アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ダブルダウン 』 2ページ ■
2013年9月20日




 ●オープニングフェイズ4/千代反田&萌 〜不幸な世界〜

萌/さあ、これからあたし達の林間学校が終わるぞ……(笑)
きよえ/おお、こんなところで終わってしまうとは情けない……(笑)
GM/次の林間学校はうまくやってくれることでしょう(一同爆笑) では、お待たせしました。PC3ズのオープニングフェイズです。
千代反田/オープニングシーンで、PC3達がPC1を刺すんですよね?
GM/はい。ハンドアウト的に凶悪な事件が起きるんだけど……ちよたんは支援特化キャラだからスキルウェポンを持ってないよね? 武器を持っているのは萌ちゃんだけ?
千代反田/高校男子のロマンとしてナイフは持ってます!
ナツメ/ロマンとしてって何だよ!?(笑)
萌/食堂に行けばナイフなんていっぱいあるからOKだよ!(笑)
GM/そうだね、では始めよう。……ちよたんはパチッと目を覚まします。そこは合宿舎の男子部屋ではない。君はみんなで寝ているあの部屋に居ない。
千代反田/……ここは?
GM/ここは合宿舎のロビーだ。君は、とある男子生徒に馬乗りになっていることに気付く。
千代反田/ビックリして相手を見る。
GM/君の下には仰向けになっているナツメくんがいる。君は、彼の心臓にナイフを突き立てている。血がどくどくと流れている。
千代反田/……は……?
GM/ナツメは、今、絶命した。
千代反田/え……えっと……?
ナツメ/死んでるなう。
千代反田/あ、慌ててナイフをナツメから抜こうとして……抜いたらヤバイと直感的に気付いて、パッと手を放します。馬乗りから急いで離れて……。
GM/……一方、萌ちゃんはその光景をずっと見ていた。君の手にはナイフ。体は血まみれになった状態。自分に付いたこの血は……おそらくナツメの血だろう。
萌/……あっ……。
千代反田/……2人で刺したのか?
萌/あたしが背中からナっちゃんを刺して、抜いたから……離れた場所に立ってるのかな。離れた場所で呆然と……握ったナイフからはナっちゃんの血がポタポタと……って感じで立っています。
千代反田/悲鳴を上げることもできずに見ているだけになるよ。待っていると血が広がって、足元に血が伸びて……。
萌/手がカタカタ震えて……ナイフを落とします。そこでやっと「きゃあっ!」と悲鳴を上げます。
GM/周りを見渡すと、生徒達があちこちに倒れている。お互い刺し合って死んだ生徒もいれば、何人かは内部から爆発したように一部がこそげている死体もある。あっちにもそっちにも死体が転がっている。
千代反田/……潔癖症には耐えきれません。堪えるんですが、嘔吐します。
萌/こっちも吐きそう! でも酷い姿を見てたら……しっかりしなきゃと思って噛み締めます。血に濡れた手を拭いて……よしよしとちよたんの背中を摩りに行きます。
きよえ/萌ちゃん、優しい……!
千代反田/……なあ、これ……し、死んだ……?
萌/……わかんない。これ、一体……どうなってるの?
千代反田/僕が刺したのか!?
萌/あたしも、なんで!? ホントに何が何だか判らないよ……!
GM/ガタッ! ……あちらで誰かが動いた音がした。その後、ずり、ずり……とあちらから誰かが這いよってくる音がする。
千代反田/……生きてる奴が居るのか!?
萌/……ナツメの目を閉じさせます。その後、涙を拭って……音のした方に行ってみようと言います。
GM/音のした方に向かってみると……そこには男子生徒が倒れています。あんな目立つ髪色の生徒は、君達は一人しか知らない。
千代反田/あっ……。
GM/萌ちゃんの兄だ。お腹を抑えてずり、ずりと君達の元までやって来ようとしたらしい。
萌/おにぃ! 叫んで駆け寄ります!
千代反田/空! こっちも駆け寄ります!
GM/空はうつ伏せで倒れ、苦しそうに傷口を抑えて、声がした君達の方を見ようと顔を上げる。
千代反田/む、無理はしなくていい! 今、手当をしてやる……!
GM/何かをしようとしていた君を止めるように、それは飽くまで君を気遣うような動きをします。そして彼は小さな声で「……ごめん」と呟く。
千代反田/ごめん……?
GM/「……ごめん……ごめん……」
萌/だ、誰にやられたの!?
GM/「ごめん……ごめん……ごめん……ごめん……オレが……ごめんな……オレが……」
萌/……おにぃ……?
千代反田/な、何が……何があったんだよぉ!?
GM/世界が白くなる。
千代反田/…………。
GM/まずちよたん、目を覚ましてください。そんな悪夢を見たけど君は元気だ! 男子部屋でガバッと起き上がる!
千代反田/……はあ、はあ……! 息を荒くして飛び起きます。
GM/時刻は早朝。7時に起きればいいのに君はこの部屋に居る男子生徒の誰よりも早く目を覚まします。
千代反田/……周囲を確認する。
GM/クラスメイト達がすぴーすぴー、平和そうに寝ています。ナツメくんもぐっすり寝ています。あの様子だと7時15分ぐらいまで目が覚めないね。
ナツメ/ぐう。
千代反田/今日もそう簡単に起きないんだろうな……。まったく、嫌な夢を見たな……。冷や汗をかいたのでウェットティッシュでフキフキ(一同笑)
GM/「おはようございます、千代反田宗次様」
千代反田/…………。
GM/「おはようございます」 君のクラスにこんな声の人はいない。でも君は知っている。背後からするこの男性の声は……。
千代反田/この無駄に良い声を僕は知っている!(笑) 後ろを振り向きます!
GM/金髪碧眼の男・ルージィルが立っています。「おはようございます。貴方にとってこれは何回目の世界ですか?」
千代反田/お、おはようございます……って、え?
GM/「おや、自覚が無いようですね。ですが何かを知っている顔だ。ではおそらく貴方にとってこの世界は二度目でしょう」
千代反田/に、二度目……?
GM/「どうぞ外へ。渡久地萌様を既に外で待たせています。男性の寝室に女性を呼ぶことは出来ませんからね」 君達PC3が男女で部屋が違うので、ルージィルはとりあえず君を外に誘導します(一同笑)
千代反田/はーい(笑) 訳が判らないなりにもその言葉を従います。ふらふら……。
GM/きよえちゃんがオープニングシーンで高坂と電話をしていた、ちょっと人気の無い場所にちよたんは連れてこられます。そこには萌ちゃんが既にいます。
萌/泣いて……涙をごしごしって拭っています。
千代反田/拭ってるときにやって来ます。……妹の方。
きよえ/呼び方が、「妹の方」(笑)
萌/もう……その呼び方、いいかげんにしようよ。笑いながらも涙を拭っています。
GM/2人が揃ったところで、ルージィルは微笑みながら語り始めます。「私が来たということは、世界にとって良くないこと、誰かにとって不幸なことが起きたと判って頂けるでしょうか」
千代反田/それは……アンタがどういう存在か知っているからな。
GM/「それはそれは、覚えていてくださってありがとうございます」と笑ってお辞儀をするルージィル。「とある魂が不幸になった。それを見た世界は時間を巻き戻すことをお決めになりました。貴方達も覚えているでしょう、とても不幸な世界でしたね」
萌/うん……きつかった。マジきつかった。
GM/「犯人の顔は見ているのですか?」
萌/……犯人?
GM/「おや、どうやらそこまでは覚えていない。それが今回の代償のようですね」 時間を巻き戻すループには、何かと不利になる代償が付き物です。今回のループは「記憶が無い」という代償を払ったということでしょう。もし二度目、三度目のループがあったなら、そのたびにまた違う代償を払ってもらうことになります。
萌/はーい、能力値が減ったりするんですよね(笑)
千代反田/そのときは色々代償を考えなきゃなんだよな……(笑)
GM/「もう既に判って下さっているようですが、改めてお願いに参りました。このまま何もしないでいると、貴方達は不幸の連鎖の中で生き続けることになる。良ければこの不幸を取り除いてはくれないでしょうか」
萌/喜んで。
GM/「……即答ですね」
萌/だってさ! ……身内が息絶えるところを見るのは辛いんだよ。マジで。あれを冗談にするためならあたし、何でもするよ!
千代反田/同感だ。あんな嫌なもん……現実だとは思いたくない。
GM/「優しい心を持った貴方達と知り合えて本当に嬉しいですよ。貴方達に声を掛けて良かった。……神木ナツメと貝きよえの2名も、前の世界の記憶を持って今を生きています。彼らと共に不幸に立ち向かってください」 ルージィルは微笑み、改めて君達2人に頭を下げます。
きよえ/ルージィルさん、食べたいよぉ!(笑)
ナツメ/駄目だよ! 気持ちは判るけど!(笑)
萌/相変わらずルージィルさんはゴローちゃん似の素敵な人だったなぁと思いながら「判った!」と言います!(笑)
千代反田/どっかテレビで聞いたことがあるような声だなぁと思っておきます(笑)
萌/そ、そうだ……ルージィルさん! この事件って、エアガイツっていう異端の仕業なの?
GM/「貴方達と関わりがある異端は、昨日の段階で何が居ましたかね」
千代反田/……エアガイツしかいないな。
GM/それなら察してもいいんじゃないかな。ルージィルさんは直接的な答えを言えない人なので肯定する様子はありませんが、否定もしません。「この合宿舎で事件は起きます。不幸を止めたいと思っている魂もいれば、不幸を興したいと思っている魂もいます。どうぞ彼らを救ってください」 ……2人とも、【理知】か【幸運】判定で難易度13をどうぞ。
萌/とうっ!(ころころ)達成値10、失敗。
千代反田/(ころころ)1足りない、12で失敗。
GM/2人とも失敗か。ではルージィルさんは……萌ちゃんの方を向いて「不幸なことが待ち構えていることでしょう。どうか乗り越えていってくださいね」と笑って去っていきました。それだけです。
萌/キャー、ルージィルさーん!(一同笑) 今の笑顔で削れたSAN値が元通りになった気がしたよ!
千代反田/プラマイゼロかよ!? お前、楽しそうだな……(笑)
萌/いやー、イケメンって偉大だなー!(笑) イケメンがあたしの力になってくれるから人生楽しい! あたしはこのまま楽しい人生を続けてみせる! 頑張る!
千代反田/……そうだな、続けさせる!
萌/それとちよたん! ……さっきの「同感だ」はちょっとカッコ良かったよ!
千代反田/ば、馬鹿を言うな! ……ありがとう。


 ●オープニングフェイズ4/全員集合 〜二度目の二日目〜

GM/二度目の二日目朝食のシーンに参りましょう。……その前に、ナツメの目覚めのシーンをしておきましょう。
ナツメ/むくり。
GM/ナツメくん。君は昨晩……ちよたんに馬乗りになられて襲われたような気がする。
千代反田/誤解のある言い方をするな!(一同爆笑)
ナツメ/うん……俺は、夜中に人目のつく所で、ちよたんに馬乗りになられて襲われたような気がする……。
千代反田/誤解がある言い方をするなって言ってるだろぉ!?(一同笑)
GM/そんなことを言いながら起き上ったら、ナツメくんを起こそうとした空が「なんだよ……お前、そういう夢見ちゃう人なのかよ」と驚きます。
ナツメ/そういう夢ってどういう夢? 『好きなものは好きだからしょうがない!』っていう感じかな?(一同笑)
GM/(空になって)「オレ、その言葉の意味が何なのか気付く【理知】判定とかしねーからな!」
ナツメ/空ってさ、クラスメイトの女子に「ソラ君って呼んでいい?」って言われたことあるでしょ?
GM/「知らねーよ! GMはその女の子と友達になれるけどさ!」(一同笑) 君は朝起きると違和感がある。
ナツメ/ふむ?
GM/あっちで着替えている男子達が「今日の清掃活動、たるいなー」「セミナーとかめんどくせー」とか話してるぞ。
ナツメ/……あれ? 空ちゃん、今日帰るんだよね?
GM/「え? ナツメ……お前、一泊二日と勘違いしてるだろ?」
ナツメ/いや、二泊三日だよ? だって今日は8月21日だよね?
GM/「寝ぼけてるのか? 今日は林間学校2日目、8月20日だよ」
ナツメ/……あれぇ……?
GM/「おーいお前ら、メシ食いに行くぞー」「おー」 男子達はゾロゾロと部屋を出て行きます。
ナツメ/……一人取り残されたところで、デジタルカメラを確認していいですか? 昨日撮った筈の、みんなでご飯を食べた写真を確認……。
GM/お、良い演出だね。しかし探してもそんなものは無い。1日目のテンション上がりきったときの写真しかないね。
ナツメ/……怪奇現象? ゆ、夢だったのかな……。首を傾げながら食堂に向かいます。
GM/きよちゃんも似たようなことをしながら目が覚め、食堂に向かいます。
きよえ/は、はい……。
GM/4人全員、食堂に集まってください。周囲のクラスメイトは「朝から暑くならないといいね」「ゴミ拾いめんどー」「セミナーやだー」と話しながら、林間学校2日目を楽しんでいる様子が見られます。
きよえ/ナっちゃん、おはよ。
ナツメ/お、おはよ。
萌/おはよ! ……おにぃが生きてることに安心して、元気良く挨拶します。おはよう、もぐもぐ!
GM/(空になって)「おっ、なんだ萌。朝から元気だな? きよちゃんは……いつも通り元気っぽいな」
きよえ/空ちゃん、おっはよーだよ。朝ごはんもぐもぐ〜(笑)
GM/空の横には大地くんも「……おはよう」と静かに座っています。もちろん冷えたお茶を全員分配りながら。
ナツメ/お茶、ありがとう。……ちよたんの目をじっと見つめるよ。
千代反田/その視線に気づきます。……なんだよ?
ナツメ/ちよたんさぁ。昨日、俺の上に馬乗りになってたりしない?
千代反田/誤解だ! 誤解だから落ち着け!(笑)
きよえ/え、馬乗りってどういうこと!?(笑)
萌/そういうの好きになるのはジャニーズファンのさだめだからテンション上がるよ!(笑)
千代反田/誤解……とかそういうアレじゃなくて!(笑)
ナツメ/夢じゃないの? ……この後、高坂さんから連絡が来るんでしょ?
千代反田/……ああ。日々が繰り返してるってことを、NPC達に聞こえないように話します。
萌/エアガイツ、ここに来てるって話だから注意して。
きよえ/ここに来るの?
萌/うん。出没するらしい。ヤバイことになるから気を付けていかないとね。
ナツメ/ねえ、何があったかよく覚えてないんだけど。……夜になったら何が起こるの?
萌/……難しい顔をする。あたしもよくは覚えてないんだけど……人がいっぱい死ぬのは確かだね。
ナツメ/正直に言ってほしいんだけど。俺は殺される?
萌/……うん。
きよえ/な、ナっちゃん殺されるの……? こ、困る!
萌/超困る! ヤだよね!?
千代反田/ああ。……僕は人殺しになりたくない。
きよえ/まずは情報収集……その前に! 食べなきゃ元気出ないよ!
千代反田/そう、その通りだ。
萌/体力をつけなきゃ何にもできないね。朝ご飯むしゃむしゃ! そうだ、きよちゃん。後であたしと契約しよう!
きよえ/うん、いいよ!
ナツメ/朝食むしゃむしゃ! ……そうだ、写真は撮っていかなきゃだな。
萌/今日はバッチリメイクで起きてきたから、朝から写真を撮られても平気!(笑) こうすれば目の下の隈に気付かれないしね!
GM/たとえ巻き戻ったとしても、その一時一時を大切にしないとね。ナツメくんがカメラを出したならクラスメイト達が「神木くん、写真撮ってー!」ってピースしてくるよ。
ナツメ/撮るよ! カメラパシャパシャー!
GM/……では朝食を食べ終えた頃に、きよえちゃんの携帯電話に高坂からの着信があります。
きよえ/あ、来た! 慌てて電話を出ます!
萌/みんなでその電話を聞きます!
GM/(電話先の高坂になって)「久しぶり、きよちゃん。元気かい? 夏休み中だけど任務を……」
きよえ/きよえは予言します!
GM/「……はあ!?」
きよえ/それはエアガイツのことですね!?(一同笑)
GM/「じ、事前に調べてたのかい? 凄いな、きよえちゃん! 既にエアガイツのことを知っているならこの仕事は君が適任だね!」 ……おい高坂、怪しめよ(一同爆笑)
ナツメ/た、高坂さーん!(笑)
千代反田/た、高坂さんったら、もう……(笑)
萌/その話を聞いて「セーフ!」って萌は思っておきます(笑)
GM/「きよえちゃん、君と仲良しの萌ちゃん達にも協力をお願いして任務を受けてくれないか?」 高坂は今回の仕事『エアガイツ討伐』について話し始めます。それは前のループで聞いたことと同じです。
きよえ/はい。
GM/それより詳しい話を聞くなら、【理知】判定で難易度8。
きよえ/(ころころ)あ……クリティカルです!
ナツメ/おおっ! きよちゃん、偉いぞー!(笑)
GM/端的にきよちゃんが訊いてくれたんだね。「……加害者となった少年少女達は、夢に獣が出てきたと話している。その獣の外見は、風を纏って爛々と輝く目で睨みつけてくる……赤い毛並みの獣らしい」
萌/赤い毛並み……。
GM/「しかも、その獣の声は至るところからしたらしいんだ。獣が目の前に居ると思ったら、後ろの方からも声がして……まるで複数居るようだと話していた」
ナツメ/複数……?
GM/「それと、えーとだな」 折角ここでクリティカルを出したんだから何かボーナスをしないと。そうだな……メタなボーナスでいいかな?
きよえ/はい?
GM/これからミドルフェイズでAF判定の情報収集をしていくんですよ。

【AF判定リスト&ミドルフェイズ ルール】
※PCが1日の中で、PC1人につき1回シーンを立てることができる。1シーンに行えるメジャーアクションは1回まで
※契約は、契約する対象同士がメジャーアクションを消費することで完了する。同時にAF判定をすることはできない。


 『AF判定:探索「林間学舎」』
  ・使用能力値:【知覚】
  ・難易度:15
  ・ラウンド制限:なし

※「PC達が寝泊まりをする合宿舎を調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある物を発見する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:探索「学舎校庭」』
  ・使用能力値:【意志】【幸運】
  ・難易度:50
  ・ラウンド制限:なし

※「キャンプファイヤーを行なう校庭を調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある人物と話ができる。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:探索「周辺山間部」』
  ・使用能力値:【体力】【知覚】
  ・難易度:15
  ・ラウンド制限:なし

※「清掃活動をする山間部を調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある場所を発見する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:調査「教会での情報収集」』
  ・使用能力値:【体力】【理知】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「教会に行って資料検索をする」演出に成功すること。成功した場合、エアガイツについての情報を入手する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。
※林間学舎から離れ、最寄りの教会に移動して判定を行う。体力の消耗が激しいため、【HP】【MP】ともに1D6点を消費すること。

 『AF判定:調査「教会での情報収集2」』
  ・使用能力値:【体力】【理知】
  ・難易度:10
  ・ラウンド制限:なし

※「教会に行って資料検索をする」演出に成功すること。成功した場合、エアガイツについて更なる情報を入手する。
※「イベントキー:失われた記憶」を所持していなければこのAF判定は行なえない。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。
※林間学舎から離れ、最寄りの教会に移動して判定を行う。体力の消耗が激しいため、【HP】【MP】ともに1D6点を消費すること。

GM/1日につき1人1シーン、つまり1日で4回の判定が行えます。それなんだけど……『AF判定:調査「教会での情報収集」』というのがあるよね。
きよえ/はい。
GM/このAF判定は「合宿舎を抜け出して教会に行って調べる」という演出をしてもらいます。場所が遠いので代償を支払わなきゃいけないし、実はここでまたトラップ的なサプライズイベントがあったりしたんですが……。クリティカルが出たので、そのペナルティを無効化することにします。
きよえ/わあっ!? やった!(笑)
萌/ありがとうございまーす! きよちゃん、良いクリティカルだよ! いいこいいこー!(笑)
きよえ/わーい、嬉しいー!(笑)
GM/きよちゃんがあまりにやる気のクリティカル交渉を成功させたということで、高坂は「教会で資料をすぐ読めるように準備しておくよ」と言ってくれます。「時間が空いたら教会に顔を出してくれよ」
きよえ/はい、判りました! ありがとうタカさん〜!
萌/まずは契約をしよう! じゃないとあたしの情報収集能力が発揮されない!(笑)
千代反田/何から調べようかな……。『AF判定:調査「教会での情報収集2」』は「イベントキー:失われた記憶」を所持していなければできないのか。
ナツメ/ということは、どこかでイベントキーが手に入るんだろうね。どこだろう?
GM/相談して展開を決めてね。それでは、ミドルフェイズ情報収集ターンに参りましょうか……。


 ●ミドルフェイズ1/萌 〜不測の事態〜

GM/早速最初のミドルフェイズを始め……たいところですが、先にGMが割り込みイベントを発生させておきます。
ナツメ/はい?
GM/「さあ、これからみんなで今から何かをしようか」と君達が相談をしているところに、大地くんがやって来ました。
きよえ/わぁ、大ちゃんだ〜。
GM/大地くんは手に色紙を持っています。「ちょっといいかな……」
萌/すっとぼけた顔で、なーにと尋ねます。大地くん、どうしたの?
GM/「その……実は、空が留学することになって」と、キャンプファイヤーのときに言ったときと同じ台詞、留学する空のために色紙に名前を書いてくれと言います。ちなみに今の色紙にはクラスメイト達の名前がまだ半分ぐらいしかありません。
ナツメ/キャンプファイヤーのときと似たような反応をします。大地くん、頑張ってるね?
GM/大地くんは清掃活動やセミナー、キャンプファイヤーの中でクラスのみんなから色紙に名前を書いてもらっています。君達のいないところでもコツコツとサイン集めをしているようだ。「みんなも……良かったら書いてくれないか?」と提案してくるよ。どうする?
千代反田/オッケオッケ。色紙に『英語ペラペラになったお前が見てみたいもんだ! 宗次』っと書きます。
萌/あたしも『胸張って行ってこい。萌。貴方の愛する妹 はーと!』って書くよ(笑)
きよえ/『空ちゃんファイトいっぱつ〜 きよえ』!
GM/みんなサインを書いてくれたね、ありがとう。
ナツメ/……俺は、後で書いてもいいかな?
GM/大地くんは「え?」と驚いて、「感謝の色紙だから……出来れば全員に書いてほしいな……」とお願いしてくるけど?
ナツメ/あ、後で書くから安心して! 実はね、写真を現像して色紙に貼りたくって……だからもうちょっと待ってくれるかな?
萌/ああ、それは良いアイディアだ〜!
GM/なるほどー。それだと渋々ですが「……判った」と頷きます。色紙を渡す側としてはとても良い案だもんね。
ナツメ/……「色紙に名前を書かなかったらどうなるんだろう?」と思ったから断ってみたよ。
萌/あたしも「色紙を書かなかったらどうなるのかな?」って気になっていたけど……。
GM/色紙に名前を書いたきよちゃん、ちよたん、萌ちゃんの3人は『イベントキー:みんなの色紙』を入手してください。
きよえ/は〜い。
ナツメ/……あれ? 俺だけイベントキーが貰えなかった?
萌/……なんか面白いことになったね。
GM/以上、GMからの割り込みイベントはおしまいです。一番最初にシーンを立てたいのは誰かな?
萌/……ま、いっか。まずは『契約』がしたいです! きよちゃん、あたしと契約してあたしのマスターになってよー!
きよえ/うんっ、萌ちゃんといっしょにいる〜。
萌/かわいい〜! きよちゃんに手を出す男がいたらあたしは戦う〜!(笑) きよちゃんと一緒に戦いたかったんだ、ありがとよろしくー!
きよえ/お願いします〜、ぎゅ〜!
GM/契約不完了。君達は契約できません。
萌/え。
きよえ/えっ。
ナツメ/……え? あれ?
萌/え、えっと? あたしの中の知識では、接触して契約を宣言したらお互いに令呪刻印が浮き上がってくる……筈なんだけど?
GM/でも、今の2人の体に令呪刻印は現れません。
千代反田/あれ? な、なんで!?
萌/……GM、ルージィルさんを呼んで質問してもいいですか?
GM/周りの人が驚かない程度にいいよ。
萌/きよちゃん、ちょっと後ろを向いてて〜! ……ルージィルさん!
GM/(ルージィルになって)「はい、なんでしょう?」
萌/今……契約できなかったんだけど、これってどういうこと!?
GM/「契約ができなかった。それだけですよ」
萌/なんでぇ!?
GM/「渡久地萌はサーヴァントになれない理由があるから。貝きよえと主従関係を結べなかったから。ただそれだけのことです」
萌/な、なんで……。も、もしかして、あたしは既に誰かと契約しているってこと?
千代反田/……えっ?
ナツメ/そ、そういうのもあるんだ?
萌/うん。「誰かのサーヴァントである状態だと他のマスターと契約することができない」の。「マスターが2人いる状態は無理」だから……もしそれが可能だったらサーヴァントに令呪が6つも使えるようになっちゃうもん!
きよえ/それは確かに強すぎるな〜(笑)
萌/でもそれだと、あたしには既に他のマスターがいるってことになるし……?
きよえ/ふ、ふぇ……誰かと契約した記憶は無いの?
萌/無いよ! どうゆうこっちゃ!? ……契約していたとしたら、「覚えていないループの中で」かな? わかんなーい!
ナツメ/誰と契約したんだろう? GM、契約のルールの確認ですが、契約した記憶が無くても契約状態は維持できるんですか?
GM/できるよ。契約は魂と魂をリンクさせて強い力を手に入れる方法。主従関係のどちらか一方でも契約をして「関係を維持したい」と考えていた場合、魂の繋がりは途絶えることはない。それは世界を跨いだ先でも継続できる。
千代反田/ふむふむ。
GM/ただし、現状の世界で主従関係のどちらも記憶を喪失している場合は、「魂の絆の繋がり」は消失してしまうため契約は解除されてしまう。
きよえ/今の世界で萌ちゃん自身は覚えがなくても、契約者が契約しているって思っていれば契約は続行される……?
ナツメ/……本当に誰かと契約しているとは限らないよ。だって見当もつかないんだよね?
きよえ/うん。だから本当に不思議……判んないよ。
ナツメ/……っていうか契約ができないなんて、めっちゃ焦ったわ!(笑)
萌/すっごく面白いギミックです! 今回のキャラでそのネタはきついな、萌は契約前提のキャラメをしたので全然輝けなくなりました。正直、芸人としておいしいけど!(一同笑)
GM/本来であれば契約を宣言をしてこのシーンを終了させるところですが、契約ができなかったことだし違う行動をしていいことにします。やりたいAF判定があったら選んでもいいよ。
萌/はーい。ここはAF判定の機会が増えたと考えよう……。それならあたしは「周辺山間部」を調べてきますね。

 『AF判定:探索「周辺山間部」』
  ・使用能力値:【体力】【知覚】
  ・難易度:15
  ・ラウンド制限:なし

※「清掃活動をする山間部を調べる」演出に成功すること。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。


GM/みんなで清掃活動に励む一方、萌ちゃんは掃除以外にもあちこちに気を配りながら山間部を歩いていきます。
萌/色々あって疲れたので、気持ちを奮い立たせるためにもリポDという名の≪興奮剤≫を一気飲み!
ナツメ/ぐいっと一発飲んだ(笑)
萌/もしかしたら何か変なモノがいきなり飛び出てくるかもしれない。心構えの素振りということで、≪肉体共鳴≫の素振りをしておきます。シャッシャッ(一同笑)
千代反田/シャドウボクシングしてる(笑)
萌/≪超越感覚≫で過去のループで見た僅かな記憶が残ってないかなと神経を研ぎ澄まします。前のループのゴミ拾いでこの辺りは一度見たことあるから把握している。≪空間知識≫で周りに感覚を張り巡らせて……。あとは、それをずっと維持できるだけの強い意思を持っていることを表わす≪熟練:意志≫!
GM/おおー、真剣に探索をしているぞー。これで特技を5つ使ったね。難易度が10も下がって、現在難易度は5だよ。
萌/ここは【知覚】判定をしておこう。(ころころ)はい、成功でーす! 今回のあたしは真面目にゴミ拾いをしているぞー!(笑)
GM/……どうやら合宿をしているこの山は、かつては避暑地、観光地として有名だったようです。今もリゾート地があったり、綺麗な川では魚を釣ったり食べたり遊べるんだけど……道を外れると使われなくなった別荘がいくつもあるね。
きよえ/リゾート? 別荘?
GM/かつてはペンションやホテルがたくさん建てられていた。けどバブルが弾けた影響か、今は廃屋がいくつも並んでいる。
萌/昔はそこそこ繁盛していたんだろうな。廃墟マニアが喜びそうな建物ばっかあるぞー(笑)
GM/うん、いかにもな怖い廃墟を発見できる。……木造二階建て、立派で風情ある建物に、入口には不動産が貼ったキープアウトのテープ。もう経営していない施設がそのまま残っていて……廃れた看板には、「聖愛病院」という名が刻まれていた。
萌/せいあい……病院?
GM/萌ちゃんは『イベントキー:木造廃病院』を手に入れてください。手に入れたのは、萌ちゃんだけです。他のPCにイベントキーを配布することはできません。
萌/はい、あたしだけがゲットですね。あたしはイベントキー譲渡特技があるからみんなに渡せるけど。
GM/みんなに教えれてあげれば、他の人もこの施設に来ることができます。……メインストリートから離れた山奥にあるので、空お兄ちゃんが遠くから「おいおい、遠くまで行くんじゃねーぞー!」と注意するよ。
萌/はいはーい、今戻るよー! ……みんなの元に戻った後に、病院のことを話しておきます。イマドキ二階建ての木造病院を見つけちゃったよー!
ナツメ/二階建ての木造って、なんだか燃えそうな病院だね(笑)
萌/聖なる愛の病院なんて、マリアっぽい名前だよね。いかにも産婦人科がありそう。マジおばけ屋敷ができそうだったわ。
ナツメ/入らなかったの?
萌/入っちゃダメだよのテープが貼ってあったし。
千代反田/木造だぞ、入った途端崩れるかもしれない。危ないからやめて正解だろ。
ナツメ/でも後で行ってみたいよね? だって色んなモノが写真に写るかもしれないし。
きよえ/ナっちゃんが行くんだったら、きよも行く〜。
萌/……マジ勘弁!(笑)
ナツメ/大丈夫だよ、萌ちゃんの後ろには何もついて来てないしー(笑)
萌/やだやだ、怖い話なんて聞きたくないよー!(笑)


 ●ミドルフェイズ2/ナツメ 〜違和感〜

ナツメ/ナツメは「林間学舎」を調べてみたいです。
GM/了解です。時間系列的には……清掃活動が終わった後、セミナーが始まるちょっと前あたりかな?

 『AF判定:探索「林間学舎」』
  ・使用能力値:【知覚】
  ・難易度:15
  ・ラウンド制限:なし

※「PC達が寝泊まりをする合宿舎を調べる」演出に成功すること。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。


ナツメ/まず、学舎内に幽霊を発見します。
萌/……発見しちゃった。
ナツメ/おや、そこにいちゃダメだよ、成仏しなきゃ。という訳で≪蒼の衝撃≫+≪魂砕≫で成仏させます。ダメージを上げるために≪闇の血統≫も使っておこっと。
GM/モブ幽霊が「も〜ぶ〜……!」と断末魔を上げて成仏していくよ。
きよえ/合宿舎に何年もいた強い霊でも一発で成仏だ(笑)
ナツメ/なーむー。……成仏させてあげた後に学舎を歩いていると、生徒の誰かが割ったガラスを踏んじゃいます。でも俺には≪鬼の肌膚:物理≫があるのでセーフ!
千代反田/あ、危ないなー(笑)
ナツメ/更に言うなら≪黒のカブト≫と≪黒のヨロイ≫を持っているので、まったく傷なんてつかない。全然痛くないよ! 何か無いかなーと≪野獣の鼻≫を使って探索していくと、その先で……この土地に根付いている≪地霊操作≫に会いました。
GM/(モブ精霊になって)「ウィッス、センパイチッス!」
萌/(モブ精霊になって)「オレもナツメセンパイみたいなでっけえ地霊になりたいッス!」(笑)
ナツメ/おうおう、頑張れよー(笑) ハッ、こんなことしている場合じゃない……という≪+50現実検討能力≫。本腰を入れようと言いながら、地霊とお話しつつ情報収集をします。
GM/特技を14個使ったから、難易度は1まで減少したよ。ファンブルが出なければ成功だ。
ナツメ/【知覚】で判定だ!(ころころ)うわ、1・6……ファンブルが出たかと思った、怖いなぁ。でも成功です。そうだ、GM。≪断末魔の叫び≫を使用することはできますか?

 ≪断末魔の叫び≫
 異端のもの(怨霊や闇の獣)に人が殺された場所で使用できる[霊媒師]の副特技。
 殺された人間の最期を被害者の視点で見ることができる。事件が古いものであったりすると精度が低下する。


GM/≪断末魔の叫び≫の使用か、代償を払えばOKだよ。
ナツメ/ありがとうございます。昨晩自分が殺された場所で≪断末魔の叫び≫を見たいんだよね。
GM/元々この特技は「殺された現場の記憶を読む」というもので、本来であれば「前のループの出来事」は読めません。この世界でまだ殺されていないし、読むものがないからね。けど、難易度を少し上げた目標値に成功すれば「ループをまたいだ記憶」を読めることにしましょう。……ちなみに君は、ループの出来事に特化したクラス[魔術師]か[世界遣い]ですか?
ナツメ/残念、違いますね。
GM/[魔術師]か[世界遣い]ならプラスのボーナスをあげようと思ったけど、素値で挑戦してみましょう。難易度は難しめの……12かな。【意志】判定難易度12に成功すれば、前のループの死者の視点を見ることができます。
ナツメ/頼む、成功してくれ!(ころころ)……10、残念です。
きよえ/ああっ、惜しい。
GM/そっか、このパーティーは≪叱咤激励≫や≪幻想式≫のような振り足し特技は無いのか。残念ながら≪断末魔の叫び≫は失敗しました。
ナツメ/はい……。
GM/ですがAF判定には成功したので、林間学舎の情報は入手できます。君は学舎を探索した結果、「安心して寝泊まりができる」とほっと胸を撫で下ろせます。この建物自体には怪しい者が潜んでいたり、何かを発見したりしませんでした。掃除も行き届いているし、虫も出てこないよ。
ナツメ/ここは良い宿舎だなー(笑)
GM/そうやって君が安心して学舎を調べ終えると……学舎のロビーに空が座っているのを見つける。その顔は溜息を吐いていたりと、とても思い悩んでいるものだ。
ナツメ/おや? ……隣にポスンと座ります。
GM/2メートルのでかい男に座られて、ソファが揺れたことに「わっ」と驚く空。
ナツメ/ロビーの自販機で買ったコーラを差し出します。飲む?
GM/「あ、ありがと」
ナツメ/なんか元気無いね。
GM/「……いや……」 首を振りながら空はコーラをプシュッとあけます。缶を振ってるとかイタズラはしてないよね?
ナツメ/振ってないよ。言いながらメントスを入れよう。
GM/「ロビーで噴出させたら先生に怒られるわ!」(一同笑)
ナツメ/そうやって笑っていた方がしっくりくるよ。すかさずパシャッって写真を撮ります。
GM/おっと。からかわれたと判って空は笑います。笑った後に、「あー……思い悩んでいたのが馬鹿みたいに思えてくるな……」って小さく呟きます。
ナツメ/何に悩んでたの? 留学のことかな?
GM/「……そうだな。これからのことだよ」 【理知】判定難易度6をどうぞ。簡単な判定だね。
ナツメ/はーい。(ころころ)達成値10で成功です。
GM/空が嘘をついていることが判ります。
ナツメ/空のほっぺをムニュッ。
GM/「いてぇ!?」
ナツメ/そんなんで俺のこと誤魔化せると思ったの? 曲がりなりにも親友だって自覚してたんだけど。
GM/「……親友って……俺達、どれくらいの親友だよ?」
ナツメ/ずっと親友だっただろ。長い付き合いじゃないか。
GM/具体的に、ナツメくんは空とどれぐらいの付き合いなのかな?
ナツメ/そうだなぁ。機関にいたのは10年前のことで、そこから母さんに引き取られてからの付き合いにしたいから……もう10年の仲にしようか。みんなには「機関にいた」なんて言えないから、「病院で長期入院してた」と言ってることにします。
GM/なるほど。「そんなにオレ達、長い付き合い……だったっけ」 【意志】判定難易度8をどうぞ。
ナツメ/(ころころ)12で成功です。
GM/ナツメくんは違和感に襲われた。そんなに長い付き合いではないと思えてくる。
ナツメ/……え?
GM/君は……[異端者]だったね。ならとあるキーワードが頭に思い浮かんでいいよ。≪器の支配≫という言葉が思いついた。
萌/……ええっ!?

 ≪器の支配≫
 目標に暗示をかけ、簡単な動きを(手にした荷物を戻す、両手を上げるなど)操る[異端者]の副特技。


GM/ナツメくんはそのような洗脳特技の存在を思い出す。どうして今、そんなものが頭の中に浮かんだんだろうね? この胸に抱く違和感は何だ。それは君が言った……「長い付き合いじゃないか」という言葉がとても引っかかったから生じたんだ。
ナツメ/…………。じゃあ、さ。空……俺と会ったのはいつだと記憶してる?
GM/「……さっきお前が10年前って言っただろ? 確かお前、小学生のとき長く入院してたって言ってたじゃないか。ようやく退院できたから……俺や萌がいた小学校に、転入、してきたんだろ?」 空はまるで手探りのように、一つ一つ確認するかのように話を合わせようとしています。
ナツメ/……う、うん……。
GM/「ど、どうしたんだよ? 変な顔しやがって。熱射病か?」
ナツメ/熱射病……だったらいいな。あ、頭冷やしてくるね。ちょっと落ち着いてくるよ……。
GM/心配した空は「おい、大丈夫か? 保険の先生を連れてくるよ」と気遣ってくれるよ。そんなことをやっていると、大地くんが現れて、ナツメに近づいて「大丈夫?」と声を掛けてきます。
ナツメ/だ、大丈夫だよ。
GM/空は「無理するんじゃねーぞ。セミナーは休んだって怒られねーから」と言ってくれたり、大地くんが「先生には休むって言っておくよ」と気遣ってくれたりするよ。
ナツメ/や、優しいね。
GM/(空になって)「オレが優しいのはいつものことじゃねーか!」
ナツメ/盛るねぇ(笑) ……でも今は、ちょっと2人のお言葉に甘えさせてもらおうかな。
GM/大地くんもナツメを気遣っている。……その顔は、心配以外に何か違う感情が含まれていることにナツメは気付いてもいいかもしれません。『イベントキー:失われた記憶』を入手してください。
千代反田/おおーっ! そこにあったか!
ナツメ/イベントキーのゲットはありがたい……でも、「失われた記憶」って何だよ!? 俺が[狂戦士]だったらダイスが増えちゃうよ!?(笑)
GM/あのさ、このシナリオのPC1ハンドアウトの推奨クラスは[狂戦士]なんだよ。
萌/あ、そういやそうだった(笑)


 ●ミドルフェイズ3/きよえ 〜資料いっぱい〜

きよえ/きよえは教会への情報収集に向かいます。ちょっと難しいけど、凄く頑張ります〜!

 『AF判定:調査「教会での情報収集」』
  ・使用能力値:【体力】【理知】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「教会に行って資料検索をする」演出に成功すること。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。
※林間学舎から離れ、最寄りの教会に移動して判定を行う。体力の消耗が激しいため、【HP】【MP】ともに1D6点を消費すること。


きよえ/先生達から隠れて山道を抜けていかなきゃいけないから【体力】を使うんですね。何をしようかな?
ナツメ/壊せ壊せ。
GM/いきなり何をだ(笑)
きよえ/えーと、まず……合宿舎をこっそり抜け出して教会に行く前に、≪強化手術:体力≫+≪戦神の巣≫で、自らの体を戦闘向けに整えておきました!
GM/動く準備運動をしたってことかな。
きよえ/はい。≪特殊増強剤≫をぐびっと飲みます。ゴクゴク! ≪単一化≫で難しいことは一切考えません。≪獣化≫してめっちゃ早くなりながらとにかく教会に向かうぞー!
GM/シュタタときよちゃんは駆け出した!
きよえ/途中でお腹がすいた。≪暴食≫で木を食います。
千代反田/木を食うのかよ!(笑)
きよえ/山道を下りているときに木が邪魔だったので≪巨大武器≫で伐採しました。≪食鬼≫で跡形もなく消化できるのでお腹も壊しません!
萌/き、木を食べた……もぐもぐ食べてる……(笑)
きよえ/あ、教会が近くなったら≪神官服≫を着ます。キリッ。
GM/おめかしもした(笑) これで特技を9つ使ったので、難易度が18も下がります。
きよえ/残り難易度は12。きよえの【体力】は10なので、ここで判定します。(ころころ)わあ、高い高い! 達成値21です!
萌/素晴らしい、余裕で成功だね!(笑)
きよえ/しかもお腹もいっぱいだよ〜(笑)
GM/きよちゃんは余裕のシャキーンで教会に来ることができました。……高坂が「そろそろ来るかなー」と思っていると、突然の来訪に「うわぁっ!?」(一同笑)
きよえ/山からきよえだよ〜。先生達に見つからないように来ました〜。
GM/(高坂になって)「こ、こら、学校行事なら無理してくることはないのに……。めっ!
きよえ/タカさんに「めっ」された。でもいいのーっ! 優しいお説教のタカさんすきすき〜(笑)
GM/仕事熱心なのは良いことなので、高坂は「し、仕方ないなぁ」と許しちゃいます(笑) 「さっき事件の資料作成をしている協力者に、君に見せる資料を作ってもらったばかりなんだ。ちょうど良いところに来てくれた。読んでいくといい」 無事AF判定に成功したので、自由に資料を読み解くことができるよ。
きよえ/はい〜っ!
ナツメ/まずは、エアガイツについて調べるのかな?
GM/エアガイツについての調べからいきましょう。……多くの少年少女達が夢で見たという『赤い毛並みの獣』について、世界各国の異端の目撃証言をまとめた膨大な資料から、それっぽいものがいないか抜き出したものを見ます。
きよえ/獣の外見は、「風を纏って爛々と輝く目で睨みつけてくる赤い毛並みの獣」……だったよね?
GM/うん。獣は狂暴な牙を持つ凶悪な化け物。一方で人を惑わす念波を操る幻術使い。恐ろしいね。データ的に言うと、超能力や夢を自在に操る≪特技マスター:感応力師≫と、負の感情を与えたり記憶を奪ったりする≪特技マスター:異端者≫を持っているキャラクターのようだ。これは教会としてみたら早く討伐しないとね。

 ≪EP:特技マスター≫
 ある技術を極めたことを表わすエネミーパワー。
 12個のクラスから1つ選択する。≪特技マスター:魔術師≫のように記述し、それぞれ別の特技として扱う。選択したクラスの任意の特技を取得している。


千代反田/ひええ、全特技が使えるとか凄すぎるだろ(笑)
GM/さて、そのような外見の異端を探したところ、いました。……10年ぐらい前に。
きよえ/10年ぐらい前に?
GM/資料の中には『機関解体事件』という文字が並んでいます。きよちゃんは[聖職者]か[処刑人]ですか?
きよえ/[聖職者]です。
GM/なら自動成功で機関解体事件について知っていてください。そうでない場合は難易度10の【理知】判定に成功すれば判ります。……何故[聖職者]と[処刑人]なら自動成功かというと、機関解体事件は教会の上層部の汚職が絡んだ大事件です。内部の不祥事によるものなので、教会の現トップこと総支配人が「今後このようなことが起きないように」と明るみにしているからです。
きよえ/だから結構聞かされている事件なんですね。
GM/うん。その機関解体事件は何故起きたかというと、「教会が捕らえた異端犯罪者や異端を、異端刑務所ではなく機関という違法な研究所に横流ししていたから」というのを暴いた人がいたからです。それが今の教会のトップさんですね。
千代反田/へぇ〜。
GM/その人が大々的に事実を公開することで、「犯罪者とはいえ法で守られる筈の受刑者を非人道的実験に使うなんて何事か!」と問題になり、機関と呼ばれる組織は解体されました。……さて、エアガイツの話でしたね。
きよえ/う、うん。
GM/教会の資料に「今から12年前、教会が四足歩行の赤い毛並みにギラギラと輝く紫の眼の獣を捕獲した」という記録が残っていました。
萌/……紫の眼?
GM/紫の眼は、この世界的にはとても珍しく強力な力を持っているものとされています。そう、「強い肉体を持つ珍しい化け物」だったそれは、あまりに危険すぎる異端として12年前に教会に捕獲されました。教会は、群れを成して生息していた異端の集団を討伐。その際に何体かを捕獲。……記録によると、幼児体の獣や雌の獣が教会から機関研究所に送られています。
ナツメ/うん……。
GM/捕獲して機関研究所に送られたのはいずれも弱い獣です。もし成長したとしたら手に負えない存在になっていたでしょう。なにせ[異端者]はレベルアップするとどのクラスよりもクラス修正が高いから強くなれるしね。……機関が悪さをしていたのは事実ですが、教会が凶悪な獣を弱いうちに管理下に置こうとしたのは正解とも言えます。
きよえ/うーん、そっかぁ……。
GM/さて、獣が捕獲されてから2年後。つまりは今から10年前ですね。今の総支配人が中心になって、例の機関解体事件が起きます。その際、機関に送られ異能力開発研究所で実験体になっていた獣も解放されたそうです。
きよえ/解放されたんだ……。
GM/機関解体事件が起きたキッカケで、機関に捕らわれていた能力者達は解放、もしくは再収容、封印されました。……機関は珍しい能力者の一族を狩り、特に多くの子供達を実験体に使っていました。運が良い子供達は優しい人達に引き取られていったという話は、きよちゃんも聞いたことがあるかも?
ナツメ/俺みたいなケースか。
千代反田/ナツメのお母さんは、機関に捕らわれていた能力者の子供達を引き取ってくれた人達の一人なんだよね。
GM/そうだね、新しいお母さんの元で暮らし始めた子もいる。ですが、運の悪い子供達はまたそこで不当な売買の対象になったりもしました。機関は珍しい能力者を狩っていたので、ここぞとばかりに珍しい能力者を欲しがる人達が押し寄せて金で貰っていったというケースもあったそうです。
きよえ/うう、ひどい……。
GM/運が良くも悪くもない普通の子供達は、例えば孤児院に引き取られたり、特定の養育施設に引き取られたり、お寺など身寄りのない子を引き取ってくれるところに行ったりしました。……さて、先ほどの赤い毛並みの獣はどうしたかというと、とある養育施設に預けられたそうです。
きよえ/その施設、今は?
GM/もうありません。資料によると「子供の異端の暴走によって壊滅、多くの負傷者を出したせいで運営困難になったから」だそうです。
ナツメ/今は、もう無い?
GM/元々教会が異端達を捕獲した一番の理由は、「危険だったから」です。機関は確かに悪さをしていたけど、そういった危険な異端の生態を調査して無力化させる、もしくは対処法を明らかにする役目も担っていました。そんな危険な存在を普通の人間と同じように引き取ったんです。事件は起きるべくして起きたとも言われました。
千代反田/……悪い話じゃなかった筈なのに、悪いことが起きちゃったケースもあったんだな。
萌/異端を引き取った施設が、異端の暴走によって壊滅……した後、どうなったんですか?
GM/施設を破壊した子供の異端は逃亡したそうです。そして未だに見つかっていないと、今から8年前の資料が物語っています。……きよちゃんは「エアガイツと呼んでいる獣と似たものがかつて機関にいた」「かつて機関にいた獣は今どこにいるか判らない」ということが判ります。
きよえ/はい……。
ナツメ/その破壊された施設の場所って判る?
きよえ/GM、調べられますか?
GM/判るよ。資料によると、きよちゃんが今合宿している場所にとっても近いね。
きよえ/……合宿舎のある場所?
GM/違う。施設の名前は「聖愛病院」だよ。
萌/あ、あたしが行った場所だ!?
きよえ/ほ、ホントだ!
GM/きよちゃんは『イベントキー:木造廃病院』を持っていないし実際建物を見た訳じゃないので、「病院……どっかにあるのかなぁ?」程度に思っていてね。
きよえ/そっか、イベントキーが無いから「聖愛病院」って書かれていても「へー、そんな所あるんだー」程度にしか思いませんもんね。
萌/それなら後で情報共有しよう! そうすればあたしが気付くから! まず一旦全員で話し合おう。集まった情報を整理したい。
千代反田/じゃあ、キャンプファイヤーの前で待ち合わせな。
きよえ/うん。それじゃあ、きよちゃんも山に帰ってきました。ただいま〜。
GM/山を行き来するペナルティはきよちゃんのクリティカル効果で無くなったので、教会から合宿舎の近くまで高坂が車で送ってくれたことにします。
千代反田/おお! 高坂さん、良い男!(笑)
きよえ/ありがとタカさん、バイバイ〜(笑)
ナツメ/きよちゃんおかえりー。……どうだった?
きよえ/凄かった。
萌/う、うん、どう凄かったのか詳しく!(笑)
きよえ/資料のことをみんなに話します。あのね、聖愛病院ってところがあってねー。
萌/あそこか。あの、GM。≪同調録≫でみんなにイベントキーをオートタイミングで渡すことはできますか?

 ≪同調録≫
 自身の持っている記憶やイベントキー1つを、まるで実際に見たかのようなビジョンとして瞬時に対象に与える[感応力師]の副特技。


GM/単体なので1人に渡すことは可能です。誰に何のイベントキーを渡すの?
萌/資料を調べてきてくれたきよちゃんには、『イベントキー:木造廃病院』を渡しておきたいんです。
GM/代償を払ってくれるならOKだよ。演出はどういう感じ?
萌/……きよちゃん、ちょっと今からそこまでのルートや外観を見せるね。そう言って、きよちゃんの目にそっと手を当てる。脳裏にビジョンを見せる超能力を使います。
GM/おおー。萌ちゃんの超能力で、きよちゃんは本当に見てきたかのように聖愛病院の看板を認識することができます。
きよえ/わ、わあ〜。萌ちゃん、ありがと〜。
GM/資料にも聖愛病院の写真が若干貼りつけてありました。萌ちゃんの記憶にある聖愛病院はとても木々が生い茂って寂れた施設でしたが、資料に記載されている聖愛病院と同じだと思っていいでしょう。
ナツメ/……俺もその情報、貰っていいかな?
萌/そうだね。オートアクションだし、もう4MPを払って、ナツメにもイベントキーを渡します。貰っておけー!
ナツメ/おう、貰うー!(笑) 凄く便利な能力だね。おおう、これが聖愛びょ……。
GM/ナツメは【意志】判定難易度6をどうぞ。
ナツメ/えっ?(ころころ)達成値9で成功です。
GM/めっちゃ見たことある施設だと思った。同時にざわざとした胸の居心地の悪さ、気持ち悪さも生じてください。
ナツメ/……うえ。さっきから胸やけがする。
萌/……そっか、このイベントキーはナツメに渡しておくべきだったね。
きよえ/な、ナっちゃん大丈夫?
千代反田/おい、しっかりしろ。医療キット的な物を取り出す。
ナツメ/うう、大丈夫だよ。どっちかっていうと供給をしてほしいなー(笑)
萌/あ、それならあたしとナツメで供給してみようよ。供給量で契約しているかどうかが判るかもしれない。
ナツメ/そうだね、じゃあナツメと萌で供給をしてみます。手を繋いで、ぎゅっぎゅ。
GM/ナツメと萌の2人は1D6点だけ回復してください。
萌/……あたしとナツメは契約関係じゃない。違った。(ころころ)でもよっしゃ、6点回復した。
ナツメ/ありがとう。(ころころ)うん、こっちも6点回復だ!
千代反田/2人で「頑張ろう!」と気合を入れて激励しあったんだね。可愛いな、お前ら(笑)


 ●ミドルフェイズ4/千代反田 〜近づく終わり〜

千代反田/校庭を調べよう。時間は、セミナーが終わってキャンプファイヤーが始まる前ぐらいのシーンかな?

 『AF判定:探索「学舎校庭」』
  ・使用能力値:【意志】【幸運】
  ・難易度:50
  ・ラウンド制限:なし

※「キャンプファイヤーを行なう校庭を調べる」演出に成功すること。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。


千代反田/キャンプファイヤーを中心に校庭を調べてみます。難易度は50か、1回で成功できないかな。
GM/AF判定はクリティカルが出れば達成値30で算出できるよ!
千代反田/クリティカルが出たらいいな! そうだ、校庭に行く前に≪空のリング≫を嵌めていきます。
GM/お、指輪を付けた。
千代反田/校庭でキャンプファイヤーの準備をしていると「転んで怪我しちゃったよー」と言う生徒がいるので、駆け寄って≪肉体復元≫+≪超復元≫します。
萌/痛いの痛いの、何も無いよ〜(笑)
GM/「あ、ありがとうな、ちよたん!」とモブ山モブ太がお礼を言いました。
千代反田/も、もっくん、お前が怪我をするなんて珍しいな(笑) 言いながら回復してたら大失敗したので≪リライト≫。
GM/「なんか今、ヒールで殺される幻覚が見えたぞ」
千代反田/何にも無いよ、言ってるんだよお前(笑) 何事も無かったかのようにもっくんの元を去って一人で探索をしていると、先生が「何をやっているんだ?」と訊いてきます。
GM/(先生になって)「おーい、あんまり関係無い所に行くんじゃないぞー」
千代反田/でも≪愉悦の波≫で先生達を無意識のまま操作しておきます。≪愉悦の波≫はクラスレベル人まで……2人までしかカバーできないので、3人目の先生からは難しくなってきます。けど、≪禍福のさざなみ≫で自分の良いように操作をします!
きよえ/何故か先生が綺麗にスルーしていくねー(笑)
萌/「千代反田なら変なことしないだろ」って信頼があるからだよ!(笑)
千代反田/あとは……火の近くを調べていたら汗をかいてきたし、ウェットティッシュでふきふき。≪+50清潔≫。これで特技を7つ使えた!
GM/7×2で、難易度が14も減ったよ。現在難易度は36だ。
千代反田/一回でクリアーは無理だけど、減らせるところは減らした。【幸運】で判定します。(ころころ)達成値11だ。
GM/現在『36分の11』、探索は一旦終了します。そろそろ生徒達の数が多くなってきたし、夜と炎でハイテンションになってきたちよたんはみんなの元に戻ることにしました。
きよえ/なんか楽しくなってきた!(笑)
萌/キャンプファイヤーだもん、楽しまなきゃねー!(笑)
ナツメ/よーし、今日もみんなの楽しむ姿の写真を撮っておこー(笑)


 ●トリガーイベント/1 〜不可解な努力〜

GM/4人全員のシーンが一通り終わったので、時間経過で強制的に発生するトリガーイベントが発生します。夜になり、キャンプファイヤーの時間がやってきました。
千代反田/何事もなく夜になったな。
ナツメ/ここまでは今までと同じ流れだね。
GM/合宿2日目の夜、クラスメイト達はわいわいと楽しんでいる。大勢がカメラを持っているナツメくんを見つけて「写真撮ってー!」と笑顔を向けてきます。
ナツメ/いいよー、パシャッ! ちゃんとレンズも付け替えたから夜の写真でも綺麗に撮るよ。
きよえ/わーい、きよも撮ってー!(笑)
GM/クラスメイトの男子が「神木も撮ってばっかじゃなくて入れよ!」とカメラを奪うよ。
ナツメ/わあっ? じゃあお願いしようか。そこのシャッターを押すんだよー。
GM/「こ、ここかな?」「ここじゃね?」「ここだよね!?」
千代反田/な、なんだかカメラを壊しそうだな(笑)
ナツメ/でもちゃんと写真を撮ってもらえた。嬉しいな。
GM/(いきなりモブ山モブ太になって)「萌さんボクと付き合ってくれませんか!」
萌/(0.1秒ぐらいの即答で)ごめんなさい。
GM/キャンプファイヤーの綺麗な炎の中にもっくんの笑顔が映し出されます。
千代反田/撃沈その2!(一同爆笑)
きよえ/もっくんの犠牲が増えていく!(笑)
GM/そんな感じで仲良く楽しくみんなわいわいと騒いでいます。……大地くんは、ここぞとばかりに色紙にサインをしてもらっている。一方で、大地くんが色紙を書いてもらおうと色んな子達に話しかけているのを見ている空は、怪訝な顔をしています。
きよえ/怪訝て、なんで?
GM/そりゃあ……きっと気恥ずかしいんだよ。「空が留学するんだよ」って教えるたびに「マジで!?」「すごーい!」「ガンバレ!」「泣くんじゃねーよ!」って話題の主役になる訳だから。
千代反田/なるほど、それは恥ずかしい(笑)
GM/楽しい時間は佳境を迎え、何事もなく、このまま夜が更けていくと思えてきます。
ナツメ/……大地くんに話し掛けていいですか?
GM/うん。大地くんは色紙を持ってみんなのところに突撃しているけど、騒ぐような性格ではないです。だから色紙を持って話し掛けるとき以外は隅っこで大人しくしています。
きよえ/そんな大ちゃんに声を掛けます。大ちゃーん!
GM/基本的に一人でいる彼は振り返ります。その顔は、静かな彼によくある顔……無表情に近いですね。
きよえ/無表情……なの?
GM/うん、無表情です。元からこういう子だ。
ナツメ/……楽しくないの?
GM/(大地になって)「え? 別に……そういう訳じゃない」
ナツメ/じゃあもうちょっと笑ってよ。にこーっとさせます。ほっぺをグイグイ。
GM/笑わせようとしても、なかなか笑えないようだ。
ナツメ/……そういえば、よく色紙を書こうって思いついたよね? 大地くんがそんなことをするなんて、ちょっと意外だった。
GM/「う、うん……そうしたら空が喜ぶと思って……」と言いながら、大地くんは遠くで違う男子とバカ騒ぎしている空を見ます。……2人の関係について指摘していただけたので、この会話を聞いている全員は【意志】判定難易度8に挑戦できます。
萌/はーい、振ります!(ころころ)あ、出目で11……≪熟練:意志≫の効果でクリティカルだ!
ナツメ/(ころころ)おっと、1足りない。
きよえ/(ころころ)私も1足りない! 失敗〜。
千代反田/(ころころ)ふ、ファンブルしました……。
萌/あたしだけクリティカル成功だね。……あの、GM。あたしの行為判定に≪絆の星≫の効果は乗りますか?

 ≪絆の星≫
 契約した対象から心身ともに巧みなサポートを受けることを表わす[感応力師]の副特技。
 同じシーンに『契約』状態であるキャラクターがいる場合、自身の【反射】【意志】【幸運】判定のクリティカル値が−2される。


GM/はい。≪熟練:意志≫の効果でクリティカルだった萌ちゃんですが、さらに≪絆の星≫の効果でもクリティカル値が下がっていたことに気付いていいです。
きよえ/……えっ?
GM/≪熟練:意志≫および≪絆の星≫の効果で、萌ちゃんはこの判定にクリティカル成功したということです。
千代反田/……「および」!?
萌/このシーンに登場しているキャラクターを確認していいですか?
GM/はい。名前のあるキャラクターは、神木ナツメ、貝きよえ、千代反田宗次、渡久地萌、十勝大地、モブ山モブ太です。
きよえ/も、もっくんもいた(笑)
萌/……そっか……。判りました、ありがとうございます。
GM/クリティカル成功の萌ちゃんは何が判ったか言いましょう。……萌ちゃんはこう思います。「確かに大地くんと兄である空は、とても仲が良い。でも本当に仲が良かったかな?」 君は違和感を抱く。
萌/……うん。
GM/そもそもあの空という男はみんなと仲が良かったのか?
萌/…………。
GM/大地という男もクラスメイトとして馴染んでいただろうか?
萌/……えーと、それは。
GM/そもそも、このクラスにいただろうか?
ナツメ/……大地くん、このクラスに、いた?
GM/いや、大地くんだけじゃない。空もこのクラスにいただろうか?
萌/……空にぃが、いなかった?
GM/君は空という存在、大地という存在に違和感を抱いている。その正体が少しずつ判ってくる。「あたしに、空なんて兄はいたっけ?」
萌/えええ!?(笑)
きよえ/うわあ!? そっから!?
千代反田/そ、そこから疑問を抱いちゃうか……。
GM/そんなことを考えてしまった萌ちゃんは、[異端者]の副特技に≪偽りの太陽≫というものがあったことをクリティカルで思い出していい。

 ≪偽りの太陽≫
 対象の記憶や環境を自由に操作し、何事も無かったかのように日常生活に溶け込ませる[異端者]の副特技。


ナツメ/日常生活に溶け込んでるー!?(笑)
GM/萌ちゃんは空と名乗る少年のことを、兄として慕っていた。でもおかしい。だって渡久地家に子供は1人しかいない。あたしはひとりっ子だ。そうハッキリと判る。
萌/……ちょっとぼんやりしてきちゃった。
きよえ/萌ちゃん、大丈夫?
萌/……混乱しながらも、「空にぃって、いつからうちの子だっけ?」って言っちゃいます。
きよえ/へっ?
千代反田/はぁ?
ナツメ/それは、どういう意味?
萌/そう言っているときの、大地くんの顔色が見たいです。
GM/……大地は少し目を見開いている。萌ちゃんの一言を不思議そうに見ているのではなく、違うことに「なんで?」と疑問を抱いたような顔だ。全員、その不可解な表情の変化に気付いていい。
萌/……ごめん。変なこと言ったね。
千代反田/きっと火の近く熱かったし、騒いで酸素が少なくなっちゃったんだな。
萌/そ、そうそう!
GM/「……気分が悪いなら、保険の先生のところに行った方がいいよ。じゃあ僕、あっち行くね……」 彼はそこから去って行こうとします。
萌/うん、ありがとう。
きよえ/大ちゃん、バイバイ。
ナツメ/待って。
GM/「な……なに?」
ナツメ/みんなで撮った写真を現像したんだ。大地くんも空も映っているやつ。持っていってよ。
GM/「いらないよ!」 拒絶します。
きよえ/えっ……。
ナツメ/……なんで?
GM/「……ご、ごめん」 気まずそうに走り去っていきます。
ナツメ/……無言でその背中を見送ります。
萌/だ、大地くんが去った後にみんなに話をしようと思います!
ナツメ/俺も≪器の支配≫を受けていたという話もしましょう。
千代反田/ま、マジでぇ!?
きよえ/ふ、ふぇ……!? だ、大ちゃん……大ちゃんは何がしたいのかな……。