アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第3ループ1話 『 Interval Level 』 2ページ ■
2010年1月6日




 ●ミドルフェイズ4/February 5rd Scene 1

GM/では盟ちゃん、2月5日の朝になりました……サーヴァント探しに出かけますか。
盟/昨日の出来事は≪望淵鏡≫である程度覗いていたことにしていいですか?
GM/なら【幸運】で判定でしてください。
盟/(ころころ)……低いな、10です。
GM/それだと誰が結界が張ったかは判らないけど、亜紀くんと同じぐらいの知識を持っていいことにします。……黒須に事件の教えを乞おうとしたけど、時間が無いのか教えてもらえなかった。
盟/電話しても繋がらない……まあいいや。とりあえずはサーヴァントを見付けよう。手持ちのサーヴァントであったキャスター見つけます。
GM/あ、『キャスターを見付ける』と明確に目的があるのなら達成値にプラス2していいよ。お好きな場所へ行ってください。

【メインマップ】
 @旧住宅地(昔ながらの家々。祐希宅あり)
 A新住宅地(ここ10年間で作られた真新しい家々)
 B駅
 C学校
 D公園中央部
 E動物園
 F池
 Gアメ横
 H白銀神社郡
 Iビル街
【その他マップ】
 @メゾンボロリアT(航宅)
 A早乙女家(亜紀宅)
 B八木沼邸(盟宅)
 C教会


盟/(今までのメモを見ながら)公園にセイバーとアサシンとバーサーカー、ビル街にアーチャー……だったから、アメ横に行ってみます。
GM/……朝のアメ横か。盟ちゃんって行ったことあるの?
盟/……人が、メッチャ居まくるよね。朝は多分行ったことないな!(笑)
GM/なら君はやって来ました。未知の大陸に。
盟/メッチャ人が忙しそうにうじゃうじゃ動いてる!(笑) ……盟は満員電車も乗ったことがないだろうな(笑)
航/いつもヘンリーがリムジンで送り迎えしてくれるし、学校も近所で歩いて行けるしね。
盟/何故あの人達は真っ直ぐ歩いていけるんだろう……(笑) ちょっと離れたところから観察してます。
GM/しかし探りを入れるならどうしても中に入って行かなければならない……これは【体力】判定だな。
盟/【体力】かぁ……≪幻想式≫を使っておきます。(ころころ)お、17です。
GM/高いな、至難な行為も成功してるじゃないか(笑) では盟ちゃんは目安を絞り込んで移動していると……明らかに、人じゃないモノが見える。
盟/ん? なんだアイツ……。
GM/……綺麗な顔だ。人形みたいな顔してるなぁ。よく見ると人形みたいな動きだし、明らかに人形じゃないモノだ。他の人たちは騙しているけど僕には騙せないね!
盟/ホムンクルスかな……後を追いかけます。
GM/……綺麗な顔の人形はある場所へと入って行く。商店の2階2階にある……『パブ・ラマーサ』という店にだ。
盟/……ラマーサぁ!?
航/パブ・ラマーサっ!?(笑) オカンとオカマとオスカルと……ロリがいる!?

 詳しくは、『ゲヘナ・リプレイ〜前のめり☆乙女団』参照。
 余談だが、もしラマーサに外部の魔術師が入り込んだとしても「オスカルなら結界に気付かない」「オカマなら結界を気にしない」「オカンなら結界を騎乗でブチ破る(≪戦士の勘≫的な意味で)」と暫く話が盛り上がったとさ。


GM/狭い急な階段を上って行くと、「CLOSED」と書かれた看板が掛けられている。
盟/籠城には打って付けの場所だな。……パブ・ラマーサに乗り込みます。コンコン。
GM/返事は無い。
盟/……カチャ。
GM/開いてるね。中を見ると……パブだから夜に営業をするせいか今は誰も居ないように見える。
盟/≪霊的神経≫を使って何か無いか調べてみます。(ころころ)……え、まさかのファンブル!?
GM/まさかのファンブルですか、おめでとうございます(笑) ……うわ、ガタンと音を立ててしまった!
盟/しまった……!

 盟が瞬きをして、目を開けると。
 ……一瞬のことだったのに、何故だろう。いつの間にか周囲には……綺麗だが全く同じ顔の人形が4体、盟を取り囲んでいた。
 2人は赤、もう2人は黒、トランプの騎士のような人形が。


盟/ふああぁーっ!?(笑) な、なんだお前達!?
航/『なんと待ち伏せされていた!』みたいな雰囲気になってるね!(笑)
GM/奥の方から聞いたことのある声がします。「……あれ、あれれー? 盟さん?」
盟/……弥生っ!?
GM/「あれれれれ、なんでー? ちょっとハート、後つけられてたじゃんかー!」
盟/あんな木偶の坊を連れていたら誰だって判る!
GM/「え、難易度12以上出さなきゃ判らない仕様だったよ」
盟/メタなことを言うな! 17も出したよ、乗せられるもんは全部乗っけたさ!(一同笑)
GM/「フツーの人間だったら判らないよ……あ、盟さんはフツーじゃないですもんね」
盟/散々言ってるだろ、僕は優秀だって!
GM/「ええ、ホントに優秀ですねえ。意外と……ボクの思った以上の優秀さだったな。こんなにデキる子だとは思っていなかったよ」
盟/カチン! ……いや、ここは僕が大人になるべきだ!(笑)
GM/「おや? カチンと来たらいきなり襲いかかって来ると思いましたよ。そうじゃないんですねぇ」
盟/……この状況で襲いかかっても只の馬鹿だろう。ここから僕は逃げることはできるが、その前に話をしたって構わないだろう?
GM/「んー、いいですけどー。お茶飲みます?」
盟/この状況で言うか……せめてコイツらを退かせ。
GM/「お茶淹れてー!」……とキャスターが言うと、人形の1人がスススと動き、紅茶を出してくれます。椅子にも着かせてくれるよ。
盟/快適そうじゃないか(笑) ……で、帰って来る気はないか。キャスター……いや、弥生。
GM/「え? もしかして……ボクのコト、追いかけてきました?」
盟/……だ、だったら悪いか!
GM/「既にボクにホレてるとかそういうコト? なにこのデレモード
盟/お前狙いだからだよっ!(笑) 紅茶をズズズ!
GM/「そんなにボクが欲しい?」
盟/お前の能力はかっている。少なくとも……あれだけの数の配下を使役できるということは、それだけ力が強いということだろう。お前はもっと出来る奴だ。だって、この僕が召喚したんだ。
GM/「ふー……そこまで自信家だと、そのうち絶対に足元掬われますよ」
航/えるーんえるーん!(一同笑)
盟/……そうやって僕の弱点に気付いているんだ。組めば最強じゃないか。
GM/「……そこまで言ってくれると流石にボクも心惹かれちゃうなー。まさかここまでデレデレに来るとは思ってませんでした」
盟/……契約が解除されたとき……僕がちゃんとしていたら多分お前は逃げなかっただろう?
GM/「ええ。ハッキリ言って、ボクが貴方のところから去ったのは、経験不足の魔術師っぽかったからです。そんなマスターよりはもっと良い人につきたかったんですよ」……もう殺されちゃったけど、アーチャーの元マスターの方が絶対に実績や技量もプライドもあるだろうしね。
盟/坊ちゃんだもん、プライドしかないもんなぁ。……確かに僕に経験は無いが、お前にはあるだろう。少なくても僕には知識がある。それをお前が生かしてくれ。
GM/「……再契約、していただけるんですか?」
盟/ああ! 手を出します。
GM/「……ボクはですねー。さっさと聖杯戦争に勝ちたいんですよ」
盟/それは同意だ。
GM/「召喚されたからには絶対勝ってやりたいと思っているんで、どんどんまいていきましょー」……盟の手を握ります。再契約、キャラクターシートの欄に『キャスター』とお書き下さい!
盟/早く終わる分にはこちらとしても望むところだ! 作戦会議を始めるぞ!


 ●ミドルフェイズ5/February 5rd Scene 2

GM/2月5日の朝。相馬さんは……廃屋になっているメゾンボロリアVにに居ます。
相馬/ボロリアVを拠点にしました(笑)
GM/(アーチャーになって)「お父ちゃーん! 食べ物持ってきたよー!」とおにぎりをドスン。
相馬/よく働いた。と言いたいが、おぬし……コレをどこから取ってきた。
GM/「『こんびに』ってトコロで≪食糧調達≫!」
相馬/そうか、盗んできたと。
GM/「ごはんごはんー! まずどうやって開けるんだろうね。あ、『ここから』って書いてあるか!」
相馬/うむ、ではピリピリと……。
GM/うあぁーっ! 海苔が切れたぁー!?
相馬/わあっ!? おぬしが大きな声を出すから切れてしまったではないかー!(笑)
GM/「じゃあコッチをどーぞ。ハイ、梅シーチキン
相馬/なんだそのハズレっぽいのは!(笑) ぱく……んにゃっ!? なんじゃこのシーチキンというのは……もにょっと脂っぽいぞ。腐っておる! ……≪暴食≫があるから食べられないことはないが。
GM/「あとコレ、飲み物! あずきコーラ!」……開けたらぷしゅうううう。
相馬/おわあああ!? なんじゃこれはぁー!? 手がねっちゃねっちゃするのぅ!
航/あちゃぁ、いつもぴょーんぴょーんだもんな(笑)
GM/「畳で拭いておけば? きっとこういう飲み物なんだよ、人間って凄いもの開発するねー……科学の進歩って凄いな、ゴクゴク」
相馬/すんすん。んあ、なんじゃ……シュワッとする挙句にやたら甘いぞ! 日ノ本も変わったもんじゃのぉ……近頃の者は変な味を好む。
航/……それ、売れてないから!(笑)
盟/売れてると思ったら大間違いだから! 在庫だから!(笑) きっと売れなくて裏に出しておいた賞味期限間近のヤツを盗んできたよね(笑)
GM/「そっか、お父ちゃんってこの国の人なんだよね。サムライさんだもん」
相馬/ん? ああ。ワシはこの日ノ本で言うところの平安の中期の生まれでのう……貴族様がいて、まだ武士が強い力を持っていなかった時代で云々。
GM/「へー……今と全然違うねー」
相馬/……おぬしはこの国の生まれではないのだな?
GM/「……禁則事項ですっ!」
相馬/言え。脳味噌の中に蓄えられた知識があるじゃろうが。
GM/「ううー。オレはー……すっごい谷に拠点おいてー、色々もんもんと修行するっていうカンジ? そこで開発?」
相馬/……仙人か?
GM/「修行で頑張ったってカンジ。だから外のコトはよく判りませーん!」
相馬/ほう、世捨て人か。その割には宝が欲しいとか欲だらけじゃな? ……おぬし、大陸の者か。
GM/「うん。オレの話なんかよりさー、お父ちゃんの話をいっぱい聞きたいなー!」
相馬/何を言う、おぬしばっか得だなんてワシは許さんぞ。
GM/「うーうー。…………じゃあ、体で話し合う?」
相馬/別にワシはそれでも構わんぞ。サラリと言います。
GM/「変なもの食べるよりはそっちの方がいいよね。……本来はサーヴァントは何も食べなくていいんだし。そうだ、どうせだったらお父ちゃん、オレと契約しちゃう!?」
相馬/その方が回復の効率は上がるが……契約するのは構わんが、ワシがマスターじゃな?
GM/「なんでそうなんの」
相馬/いやいやいやいや!(笑) ここは年長者のワシに……。
GM/オレ、男だよ?
相馬/何を言う、ワシかて男じゃ!(笑) おぬしの目にはワシが女な子に見えるのか!?
GM/「全然見えないけどー。でもイニシアチブ取りたいっていうのはね、少年だから! 穴があったら入りしたいし入れたいから!
相馬/それはワシだって同じじゃぞ!(笑) おぬしのような童に組み敷かれるなんて……寧ろ矜持というものがな!
GM/話し合いで解決できないのなら【体力】判定で解決するべきだと思いまーす!
相馬/よーし、【体力】判定で対決じゃー! ファンブルが出たらそれはそれで良い!(ころころ)……え、11?
GM/(ころころ)13。
相馬/え、負ける? (超シリアスな声で)…………振り直し特技って持ってなかったかな、落ち着け! 落ち着け! 待て、いや違うんだ、ワシには≪修羅≫があるんだ!
航/落ち着くのはそっちだ! あちゃぁに取られるぞ!?(笑)
亜紀/必死すぎですよ!(笑) ……って、≪修羅≫まで使うんですか!?(笑)
相馬/5MPぐらい消費してやる! どうせこの後に回復するんだろ!? なら使用しちゃうよ!(笑)
盟/大人げねー!(笑) ……いっそ負けろ!(一同笑)
相馬/これで負けたら観念する!(ころころ)……コノヤロウ、1が出やがった。でも13です!
GM/13? 同値か。どっちも能動側で防御側がないから……『結果がつかなかった』かな? 「わーわー!
相馬/わーわー!
GM/そうして1日が過ぎたのだった。
航/夜中に管理人さんがドンドンドン! ガチャッ!「んだよ、うるせー……チンピラかな。ゴミ捨てていきやがって、なんだこんなマズイもん飲んで!」ガチャン!(笑)
相馬/はぁ、はぁ……! なんか、疲れたのぉ。
GM/「はぁはぁ……うん、疲れた」
相馬/寝ようか。
GM/「うん、寝る。おやすみ」
相馬/ぐう。
航/MP消費しただけじゃん!(一同笑)
盟/アホか! HP減らしておけ!(笑)


 ●ミドルフェイズ6/February 5rd Scene 3

GM/キャスターと盟ちゃんのシーンに戻ってきます。盟ちゃんの屋敷に戻ってきて、作戦会議をします。
盟/ここなら≪テリトリー≫で感知もできるし安全だな。
GM/「ですね。ではボクの知ってる限りの情報ですけど……まだ契約をしたサーヴァントってあんまいないようなんですよ。だからまずは足場を固めておくべきだと思いますね」
盟/ああ……結界でも張っておくか。
GM/「夜に待ち伏せでもするぐらいしかないですね……ということで。昼間はデートでもしてますか!」
盟/……そ、そんなことをしている暇があるのか?
GM/「だって今動くことができないんだもん。それとも、真面目に何かしてます?」
盟/う、うーん……真面目にやった方がいいのかなぁ。
航/あっちでロザリーとヘンリーがニコニコ見てる。「若いころの旦那様にそっくりですねえ……」
盟/そうなんだ(笑) ああいいっ、もうわかった! ……遊ぶ!(笑)
GM/遊ぶんだ。
相馬/(ロザリーになって)「流石盟様! 遊ぶときは遊ぶ! その清々しい男っぷり!」(笑)
GM/「では一緒に遊びましょう! 面白い遊びがあるんですよ」
盟/なんだ?
GM/キャスターはぽんと扇子を渡します。「どうぞ、プレゼントです」
盟/…………。
GM/「どうぞどうぞ使ってくださいよー、使ってくださいよー!」
盟/≪霊的神経≫で調べます。
航/全力で調べてるし!(笑)
盟/(ころころ)達成値14です。何ですか。
GM/魔力的なものをバリバリ感じます。扇いだら絶対何かが起きます。
盟/ふっ……(キャスターに向かって扇を)バサァッ!(ころころ)霊力命中14!
GM/回避します!(ころころ)……ヒョイッとキャスターが避ける! その後ろにヘンリーが「お茶をご用意……」
盟/あ。

 「…………しました」。
  ↓
 ヘンリーがお茶を置く。
  ↓
 気をつけの姿勢。
  ↓
 10センチまで縮むヘンリーの体。
  ↓
 完成。


盟/ヘぇンリいいぃーっ!?(一同爆笑) 職務を全うする姿勢は大事だが、せめて避けろ!(笑) お茶を置く暇があったら避けんかー!
GM/「あらら、盟さんをビックリさせようとしたんですが失敗しました」
盟/弥生……大変なことが起こった。このままだと僕達の世話をする人間が居ないぞ。
GM/「それは大変だ。でももうちょっと遊んでから戻しますから気にしないでください」。小さくなったヘンリーをつんつん。
盟/ヘンリーで遊ぶな! 第一……僕をちっちゃくして何をするつもりだ!?
GM/「遊ぶんですよ?」
盟/人形遊びぃ!?
GM/「可愛らしくていいじゃないですか、可愛らしいボクにピッタリです」
盟/言い切ったねっ!?(笑) とにかく戻せ!
GM/「ハイハイ、扇子バサー。もにゅーん、ヘンリー3メートル
盟/でけぇ!?(笑) 微調整しろっ!
GM/「ニヤリ。バサー! ハーイ盟さん小さくなったー!
盟/えええっ!? なんで!? ええい、いいから戻せっ!
GM/「かーわーいーいー。これで3時間ぐらい遊べますね。掌サイズー! 『弥生くんの恋人』ー!(一同爆笑)
盟/もういいっ! このサイズで紅茶を飲んでやる!
航/「盟様、御労しい」とロザリーがスプーンで運んでくれるんだな。……GM、キャスターのロールが滅茶苦茶イキイキしてますね(笑)
GM/今回の電波担当だから(笑) ではここで盟ちゃん、【理知】判定をしてね。この扇子から正体が暴けるか知識的な判定です。とある本を読んでいたかだね。
盟/(ころころ)あー……ダメだ。低い、9だ。
GM/それだと判らないね。……コイツ、なんでこんなモン持ってるのって感じです。
盟/赤チェックで扇子……お前、天狗かぁ!?(一同爆笑)


 ●ミドルフェイズ7/February 5rd Scene 4

GM/航のシーンにいこう。……航、君は今、夢を見ている。その夢の舞台は、君の家だ。
航/……家?
GM/5歳の頃に住んでいた、もう焼けてしまって無いあの家。おぼろげな記憶だけど、自分の家だと判るね。
航/……先生と話をしてたから思い出したのかなぁ。いいや、夢だし中に入るか。
GM/「おかえり」……祐希が出迎えてくれます。
航/え?
GM/「おかえり。帰ってきたら石鹸で手を洗って、うがいして……」
航/あ、ああ……手を洗ってうがいしておきます。
GM/祐希と一緒に手を洗ってリビングに向かうと、紅茶を啜ってくつろいでいる黒須がいる。「先生、帰って来たよ」「航、おかえり」
航/あ……ただいま?
GM/航のお母さんこと渚さんが「黒須先生、クッキー焼いたから食べていってね」と言う。みんなとても親しげだ。
航/お客さんなのかな。夢だしワケ判んないことなんてよくあるよな……?
GM/そしてもう1人……『誰か』が現れる。男性だけど、お父さんじゃない。
航/え……誰?
GM/顔がマジックで塗り潰されたかのように見えない。上書きされたかのように真っ黒だ。まるで……貴方にその姿を見せないかのように。奥の部屋から「あったあった! 見たかったビデオあったぞー!」とお父さんが出てくるよ。
航/お父さんじゃない……。その人に近付いて触ってみます。ぺたり。
GM/「どうしたの、クッキー食べないの?」……航を膝の上に乗っけて、クッキーを食べさせてくれます。
航/わ、俺……小さくなってる?
GM/5歳ぐらいだよ、祐希も同じサイズだ。そういえば黒須先生もやや若いね。
航/あ、昔使ってた眼鏡だ、ちょっとフレームが違う!(笑) ……で、久々に食べる母さんのクッキーの味……なんか悲しいなぁ。
GM/お父さんが、舞台を映したビデオを見せてくれる。ガタガタの映像を見ていると……祐希が袖をくいくいっ。
航/どうしたの?
GM/「……ちょっとギュッとしてて。落ち着く」
航/わかった。よしよし、ギュッ。
GM/「……ありがとう。回復できた」
航/ん?
GM/夢が終わります。目を開けると……いつものボロリアとは違う天井だ。
航/……教会だ。隣を見ます。
GM/エルは既に起きてるね。「昼間は聖杯戦争は起きないから自由に暮らしていていいんだよ」
航/そっか、夜の間しか戦わないんだもんな……って今、何時?
盟/じゃあメールで『今日の研究課題発表だけど……お前、同じ班なのに来ないの?』って送る(笑)
航/わー、寝坊したぁー!?(笑) クラスの奴からメールきたー! ちょっと待ってダッシュで部屋戻って制服着替えて教科書持って行くからー!?
GM/アパートまでエルがついて来ます。「ワタルは学校に行くのかな」
航/エルはどうするんだ?
GM/「ワタルが決めて。俺は霊体化すればいつでもワタルの傍に居られるよ」……エルも『歩けば能力者にあたる』だなんて思ってないのでそう言います(笑)
航/アパートにずっと居ても暇だし、この世界のことも知らないとだよね。視えないなら大丈夫だ、学校に行こう。
GM/では、エルを連れてなんとか課題発表前の時間に学校に到着します。
盟/遅いっ!
航/≪鳥躍≫が無かったら授業終わる頃に着いてるぞ!(笑) とりあえず課題持ってきたから偉くね!?
盟/当たり前だよっ!
航/ごめんなさい!(笑)
GM/……で、盟ちゃんは[霊媒師]なんだよね。それなら教室に航が入ってきた時点で背後にエルが居ることに気付いていいよ。
盟/……じぃーっと見る。あれ……昨日まで憑いてなかったよね!? 守護霊!?(笑)
航/後ろの方にチラッと見る。エル、ちゃんとついて来てるか……?
盟/意志疎通してるぞ、コイツ!(笑) 昨日まで開花してなかったのに……。
航/ノートに書きます。『あれ、先生。今、二次関数の授業』。
GM/エルがノートを覗きこんでふんふんと頷いている。……盟ちゃんには霊と思いっきり話をしているのが判る。
航/『お昼、屋上で食べるけど来る? ご飯食べなくて大丈夫?』
GM/エルが盟ちゃんに聞こえるぐらいの声で「屋上でお昼を食べるんだね……でも、サーヴァントは食べなくていいんだよ」と言っておきます。
盟/ありがとうございまーす!(笑) アイツ……単なる守護霊じゃねえ。
相馬/ふと思ったんだけど、エルは盟ちゃんに気付いているんでしょうか。
GM/一応エルも警戒してるんで、判定しましょうか。エルが【知覚】で振るんで、盟ちゃんは気付かれたくなかったなら【反射】で判定してください(ころころ)こちら12。
盟/【反射】は低いなー。(ころころ)うん……9だ。バレた。
GM/エルがバッと盟ちゃんを見ます。
盟/一瞬目が逢う。……目を逸らす。
GM/ちなみに、キャスターはどうしてます?
盟/キャスターは屋敷でゴロゴロしてます。「マカロン美味しい! ボクがちっちゃくなれば美味しいもの食べ放題!?」とかやってます(笑)
航/(キャスターになって)「ヘンリー戻してー。飽きちゃったー
GM/そうか、ならマスターとは気付かないな(笑) ではエルは能力者っぽい盟ちゃんを警戒している留まりということで。
航/八木沼がどうかした?
GM/「いや、なんでもない」……そうしてお昼になります。
亜紀/航の教室にどーんっ! 航ー、お昼一緒に食べよう! 祐希が屋上で待ってるよー!
GM/航の後ろに金髪の幽霊。
亜紀/(いきなり)天にまします我らの父よ願わくは御名を崇めさせたまえ御国を来たらせたまえ天にいます私達の父よ御名が崇められますように。
航/凄いなっ!?(一同爆笑)

 常々描写されるのでお気付きの方も居られるかもしれないが、亜紀くんの中の人は、亜紀くん自身と同じ「宗教教育出身」である。
 教会関係のシーンで熱い注釈を入れてくれる(「祈れよ!」「エンゲージを描くな!」などなど)のはそのためである。


亜紀/……航、肩が凝ったりしない? 寒気がするとかない?
航/え、大丈夫だけどなんで?
亜紀/変な所に行かなかった?
航/ぜ、ゼンゼン行ってないよ! ななな、なんのコト!?(笑)
亜紀/本当になんともないの? 体調不良とかないの? エクソシストとか呼ぼうか!?
航/絶対なんもないから! 憑いてるとしても『しゅごキャラ』的なもんだから!(笑)
亜紀/……屋上にやって来て……祐希。俺、もう疲れた。
航/なんでっ!?(笑) 俺を連れてくるだけで疲れたとか失礼な話じゃん!
GM/屋上で待っていた祐希が亜紀達を見て、……航の後ろに目をやって、ハッとします。
航/うん? 祐希、どうした?
GM/いきなりソワソワしだす祐希。「ぼ、僕、次の授業……体育だから、早めに食べなきゃなんだ……!」
亜紀/そんな、ちょっとゆっくりしていこうよ。
GM/「で、でも、体育だから……!」
亜紀/じゃあ……放課後に話し合わないか? 前に遊びに行こうって言ってたじゃないか! チケット貰ったし!
GM/「なら、後で!」。……盟ちゃん、屋上に来る?
盟/はい。サーヴァントが気になって屋上の入り口で覗いてます。
GM/……相馬さん、このシーンに登場するとかどうですか?
相馬/あ、面白そうなんでいいですよ。
GM/アーチャーが昼間に「まだ明るいからさー、出掛けようよー! 広くって人がいっぱいいて高い建物があるんだー!」と学校を指差す。
相馬/おお、確かにだだっぴろい土地があるのぉ……。
GM/ぴょーんぴょーんとやってきて、屋上の給水塔に到着。霊体化して学校を見渡します。「わー、いっぱい子供がいるねー!」
相馬/おぬしも変わらん年の頃じゃろう……。
亜紀/で、その下に俺達が居るんですね。……だんだん話し声が聞こえてくる……しかも一つ聞き覚えのある声……!?(笑)
相馬/お、この前の奴じゃ。……よっ!
亜紀/わあー!? 幽霊のオンパレードやー!? ナンマイダーナンマイダー!?(笑)
航/亜紀、何に目覚めたの!?(笑)
GM/「お父ちゃん、アレって知り合い?」
相馬/この前に公園で会った。能力者の才能がある若者じゃ。……アーチャー、あそこにメシがあるぞ。アヤツの近くに行ってみるか。
GM/「うん、判ったー!」
相馬/霊体化したままズカズカと来ます。確か早乙女と言ったか?
亜紀/シィーっ!(笑)
GM/「卵焼きいただきまーす。もぐもぐ」
亜紀/卵焼きが浮遊してるー!?(笑) そうだ、俺が≪テレキネシス≫でやってることにしようー!
相馬/もっちゃもっちゃ。コレは美味いのぉ、さっくさっく!
航/なんか亜紀、今日は食べるのメッチャ早くね? さっきから変な動きしてるし。
亜紀/ラジオ体操だよっ!?
航/祐希! 亜紀が判らなくなった!(笑)
GM/(祐希になって)「ぼぼぼぼぼ僕は早く食べて行かなきゃだからもぐもぐもぐ!
航/今日は2人とも、一体どうしたの!?(笑)
亜紀/……もしかして祐希も金髪の幽霊が視えてる? 祐希を覗きこみます。じぃー。
GM/「ごちそうさまでした! それじゃ早乙女先輩、また!」
亜紀/う、うん。
盟/じゃあ扉の辺りで突然飛び出した男子生徒とぶつかりそうになる。わっ……。
GM/「わあっ!? す、すみません……屋上に用事があるならどうぞ!」
盟/いや、用は……無い。そのまま立ち去ります。
GM/盟ちゃんと祐希が退場。(アーチャーになって)「お父ちゃん、このお弁当美味しいね!」
相馬/美味いのぉ、さっくさっく。
亜紀/あ、あの……お話なら後でお伺いしますから、今は人の目が多いので……。
相馬/他の者達には視えておらんのだから別に良かろう。もしゃもしゃ。
亜紀/俺が頭おかしい人に見えます……!(笑)
GM/では、航。【知覚】判定難易度8。
航/(ころころ)ピッタリ8です。
GM/エルがいない。
航/えっ!? ……周りを見渡します。いない……?
盟/……祐希を追いかけて行ったんじゃね?
航/……あ、亜紀。俺、祐希に用があるんだった。ちょっと追いかけてくる。
亜紀/う、うん……。あれ、金髪の人がいないや。
GM/(アーチャーになって)「人が居なくなったからもっとご飯貰うよー」
相馬/美味いのぉー。いやぁ、マトモなメシにありつけたのは久々じゃのぉ。
亜紀/ああ……そうなんですか。宿無しの幽霊さんですか。
相馬/幽霊と言うな! ワシをそこいらの幽霊どもと一緒にされては困る! もぐもぐ!
亜紀/あ……そういえば金髪の人でしたっけ。さっき居ましたよ。
相馬/なんと!? おぬし、何故教えなかった!?
亜紀/だって目の前に来てご飯食べようとするから!(笑) しかもその人、航に憑いたみたいなんですよー! どうしましょー!?
相馬/航? 先程居た……すばしっこそうな小僧っ子か。
亜紀/あれって怨霊じゃないですよね!? 悪い霊じゃないですよね!? 航に聖水をかけに行かなきゃ! バシャー!
航/なんで俺、2月にいきなり水かけられるの!? 聖水って塩水だからしょっぱいし目に痛い!(笑)
相馬/怨霊……のぉ……。
GM/日本三大怨霊の一つが反応した(笑) 「お父ちゃん、なんで今『怨霊』でピクッてしたの?」
相馬/いや。金髪……あれはワシの思い違いじゃな。……じゃあな、メシ美味かったぞ。礼を言う。
GM/「じゃあねー!」
亜紀/あ、あの、航と祐希には変なコトしないでくださいね!(笑)

 一方その頃。
 祐希が出て行くと同時に屋上から離れた盟は……。


盟/あの金髪のサーヴァントはきっと男子生徒を追って出て行ったんだな。……サーヴァントを見張るために後を追いかけます。出来る限り情報は集めておきたい。
GM/では金髪のサーヴァントを追いかける盟ちゃん。……ところでコイツ、マスターから離れやがったぞ。
盟/……何処に行くんだ? 単独行動だなんて、マスターは秤谷じゃないのか? もしかして今出て行った人が……。
GM/では、【知覚】判定で難易度は8。
盟/(ころころ)……1・1。
航/……ファンブルじゃないか。
盟/今日ファンブりまくりだね……。
GM/ファンブルなら仕方ないな。……では、予想通り金髪のサーヴァントは出て行った男子生徒を追っているようです。廊下を行く男子生徒に……サーヴァントは何かを話している。
盟/何と……?
GM/……残念ながら詳細までは聞き取れない。けど、どうやらサーヴァントが一方的に男子生徒に向かって話しているようだ。
盟/一方的に……。

 口調が粗ぶり、いつでも襲いかかってもおかしくないような怒りを感じる。
 何者なのか判らない。けど、2人の間には大きな確執があると容易に感じ取ることが出来た。
「なんで……そんなのうのうと生きてるんだよ……」
 金髪のサーヴァントが忌々しげに、男子生徒に聞こえるように口を開く。
「俺がずっと――――っていたときに……ずっと――と一緒に居るんじゃなかったのかよ」
 よく聞こえない。けれど最後は、切なそうな声で叫ぶように……。
「お前のその位置、変わってよ……!」


盟/……意味深だな。
GM/男子生徒は逃げ出すように2年の教室へ入って行く。金髪のサーヴァントはそれ以上は追うことはせず、消える。……その頃、航は。
航/エル……どこ行ったんだ?
GM/パッと隣にエルが現れます。
航/わっ!?(笑) エル、どこ行ってんだ? トイレじゃないよな。
GM/「ごめん、敵が居たんだ。でも……なんでもなかったから戻ってきた」
航/敵っ? ヤだな、学校の中でも敵っているの?
GM/「ううん、俺が神経過敏になってただけみたい。心配させちゃってごめんね」
航/もし敵が居ても昼間は襲ってこないよな。……エル、守ろうとしてくれたんだよな? わしゃわしゃと誰もいない所でエルの頭を撫でます。
GM/えへーとエルが笑います。ではマスターシーンを簡潔に入れておきましょう……。

 騒々しかった屋上の騒ぎも一段落。
 溜息をつく亜紀。悩む盟。夜の戦に備える相馬。廊下で微笑む航。
 平和な学校。……そんな和やかな航を、近くも遠い木の上から指差し笑う男が居た。

「…………見ぃーつけた!」


一同/……っ!?(一同爆笑)
亜紀/アッサシーン!?(笑)
盟/口の端が上がった凄い良いスチル入ったよな!?


 ●クライマックスフェイズ/February 5rd Scene 5

GM/授業が終わり、3年生の亜紀の教室に祐希が入ってきます。「すみません、昼間は慌ただしくしてしまって……」
亜紀/なあ、祐希。……視えた?
GM/「……な、ななな、何のコトですか」
亜紀/わかりやすいなぁ、祐希は(笑) 俺が昔っから幽霊が視えるって言ってたよな。
GM/「……早乙女先輩は、そういう話は大丈夫でしたよね。実は、僕も霊感が強い方なんです」
亜紀/そっか、初めて知ったよ。言ってくれれば良かったのに。あ、でも言いづらいことだよな。……航の後ろに居た金髪のって、悪霊じゃないよね?
GM/「あの幽霊……さんは、悪霊じゃありません。きっと大丈夫ですよ」
亜紀/大丈夫なの? 航、危ないことに首突っ込んでるような気がするんだけど……。
GM/「航に何かあったら、僕達が守ればいいんです」
亜紀/ぽんっ! そっか! 祐希は頭良いなぁ、がしがし!
GM/「……そのためにずっと一緒に居るんですから」
亜紀/……え?
GM/「みんなで幼馴染同士、同じ学校に入ったのってそういうコトでしょう?」
亜紀/だ、だよね! うんうん、祐希、頼りにしてるぞー。航を守ろうなー。
GM/……そんな話をしている、一方その頃。航は、学校を離れて帰宅しています。
航/今日はバイトも無いから、とりあえずスーパーでご飯を買って帰っていいかな?
GM/……では、君がスーパーに向かう道。ザッと目の前に男の人が現れる。
航/なっ!? 一歩後ろに引きます。
GM/男性は……帽子にコート姿で、刃物を持っている。
航/ひぃっ!? ストレートに銃刀法違反で来た!? でも昼間だから大丈夫だよね……?
GM/いきなり判定します。(ころころ)命中20、いきなりバッと航に包丁を投げつける!
航/か、回避!(ころころ)13です。
GM/次、エル判定します。(ころころ)21。なので、投げられた包丁をエルがカキンと剣で弾き落とす!
航/カッコイイ……!(笑)
GM/コートの刃物男はニヤーと笑う。「あっれぇ、先手必勝できなかったなー。でもまだこんだけナイフあるんだよね」……ジャキン!
航/ま、待って、昼間はダメなんじゃなかったの!?
GM/「え、そんなの知らないしー。元々倫理観なんて無い性格だって設定されてるんでね! 殺ってやんよッ」……いきなりですけど戦闘始めます。
亜紀/……駆けつけたい!
GM/もちろん駆けつけることは可能です。盟ちゃんも亜紀くんも帰宅途中だし、相馬さんもこの辺りをうろついているということで、全員1ラウンド経過した後に航達から10メートル登場することができます。ちなみに航とアサシンの距離は5メートル。
航/至近だ……でも凌いでみせる!
GM/それでは第1ラウンド、セットアップ!

 アサシンの【行動値】は15、セイバーは13、航は12。セットアップに何も行わず、まずアサシンが航に対して≪巨大武器≫で斬りかかり、12点の物理ダメージを与えた。
 セイバー(航のプレイヤーが操作)はアサシンに対してダメージを与え、その後、すかさず航も粘土剣を構えて前に出て斬りかかった。


GM/目の前に居る男は、航を殺しにかかって来るね。「ニヤーリ。見られちゃったしー、早急に消さなきゃー」
航/早くコイツを大人しくさせなきゃ目撃者がいっぱい出る……それに俺だって死にたくない!
GM/航のターンが終わってクリンナップ。第2ラウンドのセットアップに入る前に……登場したい人、いる?
亜紀/はーい! 昼間はルール違反だってばー!
盟/はい。通りすがりの魔術師だ!
相馬/はい。……アーチャーは引っ込んでおけ。
GM/全員登場するか。ではセットアップに何かやりたい人いる?
相馬/登場と同時に≪負の空間≫を張る! これで一般人は来ないようにする!
GM/結界を張られ……て、アサシンらしき男が「ラッキー! 代償払わなくて済んだ!」
盟/……そんだけの理由で張らなかったのか!(笑)
GM/「ま、別に入って来たって殺っちゃえばいいんだけどね。前向きに考えてるさ!」
盟/前向き過ぎるだろ!(笑)
亜紀/こんな昼間っからやって一般人を巻き込むなよ、バカタレー!(笑)

 その後、セットアップで亜紀がアサシンに対して≪完視≫(盟の≪幻想式≫込み)を使用するが、失敗してしまう。
 【行動値】トップのアサシンは相変わらず航にダメージを与え、亜紀は≪清浄の使者≫で航を回復。セイバー、航と続けて攻撃をアサシンに与えた。


盟/僕の番だね。マイナーアクションで≪天空の羽≫を使用。
航/クラスメイトが飛んだぁー!?(笑)
盟/飛んだよ、そのまま≪魔導書≫をアサシンに撃ちます。(ころころ)命中21。
GM/(ころころ)命中します。
盟/ダメージは10点!
相馬/……次はワシの番だな。よう、コキコキ。
航/うわ、いきなりサムライが実体化した!? また強そうなのが来た!
相馬/大丈夫じゃ。おぬしには手を出さんわ。何やら真昼間から楽しそうなことをしておるのぉ。ワシも参加させてもらうぞ……と言って、マイナーで接敵、≪凶々しき武器≫で攻撃!(ころころ)命中18です。
GM/(ころころ)命中当たります!
相馬/(ころころ)9点の防御点無視ダメージです。
GM/相馬さんが終わってクリンナップ。第3ラウンドのセットアップ……その前に、とある人物が現れます。
盟/え、誰?
GM/目が細く大柄で、眼鏡を掛けたスーツの男です。「……加勢します」
亜紀/……ヤバ!(笑) でもこんな真昼間から戦闘をしたら教会が介入してきてもおかしくないな。……今、みんな正当防衛でーす!

 謎の教会の男が戦闘に加わったところで、改めてセットアッププロセス。
 相馬が≪縛鎖≫を使用し、アサシンの【行動値】を2下げ13にさせた。これでイニシアチブは、盟→亜紀→セイバー→アサシン→航→相馬の順番となった。
 盟はマイナーアクションで≪強化術式≫を航にかけて戦闘補助、メジャーでアサシンに攻撃を行う。
 セイバーも続けてアサシンに斬りかかるがダメージはなかなか通らず、アサシンの番になり……。


航/……アサシンが動く前に≪鳥躍≫を使用! メインプロセスを先に取ります!(ころころ)ダメージは11点!
GM/「グ、グググ……参ったな、折角だから……やってやんよ。華散らすってコトでダメージに≪失われた日々≫を使用!」
盟/げっ、[狂戦士]……!
GM/(ころころ)お、6が2つ出た……34点のダメージを航に!
航/34点って……17点弾いてもらわないと死んじゃう!
亜紀/そんなに!? ≪念動障壁≫でもそんなには無理だ……!
航/それだと……バタン。航、倒れます。
GM/……アサシン、≪模倣犯≫使用。≪修羅≫をコピー。再行動で、航にトドメを刺します。
亜紀/……ヤッバ!?
盟/航、殺される!? 目の前で死ぬのは見たくない、亜紀に≪幻想式≫をかけて≪念動障壁≫をすれば……!
相馬/いや、ワシが同エンゲージ内だから庇おう! セイバーは行動済みだが相馬は未行動者だから庇える! ……見ず知らずの仲だけど庇ってやる!
航/うわ、この前のラスボス超優しい!(笑)
GM/(ころころ)命中がファンブらなかったので、相馬さんに命中します。9点の物理ダメージを受けてください。……そして、ミスターB。
盟/あ、忘れてた。
GM/ミスターBはずっと貴方達の行動を見ていました……待機してたってことで。メジャーアクション≪躍動の呪歌≫を相馬さんに使用。行動済を回復します。
相馬/……再行動化!? その特技を与えられて男を見ます。
GM/「…………どうぞ」
盟/コイツ、手を汚さないぞ……正しい判断だ(笑)
航/……自分で動かねえ。低い良い声で和歌を静かに詠って……「どうぞ」(笑)
相馬/……そのまま素で攻撃します、当たれ!(ころころ)18で当てます。
GM/回避してやんよ!(ころころ)……ダメージください。
相馬/(ころころ)12点の物理防御点無視ダメージです。
GM/……残念、まだ倒れないな。クリンナップ……誰も何もしないなら第4ラウンドセットアップ。
盟/はい、セットアップで≪魂砕≫を使用します。
GM/ミスターBも、セットアップで≪本能の拐引≫を使用。味方全員にダメージ+3をします。
航/つまりは「直接手を下しません、私はちょっと歌って本能を掻き立てただけです」……やらしい!(笑)
盟/だよねー!(笑) でもありがとう、マイナーで≪強化術式≫を使ってアサシンに攻撃!(ころころ)ダメージは、霊力21点!

 様々な強化を使った強烈な一撃にアサシンが倒れる。
 倒れた瞬間……アサシンの体がゴッと光に包まれ、消える。
 そのとき、その場に居た相馬は1体が封印されたことを確実に感じた。……これでやっと1体、聖杯へと近付いたということになる。


相馬/ふぅ……ボキボキ。
亜紀/あのコートの男性……前は航を救ってくれたような気がしたけど……。そ、そうだ、航ー!?
相馬/【HP】0だが、死んではおらんから安心しろ。
盟/うん、教会に連れて行けばなんとかなるんじゃない?
亜紀/そっか……教会の人がいるから大丈夫だよね!
GM/いや、ミスターBは「ここで処理があるから」と拒否るよ。でもエルが「俺がすぐに教会に連れて行くから!」と言ってくれます。
亜紀/……お願い!
GM/では、エルが航を連れて教会へ飛びます。
盟/……亜紀に近付いて、さっきのは何だったんですかってわざとらしく訊いてみます。もしかして、聖杯戦争……?
亜紀/の、ノーです! 俺は参加はしてません! 知ってはいますけど!
相馬/その脇で……じっ。
盟/見たところ……オジサンも、なに? 幽霊なの? でも実体化してるよね?
相馬/小僧が連れていた金髪の若造と同じようなもんじゃ。
盟/ふーん。……サーヴァント確定か。
相馬/……おぬし、只の魔術師としては良い腕しとるのぉ。
盟/ありがとう。……何か無いようだったら僕は行くね。
相馬/ワシも失礼させてもらうとするかの。アーチャーがブランコ扱ぎながら待ってるからな。
GM/ではミスターBが、亜紀の前にカツカツやって来ます。「…………」。
航/「記憶消すぞゴルァ」って目で言ってる!(笑)
GM/「……サーヴァントの戦いに関わっていましたね」
亜紀/だって航が……親友が!
GM/「私は、聖杯戦争に関わってしまった一般人を守る教会の身です。貴方がマスターでもなんでもないのなら、記憶を消さなくてはならない」
亜紀/ま、マスターじゃないですけど……わ、航が巻き込まれているだけなら助けたいんです!
GM/「彼はマスターだ。霊体化していた男と共に戦っていたのだから貴方も判っている筈」
亜紀/で、でも、まだ自分の意志で参加してるのか聞いてない! まだ航の口から聞いていないんだ! それで確認が取れるまで待ってくれませんか!
GM/ふぅ、と溜息をつき。(ドスのきいた声で)「…………いいかげんになさい」
一同/……っ!?(笑)
亜紀/う、うわぁ、怖っ!?
GM/「貴方の身を案じて、私が心配してあげているんですよ。友を想う気持ちは判りますが、まずは己の身の安全を優先した方がいいのでは?」
相馬/て、手厳しいのぉ……。
盟/ていうか、偉そう……(笑)
GM/「……今頃、教会で治療が始まったところでしょう。教会へ一緒に行きますか。こちらも教会には戻るつもりでしたから」
亜紀/……はい。
GM/「では、……あの車にお乗りなさい」
亜紀/うう、ごめんなさい……ドアをガチャ。
盟/いきなり超胡散臭いオッサンの声で)「ああ! どーした、なーんだカワイコちゃん連れて、ホラ早く乗れよぉ!」
相馬/……青森ぃ!?(一同笑)

 ご存知の通り青森恐一は元々、盟のプレイヤーがかつて『ゴーストハンター02・リプレイ〜パラドックスの椿』で演じていたPCである。
 という事なので、今回はキャラロールの大半を盟の中の人自身にやってもらうことにした。……GMが大変ラクでした。


盟/(青森になって)「なんだぁ? Bぃ、こんなカワイイ子攫ってきやがってー」
GM/「……別に、誘拐などしてませんよ」
盟/(青森になって)「ああ、怯えんなって。コイツ顔怖そうだけど大丈夫だって、緊張すんな。あっはっは!
航/……本物の青森さんの威力は違うなぁ(笑)
GM/うん、心強いな。ありがたやありがたや(と言って盟のプレイヤーに手を合わせる)
盟/拝むな!(笑)「なんだよ、心配してあげてんのかよ。柄にもない、ミスターBってばかーわーいーいー!」
亜紀/ミスターB?(笑) あ……そういえばお名前を聞いてませんでしたね。
盟/(青森になって)「ミスターB、それが彼の名さ!
亜紀/か、彼の冗談ではなく……本当に『ミスターB』?(笑)
GM/「……ミスターBと申します。今後とも会う機会があると思いますから、どうぞ覚えておいてください」
亜紀/あの、俺は……早乙女亜紀って言います。
GM/「ええ、存じております」
亜紀/もう調べられている……?
盟/(青森になって)「なんだぁ? Bぃ……お気に入りかぁ?」
GM/「……ええ、お気に入りですよ」
盟/(青森になって)「良いねぇ、青い春だねぇ! いやぁ良い名だよな、ミスターB! さあオッサン頑張って運転しちゃうぞー! 大丈夫、オッサンのコトは気にしないで! 2人で仲良くやっちゃえよー!
GM/お黙りなさい! シーン退場しなさい!」(一同爆笑)
盟/(青森になって)「バカ、運転中だから無理だって! 無茶言うなよ、俺、車と一心同体だからー!」(笑)
GM/(ドスのきいた低い声で)「車を降りたら待っていなさい!」(一同爆笑)
亜紀/この2人の間柄に怯えちゃう!(笑)
盟/すみません、オッサンこんなんで!(笑)
GM/いや、青森のキャラロールしてくれて本当にありがとう(笑) 「……先程言いましたが、貴方が私のお気に入りであることは確かです」
亜紀/……えっ?
盟/(青森になって)「ヒュー!
GM/お黙り!(一同笑) ……教会から貴方の担当として割り当てられただけですが、今は私自身が貴方のことを気にしてるのです」
亜紀/……う、わあ、デレがきたー!(笑)
盟/(青森になって)「真っ赤になっちゃって、良いね、青いね、春だねぇ!?」(笑)
亜紀/ムギューッ!(笑)
盟/(青森になって)「OH、前が見えないZE!?」(一同爆笑)
亜紀/……。あ、あの、俺の記憶を消すのは、航と話をするまで待っていてくれませんか。
GM/「……仕方ありませんね。では貴方が最終的な決断を下すまで……私は貴方の隣で待っています。構いませんね」
亜紀/あ、は、はい……。
GM/「こちらも仕事ですから」
亜紀/……はい。
航/デレの後にツンが来た……これが弁慶さんだ! なんか懐かしい気分になった!(笑)
盟/陥落したと思ったら違う! なかなか落ちるようでいて落ちない、これが弁ちゃん!(笑)
GM/では教会に来ました。……シーンを一旦終わらせましょう。


 ●エンディングフェイズ/February 5rd Scene 6

GM/最初は相馬さんのシーンから。あちゃぁが公園でブランコをキーコキーコ。「おかえりー」
相馬/……おぬしは本当にここで待っていただけじゃったな。
GM/「だって待ってろって言ったでしょ? 待っててあげたよ。偉いでしょー、褒めろ!」
相馬/よしよし(笑) ……ボロリアVに戻るか。戻りがてら先程起きたことをアーチャーに話しておきます。という訳での、アサシンが昇華された。
GM/「さっきのアサシンだったんだね。そっかー……まだ1体か。始まったばっかだもんねー。っていうか夜でもないのに……まあ、マスターを殺したオレが言うのはダメかー」
相馬/色々あるからな……ふぅ。
GM/「お父ちゃん、疲れた? 供給しとく?」
相馬/すまんがそうさせてもらうとするかの。
GM/「じゃあ、お父ちゃんは寝てて。オレが上に乗ってあげるよ!」
相馬/……。えーと、一応確認させてもらいたい。ワシが組み敷く側でいいんじゃな?
GM/「いいよそれで。お父ちゃんは傷付いていてオレはピンピンなんだからケツの穴ぐらいガマンしてあげるよ」
相馬/……うむ、その言葉に甘えさせてもらうとするかな。安心せい、ワシかてそちらの嗜みが無い訳でもないから悪いようにはせん。
GM/そうだな……チュッと唇に吸い寄ったとき、アーチャーが尋ねます。「……どうする? オレ達、契約しちゃう?」
相馬/……それでも構わんがな。
GM/「……お父ちゃんは契約しても、裏切らないよね?」
相馬/おぬしは正念も腐っているようには見えんからしないな。
GM/「……実はね。さっきの戦闘、ちょっとだけ覗いてたんだ」
相馬/ほほう。
GM/「で、見ず知らずの少年を助けたお父ちゃんを……メチャクチャカッコイイと思ったワケ」
相馬/あれは……成り行きというか、若干の打算もなくはないがな。
GM/「そういう正義感が強いトコ、好きだよ」
相馬/…………。おぬしはなかなか可愛いことを言うのぉ。
GM/「そういうワケだから、お父ちゃんがマスターになってもイイって思ってるんだ! 公平にしてくれるならね」
相馬/うむ。……あ、そうだ。若干ワシのうろ覚えなんじゃがの……聖杯は6体の英霊を捧げなくてはならないが、なんでもそれが5体でも4体でも、もしかしたら捧げなくても平気という話が……聞いたことがあるようなないような。
GM/「え、それ初耳。……ちょっと調べてみる?」
相馬/そうじゃな。
GM/「……お父ちゃん、殺すのモッタイナイもん」
相馬/それはワシも同じじゃ。おぬしはなかなか面白い奴だしのぉ。
GM/「うん……もう父親に嫌われるのはイヤだしね」。ちゅーっとキスをします。
相馬/じゃあその口付けを受け入れて。……契約します。
GM/キャラクターシートのサーヴァントの欄に『アーチャー』とお書き下さい。……【HP】【MP】共々3D6回復していいよ。

 一方その頃。
 八木沼邸に帰宅した盟は……。


GM/(キャスターになって)「やぁやぁ盟さん、おかえりなさいませー」
盟/ただいま。……アサシンが死んで、セイバーとバーサーカーを見てきたよ。2人いたけど多分どっちかがどっちかだろう。
GM/「ああ、誰かが昇華されたと思ったけど、盟さんが倒したからだったんですね」
盟/うん、そうなる。トドメ刺したのは僕だしな。
GM/「やるぅー! 最初の頃から比べると、見違えるように頼もしいですねー! ……では今夜は休んでおきますか。精神的に疲れているようだし……1匹封印したって戦争はこれからも続くんですから」
盟/そうだな。……1人の契約者は力を使い切って教会に運ばれたことだし。そういえば、教会から来た男がいたな。目の細くて大柄な……。
GM/「ああ、教会からの派遣社員ですか」
盟/おかしなことが一つある。教会の人間が手を貸した。
GM/「昼間だからじゃないですか? 昼間に暴れてるからそれを抑えにルール側が来たとか……あれ? それだったら『この戦闘はナシー。やめてくださいー!』って言いますよね?」
盟/教会の人間だったらそこまで出来るよな。……あの男、何か怪しい。それに、クラスメイトがマスターだった。
GM/「マスターの1人が盟さんのお友達だったんですか? いや、その前に盟さんにお友達なんていました?
盟/悪かったなぁ、友達が居なくて!(笑)
GM/「まずは話し合わなきゃいけない事が多すぎますね。今夜は休みましょ。……美味しいお茶でも飲んで回復しておきますか? それとも、ボクの血でも?」
盟/……すまない。体液交換を申し出る。
GM/キャスターは親指をガリッと噛み切ります。「飲みますか?」
盟/そのまま口付ける。
GM/契約しているからこの時点で3D6回復してもいいんだけど……縺れ込んでもいいよ(笑)
航/……戦いの後って高揚するよね(笑)
盟/縺れ込みます。…………すまない、まだ足りない。ダメか?
GM/「ワーオ。別にいいですけど」
盟/嫌ならやめる。
GM/「ボクも手っ取り早く聖杯取りたいんです。効率的な回復いきましょう」
盟/ありがとう。
GM/「あっ、でもボクはあんまりその気じゃないんですよ。まずは僕を楽しませてくれません?」
盟/頑張ります、≪堕落の訓え≫で!(笑)
GM/……性知識ってことで【反射】か【理知】で判定しようか?
盟/【理知】でいきます。(ころころ)17。
GM/高ぇな。(ころころ)キャスターは13、盟ちゃんにイニシアチブを取られました。どうぞ、攻になるなり受になるなりしてください。
盟/……なんか、どっちかっていうとリバって気がする(笑) 本番無しでにゃんにゃんして終わりそうな感じで。
GM/「ボクをその気にさせてみてくださいねー!」……で、フェードアウトしておきます。
航/にゃんにゃんのときも帽子は取らないの?
GM/死守するよ。服も脱がない着衣エロで、舐めさせるとかね。
盟/(ころころ)回復量が低い……脱いでくれなかったからだ!(笑)
GM/あらら。なら、ぐてんとしている盟ちゃんにキャスターが話しかけてくる。「眠りの魔術でもかけてあげましょうか? ゆっくりと眠れますよ」
盟/……胡散臭いものじゃ、ないだろうな?
GM/「何言ってるんですかぁ。……ボクと君との仲ですよ」
盟/この前小っちゃくして遊んだだろ! あのときは困った!(笑) ……信用できるようなできないような言葉だな。
GM/「まだボクのこと信用してくれないんだー?」
盟/知らないことが多すぎるだろ、お互い……。
GM/「ボク……心をオープンにしてくれる人には尽くす可愛いコですよ?」
盟/ハイハイ、じゃあ眠りの魔法でもなんでもかけてくれよ!
GM/≪ヒュプノスの枝≫ー!」(笑)
盟/これってマイナス1D6ぅー!? ばたーん!(笑)

 ……その頃。
 一足早く教会に運び込まれた航は……。


GM/……ベッドに寝かされた航。目を開けると、黒須が診てくれています。戦闘不能から【HP】1に戻しておいてください。(黒須になって)「平気か? いや、平気な訳ないか……」
航/ガッと手を掴みます。……あ、先生だ。
GM/「ここは教会だ。戦闘を巻き込まれた『一般人』を介抱する場所だが……どうだ?」
航/どうだって……?
GM/「戦いが怖くなったか? 戦争を下りる気になったか?」……捲し立てるように言います。
盟/……下りてくれよという願いがこもっていそうな感じだな。
航/黒須先生……ふるふると首を振ります。怖いけど……まだ、頑張れます。
GM/「無理することはないんだぞ。守れる大人はここに居るんだ」……自分のことを差す。
航/でも、だって、先生もいつまでも一緒に居てくれるか判らないじゃないですか!
GM/「祐希や亜紀も一緒に居てくれただろう。俺も10年間……お前の傍に居た。これからもお前を見守っていくつもりだ」
航/だったら……俺は尚更それを守れるぐらい強くならなきゃ! 俺は何も無いから俺が一生懸命守らなきゃ、みんな居てくれないでしょう!?
GM/あまりに迫力のある言葉なので黒須は黙ります。「……お前を心配してくれる人間が何人も居る。それは覚えておけよ。祐希も、亜紀も、お前のサーヴァントも、……俺もだ」
航/……コクリ。
GM/「そして、心配してくれる奴らにはちゃんと報いろ」
航/……すみ、ません……。俺、黒須先生みたいになりたいです。小さい頃、俺を助けてくれたから……。
GM/「俺は助けるべくしてあそこに居たんだ」
航/仕事だからでもなんでも……それが俺には一番嬉しかった。あのときはなんで俺だけ生きてたんだって思ったけど、きっとそれ……必要なことだったんですね。
GM/「……。お前の決意が揺るがないのは判った。もう俺は、惑わすような言葉は言わない」
航/……はい。
GM/「今日は休め。休めば体力も戻る」……そう言って眠れよと頭を撫でられます。
航/……頑張ります。頑張るから、ちょっとだけ甘えていいですか。
GM/「なんだ」
航/腕に抱きつくように、ギュッとします。……ちょっとくっ付きたかっただけです。ごめんなさい。
GM/「……」。黒須が隣に、ベッドに座ってすっと頭を撫でてくれます。「……こうしていればお前はよく眠ったよな。小さい頃からそうだった」
航/はい……眠るまででいいから、こうしていてください。
GM/「わかった」。普通の回復ということで2D6回復してください。……では亜紀くん、航が眠っているという部屋から黒須さんが出てきます。
亜紀/わ、航の様子は!?
GM/「今休んだところだ、まだ会わせられない。だが、無事だ」
亜紀/そっかぁ……良かった。
GM/「俺が殺させる訳ないだろ。……ちゃんと看病するから、お前は帰れ」
亜紀/でも、航に凄く言いたいことがあるんだ! 面と向かって言わなきゃダメなんだ! 航と話をしてから自分のことを決めたいんだ。
GM/「……そうか。一つ言っておくが、一応ミスターBはお前の担当者だからあまり邪険に扱うんじゃないぞ。彼も仕事でやっているんだ」
亜紀/はい。……ということでミスターBさん、また期間が伸びてしまってすみません。
GM/(ミスターBになって)「……貴方の家まで送ります。車に乗ってください」
盟/(青森になって)「うぃーっす! ハーイ、乗ってくださいお客さーん。そんな暗い顔すんなよー!」
GM/「その通りです。気を落とさないで。黒須神父も無事と言ったのだから安心してください。彼の腕は一流ですから」
亜紀/……この街で、危ないことが起こっているんですよね。
GM/「聖杯戦争が起こっていると判っているのでしょう?」
盟/(青森になって)「危なくねー聖杯戦争なんて、聞いたことねーなぁ」
亜紀/……この前、変な夢を見たんです。
GM/「変な夢?」
亜紀/単なる夢かもしれないんですけど、遺跡の辺りが爆発する夢で……街がメチャクチャになっちゃうんです!
盟/(青森になって)「ああ、あそこの遺跡? あんまり近付いちゃダメだよぉー」
亜紀/ち、近付くと体が寒くなるんで行かないです。
GM/「それが賢明です。それに、あまり気にしない方がいい」
盟/(青森になって)「まっ、単なる夢だから安心しろって! 少なくとも坊ちゃん、今のところ聖杯戦争に参加するつもりはないんだろ?」
亜紀/……航次第です。
GM/「…………貴方、さっきから航、航と! 自分の意志ではどうなのですか、貴方自身の意志はどう思ってるんです!」
航/うわ、ヤキモチにしてもただ叱っているだけでも良い台詞だ(笑)
亜紀/お、幼馴染を死なせたくないです! 守れるなら守りたいです! ……祐希とも約束したんです、俺達で守ろうなって。
盟/(青森になって)「だったらもう、答えは出ているんじゃねーか? ……人の意志だけじゃあ、突っ張れねえぞ」
GM/「……」。そう話していると、車が亜紀くんの家まで到着しました。「……貴方が良い決断をすることを、心待ちにしていますよ」
亜紀/……はい。ありがとうございます。
盟/(青森になって)「じゃ、また明日な! 元気でな! 頑張れよ! 負けんなよ! 押し倒されるなよ!
亜紀/何にっ!?(笑)
GM/さっさとお行きなさい!」……オッサンの耳を引っ張りながら言います(笑)
盟/(青森になって)「あ、あぶねーなー。でも大丈夫、運転スキルにふってるから!(笑) あーあー、図星さされて2人っきりの時間を邪魔されたからって、Bったらイ・ケ・ズー!
GM/オッサンの頭をメキメキメキィ!(一同笑)

 ――深夜。
 黒須は航の看病にと、濡れ布巾を手に航の眠る部屋のドアを開けた。
「…………っ」
 黒須の動きが一瞬止まる。身構えていた訳ではない彼は、ほんの少し驚いてしまった。
 なんてことはない、ただ……航のサーヴァントが、航の枕元に座っていただけだ。
 苦しそうな顔で主を見ているサーヴァントが静かに一人。
 金髪の彼は、ゆっくりと、ドアを開けた黒須に振り向く。

「……ワタルの大切な人……貴方なの?」





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