アナザーワールドSRS・リプレイ・アウトレイジエリア
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2013年6月30日




 ●ミドルフェイズ1/叡斗 〜事故現場〜

GM/一番最初に、シーンプレイヤーになるのはどっち?
統十郎姿の叡斗/まずは先に叡斗が動きます。……ベターに墜落現場を調べに行こう。
叡斗姿の統十郎/じゃあ俺は次のシーンで施設を探ろう。シーン同行者は陽向くんかな? 田代さんと柏木くんは動けないし、相庭くんは……出来るなら俺が見ていたいという気持ちが強い。
統十郎姿の叡斗/了解です。飛行機墜落現場に陽向と一緒に行きます。……寝るのも寒い状態なので、暖かい毛布を探しに行こう。もしかしたら陽向の荷物が見つかるかもしれないし。一人だと何かあったとき困るから来てくれ! キリッ!(笑)
GM/そうキリッとしているのは統十郎の顔です(笑) 辛うじて屋根のある宿舎食堂から表に出ると、外は吹雪いています。
叡斗姿の統十郎/びゅおーってすっごい吹雪いてるんだろうね……。
GM/それでも今は運良く吹雪は弱まっている気がする。ざくざくと雪の中を進んでいくと……建物に突っ込んだ鋼の巨体が見えてきます。炎はもう上がっていません。だけど、燃えた人達が見えたりするかも。
統十郎姿の叡斗/うっ……。陽向、連れて来て悪かった。
GM/陽向は寒さの震えだけではなく震えていますが、「い、いや。叡斗を一人で来られて瓦礫に潰されても困り……ますし……」と強がります。
統十郎姿の叡斗/恩に着る。あと敬語を使うな。飛行機の中でしてくれたようにしてくれていいよ。
GM/「あ、はい……うん。オレ、体力はある方だから役に立つよ! と、とりあえず調べてみよう!」
統十郎姿の叡斗/まあ、スキーに行くぐらい元気があるもんな。……疲れたような笑みを浮かべて、まるで追いはぎのようで嫌だが、と言いながらガサガサ探していこう。

 『AF判定:探索「飛行機墜落現場」』
  ・使用能力値:【体力】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:なし

※「飛行機墜落現場を探索する」演出に成功すること。成功した場合、現場の状況を把握することができる。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。


GM/それでは、AF判定を開始してください! 『難易度:20』からスタートだよ。
統十郎姿の叡斗/そうだな……ここまで来るのに≪熱血の防壁≫で寒さを気にせず来た。現場に到着して、瓦礫や鉄骨があっても≪鬼の羽根≫ですいすい動いて問題無く潜り抜けて行く。
GM/陽向はあまりの動きに「はえぇ!」と驚いています(笑)
統十郎姿の叡斗/なんのこれぐらい!(笑) ……如何せん墜落現場なので、死体があるよね。自分は腹を括って来たからいいけど、陽向がそれを見てしまうととても可哀想なので……≪不可視の領域≫でそっと隠蔽する。
GM/あっ、ありがたい!
統十郎姿の叡斗/ぐるっと≪全方位視角≫で不自然な物は無いかを見て、雪道は≪氷河の城≫で歩きやすい道を作る。
GM/巧いな、自分向けの領域に作り変えている(笑)
統十郎姿の叡斗/歩く途中、何かがバラバラと打ち付けてきても≪武闘家の血≫があるので全然痛くない!
GM/OKです。……これで『難易度:8』だよ。雪山の作業、いってみるかい?
統十郎姿の叡斗/よしいけ!(ころころ)やった、【体力】達成値12で成功です。
GM/余裕で成功だ。君が調べていると暖かそうな布や、燃えていない人々の荷物から使えそうなコートを見つけることができる。
統十郎姿の叡斗/……手を合わせて、頂戴致します。
GM/そして、君は壊れていない機長室に入ることができました。そこで、燃えていないメモを発見します。
統十郎姿の叡斗/なんだと。この状態で奇跡的に紙が残っているとは……?
GM/半分は燃えているんだけど、雪に突っこんで半分カチンコチンになっている奇跡のメモを発見します。メモは殆ど読めないけど、このような単語があるというのは読み取れます。
叡斗姿の統十郎/単語?
GM/『エンジントラブル?』『乱気流?』『異物が入り込んだ?』『羽根の一部がエンジンの中に?』。
統十郎姿の叡斗/…………。
GM/必死のメモは専門家じゃない自分らでも判るほど、機長達が必死に乗客を守ろうとした痕跡に見えました。……メモの端には機長の妻の名前なのかな、女性の名前と共に誰かに宛てたメッセージが数行あるね。
叡斗姿の統十郎/……遺書だ。
統十郎姿の叡斗/生きて帰れたら……奥さんに渡せると良いな。残っていたメモをポケットに入れておきます。……つまり、本当にこれは飛行機事故だったんだ?
GM/そうだね。
統十郎姿の叡斗/例えば、何か……異端が悪さをして、とかが事故の原因じゃないのか?
GM/そうだとしたら、キャラクターレベル10の上級者である叡斗くんがAF判定をすれば判る筈だ。
統十郎姿の叡斗/…………。
GM/『イベントキー:事故現場のメモ』をゲットしてください。あっちを探索していた陽向がやって来る。暖かそうなコートを拝借したのか、見たことのないフカフカの姿で君に寄って来るよ。
統十郎姿の叡斗/……陽向。機長のメモが見つかった。この事故は乱気流に巻き込まれてのエンジントラブルらしい。
GM/(陽向になって)「ああ……『仰天ニュース』や『アンビリバボー』でそういう事件があったって見たことがあった。本当にそんなトラブル、起きるんだな……」
叡斗姿の統十郎/よく飛行機トラブルのドキュメンタリーとかやっているもんね(笑)
GM/「……機長さん、頑張って何とかしてくれてたのかな?」
統十郎姿の叡斗/ああ、そのようだ……。
GM/「でも、自然の力には勝てなかった……この事件、仕方なかったことなのかな」 陽向は絶望したような声で言う。寒さや惨状を見たことによる震えだけではなく……虚無感に襲われて、どうしようもなく突っ立っているしかないようだ。
統十郎姿の叡斗/……陽向の隣に立ってその肩を摩ります。寒いか。
GM/「そりゃ寒いよ。お前は全然寒くなさそう、ですけど」
統十郎姿の叡斗/敬語はやめてくれ。お前らしくない。
GM/「……ああ、お前がちっこい姿だったら『ヨーシ頑張ったなヨシヨシ!』ってなでなでしてやるんだけど。流石に年上の体にはそんなこと出来なくて……ハハ、調子狂うわ……」
統十郎姿の叡斗/元の体でされても困る。一応、毎朝髪はセットしてるんだぞ。
GM/「でも渡瀬さん、相談してるときに叡斗の頭をガシガシ掻いてたよな?」
統十郎姿の叡斗/そのうち一言申し上げねばなるまい(笑)
GM/「ハハッ、不思議なこともあるもんだな。体と中身が入れ替わるなんて……。ハッ! 頭ゴッツンコすれば戻るんじゃね!?」
統十郎姿の叡斗/映画でいっぱいそういう展開はあるが!(笑)
GM/「漫画でもいっぱいあるよ!」と陽向は笑います。
統十郎姿の叡斗/ワァと騒いだ後に……一息つきます。島に飛行機が落ちたとなれば救助はすぐ来る。目標は2日粘れるかだろう。
GM/「2日か……2日も粘ってりゃ本土から助けが来てくれる?」
統十郎姿の叡斗/ああ。……無理を言ってついて来てくれてありがとう。陽向を庇うように歩いて行きます。
GM/「いいっていいってー」 統十郎さんの姿の叡斗に寄り添いながら、宿舎の食堂に戻っていきます……。


 ●ミドルフェイズ2/統十郎 〜倒壊したシズ〜

叡斗姿の統十郎/シーンプレイヤーは統十郎で、施設内を探して食料などをゲットしようと思います! 使える無線機があったらいいな!
GM/半壊の施設内を探しますか。シーンに登場させる子は?
叡斗姿の統十郎/相庭くんを選択します。動けない田代さんと柏木くんのところに相庭くんを置いておくのも……。今のところ大人しいけど、経歴が経歴なので何が起こるか判らない。一緒に連れて行きます。
GM/了解です。統十郎さんはいつもの警備室の方に行きます。警備室は無いです。
叡斗姿の統十郎/無い?
GM/抉れてるから。
叡斗姿の統十郎/……無ーい。本部は、無〜い?
GM/炎は鎮火してますが焼き焦げて、その上に雪がどんどん積もっています。
叡斗姿の統十郎/う、わあ〜……。
GM/これには相庭くんも苦笑い。……そして君達は、歩いている間にも何人もの遺体を見た。その中には君と親しくしていた人達もいる。
叡斗姿の統十郎/あ、ああ……おばちゃん……おばちゃん達もいるんだ……。
GM/気落ちしていきそうですが、探索を始めましょうか。

 『AF判定:探索「特定精神医療施設シズ 施設内」』
  ・使用能力値:【体力】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:なし

※「シズを探索する」演出に成功すること。成功した場合、何かを発見する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

叡斗姿の統十郎/まず≪的抜き≫を使い、大体どこに何が残っているだろうかという目星をつけます。そして≪罠師のサガ≫で、脆くて壊れやすい場所を無いか調べます。
GM/おお、ちゃんと避けるように進んでる。目安をつけるのは大事!
叡斗姿の統十郎/≪痕跡発見≫で物資が無いかを探し、そして≪逆転運命≫を使用します。
統十郎姿の叡斗/何か失敗してるぞ!?(笑)
叡斗姿の統十郎/危ない所に差し掛かってしまいましたが上手く切り抜けました!(笑) そしたら≪運命の予感≫で「あれ、こんな所に何かあるんじゃないか!?」という天啓を受けます!
GM/あ、この人、電波だぞ。
統十郎姿の叡斗/愛おしいな!(笑)
叡斗姿の統十郎/これで『難易度:10』だからいってみよ〜!(ころころ)よし、達成値15で成功です!
GM/……君は施設内を引っ切り無しに歩き回り、目安をつけ、時々失敗し……。
叡斗姿の統十郎/あっ、あぶない! いてて〜!(笑)
GM/その結果、君は「どこにも通信が出来る場所は無い」という結論に至ります。
叡斗姿の統十郎/……なんだって。全滅か……?
GM/携帯電話はもちろん無線も、施設内にあったテレビも付く訳が無く、救助をこちらから要請することはできないという結論に至ります。でも君は「ここは本土から数キロしか離れていないんだから、吹雪さえ止めば助けは来る」と自分を激励します。
叡斗姿の統十郎/いざとなったら……遠泳!
統十郎姿の叡斗/寒中水泳!? 寒い! 死ぬ!(笑)
叡斗姿の統十郎/でもこの体じゃ無理だな〜。
統十郎姿の叡斗/失敬な! キャンキャン吠えるぞ!?(笑)
GM/それとね、統十郎さんは……探索の中、相庭脩駕を護送していた病棟にやって来ることができました。お医者さん達が倒れているところにね。
叡斗姿の統十郎/きっとネームプレートで名前を確認できるぐらいなんだろうな……。
GM/そこに、バラバラになった資料と魔導書らしき本を発見する。
叡斗姿の統十郎/……魔導書? も、燃えずに残っていて良かった! パラッと見てみます。
GM/中身は[霊媒師]≪精神交換≫の上位版を記した魔導書と、『魂の入れ替え・譲渡・精神交換について』と書かれたレポートです。
統十郎姿の叡斗/……おっ……?
GM/統十郎さんは[聖職者][処刑人]ですか?
叡斗姿の統十郎/どちらでも無いです。
GM/では、『あること』を知っているか【理知】判定難易度12を振ってみてください。
叡斗姿の統十郎/8以上で成功か、成功すれば問題無い!(ころころ)1・2……ぽかーん! なんだろ〜!(笑)
GM/失敗だと「へー! こういうことをやるお医者さんがいたんだー!」としか思えません。
叡斗姿の統十郎/へー! 父さんや由貴乃だったら判るかな〜!?(笑)
GM/……うん。由貴乃ちゃんは[聖職者]だからきっと判る(笑) 
統十郎姿の叡斗/ぶわっ!(笑) でも『魂の入れ替え』なんて絶対何かあるレポートだよ! やったー!
叡斗姿の統十郎/そうだね、これを使えば何とか……って、あれ? ここにあるってことは相庭くんの手術に使う物だったんだよね? ……これを?
GM/どうしてだろうね。『AF判定:探索「特定精神医療施設シズ 施設内」』に成功した統十郎さんは、『イベントキー:剥奪の魔導書』をゲットしてください。……相庭くんは「こっちには何も無かった、です」と手伝いをしてくれます。
叡斗姿の統十郎/そ、そっか。水と食料はどうだった?
GM/「一応、ありました……」
叡斗姿の統十郎/おおお、ありがと〜! 無邪気な仔犬のような目でキラキラ見るよ〜!(笑)
GM/……無邪気な仔犬のような叡斗くんが近寄ってくるんだ(笑)
統十郎姿の叡斗/……もし叡斗が居たら、その光景を複雑そうに眺めそうだ(笑)
叡斗姿の統十郎/こっちは資料を発見したよ! でもこれ以上は何も見つからないかな? とりあえず宿舎に戻ろうか〜。
GM/「何の資料ですか?」 脩駕は歩きながら訊いてくるよ。
叡斗姿の統十郎/……えっと、君の治療記録だよ。……これ、どこまで言っていいものか悩むのでそれぐらいしか答えません。俺、あんまり相庭くんを信用してないから……。
GM/「…………」 相庭は交渉しようと【理知】判定をします。統十郎さんは【理知】か【幸運】で対抗してください。
叡斗姿の統十郎/あふん!?(笑) 【理知】も【幸運】もドッコイだ!?
GM/(ころころ)脩駕の達成値は11。なので、受動側の統十郎さんは11以上が出れば対抗成功になります。
叡斗姿の統十郎/交渉判定なら≪絶対の自信≫があるからプラス3が付く!(ころころ)達成値14、成功です!
GM/あー、成功された。脩駕は「何なんですか、教えてください」と問い詰めてきますが、判定に成功した統十郎さんは「いやいや専門家じゃないから判らないよ」とはぐらかすことができます。
叡斗姿の統十郎/なんかね〜、難しい単語とかね〜、ドイツ語で書かれているから判んない〜!(笑)
GM/「……そうですか」 しょぼん。
叡斗姿の統十郎/な、なんかそう言われると罪悪感が湧く(笑)
統十郎姿の叡斗/本当に相庭くん、大人しいね?
叡斗姿の統十郎/なんでこんな子が、あんなムゴい事件を起こしたんだろう? でも……これを見せたら変なスイッチが入りそうで怖いんだよなぁと心の中で思いながら帰ります。
GM/帰ります……というところで、『NPC2と2人きりのシーンになった』という条件が揃ったので特別イベントが発生します。
叡斗姿の統十郎/えっ(笑)
統十郎姿の叡斗/ひゃあ!?(笑)
GM/脩駕が統十郎さんの入った叡斗くんの背中に、頭をコツンと寄りかからせる。前のめりにな。
叡斗姿の統十郎/えっ、なにっ。
GM/叡斗の身長は170センチだから、脩駕は175センチぐらいかな? あんまり大きすぎない子を想定しているから……背中にというより、肩に額を乗せる感じ。
叡斗姿の統十郎/ど、ど、どうしたの……?
GM/「…………」
叡斗姿の統十郎/な、なに? お腹痛いの!?
GM/脩駕はスンスンと鼻を寄せます。
叡斗姿の統十郎/は、鼻を寄せる!?(笑) えっ、なに、どうしたの? あっ、そっか、怖かったんだね!? よしよしよしよし!
統十郎姿の叡斗/……統十郎さん、動揺しすぎだ(笑)
GM/この27歳、可愛い(笑)
叡斗姿の統十郎/何かあったか言ってくれないかな〜……?
GM/「お腹空いた」
叡斗姿の統十郎/…………。
GM/「…………」
叡斗姿の統十郎/…………。ウン、ソウダネ!(一同爆笑) そうだね俺もお腹空いたね! うん! 俺もお腹空いた!
統十郎姿の叡斗/色んなニュアンスを読み取っての棒読みだった。統十郎さん、必死だ(笑)
GM/……脩駕は、な。
叡斗姿の統十郎/は、はい。
GM/統十郎さんのこれからの反応でテンションを変える。襲うか襲わないかは君の反応次第だ。
叡斗姿の統十郎/なんだってじたばた!(一同笑) え、えっと……じゃあ……統十郎は相庭くんから離れますっ!
GM/離れるんだ。なら、脩駕はすっごい残念そうな顔をする。
叡斗姿の統十郎/ほ、ほら〜! 早く戻ろうか〜! ご飯が逃げちゃうぞ〜!?
GM/脩駕は自分の唇を指で弄ります。「…………はい」 大人しく、統十郎さんの後ろをついて行きます。
叡斗姿の統十郎/……ふ、ふぅ……。助かった?
統十郎姿の叡斗/危なかったね、食べられるところだった。
叡斗姿の統十郎/人様の体だから! ねっ!?(笑)
統十郎姿の叡斗/そ、そうだ!? 僕が危なかった! 僕の知らないところで何かあったら困るぜ!(笑)


 ●合流フェイズ5/叡斗&統十郎 〜突然の別れ〜

GM/一度合流しましょう。叡斗と陽向は飛行機墜落現場に、統十郎と脩駕はシズ探索に行き、無事寝泊まりが出来る宿舎食堂へ帰ってきました。
叡斗姿の統十郎/同時期ぐらいに帰ってこられるかな?
統十郎姿の叡斗/そうだな。統十郎さん達は色々あったみたいだから、先に叡斗達の方が早く帰ってくるかな。
GM/では叡斗と陽向が宿舎に戻ってくると、薫が「田代さん! 田代さん!」と声を掛けているのに気付きます。
叡斗姿の統十郎/ん……?
統十郎姿の叡斗/うん? 何をしてるんだ……? 立てつけの悪いドアをガタガタ開けて入ります。柏木さん、どうかしましたか!
GM/「田代さん!」 薫は寝ている田代さんを揺さぶって声を掛けている。「統十郎! ……いや、えっと、叡斗くん……」 薫は慌てて言い直す。
統十郎姿の叡斗/ややこしくて申し訳無い!(笑)
GM/「た、田代さんが……」 彼女は大人しく眠っているようだ。胎児のように丸まって眠っている。だけど……生気が無い。
統十郎姿の叡斗/眠っている……のではなく? 脈を取ってみる……。
GM/死んでいる。
統十郎姿の叡斗/……脈が、無い……。
叡斗姿の統十郎/なっ……。お、俺もその場に登場していい!? 戻りました〜! にぱーって笑って叡斗くんが入ってくるよ〜!
統十郎姿の叡斗/……深刻な表情です。
叡斗姿の統十郎/えっ? どうしたの?
統十郎姿の叡斗/渡瀬さん……相庭くんも。落ち着いて聞いてくれ。……田代さんが死んだ。
叡斗姿の統十郎/……え……。
GM/脩駕はピクッと反応するものの、表情は淡々としたまま何も変えない。一方、陽向は「えっ? なんで?」と理解が追い付かない様子で目を丸くして驚いている。
統十郎姿の叡斗/……柏木さん。何故、こんなことに?
GM/暗い顔をした薫が話し始めます。「最初は普通に寝ていると思ってたんだ。でも、寝返り一つうたないしあまりにも大人しいから、揺さぶってみたら……」
統十郎姿の叡斗/…………。
叡斗姿の統十郎/…………。
GM/…………。全員、黙り込むか。
統十郎姿の叡斗/……沈黙が……重い……。
叡斗姿の統十郎/じ、状況が……よく判らなくて……オロオロしてます。
GM/……では、陽向がガタガタ、ガタガタと震え始めます。(陽向になって)「や、やっぱり……みんな死んでいくワケ……!?」 ついにはボロボロと泣き始めます。
統十郎姿の叡斗/ひ、陽向!? 落ち着け!
GM/「い、今まで……いっぱい死んでる人、見てきたけどさぁ……! やっぱり、みんな、このまま、死んで……死んじゃう……!? この人、さっきまで動いてたじゃん……! 頭イカれてたけどさぁ……!」 パニックに陥ってどんどん声が大きくなっていきます。
統十郎姿の叡斗/ああ、そうだ、そうだな! ……陽向を抱き締めます!
GM/しゃくり上げながら、「なんなんだよ、もう……!? なに、みんな……オレも……し、死ぬの……!?」
統十郎姿の叡斗/大丈夫だっ! こんな元気な奴が死ぬか!
GM/……叡斗くんがそう強く言ってくれるなら、陽向は少しだけ落ち着こうかな。「死にたくない……死にたくない……」と飛行機で聞いた声を繰り返してはいるけれど。
叡斗姿の統十郎/……心臓マッサージなど手当をすることができないか、田代さんを診てみる。もう、そんな感じではない……?
GM/ですね。死んでいます。
叡斗姿の統十郎/…………。この状態だと何にも出来ない。
GM/ボロボロと泣く陽向。それを抱える統十郎の姿をした叡斗。そんな彼らとは離れた場所で「やっぱ放っておけば良かったじゃん。どうせこいつ、死ぬ運命だったんだから」と脩駕が呟きます。
叡斗姿の統十郎/(低い声で)お前ふざけんなよ。
GM/……っ!(笑)
統十郎姿の叡斗/と、統十郎さんが怒った……!(笑)
GM/「…………。その人に食べさせた食糧、ちょっとは浮いたんじゃないの?」
叡斗姿の統十郎/そんなのあくまで結果論でしかない。そもそもこの人が死んだ原因だって判らないんだ、もしかしたらちゃんと生きてたかもしれないだろ。たかだか食料が浮いたとか浮かないとかその程度のレベルでガチャガチャ言うな。
GM/「…………」
叡斗姿の統十郎/……す、すいません。
統十郎姿の叡斗/……言った後に「すいません」って言っちゃう統十郎さん(笑)
GM/統十郎に言われ、脩駕は黙る。薫が、叡斗の体をした統十郎に「何かあったら連絡すると言ったのに……すまない」と謝り始めます。
叡斗姿の統十郎/この人が亡くなった原因は判らない。大丈夫、君のせいではないから。
GM/「それでも、ごめん」 今まで他人行儀みたいだった薫ですが、その「ごめん」の言い方はいつも統十郎さんに言っているような言い方でした。彼は田代さんの体に毛布を掛けます。
統十郎姿の叡斗/ああ、本当に眠っているようだ……。
叡斗姿の統十郎/……今までのことについて話そう。無線や通信機は全部駄目だったよ。でも本土と定期的に連絡を取っていたから、連絡が無くなったら向こうも慌てだすだろうし、飛行機が墜落したことも管制室が判っているだろうから、すぐに助けが来る。
統十郎姿の叡斗/先ほど僕も陽向とそのことについて話していたんだ。救助はこの吹雪で遅れているだけだから、2日も待てばきっと助けは来る。僕達は使えそうな毛布やコートの類を拾ってきたし……あと、ひょんなことから飛行機の墜落理由が判ったよ。
叡斗姿の統十郎/うん?
統十郎姿の叡斗/この事故は、乱気流に巻き込まれたことによるエンジントラブルらしい。
叡斗姿の統十郎/……そうなんだ。
統十郎姿の叡斗/ああ。……僕達のやることはただ一つ。みんなが無事で生き残ること。そして……救援が来る前に、僕達の体を何とかすることだ!
叡斗姿の統十郎/そ、そうでした〜!(笑)
統十郎姿の叡斗/このまま救助されたら僕は看守として生活しなければいけなくなるかもしれないし、貴方は大学生として暮らさなければならなくなるぞ!(笑)
叡斗姿の統十郎/ええっ!? 無理っ! 俺、勉強そんなに好きじゃない!
統十郎姿の叡斗/見れば判る!(笑) 僕は弁護士になりたいから看守はできない。まさか貴方が僕の代わりにレポートを書いてくれはしないだろう?
叡斗姿の統十郎/無理無理無理〜!(笑)
GM/統十郎さんってテストの点数取れなくても面接が超受け良さそうだよね。綺麗な嫌味の無いゴマ擦りしそう(笑)
叡斗姿の統十郎/「スゴイッス! 超スゴイッス! 社長スゴイッス!」で何とか切り抜けてきました(笑) あ、そうそう! これ見っけたんだけど! 何か判らない? シズで発見した魔導書を叡斗くんに渡すよ。
統十郎姿の叡斗/これは……魔導書? レポートは……『魂の入れ替え』だと!?
GM/ここはミドルフェイズではありませんが、判定を許可します。まず『あること』を知っているかの判定をしましょう。叡斗くんは[聖職者][処刑人]ですか?
統十郎姿の叡斗/違います。
GM/では自動成功ではなく、【理知】判定難易度12で判定に挑戦しなければなりません。
統十郎姿の叡斗/僕の【理知】は4だから……(ころころ)あ、ギリギリ判った! 達成値12で成功です!
GM/【理知】判定に成功したことで『あること』を思い出します。それは……この魔導書が一体どこから生まれ、どうして異端刑務所にあるのかの経緯です。
統十郎姿の叡斗/ほう?
GM/君はこんな事件を知っています。2006年1月、異端刑務所及び退魔組織教会で起こった不祥事が発覚したことを。史上最悪の汚職発覚による、通称『機関解体事件』のことを。

 『機関解体事件』。
 教会での汚職事件一連の騒動のこと。
 退魔組織『教会』は逮捕された能力者の受刑者を異端刑務所に収容していたが、一部の教会上層部達が受刑者を死刑にしたと見せかけて『機関』という特異能力研究施設に送り、受刑者達を人体実験などに使ったり異端達の食材として卸すという悪行を30年以上続けていた。
 2006年1月にこの不祥事が発覚し、『機関』の中心人物達は処刑され、組織は解体。その際に『機関』で造られた魔道具、強力な魔導書が大量に押収され、非人道的な実験の被害者や生み出された稀人・異端者達も大勢保護された。
 『機関』は解体され、教会は生まれ変わっているとされているが彼らの残したものは根深く、30年以上に渡る悪行は未だに日本の裏社会の至るところで噂されている。詳しくは、『アナザーワールドSRS・リプレイ〜ワンダフルワールド(バッドルイド2)』参照。


統十郎姿の叡斗/確かこれって、教会関係者ならば必ず知っている知識……でしたっけ?
GM/うん。[聖職者][処刑人]であれば自動成功で知っている知識なんだけど、2人とも違ったのでダイスを振ってもらいました。そしてこの魔導書は、『機関』から押収された高位な魔導書……普通の特技取得では操れないような強大な効果を記した『禁書』の一つであると判ります。
叡斗姿の統十郎/あ、叡斗くん、これメモ帳です。どうぞ使ってください(笑)
統十郎姿の叡斗/ありがとう!(笑) メモ帳にサラサラガリガリ! ドイツ語と日本語と英語とルーン語と、ブツブツブツ!(一同笑)
GM/ブツブツと統十郎さんの姿の叡斗くんが読み始めました(笑) では[魔術師]の叡斗くんは……その魔導書が[霊媒師]≪精神交換≫の応用を記した魔導書だと判ります。ただ普通の≪精神交換≫と違うのは、交換するだけでなく『魂を抜き取ることができる』ということです。

 ≪精神交換≫
 体と魂を入れ替えることができる[霊媒師]の特技。
 自分の精神と対象の精神をそれぞれ入れ替えることができる。


GM/人間には一つの体という船に対して、一人分の魂という操舵主しか乗り込むことができません。ですが稀に一つの船に対して二つ以上の魂が乗り込んでしまうケースがあります。[異端者]≪生体侵入≫なんてその中のよくあるケースですね。この件に関しては、今までのリプレイシリーズだと『デイズ』が判りやすいです。

 ≪生体侵入≫
 他者の体内に入り込む[異端者]の特技。
 対象と使用者は一体化する。隠密状態になり、ダメージに+[クラスレベル×2]。

GM/しかし、中身が無くなった人間は死んだも同然、体から魂を抜き取るというのはその人を殺すと同じことです。なのでこの魔導書は『使用してはいけない禁忌の魔術が記されているもの』として現教会に保管されていました。ですが「これを治療目的で使用することができないか?」とここ数年研究され、レポートに記されています。
統十郎姿の叡斗/治療目的?
GM/体の中に望まれない悪いモノが入ってる場合、その悪しき魂を抜き取る心霊治療ができるのではないか。不要な魂さえ抜き取って駆除もしくは封印することができれば、社会復帰できる受刑者は多く増えるのではないか。そう長いレポートには書かれています。
叡斗姿の統十郎/ふむ、なるほど……!
統十郎姿の叡斗/ぜえぜえ、拙い翻訳を話します(笑)
GM/概要は以上です。魔導書をちゃんと読み込んで『魂を抜き取れるか』などの応用技が使えるかどうかは、『AF判定:調査「魂の入れ替えについて」』に成功しなければいけません。叡斗も魔導書を見たので『イベントキー:剥奪の魔導書』をゲットしてください。
統十郎姿の叡斗/あ、これで一つAF判定が解禁された!
叡斗姿の統十郎/これを調べれば、俺達は元に戻れる!?
統十郎姿の叡斗/見込みは十分だ! 必死に読めばどうにかなる……!
叡斗姿の統十郎/……ふと疑問に思ったんだけど。魂を抜かれた人間って死んでしまうらしいけど……魂を抜かれたらすぐにパタッと死んじゃうのかな?
統十郎姿の叡斗/時間が経っても、入れれば動くかってこと?
叡斗姿の統十郎/うん。もしや……田代さんみたいになるのかな。これまでのことが全部忘れちゃって、まるで赤ん坊みたいになってしまってから死んじゃったから……。
統十郎姿の叡斗/もしくは……≪精神交換≫で別の人と入れ替わってしまったとか?
叡斗姿の統十郎/可能性は、ゼロじゃない。あるいは、魂だけが別のどこかに入っちゃったとか? 例えば……相庭くんの中にいるとか。
統十郎姿の叡斗/……近くに居たのが相庭脩駕だから? そもそもこの魔導書とレポートは、相庭脩駕のカルテの近くにあったんだよな。良心的に見れば、彼の治療のためにこの魔導書を用いようとした……。
叡斗姿の統十郎/それは確かに。……今ここであれこれ言っても、全部推論でしかないけど。
統十郎姿の叡斗/……最初の彼女の様子。あれはまるで、人食い……。原因を突き止めるためにも、どんどん調べていった方が良さそうだ。元の体に戻るためにもな。


 ●ミドルフェイズ3/統十郎 〜解読〜

叡斗姿の統十郎/シーンプレイヤーは統十郎で、『AF判定:調査「魂の入れ替えについて」』に挑戦します! メインのNPCとして柏木くんに出てもらいます。

 『AF判定:調査「魂の入れ替えについて」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「イベントキー:剥奪の魔導書」を所持していなければこのAF判定は行なえない。
※「魔導書を解読する」演出に成功すること。成功した場合、魔導書に記載されていた項目を習得することができる。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

GM/統十郎さんは叡斗くんのおかげで概要は判った。だから「ここを読めばいいんだ!」という面をバンと置かれます。
統十郎姿の叡斗/僕は相庭に話がある。渡瀬さん、解読任せるぞ!
叡斗姿の統十郎/え、俺ぇ!? うんっ! 頑張るけど!(笑) 一応俺んちの十八番芸だしね! ぷるぷる!
統十郎姿の叡斗/……嫌に緊張してないか?(笑)
叡斗姿の統十郎/俺、親父直々に「お前は適性が無い!」と言われちゃってたからなぁ!(一同笑)
GM/お父さんに「お前は外でかけっこでもして[狩人]にでもなってきなさい」と言われちゃったんだね(笑)
統十郎姿の叡斗/でも素質のある由貴乃ちゃんはお外に出たがっているんだよね? 渡瀬家、大変だなぁ(笑)
GM/由貴乃ちゃんは確か帰りたくない病だったもんね(笑) さて、大体の仕分けは叡斗くんがやってくれたそうなので、君は色んな言語が混じったレポートと魔導書の前に身構える必要など無い筈だ。
叡斗姿の統十郎/だ、だけどさぁ〜! 大学で英語とドイツ語は選択で学んだ……んだけどね〜! や、やってみよう! か、柏木く〜ん!?
GM/(薫になって)「なっ、なんだ……?」 薫はまだ叡斗姿の君を統十郎だと認識できてません。まだ他人行儀だよ。
叡斗姿の統十郎/うぇ〜んっ!(笑) 柏木くんは割と語学は得意だったよね!? 手伝って〜! 
GM/(薫になって)「あ、ああ、得意だったけど。じゃあ、貸して……ください……」
叡斗姿の統十郎/ありがとう〜っ! まず……≪的抜き≫を使って大体ここら辺に目星をつけよう!
GM/テスト勉強はいつもそうやってたんだな。
叡斗姿の統十郎/更に、≪運命の予感≫
GM/神頼みでなんとかする[世界遣い]だ、コイツ!(一同笑)
叡斗姿の統十郎/あ、この文章! なんか! なんか無かったか!? 必死に思い出そうとします! ≪痕跡発見≫でメモにアンダーラインとか引かれてないか探して……このページはよく捲っていたみたいだと≪違わぬ息吹≫を使用して絞り込みをする!
GM/≪違わぬ息吹≫は弱点を見る特技だから演出OKです。
叡斗姿の統十郎/≪罠師のサガ≫で「ここは関係あるところかな? いや、手を出したらヤバイだろう!」というのを見分けます!
統十郎姿の叡斗/時間が掛かるのも立派なトラップだもんね(笑)
叡斗姿の統十郎/≪未来視≫でこのページを読んでも何にも意味無いぞーと予想して、≪絶対の自信≫で「大丈夫! 俺なら大丈夫! 俺はデキる!」と自分に暗示をかけます。更に≪破却の理≫自分にとって都合が良いように状況を捻じ曲げる!
GM/本当に山場予想でテストに挑むタイプだった……(笑)
統十郎姿の叡斗/[狩人][世界遣い]だもの、博打打ちだよね!(笑)
叡斗姿の統十郎/ビリッ。「や、破けた〜!?」ってときに≪逆転運命≫を使用して、無かったことにします。
GM/実は破けてなかった!(一同笑)
叡斗姿の統十郎/≪リライト≫≪未来の吐息≫を使いまして、失敗しても巧くカバーして、更に良い結果にしました。
GM/……これで『難易度:8』になります。統十郎さんは、お勉強が出来なくても一生懸命読ん……いや、半分以上読んでない(笑)
叡斗姿の統十郎/完全に山を張りました! でもこれで判定を行います!(ころころ)お、ピッタリ8……! ふあぁ〜! 何とか読みきったぞぉ〜!
統十郎姿の叡斗/良かった、ギリギリ読めた! ドキドキで壊れそう!(笑)
叡斗姿の統十郎/ぜーはー……頭から煙がプシューって出てるよ……(笑)
GM/では、統十郎さんは無事魔導書を読み解くことができました。『イベントキー:剥奪の魔導書の使用』をゲットしてください。このイベントキーは先ほどの『イベントキー:剥奪の魔導書』のように他人に譲渡することができません。

 『イベントキー:剥奪の魔導書の使用』
 タイミング:メジャー  判定:【意志】  対象:単体  射程:至近  代償:3HP

 精神交換の高度な知識を記している魔導書。魂についての基礎知識、応用魔術が記載されている。
 「器から魂を引き抜く、器に魂を入れる」行動を1回のメジャーアクションで行なうことができる。
 戦闘中に使用することはできない。

GM/今回の魔導書は今までのリプレイシリーズに出てきた複写本とは違い、プロの心霊医師が今すぐ使うような貴重な物なので『魂を抜いて入れる』が1回のメジャーで行えます。
叡斗姿の統十郎/おお〜っ!
GM/≪心霊治療≫と同じような特技なので戦闘中に使用することができず、落ち着いた場所でないと成功しません。
統十郎姿の叡斗/「タイミング:メジャー」とありますが、どのタイミングですることができますか?
GM/対象同士が同じシーンにいればいつでも可能です。AF判定をしたシーンでも使用可能とします。……室内でもコートを着ているような寒い場所だけど、頭から煙を出して煮えている叡斗くんの顔の統十郎に、薫は書類でパタパタと扇いであげます(笑)
叡斗姿の統十郎/ありがとぉ〜!
GM/「何か……良いことが判ったんだな?」 薫は一般人なので君が何をしているのか全く理解してません。
叡斗姿の統十郎/うん! これで入れ替わった俺と叡斗くんの魂を入れ替えることができる訳ですっ!
GM/と、キリッとした男の子が言います(笑)
統十郎姿の叡斗/嬉しそうだなー……(笑)
GM/「そ、そうか。本当に……入れ替わってるのか?」
叡斗姿の統十郎/だからさっきからそう言ってるじゃーん!
GM/「……俺、土産に何か買ってくるって言ったけど、何を買ってくるか知っているか」
叡斗姿の統十郎/東京バナナを2つ!
GM/「……個数も合ってた」
統十郎姿の叡斗/お互いしか知らない話ですもんね。
GM/(ころころ)……信用判定をしてみたけど、クリティカルは出ない。だから完全に信用した訳ではありません。でも薫は「戻るといいな……」と言います。その言い方からして、悪印象は持たれていないことは判るでしょう。
叡斗姿の統十郎/うんっ! これで大丈夫! この本を読み終えたからすぐに元に戻るよ〜!
GM/「ああ……くしゅん」 クシャミをする薫。「……やっぱ寒いな」 天井があると言っても、あちこちギギギと嫌な音を立ててる建物だからね。
叡斗姿の統十郎/隙間風もピューピュー吹いてくるしね。そうだ、俺のコートでも着てなよ! 今、頭がピーピーしてる状態で暖かいから俺いらないし!
GM/「寒くなったらすぐ言えよ。……腹、減ってきたな。あったかい物、そろそろ食べたい……」
叡斗姿の統十郎/そうだね。早く助けが来ないかな〜。


 ●ミドルフェイズ4/叡斗 〜夢と諦め〜

統十郎姿の叡斗/統十郎さんが無事魔導書を読んでくれたので、安心して違う判定ができる。それじゃあ……相庭くんのAF判定をしようと思います。
GM/となると、シーン同行者は脩駕か。食堂から離れていくのかな?
統十郎姿の叡斗/統十郎さんと柏木さんが本を読んでくれているだろう。陽向も統十郎さん達と一緒に居れば安心だ……だから。相庭くん、話がある。相手をしろ。
GM/(脩駕になって)「なんですか……叡斗、さん?」 雪は吹き込んでこないけど、寒い宿舎の廊下に出て話をしましょう。
統十郎姿の叡斗/陽向達には「少し外の様子を見てくる」と言って出ていきます。……やはり外は寒いな。暖房が無いが屋根や壁があるのは随分と違うものだ。
GM/「そっすね」 看守姿の叡斗には微妙に敬語を使っちゃう脩駕だよ。
統十郎姿の叡斗/……相庭くん。先ほどの田代さんの話だが。
GM/「何か? 死体に関することを調べますか?」
統十郎姿の叡斗/死因はいずれ調べた方が良いとは思っている。だがそれは僕達ではなく、助けにきてくれたプロにやってもらった方が良い。
GM/「そっすね」 あんまり田代さんには興味無いのか、脩駕はコートに手を突っ込んでふらふらしてます。
統十郎姿の叡斗/若者だな。いや、こっちも若者だけど(笑)
GM/今、外見27歳だけどね(笑)
統十郎姿の叡斗/……君は、人の命とは何だと思う?
GM/ブフッと脩駕は吹き出します。「何を、いきなり?」
統十郎姿の叡斗/やめろ。僕も言っていてこれは無いなと思ったぐらいだ。
GM/「人の命ですか……。ここではいっぱい死にましたね。もうみんな雪に埋もれて見えなくなってきましたけど」
統十郎姿の叡斗/辺りは真っ白だな。……僕は、弁護士になりたいと考えている。
GM/「へえ」
統十郎姿の叡斗/法の上で人の権利を守りたい。僕がなりたいのは、異端などによる事件を専門に将来はやっていきたいんだ。
GM/「高給取りだな」
統十郎姿の叡斗/さては知らないな? 弁護士は給料が少ないぞ。人によっては年収120万だ。……僕は人が持っている当たり前の権利を守りたいと思っている。
GM/「当たり前の権利……」
統十郎姿の叡斗/ただ、今判ったことがある。……生きていなければその権利など意味が無いということだ。人間が人間らしく生きるには権利は必要だと思っていたが、今はまず死なないこと、それが一番大事だと気付いた。
GM/「…………。生きていくためには食べなきゃいけないものだよね」
統十郎姿の叡斗/ああ。
GM/「でも、生きるために食べたら社会に駄目って言われて閉じ込められる人もいる。それに関してはどう思う?」
統十郎姿の叡斗/……君が、人食い鬼の先祖返りだということも知っている。
GM/「どうも」
統十郎姿の叡斗/君は人食い鬼になりたいと思ったことは?
GM/「…………。今、アンタを食べてもいいって思ってるよ」
統十郎姿の叡斗/困ったな。この体は僕の体ではない。元の体に戻ったら考えてやってもいい。ただし全力で抵抗するがな。
GM/「面白い反応だね」
統十郎姿の叡斗/……僕はな、弁護士の子供だから弁護士になるんじゃない。弁護士になると決めたから弁護士になるんだ。お前がなりたいものはお前が決めるんだよ。
GM/「…………」
統十郎姿の叡斗/だから、まあ、ようするに、あれだ。人食い鬼の先祖返りだからって、諦めるな。
GM/「諦めるな?」
統十郎姿の叡斗/負けるなと言いたかったんだ。お前の状況を判って、守ってやる人間……弁護士はこうやって居る。僕のような存在が世の中にはいるんだから、お前もそう簡単に人を食うとか言うな。
GM/「…………」
統十郎姿の叡斗/命があってこその権利、夢、だから僕は田代さんを連れて来た。……それだけ言いたかっただけだが、何故こんな話になったんだ……?
GM/「……話は以上? じゃあ、食堂に戻るか?」と言っている脩駕は、今さっきまでと違う表情になっていることを察しても構いません。そろそろAF判定をしてみましょうか。

 『AF判定:調査「相庭脩駕」』
  ・使用能力値:【意志】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「相庭脩駕と交流したり、調査する」演出に成功すること。成功した場合、相庭脩駕の心情が判明する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。


統十郎姿の叡斗/自分は≪熱血の防壁≫があるから外に出ても大丈夫だけど、相庭くんに寒い思いをさせるのは本意ではないので、≪氷河の城≫≪不可視の領域≫で吹雪を操って2人の空間を作りました。それと……命の話をいっぱいしたので≪生命の叫び≫ってOKですか?
GM/彼の心を回復してあげた、か。いいね、面白い! 
統十郎姿の叡斗/癒せてたら良いんだけど……(笑) 命に関する恥ずかしい話をしたけど何だか生命力が漲ってきたので……≪命の糧≫
GM/ふむ、OKとしましょう。
統十郎姿の叡斗/自分の経験してきたこと以外にも、戦闘での知識も総動員して話をしたので≪戦乙女の知恵≫を使用。結構厳しい話もいっぱいしたんですけど……≪−50粗野≫であんまり格好がつかない(笑) 「弁護士になるんだ! 人間を守るんだ!」ということで≪英雄の宣言≫
GM/「君のような能力者の犯罪者を守るんだ」って言ってくれたもんね!
統十郎姿の叡斗/そして食堂に戻るときは……≪全方位視角≫で周りを注意していきます。こんなもんかな?
GM/『難易度:10』まで減少してるよ。
統十郎姿の叡斗/僕の【意志】は5。勝てる!(ころころ)ヤバイ、9だ!?
叡斗姿の統十郎/あっ!? ふ、振り直しは……視界内じゃないからダメだ、使えない!
統十郎姿の叡斗/うわー、く、悔しいー! 判定直後のプラスできる特技も無いし……悔しい! 悲しい!
GM/残念ながら失敗だね。再挑戦するときは『難易度:10』からスタートになるから次は確実に成功できるよ。……いっぱい話したらちょっと興奮しすぎちゃって、自分の気持ちを落ち着けることに精一杯になっちゃったんでしょう。
統十郎姿の叡斗/とりあえず心は開いてもらった……かな? 食堂に向かう相庭くんの後ろ姿を見ながら、ちょっと溜息を吐きます。……もう少し時間が掛かりそうだな。そう言いながら食堂に戻ります。
GM/「……色々と話してくれてありがとう」
統十郎姿の叡斗/……うん。
GM/脩駕は……27歳のきちっとした大人らしい姿を見て、「アンタのそういう真面目なとこ、前々から嫌いじゃないよ」 ボソッと聞こえないように言います。
統十郎姿の叡斗/ん? 何か言ったか?(笑)


 ●ミドルフェイズ5/叡斗&統十郎 〜空腹〜

GM/まだ叡斗くんが帰ってきてませんが、統十郎さんは……頭からプシューと蒸気を出していると、陽向くんが外に出ようとしているのに気付きます。
叡斗姿の統十郎/ん? 陽向くん、どうしたの?
GM/(陽向になって)「トイレ」
叡斗姿の統十郎/トイレか。……この場合、止める理由も無いな。そっか、気を付けてね。
統十郎姿の叡斗/じゃあ、ちょうど食堂を出たときに鉢合わせになろうかな。……陽向か、どうした?
GM/「……ちょっと気分悪いから外に出る」
統十郎姿の叡斗/大丈夫か。ついて行こうか?
GM/「平気」 そう言いますが、統十郎さんも叡斗くんもどちらも彼について行くことは可能です。
統十郎姿の叡斗/……陽向が心配だ。後をついていきます。相庭くんは渡瀬さんと一緒に食堂に居てくれ。
GM/相庭は頷きます。では……陽向は宿舎から出て、吹雪が出ている外までやって来て、しゃがみ込むような形で頭を抱えます。
統十郎姿の叡斗/お、思わず駆け寄ります! 陽向、本当に大丈夫か?
GM/「なんか……吐きそう……」 苦しそうに笑いながら言います。
統十郎姿の叡斗/無理はしなくていい。熱でもあるのか? 額に手を当ててみます。
GM/手を当てるほど至近距離に居る君に体を寄せます。「あー、立っているのもダルイわ……腹減ってきたから余計に不安定になってきたのかも……? みんな集まったことだし飯でも食うか……」
統十郎姿の叡斗/空腹が度を超えて気持ち悪くなるというアレか?
GM/「ああ、それありうるかも」 グラリ。陽向の体が倒れかけます。
統十郎姿の叡斗/陽向! 体を起こそうとしま……。
GM/叡斗、回避判定をお願いします。(ころころ)命中15。
統十郎姿の叡斗/い、嫌な予感がする!(笑・ころころ)高い、回避17です! き、緊急回避っ!
GM/陽向が腕を引き、統十郎さんの首元に歯を立てようと襲い掛かります。ですが判定成功したので回避することができます。
統十郎姿の叡斗/体を捻って、雪の上にバサンと倒れます!
GM/バサン。雪の中、ゆったりと陽向は起き上がります。
統十郎姿の叡斗/雪の上でゴロゴロー!(笑) い、いきなり何をするんだ!? 悪ふざけは……!
GM/陽向は頭を抱えています。「……オレ……何をした……?」
統十郎姿の叡斗/……一瞬、死体の体に頭を突っ込んでいた田代さんの姿が脳裏を過ぎります。ひ、陽向……しっかりしろ。
GM/頭を抱えて、「オレ……大丈夫……大丈夫……?」と雪の中で丸くなります。……一方その頃、食堂に居た統十郎さん。
叡斗姿の統十郎/は、はい……。
GM/脩駕は陽向が出て行ったのを見て、「体調が悪そうだったね」と呟くように言います。
叡斗姿の統十郎/そうだね。外寒かっただろ? 毛布を渡します。
GM/「あったかい。……お腹減った。メシの準備しない?」
叡斗姿の統十郎/そうだね。まずはこの缶詰を何とかしないとな! 缶切りは見つからなかったんだ!(笑) とりあえず鉄の破片で〜……。
GM/「そんなことしなくても」 脩駕はウズマキから斧を出します。
叡斗姿の統十郎/あ。
GM/ドンッ! 斧で缶切りを叩き潰します。
叡斗姿の統十郎/ひいっ!?
GM/缶切りは空きました。中身もぐちゃぐちゃに四散しますが。……そして、薫がポカンとした顔をします。
統十郎姿の叡斗/あああああっ!? い、一般人が理解してない顔をしてるー!(笑)
叡斗姿の統十郎/あああっ!?(笑) あっ、か、柏木くん! あのね相庭くん! 柏木くんは一般人なの! 能力は使っちゃ駄目! 秘匿秘匿っ!
GM/脩駕は肉の缶詰の液体を被ってびっちゃり濡れてます。
叡斗姿の統十郎/あああー! 汁がー! 貴重な食料が〜!(笑)
GM/「……ぐちゃって肉が潰される……これ、爽快感だよね……」
叡斗姿の統十郎/…………。その言葉を聞いて、柏木くんの前に立ちます。
GM/「我慢して2年間何もしないでいると……鬱憤堪るよね……振る舞わすとやっぱ気持ち良いよね……」
叡斗姿の統十郎/ヤバイ。気を逸らそう。やあやあ振り回すのは後にしてさ! まずは缶詰を食べようよ!?
GM/ゆらり。統十郎さんを見ます。「そうだね……お腹空いたしね……」と斧はしまわない。
叡斗姿の統十郎/その斧があったらご飯食べられないからさ! しまおうよ!?
GM/脩駕が≪破壊者の孤独≫を使用宣言。
叡斗姿の統十郎/おえっ!?
統十郎姿の叡斗/ヤバイ!?

 ≪破壊者の孤独≫
 周囲の者を蹂躙し尽くす[狂戦士]の特技。
 そのシーンに登場している任意のエキストラ全員を戦闘不能、もしくは、死亡させる。


GM/視点は分けているけど同一シーンなので、対象となるエキストラは陽向と薫です。まず、モブ救出系の特技はお持ちですか?
叡斗姿の統十郎/……持ってないです。
統十郎姿の叡斗/こちらも持ってないです……。持っているのは≪英雄の宣言≫ぐらい!
GM/≪破壊者の孤独≫は副特技なので『主特技優先の法則』により≪英雄の宣言≫の代償を支払えば特技をキャンセルすることが可能です。
統十郎姿の叡斗/≪英雄の宣言≫は1シナリオ3回の特技だけど……。
GM/あ、一つ言っておくね。このシーンはクライマックスフェイズじゃないから気を付けて。回数制限がある特技は慎重に使うといいよ。
叡斗姿の統十郎/ええっ、何その意味深な発言!?(笑)
統十郎姿の叡斗/……でも、ここは使わなきゃいけない! ちょうど陽向を連れて戻って来たところで、相庭の凶行に気付く!
GM/脩駕の目の前に立つ叡斗の姿の統十郎。その後ろには薫が立っている。脩駕はウズマキから小さな手斧を取り出すと、ブーメラン状にしてブンッと投げる! シュルシュルと回転し、統十郎の後ろに立つ薫を背後から刺そうと……!
統十郎姿の叡斗/そこで≪英雄の宣言≫! 斧を投げたのに気が付いて駆け出す! やめろ相庭脩駕! さっき言っただろ! お前の相手はこの僕だ!
GM/駆け出して受けとめる? スキルウェポンで弾く?
統十郎姿の叡斗/えっと、≪英雄の宣言≫攻撃対象を自分だけにする特技なので……自分、死にます?(笑)
GM/君はエキストラじゃないので死にません!(笑) 庇う特技だから、【HP】は減らないけど受け止めて負傷するという演出が一番良いかな?
統十郎姿の叡斗/それなら≪魔法剣≫を出そうとしたけど間に合わなくて、一撃食らう! トマホークが左肩にザックリ入ったけど、抜いて投げ捨てます。左肩は壊れたが構わん!
叡斗姿の統十郎/お、俺の体っ!?(笑)
統十郎姿の叡斗/責任を持って後で修復するから! 安心しろ!
叡斗姿の統十郎/ならいいよ!
統十郎姿の叡斗/いい奴だな、こいつ!(一同笑)
GM/目の前で統十郎さんの体の叡斗くんが血を流す。何が起きたか判らず固まる薫と、「えっ!? えええっ!?」と叫び声を上げる陽向。脩駕はニヤニヤと笑いながら「叫んでいる姿……呆然としている姿……ゾクゾクするよね……」と息を荒くしていく。
叡斗姿の統十郎/これはまずい! 陽向くん、柏木くん! 走れ! この場から逃がすように言います!
GM/叡斗くんの声だけど信頼している統十郎さんの叫びを聞いた薫が入口に走る。薫は陽向が「うああああ!?」と騒いでいるその腕を掴み、彼らは走り去って行きます。脩駕は……再度、缶詰を叩き潰した斧をウズマキから取り出す。「手だけ負傷とか格好悪いよね……なら……足も抜こうか……!」
叡斗姿の統十郎/抜くって……切り落とす気か!?
GM/「オレ、踊り食いの方が好きだから……!」
統十郎姿の叡斗/他人の体であることを含めてもゴメンだな! 渡瀬さん、急いで相庭脩駕を止めるぞ!
叡斗姿の統十郎/うんっ! 2年前の惨劇は起こさない!