アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 越境ソドム 』 2ページ ■
2013年7月6日




 ●オープニングフェイズ/明虎 〜第一の不幸〜

GM/明虎くんは……夢を見ます。
明虎/はい。
GM/それは……ふよふよと自分が空に浮いているような、どこかを漂っているような夢です。
明虎/ふよー……。幽体離脱でもしているんですか?
GM/さあ? 夢だからね、よく判らない。目を開ければ広がる世界はセピア色。まるで昔……幼い頃に見た景色を夢の中で思い起こしているような、よく判らないけど何となく見たことがあるような、でもどこだと言えないという不思議な感覚だ。
明虎/う、うーん……?
GM/君は見たことあるか判らない場所をふよふよ、空に浮かびながら何気なく見ている。
明虎/うー……うあー……。
GM/急に重力が生じ、ガクンと落下する。
明虎/わっ!?
GM/意識がハッキリしてくる。目を覚ますと……君は、自分が職場のデスクから居眠りして落下したのが判った。PC2の翼さん、シーンに登場してOKだよ。
明虎/なっ……? なんだ、夢か。
翼/コイツ、仕事サボってやがる! 居眠りして転げ落ちた明虎を踏みます。
明虎/わあっ!? 起きますから! 今起きますから! ほ、ホントすみませんでした!(笑)
翼/なんで居眠りしたんだい?
明虎/つ、疲れてたんです。ちょっと昨日寝つきが悪くて……部屋の窓の外に何かいる気がして眠れなくて。
翼/で、窓の外に何がいたって言うんだい?
明虎/何もいませんでした。
翼/幽霊がいたって言うのかい?
明虎/何もいません。
翼/いやそれは幽霊で。
明虎/いえ何もいません! 何もいませんでした! 出ない! 何も出ていない!
翼/そういえば幽霊がいる可能性は。
明虎/ない! そんなのいない!(笑)
翼/もしかしたらこの職場の外にも幽霊が。ガラッと窓を開けます!
明虎/開けるなぁーッ!(笑)
GM/今日は6月10日。窓を開けると梅雨のじめっとした空気が入ってきます。現在時刻はそろそろ君達の勤務時間が終わる夜8時ぐらいだね。
明虎/そんな時間に窓開けたらヤバイよ! 開けないよ! 閉めるよ!
翼/開けようよ。ガラガラ。
明虎/あああぁー!?(笑)
GM/そんな研究所に大学の警備員さんと、木ノ本皐月さんがやって来ます。(皐月になって)「ちょっとー、窓開けっ放しにして帰らないでよ。ちゃんと閉めてからカーテン開けて帰るのよ。じゃないと警備員さんがプンプンしちゃうんだからねー!」
明虎/そ、そうだね!(笑)
翼/開けっ放しでそのまま幽霊を入れる訳にはいかないか。
明虎/ダメだろそれ!?(笑)
GM/「蚊が入るからダメね」
翼/そっか、蚊が入るから大変か。
明虎/蚊取り線香で幽霊も落とせたらいいのにね……とりあえず窓閉めてクーラー消して帰ろう!
GM/そんな訳で本日の勤務はこれにて終了。君達3人は職場である大学を離れます。
明虎/鍵を掛けて研究室から出ます。あー、今日はデータがちゃんと確保できなかったな。明日ちゃんとやろうな……。
翼/そうだな。あれは作り方が悪かったし質問の仕方と自由項目のところを変えればさ……。ねえ、夕飯はどっか食べに行く?
明虎/うん。どこに行く?
GM/「近くにラーメン屋があるよね。そこでいい?」
翼/あ、餃子が食べたいな。
明虎/じゃ、そこに行くか。今日はラーメンで。
GM/3人はラーメン屋に入りました。注文していただきまーす……のとき。皐月は「いたっ」と小さく声を上げ、前髪に着けていたヘアピンを外します。
明虎/ん? 大丈夫か?
GM/「あれぇ? ちゃんとキレイにしたつもりだったんだけどな……」と、皐月はラーメン用にヘアピンを付け直します。
明虎/前髪をガッと上げる感じにしたんだ(笑) なんだ、ヘアピンが壊れたのか?
GM/「元から壊れてたのかな? ……あ、コレね。下の階に住んでるおばあちゃんから貰ったの」
明虎/ああ、大家さんから?
GM/そう、明虎くんが住んでる木ノ本アパートの1階には大家夫婦が住んでいます。「部屋を掃除していたらアクセサリーがいくつも出てきたらしくてね、孫娘にあげるって言うから貰ったの。ほら、これってまだ今でも付けられる古臭くないデザインでしょ?」
明虎/ああ、確かに。可愛いな。
GM/「錆びてるのも多かったけど、磨けば充分使えるやつだったし付けてみたんだけど……」
翼/タケトラくん! もしかしてそれ、呪いのアイテムかもしれないよ!?
明虎/呪いとかねーから! 呪いとか非科学的なものなんて存在しないから!(笑)
GM/翼さんって明虎くんのこと「タケトラくん」って呼んでるんだ(笑) 「えっと、呪いのアイテムって……おばあちゃんの部屋に眠ってたヤツよ? クッキー箱の中にあったヤツよ?」
翼/いやいや、クッキー箱の中に魔力が内包されているかもしれない! それは人知を超えた能力の一つなんだよ! どんとこい、超常現象!(一同笑)
明虎/ねーよ! 翼をデュクシ!(笑)
GM/「他にも色々綺麗な物があったんだけど……」という話から、職場の話や同僚の話など話題は次々に変わっていきます。そんな話をしていたらもう夜10時。いいかげん自宅に帰らなきゃいけない時間になってきたね。
翼/あー、そろそろ明日も授業があるから帰らなきゃなー。
明虎/翼は明日の授業も用意しないとだな。
翼/一限のプロゼミ、何にしようかなー?
GM/「あー、あつーい。今年は全然雨が降らないって話だよ。すっごく蒸し暑くなるんだって。ゲリラ豪雨でもこないかなー」
翼/それで電車止まらないかなー!
明虎/電車が止まって生徒が来なけりゃ俺達もラクできるんだけどなー!(笑)
GM/「そうねー……ん?」 皐月はある方向を見て、足を止めます。何故なら木ノ本アパートのすぐ近くの道に、もう夜10時過ぎだというのに身長140センチ以下10歳前後の女の子が居たからだ。
明虎/どうした?
翼/んー? 補導の対象が前方に居るっぽいよ。
GM/女の子は暗い灯りの電柱の下、顔を覆って立っている。
翼/近付いて、どうしたって声を掛けてみます。
GM/めそめそと泣いているのが判ります。めそめそ。
翼/こんな所で泣いているとは。何があったんだ、話してごらん。
明虎/翼の後ろからひょいと顔を出します。なんだ、迷子か?
GM/女の子は顔を上げます。涙ボロボロでやつれた顔です。
明虎/お、おう……だ、大丈夫か?
GM/君達を見る女の子は……君達の方を見ず、「君達の後ろの方に」視線を向けているのが判る。
翼/ばっと後ろを振り返ります。
GM/振り返ると、黒人の男性が大きく棒状のものを振りかぶっていた。
翼/えっ。
GM/振り返った翼の頭を殴打。ガツン。
翼/これは……。そのまま昏倒しますね。
明虎/いきなり大きな音がして翼の方を見て……。え、ええっ!?
GM/タケトラくんが見たのは……どっかの国の民族衣装のような格好をした黒人の男性が、翼くんの頭を棒状の物で殴って気絶させたということ。
明虎/え……えええっ!?
GM/男はまた大きく振りかぶる。「自分が殴られる!」と思ったときにはもう既に遅く。タケトラくんは頭を強く殴られます。
明虎/おおう!? さ……皐月ちゃんをどんっと押して倒れます!
GM/押された皐月。だけど彼女はすぐに逃げられない。翼さんが一発で倒れ意識を失い、タケトラくんも殴られていることからパニックを起こしています。……黒人の男性は皐月へ襲い掛かろうとする。その光景を見るけどタケトラくんは立ち上がることはできない。
明虎/≪歪んだ奇跡≫を使用します!
GM/おおっ!? ……良い演出をしてくれたから判定していいよ。オープニングだからハンドアウト通り捕まってはもらうけどね。
明虎/わーい、判定できた!(ころころ)13です。
GM/(ころころ)13。受動側優先で≪歪んだ奇跡≫は失敗だね。……でも、せっかく特技を使った良い演出だったし達成値も悪くなかったからGMはボーナスをしちゃおう。
明虎/おっ、何か良いことがあった!
GM/後のシーンでPC達のプラスになることをするね。でも今は……立ち上がろうとしたタケトラくんを見て、黒人は「まずは男を倒す」と思ったのか、タケトラくんをボコスカ殴り始めます。
明虎/と、とりあえず時間が稼げればいい! 黒人の男の足を掴もうとします。その手を殴られても別の手で掴んで倒れるまで抵抗します! ……大丈夫、翼なら生きてる!
GM/タケトラくんは意識が無くなるまでの間、「翼は大丈夫かなぁ」「皐月ちゃんは逃げられたかなぁ」と思いながらも……意識が遠くなっていきます。
明虎/……ぱたり……。


 ●オープニングフェイズ/さみどり 〜教会の書庫にて〜

GM/次は、PC3の花井さみどりちゃんのオープニングです。
さみどり/はーい。
GM/君は夢を見る。それは空を浮いていて、ふわっふわっとどっかを漂っている感覚の夢です。一体そこがどこなのか判らないけど、セピア調のどっか見たことあるような世界で君は漂っています。
さみどり/あー……これは子供がよく見る夢ですよー。私も子供なんですねー、まだまだですねー……。
GM/そんな中、【意志】判定難易度15をどうぞ。
さみどり/……マイ【意志】は3。
GM/オープニングシーンだからとりあえず振るといいよ。でもこれは判定をさせるってことに意味があって……。
さみどり/(ころころ)クリティカルです。
翼/6ゾロぉ!?(笑)
明虎/「これはクリティカルするしかないよね」って言おうとしたらクリティカル出た!(笑)
GM/く、クリティカルかぁ、ありがとうございます(笑) ……君は空を仰向けでふよふよ漂っている。
さみどり/ふ、ふあぁ……。
GM/ふっと君に重力が襲う。ガクンと落ち、地面に叩き付けられるような感覚。
さみどり/ふああああああ……!?
GM/そのときに、遠くで……君より年上の男性が、君が落ちないように手を掴もうとしていた姿を見た。
さみどり/えっ……?
GM/けど、男性は君の手を掴めなかった。君は背中から地面に落ちていく。
さみどり/……手を伸ばしているのを見て、落ちているのに呑気に……どなたですか……呟きながら落ちていきます。
GM/どすん。……君は、教会の書物庫で居眠りをしてテーブルから床に転げ落ちたことで目を覚まします。
さみどり/……ぽへーっとそのまま天井を見ています。
GM/ここは教会の書物庫です。君は「報酬を払いますから書類だらけの倉庫の掃除を手伝ってください」という任務をPC4のレニさんと一緒にしていました。……レニさん、シーン登場してください。
レニ/向こうの棚からひょこっと顔を出す。さみどりちゃーん? どうしたー?
さみどり/……特に立ち上がることもせず、【物理防御点】が50点あるので特に痛くなく……呆然と「何の夢だったんだろう?」と天井を見ています。
レニ/…………。
さみどり/……ハッ! さ、サボってませんよレニさん!?(笑)
レニ/…………。
さみどり/これは違いますよ、サボリじゃありませんよ!?
GM/さみどりちゃんの居たらしいテーブルには異端事件の資料が広げられ、涎のあとまであります。
さみどり/あっ(笑) こちら、資料が泣いておりました!
レニ/いやあ、怒る気力も無いね(笑) きっと資料を読み込んで夢中になって帰ってこないのも計算のうちだし、僕が受けた仕事を手伝ってって言っただけだからいいんだけどさ……。
さみどり/本を読んでいるのは楽しんですよ……ご、ごめんなさい!(笑)
GM/さて、レニさんがさみどりちゃんが開いていた資料をチラッとみると、そこには『ムーンスローター』と書かれています。
レニ/隣にひょいっとやってきます。これに興味あるの?
GM/ハンドアウトに書かれていることなのでPC3は無条件で「10年前にこんな事件あったよね」って知っていていいことにします。
さみどり/こ、これは……ムーンスローターだ……。
レニ/結構な有名な事件だよね。そっか、未だ捕まってないんだっけ?
さみどり/(物凄い早口で)そうですよ! 凄いですよね! あれだけ大きなことをやっておきながら未だ逃げ続けているんですから! 今は何をしてるんでしょうね! 私、あの頃インターネットで動画を一生懸命探してちゃんとダウンロードしたんです! ああいう動画ってすぐ削除されちゃいますけど誰かしらが保存していてすぐに再アップしているからきっとダウンロードできるんだって思ってからずっと探して!
レニ/あ、あー……。あの映像がどこからともなくアップロードされて、それを削除して、またアップロードされるからひたすら消していくっていうイタチごっこの仕事はキツかったよ。
GM/教会はそういう仕事をしてただろうねぇ(笑)
さみどり/あんな酷い映像が流れてたらダメですもんねー!
GM/……簡単に、ハンドアウトに書かれている程度の『ムーンスローター』に関する事件をご説明しましょう。
さみどり/はいっ! はあああん……これって当時の資料ですよねー! わーい!(笑)
GM/『ムーンスローター』。多くの人々を惨殺した映像をインターネット上に公開した、未だ討伐できていない異端犯罪者である。動画の内容は、最初の数分は窓の無いコンクリの部屋で10人の男女が乱交してるもの。まぐわっていた中、突如現れた中肉中背短髪の仮面を付けた男性が1組を中央に連れてくるなり男性の腹に刃物を突き立てた。仮面の男はその行為を隣の女性にも手伝わせ……。
さみどり/ふむふむ……!
GM/周囲の者達はその光景に怯え、言いなりになるしかない状況であった。男性を女性に殺させた後、次は女性に、次は2組目の男女に、次から次へと陵辱と殺戮が繰り返されていった。
レニ/ほう……。
GM/普通の事件なら表社会の警察が動くだけだが、何故裏社会の教会が動いているかというと……動画内で仮面の男性は≪肉体復元≫を使っていた。治療魔術を使用し、死にかけの男女の傷を癒しては苦痛を与えることを繰り返していた。
レニ/≪肉体復元≫って[感応力師]の特技だよね。
GM/「ザクザク刺して傷付ける! 治す! もう一回刺す!」を映像内で繰り返していたんです。能力者による犯行ならと警察は教会に協力を要請。教会のエージェント達が調査をしていた……のが、もう10年前の話。
さみどり/はい……。
GM/表社会の警察はアップロードされたホームビデオ撮影の映像から、パソコンの形式番号が判明。販売していた業者、誰が買ったかまでを特定することに成功。一番最初に動画をアップした男性は逮捕されました。
さみどり/あ、逮捕されたんだ……。
GM/ですがその男性は無罪が確定しています。彼を調べてもあの事件に関する証拠は何一つなく、ごく普通の一般人だったことが明らかになったからです。逮捕された彼は[異端者]の≪器の支配≫という洗脳する特技により操られ、事件には全く関係ないのにいつの間にか犯人の手足として動画公開作業を手伝わされていたそうです。
レニ/社会的には「よくできたCGのグロ映像をアップした犯人の冤罪で捕まった事件」だよね。
GM/そうだね。それから10年、進展もなく資料がこうして書庫に眠るものになってしまいました。
さみどり/……今はどうしてるんでしょうね、この事件の犯人。
レニ/案外近くに潜んでいるかもよ。どう思う? ヘラヘラと笑いながら訊きます。
さみどり/ちょっとワクワクしてます! もう一回何かしてくれませんかね! そうすれば捕まえに行けるのに!
レニ/嬉しそうに言う子だなー(笑) 確かにもう一回アクションがあったら捕まえに行けるんだけどね。だってこのムーンスローター、賞金が凄い跳ね上がっているみたいだよ……。
GM/「その通りです」と、とある少年が書物庫に入ってきます。
さみどり/おっ……?
GM/2人とも知っている顔です。書庫掃除の仕事を依頼した教会上層部の人間。名前は、ときわと言います。

 ときわ。
 教会上層部と関わりがあり、教会運営に関わる旧き一族の生まれ。非常に真面目な性格の少年。
 裏社会に詳しく教会の任務に必要な情報収集のためありとあらゆる場所に出向いている。高坂の親戚であり、高坂のことが大好き。
詳しくは『AW公式NPC・パーソナリティーズ』参照。

レニ/わっ、トキリンだー!(笑) ……なんだろう、君とは砂漠で会ったことがある気がする(←『ガンドッグ・リプレイ〜Answer the Voice』参照)
GM/「ええ、あのリプレイではサウジアラビア人にお世話になりましたね」 プレイヤーの皆さんはお判りいただけますが、今回のシナリオは高坂さんが教会側のオープニングシーンに登場できないようになっています。なので、高坂の代わりに教会関係のNPCとしてトキリンに登場してもらいました。
さみどり/そうですね、ハンドアウト的に高坂さんが教会不在なのでしょうがないですね(笑)
GM/トキリンは腕組みをしながら書庫に入ってきました。「実際にムーンスローター討伐の賞金は跳ね上がってます。そのことに関してはミスターの方がよくご存知かと」
レニ/……ミスター……。
GM/「おや、貴方はミスでしたか?」
レニ/ち、違うけど……(笑)
GM/「異端は寿命など無いような連中です、10年以上経とうが時効はありません。エネルギッシュなハンターさん方には期待しています」
さみどり/は、はい……。
GM/「それはともかく、大掃除は済みましたか?」 真面目な顔した少年が言います。
レニ/見ての通り。ぐちゃーですよ。
GM/「済んでませんね」
さみどり/し、ししし、してたんですよ!
レニ/いやあ、今どき書類のデジタル化をしない教会も悪いよー。どんだけ人を雇わないと掃除できないぐらいの書庫なんだよって話だよ。
GM/「したいんですけどね、セッションの量だけ資料が増えるんです(一同笑) 最近はこのアナログ事情を『とある吸血鬼のせい』と言えるので大変面白いです」
翼/あ、アイザックさん……(笑)
明虎/情報収集で書類を調べるって、TRPGではラクな演出ですもんね!(笑)
GM/「この掃除の仕事は自給ではなく日当です。時間が延びれば延びるだけ貴方達の損になります。頑張って早く終わらせてください。では、僕はあちらの礼拝堂を掃除している組にも激励に行ってきます」
さみどり/は、はあい……。そう言ってあっちのチームに≪叱咤激励≫しに行くんですね(笑)
レニ/あー、めっちゃ資料多いねー。うわ!? 『聖杯戦争の歴史について』とか出てきた! これ、主特技や副特技の違いが無かった頃のものだよ!(一同笑)
明虎/版上げ前のデータもある、すげぇ! おー、探せば前やったPCが関係した事件があるんだろうなー! 楽しいー!(笑)
GM/そんな風に掃除をしていると……レニさんはハッとする。
レニ/ハッ。
GM/『君はとあるメッセージを受信してしまう』。……携帯電話に突然メールが入るのでいいかな?
レニ/あ、ちょっと面白いと思ったアイディアがあるんですけど。……利き手じゃない方の手がいきなりペンを走らせるとかどうでしょう?
GM/おおっ、それは[感応力師]ぽくてカッコイイ! ではレニさんの左手は突然ペンを握り、ある言葉をレニさんの意思に反して書き始めます。
レニ/貴重な資料の上にペンを走らせます。
さみどり/ああああーっ!?(笑) こ、こちらのノートに書いてくださいー!
レニ/あー、また何か来ちゃったわー。たまにこういうことがあるんだよねっツラしておきます。自分でも左手の動きについていけなくて笑います。
GM/ガガガガといきなりレニさんが書き始めた、その言葉は……。オープニングシーン、ここで切りたいと思います。


 ●オープニングフェイズ/翼 〜監禁スタート〜

GM/次に、翼さんのオープニングシーンです。……君は、とある音に目を覚まします。
翼/う、うーん……? どんな音?
GM/ザク、ザクという音。「ぐっ! ぎゅっ!? ぐうううっ……!」という男性の呻き声もいっしょに聞こえてくるね。
翼/おや、おやや、おやおや。
GM/ふっと目を開ければ、君は前の方に手錠が掛けられ拘束されている。隣には、まだ目を覚ましていないタケトラくんと皐月ちゃんが同じように拘束されて伸びているよ。
翼/これは……みんな捕まったんだ?
GM/ここは一面コンクリート打ちっぱなしの四角い窓の無い部屋。入口が一つだけあり、剥き出しの蛍光灯が唯一の光という閉鎖空間だ。壁際には見覚えのない女性が頭を抱えて「あるもの」を見ないようにしている。女性の他には傷を負った男性や少女の姿もチラホラ見える。
翼/その……「あるもの」の方に視線を移します。
GM/そっちを見ますと……黒人男性が、仰向けに倒れている男性のお腹にザクザク包丁を刺している。
翼/お、おおおっ……!?
GM/ザク、ザクと黒人男性は楽しそうに倒れる男性のお腹を刺している。刺されている男性は「ぐっ! があっ!? ぐああっ!」と低い悲鳴を上げている。
翼/まだ、生きてる……!
GM/刺されている男性は仰向け、彼もまた頭の上に両手を拘束されて身動きできる状態ではない。あまりの悲惨な光景に周囲の人達は恐怖に慄き、同じく身動きできず震えて座り込んでいるしかない……。
翼/……なんだ、ここは……。手錠は掛けられているけど、足は?
GM/拘束は無いです。なので動けます。
翼/小声でタケトラくんに呼びかけます。タケトラくん、タケトラくん! ダメだ、コイツ完全に伸びてやがる! PC1のくせにダメな男だな!
明虎/なんか完全に起きられないフラグを立てられた!(一同笑)
翼/周囲は何人、人がいる?
GM/翼、タケトラ、皐月の3人。刺している黒人1人。刺されている男性1人。他に捕まっている人は7人です。
翼/ここに居るのは合計12人……。さて、どうしようかな。ここで人を見捨てたら神様の同意に反すると思う。なので、すくっと立ち上がって刺している人の後ろから跳び蹴りします。
明虎/飛び蹴りするの!?(笑)
GM/…………。【体力】判定していい?(ころころ)13です。
翼/どうぞ!(ころころ)あ、12だ。
GM/翼は刺している男の背後から飛び蹴りをした! すると、背を向けていた筈なのにすっと避け……。
翼/ちょっ!?
GM/君は刺されてお腹に穴が空いている男性の上にズベシと落ちる。
翼/ぬちゃっ!?
明虎/トドメを刺したぁー!?(一同爆笑)
翼/ごごごごめんなさーい!?(笑) でもぐるっと振り返って構えを取る!
GM/刺された男の上でぐるっと態勢を整える翼。
明虎/ぐるっとされたら死ぬよぉ!?(一同笑)
GM/「オヤオヤ、どうやら元気な人が入ったみたいだなぁ……?」 黒人の男性、流暢な日本語で翼に言います。
翼/元気だから、私の方をやればいいんじゃないかな。挑戦的な目で言いましょう。
GM/「おまけに勇気もある。果敢な男性だ。気持ち良い目をしている。その目がこれから絶望の色に染まっていくと思うと……ゾクゾクするね」
翼/何を言っているか判らないな。……今から君にはちょっと酷い目に遭ってもらうよ!
GM/「ほう……」
翼/お腹を狙って頭突き! かっ! 魚雷跳びだ!
明虎/このフォームは魚雷だよぉ!?(一同爆笑)
翼/俺は今、鳥になる!
GM/魚雷ミサイルになって飛んでくる君に、男性は刃物を突き立てます。
翼/おっと! 翼には≪猛る身体≫があるので普通の人なら傷を付けられません、どうですか?
GM/ごりっと君の肉が抉れます。傷が付いたね。
翼/……なるほど。こいつは普通の人間ではない。
GM/「それではお言葉に甘えて、立候補者を苦しめようとしようか」 ゆらりと黒人男性が標的を君へと定めたとき。「……やめろ」と、君の下敷きになっていた男性が言います。
明虎/酷い話にしやがってぇ!?(一同爆笑)
翼/マジ申し訳無い!(笑) しかし生きてて良かった!
GM/お腹を真っ赤にした男性が両手を頭の上で拘束され身動きできない状態でも「やめろ」と言います。「一般人に危害を加えるな……俺にしろ……俺は教会のエージェントだ。先に俺を殺しておかないとお前さんの為にならないぞ……」と、自分に来るように黒人の男性に言ってます。
翼/は……エージェント? いやいや私の方にしておこうよ! まだこっちはピンピンしてるんだしさ!
GM/黒人の男性は「うーん、どっちにしようかなぁー……?」 モテちゃって困っちゃうと嬉しい顔をする。
明虎/嬉しいんかい!?(笑)
GM/しかし、黒人は「……時間だ」と呟く。
翼/……時間?
GM/「もう行かなきゃいけない時間だ。今日の拷問はこれで終わりだ。次に私が来たときは……どっちが先に血まみれになるか相談しておくといい。今度来たとき教えてくれよ」 黒人男性はクスクス笑いながら、一つしかない扉に向かいます。
翼/また後ろから行こうか!?
GM/彼に攻撃しようとすると、素早い動きで君を斬りつけ反撃します。「やめてくれよ、私は時間に遅れて約束を守れないのは嫌なんだ」
明虎/……時間? 約束?
翼/釣れないねぇ! 苦々しい顔で男を睨みます!
GM/黒人男性は扉まで歩き、開き、出て行く。……鍵は掛けてないね。
明虎/なんだと。出ようと思えば出られる……?
GM/「ぐぐっ……」 血まみれの男性は、呻きながらも生きてます。
翼/お兄さんの方に駆け寄っていきましょう。いやぁ、生きてるだけで儲けもんだよお兄さん! さっきは踏んでごめんね!
GM/「はは、トドメ刺されるかと思ったよ……。勇敢なのは心強いが、一人で立ち向かうなんてダメだぞ」
翼/あんたがトドメを刺されるかは良かったよ。
GM/そのトドメはどう見ても君が刺してましたが。
明虎/お前のせいだよね!(笑)
翼/ごめんなさい!(笑) 私じゃどうにもできないから、回復できる奴を今から叩き起こすね!
明虎/きゅう。俺は伸びてます。
翼/タケトラぁー! 起きる時間だよー! そぉい!(←鋭いエルボーの動き)
明虎/ぎゃああああ!?(笑)
翼/仰向けになっていたところを腹部にドスッてやったら肋骨が一本ぐらい……。
明虎/いかねーよ! いったらどうするんだよ!? 何やってんだよぉ!?(笑)
翼/ほら、君の仕事だよ!
GM/タケトラくんは目を覚まします。周りにはボロボロの人達。刺されて死にかけの人もいる。
明虎/…………。ふう、俺もう一回寝るわ。
翼/≪悔改めよ≫
明虎/まさかのここで!?(笑)
翼/今にも死にそうな人がいるのに何もしないとか何事だよ! 俺が殺しそうになったんだけどね!
明虎/お前殺しそうになったとか何やってんだよ!?(笑) え、演出で男性に回復しますね!
GM/タケトラくんが回復してくれたおかげで、男性の血の気がだいぶ良くなります。どうやら彼は[狂戦士]の≪鋼化≫や≪自己再生≫を持っているおかげで今まで殺されずに済んだようです。「……君達、能力者か」
明虎/の、能力者……だけど。
GM/「教会の者じゃないのか……?」
翼/日曜日に礼拝は行ってるけど、退魔組織の教会には縁が無いね。
明虎/お、俺……そういうの怖いし。じいちゃんはそういう組織に所属していたっぽいけど、俺は怖いから行ってねーんだ。アンタは?
GM/「俺の名前は高坂だ。教会のエージェントをやっている」
翼/高坂くんか。君はなんでこんな所に居るんだい?
GM/「……仲間と一緒に異端を追っていた」
翼/その仲間は、今?
GM/「……全員殺された」
明虎/えっ……。
GM/「あの黒人の男にな」
翼/……ヘビーな話だねぇ。彼は一体何なの?
GM/「彼はおそらく教会が『ムーンスローター』と通称を付けて討伐しようとしている異端犯罪者だ。教会に所属していても異端の特性は知っているな?」 ルールページに書かれていることは知っていてください。「負の感情を好物にし、人々を傷付け快楽とする者が奴だ。奴は自分が楽しいという理由だけでこうやって拷問を繰り返している……」
翼/我々はムーンスローターについて知ってますか?
GM/知らないでしょう。『ムーンスローター』というのは教会が付けた犯人の通称なので、教会に所属していない2人には耳にしない言葉です。グロ動画の事件があったことは知っているかもしれないけど、『ムーンスローター』という単語自体にはピンときません。
明虎/は、はあ……。
GM/そんな話を高坂としていると、皐月ちゃんが「ううっ……」と目を覚まします。
明虎/おっ! だ、大丈夫か?
GM/「え? ……え? ここは……えっ?」
明虎/だ、大丈夫か? 俺も大丈夫じゃない!
翼/端的に言うと、捕まりました。
GM/彼女は「えっ? えっ?」とひどく混乱します。だってここは不気味な部屋。壁際には数時間前に拷問されたであろう人達。タケトラくん達の前には血まみれの男性……。
翼/高坂くん、それしまって!
明虎/無茶言うなよ!(笑)
GM/ここでPC1・後衛のタケトラくんに質問があります。君の【MP】はいくつですか?
明虎/え? 最大値は28です。
GM/次に、PC2・前衛の翼さん。君の【MP】はいくつですか?
翼/最大値18です。
GM/ここで宣言しておきます。皐月の【MP】は28です。高坂の【MP】は18です。PC1とNPC1、PC2とNPC2は同じパラメータになります。
明虎/えええっ!?(笑)
GM/(ころころ)2人の【MP】が減少しました。もし【MP】が0になったら2人は倒れてしまうことでしょう。
翼/翼と同じ【MP】って……最短で3ラウンドで高坂さんが落ちてしまうよ!?(笑)
GM/なお、タケトラくんがオープニングで一生懸命皐月ちゃんを守ろうとしてくれました。その勇気に免じて2D6減少だったところを1D6減少にしたいと思います。……それでも皐月はガタガタと震え始めます。彼女の精神状況がおかしくなりつつあるのが判ります。
明虎/お、おおお? ど、どうしよう、これどうしよう!?
翼/落ち着くようにさせます! 体の力を抜いて、深く息を吸って!
レニ/……この状況で深く息を吸ったら、吸い込むのは血の匂いだよね(笑)
明虎/ですよね、俺だって錯乱したい!
翼/お前も息を吸って!
明虎/ひっひっふー!
翼/それはラマーズ法って言うんだよ!
明虎/今生まれるのは恐怖だけだな!(笑) ……そうだ、なんでみんなずっとここに居るんだ! ドアがあるなら逃げればいいじゃん! 逃げようよ!
翼/扉を開けてそこに居たらどうするの?
明虎/すげえ怖い。
翼/待ち構えていたらどうするの?
明虎/すげえ怖い!(笑)
GM/高坂は立ち上がり、扉に近付き開けます。「……この部屋から出ること自体は可能だ」 扉に鍵は掛かっておらず、先にコンクリの部屋がまた続いているのが見える。
翼/ほう……?
GM/そこがトイレスペースになってます。
明虎/と、トイレ? 面白い造りをしているんだな?
GM/便器が4つほど、どこも敷居が一切無く剥き出しの状態で並んでいます。真正面の壁にはまた先に続く扉があり、そこも鍵が掛かっていません。(高坂になって)「あの黒人は『トイレスペースまでは自由に出歩いて構わないが、そこから先は行くな』と笑って言っていた」
翼/トイレがあるなんて……そんなに長い間私達を拘束する気があるんだね。
明虎/単純に考えて今居る場所は端っこだろう? わざわざトイレを奥に造らず手前に造ってるのかよ。
翼/普通に住むためにここが造られたとは考えにくいよね。まあ、立地なんてどうでもいいんだ……。
GM/さて、そこで高坂さんが落ち着いてきた皐月に声を掛けます。「……君ってさ、もしかして木ノ本さんちの皐月ちゃんじゃないか?」
明虎/えっ? おい、知り合いか……?
GM/「こうやって話をすること自体は初めてだけどさ。教会のエージェント達の宿舎の関係でおばあちゃんにお世話になって……」
明虎/高坂さんとおばあさん……大家さんは知り合い?
GM/「ほら、おばあさんって[領域遣い]だったじゃん! 君はどうなんだい?」
翼/おばあさん、能力者だったの!?(笑)
GM/高坂は「おばあさんはあんな能力を持っていたけど、君はどうなの?」と尋ねます。それに対して皐月は、まずタケトラくん達を見ます。
翼/ん……?
GM/(皐月になって)「……はい。使えると言えば使えます」
翼/初耳だ。
GM/「だって、言ってなかったもの……」
明虎/そりゃな。俺達も言ってなかったし……(笑)
GM/(高坂になって)「使えるんだね!? それじゃあ……!」と、高坂は皐月を連れてトイレスペースに行きます。
翼/ついて行きましょう。
明虎/あっ! つ、翼が行くなら行くよ……こ、怖い!
翼/お前が居ないとダメージが弾けないだろ! 来いよ!
GM/(皐月になって)「私がどっかに連れて行かれそうになってるんだからついて来なさいよぉ!」
明虎/ご、ごめん!(笑)
GM/高坂はトイレスペースにみんなを連れてきました。とある場所に皐月を立たせます。「なあ、ここなら奴が外部とこことを遮断した結界の効果が一番弱くなっていると思わないかい?」「そうですね……確かにここだけ弱いです。これなら出来るかもしれません」
明虎/おお……!?
GM/「ここから救助要請をすることはできないか!?」「で、でも私、実際に能力を使用することはやったことはなくて……!」「けど、出来るなら試してみてくれないか!」
翼/大丈夫だよ、お前なら出来るよ。
明虎/な、なんとかなるって! いざとなったら俺達がなんとかするから!
GM/2人が後押ししてくれたので、皐月は少しほっとした顔をします。「や……やってみる!」 不安そうな顔をしても、とある空間で彼女はブツブツと何かを唱え始めます。それは……≪彼方の音≫≪越境の書≫を組み合わせて作った、とあるメッセージ。
明虎/お、おお……!?
GM/そのメッセージは……空間を越え、とある場所に送り届けられました。


 ●オープニングフェイズ/レニ 〜謎のメッセージ〜

GM/レニさん。君は、自分が書いたノートを読みます。
レニ/はい。
GM/その内容ですが。
さみどり/はい。
GM/…………すずかのスマホにメールを送りました。
レニ/……ええええぇっ!?(一同笑) う、うわ! 今メールが受信された!?(笑)
さみどり/うわっ、凄い! 本当にメッセージが送られてきた!(笑)
GM/だからセッション前日に『携帯電話の充電器を持ってきてください』って連絡したんだよ。PC4のレニさんがそのメッセージを受信したということでプレイヤーのすずかにメールを送りましたが、さみどりちゃんにも内容を見せるならプレイヤーの51にメールを転送してあげてください。
レニ/は、はい。
GM/ただし、タケトラくんのプレイヤー・犬熊猫ちゃんと、翼さんのプレイヤー・しゅうらちゃんには見せないでください。
レニ/口に出して読み上げちゃいけないんですか?
GM/全部読み上げる気があるならどうぞ。
レニ/……面倒臭いですね。やめましょう。
翼/そ、そんなに長いメッセージなんですか……?(笑)
レニ/(メッセージを熟読して)…………。さみどりちゃん、これを読んで。レニの筆跡ではない字で、送られてきたメッセージを見せます。
さみどり/(メッセージを読む)…………。足りませんね。
レニ/足りてないね。
さみどり/一番大事なものがありませんね。
レニ/……高坂さん?
さみどり/高坂さんからなんですか?
レニ/多分ね。……さみどりちゃん、テンション上がってきた?
さみどり/私への誕生日プレゼントなんじゃないかって思っちゃいました。レニさんがドッキリを仕掛けてくれたのかなって。
レニ/あのね、僕は右利きなの。ドッキリのために左で文字なんて書かないから。
さみどり/そうですね!(笑) ムーンスローターに捕らわれている、拷問されている……コンタクトは取れる……。
GM/では、今回のセッションのルールについて説明をします。レニさんはメッセ―ジ内に書かれている呪文を唱えればメッセージに返信ができると確信します。どうやらこれは≪彼方の音≫≪越境の書≫を組み合わせた技術で、この簡易的な呪文を詠唱すれば自分は[魔術師]でも[領域遣い]でもなくても送信できるようです。
レニ/なるほど。
GM/この呪文の詠唱時間は1分。メッセージが送れるのは3分だけ。1分間で協力者であるさみどりちゃんと相談し、プレイヤーであるすずかはレニになりきって3分間メールを作成することができます。そのメールで「助けてくれ」とメッセージを送った彼らに返信をしてください。
レニ/3分で打てと?
GM/はい、メールを打って送ってください。GMがタイマーで3分をきっちり測ります。
レニ/マジで!? 緊張する!(笑)
GM/次から始まるミドルフェイズは、明虎&翼の捕まっている組のシーンです。そのシーンの冒頭にさみどり&レニ組からのメッセージを受信します。シーンの終わりに皐月がメッセージを作成し、さみどり&レニに返信をします。描写的には皐月がメッセージを送りますが、メール作成は明虎&翼のプレイヤーどちらかにやってもらいます。
翼/すげえ! 楽しくなってきた!(笑)
GM/それと、次のシーンからシーンに登場していないPCのプレイヤーはイヤホンで音楽を聞いてもらって情報収集を一切聞こえない状態になってもらいます。
さみどり/なんと。
GM/最初は別室移動でプレイしようかと思ったんだけど、移動時間が大変なので音楽をガンガンに聞いてもらって別チームの探索が聞こえないようにしてもらうことにしました。それにメタ別チームの探索結果が聞こえたらメッセージでやり取りする必要なんて無いでしょ? たとえPCは知らなくてもプレイヤーはメタ視点で全部推理できちゃうんだから。
明虎/確かに。
GM/なので、お互いの連絡手段はメッセージのみ。相手チームの情報はメッセージを通じてじゃないと手に入らないようになっています。今はオープニングシーンだし一番最初なので、レニさんとさみどりちゃんはゆっくり相談してメッセージを送っていいことにします。
レニ/始めっからクライマックスじゃなくて良かった! 今のうちにしっかり相談しようか!
GM/あ、そうだ。書庫にトキリンがやって来ます。(ときわになって)「すみません、地図ってこちらにありませんでしたか?」
レニ/地図?
GM/「はい。確かここに……あ、あったあった。ちょっとF市の地図が見たかっただけなのでお借りします。この辺りの地図は元あった場所に戻しておいてくださいね」(と言いながら、プレイヤー達に地図を3枚配布する



さみどり/わあ!? 本格的な地図だー! 3枚もあるー!(笑)
GM/【マップ1】には、PC1が住んでいる木ノ本アパートがある。他にも目立ったものといえば大学や高校や小学校など学校施設が並んでるね。【マップ2】にはPC3とPC4が今居る教会があるよ。こっちは住宅地だ。【マップ3】はちょっと駅から離れてあるような市役所、消防署、大規模店舗などがあるね。
レニ/へえ、【マップ1】の中央に駅があって……。やっぱり駅の周りには飲食店が多いな。それより遠くに行けば行くほどマンションや病院があるんだ。
さみどり/【マップ1】にはファミレスのガストがいくつもありますね。【マップ3】にもジョナサンがありますけど……。私達はきっと、教会を出て近くのガストに食事に行ったりしてるんでしょうね(笑)

 実際のプレイでは3枚の地図【マップ1】【マップ2】【マップ3】から、監禁されているチームが何処の建物に居るのかをプレイヤー達に推理してもらいました。
 本物の地図を使用しているためサイト上に画像を掲載することはできませんが、マップ1枚につき建物が30件強あります。
 約100個の物件から、犯人と被害者達が居る場所がどこかを探索してもらうというセッションでした。


レニ/トキリン! この地図、使わせてもらうね!
GM/「使うんですか? いいですけど。まあ、地図って休憩中に見てると結構楽しいものですよね」 トキリンは書庫から去って行きます。
さみどり/まずは……「ちゃんとメッセージが届いたよ」って伝えないといけませんね。
レニ/あっ!? そっか、そうだね、まずは安心させないとだ。僕にはその発想は抜けてた……えらいえらい!
さみどり/あ、ありがとうございます!(笑)
レニ/一人で考えたら思いつかないこともあるし、タイムリミット付きだからきっと慌ててしまう。ちゃんと相談しないとだ。……ひい、緊張してきた!(笑)

 数分間、レニとさみどりは「まず訊くこと」を相談する。
 あれを送ろう、これを聞こうと話し合い……まとまったところで、GMはタイマーに3分をセットした。


レニ/GM、入力していいですか。
GM/ええ。それではこれからレニさんにはタケトラくん達にメッセージを打ってもらいます。制限時間は3分。はい、スタート!(タイマーのスタートをピッとする)
レニ/…………(メッセージを打ち込む)
GM/(30秒経過)……呪文の詠唱が難しい。やはり自分の専門分野ではないため、巧くいかない。
レニ/…………(メッセージを打ち込む)
GM/(1分経過)……タイムリミットは着々と近づいている。一言で言うと、辛い。
レニ/…………(メッセージを打ち込む)
GM/(1分30秒経過)……呪文を唱えるのはこんなに体力がいることなのか、君は思う。
レニ/…………(メッセージを打ち込む)
GM/(2分経過)……3分が長い。体が無理だと訴えてくる。
レニ/…………(メッセージを打ち込む)
GM/(2分30秒経過)……頭がチリチリしてくる。もう限界を感じる。
レニ/…………(メッセージを打ち込む)
GM/(3分経過)終わりだ。たとえ文章が途中でも確定ボタンを押してください。まずはそのメールをGMに送ってください。GMが次シーンのミドルフェイズに相手チームに送ります。
レニ/ぎゃあっ! 終わったー!
さみどり/お疲れ様です! う、打てましたか?
レニ/思ったよりしんどいわ、これ……。平仮名が多くなったけど、なんとか訊きたいことは打てたよ。脱力して座り込みます。
GM/メッセージは無事送り終えた。さあ、その間自分達は何をしてようか……と考え始めたところで、ミドルフェイズを始めていきましょう!

 このような「PC分断プレイ」のルールであるセッションのため、このリプレイでは、『明虎&翼チーム』視点で読み進めていくページと、『さみどり&レニチーム』視点で読み進めていくページの両方をご用意します。
 チームの視点ごとに楽しみたい人は、
途中で貼られているリンクを無視してそのままスクロールを続けてください。
 実際のプレイ時系列順に読み進めたい人は、ミドルフェイズ1から、シーン最後に貼られているリンクの指示通り進みながらお読みください。


 それでは、ミドルフェイズ開始です。





【 明虎&翼の監禁ルートを読む(画面下までスクロールを進めていってください) 】

【 さみどり&レニの救出ルートを読む(画面下までスクロールを進めていってください) 】

【 ミドルフェイズ1から順番通り読む(リンクの指示通り読み進めていってください) 】