アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 小さな友人の頼み事 』 2ページ ■
2014年1月25日




 ●オープニングフェイズ4

GM/先程の続きでございます。 あおいは家に入れてもらったよ。
実/とりあえず盛大にコーヒーを被ったので着替えてきます。 ソファーに座っててください。
GM/その間、ソファーに座ってよう。で、ガタガタ震えてよう。
実/温かい飲み物を出すね。はい、ごめんね、大丈夫? 隣に座ります。話せる?
GM/こく。頷く。
実/よし、よしよし強い子だ。 ……今日、殺されちゃう?
GM/「うん」
実/殺されちゃうっていうのは本当なの? 誰に?
GM/「知らない人。紫色の髪をしてる、男の人。お兄さん」
実/若い人か。私より年下かなー。
GM/「信じてもらえるか判らないけど。僕は、未来から来ました」
実/うんうん、未来から来た。普通に信じた顔します。
GM/キョトン。「信じてくれるの?」
実/嘘ついたって仕方ないでしょ?
GM/それにホッとしたように、続きを話そう。「今日、紫雨さんと約束をしてました。紫雨さんが大切な友達に会わせてくれるっていうから出かけたんです」
実/うん。
GM/「その人と会いました。一緒に駅前の美味しいパンのお店に連れて行ってくれました。夕方になって、そのお兄さんはちょっと用事があるからって言って別れました。僕は紫雨さんと2人で僕の家まで商店街を歩いていました」
実/うん。
GM/「そしたら突然、 大きな刃物を持った人が目の前に現れて……」 そこまで言って、彼はまたガタガタと震え出します。
実/ゆっくりでいいからね。ポンポンと頭を撫でる。
GM/縋りついていい?
実/どうぞどうぞ。ウェルカム。
GM/頭を撫でてくると落ち着いたのか、彼は深呼吸をしてまた続きを話す。「紫の髪の大きな刃物を持った男の人が、紫雨さんが目の前にいて。 真っ赤になって。僕はずっと怖いって泣いてました。気付いたら、綺麗な金髪の眼鏡をかけたお兄さんがいて……」
実/金髪のお兄さん……。
GM/「僕を慰めてくれました。お兄さんはこう言いました」

 ルージィル『本当ならこれが正しいことなのですが、貴方は巻き込まれて可哀想だ。
 可哀想だから1回だけチャンスをあげる。今回は特別で本当はいけないことなのですけど』


GM/「目が覚めたらお家にいました。今日の朝になっていました。慌てて紫雨さんの所に行って、全部話しました。 紫雨さんは真剣な顔で聞いてくれて、こう言いました」

 紫雨『話してくれてありがとう。後は任せて。 私は出かけるから。
 あおいくんは、この名刺のお姉さんのところに行きなさい。その人に事情を話して、教会に助けてもらいなさい』


実/それでここに来たの?
GM/こくん。
実/話してくれてお疲れ様。頭を撫でます。……GM、これは「紫雨さんがあおいくんを庇って死んだ」ということで間違いないですか?
GM/はい。紫の人に襲われたのは、あおいくん。紫雨さんはあおいくんを庇ったんだね。
実/針生さんは今どこにいるか判る?
GM/車椅子でどっか怖い顔して行っちゃいました。
緋呂希/大変だな。
薫子/大変だな〜。
実/一通りの情報をまとめて、メモをパタンと閉じる。よし、判った。よく話してくれたね。針生さんのお願いでもあるから、ちゃんと君のことは私が守るからね。
GM/あおいはぎゅって縋りつく。
実/よしよしよし。子供は可愛いな。……このことを高坂さんや、PCのみんなにも連絡しようか。情報を共有します。
緋呂希/あおいくんを連れて教会に来るのはどうでしょう?
実/「教会に頼りなさい」とは針生さんも言っていたので、そうしますか。
薫子/みのりんからの連絡!? 小学生がいる!? 浮気か!?
宵佑/せっかく今までシリアスだったのに!(笑)
実/実、超困っちゃう(笑) あおいくん、車を出す。
GM/はい、では全員集合です。場所は教会。高坂さんに見つからないようにね?
緋呂希/高坂さんに見つからないようにするなら、場所を喫茶店シャノアールとかに改めましょう。
GM/うん。あおいはずっと実さんの手をぎゅーって握っている。そして緋呂希くんの顔をみたら、わぁっと驚く顔をしよう。
緋呂希/俺とは会うの初めてですよね?
GM/うん。君は初めて。
緋呂希/じゃ、一応初めまして。今日会う約束してた子だよね?
GM/こくんと頷く。
宵佑/にこやかにこちらも初めまして。人当たりのいい笑顔で、よろしくね。
GM/ペコって頭を下げよう。
緋呂希/挨拶をして、高坂さんから回された話を実さんにしますね。
実/実の方の話もPCに共有します。あおいくんが言うには「今日殺される」という体験をしたけれど、時間が戻って今朝になったので。 私のところに助けを求めにきたらしい。
緋呂希/ほうほう。
実/針生さんは何か深刻な顔して商店街に行ってしまったらしい。 色々と無関係ではないと思うんですよね。
GM/さて、今の時点でマップを提示させていただきます。

【マップ】
 ・教会
 ・雑居ビル(廃墟3年前の事件現場公園)


GM/午前中と午後で合計2シーン、1つのマップにいけます。やってもらうことは、高松あおいの護衛、針生紫雨の捜索。あおいは実さんから離れない状態です。離したい場合は難易度15の交渉してね。
薫子/コアラのようだ。ひっつき虫っていうんだよ!
GM/それぞれマップを選んで紫雨さんを探してください。場合によっては強制戦闘になる場合もございます。
緋呂希/大船に乗ったつもりでいてください! おおぶねおおぶね!
宵佑/泥船だな(笑)


 ●ミドルフェイズ1

実/紫雨さんは今はもう商店街にいるんですよね。本当なら。
緋呂希/まあ、本当なら。
薫子/本当、なら!
実/あおいくんを連れて教会に行くのは、安全コースだな。
緋呂希/あとは、事故現場の雑居ビルには足を運んでおきたいですね。二手に分かれますか。
薫子/それなら薫子は高坂さんにちゃんと挨拶しないといけない! 教会に行きます!
実/そっか(笑) じゃあ女子チームで教会に行こう。

【マップ移動】
 ・教会(実&薫子が選択)


薫子/じゃじゃん! 教会にイン!
GM/あおいは実さんと一緒にいます。 どうぞどうぞ、行動をお願いします。ちなみに高坂さんはちょっと忙しそうな感じです。……でもあおいくんを連れて来たら尋ねるかな? (高坂になって)「その子は誰だい?」
実/針生紫雨の関係者です。ちょっと色々と面倒ごとに巻き込まれてまして。
GM/それを聞いて、高坂は少し真面目な顔になろう。「そうか、何か出来ることがあれば声をかけてくれ」
実/ありがとうございます。NPC並みの働きを期待しております(一同笑)
薫子/高坂さん頑張ってね、頑張ってね!
実/そうだ、高坂さん。この辺りで紫の髪をしたトンチキな男ってご存知でしょうか?
GM/知らないと首を振ろう。
実/そうですか、ありがとうございます。
GM/では、教会に来たので3年前の事件の資料があります。そこに3年前の写真があります。
実/あおいくん。これ、彼かな? 犯人の写真を魅せます。
GM/「……あ。この人……1週間ぐらい前に会った人に似てる」
実/1週間ぐらい前に会った?
GM/「住宅街でこんにちはって声を掛けてきた。でも髪の色がこんな色じゃなかった」
薫子/あおいくんに≪最奥の記憶≫を使えませんかね? 達成値+4するから、もっと記憶や情報を思い出せませんか?
GM/了解です。でも……あおいくんはガタガタと震えだす。うわーと逃げる動作をするよ。異常に怯え始める。
薫子/写真を遠ざけてから、その手をパンと握ります。大丈夫。目を真っ直ぐ見て言います。
GM/真っ直ぐに見る。
薫子/深呼吸して。もう一回。大丈夫かな? 落ち着いてきた?
GM/こくこくこく……。
緋呂希/プロだ……!
実/ごめんね、怖い思いさせちゃったよね。……悪食確定だね、これ?
薫子/温かいものを飲むとね、ホッとするんだよ。 ウズマキからココアを出します!
宵佑/ウズマキからココアって出せるものなのかな?(笑)
GM/よりカタカタと震え出します。飲み物に対して異常に反応します。
薫子/飲み物?
GM/液体に関して異常に反応している。「……血まみれ……」
実/液体……血まみれそうか。
GM/「ループする前……金色のお兄さん……食べてた。紫雨さんを。そしたら、金色の男の人は、紫になった」
緋呂希/人を食べたら、髪の毛の色が変わった?
実/あおいくんと1週間前に出会った金髪の人が、前回のループで紫雨さんを食べて紫色の人になった?
GM/そうです。「食べてる間にどんどん髪の色が何故が変わって……男の人は嬉しそうに言っていた。『すげえ、こいつ、まじ力つえー。ようやく来たよ。やったやった。ようやくこのカミになったんだ、これで俺は神になれるぞ!』って」
宵佑/神になれる?
緋呂希/「食べると、食べた人の能力とかを奪い取れる」とかかな……。もしこのまま前回のループ通りに男が現れるなら、午後パートに商店街に現れるってことにならない?
実/そうかも。……薫子ちゃん。あおいくんは液体がダメみたいだから、固形物ってない?
薫子/どら焼き!
宵佑/またこの子はウズマキに食べ物を入れて……食べ物は基本ダメだぞ(笑)
実/どら焼きで落ち着いてもらって、教会で資料検索をしよう。≪本のクチ≫で、悪食に関して知ってる本は集合〜!
緋呂希/知ってる本がわらわら実さんのもとに集まって来た!
宵佑/かわいい!(笑)
実/まともに資料的価値のあるヤツだけ喋って良し!
緋呂希/「オレだー!」「オレだー!」
薫子/本がわらわら! かわいい!(笑)
実/整列っ! まとまってるヤツから喋りなさい。

 悪食について。
・このデータは3年前のものである。
・元教会のエージェントである。名前は
赤霧 省吾(あかぎり・しょうご)。当時20歳(現在23歳)。クラスは[狂戦士]。≪暴食≫、≪食鬼≫を持つ、何でも食べる能力者だった。
・学業はやや不真面目な態度を見せていたが、能力者としては優秀な成績を残していた。異能には目覚めたばかりで、少し自らの力を過信する傾向にあった。
・まだ駆け出しのエージェントだったが、彼のお目付け役監視役、教育係として針生皐月と針生時雨の2名が宛てられた。主に教育してたのは針生皐月である。


薫子/謀反だ謀反だ!

・とある任務の際、異端を食らい暴走。このときに『新たな異能』に開花した。食らった対象の記憶、能力を奪い取り、自分のものとして扱うことができるようになる。3年前の暴走は、当時のエージェント仲間に止められた。

緋呂希/[異端者]の≪混沌の胚≫だな。……任務でレベルアップして[異端者]クラスが映えたのか。
GM/その通り。[異端者]の副特技で、死亡させた対象の能力を全部貰うものです。
実/つまり牛肉を食べると胃袋が4つになったりする。
宵佑/平和的(笑)
緋呂希/理論上では「12クラス全部食べられたら全部の特技が使えるようになる」というチート能力だよ。

・3年前。再度暴走し、仕事に当たっていた針生皐月と、その息子の針生ゆえ(8歳)を殺害する。針生紫雨も足を食われ、能力を一部奪われた。
・その際、赤霧省吾はビルの一部を食いちぎり、ガス爆発を起こした。


実/わお。
緋呂希/……赤霧くん、[世界遣い]を食べて≪赤の君≫を使えるようになってないかなぁ。
薫子/アカキリくんがアカのキミ?

・3年前のガス爆発事件後、教会は異端犯罪者『悪食』とコードネームを名称。現在会話は困難である。悪食の特徴として、獲物には一時的に印をつけて、数日後に襲う傾向が見られる。
・その数日間、何だか楽しんでいるように付け回す様子が何度も確認されている。被害者は、若い子供が多い。


緋呂希/変態だ!
実/情報は以上かな? 戻ってよし。まだ集まり足りない本は腕立て100回!
薫子/「いえっさー!」
緋呂希/「隊長の指示に従えー!」「腕立て100回、開始ー!」
実/≪本のクチ≫はかわいいな。
宵佑/腕立てして何の意味があるんだろうな(笑)
緋呂希/悪食は、≪魔印≫というターゲットにどこにいるか判るよう発信機を付ける特技を持っている。1週間前にあおいくんに挨拶した際に≪魔印≫を付けられたとなると……それを消さない限り悪食はあおいくんを追いかけてくる。
薫子/あおいくん! 体に≪魔印≫は付いてない!? 判る!?
緋呂希/服脱げる!? 脱いだらちょうちょ柄の痣とかないよね!?
GM/ちょうちょ柄の痣は無いな。でも青痣はある。殴られたような痕がある。
実/マジすか。
GM/1週間前のやつですね。
薫子/……正直、あおいくんがどうやって紫雨さんと出会ったのか凄い気になる。
実/それだ。
GM/「馴れ初めは……今から約半年前に公園で、紫雨さんが凄く悲しそうな顔をしてたから、僕から声を掛けた」
宵佑/あおいくんからか。
GM/「そしたら紫雨さん、僕を見て凄くビックリした顔して。僕も紫雨さんを見てたら凄く不安になっちゃって。変な言い方だけど、いなくなっちゃいそうな気がしたの」
実/はあ、なるほど。
GM/「僕はずっと、紫雨さんの手を握って話してたんだよ。そしたら、また明日も会おうって言ってくれた。……そこからも付き合いかな?」
薫子/そうなんだ……。
GM/……あおいは、薫子に向き合います。「初めて会ったとき、変な態度を取ってごめん。薫子ちゃんに初めて会ったとき、初めて紫雨さんに会ったときと同じ『変な感じ』がした。だから近づきたくなかったんだ」
薫子/同じ? ……なんだろう?
GM/「触っちゃたら、怖いことを思い出しちゃう感じ……」
緋呂希/……[感応力師]ってことかな?


 ●ミドルフェイズ2

GM/次のシーンにいきますね。雑居ビルに来たよ。……おめでとうございます。
緋呂希/GMから「おめでとうございます」だって。当たりってっことかな?
GM/完璧な当たりじゃないんだけど、ここのシーンに来たらイベントが発生します。

【マップ移動】
 ・雑居ビル(緋呂希&宵佑が選択)


GM/現在は瓦礫などは片づけられていますが、閉鎖され、立ち入り禁止となっています。
宵佑/普段も入れなくなっているのか。
GM/人通りも少なく、異端の気配も無さそうという状態。そんな3年前の事故現場で……【幸運】判定をお願いします。難易度は10で。
緋呂希/幸運ですって!(ころころ)7で失敗。
宵佑/(ころころ)達成値12で成功です。
GM/宵佑さんは気付く。……事故現場には花が飾られていたりするものですが、その中に真新しい花がある。そして、その隣に車椅子が折り畳まれて置いてあるよ。
宵佑/ねえ、あれって紫雨さんのじゃ?
緋呂希/……近くにいますね。
GM/車椅子に白い物が挟まっているよ。
宵佑/白い物?
GM/折り畳まれた紙だ。
緋呂希/手紙ですか。……開きます。
GM/ 手紙は2枚ある。1つ目の宛名は、「牧 実」。
実/あら?

 『このメモが届いているということは、もしかしたら探してくれているのかもしれない。
 変なことに巻き込んでごめんなさい。どうしても決着をつけなければならない用事ができたんです。高松さんにもよろしくお願いします。
 ≪未来視≫で見えた未来が本当なら、貴方ならきっと大丈夫。ただ、公園には近づかないでください』


実/行くしかないだろう。
薫子/乗るしかない、このビッグウェーブに!
GM/そして2枚目。宛名が、「堺 緋呂希」。

 『ありがとう。駅前のパン、美味しかった。
 3年前の借りを返してきます。私の小さな友人である高松あおいをよろしくお願いします』


緋呂希/バッカあの女、まったく1人で追い詰める人はこれだから!
GM/このまま公園に向かうこともできるよ。そうすれば間に合うかもしれないね。
実/ここで公園に向かうことができれば紫雨さんと悪食の両方を一気に抑えることができる。元々「探せ」というのが目的なんだから。
緋呂希/正直、悪食が紫雨さんを食べてパワーアップすると怖いですね!
宵佑/食べられるとこ見たくないです!
薫子/事件は現場で起こってるんだ!(笑)
緋呂希/公園、行きましょう! 宵佑さんタクシー出して! あの噂のドリフト見せてください!
宵佑/任せとけ! 舌噛まないでくださいね!
GM/それでは、素晴らしいドライビングテクニックで数秒のうちに公園まで生きました。
薫子/ぎゅいーんと行ったね!
GM/時刻的には現在、昼下がりから夕刻にさしかかろうとしているとこ。見た目は公園は普通だね。別に何か起こっている訳でもない。遊んでいる子もたくさんいる。
緋呂希/隠れていきます! ≪幻惑の衣≫を使用して、隠密状態になって紫雨さんに判らないようにしていく。
GM/変な気配がする。気付こうとするなら判定だな。難易度は【意志】で15以上を出してください。
緋呂希/高いな。≪幻想式≫は持っていないんだ……素で振るか。(ころころ)残念、失敗です。
GM/判りません。すげー嫌な気配する。紫雨さんはこの状態だと見えないね。魔術的な何かかもしれないと[魔術師]の人なら判るね。
実/なんてこったい。
薫子/なんてこったい!
緋呂希/令呪を使う! おいで!
実/来た!
薫子/ランドセル翻しながらフタを翻しながらだばー!
宵佑/お辞儀しないで!(笑)
実/車の中にあおいくんを置いたまま、行きます。いつの間にか目の前に立っていることにする。
緋呂希/目の前に実さんが実ってます。
薫子/たわわに。
宵佑/たわわなんです?(笑)
実/たわわだよ。
GM/では魔術師の実さんなら判る、結界が張られているね。入る?
実/入りますね。
GM/ではそんな選択をした貴方達の前に、一人の少女が現れた。髪を2つに縛った金髪のロリだ。
薫子/ロリだ!
緋呂希/わっ!? お嬢さん、ちょっと急いでるんでね!
GM/「私は龍の聖剣という者。神様のお手伝いをしている者。公園の中に行かない方がいいわ」
宵佑/……どういうことだい?
GM/「行ったら悲劇が起こると言ったら?」
緋呂希/行かなくても悲劇が今起こってるかもしれない。今から止めに行くんだよ。
GM/「いいえ、今から起こるのは予定調和。針生紫雨は死ぬ。悪食を相打ちで倒すことはできるわ。それによって悲劇は起こらない。敢えて貴方達は力を貸す必要は無い」
緋呂希/なら、俺達が行った方効率よく悪食が倒せるよ!
GM/「貴方達が行けば針生紫雨は意識が逸らされ、悪食はその隙を伺い、針生紫雨を殺すわ。そして貴方達も殺されるかもしれない」
実/……介入するな、と?
GM/「そう。確実に悪食を倒すために」
緋呂希/それじゃあ、紫雨さんを見捨てろってことですか?
GM/「そう」
宵佑/助ける方法は無いんですか?
GM/「ないわ」
緋呂希/そんなの、やってみないと判らない! そもそも対決自体が起こるかどうか判んないし、1人よりは3人仲間がいた方が確実に助けられる!
宵佑/宵佑も同じ考えですね。1人よりは大勢の方が助かる考えだ。
緋呂希/それに、そんなこと言われたって「知り合いを見捨てる」なんて行動はできない!
GM/「……本来の世界の話、一番最初のループの話をするわ」
実/うん……?
GM/「針生紫雨と高松あおいは悪食によって殺された。それによって教会のエージェント総出で捜査が始まるわ」 高坂はエージェント達に「まだ動くな」と言ってますけど、ついに2人が死ぬことで動き始めるんです。
宵佑/はい……。
GM/「その結果、悪食は倒される。これで多くの犠牲を出すことなく、物語は終わる。……だけど、それに気付いた人物がいる」 龍の聖剣が嫌そうな顔で言います。「ルージィルっていう男がね」
実/ええっ(笑) その人が……はい?
GM/「ルージィルは小さなものを助けるために動く。ルージィルはこう思ったのよ、『高松あおいが可哀想では?』と
実/うん、うん。
GM/「だから世界をループさせた。高松あおいはルージィルの手を取ったことでそれを覚えている。だけど高松あおいには何もできない……から貴方達を頼んだ」
緋呂希/いいことしてるじゃん、ルージィルさん。
GM/「しかし、高松あおい自身には力が無いわ。……大勢総出で討伐させた方が確実に世界を守れるじゃない」
薫子/歪んでるよそんなの! ……あおいくんはみのりん達と出会ってるんだ、助かるんだよ!
宵佑/そうですね。本来の流れでしたら死ぬ筈だったかもしれないけど、自分達がいれば大丈夫です。
実/私は[魔術師]ではあっても[世界遣い]はないから、世界の事情に詳しい訳ではないので、言われていることが飲み込めない顔をしています。ちょっと気味の悪い話だけれども……説明をしてくれてありがとう。でも、ハッピーエンドにできる手段はこちらにはあると言ったら?
緋呂希/悪食を倒せる人間が偶然にも高松あおいの傍にいる。だから、信用してほしい。
GM/「……判った、好きにすればいいわ」 そう言って龍の聖剣は消えましょう。
緋呂希/みんな、行こう!
宵佑/ええ。……なんか気持ち悪い感じの顔しながら、結界の中に乗り込みます。
緋呂希/加勢するために来てるんだ! 意を決して入ります!
GM/結界内に入った貴方達に、惨劇が待っていた。公園の風景が一変して変わる。すぐに戦っている彼女達を発見する。紫雨さんが、大きな刃物を持った金髪の男と戦っている。
宵佑/加勢するようにスキルウェポンを出します!
緋呂希/走りますよ!
GM/悪食はくひゃくひゃと笑う。貴方達に襲いかかろうとする。
薫子/そうだ、こっち来い!
GM/(紫雨になって)「逃げて!」
緋呂希/そんなことは知らん。加勢します。ロリが言っていたことを思い出すけど……1人よりも俺達が方が絶対に勝てます。第一、貴方まだ傷が癒えきってないじゃないですか!
GM/「そんなことどうでもいいの。こいつは危険な存在なのよ!」
緋呂希/出しゃばらずに俺達の力を借りろ! それに、姉さんがいらっしゃってるんだ、大丈夫だ!
薫子/みのりん本気を出していこー!
実/まあ……ありがとう。そういう反応好きだ。
GM/悪食との攻撃で紫雨は傷が付いていて、もうボロボロだ。【HP】が0になったら自動的に悪食に食われてしまいます。

 そうしてクライマックス戦闘が開始。
 全コンボを乗せた超出目の良い実達の活躍により……。


薫子/薫子の力を使うが良い!
実/私の子の力を食らえ!(ころころ)61点、【防御点】無視ダメージ!
GM/無理無理!(笑) PC1、ダイス運が良いなぁ! はい、悪食、潰れます!
緋呂希/木っ端微塵に実さんの怒りの鉄拳により!
実/イメージ的にはナイフを叩き込む! 令呪で、もう1本叩き込む。!
薫子/かっこいいー!
実/折れ曲がったナイフぽいって捨てます。
宵佑/かっこいいー!
GM/悪食が吹っ飛びました。全部もうバラバラと消えて落ちていく。
実/ちょちょちょ! 証拠は残ってくれないと教会に提出できない!(笑)
薫子/時すでに遅しボロボロ(笑)
宵佑/大丈夫、証拠はちゃんと撮っておくから!(笑)


 ●エンディングフェイズ

GM/彼が張っていた結界もすべて消滅。ぼろぼろぼろぼろ。君達がふと気が付くと、そこは夕暮れの公園。
実/うん、のどかな公園。
GM/そして倒れている紫雨さん。
緋呂希/駆けつけますよ!
薫子/≪肉体復元≫!
GM/≪肉体復元≫をしたおかげで体力が回復。ただ、ぐったりしてるね。
緋呂希/すぐに病院に連れて行きましょう! 急患あるよー!
GM/では病院に紫雨さんは担ぎ込まれる。高坂が駆けつけて「君達も怪我をしてるじゃないか、何があったんだ」と尋ねるけど、ある程度予想はつくのかな?
実/お察しください。
GM/なんかみんなの晴れやかな顔を見て、「あーあ、あれだけ言ったのに」って言う。
緋呂希/でも、さっさと終わらせた方が良かったんでしょう?
宵佑/ちゃんと倒したよ。証拠も撮ってきました。
薫子/偉い偉いですよ! デートですからね!
GM/「ヤレヤレ」と肩をすくめるよ。
薫子/デートデートデート! 3回デート!
実/ちゃっかり数を増やしていく(笑)
GM/「もう……危ない真似はしちゃダメだぞ」
実/大丈夫、あの人絶対デートとかちゃんと覚えていてくれるから。
薫子/だよね! イケメン!
GM/「デートの場所は……サーティーワンとかでいいかなとか」 その前に、高坂からある程度の事情聴取だな。ちなみに、あおいくんは紫雨さんが倒れたと聞いたらすっごく心配するだろう。
実/そうだね、でも無事なんだから大丈夫だよ。事情聴取とか事後処理はこっちが適当にやっておくから、デート行ってらっしゃい。
薫子/ディズニーランド行くよぉ!
宵佑/高坂さん、今回若いのを止めらなくてなくてごめんなさい……(笑)
薫子/ほら高坂さん! 事後処理はトキリンとかに任せておいて! ディズニーランドのペアチケットだよ! ディズニーランドの株持ってると株主優待券で貰えるんだよ!
緋呂希/結構いいとこのお嬢ちゃんだった?(笑)
宵佑/これは行かないとだね!(笑)
GM/「……こんなおじさんでいいのか?」
薫子/こんなおじさんが良いです。 ちゃんと耳を付けてね。
実/耳を付けなければいけないよ。
GM/じゃあ高坂はディズニーランドに連行されたというところで(笑) 緋呂希くんはどうするの?
緋呂希/紫雨さんが目覚めたら話をさせてください。ご挨拶に行きたいです。
GM/では……後日。目覚めた紫雨は車椅子生活ですが退院することができました。
緋呂希/今日はお店に行くんじゃなくて、墓地の方に彼女を連れて行かせてください。挨拶がしたいんです。……貴方達の仇を取りましたって。
薫子/いえーい!
緋呂希/紫雨さんの旦那さんの前で、ちゃんと倒しましたよってべらべら喋ります。
GM/(紫雨になって)「今回は……迷惑を掛けてごめんなさいね。助けに来てくれてありがとう、緋呂希くん」
緋呂希/お墓の前でいやいや、そんなことはって言うけど……墓地にはこう言いますね。「俺が大切にします」って。
GM/「え?」
緋呂希/ええと、ご挨拶は終わりました。という訳で、この前に行けなかったお店に行きましょうか? 車椅子を押して行きましょう。
GM/クスクスと笑って向かいます。では、実さんはどうする?
実/あおいくんはどこに居るんですか?
GM/あおいくんは……紫雨さんを緋呂希くんに取られちゃったからね。 公園にいるかな? 1人で遊んでる、ぷーらぷーら。
実/じゃあ、車で通りかかって……ぱぱーっとクラクションを鳴らす。
GM/「牧さん!」 ぱあっと明るい顔で貴方に駆け寄る。「お仕事ですか?」
実/うん、今から帰るところ。 4つぐらい用事を片付けたところかな。調子はどう?
GM/「はい、調子、大丈夫です。……あの、牧さんはどうですか? 調子」
実/いつも通りだよ。私達はいつも通り仕事をしてる。
GM/「牧さん。こんなときで申し訳ないんですけど、改めてありがとうございました」 ぺこんと頭を下げる。
実/頭を撫でる。頼ってくれてありがとうね。
GM/「……牧さんに会ったとき、牧さんに慰めてもらうビジョンを見ました。だから牧さんを頼るのが一番安心だと思ったんです」
実/いやいやいや、探偵なんてのは構ってちゃんだから頼られると喜ぶ生き物よ。
GM/「……それと、僕、教会のエージェントになることにしました」
実/ど? どういうことですか?
GM/「今までレベル2だったのが、ループをしたおかげでレベル3の[世界遣い]の能力者になりました」 立派なキャラクターシートができた訳ですよ。キャラクターシートができた彼は教会に所属することになりました。「僕ね、実さんみたいになりたい。」
実/おっ、未来の探偵志望?
薫子/助手か! 助手志望なのか!?
GM/「これからも遊びに行っていい? 」
実/うーん、それはダメだな。お手伝いならいいよ。うちには優秀な助手がいるから負けないようにね?
GM/「はい、頑張ります!」
実/でも教会の正式な所属になったら私の上司になっちゃうな。私、派遣だから。まだまだ能力はレベル3なんだし今は高坂さんとか頼れる大人にちゃんと守ってもらって、いっぱい力の使い方を勉強するといいよ。
GM/「うん!」
実/私なんて独学だから、もうこんなもんしか使えないよ。って言ってナイフを出す。マネしちゃダメな戦法だよ? すぐナイフをダメにする。
GM/凄く強いし凄く格好良かったけどなぁ(笑)
実/針生さんにも「私を信頼してあおいくんを預けてくれてありがとう」って伝えておいて。初のお仕事として伝言、お願いします。
GM/「分かった!」
実/伝言を伝えたら、私にも連絡入れてね。そう言って去っていきます。かわいいな、将来有望な子どもじゃ。私を怖がらないでいてくれただけで報酬ですよ。
緋呂希/良い報酬だー。
GM/そうやって皆さんは、それぞれ自分たちの日常に戻って行くことになりました――。


 アナザーワールドSRS
    『 小さな友人の頼み事 』   END





END

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