことをしていたらもう8時20分ぐらいだ。
きよえ/あっ、お、遅れちゃう!(笑) 携帯を閉じて、慌ててみんなの元に走って戻ります!
千代反田/そろそろ出ないとヤバイぞ! 僕らの班だけ出発してないことになる!(笑)
GM/何も知らない空が「誰からの電話だったんだ?」と、きよちゃんに尋ねます。
きよえ/優しい人!
GM/「…………」
萌/ああ、あの人か〜。
GM/(空になって)「ええっ!? それで判るの!?」(笑)
ナツメ/事件なの?
きよえ/ん〜……ちょっと大変なことがあったみたい。
GM/「えっ!? 親御さんが病気で倒れたとか!?」
ナツメ/空くん。……パコッ!
GM/「いてぇっ!」(笑)
きよえ/空くんには聞こえないように萌ちゃんにエアガイツの件を話します(笑) 詳しい資料は教会に行けばあるって〜。帰ったらお仕事に行くよ。
萌/というのをコソコソッときよちゃんから聞いて、ナッちゃんにコソコソッて話します。
千代反田/その話をナツメからコソコソッと聞いて、よく判らない伝言ゲームみたいになって「意味判んねーよ!」って言います(一同爆笑)
GM/じゃあ、空達がその話をコッソリ聞いたかどうかの【知覚】判定をするね(ころころ)あ、クリティカル!?
萌/ええっ、そこで!? おいしい!(笑)
千代反田/えっ、一応対抗判定を【幸運】で振ってみますね!(ころころ)ぎゃあ、ファンブルだ!(笑)
萌/ある意味おいしい結果だよ!?(笑)
GM/…………。その話を聞いてしまった空は「ゲームの話?」と尋ねます。
ナツメ/そ……そう! それだよ!
萌/今度ナッちゃんのお母さんの会社から出るライトノベルがゲーム化する話でー! 今あんまり表に出しちゃいけない情報でさー!(笑)
千代反田/そ、そんなことはいいから早く出発するぞー!(笑)
GM/「そっかー、学生が化け物を倒すライトノベルが出るんだなー」と空は言います。それを聞いた大地が「……何の話?」と怪訝そうな顔をします。
萌/い、急がなきゃだよ! もう8時25分だもん! あぶなーい!
千代反田/お前ら、走れーっ!
きよえ/わわわ〜(笑)
GM/ここでPC2のオープニングが終了……なんだけど、PC3達のオープニングシーンにいく前に、楽しい林間学校の時間を演出したいと思います!


 ●オープニングフェイズ3/全員集合 〜林間学校2日目〜

GM/君達は山間部の道路を歩いています。ここは危ない山道ではなく、避暑地の綺麗な山です。でもゴミは落ちています。これはグループごとに分かれて清掃活動するといくという授業です。
きよえ/じーりじーり、あっついね〜。
萌/とりあえず軍手は必須! 完全防具!
ナツメ/きよちゃん、素手は駄目だよ。軍手で汚れないようにしなきゃ。
千代反田/素手だと危ないぞ、ガラスもあるかもしれないんだからな。
きよえ/わあ、ありがとう〜。
GM/(空になって)「きよちゃん、ガラスを口に入れちゃ駄目だぞー」 では全員【体力】か【知覚】か【幸運】で判定してみましょう。どれだけみんなが真面目にゴミ拾いをしたかのお遊び判定です。
きよえ/はい、【体力】で振ります!(ころころ)14でした。
萌/うーん、【幸運】が一番高いな。(ころころ)ひい、良い出目。12です!
ナツメ/【知覚】でよいしょっと。(ころころ)達成値9です。
千代反田/(ころころ)【幸運】で13です。
GM/上位2名……きよちゃんとちよたんは、先生に「お前ら頑張りすぎだ!」と言われるほどゴミを拾いました。萌ちゃんも達成値12だから相当頑張ったよね。
萌/あたしも頑張ったけど、きよちゃん達が頑張りすぎて目立たなくなってる!(笑)
ナツメ/ナツメは達成値9だったので凄くゆるゆるやってましたー。一緒に話しながらゆるーくゴミを拾ってます(笑)
千代反田/話をすることなく黙々とゴミを拾ってました!(笑)
萌/あ、自転車が落ちてる!
千代反田/山にそんなモン捨てやがって! 任せろ、僕が持っていく!
ナツメ/そ、そんな重い物を持ったら大変だよ〜! 任せちゃダメ〜!(笑)
GM/(空になって)「お、おい! 噂に聞いちゃいたが本当にあった! 山ってやっぱりエロ本が捨ててあるんだな!?」
萌/≪火炎術式≫があれば燃やせたのに!
千代反田/持ってたら燃やす気なのかよ!?(笑)
GM/ちなみに清掃活動は午前中だけです。昼から学宿舎に戻る15時ぐらいまでは自由時間です。自由な所でお昼ご飯を食べることができます。
きよえ/お〜。
GM/避暑地の山間部には色んなお店や遊べる所があり、グループごとに好きな場所で昼食を取っていいことになっています。あっちのグループは川のカヌーで遊んでいたり、そっちのグループは湖のボートに乗っていたり、かき氷を食べているグループもあれば、鮎の塩焼きを食べているグループも居て……。
きよえ/鮎の塩焼きが食べたいっ!
ナツメ/焼き魚が良いの?
萌/あたしも! お魚おいしいよね!
千代反田/川魚か、良いな。僕達は鮎の塩焼きコースに行こうか。
GM/(空になって)「おっ、あそこで鮎釣りをやってるぜ! 釣った鮎を食べられるんだって!」
千代反田/おおっ、そこに行こう! 魚を釣るのは【反射】かな?
きよえ/【体力】じゃダメ?
ナツメ/力技で取る気だね!(笑)
GM/うーん、鮎釣りは器用さと運が必要だから【反射】か【幸運】の判定だね。釣れるか判定してみよう。成功は難易度6〜8、いっぱい釣って食べたいなら達成値10以上を出そうね。
萌/【幸運】で(ころころ)ん〜、良い出目! 12だー!
きよえ/(ころころ)わあっ! 6・6でクリティカルが出た!
千代反田/そんなに食べたかったのかよ、お前!?(笑・ころころ)僕も10以上だ
ナツメ/きよちゃん、いっぱい食べていいよ〜!(笑・ころころ)こっちも10以上出た。
GM/みんなお腹いっぱい食べられたね。……でも鮎の塩焼きは2つも食べたらお腹いっぱいだろ(笑)
ナツメ/ライフパス『特徴』が「家事上手である」なんだし調理をしてあげたいなー! 香草を採ってきて、上手に焼けました〜(笑)
萌/わぁ、すごーい! 超おいしー!(笑)
GM/(空になって)「おい、食べてるところもちゃんと写真撮っておこうぜ!」
ナツメ/うん、そうだね! カメラでパシャッ!(笑)
きよえ/はい、チーズ! ダブルピース!
GM/ダブルピースというか、みんな沢山魚を取ったんだから両手に塩焼き持って写真に写るんじゃない?
ナツメ/はいっ、魚肉ピース!(笑)
千代反田/後で写真に「魚肉系女子☆」ってマジックで書くんだな(笑)
萌/帰ったらみんなでアルバムを作ろうねー!
GM/楽しいね。君達は夏休み中の林間学校、仲良しグループで青空の下、楽しい時間を過ごします。……知ってるか、このゲーム『ループTRPG』なんだ。
千代反田/た、楽しい思い出が無くなる!?(笑)
ナツメ/無くなるのに写真を撮る! いっぱい楽しいことをする!(笑)
GM/無くなる思い出を存分に演出するシーンだよ、ここは!(一同笑) そうして14時ぐらいに合宿舎に戻り、15時から1〜2年生はお勉強タイム。3年生は……進路セミナーの時間が始まります。
萌/ひ、ひぃっ!(笑)
ナツメ/あ、そっか……高校3年生だから進路のことをやらなきゃなんだ。
GM/高校3年生の8月、もう既にみんな進路はある程度決めている筈です。9月になったら本格的に前期入試の面接が始まる頃、その心構えについてなどのセミナーが君達を待っています。
千代反田/合宿舎に戻ったら進路の話をしなきゃなのか……(笑)
GM/合宿舎に戻る最中に、空が尋ねるよ。「お前ら、卒業したらどうするって言ってたっけ?」
萌/おにぃは知ってるよね。あたしは服飾系の大学に行くよ。
GM/「ああ、萌は聞いているよ。9月に前期入試って言ってたよな。ちゃんと受かるのか?」
萌/あたしの目指してるとこ、あんまり偏差値高くないから余裕だよ〜!(笑)
GM/「そうだったな。ちよたんはどこ希望だったっけ?」
千代反田/薬科大。お前らとは違って僕はちゃんと勉強してる。
GM/「そう、俺達とは違ってな!」(笑)
きよえ/わあ、ちよたんスゴーイ!(笑)
萌/薬科大って6年大学生をやるんだよね? 大学院は行くの?
千代反田/行く気だよ。
萌/となると……9年ぐらい学生やってるんだよね。
千代反田/ああ。僕が社会人になるのが一番遅くなるよ。クソッ!(笑)
ナツメ/でも、モラトリアムって良いよねー。
千代反田/きっと勉強尽くしになるだろうけどな。……将来、僕の元に金を集りにくるんじゃないぞ(笑)
GM/(空になって)「きよちゃんは?」
きよえ/えっ。
GM/「……まず、卒業できるか?」(笑)
ナツメ/だ、大丈夫だよ! 先生が「窓拭きしたら単位1あげる」って言ってたよ!(笑)
きよえ/うんっ! そうナッちゃんと先生に交渉した。あまりにもあまりだったからね!(笑)
萌/きよちゃんは窓拭きをサボったりはしないもんね!(笑)
GM/「じゃあ……ナツメは?」
ナツメ/俺は……就職を少々。お母さんと同じ出版関係になりたいんだ。この前、一眼レフを買ったのもそれだから!
千代反田/へえ。パパラッチってやつになるの?
ナツメ/ううん。心霊写真とか撮る方。
萌/そっち系!?(笑)
ナツメ/俺、古川系列の出版業に行きたいんだ。メディア関係に行ければいいなって考えていて……。
きよえ/……ナッちゃんと離れちゃうなぁ。
ナツメ/いつでも会えるよ。地球は繋がってるからね。
千代反田/大らかだな、お前。
GM/広すぎる考えだな(笑) そんな話をしていると合宿舎に戻ってきました。そしてセミナーが始まります。つまらないと思う人も居れば、真剣に聞く人も居るセミナーが。
千代反田/僕はメッチャ真面目に聞く!
萌/ちょっと怠そうに、メモを取ってる風にラクガキをしながら聞いてます。ハート、ハート、キスマイ、ハート……(笑)
きよえ/きよちゃんは寝てるかな〜。くぁ〜。
千代反田/きよちゃんを5分ごとに起こす!(笑)
GM/空は結構真面目にセミナーを受けています。大地くんは……普段通りですね。真面目なのか何を考えてるんだか判らない、元からあまり顔に出ないタイプなので見ただけではどんな風なのかは読み取れません。
萌/おにぃの進路希望って妹は聞いたことはないんですか?
GM/……萌ちゃんも聞いてないね。きっと先が決まってから言うタイプなんでしょう。
ナツメ/空はしっかり者だなぁ。
GM/セミナーは日が落ちるまで続きます。休憩を入れながらも夕飯の時間まで、進路についての話や面接練習が長く長く続きます。
きよえ/……ふ、ふぁあ……ふあああぁ……。
ナツメ/きよちゃん、目が死んでるよ!(笑)
GM/(空になって)「きよちゃん……面接の練習、そんなに辛かったか?」(笑)
萌/き、きよちゃん! 部屋に入る前にノックをするんだよ! ちゃんと名前言うんだよ! ……出来たら面接が無い進学方法を探そう!?(笑) そうだ、教会でも就職できるって……!
ナツメ/でも教会の専業エージェントにも面接はあるよ……教会の上の人って厳しい人多いって言うし(笑)
きよえ/き、教会なら高坂さんが何とか甘くしてくれるかな〜!?(笑)
萌/面接は最低限のところだけ抑えておけばなんとかなるよ!
ナツメ/そう、まずは扉を壊さない!
千代反田/あと、椅子を食べない!
きよえ/う、うん! 扉を壊さない! 椅子を食べない!
萌/「そんなの誰でも出来るよ」と言いかけて……う、うんって頷きます(笑)
千代反田/それと清潔感ある服装があれば完璧だ。「どうぞ席に着いてください」って言われてから座る! 椅子に着くときは左から! 座るときはスカートを抑えるときは片手!(笑)
GM/君達がきよちゃんの面接練習に付き合ってると、クラスの子達に「ねぇ〜! そろそろキャンプファイヤーの準備手伝って〜!」と言われます。
萌/わあっ! キャンプファイヤーやるんだー!?
千代反田/お前、そういう行事大好きだよな。
萌/うんっ! 超好きー! 実行委員を手伝ってくるー!(笑)
ナツメ/ヒャッハー! 手伝え手伝えー!(笑)
きよえ/力仕事なら手伝うよ〜!(笑)
GM/そうして夜の7時ぐらい。やっと暗くなったところで火が点けられるキャンプファイヤー。外で食べるカレー。テンションが上がる学生達……。
ナツメ/火を見ると人って変わるよね! 人間って凄いなぁ(笑) 
萌/ただ火がメラメラ燃えているだけの映像をテレビで流したら、メッチャ視聴率が上がったっていうデータがあるぐらいだよ。ジャニーズの人が出ている『月曜から夜更かし』って番組で見た!(笑)
ナツメ/おお〜、流石ジャニーズ好きだって言っただけあるね〜(笑)
きよえ/お友達とみんなで楽しんでいたらテンションは上がるもんだよねー。楽しいー!
ナツメ/夜用のレンズに変えてみんなの写真を撮るよ〜!
千代反田/写真のプロが本領発揮を出し始めたぞ!(笑)
GM/キャンプファイヤーをやったり、そんなに大きくないナイアガラの花火をみんなで視たりしましょうか。
ナツメ/あ、熱い熱いっ!(笑)
千代反田/馬鹿、カメラで夢中で近寄るんじゃない!(笑) 風上に立つな!
きよえ/そうだ、線香花火をしようよ〜!
萌/うん、良いね! クラスの子達と一緒に、1人数本持って〜……!
GM/1:萌、2:ちよたん、3:ナツメ、4:きよちゃん。(いきなり4面体をころころ)……1。萌だ。
萌/えっ? い、いきなり何!? 何のダイスロール!?
GM/クラスメイトの女の子が萌ちゃんの元にやって来ます。
萌/……ん? どうしたの?
GM/女子の後ろには、ガチガチに緊張した柔道部のガチムチ男子。「彼が……渡久地さんに話があるんあって」 君に想いを伝えるべく立っています。
萌/…………。ドヤッという顔をします(一同爆笑)
きよえ/萌ちゃんスゴーイ! 告白イベントだよー!?(笑)
千代反田/こ、こいつ……!(笑) こんなときに告白ってイベントマジックって本当にあるんだな……。
GM/彼の名前はモブ山モブ夫。愛称は「もっくん」。オッサン顔の柔道部のエースです。
ナツメ/も、もっくん、頑張って……!(笑)
萌/んー。……もっくん、どうしたの?
GM/(勇ましい声で)「萌さん! ボクと付き合ってくれませんか!?」
萌/(0.5秒ぐらいの即答で)ごめんなさい。
千代反田/即答だった!(一同爆笑)
GM/もっくんは綺麗な作画で涙を流して倒れ伏し、星空が煌めく夜空にもっくんの笑顔が映し出されます。
千代反田/黙祷!(一同爆笑)
ナツメ/も、もっくーん!?(笑)
萌/フッ、罪なことをしてしまったわ……。キャンプファイヤーが始まる前にメイクをしておいて良かったー(笑)
GM/お兄ちゃんである空は、その光景を見てゲラゲラ笑っています。ゲラゲラ笑いながら「フラれたかー! もっくんお疲れー!」って腹を抱えています。
萌/うんうん、おにぃってそういう奴ですよねー!(笑) だってあたしはジャニーズ系の男子が好きだもーん!
きよえ/もっくんは萌ちゃんの理想には届かなかったんだね〜(笑)
GM/……ちなみに、きよちゃん。君は告白された萌ちゃんの傍に居る? それとも告白する光景を見ている男子側の方に居る?
きよえ/うーん? ……じゃあ、萌ちゃんが「ドヤッ」とした顔を見て「呼んだ?」って思って萌ちゃんの方に近付いていったことにします(笑) ねえ、何があったの〜?
ナツメ/勘違い可愛い!(笑)
萌/きよちゃんも大人になったら判るわよ……(笑) この中で一番誕生日遅いけどお姉さんぶって言っちゃうよ!
きよえ/そっか〜。えへ、なでなでされてる〜(笑)
GM/倒れたもっくんを搬送する柔道部達が居なくなったところで、大地くんがきよちゃん達に話しかけてきます。(大地になって)「……ちょっといいかな」
きよえ/ん? どうかした?
GM/大地くんの表情は、何を考えているのか判らないような無表情な顔のままです。周囲みたいな楽しいといった表情は浮かべていません。そんな大地くんは、すっと色紙を取り出します。
千代反田/色紙?
GM/寄せ書きをする、結構大きめの色紙です。それを見た空は「……今やるのかよ」と怪訝そうな顔をします。
ナツメ/ん……?
きよえ/どうしたの?
GM/(大地になって)「空が留学するんだ」
ナツメ/え。
千代反田/留学だと!?
萌/き、聞いてないよ!?
GM/空が「い、言ってねーもん」と言います。
萌/ど、どどどどういうこと!? アメリカに留学しちゃうとかなの!?
千代反田/初耳だぞ……。おいカッコイイな、ちくしょう!(笑)
GM/(空になって)「い、いや! その! えっと……実は! 俺、9月からオーストラリアに留学を考えていて……2ヶ月ぐらい……」
萌/た、短期留学!?
ナツメ/何しに行くの?
GM/「……語学留学のホームステイに憧れがあって」
きよえ/ホームステイ。
ナツメ/……ナウでヤングだね。
GM/君達もよく思い出すと「君も留学して本場の英語を学ぼう!」といった交換留学のポスターが学内に貼ってあったのは見たことあるかもね。
千代反田/そ、そういやそんなものもあった……?
GM/「とりあえず2ヶ月って話だけど、希望者は1年にもできるらしくって……それで」と話す空の横で、大地くんが「その留学、9月1日からなんだ」と言います。
きよえ/今日って何日だっけ?
GM/ハンドアウトに書かれている通り、本日は8月20日。つまり、9月1日の始業式に空は日本に居ないんです。
千代反田/10日後にはもう居ないのかよ!?
萌/言うの遅すぎだよね!? た、短期……短期だけど……心配だなぁ、心配だなぁ!
ナツメ/なんで言ってくれなかったの?
GM/(空になって)「……言いたくなかったからだよ」
ナツメ/なんだよ、なんか寂しいな……言ってくれたらもうちょっと盛大に送れたのに。
千代反田/そうだよ、水臭いこと言いやがって……。
きよえ/空ちゃん。萌ちゃんにはきちんと教えてあげなきゃ駄目だよ。初耳なんて可哀想だよ……。
GM/「うん……」と気まずそうな空。きよちゃんが大地くんから受け取った色紙には、クラスメイトからの「留学マジかよ!?」「オーストラリアでもガンバって!」というコメントが書かれている。君達は仲良しだからあと10日のうちに会うかもしれないけど、明日の林間学校解散後に会わなくなるクラスメイトは多いから、今日中に色紙を書いてもらっているらしい。
ナツメ/……大地くん、頑張ったね(笑)
GM/大地くんは「今日、書いてもらわないと」と色紙を君達に渡してきます。その間も空は「今、書かせるのかよ……」と変な顔をしている。
萌/よし、本人の目の前でコメントを書いてやろう!(笑) ……ねえ、大地くん。おにぃが留学するっていつ知ったの?
GM/「いつ……かな」 空の方を見る大地。空は何も言わない。でも雰囲気からして……相当前から知っていたようだ。
萌/へー? ほー? ふーん?
ナツメ/ごらんください、この妹の顔を!(笑)
GM/兄はね、妹相手には気付かれないように注意深く【反射】判定をしていたんだよ。
千代反田/でも言ってくれれば送別会だってしたのに!
GM/そう言ってくれる君達が居る。そして同じようなことを言うクラスメイトがいっぱい居たのでしょう。……空は辛そうな顔をします。
千代反田/おっ……。
GM/はたして自分はこの選択は良かったのか、間違いではなかったのか……。そう自分に問う顔だ。
きよえ/……ああ……。
萌/…………。『このバカ、胸張って行ってこい! 萌』。ハイ、書いた!
千代反田/『英語ペラペラなお前に会うのを楽しみにしているぞ。宗次』。
ナツメ/『絹ごしを持って行っておいで。ナツメ』。向こうでは日本食が恋しくなるらしいよ!(笑)
きよえ/『空ちゃん、ファイトいっぱつ! きよちゃん』。
萌/ほら、全員書いたよ! ドヤァってしながらおにぃに見せつける!
GM/空はその色紙を受け取って、じっくりと読みます。「……ありがとう……」 君達、そして大勢のクラスメイト達からの励ましの言葉を見て……なんということでしょう、空は男泣きします。
きよえ/……泣いちゃった……。
萌/……も、もう、おにぃったら! 写メ! 写メるよ! 連写なう!(笑)
千代反田/お、おい! こらこらやめろよ!(笑)
ナツメ/もー。空、泣き止めよー! わしゃわしゃ撫でてやる!(笑)
GM/「や、やめろよー」と涙ぐんでいる空。そんなことをしているとレクリエーションは佳境を迎え、8時近くなったら先生のありがたい言葉を頂いて解散になります。後は片付け、お風呂、明日の準備と就寝だ。
きよえ/お風呂、お風呂ーっ!
ナツメ/ゴミ拾いにセミナーにキャンプファイヤー……汗いっぱいかいたね。
千代反田/明日の予定ってどんな感じですか?
GM/朝食を取って、新学期の話を聞いて、掃除をしてから正午には解散です。
千代反田/明日は帰るだけか。
きよえ/その後に教会に行かないとね。
萌/でも帰ったら疲れて半日ぐらい寝ちゃいそー。
千代反田/……3年生だから何かあるのかなと思ったけど、あっという間に終わるんだな。
ナツメ/何かって、何?
千代反田/派手な……何かだよ。今から肝試しを企画しても怒られるだけだろ(笑)
ナツメ/幽霊だったら連れて来ることができるよ(笑)
萌/もー! なっちゃんはそう言うこと言うとホントにするんだからヤメてよー!(笑)
GM/……全員、【知覚】判定をどうぞ。難易度は12。やや高めの難易度設定です。
ナツメ/【知覚】?(ころころ)あ、1足りない。
萌/(ころころ)あーん、1足りない!
きよえ/(ころころ)はい、13です! 成功。
千代反田/(ころころ)12で成功。
GM/成功したのはきよちゃんとちよたんの2人か。……ナツメと萌が泣いている空を茶化したり慰めながら合宿舎に戻っています。
ナツメ/空ー、おーよしよしー!(笑)
萌/おにぃをいっぱい写メっちゃうぞー!(笑)
GM/その背後で……クラスメイト全員が書いた色紙を持った大地くんが、満足そうに笑っている。その様子に気付くことができます。
きよえ/……うん……?
GM/全員分のサインを集められて「良かった」と満足そうに笑ってるみたいだね。
千代反田/…………。なんか、珍しいな? 大地が率先的に動いているなんて。
きよえ/そうだね。大ちゃんは空ちゃんと仲良くしていたみたいだしね……。
GM/そんな話をしながらそれぞれ男子の部屋、女子の部屋に分かれていきます。
ナツメ/きよちゃん。また明日ね。言いながらきよちゃんの頭を撫でます。
きよえ/うんっ! おやすみ〜……。