アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第1ループ2話 『 interlude 1 』 3ページ ■
2009年11月10日




 2009年11月10日。
 本来であればその日、『ドロリア』第2回セッションをする予定だったが急遽前日中止になる。4人のプレイヤーが全員集合できなくなってしまったからだ。
 それでもGM宅で、航と相馬の中の人が遊びに来た……5分後。


マーサー/1時間前にネタの神様が舞い降りたんだ。『ドロリア』の小話やらない?
辰巳/やります!(笑)

 ……という訳で、突発シナリオを開始し始めたのでしたとさ。
 と言ってもテーブルにはキャラクターシートが無ければサイコロも無い。単にPC1と2がGMの前に並んでいるだけのトークゲームである。


すずか/きっと今回の話は、発売延期になった『ドロリア』プレイヤーの為に体験版買った人限定へプレゼントされるおまけディスクですよね。
辰巳/公式ホームページのトップ画像に「ごめんなさい」って看板持ったセイバーのイラストがアップされるんだな。ヤベエ、超ほんわかじゃないか(笑)
すずか/盟ちゃん関係のシナリオで練り直しがあったそうです。この段階でスチル追加かよ!(笑)
マーサー(以降、GM)/とりあえず今回のシナリオは『相馬が盟ちゃんと、エンキドゥが航くんと契約して2日目ぐらい』にしたいと思います。……いつもの通り始める前に自己紹介をどうぞ(笑)
すずか(以降、航)/はーい、秤谷航です。
辰巳(以降、相馬)/相馬です。正体は平将門だけど台詞がいっぱいいっぱいです。うぬぅ、もうちょっとスムーズに出てくれば……。
航/充分だと思うけど。そのうち「パネェでござる」とか言い出すんだ。
相馬/……今、マックのハンバーガーを食べる相馬が見えた(笑) 足らんのぉ、クォーターパウンダーがちょうどいいな、もさもさもさ。
航/ならメガマック食えよ! 金あるんだろ、盟ちゃんのなんだから!(笑) どうせ俺はチーズバーガーだよもぐもぐ!(笑)


 ●オープニングフェイズ/February 7th Scene 1

GM/最初は航のシーンからいきましょう。PC1さーん。
航/はーい。

 ……夢を見た。
 ボンヤリと、今見ている『コレ』が夢だと判る夢……。
 目を開けたらどこか知らない天井が見える。
 和室でもなく洋室とも言えない知らない部屋で眠っている君は……まず天蓋付きのベッドが目に入った。


航/天井ですらないじゃないですか、布だ!(笑) なんだこれ、修学旅行の朝とかこんな感じだよな……。
相馬/しかも、そこはかとなくリッチ感が漂う……。
航/これはきっと……枕とか布団も良いフラグ! やった、夢の中だから良い想いが出来る!(笑) 普段味わえないからゴロゴロしておきます!
GM/ゴロゴロしようとすると、なんだか体が息苦しい。風邪を引いたかと思わせるほどだるく、体が重い。
航/……風邪引くとか、夢の中で微妙な現実を持ち込むな(笑)
GM/誰かがカーテンを開けて部屋に入ってくる。
航/ん? 見覚えはありますか。
GM/無いですね。入ってきたのは、髪は金、目は赤い男だ。
航/金髪で赤目の人? 心当たりもない……夢だから変な人も現れるか。ボンヤリと眺め続けています。
GM/彼は、君に心配するように口を開く。

「起き上がって平気なのか? まだ寝ていろ。……いつか、我が治してやる」

航/う、うん……? 『いつか』? どういうことだ。起き上がろうとしますが……。
GM/夢から覚めて起き上がったときに同居人とオデコをゴッチンコ。
航/ベタな展開!(笑) オイ、それってどういうコト……ゴチン!(笑)
GM/お互い頭に星が飛びます。ぴよぴよぴよー。
航/ダウン状態のときに攻撃!
GM/はうぁ!? なんで!?」(一同笑)
航/……はあ、痛いってことは夢じゃないんだな。
GM/「俺が痛いんだけど!?」と言っているのは、1日前にこの部屋にやって来た同居人。身長180センチのエスニック系、ダメージゲージが半分ぐらい減っている男だ。
航/デッカイ戦士……。悪かったな。大丈夫か、エル?
GM/「あたた……うん、平気。それよりおはようの時間だよ。ワタルは腹筋使った起き上がり方をするんだね」
航/そんなバネみたいな起き方してたか。……ちょっとなんか変な夢を見たから飛び起きちゃった。
GM/「変な夢?」……エルは小さなキッチンで朝食を用意をし始めるよ。
航/それは好感度が上がればいいのか心配になればいいのか……(笑) 並んで一緒に朝食の用意しながら話します。
GM/「どんな夢?」
航/……八木沼の家みたいなデッカイベッドのある場所で、金髪の男の人が入ってきた。
GM/「……目は赤かった?」
航/なんで知ってるんだ。
GM/「…………。ワタルは知らないだろうから教えておくね。契約した人間同士って、交感状態になるんだよ」
航/交感? テレパシーみたいなものか。
GM/「契約した対象の記憶が混ざることがあるんだって。もしかしてそれ、俺の記憶かも」……エルはちょっと笑って言います。
航/金髪赤目の男に見覚えあるのか?
GM/「それ、友人だ」
航/……前に言っていた奴か?
GM/「そうだ、な」
航/俺が生まれかわりなんじゃないかって言ってた奴か。そっか……夢の中で俺がお前になっていたのかもしれないな。
GM/「……夢の中でもそいつ、優しかった?」
航/う、うん。特に怖い感じはしなかったぞ。
GM/「気のいい友人だったよ」
航/……なんでか今、ラインマーカーを引きたくなったぞ。
GM/「夢の中でアイツに意地悪されてなきゃいいや」
航/そしたら、起きたときお前に八つ当たりするから。
GM/「どうしてそうなるのか意味がよく判らないな……そうだ。俺が君の過去を覗いちゃってもゴメンね?」
航/…………。
GM/「君が俺の夢を見るんだから、俺が君の過去を見ても怒らないでね」
航/……それは、一蓮托生ってヤツだよな。
GM/「うん。とりあえず今はソーセージ298円の2つパックを開けて朝食を食べよう!
航/生々しい数字を出さないでください!(笑) ……今月は食費が2倍になるかなー。バイトまだ入れたっけなー!
GM/2倍稼がなきゃだな(笑) あ。学校行く間、エルはどうしておく?
航/えっと……アパートに置いていってみます。と言ってもここは何も無いし退屈だろうから、窓を全部閉めてガスを捻って鍵を掛けてくれれば出て行ってもいいから。
GM/「ああ、この家の仕組みはとっくの昔から判ってるよ」
航/そっか。どっか出かけるときはテーブルの上に書き置きでもしておいてくれよ。
GM/「了解。ワタルも行っておいで。ちゃんと帰ってくるんだよ」
航/い……行ってきます。
GM/「行ってらっしゃい」
航/…………扉出たところでちょっとニヤニヤします。「行ってらっしゃい」って……良いな(笑)
GM/家族が欲しかったんだもんね。……じゃあ窓から「行ってらっしゃーい、ワタルー!」
航/それは恥ずかしい!(笑) 次回レベルアップしたら取る予定の≪戦士の勘≫で走り去ります!


 ●オープニングフェイズ/February 7th Scene 2

GM/さて、次に相馬さんのシーン。……現在、八木沼家で滞在している相馬さんは、数日前まで誰かが居たらしい部屋を使って過ごしています。
相馬/前に誰か居たのか……知らないけど。盟の複雑な感情に気付く筈も無く(笑)
GM/唯我独尊だしなぁ。そんなことお構いなし、こんなに部屋が余っているんだから誰かが居ても変じゃないと君は思った。
相馬/まあな。部屋で我が物顔でくつろいでいます。
航/ヘンリーとロザリーはお茶持ってきてくれるし、どこからともなくクラシックのBGMは流れてくるし。
相馬/なんじゃこの音楽は(笑)
GM/それと、盟の家は比較的……藤原が使っている屋敷に似ていますね。洋風というか、洋館だ。
相馬/……あやつは何処へ行ったのやら。しかし今はただ聖杯戦争に勝つことだけを考えていればよい。うむうむ。
GM/コンコンと早朝、ヘンリーがノックしてくる。「相馬様……!」
相馬/うむ、どうした。
GM/「実は、盟様のご容態が……突如お倒れになられて!」
相馬/あやつが如何した。
GM/「どうぞこちらへ……」と盟ちゃんの部屋まで連れて来られると、ぐったりとした盟を今まさにベッドに寝かそうとしているロザリーの姿が見えた。
相馬/こ、これは……? 近寄って様子を見ながら声を掛けてみます。
GM/ぐったり。ハアハアと熱い息を吐く訳でもなく、死んでいるかのように意識が無い。
相馬/揺すってみても動かない?
GM/ロザリーとヘンリーも何が起こったか判らない顔をしている。「相馬様にもご検討はつきませんか?」
相馬/……わからん。正直に答える。
GM/「そ、そんな……サーヴァント様ですら判らないとなると……め、盟様!」と、おじいちゃんおばあちゃんがはわわ。
相馬/小さいころから面倒を見てきたからね(笑) ……これはあの教会というところに行くしかないかのう。
GM/ではそこに、来訪者を知らせるベルの音が鳴り響く。ロザリーがパタパタと応対しに行き……そうして数分後、黒須さんを連れて部屋に戻ってきます。
相馬/いつぞやの神父か! ……何やら八木沼の奴が倒れたようじゃ、ちぃと診てやってはくれんかの。
GM/コクリと頷いて、まず頬をペチペチ叩きます。
相馬/それはもうやった。
GM/「右頬だけか? それなら左をペチペチ」
相馬/おい、あまり手荒に扱ってやるな(笑)
GM/「これは……。ふむ」
相馬/何か判ったのか?
GM/「……単なる風邪ではない。コイツの身体の中に、何者かが入り込んでいる」
相馬/中に? ……どういうことじゃ。
GM/「何者かが盟の体内に侵入し、意識を奪ったということだ」
相馬/なに!? 一体誰だ、それは!
GM/「誰かというか、何かというか……もう暫く時間を待ってくれないか。すぐに調べてみせよう」
相馬/早う頼むぞ。そやつと儂はおの日の元を支配するうんぬん。
航/うんぬんて。今カッコイイことを言うと思ったらうんぬんだった!(笑)
相馬/ゴメン、省略したほうがいいかなって思って(笑) 毎度毎度の口上を言います!
GM/「とにかく直ぐに調べに入ろう。何らかのことがあったら一番コイツと繋がっているのはお前だ、頼るかもしれんぞ」
相馬/うむ、仕方がない。退屈じゃが待つとしよう。どっかりと座って待ってます。
GM/「原因が判明次第、お前に伝えよう。本当だったら監督官である俺が手助けなどしてはならないのだが、幸い……神父服は脱いできた
相馬/…………。
GM/…………。
航/…………。ぷ……(笑)

 GM、自分で言った直後に「この台詞はネーわ」と思う。
 微妙な沈黙。


航/……セーラー服を脱がさないでが流れたぞ!(笑)
相馬/「今日、オフですから」って意味ですよね?(笑)
GM/お、オフだから手伝ってやるんだからね! 別に盟だからとか幼馴染だから心配してるんじゃないんだからっ!
航/GM、ツンデレ台詞で言い訳をしないでください!(笑)


 ●ミドルフェイズ1/February 7th Scene 3

GM/それじゃあ航のシーン、お昼休みの時間です。お弁当でも食べてください。
航/じゃあ……「今朝こんな夢見たんだけどさー」って八木沼に詰め寄ろうとしたら欠席なので、つまんねーなーって思いながら屋上行きます。
GM/屋上行くと、いつも昼食を一緒に食べる祐希が既にベンチに座っている
航/あ、祐希。……隣に腰掛けます。亜紀はどうした?
GM/「早乙女先輩は……今日、欠席だってさ」
航/マジで? ……ここ数日のコトがあるので、一気に嫌な予想が頭を駆け巡ります。……なんでだか知ってる?
GM/「さっき直接メールしてみたら……返ってきたのが、早乙女先輩のお母さんの代筆メールだった」
航/……いくら家族仲良くてもケータイ渡すか(笑)
GM/「でもあのお母さんだから」と言って、亜紀からのメールを見せます。内容はこんなカンジ。

『亜紀の母です。
 亜紀は今朝、風邪を引いて寝込んでしまったので大事を見て欠席させていただきました。まだ2月だから風邪に注意しないとね。心配してくれていつもありがとう』


航/……スッゴイ顔文字をいっぱい使ってるな(笑)
相馬/若々しいな、感性が(笑)
GM/おそらく、このことを後で亜紀が知ったら「お母さん! 勝手にメール見ないでよ!」と怒ることでしょう。
航/いきなり亜紀になって)「ちょ、なんで見てんの!? 勝手に見ないで!」
相馬/同じくいきなり亜紀の母になって)「あらヤだ。だって亜紀ちゃんのお友達から来たんだもの、すぐに返信してあげなきゃダメじゃない!」(笑)
航/(まだ亜紀になって)「いいから返してよ! 他のトコロは見てないよね!? もう、ぷんぷん! ロック掛けとかなきゃ……ハッ、ロック掛けてたのになんでお母さん解除してんの!?」(笑)

 以上、大変似ている亜紀くんのモノマネシーンでした。

GM/しかし「単なる風邪なのにベッドから起き上がってメールも打てないとはどれほどだ」と思ってくれても結構だよ。
航/そうだよな……それぐらい亜紀なら出来るんじゃないか。アレで結構タフな人だし。メール打てないぐらい寝込んでるの?
GM/祐希もハッとします。「そ、そうだね……でも朝に熱を出して薬飲んでる……とかじゃない?」と無難なこと言おうか。
航/うーん……見舞いに行くか。
GM/「行くんだ?」
航/行くんだろ? 一緒に行くのが当然という顔をする。
GM/「あ、うん……行く。いや、僕……行っていい、のかな?」
航/行くべきだろ。だっておかしいじゃん。普通は人のメールなんて見ないだろ、お前の母さんだって。
GM/「…………。そうだな」
航/……なに、今の一瞬の間は?
GM/「いや……見ないと思う」
航/だろ? ホントにそうだったら「お前、ナニ母さんにメール打たせてんだよ」って笑えばいいだけだから。……それに、ちょっと気になることもあるし。
GM/では昼食を終え、授業も終えて、放課後まで時間を飛ばそうか。……学校を出て、いつも遊びに行っている早乙女家に到着します。
航/途中で買った果物の缶や雑誌をお土産にして……コンビニの袋のままだけど喜ぶだろ。
GM/ピンポーンとチャイムを鳴らすと、暫く時間が経った後に亜紀のお母さんが出てきます。「あ、航ちゃん。お見舞いに来てくれたたの……?」
航/航ちゃんってハズカし!(笑) ……はい、祐希も一緒です。
GM/「祐希ちゃんも? ……え、えーと、そーね、折角お見舞いに来てくれたのは嬉しいけど」と、家に上がらせるのに少し抵抗するお母さん。
航/そんなこと言ったって、俺達と亜紀の仲じゃないですか。
GM/「そ、そうね……今、亜紀は寝てるの。顔だけ見ていく?」と家に入れてくれます。
航/どうもすみません、無理言っちゃって。
GM/玄関に見慣れない靴。
航/ん?
GM/玄関入ってすぐの応接間に、人の気配もする。
航/……誰かお客さんが来てたんですか?
GM/「そうなのよ。だから出るのに時間がかかっちゃって」
航/それは……ごめんなさい。亜紀も病気だし、お客さんもいるなんて大変ですね。とりあえず亜紀の部屋に行きます。
GM/案内される必要も無く、君達は亜紀の部屋に上がりこみます。……亜紀は、ベッドの上に眠っています。
航/やあ亜紀さーん。ぺちぺち。
GM/死んだかのように眠っている。
航/……亜紀?
GM/ちゃんと脈はあるし生きてるよ。でも、目を覚まさない。
航/祐希、コレ……風邪だと思う?
GM/「スゴイ寝付きいいね」
航/そういうコトじゃないだろ!(笑) 寝付きが良くたってぺちぺち叩いて起きない人間があるかっ!
GM/お母さんが部屋に入ってきてフォローを入れます。「薬を飲んだばっかだから寝てるのよー」
航/そ、そうですか……って、ホントに風邪なんですか?
GM/……お母さんの言い方は、まるで誤魔化しているかのように思える。
航/お母さん……もしかして、何かヤバイ病気なんじゃ……。
GM/……お母さんは、祐希を見ます。「あ、そうだ……祐希ちゃん! お父さんの所に行ってタオルと水を持って来てもらえる? 航ちゃんには力仕事を手伝ってもらうから!」
航/えっ? いいですけど……体力ならありますよ、ジャンジャン働きます!
GM/そう言って祐希と航を分断させます。祐希は水を取りに行き……そして航は力仕事だとお母さんに連れられます。
航/なんですか。どんな力仕事ですか。
GM/屋根裏部屋まで連れて来られます。そこで2人きりになってから、「2日前に……いえ、1日前に亜紀から聞いたわ。航ちゃん、聖杯戦争のマスターに選ばれたんですって?」
航/あ……。ちょっと固まって、ペコッと頭を下げてます。……亜紀を巻き込んじゃってすみません!
GM/さっき屋根裏部屋って言ったよね。……ある本棚から、いかにも魔術書っぽい本をパラリと見せます。
航/これは……。
GM/すぐに元の場所に戻すけどね。「……このお家がこういう一族だってことは亜紀から聞いているわね?」
航/聞いたっていうか……実際目の前で目にしたっていうか……アイツもあんな力が使えるって知ったのは2日前ですけど。
GM/「それを教えたのは、お父さんとお母さんよ」
航/一族皆魔術師ですか……じゃああのお姉ちゃんも魔女!?(笑)
GM/お姉ちゃんの設定は亜紀くん本人に作ってもらうとして(笑) 「今、亜紀が眠っているのは単なる風邪ではないわ。そう、普通の風邪じゃないの。……だから無関係の祐希ちゃんには聞かれたくなかった。貴方だけにしか話してはならなかったの。祐希ちゃんにとっては『お薬で寝ている』ことにしましょう」
航/そっか……お気遣い感謝します。俺も迂闊でした。何かあったら祐希まで巻き込まれちゃいますからね。……で、本題ですけど、なんで亜紀はあんな目に遭ってるんですか?
GM/「……判らない。朝、目覚めなくって、単なる風邪じゃないことが発覚して、そしたらいきなり教会から人が来て、同じように倒れた人が居るって……」
航/教会の人っていうのは……もしかして、黒須先生?
GM/「違うわ」
航/じゃあ誰だろう……って、黒須先生だったら亜紀も面識ありますよね。
GM/「そうね、黒須神父だったら貴方も保育園の頃から一緒だったし」
航/……あの頃は若かった。泥団子を作る幼児を無表情で見ている神父服にエプロンのセンセイ。嫌だ、なんか嫌だ!(笑)
相馬/実にシュールである(笑) その格好で「ハーイ、おやつの時間だぞー」(笑)
GM/言ってることは保父さんと同じなのにな(笑) 「教会の関係だったら航ちゃんの方が詳しいでしょ。お話してみる?」
航/俺もお話していいんですか? ありがとうございます。
GM/「ええ。……じゃあ、この重い座布団でも持っていったことにしましょう」とカモフラージュ的に作業をして、亜紀を看病した後……祐希が退場します。(祐希になって)「早めに帰れって言われてるから僕、帰るね」
航/俺はもうちょっと手伝っていくから。ご家族にも宜しく。
GM/「うん。目覚ましたら亜紀に伝えておいて。直接話が出来なかったのは心苦しいから……」
航/ちゃんと伝えておくよ。亜紀も目覚めたらメールするって。ポンポンと祐希の頭を撫でます。……年上相手だけど(笑)
GM/「……うん、よろしく」
航/祐希も帰り道気を付けろよ。何かあったら直ぐに俺を呼べよ。
GM/「男だから大丈夫だよ」
航/……ほっとけねー! なんか耽美な大丈夫じゃないオーラが漂ってるんだよ!(笑)
GM/では祐希はトボトボと帰っていきます……身を縮めて。
航/なんでそんな追っかけなきゃいけない描写するんですか!? オプションがいっぱい付いたよ!(笑)
GM/祐希が帰ったことだしお客さんの元に行きましょうか。
航/はい……。
GM/応接間には確かにお客さんが居ます。ソファに座ってお茶飲んでるね。
航/どんな人ですか。
GM/大柄で目の細いGMが演出しやすそうな顔の男です。
航/なんだ、弁慶さんじゃないですか。
相馬/え、ちょ、なんてメタ会話してんですか!?(一同爆笑)
航/GMが演出しやすいって言ったら弁慶さんか、でなきゃアッパーさんです。でもアッパーさんだったら「ニヤニヤ笑い」って言う筈だから弁慶さんだ! これぞ論理学っ! しっかしなんかこの人鎌倉に居そうな顔だなぁ! ……話、戻しましょうか(笑)
GM/戻しましょうか。男性は入ってきた航を見ますよ。(極端に低い、独特の声になって)「……初めまして」
航/…………。ふ……(笑)
GM/「初めまして」
航/は、初めまして……(←ぷすぷすと笑いながら

 航は初対面なのに、中の人は半年間相手にしていたNPCなので笑いが止まらない件。

航/頭を下げて自己紹介します。秤谷航です。……教会の方ですか?
GM/「ええ、そうです。私も貴方のことは黒須柊から伺っています」
航/黒須先生のお知り合いですか? 安心して良さそう……かな? 黒須先生の名前を出してるし。
GM/「早乙女亜紀は聖杯戦争のマスターでもなければサーヴァントでもない。記憶操作を行われていないとはいえ、一般人。ですから教会の監視下の人間でした。それなのにこのような事件に巻き込まれたということで、教会から派遣されてきました」
航/なるほど……って、事件? やっぱり亜紀の倒れた理由って何かあったんですか!
GM/「彼の体内に、蟲が入り込んだようです」
航/……むし?
GM/げしゃー。
航/……げしゃー。
GM/げしゃー。「と言っても、自然界に生息している虫ではございません。体内に入り込み、内部から人を食らう蟲を使い魔として扱う者が居るのです。納得してください」
航/……亜紀はどうなっちゃうんだ?
GM/「蟲を退治しなければそのまま死にます。しかし現在、蟲の動きを鎮静化させる薬を処方させたため悪化することはありません。ご安心を」
航/蟲的なものを送り込んで奴がいる……ってことなんですか? 亜紀に居られるとマズイ人が居るのか? それとも愉快犯……?
GM/「さあ、それは……む? 今、伝令が来ましたよ」
航/え、電波?(笑)
GM/「そういう連絡手段があるんです。……どうやら貴方、教会に来てほしいとのことですよ」
航/教会に?
GM/「黒須柊からの連絡です」
航/……判りました。何か聖杯戦争に関係してることかな。それに……黒須さんの居る所なら八木沼も居るだろうし、何か訊けるかもな!
GM/ではちょうど夕方ぐらい、君は教会に向かいます。「もう夜も近いですから……どうぞ、お気を付けて」
航/……どきー。そろそろ戦いが始まってもおかしくないよな……。


 ●ミドルフェイズ2/February 7th Scene 4

GM/という訳で教会で航&エルと相馬さんのご対面シーンです。……既に教会で待っている相馬さん。服装は盟ちゃんから頂いた物っぽい私服です。
航/なにこの白シャツ!?(笑)
相馬/シャツに、黒いスラックスに……現代に慣れようとしているような格好をしてます(笑) おう、この前の小童か。
航/どうも、ハカリヤ・コワッパ・ワタルです。
相馬/ミドルネームを付けるな!(笑) ……セイバーも来ているんだよね。一瞥しておきます。
航/……なあエル。あのサムライ、超現代に馴染んでるんですけど。
GM/エルになって)「俺も充分馴染んでると思うけどな」
航/ごめんね、高校生の服で! 丈も足りてなくて!(笑)
GM/コートの前を締められません(笑) ……そういえば相馬さんは居るけれど、盟ちゃんの姿は見当たらないね。
航/相馬さん、盟ちゃんはどうしたの?
相馬/あやつは寝ておる。
航/えっ? もう18時過ぎてますけど……風邪?
相馬/目を覚まさんのじゃ。
航/そっかぁ。実はウチの亜紀くんもでして……それで俺達が呼ばれたのか。困ったね。
相馬/……まったくじゃ!
航/相馬さんがなんか怖いです!(笑) サムライが不機嫌オーラを洋服で出しているよ!
GM/(エルになって)「ワタル、怖いなら後ろに下がっていいよ?
航/そういうコトじゃない!(笑)
GM/「え、違った? ごめん、前に出ていいよ」
航/それもなんか違う!(笑) 隣に居てくれればいいんだよ!
GM/「じゃあエンゲージいっしょだね」。カリカリ。
航/今、床にチョークでエンゲージ描いたよな!?(笑) 教会の床になんてことをしたんだ、ラクガキすんなって亜紀の中の人が怒るぞ!?(一同笑)
相馬/……なんだろう、この微笑ましいやり取りは(笑)
GM/そんなことをしていると、奥から神父服でない黒須さんが出てきます。「……原因が判明した」
相馬/ピクリ。
GM/「どうやら、何者かが≪生体侵入≫という技を使って2人の体内に悪影響を及ぼす使い魔を送り込んできたもののようだ」
相馬/≪生体侵入≫? そんな技あったな……(ルールブックを開いて)ああ、[異端者]の特技か。

 ≪生体侵入≫
 他者の体内に入り込む。ただし、この特技を使用するためには対象が戦闘不能だったり、就寝中など意識の無い状態でなければならない。

航/なになに、それって……何?
相馬/意識の無い奴に潜り込んで悪さをする、こざかしい技じゃ。
GM/「そのようなものだね……」とエルも頷きます。そして黒須は説明を続ける。「潜り込んだのは小さな蟲でな……体内から生気を吸収していくものだった」
相馬/では、その生気が吸い尽くされてしまったら……。
航/……2人とも死んじゃうのか? それって、止める手立てとかあるんですか?
GM/「体内に入った蟲を倒すか、蟲を操る何者かを倒すしかない」
相馬/ただ、そんな簡単に犯人は見つかってくれないか。向こうとてそれほど愚かではなかろう。
航/出来ることなら今すぐ蟲を倒して、その後、敵を追った方がいいんじゃないか! ……どうすれば蟲を倒せるか判らないけど。どうなんすか、黒須先生!
GM/「体内に入れるほど小さな蟲だ。……同じぐらい身体を小さくなって体の中で蟲を倒せばいい」
相馬/……小さくなって?
航/そういうSF小説とか一寸法師の話、あるけど……(笑)
相馬/それが出来るのなら奴の生気がいつ尽きるとも判らん。一刻も早く何とかしなくては。食われ過ぎて後遺症が残るのは困る。
航/それは困る! 亜紀の料理が旨くなっちゃったりしたら困る!
GM/困るんだ。
相馬/どこが困るのじゃ。
航/アイデンティティ的な意味で! マズくても料理を持ってきてくれるのが亜紀なんだよ! 旨い料理の亜紀なんて亜紀なんかじゃない! ヒトを肯定するってこいうのはそういうことなんだよ!(笑)
相馬/なんか物凄く失礼なことを言っている気がするが、まあいい。
GM/(エルになって)「うん、俺もワタルが何か物凄く失礼なことを言っている気がするよ
相馬/まずは体内に入ってその蟲とやらを潰した後に元凶を懲らしめに行くとするか。
GM/(黒須になって)「では次に……中に入る方法を探さなきゃだな
航/おっと!?(笑) 自信満々に言うからあるんだと思ってた!
GM/じゃあそこで、エルが「あるよー」と手を上げる。
相馬/なにっ!? それはどのような方法じゃ。
航/何かあるのか?
GM/≪生体侵入≫だろ? それなら俺も……その特技、使えるよ」
航/……エル、[異端者]か!(笑)
GM/「でもってワタルは判ってると思うけど、俺は他人と感応も出来る」……1話で【HP】を移してたでしょ? だからエルのクラスは[感応力師][異端者]で、あと1つはまだ秘密。
航/でも前線だと思うんだよね。
GM/「だから[異端者]の≪生体侵入≫と、[感応力師]の≪空間知識≫で、『対象単体を対象視界内の味方全員に変更』すれば……」
航/『視界内の全員が体の中に入れる』……おお、なるほど! 流石エル、頼りになるぜ!
GM/「で、でもさ……」。エルが、相馬さんと黒須さんから離れたところで聞こえないように言います。
航/ん?
GM/「……君の大切な友人が助かるのはいいけれど、敵のマスターまで助ける必要はあるの?」
航/……八木沼のことか?
GM/コクリ。
航/……それは……。
相馬/言い終わる前に言っていい?
航/うん?
相馬/……おぬしらが考えていることは判る! 敵に塩を送ることなどありえないだろう。ワシも戦乱の世に生まれた者だ、そのような考えお見通しだ!(何故か一同爆笑)
航/さっすが相馬さんー!(笑) ですよね、その通りだよね。
相馬/嫌なら無理に言わん。ワシはワシでその使い魔の主を追ってみる。……ムスっとしてます。
航/……エル、あの人……コワイ(笑)
GM/「あの人も、寝ているあの子もそのうち敵になる人だよ」。エルは冷静に言います。
航/……でも、今はただの病人だろ。
GM/「…………」。
航/お前がそれを不服と思うなら無理にとは言わない。けど、俺の友人2人の為に力を貸してくれ。
GM/「……わかった。君がそう言うなら俺は全力をもって従うだけだ」
航/ありがとう。……なんだ、エルのこの安心感は(笑)
GM/黒須が口を挟みます。「≪生体侵入≫の手段も判ったことだし、また水を差すようなことその2を言っていいか」
相馬/なんじゃ。
GM/「お前達3人で2人の体に入るのでは、どちらか1人が助からない可能性がある。もう片方は倍食われ続けるのだからな」
航/あ……どっちか1人でっていうのもツライよな。
GM/「だから今夜は蟲を退治するのを待ち……明日の朝、協力者を募って、日が暮れる前に退治するのはどうだ」
相馬/それは……どういうことじゃ。
GM/説明致します。明日の朝から、蟲退治に協力してもらう仲間を探してもらいます。参加してくれるNPCは……。

 @アーチャー
 Aキャスター
 Bランサー
 C藤原


GM/盟ちゃんと亜紀くんの体内には同タイミングで入ります。なので2手に分けるパーティーを作成しなきゃいけません。必ずパーティーは2人以上メンバーがいなくてはいけません。現在……航、エル、相馬の3人しかいないから最低誰か1人はNPCを連れて来てください。
航/1人だけでいいんですか?
GM/いや、お好みなら2人でも4人でもいい。特に問題ないし、次回にも関係なく進みます。……トークゲームですから(笑)
航/……相馬さん、昔の男はいかがですか(笑) あと盟ちゃんの昔の男を連れてくるのも楽しそうだな!(笑)

 ということで相談を数分取った結果……。
 NPCの大所帯になるのを覚悟で、4人全員に協力してもらうことに決定した。
 なお、TRPGの1シーン適正NPC人数は3人である。PC2人につき、エルと黒須も含んで6人のNPC描写(盟&亜紀も含めれば8人)は、本来は褒められたプレイではないということを自覚した上でこのセッションは進行している。
 描写する人数が多いため混乱する場面もあるだろうが、続きをどうぞ。

 航が勧誘するNPC→ランサー、藤原。
 相馬が勧誘するNPC→アーチャー、キャスター。



 ●ミドルフェイズ3/February 8th Scene 1

GM/じゃあ先に……相馬さんのシーンしようか。アーチャーとキャスターを探しに行くというより、偶然協力者を集めたところアーチャーとキャスターだったっていうシーンにします。
相馬/まずアーチャーの首根っこを掴んでこよう。
GM/……相馬さんて、一人で外に歩いたことはある……のかな?
相馬/ここは面白そうなので敢えて初めてで。
GM/……初めてのおつかい、か(笑)
航/ロザリーが「相馬様、お小遣いは使い過ぎてはいけませんよ」とちゃんと万札を渡してくれるんだね。「落とさないようにちゃんとお財布に入れて!(笑)
GM/そんな風にやってきたのは……アメ横。
相馬/この辺りはガチャガチャうるさいのぉ……。周りを見つつ、何やら色々けったいな物が置いてあるのぉ。
航/いきなり売場のオジチャンになって)「ニイチャンニイチャン、シャケ買っていかない!? 安いよ!」
相馬/シャケ!?(笑)
航/更に売場のオバチャンになって)「このイクラ新鮮だよ! 食べるだけでも食べてって!」
相馬/ん、んっ!?(笑)
航/道行く外人が「プリーズテイクアピクチャー!」(一同笑)
相馬/テイク……あ?
航/「ボタンぷっしゅぷっしゅ! いえー! アリガートー!」。……写真撮ってくださいってよくあることだよ!(笑)
相馬/んああ、なんなんじゃここはぁー!?(笑)
航/またまた売場のニイチャンになって)「わーお兄さんキレたー。カルシウム不足だよ、ニボシ買っていく!?」
GM/……そんな風に人ごみに紛れてると……とあるアクセサリー店に見覚えのある少年が居る。
相馬/むっ?
GM/アクセサリーを見ている少年。……相馬さんお知っている少年って言ったら……航、その友人の亜紀、盟ちゃん、少年というより青年のエル、そして……。
相馬/ピコーン。……棒を持った……アイツか。
GM/今は棒を持ってないし、変な布を纏ってもいない。……普通の格好っぽいけど、色合いが青、赤、金とケバケバしい。
相馬/うわあ、目に痛い。なにやら珍妙な格好をしているのぉ……。様子を見ます。
GM/「わー、キレー。ネックレスぶんぶん
航/アクセサリー屋の店員になって)「お客さん、おやめくださいっ!」(笑)
GM/ぶんぶん回してたのが、手から離れてヒュインと相馬さんの顔へ飛んできたり。
相馬/正面から飛んでくるものを掴む。
GM/がしっ。十字架のアクセサリーが寸前で止まる。「あ、ごっめーん。オジサンだいじょー……ぶ?
相馬/じっ。
GM/「…………。オバチャン、ネックレスはあっちの人から返してもらって」――たたた。
相馬/待て、ガシッ!(笑) 首根っこ引っ掴みます!
GM/「あちゃあー、捕まったー!」
航/(まだ店員)「どっちでもいいから1500円払ってちょうだーい!」(笑)
GM/「まだ昼間だから戦っちゃいけないんだよー! 離してよーっ!」
相馬/ふむふむ。アクセサリーと、あちゃあとを見比べて。……おぬし、コレが欲しいのか?
GM/「別に欲しいだなんて言ってないよーっ!」
相馬/欲しいんじゃな?
GM/「ぶー……光りものは子供の憧れですぅー」
相馬/ということは欲しいんじゃな? ……おぬし、コレが手に入るとしたら何をするかのぅ。
GM/肩たたき?
相馬/コノヤロウ!(笑) ……おぬし、ちぃとワシに顔を貸してはくれんかの。そう時間は掛らん。簡単な事じゃ。どうだ、やってみる気はないか。
GM/「……違反をさせるようなオジサンじゃないよね?」
相馬/オジサン……。ああ、手伝ってほしいだけじゃ。
GM/「あ、それならそのネックレスじゃなくてあっちのネックレスの方がいいな」
航/(店員になって)「3800円でーす
相馬/たっか!(笑) でも1万円を出しておつりを貰い……連行します。首根っこをズールズール引っ張って!(笑)
GM/「わあ、ちょっと待ってよ。説明してよ。どこ連れて行くのさ、何やらせるのさ」
相馬/来れば判る。
GM/「ヒドイ、説明しないの!? 正当な【体力】判定を要求するーっ!」(一同爆笑)
相馬/全力で対抗判定するぞ、ずりずりー(笑) 強制連行します。
GM/ずるずる。「そういえばオジサンてさ、マスターはまだいないの? マスター連れないで一人でお散歩なの? 昼間だしまだ遊んでくれる人はいないだろうけどさ」
相馬/ちぃとばかし厄介なことになってな。という訳でお前の力を借りたい。ずりずり。
GM/「じゃあ先にアクセサリーちょうだい」
相馬/仕事を終えてからじゃ。
GM/「うー。……仕事って、マスターに関係あること?」
相馬/…………。沈黙します。
GM/「ちゃんとそれ貰うためにアルバイトするからさ、ずりずりするのだけはやめてくれない?」
相馬/……パッと離します。
GM/ヒョイっと離れて素直に後をついて行きます。
相馬/さっさと歩きます。
GM/「そんなに必死なこと?」
相馬/…………。またまた無言。
GM/「大事なこと?」
相馬/…………。
GM/「なんか喋りなよ、人間でしょーっ!?」
相馬/とにかくお主はついて来ればよい!
GM/「話し合わなきゃ判らないよっ! 話し合わなきゃヒトって和解し合うことなんてできないんだよ! ずっと判り合えないってツライことなんだよっ!? そんなコトも判らないの、大人のクセに!」
相馬/……じゃあ観念して経緯を話します。……人のマスターにちょっかいかけてくる輩がいる。このままでは万全な状態で戦えん。という訳で付き合え!
GM/「……一つ条件出していい?」
相馬/なんじゃ。
GM/「そのネックレスは貰うけどさ。それにしたってマスターを助けるっていうのはオレに分が悪いでしょ。だから……条件」
相馬/うむ、言うてみろ。
GM/「アンタのクラス。セイバーかランサーかライダーか。それだけでも教えてよ」
相馬/……うむ、構わんぞ。ただし! 仕事を終えてからじゃ。……ま、ワシのクラスが最大の条件とする訳だからコレはやろう。ネックレスを渡します。
GM/「あ、先に渡してくれるんだ」
相馬/一応はな。それでワシから逃げられるとは思うておらんのじゃろ?
GM/「えっへへー」。ネックレスを首に掛けます。ニコニコ嬉しそうなあちゃあ。
相馬/しかし、なぜおぬしはそのような訳判らんゴテゴテしたもんを付けるかのう。
GM/「ココの国の人全然きキラキラしたモン付けてないじゃん、お宝は1人1つずつぐらい持ってなきゃ。無い方がおかしいよ」
相馬/(メモを取りながら)……アーチャーは、光りもの好き……と。
GM/「それにしても助け合いはいいことだよね! あ、あとあと! なんてオジサンのコト、呼べばいいの?」
相馬/相馬と呼べ。……おぬしの名はなんという?
GM/「じゃあ、うーん……もうアーチャーだって最初の戦闘ではバレてるけど……周囲にバレないように……『タイちゃん』でいいよ」
相馬/……タイ、ちゃん?
GM/「けどさ、相馬なんて呼び捨てでいいの? オレみたいな子供から呼ばれたら怒らない?」
相馬/構わん。いずれ別の名で呼ばれることになるんだからのぉ。
GM/「何でもいいってコト? じゃあ……お父ちゃんって呼んじゃおうかなっ!
相馬/はあっ!?(笑) オイ、ちょっと待て!
GM/じゃあお父ちゃん行こうか! わーい、キラキラ買ってもらっちゃったー! キラキラー!」
相馬/おい待て!(笑)
航/いきなり通りすがりのマダムになって)「あらあら、若いお父さんねー」
相馬/やめろー!(笑) さっさと教会に行くぞ!? つかつかつか!
GM/あちゃーあちゃー。キラキラキラー。「お父ちゃんお父ちゃん! あっち、たい焼き売ってるから食べようよー!」
相馬/無視!(笑) つかつかつか!
航/アーチャーになって)「お父ちゃーん、ベイブレード買ってー!」
相馬/その名で呼ぶなー! つかつかつか!
航/(アーチャーになって)「…………パ・パ!
相馬/やめろ虫唾が走るわ今すぐやめろッ!
GM/…………クスッ。
相馬/うん?
GM/2人がワイワイ騒いでいるのを、花壇の塀に腰掛けてクスクス笑っている姿が見えます。……帽子を深く被って、赤チェック柄の服を着た女……いや、男だ。
相馬/……視線を投げかけます。
GM/(赤チェックの男になって)「いや失礼。……ボク、たい焼き食べる?」
航/(アーチャーになって)「わー、ありがとー! お姉ちゃん、超やっさしー!」
相馬/オイ、あちゃあ……(笑)
航/(アーチャーになって)「この人、超いいひと! もぐもぐ!」
GM/「あ、タコ焼きも食べる? まだ2箱も残ってるから」
相馬/うわ、2箱って……。
航/(アーチャーになって)「やったーアリガトー! でも食い過ぎじゃね?」
GM/「一口食べたいだけたったんだけど売店のオバチャンの言葉に乗せられて4箱買っちゃってさぁ。一応1箱終えたんだけど」
航/(アーチャーになって)「いただきー! お父ちゃん、あーん! 口を開けなきゃ鼻に突っ込むぞー!?
相馬/だからやめろと! ギリギリギリー!(笑)
航/(アーチャーになって)「もぐもぐもぐ! ところでこの子、なんか変じゃなーい?」
相馬/うん……?
GM/赤チェックは相馬さんを指差す。
相馬/…………おぬし、魔術師か?
GM/「あ、バレた?」……今まさに何かの術を掛けようとしていたところでした。
相馬/思いっきり掛けようとしていたな……抵抗するぞ(笑) おぬし、ワシに何をしようとした?
GM/「何者かなー、フシギなオーラが出てるなーと思ってエンサイクロペディアを少々?」(笑)
航/ということは今ラウンドはセットアップが終了したところか(笑)
GM/「その前に解除されちゃったけどね。……まあ、今この街はちょっとした異能力者が集まるブームでね。ボクみたいな子が居てもフシギじゃないか」
相馬/聖杯戦争をブームって言っちゃったよ(笑)
航/(アーチャーになって)「わかるー! 今超パネェよね、魔術師超キテるよね! 今の時代ムーブメントだよね、あータコ焼きおいしい!」(笑)
相馬/……おぬし、魔術が使えるならワシに手を貸してくれんかの。
GM/「あら、困りごと? ……ボクはこう見えても物凄ーく忙しくてね。理由を聞かないと手伝えないな。狡猾な人間だからさ」
相馬/……ワシの知り合いがちぃとばかし厄介事に巻き込まれてのぅ。おぬしは魔術を知っているなら話は早いだろう。使い魔を体内に仕込まれたらしくてのう。
GM/「あら大変」
相馬/一刻も早く退治せねばならんのじゃが、生憎と人手が足らんて。行き摺りのおぬしに頼むのも癪じゃが顔を貸してくれんかのう。
GM/「ボクに何かメリットはあります? ボク、忙しくて忙しくてたまんないんです」
相馬/金なら多少融通は利く。謝礼をしよう。
GM/「お金持ちさんなんだ?」
相馬/ワシというよりその知り合いがだな。
航/(アーチャーになって)「ネックレス買ってくれた!」(笑)
GM/「へー。……誰を助けるの? お名前は?」
相馬/八木沼盟という。あと一人は……なんだったか、早乙女亜紀だったかな。
GM/「ふーん。……行く行くー!」。ぴょんっと兎のように飛び跳ねて立ち上がります。紙袋をいっぱい持って。
航/(アーチャーになって紙袋を覗き込みながら)「タコ焼き、イカ焼き、マグロの切り身、イクラ、昆布のデッカイ切ったヤツ?
相馬/……アメ横を堪能しすぎじゃ(笑) おぬし、それ一人で食うのか?
GM/「一口食べたらボクに全部あげるよ」
航/(アーチャーになって)「わーい! パパー、オレこの人がお母さんならいいなー!
相馬/ええい、おぬしは調子に乗りすぎじゃあ!(笑)
GM/という訳で、『キャスターが仲間になった。イカ焼きを手に入れた。マグロの切り身を手に入れた。昆布のデッカイのを手に入れた。
航/ひとくくりに『肉』でいいわ!(笑)


 ●ミドルフェイズ4/February 8th Scene 2

GM/では次は航のシーン。教会で協力者を探さなきゃ……と出かけるとき。ある人が教会に入ってきます。あれは……亜紀の家で見たあの人だ。
航/あ、昨日の……ペコリと頭下げます。どうも昨日はお世話になりました。
GM/「いえ。何か進展はしましたか」
航/一応こうすれば……って黒須さんは言ってたんですけど。今はその協力者を探しているところです。と言っても俺はあんまりツテが無いんで足で探すしかないんですけど……。
GM/「……私が協力して差し上げましょうか」
航/え、いいんですか。教会の人じゃないんですか?
GM/「私は教会に所属している訳じゃないんですよ。手伝ってやってるだけです」
航/『ダブクロ』におけるイリーガルってヤツですか(笑) 単なる協力者ということですか?
GM/「ええ。……身内が、教会にいましてね。だから手伝ってあげているだけです。それに貴方と私はもう知り合った仲でしょう。手を貸す理由はそれでいい」
航/……カッコイイ、この人カッコイイよ!(笑) じゃあ亜紀と、あともう一人、八木沼盟って奴を助けたいんで手伝ってもらえますか!?
GM/「構いませんよ。……私は元々薬師、言わば医者でもあったので、既に診ている病人を見捨てることは性分に合わないのです」
航/な、何かお礼した方がいいですか!? なんでもしますよ!
GM/「それは終わってから考えましょう。……それに、そういうことは軽々しく言わない方がいい。私が悪い人だったらどうするんです」
航/えーと…………逃げます(笑)
GM/「逃がさないほどの力の持ち主だったら」
航/それでも……抵抗します。
GM/「……元気でよろしい」
航/元気しか取り柄がありませんからね。……すみません、生意気言って(笑)
GM/「ああ……お礼がしたいなら一回、共に食事をするのはいかがですか」
航/バイト無い日だったら大丈夫です。でも俺、お金無いからあまり高いところ行けませんよ。
GM/「私の方が年上なのだから奢るのは当然です」
航/それじゃ全然お礼になってないじゃないですか!(笑)
GM/「オヤ、そうでした。……では眠っている彼が起きたときにでも元気な顔を私に見せてください。それが十分お礼になりますよ。中の人も喜ぶでしょうから
航/まったくですね。「ワーイ弁慶さんワーイ!」という声が聞こえます。
相馬/今……実際頭の中で、中の人の声が響いている(笑)
GM/では詳しい内容や開始時間を聞いて……「それでは、時間になったらまたお会いしましょう。私は許可を取ってきます」
航/許可? ……何かお仕事中でしたか。
GM/「そうです。言ったでしょう、『教会の協力者』だと。……では、失礼」
航/あ、すみませーん! お名前はー!?
GM/「…………」。止まります。
航/えーと、俺……秤谷航っていいます! あとさっき渡したメモに俺のケータイ番号とメアドを書いておいたんで何かあったら連絡してくださーい!
GM/「…………」
航/で、お名前はー?
GM/「…………ミスターB
相馬/……ミスターBッ!?(笑)
航/ミスター、びー!?(笑) ば、バックログを読み返してしまった!(笑) み、ミスターB……さん?
相馬/それだと「さん」が2つ付いてるだろ(笑)
航/あ……馬場さん!? そ、そっか、じゃあお食事のときにでも本当の名前教えてくださーい!
GM/スタスタと去っていきます。……大変不服そうな顔で。
航/機嫌損ねちゃったかなー……まあいいや。協力者が1人出来たしエルもいるからもうノルマは達成したな! あとはきっと相馬さんがなんとかしてくれる筈!
GM/という訳で、一応あと一人ぐらい誰か探せないかなー……っと街中を歩きます。
航/でもこれで2人ずつで入っていけるし。もう一人いると心強いかな?
GM/そんな風にトコトコ歩いていると、……とある屋敷の前で男性が立っている。
航/お? 誰の家ですか。
GM/さあ。通り道として使ってるから見覚えがあるけど、どこのお家かは判らない。……スーツを着こなし、髪も綺麗に整えている30過ぎぐらいの男性が、屋敷をじっと見ている。
航/おー、エリートっぽいなー……?
GM/パンッと手を叩く。
航/あっ。
GM/何か魔術を使ったのが判った。その屋敷に対して、何らかの魔法を掛けたようだ。
航/あ……魔術師だ。
GM/男性が、フッと航の方を見る。
航/エリートに見られた。
GM/「…………」。クイッと、航を路地裏に連れて行きます。
航/わあっ!?(笑) な、なんですか、拉致ですか!? 俺、金持ってませんよ! 親父狩られ!?
GM/「……ふう、ボーっとしていた私が悪いがな」
航/え、何これ!? 何があったんですか!?
GM/ぶっちゃけ言うと『何か屋敷に細工をした→偶然航が来た→見られてるのに気付かないで魔法使っちゃった→どうしようと考える前に路地裏拉致』。(低い声で)「……すまないが消えてもらおう……安心しろ、数秒記憶を消すだけだ」
航/ちょ、ちょっとストップ! お、穏便に! あの……魔術師さんですよね!?
GM/魔法を使おうとしてその寸前。『MP払いま……』す、のトコロで動きを止めます。「……同業者か?」
航/同業者っていうか新人っていうか! あの、ちょっと今、魔術師の人探していて……それに詳しい人を大募集中って感じなんですけど!
GM/「つまらない話だったらそのまま消すぞ」
航/いえいえいえ! ちょっと初対面の人にこういうコトを言うのも難なんですけど、俺の友達2人が厄介事に巻き込まれてスッゲー苦しんでて! 助けるために使い魔退治をしなきゃいけないんですけれど人手が足りなくて! もし魔法に詳しい人が来てくれたら心強いというか……お金は無いけどお礼なら出来ますよ!
GM/「……どのような?」
航/体力ならあります! だから引越の準備とか出来ますよ!
GM/「身体で払うというのか」
航/もうすぐ≪戦士の勘≫を取る予定なんで!(笑) それに俺が勤めてるスーパーの社割2割引券をあげます! 大したお礼も出来ないんですけど、困ってるんでもし良かったら助けてくれませんか!?
GM/「…………。それは、何時までに終わる?」
航/今日、夜が来る前に! 日が落ちるまでには! すぐにでも来ていただけるのならありがたいです! 少しも待っていられない状態なんで……い、忙しいとかなら大丈夫です! 大丈夫じゃないけど……!
GM/「…………。困っている人を助けてやらなければならないよな……」
航/は、はあ……。
GM/「……私は、下のものには優しいんだ」
航/よ、良かった新人で……。善意に感謝します……。
GM/「そう、下のものは大切にしなければならない、そうだった……。ところで」
航/はい?
GM/「さっきのことは忘れる。誰にも言わない。……契約できるか?」
航/さっき……あの屋敷の前のコトですね? 絶対誰にも言いません!
GM/「誰にも言わないな?」
航/コクリ! その程度のことだったら全然大丈夫です! 何か事情があるんですよね!? 約束します!
GM/「そうか、約束だぞ。……日が落ちる前なら手伝おう。では友人の元まで案内したまえ」
航/ありがとうございます! あ、その前に……自己紹介を。俺は秤谷航っていいます。この辺に住んでる高校生です。
GM/「藤原幸正だ。……そう名乗っている」
航/藤原さんですね。仲間が待っているんで教会へ行きましょう!


 ●クライマックスフェイズ/February 8th Scene 3

GM/では相馬さんの方が先に教会に帰ってきていたということで。……教会の席に生臭い匂いが漂ってます。
航/アーチャーになって)「マグロって腐りかけが一番オイシイって聞くけど、どうなんだろ?」
GM/(キャスターになって)「まずはマグロってどう食べるのが一番美味しいか知らない、パパ?
相馬/だからパパと呼ぶなと!(笑)
航/(アーチャーになって)「お父ちゃん。焼くの、炙るの?
相馬/だからお前も悪乗りするなとっ!(笑)
GM/そんな相馬さんがキャーキャーしてると……航が、藤原さんを連れて帰って来ます。
航/サーセン、遅くなりましたー!
相馬/遅い! 何をして…………。
航/相馬さん、聞いてくださいよ! この人、藤原さんって言って通りすがりの魔術師なんですよ! スゴイっしょ、俺って運良くないですか!?
相馬/…………。藤原と目を遭って、硬直します。
GM/(藤原になって)「初めまして。手伝うことになりました、藤原と申します」。周囲のみんなに言います。
航/この人、凄いですよ。いきなり話しかけて魔術師ですかって言っても怒らないで協力してくれるっていうんです。マジいいひとじゃないですか!? ……あ、相馬さん大丈夫っすか、疲れてますかー?(笑)
相馬/あ、ああ……うむ。
GM/「初めまして、藤原です」……相馬さんに握手を求めて手を差し出すよ。
相馬/……その手を取らない。
GM/「おや?」
相馬/ワシは相馬じゃ。……と言って踵を返します。
GM/「おや……機嫌が悪かったのですかね」と断られて残念だというように笑います。……そうしていると奥からミスターBが黒須と共にやって来る。
航/えーっと……馬場さん?(笑) それとエルは……?
GM/エルも待機してるよ。ということで、全員が揃ったので作戦会議に入ります。

 亜紀と盟の体内に、誰が入るかを相談した結果……。
 亜紀の身体→航、エル、アーチャー、ランサー。
 盟の身体→相馬、キャスター、藤原。


航/盟ちゃんに昔の男のキャスターを入れて、相馬さんの昔の男の藤原を付けます。
相馬/完璧ドロドロだな!(笑)
GM/それではメンバー編成も決まったことだし、エルのコンボを使用して……ダンジョン探索に参ります。……先に亜紀くんの中に入った航のシーン。
航/えっと……ここが、人体?
GM/一見、真っ赤な洞窟だ。そこはかとなくグロテスクで……流石パソコン版って感じの背景になります。
航/コレ、プレステ版になったらボカし入るんだろうな(笑) 人体って案外綺麗なのが気持ち悪いよなー。
GM/ミスターBが口を開きます。「この辺りは喉のようですね。先程、黒須柊が言っておりましたが例の蟲は頭部に生息しているようです。脳の下……ちょうど顔の中心部で栄養を拝借しているそうですよ」
航/心臓と同じ、一番血管が集まるところだもんな。喉から頑張って頭の方に渡らないといけないのかー。……なんだか亜紀に申し訳ない気がする。
GM/(ミスターBになって)「気を付けてください。私達のような部外者が体内に侵入したのですから、白血球が襲いかかってきます」
航/……俺ら、ウィルス扱いか(笑) 白血球が働いてるってことは健康な証拠だよな、うん! ということで行きましょうか! タイちゃん、協力よろしくな!
GM/(アーチャーになって)「ハイハイ! さっさと頭ントコ行ってボス倒せばいいんでしょ! 早く行こうよー!」。早く行かないと弱っていくし、どんどん白血球のトループが増えていくからね!
航/ひーっ! 亜紀の為にも早めに終わらそう!
GM/……そのとき。エルが貴方の背後で、タイちゃんとミスターBさんをムッと睨んでいるような気がした。
航/エル? ど、どうかした?
GM/(エルになって)「ワタル。……俺、なんか……あの人達、苦手」
航/なんで?
GM/「……わかんない」
航/エル、可愛いな……(笑) でも、悪い人じゃないと思う。協力してくれるんだし、大丈夫。俺も一緒だから。
GM/「……凄く強そうなのが、怖いな」とエルが呟きながらも、君達はボスの所に向かうのでした……。一方その頃、相馬さんは。
相馬/……なんかこのパーティー、偏ってないか?
GM/(キャスターになって)「えー、色々適正を考えた結果このパーティーが一番ベストだってコトになったんですよー! こっちは魔術師2人だし、あっちは若い子集まって元気じゃないですかー」
航/若さパワーで頑張ってきまーす!(笑)
相馬/……渋々承諾します。さっさと入るか。
GM/盟ちゃんの体内に入る前。例の赤チェックの男が……盟ちゃんの頭を軽く撫でたような気がます。
相馬/ん? ……気にせずにさっさと行こうとします。
GM/赤いダンジョンに入り込むと……赤チェックの男が一言。「どうやら身体が弱っているみたいですね。すぐに防護壁になる兵士達が現れませんし。まあ体力無さそうな子でしたしねー」
相馬/そのようじゃな。……あまり深く考えずにさっさと行くぞとつかつか歩き出します。
GM/「わぁっ、なんか話しながら行きましょうよー」
相馬/つかつかつか!
GM/「あれぇ、もしかして相馬さんってシャイさん? 初対面の人とあんまり話したくない派ですかー?」
相馬/つかつかつか!
GM/「そんなにこの子がカワイイんですか?」
相馬/……ピタッと止まります。
GM/「大事だからすぐにでも助けてあげたいという心の表れなんですかね、判りますぅ!」
相馬/そういう訳ではない! つかつかつか!
GM/「え、今のってツンデレ?
相馬/つかつかつか!(笑)
GM/「もうっ、全然構ってくれませんねー……ねえ、藤原さん?」
相馬/藤原の方をチラッと見つつ。……気になるので聞き耳を立てます。
GM/藤原がニコリと笑いますよ。
相馬/……むうっ! 初対面ヅラしておる。
GM/藤原が口を開きます。「実は私、あちらの相馬さんとはお知り合いなんです
相馬/うわあ、言った!(笑) ビキビキ! 何を今更言いだすんじゃ!
GM/「忘れてしまったフリをしてしまい申し訳ありません。私も、私なりの理由があったのですよ」
相馬/……そうか。うむ。……何て返せばいいんだ……。
GM/「おや、何も追及なさらないんですね」
相馬/……追及する関係でももう無かろう。
GM/「そうですか。いや……悲しいことですね」と言って、藤原もそのまま黙りましょう。
相馬/……つかつかつか。
航/……一方その頃、盟ちゃんがウナされている。「僕の身体の中で痴話喧嘩をするなぁ……!」(一同爆笑)


 ●エンディングフェイズ/February 8th Scene 4

GM/そうして2つのパーティーはラスボスの間まで辿り着き、戦闘を行い、勝利し……外に戻ってきたのでした。
航/あ、亜紀……! ほっぺたむにむに! あ、イヤな顔した! 良かったー!
GM/(アーチャーになって)「さっきの戦闘、超大変だったよね! 壁を傷つけちゃダメだったから、遠距離攻撃ばっかのオレ、涙目だったよ!」
航/でも狙い撃ちしてくれたじゃん、ありがとう!(笑)
GM/「あ、日が落ちる前に終わって良かったー。オレ、コドモだから早く帰らなきゃいけないんだよね」
航/エルとミスターBさんにも頭を下げます。本当にありがとう。
GM/……そうしていると相馬さん達も出てきます。
相馬/ぴょいっとな。ふぅ……コキコキ。
航/そっちはどうだった?
相馬/まあ、どうということはないわ。
航/盟ちゃんのほっぺたつんつんしてみますよ。
GM/嫌そうに寝返りうった。肉って書くなら今のうちだよ。
航/スッゲー憎たらしい顔した!(笑) ……まあいいや、病人には優しくしてやるか。
相馬/その様子を見て安心します。……キャスターの様子を見てみますが。
GM/(キャスターになって)「相馬さん、良かったですね。安心しました?」
相馬/……ふん。
航/安心したなら安心したって言えばいいじゃないですか!
GM/(キャスターになって)「そうですよ。本人に言ってあげたらもっと喜ぶかもしれませんよ」
相馬/ええい、うるさい! 顔を背けます!
GM/赤チェックの男は懐中時計を見て言うよ。「日も落ちるし、ボク達はこの子が目覚める前に帰った方が良いですね。助けてやったなんて武勇伝語ったら悔しがりますし、体に色んな人が入ってたなんて聞いたらきっと嫌がりますよぉ」
航/いやらしい言い方だ……(笑)
相馬/……おぬしは、コイツのことを知っておるのか?
GM/「いや全然」
相馬/……そうか。いけしゃあしゃあとコイツは(笑)
航/違う、コイツらは!(笑) 藤原さんもニコニコ笑ってるだけだったし、藤原さんとキャスターって相性バッチリじゃないですか!
GM/(藤原になって)「この辺で私は失礼します。またお会いしたときにでも、以前のことについてお話しましょう」
相馬/こ、コヤツは……。
航/え、相馬さんと知り合いだったんですか。あ……藤原さん、ありがとうございました! 約束は絶対守りますから!
相馬/約束?
GM/「宜しく頼むよ。それでは……またお会いしたときは、楽しい夜を過ごしましょう」
相馬/……ふんっ!
航/な、なんかすっげえピリピリオーラが漂ってる(笑) 相馬さん、何かあったんですか? そんな嫌な人には見えなかったけど……。
相馬/それよりおぬし、約束とは一体なんじゃ?
航/……や、約束だから言いません! ダメですよ、首斬られたって言いませんからね!
相馬/……苦虫を噛み潰したように、そうかと言います。
GM/アーチャーになって)「じゃあオレの方も約束守ってー! 教えてーっ!」
相馬/ああ、判った判った。アーチャーの耳元に言います。……ワシはバーサーカーじゃ。
GM/ついでに正体も教えてーっ!
相馬/誰が教えるか! 調子に乗るなコツン!(笑)
航/アーチャーになって)「あちゃー。[狂戦士]の力で殴られたー」(笑)
GM/藤原と赤チェックの男は去り、コドモも駆けて去っていく。……いつの間にかミスターBも居ない。そして黒須さんが亜紀と盟の身体をチェックします。(黒須になって)「先程ミスターBが報告を軽くしてくれたんだが、犯人に繋がるものは亜紀の身体から発見できなかったとのことだ」
相馬/ああ、ワシの方もわからなんだ。
航/じゃあ結局は……フリダシに戻ったカンジかぁ。
GM/(黒須になって)「しかし、今後本人達が気を引き締めれば抵抗力は画然に上がる。今後同じ手でやられることはないだろう。簡単に落ちることも無くなるぞ」
航/でも……亜紀はともかく、八木沼ってそんなに間の抜けた奴かなぁ? 亜紀は家族に守られているっていう安心感もあるから気を抜いちゃうだろうけど、何か……うーん。起きている間は絶対できない盟ちゃんをぷにぷに(笑)
相馬/そろそろ去らせてもらうぞ。途中までヘンリーに迎えに来てもらって、背負って帰ります。コヤツ一人ぐらいなんてことはない。
航/相馬さん、本当にお疲れさまでした。ありがとうございます。
相馬/こちらこそ世話になった。
航/握手しましょう。
相馬/…………。
航/強制的に握手しますよ!(笑) ……いつか戦うことになるのかもしれませんけど、今は、ありがとうございます。
相馬/そのときを楽しみにしてよう。若干力を込めて握り返します。じゃあなと言って、つかつかつか。
GM/190センチの男に背負われてる盟ちゃんが物凄く小さく見える、そんな夜でした。
航/八木沼、ちいせー(笑) 相馬さん、カッコイー。
GM/……エルが2人を見ている航を見て。「俺もワタルをおんぶしようか?
航/違う!(笑) お前はそういうのしなくていいから! 俺、無事だろ!? HPも半分しか減ってないだろ!?(笑)
GM/「しなくて平気なの?」
航/だ、大丈夫だよ……。
GM/「じゃあ、並んで一緒に帰ろうか」
航/……だな、歩いて帰ろう。
GM/てこてこ。ニコニコと2人でアパートへ帰る……ということで今日のシナリオはこれにて終わりにしましょう。
航/後日、「おはよう! 今日は土曜日か。鞄に荷物を積めてー……っと学校着いたら月曜だった!?」という盟ちゃんのシーンから始めましょう(笑)
GM/ですね。では最後の最後に……ちょっとしたマスターシーン。

 赤チェックの男と藤原が途中の道まで並んで歩く。
「ではこの辺でボクは」
「また違う晩に」
 キャスターは壁の方向へ走りだすと、とある『穴』へと姿を消していった。
 すっと、『穴』に吸い込まれるかのように。まるで本物の魔法使いのように。


相馬/おお……流石キャスター。

 藤原は、昼間に航と出会った屋敷とは違う建物へ訪れる。
 大きな建物を見上げ、また手をパンッと鳴らす。闇夜の中に、魔法の音が響く。


航/……また何か使った?

 アーチャーはビルの方へ素早く駆け上がる。
 夜景が一望できる屋上で、ふーと息をつく。
「そろそろオレも、本格的にマスター探しをしないとダメだよねー」


GM/……なんか、「明日から本気出す」って言ってるフリーの人みたいだが(笑) ちなみにエルは航と並んでニコニコ笑い合って帰宅する。
航/てこてこ。

 最後に。ミスターBは、とある一室にやって来ていた。
 そして一言。
「ただいま帰りましたよ…………父上」


相馬/ちょ、「父上」っ……!?
航/今、弁慶さんが「父上」って言った!?(笑)
相馬/弁慶さん……なんか、おいしい秘密をばら撒かれていった気がする(笑)
航/若干の違いはあったけど、いつも通りの弁慶さんの感じで大変やりやすかった(笑)
GM/……ということで、『ドロリア発売前おまけディスク版』、これにて終わりになります!(笑) 次回をお楽しみに――!