アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ハルスの悲鳴 -レベル高- 』 1ページ ■
2014年8月11日




 ●プリプレイ

 セッション会場となるGMのマーサーの自宅にて。
 今回のセッションプレイヤーである火種せいさんMUMAしゅうらの4名が集まっていた……。


マーサー(以降、GM)/『アナザーワールドSRS(以降、AW)』を始めます。本日はお集まりいただきありがとうございます。
プレイヤー1・火種/本当に! ありがとうございます!
GM/さて、今日のセッションにはテーマがあります。今回は公式NPCがヒロインになるシナリオです。火種ちゃんのリクエストで、「ルージィルさんセッション」をやらせていただきます。
プレイヤー1・火種/私がルージィルさんのことが大好きなので、やらせていただくことになりました!
GM/テーマありセッションにも関わらず、皆さんに集まってもらえて本当に嬉しいです。今日プレイするシナリオは『ハルスの悲鳴』という私が前々から作っていたシナリオなんですが、それを「ルージィルさんシナリオ用」に改変したものをやらせていただきます。
プレイヤー2・せいさん/はい、楽しみにしてきました!
GM/先に色々と注釈を入れていかないとだね。まず、公式NPCがヒロインになるシナリオなので……結構セッション中の縛りが強いものになっています。普通のTRPGシナリオならヒロインはPC準拠に動くけど、「どうしても譲れない設定」などがあるのでそこだけはご了承を。
プレイヤー3・MUMA/はーい。
GM/元々『ハルスの悲鳴』というシナリオはキャラクターレベルが3〜5の難易度なんですが、ルージィルと仲良しということで≪コネ「ウズマキ」≫が取得できるキャラクターレベル8でスタートしたいと思います。
プレイヤー4・しゅうら/キャラクターレベル8だと上級者PCですね。いっぱい色んな特技が取れそうだー。

 ではまず、ルージィルがヒロイン格になるセッションということで始めに彼の説明をします。
 ルージィルというキャラクターのネタバレになりますので、
見たい人はドラッグ反転してお読みください。
 ネタバレを知らなくても、このセッションリプレイは読むことができます。


 ルージィル。
 金髪碧眼の、≪+50美形≫を持った青年。龍の聖剣と同じく「PC達に時間を跳躍させる」超越的存在。
 本名は、
「P−27」。神々の装具名は『空の魔剣』。超人類開発研究所『機関』で生み出された魔導生命体(ホムンクルス)。
 邪神の眷属の卵と、邪神の末裔の精を組み合わせて作られた人工的な神。「人の手で神を創り出す」という野望のもと生み出されたが、残念ながら失敗作で神にはなれず、人間と神の悪いところばかりを持って生まれた。
 神のごとき力がありながら人、しかし人に触れると……至近対象は≪アンドショック≫+【防御点】無視の1〜30D6点ダメージが入る。欠陥だらけのホムンクルスだったが、マスターとなった人間の令呪により、愛を知る。そしてのちに神に認められ、『正なる神』の手足として正式に神様の手伝いをできるようになった。
 『AW』のルージィルは、不遇な機関時代と激戦をくぐり抜けた後の、「誰にも見向きもされない不幸な人々を救おう」という意思を持ったフリーのお助けマンである。

 詳しくは、『ワンアンドアナザー』参照。


GM/ハンドアウトを公開しますー。PC1のハンドアウトにはもちろんルージィルさんの影が!
プレイヤー1・火種/細胞レベルで死ぬ。
プレイヤー4・しゅうら/それ生きてないよ!?(笑)



 アナザーワールドSRS シナリオ名『ハルスの悲鳴』



【レギュレーション】
 『3版+』ルール使用。キャラクターレベル8で開始。
 全員知り合い設定であり、何度か教会の仕事を一緒に受けたことがある。PC1以外とルージィルの関係は、自由に決定してよい。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:ルージィル  関係:好意  推奨クラス:闘士 or 狂戦士 or 異端者

 君は天涯孤独の少年 or 少女だ。
 両親は早くに他界し、教会の支援を受けてN市で過ごしている。
 8月1日。誕生日が近い君の元に、「君の両親の親戚だ」と名乗る人物が現れ、見知らぬ故郷に帰ることになった。
 君が故郷に向かうと決めた日、目の前にルージィルが現れた。「貴方の帰省にご同行させて頂けませんか?」
▼NPC1:ルージィル
 人外。超越的な話題をする金髪碧眼の男性。とってもふしぎ。
 君とは何度も協力し合った親しい仲である。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:(村の男)  関係:不審  推奨クラス:霊媒師 or 聖職者 or 世界遣い

 君はPC1の友人だ。
 PC1と「PC1の親戚だ」と名乗る村の男の会話に偶然居合わせた君は、言葉では言い表せない不安感を覚えた。なんだかこの男、只者ではない気がする。
 PC1のことが心配だ。君はPC1の帰郷に同行することにした。
▼NPC2:(村の男)
 PC1の両親の出身地に住んでいるという男。名前、性格設定はPC2が自由に決めてよい。
 年齢はPC1より年上であること。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:古徒海村(ことみ村)  関係:不安  推奨クラス:狩人 or 聖職者 or 処刑人

 君は『教会』で活動しているエージェントだ。
 PC1の出身地という古徒海村(ことみ村)に夏休みの旅行として同行することになったが、高坂が神妙な面持ちで相談をしてきた。
 「ここ数年、古徒海村に訪れた一般人が変死体として発見されている。警戒して見てきてくれないか」
▼初期配布イベントキー:『古徒海村の怪死事件』
 激しい海と険しい山に挟まれた、小さな漁村・古徒海村についての資料。

【ハンドアウト:PC4】
 ハンドアウトパターン2〜3を兼用する。
 PC2の場合、PC2と共にNPC2の話を聞く。
 PC3の場合、PC3と共に高坂の話を聞く。
 なお、PC4はコネクションとして、『教会上層部と繋がりのある退魔一族の少年・佛田ときわ』か、『教会に協力している異端および禁書研究家・アクセン=ロズワルド』と繋がりを持つことができる。GMと要相談。


プレイヤー2・せいさん/あぁー!? ハンドアウトにアクセンさんがいる!?(笑)
プレイヤー3・MUMA/トキリンもいる! 今回PC4までおいしすぎませんか!?(笑) どのハンドアウトもやりたくて迷うんですけど!?
プレイヤー4・しゅうら/うわ、ホントだー! あー! トキリン可愛いよー!(笑) 私、アクセンさんとときわさん大好きなんですよ!
プレイヤー1・火種/あれ、これってみんな細胞レベルで死んじゃうセッションですか(笑) 死人がいっぱいコレクションですね!
GM/何故コレクションしたの。という訳でPC1はルージィルとお友達になってもらうハンドアウトを作りました。
プレイヤー1・火種/60億の細胞がもう無いよ!
プレイヤー4・しゅうら/まだ始まって5分なのに無いの!?(一同爆笑)
GM/ハンドアウト後半にも2人ほど公式NPCの影がありますね。PC4になった人に、ときわとアクセンの2名からお好きな方を選んでいただきます。お好きなハンドアウトを選択してください。
プレイヤー3・MUMA/ハンドアウト、何やりたいですか?
プレイヤー4・しゅうら/火種ちゃん、PC1やりたい?
プレイヤー1・火種/……はいぃ……。
GM/何のハンドアウトがやりたかな?
プレイヤー1・火種/PC1がやりたいです!
プレイヤー4・しゅうら/もっと大きな声で!
プレイヤー1・火種/PC1がやりたいですッ!
プレイヤー4・しゅうら/その意気込み、良し!(一同爆笑)

 訊くまでもない、ほぼほぼ確定した結果だった。
 PC2〜4は相談の末、以下の通りに。


プレイヤー1・火種/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・せいさん/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・MUMA/PC3ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・しゅうら/PC4で、PC3ハンドアウトを選択。

GM/キャラクターメイキングが終わったので、PC1から自己紹介どうぞ。
プレイヤー1・火種(以降、歌留多)/キャラクター名は下火 歌留多(したび・かるた)です。男で年齢は19歳。職業は大学生、身長は172センチ。瞳の色は赤で、色素が薄く光に弱いのでグラサンをして黒手袋をしています。
GM/体を隠しているんだね。
歌留多/ライフパスの『重要キーワード』は「動物」。ウサギがとてもとても大好きです。『特徴』は「神秘が大好きである」です。ルージィルさんも大好きです。未確認飛行物体やUMAも好きです。
プレイヤー2・せいさん/それ、全部同じカウントなのかな(笑)
歌留多/クラス編成は[闘士]8レベル。できることは攻撃です。仲間を庇います! ……ちょっと言葉少なな、内気な性格ですかね。みんなのことは友達だけど、まだ内気から変われていない子です。両親が死んでからN市に住んでます。

 下火 歌留多(プレイヤー名:火種)
 クラス:[闘士8]
  体力:16(+5)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 9(+3)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:48  MP最大値:18
重要キーワード:動物  背景:2年前から前の記憶が無い  特徴:神秘が大好きである
ボーナス効果:最大【MP】−2、最大【HP】+2  スキルウェポンのイメージ:中華包丁
職業:大学1年  性別:男  年齢:19  身長:cm  髪色:黒  瞳色:赤
 スキルウェポン→≪片手武器≫
 闘士→≪撃滅≫ ≪黄金の身体≫ ≪守護者の盾≫ ≪疾風迅雷≫ ≪カバー≫ ≪英雄の宣言≫ ≪殺界≫ ≪武闘家の血≫ ≪聖戦士の血≫ ≪戦の申し子≫ ≪救い主の手≫ ≪命の糧≫ ≪希望の勇姿≫ ≪熱血の防壁≫ ≪勇気の瞳≫ ≪殺法崩し≫

プレイヤー2・せいさん(以降、兎利子)/キャラクター名は、巽 兎利子(たつみ・とりこ)です。女の子で20歳。歌留多とはタメです。身長150センチ、黒髪黒目のジャパニーズレディです。おめめは開いてません。
プレイヤー3・MUMA/可愛い!(笑)
プレイヤー4・しゅうら/いつか目が開くときがくるの?
兎利子/≪念動障壁≫で「ハァッ!」と言うとき開きます。
GM/……寺生まれのTさんだ(笑)
プレイヤー3・MUMA/それって戦闘中にわりと開くよね?(笑)
兎利子/[感応力師]6レベルと[聖職者]2レベルの回復系です。ライフパスの『重要キーワード』は「寺社」。だから寺生まれのTさんです。歌留多くんのご両親が眠っているお墓を管理しているお寺ですね。
GM/本物の寺生まれなのかよ(笑)
歌留多/あ、じゃあオープニングシーンで墓参りをするのもいいかもね。NPC2の村の男とは、お墓参りのときに会うとかいいな。
兎利子/そこから始めるの良いですね! 『背景』は「心霊オタク」。歌留多くんと同じようなんですが、姿形の無いものの方が好きだな。わりとのんびりした温和な女の子です。檀家さんに優しく、人に優しく、世界が平和になるといいなぁ。
プレイヤー4・しゅうら/大らかな子なんだ。
兎利子/≪懺悔室≫を持っているので、交渉をしているときは背後に大仏様が現れます。
歌留多/懺悔しなきゃって気になる!(笑)

 巽 兎利子(プレイヤー名:せいさん)
 クラス:[感応力師6/聖職者2]
  体力:11(+3)  反射:12(+4)  知覚:10(+3)
  理知:14(+4)  意志:15(+5)  幸運:11(+3)
  HP最大値:29  MP最大値:37
重要キーワード:寺社  背景:心霊オタクだ  特徴:百戦錬磨である
ボーナス効果:【霊力命中値】−1、【霊力防御点】+2  スキルウェポンのイメージ:破ァ!
職業:大学1年  性別:女  年齢:20  身長:?cm  髪色:?  瞳色:?
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪念動障壁≫ ≪念動障壁・改≫ ≪空間知識≫ ≪肉体復元≫ ≪創まりの熱≫ ≪超復元≫ ≪空のリング≫ ≪心のリング≫ ≪スクリーンリンク≫ ≪ターニングセット≫ ≪センスチェック≫ ≪絆の星≫
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪叱咤激励≫ ≪懺悔室≫ ≪心霊医学知識≫
 一般特技→≪興奮剤≫

プレイヤー3・MUMA(以降、ユリア)/キャラクター名が、ユリア=カルッティアラ。フィンランド人の女性です。
GM/珍しい名前だ。フィンランドの人なんだ?
ユリア/祖国はフィンランドなんですが、他国に渡って軍人になり、色々あって教会にスカウトされ今は日本で高坂さん達と働いています。元軍人のエージェントです。[霊媒師]8レベルで、メインのウェポンは≪蒼の衝撃≫なので至近で攻撃します。
GM/前線の[霊媒師]なんだね。
ユリア/攻撃も大ダメージを叩き出しますが、ダメージ軽減や蘇生特技も持ったサポートもできて、情報収集の特技もたくさん取ったなんでもできるタイプです。≪守護神≫としてネッシーがいます。
GM/……ネッシー?(笑)
ユリア/ネッシーが守ってくれますし、ネッシーがダメージを出してくれます。霊感も何も無い人が見たらただ素手で白兵戦闘をしているように見えますが、実はネッシーの力を得ています。
兎利子/ネッシーの力、とは?(笑)
プレイヤー4・しゅうら/凄いもんに憑かれちゃってるねぇ(笑)
ユリア/かつては「女のくせに凄い力を持っていやがると」言われていましたが、これもネッシーの力のおかげです! ショートの金髪、青い目の、身長181センチボンキュッボンの女性です。
兎利子/でかい! カッコイイ!(笑)
ユリア/あ、歌留多くんのウサギ好きに影響されてウサギのヘアピンを着けるようになりました! きっと前回のレベルアップのときに着け始めたんだろうね(笑) 困っている人を見たら見捨てられない、ワタシの力を貸そう! そう言ってたらいつの間にか日本にいました!

 ユリア=カルッティアラ(プレイヤー名:MUMA)
 クラス:[霊媒師8]
  体力: 9(+3)  反射: 9(+3)  知覚:15(+5)
  理知:15(+5)  意志:16(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:34  MP最大値:17
重要キーワード:戦争  背景:軍人の仕事をしていた  特徴:世話焼きである
ボーナス効果:≪興奮剤≫自動取得  スキルウェポンのイメージ:ネッシー
職業:エージェント  性別:女  年齢:25  身長:178cm  髪色:金  瞳色:緑
 スキルウェポン→≪蒼の衝撃≫
 霊媒師→≪魂砕≫ ≪神霊の一撃≫ ≪気迫の盾≫ ≪気士団≫ ≪霊異の鼓動≫ ≪黄泉がえり≫ ≪守護するもの≫ ≪心強き守護霊≫ ≪守護神≫ ≪いとしのシト≫ ≪水霊操作≫ ≪断末魔の叫び≫ ≪霊的神経≫ ≪千里眼≫
 一般特技→≪興奮剤≫ ≪強化手術:意志≫

プレイヤー4・しゅうら(以降、えん)/キャラクター名は、未東 えん(みあずま・えん)。26歳の男性の形をしたインフルエンザウィルスです。でも悪い菌じゃないよ。
歌留多/わー、ボク悪い菌じゃないよー(笑)
えん/クラス編成は[狩人]5レベル、[異端者]3レベルのキャラクターです。
GM/なんだか人間を狩りそうなクラス編成だ(笑)
えん/飛沫感染しますよ! 普段は病院で空気を悪くしています。院内感染様様ですよ。病室が大好きです。ライフパスの『背景』は、「除菌から逃げている」(一同笑)
兎利子/逃げて、病院の人逃げてー!(笑)
えん/除菌されたら死にますからね(笑) ≪異常鉱物≫という病原菌の塊というモブを作成します。
GM/か、カビルンルンだ……(笑)
えん/バイキンマンなんてヒーローですよ! ドキンちゃんと結婚したいですよね! パン許せない!(一同爆笑) あ、インフルエンザは毎年形が変わるんでそれに合わせて毎回髪型がチェンジします。
歌留多/可愛い! それなら許します!(笑)

 未東 えん(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[狩人5/異端者3]
  体力:15(+5)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+3)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:35  MP最大値:32
重要キーワード:病院  背景:除菌から逃げている  特徴:エージェントである
ボーナス効果:特技1つ自動取得  スキルウェポンのイメージ:菌を丸めて放つ弾丸
職業:インフルエンザ  性別:男  年齢:26  身長:?cm  髪色:黒  瞳色:緑
 スキルウェポン→≪無の射撃≫
 狩人→≪闇纏い≫ ≪覇魔矢≫ ≪悪雨≫ ≪圧縮撃≫ ≪交わる矢≫ ≪零力射撃≫ ≪射法訓1・2≫ ≪的抜き≫
 異端者→≪闇の血統≫ ≪異常鉱物≫ ≪異端の集い≫ ≪鬼の肌膚:霊力≫ ≪黒のヨロイ≫
 一般特技→≪属性スイッチ≫ ≪強化手術:体力≫ ≪コネ「ウズマキ」≫ ≪−50清潔な空気≫

GM/NPCの確認をしていきましょう。NPC2「村の男」の名前を決めてもらいました。名前は、下火 双六(したび・すごろく)さんです。男性で、歌留多くんとの関係は?
歌留多/おじさんですかね?
GM/おじさんというと、歌留多くんのお父さんの兄か弟になるかな。
兎利子/なら弟がいいです!
GM/PC2の兎利子ちゃんの希望で叔父さんになりました。20歳の歌留多くんのお父さんは生きていたら40歳として、35歳ぐらいの叔父さんになります。
えん/「……オラは下火 双六。35歳。何にもない平凡を送っていたオラだが、突如オラに甥っ子ができた。誕生日までに迎えに行かなくてはならない!」
GM/それ、別バージョンのハンドアウトだろ(笑) 他の確認をしていこうか。PC1の歌留多くん……君はルージィルさんとはどのようなご関係かな?
歌留多/ふわぁっ!?
GM/まだ死ぬな!(一同爆笑)
歌留多/……と、友達がいい……です……。
GM/私と貴方はお友達ということで。
歌留多/……はいぃ……友達でいいですぅ……よろしいですぅ……。
GM/ルージィルさんは立場的にとっつきにくそうな印象かもしれませんが、ロリも親しい人とは一緒にお茶会を開いているぐらいですし、彼らウズマキの面々は案外仲良しな人とは一緒に食事をするぐらいフレンドリーですよ。
歌留多/……はいぃ……。
GM/……怖くないよ?(笑)
歌留多/大丈夫ですぅ……一生懸命ですぅ……(笑)
GM/そういやユリアちゃんは教会の仕事で来日してるんだよね?
ユリア/はい。教会の宿舎に住んでいます。
GM/木ノ本アパートに住んでいるのか。教会の支援を受けて暮らしている歌留多くんと一緒に住んでいそうだね。
えん/ああ、木ノ本アパートの周囲には色んなものが現れるから通り魔とか気を付けるんだよー。
ユリア/大丈夫だ、撃退する。
GM/それな(笑) 頼りになるユリアちゃんは、高坂に何かとお願いされてそうだ。……PC4のえんくんは、コネクションをアクセンとときわのどちらを選ぶ?
えん/アクセンさんでお願いします。

 アクセン=ロズワルド
 教会に協力している研究家。禁書の研究を中心に、世界についての知識を常に収集しているルーマニア人の赤毛の男性。
 PC達に渡される教会の資料を製作している人。親友のときわがキッカケで教会で仕事をしているが実はその正体は、吸血鬼の真祖であり、全世界の異端を束ねることができる「異端の王」でもある。
 
『バッドルイド』など始めのうちは正体を隠して一般人で通していたが、『4版』発表から人外同盟などが設定でできてしまったおかげで吸血鬼然としている。

GM/[異端者]のえんくんとアクセンは仲良しと。親しい間柄でお願いします。
えん/はーい。オレ、有名だし空気的にイケるでしょ。
兎利子/……空気感染のこと言ってます?(笑)
GM/そうだ。できれば歌留多くんのお父さんとお母さんの名前も決めてくれるかな?
歌留多/(暫く考えて)じゃあ……お父さんの名前は競馬(けいば)。お母さんの名前は卯乃(うの)でお願いします!
ユリア/オセロとか案もあったけどね(笑)
えん/チェスとかポーカーという案もありましたよー(笑)


 ●マスターシーン

GM/PC1こと歌留多くん、マスターシーンをしましょう。
歌留多/…………。
兎利子/落ち着け! 落ち着いて! 侵食値を上げなくていいんです!(一同爆笑)
GM/君は夢を見ている。ここは夢だ。そして君はこう思うことでしょう。「早く夢よ、覚めろ!」と。
歌留多/それは……?
GM/何故かって、君は見知らぬ場所で……君の体格より4倍も5倍も大きい恐ろしい化け物に襲われているから。めっちゃでけえ。めっちゃこええ。めっちゃでけえ。
兎利子/三拍子揃ってる!(笑)
歌留多/うわ、何!?
GM/触手が伸びていき君の腕を攫う。体を触手で締めつけられ、身動きができない。嬲り殺される。
歌留多/夢だけど覚めてほしい! 自分一人じゃ何もできない……辛い……早く誰かに助けてもらいたい! 一人きりなら絶望ですよね。無理だと判っていても……助けてくださいと叫びます!
GM/誰かに「助けて!」と言った瞬間、君の口の中に触手が入ってきた。口だけじゃなくぬるっと体内に入ってくるよ。
歌留多/んがっ!?
GM/君の体に入り込んでくる触手達。体の何倍も大きいイソギンチャクのような恐ろしい存在に嬲られていると……ふと、女性の声が聞こえた。
歌留多/……女性の声?
GM/「にげて、やめて」 何かを拒絶する声だ。しかしその間も触手が君の体内に、何かを放出する。
歌留多/うわ……うああ……。
GM/君は汗びっしょりで目を覚まします。今日は8月1日。暑い夏の朝だね。
えん/うん、汗びっしょりで暑い夏だなぁ(笑)
ユリア/ミーンミンミンミーン……とセミの声が聞こえてくるね。
歌留多/……ふ、ふぅ。やっと目覚めてくれた……。
GM/まだ目覚めには早い。時間はまだある。でもぐっしょりと濡れた自分の体は二度寝なんてできない。嫌な夢だったね。ああ、今日は両親の命日。墓参りの日じゃないか。
兎利子/私と待ち合わせをしていた日だね。
歌留多/……墓参りに行かなきゃ。ちょっと気分は悪いけど……行かなきゃな。そう思いながら着替え始めます。



 ANOTHER WORLD SRS
  「ハルスの悲鳴」




 ●オープニングフェイズ/歌留多&兎利子 〜約束〜

GM/PC1とPC2のオープニングフェイズをします。墓参りのシーンがやりたいと言っていたのでそれを採用しましょうか。
歌留多/はい。お待たせ、兎利子ちゃん。ちょっと寝起きが悪くて……と予定の時間より遅くやって来ます。
兎利子/いいえー、どうもー。体調は大丈夫なのー? お墓参りの用意はもうしてあるよ。桶とかお花を持って立ってます。
歌留多/ありがとう。……自分の家族のお墓参りなのに用意してもらっちゃったな。
GM/一人暮らしの男の子の家には線香とか無いしね。
兎利子/うちにはいっぱいあるから! それでは下火家のお墓の前に行きますね。
GM/この時期ですし墓地には君達以外にも墓参りに来た人はいるかもしれないね。夏の暑い日、2人でお線香をあげて手を合わせます。
兎利子/……あんまり昔のことは覚えてないんだっけ?
歌留多/うん……実は。数年前から記憶が無いんだ。でもお墓参りはしておかないと。大事な人達だったから……。
GM/そんな君達は、コンクリを蹴る足音を耳にします。2人が振り返った先には、見たことのない顔の男性が立っていました。年齢は35歳ぐらい男性。兎利子ちゃんは「歌留多くんと似ている」と思います。
兎利子/あ……雰囲気が似てるよ。同じ血の香りがする?
歌留多/その言い方はどうかと思う(笑)
GM/歌留多くんによく似た男性は花を持っていることから墓参りに来たようだ。「……もしかして君は、歌留多くんかい?」
歌留多/内気なので話し掛けられてビックリします。若干兎利子ちゃんに隠れながら……ハイって言います。
兎利子/えっとー、こちらのお墓に御用で?
GM/「そっちの娘さんは住職さんの娘さんかな?」 ペコリと男性は丁寧なお辞儀をします。「どうもどうも。オラ、下火 双六っていうんだ」
歌留多/下火って……俺と同じ名字?
GM/「そうか、さすがに歌留多くんは覚えてねーか。……オラ、お前の父親の弟だ」
兎利子/まあ、叔父さんだって!
歌留多/ぞ、存じ上げておりません。
GM/「ずっと疎遠だったし仕方ないな。……線香をあげていいか?」
歌留多/は、はい、どうぞ。
GM/双六と名乗った男性は線香をあげ、「……あんちゃん、安らかに眠れよぉ……」と訛った口調で懐かしそうに手を合わせる。兄夫婦への挨拶を終えた彼は、「あんちゃん達はな、ずっと昔に出身地である古徒海村を出ていったんだよ。歌留多くんを連れてな」と話をします。
歌留多/……古徒海村……。
GM/「古徒海村は何にもない所だ。未だに市町村合併を免れて村を名乗っているぐらいだし、20年ぐらい前から過疎化が叫ばれているところでな。彼らが上京してから一度も戻ってこなかった……」
歌留多/そうだったんですか……。
GM/「彼らが死んだというのを知ったのはつい最近でさ。お墓参りがしてきてこっちに来たんだ。2人が眠っているお寺の住職さんに訊いたら、あんちゃんのせがれはまだ生きてるって言われて……」 どうやら兎利子ちゃんのお父さんから歌留多くんのことを聞いて、今日に合わせて来たらしいね。
兎利子/お父さんとお話してたんですねー。
GM/うん。プライバシー云々もあるけど、歌留多くんと顔がそっくりなのは一目瞭然だったので教えたようです。「歌留多くんに再会できて良かったよ。君は確かそろそろ成人するんだろ?」
歌留多/は、はい。今月20歳になります。
GM/「古徒海村ではハタチの誕生日を大々的にするんだ。……歌留多くん、良かったら古徒海村に来てくれないか?」 ではここで、PC1にのみイベントキーを配布します。
歌留多/はい……?

 『イベントキー:故郷に帰ろう』
 このシナリオキーは条件が揃ったPCのみ見ることができる(オープニング段階ではPC1のみ閲覧可能。特技の効果による譲渡は可能)。


えん/他のプレイヤーは見られないんだ? な、なんか怖いね?(笑)
歌留多/(イベントキーの中身を見る)…………。
GM/では歌留多くん、判定をお願いします。
歌留多/(ころころ)……失敗です。
GM/では、失敗のロールをお願いします。
ユリア/い、一体何なんだ?(笑)
歌留多/……はい、ついて行きます。さっきも兎利子ちゃんに言った通り、思い出したいという気持ちがあるので頷きます。ぜひ古徒海村に行きたいです。
GM/「そっか! 良かった! じゃあ誕生日の日に来てくれるかな!」
歌留多/その頃ならやらなきゃいけないレポートも無いので大丈夫です。
兎利子/確かに夏休み中だし、帰省には良い時期だね。
歌留多/ちなみに大学では民俗学を学んでいる設定にします。神秘が大好きですし、村という言葉を聞くだけでもテンション上がってワクワクマンです。
GM/ワクワクマンなんだ(笑) 双六叔父さんは「みんな喜ぶよ! うちのとっつぁん、君のおじいちゃんにあたる人達にも話を通しておくから! ありがとな!」と凄く喜んでくれます。
歌留多/はい、よろしくお願いします。
GM/……このやりとりを見ていた兎利子ちゃんは、何か違和感を抱きます。メタ視点で言うなら「何故歌留多くんはダイスを振ったの?」と不審に思って結構です。
兎利子/うん……何かあったぞ……? 違和感を覚えます。私の冴え渡る勘がそう告げている!
GM/自分で冴え渡る勘って言ってる(笑) 「これがオラの連絡先だ。また日程が近くなったら連絡よー!」 双六さんはニコニコと挨拶を終えて去って行きました。
歌留多/ではまたー。
兎利子/ごきげんようー。……んー、むー。目をうっすらと開けます。
歌留多/ヤベエ、殺される。
えん/目からビームが出るぞ。
兎利子/出ないもん!(笑) ちゃんと「破ァ!」ってしないと出ないから!
えん/「破ァ!」ってすれば出るの!?(一同笑)
兎利子/連絡先を貰ってソワソワしている歌留多くんに尋ねます。……一人で行くの?
歌留多/えっと……。
兎利子/ごめん。一人で行けるの?
歌留多/そっちなんだ! でもそうだね!(笑) 俺一人じゃ行けないわ! ……村の人はあたたかく迎えてくれるかもしれないけど、全然知らない人ばかりのところに俺一人は……死ぬ。
兎利子/ここにね、歌留多くんの誕生日周辺は暇な女の子がいるんだよ。
歌留多/…………。それで?
兎利子/そこから先を言わせるの?(笑) だから、一緒について行ってあげようかって言ってるんだよぉ。
歌留多/そう言われるとは思わなかったので驚きます。でも……一緒に来てくれるなら心強い。お願いします。
兎利子/やったー。よしよし、まかせておくがいいよ。無い胸をドンと張ります!
ユリア/無い胸を、なんだ(笑)
兎利子/そうだ。せっかく遠出をするんだったら、ユリアさんや……えんさんを連れて行くのはどうだろう? みんなで旅行気分で行ったら楽しいし。村の衛生環境的にえんさんは心地良いかもしれない。
ユリア/田んぼの水場やまだ雑な下水処理とかボットン便所とかあるかもしれないしな。
えん/ヤッベー! ボットン便所とか超テンション上がっちゃうー! 井戸とかないかなー!?(一同笑)
歌留多/インフルエンザ菌を村に持ちこもうとしているんだな、俺達は……(笑)
兎利子/ユリアさんだってきっと楽しんでくれるよ。古き良き日本の文化に触れてみたら……。
ユリア/ハラショー!
兎利子/って言うかもしれない(笑)
えん/村にテンション上がる勢が多いな(笑)
GM/では歌留多くんは旅行気分の帰省計画を練り終え、兎利子ちゃんとバイバイします。ここでオープニングフェイズは終了なんですが……。
えん/ここから運命の時間ですね!?
GM/いや、そんなに大層なもんじゃないよ(笑) 夏の日差しの下、ふぅと息を吐きながら記憶に無い故郷のことを考えながら家路につく最中……背後から声がします。「下火 歌留多様」
歌留多/はい。振り向きます。
GM/「その呼び方はあまりに他人行儀でしたね。……歌留多さん」 立っているのは金髪碧眼の男性。夏だというのに季節感を無視したスーツ姿に手袋までした人です。
歌留多/…………。ど、どうも……。
兎利子/歌留多くんの手がプルプルしている(笑)
GM/彼の名はルージィル。顔以外肌を露出していないのにも関わらず、汗一つかかず涼しい微笑みで歌留多くんを見ています。「お元気でしたか。正午の炎天下の中では大変だったでしょう」
歌留多/は、はい。……言葉が出ない!(笑) もっとあるだろ! 「元気です!」とか!
えん/シンプルなお返事だった!(一同笑)
GM/「元気です!」と言いたげな笑顔を見て、彼は口を開きます。「……歌留多さんは故郷に戻られるのですか?」
歌留多/はい……俺は何も覚えてないんですけど、叔父さんに古徒海村という故郷に帰らないかと言われたので……誕生日に帰ることにしました。
GM/「先に笑ってよろしいでしょうか」
歌留多/……はい?
GM/「『どうしてそのことを見てたんですか?』とは訊かないんですね」
歌留多/だってルージィルさんだからっ!
兎利子/全てを崇拝する信者の目をしてるよ!(一同笑)
GM/さて、確かに君とルージィルは仲良しである。……けど、異端事件でもないのにこれほど口を出してきたことはあっただろうか? 突然現れて帰省のことを言ってきたことに「アレ?」と思ってくれても構いません。
歌留多/……気が変わったのかな?
GM/「貴方は記憶に無い故郷に帰ることに好意的ですか? 見ず知らずの男性に対しても好意的に接するのですか?」
歌留多/は、はい。叔父さんって言ってましたし、疑うことはないんじゃないかなって思いますが……。
GM/「そうですか。……私も一緒にその帰郷、同行してもよろしいでしょうか?」
歌留多/て。
兎利子/て?
歌留多/え。……その……?
GM/「たまには私も夏休みというものを味わってみたい。仲良くしてくださる貴方が一緒なら、とても良い夏が過ごせます」
えん/ルージィルさんの……夏休み!?(笑)
ユリア/バカンスではなく、夏休み! ここが日本で良かった!(一同笑)
歌留多/え、で、でも、俺も古徒海村がどんな場所か判らないし良い場所なのかも知らないしルージィルさんにとって楽しいかどうかも……!
GM/「貴方とご一緒できるなら良い夏が過ごせますと私は言いましたよ」
歌留多/(速攻)ハイ判りました。
兎利子/従順だ!(一同笑)
GM/「なに、貴方の邪魔はしません。これはいつものことです。ですが……今回はお友達としてよろしくお願いします」
ユリア/「お友達から始めましょう」って言ってるよ!(笑)
歌留多/は、はい、こちらこそありがとうございます! 夏に遊びに行くお約束だ……わーい! 嬉しい! 俺もう死ぬかもしれない!(一同笑)
えん/もうお前、マスターシーンの段階で死んでたじゃねーか(笑)
GM/「それではまた」 歌留多くんがまばたきをすると、いつの間にか彼は消えている。呼べばいつでも現れるけど呼ばなければ現れない、だけどどうして今日は出てきたのか。そんな不思議な人との時間でした。
歌留多/珍しいこともあるんだなー……。でも人が多い方が楽しいし! みんなにも連絡しよう!
GM/そうやって木ノ本アパートに帰っていく歌留多くんでした。……ところで他のPC達はルージィルさんに会ったことある設定なの?
えん/えんは≪コネ「ウズマキ」≫を持っているので会ったことある設定です。
ユリア/ワタシは……今までのセッションでも奇跡的にルージィルさん遭遇をしたことのない設定にします。そういうのも面白いと思うし!
兎利子/私も知らない設定ですかね。初めましてルージィルさんです!
GM/なら女性陣2人はこれから「なんか強い[世界遣い]の能力者」として出会うことでしょう。以上でオープニングフェイズ1をおしまいにしますー。


 ●オープニングフェイズ/ユリア&えん 〜協力〜

GM/ユリアちゃんとえんくんは、教会からお呼び出しがありました。仕事斡旋人の高坂が「話があるから礼拝堂に来てほしい」と2人を呼んだよ。礼拝堂に入ってきてね。
ユリア/礼拝堂の扉の前に居る。
えん/礼拝堂の扉をノックする。
ユリア/礼拝堂の扉の前で腕組みをして立っている。
えん/礼拝堂の扉の取っ手を壊す。
ユリア/礼拝堂の扉を外す。ふぅ、良い仕事をした。
えん/はーい、来たよー。
歌留多/……扉、壊した……(笑)
兎利子/自然に壊して……そのまま……(笑)
GM/高坂が「礼拝堂の扉……壊れたな……」って言いながらやって来ます(笑)

 高坂
 様々な事件の仲介屋(コーディネーター)をしている男。PCのような能力者達に「仕事」を紹介することを仕事とする斡旋人。
 詳しくは『AW公式NPC・パーソナリティーズ』参照。ちなみに、「グッドです」「エクセレントです」が口癖のトキリンことときわと親戚関係である。


えん/何度壊れるんだよ、この扉。
ユリア/すまない、修理しておいてくれ。
GM/堂々とすんなよ。(高坂になって)「と、とりあえず話をしようか。外した扉はそこに置いておいてくれるかい?」 高坂は冷たい麦茶を出しながら中へ入れてくれるよ。
ユリア/麦茶か! ありがたく頂こう。ゴクゴク! うまい!
GM/ユリアちゃんって「うーまーいーぞー」って言いながら口からビーム出しそうだね。
ユリア/やる。
兎利子/やるんだ!?(笑)
えん/やるんだ。いやー、外が適度に暑いから病原菌も撒き散らし甲斐があるねー。
歌留多/中途半端に暑いと撒き散らしちゃうんですか、ウイルス(笑)
GM/よくみんなはインフルエンザと付き合ってくれるな(笑) 高坂はユリアちゃん達を招き入れると、奥に居た人物に声を掛けます。「アクセンくん、彼らと仕事の話をするから少し待っていてくれないか」 赤い髪の外国人男性が高坂の呼びかけに頷きました。
ユリア/あ、アクセンさんだ……。
えん/トキリンは!? トキリンはいますか?
GM/じゃあアクセンの隣にはときわが居て、事件の資料に目を通している。アクセンはPC達に渡す資料を作る人なのでその最終チェックをしているっぽい。
えん/キャー、トキリーン! 今回出てこないからここで堪能しておく!(笑)
GM/NPCが多くなりすぎるとGMが管理しきれないからトキリンは退場させます(笑・高坂になって)「……君達、以前兎利子ちゃんらと一緒に古徒海村ってところに行くって話をしてただろ?」
ユリア/ああ、してたが?
GM/「……実は古徒海群という地方は、ここ5年で4名の変死体が発見されている」
ユリア/な、なに? 変死体だって? 海が近いのであろう、溺死ではないのか?
GM/「ああ。断崖絶壁と深い山、偶然訪れた者が足を踏み外して事故死……そう考えられたが、古徒海村にある海辺は観光という観光も無いんだ。何故あんなところで遺体が発見されるか地元警察も検討がつかないという」
えん/マジかー。
GM/「異端の仕業ではないか。そう考えた教会は調査を始めた。2日前に古徒海群にエージェントを2名派遣したんだ。しかしその2名が音信不通になっている」
ユリア/なんと……。
GM/「連絡が取れなくなってから170時間……1週間経ったら動き出すような規則にはなっている。けれど4名の犠牲者が出ているような場所だ。エージェント2名が連絡を一回も寄越さないのはおかしい。……俺は第二陣を派遣すべきだと考え、君達を呼んだ」
ユリア/まったく、連絡をするのは当然のことだろう! プンスカ怒っておきます! ホウレンソウと言うのにな!
えん/うんうん、報告連絡送還って言うのにね。
ユリア/……送り帰しちゃった?(笑) 連絡が戻ってきているぞ。それに高坂さんに返信しないとは何事だ! 高坂さんに対して好感度が低いなどとは不届き者め!
GM/「い、いや、俺はただのNPCだから! そんなに大事にしてくれなくていいよ!」 今日はルージィルセッションだし!(一同笑)
えん/そうだ、高坂セッションじゃなかった(笑) でも連絡返してくれないのは困っちゃうよねー?
GM/「ああ。だから……教会からの任務じゃなくて、俺からのお願いだ。古徒海村に行ってもし彼らを発見したら『連絡よこせよ!』と叱ってやってくれないか。何かがあったなら、それ相応の行動を頼みたい。百戦錬磨のエージェントとして活躍するユリアちゃんと、一流の狩人としての腕を持つえんくんなら状況に応じた行動を取ってくれるだろ?」
えん/病原菌と言わず言葉を濁してくれる高坂さん大好き!(笑)
ユリア/もちろんだとも。まかせておいてくれたまえ! 行方不明のエージェント2名の名前は?
GM/「聖職者の清野(せいの)くんと、処刑人の祥子(しょうこ)ちゃんだ」
えん/判りやすいな!(一同爆笑) そっか、2人プレイセッションだったんだ。レベル8が4人の卓に凄ぇしんどいなー(笑)
ユリア/せっかく帰郷する歌留多には……楽しい夏休みを過ごさせてやりやいものだな。
えん/頼むよ、ユリアさん!
ユリア/任されてしまった。まあ、ワタシの手に掛かればお茶の子さいさいだ!(笑)
GM/高坂は次の仕事があるらしく、一通り話をすると去って行きます。解散なんですが……その前に声が掛かります。アクセンが、えんくんに話し掛けてきますね。「……えん殿」
えん/ん? アクセン、どうしたの?
GM/「君は旅行に行くのか」
えん/そう! 旅行でね、古徒海村っていういいとこを紹介してもらったから行ってくるんだよ。お土産は必要かな?
GM/「古徒海村。神の恩恵がある村だな」
ユリア/……神の、恩恵?
GM/「古徒海村は神の恩恵を受けた集落として資料が残っている場所だ。1714年に大地震が起きたとき、相当海が荒れてあの一帯は壊滅状態に陥った。多くの町は海の藻屑になったと言われているが、古徒海村という漁村だけが助かったという伝説がある。なんでも神が村人を救ったというらしい」
えん/すげえ。神様だってよ。
ユリア/……ハラショー。今もその神はちゃんと祀られているんだろうか。
えん/アクセンさん、何か知ってるの? ほら、叩いたら出るでしょ! ほらほら!(笑)
GM/アクセンは馬鹿真面目なので「叩いたら出る、とは?」って別のこと考え始めちゃうよ(笑) 「あそこは1980年代に自殺の名所として不名誉なレッテルを貼られた以来、自殺する人間が逆に増えてしまったという歴史がある。一般人が巻き込まれているというのは、死に見せられた者には魅力的な土地だからだろうな。現地民よりも幽霊の方が数がいるし聞き込みは楽かもしれん」
兎利子/へえ、幽霊いっぱいなんだ。
GM/「なに、判らないことがあったら調べてみせよう。いつでも電話を掛けてくれたまえ」
えん/携帯電話の番号って交換してたっけ?
GM/「友人だからな」
えん/だよね、友達だったねー!(笑) じゃあ連絡はバッチリだね。何かあったら遠慮なく頼るわー、なるべく暇であってねー。
ユリア/ほうほう、すぐに調べてくれるのか。凄いな。
えん/こいつ自身が凄いんだぜ。だってこいつの正体は……おっと、アンパンマンの時間だから帰るね!(一同笑)
ユリア/教えてくれないのか! 残念だ。ワタシもトレーニングジムの時間だから帰ろう!(笑)


 ●オープニングフェイズ/合流 〜到着〜

GM/歌留多くんの誕生日の前日、君達4人は長い長い道のりの古徒海村へと向かいます。
ユリア/車の運転ならまかせておけ!
兎利子/おおー、左ハンドルのガイシャだ!
歌留多/す、凄いね、カッコイイ車だ……。
ユリア/日本は反対側に走らなければならないから大変だ。そうだ、誕生日なんだからケーキを買っていかなければ!
兎利子/ロウソク買っておかないとね!
歌留多/い、いいよ、もう20歳なんだから……(笑)
兎利子/20歳なんだからいっぱいロウソクを立てなきゃだよ!
えん/ウサギの形をしたロウソクがあればいいんだけどねー。それとお酒も買って行かないと……いや、殺菌されちゃうからオレはノンアルしか飲まないけど!(笑)
GM/そんな話をしながら、ユリアちゃんは山に入ったり森に入ったりする海沿いの、S字クネクネ道路を運転していきます。そうして到着したのが、断崖絶壁と海の真ん中にあるような村。見ただけで「過疎ってる村だな」と思えるような場所です。
えん/うえー、めっちゃ遠かったねー。しかも土砂崩れが起きたらヤバイ村だー。
兎利子/たぬき注意とか、シカ注意の看板があったねー(笑)
ユリア/海沿いを運転するんだから潮のにおいがするんだろうね……海がキラキラ輝いてそうだ。あ、車の中で教会であった話をしておきますね。
GM/了解です。車は渡されていた住所にある下火家に到着しました。車が無ければ移動もできない場所なので、砂利の駐車場はとても広いです。
えん/ふえー、車社会だからいっぱい排気ガスのにおいがする! 田舎って良いなー!
兎利子/……なんか、ヤバイ台詞が聞こえる(笑)
GM/車を降りた歌留多くん達の元に、誰かがダッと走り寄ってきます。
歌留多/おお?
GM/歌留多くんと同じぐらいの青年が走ってきました。
歌留多/え?
GM/「逃げろ! こんなところに居ちゃいけない!」
兎利子/……えっ? 何?
GM/村のおじいさんらしき男性が現れ、いきなり叫んだ青年にゲンコツを落とします。「お客さんにいってぇ何言ってんべぇ!?」
歌留多/ええっ!?
兎利子/お……おおっと……?
GM/おじいさんは「すんませんねぇ! こいつ礼儀も何もなってなくてぇ!」と青年の頭をグイグイ下げさせます。「来てくださってありがとうございます! 長旅でお疲れでしょう! ささ、どうぞこちらへ!」
兎利子/い、いえ……そんな……。
歌留多/は、はい……。
GM/おじいさんは青年を「まったくおめえって奴はぁ!」とプンスカ怒りながらズルズル違うお家へ引っ張って行きます。
歌留多/ああ、行っちゃった……?
兎利子/な、何だったんだ……。
GM/そうしていると「おーい」と肩からタオルを掛け、軽トラを運転する双六さんがやって来ます。「来てくれてありがとうー」
ユリア/モイモーイ。
GM/モイモ……ってフィンランド語か(笑) 双六さんは来るとは知らされていたけどベッピンな外人さんを見て驚きます。「ただでさえガールフレンドを連れてくるって言ってただけでもスゲーって思ったが、歌留多もやるなぁ!」
歌留多/い、いえこれは……(笑)
兎利子/今日からお世話になりまーす。
GM/「うんうん、今日は夜に歌留多くんの誕生日会ってことで宴会もするから楽しみにしていてくれよ。布団も4人分綺麗なものを用意してあるからな。広い部屋が余ってるからそこで4人寝てくれ」
歌留多/あ、ふ、布団……?
兎利子/ありがとうございます!
ユリア/ワタシは布団がとても好きだ!
GM/「……どうした、歌留多くん? 何かあったのか?」
兎利子/え、ええ……。
GM/「村人に何か言われたのか? ああ、誰かは知らんがきっと歌留多くんの家族だ。村人はみんな家族だと思ってくれよ。まだ歌留多くんがチビだった頃に会ったことがあるんだからさ。ほら、入って入ってー」 双六さんは君達を屋敷に入れようとします。
歌留多/……あの、お布団の数のこと……伝えようとしたんですけど、なかなかうまく言葉にできなくて……。
GM/ああ、ルージィルさんのことか。
歌留多/「ルージィルさんにお布団で寝てもらうのか!?」って思ってたら何も言えませんでした。
GM/そっち!? それは申し訳ねぇ!(一同爆笑)
えん/天蓋つきのベッドを用意した方が良かった!?(笑)
GM/……ちなみにこれはPC1の自由選択なんですが、ルージィルさんの扱いをどうするか決定ください。ごく普通に人間としてルージィルを5人目の旅行者として扱うか、村人の前に出ず君達の前だけに現れる稀人になってもらうかなんですが。
歌留多/えっ……。夏休みを過ごしたいって言ってるんだから……一緒に……。ルージィルさんと一緒に歩きたいので(笑) それに窮屈な想いをさせたくないので……普通に出てきてほしいです。
GM/……今回、外人キャラクターがPCの中にいるから金髪碧眼の男性が混じってもおかしいとは思われないしね。
ユリア/それもそうだね。「ワタシの兄だ!」と言えばイケる気がする。
GM/了解です。歌留多くんがお布団の数でモゴモゴしていると、「おや、どうしましょうかね。先に旅に同行することを言わなかった私が悪いのですが」と君の背後にルージィルが立っています。
歌留多/うわっ!? 俺が床で寝るので俺の布団を使ってください!(笑)
GM/後ろを振り返ると、相変わらずスーツ姿で肌を露出しないルージィルがいる。歌留多くん以外の3人は、金髪碧眼の男性がいつの間にかいることに気付いてください。
ユリア/ハッ!?
えん/あー。久しぶりに見たなーって顔をしとく。
兎利子/えっ、なになにっ? こちらの方は? ……友達!? こんなカッコイイ人と!?
歌留多/カッコイイでしょうッ!
えん/嬉しそう!(一同笑)
GM/「なにぶん私は恥ずかしがり屋なもので、ずっと隠れておりました。名前はルージィルと申します。以後お見知りおきを」 ルージィルは微笑んで深々とお辞儀をします。
ユリア/ルージィルか。ワタシはユリア=カルッティアラという。よろしく! キリッ!
兎利子/どうも、兎利子でーす。よろしくでーす。
GM/「おふたりのお話は歌留多さんからいつも聞いております。力強く守ってくれるユリアさんのお話も、兎利子さんが歌留多さんの一番の友達だということも」
ユリア/それは嬉しいな、テレテレ!(笑)
兎利子/一番? 一番なの? やったー!(笑)
GM/「実は歌留多さんの帰省にご一緒するという約束をしていたんですが、なかなか言い出せず結局≪クリエイトゲイト≫で来てしまいました」
ユリア/≪クリエイトゲイト≫でか! なるほど、[世界遣い]の能力者なんだな! ……なにやら強そうな雰囲気を感じておきます!(笑)
兎利子/うんうん、ただならぬ強さを感じるー!
えん/超強いよ、オレ知ってるー(笑)
GM/「どうぞ私のことは構わず」 そう頭を下げるルージィルさんの姿を、双六さんも見ます。「ああ、もしかしてお客様は全員で5人だったか! 勘違いしちゃってたなー」
歌留多/じ、実はそうなんです。5人の予定でして……すみません!
GM/少し困った顔をします。だけどすぐに「布団なら余っているから大丈夫。今夜は宴会を開く予定だったしご馳走はたくさん用意するしな」と、1人増えてもOKだと話してくれます。
ユリア/おおっ、貴方はとても親切な人だな!
えん/お・も・て・な・し、おもてなしだね!(笑)
GM/荷物を下火家2階の部屋に置いたところで、ミドルフェイズを始めます。宴会が始まる20時までの間に情報収集をすることができます。AF判定リストを提示するよー。
歌留多/……あの、ルージィルさんって荷物はあるんですか?
GM/無いね。鞄とか一切持ち歩いてない。私物も何も持っていません。
えん/ワインとか持ってないの!? なんかワイン飲んでそうな人じゃん!
GM/ワインは持ち歩くもんじゃないだろ……(笑) 夜の宴会で勧められれば飲むかもしれないけどね。
兎利子/歌留多くん、20歳になるんだからお酒飲めるんだね! 私は先に20歳になってるからもう飲めるよー。
歌留多/うーん、俺酔わずにいられるかなー(笑)

【情報収集AF判定リスト】
▼ミドルフェイズ前に契約シーンを立てることができる。
▼供給は1日1回、マイナーアクション扱い。
▼1日1人1回、情報収集判定をすることができる。

 『AF判定:「PC1の実家で過ごす」』
  ・使用能力値:【理知】【幸運】
  ・難易度:15
  ・ラウンド制限:なし

 ※「PC1の実家に訪れ、両親の残した家を眺める」演出に成功すること。成功した場合、家からある物を発見する。

 『AF判定:探索「先遣隊の捜索」』
  ・使用能力値:【体力】【知覚】
  ・難易度:50
  ・ラウンド制限:なし

 ※「古徒海村に来た先遣隊を探す」演出に成功すること。成功した場合、隠されたある物を発見する。

 『AF判定:探索「怪死事件の事故現場」』
  ・使用能力値:【知覚】【意志】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:なし

 ※「PC3の持つ資料を持って数年前に起きた事件現場を調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある情報を入手する.。


 『AF判定:調査「古徒海村」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:40
  ・ラウンド制限:なし

 ※「古徒海村について調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある人物を発見する。

 『判定:「資料を探してもらう」』
  ・使用能力値:【理知】【幸運】
  ・難易度:初回10 2回目12 3回目15  以後、難易度が2ずつアップ
  ・ラウンド制限:なし

 ※「教会にいるNPCに調べてもらう」演出に成功すること。成功した場合、NPCから情報を入手する。

 『AF判定:「ルージィルと話す」』
  ・使用能力値:【理知】【幸運】
  ・難易度:100
  ・ラウンド制限:1ラウンド

 ※「ルージィルと親しく話す」演出に成功すること。成功した場合、ルージィルがあることを教えてくれる。


GM/今回はAF判定と、通常の判定が1つあります。探索は主に難易度が減少できるAF判定ですが、アクセンに調べてもらうシーンのみ通常判定なのでご注意ください。なお、今回のAF判定は全部クリアーしなくてもセッション終了できます。フラグを回収すればいいシナリオだよ。
歌留多/……やべえ、一番下のAF判定を見て発狂しそうになった(笑)
えん/ホントだ。しかもルージィルさんの判定は『難易度:100』だぞ!
ユリア/……ルージィルさんと話すのは、1ラウンドしかできない?
えん/単純に考えて『AF判定:「ルージィルと話す」』は3人で頑張らないと1ラウンドでクリアーできないよ。
歌留多/俺が無限にクリティカルを出す機械になれればいいのに……!
兎利子/……みんなでルージィルさんのところに群がりましょうか?
えん/ルージィルさんと話したい列ができた!
兎利子/最後尾はこちらでーす!
ユリア/ワタシ、看板持ちまーす!
えん/「これ差し入れですー」って言いながらルージィルさんにクッキーあげたい!
ユリア/コミケか(笑) だって『難易度:100』だよ。絶対に良い情報が出てくると思う。それにルージィルさんセッションでルージィルさんと交流しないなんて何事か!?(笑)
歌留多/どうしよう、さっきから緊張しすぎて指がもげそう……(笑)

 相談の結果、この段階で『契約』を行なうことに。
 歌留多は兎利子のマスターになり、兎利子はえんのマスターになり、えんが歌留多のマスターになり、えんはユリアのマスターとなった。


えん/これで全員マスターとサーヴァントの関係になれたね。グッドです!(笑)


 ●ミドルフェイズ1/ユリア 〜聞き込み〜

ユリア/ルージィルと話すAF判定は歌留多、兎利子、えんの3人がして、ワタシは違う情報収集をすることになりました。
GM/1人でユリアちゃんが調べものをするんだね。大きな荷物を下火家に置いた君は、宴会の時間まで単独行動をすることに決めました。
ユリア/ワタシは探索してこよう! ウキウキ探索してきます!
兎利子/行ってらっしゃいませー。
えん/お土産よろしくねー。

 『AF判定:調査「古徒海村」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:40
  ・ラウンド制限:なし

 ※「古徒海村について調べる」演出に成功すること。


ユリア/とりあえず海の方へ行ってみます。漁業が盛んな漁村ということで、船がぷかぷか浮いていることでしょう。……キョロキョロ。誰も見ていないな?
GM/では今のところ村人の姿はありません。
ユリア/……水面をひょいっと覗くと、いつも背後にいるネッシーが写る。
兎利子/あ、ネッシーだ(笑)
ユリア/彼はワタシの≪蒼の衝撃≫、≪守護するもの≫、≪心強き守護霊≫、≪守護神≫、そして≪いとしのシト≫だ! なんと特技を5枠をさくほどだ!
GM/(ネッシーになって)「ねしぃー、積みすぎだねっしぃー」
ユリア/ネッシーくんにも協力してもらえると嬉しい! よろしくお願いするよ、と≪水霊操作≫で頼み事をしておきます。暫くは別行動だ!
GM/「エッヘン。なんでも言うねしぃー」 ネッシーは放流されます(笑)
ユリア/≪千里眼≫でくるっと周りを見渡す。どこに何があるか、どういう道筋を辿れば効率的に情報を集められるか探ります。歩いて聞き込みをしながら、昔ながらの建物があるんだろうか……ワクワク! 建物の中も≪霊的神経≫などで霊がいないだろうかと探していきます。
GM/神社とか祠はいたる所にあるだろうね。
ユリア/探索中に疲れたらリポDこと≪興奮剤≫を飲みます。神社を探して山道を歩いていたら、道に迷います。
歌留多/迷った!(笑)
ユリア/迷ったところで≪強化手術:意志≫で強化された意志の前では戸惑うことはない。強い意志で思いっきり探索を続けます! なんと迷い込んだ先は「この先キケン!」という看板が! そうか、昔ここで事故が起きたんだな。そっと≪断末魔の叫び≫を使い、うおおなんて不幸な事故だったんだ!
えん/なんか見たぞ(笑)
ユリア/そこで川を発見します。あ、あの川を下っていけば村に行ける筈だ! ポジティブに考え、そちらに向かいます。川に行くと、ネッシーくんがふよふよと浮いています。おお、会いたかったぞネッシー! ネッシーくんとハグをします。
歌留多/あっという間に合流しましたね(笑)
ユリア/そしてネッシーくんが得た情報をフムフムと聞きます。さて帰ろうか……としたとき! 崖から大きな岩がゴロゴロと!
兎利子/あ、危ない!?
ユリア/立ち向かわなくては! 一撃で破壊する! セットアップで≪魂砕≫を使い……≪神霊の一撃≫+≪霊異の鼓動≫でドゴーン!
えん/本気の攻撃だ、最大12D6のダメージで岩が崩れて砂になったよ(笑)
ユリア/破片は降ってくるので≪気迫の盾≫+≪気士団≫でパッと払っておく。……あと何の特技が使ってないんだ?
GM/蘇生特技の≪黄泉がえり≫がまだ使ってないかな。
ユリア/ああっ、怨霊の手でネッシーくんが倒れた!
歌留多/ネッシーくんが一回死んだ!(笑)
ユリア/しっかりするんだネッシーくん! ≪黄泉がえり≫! よし。神社で手に入れてきた資料もあるし、今日も日が暮れてきた……帰ろう!
GM/神社で手に入れた資料というおいしい物ができた。後で何かに使わせてもらおう(笑) これで使用特技は18個、『現在難易度:4』だよ。
ユリア/(ころころ)良い出目だ。達成値16! 『現在難易度:4分の16』でクリアーです。
兎利子/一生懸命ネッシーくんが仕事してくれたね、お疲れ様!(笑)
GM/ユリアちゃんは下火家に帰っていきます。他の3人が帰ってくる前に資料を読みあさることにしましょうか。演出だけど岩や怨霊退治で【MP】も使ったしね。
ユリア/一息つこう、【MP】を30点ぐらい使う演出をしたからな(笑)
GM/古めかしい本や村の記録を残した手記を読むと、かつてここには村を守る素晴らしい……神のような人物がいたようです。地震や津波などの災害で周囲の集落は全滅したにも関わらず、古徒海村は被害者ゼロ。それはその人物の加護があったからだという伝説がございました。
ユリア/ふむふむ。
GM/村の歴史を記した資料の中から、「悟陀(ごだ)様」という名前を発見します。
兎利子/ゴダ様……?
GM/ネッシーが周囲の霊から情報収集してきたことを話します。(ネッシーになって)「どうやら300年ほど前にこの村にやってきた人外がいたのは本当ねっしぃー」
ユリア/……稀人ということか?
GM/「何人もの霊と話をしてきたが、稀人なんてものじゃないとみんな口を揃えて言ったねっしぃ。あれは……本物の神だったらしいねっし」
ユリア/……んっ?
GM/「神が『堕天』したものねっしぃ。『堕天』という行為を知っているねっしぃ? 神がこの世に降りてきて、この世の創造物と共に暮らす生き物になることを言うねっし」
ユリア/な、なんだってー!?
歌留多/……なんで堕天するんですか?
GM/理由は様々。「楽しそうだから」「自分が作ったものと一緒に過ごしてみたいから」なんて好奇心の塊みたいな神が、たびたび下の階層であるこの世に下りてくるんです。「お前、下の世界で学んでこい!」とか言われて堕天する神様もいるよ。
えん/ああ、『バッドルイド』にそんなキャラクターがいましたね(笑)

 『バッドルイド』
 公開中の『AW』リプレイ。非常に俗物的な描写で『AW』の神がどのような暮らしをして、どのように創造物を生み、弄び、見守っているかを描いている。
 PCの一人が神であり、「創造物の心を実感してこい(=ダイス運を磨いてこい)」という理由で堕天を強制されている。


GM/神様はわりとフランクに堕天をしてきます。(ネッシーになって)「……堕天した神様は、偶然降り立ったその村をとても気に入り、住むようになったというねっし」
ユリア/ふむ……。
GM/「神様はなんでもできる、災害から人を守ることなんて他愛もないこと……その悟陀という神様は女だねっしぃー」
ユリア/女神様なんだ?
GM/「その神様についてもっと話してくれないかと霊達に尋ねてみたけど、みんな……口を噤んでしまったねっし。話せないことがあるみたいねっしぃ」 話を聞いて「悪い神様ではないな」と思っていいよ。
ユリア/霊達は怯えているのか?
GM/「確かに皆、怯えていたねっし」
ユリア/怯えていた……? 一体何があったんだろう?
GM/ではユリアさん。【幸運】判定難易度15をお願いします。まだフラグが回収できていない状態なんですが、それでも「あるものに気付くか」の判定ができます。
ユリア/ふむ?(ころころ)……残念、失敗です。
GM/難易度:15は高めの設定だからね。それでは君はそろそろ時間だと思い、倉庫などがある広い駐車場を抜けて下火家へと戻っていくのでした……。なお、このシーンは再度判定することができます。その際は難易度が半分の20で挑戦できるので、また機会がきたらやってみてね!