アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/Phantasmagoria
■ 第1ループ1話 『 One day 』 2ページ ■
2009年9月24日




 ●ミドルフェイズ1/February 3rd Scene 1

GM/ではでは、PC2のシーンにいこう。
相馬/リストラされる場面ですか?(笑) ……退屈じゃ。あまりにも暇すぎるので、藤原を呼びます。おい、藤原! 藤原はおらんか!
GM/バーサーカーとして召喚され48時間……2日ほど暮らしても、まだ戦は始まらない。藤原は呼べばパッと現れます。「どうか致しましたか?」
相馬/つまらん。戦はまだなのか!
GM/「おそらく……あと1体召喚されれば今夜中には始まるでしょう」
相馬/そうか、他はもう揃っておるのか。
GM/この2日間で1人、また1人と増えていったんでしょうね。キャスターも別の屋敷で召喚されたようだし。「今現在は力を温存しておくに越したことはありません」
相馬/もう休養はよい。ワシは飽きた! 早よ召喚せい!
GM/困った顔を藤原がした…………とき!
相馬/むっ……?
GM/胸がドクンと鼓動を打つ。なんだ、この胸騒ぎは? これは、良い知らせだ!
相馬/ほう……これは、まさか?
GM/そして、藤原も胸を抑えているところを見ると、彼の腕も光り出します。「やっとこの時が訪れたようです。これは戦が始まるという鐘の音です」
相馬/そうか。ニヤリと笑います。早く戦いを楽しみたいものじゃ。
GM/では、その夜。早速貴方は藤原の屋敷を出た。深夜……2月のヒンヤリと澄みきった夜風に当たる。だけれどもこの一帯がパリパリと魔力じみた空気で満たされているように見えた。
相馬/胸騒ぎがするのう……。おい藤原、何処におる?
GM/呼べば藤原はスッと現れます。「先程まで周囲を見ておりました。どうやらこの辺りは敵の姿は見当たらないようですね」と藤原は姿を消して街を散策しますが……。回避判定をお願いします。
相馬/回避判定……2D6+【回避値】か。(ころころ)11。
GM/(ころころ)あ、1ゾロ……ファンブルだ。では背後から下手な攻撃が来ます!
相馬/何奴っ!?
GM/振り返る。そこには姿は無い。しかし……そんな下手な『矢』……どこで撃っているかも知らせてしまうようなものだ。
相馬/矢?
GM/いや、何か衝撃波の一閃が遠い距離から放たれたみたい。ずっと遠く、でもサーヴァントの目には見える……あのビルの上から殺気を向けている姿を!
相馬/アーチャーか! そこか……駆け出します!
GM/演出的に飛んで行くのをアリにしましょう(笑) ひょいっと跳んで行く相馬。あっという間にビルの上に駆けつける! 屋上に颯爽と降り立つが、姿が見えない。
相馬/移動したか? フン、逃げ足の速い奴じゃ……。
GM/しかしまた改めて一発、衝撃波が! 今度は近場から、相馬の後ろを掠める!
相馬/間一髪で避けて、敵を捕らえようとする! 敵の姿を察知して攻撃をしかける!
GM/じゃあ、【体力】か【反射】判定かな。難易度は9。
相馬/【体力】で!(ころころ)13、日本刀でガッと斬りかかる!
GM/何者かの影が……相馬の刀を、何か、長いもので受け止める!
相馬/ギリギリと力を込めていきます!
GM/「あわ、わ、わっ……!」と、若い声が上がる。
相馬/なんじゃ……まだガキか。童とはいえ、ワシに刃を向けたとあっては生かしちゃおけん!
GM/「ガキで……何が悪いかっ! こっちだって勝つために戦に参加してるんだ!」。少年は叫んでピョンと飛躍すると……その場、エンゲージから離脱します。そして間合いを取ってから、棒のような武器を構える。
相馬/ぼう? ……ボウガン?
GM/いや、棒術の棒。外見は15歳ほどの少年で、赤とか結構色彩豊かな服装をしている若い姿だ。「そっちは剣を持っているから……セイバー?」
相馬/セイバーか。……知る必要も無かろう、貴様はここで果てるのだからな!
GM/少年はプンと頬を膨らませます。「同じような言葉そっちに返すからね! 誰かは判らないけど、早速一人目の脱落者、オジサンに決めさせてもらうよ!」
相馬/ぬかせ小僧がッ!
GM/刀を抜くバーサーカー。棒を構えてダッと走りだす少年。そのような戦いが始めようとしていた…………ときに。
相馬/とき?
GM/カッ! 眩しい光が周囲を包み込む。
相馬/バッと目を抑える!
GM/「うわっ!?」と少年も声を上げる。同時に、相馬は脱力感に襲われる。
相馬/なっ!? ……刀を突き刺して、どうにか耐えようとします!
GM/「な、な……なにこれ!?」。少年の方も驚いているね。この脱力感は何だろう……何か、強い力が抜けていくような気がする。
相馬/周りを確認しようとする!
GM/ここはビルの屋上。自分達以外誰も居る訳がない。そして……何か『繋がり』が薄れていくような気がした。
相馬/な、なんじゃ……繋がりが薄れていく?
GM/契約が解除されたような。
相馬/契約解除、だと!? ……アーチャーもか!?
GM/少年も「ええっ!? まさかこのタイミングで!? ありえないっ!」と凄く驚いている。彼も解除されたようだ……契約解除された英霊は、この世に留まることが難しくなって弱体化していく。驚くのも無理は無い。
相馬/すぐには消えないが、なんと……。
GM/「オジサン! タンマタンマ!」
相馬/……ここはお互い一旦引いた方が良さそうじゃのう。ジャキンと日本刀をしまう。
GM/「う、うん……そうだよね! 心遣いすっごく感謝しまーす!」と手のひら返しします。
相馬/そう言う少年に何も言わず藤原を探そうとします。……藤原!
GM/……なかなか出てきません。何度声を掛けようとも。
相馬/藤原! ……名を叫んでも返ってこない?
GM/うん、一切。今まで声を掛ければすぐに「何か用ですか?」と出てきたのに。……貴方達英霊はマスターと繋がることでこの世に留まっていられるのに、応対もしないなんて……。
相馬/藤原……? まさか、マスターが死亡したとか?
GM/契約が解除されたという事実しか判りません。
相馬/何にも判らんか……。おのれ、手こずらせよって。藤原、何処におる!?
航/……どっかでアーチャーっぽい子も「マスターどーこー!?」とやってると思うとトキメくわ(笑)
GM/……では一方その頃、八木沼さん家。よーしこれから聖杯戦争が始まるぞー!
盟/やったー!
GM/思った瞬間に、力が無くなったのが判った。
盟/え。……はぁ!? 無い! 刻印無い!? ……弥生いるよね!? え、どっか隠れているだけだよね、ほらご飯だよ弥生ー!
GM/じゃあ【知覚】判定を。難易度はやや難しいから12。
盟/(ころころ)……あ、ファンブリました! わあ、一番最初の判定でファンブルって初めてだ(笑)
GM/おめでとう(笑) ……ファンブった盟の背中に、『何か』が突きつけられているのが判ります。
盟/……ハンドアップ。や、よ、い?
GM/「ええ、そうですよ。……盟さん」
盟/……やよいぃっ!? な、なんで!? なんでなんで……えーと!?
GM/「いや、もうアナタ……マスターじゃないでしょ。だって腕、何も無い」と、ハンドアップした腕を、突きつけて無いもう片方の腕で指差します。
盟/だよねー……。えーと、それで……弥生は僕のこと殺す気なのかな……?
GM/「んー。そうですね、アナタよりもっとボクに合った良いマスターがいると思うんです」
盟/うーわー腹立つー(笑)
GM/こういう男はダメですか。
盟/いいキャラです、超好きです(笑)
GM/「でも、殺すのは惜しいかな? 盟さんは2日間だけだけど美味しい御飯を食べさせてくれましたから。……どっちの腕を残したいですか?」
盟/……好きな方を持っていけばいい。どうせ僕は腕力なんか無いんだ。好きな方を選べよ。
GM/「……抵抗しないんですか?」。後ろから意外そうな声で言います。
盟/……だって、お前が強い奴だっていうのは初対面で判ったんだ。僕なんかが抵抗したって仕方がないだろ。
GM/「…………」。
盟/……それぐらい、優秀な僕だからこそ判っている!
GM/「……んふー。意外だね、ヤメロとか命乞いをするかと思った」
盟/このプライドの高い僕が無粋な真似できる訳ないだろう! ふざけたように言うけど手が震えてます(笑)
GM/かーわーいー!」(笑)
盟/な、なんだ! やるならやれ、痛くはするな!(笑)
GM/「……アナタを配下にしても面白いだけでヤメておきましょう」。パチン! 何かを弾く音がする。どうやら拘束の術を使ったようですね。
盟/なっ……。
GM/途端、体は動かなくなる。動かなくなった体の前に……視界の前に入って来る弥生。
盟/う……。目線で追おうとします。
GM/懐中時計を見て、パタンと閉めて、窓から帰っていきますね。「盟さんは面白いキャラクターなんですから、死ぬのはもったいないですよ」。窓からカラッと出て、ぴょこぴょこ出て行きますよ。「じゃ、サヨナラ」
盟/すごい……上から目線だ(笑) 弥生……。名前を言います。
GM/「何か? 最期に伝えたいことでも?」
盟/……お前の夢が叶うといいな。負けないけどなっ! 固まったまま言います。
GM/「……ふふっ。誰かがアナタの手を取ってくれるといいですね」。ぴょいーんと窓から出て行きました。
盟/……一人で泣いてます。
GM/1分ぐらい経った後でしょうか。彼がとっても遠い所に行ったところで、貴方はパタンと倒れ込む。体が動けるようになります。
航/ヘンリーとロザリーがドアの向こうから「おぼっちゃま!」ってやって来るんだな。
GM/「まあ、こんなに疲れた顔をして! ホットミルクをご用意致します!」(笑) それとヘンリーが「いかがなされました?」
盟/なんでもない……猫がどっか行っちゃっただけだ。


 ●ミドルフェイズ2/February 4th Scene 1

GM/航と亜紀と祐希のシーンです。……さて、どうしようか。
亜紀/どうしようかというのは?
GM/夜の公園でシーンを立てたいの。……なんか自由にシーン立ててくれる?
亜紀/じゃあ……テストが終わった! よし、博物館に行こう!
航/俺達は自由だー! フリーダームー!(笑)
亜紀/受験終わった奴らを後目にすごすごと教室を去ろうとします。ゴメンなー。
相馬/いきなりクラスメイトになって)「お前が憎い、憎いぃ……! 俺の進路、予備校だ!」
亜紀/許してー!(笑) これから野郎と博物館行くだけだからー!
航/そこに空気読まずに早乙女先輩ー! どうせ受験終わっちゃって暇だろー、公園行こうぜー!」
亜紀/だあぁっ、トーンを抑えろー! デリケートな奴らがいるんだからー!(笑)
GM/……ということで、西郷どんの前で待ち合わせしましょう。航と亜紀が暫く待っていると祐希が遅れてやって来ます。「すみません早乙女先輩、遅れてしまって」
亜紀/いいよいいい、全然気にしなーい。国立博物館だっけ? あー、やっぱりじーちゃんばーちゃんが多いなー。
航/平日だしなー。ねえ、アレ何?
亜紀/音声ガイドによるとどーのこーのがー。
航/そうだ、音声ガイドに訊けばいいんだ。貸して貸してー。祐希の耳にも付けたりしながら。
亜紀/航と亜紀で音声ガイドを2つ持って、両方のイヤホンを祐希の耳に入れる!
GM/ステレオ……きもちわるい……」(笑)
航/で、博物館終わったらカラオケ行こうぜ! 試験中行きたかったけど行けなかったから! 30%オフ券あるし!
亜紀/カラオケで夜遅くまで騒ぐ! ……あ、そろそろ俺、門限だから帰らなきゃ。食いっぱぐれちゃう。
航/あ、そっか。じゃあもう帰るかー。
GM/カラオケを出て、いつもの途中まで一緒な帰り道を行く。……3人以外、人が少なくなった夜道で……【知覚】判定、難易度は9。
亜紀/【知覚】か。(ころころ)14で成功です。
航/(ころころ)こちらも12で成功。
GM/……2人の耳に、「ぎゃーっ!」という男性の叫び声が聞こえた。
亜紀/えっ、男の叫び声……?
GM/祐希は気付かなかったことにします。そのまま何事もなくスタスタ行ってしまいます。
航/ゆ、祐希! 今の聞こえなかったか?
GM/「……どうしたの?」
亜紀/今……男の人のギャーっていう叫び声が! あっちの方から聞こえたみたいだ……。
航/この間、亜紀が遭った通り魔みたいなものかもしれない。……俺、見てくる! 駆け出します! 2人はそこで待っててー!
亜紀/あーっ! ちょ、ちょっと待ってー! 祐希、追うぞ! アイツ1人にしたら何するか判らない!
GM/「はいっ!」と、早乙女先輩について行く祐希。……一番最初にやって来るのは航か。
航/おーい! 誰か居ませんかー!?
GM/……場所は公園、まだ桜は全然咲いていない枯れ木が立ち並ぶ道です。夜だからか人の気配は無い。
航/キョロキョロと辺りを見回して……声はこっちだったかなと走って来ます。
GM/……むあっとする血の匂い。
航/うっ。
GM/いや、血の匂いなんて君は嗅いだことはないだろう。鉄臭さと奇妙な感覚に襲われる。
航/な、なんだ……工事現場みたいな匂い……じゃないよな?
GM/……あそこのライトの下に、人が倒れているように見えた。
航/どうかしました、大丈夫ですかー! 走って駆け寄ってみます!
GM/……女性が仰向けに倒れます。顔から体まで刃物で切り裂かれたように真っ赤です。
航/うえっ!?
亜紀/航ー! こっちかー!?
航/来るなっ! ……なんだっけ、110番、119番……!? 俺が110番をするから亜紀が……!
GM/言葉を遮るように)ではそこで【意志】判定。達成値は、ちょっと難しめの12。
航/【意志】低いんだ!(ころころ)10です!
亜紀/(ころころ)11なんですけど……うわー。
GM/二人とも突如、苦しさを……体が重くなるのを感じた。
亜紀/グッ……な、なんか凄く嫌な感じ……。
航/へ、変なモン見たからかな……亜紀、祐希、大丈夫か?
GM/航が亜紀達の方に振り返ると、……その先の道に、トレンチコート姿の男性が立っている。
航/だ……誰?
GM/判らない。その男が、スタスタとこちらにやって来る。
航/な、なんだ……超怖い!
亜紀/……わ、航! 祐希! 逃げるぞ! 祐希の腕を引っ張ります!
GM/だけれども、祐希はバタンと倒れてしまいます。
亜紀/わっ!? ふ、2人がかりで引き摺りますけど……!
GM/スタスタスタと男性がやって来ます。
航/……前に出て庇います!
亜紀/航っ!?
GM/前に出てきた航を見て……コートの男が口を開く。「……いいのかい? 元気があるなら逃げないのか?」
航/怖っ! でも……前に立って震えながら……置いて逃げるよりはマシだ!
GM/「へえ……すっごい正義漢だねえ……?」
航/正義でもなんでもないよ! 友達が大事なだけだ!
GM/ククッと男が笑う。……航の肩にドスッと何かが刺さります。
航/わあっ!?
GM/刃物だ。未だ感じたことのない痛みが襲いかかってくる。
航/は、歯を食いしばって……耐えながら……睨みます!
亜紀/お、俺の後輩に何をするんだーっ!
GM/「俺の?」
亜紀/幼馴染だ! や、やるならやるぞ、俺だって一応……色々あるんだからな!
GM/「色々? ほう、お前……魔術師の血族か」
亜紀/……だ、だったらなんだっていうんだ!
GM/「マスターを殺した後なんだ」……と、男は下に倒れている女性に一瞬視線をやります。
亜紀/え。……お、おま、マスターを殺したって、どうやって!?
航/え、亜紀……どういうこと?
GM/「マスターがちょっとムカついて……っていうか、意見が合わなくって殺しちゃったんだ。今……俺、拠り所欲しいな」
亜紀/そ、それはご不幸なことで……拠り所ですか……う、ウチには部屋が1つぐらい空いてますが……。
GM/「判らないの?」……刃を向けるね。「ホントに意味が判らない?」
亜紀/判りますっ、大丈夫ですっ! でも……っ!
GM/「嫌か。……拒否するならしょうがない……死んでもらうわ」
航/……俺はわかんねーよ! とりあえず祐希逃げろ!
GM/コートの男が笑った瞬間……。

 ――コートの男が横に振っ飛んでいく。
 隣から何かの大きな衝撃を受けたかのように――!


航/えっ!?
亜紀/わ。……ぽかーん。
GM/君達の前を『誰か』が走り去っていく。そのまま、横に吹っ飛ばしたコートの男の方へ向かい、……突如現れた男が、剣でコートの彼を刺しだす。
航/うわっ!?
GM/そんなに刺したら彼だって死んじゃう……いや、コートの男も応戦し始める。そのまま2人のバトルが始まる。……なんだこれは?
亜紀/すっかり傍観者だ……。
GM/ではここで選択肢。お好きなものをお選びください。

 @ただ戦いを傍観し続ける。
 A3人で同じ方向に逃げる。
 B二手に分かれて逃げる。祐希はどちらかが背負う。
 Cそれ以外(プレイヤーが自由に考える)


亜紀/……は、早く逃げよう! 二手に分かれたように見せかけて別の場所で集合……とか! 手当はそこでやるから! 俺が無傷だから祐希を背負って行くよ!
航/おっけ! 後で落ち合おう! ……ということで、亜紀&祐希ペアと航の単独で逃げることにします。
GM/了解。では一旦シーンを切ります……。


 ●ミドルフェイズ3/February 4th Scene 2

GM/航は肩から流れる血を抑えて1人で逃げます。
航/ちくしょー……後で説明しろよ……。
GM/目の前にコートの男。
航/わあーっ!?(笑) ホラー! 凄い怖かった、今!
GM/「ヤッホー。……一応ね、世間には顔出しはしちゃいけないっていうルールになっているもんでね……俺の顔を見られちゃ困るってことよ」と、航には意味の判らないことを言う。
航/ルールって何だよ!? ワケわかんねーよ! 社会のルール的にまず人殺しがアウトだろ!? ……でもこっちにコイツが居るってことは、祐希と亜紀は無事だな。
GM/無事だね。さっき助けてくれた人の方が2人を襲っていなければ。
航/……2人はあっちに向かっている。2人から離れる方向にフラフラ逃げようとします!
GM/フラフラと追いかけます。
航/ちくしょー、楽しそうじゃねえか!(笑)
GM/「もう殺すことは決めたからねー……今のターゲットはお前1人。他の人に見つからないようにお前殺せばいい」。ザク! 今度は刃物が足を傷つける!
航/バタンと顔面から倒れます。……っ!
GM/刃物を足に投げて命中させたみたいだ。……倒れたところを、コツコツと君を追い詰める足音が近付いてくる。
航/向き合って……立ち上がろうとします! その辺にあった棒を、とりあえず持って……!
GM/「フツーにそのまま死んじまうってワカラナイ? それでも抗ってみたいタイプ?」
航/大人しく死ぬより100倍マシだろ!
GM/「そうかい。……そうやって正義面してるの、ザックザクにしてやんよ」
航/ザックザクに……されたくねーよ! 棒を構えて、時間稼ぎでもなれば……!
GM/では、そこに……「もう一度やられなければ判らないか!」と違う声が入ってくる。
航/おっ……。
GM/航の目の前に、さっき助けてくれた男性が立つ。コートの男と対立するかのように。
航/さっきの……?
GM/「俺の前から逃げたのに、一般人の前ではそんなコトするのか!」……剣を持った男が言う。
航/アンタら……。
GM/剣の男性が後ろ……航の方を振り返る。
航/一体……。
GM/「君……」
航/ん……?
GM/「生きたい? 死にたい?」
航/…………死にたくない!
GM/「じゃあ……手を取って! 契約しよう!
航/……ぱんっと手を取ります!
GM/次の瞬間、バァッと周囲に光が舞う。……航の減少していた【HP】が上昇していく。1寸前だったものが極限まで回復するかのように。
航/わっ……!?
GM/心の中で「このまま死ぬ事はない」という確信を持つ。そして彼と手を取った瞬間……あのザクザクと貴方を傷つけたコートの男は負けると確信した。
航/アンタは……。
GM/戦闘が始まります! 省略します!(一同爆笑)

 アニメ1話だったら未熟な主人公を前に超人達のバトルでエンディングテーマに向かいそうなシーンですが、TRPGでは単なるNPC描写。全カットします(笑)

GM/剣の男の攻撃に、コートの男は舌打ちする。「分が悪い……」。そう言い残して、物音を立てずにシーンから退場します。
航/棒をついてガクンと崩れ落ちます。
GM/「平気? 大丈夫だよね、今さっき俺の力を与えたんだから」
航/大丈夫だけど……精神的に無理だ。……そうだ、亜紀と祐希は!? もう2人俺と一緒に居た奴、アイツら無事か!?
GM/「きっと大丈夫だよ」
航/本当だなっ?
GM/「ああ、俺を信じて」
航/…………。誰か知らないけど、ありがとう。
GM/「ごめん、傷を癒すだけで俺は限界だから……でも、君が無事で良かった」。笑顔で言います……それがひまわりのような笑顔で。
航/ああ……そのまま……意識を失っておきます。

 一方その頃。祐希を担いで逃げてきた亜紀は……。

亜紀/航来ないよ、どうしよう!? 30分経っても来ないし、航を探しに行こうかな!? とりあえず祐希を家に……。
GM/ヨタヨタと祐希を引きずって……祐希の家まで行きますか?
亜紀/はいっ。祐希、お前は休もうな……。
GM/「早乙女先輩、ごめん……歩けなくてホントにごめんなさい」
亜紀/ううん、いい。いいよ。大丈夫、背負うぐらいならできるから!
GM/祐希の家の前まで来ます。櫻庭の家は一軒家で、比較的歴史のあるような日本家屋です。
亜紀/祐希、いいトコ住んでるなー……って違う!(笑) 調子はどうだ?
GM/「……大丈夫です。それよりも……」。祐希は携帯電話で何度も航にかけますが、応対は無いようです。お留守番サービスに接続されてしまうらしい。
亜紀/俺、やっぱり探してくる!
GM/「……ごめんなさい」
亜紀/ううん、そんなことない! 祐希はゆっくり家出休んでいろよ!
GM/そのとき。……祐希の、櫻庭の家から誰か人が出てきた。
亜紀/どちら様?
GM/見たことがない人だ。
亜紀/……10年も付き合っているのに? 祐希、あれって誰?
GM/その姿を見て、黙る。「……航を、探してください。早乙女先輩」と、中に入って行きます。
亜紀/う、うん。判った。……あれ、聞きそびれちゃった。でも航を探しに行かなきゃー!
GM/じゃあ亜紀の視界の端で……その男性が、祐希を、……引き摺るように家の中へ乱暴に連れて行った。
亜紀/えっ!? もっと優しく扱ってー!


 ●ミドルフェイズ4/February 4th Scene 3

GM/ではでは、ついにPC4人集合のシーンをやります。相馬さんは【MP】を減らした状態で彷徨っていて、盟も公園に来るようにしてくれると助かります。
盟/はーい。さっきドタバタしてたのを調べるためと、弥生がいないかを≪望淵鏡≫を使って探してまーす。
GM/で、亜紀は航の元に駆け付ける、と。……一番最初のシーンは航です。意識を失っている状態から目を覚ましてください。
航/……あー、さっきまでの痛いのは夢! 夢から覚めたら俺はバイトの途中!
盟/寝るなよ、バイトの途中で。腹立たしい!(笑)
GM/航は目を開けると……夜空が見えた。どうやらベンチで寝ているらしい。
航/はあ……ホームレスは嫌だ……。
GM/ぬるりと立ち上がる。すると……視界に、自動販売機の前で「コンコン! 入ってませんかー?」って言ってる男性が入った。
航/……多分、入ってない。自動販売機だから。
GM/「でもコレ、売り物なんだろ?」
航/……ゴソゴソと財布を取り出します。どれが欲しいんだ?
GM/「君が一番好きなやつ。君に飲ましたくてコンコンしてたんだ」
航/…………。じゃあそうだな、あったかいコーヒーにしよう。ガチャン。
GM/「コレでいいの? ……ハイ、どうぞ!」
航/ありがとう。で、お前はどれがいい?
GM/「ん? あ、俺は飲まなくても平気」
航/お前に飲ませたくて言ってるんだよ。……お礼ぐらいさせろ、120円だけど!
GM/「じゃあ……この紫色のボンキュッポンな瓶?」
航/ファンタグレープか(笑) ガチャっと……冷たいけど、やるよ。
GM/「コレがジュースだよね。うわ、口の中がシュワってしたー!」
航/炭酸とか飲んだことないのか……なんだコイツ。よく判んないけど、ありがとう。
GM/「ありがとう? ああ、君は巻き込まれたみたいだね」
航/アンタに助けてもらえたんだよな、俺。あそこでアンタが来てくれなかったら……考えたくないけど。
GM/「死んでいただろうね」
航/……ぶるぶる。
GM/……では。亜紀、シーンに出てきてください。
亜紀/わ、航ーっ! ぶわってなりながら走ってきます!
航/亜紀……? 無事だったか!
亜紀/良かったー……って、うわ!? 誰か居るっ!
GM/亜紀が現れた瞬間、男は剣をバッと出す。
亜紀/あ、俺は航の知り合いで……!
GM/「敵がいる!」と……とある方向を差す。(相馬のプレイヤーの方を見ながら
相馬/出てきていいですか?(笑) ……若干【MP】カツカツでボロボロになりながら……。ほう、おぬし、相当のてだれのようじゃのぉ。
GM/「東洋のサムライか……そちらも、もう戦闘を始めたところか」
相馬/ふん、戦闘……今は一休みというところじゃ。
GM/「弱っている。今のうちに討っておいた方がいい……マスター、ご命令を!」
航/…………。
GM/…………。
航/……え、俺に言ったの!?(一同爆笑)
亜紀/ええっ、航っていつの間にマスターになったの!?(笑) 契約したのー!?
GM/先に状況を確認しましょう。公園の林から日本風の武士が出てきました。で、ファンタを飲んでいるのは異国の剣の使い手。でもって何故か判っているような顔をしている亜紀。
航/ベンチ公園サムライ騎士亜紀、なにこれ!?(一同笑)
亜紀/とりあえず殺生はいけない!
航/だな!(笑) ……座ろう! そこのサムライさんも!
相馬/はあ? 敵を前に剣を収めろというのか!?
航/二度も殺し合いを見たくないんだよ! 判った、飲み物なら俺が買うから! はいっ!
盟/じゃあそこで僕が説明してあげよう! まったく、こんな程度の人間がマスターだとは。ハッ、呆れてものが言えないね!
亜紀/うわ、ややこしいのきたー!(笑)
航/八木沼……!? お前、身体検査で俺に勝てないくせに何を……!
盟/はん、テストではいつも僕の方が上だね! この僕に万年赤点がよく言えたものだよ! ……≪賢者の脳髄≫で見たもの全部覚えているから学年首位です。
航/ノイマンずるいです!(笑) む、ムカつくー! ……とりあえず、理解できる説明を要求する。
盟/聖杯って知ってる? 知らないよね。ついて来るといいよ。説明してくれる場所に連れて行ってあげる!
航/……キョロキョロと他の人を見渡す。
GM/「休戦ということでよろしいかな、マスター?」
航/よく判らないけれど……それでオッケー。
盟/そこのサムライ、そっちも『マスターとの契約が突然切れた』んじゃない? 僕も同じだ。
相馬/……その表情に図星を突かれて、チッと舌打ちしますよ。
盟/やっぱりみんな切れたんだ……という顔をしながら、僕の落ち度じゃなかったんだと安心します(笑) 僕も何故いきなり契約が消滅したのか判らない。だから、教会に説明を求めに行きたいと思っていたところだ。
亜紀/教会に……?
盟/ついて来るといいよ。教会がこの緊急事態を判っている筈だから。行こう。
航/……じゃあそうしよう。教会の場所は馴染みある。
盟/大丈夫、黒須なら起きてるさ。
航/……知り合いなのか?
盟/だって、彼が審判者だもの。
航/……はあ? 「こんなこと知っている俺凄いんだぜ」感を出しやがって!(笑)
GM/じゃあ、盟が先導して全員で教会に向かいますか。……数十分後、君達はある教会に入ります。もう日付も変わるほど真夜中……誰も人は居ない教会に5人はやって来る。
亜紀/こ、こんな夜分遅くにすみませーん……。
GM/眼鏡の神父服の男性が出てきます。「……入れ」と、航と亜紀も見たことがある、黒須柊だ。
盟/テキトーに近くに座ります。……ねえ、一体コレってどういうこと?
GM/「……まずはここを判っていない者もいる。彼らに合わせて1から説明しよう」。黒須は航と亜紀の前に立ちます。
航/あ、ああ……一体何がなんなんだ。
GM/「今現在、この地で……聖杯戦争と呼ばれる争いが行われている」
航/聖杯戦争……? なんかのサバゲーか?
GM/「そう思われることもあるな。『マスター』と、マスターが召喚した『英霊』が手を組み、他の者達を排除するという殺し合いだ」
亜紀/殺し合い……。
GM/「『聖杯』とは大昔、とある高名な魔術の家系達が力を合わせ生み出したもの。しかし、生み出したはいいものの、その所有者を巡って争いが起きた」
航/だろうなぁ……。
GM/研究成果いっぱい出しました! 凄いモンできました! で、誰が持つよ? ……喧嘩になりますね。「聖杯を万物の願いを叶える『完全体』にするためには、強力な6つの魂を聖杯の中に封印すること。6つの魂を召喚するためには魔術師がいる。……いつしか、7人の魔術師がお互い召喚した7体の使い魔を戦わせ、勝者した1組がその所有者となるルールが完成した。それが聖杯戦争。……この戦いは、10年単位で行われている」
航/はあ……。
GM/「召喚されるのは『英霊』と呼ばれる者達。……そちらの武士や、戦士がその7人のうちの2人だな。……同じ空間に居るとはおかしいものだ」
航/こ、殺し合わなきゃ……ダメなのか?
相馬/当たり前じゃ。
航/こ、ここをどこだと思ってんだ。教会だぞ!?
盟/聖杯を得るため為の行為は教会は認知している。
航/はあ!? 訳ワカンネーし……。
亜紀/俺達、変な戦いに巻き込まれたよー……こんなことに関係なく静かに暮らしたかったのに、えっぐえっぐ!
GM/「2月3日、最後の1体が召喚され戦争が始まった。しかし……緊急事態が発生した」
亜紀/うん……?
盟/コクリ。……気が付いたときにはマスターの証である『令呪』が、腕から消えていた。繋がりが気迫になっていったんだ。
相馬/……むう……。
GM/(黒須になって)「それに関しては現在調査中だ。まだ24時間しか経っていないため、正確なことは言えない。こちらも何が起こったのか把握できていない状態だ。このようなことは今までの事態になかった。だけれども……戦争はもう始まっている。先ほども……死傷者が出たらしいな」
航/さっきの事件……亜紀と顔を見合わせます。
GM/「我々教会は、聖杯戦争で起こる被害を表世界に公表させないよう隠蔽工作を行っている」
航/この間の亜紀が見たっていうニュースも、妙にそんなに取り上げられなかったのは……教会のおかげ、なのか?
GM/コクリと頷く。「魔術師や異能者の戦いは、この世界では隠さなければならないこととされている」
航/し、知らなかった……。
亜紀/あの……さっき公園で元マスターの人が殺されてたんですけど。
GM/「情報をありがとう」
亜紀/う、うん……。口論して気に入らないから殺しちゃったって……うわ、怖いよう!
GM/「それは……気性の荒い英霊が召喚されたようだな。英霊は歴史に名に残る者から、奇怪な、とても恐ろしい意味で名が残る者もいる。反英雄というものだ」
相馬/…………。
GM/「とにかく、この戦いは内部で行われるべきもの。基本的に一般人を巻き込んでいけないものとしている。巻き込んだら、記憶を削除、もしくは首を狩る」
亜紀/う、うわ……穏便に!
GM/「では……まず航。お前は、その腕を見ると……英霊と契約をしてしまったようだな」
航/……腕を見ます。
GM/気付かなかったけど、変な文様が腕に出ています。
盟/……それをギリギリとした目で見ています。なんであいつがこんな!(笑) 僕はサーヴァントを失ったのに、今まであんな凡人と思っていた奴が……!
航/なんだよその目は! お前だってサーヴァントを連れてんるんだろ!?
盟/そんなものがあったらここまで来ていない。さっきも話しただろ、この低脳が! 全員のサーヴァントが解除された、僕のサーヴァントも解除されたんだ! ……まったく、これだから一度説明しても判らない人間は!
航/む、ムカつく……(笑) 腕の刻印を眺めて……助けてくれた人を見て、ちょっと考えています。
GM/「お前は……聖杯戦争の仕組みも、異端同士のルールも判っていない状態だ。そうだな、何も知らないな?」
航/……頷きます。
GM/「一般の生活に戻ることは可能だ」
航/……どうすれば戻れるんだ?
GM/「その刻印を除去する手術を施し、今日あった記憶一切を消す。その場合、英霊との契約は解除される」
航/……助けてくれた彼を見ます。
GM/金髪の彼が口を開きます。「俺は、君を助けるために契約するのが一番だと思った。……戦いに巻き込まれたくないなら……俺の契約を解除してくれ」
航/い、いいひとだ……。
盟/覚悟の無い人間が入る世界じゃない! ちょうどいい、ここは教会だ。さっさと契約を破棄したまえ!
GM/(黒須になって)「解除しても構わないと彼は言っている。彼は紳士的な男性だ、この場で君の記憶を消しても襲いかかってくることはないだろう」
航/……俺の記憶が消されても、『さっきのコートの奴』がまた狙って来るんじゃないのか?
GM/「お前がこの戦争に全く執着しないことを約束するなら、教会の使者がお前達を守ろう」……具体的に言うと1ヶ月ぐらい、聖杯戦争が終わるまでボディガードがずっと見張ってくれるそうです。記憶が消えているので守られていることも知らずに普通に暮らせます。
航/……さっきの青年の方を見ます。少しまだ悩んでいるけれど……契約は続行だ。
GM/金髪の男が言います。「……いいのかな?」
航/いい。それにまだ、ちゃんとお礼をしてないからな。
GM/「……判った。後でちゃんと話をしよう」。次に、黒須は亜紀の方を向きます。「亜紀はどうする? 魔術師の家系とはいえ、先程の航と同じことをお前にも言おう」
亜紀/う、うう……お、俺は! 航が残るなら……航を守るだけだ。
航/待てよ、そんな無理しなくていいんだぞ!
亜紀/ノー! だって幼稚園からずっと一緒だったんだぞ、ここまでくればもう……! あと祐希を守んなきゃ!
航/そうだよな、一番は祐希だよな。アイツこういうの苦手そうだし……。
GM/では、もう一人狙われて逃げた人間がいるということをここで黒須は聞きます。きっと祐希は教会に守られることでしょう。
盟/はあ……これだから馴れ合いの多い人間は。ジト目で見つつ。
GM/次に、相馬さん。黒須が相馬さんの方を見ます。
相馬/おう、やっとワシの番か。
GM/「このような状況は理解して頂けたか。戦いに勝ちたければまずは新たなマスターを探すことだ。……そこにマスターになりうる人間が3人ばかしいるがな」
相馬/ほう……。
GM/ちなみに、マスターとサーヴァントの契約方法は……。

 マスターになるキャラクターとサーヴァントになるキャラクターが契約に同意した時点で、マスターの体に令呪の刻印が浮かび上がり契約完了となる。キャラクターシートにマスターとサーヴァントの名前を書くこと。
 マスターは複数のサーヴァントと契約することができるが、サーヴァントは複数のマスターとは契約することができない
 また、サーヴァントがサーヴァントを従えることは可能である。


GM/もう誰かと契約している航と契約しても構いません。そして完全にフリーになっている2人もいます。あとは、ここは苦しいけれどここは一人身でいこうという選択もあります。
相馬/そうだな……じゃあ唐突に。そこのおぬし!
盟/うん?
相馬/おぬしでも、おぬしでもいい! ワシと契約しろ!
亜紀/う、うわー……。
盟/願ったりかなったりだね!
航/……いった!?
盟/僕はこんなところで聖杯戦争を降りる気はない。サーヴァントが欲しいんだ。
相馬/ほう……おぬし、覚悟はあるようだな。
盟/もちろん。……そこら辺とは違ってね!
亜紀/うわ、見られた!(笑)
航/馬鹿にするなよ!(笑)
盟/馬鹿にしたつもりはない。だが覚悟もなく巻き込まれたのは事実だろう? 僕の方が聖杯についての知識もある。アイツらよりは役に立つと思うけどね。……この聖杯、2人用なんだ!(笑)
航/あ、亜紀の方は何かアピールすることないのかよ!
亜紀/え……いや、ちょっと殺し合い見ちゃった後だから……。
盟/だよね、これが普通の人の反応(笑) こっちはサーヴァントいないと死活問題だからさ。
航/亜紀のトコに来れば美味しい料理が食えるぞ! 天国にいけるぞ!
盟/死ぬって意味でな!
亜紀/なんてことを言うんだ、俺の料理そこまでマズくないぞ!
相馬/ええい、メシの話などどうでもいい!(笑) ワシが求めるのはこの日ノ本を天下に収める輩じゃ!
盟/クスっと笑います。……日ノ本? 日本だけでいいの? ちっちゃーい!
相馬/なんだと……?
盟/僕はこの世界を従える気でいるよ。日本ぐらいだったら君にあげるよ! それで充分なんでしょ?
相馬/ほほう……おぬし、童のわりにはよう言うのう。……気に入った!
盟/なかなか君も骨のあるサーヴァントみたいじゃない。握手をします。僕の名前は八木沼盟。まぁ、マスターって呼んでよ。ご主人様でもいいよ。
相馬/フンと鼻で笑い、ワシは相馬じゃ。敢えてここは本当の名前は言いません。……契約を完了します!
GM/では盟と相馬さんは、キャラクターシートにお互い契約者の名前を書いてください。(黒須になって)「……説明は以上だ。何か質問があるなら俺のところに来れば教えよう。それと……これから先は外に出たら襲われると思え」
亜紀/……襲われるんですか?
GM/だって記憶消さない宣言したんだよね。守ってくれるボディガードもつけないんだし。
亜紀/そっか。とりあえずあのコートの男に狙われるってことなんだ……。
航/……亜紀、家までは送るぞ。
GM/「特に夜は人がいないから戦いやすく、動くだろう。……昼間でも、誰か人が全然いないのならば争っていい。そんなの街中じゃまずないけどな」
航/……島根とか?
盟/だからお前は島根にどんな印象を抱いてるんだ!(笑) 島根に謝れ!
航/助けてくれた人の方を見て……亜紀を、家まで一緒に守ってくれないか?
GM/(金髪の男になって)「それでいいのかな、マスター」
航/マスター……な、慣れない……。アンタ、一緒に居てくれるのか?
GM/「俺はもう君の手足。君の剣なんだよ」
航/…………。あ、ああ……。


 ●クライマックスフェイズ/February 4th Scene 4

GM/君達が教会の外に出る……と、ライトの先に人影が見える。コート姿の男だ。
亜紀/また!? いきなり!?
航/バッと亜紀の前に出ます! ……アンタ、やめろ!
GM/スタスタ、近寄って来る男性。刃物を手に歩いてきます。「教会の護衛は……ついてないな……殺してもいいってコト?」
亜紀/に、逃げようかな! 教会に……!
GM/「しかし、1体……強烈な護衛がいるな」と、金髪の男性を見ます。「けど、今充分弱ってる……さっさと1体封印しとくか!」
盟/君に新しいマスターをつけられても迷惑なんだよね! と言いながらズカズカと前に出てきます。だからさ、君、ここで消えようよ。いいよね?
相馬/ほう、堂々と敵襲か……久々に腕が鳴るわ。おぬしも聖杯戦争の参加者の一人なんじゃろう?
GM/思いっきり刃物をギラつかせてニヤニヤ笑いながらやってくる。おそらくは聖杯戦争の参加者だろう……じゃなかったら、相当強い通り魔かな。
盟/相当強い通り魔って楽しい言葉だよね(笑・チラッと航達の方を見て)コイツらはすぐにでも出来そうだから、まずは君からじゃない?
亜紀/サラリと凄いこと言われたぞ!(笑)
GM/「おお、ここで一気に2つ封印できれば戦争も好調なスタートになるなぁ……!」
相馬/それはこちらも同じじゃあ! 刀を抜きます。
航/……剣の人をチラリと見ます。
GM/航の肩に手を置いて話し出します。「俺は今……正直、君を回復させたことで力を消耗している。先ほどの戦い……覚えてる?」。ちょっと苦笑いします。
航/だよな……随分俺達を助けるために力を使ってくれたみたいだし。
GM/「俺の力、全部君にあげる。……君が戦ってくれないか」。そう言うと、航の体内に何か力がゴッと湧き上がってきます。そうすると、そのキャラクターシートが使えるようになります。
航/おおっ、やっと!
GM/あ、でも亜紀くんは既に魔術師のキャラクターだから使えるよ(笑)
亜紀/やったー、良かったー(笑)
GM/では、戦闘開始します! 10メートル離れた場所に刃物を持った男がいる状態で、全員目標から10メートル離れています。

 刃物男の【行動値】は9のため、イニシアチブの順番は、盟→相馬→刃物の男→航→亜紀となった。

GM/戦闘スタート! まずは、セットアッププロセス。何かする人いる?
盟/はい。≪魂砕≫を使用して、2D6を霊力ダメージに追加します。
相馬/続いて、≪縛鎖≫。【体力】で判定してこちらが勝利すれば相手の【行動値】に1D6+1下げる技を使います。頼むぞ!(ころころ)よし、達成値16!
GM/(ころころ)こっちも良かったけど13です。【行動値】が下がります。
相馬/(ころころ)なら、マイナス4してください。
GM/9からマイナス4すると5になるから、亜紀より後……一番最後の番にになるね。戦闘のプロ2人がいきなり始まった瞬間構えた! おいしい、映えるな(笑)
航/セットアッププロセスの段階からガンガン動いている二人をほわーと見てる! 八木沼、スゲーじゃん!
亜紀/相馬さんもスゴーイ! かっこいー!
盟/じゃあメインプロセスで、僕の番! ≪魂を纏う腕≫で、10メートル離れた場所から命中させるよ。(ころころ)命中値は14!
GM/(ころころ)回避失敗、命中します。
盟/4D+2Dで、6Dの攻撃。その分消費も激しいけどね。(ころころ)22の霊力ダメージ!
GM/いきなり大ダメージがドカンと魔術を飛ばしてきたな。
航/だけど、余裕の表情で飛ばしている盟……。
亜紀/すごーい! パチパチー!
盟/そんなことより早くやりなよ、やられるよ! まったくもう、遊び気分なんだから!
相馬/そんなことをやっているのを後目に、戦闘移動が14メートル移動可能なので接敵し、メジャーアクションで攻撃をします。≪凶々しき武器≫で命中判定(ころころ)14です!
GM/(ころころ)回避失敗、当たります。
相馬/ならば、防御点無視の(ころころ)7点物理ダメージを与えます。
GM/ザっとサムライが駆けて行って斬りつける! それは異次元の光景だ……。斬りつけたときによろめいた男のコートの下は……ギラッと刃物だらけなのが判った。
相馬/おぬし……アサシンか?
GM/「ああ、そう呼ばれてるね。こっちでは!」
盟/……ジャック・ザ・リッパー?
GM/「あ、判っちゃった?」
亜紀/あ! アサシンの正体は……ジャック・ザ・リッパー!?

 『ジャック・ザ・リッパー』。
 通称『切り裂きジャック』。ロンドンのイースト・エンド、ホワイトチャペル地区で5〜20人をバラバラ殺人にした連続猟奇殺人犯。
 1888年に起きた恐怖の殺人事件だが、100年以上経った今でも正体や犯行動機などは不明とされている。その正体不明という神秘性から、フィクション作品では非常に人気が高い。


GM/「この世には斬り刻み甲斐のある連中が多いねえ!」。包丁やらを手に出しますが、【行動値】を押さえられたのでまだ様子見のようにフラフラしてます。
航/……ウェポンが≪片手武器≫なので……セイバーに剣を貸してくれって言います!
GM/「じゃあコレを使って!」と……なにか、粘土のようなものを渡される。ぐにょ。
航/ふあっ!?(笑) なにこれ……?
GM/次の瞬間、貴方の思い通りの武器の形になっていく。
航/おおおっ。……これ、レベルが低いとショボイ武器なんだろうな(笑)
盟/上がるごとに良い武器になっていくんだね(笑)
航/お前が使っていたカッコイイのとは違うじゃないか! なんか……ま、まあいいか! ありがとう! 接敵します。2回命中判定して(二度ころころ)命中17です!
GM/(ころころ)命中、当たります。
航/メジャーアクションに≪撃滅≫を使用して、ダメージロール+2D6!(ころころ)15点の物理ダメージを与えます!
GM/ザッと斬りつけられるアサシン。「おーい、そんな鈍らな刃でいいのかー?」
航/悪かったな、初心者でー!
亜紀/亜紀の番だけど……攻撃手段を持っていないんです。なので≪魂装≫をします。このラウンドの間、達成値+2……。
GM/このラウンドだからもう終わるよ。
亜紀/あ。
GM/それを使う場合は、待機させるんだね。
亜紀/……あー、そっか。しょぼーん。戦いたいけど何したらいいか判らないーって状態で! とりあえず攻撃が来たら≪念動防壁≫でプロテクション張れるよー!
航/亜紀はそこで見ててくれ、待ってろー!
GM/では……アサシンはパチンと、オートのタイミングで何かをすると、なんとアサシンの周りにウゾウゾと何か奇妙な影が現れます。2体のトループが出現します。
相馬/ほう……ニヤリと笑います。ツワモノを斬り捨てる楽しみはやはり変わらんのう!
航/なんでアンタ、こんなときに笑ってられるんだよ!?
GM/アサシンは目の前に居る相馬を狙います。回避判定をしてください。
相馬/(ころころ)17と言って避けます。
GM/(ころころ)あ、出目が低い。避けられました。無造作に切り刻んで来るアサシン。「やっぱり英霊さんは動きが違うねえ!」
相馬/ふん、動きが鈍いのぉ……!

 クリンナッププロセス、そしてラウンド終了、次のターンへ!
 2ラウンド目、盟は今度は通常の攻撃をアサシンを周辺とするトループへ霊力ダメージを与える。
 相馬も≪乱舞≫を使用。全員に防御点物理ダメージ。
 航も攻撃をアサシンに命中させ、≪撃滅≫と共にアサシンにダメージ。
 亜紀は至近にいる盟に≪興奮剤≫でMPを1D6回復させようとするが……。


亜紀/(ころころ)……1、ごめ……。
航/≪悔改めよ≫を使用! もう一度そのダイス、振り直して!
亜紀/ありがとう!(ころころ)3になった、3点回復してください。
盟/ちょっと回復した、14まで回復したよ!

 そうしてアサシンは相馬を狙う。3D6の攻撃、17の物理ダメージという比較的大きい攻撃だが。

亜紀/プロテクション!(ころころ)……3点ダメージをマイナス……うわあ、なんでデレてくれないのー?
盟/初めての戦いだからだよ。……相馬さん、生きてる?
相馬/(カリカリと計算して)……おお、3だけピッタリ残りました。
航/うわ、良かった! 亜紀すげー!

 トループの攻撃を航の歪んだ奇跡で航に来るよう仕向けた。
 セットアップで盟は回復した【MP】で≪魂砕≫を使用した。


盟/全体攻撃をします!(ころころ)命中は19です、3体に……!
GM/(ころころ)トループ2体には当たります。……だけれども、アサシンはクリティカルで回避します。
盟/えーっ!? 折角【MP】払ったけどそれは仕方ないか……。
航/アサシンに≪逆転運命≫を使用! ダイスコントロール!
GM/うわ、もう一度振り直せか!(ころころ)……アサシン、当たります。
盟/やった、全員6D6の攻撃当たってください!(ころころ)23の霊力ダメージです!

 その攻撃でトループが2つとも落ちた。だがアサシンはまだ残っている。
 大ダメージではあったが落としきれなかったアサシンの元に相馬がまた防御点無視ダメージを与え、そして……。


航/頑張って全力でいきます! 高い出目を採用する≪片手武器≫で(二度ころころ)……どっちも7、いっしょかよ!(笑)
相馬/でもどっちも期待値だからなぁ。

 それでも見事命中させる航の攻撃。
 ここで使い時だと、航は残りの【MP】を使い果たす勢いで撃滅を乗っけて、『ボーナス効果』の「1シナリオ1回ダメージロール+5」を追加させた。


航/3D5+5のダメージ!(ころころ)21点の物理ダメージです! これでどうだ!?
GM/(カリカリと計算して)…………オーバー、マイナス3。倒れるアサシン。
亜紀/おぉー! 『ボーナス効果』で乗せて良かった!
航/……今回の戦闘、美しかったな(笑) 文句無しの華やかさだ。

 全体を魔術が覆いこみ、目の前で異端者が切り刻み、そして不格好だが戦士の剣が敵を両断する。
 叫び声を上げたコートの男は真っ二つになり、次の瞬間にはパァッと光になって消えていた。


GM/その消え去った光がどこかにいくような気がする。……まるで天に昇るようだ。
亜紀/うわっ。聖杯の元にいったの……?
GM/ですね。相馬は、戦争が始まったときに感じたつながりが……「1人減った」と判る。
盟/……まずは、1体撃破ってカンジ? どう?
相馬/……ああ、1人減ったな。
航/剣を貸してくれた人の方も見る。
GM/頷きます。「頑張ったね」と航に言います。
亜紀/航ー! 頑張ったよー! よしよしー!
盟/…………ねえ。一つ提案があるんだけど。
航/ん?
盟/今回戦ってみて判ったんだけどさ、やっぱり僕達もまだ本調子じゃないっていうか。アレだから……暫くは組まない? その方が安全でしょ。……チラッと亜紀を見て言います。
航/……人質に取られたような気分だ。
亜紀/ご、ごめん……。
盟/僕達はやる気が無くても、他はそうじゃないでしょ? 相馬の方を見ます。……いいでしょ?
相馬/セイバーの方を見て、頷く。よかろう、いずれはセイバーと戦うことになる。……ツワモノは最後まで取っておきたい。その方が楽しみじゃ。
航/……そのようだな。じゃあ、2人に頭を下げて……亜紀を頼む。赤外線でメアド交換しようか……あ、亜紀の為なんだからな!
盟/仕方がないなぁ……とソワソワします!(笑) 別にお前とメアドなんて交換したくないんだけどな!
相馬/なにこのツンデレども!(笑)
亜紀/なんという両方いじっぱり(笑)
GM/協戦を結んでくれたね。……という訳でエンディングに参りましょう……。


 ●エンディングフェイズ/February 4th Scene 5

GM/個別でエンディングをしていきましょう。まず一番最初に、航から。……ボロアパートに彼を連れて帰って来ます。(金髪の男になって)「ここが君の城?」
航/……ボロくて悪かったな。ボロアパートの階段を夜中にギシギシ登ります。狭いけど俺の城だ、上がってくれ。
GM/「あ……そんな意味で言ったんじゃない。……ここが、マスターの城」。部屋に入った後もキョロキョロ見ています。
航/鍵を掛けて座って、……頭を下げます。よく判らないことになっちゃったけど、俺が変な意地を張ったせいでアンタもこんな弱いマスターに巻き込まれて迷惑だろう……でも、宜しく頼む。
GM/「さっきも言ったけど……君が死ぬのを回避するためには、あれが一番良い方法だと思ったからやっただけだよ」
航/それでも……それで俺もアイツらも結果的に助けることができたんだから、感謝してる。
GM/「なら有り難くその言葉を頂戴しておこう。……そうだ、訊かせてほしい。聖杯戦争を参加し続けることを選んだが、勝ち抜いて……君はどうしたいんだ?」。男はまっすぐと航を見て言います。
航/……ちょっとだけ黙ります。
GM/「うん」
航/…………夢でもいいから、また家族みんなと暮らしていたときを思い出したい。
GM/「家族……?」
航/見ての通り今、俺は一人なんだよ。家に帰っても誰もいないから、アンタが居てくれてちょっと嬉しい。
GM/「心を許す何かが得られると思ったのか。……聖杯の力で。ならば俺はまず……君と親友になるべきだね。いいかな?」
航/礼儀正しい、超紳士だ(笑) なら自己紹介をしよう。……俺は秤谷航。アンタは?
GM/「この戦いでは、セイバーと呼ばれる者だ」
航/セイバー……。アンタにも、さっきの相馬さんみたいに名前があるのか?
GM/「あるけれども……教えてほしい?」
航/だって……人前でセイバーって呼びにくくね?
GM/「ただ、本名の方がもっと呼びにくいと思うよ」と言ってちょっと躊躇います。なので、【知覚】か【理知】か【幸運】での説得判定をお願いします。難易度は11。
航/じゃあ、【幸運】でいっておきます。(ころころ)13、成功。
GM/「判りずらい名前だぞー」と抵抗します。
航/でも教えてくれたっていいだろ、同居人なんだから! ギリギリギリ(笑)
GM/「……名前…………。エンキドゥっていうんだ」
航/えんき……どぅ?
GM/「エルキドゥでもいい。言いにくいだろ。だからセイバーの方がまだいいんじゃないのか」
航/……もしくはエルキドゥ? でも……仮とはいえ同じ部屋に住む家族みたいなもんなんだ。本名で呼ぶのが当たり前だ。
GM/「そういうもんかな……?」
航/でもちょっと噛むから……エルでどうだ?
GM/……ハッとします。
航/お? 何か失礼なことをしたか? 家なんだからラクにしていいんだぞ。
GM/驚いて、航をじっと見ます。「いや……ギルガメッシュじゃないよ、ね……?」
航/はあ? ビックブリッジの死闘がどうしたって?(一同爆笑)
GM/だよねー。それが有名だよねー(笑) 「……昔、友人にそう呼ばれていたんだ」
航/そうなのか
GM/「……なら俺も……君の呼び方は『ワタル』と『マスター』、どっちがいい?」
航/……名前で。『マスター』ってすごい呼ばれにくい。
GM/「そうだな、ワタルの方が呼びやすい。それにワタルの方が君だけを呼んでいるみたいでいい」
航/……ドキドキさせんな、ちょっと変な気分になるだろう!(笑) とりあえずもう遅いから寝るか。押入にドラえもん方式で寝るか? でなきゃ俺が押入でもいいんだが。
GM/「いや、それでいい。暗闇には慣れてる」
航/暗闇に慣れてる? ……なんか……押入、ダメ。
GM/「別に慣れてるからどこでもいいんだが」
航/ダメ! 布団ををひくからそっちで寝てくれ! というところでシーン切っていいですか!
盟/――GM、この一連の流れを≪望淵鏡≫で見ててもいいですか?
航/見てんなよ、エッチ!(笑)
GM/≪望淵鏡≫ってルールじゃどういう判定になってる?
盟/【幸運】でGMが設定した難易度に成功すればらしいです。
GM/じゃあ、航との【幸運】判定の対決だな。
盟/はい。……いつかさ、離れるかもしれないから情報は多く持った方がいいとね。(ころころ)14だよ。
航/(ころころ)11! 嫌な予感がした……まさかな。なんだか眠くなってきた。寝るか、エル!
GM/……では、そのまま盟と相馬さんのシーンを続けようか。
相馬/(盟を見て)何しとるんじゃ。
盟/敵情視察ってヤツかなー?
相馬/……ぬかりないのぉ。
盟/まあね、聖杯取りたいでしょ?
相馬/言わずもがな。
盟/で……エンキドゥか。前に本を読んだとかで一体何者か覚えているかな?
GM/盟が知ってるかどうか、【理知】判定で思い出してみよう。難易度は12です。
盟/(ころころ)やったー、ちょうど12だよ。
GM/……なら、盟は昔、神話の本できっちり読んでいたね。

 『エンキドゥ』。
 メソポタミア神話『ギルガメッシュ叙事詩』の登場人物で、ギルガメッシュの無二の親友。
 ギルガメッシュと同等の力を持つ者として神々が創り出した、ギルガメッシュを倒すべく地上に送られた泥人形。


GM/神が創った人造人間です。獣と共に生まれ育ったことで家畜の守護神とされています。
盟/メソポタミア……。相手はどうやら泥人形らしいよ、セイバーさんは。
相馬/ほう……泥人形風情にしては腕の立つ輩だな。まあよい。たとえセイバーであれど、いずれ勝つのはワシらじゃ。
盟/そうだね、世界を手に入れるのは僕達だ。
航/……お前ら、ラスボスか!(一同爆笑)
GM/最後のシーンは亜紀くん。航達に送ってもらえて、家に入ると……お母さんが待ってました。「亜紀ちゃん……12時、とっくに過ぎちゃったわね? 門限何時だったか忘れちゃったのかしら?」
亜紀/ご、ごめんなさい!(笑) ホントに平謝りします、すいませんでしたー!
盟/(いきなり亜紀の父になって)「まあ父さんもな、男の子だったからな。夜遊びも怒らないけどな……ビキビキ!」(笑)
亜紀/お父さんも怒ってるよー! ゴメンてばー!(笑)
GM/亜紀くんに質問。理解のあるお母さんに、聖杯戦争についてを言う? お母さんもお父さんもどっちも魔術師だって設定は付いてるけど。
亜紀/あー……言ったら狙われません?
GM/……PCの家族っていったらねえ。
盟/人質の代名詞だよ(笑) 病気の妹と同じくらいねえ。それって知ってる知らないにかかわらず、じゃない?
亜紀/じゃあ……言っておこう。「もしものことがあったら逃げて」って。今日、こんなことがあるんだよって言います。
GM/お母さん達はその話を聞くなり、顔を見合わせます。「……魔術師同士の争いは、本人同士以外は関わってはいけないもの。それがルールになっているわ。ただ、絶対に危険になったら『仲間を置いてでも』逃げるのよ。お父さんとお母さんは亜紀ちゃんの命が一番大事だから」
航/……良いお母さん達だな。
亜紀/う……うん。航のことは心配だけど、でもセイバーさんいるし。わかった……。
GM/「約束しなさい。……じゃあお夜食に精の付くもの作らなきゃー!」
亜紀/夜から……鰻かあ(笑) こんなにいらないよぉ……。
GM/では夜のご飯を食べ終わった、そして自分の部屋に帰って来ると……携帯に着信が来てる。ディスプレイには『櫻庭祐希』の名前が。2回ほど電話が来ていたみたいだ。
亜紀/祐希! そういえば何にも言ってなかった! ……ピッ、電話をかけます。
GM/ぷるるる。……暫く経った後に……カチャ。「先輩?」
亜紀/祐希、ごめんね。心配した?
GM/「……航は?」
亜紀/航は無事。今はもうアパートに帰ってる頃だよ。
GM/「……何も無いんですね?」
亜紀/……うん、大丈夫だった! 助けに来てくれた人、覚えてる?
GM/「いや……そのとき、ちょっとボーッとしていたんで覚えていないです」
亜紀/そっか。でもそういう人が居てね、大丈夫だったんだ。もう警察にも連絡してあるから。……きっと教会がなんとかしてくれる筈だと思っておきます。
GM/「そうですか……」と、祐希はやや疲れめの声で言います。
亜紀/祐希……あの後、具合は良くなってないのか?
GM/「あ……はい。まだ具合は……でも先輩達のこと、気になって。安心できただけいいです。これでぐっすり寝られます……」
亜紀/今日、色々あったからさ。またウマイもんでも奢ってやるから!
GM/静かな声で「……ありがとうございます。お誘い、待ってます」
亜紀/そうだ、俺の手料理なんかはどうかな!?
GM/……クスッと電話先で笑います。「航が食べられる物を作ってきてくださいね」
亜紀/あ、良かった。笑ってくれた……。
GM/ここで亜紀、【幸運】判定してください。
亜紀/【幸運】?(ころころ)11です。
GM/(ころころ)こちら……15です。
盟/……覗かれてる!?
GM/では、マスターシーン入ります。

 早乙女家の窓から見えるは、亜紀の笑顔。
 それを見ていた人物は……数キロ先の空に立っていた。
 そこはとあるビル。どこかの屋上。鋭い視線の男はじっと亜紀の様子を伺い、また違う方に関心を向けた。それは八木沼という屋敷だった。
「バーサーカーはあそこに行ったか」
 令呪の消えた腕で、彼――藤原幸正は呟く。


相馬/……藤原……。
盟/サーセン、サーヴァント奪っちゃった!(笑)

 所変わって。そこはとあるビルの廊下だ。
「キャアッ!」
 女性が断末魔の叫びを上げた。少年が女性の体内から棒を引き抜き、振り回す。ビチャリと彼女の血を払うように、撒きかけるように。
「改めて契約できるなんて思わない方がいいよー」
 最初に溜息、次には亡骸に、少年はケラケラと声に出して笑っていた。
 だがその愉快な笑い声もピタリと止まる。その場所にやって来る足音に気付いたからだ。
「アンタ、サーヴァントでしょ?」
 少年は、前に立つ男に問いかける。
「なに、オレとやる気? アンタ、マスターはいるクチ?」
「いえ……まだいませんよ」
 槍を持った男は、やんわりと優しい声でそう言った。


盟/槍ってことは、ランサーか……?
亜紀/新しい人だ……。

「私に似合う主人は……もう死んでしまいましたから」
「そっか。でもさ、そんな仰々しい槍なんか持ってたら、すぐに誘われちゃうんじゃないの?」
「それぐらい隠す頭はありますよ。さて……ここで戦うにはお互いエモノが合いません。ですからまた明日……夜が来たときに再会できたら、手合わせしましょう」
 男の語りに少年は頷き、夜空の中に少年は去って行った。
 少年が完全に消えた、……槍を持った男の元に誰かが近付く。
「とりあえず今は休め。そして……気弱な奴から会っていこう。弁慶」


亜紀/あ……ちょ、きたー!?(笑)
盟/あああー!? 弁ちゃんー!?(笑)
航/やっぱランサーっていったら弁慶だよね!

 『武蔵坊弁慶』。
 平安時代末期の僧兵。源義経に仕える怪力無双の荒法師。
 京で千本の太刀を奪おうと悲願を立て、五条大橋で999勝したことで有名。
 繰り返すようだが航、盟、亜紀のプレイヤーは……源平合戦が舞台となった前作『迷宮キングダム・リプレイ〜夢魔炎上』の参加者でもあった。前作で登場した弁慶は、「軍師で薬師で神職のチート」と呼ばれている。今回のセッションをするにあたって最もGMが出したかった英霊の一人である。


GM/今日はこの辺りでオヒラキ。現在7体の英霊はエンキドゥ、ジャック・ザ・リッパーがそして弁慶がランサーと判明しました。
盟/正体が判ってないのは弥生と、アーチャーと……。
航/ライダーが未登場だね……どうなることやら。
GM/次回は1ヶ月先です。
相馬/なんという生殺し!(笑)
GM/というわけで『ドロリア』第1話、お疲れ様でしたー! みんな、キャラクターレベルを1上げて4にしてレベルアップしておいてねー!