アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 悔いなきセレクシオン 』 1ページ ■
2014年5月11日




 ●プリプレイ

 始りは2013年。
 『越境ソドム』のセッションが終わった後の、ちょっとした打ち上げ会のときの会話にて。


プレイヤー1・犬熊猫/高坂さんが好きです! 高坂さんともっと仲良くなりたい!
GM・マーサー/ありがとうございます。高坂さんがヒロインのシナリオをやってみたいね。……でも、高坂ってもうだいぶ歴史が長くって設定のたくさんあるNPCだから、TRPGのシナリオヒロインには向かないよ。TRPGのヒロインはPCを立てるために設定をいじるけど、高坂はもう既に色々設定が組まれてるからPCのために改変できる部分が少ないし……。

 殆どの『アナザーワールドSRS』セッションの冒頭で、PC達に依頼を持っていく役目を持った定番キャラクター・高坂。
 彼に対してそのような嬉しいラブコールを受け、悩んで悩むこと、数ヶ月後……。
 セッション会場となるGM宅に、もう既に何度も『AW』のプレイ経験があって高坂に対して心が広い犬熊猫MUMAしゅうらピロの4人が集まっていた。


マーサー(以降、GM)/……という話を犬熊猫ちゃんとしていた訳ですが、今回晴れて「高坂をシナリオヒロインとしたセッション」をやらせていただきます。しかも『AW』レベル20セッションをやります。お集まりいただきありがとうございます、ここまで高いレベルの『AW』の挑戦は初めてです!
プレイヤー4・ピロ/ふぅー! 高レベル楽しみだー!(笑)
プレイヤー3・しゅうら/そこまでレベルが高いと緊張しますねー。
プレイヤー2・MUMA/わーい、高坂さん好きー!(笑)
GM/GMもどれぐらい強い敵データを用意すればいいのか正直判りません。高坂のバックグラウンドを描くシナリオなんですが、まずは注意事項を。高坂は、私・マーサーがGMをするセッションのキャラクターの中で最も歴史の長い人物です。初登場したTRPGリプレイは、初めて私がGMをした2005年の『ガンドッグ〜ヴァイオレンス ジョーカー』です。
プレイヤー4・ピロ/(←『ヴァイオレンス ジョーカー』の参加者)懐かしいですね!
GM/その後、2006年頃から書き始め2009年で一旦連載終了した『AW』の前日譚である長編小説『さわれぬ神 憂う世界』の登場人物として活躍。そして2009年後半に公開開始されたオリジナルTRPG『アナザーワールドSRS』で、名物NPCになりました。
プレイヤー1・犬熊猫/おー、長い歴史のキャラですねー。
プレイヤー2・MUMA/長編小説、読んでます!
GM/高坂の設定は濃く作ってありますが『AW』における高坂は所詮、便利NPC。PCの出番を奪うほど無双する訳がなく、どんなに設定があってもセッション内で明かされることなどございませんでした。第一、高坂を強いキャラとして描くとPC達に教会の仕事を持って行く理由になりません。「高坂が全部解決しちゃえよ!」と言われるでしょ? 高坂には無力な理由があるんです。
プレイヤー2・MUMA/た、確かに。強かったらPC達が出る意味が無くなりますし……。
プレイヤー3・しゅうら/高坂さんは、凄く便利なNPCって立ち位置ですもんね。
プレイヤー1・犬熊猫/無双する高坂さんって、なんか可愛いな(笑)
GM/今回は敢えて、PCの表に出さなかった高坂の設定を全面に出したシナリオをやらせてもらうことにしました。まずはハンドアウトをご覧ください。



 アナザーワールドSRS 高レベルセッションシナリオ『悔いなきセレクシオン』



【レギュレーション】
 『3版+』ルールを使用。キャラクターレベル20で開始。
 全員知り合い設定が望ましい。4人とも教会(高坂)と何らかの繋がりがあること。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:高坂  関係:友人  推奨クラス:聖職者 or 処刑人

 君は人知れず何度も世界の危機を救ってきた教会所属エージェントだ。教会の仕事斡旋人である高坂とは親しくしていた。
 しかし12月1日、高坂が姿を消した。1週間後の12月7日早朝。君は知り合いのPC4と共に、とある特別任務を言い渡される。
 「教会総支配人からの依頼です。高坂を捜索、場合によっては処刑しなさい」
▼NPC1:高坂
 能力者に仕事を紹介する、教会専属の仕事斡旋人。33歳男性。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:黒の少年  関係:同類  推奨クラス:狂戦士 or 稀人

 君は現世に召喚された英霊だ。訳あって現界したが、今はとっても自由に生きている。おかげでキャラクターレベルが20まで下がってしまったが、平和なので問題は無い。
 12月6日深夜。PC3の自宅が『とある少年』によって襲撃される様を目の当たりにした。
 その少年からは『途轍もない波動』を感じる。大変なことが起きる前に何とかしなくては。
 (何の英霊かは好きに決定すること。相応した英霊7クラスのうち1つを選択し、特別に英霊特有+50副特技を取得する)
▼NPC2:黒の少年
 黒髪で黒い着物を纏った幼い少年。ごく普通の人間に見える。
 だが、体から君と同じような霊的波動を感じることから、ただの人間ではないと伺える。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:女性魔術師  関係:自由  推奨クラス:魔術師 or 狩人

 君はPC2を召喚したマスターだ。
 研究のため、趣味のため、様々な知識を学んだ君は優秀な能力を見込まれ、教会から禁書『復元の魔導書』の管理任務を受けている。
 12月6日深夜。同居人のPC2と自宅で過ごしていると、とある女性からの電話があった後に、黒の少年が魔導書を奪っていった。
 かつて君と共に魔術を学んでいた知り合い。最近姿を見せなかった。彼女は一体何をしているんだろう。
▼NPC3:女性魔術師
 名前性格設定はPC3が自由に決めてよい。年齢は20代後半〜40代であること。PC3と共に魔術を学んだ仲。音信不通。
▼初期配布イベントキー:禁書『復元の魔導書』
 キャラクターレベル:20  タイミング:本文  判定:自動成功  対象:自身  射程:なし  代償:なし

 効果:禁書とは教会が保護している上位魔導書。世に出してはいけない貴重な代物のため、厳重に封印されるか、信頼できる者のウズマキ内で保管されている。
 『復元の魔導書』は失ったものの時間を巻き戻し、元通りの状態に戻す秘術が記された魔導書。
 戦闘中であれば、特技を使用した直後に使用する。支払った特技の代償を全て回復する。1シナリオにキャラクターレベル回まで使用可能。

【ハンドアウト:PC4】
 コネクション:龍の聖剣  関係:友人  推奨クラス:世界遣い or 異端者

 君は日本の裏社会史上最悪の事件『機関解体事件』の生き残りである。
 教会に保護され、エージェントとして活動してきた。高坂にはあの事件以降から世話になっていた。
 12月7日早朝。PC1と共に高坂に関する特別任務を聞き、捜索を始めようとしたときだった。
 君の前にロリこと龍の聖剣が現れる。そして、意外な物を渡されてしまった。
▼NPC4:龍の聖剣
 人外。超越的な話題をする金髪の幼女。とってもふしぎ。
▼初期配布イベントキー:『六色の宝珠』
 ロリから貸してもらったアイテム。六色に輝く謎の塊であり、超越的存在の力を凝縮したもの。


プレイヤー1・犬熊猫/わあ、高坂さんと知り合い設定だ!
プレイヤー2・MUMA/……ちょっと!? ちょっとー、やだー! 「高坂さんを処刑」って書いてある……やだー!(笑)
プレイヤー1・犬熊猫/わ、私もやだ!(笑) ……ん? PC2は英霊ハンドアウトなんですね。「とっても自由に生きている」って文が面白い。
GM/英霊は基本的に「普通の人間PCより強い設定」であってほしいんですよ。だけど、PC全員がレベル20で超強い中、英霊も同じレベル20データだと人間が同等に強いことになってしまう。だから英霊PCの人は「弱いことが伝説になっている」人以外、「本当はもっと強かったんだけど、サボってたからレベル20しか力が出せない」という設定にしてほしいな。
プレイヤー4・ピロ/なるほど、気持ちは判る。……PC3とPC4のハンドアウトに記載されているアイテムも全部ヤバそうだね? 「ロリから渡されたアイテム」って時点で危ないニオイしかしない!(笑) いきなりドラゴンボールを渡される気分!?
プレイヤー2・MUMA/しかもこの場合、ドラゴンボールが全部揃った状態で渡されてそうですね。
プレイヤー1・犬熊猫/展開が早いな!(笑)
GM/ところで、人が死んだり蘇ったりするネタが多い『AW』には、『世界の抑止力ルール』というものがあります。他のセッションに登場したキャラクターを登場し、もし死亡する展開になったとしても、「元のセッションに登場したプレイヤーから死亡許可を貰わない限り生きている」というシステムです。
プレイヤー1・犬熊猫/『ドロリア』の青森さんが、隕石に当たっても死なないルールですね(一同笑)
プレイヤー2・MUMA/『パラドックスの椿』のPCである青森さんが、NPC登場した『ドロリア』では隕石の下敷きになっても死なないんですよね(笑)
GM/……しかし公式NPCがメインヒロインとなると、「きっとヒロインが死んでもどうせ違うセッションで復活する」と変な安心感を得てしまいます。今回は緊張感を出すため、このシナリオで高坂が死亡したら正規の歴史として死亡した扱いにします。
プレイヤー3・しゅうら/うわぁ! このセッションで高坂さんが死んじゃう可能性があるんですね!?
プレイヤー4・ピロ/せ、責任重大! ……そして、PC1のハンドアウトに不穏な文がある(笑)
プレイヤー2・MUMA/キャラクターメイキングの相談をしていいですか? ……あの。私、[稀人]特化のウーパールーパーのPCをやりたいんですよ。『デイズ』で登場した、あの。
プレイヤー3・しゅうら/ウーパールーパー!? 高橋 健吾くんのペットの!?
プレイヤー1・犬熊猫/あの、トールとオーディンを使っていたウーパールーパーをやるの!?(笑)
プレイヤー2・MUMA/表の顔はペットのウーパールーパーだけど、人間の姿に変身できる設定にします。教会に所属していて、高坂さんと繋がりがあって……。実はあのウーパールーパー、トールやオーディンなど加護を使っていたってことは……『アルシャード』の世界から召喚された英霊なんじゃないかと思います。
GM/なるほど、面白い!(笑) 召喚されたとなると、選ぶならハンドアウト2かな?
プレイヤー3・しゅうら/実は私も、『ダブルダウン』ナツメの母ちゃんをPCでやろうかなと思っていたんです。
GM/『ダブルダウン』のPC1・ナツメくんは、このPC4ハンドアウトと同じ『機関解体事件』の生き残り設定だったね。『機関』に捕らわれていた[異端者]の少年を引き取って育てた……という設定を頂いてました。
プレイヤー3・しゅうら/リプレイを読み返していたら「ナツメの母ちゃんは女魔術師」って書いてあったんです。だからやるなら、PC3のハンドアウトでやりたいです。
プレイヤー1・犬熊猫/私は、とにかく高坂さんのことが凄く好きなキャラクターがやりたい! 高坂さんのことが好きでたまらないストーカーっぽい女の子か、青年のワンコっぽい子のカバーリング系がやりたいな。高坂さんのやっていることを真似して処理落ちしてる男の子とか!
GM/男の子の場合、後輩系キャラになるのかな。
プレイヤー1・犬熊猫/キャラクターレベルは20だから強いけど、能力を使うことが得意じゃないキャラかな。強くないけど他の人との繋がりをちゃんと持っている高坂さんの人間性に惚れている子がやりたいです。例えば……名前を覚えるのが苦手で、つい物を壊してしまうような。人脈があってサポート要員の高坂さんに懐いているような。
プレイヤー3・しゅうら/可愛いな!(笑)
プレイヤー4・ピロ/……なら私は、『アポクリズモス ピリア』に登場したフランの姉妹機が作りたいな。
GM/フランちゃんはキャラクターレベル8の高レベルスタートだから、さらに強いお姉ちゃんですか。めっちゃ強い姉ちゃん機ですね!? 一応、高レベルは8レベル以上としています。なのでレベル20がいかに強いかお判りいただけますか。
プレイヤー3・しゅうら/あかんわ、この世界のウーパールーパーが強すぎる(一同笑)

 話し合いの結果、以下のハンドアウト結果で決定することに……。

プレイヤー1・犬熊猫/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・MUMA/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・しゅうら/PC3ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・ピロ/PC4ハンドアウトを選択。

GM/それでは、作っていただいたキャラクターの自己紹介をしていきましょう。レベル20で特技がいっぱいありすぎるので、簡潔にキャラクターの説明をお願いします。

 ※注意! このセッションは現在公開している最新ルール『4版』ではなく、旧版の『3+』でキャラクターメイキングを行なっています。
 そのため、2016年現在のルールと違う箇所が多々あります。『4版』と大きく違う要素が出ているシーンでは、リプレイ内では描写をボカす、カットするなどの編集を行なっています。
 しかしデータ面の編集は行なっていません。ここで旧版と最新『4版』との大きな違いの一つ、
一般特技≪聖剣の加護≫の取得についてご説明します。
 現在のルールでは≪聖剣の加護≫はGM許可で取得可能(取得条件は「ループ経験者である」「複数回セッションに参加したPCであること」など)、重複取得は基本的に2つまでとされています。
 旧版ではその規定が定められていないので、このリプレイのPC達は新規キャラクターにも関わらず2回以上取得を行なっています。ご注意ください。


プレイヤー1・犬熊猫(以降、剛)/キャラクター名は、轟 剛(とどろき・ごう)です。
プレイヤー4・ピロ/GO!(笑)
剛/職業は写真家です。クラスは[闘士]が9レベル、[狂戦士]が4レベル、[異端者]が7レベルです。【HP】が101点あるので、カバーリング特化として作りました。
プレイヤー3・しゅうら/強い壁だ!
剛/【物理防御点】が88点もあります。大概のザコならダメージが1点も通りません。戦闘では100点越えのダメージが出せる筈です。
プレイヤー4・ピロ/どんなキャラ?
剛/ワンコです。【霊力防御点】が0なので、精神的なダメージ……怖いものには怖がるけど、無鉄砲で明るい犬です。お化けが怖くて尻尾がシューンってなっちゃう(笑)
プレイヤー2・MUMA/尻尾は生えているの?
剛/生えてないよ、人外じゃない(笑) キャラクターイメージは『ジョジョ』のスピードワゴンです。たかさかさあああああぁん!
プレイヤー4・ピロ/可愛い、しかしうるさいな!(笑)
GM/『ライフパス/背景』が「目が特殊だ」とあるけど、これはどういう意味?
剛/瞳孔が縦長い猫目です。異端の血が混ざっている設定で、『ライフパス/重要キーワード』が「罪人」なんですが、昔……異端の力が暴走した結果、一般人を巻き込んで捕まったことがあります。そして高坂さんに仕事を斡旋してもらって「自分が暴れても問題が無い、力を使えるようにしてもらった」過去があります。
プレイヤー3・しゅうら/おー、社会復帰を手伝ってくれたんだね。
剛/今は普通のエージェントとして活動しています。人は好きなので、自分の犯した罪の分だけ人を救おうとする真っ直ぐな子です。≪−50かしこい≫だから頭は悪いけどね!(笑)

 轟 剛(プレイヤー名:犬熊猫)
 クラス:[闘士9/狂戦士4/異端者7]
  体力:27(+9)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知: 3(+1)  意志:10(+3)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:101  MP最大値:46
重要キーワード:罪人  背景:目が特殊だ  特徴:世話焼きである
ボーナス効果:好きな特技を1つ自動取得  スキルウェポンのイメージ:巨大ハンマー
職業:写真家  性別:男  年齢:22  身長:高坂さんより+10cm  髪色:金  瞳色:カーネリアン
 スキルウェポン→≪両手武器(サブ:巨大武器)≫
 闘士→≪黄金の身体≫ ≪疾風迅雷≫ ≪軍神の知恵≫ ≪殺界≫ ≪鳥躍≫ ≪カバー≫ ≪英雄の宣言≫ ≪浸蝕≫ ≪ライフコイン≫ ≪武闘家の血≫ ≪命の糧≫ ≪希望の勇姿≫ ≪戦いの申し子≫ ≪戦士の勘≫ ≪死闘の半身≫
 狂戦士→≪機能維持≫ ≪不屈≫ ≪狂舞≫ ≪狂い宴≫ ≪単一化1・2≫
 異端者→≪破滅の異端者≫ ≪檻触手≫ ≪鬼の肌膚:霊力≫ ≪野獣の鼻≫ ≪悪喰らい≫ ≪神喰らい≫ ≪竜喰らい≫ ≪地獄の兵具≫
 一般特技→≪+99狂化≫ ≪−50かしこい≫ ≪+50まっすぐ≫ ≪合成:スキルウェポン≫ ≪コネ「ウズマキ」≫ ≪聖剣の加護:突然変異≫ ≪聖剣の加護:赤の君≫ ≪聖剣の加護:因果の蝶≫ ≪聖剣の加護:血の媚薬≫ ≪聖剣の加護:籠脱け≫

プレイヤー2・MUMA(以降、ハルカ)/キャラクター名は、神木 ハルカ(かみき・はるか)。性別はウーパールーパー(一同爆笑)
プレイヤー3・しゅうら/すべらない一文だな!(笑)
ハルカ/見た目はアルビノの10代後半です。中身はもうちょっと年をくってるかな? ウーパールーパーの中ではまだまだ若造です。
プレイヤー4・ピロ/奴はウーパールーパーの中でも一番の若造……(笑)
GM/さっきから謎の言葉が出まくってるな(笑)
ハルカ/アサシンの英霊としてPC3に召喚されました。真名はサラマンダーです。
GM/メキシコサラマンダーだ(笑) 『ドロリア/ゼロ』でウンディーネが英霊に召喚されたこともあったけど、2人は敬遠なんだろうか……。
プレイヤー3・しゅうら/(←PC3のキャラクターになって)おかしいなぁ、なんで私はウーパールーパーを召喚してしまったんだろう?(笑)
ハルカ/ハルカは『アルシャード フォルテッシモ』の世界からやってきました。戦闘面は特化してないけど低コストで戦えるタイプを目指しました。ダメージはPC1ほど出せないんですが、回避特化に作っています。あと【霊力防御点】特化に作っているので、PC1が塞ぎ切れない霊力ダメージはこちらが担当します。
剛/分担は大事だね!
ハルカ/最終的には【霊力防御点】が76点になるからね。回避クリティカル値が7なので、回避は成功します。
GM/回避は成功します。……言い切ったな(笑)
プレイヤー3・しゅうら/成功するよ、7だもの!
ハルカ/しかもダイスは≪天命の選定≫の効果で3D6から2D6をチョイスします。
GM/え、英霊って凄いな! これは戦闘特化でなくても強いって言えるスペックだ。
ハルカ/表の顔はペットのウーパールーパーだけど、召喚してくれたPC3と一緒に教会のエージェントとして人間の形で仕事をしています。潜入捜査が得意でコソッと情報を引っこ抜くスパイ的なことが得意かな。ウーパールーパーだし。こっちの世界の暮らしは面白いので、色んなところに顔を出そうとします。そんな感じのフラフラした生き物です。

 神木 ハルカ(プレイヤー名:MUMA)
 クラス:[闘士4/稀人16]
  体力:12(+4)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:79  MP最大値:52
重要キーワード:絶望  背景:クエスターの仕事をしていた  特徴:味オンチである
ボーナス効果:【回避値】−1、【物理命中値】+1  スキルウェポンのイメージ:??
職業:アサシンの英霊  性別:ウーパールーパー  年齢:若造  身長:?  髪色:銀  瞳色:赤
 スキルウェポン→≪片手武器(サブ:両手武器)≫
 闘士→≪カバー≫ ≪命の糧≫ ≪希望の勇姿≫ ≪聖戦士の血≫ ≪海の加護≫
 稀人→≪模倣犯≫ ≪無音の外套≫ ≪打ち震える霊魂≫ ≪精霊契約≫ ≪さだめの解放≫ ≪音霧≫ ≪光の一手≫ ≪偽神契約≫ ≪ちいさな呪い≫ ≪お守り≫ ≪幸運のお守り≫ ≪神の特例≫ ≪守護の石1・2・3・4≫ ≪マインドロスト≫ ≪記憶の香り≫ ≪日常の復元≫ ≪見通す眼≫ ≪上級精霊契約≫ ≪天命の選定≫ ≪神格契約≫ ≪音色変声≫
 一般特技→≪属性スイッチ≫ ≪合成:スキルウェポン≫ ≪−50家事≫ ≪+50気配遮断≫

プレイヤー3・しゅうら(以降、麗子)/キャラクター名は、神木 麗子(かみき・れいこ)です。年齢は43歳、『ダブルダウン』の神木 ナツメの母ちゃんです。
ハルカ/ママン!
麗子/『ライフパス/背景』は「地震のトラウマを持つ」。『ダブルダウン』のPC1・ナツメが地震を起こす異端だったので、その地震に巻き込まれた被害者の女性です。機関解体事件で行き場を無くした子供である機関チルドレンのナツメを引き取って、社会に溶け込ませる教育をしました。
剛/ふむふむ。
麗子/セッション中に地震が起こらないことを祈ります(笑) 『ライフパス/重要キーワード』は「暗殺」。……ウーパールーパーがアサシンの英霊だからな。
ハルカ/うん、暗殺している気がする。≪無音の外套≫で隠密からのスキルウェポンでね。
麗子/[魔術師]レベル14で、≪這いよる混沌≫で攻撃します。14D6+64+転倒の霊力ダメージが毎ラウンド入れられます。
プレイヤー4・ピロ/うー! にゃー! 強いー!(笑)
GM/『AW』で命中もダメージ固定値もダイスの数も最も高い、[魔術師]の高レベルキャラに相応しい強さだ。
麗子/古川財閥の一つ、メディア出版を担当している神木家の責任者として働いている出版社の女社長です。
GM/バリバリのキャリアウーマンだ。古川家の重役会議とかで出席してたりしそうでカッコイイ(笑)
麗子/でも性格は≪+50雑≫です。家事は引き取った息子のナツメに任せているし。仕事は召喚した英霊のウーパールーパーといっしょにやっています!

 神木 麗子(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[魔術師14/霊媒師5/聖職者1]
  体力:11(+3)  反射: 8(+2)  知覚:12(+4)
  理知:15(+5)  意志:16(+5)  幸運:11(+3)
  HP最大値:47  MP最大値:92
重要キーワード:暗殺  背景:地震のトラウマを持つ  特徴:闇の衝動を持つ
ボーナス効果:≪興奮剤≫を自動取得  スキルウェポンのイメージ:魔導書による赤い炎
職業:出版社社長  性別:女  年齢:43  身長:174cm  髪色:黒  瞳色:江戸紫
 スキルウェポン→≪蒼の衝撃(サブ:礼装)≫
 魔術師→≪暗黒の渦≫ ≪這いよる混沌≫ ≪指揮者の鎖≫ ≪幻想式≫ ≪心身置換≫ ≪紅蓮の指≫ ≪魔道具1・2≫ ≪魔法のローブ≫ ≪改造ローブ≫ ≪超改造ローブ≫ ≪本のクチ≫ ≪賢者の脳髄≫ ≪越境の書≫ ≪刻印増強≫ ≪刻印倍加≫ ≪刻印極化≫ ≪真なる刻印≫ ≪上級魔術≫ ≪堕落の訓え≫
 霊媒師→≪魂砕≫ ≪守護するもの≫ ≪火炎術式≫ ≪火霊操作≫ ≪水霊操作≫ ≪千里眼≫ ≪悪魔のささやき≫
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪叱咤激励≫ ≪母の腕≫
 一般特技→≪+50雑≫ ≪興奮剤≫ ≪コネ「ウズマキ」≫ ≪聖剣の加護:異常鉱物≫ ≪聖剣の加護:機能維持≫ ≪合成:スキルウェポン≫

プレイヤー4・ピロ(以降、ベル)/キャラクター名は、フランベル・シュタイン。通称ベルです。
GM/ベルちゃんですね。
ベル/はい、呼び方が「フラン」だと『アポクリズモス ピリア』のフランと被ってしまうので。機関解体事件の生き残り……というより、機関で造られた人造人間です。人造人間だと普通の社会は復帰が困難なので、フランを開発したシュタイン博士のもとへ養子に出されました。なので純粋なシュタイン博士製の人形ではないです。
GM/なるほど。フランちゃんとは義理の姉みたいな関係なんですか。
ベル/高坂さんには、シュタイン博士を紹介してもらったということで凄く感謝をしています。データは回復特化キャラです。6D6+33点の【HP】回復、通常で1D6+23点のダメージ軽減、【MP】回復、ダメージ0化、バステ回復、振り直し、クリティカル化やファンブル打ち消し、ダイス目操作系の特技など一式取っています。
剛/ありがたい! 凄く頼もしい!
ベル/≪運命の予感≫を持っているので、GMに3回まで直接質問があります。≪紫の眼≫を持っているので死亡回復もできます。運が悪いと私が死ぬけど。
麗子/ダイスロール振り直しがあるから大丈夫!(笑)

NO IMAGE フランベル・シュタイン(プレイヤー名:ピロ)
 クラス:[感応力師10/領域遣い3/世界遣い7]
  体力: 9(+3)  反射: 9(+3)  知覚:12(+4)
  理知:15(+5)  意志:16(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:54  MP最大値:72
重要キーワード:生き残り  背景:奇妙な身体的特徴(ツギハギ)がある  特徴:潔癖症である
ボーナス効果:≪興奮剤≫を自動取得  スキルウェポンのイメージ:??
職業:助手  性別:女  年齢:外見20歳  身長:173cm  髪色:蜂蜜色  瞳色:琥珀色
 スキルウェポン→≪大地の一撃≫
 感応力師→≪空間知識≫ ≪法則調和≫ ≪肉体復元≫ ≪念動障壁≫ ≪念動障壁・改≫ ≪上級感応力≫ ≪覚醒具1・2・3≫ ≪空のリング≫ ≪心のリング≫ ≪スクリーンリンク≫ ≪超越感覚≫ ≪ターニングセット≫ ≪バベルの唄い手≫ ≪愉悦の波≫ ≪超復元≫ ≪最復元≫
 領域遣い→≪大地の防御壁≫ ≪大地の守護者≫ ≪大地の勅命≫ ≪粒子のカーテン≫ ≪防弾粒子≫
 世界遣い→≪リバース≫ ≪逆転運命≫ ≪リライト≫ ≪未来の吐息≫ ≪禍福のさざなみ≫ ≪運命の予感≫ ≪オレンジの記憶≫ ≪神聖言語:上級感応力≫ ≪君に幸あれ≫ ≪破却の理≫ ≪紫の眼≫ ≪防衛用具≫ ≪法則調和≫
 一般特技→≪興奮剤≫ ≪万能薬≫ ≪コネ「ウズマキ」≫ ≪聖剣の加護:機能維持≫ ≪強化手術:意志≫ ≪−50平凡≫

GM/PC3ハンドアウトに書かれているNPCの紹介に参ります。女性魔術師の名前は、リー=ホンファって名付けてもらいました。中国人設定なんかな?
麗子/はい。「紅の花」と書いてホンファさんです。「ベニカ」って呼んでもいいのよ!
GM/日本名だとベニカなのか、響き可愛い(笑) 中国人の魔術師って良いな!
ベル/そういえば中国人のキャラクターっていなかったね。
麗子/外国人キャラ自体が珍しいですからね。ホムンクルスという名のキョンシーを作れる魔術師です!
GM/ほう、キョンシー使い! 良い設定を貰えた! 『シャーマンキング』の道潤が40代ぐらいになったキャラがイメージかな。彼女の設定ですが、PC3の麗子さんと一緒に学んだご学友です。
麗子/同じ師匠のもとで魔術を学んでいたんですね。
GM/そのあたりはちゃんとオープニングシーンで演出しましょう。あとPC3のハンドアウトに描かれている禁書の説明を少しします。……禁書とは、一般的に流通できない特技を記した魔導書のことです。
ベル/重要なアイテムだ。
GM/麗子さんが預けられている『復元の魔導書』は、支払った特技の代償を全て回復するという魔導書です。回数制限すら回復できます。
麗子/そ、そんな凄い物だったんですか。
ハルカ/回数制限回復って……1シナリオに1回までの特技打ち消しの≪光の一手≫が使い放題になれる? いや、ハルカは≪偽神契約≫という令呪の使用回数を回復する特技を持っているんですけど、それすら回復できるってことは……。
ベル/令呪が使い放題になる!?
GM/達成値+20が使い放題も凄いですが、令呪は通常の洗脳ではありえない「自害しろ」など命に関わるような命令すら従わせる強制力のあるものです。それが何回も使えるようになる恐ろしい特技が記された魔導書ですよ。いかに危うい事態かは、この禁書の便利さで伝わるかと思います。PC3のハンドアウトに書かれている通り、NPCに奪われるんだけどね。
剛/つまり、ヤバイ物を奪われていったということですね……。
ハルカ/敵が毎ラウンドどころか攻撃するたび毎回≪光の一手≫を使っていたら、戦闘になりませんよ!
麗子/あかん! ≪零力射撃≫みたいなファンブル化させる特技を何回も使われたら命中すらできない。絶対負ける! 怖いよー!(笑)
GM/絶対に世に出せない危険すぎるものだし、悪い人に渡る訳にもいかないね。
剛/高坂さんを守るためにもなんとしても、この禁書は取り戻さないと!
GM/嬉しい話だが、そんなに高坂を大事にしてもらえるなんて不思議だなぁ。
ベル/自信持っていいんだよ、GM。何かあったら高坂ポイントを投げつけるから!
GM/……高坂ポイントって何?
麗子/高坂ポイントとは! 「高坂さんから萌える発言がされたらプレイヤーがGMに投げつけるポイント」のことである!(笑)
ハルカ/このセッションの中でいかに高坂さんが萌えられたか表わすポイントです!(笑)
ベル/「今の高坂さんに萌えた! 1点ゲット!」みたいな感じです。略してTP!(笑)
GM/…………。数えて何かに使います。
麗子/何に使われるんだろう!?(一同笑) だ、ダメージに使われないといいな!?
GM/い、いや……GMとしては、今回のセッションを企画した段階から高坂にそんなに萌えてもらえるとは思わなくて、正直困惑しているので……私の自信を上げるためにも萌えを数値していただけると助かります。
剛/みんなの高坂さんだから自信を持ってください!
GM/で、ではシナリオ開始していきましょう!(笑)


 ●マスターシーン

GM/冒頭マスターシーン前の、ちょっとした回想シーンをやります。PC4のベルちゃん、登場してください。
ベル/は、はーい!
GM/君は10年ぐらい前、機関と呼ばれる異能力研究所にいました。そこは非常にタチの悪い所で、非人道的な実験が繰り返され、能力を持った人達を狩っては実験のためだと言って酷使するような場所。明日命があるかどうかも判らない劣悪な環境の毎日でした。
ベル/そんな環境で死んでいった人達の体を集めて造られたのが、この私。
剛/フランケンシュタインですもんね。
ベル/死んだ後も酷使させられる人間達をずっと見てきました。私は実験の成功例ではありますが、人間じゃないし酷使されていたでしょう。欠損しても、また新しいパーツを殺された人間から取ってきて繋ぎ合わされたり……。
GM/君は機関で生まれた。人権なんて人造人間には元から無いものだった。生まれた瞬間から機関にいたベルちゃんは、あそこをどう思っている?
ベル/自分のパーツ達が持っていた苦しみを知っているので「マジ人間許さねぇ」って思ってましたけど、一概に人間は悪くないって知識はあります。……自分と同じようなモノは造りたくないな。
GM/機関にいた頃のときを思い出すと、どのような感情?
ベル/真っ黒ですね。よく異端堕ちしなかったなって思います! 極力、機関にいた頃の記憶は自分でロックしてます。
GM/……君はいつも薄汚い個室、割り当てられた牢獄にいた。自分から出ることは許されない部屋で君はただ生きていた。
ベル/逃亡を試みて死んだ仲間を見ていた。だから、自分は逃げない。
GM/隣の部屋にいた子供達が連れ出された音がする。これから自分が行なわれることを知っている少年少女達は、みんな死んだ目をしていた。
ベル/……それを部屋にある小窓から見ながら、またかって思います。次はあの子達が自分のパーツになるのかな……。
GM/連れて行かれる少年少女達を見ている君を、同じように隣にいた少年少女が見ています。君と同じように機関に使われている素体の子供達だ。どこからか買われてきたのか、誘拐されてきたのか、酷使され続けている能力者の子供達です。
ベル/体育座りをしながら、低い声で……なぁに。
GM/少女の一人が「死んだら私達は貴方になるの?」と尋ねます。
ベル/……もしかしたら私になるのかもしれないし、私じゃない何かになるかもしれない。何の利用もされないまま、ただ死んでいくのかもしれない。抑揚の無い声で答えます。
GM/違う少年の一人が「違うよ」と君らの会話を止めます。「僕達は、神様になるんだよ。でね、なれなかったらそこの君になるんだ」
ベル/…………。
GM/「死んで神様になったら成功。死んで君になったら失敗。……どっちの方がいい? どっちが幸せだろう?」 少年は、少女と同じような死んだ目、死んだ声で言う。
ベル/……私はその幸せが判らない。どっちが幸せだとか判らない。でも多分どっちになっても貴方は幸せになれないんじゃない。……合体しても貴方自身は幸せになれないでしょうね。
GM/違う少女は「そうなんだ……」とその言葉に頷く。また違う少年は「でも僕は……」と否定する。全員、死んだ後のことを考えている。誰も生きようと、ここから出ようとする子達はいない。
ベル/…………。
GM/そんな静かな会話をしていると、所員の男性が少年少女達を連れて行く。彼らの体を使うために。所員の男は冷酷な眼差しで少年少女達を扱う。その男の顔は、高坂だ。
ベル/にゃあっ!?
剛/にゃ?(笑)
ベル/……な、中の人の奇声です!(一同笑)
GM/君は『いつも君達を酷く扱うあの冷酷な男』の顔を知っている。いつも険しい、厳しい顔をした、自分達を人間とは思っていない……モルモットか、それ以下の何かとしか見ていないようなあの男。……けれど、数年後。
麗子/数年後になった。
GM/少年少女が誰もいなくなって一人で座っているベルがいた部屋の扉が、乱暴に開けられる。
ベル/……誰?
GM/突然の出来事でした。入って来たのは、一人の男性。一体何があったのか君には判らないけど、彼は少し興奮しているのか息切れをして……少し涙ぐんでいた。
ベル/突然誰かがやって来たにも関わらず、相変わらず体育座りをしてます。光の無い目でその男の人を見ます。
GM/その若い男性は、君を酷使していた冷酷な白衣の研究者達とは全然違う印象を抱かせる。「い、いきなりで驚くかもしれないが……君はもう、ここに居なくてもいいようになったんだ!」
ベル/……それは私はもういらないってことなのかしら。
GM/「違う」
ベル/……じゃあ、私が他の子になるの。
GM/「もうそういうことを言わなくていいんだ!」 強い口調で、座る君の元に近づきます。「機関は解体された。こんな世界は終わりだ。もう苦しまなくていい。俺は君を苦しまない場所を連れていく!」 手を差し伸べてきます。
ベル/……差し伸べられた手を、じっと見ます。じゃあ、私は何になるの。
GM/「君は、君に戻るんだ。君の生まれていた故郷に帰ろう。君を取り戻そう。もし君がこの機関で生まれたのなら、こんな所を必要としない……新しい自分に生まれ変わろう」 彼はのちに、君に高坂と名乗ります。
ベル/んんんんん!?
ハルカ/あ、TPゲットですね(笑)
ベル/……ベルはちょっとよく判らないという顔をしながらも、おずおずと……その手を取ります。
GM/君は目を覚ます。……それが、10年前の出来事。君は機関解体事件と呼ばれる一連の騒動の中、高坂という男性に救出された。ちなみに目覚めた今日は、12月6日の夜です。
ベル/……12月6日……。
GM/スマホはその日時を示している。君が時間を確認していると、パッと画面が切り替わって電話着信。
ベル/画面を見て、誰からの電話か確認します。
GM/君がお世話になっている教会のメンバーである、ときわという少年です。

 ときわ。
 教会上層部と関わりがあり、教会運営に関わる旧き一族の生まれ。非常に真面目な性格の少年。
 裏社会に詳しく教会の任務に必要な情報収集をしている、高坂の親戚。
詳しくは『AW公式NPC・パーソナリティーズ』参照。

ベル/普通に電話を出ます。はい、ときわさん。何かありましたか?
GM/(電話先のときわになって)「お休みのところ申し訳ございません。貴方にお願いしたいことがございます。ミスター轟と共に礼拝堂にお越しください」
ベル/了解しま……。
GM/「すぐに来てください、お願いします」 ブツッ。
ベル/……した、って言い終わる前に電話を切られた(笑) んんーって怪訝そうな顔をした後に用意をしましょう。ベッドから出て着替えて、轟さんに電話を掛けます。



 ANOTHER WORLD SRS
  「悔いなきセレクシオン」




ベル/ふううううう! 黒坂さん萌えるぜ!
GM/黒坂、とは!?
ベル/説明しよう! 黒坂さんとは、なんか黒っぽい高坂さんのことである!(一同笑)
剛/険しい顔で厳しそうな高坂さんだ! カッコイイぞ!
ハルカ/いつものほわほわした感じじゃないダークな高坂さんー!
ベル/やっほー! 闇堕ちの悪坂さんだー!(笑)


 ●オープニングフェイズ1/麗子 〜旧友〜

GM/PC2・麗子さんの過去シーンをやりましょう。リー=ホンファさんの同期の魔術師である麗子さんは、異能力に対してどんな感情をお持ちなの?
麗子/魔術は学べば学ぶほど力になるものです。10代前半から学んでいました。
GM/つまり、ホンファとは女子中学生の頃からの知り合いかな?
麗子/はい、キャピキャピの中坊からです。よーし、キャピキャピなシーンをするぞー!(笑)
ベル/言い方に時代を感じる……(笑)
GM/麗子さんのお家は大層なお金持ちだったこともあり、良い中学に通いながら魔術の師を持ち、学んでいた。そんなキャピキャピのギャルだった頃……。
麗子/きゃぴーん。
GM/うん、文字通りキャピキャピの10代だな(笑) 同い年のホンファは、君のことをとても慕っている女の子。何かあると君のところにやって来ておしゃべりをしたがる子でした。一番のお友達ってやつかな。
麗子/学校でも一緒だし、魔術を学ぶのも一緒。一緒に帰ったりもしたでしょうね。
GM/魔術の話だけじゃなく、中学の授業のことも彼女はよく訊いてきた。口癖のように彼女は「ワタシね、歴史に名が残るぐらいの大きなことをしたいの。世界がワタシの偉業を讃えるぐらい大きなことをしてみたいわ!」って威張って言うような、勝気なお嬢様でした。
麗子/夢はでっかく持つのがベストだ!
GM/「もっと褒めて!」
麗子/いよっ! 中国何千年の歴史を担う女!(一同笑)
GM/ドヤヤヤァ!
ベル/……なんだお前ら、仲良しか?(笑)
GM/「レイコ! あのね! アナタにどうしても話しておきたいことがあるの!」
麗子/どうした? この前のテストのことだったら、この問題集をやれば……。
GM/「そ、その話は後できちんとしたい!(笑) けど……実はね」 そう言って彼女は大学ノートを見せてくる。そこに書かれている魔術理論は、中学生にして[魔術師]のクラスレベルが10以上でないと理解できないような内容だった。
麗子/す、凄い!
GM/しかも日本語で書かれている。母国語ではない彼女にとっては二重の負担でしょう。
麗子/本当に驚いて、釘入るように見ます! なんて君は勤勉な子なんだ……。
GM/「もっと褒めてもいいのよ!」
麗子/凄い! 凄い! 天才だ! 将来凄い人になれると思うよ!
GM/いやいやそれほどでも!(一同笑) まあワタシって出来る女だし、前だってお師匠様に褒められちゃうぐらいだし!」
麗子/良いな、私もいつか褒められてみたいよ……。
GM/「数日前、お師匠様のお知り合いの男性が私達が通っている研究室にいらっしゃったことがあったでしょ? そのとき、ワタシが書いたこのノートを見てもらったんだけど……『君は素晴らしい』って褒めてもらえたの!」 彼女は自慢話を始める。
麗子/そりゃそうだよ! これだけ凄いノートを見たら初めて会った人だってビックリするに決まってる! 才能がある人が見ても君は凄いってことだよね!
GM/…………。ホンファは喜びますが、褒められまくってるGMは申し訳無くなってきた(一同笑) 『中国人、レベルの高い、女子』だからオーッホホホって笑うようなお嬢様キャラにしようと思ったけど、褒められすぎてフニャフニャしそうだ。
ベル/わざと図に乗ろうとしても、なかなか難しいよね(笑)
剛/今のところ、褒められてエヘヘって笑っている感じが中学生ぽくて可愛いですよ(笑) 犬っぽい女子で撫でたい気分です!
GM/GMは心が痒くなってキャラの方向性に迷い始めたぞ(笑) 「で、でね! そのお師匠様のお知り合いの人にとても気に入ってもらえて……明日、そのお方の研究室にお呼ばれなんだ。行ってくる!」
麗子/それは凄いことだよね? 明日行くのかい……?
GM/「ワタシの話がもっと聞きたいとか、ワタシの力をもっと見せてくれって言ってもらえたから……そ、その……どうしよう!?」 すっごく嬉しそうです。自分の勉強が立場のある人から認められたことが嬉しいんでしょうね。「ということでワタシをもっと元気づけて!」
ベル/≪叱咤激励≫してくれってさ(笑)
麗子/ホラ、≪叱咤激励≫! 達成値+2!(笑) 君ほど凄い人なんだから、すぐにその人にももっと気に入られちゃうよ。
GM/そう君が元気づけて、2日後。翌日、権威のある人のもとから帰ってきた彼女は……君にグッと親指を立ててドヤ顔をした。
麗子/ガシィっと抱き締めます!(笑)
GM/「好感触! だったわ!」
麗子/お祈りメールなんて無かったー!(一同笑) やったな! 自分のことのように喜びます!
GM/「これから何かあったら自分を頼れって言ってもらえたの! ずっと研究を自分なりに頑張れって……面倒見てくれるって! しかもハンサム!」
麗子/ほう、イケメンか!
ベル/……多分、女子中学生的にそこが一番ポイント高いんじゃないか(笑)
GM/そろそろ本気で痒くなってきたのでシーンを区切ります(笑) 彼女との関係は20歳ぐらいまで続いた。ですが社会人になった頃、お互いの生活が忙しく、充実しすぎたため疎遠になってしまいます。麗子さんは出版社の女社長として大成し、毎日の忙しさに走り続けます。
麗子/少しずつ疎遠になっちゃったのか……。
GM/もし麗子さんが中学の同窓会に出席したとしても、彼女の姿は無かった。
麗子/……国に帰ったのかな。今はどうしてるのだろう。
GM/昔を思い出せば彼女の姿が浮かぶ、大事な中学時代の思い出の一つ。彼女は「何か大きなことを成したい」と言っていた。それがホムンクルス生成なのか、魔道具作成なのか、何かの召喚なのか、世界の解明なのか……今頃一体彼女は何を成しただろう。そんなことを麗子さんは英霊を召喚しながら思います(一同爆笑)
麗子/彼女だったら何を召喚するかなな……って私は何を召喚したんだ!? これはウーパールーパー!?
ベル/貴方が私のマスターか、ドヤァ!(笑)
ハルカ/ボクを呼んだのはキミかい? ウパァ(一同笑)
麗子/召喚陣の上になんかピロピロしたちっちゃいのがいる!?(笑) どこからウーパールーパーが来てしまったかな、おかしいな!? 私は精霊サラマンダーを召喚したつもりだったんだが!?
ハルカ/あー、ここの術式をこうすれば炎属性のサラマンダーを呼べたかもしれないね。でもボクはメキシコサラマンダーだから。
麗子/こいつ冷静に分析している!? 頭良いな!?(笑)
GM/英霊召喚の説明をここでさせてください。英霊召喚は、「魂に魔力を吹き込むことで最盛期の形を再現する」というものです。『AW』の世界・ゼフィロスでは、魂はウズマキ……時空の狭間の中を廻っています。魂はいつまでもウズマキの中に居続けます。
麗子/ほう。
GM/『AW』の魂の話をしましょう。『AW』では、PCがよく死にます。そしてループします。ループできるのはたとえ肉体が死んで現世に居所がなくなっても、魂がウズマキの中にいる限りどの時間でも力があれば復活、再現ができるからです。しかし「トドメを刺す」などをされて死亡すると魂までも消滅してしまい、ウズマキに残る魂までも消失。たとえループの許可が下りても一生再現ができない、つまりキャラロストします。
剛/なるほど。
GM/キャラクターシートが魂。ウズマキはキャラシを保管するファイル。キャラロストは魂の四散、キャラシをビリビリ破り捨ててもう二度と使用することができない状態です。……一度死んだ魂(キャラシ)はウズマキに保管される(ファイルに入れられる)、魔力を込めれば現世で再現できる(やる気を出してキャラシを再利用)という感じでしょうか。
ベル/ほー、面白い。
GM/……というのが『AW』における英霊召喚の在り方なんですが、ハルカくんの場合は現界した肉体が死んだ魂を再現とは違うので、ちょっとレアケースですね。『アルシャードのキャラシ』を『ウズマキというファイル』に挟んでおいたら『AWのセッションで再利用』っていう構図が正しいでしょうか。
麗子/はー、なるほどー。
ハルカ/きっと違う世界の魔道具であるシャードの欠片を触媒にして召喚してしまったがために、『アルシャード』の世界の生き物を呼んじゃったのでしょう。
GM/魔力で体を形成してあげて魂を現世に引っ張ってくることができれば可能の魔術、それが召喚。生半可の魔力や仕掛けではなかなか呼び寄せられないのだけど、[魔術師]レベル14の麗子さんはなんとか成功したようだ。おめでとうございます、元気なイキの良いウーパールーパーです。
ハルカ/びちびち、びちびち!
麗子/水槽に入れよう! ぼちゃん!
ハルカ/きゃー、乱暴はやめて、きゃー……ぽちゃん(笑)