アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第1ループ3話 『 interlude 2 』 4ページ ■
2009年11月20日




 某日。
 前回の『interlude 1』を公開後。航と相馬だけのシナリオに、リプレイを読んだ亜紀くんの中の人こと、みっこは笑顔で感想を語ってくれた。


みっこ/ミスターBって、ちょっ! それになんでロック掛けてないんですかー。まったくもー、ロック掛けておかなきゃ。ぷんぷん!

 ……本当に、架空の亜紀くんは真実の亜紀くんに大変似ていらした。

マーサー/という訳で、今回もまたプレイヤー全員揃ってないけど『ドロリア』突発セッションを始めたいと思います。今日のプレイヤーは、なんとすずかとユウだよー。
ユウ/だよー! わー、口から先に生まれてきたコンビだねー。
すずか/そうそう、いつもの2人です。絶対2ちゃんねるのロリループ板に「お前らホモゲーやりすぎ」「またホモゲーの奴らか。PC1すずかだってプギャー。終わったな!」とか書かれる。

 訂正する必要なんて無いだろうけど、ロリループ板なんてものは実際には存在しません。

ユウ/……なに、それはアンハッピーエンドになる的な意味で?(笑)
すずか/大惨事確定的な意味で。で、擁護派の人が「大丈夫だよ。PC3がユウだし。安定する!」とか書き込まれる。
マーサー/あと「辰巳復活キター!ビクトルのオッチャンキター!」とか書かれてる。
すずか/「まて、リュウさんの暴走を忘れるな!」……そんなロリループ板(笑)
ユウ/「お前達、忘れてるんじゃないか……みっこの癒し系を!」
すずか/「これは癒しを1人に任せて他の3人が大暴れするフラグだな」
ユウ/「終わったな」。……もうこの調子でウェブラジオがやりたいね(笑)
GM/出来るよ、このメンバーなら。『スカーレット』のラカート&イオン&シグでも出来るし、『夢魔炎上』の旭人&義人&九郎ちゃんでもいいよ! ……コーナーさえあればいつでも出来るね。
すずか/普通のお便りを捏造してやりますか。

 ……後日、真剣に考えておきます。

マーサー(以降、GM)/まあ、雑談はその辺にしておいて。……今回は、『シナリオクラフト』を使用して航&盟編をやってみようと思います。折角オリジナルSRSとして作ったことだし、同じSRSである『アルシャードガイア』を参考にプレイしてみようかなという魂胆です。

 今回は、『アルシャードガイア』より、「ストーリーパターンテンプレート:異世界からの侵攻」を使用します。
 なお、このときGMは「導入」「犯人」「ラストのマスターシーン」以外はシナリオ・展開を一切考えていません。オールアドリブで(いつもの通り)進んでいます。


GM/どうぞ自己紹介を……PC1から。
すずか(以降、航)/ワッタルンルン♪ です。以上!(笑)
ユウ(以降、盟)/なんだ、それは僕にヤッギルンルン♪ って言わせるフラグか。言わないぞ!(笑)
航/ヤギるヤギればヤギるときヤギれよ。……さあ、ヤギれよ!
盟/八木沼盟です。以上でーす。
GM/では……今日は、2月9日、月曜日です。前回の盟ちゃんと亜紀くんが倒れたのは2月7日土曜日。私立高校だったら土曜日に授業やってるところもあるから平気な筈です。じゃあ始めましょう……。


 ●オープニングフェイズ/February 9th Scene 1

GM/最初に……PC1のシーンから。
航/もしかしてPC1って俺ですか!
盟/もしかしなくても君だよ。

 ……夢を見た。
 またこれは夢。前と同じく、自分が寝ていることを実感している夢だ。
 どこかのベッドで眠っている自分。目を開けると天蓋。
 そしてやっぱり重い身体……。


航/二度目かー……物凄くダルイし無理だー。それにこのフカフカのベッドを夢といえど手放したくない! 俺は寝ます。
盟/寝んな。起きろし。……まず手がかりを探せよ!(笑)
GM/寝ますってことは、また目を閉じるのかな。
航/閉じます。
盟/難易度判定するぐらいの気持ちを見せろっ!(一同笑)
GM/目を閉じて眠ろうとすると、掛けているシーツを軽く引っ張られるような感触がします。
航/なんだ? 起き上がって見てみます。……ダルイけれど。
GM/起き上がってみると、自分が眠っている横で、椅子に座りながらも突っ伏して眠る……金髪が見えます。
航/見覚えがある金髪ですか。
GM/ええ。以前夢で見た人だ。
航/……もしもーし、大丈夫ですか。
GM/声を掛けられて、ググっと前を向く。目が遭うと……やっぱりあの赤目の人だ。「あ……起き上がれるようになったか?」
航/う、うん。ダルイけれど。……「どちら様ですか」と訊くのもアレだし、「どちら様ですよね」と断言するのもアレだなぁ。
GM/彼は起きぬけの顔を振るって立ち上がります。君を心配するような素振りをしながら。
航/うーん、エルに聞いてはいるから……ギルガメッシュかって訊いてみます。
GM/尋ねてきたのでキョトンとしますね。「ああ、お前……まだ寝ぼけているんだな?」
航/……そういうコトにしといてください。
GM/「起き上がれるほど元気になったなら良かった。すぐに食事を持って来させよう。立ち上がれるなら一緒に外に出ないか?」
航/あ、ありがとう。……なあ、俺って今までどうしてたんだ?
GM/「どうしてた?」
航/どうして眠ってたんだ。
GM/…………。
航/…………。

「……お前を神々なんぞに殺させないからな」

GM/夢、終わります。
航/それってどういうこと、待っ……ゴチンッ!(一同笑)
GM/(いきなり明るい声になって)「はうぁっ!?」……エルの頭がぴよぴよぴよ(笑)
航/またダウン状態!(笑) こちらも頭をさすりながら……エル、悪かった。
GM/(エルになって)「や、やっぱりバネを使った起き方をするんだね、ワタルは……」
航/……また変な夢を見た。この間の続きっぽいのを見たよ。
GM/「そうなのか?」
航/夢に出てきたの、やっぱお前の友達だったっぽいよ。
GM/「そっか。……いじめられてないよな? なら良かった」
航/いじめられはしなかったけど、なんか……ちょっと気になることを言ってたよ。
GM/「……聞かないことにしておくよ。自分のこと話されるのも恥ずかしいからね」
航/そうか?
GM/「だって、君と同じように、俺は君の記憶も見ているんだよ」
航/……。それはもう、見たという解釈でよろしいか?
GM/「うん。君は何回夢を見た?」
航/2回目。
GM/「俺もだよ」
航/……既にあんなコトやこんなコトやそんなコトを?(笑) ぷー、なんだか恥ずかしい……。
GM/という訳でエルは朝食の準備をし始めます。冷蔵庫からベーコンを、198円だったところを20円引きで買ってきたものを取り出して。
航/じゃあ冷凍ホウレンソウも入れて炒めようか。……英雄がどんどん所帯じみていく(笑)
GM/そう2人で朝食を食べた後……君は普段通り学校へ登校したのでした。
航/玄関でベーコンを炒めるエル……残念だ。だが嫌いじゃないぜ(笑)


 ●オープニングフェイズ/February 9th Scene 2

GM/次に盟ちゃんのシーンいきます。
航/土曜日だと思ったら月曜日だった! マジ涙目!
GM/という訳で盟ちゃん。君はとっても長く眠っていたような気がする。そして、君も夢を見た。
盟/ボーッと見てますけど、どういう情景ですか?
GM/……なんか、ぴょんぴょん飛び跳ねることが出来るぐらい身体が軽い。大人の男になったみたいに身体は元気だし、身長も高いから視界が全然違う。
盟/どんな格好をしていますか?
GM/和服ですね。……まるで時代劇の舞台に居るかのような一室は、とても歴史がかっている。1000年ぐらい前の日本ぽい感じがします。
盟/妙にリアルな夢だな……。室内に何か書き物はありませんかね? 周りにある物から色々読み取ろうとします。
GM/ありますよ。だってあの人、一応貴族だもの!
盟/ですよねー、嗜みだもん!
GM/言わなくても判ってると思うけど盟ちゃんは今、契約した相馬さんの記憶を見ています。これはおそらくアイツのとある一日を切り取ったような感じだ。……詳しい描写は相馬さん本人にしてもらうけど(笑)
盟/つまりここからアイツが誰かを調べていけば……僕、有利! まだアイツの正体知らないし、知れる機会は存分に知っておかないと!
GM/ちなみに魔術を使おうとすると使えない。夢だしな。……部屋は薄暗く、当然のことながら電気の無い生活をしている。
盟/わー。僕は絶対過去にタイムスリップできないなー……電気が無い世界なんて無理だ!
航/魔術師の言うことか!(笑)
盟/ケータイが便利すぎるんだよ、魔法より便利だ! 【MP】を払うよりは電気代払った方がラクだろ!(笑)
GM/真理だ。では、とある人が「失礼致します……」と部屋に入ってくる。誰だろう。お世話係の人かな? 「御館様、おはようございます」
盟/いつも盟をキャラロールするときの笑顔で)おはよう! そこの者、我が名を言ってみろ!
GM/気が触れましたか!?」(一同爆笑)
盟/違っ! ……しまった、「これは良い考えで正体判っちゃうなんてラッキー」とか思ってニヤニヤしてた!(笑)
航/……俺、盟ちゃんの絶妙なツメの甘さが好きだわ(笑)
盟/あくまでもスネチャマだから(笑) 顔を作り直して……って、アイツが言いそうなことって何!?(一同爆笑)
GM/ニコニコ笑っている相馬さんを見て部下はガクガク震えてる。「なにこれ!? 斬り捨てられる!? 怨霊にとり憑かれた!? 陰陽師とか連れてきた方がいい!?」(一同笑)
盟/ご、ゴホン! 何を言うか、ワシがそんな……物怪に憑かれてるとかと申すのか!
GM/「は、はあ……貴方様のお名前ですか。お名前は……」。――夢が終わります。
盟/だからなんなのさぁー!? って言いながら起きます!(笑) あああ腹立つー! 理不尽だぁー!
GM/……詳しくは、相馬さんの中の人ととテキトーにご相談の上(笑)
盟/はーい。しょうがない……土曜日の授業に行くか!(一同笑) 月曜とは全然違う時間割のものを詰めていきます。
GM/置き勉をしない盟ちゃん、グッジョブ……ロッカーに詰めておかないなんて偉いわ。そういや航と盟ちゃんって同じクラスなの?
盟/面白いから同じクラスにしようか。
航/はあー、今日の1限、古典かよ……眠っ!
盟/……教室の黒板の文字を見る。
航/本日、月曜日。
盟/……ケータイを確認する。
GM/本日、月曜日。
航/なあ。今日、何曜日だか、知ってる?
盟/……月曜日か。
航/元気そうで良かった。昨日の今日だから心配してたんだぜ。
盟/……で、何があったんだ。
航/蟲に憑かれた。相馬さん達と撃破した。今日は月曜日。……3行でオケ?
盟/そうか。……隣のクラスに教科書を借りに行ってくる(笑)
航/盟ちゃん偉い! ちゃんと授業を受けようとする!(笑)
盟/なんだったらお前の教科書でもいいぞ!?
航/俺も使うのに何言ってるの!?(笑) それともそれは俺の隣に机を持って来るとかそういう魂胆か!
盟/お前はどうせ寝てるんだ、結局使わないだろ! 教科書が無くて怒られるのはお前1人だ!
航/よし、判った……俺のラクガキだらけの読めない教科書を貸してやろうか! どうせ評定平均3.2だよ!(一同笑)
GM/リアルだ。悪くないのに、良くない(笑) ……ちなみに航は、亜紀くんからメールを受信します。
航/あ、亜紀はどうなったんだ?

『おはよう。
 祐希とお見舞いに来てくれたって聞いたよ、ありがとう。今日はまだ身体がダルイみたいだからもう少し休んでいくね』


GM/もう回復はしてるみたいだね。今日休むのも「病み上がりだからもうちょっと休みなさい」というお母さんの心遣いでしょう。
航/「大きな風邪引いちゃったんだし3年生なんだから授業殆ど無いんだから休んでなさい!」……ってカンジかな? 祐希にも連絡してやってくれって返信します。あとなんか目の細い大柄な中の人好みの男性と知り合いになったからヨロシク(一同笑)
盟/……なんだそれは。変な知り合いでもできたのか?
航/まあ、ちょっとな。……嗚呼、ミスターBって一体何者なんだろう(一同爆笑)
GM/という訳で今日も亜紀くん欠席です。きっと相馬さんは家で『いいとも』見てるでしょう。ムスッとしながら3日ぐらい見たらどんな番組か趣旨が掴めてきたらしい。
盟/いきなり相馬になって)「昨日はあの企画をやっていたではないか! このタモリとかいう輩も何故こんな適当なんじゃ! 顔を見せぬとは怯えておるのか!?」
GM/「そーですねー」
盟/(相馬になって)「何故この者達は日本語を返さない!?」
GM/「そーですねー」
盟/(相馬になって)「なんと……日ノ本も変わったものよのぉ」
航/(同じく相馬になって)「しかし、このDAIGOという若者……シャッキリしとらんなぁ!(一同爆笑) この香取とかいう若者もこのような姿で外を歩けると思っているのか!」
GM/多分、土曜日だったら放映してないから「なんでだ!?」って言う(笑)
航/日曜だったら「この間見たのがまたやっとるぞ! コイツらは怠けとるのぉ! 怠慢じゃあ!」って言う(一同爆笑)

 以上、架空の相馬さん合戦をお送り致しました。


 ●ミドルフェイズ1/February 9th Scene 3

GM/お昼の時間です。盟ちゃんはなんとか月曜の授業をこなすことが出来たけど……。
盟/……学食、初めて食べた。
航/今までいつもお弁当だったんだね(笑) どうだ、塩ヤキソバ100円の味は?
盟/なんというか……凄く、ボサボサする。
航/ニヤニヤとそれを見ながら一緒にご飯を食べてます。
GM/盟ちゃんにとって初めて使う学食。初めて見る購買。初めて来たそのスペースを見て……思う。「あれ、なんだ? どこかに……結界でも張ってある気配がする」
盟/おっ?
GM/何らか魔術の気配が魔術師の盟ちゃんには気付きます。滅多に生徒は行く機会の無い、裏口に続く廊下……ライトもあまり点いていない先に、何か変なものがある気がする。
盟/……航を呼びます。
航/コロッケ食いながら……はぇ?
盟/……結界が張ってある。前に出ろ。こういうのは前衛の仕事だ。あそこの扉を開けろ。僕は後ろで見ている。
航/……カレンダーを見ろよ。俺、前衛って言ったって覚醒してから1週間経ってないんだよ? 5日目おめでとう、俺!(一同笑)
盟/経験は何事も大事だ!
航/ところで盟ちゃん、塩ラーメン340円って超食べたいと思わない?
盟/さっきコロッケ食ってなかったか?
航/俺、成長期なんだよね。163センチあるんだぜ、俺。
盟/残念な燃費だな。……さあ、行こうか。
航/低燃費な盟ちゃんは小さいなぁ!
盟/僕は魔術師だからそんなバカデカイ図体にならなくてもいいのさ!
航/まったくコイツは! とりあえず、「射程:至近」に居ろよ。≪カバー≫出来るから!(笑)
盟/判ってる!(笑) ……廊下に行ってみます。
GM/改めて近づいてみると……盟ちゃんは変なパリパリした緊張感そ感じる。もしかしてこの先で……儀式でもしたかっていうぐらいの不穏な空気だ。
盟/学校で儀式とは……バカな奴も居たもんだな。
GM/裏口から出ると、裏庭に到着します。食堂の人だって来ないから1日に数回しか人影が無い場所だ。「キキッ」という不気味な声が聞こえたところで、1D6を振ってください。
盟/(ころころ)1です。
GM/(シナリオクラフトを読んで)……次に、2D6を振ってください。
盟/(ころころ)11です。

『侵攻状況1:気温が2D6度上昇』

GM/……ここ、暑くないか? 2月だというのに、なんだかすっごく暑い。
航/あー、テンションあがって来たっていうか……暑くね? 上着脱ぎますよ。
盟/騒ぎすぎなんだよ、って言いながら捲る。ちょっと首元も緩める。
GM/冬の裏庭ならヒンヤリしている筈なのに暑い。しかも、いきなり11度も上昇するなんて……。
航/あったか!?
盟/ていうか、あっつ!?
GM/一気に寒い所から暖かい所に来たらどうなる?
航/眩暈がするよね。……暑い……塩ラーメンはいいや。カレー食おうぜカレー!
GM/それでは、340円を奢らせに行きましょうか。不思議なことが何故か起きた、そんな昼食の時間帯でした。……もう一回ぐらい『侵攻』表、振りたいなぁ。
盟/じゃあ、授業が始まったってことで。
GM/それなら……体育の時間にしよう。土曜日に体育は無かったけど、盟ちゃんどうする?
盟/体操着が無いと言わないで、「病み上がりなので見学します」と言います。
航/お前は女子か!
盟/バッカ、[魔術師]だから【体力】無いんだよ!(笑) もう一人の非戦闘員も休んでるだろ!
航/亜紀はいいんだよ、か弱いから! ……じゃあ、俺は楽しく楽しくドッチボールしてきます。
盟/本を読みながら外に居ます。
GM/では同じように、1D6を振ってみてください。
航/今度は俺が振ってみよう。(ころころ)……1。
GM/さっきと同じだね。2D6を振って。
航/(ころころ)7です。

『侵攻状況1:気温が2D6度上昇』

GM/運動していたからかな? すっごく暑くなってきたよ。みんなも「暑いね」って言いだす。
航/みんなジャージ脱ぎだしたな……あっちぃー、テンション上がり過ぎた。
盟/座っている自分はどうですか?
GM/暑いね。絶対にこれはおかしい。
盟/何かが作用している……? 航達の方を魔力感知的で見てみますけど、どうですか?
GM/では離れたところで航とそのクラスメイトが授業をしているのを……見て。「はあ? アイツら、なんで炎の上歩いても大丈夫なん?」
盟/……あ……。
航/バーン! よっしゃー、2匹落としたー! あっつー!
盟/……バカはやっぱり、バカってことなのか(笑)


 ●ミドルフェイズ2/February 9th Scene 4

GM/放課後です。掃除が終わってみんなが帰り始めます。
盟/さっきのことを航に話しに行きます。べ、別にお前と仲良くしたい訳じゃないんだからな!
航/俺と仲良くしたいなら素直に来いよ!(笑) で、何?
盟/炎の上をみんなが歩いていた。昼の結界とあの炎は関係しているっぽい……OK?
航/……俺、一週間前だったら「ナニ言っちゃってるの?」って言うけど、家に非日常が住んでる身としては信じない訳にはいかないな。
盟/当たり前だ、お前が覚醒してなかったらこんな話を一般人なんかにするもんか。
GM/誰も居ない教室で2人で話しているのかな。じゃあ……ガラッと教室の扉が開く。
航/誰だ?
GM/祐希です。「あ……航、まだ居た」
航/そっちに行きます。祐希、どうした?
GM/「その……一緒に帰らないか……と思ったんだけど」
盟/……プイッとして帰り支度を始めるような仕草をします。
航/……なにこの選択肢。ギャルゲーやってる気分になった!(一同笑)
GM/なら選択肢が出ます(笑)

 @祐希と話をする。
 A盟ちゃんと原因を探しに学校を探る。


航/それなら俺は……B祐希と話した後に盟ちゃんと探索する!(笑)
盟/ですよね、TRPGだもんね!(笑) 祐希行ったら盟ちゃんの好感度が下がっちゃうからプラマイ両方に0なやつにいったな!
航/それってダメな選択肢じゃないか(笑) ……ごめん、八木沼待ってて。すぐ戻るから。
盟/べ、別に1人で帰るだなんて思ってないんだからっ!
航/ツンデレか!(笑) ……あのさ祐希、今日はゴメン。ちょっと……居残り勉強があるから。
GM/か細く消え去りそうな声で)「……えっ……?」
航/泣きそうな顔をするなっ!(笑) ……アイツ、この間休んでいたからさ、俺が見てやらなきゃなんねーんだよ。
GM/(切なそうな声で)「そっか……クラスメイトと一緒に居る方がいいよな……」
航/祐希、ほっとけねえ!(笑) ついて行きたくなるじゃないかー!
GM/一方、盟ちゃんには航が先輩っぽい人と親しく話しているのが見える。
航/あ……八木沼。祐希は先輩だけど俺の幼馴染なんだ。盟ちゃんに紹介しておきます。
盟/頭をペコリ。……人見知りをするので。
GM/祐希も軽く頭をペコリ。……人見知りをするので。
盟/お互い人見知りだった!(笑) ……そういえば以前、亜紀以外に巻き込まれた人がいたという話はを聞いていた。その人かなって思いながら、魔力感知します。
航/このPC3、ぬかりねえ!(笑)
GM/それなら……ちゃんとこれはダイスで【意志】判定してもらいましょうか。

 今の今まで、シナリオクラフトのダイスロール以外はサイコロを持たないプレイをしていました。
 ここでは改めて盟に能力値判定をしてもらうことに。


盟/(ころころ)おっ、これは成功しただろ……達成値15です。
GM/次に【幸運】判定をどうぞ。
盟/は?(ころころ)……12です。どうですか?
GM/盟ちゃんは思った。「……この子、能力者か?」
盟/……んっ?
GM/けど、普通の能力者かどうかを識別するぐらいなら最初の【意志】判定だけで気付く筈だ。でもなんか勘ぐりを入れない限り気付けないものだった。……以上です。
盟/はあ……。
GM/とりあえず「普通じゃない」ということは判ったよ。
航/そんなことは知らない俺は祐希の頭を撫でてます。お前、1人で帰れるかー?
GM/「大丈夫だって……僕、男だから」
航/それは前も聞いたけど(笑) あっ、俺の代わりに亜紀にこの漫画返しておいてくれるか?
GM/「ああ……判った。お見舞いに行ってくるよ。航も勉強……頑張れよ」
航/頑張ってくるー。じゃあな、気を付けてなー……コラ、盟ちゃん引っ張るなー。俺は今、幼馴染とツンデレに挟まれた気分だ(笑)
盟/何を訳の判らないことを言ってるんだ! ……アイツは能力者なのか?
航/なワケねーべ? だってアイツ、昔からずっと一緒に居るけどそんなの見たことも聞いたこともないぞ。
盟/お前の言う通りの無害とは思えない感じだな。……お前のもう一人の幼馴染にだって能力者だってこと知らなかったんだろ?
航/……その通りだけど。なに……祐希が怪しいって? ムッとした表情で言います。
盟/人は誰しも、表に見せている面が正しい姿とは限らない。勘ぐることも大事だ。
航/……それでも、俺は幼馴染を疑うような男になりたくねーよ。気を付けてはおくけど……アイツだって巻き込まれて狙われた一人なんだから、怪しい奴なんて思いたくねーよ。
盟/じゃあ彼の周りに怪しい奴はいないか?
航/…………。そういえば知らなかったけど、親戚のお兄さんが居るって言ってたな。
盟/そんなに長い間一緒に居て気付かないものなのか、それ?
航/最近一緒に居るとか言ってたから家庭の事情があるんじゃね? ……大丈夫だよ、大丈夫に決まってんだろ! ……無理矢理自分に言い聞かせます。
GM/じゃあこの辺で『イベントチャート表』を振ってみるかな。1D6振ってみてください。
盟/(ころころ)1です。

『イベントチャート表1:NPCチャートへ』

GM/では……学内を散策していると、あるNPCに遭遇しました。これは独自のチャートを振ってみよう。『1:エル、2:アーチャー、3:キャスター、4:ランサー、5:謎の誰か、6:振り直し』で。
盟/……5を出せ、5を!
航/(ころころ)……4でした。4って……ランサーか?
GM/では君達は校外を調べていると、門の所に帰宅していく祐希の後ろ姿が見える。その横に、航は知覚した。……あ、あの人が居る!
航/あっ! あなたは…………ミスターB!(一同爆笑)

 何故か、(一同爆笑)。

盟/あれが朝に言っていた面妖な知り合いか!(笑)
GM/航は何故彼がこんなところに居るのか考えると……「そういえばあの人、聖杯戦争に巻き込まれた人を警護してる教会の人なんだっけ?」
航/そっか、なるほど。亜紀や祐希の傍に居てもおかしくないな。八木沼、アレが昨日手伝ってくれた教会の人だ。
盟/ああ……しかし教会にしてはまたおかしな名を付けたな。
航/色々、明かしちゃいけない本名とかあるんじゃね?
盟/……助けてもらった身として言ってはならんが、怪しくないか? 誰もツッコまないようで言うが怪しくないか!?(笑)
航/そうだな。……なんで今まで航も相馬さんもツッコまなかったんだろう。『ミスターB』っておかしすぎる!(一同爆笑)
GM/祐希はミスターBの存在など知覚できないような風に横を通り過ぎていきます。……くるりとミスターBが振り返る。
航/あ、気付かれた。
GM/軽く君に会釈をして去って行くけど、どうする?
航/教会関係者の人だし、話をしてみよう。ミスターB、ストーップ!
GM/(物凄く低い声で)……ぴく……ゆらぁり……。
航/うわ怖い! オーラを出して振り返らないでくださいっ!(笑)
GM/「……こんにちは。奇遇ですね」
航/昨日はお世話になりました。おかげさまで盟ちゃんもこの通りピンピンしてますよ!
GM/ミスターBが盟ちゃんの方を向きます。「こんにちは、初めまして」
盟/こんにちは。……ミスターBに向かって魔力感知をしていいですか?(笑)
GM/振らなくても判るよ。この人は能力者だ。だって助けてくれたもの、それぐらいの力はビンビンするよ。第一、教会所属って時点で[聖職者][処刑人]のクラスが入ってるよ。
盟/ですよねー、一般人なワケがなかった。この人、何の能力なんだろう……って思いながら見ます。
GM/「貴方が、あのときの眠り姫でしたか。もう動いて平気なのですか」
盟/ええ、寝ていたことに気付かないぐらい普通に学校に来ましたから。
航/そうそう、土曜の荷物で学校に来たぐらいだし。
盟/ゴホンッ!(笑)
GM/「……ああ、確か貴方は……八木沼家の魔術師でしたね。同業者の黒須柊から聞いております」
盟/ああ、つまりは……貴方も教会側で審判を?
GM/「残念ながら今はその話をしている暇はありません。けれど、貴方にちょっとした苦言を言っておきますね」
盟/えっ、僕オンリーに……?
GM/「はい、貴方に」
盟/……何か?
GM/「……もう気付いているかもしれませんが、何故蟲が、貴方の屋敷に居た貴方に取り憑いたのか……お考えください」
盟/……。だよね、≪テリトリー≫って絶対安全な筈なのに……。
航/侵入者があったら寝ていても気付く。判る筈……なのに。
盟/なんで判らなかった……? っていうかこの状況に気付いてなかったよ!(笑)
GM/八木沼家の魔術師たる貴方なら私が言わなくても判っていましたか
盟/学校に来てから気付いたよ!(笑) 変な訪問者があったことにも気づいていないんだから、盟ちゃん!
GM/「あくまでアドバイスです。失礼しました。……では、私は元の任務に戻りますね」
盟/……監視かなぁ?
航/お疲れ様です。何かあったらちょっと連絡したいんで、メアドくださーい!
GM/「後で頂いた貴方の携帯電話に送っておきますよ」
盟/……メアドって、mister-Bなのかなぁ!?(笑)
航/MKY-chugiとか、mister-B-gojo-oubashi-genji@?(笑)
GM/それは正体バレるだろ!(笑)
航/いやぁ『ドロリア』の弁慶さんって本当、ネタキャラだよね!(笑)


 ●ミドルフェイズ3/February 9th Scene 5

GM/それでは学校の夜の探索タイムです。……2月の夜は超寒いね。
航/寒ぃ……ガタガタ震えてます。
盟/何故マフラーの一つも持ってこない!? 凄いモフモフ着ながら言います。
航/持ってねーんだよ! ダウンジャケット着てるんじゃねえっ! 耳アテもすんな!(笑)
GM/そうだな……夜の探索だし、サーヴァントのエルと相馬も居ることもします。調べるところは学内でいいかな?
盟/入れるものなら夜の学校ってメッチャ入りたい。
航/わかる。ゲームの中で夢を叶えようか(笑)
GM/校内侵入してもセキュリティシステムは発動しません。不可視の呪文を唱えておけば平気です。……じゃあ『調査』をするか。1D6を振ってください。
盟/(ころころ)6です。

『調査6:神託を聞く』

GM/『神託を聞く』かぁ……「どこからか声がする」っていう描写にしようか。
盟/……ロリ?
GM/いや、それはない。……どこからか「キ、キキキ……」という、人のモノとは思えない声が聞こえた。
盟/そちらの方向に向かいます。
GM/音のした方向に近づくと……裏庭に近い半地下に辿り着きます。【意志】判定をどうぞ。
航/(ころころ)成功。
盟/(ころころ)失敗……ここは面白いから、ファンブルだったことにしておこう!(笑)

 ただでさえサイコロを振ったようで振っていないようなゲームなので、自ら率先しての負けロールは許可(もしくは激しく推奨)しています。

GM/航が辺りを見渡すと……半地下の方に青白い光が見える。緊急出口は緑色の光だから、あれは何の光だ……?
航/……まさか、火の玉?
GM/で、ファンブルにする盟ちゃんって[霊媒師]なんだっけ。
盟/はい、霊能力者です。
GM/……盟ちゃんはゾワッと寒気がし、突然立てないぐらい身体が震えてしまいます。
盟/……ぺとん。ガタガガタガタ!
航/な、なに? 盟ちゃん、どうした!? そんだけ着てて寒いのかよ!
盟/違う、そうじゃない!(笑) あれはもしかしたら、相当強い敵かもしれない……!
航/俺には全然感じられないけど……ただの青白い光にしか見えないぞ。
GM/「なんじゃ、ガタガタしてるとは情けない!」と、優しい相馬さんが盟に叱咤激励します。
航/(相馬になって)「なんと情けない。おぬし、昨晩起き上がれるようになったばかりであろう! 家に帰って寝ろ! こんな所に居てそこのセイバーに首を狩られてもたまらんからな!」
盟/大丈夫だ、立てる! とか言って行こうとしますけど……ぺたん。よろよろ生まれたての小鹿のようにヨロヨロ。
GM/「むう……」と唸った相馬さんが盟ちゃんを抱えます。「セイバー以外のサーヴァントにも襲われるかもしれんのだぞ。んな事になったらワシの迷惑になるだけじゃ。ここは去らせてもらう!」――シュンッ!
航/あ、行っちゃった!
盟/小脇に抱えられた! 架空の相馬さんカッコイイよ!(笑)
航/ちょ、感知が出来る人が居なくなっちゃった!(笑) ……エル、どうしようか?
GM/(エルになって)「エンゲージ描いておく?
航/至近なら≪カバー≫できるしな、カリカリ(笑)
GM/「……先に進むかい? ただ、お友達の魔術師はあれだけ怯えていたよ。もちろん俺も本気を出すけど」
航/……とりあえず様子だけでも見よう。今日は良かったけど明日になったら20度気温が上昇したらマジ死ぬし。
GM/「そうだね、ワタルに危害を加えられたらイヤだ」……と言って、エルと二人きりで先に進みます。では『来襲』表を振ってもらいます。1D6を振ってください。
航/はーい。(ころころ)……6。

『来襲4:PCレベル+2の敵に襲撃される』

GM/今のキャラクターレベルは4だから……6体の絵に描いたような死神を見つけます。
航/…………。こんなところで……寄り合いしてんじゃねー!(笑)
GM/ドクロみたいな、頬がこけたような感じの死霊が、並んでいるというよりは浮いて蠢いている。多く居すぎて身体と身体が混ざり合っているような……。
航/6対2か! ……お邪魔しました! エル、引き返そう!
GM/「判ったよ」……グッと航を小脇に抱えます。
航/なんで小脇に抱えるの!?(笑)

 最近、マスターを小脇に抱えるのがイチオシ。

GM/先に盟ちゃんのシーンです。……相馬さんは盟ちゃんを部屋に連れ戻すなり、ドスッとベッドに放り投げられます。
盟/ぺそっ。……すまない。不甲斐ないところを見せた。
GM/(相馬になって)「病み上がりだからな、仕方ないのぉ」
航/……相馬さんが!
盟/優しいっ……!(笑)
GM/「明日には治しておけ! 第一、聖杯戦争に関係ないあんな所に行く必要もあるまい! さっさと寝て体力を回復させるのじゃ!」
盟/判ったよ、大人しく寝るよ……ホントはアレが何なのか調べたいけど。
GM/ファンブルの君は身体の震えが止まらないから無理かな。相馬さんの言う通り、ただでさえ病み上がりだからね。
航/ロザリーがバニラエッセンスを入れたホットミルクを持ってきてくれるよ。(ロザリーになって)「まあ、坊ちゃま! 大丈夫ですか。御労しい……ほらほら、今夜はしっかりとシーツを掛けてお眠りくださいね!」
盟/……せめて航にメールを打って……打ち途中で送信せず寝ます(笑)
航/俺も盟ちゃんに「死神みたいなのが居た」ってメールしておきます。……でも返事こねーな。寝ちゃったかな。
GM/(エルになって)「あそこに変な結界が張られていたのは確かだね」……そう言いながら、航達もアパートに帰ってきます……メゾンボロリアに。
航/もう名前、そうなっちゃいましたね!(笑) 何がメゾンだよ、ボロ屋じゃねーか!
GM/「きっと、ワタルと俺の力をもってすればあの6体ぐらい倒せるよ。……傷を負ったところに襲いかかってくる奴もいるかもしれないけど」
航/……もしかしたら誰かの罠なのかもしれない?
GM/「弱らせておいて……後ろから不意打ちする、とか。もしかしたらあの八木沼盟の罠という可能性だってある」
航/……うーん、昨日助けておいた恩を売る気はないけれど……それで裏切られるって嫌だなぁ。
GM/「可能性として考えておいて損は無いよ」とエルは冷静に言います。「それより何か食べる? 夜食は……いらないかな」
航/……だな。そんなにお腹は減ってないし、寝るか。
GM/「うん。おやすみ、ワタル」
航/おやすみ。……あっ、また変な夢を見てもあんまりツッコまないでくれよ。


 ●ミドルフェイズ4/February 10th Scene 1

GM/次の日。学校に登校した盟ちゃんは思った。……なんだか寒気がする。結界が強くなっている気がするんだけど……。
盟/……気のせいって思うことにした。家を出る前に相馬はスッゴイ不機嫌な顔を見せるし。
航/よう。昨日、ちゃんと寝たか?
盟/……寝落ちした。
航/やっぱりな。メール返ってこないからそうだと思ったよ。
盟/おかげで携帯の電池が残り1だったから充電器を買ったよ。
航/エボルタ買ってんじゃねーよ! このブルジョワ!
盟/だってコレの方が長持ちするって店員さんに聞いたから。
航/まったくその通りです!(笑)
GM/……ではでは、火曜日の午前の授業が終わります。またお昼休み自由時間になりますが……どうしますか。
航/架空の亜紀くんと祐希と食事をします。パンもぐもぐ。
盟/……航に重箱を見せます。
航/……なに?
盟/……お弁当を作りすぎたんだ、ばあやが。「イベントの王道はコレです」と言って作ってくれたんだ。……以前の礼だ。
航/なにそれ、ツンデレ? ごはん? いただきます!(一同爆笑)
GM/ということは、全員で揃って屋上でお弁当を食べるんだね。ばあやさんの料理なら架空の亜紀くんも大喜び!
盟/(亜紀になって)「わー、スゴーイ! コレってどうやって作るのかなー? 今度作り方を教えてもらいに行こう!
航/ヤメテ! マジックテープのバリバリみたいにヤメテ!(笑)
GM/……では亜紀と祐希は「次の授業、体育だから」などと言ってシーン退場します。2人きりのシーンに戻しますか。
盟/残すとばあやに悪いから存分に食え。
航/唐揚げ、超うめえ。それにお白くてモヤっとしたポテトサラダ……こんなにウマイもんだっけ!? ふかふかで甘くて……懐かしい味がする……。
盟/いつもはスーパーのバイトで半額を取っておいてもらえたとかだしな。
GM/ところがどっこい、コレはふかふかのポテトサラダだ。
盟/しかもおにぎりもしっかりと手で握った感のある、コンビニの安いのじゃないから全然違うんだよ。唐揚げもちょっと手のかかる骨がリボンで結んであるとかね。
航/お前のばーちゃん何者なんだよ!? 大体お母さんはお弁当作ってくれないの?
盟/…………前の聖杯戦争で死んだよ。
GM/おお、以前の参加者なんだ?
盟/でも、序盤で死んだような気がします。両親2人とも。
GM/……なるほど。同じ家系から2人出るのは無いだろうからお母さんがマスターでお父さんが協力者だったのかな。でもってそこで死んでしまったと……。
盟/人が良い人達だったからな、すぐに騙されて殺されてしまったよ。だから僕は人を疑うことにした。
航/ごめん。……ばあやさんの料理……ウマイな。
盟/自慢のばあやだからな。……ちょっとそこは嬉しそうにはにかんでおきますよ。
航/ああ、家族が居るのって良いよな。
盟/そうだな。……本当の家族みたいに思ってるよ。
航/…………。ポテトサラダ、うめえな。
GM/……あ、折角だからここでちょっとイベント起こしていい?
盟/はい、どうぞ。
GM/そんな風に屋上で食事をしている2人。ポテトサラダを食い過ぎた航は、ふっと屋上から下を見ると……校庭に、金髪が居ることに気付く。
航/……エル!?(笑)
盟/どうしたんだ? そんな自分のサーヴァントがいきなり現れたような顔をして。
航/おう、実況ありがとう!(笑) セコムとか入校許可証とか平気なのっ!?
GM/外で早くに集まっている体育の先生とかが居るんだけど、彼らはエルを知覚できずスルーして行くよ。……エルが、航を探す判定に失敗しながらポテポテ校庭をうろついてます。
盟/アレではまるで不審者だな、もぐもぐ。
航/は、はわわわわ! む、迎えに……行った方がいいのかな?
盟/あのままだと校内で大きな声で「ワタルー!? どこーワタルー!?」って絶対叫ぶよ(笑)
航/だよね!(笑) かと言ってコッチから叫ぶのも恥ずかしいし……。
盟/なら僕が≪籠抜け≫を使って、エルの所に行って、「目立つから屋上に来て」と言って、また籠抜けで屋上に戻ってきます。
航/わっ、消えてまた出た!(笑)
GM/数分すると、チャっと屋上の扉が開く。「失礼しまーす」と金髪が登場。
航/普通にドアから入って来た……(笑) 屋上に誰も居ないのを改めて確認してから駆け寄って……なんで来たんだよ!? 体操着を持ってきたお母さんに言うような感じで!(笑) 何かあったのか!?
GM/「買い物行ったらおばさんと仲良くなって柿を4つも貰ったよ」
航/おばさんと……って。
GM/「近所のおばさんと」
航/近所の……。
GM/「ワタルも、半日も学校居たらお腹が空くだろ?」
航/う、うん……お昼は食べたけど、うん。
GM/「あ、いらない心配だったかな?」
航/い、いや……凄く嬉し恥ずかしい……真っ赤になって言います。
盟/…………良かったな、家族が居て。
航/黙って……頷きます。
GM/「それだけなんだ。今度もまた余り物を貰えることになったからそのときはまた連絡するよ」とエルは去って行こうとします。
航/あ、ちょっと待て! ……昼休みのうちはまだ居ても大丈夫だから、天気良いしここで一緒に食っていかないか?
盟/……残り物があるんだ、これを処理していってくれないか。
GM/エルは盟ちゃんを見て警戒します。
盟/メッチャ食べた後の重箱を見せます。……航は口元にご飯粒とか付いてるし(笑)
GM/「……じゃあ、頂こうかな」
航/エル、警戒しなくても大丈夫だから。あ、ついでに昨日あったことを八木沼に改めて報告しておきますよ。……ヤバイと思って帰ったんだ。
盟/賢明だ。
GM/「決して倒せないレベルではないよ。何が思惑だか判らないから帰ってきただけだ」……エルが言います。
盟/だがお前達2人だけじゃツライだろ。手伝ってあげるよ。
GM/ではここで1D6を振ってみようか。……何かが起こります。
航/(ころころ)……3!

『侵攻状況3:時が止まる』

GM/一瞬「バチッ」という何かの音がして……吹いていた風がやみます。
航/うん……?
GM/それだけだ。……さあ、そろそろ授業の時間だから教室に戻ろうか。
航/はい……。
GM/ガチッ。ドアノブに力を込めるけど……ガチッ。ノブがピクリとも動かない。
航/……え? ガタガタ!
GM/動かないね。何かが押さえつけている訳でもなく、動かない。
盟/扉がガタガタともいわない? ……じゃあ≪籠抜け≫して向こうから開けてくるよ。
GM/≪籠抜け≫して内側から扉を見てみると……あれ? 鍵、開いてるじゃん。なのにドアノブ自体が動かなくなっている。
航/ドンドーン! 盟ちゃーん、開ーけーてー!
盟/……鍵は、開いている。
航/え。それって……どういう?
GM/エルが航を小脇に抱えます。「ワタル、飛び降りるからちょっと息殺してて」
航/へっ!?(笑)
GM/屋上から地上までヒョイッと飛び降ります。
航/あああああっ!?(笑)
盟/……ドップラー効果で悲鳴が扉の向こうから聞こえる(笑) 降りて行ったところまで≪籠抜け≫します。……大丈夫か?
GM/では、校庭の方を見ると……みんなの動きが止まっているね。駆け出そうとしている人が、前のめりになったまま止まって動かないでいる。
航/スゲエ、ボール浮いてる! なんだこれ……もしもーしと先生に声を掛けますが。
GM/あのムカつく先生が、そのムカつく顔のまま動かないね。
航/ちょっとは笑顔になれよ……(笑) 校舎の中は窓から見えますか?
GM/みんな止まっているように見える。それと炎が出たというあのときと同じような違和感……不安感を感じる。
盟/発信源的な所を探すよ。
GM/……裏口、半地下。あの辺の一帯から大きな力を感じる。
盟/……昨日見た所だな。
航/それが原因で変なことになってるのか?
盟/おそらくは。……相馬を携帯で呼ぼう。電話は繋がるのかな。
GM/そのとき。校庭に居た先生の笛が「ピーッ!」と鳴る。ガヤガヤという声が一気に復活する。みんながいつも通り動き出す。……どうやらあの異変は一時的なものだったようだね。
盟/……良かったな、あの間抜けな悲鳴を誰にも聞かれてなくて。
航/……まったくその通りだ。
GM/で、航に亜紀から電話がかかってくる。『今さっきね、スゴイことが起きたんだよー! 信じないと思うけど言うからねー! ペラペラペラ!』
航/……亜紀。さっき、悲鳴……聞こえた?
GM/『うん! きっと航かなーと思って! 心配したんだよー! でも航生きてる良かったーって安心したよ! みんな動きだしたし良かったー! 』
航/ハハハ、俺は今校庭でエルに抱えられている! ……エル、もう離して(笑)


 ●ミドルフェイズ5/February 10th Scene 2

GM/では放課後になります。亜紀は「何か調べ物をするんだね。じゃあ俺は祐希と一緒に帰るよ」と退場します。
航/祐希、気を付けてやってなー。亜紀も気を付けろよー。
GM/「バイバーイ、また明日ー」……それと相馬さんが霊体化して参上。とりあえず盟ちゃんの隣に居ます。エルも昼間から霊体化して待機していることにしようか。
盟/さあ……ドキドキイベントを振ろうか。何が起こるかな。(ころころ)……6。

『侵攻状況6:周囲から力が流出していく』

GM/帰宅しようとしている生徒達が「なんかダルイよねー」「風邪が流行ってるんじゃない?」という話をしているのが聞こえてきます。
盟/風邪か……変なものじゃないといいけど。
GM/……ぐっ。自分自身も息苦しさを感じる。
航/うっ……?
盟/これ……普通の風邪とかじゃない?
GM/生気や精神力が……どんどん身体の外に出て行ってしまうような感覚に襲われる。……先程の時が止まったり、炎が現れたりするのも夜に近づくにつれ強い力になっているような気がする。
航/日が傾き始めてからの方が効果が強くなっているか……。
GM/……ではここで、ドキドキな『NPCチャート』いきます。1D6の結果はさっきと同じ要領でいきますよ。
盟/5! 5が出ろ!(ころころ)……5が出た!?
航/ホントに出た……!
GM/出たね。……「あっちに何かいる!」と二人は廊下を駆け出す。恐ろしいスピードで走っていく何かの声がする。「グルル」という……まるで獣のような声だ。
航/学校に犬が迷い込んだらみんなテンション上がるよな?
盟/十中八九、マユゲは描くな(笑) パッとそちらを追いかけます!
航/バタバタ! 階段2段跳び、ぴょーん! 盟ちゃんを追いぬいた、ヒャッホイ!(笑)
盟/どうせ僕は地道に1段ずつ下りていくさ!(笑)
GM/そのとき。「キャァッ!」と女子生徒の悲鳴。
航/どうしたっ? 声がした方に走ります。
GM/駆けつけると……女の子が倒れている。「痛っ……なに? なんなの?」
盟/何があったの?
GM/「な、なな、なんか……今、何か居たの! わかんないけど……犬っ? でもあまりに速くて見えなくって!」。何かに当たって倒されたようですね。傷も獣に激突されてかすり傷程度です。
航/判った、追いかけてくる! バーッと駆け出します!
盟/これあげるって女の子に絆創膏を渡して、航を追いかけます!
GM/じゃあ追いかけると……その前にGMが、攻撃対象を決めます。サイコロで偶数が出たら盟ちゃん、奇数だったら航で(ころころ)……盟ちゃんか。
盟/こっち!?(笑)
GM/「この辺に来たな!?」と追いかけ続けていると……思わぬ方向から犬が突撃してくる!
盟/わーお!? ……どんな犬ですか?
GM/首がいくつも割れた犬です。
盟/……ケルベロス!?(笑)
航/庇いに行く! 八木沼、あぶなーい! ≪歪んだ奇跡≫の使用を申請します!
盟/ドンッと突き飛ばされます……。そんなっ、航!?
航/でも相馬さんが霊体化を解除して吹っ飛ばされた盟ちゃんを受け止めてくれる。……カッコイイ、なにそれ!?(笑)
盟/(相馬になって)「随分手荒い歓迎じゃのぉ! 小童、ワシのマスターを丁重に扱わんかッ!」……架空の相馬さん、カッコイイ!?(一同笑)
GM/盟ちゃんじゃなくて航に、3つも首がある犬がカブリ付く。ガブリと食らいついているのを我慢していると……霊体化を解除したエルが犬をザクリと斬りつける。
航/おおっ!
GM/刀を出す相馬、斬りつけるエル、そして武器を装備する航……。それを見た犬は、口を離して去っていきます。
航/わ……追いかけられない?
GM/……行った方向は、例の場所だけどね。
航/……八木沼、今の何! FF的なの何!?
盟/多分……ケルベロスじゃないかと。≪賢者の脳髄≫で検索します。
GM/うん、ケルベロスで正解だよ。首がいっぱいある犬って言ったら有名だよね。

 『ケルベロス』。
 ギリシア神話における冥界の番犬。「底無し穴の霊」を意味する。
 50の首(一般的には「3つ首」で有名)と青銅の声を持ち、竜の尾と蛇のたてがみを持つ巨大な犬として描かれる。死者の魂が冥界にやってくる時には友好的だが、冥界から逃げ出そうとする亡者を捕らえて貪り食うといわれ、「地獄の番犬」といわれる由来である。


航/あ、アレじゃね……ケルベロスの涎ってトリカブトになるっていうやつ。俺、噛まれちゃったよ……
盟/マジで? 早く治療しなきゃ……。
航/亜紀、回復してくれー! 今頃祐希とゲーセンでUFOキャッチャーでアハハウフフ遊んでるだろうけど!(笑)
GM/……ぶっちゃけ、毒のイベントを考えていたんだけど先に言われたか(笑) それだけ有名だってことか、ケルベロスは。
盟/ですね。地獄の番犬ですし。
GM/……エルがポンッと航の肩に手を置く。「その毒、貰い受けるよ。俺は[感応力師]だし傷を共有できるから。その方がいいよね?」
盟/ば、バカ……トリカブトだぞ!?
航/ちょ、待っ! ……大丈夫だってば! 今はいい、これからアレと戦わなきゃいけないんだからそっちに備えよう!
盟/いや、カッコつけてる場合じゃない、死にかけてるし。……普通の人間が毒を受けて、倒れないでいられると思う?
航/わ、そう言われたら……なんだか徐々に苦しくなってきた。お、俺は大丈夫だからフラフラ……!
GM/……流石にエルの性格上、それは許さないので言います。「……ムリヤリ貰うよ」と、航の肩を強く締め付ける。
航/うわ、痛っ。
GM/けどその瞬間、毒の苦しさは無くなります。……で、胸を抑えたりするエルが居る。
航/だ、大丈夫か……?
GM/「……問題無い。俺の方が強いんだから」
航/あ……うん、辛くなったらすぐに言えよ?
盟/……盟ちゃんと相馬はそのままスタスタ歩き出します(笑)
GM/(相馬になって)「おぬしら、カッコつけてないでさっさと行くぞ!」(笑)


 ●クライマックスフェイズ/February 10th Scene 3

GM/では……所謂ラスボスの間にやって来ます。裏口近くの半地下にやって来ると……。って、ここは最後に『侵攻』を振っておこうか。
航/はい。1D6振ります。(ころころ)……5。

『侵攻状況5:一般人が眠ってしまう』

GM/……半地下に近づくと、まだ帰宅しなかった女子生徒や先生達がバタバタ倒れているのを見つける。
航/み、みんな大丈夫か!
盟/これは……みんなを全員介護するよりも、元を断った方がいいだろう。魔導書を取り出します。
航/俺も≪片手武器≫を出して……行くか!
GM/昨晩の場所までやってくると……盟ちゃんの震えが強くなってくる。けれど今は耐えることができる。相馬さんが支えていてくれるから。
航/……本物の相馬さんより優しい!(笑)
盟/優しい!(笑) ときめくぞ、それは!
GM/エルはエルで、胸を押さえているけど気丈に振舞っていますね。蠢く死霊はだんだんと形をハッキリとさせ……8体現れます。
盟/……増えてるー!?(笑)
航/いきなり死霊になって)「ただいまー。ゴメーン、ちょっとバイトが遅れちゃってさー」
盟/同じくいきなり死霊になって)「もー、予定詰まってんのよー。早くコッチ入ってー!」(笑)
GM/……あと、禍々しい死神のような霊体達の中央に、さっきの犬が傷を舐めながら居ます。デロデロと舐めた涎が紫色に輝いているのが見える。
航/ひえー、禍々しいね。……ってなんで俺、学校でギャルゲーとか格ゲー的な目に遭わなきゃいけないんだ!? ここって『ステージ:地下室』!?(笑)
盟/という訳でラウンド1、ファイッ!(一同笑)

 戦闘が始まる。
 傷を回復した航と、支えてくれる人がいる盟、そして戦意向上中のサーヴァントがいる。火力に特化した4人の前に、たとえ数が多い死霊達はあっさりと敗北した。
 ……死霊を蹴散らし、ケルベロスがか弱く鳴く。戦いは終わった。


GM/死神は消え去り、ケルベロスはクーンクーンと大人しい声を出しながら……じりじり後ろずさる。
盟/……捕獲したい! できますか?
GM/するなら、【幸運】判定。難易度は18。
航/≪啓発の鎖≫は使用できますか。判定は【意志】で対決になるんですけど対象を行動不能にできるんです。
GM/基本的にプレイヤー優先なので可能だけど。……ただ、難易度は18のままですよ。
航/(ころころ)……13、駄目だな。
盟/僕もクリティカル狙いで判定します。(ころころ)……無理だ。

 そもそも、SRSのPCは能力値ボーナスは高くても「5」である。
 サイコロによる達成値プラスは2D6で「11」なのだから、通常の判定では「16」までしか達成値は算出できない。
 ……難易度18のケルベロスを捕まえるには、「12」のクリティカルを出すか、もしくは「ある手段」を行わなければ無理である。


GM/航は≪啓発の鎖≫で捕えようとし、盟ちゃんも魔術で何とか捕まえようとする……が、物凄いスピードでケルベロスはその場を走っていく。
盟/あ……逃げられた。
GM/しかし、あまりに痛手を負っていたので相当なことが無い限りあれは助からないだろう……と思う。「倒した」という安心感はありますね。
盟/結界はどうなってますか?
GM/結界周辺についていた死霊達が全て消えたし、おどろおどろしいものも無くなってます。そのうち外で倒れている人達も目を覚ますことだろう。
航/あ、記憶改竄系の特技を持ってないや……。
GM/その辺はきっと教会がなんとかしてくれるよ。……半地下にはうっすらと魔方陣が一面に描かれていて、徐々にそれは消えていくね。
盟/……誰がやったか判りますかね?
GM/……この魔方陣、何かの文献で見たことがあるかもしれない。ちゃんと屋敷の書物を漁ればあるんじゃないかな。マイナーどころではないっぽいよ。
盟/≪賢者の脳髄≫で覚えておきます。……よし、覚えたから家に帰って調べればきっと判る!
GM/そんなことをしていれば、もう夜になってきちゃうぞ。
航/そうだな……そろそろ帰ろう。今夜は出来ればもう戦闘したくないし、エルが心配だし。そもそも出来るなら俺は戦闘なんかしたくない……。
GM/航は巻き込まれたら戦うけどね。
航/積極的には戦いたくないから……早めに帰るか。八木沼、病み上がりのところありがとな。
盟/……別に、僕に関係無いことでもなかったんだし! そもそも前回助けてもらったのは僕だし、ここは学校だからな!
航/あー、メンドクセーなお前は(笑) 弁当美味しかったってばあやさんに言っておいてくれ。
盟/……判った。ばあやも凄く喜ぶ筈だ。もしなんだったら……。
GM/なんだったら?
盟/なんだったら、別に明日も弁当とか持ってきてもいいんだから……みたいな!(笑)
航/ツンデレだ! 凄い、お弁当を作ってきてくれるイベントが確立しちゃった!(笑) ……た、楽しみにしてるよ。俺はポテトサラダが超好物だから!
GM/新しい設定ができたね(笑) エルも、相馬さんの方を見て「共闘、感謝する」と言います。じゃあそれぞれ帰宅しましょうか。


 ●エンディングフェイズ/February 10th Scene 4

GM/盟ちゃんは相馬さんと共に屋敷に到着すると……屋敷の門でヘンリーが帰りを待っていたのが見えた。(ヘンリーになって)「おかえりなさいませ、お坊ちゃま。お夕食をご用意しております」
盟/ありがとう。……ばあやに、「お弁当美味しかったって言ってたよ」と言いながら夕食を食べます。
GM/(ロザリーになって)「まあ、それでは明日もポテトサラダをこしらえましょうかねぇ」と笑いましょうか。
盟/アイツ、凄くポテトサラダが好きみたいだったから……3段ポテトサラダにしておけばいいんじゃないの?
航/そんなに食べたら嫌いになるわ! 嫌がらせっつーか惣菜の仕入れじゃねーか!(笑)
盟/……食事の後に、書庫に行って魔方陣について調べます。
GM/では書物を漁ること数分。君は……記憶の彼方にあったものと同じ本を見つけます。
盟/ありましたか?
GM/ありました。「コレは……なんと……全く同じやつがあるじゃないか!」
盟/それは……?
GM/というところでシーン終了にします。
盟/こんな、まさかコレはー! ……一方その頃(笑)
GM/航とエルは、メゾンボロリアに着きます。
航/救急箱をガタガタ出してます。エル、身体は平気かっ?
GM/(エルになって)「毒の中和は終えておいた。そんなに傷は無いから大丈夫だ」
航/ホントに平気なのか? とりあえずオキシドールでペタペタしておきます……気分だけでも。
GM/「それよりワタルの方こそ傷は負っていないかい?」
航/多少ダメージは受けたけど、苦しいのは全部お前が引き受けてくれたから。
GM/「なら傷の手当てをしなきゃいけないのはワタルの方だ。……傷口、見せて」
航/あ……はい。
GM/「こうやって使うのでいいのかい、現代の薬は」
航/それを麺棒にチョイチョイと付けてだな……クッ……痛いのを我慢する。
GM/…………ウズ。
航/……どうした?
GM/「ワタル。……もっと効率の良い回復方法があるんだけれど」
航/……その方がお前が助かるのか?
GM/「うん」
航/何だ? それを教えてくれ!
GM/航の顎を持ちます。
航/わっ。
GM/カプッと、唇に吸い付きます。
航/…………。ホールドアップ。
GM/口付ますね。
航/……な、なにこれ?
GM/口の中、舐めます。
航/はわあっ!?(笑)
GM/中を吸われます。涎を貰いますよ。
航/はわわ……はわ……わ、デッカイ声を出したら隣のOLに気付かれる!?(笑)
GM/ゴクン。……自分の唾を飲みやがった音が聞こえる。
航/両手を挙げたまま……真っ赤になって……。今の、なに……?
GM/「供給。体液の交換。ちゃんと神父から貰った本、読んでた?」
盟/……教会配布『サルでもわかる聖杯戦争』?(笑)
航/ガタガタ!(笑) ガス代の明細とかと紛れてる『サルでもわかる聖杯戦争』をバサーッって探す! 索引見て……供給って!?

【サーヴァント共通ルール】
 @『絶対服従』。
 サーヴァントは自我と自由意思を持っているが、基本的にはマスターの命令には絶対服従となる。イメージとしては、命令に逆らおうとすると「出来なくはないがヤル気が起きない」、もしくは「体が一段と重くなる」。
 A『霊体化』。
 サーヴァントは霊体化できる。霊体化とは、不可視の状態になることである。霊体化した状態では一切の行為判定は行えない。
 B『令呪使用』。
 マスターはサーヴァントに対し、「強制シーン登場」「強制シーン退場」「行為判定達成値+20」を3回まで使用できる。3回使用されると、契約は解除される。
 C『供給』。
 魔力は特殊な能力を使うための生命力(【HP】と【MP】であり、日常生活で日々減少するものである。「2人以上のキャラクターが『供給』を宣言」することで、体液を交換するなどしてGM判断の「回復」を行える。目安は【HP】と【MP】を1〜2D6点回復。また、主従関係であれば3〜4D6点回復が望ましい。

 ※実際のプレイでは、キャラクターメイキングの段階で以上の情報を公開している。

航/体液! 交換!? はわあぁー!?(笑)
盟/しかも、パンフレットには四十八手みたいな絵も描いてある。
航/そこまで詳しくなくていいって、黒須先生ー!(笑)
GM/「ありがとう、ごちそうさま」と、エルはごく普通のように言います。
航/あ、ああ……距離を取ります……。
GM/「もう学校の仕掛けは発動しないだろうから安心して行けるね。それと、明日からは街を探索した方がいいかな」と、普通に話を進めます。
航/あ、そうですね、セイバーさん。
盟/すごい距離が出来た! 呼び方が「セイバーさん」になった!(一同笑)
GM/「それじゃあもうお休みしよう。布団敷こうか」
航/う、うん!? そ、そうしようか、うん! 布団2個あるよな!?
GM/今までどうやって寝てたんだよ(笑) 「おやすみ、ワタル」……何事も無かったかのように、昨日と同じようにエルは寝ます。
航/…………寝れねえぇーっ!?(一同爆笑)
GM/という訳で、今回のシナリオはここで終わりになりますが……。最後にマスターシーンを入れますよ。

「バイト終わったー! ハンドクリームぬりぬり……」
 冬の夜。かじかんだ手を擦りつけながら夜道を歩く一人の少年が居た。


航/あ、亜紀か……。
GM/「とっとっと……うー、寒い寒い」「グルルル……」「ん?」
盟/ちょ……!?(笑)

「グルル……」
「んーっ? 野犬かな……わ、怖いなぁ。ちょっと帰る道、変えて行こうかな……」
「グルルルル……」
「……」。とっとっと。
「グルルルル……」
「…………」。とっとっとっとっと。


盟/(いきなり犬の唸り声を始めて)グルルルル……。
GM/とっとっと!
盟/グルルルルルー!(笑)
GM/ととととととと!(笑) 「わ、うわああぁーっ!?」

 犬に襲いかかられる!
 そう思って目を閉じてしまった少年。
 ……しかし何事も無い。目をおそるおそる開けてみると……。
「……あ、えっ……?」
 目の前に、誰かが立っていた。まるで自分を庇ってくれたかのように。
 突然現れた、槍を持った男性は――。


盟/ミスター……!
航/Bぃーっ!?(一同爆笑) ……凄い、これは「お疲れ様でした」と言う前に「おめでとう」と言いたい!(笑)
GM/……まあ、ハンドアウトで説明すると判りやすいんだけど。

 PC1航とフラグが立ちやすいNPC:祐希、セイバー
 PC2相馬とフラグが立ちやすいNPC:藤原、アーチャー
 PC3盟とフラグが立ちやすいNPC:黒須、キャスター


GM/PC4はすぐに退場したあの人とランサーのフラグが立ちやすいようにしてたの。
航/(パチパチと拍手をしながら)おめでとう!
盟/(パチパチと拍手をしながら)おめでとう!
航/(鳴り止まない拍手の中で)良かったね! これは選ぶべくして選んだハンドアウトだったんだな、運命か!
盟/(終わらない拍手の中で)おめでとう、私の水晶!(一同爆笑)
GM/以上で『ドロリア外伝』を終わりにしますが。……なんだかんだでシナリオクラフトでセッションできたね。
盟/凄くそれっぽくなりましたね。やったー。
GM/GMが考えていたのは『学校で何かが起きて』『ケルベロスが現れて』『最後にランサーが亜紀くんを助ける』だけだったから……。うん、何一つも考えてなくてもできるもんなんだね。
航/じゃあNPCチャートでランサーとケルベロスを出したのは凄く運が良かったんですね。まるで打ち合わせしたかのようなダイス目!
GM/…………ああっ!?(←今気付いた)
盟/スゴーイ。という訳で、お疲れ様でーす! 来週楽しみにしてまーす!