アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 LOVE AGAIN SYNDROME 』 2ページ目 ■
2010年6月19日




 ●ミドルフェイズ1 〜5月1日その1〜

GM/それでは全員集合のシーンです。シーンは教会で……。アイザックさん、おはようございます。
アイザック/忌々しそうな顔で外を見ます……。半眼で、久しぶりだな。
灯也/お久しぶりです。お茶を差し出します。
琴子/アイザックさん、陽が眩しいんですか? サングラスどうぞ。
アイザック/……黒づくめで金髪のサングラスって、俺はどこにいけばいいんだ?
奏志/あ、怪しいけどアイザックさんならイケますって!(笑)
アイザック/それと灯也。暫く見ないうちに随分やつれたな。
灯也/ふう、大丈夫ですって……(笑)
アイザック/吸血鬼に心配されるなんて、相当だぞ。
奏志/それなら元気の出る歌を唄うぞ!?
灯也/今はご遠慮しておきますね。
奏志/社会人的な断り方された!?(笑)
アイザック/……人とは、短い間に成長する生き物だな(笑)
GM/そんな談話をしているときに速見さんがやって来ます。「アイザック、おはよう。多中くん達も時間通り来てくれたわね。電話で簡単に説明したけど、詳細をお話しするわ」
奏志/はーい。
GM/「4月25日から今日まで、ここN市で3人の一般人が『昏睡状態から目覚めない』という事件が起きている。彼らは路上で倒れているところを発見され、その時点で意識を無くしており、数日経っても目覚めていない。現在はN市の病院で収容されているわ」
アイザック/1週間に3人、N市に限られているところを見ると、何か事件が起きているのは確かだな。
GM/「貴方達にお願いしたいのは、犯人を見付けることと殲滅すること。これ以上被害者を出さないためにもね」

【マップ】
 @N市教会(現在地。本拠地。資料検索が可能)
 AN市繁華街(灯也が行った居酒屋がある場所。第1の被害者発見現場)
 BN市オフィス街(灯也の仕事先がある場所。第2の被害者発見現場)
 CN市マンション街(マンションが並んでおり、多くの人達が住んでいる)
 DN市学生街(小学〜大学まである場所。第3の被害者発見現場)

【情報収集のやり方】
@1日1人につき1回まで情報収集ができる。4人個々に動けば、4回分情報収集ができる。
A『何を調べたいか』『どこで調べたいか』『どうやって調べたいか』を決定する。


琴子/……とってもふしぎなロリに「多中灯也が不幸になるわよ」って言われたことを……本人に言うべきかな?
奏志/うーん……様子見がいいかなぁ?
琴子/……灯也さん、不幸なことはありませんか!?
GM/あの会社に入社したことです。
灯也/アレは乗り越えなきゃいけない壁ですよ!(笑)
奏志/大丈夫か、灯也!(笑) ちゃんとお前、最近メシ食ってるかっ!?
琴子/(笑) ……あ、そうだ。琴子が持っている特技で≪過去視≫というものがあります。だから実際の現場に行くのが良いと思うの。

 ≪過去視≫
 知らない過去を見ることができる[感応力師]の副特技。
 判定が必要なときは【意志】を用いる。

奏志/当時の現場を知るのはいいな。
アイザック/かといって琴子1人にするのはヤバイだろう。誰かがついて行くべきだ……パワーバランス的に。
奏志/それならオレが前線系だし、一緒に行くのがいいだろ。オレ達相性バッチリだからな!
琴子/そうね、お兄ちゃんにはあたしがついてあげないといけないんだから!
奏志/よーし、肩車してやるぞー!
琴子/やめてよ、琴子はレディなんだから!
灯也/この兄妹、可愛いなぁ(笑)
GM/うん。男性ユーザー、大喜び。
アイザック/……このリプレイ、どこがターゲットなんだ(一同笑)
灯也/あ……そういや僕、彼女に会うんだよ。
奏志/……誰に?
灯也/矢島祭さん。
琴子/……お兄ちゃん、その人のこと知ってるんじゃない?
GM/あ、そっか。奏志と灯也は『中学時代の知り合い』設定になったんだっけ。なら奏志くん、思い出し判定してみようか。難易度は6。
奏志/思い出し判定って【理知】ですか。(ころころ)達成値は8です。……へえー、にやにや。
灯也/……なんだよ、その顔は?
奏志/夢の中で出会って……一緒にお酒を飲むのかぁ。
灯也/……GM。夢のことって、全部覚えてるんですか?
GM/うん。夢の中で灯也は『5月1日に彼女に会って、3日一緒にお酒を飲んで、仲良くなって、ある道で「待ってて」て言われた後に襲われた』。ちゃんと覚えてます。
琴子/……それ、正夢になるかも。5月1日にもう一回同じ場所に行ってみない?
奏志/それでもし本当に矢島祭に会えたら……単なる夢で済まなくなるな。
アイザック/……そういえば、速見。事件が起きた時間帯はいつなんだ?
GM/「ちょっと待ってて」と速見はその場から離れ、資料庫らしいところから書類を持って戻って来ます。「通り魔は昼夜関係無いってよく言うけど、この犯人は3件とも夜に事件を起こしているわ」
奏志/灯也が夢の中で襲われたのも、それぐらいの時間?
GM/ええ、同じです。
アイザック/夢と同じと言うなら……灯也は5月3日の夜に襲われるかもしれないということか。気を付けるべきだな。……と言っても、彼女にこれから会う奴を1人にしないのは野暮だしな。
琴子/灯也さんが「2人っきりになりたい」と言うならね。
アイザック/そうだな……。次は、恋の内定を貰うんだろ? 永久就職先な。
灯也/いやいやいや!?(笑)
奏志/寿退社するなら曲作ってやるよー!
琴子/結婚式には呼んでねー!
灯也/話をどんどん進めないでくれないかな!?(笑) 奏志、一緒に買い物に行こうか!
奏志/あー、祭ちゃんゴメンねー(笑)
アイザック/となったら、琴子とアイザックの2人で現場に行くか。まずはどこに行こうか?
琴子/セオリー的に1個目から行くべきじゃないかな。
アイザック/じゃ、繁華街だな。

 こうして1日目の情報収集は……
@灯也&奏志で、夢の中で矢島祭に会った場所へ。
Aアイザック&琴子で、N市繁華街へ。
 ……行くことになったのだった。



 ●ミドルフェイズ2 〜5月1日その2〜

GM/では、灯也&奏志のシーンから行きます。灯也くんは「確か夢の中でこの辺りを歩いていた気がする」と思う場所へやって来ます。
灯也/確か……この辺だった気がする。
奏志/お前と出掛けるの、久しぶりだな。
灯也/ああ、まったくもってですね。
奏志/……なんで敬語なの?
灯也/いや、社会人になったら敬語使う癖ができちゃってですね。
奏志/なんか壁を感じる! お兄ちゃんは心が脆いんだから優しくしてあげて!(笑)
灯也/い、いや、そんなつもりはないって……ピアノみたいなヤツを持っていないお前は好きだから。
奏志/これはキーボードだって!(笑) 人格否定された!
アイザック/……まあ、音楽詳しくない人はピアノとエレクトーンとキーボードって同じだよな(笑)
GM/そんな感じで、青空の良い天気の下……ショッピングが楽しめる場所を2人は歩きます。
奏志/とことこ。……なあ、女の子って何をあげたら喜ぶんだろうな?
灯也/えっと……カワイイ物、とか?
奏志/お前も用意しておかなきゃだよな。
灯也/えっ。それは……どうなの?
奏志/渡すかどうかはともかく、男たるもの事前準備って大切だぞ!
灯也/でも、何を用意すればいいのか……。
奏志/だからそれを一緒に考えよう! オレも琴子にあげる物を考えてる途中なんだよ。
灯也/琴子ちゃんにあげるなら、ぬいぐるみなんていいんじゃないか?
奏志/小6になってぬいぐるみって怒られないかなー。「あたしはもう子供じゃない!」って言われたらショックだぞー。
灯也/けど……心のこもった贈り物って嬉しいものじゃん?
奏志/そっかー……。3000円払って買います。
琴子/いきなりモノローグ調に現れて)「お兄ちゃん、今日のお小遣いは3000円って言ったでしょ!?」
奏志/使いきっちゃったぁー!?(笑) ……でも琴子の為ならいっか。
GM/では3000円のぬいぐるみを抱えて店から出る奏志、その買い物に付き合う灯也……そんなとき。「……多中、くん?」
灯也/振り返ります。
GM/「あ、やっぱり多中くんだ!」と……矢島祭さんが、声を掛けて来ます。
灯也/や、矢島さん? 久しぶり……。
GM/「覚えていてくれた! 良かったー。絶対多中くんだって思ったんだー!」……そして彼女は隣に居る人も見る。「夜鷹くんだー! 2人で遊んでたのー?」
奏志/たまたまそこで会って盛り上がってたんだよ。
GM/「そうなんだ! 2人とも、今はお仕事じゃなくてオフなの?」
灯也/うん、休み。
奏志/うん、休業中(笑)
GM/「折角会えたんだから、どっかで……」
灯也/紅茶でも飲みに行こう!(笑)
奏志/やっぱ紅茶限定なんだ(笑) あー、オレは居ちゃいけないなー。男と女は1人ずつが鉄板……。
灯也/ガッと奏志の腕を掴む。……行こうか(笑)
奏志/うわーんずるずるされるー! こ、琴子ぉー!(笑)
GM/……では灯也くんオススメのあの店に着き、懐かしい話で盛り上がります。お互いの連絡先を交換し、懐かしい名前を言い合い……奏志くんは懐かしい気分に浸り、灯也くん的には数日前にしたような話をします。
灯也/おしゃべりをした後で……。矢島さん、最近どうって尋ねてみます。
奏志/大雑把だなぁ(笑)
GM/「最近? 4月で大学3年生になって、これから教育実習で忙しくなるのよ」
灯也/実習? 何を学んでるの?
GM/「A学園で心理学を」
奏志/ああ、お嬢様で有名なあそこかー。
灯也/フィギュアは?
GM/「……アレ、やめたの」
灯也/えっ!? ……やめたの?
奏志/……何か理由、あるの?
GM/「……足、挫いちゃってさ」
灯也/あ……。
GM/「普段は歩けるし走れるし踊れるんだけど、氷の上ってジャンプすると重力が5倍ぐらいかかるの。だから些細な傷でも復帰できなくて。……日常生活は何ら変わっていないんだけどね……」
灯也/……で、何で心理学科に?
GM/「落ち込んでいるときにカウンセリングを受けて、立ち直ったときに……『カウンセラーって良い職業だな』って思ったの」
奏志/……相変わらず、祭は優しいんだな。
GM/「そっちもそっちで色々やってるんでしょ?」と話を振るよ。
奏志/順調にミュージシャンやっております!(笑)
GM/「順調ならスゴイじゃん!」
奏志/……うん(笑)
GM/……頑張れ、男子達(笑)
奏志/……そうだな、女の子が頑張っているんだから男のオレ達はもっと頑張らなきゃだよな!?
琴子/良い言葉だ。そういうのを歌にしなよ。
灯也/メモっておけよ! 妹ならそう言うよ!(笑)
奏志/紙とペンをすぐ出せるとは思うなよ!
灯也/サッと紙とペンを出す。
奏志/……何で持ってるの?
灯也/社会人は手帳必須だから。
アイザック/……嫌な差が出たな(笑)
奏志/……くすん。ちびちび泣きながら水を飲みます。
アイザック/しかも水だけだった! そっか、3000円使いきったから!(笑)
灯也/1杯ぐらい奢ってやるよ!(笑)
GM/そんな灯也と奏志の掛け合いを、祭はケラケラ笑って楽しそうに聞いています。「あ、そうだ。アタシ、5月3日は暇なんだけど一緒に飲まない?」……夢の中で灯也が交した約束と全く同じことを言います。
灯也/あ……いいね。是非一緒に飲みたいな。
GM/「うんっ! じゃあアタシはこの辺で……。夜鷹も来てもいいんだからねー!」……走りながら彼女はシーン退場します。
奏志/ええっ、そこでオレに振るの? どーしよーかなー。
灯也/……寧ろ、来いよ。僕1人だといっぱいいっぱいだから(笑)

 一方その頃。
 第1の現場、繁華街にやって来たアイザックと琴子は……。


琴子/……しまった。繁華街で、黒服の外人と幼女だ(笑)
アイザック/……サッと周囲から目を逸らします(笑)
GM/『繁華街』って言うとアレだな……。単にGMは、駅前にありがちの、笑笑とか和民とかがいっぱいある場所のことを言いたかっただけなんだけど(笑)
琴子/後でリプレイでの表記、『N市駅前』に変えましょうね(笑)
GM/では、アイザックは速見から貰った資料通り……第1の事件の現場にやって来ます。
アイザック/眩しくて半目になりながら歩きます。
琴子/とことこついて行きます。……サングラス、かけた方がいいんじゃない?
アイザック/……この格好でか。
GM/言いながらやって来た場所は、大通りからちょっと離れた場所です。この場所で男性40代が倒れていて、発見され運ばれたけど意識不明のままだそうです。
アイザック/……人通りは少ないと言えば少ないが、夜は賑やかな場所だ。完全に無い訳ではない。早速頼んでいいか。
琴子/そういうときのために琴子がいるんですよー。≪過去視≫を使いまーす。
GM/それでは、【意志】判定をしてください。
琴子/はい。(ころころ)おっと、出目が1・2。
アイザック/……≪悔改めよ≫、使うか?
琴子/うん、使って!(笑) 騒がしいから集中できないー!
アイザック/落ち付け、お前ならデキる!
琴子/そんなこと言われたら惚れちゃう。
アイザック/……10年経ってまだその気持ちがあるなら来なさい。
琴子/小学生のときに何かあったら……奏志お兄ちゃん、[処刑人]なんだよね。
アイザック/断罪されそうだ(笑) では、さっきのダイスを振り直してくれ。
琴子/目を閉じて集中します。(ころころ)よし、出目が一気に上がった! 【意志】で達成値は14です。
GM/琴子ちゃんが集中すると……あるビジョンが浮かんできます。

 メモにある通り、そこに現れたのは40代ぐらいの男性だった。
 夜は夜でも明るい街。顔つきから飲み屋からの帰り道なのだろうか。火照った顔とはいえ、泥酔していた訳ではなく、男性はごく普通に道を歩いているだけだった。
 ……そんな彼の前に、数人の『何か』が現れ、取り囲む。
 叫び声を上げる男性。振り下ろされる腕。男性は殴打され……。


GM/でも、血は出ない。
琴子/……ん?
GM/【知覚】判定をしてください。『あるもの』が見えるかの判定です。
琴子/(ころころ)また出目が1・2で……達成値7です。
アイザック/流石に≪叱咤激励≫は脳内にまでは届かないな……。
GM/琴子は目を凝らしてビジョンを見るけど、両目の真ん中……つまりは額に、異様な光があることに気付く。それが何なのかよく判らないけど。
琴子/……なんだろ? よく見えない……。
GM/ガッと殴打される男性は、血も流さず、倒れる。そうして大勢の何か達は去って行き……。ビジョンが終わります。
アイザック/……おい、大丈夫か?
琴子/んー……。オジサンのことと変なシルエットのことも話します。
アイザック/額に光……創られし者か? 長らく生きてるが、そんな人間は見たことないな。
琴子/あたしも12年生きてるけど、お目にかかったことはないわ。……じゃ、教会に戻って調査し直しましょー。
奏志/教会に戻って来たところで、琴子にぬいぐるみを渡します! 琴子、おみやげだぞー!
琴子/わあっ! 大人の常識で値札は見ないであげる! ありがとう、獲得チェックの後に絆消耗チェックしておくね!

 なお、徹夜などせずにぐっすりと睡眠を取ったということで、全員1D6【HP】【MP】を回復した。
 そして4人の相談の結果、2日目は……
@アイザック&奏志で、教会にて資料検索。
A灯也&琴子で、N市学生街へ情報収集。
 ……を、することに決定した。



 ●ミドルフェイズ3 〜5月2日その1〜

GM/先にアイザックと奏志のシーンからしようか。……今日は学生街に向かう灯也くんと琴子ちゃんを見送って、教会で調べ物をします。
奏志/琴子のこと、頼んだぞー!
琴子/お兄ちゃんのこと、頼みましたよー!
アイザック/任せておけー(笑) では……≪友の華≫を使用して、≪コネ「教会」≫を臨時取得します。琴子から見た目など情報を聞いたので、資料に残っていないか調べたいと思います。
GM/やってみましょう。資料検索なので【理知】か【幸運】判定になります。しかも、アイザックはクラスが[聖職者]だから≪コネ「教会」≫にはボーナスがくるんだね。
アイザック/奏志。お前にも情報を喋るから、【幸運】で振ってもらえないか?
奏志/判りました、資料検索っていうかあさってみます! 運が良ければ何か出るー!(ころころ)9です!
GM/……奏志は「きっとこの辺に関連資料があるな!」と検討をつける。
奏志/以上! オレ、お茶淹れてきます!(笑)
アイザック/ありがたいな、眠気覚ましにコーヒーで頼む……(笑・ころころ)おお、【理知】で23出ました。
GM/……20以上の達成値で核心に近いものを探るアイザック。……琴子が見たという彼らの正体が判ります。
アイザック/何だ?
GM/……[異端者]の副特技≪異常鉱物≫であろう。

 ≪異常鉱物≫
 生きる石(浮遊する岩石、人型をした石など形状は自由)を使役し、シーンに登場させることができる。1ラウンドに1体まで作成可。

GM/『1ラウンドに1体まで作成可』……つまり、1体しか作成できないわけではありません。額に光っていたのは、核となるもののようです。
アイザック/光っていたのは鉱物の原石……か。人の形をしたゴーレムだったんだな。しかし、一体何の為に? 元々異端などは人を害して自分のレベルをあげるというのが理由だが。
奏志/……『自分が強くなる為に利用している』とか?
GM/……尚且つ、そんなモブを複数操っているということは、もしかしたら同じ[異端者]の≪傲慢なる檻≫も使っているのかもしれないね?

 ≪傲慢なる檻≫
 周辺の地形を変化させたり、使用者が思い通りにできる結界を作り出し周囲の人物を閉じ込める。
 全特技の射程が視界内の範囲(選択)になる。


奏志/あ、閉じ込めるって! そういえば灯也が「繁華街なのに誰も助けてくれなかった」って言ってたな。
アイザック/敵のクラスが1つ判ってありがたいな……相手は確実に[異端者]だということが判った。それだけでも進展と思おう。

 一方その頃。
 学生街……特に、とある大学近くにやって来た灯也と琴子は……。


GM/ゴールデンウィークなんだよね……じゃあ、なんと今日はオープンキャンパスだよ! これで部外者でも動きやすいね!(笑)
琴子/琴子、もしかしたらこのA学園に入学するかもしれないから見に来たの!
灯也/その保護者ですって言い張ればいいんですね、僕は(笑) いかにも兄ですっていう顔をしてついて行きます。
奏志/……ぶわっ(笑)
GM/街道を突っ切ってバスに乗ってキャンパスまでやって来ます。……さて、アイザック経由で貰った資料によると、人通りの少ない道で第2の事件は起きたそうだ。そこに到着します。
琴子/この辺ね。頑張って≪過去視で≫視てみまーす。
GM/一度ビジョンを見たので、これから同じものを見るんだし≪霊的神経≫の使用をOKにします。
琴子/やった、これで固定値8の【意志】判定いきます。(ころころ)達成値は13!
GM/……目を閉じて、琴子ちゃんはとあるビジョンを見ます。

 暗い夜道、電灯が辛うじて少し先を照らす時間。
 研究室帰りの女子生徒が、彼女なりに注意して夜道を歩いていた。
 そんな警戒もごく普通の女の子には意味が無い。彼女は、突如現れた数人の『何か』に取り囲まれてしまう。
「きゃー!」……悲鳴を上げる女の子。だけれども無慈悲にも襲い掛かる者達は腕を振りかざす。
 殴打。……出血は相変わらず無い。しかし彼女は意識を失った……。


GM/そのとき。……『違うものが見えるかどうか』の【知覚】判定をしてください。
琴子/(ころころ)11です。
GM/額に何かが埋め込まれているような人形を注視して見ていると……琴子ちゃんが見ている画面の、端っこに、誰かが居る。
琴子/……これが人形を操っている人かな。じっと見てみます。
GM/その人は、自分の体を抑えながらもこちら側……被害者を見ている。そのボディラインからして、女性に思えた。
琴子/おっ……?
GM/ビジョンはそこで途切れます。
琴子/……目を覚まします。
灯也/どうだった?
琴子/……見たものをそのまま説明します。女の人、見えました。
灯也/女の人が……? 何者だろ……。
琴子/誰かがゴーレムっぽいものを操っているっていうのは判ったわね。……戻ろうか。
GM/じゃあ、一旦人通りの少ないところからキャンパスに2人は戻って来ます。そのとき……「あれ、多中だ!?」と、聞いたことがあるような声がする。
灯也/えっ?
GM/その声は、祭さんではなく……彼女といつも一緒に居た……。
奏志/……鈴木さん!?
灯也/ああ、いつも矢島さんといた……。鈴木さん、久しぶり!
GM/「ああっ、昨日祭が多中に会ったって言ってたよ! やっぱこの辺で就職してたんだー! そっちの子は多中の妹?」
琴子/どうも、こんにちはーっ!
灯也/え、うん、まあ(笑) ……鈴木さんはどうしてここに?
GM/「あ、聞いてない? ここの大学の事務に就職したんだよ」……そんな彼女の胸のネームプレートは、まだ研修バッチが取れていない。
灯也/そっか。「毎日会ってる」って言ってたのはそれもあるのか。
GM/「偶然にも祭とは住んでるマンションも同じなんだよ。ほら、あそこ、N市マンション街」
灯也/そうか、あそこに住んでるんだ……。
GM/「……あのさ。多中って結構祭とコンタクト取る?」
灯也/いや、昨日たまたま会って……久々に話しただけだけど?
GM/「……そっか……じゃあ判らないかな」
灯也/……何か?
GM/「……うーん」。……鈴木さんは、何かを言うか言わぬか悩んでいるような素振りを見せます。話させるなら、交渉判定として【理知】で判定してください。
灯也/交渉なら≪勇気の瞳≫を使用します!
琴子/眼鏡を掛けた誠実な目で見つめるんだ!
灯也/ええっ!?(ころころ)……達成値は、11です。
GM/11なら成功です。「多中って……昔から頼りになる奴だったしね。それならちょっと話していいかな」
灯也/うん、何?
GM/「……祭が、最近……変な人に会っていたっぽいんだよ」
灯也/変な人?
GM/「ただでさえあの子、交友関係広いからどんな人に会っていてもあんまり驚かなかったけど……。あっ、不安にさせるようなことを言ってゴメン!」
灯也/いや……でも、変なことに巻き込まれていたら困るからね。
琴子/……。子供っぽく手を上げてみる。はーい。
GM/「あ、なーに?」
琴子/あのー。同級生なのに、なんで矢島さんだけ大学生なんですかー?
灯也/あ……。
GM/「……それはね、『大人になってから落ち込むと、立ち直るのに時間が掛かる』からだよ」
琴子/……ふーん。
GM/「……それじゃあ、オープンキャンパスの手伝いがあるから行くね! あ、その前に多中、メアド交換しておこ!」
灯也/う、うん。……なんか一気に女性の連絡先が増えたなぁ。
琴子/1人登録すると一気に増えるもんだからね(笑)

 2日目の情報収集は終了。
 ぐっすり休んで全員1D6点回復を完了させた。
 そうして時は5月3日に移行する……。



 ●ミドルフェイズ4 〜5月3日その1〜

GM/5月3日になりました。灯也と奏志は今夜、彼女と付き合う予定があります。それまで自由に情報収集をどうぞ。
奏志/オレ、今日の飲み会に行ってもいいのかなー?
灯也/来てくれよ。……このままだと僕が襲われる……だけならまだしも、矢島さんが襲われる可能性もあるかもしれないだろ。
琴子/……夜になったら2人が食べに行って、アイザックと琴子は隠れて追っていくのもアリだよね。
アイザック/今夜は万全な状態になっておかなければならないな。……コネを使ったせいで【HP】が減っているのが残念だ。
琴子/あ、それなら……琴子の≪食物錬成≫でおにぎりを作ったことにします! 【HP】を3点回復してください!
アイザック/お、ありがたい。頂く。
GM/朝、みんなでおにぎりをもぐもぐと食べながら情報整理してるんだね(笑)
奏志/……昨日、琴子が見たっていう『体を抑えていた女性』っていうのが凄く気になるな。
灯也/うん。あと、鈴木さんが言っていた『矢島さんが会っていた変な人』っていうのも気になる……。
奏志/……素直に祭が気になるって言っちゃえよ!(笑)
琴子/ウダウダしてると、琴子が勝手に「君のこと心配だよ」ってメールしちゃうわよ!(笑)
灯也/打ってくれても……送信できないままじっとしちゃうよ……。
アイザック/なんだそんなもん、私が押してやる! ピッ!(笑)
奏志/あ、送信しちゃった!?(笑)
GM/「今日よろしくね」って感じのメールを頂きましたとさ(笑) それじゃあ今日する行動の宣言をしてください……。

 こうして5月3日の情報収集は……。
@灯也とアイザックで、N市マンション街を捜索。
A奏志と琴子で、N市オフィス街を捜索。


GM/ではまず、先にマンション街に行った灯也とアイザックのシーンをしようか。
アイザック/さっき送ったメールの返信は返ってきませんかね?
GM/そうだな……これは灯也の運だな。【幸運】判定で10以上で返信が貰えるよ。
灯也/(ころころ)お……達成値15です。
GM/高いな、オイ。……灯也が携帯電話を気にしていると返信が来たよ。『心配しなくていいよ』という、気遣ってくれたことに対してフォローするような返事だ。
アイザック/……もう電話した方が早くないか?
灯也/電話するって、矢島さん本人にですか?
奏志/……鈴木さんでもいいんじゃね?
灯也/……うーん、そうだなぁ……じゃあ、サイコロで誰に電話するか決めますね。奇数が出たら矢島さんで、偶数だったら鈴木さんです。
琴子/で、1か6が出たら敵全員に攻撃。
灯也/(ころころ)……6が出ちゃったよ!(笑)
アイザック/ゴーレム全員に電話かけちゃった!?(一同笑)
奏志/いやいや、偶数だから鈴木さんの方に電話するんだよな! 琴子が変なこと言ってゴメンナサイ!(笑)
GM/……それでは、灯也くんは鈴木さんに電話をします。昨日、休日出勤だったから普通にお休みだし電話は取るよ。(電話先の鈴木になって)「多中、どうしたの?」
灯也/その、昨日のことで気になったんだけど……。
GM/「祭のこと?」
灯也/うん。変な人って……どんな人なのか詳しく言える?
GM/「……こっちも直接会った訳じゃないから判らないけど。多中さ、祭がフィギュアやっていたコト、覚えてる?」
灯也/……うん。
GM/「フィギュアを辞めた理由は怪我だって本人は言ってたかな?」
灯也/そう聞いたけど……。
GM/「それだけじゃないんだよ。……人間関係がイザコザしててさ」
灯也/……人間関係。
GM/「高2のとき、同じ学校に……同じぐらいの能力とスター性を持った子がいたんだ。名前は渋谷千速(しぶや・ちはや)さん。良きライバルだって私は聞いていたけれど……彼女、ある日……植物人間になっちゃったの」
灯也/…………。
GM/「同じ学校で、常に争い合っていた子がそんな目にあって……。祭が、渋谷千速さんと仲良かったか悪かったかは知らないけど……目覚めなくなった渋谷千速さんの話をするたびに落ち込んでいってさ」
灯也/それは……きっと仲良かったのかな。
GM/「わからない。その頃、祭は練習中に足を挫いた。どれくらいの怪我なのかは判らない。けど気落ちした祭は怪我を理由にフィギュアをやめた。ずっと落ち込んで何年も経っちゃった。……今みたいに元気になったのって、結構経ってからなんだよ」
灯也/……そうだったんだ。
GM/「今は『プロの選手じゃなくてプロのカウンセラーになる!』って大学で勉強してるけど……。で、1週間か2週間前にね。……高校生の時のことを匂わすような会話を、私としたの」
灯也/……高校生の時のこと?
GM/「『渋谷千速関係の人と会ってくる』みたいなことを言ってたの。……そのときは親御さんや御親戚、お友達に会いに行くのかなって思ってた。でもその日以来、祭が帰って来る日が遅くなった。それに……もし親御さんに会うだけならそのまま私に『渋谷さんのお母さんに会ってきたよ』って話すと思うんだ! ……私が問い質しても、誤魔化すようにしか言ってくれないの」
灯也/……。ありがとう。ちゃんと詳しく聞けて良かったよ。
GM/「……一応この話、内緒にしておいてね。鈴木が言ってたって黙っておいてよ」
灯也/うん。話してくれてありがとう。
GM/「あのさ、多中。祭、一度気持ちを持ち直したんだよ。今、明るく元気に大学通ってる」
灯也/う、うん。
GM/「でも周囲の友人達はみんな一足先に社会人になって、祭的には置いていかれて、だからもう一度気落ちしちゃったんだと思うんだ。……同窓会の話も、昔の友達と会えば喜ぶかなって思ったから。だから多中、祭に気があるんだったら慰めてあげてよ」
灯也/あ……うん。頑張ってみる。
GM/「それだけで彼女、幸せになれるよ」……そう言って、鈴木さんは電話を切ります。
灯也/……ぷちっ。
アイザック/……耳を近付けて、その話を聞いています。
灯也/あの……アイザックさん。
アイザック/……1つの可能性が思い立ったから言うぞ。『渋谷千速が植物人間になった』……コレ、今回の事件と似てないか?
灯也/うん、僕もそう思います。
アイザック/そのことに矢島祭は、外に出られないほど心を痛めてしまったと。……もし、矢島祭本人がそのつもりが無くても、渋谷千速を植物人間にしてしまったとしたら……どうなんだろう。
灯也/……え。
アイザック/『矢島祭が能力者である』可能性があるんじゃないかな。
灯也/……彼女が? そう……ですかね。それと、『渋谷さん関係に会いに行く』って気になりますよね……。
アイザック/……私は速見に連絡してみよう。今から教会に戻って調べていては間に合わんからな。

 一方その頃。
 オフィス街にやって来たご兄妹は……。

奏志/事件現場は多分この辺り!
琴子/ちゃんと資料貰ってきたよね!?
奏志/多分大丈夫!
琴子/ちゃんと自信を持ってレディを引っ張って! ……ということで、現場で≪過去視≫を使いますよ。お兄ちゃん、気持ちだけでも応援して!
奏志/なら、契約するー?(笑)
琴子/……ん。

 契約について。
 キャラクターは主従関係を結ぶことができます。このとき、どちらが主(マスター)でどちらが僕べ(サーヴァント)か決定します。マスターはサーヴァントに対して、3回まで『シーン強制登場』『シーン強制退場』『達成値+20』をすることができます。
 サーヴァントは複数のマスターに仕えることはできませんが、マスターは複数のサーヴァントを従えることが出来ます。


奏志/……しちゃう?
琴子/……お兄ちゃん。これから夜になったら危ないかもしれない所に行くんだよね?
奏志/ああ、そうだな。
琴子/危ないと思ったらすぐに琴子のことを呼んで。……パッと手を出します。
奏志/……判った。GM、琴子と契約します!
GM/了解しました。どっちがマスターで、どっちがサーヴァントになりますか? 具体的に言うと攻撃に+20と回復に+20、どっちかになります。
アイザック/これは……回復かな?
奏志/ダメージは3人いるけど回復は1人ですし、ありがたいと思います。
琴子/じゃあ琴子が下になります。……もう一度言うけど、ちゃんとレディを引っ張ってね。マスターお兄ちゃん、サーヴァント妹になります!
GM/……妹使役か。
琴子/お兄ちゃんご主人さま! これで男性ユーザー大喜び!(一同笑) じゃあ≪過去視≫を使います。(ころころ)18です。
GM/18は高い、ほぼ鮮明に見えることが出来るね。……琴子のビジョンに映し出されるのは、30代男性だ。夜、残業ツライぜーとオフィスから出てくる男性……。
琴子/ゴールデンウィーク前の辛い現場ですね。
アイザック/目が覚めたらゴールデンウィーク終わってるぞ、この人。
琴子/……悲しい(笑)

 1人で歩く夜道。……男性のもとに、多くの『何か』達が襲い掛かる。
 腕を振りかざし、男性の頭を狙う。男性は血を流すことなく倒れ……魂を抜かれていった。


GM/ビジョンを見ている琴子ちゃん限定で、【理知】判定をしてみましょう。達成値は8で。
琴子/(ころころ)9です。
GM/それならなんとなーく判る。あの攻撃方法ってもしかしたら……≪魂を纏う腕≫じゃないかなぁ?
琴子/[霊媒師]の? ……最初、琴子も取得しようと思ったんだ。
GM/≪魂を纏う腕≫は、本来は『下級霊の魂を使役し攻撃させる』ものですが、簡単に言うと霊力ダメージ……つまり精神内にダメージを与える攻撃でございます。被害者が血を出さないのは、物理的な攻撃ではないからです。
琴子/……また女性の影は見えますか?
GM/見えるね。……男性を昏倒させた後、魂を奪い取ったらしい『彼女』は……苦痛に満ちた顔をしている。決して喜んでやっているようではない、そんな表情が見えてくる。
琴子/……接続を切ります。琴子さんがログアウトしたようです。
奏志/ど、どうしたの?
琴子/説明します。……どうやら、好き好んでやっているようじゃないみたい。お兄ちゃん、同じぐらいの年の女性に会いに行くんだから気を付けてね。
アイザック/じゃあそのうち、アイザックからのメールが2人にも届きます。
琴子/あ、ちょうどよく今来たー。
GM/琴子ちゃんがメールを開きます。そのとき……後ろから「ああ、ここを調べてたの?」と速見さんの声。
琴子/どきー。
奏志/あ、お疲れ様でーす。速見さんもこの辺を捜索ですか?
GM/「ええ、ワタシもエージェントの1人だからね。……何か判ったことがあるの?」
琴子/とりあえず……今まであがった彼らの情報を話します。
GM/どんな情報?
琴子/矢島祭さんのこととか。渋谷千速さんという人と関係があるらしいということとか。彼女が植物人間になっているということで祭さんがダメージを受けてて、なんかここんとこ落ち込んでいるらしいとか。この事件でこんな感じの若い女性が使役していてとか……。
奏志/ブワーッと妹が話します。しっかりしてるなぁ(笑)
GM/「……真面目に調べているのね」とフンフン聞きます。「じゃあ……その話だとやっぱり、矢島祭さんっていう女性が怪しいわね」
琴子/少なくとも関係はあると思うわ。
奏志/あまり疑いたくはないけどなー。
GM/「そう……怪しいと判ったなら警戒してみるわ。こちらも色々と調べてみるから」と速見は言います。「お話、ありがと。貴方達も、今夜は今夜で予定があるんでしょ?」
奏志/はい。……オレ、実際に矢島祭に会いに行きます。
GM/「頑張ってね。ワタシは全面的にこちらも頑張るから」……シーンアウトします。
アイザック/そこにアイザックからまったく同じ電話がいく、と(笑)
GM/アイザックさん、特別にシーン作っておく?
アイザック/え? はい。……なんだ、お前ももう聞いてたのか。
GM/「今さっき聞いたところよ」
アイザック/先程と重複する説明をざっとします。……矢島祭、渋谷千速の関係者が異端の可能性がある。それを教会で調べてもらおうと思ったが、出来るか?
GM/「……『矢島祭が怪しい』と踏んだのならば、こちらも重点的に動けるわ。上出来よ。ありがとう」
アイザック/とりあえず、奏志と灯也が約束を取り付けているからそれにはついて行くつもりでいる。
GM/「それじゃあ2人に伝えておいて。厳しく言うわよ。……怪しい人に会いに行くんだから、狩りに行くつもりで行きなさい……って」
アイザック/……判った。二度手間かけさせてすまなかったな。電話を切ります。