アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 だれかのねがいがかなうところ 』 2ページ ■
2013年4月20日




 ●ミドルフェイズ1/午前の行動 〜1回目〜

 朋月&恵夢→「マップ:学校」を選択。
 みかげ&椿→「マップ:教会」を選択。


みかげ/みかげと椿は、教会で資料を読み直します。
GM/それなら教会についた2人は、【理知】判定に挑戦できます。どうぞ。
みかげ/【理知】いきまーす。(ころころ)達成値9か。
椿/資料をあらい直すぞー。(ころころ)達成値12だ。
GM/達成値10以上が出たので、椿くんが成功です。「藤堂 賢三について」が判ります。……藤堂 賢三。大学教授。哲学専攻。オカルト研究家。令呪と、魂と器についての研究をしていた。その論文を少し読みます。

 「肉体はあくまで器であり、精神が本体である。肉体が消滅しても魂が別の場所にあれば人格は死なない。ただし魂だけになってしまうと、本人を本人だと信じさせることが難しくなってしまう……」
 「肉体が死ねば土に戻り、精神が死ねば天に還る……」
 「脳からの電子信号によって人は機能している。電子と電気を組み合わせれば意思疎通は可能なのではないか……」

朋月/グノーシス主義というものでしたっけ。つまるところ、正しい意味での『電波』の説明文をしているな。
みかげ/……医学を勉強していた理数系の女は、判んないって顔をします(笑) 脳死のことを言ってるのかしら?
GM/そうかもね。2年前の調査報告書にはエージェント達が調べていた人柄についても書かれています。どうやら学生からは「オタクっぽい変な先生」、学会からも「訳の判んないこと言う変な奴」っていう印象だったようです。
みかげ/へー。……そうだ、魔力が反応があった場所はどこ?
GM/学校です。
みかげ/学校!? 高坂さん、それ早く言ってくださいよー!(笑)
椿/が、学校が怪しいのか……。後で実際に行ってみるしかないかな。
GM/ではここでみかげ先生と椿くんは、【知覚】か【理知】判定をどうぞ。
椿/(ころころ)あ、ファンブルだ! さすがだ、俺!(笑)
みかげ/(ころころ)みかげは達成値11でした。
GM/みかげ先生は調査報告書をパラパラと見ていると、紙の間に挟まったメモがハラリと落ちたことに気付きます。
みかげ/ん? 何かしら?
GM/走り書きのメモだ。「孤児院 携帯電話」と書かれている。孤児院は、「マップ:住宅地」にあります。
みかげ/……住宅地? どういう意味かしら? 首を傾げます。
GM/成功したみかげ先生は『イベントキー:メモ』を手に入れてください。……次に、学校探索組のシーンにいきましょう。学校で何を調べるの?
恵夢/あたしは≪魔の感知≫を持っているので、魔力があるかの反応を【意志】で調べます! 学校の中をうろうろしながら(ころころ)達成値は14!
朋月/こちらも【意志】で(ころころ)達成値8です。
GM/特に怪しいものは無い。
恵夢/無い? んー……学校の中は安全かなぁ。
GM/そうやってうろうろしていると、書類をいっぱい運んでいるなずなちゃんを発見します。
朋月/おっ。……委員会、お疲れ様。
GM/(なずなになって)「わっ!? 2人とも!? な、なんでここに居るの!? ……4時までトモくん顔を会わせないと思ってたのにー!」 なずなは涙目で赤面してます。
恵夢/が、学校に忘れ物をしちゃってさー(笑) ……それにしても荷物が大変そうだね? 何の委員会なの?
GM/「新入生歓迎会だよ」
恵夢/持ってあげなよ、男子!
朋月/どの教室まで運べばいいんだ? と、恵夢に言われてからやります。
恵夢/こ、こいつ……!(笑)
GM/「い、いいんだよ、そんな!」 どうやら準備室まで持って行けばいいようだよ。ここで2人とも、【幸運】判定をどうぞ。
恵夢/(ころころ)達成値12です。
朋月/(ころころ)こっちは9だ。
GM/10以上を出した恵夢ちゃんは、クラスメイトの女子達の話し声を聞くことができます。女子達がスマホを見ながら、「これやばくない? 当たってたんだけどー」っておしゃべりをしているよ。
恵夢/当たってた? 例の占いサイトを見ているのかな?
朋月/……女子の長話が始まりそうだな。とりあえず書類をテーブルに置こう(と言って、大量の書類を置くジェスチャー)
GM/クラスメイトの女子は「知ってるの? 岩永さんもこういうの好きなんだー」って言うよ。
朋月/(書類の山が突然崩れて「やっべ!」というジェスチャー)
恵夢/うん、こういうのすっごい好き! うちのお母さんが占い師でさー。
朋月/(書類を急いで掻き集めるジェスチャー)
GM/「岩永さんってまだこのサイト見たことないの? それならスマホで見るよりパソコンで見た方がいいよ」
朋月/(教室中にバラバラになった書類を次々戻すジェスチャー)
恵夢/パソコンで?
GM/「うん、元々パソコンサイトだからさ」
朋月/(何事も無かったように書類を置いて一息つくジェスチャー)
恵夢/判った! 後でパソコンで見てみるね!
朋月/何も事件なんて起こってないさ。
恵夢/うん、書類はバラバラになんてなってないんだよね(一同笑) ……例のサイト、パソコンサイトで見るやつらしいよ。
朋月/ほほう? 早速見てみようか。学校にパソコン室はありますか?
GM/残念、土曜日の午前中が終わればもう学校は締め出されちゃうから駄目だ。次のシーンで見てね。
朋月/それなら仕方ない。じゃあ、なずなに委員会頑張れよーと言います。……公園には時間通りには行くから。
GM/それを聞いたなずなは顔を真っ赤にして固まるよ。
恵夢/……正直、内心は複雑。
朋月/そうだ、なずなの誕生日プレゼントに恵夢は何をあげるんだ? 何がいいと思う? ……と、恵夢に相談する。
恵夢/うっ(笑) あたしは……もうペンダントをあげたわよ。あたしがペンダントをあげたんだから、指輪でもどう? さらっと言います。
朋月/ミスドとかがすぐ食べられていいんじゃないか。
恵夢/なんでそんなチョイスなんだ、朴念仁!(笑) 紐を引っ張って朋月の上に大量の猫を落とす!
朋月/猫がニャーニャーって落ちてくる!(笑) って生き物は入れちゃダメニャー。
恵夢/やかましい!(笑)


 ●ミドルフェイズ2/午後の行動 〜1回目〜

 朋月&恵夢→「マップ:ビジネス街(ネカフェ)」を選択。
 みかげ&椿→「マップ:住宅地(孤児院)」を選択。


みかげ/メモを見たので住宅地にある孤児院に行ってみようと思います。……その前にGM、発見したメモに対して≪過去視≫はできますか?
GM/できるよ。
みかげ/それなら代償を払って≪過去視≫を使ってみます。メモに手を当てて、目を瞑って……。
GM/≪過去視≫を使ったね。……見えてくる光景は、真っ暗だ。
みかげ/真っ暗?
GM/真っ暗な空間で、ペンで何かを書いている男性の手が見える。そしてメモを書き終わった瞬間、メモは光の粒になって消える。
みかげ/……ん?
椿/GM。俺は[世界遣い]なんですけど、その≪過去視≫の結果を先生から聞いて何かを思い出すことはできませんか?
GM/【理知】で難易度10に成功すれば許可しよう。
椿/(ころころ)よし、達成値13!
GM/素晴らしい。椿くんは、そのメモが[魔術師]≪越境の書≫だということに気付けるよ。

 ≪越境の書≫
 新たな世界の相手に届く魔法の記録を記すことができる[魔術師]の副特技。
 「次のイベント」「次のループ」「違う世界」などに仕掛けを作ることができる。(例えば「次ループの対象へ、自動再生されるメッセージを送る」「前ループに書いた日記を残しておく」など)

GM/本来≪過去視≫で覗くべきではないものを無理矢理覗いたから、真っ暗でよく見えなかったんです。それと、そこまで椿くんに説明されたら……みかげ先生には、メモの字がせりのものだと判っていい。
みかげ/……せりの!?
椿/暗闇の中の手は彼のものか。……[魔術師/世界遣い]だもんね、彼!
みかげ/そんな……せりは、何を伝えたかったのかしら。
椿/……そのせり兄ちゃんが「孤児院」というメモを残したんです。とりあえず孤児院に行ってみれば判るんじゃないですか。
GM/では孤児院に行ってみると、軒下を掃除しているママ先生がいるよ。(人の良さそうな女性になって)「あら? あらあら? もしかしてみかげちゃん? まあ綺麗になったわねー! どうしたのー?」
みかげ/お久しぶりです。お元気ですか?
GM/「元気よー! どうしたの、今日は? お仕事? 散歩? デート?」
椿/心の中で最後のに頷いておく(笑)
みかげ/ぐ、偶然近くを通りかかったので……(笑)
GM/「お茶でも飲んでいくー?」と中に上がるように誘われます。昔話を盛り上がっちゃうよ。「もう2年経っちゃったのね、せりくんが交通事故で亡くなって……」
椿/教会はそう隠蔽したんだ……。ちなみにママ先生は能力者じゃないの?
GM/一般人だね。だからせりは本当に交通事故で亡くなったと思っているよ。「あ、そうだ。ちょっと待ってて」 ママ先生は一旦奥に引き下がったと思うと、小さな段ボールを持って現れます。
みかげ/これは?
GM/「せりくんの遺品なの。本当はなずなちゃんに渡すのが一番なんだけど、彼女はずいぶん塞ぎ込んでいたから必要最低限の物しか渡せなくて……渡すタイミングを失くしちゃったの。良かったら仲の良かった貴方が持っていってくれないかしら?」
みかげ/……中を見ていいですか?
GM/「いいわよ」
椿/ピンポイントで携帯電話を探します!
GM/段ボールの中には写真など色んな物があります。その中で、携帯電話を見つけることができます。
みかげ/……取り出します。充電器を探して、コンセントをお借りします。
GM/それを見たママ先生は「思い出を見るんだろうな」って思って「私は席を外すわ」と言います。
恵夢/ナイス、エアリーディング!(一同笑)
GM/暫く充電すると電源が入るよ。そして、メールがピロリロリンと受信される。
椿/あっ、受信した!?
みかげ/でも、亡くなって2年も経っているんだから携帯電話の契約は切れている筈……
GM/≪越境の書≫が発動。差出人はめちゃくちゃなアドレス。件名なし。本文は……「藤堂 賢三はここにいる」 「マップ:ビジネス街」のとある住所が記載されている。
みかげ/ビジネス街っ!?
GM/それと……住所が記載されている下に、随分と改行されて間が空いているのが判る。
椿/急いでスクロールします!
GM/文末に、こんな文章があったよ。

 「もしこのメッセージを読んでくれているのが俺の大切な人達だったら」
 「ありがとう。凄く楽しかった。本当はもう少し一緒に居たかったけど、無理だった。家族をよろしく」

朋月/……遺言だ。
みかげ/……じわっと泣きます。遺言……そんな……遺言なんて2つもいらないよ……。
椿/……先生に、ハンカチをそっと渡します。
みかげ/……椿くん、変わらないわね……。
椿/……URLに見覚えは?
GM/見覚えはある。朋月くんが受け取ったメアドといっしょだ。『イベントキー:携帯電話』を入手してください。
椿/……携帯電話を持って行けます。ポケットに大事に入れていくよ。朋月が受け取ったあれも、≪越境の書≫だったのかな。
GM/一方その頃、午後のビジネス街のシーンをしましょう。今日は土曜日だけど人は忙しなく動いているね。若干人が少ないぐらいだ。
朋月/企業戦士お疲れ様でーす。滅多に学生はビジネス街なんて来ないからドキドキだ。怪しいものが無いか調べようか。
恵夢/あいよー! ≪魔の感知≫いきまーす!(ころころ)えーと、達成値13です!
朋月/(ころころ)そして朋月はまた出目が1・2で達成値8だ。
GM/異端の気配は無い。安全だよ。
恵夢/うーん、無いなぁ。
朋月/何も無いなら、ネカフェに行くか。ネカフェでペアシートの席に座ります。
恵夢/あ、あわわ!(笑) 借りていた猫みたいな感じでペアシートにちょこんと座ります……。
朋月/パソコンを立ち上げて、例のURLを打ち込んで占いサイトに繋ぎます。恵夢はスラダンとか読んでていいかな。
恵夢/そういう訳にもいかないわよ! むーっ!(笑)
GM/ガラケーよりも見やすい占いサイトが出てくるよ。登録をしているなら自分のアドレスとパスワードを入力すればすぐに入れる。
朋月/見やすい。……それだけですか?
GM/【幸運】判定で対抗判定をしてください。(ころころ)こちら、達成値7。
朋月/【幸運】?(ころころ)朋月は12です。
恵夢/(ころころ)うっ、達成値10です!
GM/2人とも成功したか。……魔の気配をした。一瞬だけだね。
恵夢/あっ! ……今の、感じた?
朋月/ああ。でもサイトを見た途端、魔の気配がしたってどういうことだ……? ソースを見てみます。
GM/どうやら≪望淵鏡≫が組み込まれていたようだ。

 ≪望淵鏡≫
 魔法で離れた場所を覗く[魔術師]の副特技。
 GMが設定した難易度の【幸運】判定に成功した場合、登場してないシーンでも、そのシーンを知覚できる。

恵夢/覗かれている!?
GM/現在進行形ではないけどね。他にも何が埋め込まれているのか調べたいのなら【理知】判定をどうぞ。難易度は15。[魔術師]なら達成値+3のボーナスをつけていいよ。
朋月/さすがに15は高いな。(ころころ)無理、失敗。
恵夢/(ころころ)恵夢も失敗です……。
GM/では何かの特技を使われていること自体は察するけど、詳しくは判らないね。サイトの中身は普通の占いサイトで、ランダムで占い結果が表示されるものだ。
恵夢/うーん、判らないなら次の機会を待とうか……。
朋月/一介の高校生じゃサイトを閲覧させなくすることもできないし……。サーバーを攻撃するとか、サイト運営している本人を攻撃できればいいんだがな。まあでもある程度見たら、16時も近いしそろそろ行くかって言い出します。
恵夢/うん。……あ、そうだ! なずなの誕生日プレゼントを買ってけー!(笑)
朋月/そっか、プレゼントを買っていかなきゃ。
恵夢/自転車に≪瞬足≫かけてあげるから! 行くわよー!


 ●トリガーイベント1/16時

朋月/誕生日プレゼントはケーキを買うことにしました。ケーキなら駅ナカでも買えるし遅刻することはないよね。
GM/プレゼントを買って遅刻しないで行けるか判定をしようと思ってたんだけど、ケーキならすぐ買えるか……(笑) それなら、事故なく公園に行くことができます。
恵夢/あたしも公園について行きます! 心配だから!
椿/俺達も心配なので公園に行くことにしますー(笑)
みかげ/もちろん物陰で隠れていますけどね(笑)
GM/じゃあ……2人が公園に到着してみると、なずなが既に緊張した顔でブランコに座っているのが見えた。
恵夢/早っ! もういた!(笑) なずなが来たら席を外そうかなと思ってたけど、先に来られてた……。
GM/なずなは朋月の姿を見てパァッと顔を明るく……した後に、「はひょっ!? 恵夢ちゃん、トモくんと一緒に居たの!?」って驚くよ。
恵夢/え? あ、うん、トモが遅刻しないようにって思って……し、心配しなくてもちゃんと席を外すから! 小声で……頑張ってって言います!
GM/「……恵夢ちゃん、本当にいいの?」
恵夢/困ったようにちょっと笑って、「だって決めたんでしょ」って背中を叩きます。いっちゃいなよ!
椿/……恵夢ちゃん、席を外すなら俺達は離れた木の陰に隠れているからおいで(笑)
恵夢/あ、あたし、用事を思い出したから帰るね! ……さっと椿先輩達のいる方に行きます! そして……なんとも言えない顔で、椿先輩の隣に黙ってちょこんと座ります。
みかげ/ありゃー、恵夢ちゃんたら(笑)
椿/よしよし、がんばったがんばった(笑)
GM/では、なずなの会話を進めるよ。(なずなになって)「……と、トモくん! 今日は呼び出しちゃってごめんね!」
朋月/誕生日おめでとう。
GM/「あっ……うん。ありがとう、嬉しい!」 真っ赤な顔で、えへへと笑います。
朋月/ケーキ、買ってきた。ショートケーキ、一番好きだろ?
GM/「う、うん。それが一番好き。トモくんが買ってきてくれるお菓子はいつも美味しいけど。……お兄ちゃんが死んだときも、そうやってトモくんは私のこと元気づけてくれたよね」
朋月/辛気臭い話をするな。今日はお祝に来たんだから、楽しいことを話そう。
GM/「……ううん、違うよ、トモくん。私はね、前に進むために来たの」
朋月/なんだ、改まって。
GM/「個人的なことだし、自分勝手なことで申し訳ないんだけど……聞いてくれる?」
朋月/話すために呼んだんだろ。
GM/「……最初に言っておくね。トモくんがどんな答えを出したとしても、私とトモくんは友達だし、恵夢ちゃんも友達。今の関係が変わることはないから」
朋月/何が言いたいか判らないけど、判った。
GM/「うん! トモくん。好きです。私、貴方と一緒に死にたいの。お願い、生贄を捧げるために一緒に死んで
恵夢/えっ。
GM/令呪発動。
朋月/令呪なら仕方ないな。一緒に死のうか。
恵夢/……えっ!? と、朋月っ!?
みかげ/持っていた遺品を取り落とします!
GM/「トモくん、みんなを殺そう!」 そう言った瞬間、辺りが光り輝いた。≪無限の解放≫を使います。

 ≪無限の解放≫
 生命力を全て解放し、自爆する一般特技。
 射程:視界の全体に、現在の【HP】と【MP】の合計点と同じだけのダメージを与える。この特技を使用した場合、メインプロセス後に死亡する。


GM/光が溢れ出し、君達全て、周囲全て巻き込んでドーンと爆発する。(ころころ)≪失われた日々≫≪特攻≫も全部使って、物理ダメージ88点。
恵夢/えええええーっ!?
朋月/(←大爆笑している)いやあ、令呪なら仕方ない。なずなの言うとおり死ぬしかないな(笑)
みかげ/公園が……大爆発しちゃった……(笑)
椿/しかもなずなちゃん、[狂戦士]か……(笑)
朋月/しかもあれですね、一緒にみんなを殺そうというなら全力で殺すしかないですね! 俺も最終的には≪無限の解放≫をして二段決めかな!(笑)
GM/い、いや! そこまでしなくていいから!(一同笑) ……公園だけでなく、周囲が大爆発によって全て消えていく。……光が去った後は血まみれの残骸。原型が留めていない中、からんと携帯電話だけが落ちた。
椿/み、みかげさん……! って叫びながら、令呪を使って逃がそうとするけど……!?
GM/間に合わない。
恵夢/そんなっ……朋月ぃっ!
GM/……4人全員は、真っ黒な所に居ることに気付いてください。
朋月/あっ……?
恵夢/う、ウズマキの中に……!?
椿/有無を言わさず真っ暗闇の中にいる……それでも、大爆発が起きたって判った瞬間に俺は先生を庇うかな。
恵夢/恵夢は、トモの前に守るように剣を構えて立っています!
みかげ/じゃあ私は急に真っ暗な空間で、椿くんにぎゅーされてますね。
椿/す、すみません!(笑)
朋月/……恵夢? ここは? 真っ暗な空間で周囲を見渡しますよ。
GM/君達の目の前には、悲しそうな顔の金髪ツインテールの女の子が立っている。
みかげ/真っ暗な空間。目の前に女の子。……わあっ!?(笑)
椿/……お久しぶりかな、龍の聖剣?(笑)
GM/「ええ、お久しぶり。小鳥遊 椿。……今回もまた止められなかったわ」
恵夢/あ、貴方は……?
GM/「私は龍の聖剣。ここは、この世でもあの世でもない場所よ」
朋月/……死んだんだな、また。
GM/「そう。貴方達は死んだ」
恵夢/死んだって……どういうことなの!?
GM/「一度目の惨劇は、木ノ本 朋月が何もせず箱辺 なずなに殺された。彼女は木ノ本 朋月を殺した後、街の人々を殺す大量殺人鬼になったわ」
恵夢/ええっ……。
朋月/……前のループでは、公園に恵夢達がいなかったということだな。
GM/「大量殺人鬼となったのは、箱辺 なずなだけじゃない。多くの人々が令呪による命令を遂行し、無差別殺人を起こした。あの爆心地以外の所でもいくつも令呪が発動して、多くの人が、多くの人を殺したわ」
朋月/……そんなにたくさん契約をすることなんてできるのか?
GM/「可能よ」
朋月/……とある方法で、大勢と契約したってことかな。
恵夢/携帯サイトで……クリック一つでお手軽に?
GM/「……世界にとって悲しい終わりを迎えた。だがこれは本意ではない。だから私はもう一度、貴方達に力を貸すことができる。ただ……三度目に挑戦するには、代償が必要よ」
みかげ/……これが、『三度目』?
椿/最初になずなちゃんが朋月だけを殺した一度目と、さっきの世界が二度目で、これからループするとしたら三度目になる……ってことだよね?
GM/そうだね。「二度目……さっきのループをやり直したときは代償はいらなかった。でも今度三度目に挑戦するためには、4月20日を無かったことにするためには代償が必要なの」
朋月/……代償って、具体的に何をすればいいんだ?
GM/「縁を切るの」
みかげ/縁? どういうこと?
GM/親しい人と縁を切ってください。
朋月/……能力値をマイナスするデータ的なペナルティではなく?
GM/はい。絆を1つ、断ち切ってください。
みかげ/人間関係を断つペナルティですか!?(笑)
椿/人間関係を切れと!?
GM/その通りです。親しい人との関係を切ってください。その演出相応した【幸運】か【意志】の基本値がマイナス1されます。
恵夢/ええっ……親しい人とのって……。
朋月/こ、これは、新しいループの代償だな……(笑)
みかげ/えっ……ど、どうしよう。コネクションなんて持ってないし……。
朋月/…………。それなら朋月は、部活動を切るかな。
恵夢/えっ!?
みかげ/本当にいいの? あんなに一生懸命やってたのに。
恵夢/そうだよ、いいの!? だって、ギターだって……。
朋月/先輩のコネクションで軽音に入った……という設定だったけど、それぐらい大事なものを失わなきゃ代償にはならない。……それに、恵夢やなずなを切る訳にもいかないだろ。
GM/それを代償にすると……朋月くんは部活に所属していない、先輩ともまったく知らない他人同士に世界が書き替わるよ。ただし朋月自身は記憶を持っていることになるね。
椿/また1から始めることはできる、か……?
朋月/それでいい。じゃあ……中学卒業頃に事故がキッカケで指がうまく動かせなくなったことにしよう。だからギターを辞めたし、辞めたから先輩にも声を掛けられなくなった。自分の進路を断たれたということで、可能性を失くしたという意味でも【幸運】基本値を減少します。
GM/では、朋月くんの脳裏には……「お前のギター、スゲーなぁ。軽音に入らないか! 俺達と楽しもうぜ!」と言ってくれた先輩達の顔が浮かびます。
恵夢/……それなら、恵夢は自分の母親との関係を切ります。
GM/親子の縁を?
恵夢/占い師の母親が好きで占い好きという設定だったので、母親との仲が良好ではないためあまり占いに手を出さなくなることにします。
GM/それなら……幼少のときにから両親との仲が悪かったということにしようか。
恵夢/はい。……【意志】基本値を減らします。
椿/俺も末っ子属性だったので、家族全員と仲が悪いことにします。
朋月/家庭崩壊ですか。
椿/うん、会っても目も会わさないし話もしない。でも生活費だけはテーブルの上に茶封筒が置いてある感じにする。
みかげ/……2人とも、本当にいいの? それって、家族を失くすと同等じゃない……。
恵夢/……家族を失くしても、お母さん達は幸せに生きててくれるかもしれない。けど、もしここで代償を払えなくてみんな死んじゃったら……。みんながループできなくて死んじゃうよりもずっといいよ!
椿/もう、決めたから。……俯いて言います。
GM/恵夢ちゃんの脳裏には、毎日明るく「恵夢ー、早く起きなさーい、ご飯よー」と言ってくれたお母さんが。椿くんの脳裏には「もー! 椿ったら可愛いんだから!」とお姉ちゃんやお母さん達に可愛がられていた家族全員の顔が浮かびます。
椿/女だらけの中で、父さんに「お前は強く生きるんだぞ……」って言われていたことも思い出すね。俺は【幸運】基本値を減少させます。
みかげ/…………。3人とも凄いわね。私はずるいわ。もういない人との関係を切るんだから。
恵夢/み、みかげ先生……もしかして?
みかげ/せりとの関係を切ります。
恵夢/せり兄ちゃんでいいの!? 本当に……?
みかげ/せりはもう私の思い出の中にしかいない人よ。今ある関係を大事にしていきたいわ。それに彼に言われちゃっているの、「なずなを頼む」って。
恵夢/……そっか。その約束は、守らないと……だよね。
みかげ/約束は守るわ。たとえその約束が無くなっちゃってもね。……私が覚えているんだもの。
椿/…………。
みかげ/【幸運】基本値を減少させます。……恵夢ちゃん、椿くん。甘えたがりなんだからこれからはいつでも私のところに来てくれていいからね。保健室でも、なんなら家に押しかけてくれていいんだから。
椿/……大丈夫です、俺も、家族より大事なものがあるんです。
みかげ/そうなの? ……じゃあ龍の聖剣に、決まったわと言います。
GM/みんなの顔を見渡します。こくんと頷いて、龍の聖剣にしては珍しく少し泣きそうな顔で「……言った通りだった」。
恵夢/言った通り?
GM/手を広げると同時に、君達は視界が真っ白に変わります。……PC1、目覚めてください。4月20日土曜日。君は自宅の部屋で目を覚まします。
朋月/……目覚めます。部屋にCDはあるけど、ギターは埃を被っています。
みかげ/ああ、あんまり触ってないんだね……。
GM/君の携帯電話にメールが受信される。
朋月/枕元にある携帯電話を取ろうとする……と、ビリッと手に痺れを感じる。うまく弦を弾けなくなった指で、携帯電話に触れます。
GM/1通の新着メッセージがあります。そこにはめちゃくちゃなアドレスと、URLの記載。……PC1は契約していません。だって今は、契約する前だもの。
朋月/……まずは、なずなにメールを送りますね。「誕生日おめでとう」と、一番最初に言ってあげようか。


 ●ミドルフェイズ3/午前の行動 〜2回目〜

みかげ/2回目の情報収集が始まるわね。メールで「喫茶店に集合」と送信! 元気な感じじゃなくて、ドライで真面目な文章を送ります。
GM/では、皆さん暗いでしょうが喫茶店にやって来てください
恵夢/ちょっと遅れてきて、おはようございますって言います。
椿/おはよ。元気無くスマホをいじってます。……お小遣いの茶封筒を受け取ってここに来ました。
みかげ/おはよう、みんな。やっぱり……実質昨日の疲れが取れてないわね。ご馳走するわよ、好きなの頼みなさい。この前のループのときはパフェが気になっていたから頼んでもいいのよ。
恵夢/いいんですか? でもこれはどちらかというと、朝起きたら……いつも見る顔が居なかったから心労に来たって感じでしょうか。
朋月/そうだろうな。それに体には異変は無いけど、実際は1日駆け巡っているんだから怠いのには変わらない。……ああ、今朝メールがまた送られてきましたよ。
みかげ/そのメール……そこに登録すると、契約が結ばれてしまう可能性が充分に考えられるわ。
朋月/ですね。だから今のうちに契約してください。……椿先輩のサーヴァンントになりたいので、先輩に手を出します。
椿/その手を握ります。
GM/契約完了です。あとここで一回供給をしてもOKです。それでは情報収集を進めていきましょう。
朋月/イベントキーはループを跨いでどうなっていますか?
GM/前のループで手に入れたイベントキーは、『イベントキー:占いサイト登録』以外全部継続で持っていていいです。
朋月/占いサイトを登録しないとそのイベントキーは配布無しなんですね。
GM/……あ、でも朋月くんは『イベントキー:占いサイト』は持っていていいです。そういうものがあるってことを表わすために配布します。
朋月/了解です。今回は登録無しでいきます。
椿/教会のメモや、孤児院で携帯電話を回収してもいいんですね?
GM/うん。事前に孤児院に行ってママ先生から話を聞いたことにしていい。
椿/じゃあ朝のうちに孤児院に行って回収したことにします。携帯電話を見て、せり兄ちゃんの送った「藤堂 賢三はここにいる」の住所を読んで、スクロールして……。
GM/「信じてる」。
椿/あれ?
GM/「信じてる」。
恵夢/……だけ? 改行したのに? 前のループと同じこと書いてない?
GM/「信じてる」だけ。
椿/……先生とせりの関係を切っちゃったから、無いんだ。
恵夢/あっ、そうか!?
みかげ/……私とせりの絆が無いから、わざわざ私宛ての文章が無くなっているってこと……?
椿/本文が「このメッセージを受け取ってくれた誰かを、信じてる」になっているのか……。遺品の中の写真を見てみるよ!
GM/遺品が入った段ボールの中には写真がいくつかあるんだけど、そこにもみかげの姿は無い。椿の姿はあるけどね。
恵夢/その写真を見ながら……代償って辛いですねって、ぼそっと言います。
椿/……うん。回収した携帯電話は、またポケットに入れます。
恵夢/それじゃあ、まだ行っていない「マップ:公園」と、イベントキーのある状態で「マップ:ビジネス街」に行ってみることにしましょう。

 朋月&みかげ→「マップ:公園」を選択。
 恵夢&椿→「マップ:ビジネス街」を選択。


GM/先に公園のシーンからやります。
みかげ/ついさっき惨劇に巻き込まれた公園に行きます。……今は、普通ですね。
GM/のどかな公園です。ベンチで休む老人だったり、砂場で遊ぶ子供だったり、仕事をしているビジネスマンがいたりします。
朋月/なずなが座っていたブランコを見てみます。
GM/今、ブランコには子供が遊んでいるかな。
みかげ/……朋月くん、なんとしても止めなきゃね。さて、早速調べるとしたら何をするべきかしら?
朋月/怪しい物が無いか調べましょう。【意志】で判定します。(ころころ)達成値10です。
GM/異端の気配は無い。
朋月/……今は何にも無いみたいですね。
みかげ/事件が起きるとしたらこれからなのかしら。……GM、高坂さんに警備をお願いできないかと電話をしてもいいですか?
GM/事前配備?
みかげ/事件について調べていたら公園で魔力の気配を感じたから見回りだけでも頼みたいと言いたいです。来ても何も異常が無いかもしれないけど、せめて夕方ぐらいまで見ていてほしいな!
GM/高坂は良い人なので「判った」と言います。公園は見回りが来ることになりました。
みかげ/ありがとう! よろしくお願いしまーす。……それと、メジャーアクションが空いたのでこの時点でみかげは≪薬物調合≫をして、≪興奮剤≫を作成しておきます。
朋月/これからの戦闘に備えて準備ですね。……ふらふら公園を調べて、適当なベンチに座ります。
みかげ/朋月くん、疲れちゃった?
朋月/飯は食ってきたんですけどね。……公園にストリートミュージシャンがいて、それをじっと無表情で見ていることにします。
椿/自分はもう楽器を弾けないからね……。
みかげ/……やっぱりギター、やりたかった?
朋月/いえ……。今はなずなのことや事件のことを考えなきゃいけませんし、今はギターのことは忘れて良かったんじゃないですかね。
みかげ/……朋月くん。なずなちゃんのこと、好き?
朋月/好きです。
恵夢/そ、即答だ……。
椿/でも照れずに言うし、きっと恵夢ちゃんや他の人に対しても言うだろ(笑)
朋月/あ、せっかくだからここで話しておきたい。……先生、ちょっとだけいいですか?
みかげ/なに?
朋月/俺達にとっての昨日、この前のループのときのことなんですけど。俺、なずなのことを全然考えてなかったんですよね。
みかげ/全然考えてなかったというと……?
朋月/なずなに対して感情を一切抱いていませんでした。でも、今はなずなのことを考えなきゃいけない。殺したくないから。これってどうなんでしょうね。
みかげ/……多分、貴方にとってのなずなちゃんは、居て当たり前の存在だったと思うのよ。小さい頃からずっと一緒に居るんだもの。でも今回一度なずなちゃんを失った訳でしょう? 一度失って本当の大切さを知ったていうのもあるんじゃないのかなぁ。
朋月/一度失ったから大切だと思い知る、か。みかげ先生の代償を思いながら言うよ。
みかげ/……それは……。
朋月/ありがとうございます。さすが先生、相談の返事が的確だ。
みかげ/こういうのも保険医の仕事よ。……いいんじゃない、焦らずゆっくり考えていけば。事件を食い止めれば、時間はこれからもいっぱいあるんだし。
朋月/その通りですね。立ち上がって、コインを唄っているストリートミュージシャンの隣に居る小学生女子に投げておきます。
みかげ/あっ、夜鷹兄妹だ!?(一同笑)
GM/ストリートミュージシャンの歌を聞いてから、公園を出ると……。一方その頃、恵夢ちゃんと椿くんはどうしてる?
恵夢/ビジネス街に行きます!
椿/恵夢ちゃんに引っ張られる形で行きます。よし、気合を入れていくぞ! ビジネス街に行って、「ここにいる」っていうメールにあった住所の場所に行きます。
GM/『イベントキー:携帯電話』持ちの人がいると発動するイベントがあります。住所の場所に行くと、そこには看板の文字が消えた寂れたビルがあります。
恵夢/……ここ、ですよね? 住所はあっている筈なんですけど……。
GM/でも、人の気配は無い。
椿/ここ、ビジネス街ですよね? 古いビルの向かいのビルから出て来たお姉さんを≪+50ナンパ≫で捕まえます。そこの綺麗なお姉さん!(ころころ)達成値64!(笑)
恵夢/せ、先輩……(笑)
GM/うわぁ、64でしょ、一般人だからクリティカルが出ない限り捕まるよ(笑) コロッといったお姉さんは「あら、なーに?」。
椿/ボクのおじさんがこの辺でお店をやっていて遊びに来たんですけど、住所が真向いのビルになっているんです。あそこって人の出入りってあるんですかね?
GM/「真向いのビル? きっとそれ、間違いよ。だってあそこ、2年ぐらい前に潰れちゃったんだもの。確かオーナーが失踪したのよ」
椿/そうなんだ……? じゃあおじさん1丁目と3丁目を間違えたんですね! ありがとうございます〜(笑) じゃあ次の機会にお茶でも……。
恵夢/先輩、調査に戻りますよ!(笑)


 ●ミドルフェイズ4/午後の行動 〜2回目〜

 朋月&恵夢→「マップ:学校」を選択。
 みかげ&椿→「マップ:ビジネス街」を選択。


GM/それじゃあ、続けてビジネス街のシーンからいこうか。
椿/例のビルの裏で、先生が来るのを待ってますね。……さっき3人ぐらいお姉さんを誘おうしたけど、やっぱしないでいる(笑)
みかげ/あら、どうしたの、普段だったら百戦錬磨なのに? 時間潰しにナンパでもしているかと思った(笑)
椿/いやぁ、勘が鈍ってるんですかねー。……先生と合流したので、ビルの中に入ってみます。
GM/ビルに入ってみますか。中は寂れていて、誰も立ち入っていないようだよ。
みかげ/オーナーが失踪しているってことは、持って行けない大物がごろごろしているぐらいですかね?
椿/でも先生は一応後ろに下がっていて。俺が前に出て確かめますから。
GM/君達はとあるオフィスに入り込んでいきます。すると……なんか古びたパソコンがずらーって並んでいる部屋があった。
みかげ/古びたパソコン?
GM/うん。全部起動しているよ。
恵夢/ずらーって電源が入ってるパソコンがあるの!?
みかげ/なにこれ……オーナーもいないんだから電気なんてもう通ってない筈でしょ!?
椿/……ここが、藤堂 賢三の本拠地なんだ。パソコンを見ます。
GM/画面は全部スクリーンセーバーになっているよ。
椿/なら≪風霊操作≫でちょっとだけマウスを動かすよ!
GM/スススとマウスを動かしてみると、スクリーンセーバーは消え……画面には何かのログが表示される。
椿/ログ? 何のログだ?
GM/占いサイトのだ。【理知】か【幸運】判定難易度12で何かが判る。
椿/さっきループの代償で【幸運】を下げちゃったんだよな。(ころころ)失敗……。惜しまず≪逆転運命≫を使用しよう。(ころころ)14! 逆転した結果、成功!
GM/なら君は判る。このログが表示しているインターネットサイトには、≪君に幸あれ≫が使われているということに。

 ≪君に幸あれ≫
 対象に祝福を与え、幸福な運命に世界を書き換える[世界遣い]の副特技。
 対象の【幸運】判定の達成値+4。


みかげ/【幸運】の達成値を上げてる……? どういうこと?
恵夢/……もしかして、「幸福な運命に世界を書き換えている」んじゃないんですか? 占いとかおまじないって、良いことが多いって評判になればなるだけ流行りますから。
みかげ/ああっ、そういうこと!? つまり、サイトを閲覧したときに見た人に【幸運】達成値に+4すれば……。
朋月/例えば、「試験をこれから受ける! 先に占いサイトを見ておこう!」→【幸運】達成値が上がる→「占いサイトの言う通りにしたら成功した!」……みたいな?
椿/良い意味で好転させてたんだ。一般人だから達成値+4されたら大体成功するよ(笑)
みかげ/……なんでわざわざそんなことを?
朋月/そりゃあ、このサイトが流行ってほしいからでしょう。流行れば流行るほど登録者数が増えますから、増えればサーヴァントが多くなるってことですし。
椿/そうすれば、この前のループみたいに令呪で命じられてみんな一斉大爆発ってことも可能になって……。
みかげ/お、恐ろしい……! ちょっと怖いけど、パソコンに≪過去視≫をやることはできますか?
GM/できるよ。ただし仕掛けがしてある本拠地に手を出すということで、危険が予想される。
朋月/それでも……ここで犯人の確実な情報を掴む価値はあると思います。
みかげ/そうね。パソコンに触れて、≪過去視≫を使用してみます!
GM/……君は≪過去視≫をした。……とある初老の男が研究している風景が脳裏に浮かぶ。
みかげ/……藤堂、賢三……。
GM/研究をしていた彼は何かを見つけ、驚愕し、人が変わったようにのめり込んでいく。最初は人が良さそうだった老人の目にはどんどんと隈ができ、やせ細っていき……。
朋月/狂気に陥っていく……。
GM/そうして、とあるモノを完成させた。

 「ハハ、ハハハ……これで……これで! これで、あの学会のバカどもに証明できる!」
 「……なんだ? おや、変な奴が来たな……」


GM/何かを察した藤堂 賢三は、事務所から出て行く。数分後、この事務所に一人の男が現れた。
椿/……せり兄ちゃん?
GM/そう。せりはパソコンを調べると、「大変だ、早く行かないと……!」と血相を変えて事務所を出て行く。……数日後。
みかげ/数日後?
GM/誰も居なくなった真っ暗な部屋の中、画面が真っ黒だったパソコンが自動的に起動する。そしてパソコンに文字が、カタカタと逆に打ち出されていく。

 「実験は成功した」
 「わしの術式は正しかったのだ。電子生命体とは不思議なものだな」
 「ログが残ってしまうのはくどい。考えたこと、話したことがこうして出力されてしまうのは、まあ、それでもこうして新たな姿に生まれ変わったと言える」
 「しかし、このままだとわしが存在していることが証明できん。いかんな。早々に肉体を持たなければ」
 「≪スペアハート≫≪世界創造≫≪贄の儀式≫。……犠牲者を払って、願いを叶える」


恵夢/ああ……あああ、≪贄の儀式≫かー!
朋月/自分が死んでも代わりがいる≪スペアハート≫で電子生命体になって、何人もの犠牲を払って願いを叶える≪贄の儀式≫≪世界創造≫のコンボか。……もう立派な異端だな。
GM/みかげ先生の見ている意識が次々に切り替わっていく。非常にきついね。
みかげ/ううっ、きついけど……頑張ってみます。
椿/先生、頑張って! 後ろから声を掛けます! 手をぎゅっ!
みかげ/わっ。……目を閉じたまま、こくっと頷いてねばります!
GM/「わしはわしを生き返らせなければ」という文字が現れる。占いサイトの登録者数ががんがん増えていくのも見えてくる。
朋月/よく当たるからね。
GM/≪君に幸あれ≫がんがん使う。カウンターががんがん増えていく。日付ががんがん近づいていく。……そして、4月19日になった。

 「さて、行くか」
 「これだけの人数の犠牲を払えば、世界を書き換えることが出来るだろう」
 「儀式を使うに相応しい器は、どうせなら、あの男の近しい者で……」


GM/ブツン。意識が途切れる。【HP】にダメージ1D6点を受けてください。
みかげ/(ころころ)4点食らいます。ハッと目が覚めまして、ぺたんと座り込みます。あ、汗びっしょり……。
椿/み、みかげ先生を支える!
みかげ/ぜえぜえとしながら……。椿くん、なずなちゃんのところに行きましょう!
椿/なずなちゃんのところに?
みかげ/ここには藤堂 賢三はいないわ。なずなちゃんは一サーヴァントではなくて、藤堂の個人的なせりへの怨恨からせりの家族であるなずなちゃんに乗り移っている筈よ……!
椿/……判りました。先生、外に出ましょう!
GM/では……一方その頃、学校のシーンにいきますか。
恵夢/なずなに会いたい! なずなのところに行きます! なずなー!?
GM/昇降口で上履きを履き替えるなずながいます。今朝届いたらしいメールを見て、にへっと笑っているよ。
みかげ/メールを見返して幸せになっているのね(笑)
恵夢/なずなーっ!
GM/(なずなになって)「うひゃあ!? どどど、どうしたの、恵夢ちゃん、こんな所に……ギャー! トモくん!?
朋月/そりゃ俺も居るよ。
GM/トモくんが居るので、ビックリしたなずなは真っ赤になって逃げ出そうとします。
朋月/なずなの両手を握って捕まえます。恵夢。今だ。やれ。
恵夢/それ調べやすいけど、やりやすいけどヒドイなぁ!(笑) なずなに向かって≪魔の感知≫をしたいです!(ころころ)達成値10です!
GM/(ころころ)……ああ、失敗した。
椿/……対抗判定かな?
GM/なずなの体に、なんか刻まれているね。服の下だから見えないところだけど、何かが刻まれているのが判るよ。
恵夢/……令呪かな? 朋月に目配せで「何かある」って言います。
朋月/うん。……なずな。
GM/「な、なに!?」
朋月/最近、変なことなかったか?
GM/「な、何も無いよ!」
恵夢/じゃあ、最近ハマっているものとかない?
GM/携帯電話をチラッと見る。そして真っ赤になる。「なんでもないよ!」
椿/……相性占いとかしてたのかな(笑)
恵夢/携帯で何か見てたの? ……あたしだけでいいからこそっと教えてよ!
GM/「トモくんから1年ぶりにメールが来たよ!」
椿/1年っ!?(笑)
朋月/いつも5文字以内の返信だけなんで自分から長文メールしたのは今日が初めてです。
恵夢/トモ、よくやった! でも、今更かよ!?(笑)
みかげ/きっとそのメール、すぐに鍵かけて保護したよね……(笑)
GM/なずなはとっても嬉しそうです。「やっぱり……やっぱりね、おまじないの効果があったんだよ……!」
恵夢/……おまじないの効果?
GM/いいかげん恥ずかしくなったなずなは逃げようとするよ。「ごめん、隣のおじいちゃんが危篤だって聞いたから!」
朋月/そんな顔を真っ赤にしてフラフラした体の奴を放っておける訳ないだろ。捕まえる。
GM/がしっ。捕まえられる。でも振り払おうとします。
朋月/朋月を身長188センチにします。
恵夢/でかいな!?(笑)
椿/っていうか、今かよ!?(笑)
GM/……【体力】判定しようか。(ころころ)達成値10。
恵夢/(ころころ)あ、恵夢が達成値11です。なずなを抑え込みます!
GM/では、なずなの首がガクンと垂れたことと……すぐに人が変わったように「何するの!」と言って必死に振り払おうとするよ。判定に成功した恵夢ちゃんは、≪器の支配≫が使用されているのが判る。

 ≪器の支配≫
 目標に暗示をかけ、簡単な動きを(手にした荷物を戻す、両手を上げるなど)操る[異端者]の副特技。


GM/なずなは暴れて、走って逃げ去ります。さっきの判定に成功した恵夢ちゃんは、『イベントキー:令呪』を貰ってね。
朋月/……[異端者]に操られているのか。変に暴れて怪我されたら困る。一旦、手を放します。
恵夢/すぐに先輩達に電話で連絡します! 今すぐなずなを捕まえに走ります! 彼女の中に何者かがいるのかもしれませんので……!
椿/その通りです!(笑)
みかげ/それが藤堂よー!(笑)