アナザーワールドSRS・リプレイ・人外夜会
■ 第3章 『 劇場版人外夜会 THE MOVIE 』 2ページ ■
2015年6月7日




 ●ミドルフェイズ2/叡斗 〜不可思議〜

叡斗/叡斗は陽向のところに向かいます。アイザックさんが言っていた「霊力の乱れ」が気になる。……限りなく一般人寄りの陽向のことが気がかりです。

『AF判定:交流「橋守 陽向」』
 ・使用能力値:【意志】【幸運】
 ・難易度:30
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「大マラソン大会にボランティアスタッフ参加している橋守 陽向と、交流を深める」演出に成功すること。


GM/時刻は12時前後。良い天気の中、まだ真夏ではないからか爽やかな陽気。大勢の選手が走っています。
叡斗/まずはこのお祭り状態から陽向を探そう! 人が居る中を≪鳥躍≫で抜けていきます。
榛名/おお、素早い動き!
叡斗/その途中で焼きそばの屋台があります。焼きそばを焼いているお兄ちゃんが「あれぇ? 火の調子がおかしいぞ?」と言っているところを通りかかります。……ガスの調子がおかしそうです。
GM/焼きそばを焼くバイトをしていた奏志お兄ちゃん「ど、どうしよう琴子!? 変なニオイがしてきちゃったよぉ!?」と慌てています。「アイザックさんは今日いないから助けてくれない! 灯也も助けてー!」 連日社畜で終電帰りの灯也くんを日曜朝に寝かせず連れてくる所業。
叡斗/アイザックさんは今頃命令で酒を飲まされている! 一人で頑張れ奏志お兄ちゃん!(笑) 代わりに僕が様子を見ますと≪英雄の宣言≫! とんでもなく熱くなっていた場所を触ってしまったけど、≪熱血の防壁≫+≪黄金の身体≫を持っているので無傷です。
GM/熱さ寒さには強い叡斗くん。
叡斗/ここの元栓がおかしいんだ! 嵌め直します。原因が判ったのでもう大丈夫ですよと言うと、奏志お兄ちゃんの手が火傷していることに気付きます。なので≪生命の叫び≫で治してあげます(笑) 妙に熱くなっている箇所も≪氷河の城≫で自在に冷やします。
GM/叡斗くんはアウトドア向けだよね。陽向と一緒に海にも山にも行ったことあるでしょう?(笑)
叡斗/秋は紅葉狩り、春は花見に付き合わされてます(笑) なんとか解決したので、再度陽向探しに戻ります。……給水箇所がどこにあるか≪賢者の脳髄≫で暗記していました。≪鬼の羽根≫を使って【行動値】を上げて、スイスイと人の波を抜けていきます。危うく人とぶつかりそうになるけど、≪幻想式≫で達成値を上げて回避!(笑) ≪全方位視覚≫+≪望遠鏡≫でぐるっと周囲を見てみる。
GM/覗いた結果……陽向はいるのかな?
叡斗/どうやらお水が足りなくなったので、取りに行って戻ってくる最中だと判りました。これで特技を11個使用です!
GM/「追加のお水持ってきましたー!」「橋守くん、それが終わったら休憩入っちゃってー」「はーい!」というやり取りをしている陽向を発見。『現在難易度:8』ですが、何の能力値で振る?
叡斗/【意志】で振ります。(ころころ)良かった、達成値12で成功しました。……カートに乗せた水を渡す作業を奪って、手伝います。
GM/(陽向になって)「おっと!? おお、叡斗ったらイケめてるー!」
叡斗/い、イケめてる? 何でもかんでも動詞にすればいいってものでもないだろう!(笑)
GM/「グッドタイミングなときに来たな、叡斗。一緒に休憩しようぜ! いやー、2時間しか働いてないのに疲れたよー」
叡斗/お疲れと言いながらラムネを1本渡します。
GM/ボシュ。ぶしゅしゅしゅしゅしゅしゅ。
叡斗/ああっ!? なんで何も用意もせずに封を開けた!?(笑) ほら、ハンカチ!
GM/ワタワタしながらも笑いながら陽向は手を拭いて、ラムネを飲みます。「今日は6月なのに雨も降らなかったし、暑すぎないけどラムネやアイスが美味い良い天気だなー!」
叡斗/そうだな。言いながら、自分もラムネを飲みます。
GM/「そうだ、マラソン大会が終わったらどっかに夕食一緒に行こうぜ! 焼肉が食いたいなー」 ……叡斗は気付きます。走って行くマラソン選手が、消えていくことに。
叡斗/……は?
GM/ここは駅から結構遠い場所です。そろそろ隣の街に入る街道ですね。マラソン選手が隣街へ続く道を走って行きます。……道の途中で、マラソン選手が消える。
叡斗/叡斗も並んでラムネを飲んでいたけど、それに気付いてバッとそっちを向きます!
GM/次々とマラソン選手がやって来る。隣街に入る境のところに足を踏み入れると、消える。次々と煙になって跡形もなく消えていく。その光景に、君以外誰も違和感を抱かない。
叡斗/な……なんだあれは……。
GM/境目に立てば判る。『そこから先の、世界が無い』ことに。後ろは街並み、目の前は虚空。……駅近くを中心にした数キロ範囲にしか街はない。そこから先の世界は真っ暗闇、何も無い空間が広がっています。【意志】判定難易度10をしてください。≪魔の感知≫や≪霊的神経≫など、魔術的なものを察する特技があったら使用OKです。
叡斗/そういう系は持ってないよ……。(ころころ)失敗です。
GM/残念、この仕組みが何なのかは判らなかった。でもこの街にはある魔術の結界が張られていると判るよ。あっち側は異空間だろうか。いや、どちらかと言うと、「こっち側が異空間だ」。
叡斗/……自分の見ているものが全て正しいという考え方はダメだ。これは寧ろ、僕達が異常だと考えるべきなのか。
GM/「どうしたー?」 陽向が叡斗くんの背後までやって来るよ。
叡斗/ぎょっとして振り返ります! な、なんでもない!
GM/「んー? 何かあったら言えよ。オレとお前の仲だろー?」
叡斗/そうだな。……僕達は運命共同体だった。
GM/「そうそう、幼馴染だろ!」
叡斗/……幼馴染?
GM/「あれ? 違ったっけ? オレ達は昔からの友達でー……」 陽向に幼馴染だなんて言われたのは、初めてです。
叡斗/……確かに、相庭脩駕という一つの器の中にいた人格と考えれば、僕らは幼馴染のようなものだ。
GM/だが、実際の出会いは……「飛行機の中で隣同士になって出会った」が最初です。『150人の魂を使った≪世界創造≫で、そのような設定に世界を書き換えた』結果、そうなった筈です。
叡斗/…………。相庭くんとも、幼馴染か?
GM/「そうだろ?」 頷きます。
叡斗/……なるほど、ありがとう。焼肉に行ってもいいが、暗くならないうちに帰るぞ。
GM/他に何か言いたいことはありますか? 無いなら「いっそのこと今日はオレ独り暮らしをしているアパートに泊まっちゃえよー!」って笑う陽向で、このシーンを終わりにします。
叡斗/そのうちな……と言いながら、その場を離れます。
榛名/……これ、「何かを言わなきゃいけない」のかな?


 ●ミドルフェイズ3/叡斗 〜アクションシーン〜

榛名/≪紅蓮の指≫を榛名に使用して、メジャーアクションで≪躍動の呪歌≫を使います。「これおかしくね!?」と思った榛名はもう一度調べるために未行動になります。
叡斗/だからまだ1ラウンド目で行動できるな。そろそろ……アクセンさんの自宅に行きたい。きっともう会場は出来上がってるんだろ?(笑)
榛名/榛名も疑うなら真っ先にアクセンさんを疑います! だいたいのセッションの原因は、だいたいアクセンさんのせい!(笑) 携帯電話で叡斗くんの連絡先をタップします!
GM/いつも萌々花ちゃんぐらいしか使わないアドレス帳を開く榛名(笑)
榛名/電話に出てくれなかったらどうしよう……泣こう……。
叡斗/ワンコールで出ます。
榛名/叡斗くうううううううううん!? で、電話に出てくれたことがこんなに嬉しいだなんて……! 本当にありがとう! 電話に出てくれた喜びの涙を流します!
叡斗/鳴らしたのは貴方でしょう!?(笑) 何があったんですか!? 何か恐ろしいことがあったのではないかとヒヤヒヤしますよ! 明石さんは今、教会にいますね? すぐに向かいます。
榛名/合流して、アクセンさんの自宅に行こうと言います。……あのさ、トキリンさんが変なんだよ。舌を噛んですぐに「痛っ!」って言うようなホムンクルスなんていないでしょ?
叡斗/そういう精密なホムンクルスも創れないことはないけど……そこまで高性能で人間らしいものを創るのは難しい。造った術者にもよるけど、普通ならそこまで五感を人間らしく創らないな。
榛名/だよね……。トキリンさんのことを知っているのはアクセンさんだと思うから、アクセンさんに会いに行こうと思うんだ。それにアイザックさんのあの様子も気になるじゃん?
叡斗/僕も気になっていることがあるんだ。陽向も、自分の違和感に気付いていなかった。……僕と彼は飛行機の中で偶然出会ったんだが、さっき陽向は「昔からの幼馴染だ」と言った。
榛名/えええ?
叡斗/ときわさんも確認してみたら「自分は普通だ」と言い張っていたそうだな。自分達がおかしい自覚が無いという反応も似ている。……それに、街に結界が張られている。人が次々消えているし、そのことに誰も気付いていないなんておかしすぎる。……アクセンさんの自宅に乗り込もう。

『AF判定:捜索「アクセン宅 酒宴会場」』
 ・使用能力値:【体力】【意志】
 ・難易度:40
 ・ラウンド制限:なし

※「厳重な警備によって守られたアクセンの自宅である高層マンションに潜入する」演出に成功すること。


GM/アクセンが住んでいる高層マンションは、億ションの最上階です。家賃が100万円ぐらいする物件で、建物内にジムがあったりプールとかあったりする高級マンションです。長編小説でも登場する舞台なんですが、禁書研究という恐ろしい仕事をするアクセンの自宅には魔術結界やトラップが大量に仕掛けており、アポが無いと入れません。
叡斗/す、すげえマンションの前に来ちゃったな……。日本に持ち家だと動きづらいから賃貸なのかなー(笑)
榛名/この最上階に住んでるそうですね。フロントでアクセンさんの家の番号を入力すると内線に繋がる筈だ。名乗って許可を貰おう。
GM/番号を入力すると、ご年配の人の声で「どちら様でしょうか?」と声がします。じいやさんです。
叡斗/セバスチャンだ!(笑) 教会でお世話になっております、エージェントの棚氷 叡斗と申します。
榛名/あ、明石 榛名です! アクセンさんのご自宅で間違いないですか……?
GM/セバスチャンが応対していましたが、突然えんくんの声が「あ、榛名くんと叡斗くんじゃーん!」と横から聞こえてきます。「じいやさん、その子達オレの知り合いだから大丈夫だよー!」
叡斗/その、お仕事のことで……。
GM/「ギャアアアアー!?」「何をやっている! 窓を開けろ!」「バタバタバタバタ!」
叡斗/訪問を……させてもらいたく……。
GM/「鍋にそんなもの入れるな!」「げらげらげらげら!」「誰だそんな冒涜的な物を持ち込んだ奴!」「まずはセットアップから始めまーす」
叡斗/お時間……いただけないでしょうか、って何をやってるんだ!?(一同笑)
GM/えんくんが「オレ達迎えに行けないからテキトーにトラップ解除して入ってきてー!」と言って、通話終了。……さて、これはAF判定です。「潜入する演出」をしないと判定失敗になります。もしこのままアクセンの家に向かってしまうと、達成値0で失敗になります。
叡斗/……じいやさんに「中にお入りくださいませ」と言われて、とりあえずマンションに入れたことにします(笑)
榛名/が、頑張りまーす(笑) ざっとまず、周りを見て≪空間知識≫! この通路……真っ直ぐ続いているのに、間に凄い結界がある(笑)
GM/まるで『Re』のダンジョンだ。トラップによるトラップ発動が大量にある。トラップレベル200ぐらい。
叡斗/(←かつて『Re』の参加者)あー! つれぇ! クリアーできる気がしねぇー!(笑)
榛名/(←同じく『Re』の参加者)この床を踏んだら落とし穴に落ちてさらに上から鍋蓋が落ちてきて閉じ込められそう! こんなの落ちたら上がれねーな! ≪シンパシー≫で感じ取ります!(笑)
叡斗/外せる魔法は外してしまいましょう。一旦トラップが発動しないと進めないものは、≪血の彫像≫に行かせるんです!
榛名/なるほどー! ≪血のいざない≫があれば勝手に歩いてくれるしな! 俺、結界解除は得意じゃなくってさ……叡斗くんに任せていい? ≪幻想式≫や≪血の媚薬≫でサポートはするよ!
叡斗/助かります! ……この通路を通るだけでだいぶ【MP】を使ったな(笑)
榛名/叡斗くんがトラップ解除してくれた通路を、後ろからついて行きます。叡斗くん、景気づけに飲んでおく? ポットに入れていたハーブティーを出します! ≪強力調合術≫+≪最高調合術≫で作った≪興奮剤≫だから元気が出るよ!
叡斗/ありがとうございます。これ、凄く効きますね(笑)
榛名/これをグレープフルーツ味に仕立て上げるのが今度の目標です! 飲みやすくカロリーゼロでな(笑)
叡斗/また新しいエリアに入りました。僕より【防御点】のある明石さん、持っている物を全部装備してこの道を通ってください。
榛名/叡斗くんって結構ハードなこと言うんだな!?(笑) 胸元にある≪空と心のリング1・2・3≫を握り締めます! リングが通っているチェーンの≪覚醒具≫を指で撫でて! お布団である≪魔法のローブ1・2≫を背負い! アルマゲドンみたいなBGMを流しながら特攻します!
叡斗/明石さん、生きて!(笑)
榛名/お布団が≪闇の衣≫に変わり、凄い勢いで走り出すとドーンと火柱が上がる! ね、≪念動障壁1・2≫ー!
叡斗/叡斗も≪元素の陣形≫使わないとダメージ軽減できないやつだ! 劇場版だから派手に火柱が上がる!(笑)
GM/まさか予告編で見た泣きながら火の中を走る榛名くんの映像がここで使われるとは。爆発シーンだなんて劇場版っぽいじゃん。
叡斗/あの火柱のシーン、クライマックスじゃないのかよ!? 自宅前の廊下かよ!?(笑) 「早くしなきゃ間に合わない!」みたいなシーンだったのに!
GM/黒い煙が辺りを包みますが、マンションの清浄器で綺麗になります。
叡斗/ここの設備凄いですね!?
榛名/泣きながら走り抜けました……自分に≪肉体復元1・2・3≫を使いました……。
叡斗/あんだけダメージを弾いたつもりだったのに、【HP】ダメージが入っちゃったよ……(笑)
GM/これで特技は21個使用。『現在難易度:1』になります。これでファンブルが出たらスタート地点に戻ります。
叡斗/テレポートされるの!?(笑)
榛名/なんてこった! もうやだ最上階とか行きたくないー!(笑) 廊下を越えて、行け【反射】ー!(ころころ)達成値は8です。
GM/チーン。玄関に着きました。
榛名/金輪際来たくねぇー!(笑) もう扉にトラップとか無いよな!? ドアノブを握ったら爆発して手が溶けるとかないよな!? 俺の右手、さようならー!
叡斗/大丈夫です! お互い魔力感知はしたでしょう!?(笑)
GM/ドアを開けました。……さて、ここでGMからお願いがあります。えんくんとアイザックさんはマイクが付いていないので一切喋らないでください。申し訳無いのですが、このシーンでのキャラロールはGMが全部管理させていただきます。
榛名/ほう? わくわくしますね!
GM/玄関では見た目80歳ぐらいの老執事が「いらっしゃいませ」と出迎えてくれます。燕尾服を着て品が良い、優しそうなおじいさんです。「我が主が奥の部屋でお待ちです。どうぞお入りください」
榛名/は、入ってもいいんですか?
叡斗/お、お邪魔しまーす。
GM/このマンションの最上階フロアーは全てアクセンの自宅です。なので玄関を開けるといくつも部屋があります。
榛名/おー、さすが金持ちだー。
GM/とある部屋から「お客様ですか……?」と誰かが出てきます。君達は聞いたことがない声ですね。
叡斗/はい?
GM/執事は、現れた人に「アクセン様のお客様でございます」と説明します。「そうですか、すみません」とその人は……寝室っぽい部屋へ戻って行きます。執事は「どうぞお客様、こちらへ」と、アクセンがいる大広間へ2人を案内します。
榛名/ふぇー……?
GM/とても広いリビングは、最上階の景色を見渡せるような大きなガラス窓。高級そうなソファーやテーブルなど一級の調度品。優雅に酒を飲んでいるアクセン、アイザック、えんの3人がいます。
榛名/ゆ、優雅だ(笑)
叡斗/でも何本もワインをあけてるんだろ?(笑)
GM/秘蔵のワイン以外にビール缶とか泡盛とか山ほど転がっていたけど、君達が来るので全部隅っこに押しやられているよ。
榛名/み、見ないふりをします(笑)
GM/アイザックさんが「どうした。何かあったのか」と君達に声を掛けてくれます。
榛名/き、緊急かもしれないし緊急じゃないかもしれません。実はおかしなことがいくつも起こっていまして……。
GM/アイザックさんは「ふむ、緊急事態か。このような場所で話すことではないな」と言い、アクセンに「酒宴は中止にしよう」と提案します。
叡斗/「やっと帰れる!」とも思っているかもしれませんね(笑)
GM/だがアクセンは「まだ終わりにするつもりはない」と提案を、怖い声で却下します。叡斗くんと榛名くんは、「アクセンってこんなに怖い声を出す人だっけ?」と思います。榛名くんが地下で会ったときから怖かったけどね。
榛名/えっ? な、何か……いつもより怖くない?
叡斗/確かに休日のプライベート空間にお邪魔したのは悪いけど。なんでしたらこの場で手短に済ませます。ちょっと一呼吸を置いて話し始め……。
GM/「私は酒宴を興じている。貴様らのような粗末な人間が口を出していい席ではない」
叡斗/……え……。
GM/アイザックは、アクセンの言うことを聞きます。なので君達の話を聞くのではなく、酒を飲み始めます。
叡斗/可哀想に。もっとやれ(一同爆笑) ……けど、いつもよりアクセンさんが俺様っぽい? 酔っぱらっているから? まるで吸血鬼の王様のようだ。
GM/「何故そのような人間を呼んだ? えん、答えろ」 アクセンが強い口調で命じると、えんは「えっとねー……楽しかったから!」と答えます。除菌ウェットティッシュで手を拭きながら。
榛名/ええええええええ!? 除菌ウェットティッシュなんて使ったら手が無くなっちゃうよ!?(一同笑)
叡斗/……た、多分、ここの人達も全員駄目なんだ! 彼らもときわさんや陽向のように、何か違うものになってるんだ!
榛名/そ、そうか! 3人も普通じゃないんだ!? その、皆さん……どうしちゃったんですか?
GM/アクセンの目がジロリと榛名くんを見ます。
榛名/だ、だって……みんな、まるで別人みたいで……。
GM/アイザックが浄化の魔法を榛名くんに放ちます。
叡斗/ええっ!?
GM/(アイザックになって)「頭が高い。立場を弁えろ」
叡斗/あ、アイザックの方が怒るとは思わなった……!
GM/(アイザックになって)「アクセンが秘蔵の酒以外に餌を用意してくれた。私も『久々に人の血が吸いたいと思っている』。残念ながらお前達を相手はできなそうだ。帰れ」 アイザックが、血を飲むことを肯定します。
叡斗/……か、確定だ。アイザックは、こんなこと言わない!
榛名/アイザックさんは、血を吸わないようにしている吸血鬼ですもんね……?
叡斗/うん。アイザックは、数百年前に吸血鬼に血を吸われて吸血鬼にされた。血を吸う異端になりたくないから我慢していたところをイギリスの退魔組織に保護されて、それ経由で色々あって教会にお世話になったり日本に配属されたりっていう設定で……。
GM/しかし目の前のアイザックは「血を飲みたい、それを楽しみだ」と言うかのよう。えんくんは相変わらず除菌ウェットティッシュで手を拭いている。
叡斗/明石さん、ここはもう……外に出ましょう……
榛名/う、うん……でも、どうして……!?
GM/リビングに、先ほど君達に挨拶してきた優しそうな人が現れます。「駄目だよ、アクセンくん。お客さんが怖がっているでしょ。怒っちゃダメだよ……」
叡斗/あ、あの人は?
GM/穏やかな声で「アクセンくん……もしかして機嫌が悪いの?」って微笑みながら尋ねてきます。ふんぞり返っていたアクセンは一転、たしなめられると「す、すまない……怒らないでくれ」とデレモードの顔になります。アクセンくんという呼び方からして、きっと親しい間柄なんだって気付きます。
叡斗/……ああああああああ!? まさかっ!? その人って!?
榛名/あ……あああああっ!? き、気付いた! その人、まさか……!? こ、恋人!? アクセンさんの恋人ですか!?
叡斗/こ、恋人だなんて直接的な表現は……!(笑)
GM/「アクセンくん、今日は『最期の酒宴』だって言ってたよね。楽しく過ごすんじゃなかったの……?」「すまない、そうだった。少し酔っていたようだ、止めてくれてありがとう」 2人の雰囲気は、とても和やかです。その人はアクセンに近づき頭を撫でるし、アクセンは諭すように優しく声をかけるその人に抱きついたりします。
叡斗/叡斗としては『最期の』という言葉が気になる。だが、バブみを感じる!(一同爆笑)
榛名/バブみが服を着て歩いているようだ!(笑)
GM/アクセンは、叡斗くんと榛名くんにお咎めなく席を立つことを許します。えんくんは「酒宴は10分ばかり休憩かなー? じゃあオレ、お掃除しようかねー」と清掃を始めます。
榛名/なんて菌だ!(笑)
GM/2人は玄関まで引き返すことができます。……帰り際、アクセンを止めたあの人がパタパタと駆け寄ってきます。「ごめんね、君達……大丈夫だった? アイザックさんに攻撃されたけど怪我はない……?」 君達の体を心配してきます。
榛名/だ、大丈夫です。そんな、気を遣ってもらっちゃって……。
GM/「えっと……君達、榛名くんと叡斗くんだよね。ときわくんから話を聞いていたよ。仲良くしてくれている友達だって言ってたから」
叡斗/ときわさんが……そう話していたんですか。
GM/頷くその人は、もし君達が怪我をしていたなら癒そうとしてきます。
榛名/すっごく優しそうな人だ……(笑) あの、貴方はいつからここにいるんですか?
GM/「いつから? ……ずっとここで、もう何年もアクセンくんと一緒に住んでいるよ。ときわくんもよく遊びにくる。一緒にお茶会をする友達なんだ」
叡斗/そうなんだ……。ときわさんと仲が良いんですね。
榛名/…………。その、もう一つ質問していいですか。
GM/「はい……?」
榛名/今……貴方、幸せですか?
GM/「えっ……?」 一瞬榛名くんが何を言い出すか判らなかった。でも恥ずかしそうに赤面して、「……はい。幸せです。好きな人達と一緒に暮らしていますから」と穏やかに笑います。
榛名/…………。
叡斗/……そう、だよね……。
GM/話しているところに、えんくんがやって来ます。2人は【幸運】判定で難易度10をどうぞ。
榛名/(ころころ)11です。
叡斗/(ころころ)あ、クリティカル!
GM/「オレに何か言って!」 えんは、突然滑り込むように言ってきます。
叡斗/え?
GM/その後、えんくんは何事も無くいつものように陽気に「いやー、アイザックさんの一撃食らって平気だったのー?」と笑ってきます。
叡斗/な、「何か言って」って……?
GM/なんでもいい。彼に言うことはない?
叡斗/えっと……その……。
榛名/あの、えんさん、偽物じゃないんですか?
GM/えん、消滅します。
榛名/……は……?
GM/えんに向かって「偽物?」と言った途端、えんくんの姿は消えました。目の前にいた人は、「どうしました?」と普通に振る舞っている。まるでさっきまでそこにえんが居たことなど忘れてしまったかのように。えんという青年などいなかったかというかのように。
榛名/な、なんだこれ……。
叡斗/そしてアイザックさんが電話をしている声が聞こえます。「アクセン、どうやらえんは今からこっちに向かうらしい」「えん殿はまた遅刻か。既に酒宴は始まっていると伝えたまえ。早くしないと全部アイザックに飲まれてしまうぞ」「……だそうだ。好きに来い、えん」
榛名/な、何事もなく……世界が書き換わっている?
叡斗/…………。か、帰ろう、明石さん!
GM/ではここで……ようやく1ラウンド目が終了ですね。1ラウンド終了時に発生するマスターシーンを入れたいと思います。

 アイザックがえんと電話をする姿を、アクセンは酒を飲みながら眺めていた。
 酒を煽るアクセンの横に、そっと女性が現れる。頭を下げたまま、彼女は紫色に塗られた艶めかしい唇を開く。

「魔王様。配下は皆、この街へ集結しております。世界を壊す準備は整いました」
「現れるな。私はこの世界を楽しんでいる。夜までお前達が触れることを許さぬ」
「……失礼しました。どうか最期の酒宴を、お楽しみください」

 彼女は黒い霧になったかと思うと、青く広がる空にコウモリの羽が響く。
 その音は、教会へと向かっていった。



 ●ミドルフェイズ4/叡斗 〜攻防〜

GM/これでようやく2ラウンド目に移行するんだよね。……時間は15時ぐらい。駅前はイベントで賑わっている一番明るい時間帯です。クレープや綿飴を買ってはしゃぐ梅々や、しをんちゃん達薫子ちゃんなど子供達の笑い声が聞こえるお祭りの中。君達は?
叡斗/一旦、教会に戻ってきました。重苦しい中、作戦会議をしよう……。
榛名/……この世界、変だよね。
叡斗/正気を保っているのは僕と明石さん2人だけか。周りが普通に振る舞っていると、僕達が変になったように感じるな。
榛名/俺達の方がおかしいのかな。なんだか……夢を見ているみたい。
叡斗/……どうなんだろう。とはいえ、このままじっとしている訳にもいかない。調べていこう。

『AF判定:調査「霊力の余波」』
 ・使用能力値:【意志】
 ・難易度:40
 ・ラウンド制限:なし

※「N市で生じた微かな霊力の乱れについて調べる」演出に成功すること。


叡斗/早速調査をしよう。でも、何をしよう?
GM/AF判定は最終的に「霊力の乱れを調べました!」って言えば何をしてもいいんだよ。屋台に物を買いに行ってもいいし、書庫で調べものをしてもいいし、街に繰り出してもいい。
榛名/軽率に異端を登場させて倒してもいいんですよ。異端ヤキソバンとか。
GM/ヤキソバン!? 懐かしいな!(笑)
榛名/あとは、チーズ星人とかですね。
GM/それも懐かしいな!(笑)
叡斗/叡斗は脳筋キャラだから、戦闘描写の方が盛り上がれるんだよな(笑)
榛名/わぁー!? ヤキソバンが襲来だー! 「やぁーきぃーそぉーばぁーん! うまいぞぉー!」「チチチチチチチ!」「うわぁ! 頼んでもいないのにチーズ焼きそばになっちまったぁー!」 こ、これも霊力の乱れが原因なのか!?
叡斗/普通に新しいカップ麺のCMみたいになってるぞ!?(笑) 外に飛び出して行きます。相変わらず人が多い……≪鳥躍≫と≪鬼の羽根≫を使って、トップスピードで向かう!
榛名/は、榛名は≪ターニングセット≫でついて行きます! しゅたっ!
叡斗/≪不可視の領域≫を使って、自分達の周りだけ見えない空間にしてしまいます。ちょっとした綻びも≪全方位視覚≫で見逃さないぞ。≪賢者の脳髄≫で、この場で起きていることって何か過去に同じケースがなかったか思い出そうとします。
GM/で、何か思い出せるのかな?
叡斗/……まだ判らない、溜息を吐きます。ちょっと元気が無くなりましたが≪生命の叫び≫で回復します。≪命の糧≫で体力は万全、≪黄金の身体≫も持っているのでいくら走っても足は痛くなりません!
榛名/キリッとした顔になった。一方、榛名はヤキソバンに襲われますね。
叡斗/い、いた! めんどくさい異端だ!(笑)
GM/ヤキソバンはチーズ星人と手を組み、榛名くんの口にチーズ焼きそばを詰め込む。
榛名/もごごごごご!? 熱い! 美味いっ!(笑)
GM/早く倒さないと榛名が太るぞ。奴のスキルウェポンの威力は1000キロカロリーだからな。
叡斗/シンプルにダメージでかい!?(笑) ≪武闘家の血≫+≪聖戦士の血≫+≪戦の申し子≫で戦闘態勢になる! ≪魔道具≫で精度を高めた≪魔法剣≫を装備! ≪タナトスの足枷≫でヤキソバンを転倒させる! ≪戦乙女の血≫+≪殺界≫で攻撃! 焼きそばがアツアツだけど≪熱血の防壁≫があるから大丈夫!
榛名/その≪魔法剣≫で焼きそばを切って!(笑)
GM/ズバーッ。青海苔が一帯に舞う。
叡斗/……奏志お兄ちゃんが作った焼きそばが異端になって「うわぁ〜」って言ってるの、似合うな(笑)
GM/異端ヤキソバンは昇華されると普通の焼きそばに戻る。なので退治した瞬間、琴子ちゃんがお皿を持ってスライディングキャッチしてくれる。
榛名/あー、そばメシうめぇ。
叡斗/ご馳走になった!?(笑) ……これで使用特技は19個ですね!
GM/『現在難易度:2』だよ。ヤキソバンに勝った君は、さぁどうする。
叡斗/【意志】で判定いきます!(ころころ)達成値12で成功しました。
GM/一番怪しい霊力の波がある場所を、叡斗くんは発見することができます。
叡斗/こっちが怪しいな……と向かいます。
GM/教会の敷地内、地下から変な波動を感じます。
榛名/あ。
叡斗/あっ。……で、ですよねー(笑)
GM/叡斗くんはオープニングシーンで御月さんから教会に何があるか聞いているし、その危険な物を守るため仕掛けがされて他の場所より魔力が強いことも知っている。……だが、これほど異常な魔力の乱れは今日まで感じたことはない。AF判定に成功した叡斗くんは、異常に気付きます。
叡斗/現場に行って確認してみよう。明石さんは教会の地下に何があるか知っていますか?
GM/[聖職者]と[処刑人]のPCなら自動成功にしてもいい。けど榛名は教会の任務に積極的に参加したり、教会の歴史をわざわざ調べるキャラクターだったっけ?
榛名/どちらも率先してしないタイプですね。知らないかもです。
GM/なら、【理知】判定をして知ってるか決めましょう。難易度は8で。
榛名/(ころころ)達成値9、ちょっと知ってました。教会の地下に何があるか今思い出したことにします!
叡斗/[処刑人]になったときのセミナーでも受講したんでしょうか(笑)
GM/地下に行ってみようと2人が話をしていると、ときわが現れます。(ときわになって)「ミスター榛名とミスター叡斗、イベントは楽しんでおりますか?」
榛名/ぎ、ぎくぅ。
叡斗/と、ときわさん……ええ、楽しんでますよ。……思わず明石さんと顔を見合わせちゃうな。
GM/「何か?」
叡斗/い、いや……。実はさっき、アクセンさんの家に行ってきたんだ。
GM/「大変でしたでしょう?」
叡斗/かなり。
榛名/火柱が立つぐらいでした(一同笑)
叡斗/アポはきちんと取るべきだったな(笑) そこで初対面の人に会ったんだが……その、アクセンさんの恋人らしき人に。
GM/「ああ、あの人に会ったんですね!」 ときわはパァッと笑顔になります。「僕のベストフレンドです。僕にティータイムの楽しさを教えてくれたのはあの人なんですよ。アクセンさんもあの人のことが大好きで、ずっと側に居たいからって一緒に住んでいるんですよ!」
榛名/し、幸せそうだ……。
GM/あの人のことがとても好きなのか、ときわはニコニコしているよ。「もう随分長い付き合いなんですよ。10年は一緒ですね、僕と彼らが出会ったのも10年前です。僕が高校を卒業した頃でした」
叡斗/……10年前というと、ときわさんは9歳ぐらいですか?
GM/「ええ、小学生ですね」
榛名/……機関解体事件という事件は知っていますか。
GM/「はい。10年前にあった事件ですね。僕も『機関』と戦うため作戦に参加しました」
叡斗/ときわさんはそのとき何歳でしたか。確か……僕が昔、教会で読んだ資料では、当時19歳となっていましたが。
GM/「教会の記録に間違いなどありません。そこに記載されていた通り、機械解体事件は僕が19歳のときの出来事ですよ」
叡斗/……時系列が、グッチャグチャだ……。
GM/「どうしました? なんて顔をしているんですか。何なんです、僕に何か言いたいことがあるんですか?」
榛名/と、トキリンさん……。
叡斗/……ときわさん。おかしいとは思いませんか。貴方はアクセンさんに10年前に出会ったと言っていますが、それは高校を卒業した頃なんですよね。
GM/「はい」
叡斗/19歳の貴方は10年前なら9歳じゃないですか!
GM/「…………」
榛名/な……なに、凄く……怖い……。
叡斗/……さっきから、みんなおかしいんですよ。アイザックさんは血を吸いたいと言うし、えんさんもおかしな行動を取っている。陽向も僕の知らないことを言うし。……多分、いない筈の人もいる。
GM/「つまり、貴方は僕に何が言いたいのです?」
叡斗/貴方は……辛いことから目を背けて、自分の都合の良い世界にいるような気がするんです。貴方が……偽物かどうか判りません、でも!
GM/「偽物」。その言葉を言われた途端、ときわの体が消滅します。
榛名/…………。
叡斗/…………。
GM/この場には、榛名と叡斗の2人だけになります。
榛名/……これは……。
GM/「おーい、そんなところで何をやってるんだー?」 榛名くんは聞いたことがある、オープニングシーンで榛名くんに話し掛けてきた警備員さんが立ち尽くす2人に呼びかけます。
榛名/あ、警備員さん……いえ、その……。
GM/榛名くんに話し掛けてくる警備員さん。叡斗くんには見覚えがあります。渡瀬 統十郎だ。
叡斗/……っ!?
榛名/え。えっ……えええっ!?
GM/その横を、おばあちゃん達が通りすぎていく。「いやぁ、今日は疲れたねぇ〜」「1ラウンドもずっと外にいたからねぇ〜」 その中に、穏やかで上品な老婆がいます。
叡斗/じ、上品?
GM/「御月さんはこれからどこへ行くんです〜?」「孫の朋月と皐月が遊びに来てるみたいだからね、顔を出しておこうと思って〜。サダちゃんだってお孫さんが来てるんじゃないのかい〜?」「そうなんですよぉ、さっき榛名の一番のお友達の萌々花ちゃんが挨拶してきてねぇ〜。いつもお家にいると思ったけど今日は遊びに来てるって、嬉しいねぇ〜」
叡斗/…………。
榛名/お……おばあ……?
GM/サダと言われたおばあちゃんが、御月さん達と一緒に談笑しながら歩いている姿を、榛名くんは見ます。
榛名/……さ、サダ……おばあちゃん……? そんなの見ちゃったら、榛名はボロッボロ泣きますよ!?
GM/君達の目の前にいたときわは「偽物」と告げると消滅した。今はいない。何事も無かったように人々は平和に過ごしている。……順々に会話を進めていこうか。まずは、警備員を見た叡斗くんから。
叡斗/……わ、渡瀬さん?
GM/(統十郎と思しき警備員になって)「あっれぇ!? 叡斗くんじゃないかぁ〜! あ、もしかして叡斗くんもボランティア活動してるの? そうだよね、陽向くんもいたもんね〜!」
叡斗/あ……貴方がなんでここに!?
GM/「俺、警備員っ!」 ビシッ、キリッ、ドヤァッ!
叡斗/どいつもこいつもイケめてる顔はやめろ!(笑)
GM/「ご、ごめんよぉ! 俺そんなにイケメンじゃなかったかな……メソメソ」
叡斗/そ、そういう意味じゃなくて!(笑) だって貴方、青森県の平鷲島で……!
GM/「このたびN市に配属になりました〜! いやぁ、いつか叡斗くんにも連絡するつもりだったんだけどさ、引っ越しの手続きとか忙しくてね。N市には妹が住んでいて毎日ガミガミ叱られて大変でさぁ〜!」 統十郎さんは、明るい笑顔を叡斗くんに見せます。
叡斗/だって……だって貴方は! 掴みかかる勢いで問い質そうとします! 貴方は、柏木さんと……!
GM/「お、俺達が同棲してるってなんで判ったのぉ!?」
榛名/そうなんだ!?(一同笑)
叡斗/そうなんだ!?(笑) ……この世界では、そうなのか……。
GM/掴みかかっているというより、じゃれ合うような叡斗くんと統十郎さんに声を掛けてくる少女がいます。統十郎さんの妹……いえ、「統十郎が妹だと思っていた他人」、渡瀬 由貴乃ちゃんです。
叡斗/……あ……。
GM/「もうっ、お仕事サボって何をしてるの、お兄ちゃん!」「さ、サボってないよぉ〜。久々に知り合いに会って経過報告をぉ〜」「そういうのは休憩中にやればいいでしょ! まったく!」 2人は、本当の兄妹のように親しげです。
榛名/……本当の兄妹のように。
叡斗/……呆然としちゃいます。
GM/妹に叱られた統十郎さんはキリッとした顔をします。「……あれ? 叡斗くん、どうしちゃった? な、何か悩み事があるなら俺に何でも言ってくれよ!」 胸をドンと張る。
叡斗/貴方は……相庭 脩駕の……。シズで……。
GM/「相庭 脩駕がいたシズの警備員だったけど、それが何か?」
叡斗/……怖い。怖い……! 叡斗はダッシュで逃げます!
榛名/に、逃げた!?
叡斗/もう無理! だって、怖い……!
GM/では……シーンから退場した叡斗くんはひとまず置いて、榛名くんの視点にいこう。叡斗くんのオープニングシーンで「上品そうなおばあちゃんもいる」って言ってたけど、そのおばあちゃんは明石 サダと申しました。
叡斗/うっかり叡斗のオープニングに榛名くんが登場してたら、会ってたんですね……?
GM/まあ、GMはわざと榛名くんと会わないようにハンドアウトを分けてたんだけどさ。
榛名/で、ですよね。「どうしておばあちゃんっ子の榛名が御月さんがいるハンドアウトじゃないんだろう?」って思ってましたけど、これって伏線だったんだ(笑)
GM/サダおばあちゃんは、キョトンと立ち尽くしている榛名を発見します。そしてニッコリ笑って手を振るよ。
榛名/お、おばあ……ちゃん?
GM/(サダになって)「榛名は男友達と一緒にいたんだねぇ。もういっぱい遊んできたのかい? それともお小遣いが足りなくなっちゃったんかねぇ……」 ポーチからお財布ごそごそ。
榛名/あっ、大丈夫だよ! おばあちゃんから、もう……お小遣いはたくさん貰ったから。それに俺ももうバイトをしてるぐらいだし! ……本当に、おばあちゃんなんだよね? な、泣きます……。
GM/「もう、いきなり泣いてどうしたんだい。お母さんを呼ぼうか〜?」 サダおばあちゃんはポーチからスマートフォンを取り出して操作する。
叡斗/ハイテクだな!?(笑)
GM/気付いてください。サダおばあちゃんは、スマホが流通した時代に生きていない。
榛名/……そうですよね。おばあちゃん、それ、どうしたの……?
GM/「お母さんが買ってくれたんだよぉ。って、そのとき一緒に榛名も買いに行ってくれただろう? 榛名は若いんだからまだボケたらダメだよぉ〜」
榛名/そっか……そっか。これも……このおばあちゃんも……。
GM/「榛名、何かあったんかい? おばあちゃんに言っていいことなら、なんでも言ってごらん」
榛名/……言いたいことなんて、たくさんあって……喋りきれないな。
GM/それでもおばあちゃんは、優しい笑みで榛名に「なんでも言ってごらん」って言うよ。
榛名/…………。あのね、おばあちゃん……俺ね、今日まですっごい頑張ったよ。おばあちゃんのこと、受け入れようとして……すっごい頑張ったんだよ。
GM/ボロボロ泣く榛名によしよししようと、おばあちゃんは近づいていく。
榛名/ぐしぐしと拭います。……俺、おばあちゃんのことを絶対忘れないと思っていたけど、こういう形で忘れないようにするのは……違うと思う。
叡斗/…………。
榛名/……寂しいな、あの一言を言ったら会えなくなっちゃうんだもん。……あのね、おばあちゃん。俺、ずっとおばあちゃんのこと好きだから。
GM/「おばあちゃんだって榛名のこと誰よりも一番好きな自信があるよ。お母さんや萌々花ちゃん達には悪いけどねぇ〜」
榛名/俺は、ここから帰って本物のおばあちゃんの家に挨拶しに行かなきゃなんだ。だから……さ。おばあちゃんは……偽物なんでしょ。
GM/サダおばあちゃん、消滅します。
榛名/…………。
GM/おばあちゃんなんていなかったかのように、綺麗に世界が書き換わっている。そしてサダちゃんと声を掛けるおばあちゃん達もいない。……榛名も、地下から何か魔力の乱れを感じた。地下に行ってみれば何か判るかもしれない。『イベントキー:理由』をゲットしてください。
榛名/……榛名は、何年もかけておばあちゃんのことを受け入れた。もう大丈夫。それに一回過去に遡っておばあちゃんには会ってるし、そこで決着はついてるんだ。……走って行っちゃった叡斗くんを追いかけます。≪ターニングセット≫で!
GM/シーン端で、統十郎さんの耳を引っ張りながら仲良くシーン退場する由貴乃ちゃんの図もやっておくよ。……走り去った叡斗くんはどこに行ったのかな?
叡斗/誰も居ない会議室へ……ぜーはーと息を切らしています。
榛名/叡斗くんが取り乱すなんて珍しい。……叡斗くん。あの人は、大切な人だったの?
叡斗/……彼のことを知っているのは……僕と陽向と相庭くんだけだ。だから、3人だけで抱えている話だと思っていた。
榛名/…………。
叡斗/彼は、渡瀬 統十郎。青森県の異端刑務所の警備員をしていた。だがそれは、器の話。トウジュウロウという人間は、本来であればこの世にいない。……相庭 脩駕という少年がいるんだが、彼はは生まれつき「複数の魂が1つの器に宿る」という多くの魂を体に宿す特異体質だった。その魂を1つに統合する手術をしようとしたとき、事故が起きた。事故の爆発で魂はバラバラに散って、事故で死んだ警備員の死体に……トウジュウロウという魂が入り込んだんだ。
榛名/……そんなこと、あるんだ。
叡斗/それは、僕も同じだ。……僕も相庭 脩駕の一人格であるエイトという魂であり、この肉体は事故で死んだ斎藤 律という名の大学生のものだ。本来であれば、棚氷 叡斗という男はいない。陽向も同じなんだ。本当の世界では、僕と陽向は存在していない人間なんだ。
榛名/…………。
叡斗/僕らは、手術で消滅する予定だった。だけど、事故で死んだ何百人もの人間の魂を使った≪世界創造≫で……僕と陽向は、『この世に存在する人間になれるように』世界を書き換えた。世界を書き換えれば僕は棚氷 叡斗という普通の大学生として存在できるから。……だけど、渡瀬さんともう一人、柏木さんはそうしなかった。
榛名/彼らはもう、この世界にいない人なの……?
叡斗/彼らは、消滅した。大勢の命を使って生き続けることを拒んだ。彼らは死んだんじゃなくて、そもそもこの世界に存在していないものに戻ったんだ。……なのに、この世界だと。
榛名/……そっか、ごめんな。辛いこと、話させちゃって。
叡斗/いえ、明石さんは悪くないんです。でも……さすがに気が変になりそうだ。こんな幸せな世界、都合の良い夢を見ているなんて……そんなの、僕には許されないというのに。
榛名/つ、辛い想いをしてきたならたまにはこういう夢を見ても許されるとは思うけどな!
叡斗/あの事故の犠牲者の上で成り立っている前で、そんなことは言えない。
榛名/ご、ごめんっ。……でも、叡斗くんは偉いな。俺だったら犠牲者とか考えないで、自分のためだけに生きちゃいそうだ。
叡斗/…………。
榛名/叡斗くんは一人の人間になることを選んで、叡斗くんとして生きているんだろ……なら、許されないとか言わないで、胸を張って生きなきゃダメでしょ。
叡斗/…………。そうだな……。そうでないと、さすがに犠牲者達に申し訳が立たないし、陽向にこんなところは見せられない。
榛名/叡斗くんは、統十郎って人がこの世界にずっといてほしいと思ってはいない……という認識でいいのかな?
叡斗/出来れば生きてほしかった。だけれども彼が自分の命を捨ててまで選ばなかった選択を、この世界は無かったことにしている。彼の命は彼だけのものだ。彼の選択を否定するようなことはしたくない。
榛名/そうだね、彼のこと大切にしてあげなきゃ。
叡斗/覚えているのは、僕達だけだしな。
榛名/俺も統十郎さんの話を聞いたから、絶対忘れない一人になる。……ボロボロ泣きながら言います。
叡斗/……さっきから泣いている明石さんにハンカチを渡したい。けど、陽向に渡したままだから今は無いや(笑)
榛名/自分の布団で涙を拭きます!(笑) こんな良い夢だけど……覚めなきゃ、ダメだよな。
叡斗/ああ。人生はその人の選択の積み重ねだ。それを根底からひっくり返す真似は良くない。
榛名/それが正解だと思うよ。誠実にってトキリンさんも言ってたから、俺もそういう姿勢でいく! ……この騒動を止めよう!
叡斗/そうしよう。座り込んでいたけど、立ち上がります!
GM/会議室で話をしていた君達は、地下に向かうべく足を進める。……さすが劇場版。アクションもあれば、涙のシーンもあるよ(笑)


 ●ミドルフェイズ5/榛名 〜対決〜

榛名/榛名は、教会地下ダンジョンに潜ります!

『AF判定:捜索「教会地下ダンジョン」』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:100
 ・ラウンド制限:なし

※「地下へと続く教会ダンジョンを攻略し、最下層まで降りる」演出に成功すること。

※『イベントキー:理由』がないとこのAF判定は行なうことができない。


GM/難易度は100。物凄く高く設定してあります。……朝、榛名くんが何故か赴いてしまった地下へと続く扉の前に到着しました。
榛名/こ、この先はヤベェ気配がするぞ……でも前に進まないとこの世界がどうにもならない! 自分の頬をぺちっと叩いて装備を確認します! ≪空と心のリング1・2・3≫、おばあちゃんから貰ったリングだ!
叡斗/おばあちゃんから貰った形見のリングを確かめた。
榛名/他にもリングを通す≪覚醒具≫という名のチェーンと、おばあちゃんが愛用していた≪魔法のローブ1・2≫という名の布団がある!
GM/どんだけおばあちゃんグッズを持ち歩いているんだ(笑)
榛名/戦闘モードに意識を切り替えるという意味で≪闇の衣≫。ダンジョンに潜る前に……警備員が来る。
叡斗/……渡瀬さんが、来る。
GM/(気の抜けた統十郎の声になって)「待て待て待てぇーい!」(一同笑) 地下に潜ろうとすると、ポケモントレーナーのように隣接してきます。「駄目だろ叡斗くん、こんな所に来ちゃー!」
叡斗/……通ります。
GM/ええええええぇー!? ちょっと待ってよぉ! 俺だって警備員の仕事をしなきゃ怒られるんだよぉー! 許してよぉ!」
榛名/た、倒しにくい……(笑)
叡斗/……通る! ≪魔法剣≫で、渡瀬さんに斬りかかります!
榛名/その斬りかかった剣に≪幻想式≫を飛ばします!
叡斗/潜り込めばこっちのものだ! だが……渡瀬さんが一筋縄ではいかないことは知っている。
GM/GMは、統十郎さんのデータを使って戦闘描写をさせていただきます。あくまで演出なので、構わずAF判定を進めてください!

 ちなみに、実際の『アウトレイジ エリア』PC2・渡瀬 統十郎のデータはこちら。

 渡瀬 統十郎(プレイヤー名:辰巳)
 クラス:[狩人7/世界遣い3]
 スキルウェポン→≪無の射撃≫
 狩人→≪痕跡発見≫ ≪絶対の自信≫ ≪神域の耳≫ ≪違わぬ息吹≫ ≪罠師のサガ≫ ≪的抜き≫ ≪覇魔矢≫ ≪蜂の唄≫ ≪零力射撃≫ ≪ハヤテの爪先≫ ≪乱れ撃ち≫
 世界遣い→≪未来視≫ ≪運命の予感≫ ≪破却の理≫ ≪絆の両眼≫ ≪逆転運命≫ ≪リライト≫ ≪未来の吐息≫
 一般特技→≪興奮剤≫ ≪属性スイッチ≫ ≪+50謹厳実直≫


GM/いきなり叡斗くんが攻撃してくるとは思わない統十郎さんは回避をファンブルしますが、≪リライト≫で華麗にバックステップ。≪ハヤテの爪先≫で即座に距離を取り、即座に≪無の射撃≫の拳銃を取り出すと≪未来の吐息≫の完全必中の銃さばきを見せます。
榛名/おおおおおっ!?
GM/もし2人が攻撃してきたなら命中判定をファンブル化させる≪零力射撃≫で、全て銃弾で弾き飛ばします。……レベル10エージェントである統十郎さんの戦闘スペックは凄いぞ。クリティカル化もファンブル化もある、敵ならまず出せない凄いキャラメだ!(笑)
叡斗/この人は補助特技が強すぎるのに戦闘特化キャラという、隙が無い構成なんだ!(笑)
榛名/や、ヤバイな! ≪念動障壁1・2≫を使って、気合で叡斗さんを避けさせます! 動いてこっちもサポートするよ、≪心身置換≫! ≪ターニングセット≫ですぐに叡斗くんに駆けつけることができるから、庇うことだって可能。実際庇うのは≪血の彫像≫+≪血のいざない≫だけどね!
GM/統十郎さんは≪違わぬ息吹≫で榛名くんが作った人形が簡単に壊せることを『対象識別』で見抜く。≪乱れ撃ち≫で複数いたモブ達を全て撃ち落とします。
榛名/ああああっ!? 統十郎さん、カッコイイ!(笑)
叡斗/つ、強い……普段はアワアワしているのに、戦闘になるとエグイ!(笑) 明石さんも気を付けて!
榛名/よ、よろけながら≪血の媚薬≫を使って回避! 榛名のこめかみから血がブシューッて噴き出す!(笑) ……ちょっと冷静になって、≪興奮剤≫を飲みます!
GM/冷静になって興奮剤って、改めて考えるとおかしいよな(笑) ……その間に統十郎さんは≪属性スイッチ≫でリロード。
榛名/ファイト一発興奮剤! ≪魔の寵児≫がある≪強力調合術≫と≪最高調合術≫で淹れたハーブティーで一気に【MP】回復だ! 間合いを詰められる前に≪空間知識≫+≪肉体復元1・2・3≫で回復だ! ……叡斗くんをチラッと見ます。統十郎さんを倒すことになるけど……大丈夫? ≪シンパシー≫で訊きます。
叡斗/……一瞬答えを返すのが送れるけど、「イエス」だ。
榛名/その頷きを見て、叡斗くんに≪躍動の呪歌≫を使います。振り絞るように「頼む!」と叫ぶ! 叡斗くんが統十郎さんに押されそうなときは、≪紅蓮の指≫を使ってもう一度戦ってもらう!
GM/これで使用特技は26個。『現在難易度:58』だよ。
榛名/動いたから【体力】で判定します!(ころころ)達成値11です!
GM/『現在難易度:58分の11』です。……ここで第3ラウンド突入ですね。戦闘の真っ最中ですが、第2ラウンドが終了した段階のマスターシーンが入ります。

 時刻は17時。日は落ちていく。
 選手が次々消えていくと思っていたマラソン大会だが、何故かゴールしている選手もいる。何事も無く、賑やかなイベントが終わっていく。
 「お疲れ様ー! よく頑張ったね!」と選手達を労う声もあれば、「あっちのイベントを見に行こうよー!」と笑い合う住民達がいる。今日のN市はとても平和だった。

「スタッフの皆さん、よく頑張ってくれました。ミスター歌留多も凄い走りでしたね! ミスターナツメミスター剛ミズみすずも撮影お疲れ様です! みんなエクセレントですよ!」


GM/どうしてときわはさっき消滅したのに、ボランティアスタッフや参加者達に労いの言葉を掛けているんでしょうね?
叡斗/本当だ!? さっき消滅した筈なのに!
GM/そんなときわの前に、えんが現れます。……彼もまた、消滅した筈なのに。
榛名/……あ。

 「やあ、トキリンさん。お疲れさん。オレは今から夜会をしにアクセンさんちに行ってくるよー」
 「ちゃんとした格好で行かないと怒られませんか? いくら自宅で気ままに飲むと言っても……」 ニコニコ笑いながら、えんと話をするときわ。
 「トキリンさんさぁ、そういうキャラじゃないでしょ?」
 「はい?」
 「みんなおかしいけどさ、一番おかしいのはトキリンだよねぇ。オレだってさ、一応『強制力』から抗っているんだよ。元PCだからね!」


叡斗/メタ発言!(笑)
榛名/なんてこったい!(一同笑) でも、えんだもんな! メタ発言ぐらいします!

 「アイザックさんも同じぐらい頑張っていたんだけど、アクセンさんからの二重の圧力で屈しちゃったみたい。それでも叡斗くん達に『この世界を怪しむヒント』を与えられたっぽいね」
 「何を言っているんですか?」
 「そもそもさぁ、アクセンさんが恋人さんと一緒にいる訳無いじゃん! オレ達、過去のセッションでどれだけアクセンさんのせいで酷い目に遭ってきたと思ってるの! 『死んでしまった好きな人を蘇らせたいあまり』魔王としての役目を捨てたアクセンさんが……」
 「偽物ですね、消えてください」

 えんの体は、消滅した。ウィルスの形状になって姿を消したのではなく、消滅した。


叡斗/……ときわさんは、この世界の仕組みを判っているのか。それがまた怖い。

 ……一方その頃。夜が近づく高層マンションの一室。
 街の明かりが灯り始める光景を見ながら、物思いに耽るアクセンは横で寝そべる愛おしい人物を撫でていた。


叡斗/このシーンの前に何があった!?(笑)
榛名/これぞ夜会ですな!(笑)

 起き上がるアクセンの眼は銀色に輝く。眼下に広がる街並みを見下ろし、配下に命じる。街中に群がろうとする異端達に。
 ――もう充分、この世界を楽しませてもらった。在るべき形に戻ろう。世界を壊すという、本能の姿に。