アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第7ループ3話 『 Last talk 』 4ページ ■
2010年5月26日




 ●ミドルフェイズ3/February 8th Scene 3

GM/では次に航のシーンいきます。昼間の日曜日、どこに行く?
航/エルはどこ行きたい?
GM/(エルになって)「どこでもいいよ」
航/そう言うと思った……。夜は人気の少ない所ばかり歩いているから、折角だし人の多い所に行ってみる?
GM/「ということは、アメ横かな? 準備はできてるよ、行こうか」と、エルは……おそらくどっかに隠し持っていたんであろうスーツ姿になります。
航/……スーツ!? 予想外!
GM/ほら、サーヴァントって『登録』した格好に瞬時に変身できるでしょ。10年前に用意された私服がこのスーツなんです。
恐一/……そっか、黒須が用意する服って言ったらスーツだよな。
GM/まるで喪服のような黒スーツだけどね。
恐一/……あのときの!?
航/わ、わあ……結構スーツ似合ってるね。でも窮屈そうだから、服でも買いに行こうか?
GM/「俺、あんまりお金持ってないよ」
航/知ってる、俺も(笑) 大丈夫、アメ横で売ってる服は安いから!
GM/……そんな感じでアメ横に向かいます。良い天気、お客さんも日曜日だからそれなりに混んでいる。……ちなみに、アサシンは霊体化しています。
航/……出なくていいの?
GM/「え、出す必要がある?」
航/……サーヴァントだって元は人間なんだから、人間ぽいことした方がいいんじゃない?
GM/「ん、判った。アサシン、出て」……エルが言うと、アサシンが出現します。コートに帽子、現代に馴染みやすい格好をしています。スラッと高い背がやや威圧的。
航/ちょっと怖い……。でも昼間のうちは襲われることなんてないんだから、そんなに気張らなくていいんじゃないかな?
GM/「でも……サーヴァントだし。サーヴァントは単なる駒……なんでしょ?」とエルが言います。
航/けど、願いを持った人間でしょ? 同じ人間なら一緒に居た方がいいかなって俺は思ったんだけど。エルはイヤ?
GM/「い、イヤじゃない! イヤじゃないの! 凄く……聞いていてキモチイイし、なんか俺も嬉しいよ……」
航/なら良かった。アサシンも一緒に歩こうよ。
GM/「……良かった。ホントはね、俺も……アサシンと歩きたかったんだ」
航/じゃあこれからそうすればいいよ。サーヴァントだからとか考えなくていいよ。
GM/「……えへ」。エルは自分が所詮道具だって思ってるから、そうあるべきなんだって思い込んでるだけなんだよ。だから航がアサシンにそう言ってくれて、エルの方がすっごく嬉しそうにしてます。
恐一/いきなりお店のオバチャンになって)「あらあら、イケメンさん連れてどうしたの!?」
相馬/いきなりオバチャンになって)「しかも外国人! どこから来たの貴方達ー? オバチャンおまけしちゃうよ!」
航/おまけちょうだい! 今、留学生2人連れているからご飯が超大変でさ、奮発して!
恐一/「ならオバチャン奮発して良い魚入れてあげちゃう!」
航/もう一声! ≪勇者の声≫!(笑)
恐一/「やっぱ朝は和食よね! アジのヒラキも入れちゃう!」
航/もっと頑張れない? オバチャン、今日も綺麗だね! ≪叱咤激励≫!(一同笑)
恐一/「まったくもー、航ちゃんたら乗せ上手なんだから。そんな本当のコトを!」
航/社交辞令だよ!(笑) ありがとう、ハイ一千万円。
恐一/「わあ億万長者、また来てねー! ほら、航ちゃんに持たせるんじゃないわよ、貴方達お世話になってるんでしょ! 持ってあげなさい、袋2つに分けたから持ちなさいよ!」
相馬/……すっごい2人がオロオロしてるのが見えた(笑)
航/ほら、引っかかってないで早く行くよー、と≪鳥躍≫でポンポン行きまーす(笑)
GM/2人は航の後をトコトコついて行きます。……暫く買い物をした後に、休憩したい雰囲気になってきました。
航/じゃあ、どっかご飯食べられる場所に入ろうかー……。
GM/アサシンが言います。「……あの辺でいいんじゃね?」
航/どこ?
GM/2階、『パブ・ラマーサ』と書かれた空き家っぽいお店を指差す。
航/あれ……あんな所にお店あったかな? 行ってみます。
GM/階段を昇ってみると『CLOSED』の看板が下げられている。でも……鍵が開いてるようだ。アサシンが「ここでいいじゃねーか、入ろうぜ」と言います。
航/ふ、不用心……何かあったら逃げればいいか。探検だからね、探検!
GM/店の中に行ってみると、テーブルの上に椅子が乗っている。夜もやっているかどうか判らない店模様だ。
航/きっとお店の人全員で社員旅行中なんだな。……なら鍵ぐらい掛けて行こうよ、オカン!(一同爆笑)

 オカン「この店の鍵なんて持っていたかしら!?」
 オカマ「大丈夫! 盗まれて困る物はアタシの靴の中に入れておいたわ! これがオカマの知恵よ!」
 ……そんな話は置いといて(笑)


GM/テキトーに椅子を下ろして腰掛けます。さっき買った色んな物やドリンクをテーブルの上に出していきます。「お菓子食べる? ドリンクも買ったし」
航/軽く昼食にしようか。……2人は楽しい?
GM/アサシンは窓際で外を見ています。エルは勢い良く頷きます。(エルになって)「ワタルは、俺達が楽しくなさそうに見えちゃった?」
航/そういう訳じゃないけど……折角一緒に居るんだから、楽しくなってくれた方がいいし。
GM/「俺はすっごく嬉しいよ! こうやって……ワタルと一緒に歩けてさ。こうやって歩くの、夢だったんだ」
航/……俺もそうだった。友達はいるけど、家で一緒に居てくれる人がいるのって良いよね。
GM/「良いよね! ……だから、今の生活、とっても幸せ」
航/うん……怖いくらい幸せだ。
GM/「ワタルが優しいコトを言ってくれるからアサシンも一緒に歩けた。……世間的にはサーヴァントは駒って言う人の方が多いよ。でもワタルが優しい言葉を言ってくれるのは……ワタルが聖杯戦争と関係無い人だからかな。それとも、ワタルだからかな」
航/うっ……。
GM/「……ワタルだからだよね。ワタルは小さい頃からそういうコト……言いそうだもん」
航/小さい頃がどうだかは判らないけど……。な、なんか、恥ずかしいな。誤魔化すように言います。
GM/「そうだ。……ワタルは、もし願いが叶うなら何を願う?」……ごく普通に、何事も無いように尋ねてきます。「もしワタルが聖杯を手に入れて、何でも願いが叶うとしたら、何て言う?」
航/……うーんと考え込みます。
GM/「すぐ出ないの?」
航/だって……今だって充分幸せなんだから、これ以上願ったら色んな人に申し訳無いよ。
GM/「そんなことないよ、なんでもあるでしょ!? ……え、遠慮しなくていいよ。あくまで例えばなんだから!」
航/……言葉に詰まります。
GM/「……そんなに難しい質問かな」
航/……言い出したらキリが無いから……これ以上、願っちゃいけないって俺は言い聞かせてきたんだ。パッとは出ない。
GM/「……。じゃあ、そのうち、教えてくれるかな?」
航/……うん、そう……だね。そのうち……俺にも何か願い事が見つかったら言うよ。とりあえず今は『2人の願いが叶うこと』を願うよ。……2人は、俺と一緒に居てくれる人だから。
GM/「ありがとう。……俺はね、『友人の為に』この聖杯戦争に勝ちたいんだ。だから……今、友人になってくれたワタルの為にも俺は勝つよ」
航/……その気持ちはとっても嬉しいな。俺が願いが無い分、エルはちゃんと願いを叶えてよ。
GM/エルがとても困った顔をします。
航/ど、どうかした?
GM/「……何でもいいから後で絶対に願いを教えて。絶対。絶対だよ」
航/う……うん。わ、判った……。
GM/では【幸運】判定いきましょう。ずっとここに居るんだからボーナスしてもいいかな。【幸運】難易度は、10。
航/(ころころ)お、12です。
GM/話していると、アサシンがカタッと動く。動いた瞬間にエルも気付く。……椅子にロリが座っていることに。
航/……わあっ!? や、やべえ、今の恥ずかしい話を幼女に聞かれてた!?(笑)
恐一/……お前ら、不法侵入した先で主っぽい幼女が居るんだぞ(笑)
航/とりあえずチョコレート1枚差し出してすみませんでしたー!(笑) ……ゴ、ゴメンネ。君はここのお店の子?
GM/ロリはコクリと頷きます。「……別に貴方達が居てくれて構わないわよ、いつも誰かしら来るんだから」
相馬/……いつも誰かしら(笑)
GM/「私に会っても何も反応しないってことは、貴方達はこれから何が起こるか見当もつかないのかしら? デジャブも何一つとして持っていないわね」
航/ポカーンとします。何かあるって……2月だからバレンタインがあるぐらいかな?
GM/「2月14日まで生きていたらいいわね。……それはともかく、わざわざ貴重なゲームの時間を割いてまでこのマップを選択してくれたんだからボーナスをあげるわよ。フライングスタートさせる権利をあげる。今度はちゃんと……ファンブらないでね
亜紀/サーセン! でもあれはGMがリアル世界遣いだからですよ!(笑)
航/一体何のことだかよく判らないなー(笑) なにそれどういうこと? 不審そうに訊きます。
GM/「私の与えるボーナスが貴方の助けになるか苦痛になるかは判らない。でもどうせ今回のループは苦痛しか残らないんだから、傷が一つ増えたところでなんてことはないわね。……絶対貴方は今回、不幸になるわよ」
航/なんじゃそら。
GM/「なりたくないならもっとラクに生きればいい。……貴方、目の前に幸せが漂っているのに、どうして捕まえようとしないの? 漂っているだけのものはその場の風が吹いちゃえばすぐにどっか行っちゃうのよ」
航/……そんなの、俺だって判ってるよ! キツイ声で言います。
GM/「判っているなら有言実行してみなさい」……と言って、パッと目を閉じた瞬間に、ロリは姿は無い。
航/え……。
GM/エルが「アサシン追って!」と叫ぶ。ザッとアサシンが消える。でもアサシンは数分後に戻って来ます。「足跡も残り香も全然無ぇよ!」
航/あ、あの子……敵対してるマスターだったとか? でも、何だったんだろう、不幸になるって言われたけど……。
GM/エルが慌てて言います。「敵のマスターだったとしてもサーヴァントだったとしても大丈夫だよ! ワタルを不幸になんかさせない!」
航/あ……ありがとう。
GM/「俺、ちゃんとアイツの顔覚えたよ! アイツ、魔女っぽいから警戒しなきゃ!」
恐一/やめて、ロリ様に喧嘩売らないで!(笑)
航/流石女神に喧嘩売った男。イシュタルってあんな感じっぽいよね(笑) ……俺も、エルを不幸になんかさせないから。
GM/……そんな変な事があったけど、今現在は何があるという訳も無く。ただこれから気を付けて夜を過ごした方がいい……そう君達は思う日曜日なのでした。
航/……変な子に会って気が沈んだから、アメ横をもう一回まわって帰ろう! オバチャンにまたおまけしてもらおうかー!


 ●ミドルフェイズ4/February 8th Scene 4

GM/夕方、青森のケータイに藤原さんから連絡があるかどうか、交渉に成功するかということで【理知】判定をしてください。藤原さんと対決してもらいます。
恐一/【理知】は高いぞ! なんたって『パラつば』では交渉系キャラクターだったからな!(笑)
相馬/おお、それは頼もしい!(笑)
GM/先に難易度を決めよう。(ころころ)藤原さんの【理知】達成値は11ですね。
恐一/11ならイケる!(ころころ)……9。足りなかった。お客様の中に盟ちゃんはいらっしゃいませんかー!?(笑)
GM/貴方の盟ちゃんはお休みです。……期待値の7が出なかった時点で負けで仕方ないよ。メールの返信はありませんでした。忙しいのかな?
恐一/ちぇ、断られちゃった。……使えそうな特技って言ったら≪コネ「ウズマキ」≫ぐらいしか無いな。
GM/ロリに「藤原さんの行きそうなお店教えて」とか訊けば教えてくれるかな。
恐一/オッサンならありうる! ロリを使って女医のことを調べた男だぞ!?(一同笑)
航/多分1時間かけてメール打って送ったけど黒須に送信しちゃって「……誰宛のメールだ?」って電話を受けてる最中だよ(笑)
恐一/ありうる!(笑) もうっ、ハッピートゥルースのイケズー! 弁ちゃんにも連絡無かったーってメールしておきます。……でも、夜の食事潰れて良かったかもしれない。今の重い胃にイタリアンは入らない!(笑)
GM/確かに(笑) それでは、これから夜のマップ選択をしてもらいます。

【ルート選択:2月8日】
 航→『池』へ、エルとアサシンと共に侵入。
 相馬→『池』へ、ミスターBと共に侵入。
 亜紀&青森→『シロガネ神社郡』へ、侵入。


GM/……相馬さん達がぶつかるか。なら始めは、青森さんと亜紀くんのシーンでいこう。
亜紀/はい。青森さん、神社に行ってみませんか? あの辺は幽霊さんが居て賑やかだからドクロのことも判るかもしれませんよ。
恐一/確かになーと[霊媒師]コンビっぽい話をしながら神社郡に行きまーす(笑)
GM/霊感の高い人達にはちょっとキツイ場所に向かう2人。夜の神社郡を歩いていると……青森さんの元に、こんな声が聞こえてくる。
恐一/はい。
GM/「……恐一」
恐一/ん!?
GM/「……パパ、ツライ、ここ、逃げたい……」
恐一/親父ついて来るなよ!?(一同爆笑)

 『パラドックスの椿』をお読みの方なら判っていただけると思うが、青森のオッサンには守護霊として実の父親(故人)が憑いている。
 毎度青森にチョッカイ出しては「うるせぇ! 塩まくぞ!?」のやり取りになるのだが……『パラつば』最終回で成仏したような記述はあった。


航/今出てきたってことは成仏してないじゃん!(笑)
GM/「ふふ……恐一よ。このゲームだとな、儂は【防御値】になるのだ! ≪いとしのシト≫としているからな!」
恐一/そ、そんなっ!? チクショー、離れろって言えない! 悔しいッ!(笑)
GM/そう、君のお父さんでさえ凍えるぐらいこの地は恐ろしいオーラに包まれているってことだ。
恐一/嫌に判りやすい演出!(笑) 気にせずどんどん進みまーす!
亜紀/お、お父さんなんだからもうちょっと優しくしてあげた方が……(笑)
GM/では神社郡で怪しい物が発見できるか捜索しましょう。難易度はちょっと高めの【意志】判定12だ。
亜紀/俺は≪霊的神経≫があるのでプラス3のボーナス有りで判定できます。(ころころ)よし、13です。
恐一/(ころころ)ファンブル一歩手前、8です。
GM/オッサンはお父さんの声がうるさかったんだね。
恐一/うぜーよさっさとどっか行けよ塩まくぞ!?(笑) ……って会話をしている間に亜紀が見つけてくれたんだな。
GM/だね。亜紀が神社群を調べてみると何かがあった。……この手触りは。
亜紀/ドクロだー!?(笑) あ、青森さーん!
恐一/ドクロがあったか! よし、壊すか! ぱりーん!
GM/さっさと壊してしまいました。ドクロを壊すと周囲の悪しきオーラは晴れていき、お父さんが青森さんに必死にしがみついている。
恐一/一緒に成仏しろ! 【防御値】はありがたいけどウゼぇー!(笑)
亜紀/でも良かった。いつもに増して空気が重かったのが少しでも弱くなって……。
GM/「グルルルル」
亜紀/んっ!?
GM/「グルルルル」……奥で、獣の唸り声が聞こえた気がした。奥に見えるのは、6つの赤い眼。
恐一/6つの目、つまり蜘蛛だな!? いや、蜘蛛は8つか!(笑)
亜紀/いや、この鳴き声からして犬じゃないかと!(笑)
恐一/判らないよ、野獣だと思ったら巨人だったときもあったし(笑) 亜紀の前にザッと出る。……亜紀、下がってろ!
亜紀/獣の声なら≪バベルの唄い手≫で何を言っているか判りませんか? ……君、誰? ばうわう!(笑)
GM/「ナンダヨウ、壊シヤガッタヨ」「殺ッチマオウゼ、ムカツクモン!」「デモ今ハ報告シタ方が賢明ダヨ!」「折角ゴ主人ガ作ッタノニー!」
亜紀/ご、ご主人……?
恐一/ご主人って……ドクロを作ったヤツ……藤原幸正のことか!
GM/主人にまず知らせるべきだと結論を出したケルベロスは、走って去って行こうとします。追うなら【体力】判定です。(ころころ)難易度は12。
恐一/よし、追ってみようぜ!(ころころ)おっ、クリティカル一歩手前! 青森の達成値14です!
亜紀/(ころころ)亜紀は6です。
GM/青森がダッと駆ける。(青森の父になって)「こっちじゃ! さあ、儂について来いー!」
恐一/お前か!? 腹立つ!(笑)
GM/『シロガネ神社郡』から走って……『新住宅地』にマップ移動します。その時点でケルベロスの姿は見失います。つまり新住宅地の中に隠れ家があるのではないかな。
恐一/ぜはーぜはー、45歳には辛い全力疾走! 3日後筋肉痛だね!
亜紀/高校3年生にも辛いです……俺、体力そんなに無いんで(笑) でも、ここに何かありそうですね。
恐一/ああ。ここでアイツが姿を消したってことは、もしかしたらドクロがあるかもしれない! もう一回調べてみようか。
GM/そうだね、じゃあマップを跨いでいることだし全力疾走で疲れてるし、ペナルティ有りの判定いこうか。普通なら【知覚】難易度10だけど、難易度12にします。
恐一/(ころころ)……よし、12ピッタリ!
亜紀/青森さんが成功した!(笑)
GM/……青森は、ある洋館が気になって仕方ない。灯りが点いてないから人は住んでいなさそうだけど……学校と神社郡で感じた物と同じニオイがする。
恐一/……あの屋敷がラスボスの間か。
亜紀/でも、人の気配はしませんよ?
恐一/ハッピートゥルースは英霊だしな。
亜紀/ああ、人じゃないんでしたっけ(笑) 十中八九怪しいですね……。
恐一/……流石に今入るのはやめようか。何より亜紀は教会のエージェントではあるけど聖杯戦争とは無関係だし。……それとも、オッサンと契約結んじゃう?
亜紀/契約っ!?(笑) 確かにすることで俺に+20が出来るメリットはありますけど……。
恐一/俺が聖杯戦争のマスターやってる理由、知ってるよね。
亜紀/……はい。
恐一/やっぱ若人の未来は守りたいんだよ。出来るだけ早期解決しちゃいたいんだよねー。
亜紀/……俺も、父さんから10年前に酷い事件がこの街であったってことを聞いてます。またそんなことが起こらないよう……街を守りたいと思ってます。
恐一/いいこだなー! ……オッサンは悪い大人だから、亜紀の純粋な想いを利用させてもらいたいんだよね。
亜紀/……い、いいですよ。
恐一/いいの?
亜紀/だって……俺、青森さんのコトも助けたいです。
恐一/ホント、いいこだな。オッサンがあと10年若かったら結婚するわ。
亜紀/ほえっ。……契約、しますか?
恐一/しようか、契約。……亜紀と契約します。オッサンがマスターで、亜紀がサーヴァントです。
GM/それでは契約の握手を。……契約完了、キャラクターシートにお互いの名前をお書きください。ではこの辺でシーンアウトしておきましょう。


 ●クライマックスフェイズ/February 9th Scene 1

GM/さて、戦闘にいきますか。……相馬さんは上野に戻り、夜深くなった頃に結界を張る場所に『池』を選択しました。
相馬/よし、この辺りで結界を張ってみよう。
GM/静かに波を立てている池の前で、ミスターBが≪負の空間≫を使用します。高揚感が君達を包み込み、鳩達がバサバサっと飛んで行く。
相馬/……来るかのぉ。
GM/「来るでしょう」……そう言った時。何者かが結界の中に入って来る感覚が相馬さんにも判った。誰かが、足音を立ててやって来る。
相馬/ぴく。誰だ……。
GM/目を向けた先には、1人の少年が立っている。
恐一/……あちゃぁ?
GM/いや……魔導書を持った利発そうな少年だ。
航/盟ちゃん!? ……そっか、アーチャーだったら遠くから狙ってくるか! それに相馬さんと盟ちゃんの戦いってよくよくやってるし(笑)
GM/では盟ちゃんのキャラロールは本人にお願いします。
恐一→盟/うーん……君はバーサーカーかなぁ? ライダーやアサシンがこんなガサツな奴じゃないよねぇ。
相馬/無礼な奴じゃのぉ! おいおぬし、英霊ではないな。聖杯戦争の参加者か。一応訊いておくぞ。
盟/頭の悪い質問だね。聖杯戦争の参加者じゃなければこんな結界の中をくぐってこないでしょ。それぐらい判らないの?
相馬/ごく稀にいるかもしれんからのぉ。
航/どうも、ハカリヤ・ゴク稀ナ・ワタルです(笑)
盟/だから、さっきから「バーサーカーか」って訊いてる人間がなんで聖杯戦争に参加してないって思えるのかな? 僕、理解できないんだけどー。
相馬/この小僧……(笑) それは兎も角としてじゃ、結界にわざわざ入って来たということは戦うという意思があるということじゃな。
盟/何も準備が無ければ入って来る訳ないでしょ。ここで数減らしたいって僕も思ってたんだよね! ……で、盟ちゃんはサーヴァントを持ってるの、持ってないの?(笑)
GM/それはこれから描写するよ。……挑戦的に相馬さんの前にやって来た少年。彼と話している最中、相馬さんの前にいきなりダッと素早い影が現れる! それは、大剣で斬りかかる鎧男だ!
相馬/ジーク!? ……その大剣を≪凶々しき武器≫で受け留めます!
GM/ガキィン! 刃同士がぶつかり合う音が響く。……目の前に現れたのは、全身西洋鎧、顔も見えないフルアーマーの男だ。
相馬/うぬ、異国の武の士か! ギリギリと押し返します。
GM/(ジークになって)「キミ達がこの戦場を用意したんだね?」
相馬/ああ、そうじゃ! 結界を張っておけば聖杯戦争と無関係な者が入って来ることはまずないからのぉ。
GM/「それは良い案だ。――今の一撃は、キミの武器を出させた。その一手に過ぎない!」
相馬/……なんじゃとぉ!?(笑)
盟/頼んだよ、セイジ! ……セイジの葉っぱが植物名前なのでそう呼ぶことにしました。
GM/なんという偶然!(笑) 「始めよう、キミ達も準備が出来ているハズだ! 行こう、マスター!」
相馬/おお、ここのところ戦闘が無かったからな、退屈していたところじゃあ!
GM/……ミスターBが相馬さんに言います。「彼の名は八木沼盟。この地で代々魔術師をしている強大な血を継ぐマスターです。その力は驚異でしょう、お気を付けて」
相馬/確かに、随分と力のある魔術師だのぉ。
盟/そこの目の細いお兄さん! 教会の人だよね? いいの、こんなトコいて! 黒須にバレたら怒られるんじゃない?
航/そんなこと言われたらジークも剣構えて混乱しちゃうよ。「教会の人がなんでこんなところに!?」って(笑)
盟/つまり……セイジ、コイツラは教会のフリをした裏切り者だよ! そんな奴を早く退治しなきゃ!
相馬/……どちらにせよ、あのような尊大な小童は躾し直してやらねばならんのぉ!
GM/「ええ。……バーサーカー、貴方の力を存分に……私の目の前で、見せてください」
相馬/承知した! 戦闘モード入ります!
盟/自分より頭の悪い奴に躾られるほどそんなこわっぱじゃないんでね!
GM/という訳で、盟&ジークVSミスターB&相馬の対決を始めます。盟ちゃんは盟のプレイヤーが扱ってもらうとして……。亜紀くん、ジークを操らない?
亜紀/わっ、いいんですか? わーい、弁慶さんに攻撃できるー!
盟/こ、この子は……!(一同笑)

 これだから弁慶厨は?

GM/一方その頃、航。一度ボロリアに帰って来て夜を迎えます。エルは昨日のようにアサシンを連れて「聖杯戦争に行ってくるよ」と言うけど……。
航/俺も一緒に行く!
GM/「うん、一緒に行こうか」……手を出してきます。
航/ギュッと握り返します。
GM/そのままフッと空を飛びます。
航/うわっ!?
GM/隣にはアサシンも空を飛んでいる。アパートから夜空を舞いながら駅の屋根の上に飛んでくると……アサシンが「あっちに結界張ってドンパチ始めてるな」と言い出します。
航/……池の方? そっちに向かった方がいいのかな。
GM/エルが口を開きます。「……誰かと誰かが戦ってるね。俺達は、おいしいところだけを貰おう」
航/……もうちょっと待つってこと?
GM/「そう。アサシンは隠密行動が得意なサーヴァントなんだ。効率的に勝っていくために慎重にならなきゃ。……ワタルは『逃げたい』と思ったらすぐに言うんだよ」
航/……うん、大丈夫。
GM/「そうだ。……契約しようか?」
航/……契約? 俺が、エルの下につくってこと?
GM/「下につくって言ったら怖いかもしれないけど、ワタルの力を最大限生かせる方法を作るだけだよ。それに……俺の下につくにも上につくにも、繋がっていると安心するだろ?」
航/う、うん。……判った、それで役に立てるなら……エルのサーヴァントになりたいな。
GM/「……ありがとう。君を決して危険な目には遭わせないよ」。エルと航が契約します。キャラクターシートのマスターの欄に『エル』と書いてください。
航/俺……自分の身は自分で守れるから。足手まといにならないようにするよ。
GM/「……じゃあ、行くよ!」

 今回の戦闘レギュレーションは以下の通り。

【戦闘マップ】
 前衛エンゲージ :相馬、ジーク
  (↑5メートル離れている↓)
 前衛エンゲージ2:ミスターB
  (↑10メートル離れている↓)
 後衛エンゲージ :盟
※前衛エンゲージと後衛エンゲージから10メートル離れた同一エンゲージ:航、エル、アサシン

【注意事項】
@ジークは亜紀のプレイヤーがロールする。
A航陣営は自由なタイミングで参加することができる。
Bアサシンは初登場時、隠密状態である。
C戦闘離脱は宣言し、【幸運】判定難易度10に成功すればオートのタイミングでシーン退場することができる。

【行動値】
 ジーク:20
 ミスターB:18
 アサシン:17
 航:15(同値はPC優先)
 エル:15
 盟:12
 相馬:11

【令呪について】
@ミスターBは、相馬に対して令呪を3回使用することができる。
A盟は、ジークに対して令呪を3回使用することができる。
Bエルは、航に対して令呪を3回使用することができる。
Bエルは、アサシンに対して令呪を2回使用することができる。


航/あ、やっぱアサシンの令呪は1つ既に使われてるんだ。……この組で戦闘しているのを見たら、絶対航は相馬さん達を攻撃するよね。セイジさんもいるし。
亜紀/でもセイちゃんはフルフェイスだから顔は見えませんよ。
盟/それに弁ちゃんだって顔見知りでしょ。インタールードの幽霊騒ぎで出てきてたし。
GM/……それでは、戦闘開始します! 第1ラウンド、セットアッププロセス。
亜紀/ダメージが一気に来るので、≪黄金の身体≫を使います。最初からフルでいくぞ! 【防御値】13点アップします。
GM/弁慶は≪本能の拐引≫を使用。相馬、弁慶のダメージに+3上がります。
相馬/ドンケツビリは嫌じゃ、盟に対し≪縛鎖≫をします。
盟/≪幻想式≫を自分に使用します。
相馬/迷いが無いな!(笑・ころころ)達成値16です。
盟/(ころころ)……くっ、14です。
亜紀/ジークが≪一心同体≫を使えますよ。出目10以上を出さなきゃいけないけど……。
盟/それならジークの判定にオートの≪幻想式≫を使用!
亜紀/(ころころ)……あ、失敗した!
相馬/助かった!(ころころ)く、出目が低い! 盟の【行動値】をマイナス3点してください。
盟/3下がって9になるんだね。……よし、1ラウンド目で≪天空の羽≫を使えば相馬さん以上にはなる!
GM/それでは、早速メインプロセスに移ります。一番最初に動くのは、ジーク。
亜紀/≪鳥躍≫を使うまでもないな。……本気でいきます。マイナーで≪撃滅≫使用、メジャーで≪破却打ち≫をいきます。
航/いきなり超必殺技いくか!(笑)

 ≪破却打ち≫
 武器に自身の力すべてを込めて一撃に大技を解き放つ。効果は、ダメージに+30する。
 この特技を使用後、攻撃に使用した【スキルウェポン】がシナリオの間、使用できなくなるという[闘士]最高レベルの荒業。


亜紀/ダメージ+30いきます! 使用する【スキルウェポン】は≪両手武器≫で!
盟/当てにいこう! 命中判定に≪幻想式≫を使用する!
亜紀/はーい。(ころころ)命中25。
相馬/(ころころ)18。……そこで≪死線≫使用します! ジークの命中ダイスの高い出目を1にしてください!
亜紀/えーっ!? 1・4だったのが1・1になって……ファンブルになっちゃった! ごめん、マスター!
盟/≪破却打ち≫のタイミングはダメージロール直後じゃないから……メジャーが消える! 無駄になっちゃった! 大丈夫、まだ令呪も使っていない。これからだよ!
GM/相馬さんに剣を切り落とされちゃったんだね。……次は弁慶さんのターンです。ジークと相馬さんと同じエンゲージに侵入し、ジークに攻撃します。≪撃滅≫≪凶々しき武器≫を使用。(ころころ)命中は21。
亜紀/回避!(ころころ)16です。
GM/では、≪撃滅≫をプラスした3D6の防御無視ダメージを振ります。
盟/こっちは回復技は無いからダメージが入ったら終わりなんだ……。令呪を使って確実にセイジを避けさせておきます! まだダメージ受けないで!
亜紀/回避36になって避けました!
GM/眼鏡スーツの男が槍で斬り込んできたと思ったけれど、全身鎧が的確に振り払って避ける。……弁慶は相馬さんの元へザッと近寄ります。
相馬/惜しかったのぉ……。
GM/「いいえ、これで貴方を守れる位置まで入れました」……至近じゃないと≪影の軍勢≫は使えないから。
亜紀/せ、戦闘中にデレたぁー!?(笑)
相馬/良いのか、守るだとか言って。
GM/「大切な駒をこんな序盤で失う訳にはいきません。それだけのことです」
盟/ツンした! デレツンだー!(笑) ありがてえ、本物の弁慶さんだ!
GM/で、デレじゃないんだからね! ただの戦略なんだからね!(一同笑) ……ということで、次は相馬さんのターンです。
相馬/ではマイナーで≪獣化≫します。攻撃対象はジーク!(ころころ)命中は17です!
亜紀/(ころころ)よし、20で避けた! 当たりません!
相馬/……今回は外しておく。初手が潰れたのはイタイな。初めが肝心なんだが。
航/ジークだって初手奪われてるんだよ! ≪破却打ち≫潰すって結構鬼だよ!(笑)
盟/やっと盟の番だね。マイナーで≪天空の羽≫を使用し、【行動値】を14まで上げます。その後メジャーで≪指揮者の鎖≫を使用! シーン間……弁慶さんの【行動値】を1にします!
GM/(ころころ)こちら、回避16です。
盟/(ころころ)命中は16。……でも、オートで≪幻想式≫を使用します! このタイミングで使うのは有用だ! 弁慶さんを絡め取りました!
GM/鎖によって腕を取られてしまった。……では、クリンナッププロセスになります。
航/航達、戦闘に入ります!
相馬/もう入るの!?
航/前回『第6ループ』で待ってたら待ちすぎちゃって楽しくないことになっちゃったんだよ。
GM/じゃあ航達が第2ラウンドから動き始めます。……セットアップ。誰か何かする? とりあえず弁慶さんは≪本能の拐引≫を使用します。
航/航が≪勾玉の加護≫を使用して戦闘移動します。アサシンは離れたエンゲージになって、エルと航は前衛エンゲージに飛び込みます!
GM/……そっか、アサシンの隠密は戦闘移動しなきゃずっと隠密のままで継続する。
航/です! でも航達は接近しないと行動ができないんで移動しました。航の≪カバー≫は20メートルまで使用できるんでイザとなったらアサシンも庇えます。
GM/では、盟ちゃんと相馬さんの前にザッと金髪の男と一人の小童が現れます。
相馬/まぁた新しいのが……!
盟/そ、そんな! 航っ!?(笑) 一人で狼狽しておきます!
亜紀/鎧の中でセイちゃんもあわあわします!
盟/……せ、セイジ! 航だけは攻撃しないで!
亜紀/「了解、マスター!」
航/……なんだろう、コレ。的確に場を掻き乱した(笑)
盟/セットアップで盟は≪魂砕≫を使用します!
相馬/同じく、セットアップで≪縛鎖≫を使用! 対象は、航!
航/(ころころ)……あ、ファンブった。
相馬/(ころころ)よし、成功。【行動値】を7下げてください。小童は大人しくしておれ!
GM/戦闘慣れしてない小童なんてチョチョイノチョイじゃー。
航/……恐怖に震えながらもギリッと睨みつけます!

【行動値】
 ジーク:20
 アサシン:17
 エル:15
 盟:14
 相馬:11
 航:8
 ランサー:1


GM/セットアップ終了でいいね? では一番最初のターンはジーク。
亜紀/マイナーで≪撃滅≫使用して≪巨大武器≫をいきます。(ころころ)命中24!
GM/弁慶さんが≪鋭敏感覚≫を使用。自分の回避にプラスします。(ころころ)回避27にします。
盟/……≪幻想式≫! ジークの命中28にします。
亜紀/折角当てられたんだから≪特攻≫を使用します。(ころころ)ダメージは……物理36点です!
GM/大ダメージを受けました。さて次は隠密行動中のアサシンです。……≪乱舞≫≪無の射撃≫を使用。エンゲージに固まっている相馬、弁慶、ジークの3名、マイナス3のペナルティ付きの回避判定をしてください。
航/アサシンの命中判定に≪叱咤激励≫! 応援しておきます!
相馬/(ころころ)回避14です。
亜紀/(ころころ)ジークは17です。「卑怯な奴……まさか、アサシン!」(笑)
GM/(ころころ)弁慶さんはクリった。アサシンの命中は23です。ダメージには≪特攻≫を使用。(ころころ)物理ダメージ34点。大量のナイフを投げ込みます!
相馬/おのれ、不意打ちか!
航/「ふっふーん!」って鼻歌唄いながらナイフ飛ばしたな、アサシン(笑)
GM/次はエルのターンだね。……エルは、ジークに焦点を合わせる。
亜紀/来る! 怖い人が来るー!(笑)
GM/≪セルロイドの心≫を自身に使用。……航は、さっきまで笑って「行くよ!」と言ってたエルの表情が無くなっていくのを目のあたりにします。
航/ゾクっとします。
GM/命中は21。今後エルはダイスを振りません。全ての達成値を7にします。
亜紀/(ころころ)当たってしまう……けど! ≪失われた日々≫を使用! 脳裏に……目の前で殺されてしまったマスターのことを思い出す!(ころころ)回避24にします!
GM/避けられた。……まあ、正直航にセルロイドってるエルを見せたかっただけなんだけどね(笑) エルの次は盟のターンです。
盟/盟はマイナーで≪興奮剤≫を使用します。(ころころ)あ、1しか回復しない!(笑)
GM/慌てた状態じゃうまく摂取できないんだね(笑)
盟/で、メジャーで命中いきます。対象は弁慶さん!(ころころ)命中は……22です!
GM/弁慶の回避は(ころころ)23。
盟/じゃあ最後の≪幻想式≫乗っけます。一回ぐらいダメージを当てておかないと!(ころころ)16点の霊力ダメージです。
GM/弁慶、倒れます。
相馬/えっ。
GM/16点を食らえば確実に弁慶は倒れます。相馬さん、どうしますか?
相馬/……ここは……相馬が一応はサーヴァントなんだから弁慶を庇って、それで撤退……というのはアリですか?
GM/いいですよ。戦闘離脱はオートタイミングです。
相馬/なら、相馬は未行動なので弁慶を庇います! で、相馬が【HP】0になります!
GM/前にバッと現れたので、目を見開いて驚きましょう。
相馬/目を見開いた彼の前で膝をつきます。
盟/わっ!? ……でも、どっちにしろやった!
GM/弁慶は何も声を上げず、周囲を冷静に見渡す……フリをする。では相馬さん、【幸運】判定をしてください。
相馬/(ころころ)11で成功! すまんがここは退くぞ。弁慶さんも一緒ですよね?
GM/……いや、待って。
相馬/え。
GM/ちょっとやりたいことが出来た。弁慶さんは「貴方は行ってください!」と言います。
相馬/あ……す、すまない! 離脱する!
航/次は航のターンなんだけど……なんか行動待機した方がおいしい気がした(笑) 弁慶さんが何かしたいようなのでターンを遅らせます。
GM/弁慶さんのやりたいことは、相馬さんへのお土産作りだよ。「貴方が戦ってくれたからこそ私達は勝ちました! さっきの傷は無駄ではなかったのです!」が言いたいんだよ。
相馬/デレ!?(笑)
航/デレだ! 弁慶さんの完全なデレだ!
GM/自分の戦略ミスで相馬さんを傷付けたってことで物凄く落ち込むしな。という訳で弁慶さんはジークを攻撃します。……当たって。
亜紀/当たったら死にますよ!
GM/(ころころ)……クリティカル。
亜紀/はあっ!? 「当たって」って言ったら本当に当たった……流石GMもリアル世界遣いなだけあるー!(笑)
GM/(ころころ)ダメージ、24点です。
亜紀/ジーク、倒れました。
盟/そんな、セイジ……く、くそ! ごめん……!
亜紀/「オレも、ゴメン……マスターの願い、叶えられなかった……」
GM/その声が、至近に居る航には聞こえていいんじゃないかな。
航/そっか。……せ、セイジさん……?
亜紀/……兜を外します。「……ワタルちゃんも参加したんだ。気を付けてね。キミの幸運を祈ってる」
盟/せ、セイジ……!
GM/セイバー、ロスト。……弁慶さんは、≪修羅≫を使用します。本当は盟ちゃんの元へ駆け出したいとしたけれど、エルと航がいるのでエンゲージ離脱は不可。なので至近にいる航に攻撃します。(ころころ)命中25。
航/(ころころ)回避15です。
GM/(ころころ)24点の防御無視ダメージを受けてください。その後、【幸運】判定をします。(ころころ)……相馬さんが去った方向に高くジャンプして彼は去って行きます。
相馬/その身体能力、ヒトじゃねえ……。でも相馬は下がっているからその姿は見えない……。
GM/うん、見てないからそうしたんだよ。
盟/さすがチート!(笑) で、ターンは行動を遅らせていた航の番になるけど……。
航/離れたエンゲージにいるセイバーのマスターに近付く! 最後の1人を斬……ろうとしたところで、相手が盟ちゃんだと気付く!
盟/わ、航……!
航/剣を出して飛びかかろうとしたときにピタッと止まっちゃいますね。……め、盟ちゃん……?
GM/攻撃はしない?
航/……盟ちゃんはサーヴァントじゃないし、殺す理由が無い。剣を納めちゃいます。
GM/航は戦闘移動しただけで行動終了、クリンナップ。……第3ラウンドのセットアップになります。何かする人いる?
航/戦意消失しちゃいました。
盟/【MP】的にもキツイので何もしません。
GM/セットアップ終了。……では、メインプロセスになってアサシンのターン。どのループでも目撃者は殺すアサシンは、盟ちゃんを攻撃します。
盟/そうだ! いつもそうだったね!(笑)
GM/アサシンの命中は(ころころ)23。
盟/(ころころ)回避……15です。
GM/≪特攻≫付きのダメージいくぜ。(ころころ)……物理ダメージ、30点。
盟/……一撃で、戦闘不能になります。
GM/一発でか。……ナイフを致命傷の場所にザシュッと投げ飛ばすアサシン。
盟/目の前で「航!?」って言ってたから……航の目を見ながら、倒れます。
航/え……あっ……。
GM/次のターンはエルか。……盟のエンゲージまで戦闘移動して、トドメを刺しにいきます。
航/ちょ、ちょっと待って! バッと前に出ます!
GM/航の「待って」に大人しくエルは止まります。
航/聖杯戦争で殺さなきゃいけないのって、英霊だけじゃないの!?
GM/「う、うん……でもマスターは放っておいても驚異になるだけだよ……?」
航/盟ちゃんは友達なんだ! ……でも。
亜紀/でも?
航/でも……今、何かエルに言ったら……エルに見捨てられる気がしてきた……。
盟/じゃあ……盟が言います。……どうせもう助からない。殺せ。
航/そ……そんなっ!
盟/大丈夫、死ぬ覚悟ぐらいできてる……誰も恨まない。
航/え……え?
盟/だから……。
航/……………………。盟ちゃんの方を向きます。
盟/うん。
航/≪鳥躍≫します。エルより先に行動。自分で盟ちゃんを殺します。
GM/わ。
航/ごめん。
盟/……。頑張れ、航。

 2009年2月9日。
 ――八木沼盟、ロスト――。


GM/……。航が、殺しちゃった。
相馬/…………。
GM/……次の青森さんのオープニングシーン、何をするか決まったな。
亜紀/え? あ、ああ……葬式っ!?
GM/航がトドメを刺しました。それにエルが驚きます。「……ワタル? ワタル……そんなコト、しなくても良かったのに」
航/……震えた手で剣を落とします。
GM/「……嫌なら、俺がしたのに……」
航/……これでいいんだよね……俺、足手まといじゃないよね!? ガッとエルに縋りつきます!
GM/抱きしめます。……傷付いた航の体を≪結合双生≫で全部癒す! 「辛かったよね? でも俺の為にやってくれたんだよね?」
航/そうだよ! ねえ、おねがい、俺のコトいらないなんて言わないで!
GM/「ありがとう……ワタルのおかげで俺達の夢が一歩近付いたよ。ワタルがそこまでやってくれたんだから……絶対にこの戦争、勝とうね! 絶対に勝つよ!」
航/なんだってするから……俺、絶対エル達を勝たせるから……おいていかないで……!
GM/……エンディングフェイズに移行しましょう。


 ●エンディングフェイズ/February 9th Scene 2

GM/青森と亜紀は、教会のエージェントとして戦闘があった公園に向かえと言われました。君達が到着すると既に何人かのエージェントがボロついた公園を復元しております。
盟→恐一/はい、公園に来ました。今後の聖杯戦争の為にどのマスターが亡くなったかとか知りたいので、被害者のところに行きまーす。
亜紀/結構激しく戦ったみたいですねー。
恐一/でも死者は1人しか出てないみたいだな。小さいブルーシートをバッと捲ります。
航/凄くヘタクソな斬り方で死んでる盟ちゃんがいる。
恐一/…………。
亜紀/……や、八木沼くん!?
恐一/……。ああ、そうか……亡くなったのか。
亜紀/あ、青森さん……知り合いですか?
恐一/……ああ、一応な……親戚。従兄弟の子だったんだ。
GM/従兄弟の子なのか。……結構、近い血だな。
亜紀/……俺、同じ学校なんです。きっと……航が知ったら悲しむだろうな。同じクラスだったから……。
恐一/こんなヘタクソな斬り方じゃ……苦しかっただろうな。そうだよな。うん……。
亜紀/……青森さん?
恐一/……もう、誰も犠牲者を出したくないから……俺はこの戦争に参加した筈なのに、せめて身近な人間だけは守りたいと思っていた筈なのに……なんでまた俺は救えないんだ?
亜紀/…………。
恐一/……亜紀、やりたいことが出来た。
亜紀/……なんですか?
恐一/私怨だってことは判ってる。でも、子供をこんな目に遭わせる奴を俺は許せない。これが自業自得だったとしてもな、なんでこんな小さな子供を殺さなきゃいけない! 俺は……そんな奴をのさばらしておくのは……嫌なんだ。
亜紀/……言っている青森さんの手を、ギュッと握ります。
恐一/……すまねえ、カッコ悪いトコばっか見せて。
亜紀/いえ……俺、契約した時点で……いえ、契約する前から青森さんの助けになりたいと思ってますよ。だから、オレも協力します。
恐一/……ありがとう、すまない……。
GM/では、「おそらくはセイバーのサーヴァントが消えた」というエージェントの話が亜紀くんの耳に入ります。
亜紀/まさか、セイちゃんが……!
GM/……青森さんと亜紀くんが声を荒げているところで、マスターシーンに入ります。

 ブルーシートの前で肩を震わす青森。支えようとしっかり立つ亜紀。
 それを遠くで、気だるげに……つまらなそうに見ていた男がいた。


相馬/……雑巾!?
亜紀/ナグイェブって言ってくださいよ!(笑)

 青森と亜紀は去って行く。新しい目的を胸に抱いて。
 ……遠くで見ているだけだった彼は倒れる盟に近付いた。痛々しい身体だった。
 公園の処理を行うエージェント達に、男は口を開いた。
「この遺体は……とある者のもとへ持って行く。この少年を大切にしていた男のもとへだ。
 愛する者の手で美しくしてやった方がいいだろう? それが幸せというものだろう。
 ……アイツとこの少年は……フラグが立っていたからな」


盟/そんなメタなことを!(一同爆笑) けどカイルさんだから「フラグ」って言いかねない! 言っちゃうよ、あの人なら!(笑)
航/……今回のループの盟ちゃんはスタンダードな動き方をしてたんだね。セイバーをゲットして、黒須と一緒に行動するという……。「黒須がイライラする」って言いながらイチャイチャしてたんだね(笑)
盟/うん、デジャブ持ちだったし。盟ちゃんは何にも無ければ黒須のところに行くから!(笑)
GM/ということで、彼の遺体は丁重に教会へ運ばれて行ったのでした……。

 一方その頃。
 一時退散した相馬とミスターBは……。


相馬/池から離れた近くの公園で、一人ゼーハーしてます。
GM/そこへザッとミスターBが現れます。「バーサーカー! ご無事でしたか!」
相馬/すまん、迷惑を掛けた……。無理矢理立ち上がろうとします。
GM/その身体を支えます。「……貴方が戦ってくれたおかげで、1体のサーヴァントを昇華できました。セイバーの昇華には貴方も気付いたでしょう?」
相馬/……そうか、お前がやったのか。
GM/「貴方が私を庇ってくれたからこそ勝ち取ることができたのです。……無理な戦略を強いてしまったことも自覚しております。御許し下さい」
相馬/いや、ワシこそすまんかった……。
GM/[処刑人]らしく薬を出し、応急手当をします。手際の良い手当てを受けながら、相馬さんはホテルに戻って来ました。
相馬/おぬし、治療が手慣れておるのぉ……。
GM/「ええ、戦には慣れている身ですから。……だというのに、私の力では確実に勝利を掴み取る事は出来ない。いえ、言ったところで何にもなりませんね。次を勝てばいい話です。……貴方のおかげで私は、死ぬことはなく此処に居られる」
相馬/そうじゃの。……マスターであるおぬしが死んでは元も子も無いからのぉ。
GM/「……これから、貴方のその傷を完全に治療するには骨が入りますね。一瞬、私はこのまま貴方を切ってしまってもいいと考えてしまいました」
相馬/……使えぬ駒はいらんということか?
GM/「ええ」
相馬/もしおぬしがしたいのであれば、すればよい。ワシはおぬしに逆らうことなど出来ん。
GM/……言った後に、俯きます。「……そう本当に思っているのであれば早々に貴方の喉に槍を突き刺せばよい話です。しないということは、したくないと私自身が思っているからでしょう」
相馬/……随分理屈っぽいが、そういう事と思っていいのか?
GM/「貴方は……まだ使える男だということです」
相馬/……そうじゃの。ワシは優秀なマスターを得た。それだけでも十分じゃ。ワシとて聖杯戦争に参加する身じゃ。これぐらいの覚悟は出来ておるわ。
GM/「……私なんぞ全く美しくもなんともない男ですが、貴方を救う為です。受け入れてください」
相馬/……受け留めます。
GM/「恥態を見せるのは……嫌なのですが……」と言いながら、彼は君に覆い被さります。

 一方その頃。
 自宅のアパートに帰って来た航達は……。


GM/アパートに帰った頃。いつの間にか航が負っていた傷は全部消え、その代わりエルがぐったりしている。それに気付いてください。
航/え、エル? 大丈夫? 怪我したの?
GM/(エルになって)「いいや……君の傷を癒しただけだよ。これぐらい平気」
航/そんなことしなくていいよ……俺、耐えられるから!
GM/「……ありがとう。本当にワタルは優しいね」
航/そんなんじゃなくて! ぶんぶん首を振ります。
GM/部屋に戻り次第、アサシンがパッと布団をひいてエルを寝かせます。アサシンは「寝てりゃ治る」って言ってくれるよ。
航/隣に座ってずっと傍で看病します!
GM/「ワタル……ごめん。今日は……俺が先に寝ていいかな?」
航/うん! 俺はずっとここに居るから……絶対に離れないから。
GM/「手、繋いで……寝ていい?」
航/うん……!
GM/「こうすると契約してるから早く回復できるし……それに、安心できるから……」。エルはふにゃっとした寝顔を見せて、眠りに落ちます。
航/……エル……。
GM/……逆隣に座ったアサシンが口を開きます。「そのままチュッチュしちまえば?」
航/……そんなことして気持ち悪がられる方が嫌だ……。
GM/「気持ち悪がる? すると思うか? コイツ、お前に盲信的じゃねーか。自覚無いの? それとも気付かないようにしているだけ?」
航/……。こんな俺のコトなんて好きになってくれる訳無いよ。だから俺は……一方的に尽くしてるだけでいいんだ。エルの役に立てれば……。
GM/「どっからその自信がやってくるワケ? どう見たってマスターはワタルのコト好きじゃねーか。それこそ……10年間ぐらいお前のコトを見ていたって言うぐらいアツアツぶりだよ」
恐一/アサシン……怒ってる?
GM/「お前ズルイよ。頑張ってワタルに尽くしてるのに、こんなにマスターに好かれてるのに逃げやがって。……俺にはマスターしかいねーのに」
亜紀/あっ……。
GM/「……コイツはな、俺を助けてくれた唯一の人なんだよ」
恐一/……そうか、それだけで好感度高いよね。
GM/『アサシンがジークに襲われた→襲われたから戦った→エルがジークを倒すためアサシンの前に突入してきた』。コレって、アサシンからしてみれば……。
航/……エル、王子様です(笑)
恐一/「俺を無条件で助けてくれた! しかも令呪1回分を使ってくれた! 俺が苦しんでることから救ってくれた! つまりいいやつ!」
GM/「どうせ俺には振り向いてくれないんだ。俺じゃコイツは救えない……だから、コイツをラクにする為にもワタルが振り向いてやってくれよ。お前だって辛いんだろうけど、素直になれば幸せになれるってどっかのロリも言ってただろ」
亜紀/アサシン……自分だっているのに……。
航/もう……俺にはエルしかいないんだから、ずっと傍に居るよ。
GM/「本気で言わなきゃダメだぜ。今の顔じゃダメだ。……じゃあ、俺も寝るぜ。こっちも≪乱舞≫とか≪特攻≫使って【MP】減ってるからなー」……アサシンはエルの横に倒れます。
航/……判ってるけど……。エルの手をぎゅっと握ります。
GM/エルはスヤスヤと寝息を立ててます。
航/……好きになっちゃダメだ。ふるふる首を振って……自分に言い聞かせながら、眠ります。
亜紀/もう……なんでそんなに自分を……!