アナザーワールドSRS・リプレイ・ドロリア ゼロ
■ 『 ACT1 』 1ページ ■
2011年6月11日




 ●プリプレイ

 それは、まだ『DROWNING/phantasmagoria(以降、ドロリア)』本編が完結していない頃のことだった。

GM/『ドロリア』の元ネタになった『Fate/staynight』の、10年前の聖杯戦争を舞台にした『Fate/Zero』っていう作品があるんだけど、それと同じように『ドロリア』の10年前の聖杯戦争を舞台にした『ドロリア/Zero』をやりたいな。どうかな?

 最初は、そんなGMの単なる思いつき。
 だがしかしノリの良いプレイヤー達は全員OKを出し、「10年前の聖杯戦争を描くキャンペーン」はゆっくりと始動されていくのだった。
 ということなので、
このリプレイ『ドロリア/Zero』には本編『ドロリア』のネタバレが含まれている。まずは『ドロリア』を読み終えてから読んでいただきたい。

 それでは、改めて参加するプレイヤー達のご紹介といこう。


▼GM/マーサー
 『ドロリア』を始めとするロリループシリーズのGMで、リプレイの編集者。
 『月姫』の頃からのTYPE-MOON信者で、『Fate/staynight』発売当初から「聖杯戦争舞台のTRPGをしてみたい」と思っていた。そして『Fate/staynight』本編よりも外伝小説『Fate/Zero』の方が好きなので、『ドロリア』開始当初から「いつかゼロ編はやってみたい」と考えてはいた。
 「32歳男性」という属性をこよなく愛し、何かと陰鬱なポエムを吐きたがる。

▼PL1/すずか
 『ドロリア』では秤谷航を演じたプレイヤー。
 とてもダイス運が良い。出目が高いのではなく、劇的な出目に定評のある。おいしいところでのファンブルと、ここぞというときのクリティカルといえば彼女。濃厚でドラマチックな恋愛ロールをするため大変人気なプレイヤー。
 イメージカラーは、。彼女の台詞は『○○/』と表示される。

▼PL2/辰巳
 『ドロリア』では相馬こと平将門(バーサーカー)を演じたプレイヤー。
 とても出目が悪いということが周知の認識になってしまった不運なTRPGプレイヤー。『ドロリア』本編ではその出目の低さをネタにされるほど。その分、堅実なスタイルを取り安定感のあるプレイをする。
 相馬で発揮した古めかしく誰も真似できないキャラロールは、今も健在。
 イメージカラーは、。彼女の台詞は『○○/』と表示される。

▼PL3/ユウ
 『ドロリア』では八木沼盟&青森恐一を演じたプレイヤー。
 「2D6の期待値は10だ」と公言するほど、とても出目が高い。何故か辰巳の愛用ダイスを使ったセッションでは高確率で6を連発する。今回も辰巳の愛用ダイスを借りてセッションに臨む。
 また、「自分はガヤ芸人だ」と自称するほどモブの演出が巧い。1シーンに大勢のキャラクターを登場させることができるのも、彼女だから出来る特技。
 イメージカラーは、。彼女の台詞は『○○/』と表示される。

▼PL4/みっこ
 『ドロリア』では早乙女亜紀を演じたプレイヤー。
 長期キャンペーンでプレイした亜紀が回復役だったため目立ったダイス描写はされていなかったが、実は出目は低めだったりする。
 回復役歴が長いので「戦闘特化のキャラクターをやりたい」と頻繁に口にしていた。「いつか≪殺界≫≪破却打ち≫を使うぞ〜」と可愛い声で何度も話しているほど。ツイッターでも呟いていた。どんだけ使いたいんだ。
 イメージカラーは、。彼女の台詞は『○○/』と表示される。

GM/それでは、『ドロリア/Zero(以降、『ドロゼロ)』開始にあたってのプリプレイを始めたいと思います。
一同/宜しくお願いしまーす。
GM/まず『ドロゼロ』の説明です。何度も話しているように『ドロリア』の10年前、黒須&セイバー組が優勝した聖杯戦争を好き勝手に演出するのがコンセプトです。本編で時々話が出てくる10年前の聖杯戦争、その設定を穴埋めしていきましょう。現在『ドロリア』本編で判明していて、「絶対に変えられない世界のイベント」となっているのは、以下のことです。

●黒須柊×セイバー(エンキドゥ)が聖杯戦争で優勝する。
●秤谷航×キャスター(人柱)が生き残る。
●八木沼盟の両親は聖杯戦争に参加し、戦死する。八木沼盟の両親は「街の人を守るために戦い、死亡」する。
●青森恐一は舞台となる街に滞在しているが、聖杯戦争に関わることはない。
●1999年2月11日の朝方に、住宅地で大火災が起こる。
●住宅地の大火災によって航の両親である秤谷港一&秤谷渚が死亡する。
●「クラス:アヴェンジャー」の英霊は召喚されない。


GM/実は『ドロゼロ』をやろうと決めたキッカケは……ユウのブログに10年前設定を垂れ流した記述があったので、それを公式設定にしようと思ったからでもあります。という訳で、ユウのブログに掲載されていた文章を見るよ。

 盟の母の名前は、藍(あい)
 魔術師の地位向上、魔術にオープンな社会の実現という理想を掲げており、それを叶えるために聖杯戦争に参加。これは後に、盟が掲げる目標ともなった。
 だが聖杯戦争が開始される直前、夫が病により余命数ヶ月であると知る。彼の病気を治すために参戦することになる。
 夫に対しては全デレである。盟に女性的なずる賢さと強さを足したイメージの性格で、我が儘で利己的な人間。そんな彼女だが、とある理由から自分を捨ててでも街を守り、死んでいった。そのため『立派な人間』と評価されている。

 盟の父の名前は、
命人(みこと)
 祐希をそのまま大人にしたようなイメージの儚げな人。柔らかい物腰に一見騙されそうになるが、実はわりと強情な性格。ニコニコしながら突っ走る暴走機関車。
 不治の病に冒されており、残された余命数ヶ月の中で、妻子に何ができるかを常に考えている。
 婿養子として、八木沼家に入ってきた。ちなみに旭人の父とはイトコ同士。旭人と盟はハトコの関係にあたる。

 
藍の死因は、聖杯戦争での戦死。
 対戦相手は、藍の元師匠であり、教え子の藍に対して、偏執的なまでの恋心を抱いていた老教授。
 初めは彼女の優秀な頭脳に惚れ込んでいた彼だが、やがて自分と彼女は釣り合わないと思い悩み始め、せめて自分が彼女と同じ歳であればと、自身の『老い』を憎むようになる。
 彼女の愛情を得られないがために暴走し、藍の関係者全ての殺害をもくろむと言う強硬手段に出る(エキストラ全てを死亡させるなど)。藍は命懸けでそれを食いとめ、戦死した。
 老教授の従えていたサーヴァントは、『オペラ座の怪人』ことファントム・オブ・ジ・オペラ。オペラ座という箱庭に生き、天使のような歌声を持ちながら、その醜さ故に愛する者には恐れられ逃げられる哀しき怪人。

GM/以上の八木沼家の設定がおいしいので、なんとか生かして『ドロゼロ』をやっていきたいね。
プレイヤー2・辰巳/PCのハンドアウトはあるんですか?
GM/今回はハンドアウトを用意していません。10年前の聖杯戦争の設定に穴埋めをしていく形式なので、この舞台に相応しいキャラクターを作ってもらい、それに対応したシナリオをやりたいと思います。
プレイヤー3・ユウ/やるなら、召喚されたサーヴァントがやりたいですね!
GM/うん。全員英霊でPvPをするのも面白いね。

 しかし、たとえPvPでガチで戦い合っても、設定上「黒須柊×セイバー組が勝利することは確定」されている。プレイヤー達は「自分達が負けてしまう」という結末を知っていながら、それでも聖杯戦争を勝ち抜くために戦う英霊達をプレイする……。
 「それはそれで絶対面白い!」という話になり、
プレイヤー4人は全員英霊という設定に。

GM/次に、「何の英霊をするか?」の相談だね。
プレイヤー1・すずか/エルがセイバーで、祐希がキャスターって確定しているから、残りはアーチャー、ランサー、ライダー、バーサーカー、アサシンの5組ですね……。ファントムって何のサーヴァントなの?
プレイヤー3・ユウ/ファントムはアサシンを考えてた。一番それっぽいかなって。
GM/……そうだ。いつかどっかで言った妄言なんだけど、『英霊:沖田総司』が召喚されているっていう設定があったよねぇ。
プレイヤー4・みっこ/あー。ありましたっけ、そんな設定。
GM/残った5枠をPCが埋めるんだから、1人はNPCが担当すればいいんだけど……沖田総司って何のサーヴァントだ? セイバーはエルがいるからダメだから、アサシンか? でもアサシンだと原作『Fate』の佐々木小次郎となんか被っちゃうよな……。

 そんなこんなで相談をすること数時間。
 「PvPをするなら高レベルで」や「こんなマスターと組みたい!」などの意見を出し合う。


プレイヤー4・みっこ/PCで女の子キャラクターがやりたいですね。
GM/女の子は欲しいね。それに『Fate/staynight』本編がギャルゲだったから、『Fate/Zero』では男性キャラクターが多かったんだよ。似たような感じで、『ドロリア』本編はBLゲームだけど『ドロゼロ』は女の子成分を多くしようか。
プレイヤー1・すずか/女性キャラ、良いなぁ。そうすると、うちのこは……。

 などと、BLゲームにこだわらない作りにするような話もチラホラ。
 盟の母がマスターキャラとして出る以上、女性成分が増加するのは変えられないこと。「ならばいっそ!」という話が続々上がってきた。


GM/そろそろ何の英霊をするか決まった?
プレイヤー1・すずか/はい。相談の結果、私はライダーのサーヴァントで、九尾の狐をやります。
プレイヤー3・ユウ/自分はアーチャーのサーヴァントで、「オペラ座の怪人」ことファントムをすることにしました。彼は劇場のシャンデリアを落下させての殺人、とのエピソードがあるし、罠師っぽいからアーチャー。
プレイヤー4・みっこ/ランサーのサーヴァントで、ウンディーネをやります。前に大学で、ウンディーネについての文献を読んだので。
プレイヤー2・辰巳/でもって、私が沖田総司をやろうと思います。クラスはバーサーカーで。
GM/辰巳は2人目のバーサーカーをするのか。……あ、沖田総司に注文していい!? 沖田総司は美形じゃないといいな!
プレイヤー3・ユウ/美形の沖田総司を期待して召喚したのに、出てきたのはガッカリな人だといい!(笑)
GM/CVイメージは白鳥哲で!(笑)

 どんな英霊をするか決定したら、今度はクラス配分。
 相談の中で「ガチなPvPシナリオをしよう!」ということになったため、キャラメは各自秘密で行うことになった。
 「狐だから[稀人]にしたいな」「あ、私も[稀人]にしようと思いました」「え、私も[稀人]を……」「……[稀人]、多くね?」「せめてクラス配分だけでも話し合おうか」と右往左往することも時々。
 GMにメールで「マスターはどんな人がいい?」と相談したり、「10レベル戦闘シナリオだけど、演出重視なキャラメをしろよ!」とか、「英霊特有の隠しステータスってありましたよね?」「あ、そんなのもあったね」などと話し合うこと、数日……。

 『ドロリア』本編、外伝『ドロリア・ホロアタ』終了後の2011年6月。
 ついに、『ドロゼロ』の幕が上がった。


GM/それでは、『ドロゼロ』第1回始めましょう。
一同/わーい!
GM/自己紹介からやっていきましょう。正体とクラス編成、それだけでいいです。ガチPvPシナリオにしたいので、特技は言わないでどんなキャラクターかを話していきましょう。まずは、九尾の狐さんから!
プレイヤー1・すずか/はい。ライダーのサーヴァントをやります、白面金毛、九尾の狐です。クラス編成は[魔術師/稀人/異端者]。≪+50カリスマ≫≪+50絢爛≫を持った、ボンキュボーンなゴージャス美女です。
プレイヤー3・ユウ/ボンキュボーンの美女っ!(笑)
プレイヤー1・すずか/『重要キーワード/権力』。妲己と名乗って古代中国・殷の紂王に取り入ったり、日本では玉藻前として鳥羽上皇の寵愛を受けたり、そんな感じで時の権力者を盛り立ててきました。……GM、「実際に聖杯戦争の勝利者になったことがある」という設定にしたいんですが、いいですか?
GM/弁慶さんのように何度も聖杯戦争に参加して来た英霊もいるぐらいだし、OKだよ。
プレイヤー1・すずか/ということで、時の権力者たちはその時代の聖杯戦争の優勝者なんですよ! 聖杯戦争の優勝者に何度かなったことがあるんですが、「相手に好かれたいから聖杯戦争に勝利する。勝ったら自分の願いの分もマスターにあげちゃう。だから自分自身は願いを叶えたことがない」ので、また聖杯戦争に参加してることにしました。『特徴/主のために全力で頑張る』。悪女と見せかけて実は尽くし系です。
プレイヤー3・ユウ/よっ、アゲマン!(笑)
プレイヤー1・すずか/……けど、今回「マスターはどんな人にするか」という話で、「無欲なマスター」とGMに注文しました。
GM/イメージとしては警察官とか教会のエージェントとかのルール側の人間かな? 真面目な男性とセクシーな女性の組み合わせって萌えるよね(笑)
プレイヤー4・みっこ/良いですねー。……でもそれだと、黒須もエージェントだから同じ立場のマスターが2人になっちゃいますね。
GM/あ、そうだ。ダメだった。じゃあ……聖杯戦争に参加する意欲はあるけど無骨な感じ……お坊さんとかどうだろう。
プレイヤー1・すずか/それがいいです。ちなみに『特徴/不器用である』です。ツンデレみたいなロールをしようと考えています。……狐なんで油揚げが好きなんじゃないかな?
プレイヤー3・ユウ/釣り糸に油揚げ引っかけて釣りたい!
プレイヤー4・みっこ/きゃー、カワイー! 外見年齢は?
プレイヤー1・すずか/20後半かな。大人の美女です。
GM/……あ。名前の表記はどうする? リプレイ上では『九尾の狐/』っていう書き方でいいのかな?
プレイヤー1・すずか/良い呼び名があるといいですね。狐だから、うーん……。
GM/……「おさき」とかどうだろう?
プレイヤー2・辰巳/おさき?
GM/尾裂狐。複数の尾をもつ狐のこと。字の縁起が良くないから「サキちゃん」ってカタカナ表記が良いかな。
プレイヤー1・すずか(以降、サキ)/「サキ」。……良いですね。それでいきましょう。
GM/ではお次。辰巳、いこうか。
プレイヤー2・辰巳/はーい。バーサーカーのサーヴァント……沖田総司です(一同爆笑)
プレイヤー4・みっこ/この時点で何故か起こる、「一同爆笑」!(笑)
プレイヤー2・辰巳/クラスは[闘士/狩人/処刑人]です。『ドロリア』のバーサーカー・相馬とは違い、スピード重視の前線系です。武器は≪両手武器≫で……。
GM/特技まで言わなくていいよ。どんなキャラクターかさえ話してくれれば。
プレイヤー2・辰巳/そうでしたね。……ガッカリ童貞です。
プレイヤー4・みっこ/DTってそんな大事な設定ですか!?(笑)
サキ/お前が使用済みかどうかなんていい!(笑)
プレイヤー2・辰巳/失礼しました(笑) 新撰組の隊士で、若くして一番隊の隊長も務めた随一の剣士ですね。美形説が有名です。新撰組の前身である試衛館の時代から近藤勇・土方歳三らとも親しく、最前線で活躍していたんですが……志半ばで病に倒れ、第一線を退いてしまいます。『重要キーワード』は、『兄弟姉妹』です。
GM/ああ、お姉ちゃんがいたもんね。
プレイヤー2・辰巳/どちらかと言うと試衛館の人達に対して強い仲間意識を持っている風です。『背景/子供好き』。これは実際にあった話だそうです。『特徴/持病持ち』。労咳、肺結核ですね。……CVイメージは、白鳥哲さん。
プレイヤー3・ユウ/ヤッホー、地味声だー!(笑)
GM/(パソコンを見ながら)……あっ。今、ウィキペディアで沖田総司のページを読んでいたんだけど、本名は「藤原さん」っていうんだね。
プレイヤー2・辰巳/えっ(笑)
GM/普段名乗る名前はどうする?
プレイヤー2・辰巳(以降、宗次郎)/「宗次郎」で。おいおい変わるかもしれませんがそれでいこうと思います。
サキ/年齢はどれくらいなの?
宗次郎/24歳です。没年齢が24歳なので。
プレイヤー4・みっこ/なるほどー。史実がある人は参考にできて良いなー。
GM/では次の方、ユウどうぞ。
プレイヤー3・ユウ/どうも、ファントムです。本名は一切出てないんだぜ、ドヤァ!
GM/自己紹介しなさい。
プレイヤー3・ユウ/オペラ座の怪人・ファントムをやります、アーチャーです。クラス編成は[狂戦士/霊媒師/稀人]です。
サキ/[狂戦士]か。怖いな。
プレイヤー3・ユウ/でも[狂戦士]は副特技しか取ってない、キャラメは遊んだよ! ≪精神緊縛術≫を習得したので、自分の嫌いなものがあると判定が出来なくなります。
GM/嫌いなものは伏せておこうね、判定が出来なくなるから。
サキ/……チッ。
プレイヤー4・みっこ/いかに口を滑らさないかですね。
プレイヤー3・ユウ/でもファントムの嫌いなものだよ、察せよ(笑) 『重要キーワード/孤独』。『背景/奇妙な身体的特徴』ということで、奇形。……原作の小説でヒロインのクリスティーヌにフラれてるんで、聖杯戦争には、失恋のウサを晴らそうと来ました(笑)
GM/年齢はどれくらいなの?
プレイヤー3・ユウ/30代ぐらいかな。……32歳でいいんじゃないですか。
サキ/またロクでもない年齢設定を。
プレイヤー3・ユウ/あと≪獲物を狙う目≫という特技を持っています。これを、『若い男』という設定にします。……クリスティーヌと恋中のラウルという男が、一番嫌いな人間だったからね。
GM/おお、なるほど。ちなみに名前の表記は?
プレイヤー3・ユウ(以降、ファム)/通称は「ファム」でいこうと思います。
GM/では最後、みっこお願いします。
プレイヤー4・みっこ/はい。ランサーのサーヴァント、水の精霊ウンディーネです。外見年齢は20歳にしようかな。クラス編成は[闘士/霊媒師/処刑人]です。トライデントを持ってブッ刺します。
サキ/前線系か、怖いなぁ(笑)
プレイヤー4・みっこ/元ネタは、フーケの小説『ウンディーネ』に登場する水の精霊です。本来ウンディーネは魂を持っていないんですけど、人間と結婚すれば、魂を手に入れて人間として暮らせるんです。けれどその夫が浮気したら、夫を自ら殺して人魚に戻らなければならない掟がある、という設定です。
宗次郎/ほうほう。
プレイヤー4・みっこ/今回は……そんな顛末がもう既に何回もあって(笑) 男性不信に陥り気味の女の子。「もう夫いらないから! 人間の心だけ欲しいの!」っていう子にします。
GM/か、可愛い! 女の子成分って大事ね(笑) 名前はどうする?
プレイヤー4・みっこ(以降、ミズキ)/ウンディーネだから……うーん。じゃあ、「ミズキ」で。
GM/ミズキ?
ミズキ/水樹奈々っていう名前が見えたから。
GM/なんだかCVイメージが決まってしまったよ(笑) それでは自己紹介を終えたところで、早速シナリオを始めていきましょう。まずは、九尾の狐さんのオープニングから……。


 ●オープニングフェイズ/サキ 〜ライダー、召喚〜

 九尾の狐。聖杯戦争に何度も参加したことがある英霊。
 上も下も右も左も判らないような異空間に漂う感覚を、もう何度も味わってきた。そうしていつものように、ある美しい女性の声で覚醒する――。


サキ/……あら。今回は殺生石に封じられてから出られるまで随分長かったみたいだけど、やっと来てくれたのね。
GM/「貴方の叶えたい願いは、何……? 願いがあるなら、私の手を取って……」 美しい声とともに、君にを女性が手を差し伸べてくるよ。
サキ/優雅に手を取ります。今回も参りますわよ、妾(わらわ)の願いを叶えに……!
GM/君が手を取った瞬間、世界が晴れていく。次に視界に広がるのは闇色の空間ではなく……和風建築の間です。
サキ/おっ。今回はアジア系か。基本、就職先は中国インド日本を希望してたんだ!(笑)
宗次郎/出来れば『アジア勤務希望』って履歴書に書いてたんだね(笑)
ファム/ヨーロッパは食事が合わないだろうけど、「OH、アジアンビューティ!」ってチヤホヤされるから気分は良いだろ(笑)
GM/聖杯様の面接に合格した君は、古い建築の畳部屋に立っています。仏像、垂れ幕、無骨にも大きく華やかに掲げられている花からして、ここはどうやらお寺の一室のようだ。……君の前に立っているのは、和服の男性。
サキ/おっ。
GM/男性は……30代ぐらいか。無愛想な顔立ち。というより英霊を召喚したばかりで緊張が解れていない、真剣そのものの顔。手には令呪刻印。そして足下には術式。彼が自分を召喚したマスターだということは明らかだ。
サキ/(シリアスな声で)ほう……。
GM/緊張した面立ちを崩さず、男は口を開く。「問おう。お前が……のサーヴァントか」
サキ/「一人称:僕」だったぁー!(一同爆笑)
宗次郎/そんなに重要なことなの!?(笑)
サキ/だって! 30歳ぐらいの男性が「僕」ですよ!? 中の人は大人の男性が僕って言うの大好きなんですよ!(笑)
GM/正直、すずかが萌えると思って設定した。
すずか/やっぱり!(笑) ……失礼。≪+50カリスマ≫をバリバリ、金の尻尾をバァッと出しながら、値踏みするような感じで上から下まで眺めます。
GM/「お前が、僕のサーヴァントに違いないな」 男性は緊張した声で言うよ。君のあまりの威圧に気圧されないようにしている。
サキ/(声色を低くシリアスに変えて)ほう、此度のマスターはこのような男か。よいよい、強い男は好きじゃ! 妾を召喚したからには黄金の玉座だろうと千人の美女だろうと思いのままじゃ。
ミズキ/おお、女王様オーラがバリバリだー(笑)
サキ/大きく開いた胸元を強調させるように腕を組んでマスターを見てます。……相馬さんとは違う偉そうなロールを目指してるんだけど、難しいね。
GM/男と女ってだけで全然違うよ。
宗次郎/それに「妾」だし。上品だし。気品があるし。うんうん相馬とは違うよ全然違うよッ!(一同爆笑)
GM/そこまで相馬さんを貶さなくても(笑) マスターは尻尾や妖艶なオーラを見て言います。「……九尾の狐?」
サキ/妾を召喚するほど優秀な術師であれば、正体など一目で見抜けるであろう?
GM/「ならばクラスは……キャスターか、バーサーカーか」
サキ/(キッと睨みつけ迫力を出して)そのような輩と一緒にするでないわ! 妾はライダー! ライダーのサーヴァント、九尾の狐! 平伏せドヤァ!(一同爆笑)

 途中までカッコイイのに最後の効果音で色々台無しである。

GM/女王様のドヤ顔に怯むことなく、視線を外さず男は……心の中で「よっしゃあ!」とガッツポーズをしたのか口元を歪めます。「僕が君のマスターとして、聖杯戦争に参加する者だ。我が名は、森魚巧(もりうお・たくみ)
ファム/もりうお? ……ぎょ?
サキ/森魚巧か。其方(そち)の名、しかと覚えたぞ。安心するが良い、このライダーを召喚したのじゃ。なんでも願いを言ってみるがいい!
GM/「……僕の願いは、我が一族に聖杯を持ち帰ること。聖杯は僕の一族にこそ相応しき物」
サキ/一族に持ち帰る? ……なんじゃ、そんなつまらん事で良いのか?
GM/「我らは真理を目指す一族。聖杯を手にし、世界の謎を解明する。魔術を研究する者であれば当然の願いではないか。僕は一族のため聖杯戦争に参加する。そのために今まで修行し、生きてきた」
サキ/ハッ。妾を召喚したのだから王の器に相応しい人間と思ったら、所詮は駒か。
GM/「聖杯を手に入れ、僕は一族の王になる」
サキ/なんと。
GM/「僕は≪旧き一族≫の中でも分家の生まれだ。一族は脆く巻き戻りやすい曖昧な世界を解明しようと研究を重ねてきた。500年にも満たない浅い血族ではあるが、大きな力を手にし、未だ到達されていない知恵の領域を手にしたい。中央に立つために……王になってみせる」
サキ/き、キューン!(笑) 今のはカッコ良かった!
GM/「それに君が召喚された理由は……僕を一族の王にしてくれるためなんじゃないのか」
サキ/意外そうな顔をして……ニヤリ。ほほう。良い、気に入ったわ。ならば妾の力、存分に主殿に尽くそうぞ。尻尾ブンブンバタバタ!(笑)
GM/「宜しく頼むぞ、ライダー。……そうだ、お前のことは何と呼べば良い?」
サキ/そうじゃのう……昔の国では妲己、日本では玉藻前だったが……なんでも其方が気に入る名で呼べば良いぞ。
GM/「では……そのままになってしまうが、『おサキ』はどうだ?」
サキ/おさき? ……なかなか、見た目の割には年寄りめいた言葉を使うのぉ。
GM/「そ、それは生まれ育った場所がだな……仕方ないんだ」 と、寺を見渡します。
サキ/だが気に入った。そのように呼ぶが良いぞ。
GM/では本拠地である、巧さんのお寺について説明されます。先程言った通り彼は≪旧き一族≫で、世界について研究している大きな家の、分家の生まれだそうです。みんな野心に燃えてて研究は盛ん。表の顔は、お坊さん、葬祭コンサルタントです。あと銀行と繋がっているらしい。
サキ/あ、こっちが≪+50黄金律≫を持ってるから?
GM/そう。召喚される英霊はマスターと似通うというけど、そういうところも関係するのかもね。研究をするにもお金がいる、でも分家の彼は特別大金持ちではない。彼は中央に立つために名声を持ち帰ろうとしていると話します。
サキ/頑張り屋だなぁ。……顎の辺りを指でつつっとなぞって、可愛いのぉって言います。
宗次郎/大人の色気を醸し出す!(笑)
GM/「……僕はお前の正体を知っている。まだ出会って30分しか経っていないが、既にお前の対策も練っているんだぞ」
ミズキ/ですよねー。王になった後は転落コースだもん。そうにはならないように一線おこうと思ってるのかな。
サキ/なんじゃ、妾は其方のものなのだから好きにして良いのじゃぞ。……おっぱいの谷間を見せます。
GM/見ないようにして、君から離れます。どうやら色恋い沙汰はちょっと苦手らしいよ。
サキ/ああ、そういう風にGMに指定したのは妾だ!(一同笑)
GM/「お前も知っての通り、まだ英霊は7体現界していない。だがおそらく2月になれば時が動き出す。それまで世界を知っておくといい。……だが、お前はどうやらこの世界をよく知っているようだな」
サキ/妾をなんと心得る。過去3度も優勝したのだぞ。
GM/びっくり。
サキ/過去の伝説を口にします! だから安心して其方は其方の王たる道を歩むがよい。王たる者に仕えるのが妾、九尾の狐の本質。そして其方を玉座まで導くのが妾の願いじゃ。
GM/「……そうか。ならば僕の勝利の道は約束された。その歩みを外すことなく僕は進む。どうか真っ直ぐ支えてくれ」
サキ/……。と、当然じゃ! 「支えてくれ」と言われたのでちょっと顔を赤くしてプイッ!
ファム/でも尻尾はブンブン!(笑)
ミズキ/誠実そうな男性ですよ、良い人ですよー(笑)
GM/ということで、森魚巧さんは1999年1月のことを君に話し始めるのでした。それではどうぞ、巧さんのキャラクターシートを君に差し上げます。(キャラクターシートをプレイヤーに渡す)
サキ/(キャラクターシートを見て)……ぶっ! ちょっ!? ライフパスが……!
ファム/え、どうした?
サキ/…………『特徴/床下手』(一同爆笑)
宗次郎/それはおサキさんがリードしてあげればいいんじゃない?
サキ/妾、≪堕落の訓え≫持ってないの。
ファム/案外ウブだった!(笑) 堕落させるんじゃなくてアゲてくんだもんね。
サキ/そうそう。相手が勝手に堕落していくだけで妾は悪くないもーん。
ファム/だめんず育成機だなぁ(笑)


 ●オープニングフェイズ/ミズキ 〜ランサー、召喚〜

GM/次はミズキさんのオープニング、いくよ。最初は女子分を補給して、後に男のオチにいく予定だから。
ファム/どうもー! 32歳だめんずでーす!
宗次郎/どうもー! 24歳DTでーす!(一同笑)
ミズキ/何かを召喚するような動きをしながら)う〜、女子〜。じょし〜。じょしせいぶんおりてこい〜。
GM/では、ミズキさんも美しい声と手によって導かれ、目を開けます。……なんか臭い。
ミズキ/う?
GM/下水道の中だ。
ミズキ/ええっ!? ま、まさか水を漂っている間にこんな所まで!?(笑)
GM/いや、水にどんぶらこって流れてないよ(笑) けど隣では下水道の水がざーざー。地下だから空は無くて暗い。でもちゃんと人避けと鼠避けの結界がしてある魔法陣の上。人が住むような所ではないけど一応清潔にはしてあるよ。
ミズキ/う、でも下水道……不潔!(笑) こんな所に居たくない! もっと水の綺麗な場所で召喚されたかったわ!
GM/そんな悪印象な場所だけど、君の目の前には男性が立っている。
ミズキ/あ、マスター?
GM/明るい茶髪、茶色の目。鼻が高く、背もスラリと高い。そして「やったぁ成功! キミがボクのサーヴァントに間違いないね!?」と元気な声。
ミズキ/ま、間違いないけど……。
GM/「よっしゃあ! 女の子キター!」(一同笑)
ミズキ/あたしは男マスターで残念よ!(笑)
GM/ミズキさん、君の外見を教えてください。
ミズキ/うーんと……黒髪で、目は青く、衣装も水色のロングワンピース。裾はシースルーで水っぽい感じ。乳は……少々
宗次郎/ささやかな胸(笑) 妖精ってことですらーってしてるイメージだね。
ファム/一方、九尾の狐は妖怪様のボンキュボーン。良い対比だ。
GM/では男性は言う。「なんと美しきフェアリー! どこのシルフィだい!?」(一同爆笑)
ミズキ/あ、えーと……水のウンディーネと申します。
GM/「ナルホド! そっかぁこれも運命だなぁ! ボクって海生まれだから!(一同笑) 開催地が日本だからさぁ、家を借りるの若いボクにはタイヘンで!」
ミズキ/でもこんな下水道で召喚しなくてもいいじゃない!(笑) ……っていうか日本? ここ、極東の国?
GM/「おおっと無知で無垢な可憐な美少女!? カワイイ女の子をボク好みに教育なんてまるで日本のゲームみたいだねぇ!」
ミズキ/ゾワァッ!(笑)
GM/「こんなカワイイ女の子のキミが英霊なんてボク信じられないよ! で、キミは何のサーヴァントなんだい?」
ミズキ/……水でボワッと槍を作ります。
GM/「ランサーかい。……セイバーが欲しかったんだけどなぁ」
ミズキ/刺すわよ。……あたしに不服なの?
GM/「まさか。美しくか弱そうな体でもこの戦場に喚ばれるほどの力を持っている。だろう? キミとボクは一心同体! 仲良く勝ち残っていこうじゃないか!」 握手をしようとします。
ミズキ/……あたし、男性不信なの。
GM/「なんだってぇ」
ミズキ/あたしは……水の精霊だから。人間じゃないから人の心が無いの。でも、人間の心に憧れてるの。そのことを昔、お父さんに言ったら「人間と結婚すれば手に入れられる」と教えてもらったの。だから……。
GM/「じゃあまずボクと結婚しよう」
ミズキ/いきなりしない!(笑) あたしは何度も人間の男と付き合ってきたわ。でも、最後は夫を殺してきたの。
GM/「ナイスボート。今の流行りだね」
ミズキ/流行りなの!?(笑) あたし、時代に追いついたの!?
ファム/……いや、時代がフーケに追いついたんだよ(笑)
GM/「じゃあ、『理想の旦那さんを手に入れる』っていうのがキミの願い?」
ミズキ/違うわ。もう愛なんてあたしにはいらない。何度も男性には裏切られたから、人の心だけ欲しいの。
GM/「それは楽しくないよ。人はやっぱ恋に生きなきゃ!」
ミズキ/……結界の端っこでフーッて威嚇します!(笑)
GM/「おっと、自己紹介がまだだったね! ボクの名前はルキーノ=アリエーテ! ルッキーって呼んでもいいよ! 出身国はイタリアで……」
ミズキ/それっぽーい!(笑) イタリア男、ナンパ男か……。
GM/超早口でベラベラと)「こんな所で召喚させちゃったのは悪いと思ってるよ! なかなかベストな召喚スペースが無くってねぇ、聖杯戦争の為に日本には3回事前旅行したんだけど見付からなくて! でも少し頼れる男になってるからエスコートしてあげるよ! まったく、日本は良い国なんだけどねぇ。まあボクの祖国には負けるけど!」
ファム/……なんだ、その「ママの作ったパスタが一番おいしい」って言いそうなキャラは!? お前なんか砂漠でパスタでも茹でてろ!(一同笑)
ミズキ/ま、まあ……あたしのマスターになられたんだし、宜しくお願いします。
GM/「まさかこんなにカワイイ子が出てくるとはね! 下水道で寝泊まりさせるなんて出来ないや。よし、キレイなホテルにでも行こう!」
ミズキ/この臭いさえなんとかなればあたしはどこでも平気です!
GM/キレイなホテル行こう!
ミズキ/人の話を聞けッ!(一同笑)
GM/下水道から地上に出ます。「今は涼しい時期だからね、ワンピース一枚じゃ可哀想だ。ボクのマフラーを巻いてあげる!」
ミズキ/……。なんだろ、この人(笑)
GM/ではミズキさんにルキーノのキャラクターシートを渡しますね。
ミズキ/(キャラクターシートを見て)……あの、ライフパスが……巧さんとは逆に『特徴/床上手』って書いてあるんですけど(一同爆笑)
GM/だってみっこにメールで「どんなマスターがいい?」って訊いたとき「ナンパ系がいい」って返信きたんだもん。こういうキャラになるさ。
サキ/巧さんとは対極なマスターになったんだね(笑)


 ●オープニングフェイズ/ファム 〜アーチャー、召喚〜

GM/次に、ファントムのオープニングにいきます。既にファントムのマスターは設定があるので、ユウに確認を取りながらしていきましょう。
ファム/宜しくお願いします。
GM/確認だけど、ファントムのマスターはイギリス人でいいですか? イギリスに勉強していた盟ちゃんのお母さんのお師匠様なんだから、本場の国の人だと思うんだけど。
ミズキ/イギリスの魔術師って、本場のエリートって感じですね。
ファム/どうぞそれでお願いします! ……ちなみにファントムはフランス人です。イギリス人とフランス人で仲が悪いぜー!(笑)
GM/ではオープニングにいきましょう。君は美しい女性の手を取り……。
ファム/誰かと勘違いしたのか、ガッと縋りつくように無言で手を取ります。
サキ/おおう。……面接が終わった聖杯様が手を洗いながら「ネイル、剥げちゃった……」(一同笑)
宗次郎/(聖杯様になって)「やっだー、爪食い込んだー。超アトついてるー」(笑)
GM/君が目を覚ますとそこは洋館。けど自分の時代にあった情緒溢れる古めかしい造りではなく、それを真似た建物……日本で造られたとある洋館だ。
ファム/(ボソッと渋い声で)……こんな偽物に身を置くとは。ここの主の気が知れぬな。
GM/(いきなり低い声で現れ)「ちゃちな場所で召喚してしまったのは天下の英霊殿に申し訳無い事をした。しかし勘違いしないでくれたまえ、此処は我輩の城ではない」
サキ/……一人称が、我輩!?(笑)
GM/高圧的態度を醸し出すお年を召した男性が、ファムさんの目の前に立っています。「その紛い物の注文に応じてしまった貴様は何だ、贋作の英霊なのか? 本物の英霊殿で間違いあるまいな」
ファム/さぁな。自分の状況もよく判らん中で喋るとでも思ったか。……GM、情報ください!(笑)
GM/その前に、君の外見情報をください。
ファム/顔半分が焼け爛れています。仮面は……現代社会だと浮くので、長い黒髪で半分顔を隠しています。横から見ると美形、反対から見ると醜悪という男性で、黒ずくめな格好をしています。
GM/一方マスターは、どれも一級品の高そうなスーツと装飾品を身に付け、いかにもプライド高そうな面立ちの初老の男性です。「その辛気くさい格好を見ると、貴様、アサシンか?」
ファム/仕事で殺しはしない。……この男からは自分と同じ匂いがする。同族嫌悪します。
サキ/お前ら、仲良くなれるよ(笑)
GM/「我輩の名は、ジェイク=ヴァッサーマン。魔術の探求をしている者」と、職業魔術師であると言います。綺麗な英語でね。
ファム/なんだコイツ、喋りからしてイギリス人か……紅茶でも飲んでろ!(笑)
GM/「さあ、正体は何か話してくれるかな。我輩の真名、素性まで話したのだから貴様の番だ。話してくれるよな、男だろう?」
ファム/ふん。名乗る程のものでもない。私はファントム。……名など無い。
GM/「……オペラ座の怪人? 貴様、戦えるのか?」
ファム/知らないな。何故呼ばれたのか判らない。お前、腕が悪いんじゃないか?
GM/「だが貪欲に願いを欲する姿だけは想像できる。成程、意地汚いところが聖杯に好かれたか」
ファム/聖杯に呼ばれたのも今回が初めてだ。死んでからな、と言います。……お前、なにが目的だ。
GM/「我輩の目的か? 話しておいて損はない、話しておこう。我輩は……愛を手に入れるために聖杯を求める」
ファム/愛? ハハハ……! 乾いた笑いをします。
GM/「笑われても仕方ないとは判っておるわ。……だが愛を、魔法の力を駆使して手にしたいと考えておる。それほどに、我輩は狂っておるぞ」
ファム/愛に狂うだと? ……良い! 気に入った! お前の願い、叶えてやろう! だが私が関わるんだ、順当に進むとは思うなよ……。
サキ/おお……カッコイイ2人だなぁ(笑)
GM/ジェイクは、とある洋館を借りて生活をしていること、権威を持っている高名な魔術師であることなどを話します。「まだ聖杯戦争は始まっていない。だから目立ったことをするんじゃないぞ。……まあ、勝利するためなら仕方ないことはいくらでもあるがな」
ファム/……そうでもしなきゃ、愛など手に入らないさ。
GM/では、ジェイクのキャラクターシートをファントムに渡しておきますね。
ファム/(キャラクターシートを見て)……あの、ライフパス……。
宗次郎/今度は何?
ファム/…………『特徴/カレー好きである』(一同爆笑) おおいGMぅ!?
GM/出目で決めました。
ファム/へいジェイク! カレー粉かければ何でも美味くなると思うなよこのイギリス人! もしや3食カレーを食べさせられることになるのか!? まだ3食スコーンの方が害無いわ!(一同爆笑)