アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 小さな友人の頼み事 』 1ページ ■
2014年1月25日




 ●プリプレイ

コトイ(以降、GM)/はい、『アナザーワールドSRS』セッションを始めていこうと思います。
一同/よろしくお願いしまーす!
プレイヤー2・マーサー/わーい、セッションだー! ハンドアウトだー!
GM/という訳で、まずはハンドアウトを配らせていただきます。ハンドアウトが読み終わったら、私にチョコレートをください。
プレイヤー1・すずか/ええっ!? 私、チョコレートを持ってきてない!
プレイヤー4・しゅうら/今すぐ買いに行かなきゃ!(笑)



 アナザーワールドSRS シナリオ『小さな友人の頼み事』



【レギュレーション】
 『3版+』ルールを使用。キャラクターレベル5で開始。
 全員知り合い設定である。NPC2とはPC1以外は全員知り合い。PC1は顔見知り程度。年齢は中学生以上。性別はそれぞれ自由に決めてよい。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:高松 あおい  関係:??  推奨クラス:闘士 or 狂戦士 or 世界遣い

 目の前に幼い子どもがいる。必死に走ってきた様子で、子どもは君に縋り付いた。
 「お願い助けて! 今日殺されちゃう!」
 あれ? この子は確か、一週間前くらいにNPC2と一緒にいた子だったはず……?
▼NPC1:高松 あおい(たかまつ・あおい)
 突然PC1に助けを求めてくる小学校低学年くらいの子ども。どうやら一般人らしい。
 前の世界で殺され『金色の髪のお兄さん』に時間を撒き戻してもらったという。
 君の知り合いではないが、君に縋って離れようとしない。性別はPC1と逆であること。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:針生 紫雨  関係:友情  推奨クラス:特になし

 昔からの付き合いの仲間がいる。同じエージェントであるNPC2は、3年前、異端に家族を殺されショックで心を壊し入院していたが、半年ほど前から生気を取り戻しつつあった。
 半年前に何があったか教えてくれないが、なんとなく悪い出来事ではなかったのだろうと感じている。
 教えてくれないことに少しだけ寂しさを覚えつつ、NPC2と付き合いを続けてきた。
 ……ところが、今日は何故か連絡が取れない。どうしたのだろうか、考え過ぎか?
▼NPC2:針生 紫雨(はりゅう・しぐれ)
 性別はNPC1の逆であること。性格は穏やかで優しく、真面目。とても家族思い。PC2とはエージェントになりたての頃からの付き合い。
 30歳ぐらいの大人で、既婚者。3年前に任務で家族を死亡させてしまい、そのときに右足も失って現在は義足を着用。
 精神的ショックで心身ともに弱っているため、長時間の外出や運動はできない。外出時は杖をついて歩くか、車椅子に乗る。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:異端『悪食』  関係:敵対  推奨クラス:聖職者 or 処刑人

 休日の朝、高坂から呼び出された。
 「最近、S市で『悪食』と呼ばれる異端の魔力反応が出ている。3年前から教会が追っている強敵だ。
 別のエージェントが行方を追っているから、皆には注意喚起を促している。非常に危ない異端だから、目撃しても無理に戦おうとするな、ってな」
 高坂はそう言い含めた。真剣な、それでも心配そうな様子で。
▼NPC3:異端『悪食』
 3年前、NPC2の家族を殺し、そのまま逃亡した異端犯罪者。人を喰らい、その人の記憶や能力ごとすべて奪い取る。
 教会のエージェントが追っていたが、1週間ほど前、S市で魔力反応が感知された。

【ハンドアウト:PC4】
 ハンドアウトパターン2か3と共有する。
 PC2の場合、NPC2と共通の友人がいた。
 PC3の場合、PC3と一緒に任務の話を聞く。

プレイヤー1・すずか/キャー!? 『金髪のお兄さん』の方だー! ヤバイー!?(笑)
プレイヤー2・マーサー/本当だ! ルージィルさんが登場する! ……いや、まだルージィルさんと決まった訳じゃない!
プレイヤー1・すずか/そう! 鬼龍院 翔かもしれない!
プレイヤー3・水波/それが出てきたらどうしよう!?(一同爆笑)
プレイヤー2・マーサー/おー、ハンドアウトに高坂が登場してるー。コトイ先輩が演じる高坂はカッコイイんだよー。
プレイヤー4・しゅうら/わーい、高坂さんのファンになろうー! 私はチョコレートを摂取した高坂さんが欲しい!(笑)
プレイヤー3・水波/ああ、高坂さんはチョコレートが好きですもんね! バレンタインなんてチョコを貰い放題じゃないですか?
プレイヤー2・マーサー/チョコを好物設定にしているとね、子供相手でも大人相手でもキャラロールがやりやすいんだよ……(笑)
プレイヤー1・すずか/……私の知っている高坂は、柄杓で紅茶を飲まされている高坂さんか、思ったより若かった高坂さんのどっちです。
プレイヤー2・マーサー/どっちもしゅうらちゃんの被害者じゃないか。
プレイヤー4・しゅうら/ですね! 私が高坂さんに柄杓でお茶を飲ませましたし、思ったより若い高坂さんを踏みました! 今日は何ができるかな!?(一同笑)
GM/さて、PCの年齢の指定ですが……みんな中学生以上でお願いします。NPC2はPC達と顔見知り設定だといいですね。
プレイヤー4・しゅうら/はーい。どうしようかなー。どのハンドアウトも捨てがたいなー。
プレイヤー1・すずか/あの、GM。「NPC2の性別がNPC1と逆であること」とありますが、これって大事です?
GM/ええ、大事です。逆の方が私が楽しい。
プレイヤー1・すずか/確かにそれは大事だ!(笑)

プレイヤー1・すずか/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・マーサー/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・水波/PC3ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・しゅうら/PC3ハンドアウトを選択。

GM/それでは改めまして、キャラクターの自己紹介をお願いします。PC1からどうぞ。
プレイヤー1・すずか/チョコプリンが美味しい。
プレイヤー3・水波/キャラメ中にコンビニへチョコを買いに行ったからね!(一同笑)
プレイヤー1・すずか(以降、実)/PC1のキャラクター名は、牧 実(まき・みのり)。クラス編成は[魔術師2/闘士3]の、女性の24歳です。職業は、地味な方の探偵です。
プレイヤー4・しゅうら/浮気調査とか?
プレイヤー2・マーサー/猫探しとかする方?
プレイヤー4・しゅうら/家出人探しで32時間の張り込みする方。『重要キーワード:権力』……あまり力が無い、ごく普通の探偵です。そしてライフパス『背景:伝説を持っている』。
プレイヤー3・水波/伝説?
実/昔はちょっと名の知れた喧嘩っ早い人でした。
プレイヤー2・マーサー/可愛い、そっちの伝説なんだ(笑)
実/『ライフパス/特徴』は「探し屋をやっている。そのときの縁があって高坂さんとはお世話になっています。身長はとても高く180センチぐらいあって、威圧感があります。だからつい猫背になったり、髪で目を隠しちゃったりする。
プレイヤー4・しゅうら/おー、女の人なのに大きい! よじ登ります!
実/見た目がでかいだけで、性格は物静かだよ(笑) なので……子供にビビられるのが常です。なので寄ってくるNPC1が超可愛いって接します!
プレイヤー3・水波/確かに、それなら可愛がっちゃうね(笑)
プレイヤー2・マーサー/常日頃から子供に「巨人こえー!」って言われていたのに、大喜びだ(笑)
実/教会に積極的に関わっていない、ただの街の人をイメージしました。堅実な作りのキャラでいきますー。

 牧 実(プレイヤー名:すずか)
 クラス:[魔術師2/闘士3]
  体力:15(+5)  反射: 9(+3)  知覚:12(+4)
  理知:16(+5)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:34  MP最大値:25
重要キーワード:権力  背景:伝説を持っている  特徴:探し屋をやっている
ボーナス効果:ダイス振り直し  スキルウェポンのイメージ:二刀流のナイフ
職業:探偵  性別:女  年齢:24  身長:とても高い  髪色:黒  瞳色:黒
 スキルウェポン→≪魔法剣≫
 魔術師→≪魔法のローブ≫ ≪本のクチ≫
 闘士→≪撃滅≫ ≪戦乙女の知恵≫ ≪鳥躍≫ ≪浸蝕≫ ≪希望の勇姿≫ ≪命の糧≫
 一般特技→≪強化手術:体力≫ ≪強化手術:理知≫

プレイヤー2・マーサー(以降、緋呂希)/キャラクター名は、堺 緋呂希(さかい・ひろき)です。年齢は22歳、大学4年生です。内定が決まって今のうちに遊んでおこうと思っているフリーダムな男子です!
実/遊びどきですね。
緋呂希/クラスは、[狂戦士3/霊媒師1/聖職者1]です。ポイントは、【体力基本値】が19で、【意志基本値】が21!
実/化け物だ!(笑)
緋呂希/そのかわり、頭が悪く! 運が悪いです! どっちも1です!
プレイヤー4・しゅうら/ほ、本当だ! 凄い能力値だ!(笑)
緋呂希/そのせいか、『背景:床上手』で『ボーナス効果:情報収集常に+2』だけど『特徴:恋愛オンチである』です!
実/……君は、いつか刺されるよ(笑)
プレイヤー3・水波/う、うんうん……(笑)
緋呂希/男の傷は勲章! 一生懸命に生きています! これでも[聖職者]なんで人のため、愛のために生きるんじゃないかなプフー。
実/言い切る前に笑っちゃった(笑)

 堺 緋呂希(プレイヤー名:マーサー)
 クラス:[狂戦士3/霊媒師1/聖職者1]
  体力:19(+6)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 3(+1)  意志:21(+7)  幸運: 3(+1)
  HP最大値:39  MP最大値:30
重要キーワード:真理  背景:床上手  特徴:恋愛オンチである
ボーナス効果:情報収集常に+2  スキルウェポンのイメージ:サラマンダーを召喚して腕に纏って殴る
職業:大学4年生  性別:男  年齢:22  身長:175cm  髪色:茶  瞳色:黒
 スキルウェポン→≪蒼の衝撃≫
 狂戦士→≪会心の一撃≫ ≪特攻≫ ≪心神解放≫ ≪単一化1・2≫ ≪狂舞≫ ≪戦神の巣≫
 霊媒師→≪守護するもの≫
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪母の腕≫

プレイヤー3・水波(以降、宵佑)/キャラクター名は、西野入 宵佑(にしのいり・しょうすけ)です。平凡で世話好きな、タクシー運転手です。
緋呂希/タクシー運転手とは珍しい職業のPCだ。話の聞き上手って感じ。
宵佑/でも……「あの人って凄く良い人だったね。でもどんな顔か覚えてない!」と言われそうな人です(笑)
プレイヤー4・しゅうら/切ない! 運ちゃんって面白そうな職業だなー。
宵佑/S市に居る人だったら、タクシーに乗せたことあるかもですね。
プレイヤー4・しゅうら/運ちゃん! 学校まで連れていって!
宵佑/さすがにそれは自分で行った方が良いんじゃないかな。今はガソリン代も高いんだぞ。……魔術師の家に生まれたけど、反抗して狩人になりました。平凡な自分は嫌だ! でも結局平凡になってしまった。
実/それは、反抗なのか……?
GM/か、可愛いな(笑)
実/なんか……タクシーのお客さんに自分の人生をボカして語っていそう(笑)
宵佑/そうかも(笑) 高坂さんと気が合いそうな男性かも。≪痕跡発見≫を取得しているので、車という足を生かして探し者は得意。車で地道に探します。
緋呂希/車がアイデンティティに使えるPCか、良いな〜。
宵佑/あ、実さんは身長180センチだよね? 宵佑は身長179センチにしました。
実/もっと上げてもいいんだよ!?(笑)

 西野入 宵佑(プレイヤー名:水波)
 クラス:[魔術師4/狩人1]
  体力:10(+3)  反射: 8(+2)  知覚:13(+4)
  理知:15(+5)  意志:18(+6)  幸運:12(+4)
  HP最大値:20  MP最大値:32
重要キーワード:一族  背景:平凡  特徴:探し屋をやっている
ボーナス効果:?  スキルウェポンのイメージ:弓矢
職業:タクシードライバー  性別:男  年齢:32  身長:179cm  髪色:黒  瞳色:黒
 スキルウェポン→≪幻の射撃≫
 魔術師→≪タナトスの足枷≫ ≪法則拡大≫ ≪幻惑の衣≫ ≪魔法のローブ≫
 狩人→≪覇魔矢≫ ≪弱点把握≫ ≪狩人の心得≫ ≪射法訓≫ ≪痕跡発見≫

プレイヤー4・しゅうら(以降、薫子)/薫子です! 高坂 薫子(たかさか・かこ)です!
GM/た、高坂?(笑)
薫子/高坂さんと結婚しました!
GM/したの……?
薫子/……と、言い張っているだけの女の子の10歳です! 名字が同じなのは単なる偶然、それでも薫子は高坂さんが好きです!
緋呂希/可愛いー! そんなの邪険にできない!(笑)
薫子/職業はもちろん小学4年生! 後ろには黒いランドセルを背負ってます!
実/おっ、黒ランドセルだ。
薫子/学校の制服の上に白衣を着ています! シスターっぽいでしょ!?
実/シスター、とは!?(笑)
薫子/小学生の間違った知識を前面に押し出しました。
GM/誰からの入れ知恵だよ(笑)
薫子/ルカちゃんからです。
実/(←ルカの中の人)「えー、なんか白いのでも着ておけばシスターっぽいよ。白衣? いいんじゃない?」
宵佑/なんか違う!(笑)
薫子/違うけどイケるイケる! クラス配分は[感応力師4/領域遣い1]です。回復をしたり、ダメージ軽減をしたり、≪大地の守護者≫で「HP0じゃー!」ができます!
実/……「HP0じゃ」?
薫子/……間違いました、「ダメージ0じゃ」です(一同笑) あとはGMにゴリ押しして≪掌の君≫を取りました! エキストラを能力者に覚醒させたりするらしいよ!
GM/えー……えー、えーと……どうしようかな(笑)
薫子/≪過去視≫と≪最奥の記憶≫と≪シンパシー≫で探し物が得意で、みんなの過去を見ることができるよ! 実さんに凄く引っ付いたりします!
緋呂希/探偵という、探し物のプロだからね。
実/何もそれっぽい特技を持ってないけどね。
緋呂希/俺だって≪守護するもの≫を使って捜索するもん!
薫子/薫子の方が先に猫を見つけたもんー!
GM/……なんかそこ、無駄にどっちが探したんだって張り合ってそう(笑)
実/探偵的にはみんな探し物が得意なのはありがたいな。後でファミレスで奢ってやろう(笑)
薫子/やったー! ココスに行きたいー! 薫子はハンバーグがいいー! ……宵佑さんには学校まで車で送ってもらいます!
宵佑/うん、それぐらいは自分で歩こうね。
薫子/緋呂希さんには背中に引っ付きムシを投げます!
緋呂希/おわっ!? 洗濯するとき大変になるやつだ!
実/薫子ちゃん。あのお兄さん、駅前で女の人を泣かせていた悪い人だよ。
薫子/うわー! 破廉恥だー! 酒池肉林ー!
GM/難しい言葉をいっぱい知ってそうな小学生だなぁ……(笑)

 高坂 薫子(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[感応力師4/領域遣い1]
  体力: 9(+3)  反射:12(+4)  知覚:10(+3)
  理知:15(+5)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:18  MP最大値:30
重要キーワード:妄想  背景:事件に首を突っ込むのが好き  特徴:優等生である
ボーナス効果:特技取得  スキルウェポンのイメージ:懐中電灯とかホースとか七つ道具
職業:小学4年生  性別:女  年齢:10  身長:134cm  髪色:黒  瞳色:黒
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪空間知識≫ ≪肉体復元≫ ≪超復元≫ ≪念動障壁・改≫ ≪過去視≫ ≪最奥の記憶≫ ≪シンパシー≫ ≪掌の君≫
 領域遣い→≪彼方の音≫ ≪原子の楼閣≫ ≪大地の守護者≫ ≪知恵の分身≫
 一般特技→≪興奮剤≫

GM/NPCが2人いるのでご紹介しておきます。NPC1は、高松 あおい。PC1さん、性別はどうする?
実/男の子でお願いします。
GM/はい。薫子ちゃんとは、小学校は別です。知り合いではない設定です。
実/ふむふむ、同い年だからすぐ友達になろう!
GM/NPC2は、針生 紫雨。PC2さん、性別は?
緋呂希/紫雨姉さん、女性でお願いします。
GM/NPC2は、薫子ちゃんとは……年齢的に会ったことがないかも。PC1もあまり関わりは無いかな?
実/多少、話を聞いたことがある程度ですかね。
GM/その代わり、緋呂希くんと宵佑さんは知り合いでお願いします。それでは始めていきたいと思います。


 ●マスターシーン 〜衝撃〜

GM/それではまず最初に、マスターシーンから入りたいと思います。

 ――そこは、地獄といってもよかった。
 繁華街の一角にあるビルが破壊され、瓦礫が至る所に散らばっている。
 炎も上がっていた。周りからは救急車や消防車の音。

 そして……教会の者らしき人物がいた。焼け崩れたアスファルトの上、血に塗れた人物。全身がボロボロになり、且つその人は右足から先が無かった。
 血を流しながら、ずりずり、腕の力だけでずりずり、必死にどこかへ行こうとしていた。
 手を伸ばす先に二つの影……いや、それは残骸。肉片。ばらばらの姿。人の腕らしきもの。人の腸らしきもの。人の髪らしきもの。
 まるで、野生動物に食い荒らされたかのような、残骸……人影は手を伸ばし、届かず、動かず……。

「っあ……あ゛、あぁ……あぁ……!」

 匍匐前進をしながら、右足の無い人は子供のように泣き崩れた。

「あっ、……はぁ……っ、ぐ……う、ああ……っ……ひっ……。
 ……さつき……っ……ゆえぇ! っ、嘘、だ……! やめて、やめてぇ……やめて……!
 っぅ……おねがい……目を覚まして……嫌だあぁぁ……っはは……あああああああ……!」

 泣く。

「っひ……っく……嘘だ、こんなの……!悲劇だなんて認めない! っうぅ……予定調和だなんて認めない」
 ……お願い、ここに来て! 龍の聖剣!」

 慟哭する人の影に、望んだ存在はいつまで経っても現れることはない。

 次の日のこと、新聞の片面にとある記事が載っている。
 繁華街の雑ビルでガス爆発、ビルは倒壊、建物に多大な被害を生んだ。人的な被害は2件だけだった。
 時間帯が深夜だったこともあり、たまたまその近くを通りがかっていた親子2人だけが死亡。あとは怪我人などが出ただけ。
 原因は、地下を通るガス管が爆発したためだ。警察はビル管理者を、定期メンテナンスを行った業務上過失致死として逮捕することになる。
 この事件が表向きそのように処理されたこと、それを知るのは一部の人間のみである。




 アナザーワールドSRS『小さな友人の頼み事』



 ●オープニングフェイズ1

GM/ではまず、トップバッターはPC2の緋呂希。
緋呂希/はい! 行きます! NPCに優しくしよう!
宵佑/行ってらっしゃい!
薫子/イケメン行ってらっしゃい!
GM/本編から2年9ヶ月前の話、マスターシーン後だね。貴方は病院へお見舞いに訪れていた。
緋呂希/見舞〜い……見舞〜い……。
宵佑/見舞いの擬音とは?(笑)
GM/病院のセッションでお馴染みの古川財閥所属S市の病院ですね。で、貴方は何でお見舞いに来ていたかって? そんなの分かってるでしょ?
緋呂希/はいぃ……針生 紫雨さんの見舞いです。ここでチャラけたら俺は人としてちょっと駄目だと思う! しっかり行きます!
GM/針生 紫雨は貴方の知り合いのエージェント。昔からの仲間で、よく一緒に活動してました。けど2年9ヶ月前、約2年前……心を壊してしまって、病院に入院しておりました。詳しい事情は、「教会の任務だったらしいからぐらいしか」貴方は知らない。
緋呂希/もう教会の任務だったらしいから、の一言で「察し……!」ですね。
GM/まあ話せないっていうのもあるしね、守秘義務もあるんで。
緋呂希/そこら辺は分かってるので聞かない方向かな。でもね……。
GM/でもね〜。それを知っていた時雨とその伴侶……旦那様だね。そして子供、2人とも亡くなってしまった。それで、紫雨自身も右足が無くなってしまった。
薫子/おお……嘆かわしい……。
GM/そして犯人は捕まっていない。
実/捕まってないんですね。
GM/うん。事件自体は雑居ビルのガス爆発としてそれなりに世間を騒がせていましたが、今では「そういえばそんな事故もあったね〜」の認識になっています。ところが針生 紫雨は心を壊してしまい、精神状態も危うく、後追い自殺あるいは、異端になる可能性もあった。なので表向きは入院として病院に隔離されておりました。
緋呂希/見舞いが出来る状態に戻った、というのを、聞いて……俺は、行く! そう! なう!
GM/貴方の脳裏に過ぎるのはセッションの……ややこしいけど、本編から半年前だから、今の3ヶ月前ね。病院を一旦抜け出して、大きな騒ぎになったことがある。で、1日経ってひょっこり戻ってきた後から、紫雨はだんだん回復してきたと。で、見舞いに行けるようになったよ!
緋呂希/あんなことがあったけれども、やっと面会が出来るようになるくらい回復した……俺は行く!
GM/半年前まで塞ぎ込んでたんだけど、半年前になんか不思議なことが起きたらしくてなんかだんだん回復してきたね。っていうことで、リハビリ室かな。貴方は何かお見舞いの品を持っているんでしょうか?
緋呂希/メロンを。
実/メロン!? いいもん持ってきてんな。
薫子/奮発した〜!(笑)
緋呂希/アンデスメロンをちょっと抱えてきますよ。箱で。
GM/お見舞いは初めて? それともお見舞いを何回かやっている?
緋呂希/面会が許可が出た初日に行きます。
GM/了解しました。今日は面会許可の初日でございます。すっげー久しぶりに会うね!
緋呂希/めっちゃ久々ですよ! ちょっと怯えてますよ、「大丈夫かな〜、覚えててくれるかな〜」って。針生さんってどちらにいらっしゃいますか?
GM/リハビリ室に。リハビリ室に行くと、車椅子に乗った妙齢の女性が出てきて廊下を歩いてくるところです。
緋呂希/針生さん! 声を掛けますね。
GM/「緋呂希くん?」
緋呂希/覚えててくれましたか〜!? お元気ですか。お見舞いに来たんですよ、お見舞いが出来るくらい回復したってこと聞きましたんで。ほら好青年ですからこれくらいのことしないと!
GM/その冗談には笑おうか。「久しぶり。まさか来てくれるとは思わなかった」
緋呂希/メロンを持ってきたんでそれなりのことはしますよ! 本当に元気になったんですね! 初日からめんどくさい奴が来ちゃってすいません!
GM/「とんでもない。嬉しい」 貴方にすっと寄って行って、手をそっと掴む。
緋呂希/ワァオ!
GM/「緋呂希くんは元気だった?」
緋呂希/いやーもう、こっちは……やっと内定が出まして。大学4年生ですからね。
GM/「まあ! おめでとう〜! そう……もう就職の時期だったのね。随分とまあ色男になっちゃってー!」
緋呂希/色男なのは必然ですけども! 親もそこそこダンディな家系ですから? メロン持って来たんで好き勝手食ってくださいよ! もうバリムシャやってくれていいんで!
薫子/皮ごと!?(笑)
GM/「ありがとう。ねえ、時間ある? 良かったら話さない?」
緋呂希/ええ! 話してくれるんだったらこっちも色々話ありますよ!
GM/じゃあ病室に行きましょう。リハビリ疲れで「はあ……」と溜息を吐きながら、車椅子でよいしょよいしょと病室に。
緋呂希/毎日大変ですよね、リハビリって。
GM/「情けないものね。体力がついていかない。長く外に出ると疲れてしまうの」
緋呂希/大怪我したんですからしょうがないですよ。それでいきなり腕がニョキーとか出てくる方がおかしいですから!
GM/くすくす笑おうか。
緋呂希/それで……失ったのは足ですよね、確か。義足とかつけてるんですか?
GM//「今はそれの練習をしているの。義足をつけて、杖でも歩けるように」
緋呂希/ゆっくりでいいんで、リハビリ頑張ってください。
GM/「あたしが復帰するころには緋呂希くんはもう卒業してるかもね」
緋呂希/色男に会いたいならいつでも呼んでくださいね。……俺、旦那さんのお名前って知ってますか?
GM/旦那さんのお名前知ってる。多分惚気とかもあったんだろうね。旦那さんは「さつき」です。息子の名前は「ゆえ」です。
緋呂希/……ここに来る前にさつきさん達にもご挨拶してきました。
GM/それを聞いてちょっと寂しそうに、一瞬息を詰めて、「ありがとう」って言いましょう。
緋呂希/ちゃんと挨拶したら、もしかしたらさつきさんから声を掛けてくれるかもしれませんし。[霊媒師]なので言います。
GM/「そう……ね。緋呂希くんは霊媒師だもんね」 普通にお墓に挨拶しに行ったのかな。
緋呂希/お墓です。
GM/「2人は……いなかった?」
緋呂希/会えなかったということを伝えます。紫雨さんが元気になって色んな所を回れるようになったら、俺が足になります。どうぞ言ってください。免許ももう取ってありますから。
GM/「緋呂希くんほんっと、女の人の扱いが上手くなったわね。こんなおばさんに付き合う必要はないのよ」
緋呂希/こんなガキンチョにこうやって付き合ってくれるんだから、今後もまた来ますよ。
GM/「一個だけ変な質問していいかしら?」
緋呂希/なんすか?
GM/「あの……あのね。ブリオッシュって何?」
緋呂希/ブリオッシュ?
薫子/フランスではパンとして見なされているお菓子だよね。カロリーが高いものです。
GM/紫雨は横文字が苦手なんです。「あのね、最近知り合いになった人がいて。その子が食べたいって言うのだけど、分かんないのよ。ブリオッシュって3年の間にできた?」
緋呂希/えー、まあ……最近聞くようになったのは確かですけれども。スマホを取り出して一応その写真を見せます。
GM/「あ〜……パンなの?」
緋呂希/なんなら買ってきましょうか?
GM/「えっ! 駅前に美味しいお店が出来たって聞いてるわ」
緋呂希/イキのいいヤツ買ってきますんで! ……あぁ〜可愛いなぁこの女は!
実/ダメっぽいことを聞いたぞ(笑)
GM/「……マカロンって何?」
緋呂希/マカロンも!? マカロンも知らないんすか!?
宵佑/あー、マカロンも結構最近のものか(笑)
緋呂希/今度持ってきますね! それとももう外とか出られます? デートの予約しときますんで、忘れないで覚えておいてくださいね?
GM/「デートだなんて面白いこと言うのね。ありがとう、私を元気づけてくれて」
緋呂希/元気づけるために見舞いに来たんですからねぇ!
GM/外に行くのがまだ大変なので、お店には行こうっていう約束をして、でもまだ行けない感じ。そうやってのんびりのんびり3ヶ月……セッション当日になります。
緋呂希/来年でも再来年でもゆっくりリハビリの糧になればいいな。……そうして本日1月25日。今日はあったけーな、雪が降らなくて良かった! センター試験とかでビービー泣いてる人もいたかもね!
薫子/タクシーが儲かりますねえ!
宵佑/儲かりました、はい(笑)
GM/少し前、「1月25日に土曜日がちょうど休日だから一緒に外で会わない?」って誘われました。
緋呂希/おお、ついに! 土曜はバイトがあったけど空けよう空けよう!
GM/「あのね、緋呂希くんに紹介したい子がいるの。私の小さなボーイフレンド」
緋呂希/ボーイフレンド?
GM/「色んなことを知ってるから緋呂希くんに会わせてあげたいなって」
緋呂希/そいつに負けないように俺もおめかししてきますね。えっと、病院前とかですかね?
GM/看護師さんに「針生さんなら随分前に外出したけれど」と言われます。入れ違いになっちゃったのかしら。
緋呂希/すぐに連絡を取りますよ。スマホを……ほい!
GM/現在お掛けになった電話番号は電波が届かない所にあるか、電源が入っていない場合分かりません。
緋呂希/メール! 返信は?
GM/無い。そんなときプルルルル……と電話が。高坂です。
宵佑/間の悪い!(笑)
緋呂希/ちょっと期待したよ!?(笑) ああはい、うぃーす! うーす! へいへい!
GM/(高坂になって)「なんか……ずいぶん不機嫌だな?」
緋呂希/今『高坂さ〜ん!』とかいう気分じゃちょっと無かったので(笑) どうもいつもニコニコ元気な堺くんです。どうしました?
GM/「ちょっとすまんな、話したいことがあったんだが……「もし暇なら教会に来れないか? あまり長い時間は取らせないつもりだから」
緋呂希/はい……。教会の方に行きます。もちろんメールはいつでも確認できるようにしておきます。どうしたんかなーっていう風な感じで心配をしておきます!


 ●オープニングフェイズ2

GM/続きまして……。
緋呂希/ピッチャー……。
GM/PC1。
実/1の方だ! まだだと思ってた(笑)
GM/時間軸は、緋呂希くんがデートすっぽかされた日から……1週間前。だいたい土曜日の夕方ごろでございます。PC4も出てきていいよ。
薫子/ハッ、学校はお昼で終わるから夕方は遊べます!(笑)
実/……駅前に車を停めてる。……来ないなー、来ないなー、来ないなー……もう30時間待ってるんだけど……。
緋呂希/根気のある仕事の真っ最中だ!
実/家出人探しの絶対この時間に来る筈なんだけどなー……あと10時間来なかったら諦めよう。
薫子/10時間!? 結構気が長い!(笑) じゃあコンビニから帰ってきます! みのりん! あんパンと牛乳買ってきたよ!
実/ありがとね。おつりは良いよ、取っときな。
薫子/じゃがりこ買えるー! ガマ口に入れます!
緋呂希/可愛い(笑)
GM/貴方はふと気付く。……車椅子の女の人と、男の子が一緒に駅前を歩いているようだ。
緋呂希/車椅子は目立つから目がいっちゃったんだね。
実/おや、珍しい光景だなあ。
GM/車椅子の女性は時雨さんだ。昔、見たことがある。
薫子/知り合い!? ホシ!?
実/残念ながらホシじゃあないんだなー。あとホシはお巡りさん用語ね(一同笑)
宵佑/ナチュラルに返された(笑)
実/窓を開けて……針生さん、と手を振ります。
GM/こちらも気付いたような顔で、「あら」と車椅子を傍らにいる男の子に一声かけて貴方のもとへ近寄ってこようとします。男の子も車椅子を押して一緒に来る。
実/車を降りますね。車椅子の人間に立たせる訳にもいかないので。
薫子/乗り出して、開けてくれた窓からこうやって顔を出します。興味津々!
実/背の高いぬぼっとした女がぺこっと頭を下げます。お久しぶりです。
GM/「お久しぶりです。えーっと確か……牧ちゃん?」
実/はい。覚えていていただいたみたいで。……あんまり知り合いじゃないから、体を壊して休職してるくらいのイメージですかね。
GM/その横に男の子がいますね。黒髪の普通の男の子で、薫子ちゃんと同じくらいの、小学校高学年ぐらいか。だけど薫子ちゃんは知らないね。
薫子/別の学校の子なんだなーと思って見てます。
GM/この男の子は実さんをまずじーっと見る。「でけー……」
実/でかいからなあ……(笑)
薫子/見るよねー(笑)
GM/時雨さんに「なあ、誰?」って聞いて、時雨さんは「お姉さんのお仕事の知り合いの人」っていう風に優しく教えてあげる。それは本当に優しい感じですね。
男の子は実さんを、じー……。
実/うっ……。
GM/じー……。
実/こ、こんにちはー……。
GM/「おっきいねぇー! すごい、そして……綺麗な人だね!」
実/そんなこと言われたの初めてなので、なんかこう、あれですね……達者な子供だなあ(笑) 針生さん、こちらの子は?
GM/「知り合いの……私のボーイフレンド」
薫子/やるぅ!
GM/男の子は薫子ちゃんを見る。きょとんと首を傾げる。
薫子/アナタ誰? 名前は!?
実/トトロか(笑)
GM/ぴく! ビク、びく……ちょっとおどおどおど。「高松あおいです……」 条件反射的にみどりさんの裾を掴もう。
薫子/あおいくん? わたし! 高坂薫子です! 怖くないよ! 背負ってたランドセルから飴を取り出します。はい、お近づきの印!
実/怖くないよー……私が怖くないならこの子も怖くないでしょう? 受け取って、はいと渡してあげます。
GM/では貰う。
実/年上好みだって。
薫子/そっかー、年下は好みじゃなかったかー。
緋呂希/そっかー時雨さんとも付き合ってるもんなこいつー。こいつぅー! 俺の才能あるな!?
薫子/あとでヒロ兄シバく!
緋呂希/いない人間をシバく宣言したぞ(笑)
GM/時雨さんはその様子をくすくすくすくす笑いながら見てて、「牧さん、お仕事中?」
実/はい、ちょっと……見ての通りで……もう30時間目です……。
GM/「それは大変ね。私たちはこれからちょっと、駅前にできた新しいカフェに行こうと思ってるんだけど、良ければ2人はどうかな、と誘おうと思ったんだけど仕事中なら……」
実/大変魅力的なんですけど、あそこ居心地が良くて寝ちゃうんですよね。
GM/薫子ちゃんはあれかな、一緒には来ないのね?
薫子/みのりん置いてったら寝ちゃって車が大変なことになるよ! 撤去されるし! 職質されるしよくないもん!
緋呂希/よく出来た子だ!(笑) 可愛い〜!
実/ちっちゃい助手ができたような感じだ(笑)
GM/あおいが悲しそうに「行かないの?」
実/いや、なんか……すごいこんな……年下にモテたのなんて初めてだよ。
GM/「行かないの?」
実/また今度誘ってね。
薫子/みのりんずりー! モテモテずるー! 年下が駄目なの!?
GM/残念そうなあおいを時雨さんは宥めるように、「仕事中だからしょうがないわね」みたいな感じでなでなで。「じゃあ」と別れようとしたところで、2人は【知覚】判定か【幸運】判定を。難易度は12。
実/ふふふ、よし幸運に賭けよう。(ころころ)ダメですねぇ。
薫子/幸運でいきましょう。(ころころ)10で2人とも失敗! 駄目です。
GM/時雨が「ハッ」と振り返って、ちょっとキョロキョロして、周りを警戒するような顔をする。で、首を横に振る。「……何も感じなかった?」
実/えーっと、残念ながら、ただのしがない[魔術師]で[闘士]なので(笑)
薫子/実は何も……。お、教えてくれないの?
GM/「……気のせいだったみたい。探偵さんだったわね、貴方」
実/ええ、まあ。
GM/「もし何かあったら、よろしくお願いします」
実/ぜひぜひ、いつでもお仕事はお待ちしてますんで。とりあえず名刺を出しますよ。
GM/えっと、薫子ちゃんも見よう。薫子ちゃんは知らないことにする。「改めてお名前を教えてくれるかしら?」
薫子/高坂薫子です!
GM/「高坂……高坂?」
薫子/高坂さんの、娘です! 白々しく嘘を言います。
実/違うよ! 違うよ! ピノコみたいなもんです!(笑)
GM/「まあ……って違うの!?(笑)」
薫子/大きくなったら高坂さんと結婚します!
GM/「モテるのねー、高坂さん……。薫子ちゃんって呼んでいい?」
薫子/はい! 薫子って呼んでください! あたしはお姉さんのことなんて呼べばいいのかな?
GM/「針生時雨というんだけれども、どういう呼び方でも大丈夫よ」
薫子/時雨姉ちゃん!
GM/「時雨姉さん。嬉しいわ〜、おばさんなのに若い子にそう言ってもらえるなんて!」
薫子/お姉さんまだ若いよー! だって綺麗だもーん! 誰と契約したの?(一同笑)
GM/「あおいくんとも歳も近いし、何かあったらよろしくね」
薫子/あたしはウェルカムですが……あおいくんは大丈夫なのかなあ?
GM/あおいくんは、ちょっとね、貴方のことをじっ……と見ているだけ。
薫子/何か私、悪いことしたぁ?
実/うーん、格好が派手だからじゃないの?(笑)
GM/そんなことがあった1週間後。つまり今日。本日は土曜日。
薫子/今日は第三土曜日だから学校がお休みです!
実/じゃあ土曜日の朝の7時くらいに事務所に。がちゃっ……ただいま……。
宵佑/仕事してたんだ?(笑)
緋呂希/家出少女、見つかったのかな?
薫子/おかえりなさーい! と言ってダルマストーブの前で蹲ってます。合鍵を持ってるので掃除をしていました!
緋呂希/ええ子!(笑)
実/部屋に帰ったら部屋があったまっていて綺麗に掃除がされている……(笑)
薫子/ごはん、作ったよ!
実/結婚しよう!(一同笑)
GM/そんな疲れた牧さんと、縁の下の妖精的な感じになっている薫子ちゃんのもとに、同時にメール。差出人は高坂でございます。
薫子/高坂さんだー!
実/高坂さんの頼みは断れないけど今めっちゃ断りたい……(笑)
GM/メールの本文は、「話したいことがあるんだけれども、もし暇なら教会に来れないか?」
薫子/ん〜勿体ぶりやがって! 私のこと好きなんだろう高坂さんは〜! ハートをぷちぷち送る!
実/うわ〜かわいい!(笑) ついでに牧も午後からいけますって返事しておいて……。
薫子/了解です! 薫子が午前中に行って聞いてこようか? それとも午後一緒に行く?
実/いいよ。先に行って、会いたいでしょ。
薫子/みのりんの朝ご飯を用意して、みのりんの食べた食器を洗ってから行きます!
宵佑/良い子だなあ(笑)
実/結婚しよう!(笑) 高坂さんに宣伝しとくから……この子お嫁さんに向いてますよって……。
GM/そういうことがあったので、わくてかしながら薫子ちゃんは教会に。で、その間に実さん貴方は……寝るのかな。
実/寝る。事務所兼自宅みたいなところでソファでちょっと一休みしているうちに寝てます。


 ●オープニングフェイズ3

GM/時間軸としては今日ですね、土曜になっております。高坂より呼び出しを受けております。
宵佑/あ、呼び出し受けた。今の時間を見る。携帯の内容を見る。まあちょっとぐらい良いよな!(笑) バレないバレない!
緋呂希/お昼の休憩的な感じで!
宵佑/自主休憩自主休憩! と言いながら、そのままメールを返信してタクシーのまま行きますね。
GM/了解です。呼び出しをされたので、応じた3人。同時に出ていいよ。
緋呂希/時間は朝なんですね。こっちもぷらぷらーって感じで丁度良く。
薫子/てってこてってこてー。
宵佑/皆さんお揃いで〜。
緋呂希/ポケットに手を突っ込んできますよ。さむさむ! さむさむ!
薫子/ヒロ兄! 歩いている背中の方からぐさり!
緋呂希/グエーッ!
GM/(高坂になって)「何をしているんだ?」(笑)
薫子/たささささんだ〜! 闇討ちごっこ? 闇討ちごっこです! 久しぶりに生坂さん見たからポイント上がっちゃいますよ〜!
実/高坂ポイント……(笑)
GM/にこにこ笑いながら薫子ちゃんに、「おはよう薫子ちゃん」
薫子/ハァン!
緋呂希/早い!(笑)
宵佑/可愛い〜(笑)
薫子/おはようございます、今日一日ラッキーです。死ななきゃいいな。
GM/いつものことかな、って顔して。みんなに挨拶しよう。
緋呂希/おはよっす。あの、こっちも予定あるんで、ちゃっちゃと話しましょう。
GM/高坂は無害そうに、「すまないな、呼び出して」と言います。礼拝堂に招きます。
薫子/披露宴は何するのかしら。
GM/「薫子ちゃん。前から思うんだ……こんなおじさんにそんな冗談は似合わないよ」
薫子/はぁ〜ん!
GM/「さて、今回の呼び出しは依頼ではないんだ。任務ではなくて、今回はエージェント達への警告。あるいは注意といったところか」
実/はぁー、はいはい。
薫子/にゃるほど。
GM/高坂は真面目な顔をするよ。「3年前。悪食の事件を、覚えているか?」
緋呂希/ぴくり。「S市で起きた異端の話ですよね?」
薫子/わかんなーいって顔して見てますね。
GM/薫子ちゃんは分かんないね、ごめんね。薫子ちゃんの方を見て笑って、高坂は話してくれる。「教会が3年前に取り逃がしてしまった、忌まわしき異端犯罪者のことを悪食と読んでいる」
薫子/にゃるほど。なんで今その話が出てくるの?
GM/「3年前に取り逃がしたんだが、そいつの魔力反応が1週間くらいの間にS市で発見された」
緋呂希/マジすか。その反応が出て探してるんですか?
GM/「ああ、そうだ。だが別のエージェントが追跡の担当をしている。なにせ3年前に取り逃がしてしまった異端だ。正直そのあたりのエージェントではあまり太刀打ちが出来ないというか」
宵佑/そうですね、正直結構大きい事件になってしまいましたもんね、あの時は。
薫子/そんな大変だったんだ……。
GM/「ただ一般の被害者は出なかった。薫子ちゃんのために少しだけ説明しよう。……3年前、雑居ビルのガス爆発があった。で、それによって2人……これは教会のエージェントを含む2人が死んでしまった。で、食い殺されているんだ」
薫子/はえー……名前は?
GM/名前はって聞かれて、一瞬だけ詰まる。「針生さつきと、針生ゆえ」
薫子/紫雨さんも「針生紫雨です」って名乗ってましたからハッとします。
GM/「ここまでは表向きはガス爆発として処理されたんだが、実際は違う。悪食という異端によって起こされた事件だった。ところが一般人の被害者は、怪我人は出たが死亡は出なかった。あくまでエージェントだけが被害者になっている。で、それ以来悪食が日本各地を逃げ回っている。それを教会は3年間ず〜っと追いかけていた」
緋呂希/そして、戻ってきた。
GM/「おそらくな」
薫子/なんで? 3年も経ってまた戻ってきたんだろうね。
GM/「どうだろうな。教会は追手のエージェントをもちろん差し向けている。S市に潜伏しているのならば、捕まるのも時間の問題だ。だから、捕まえるのは別のエージェントに任せて、君たちには注意を促している」
薫子/はえ〜。でも、そう言われちゃうと首突っ込みたくなっちゃうな
緋呂希/寧ろ、教えてくださいよ。その人たち手伝いますから。出来れば捕まえたいんですよね。
宵佑/やる気満々ですよ。
薫子/前のめりだからね!
GM/それには首を振ります
緋呂希/お代はいらないです! 普通にボランティアってことで、駄目っすか?
薫子/お代は1日デートするだけでいいよ。
緋呂希/お代を貰ってるじゃん(笑) 協力することがあったらいいんですけども。力になりたい!
GM/「今回は注意喚起だ。君たちに対する依頼ではない」
薫子/トゥンク! かっこいい!(一同笑)
GM/「これは君達を心配しているんだ。悪食はこの3年間の間、エージェントを狙う。主に、一般人も狙っているが、エージェントを狙っている」
薫子/一般人ではなくエージェントを?
GM/「そうだ。それは3年間の間で分かったことなんだが、その人の能力を奪い取るためだ。倒そうとしないで捕獲、いや、逃げろ。やりたい気持ちは分かるが……落ち着け。呼び出したのは他でもない。釘を刺すためだ」
宵佑/おう……!?
薫子/なんと! か、かっこいい……!
実/確かにかっこいい(笑)
GM/一応写真を出します。髪を金髪に染めた、ピアスをつけた若い男です。だいたい10代後半くらいかな。「これが悪食の顔だ」
薫子/いや……えっ、食べるの? この人が?
GM/「教会の元エージェントなんだ、そいつは」
薫子/ヒロ兄より派手だ! ……いや、ヒロ兄はそんな派手じゃなかった(笑)
GM/ざっくり説明すると、教会のエージェントで、元エージェントが任務をこなしていくうちに狂ってしまい、異端に目覚める寸前まで行ってしまったと。それに気付いた別のエージェントが取り押さえようとしたが、時すでに遅し。
緋呂希/時すでに遅し!
薫子/おすし……!
GM/混乱、暴走。任務に当たったエージェントを食い殺して、逃亡。そうなります。「ただ、写真は3年前の顔だ。変わっている可能性はあるな、もちろん。だが、それを見ていると見ていないとではまた違うだろう。こいつを見かけたら通報でいい。戦うな。逃亡城」
薫子/むう!
緋呂希/むう!
宵佑/巻き込まれに行きたがってる(笑)
GM/こほんと咳払いをしよう。今回、高坂は厳しいよ。「「教会からの命令にそぐわない場合は、こちらで拘束する義務がある」
薫子/拘束!? なんて厳しい!
宵佑/2人の気持ちは分かるけど、従おう。
緋呂希/おじさん!
薫子/まあ……おじちゃんが土下座してくれたら。
宵佑/なんで俺が?(笑)
緋呂希/……そうですね。高坂さん、資料をください! 逃げるにもどうやって逃げるのがいいのか知らなきゃいけませんので! 逃げるためにも色々教えてくださいね!
薫子/それそれ! くれないと勝手に見ちゃうぞー!
宵佑/狡猾!(一同笑) すいません若い者が! 申し訳ない! 取り敢えず若いのに首輪つけとくんで! ちょっと実さん助けてぇ!?(笑)
実/スヤァなう。
宵佑/みのりーん!(笑)
GM/「話は以上だ」 ……では、西野入さん。2人が礼拝堂から出ようとしたとき、高坂にちょっと呼び止められます。
宵佑/はぁい? なんでしょう。こそこそ!
GM/「今回、緋呂希くんはともかく薫子ちゃんまで食いついてくるとは正直思ってなかった」
宵佑/だってあの子、貴方にメロメロじゃないですか。
GM/「全く……こんなおじさんをなぁ」
薫子/ダーリン呼んだ〜!?(笑)
GM/「頼みがある。あの2人を、そして必要であれば、針生紫雨を止めてくれ」
宵佑/紫雨さんをですか?
GM/「今回の話は、ずっと悩んでいた。針生紫雨に話すかどうか。彼女は休職中とはいえ元エージェント。狙われやすいことに変わりはない。だが話すと、彼女は当事者だ。復讐に捉われて、異端に堕ちる可能性もあった。正直、悩んでるんだ」
宵佑/そうですねー……うん。確か彼女、今ようやく落ち着いた頃なんじゃ……。
実/悪食であるということを伝えなければいいのでは?
緋呂希/なるほど。「危険な異端がいるから気を付けてね」っていう話にするとかね。
実/……という発想が浮かばない高坂さん、良い人だな(笑)
薫子/はぁん(笑)
GM/「俺が西野入さんにお願いしたいのは、あの2人の様子を見て。あの2人を出来る限り止めてやってくれないか。頼んだよ」
宵佑/分かりました、自分の力の及ぶ範囲で助けるつもりではいますので。若い子の暴走を止めるのが年上の役割ですからね! ……そちらもお仕事、程々に気を付けてくださいね! 今度一緒に飲みに行きましょう!
薫子/飲みニケーションや!
GM/「そっちの奢りだな」
宵佑/お金無いんで奢ってくださぁ〜い!(笑)
GM/という訳で、分断したPC1のシーンの方をやります。寝てる実の方……。
薫子/こっちのシーンが終わったよー! 起きて起きてー! ぷるるるる!
実/なんか電話がかかってきた。はぁ……。
薫子/そんなことやってると電話先に歌っちゃうからね! 『じ〜ご〜く〜、じ〜ご〜く〜』
実/もしもし、用件は……?
薫子/PC1のシーンだから起きて!
緋呂希/プツって切られるわ(笑)
GM/ぴんぽーん。
実/……出たくねぇ!(笑)
GM/…………。ぴんぽーん!
実/今まさにもういいかげん起きるかと思ってコーヒーメーカーからコーヒーを出してきたところ……。仕方ない、開けるか。がちゃ。「はーい」
GM/では貴方の目の前に、子供がいるね。手には名刺を持っている。
実/おや?
GM/その子は貴方の顔を見て、「よかった、いた!」って泣きそうな顔をしよう。
実/おろ?
GM/おろっとした瞬間に貴方に飛び込むよ。がしっ。
実/ガシャン! ばしゃ!
緋呂希/コーヒーが!(笑)
GM/ごめん!?(笑) 「お願いお姉さん、助けて!」
実/……ん? ぱちんと目が覚めた顔をする。……君は、高松あおいくんだったっけ。
GM/その通り。高松あおいが貴方の目の前にいて、貴方に縋りついている。「良かった、覚えててくれたんだ」
実/人の名前を覚えるのは得意なんだ
緋呂希/さすが探偵!
GM/貴方にじっとしがみつく。「助けて……お願い……。このままだと、殺されてしまうんだ……」
実/きっと真面目な顔になって、ぽんぽんと頭を撫でる。……よしよし、分かった。話を聞かせてもらおうかなとドアを閉めます。
GM/ドアを閉める。一旦、ここでシーンを切らせていただきます。