アナザーワールドSRS・リプレイ・人外夜会
■ 第1話 『 リリルラケシスの宴 』 1ページ ■
2015年1月16日




 ●プリプレイ

 とあるセッション終了後。
 その日のセッション反省会も終わり、話は別のTRPGシステムの話へ。『アナザーワールドSRS(以降、AW)』の製作者・マーサーと、『ラブアゲインシンドローム』のアイザックなどの中の人・なちこが2人で食事を取ろうとしているときの会話から、全ては始まった。


GM・マーサー/アクセンの正体って判った?
プレイヤー1・なちこ/すみません、実はまだアクセンさんの正体ってよく判ってないんですよね。人間じゃないってことは判るんですが……。
GM・マーサー/……アイザックさんの中の人にどうしても話がしたいことがあるので、アクセンの正体をバラしていいかな?
プレイヤー1・なちこ/はい、お願いします。

 このリプレイでは、アクセンというキャラクターが主軸になっているクロスオーバーセッションである。
 まずは、そのアクセンの説明から入ろう。

 アクセン
 燃えるような赤毛をした、ルーマニア人の男性。[聖職者/世界遣い/異端者]。
 『AW』リプレイシリーズでは、『バッドルイド』が初登場。その後、『ワンダフルワールド』にもPC参戦し、NPCでは『ウズマキ美化委員会2』『ハルスの悲鳴』にも出演しているキャラクター。
 元は『AW』の前日譚小説『さわれぬ神 憂う世界』の登場人物で、2005年を舞台にしたその小説からの流用としてNPCパーソナリティーズに掲載されている。


GM・マーサー/アクセンの正体は、吸血鬼の真祖です。
プレイヤー1・なちこ/マジですか! ……そういやルーマニア出身でしたね、アクセンさん!
GM・マーサー/『ワンダフルワールド』で、「夜に目がきく」とか「水が苦手で泳げない」とか「首筋に被り付きたくて堪らない」とか言ってるよ。実は生粋の吸血鬼で、「世界に数人いると言われている、世界を滅ぼす魔王」の一人とされていて……異端の王、吸血鬼の王なんです。つまりこれって、アイザックさんの上司になるんじゃないかなって。
プレイヤー1・なちこ/上司というか、親玉ですね。アイザックは元々人間で、吸血鬼に血を吸われてから吸血鬼になってしまったというキャラクターですし。[稀人]レベルが低いし、血を吸うことは嫌なので飲もうともしないから……アクセンさんには敵わないと思います。
GM・マーサー/死徒(吸血鬼に血を吸われて吸血鬼になった者)と真祖(生粋の吸血鬼)だから、そうなるよね。ちなみにアクセンは設定として≪器の支配・改≫という「分類が異端(特に吸血鬼)のキャラクターを無条件で降伏、洗脳できる」という特技を持っているんだ。
プレイヤー1・なちこ/それは、アイザックは操られますね。
GM・マーサー/PCなので【体力】や【意志】判定で抵抗することはできるけど、NPCだったら即死だね。
プレイヤー1・なちこ/どんな命令でも従ってしまいますね。
GM・マーサー/アイザックさんは「メシ食いに行こうぜ」とか「そこのケチャップ取ってくれ」レベルのお願いすら無意識に従ってしまうんだよ。……萌えないか?
プレイヤー1・なちこ/……萌えますね。
GM・マーサー/……萌えるだろ。
プレイヤー1・なちこ/……萌えます。

 セッション後にお腹を空かせて食事に来たのに、あまりの萌えで空腹を忘れる事態。
 その後、「吸血鬼の親玉のどうでもいい命令に振り回される吸血鬼」談義は盛り上がり……。


GM・マーサー/『ハルスの悲鳴』でアクセンと仲良しになってくれた異端者のえんくんってキャラと、セッションをやってみない?

 ついには、クロスオーバーセッションをすることになってしまった。

マーサー(以降、GM)/お集まりいただきありがとうございます。それでは『AW』クロスオーバーセッション『人外夜会』を始めまーす。
プレイヤー1・なちこしゅうら/よろしくお願いしまーす!
GM/今回は、『ラブアゲインシンドローム』でPC2をやった吸血鬼神父のアイザックさんと、『ハルスの悲鳴』でPC4をやったインフルエンザウイルスのえんくんと、NPCアクセンとの交流セッションをやりたいと思います。
プレイヤー2・しゅうら/アクセンさん達とセッションができると聞いて、お酒とおつまみ持って来ましたー!(笑)
プレイヤー1・なちこ/お噂はかねがね聞いております、えんくん!(笑)
GM/アクセンはアイザックに「酒飲むぞ」とワガママを言って酒宴に呼び、えんくんには「酒飲むけどうち来るー?」「行く行くー!」みたいなテンションで3人で夜会をしてるんじゃないかなーっという雑談を現実にしようと思ってセッションをやらせてもらいます。一応ハンドアウトは作ってきたから読んでね!



 アナザーワールドSRS シナリオ名『人外夜会』



【レギュレーション】
 キャラクターレベル10で開始。
 アイザックとえんでPC1とPC2のハンドアウトのどちらをプレイするか決定すること。
 PC2のハンドアウトの出てくる「NPC4」は、アイザックとえん以外のキャラクターを設定する。キャラロールはそれぞれ中の人に委ねるが、基本的にGMが動かすNPC扱いとする。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:アクセン   関係:自由

 君は、教会の書物庫で某セッションのPC達に渡す資料を作成しているアクセンに出会った。
 膨大な知識を頼りにされる彼の気分転換に、共に茶を飲むことになった君。
 何気ない彼の話を聞いていた君の姿を、教会の重役ときわに見られてしまう。だからだろう、突然イギリスに飛ばされることになったのは。
▼セカイのイベント:アクセンとイギリスに行く
▼NPC1:アクセン

 とても目立つ赤毛のルーマニア人。25歳。クラス配分は[聖職者/世界遣い/異端者]。
 知識を買われ、退魔組織『教会』日本支部に雇われている。その正体は、異端の貴族とも言われる『吸血鬼の真祖(生粋の吸血鬼)』。
▼NPC2:ときわ
 教会の運営する上層部の人間。19歳。クラス配分は[闘士/霊媒師/聖職者]。
 アクセンの茶飲み仲間。君とアクセンが一緒にいるところを見かけたことから、とある依頼を君に渡すことを決めた。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:『リリルラケシス』    関係:興味

 君のもとに教会から依頼があった。
 ロンドンを本拠地に構えた吸血種の人外同盟『リリルラケシス』と、イギリス政府が不可侵条約の盟約調印式があるという。
 その調印式の立会人を護衛するためにイギリスに飛べという。
 立会人は、君の知り合いのアクセンだ。君は他の仲間達と共にイギリスへ飛んだ。
▼セカイのイベント:調印式を終わらせようとする
▼NPC3:『リリルラケシス』

 古くから存在しているヨーロッパの人外同盟。人間社会に紛れて生息する、知的かつ理性的な集団。人外専門の教会のようなもの。
▼NPC4:仲間達
 君とPC1以外に今回の護衛任務に就いたエージェント達。
 アイザック&えん以外に、クロスオーバーセッションということで過去に『AW』でプレイしたキャラクターを2名選ぶこと。

※過去の『AW』PC一覧
▼なちこ:『ラブアゲインシンドローム』樫村美雲、『サークルビショップテラー』伊賀崎万里、『だれかのねがいがかなうころ』羽磨岸みかげ、『アウトレイジエリア』棚氷叡斗
▼しゅうら:『サークルビショップテラー』曽路まどか、『越境ソドム』都築翼、『ダブルダウン』神木ナツメ、『春を呼ぶ円環』明石榛名、『小さな友人の頼み事』高坂薫子、『悔いなきセレクシオン』神木麗子


GM/今回は交流シナリオなので、戦闘はあまりしない予定です。でもどうせ作るならいっぱい演出がしたいので、キャラクターレベル10でリビルドしてもらうことになりました。
プレイヤー1・なちこ(以降、アイザック)/『ラブアゲインシンドローム』は2版での作成だったので、ようやくアイザックがレベルアップできて4版ルールにバージョンアップできましたよ。
プレイヤー2・しゅうら(以降、えん)/えんは『ハルスの悲鳴』が8レベルセッションだったので2レベル上がるだけでしたが、思い切ってリビルドしてみましたー。
GM/それでは、生まれれ変わった2人の自己紹介をしてもらいましょう。

アイザック/キャラクター名、アイザック=ブラックモアです。このたび晴れて版上げすることが叶いまして[聖職者]8レベル、[稀人]2レベルで作成しました。年齢28歳から時が止まっている男です。
GM/THE吸血鬼だね。
アイザック/国籍はイギリス。今回のシナリオの舞台がイギリスのようなので楽しみです。データですが、[聖職者]を8レベルまで取得したので一度に8体までの対象に攻撃することができます。
えん/強い!
アイザック/≪審判:善≫で判定直後にクリティカル値を下げてクリティカルにさせることができます。そこから≪戦術指揮≫を使用して、命中クリティカルしたらダメージが増える特技を取りました。
GM/支援特化だなぁ!
アイザック/元から支援キャラでしたからね。それと、ライフパスの『特徴』を「エージェントである」に変更しました。昔は「中性的である」でしたが、今は随分骨太なイメージになりましたので変えてみました。
GM/『アナザーイブウィークス』で「CV:置鮎」って言っちゃたから、どうしても男性的なイメージが強くなっちゃったね(笑)

 アイザック=ブラックモア(プレイヤー名:なちこ)
 クラス:[聖職者8/稀人2]
  体力:15(+5)  反射:13(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:11(+3)  幸運:10(+3)
  HP最大値:41  MP最大値:33  正気度:7
重要キーワード:人ではないもの(吸血鬼)  背景:(チェス)が好き
特徴:エージェントである  ボーナス効果:≪興奮剤≫を初期取得している
職業:神父兼エージェント  性別:男  年齢:28
 スキルウェポン→≪浄化の一撃≫
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪戦闘聖衣1・2・3≫ ≪浄化の装具≫ ≪情報隠蔽≫ ≪審判:善≫ ≪叱咤激励≫ ≪懺悔室≫ ≪洗礼付与≫ ≪瞬間思考≫ ≪十字軍≫
≪緊急支援≫ ≪戦術指揮≫ ≪コネクト≫ ≪霧暴き≫
 稀人→≪光の一手≫ ≪無音の外套≫ ≪虚空の翼≫ ≪友の華≫
 一般特技→≪興奮剤≫

えん/キャラクター名、未東 えん(みあずま・えん)です。インフルエンザウイルスの、[狩人]6レベルの[異端者]4レベル。フランスから来た男性で26歳ぐらいなんですが、菌なので関係ねぇ!
アイザック/大体そのぐらいの年齢に見えるんですね(笑)
えん/普段は黒いトレーナーにクロックスで街中を彷徨っています。ライフパスの『背景』は、「除菌から逃げている」。
GM/時期だな。教会の入口にもアルコール除菌スプレーがあるからな。清潔第一のときわが設置しました。
えん/そんなことされたら教会に入れねーなー! だから窓から入ります!(笑) 『ハルスの悲鳴』では≪コネ「ウズマキ」≫を取っていたんですが、今回は≪コネ「教会」≫を取りました。これでトキリンさんと戦っています。
アイザック/トキリンは強そうだ。コネが無いと戦えなそうだよ(笑)

 未東 えん(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[狩人6/異端者4]
  体力:15(+5)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+3)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:44  MP最大値:37  正気度:6
重要キーワード:病院  背景:(除菌)から逃げている
特徴:エージェントである  ボーナス効果:特技1つ自動取得
職業:インフルエンザ  性別:男  年齢:26
 スキルウェポン→≪無の射撃≫
 狩人→≪射法訓1・2・3≫ ≪的抜き≫ ≪覇魔矢≫ ≪ハヤテの爪先≫ ≪悪雨≫ ≪闇纏い≫ ≪圧縮撃≫ ≪零力射撃≫ ≪交わる矢≫
 異端者→≪黒のヨロイ≫ ≪鬼の肌膚:物理≫ ≪器の支配≫ ≪契機惑乱≫ ≪異常鉱物≫ ≪闇の血統≫
 一般特技→≪強化手術:体力≫ ≪−50ファブリーズ≫ ≪コネ「教会」≫ ≪属性スイッチ≫

GM/それでは、「NPC4」として選択した2人を教えてください。
えん(以降、榛名の台詞は榛名と表記)/私が選択したのは、明石 榛名(あかいし・はるな)です。『春を呼ぶ円環』のPC1をやらせていただいた[魔術師/感応力師/処刑人]です。ひきこもりで、人見知りでした。初めて会う人には目も合わせられないしドモります。でも2ラウンドか3ラウンド目になったらきちんと会話ができるようになります。
アイザック/ほうほう、慣れるんだ(笑)
榛名/そんな俺が今度は海外に!? イギリスなんて怖くて死んじゃう!(笑)
GM/実は榛名くんのお家が結構なお金持ちでして。生前のおじいちゃんが海外文学に理解があり留学をしていたり、戦時中おばあちゃんに輸入品の指輪をプレゼントしていたりするぐらい裕福です。
アイザック/だから、海外ぐらい行ってたりする?
GM/するだろうね。大きな中流から上の一軒家に住んでるし、ニートの榛名を余裕で養っている穏やかなお母さんがいるあたり、海外旅行にバンバン行くタイプのお家だと予想されます。
アイザック/それだとお母さんに「あんたならイケる!」って海外に行くのを薦められる定め……?(笑)
榛名/でも榛名はコミュ障なので英語が喋れません!
GM/大学生なんだからイケるでしょ。
榛名/世の中の大学生が全員英会話ができてTOEICで良い点取れると思うなぁーっ!(笑)

 明石 榛名
 『春を呼ぶ円環』のPC1。20歳のひきこもり。
 [魔術師/感応力師/処刑人]のヒーラー。おばあちゃん(故人)の思い出の品である≪空と心のリング≫をいつも身につけている。好きなゲームは『艦隊これくしょん』。


アイザック(以降、叡斗の台詞は叡斗と表記)/私が選択したのは、棚氷 叡斗(たなごおり・えいと)『アウトレイジエリア』のPC1で、[魔術師/闘士/領域遣い]、氷の剣で斬りかかる前衛でした。大学1年生18歳の男の子で、法学部で猛烈に勉強しています。
えん/あ、頭良い子だ……!
叡斗/ただ生真面目すぎて空回りするタイプでした。黒いチワワです(笑) この自由なパーティーを巧い具合にまとめてくれるんじゃないかな、お母さんは期待しています。
GM/アイザックさんは騒がしいと途中で諦めそうだもんね(笑) 完全火力のえんくんに、前衛魔術師の叡斗くん、支援特化のアイザックさんに、サポートヒーラーの榛名くん……。高坂さんたらこのパーティーバランスマジで良いぞ。
叡斗/性格面でも能力面でもなんとかなりそう! 強いて言うなら女子がいないぐらい!(笑)
GM/それは女子を連れていかないことにした君達が悪い(笑)

 棚氷 叡斗
 『アウトレイジエリア』のPC1。18歳の大学生。
 [魔術師/闘士/領域遣い]の前衛魔術師。異端事件を専門とする弁護士を目指して勉強中の法学部の学生。氷属性の剣を作って攻撃を行なう。


GM/今回のシナリオヒロインとなるアクセンの説明です。既にアイザックさんとえんくんは、アクセンに連れられて何度か酒を飲みに行ったことがある設定でお願いします。
アイザック/はい。とてもお高いレストランで食事をするんでしょうね。
えん/そういうお店にTシャツとクロックスでえんは向かいまーす(笑)
GM/ちなみに、ハンドアウトはどっちがどっちを選択したの?
えん/えんが、ハンドアウト1でアクセンさんと出会うことにします。
アイザック/アイザックはハンドアウト2で、教会の仕事として無事調印式を終わらせるように動きます!
GM/かしこまりました。それではセッション本編を始めていきましょう。


 ●マスターシーン

 ――炎が全てを焼き尽くしている。
 雪が降るほど極寒の中、山奥一面赤い炎が満たしていた。
 『教会』のエージェント達が、エージェント達に対抗する邪教徒達もまた武器を取り、異能を放ち、殺し合う。
 人が狂い、狂った果てに、また狂って殺し合う。そこは地獄のような光景だった。

 魂を縛るギアスの光が、世界を満たす。
 令呪の閃光が一瞬でその場の空気を書き換えていく。
 とある人物の放った命令に従った多くの者達は、凶行を終えた。
 同時に彼らは自分の喉元に、手にしていた刃を突き立てる。
 皆、自害した。それで術式は完成だ。
 欺く神は、動きを止めた。

 動かなくなった巨大な影の元へ、駆け寄る男がいた。赤い髪の男だ。
 彼は禍々しい生き物の元へ走り寄る。その中の核となっていた人物の元へ近づき、抱き上げた。

「心配しなくていい。大丈夫だ。少し待っていてくれ。今からお前を蘇らせてやる。そうすればまた食事ができる」

 声を張る赤い髪の男性。
 魔王と呼ばれた彼は、倒れ伏す人物を『蘇らせる手段』を持っていた。
 [聖職者]の≪物品調達≫も、[異端者]の≪贄の儀式≫も、[世界遣い]の≪世界創造≫も用意はできている。
 一度倒された化け物を復活させることができる力が、彼にはあった。

 だけれども、抱かれた人物は、首を振る。
 そんなことはしなくていい。そう言うように。

「何故だ? 私はお前と一緒に生きたい。他の大勢が死んだとしても、お前にいなくなってほしくない。ここにいる大勢の命を使えば、お前が再び私の隣にいてくれれば……!」

 男の訴えは、届かない。
 叫ぶ。蘇らせてやるから、蘇らせてみせるから、だから……。何度も叫ぶが、その心は想い人には届かない。
 最期の力を振り絞ったある人物は、震える唇で告げた。

『……人間を……愛してあげて……犠牲になんて、しないで……』

 <1つ目の令呪>が、魂を縛り上げていく。
 一方的な約束が、結ばれてしまった。




 ANOTHER WORLD SRS
  〜 人外夜会 第1話 『リリルラケシスの宴』 〜



 ●オープニングフェイズ/えん 〜出会いと問いかけ〜

GM/えんくんのシーンからいきましょう。君は教会に出入りできるキャラで、依頼を貰っては派遣されるエージェントです。
えん/はい、上位のインフルエンザ菌です!
GM/確かに上位だね(笑) 教会で事件を貰っていないときは何か別のお仕事をしているの?
えん/してないです。インフルエンザ菌ですから。THE暇! っていうかなんで礼拝堂にアルコール消毒液があるんだよ! 冬だから!? これもトキリンさんの仕業!?
GM/ザッツライ。教会の清廉潔白な空気は実は君にとっては辛い。
えん/アカンわー! こんな所に居られなーい! オレには黴臭さが必要ですわー!
GM/黴臭さを求めるなら、倉庫や書物庫が良かろう。
えん/確かに。これは良い埃のニオイ! ……書物庫にお邪魔しまーす!
GM/大量の資料が置かれ書物庫に入ります。そこはありとあらゆる事件の資料が詰め込まれた場所です。膨大の資料は『AW』セッションをするたびに増えていきます。
アイザック/ああ、教会の人は基本的にアナログばっかりだから書類ばっかなんだね……(笑)
GM/だって新しい媒体はすぐ壊れたり互換性が無くなる可能性が高いし。CD−ROMはともかくMOディスクとかすぐ時代の移り変わりで無くなったしね。本にして清潔に保管するのが一番なんだよ。
アイザック/「クラウド化しましょうよ!」と話し合いにはなるけど、「個人情報が流出したら……」とかで毎度話が頓挫しちゃうだろうな(笑)
GM/えんくんが書庫に侵入すると、中で書き物をしている男性を発見するよ。
えん/おっ?
GM/赤い髪の、体格が良い男性だ。時々紅茶を飲みながら仕事をしている。横顔を見る限り日本人ではない。
えん/うわー、彫刻みたいな顔の男だなー。
GM/ふぅと息を吐いて伸びをする彼は、近づいていた君を見ます。「おや、ちょうど良い。今、次のセッションでPC達が情報収集をするための資料を作成し終えたところだ。私と話をしないか」
えん/何奴っ!?(笑)
アイザック/なめらかに自分の話を持ちこんだ! 好き!(一同笑)
GM/「何奴と訊いたのか。私の名前はアクセンだ」 なめらかに自己紹介をしちゃいます。「君はどこの国の者だ?」
えん/えーと、一応フランス出身ってことにしてあるけど、イタリアにいたこともあったよ。
GM/そう言うと、彼は英語で話したりフランス語で話したりイタリア語で話したりします。
えん/……お兄さん、何者? 日本にいるので日本語を喋ります。
アイザック/郷に入れば郷に従うか(笑)
GM/ならアクセンも日本語で話そう。日本人が聞いたら堅苦しいと思える口調ですが、流暢に話をします。なお、えんくんは……目の前の居る人物が人間ではないこと、人外であること、さらに言うなら上級魔族であることに気付きます。

 上級魔族
 生まれつき人型異端である『魔族』の、更に高位な存在。
 異端も魔族も「負の感情を本能的に好む存在」であるが、死んだ際に蒼い光になって昇華される(跡形も無くなる)のが異端、死んでも遺体が残るのが魔族である。
 魔族は「負の感情を餌とする人間」とも言えるため負を好む以外に人間と変わりはないが、上級魔族はさらに人外寄り。何百〜何千年も生きている人型の異端は上級魔族と言える。


GM/「ときわ殿が淹れてくれた紅茶が残っている。まだ温かいから君も飲むがいい」
えん/いいんすか? お茶に指から出たカビルンルンが浮いちゃうよ? オレ、そういう星の巡りの中で生まれちゃったもんでさー。
GM/「それはまた面妖な異端だな。実に興味深い。珍しいものは観察するべきだろう。仕事に疲れた私の気分転換として休憩に付き合ってくれ」 席に座るように促します。
えん/マジか、ほう。座ります。
GM/それが君と彼との出会いだった。……どうやらこのアクセンという人物は、膨大な知識を持っていることから教会に雇われ、各『AW』セッションのPC達の情報収集の資料を作成したり、報告書をまとめる仕事をしているらしい。
えん/へー!
GM/世界各国の論文、古文書や魔術書、禁書を『とある理由』で集めている好事家の彼は、何か国語も喋れることから翻訳の仕事をしていると話すよ。各地の退魔支部から取り寄せた異能や異端の資料を、日本語に翻訳してPC達が読めるようにしているんだね。
えん/なるほどー、それは語学に長けてないとできない仕事だ。
GM/日本だけでなく世界各国で異端事件は起きてるし、能力者もいる。日本にはない魔術や異能も大量にある。だから彼のような外国人の協力者は必要だ。……後日、別のセッションで使われるこの資料には大量のインフルエンザ菌が付着することでしょう。
えん/ごめん、別卓の人!(笑) ねえオレ、30分以上ここに居たら全部菌まみれになるよ。それでもいいの?
GM/「ときわ殿に浄化してもらえばいい」
えん/……ヤバイ。オレ、トキリンさんに消される(笑)
GM/30分経つと大変だというので、25分間君達はおしゃべりをしました。「君も教会に協力している異端なのか。友人達と仕事をしていると。……ふむ、君はどうして人と一緒に生きているのかね?」
えん/ポカーンという顔をします。なんでって……そりゃあ、この世界で一番強いのって人間でしょ?
GM/「ああ」
えん/オレ達菌って人間や動物に寄生しないと生きていけないの。なら人間様には媚びるよね。……だからと言ってずっと仲良くするっていう義理は無いけど。こういう言い方をしたら悪いけど、餌に近いよね。
GM/「そこまで人間に情を移しているという訳ではないのだな」
えん/まーねー。こんなナリだから、嫌われることもあるだろうし。……まあ、嫌われるのは嫌だけど。
GM/「……人間とは素晴らしいものだ。だから嫌うことができない。……そう言っている人が多いから、そうなんだろう」
えん/それは……個人個人によるよねー。
GM/「君は人間を愛していないのか?」
えん/だから、それも個人個人によるもんだって。全部が全部愛しいって訳じゃないよ。
GM/「……人間は、傷付けてはならないもの。皆、そう言う。だから、傷付けてはならない。理解できるものだが。……ところで、30分経ったぞ」
えん/おお、オレの後ろの菌がめっちゃ繁殖してるね。
GM/≪浄化の一撃≫という名のファブリーズを持ったトキリンが現れます。
えん/【知覚】判定に成功して窓からダッシュで帰る!(一同笑)
GM/(ときわになって)「チッ、逃がしたか!」
えん/舌打ちされた!?(笑)
GM/「なんだ、ときわ殿。君とえん殿は親しかったのかね?」 「まさか! しかし貴方は彼と親しそうですね、アクセンさん。なるほど、貴方のフレンドでしたか」 ……という2人の会話がありました。以後、トキリンの中で「未東えんはアクセンと親しいものである」と認知されます。
えん/そうしてハンドアウトにあるシナリオ本編に続くのでしたー(笑)


 ●オープニングフェイズ/アイザック 〜任務と不安〜

GM/アイザックさんは仕事の無いとき、どうやって過ごしてるの?
アイザック/神父業をしているので、大抵教会に居ます。休日は……教会の宿舎にある自室に篭っていることでしょう。
GM/いつでも駆けつけられる所で寝てるなんて、社畜だな(笑) そんなアイザックさんに早速教会からの仕事です。ときわがアイザックに手渡す資料には、今回のメンバーの名前が記されています。アイザックさんの他に、未東 えん、棚氷 叡斗、明石 榛名の3名の名前があります。
アイザック/資料をパラパラと読んで、納得のパワーバランスだなと呟きます。ときわ、このメンバーを選抜した理由はあるのか?
GM/(ときわになって)「今回は護衛任務に就いていただきます。アクセンさんの護衛です」
アイザック/……なに?
GM/「詳しいお話は全員集まった礼拝堂でしますよ。……アクセンさんと貴方、お友達ですよね? だから最適なメンバーかと思います」
アイザック/思わず片眉がピクッと動きます。……確かに、彼とはたびたび食事に行ったりするが。
GM/「おや? アクセンさんが『アイザックさんとは食事にたびたび行くぐらいベストフレンドだぞ』って言ってましたよ」
アイザック/いかん、顰めっ面になってしまった(笑) アイザックとしては吸血鬼にされた側の人と、吸血鬼の真祖ということであまり気分は良くない。でもそれをときわに言うことでもないので黙ります。
GM/「もしかして、あまりよろしくない関係でしたか? 高坂さんに『アイザックさんとアクセンさんは仲良しです』って言ったのは僕だったんですけど……」
アイザック/……彼は少々、強引なところがあって。言葉を濁す。
GM/「なら親睦を深めてください。ファイト」
アイザック/はあ……そうさせてもらうか。
GM/その日の夜、呼ばれた4人が礼拝堂に集まります。アイザックさんはギイと重い扉を開けて夜の礼拝堂を訪れました。
アイザック/その絵面はちょっとホラーだな(笑)
榛名/榛名は「ひいいいぃ!?」って怯えてますよ。いやあああニンニクうううペペロンチーノおおおぉぉ!?
アイザック/いきなり【正気度】判定するか?(笑) ニンニクはあまり好ましいと思えないが、私に対しては効きが薄いぞ……。
榛名/すすすすみませんでしたー! 今食べますぅー!
叡斗/そもそもウズマキの中に食べ物を入れてはいけないってあれほど言われていたのに! なんでウズマキから食べ物を出すんですか!(笑)
えん/えんは遅れて窓から入ってきます。こんばんみー! お久しぶりでーす! 明けましておめでとうございまーす!
アイザック/久しいな、えん。今、猛威を奮っているとニュースで見たぞ。
えん/そうなんすよ、全国的に展開中で! 今年のオレは一味違うよー(笑)
GM/そんな話をしていると、礼拝堂の奥からときわとアクセンが出てきます。ときわが「お集まりいただきありがとうございます」と言いながらえんくんにファブリーズします。
えん/浄化されました。
アイザック/速攻ファブった!? 手荒な挨拶だな!?(笑)
GM/「今回集まっていただいたのは、資料を読んでいただけたならもうお分かりかと思いますが……」
えん/ナチュラルに話を続けられた!?(笑) 1ラウンド経ったらまた戻ってくるよ!
GM/「1月30日に、イギリスに本拠地を構えた吸血鬼同盟『リリルラケシス』とイギリス政府が不可侵条約の盟約調印式がグレーターロンドンノースにて行なわれます」 リリルラケシスについて知っているか、【理知】判定難易度10に成功すれば予備知識が持っていることにしていいですよ。
アイザック/(ころころ)10ピッタリですね。
えん/(ころころ)12です。
GM/2人とも「ああ、アレね」って思えるぐらい知ってます。リリルラケシスとは人外専門の組織です。退魔組織や警察組織ではなく、同種同士で同盟を結んでおいて、何か困ったことがあったら助け合うという団体です。
えん/ほうほう。
GM/条約の内容は「人間に危害を加えないから人外にも危害を加えないでね!」というものです。
アイザック/至って合理的。
GM/「この条約は100年ごとに更新されるものでして、今年がその年になります。何故更新制にしているかというと、100年先も人間が繁栄しているか判らないから……でしたっけ、アクセンさん?」 ときわが隣のアクセンに尋ねます。
えん/なの?
GM/アクセンは「その通りだ」と頷きます。(ときわになって)「実はこのリリルラケシスには派閥が2つございます。穏健派と過激派というものです」
えん/へー。仲良くしてないんだ?
GM/仲良くしていないのは、人間に対してですね。「正直この条約いらなくね? 人間なんてただの血袋だから仲良くする必要なんてねーよ。破棄しちゃおうぜ!」という過激派と、「人間にも価値があるだろ? 人間とドンパチはやめようよ」という穏健派は長年いるそうです。
アイザック/ふむ……。
GM/「さて、3日前と4日前……2日連続で、条約再調印を推進する穏健派の重役達が襲われました。犯人はまだ捕まっておりません」
アイザック/むっ。
GM/「盟約調印式に参加する予定だった貴族の男性と婦人が相次いで襲われた。どちらも命には別条はありませんが、不参加表明をするほど重症を負っています。現場の痕跡から、過激派が起こしたものだろういう説が有力です」
えん/ほー。
GM/「ですが調印式には誰かしら立ち合わなければなりません。でないとわざわざ来てくださるイギリス政府にも失礼になりますからね」 そしてアクセンが「私が立会人となった」と口を開きます。
アイザック/……貴方が?
GM/「盥回しにされた結果、私がリリルラケシス側の代表者になれと連絡が入ってな」 ちなみにアクセンのお家はリリルラケシスという団体の出資者でもあります。盟主ということでこの式に出席は適任と言えます。
アイザック/確かにそうだな。
GM/「君達には私の護衛に就いてもらうことになる。高坂殿がパワーバランスを見て君達を選んでくれたようだが……あまり堅苦しく思わず、友人として共にパーティーに参加してくれればいい」
えん/なんと(笑)
GM/「リリルラケシスには高レベルの人外キャラクターが大勢いる。皆、政府関係者や同盟の重役達を守る高レベルの能力者達だ。そこで事件を起こす方が難しいだろう」
えん/事件は会議室で起こってるんじゃない、現場で起きているんだ!
GM/トキリンが「関係無いですよシュッ」とえんくんをファブリーズ。
えん/浄化されました。
叡斗/……叡斗は「本当に大丈夫なんですか」ってえんくんを心配するよ(笑)
えん/大丈夫、1ラウンド後には戻ってくるから!(笑)
GM/「一緒にパーティーを楽しむ人数は多ければ多い方がいい。良い食事と酒が出るだろう。楽しみたまえ」
えん/場所が違うだけでいつもの飲み会ってことかー。楽しみだねー、アイザックさーん?(笑)
アイザック/……仕事だがな。
えん/えー、飲み会でいいじゃん! もっとやわらかく行こうー!
アイザック/はあ……勤務中は飲まんぞ。
GM/「調印式の前には舞踏会も開催される。煌びやかなドレスでも着て踊って楽しめば……」と周囲を見渡すけど、女子がいないことに気付きます。もし女子キャラが選ばれていたら華やかになってたのにね。
えん/アイザックさん、ドレス着る?
アイザック/(超不機嫌そうな声で)……私が……?
えん/眉間の皺がどんどん深くなってるよ(笑)
GM/ときわが「候補としてミズ・カシムラやミズ・ハマギシ、ミズ・ソジの名が挙がっていました」と言いますよ。
アイザック/樫村美雲も曽路まどかも若い。舞踏会とはいえ吸血鬼の宴に行かせるべきではない。……ジェイソンの血を飲んだら逆にジェイソンになりそうだな(笑)
えん/きっとまどかはスーパーサイヤ人みたいにデュイデュイデュイしますよ!
GM/ちなみに、叡斗くんは即座にOK、榛名くんはおずおずと仕事を受けます。
えん/オレも暇だし行くよ、365日暇だしねー。飲みにタダで行けるんだった大歓迎だ!(笑)
アイザック/……榛名ですら行きますって言ってるのに、アイザックが駄々をこねる訳にはいかない(笑) 当然引き受けよう。
GM/アクセンは一人一人に握手をするよ。「よろしく頼むぞ。えん、アイザック」
アイザック/…………。
GM/アイザックさんにも握手を求めるよ。「どうした、友人として握手をすることは当然なのではないか?」
アイザック/……友人か。貴方が言うなら、そうなんだろうな……。
GM/「なに、イギリスに行くとなっても君を噛んだ奴が居る訳ではない。毛嫌いする必要は無いだろう?」
アイザック/判っている。リリルラケシスは知的かつ理性的な集団だ。本国に居たときもここまで過激派が暴れるようなことはなかった。心配する必要は無いな。
GM/「では頼んだ、リーダー」
アイザック/……なに?(笑)
GM/「年齢的に君がリーダーを務めるのが妥当だろ?」 それを聞いて納得の叡斗くんは「よろしくお願いします、アイザックさん!」と言います。
榛名/よよよよろしくお願いします! 完全に榛名は叡斗くんの後ろに隠れてギューッてしてる(笑)
叡斗/明石さん、やめてください! 服に皺がつきますっ!(笑)
榛名/叡斗くん大変だー(笑)
アイザック/榛名達は心配だし、アクセンからは威圧感が凄いし……途方に暮れながらも引き受けよう。
GM/アイザックさんも大変だー(笑)


 ●ミドルフェイズ1 〜イギリスへ〜

GM/1月28日。開催の2日前、君達はイギリスに向かうため飛行機に乗る。……榛名くんはちゃんと渡英の許可はお母さんから貰えた?
榛名/は、はいぃ……でも海外旅行に一人はアカンだろ、英語も何言ってるかサッパリでアカンだろおおぉ……(笑)
GM/叡斗くんは海外のご経験は?
叡斗/家族旅行で行くことはあるけど、彼自身仕事で行くことはまだ無いと考えていました。会話も日常会話がうまくできればいいぐらいです(笑)
えん/望ましい大学生だなぁ!(笑) えんはまだ空港ではトレーナーにクロックス姿ですね。ぺったぺった(笑)
アイザック/もう今更格好については何も言わん……(笑) アイザックはいつも通り神父服です。これが正装なので。
GM/一方、アクセンは結構ハイテンションです。
えん/おお、意外!?(笑)
GM/ハイテンションというか、ハイテンションを装ってるというか。(アクセンになって)「こういうとき、飛行機には窓際に座って海が見えることに感動するものなんだろう? ときわ殿はそうするぞ?」
アイザック/……ああ、なるほど。
GM/榛名くんと叡斗くんの若い子達と一緒に海を見ては、「私は海が好きだぞ。生まれたところには海が無くてな」と話をしています。
叡斗/すかさず「出身はどちらなんですか?」と訊きますね。
GM/「出身はルーマニアだ。日本人には馴染みの薄い国だが、トランシルヴァニアという地名は聞いたことがあるだろう」
叡斗/トランシルヴァニアといったら吸血鬼伝説が有名ですね。
GM/「言ってなかったか。私は吸血鬼の真祖だ」
榛名/アイヤアアァー!?
叡斗/……なんということだ、スケールが違うぞ(笑)
榛名/に、ニンニクはいけるんすか!? ニンニクいけますか!? ニンニク出しますうぅう!
叡斗/あ、明石さんダメっ!(笑)
GM/海の方を見ながら「ああ、怖いものはあると言えばある」 流れる水は怖いようだよ。
えん/へー、そうなんだー! アイザックさんもー?
アイザック/……海を眩しそうに見ながら補足します。吸血鬼は、流れる水を渡ることができない。
えん/海、ヤバイじゃん! 豪華客船の旅とかどうするの!?
アイザック/どちらかというと川の方が厄介なんだが。
えん/川の方が微生物多いしねー。
アイザック/……ところで、えんは普通に機内にいるのか?
えん/機内の空気中に漂ってたら、同乗している人は全滅だねー(笑)
GM/そこで榛名くんが「トキリンさんからグッドな感じでえんさんの周りだけ結界を張る魔法を覚えてきました!」と言います。「30分間以上同じ場所で会話ができないというルールはきつすぎるとGMが判断した結果です!」
えん/トキリンさん最高じゃん!(笑)
GM/……と、榛名がトキリンからの手紙を読み上げます。
アイザック/榛名は台本があるとスラスラ読めるタイプなんだな……(笑)
榛名/あともう1ラウンド経てば普通に喋れるようになるんで我慢して!
GM/なお、このトキリンが作った結界システムのおかげで、『契約』ルールが「この卓限定のもの」になります。アイザックさんとえんくんは元卓での『契約』を阻害することがなく『契約』を結ぶことができます。
アイザック/そうだ、アイザックのマスターは灯也くんだから……。
えん/オレもマスターがいるんで。でも≪交わる矢≫を使いたいからアイザックさんと『契約』しておきたいです。
アイザック/≪交わる矢≫に令呪に乗せるためにも、えんにはサーヴァントになってもらった方がいいな。
えん/よろしこー! ぎゅー! 後で手を洗っておいた方がいいよ、皮膚接触だからね。
アイザック/そんなレベルか(笑) ……手袋をつけ直す。
GM/ちなみに、叡斗くんと榛名くんも『契約』を結び合いました。
叡斗/頼むぞ。
榛名/よよよよよろしくお願いします! 後でアドレス交換してくださぁい!
GM/今、交換しろ!(笑) ……さて到着したイギリス。ロンドンヒースロー空港から北部に向かい、ゴルフ場や高級リゾート地がある場所へ向かいます。調印式の舞台となるホテルは、小さな古城チックな歴史あるお屋敷をホテルに改築したものです。
えん/わー、写真撮っておこーっと! ……ヤバイ! 早速写真になんか写ってる! 幽霊だ!(笑)
アイザック/……イギリスって、幽霊屋敷巡りみたいなツアー大好きなんですよね(笑)
GM/うん。その写真に写り込んだ幽霊は……ホテルのメインフロントに並んでいきます。
えん/え、ええっ!? あれも参加者なの!?(笑)
GM/ホテルマンは巨人です。受け付けのお姉さんは耳が長いです。
アイザック/みんな人外だ!(笑)
GM/そんなビックリするぐらい人間のいないフロントで受け付けをしていると、女の子が駆け寄ってきます。「アクセン様! アクセン様でしょう!」 金髪で爛々と赤い目、背丈は140センチぐらい、10歳前後の女の子だ。
えん/おっ、隠し子か?
アイザック/……何があってもおかしくはないと思うが(笑)
GM/それを見たアクセンが「ヴィオラか、久しいな」と声を掛けます。
えん/ヴィオラちゃんっていうの? 可愛い名前だね!
GM/そこそこ良いとこのお嬢様のような綺麗な服を着ています。走り寄ってきたけど、アイザックさん達を見るとスカートの裾を上げて挨拶をします。
えん/レディだ!
アイザック/思わず笑っちゃいます(笑)
GM/レディの卵って感じの女の子だね。「紹介しよう。私の友人のヴィオラだ」「初めまして、おつきの方々。アクセン様がお友達を連れてくるとは聞いていたけど……本当に個性的な人達ね!」 ジロジロ。
アイザック/ジロジロ見られたな(笑)
えん/まあオレ、菌だしねー(笑)
GM/「彼女はハンガリーの生まれで、ヴァンピーラだ」 吸血鬼と人間の混血種です。混血と言うとヴァンパイアハンターが有名ですが、ヴァムピールと呼ばれる彼らは吸血鬼退治の力を持ちません。彼女は吸血鬼の父と人間の母がいて、母親か政府のお偉いさんらしいです。
えん/ほうほう!
GM/アクセンとヴィオラはお話をします。「ヴィオラ、今回の調印式は危険だとお母様に言われなかったのかね?」「大丈夫でしょう。アクセン様のお友達もお強いと聞いているし、あたしの従者も強いわよ。それにこんな厳重な警備の中を狙ってくる人はいないんじゃなくて?」
えん/言うねぇ!
GM/ヴィオラは「極東の島国にいたんでしょ? お話聞かせてー」とニコニコと甘えてきます。しかしアクセンは「すまないが、私も今回は挨拶しなければならない人達が大勢いるのでね」と立場故に断ります。という訳で選択肢だよ。(1)アクセンについて行く。(2)ヴィオラの相手をする。どっち?
アイザック/これは……アイザックは護衛として来たんだし、アクセンについて行った方がよかろう。……それに、嫌な予感する。
えん/危ないもんなー。えんはヴィオラちゃんとお話したいですかね。
アイザック/叡斗、榛名。君達は部屋に戻っていなさい。……いや、2人ずつ二手に分かれた方がいいか?
榛名/いいや俺だけでも部屋に荷物置きに行けますんで! これで部屋にこもれる! はあああぁ助かったぁー!
アイザック/……榛名、部屋に帰りたすぎだろう(笑) じゃあ叡斗は……えんとヴィオラの方に行ってもらいます。
GM/ではアクセンは一人で挨拶回りに行くのではなく、「アイザック、来るだろう?」と当然のように言いますね。
アイザック/……判った。
えん/嫌そうな顔だなー(笑) 行ってらっしゃーい、ニッコニコー!
GM/先にアイザックさんのシーンをやろうか。時刻はお昼すぎ、アフタヌーンティーの時間だ。ラキラと光輝くようなホテル、内庭にも出られるラウンジで、いかにもお金持ちそうなご婦人や最高級のスーツを身に纏った恰幅の良い男性らが休んでおります。
アイザック/14時ぐらいのお茶の時間ですね。三段重ねの銀色のお皿の上にお菓子を置いたりお茶を嗜んでいたり……。
えん/あー、良いなー! 貴族の集まりって感じー!
GM/アクセンがそんな彼らに挨拶をしに行く。「やあ」と親しげに声を掛ける外見20代のアクセンとは裏腹に、一回りも年が違うようなご婦人やご年配の男性らは「あ、貴方がいらっしゃるだなんて!」と明らかに改まって立てていきます。
アイザック/普通の吸血鬼からしたら雲の上の存在だろう……(笑) その後ろを大人しくついて行きます。
GM/では……とある婦人の従者さんが、アイザックさんを見て「何奴?」という目を向けてきます。不審そうな、舐められてるような目で。
アイザック/でしょうね。神父服は正装でも学生でいうところの学ランでお葬式に出るような失礼にはあたらないだけの服装だし。……しかもきっとこの中ではアイザックは一番弱い吸血鬼です。[稀人]2レベルだし!
えん/ですよねー、なんだかウキウキするなー!(笑)
GM/口を悪く言うなら「低級の吸血鬼がなんで真祖について来てるの? なんなの? ハッ……」って笑われているようなもんだよ。
アイザック/神聖魔法をお見舞いするぞ(一同笑) ……あんまり気にしないようにしてます。
GM/ご婦人や社長さんみたいな男性と話をしているアクセンの会話を聞くことができます。「例の伯爵婦人様達が襲われた件ですが、アクセン様の元には何もございませんでしたか?」と心配する声に対し、アクセンは「何にも無かったさ」と答える。 ……【理知】判定をどうぞ。交渉系の特技があったならプラスしていい。
アイザック/≪懺悔室≫が取っているので達成値にプラス3します。(ころころ)ピッタリ12でした!
GM/アクセンが嘘をついていることに気付いた。
アイザック/…………。
えん/……おっとぉ?
GM/「私の身に何かあったなら、後ろの友人が守ってくれるだろう」 挨拶を終えたアクセンは、榛名くんが待つ部屋へと戻ろうとします。
アイザック/……榛名なら喜んで部屋番をしていることだろう。後をついて行きます。……アクセン。
GM/「何かね。気になる女性でもいたか?」
アイザック/吸血鬼の女性は二度とごめんだと思っている。
GM/「ああ、君は吸血鬼の女に吸われたんだったな。では気になる男子でもいたか」
アイザック/首を横に振る(笑) ……私が気に掛かっているのは別のことだ。この夜会、本当に危険なことなど無いのだな?
GM/「君達護衛が守ってくれるのだから大丈夫なのだろう?」 テンプレ通りの台詞を言います。
アイザック/……「危険なことは発生するが、私達がいるから何とかするだろう」という意味か?
GM/「何か言いたいことがあるのかね?」とボーイに開けてもらったエレベーターに2人で入りつつ、尋ねます。
アイザック/貴方が何か知っていることがあれば全部話してもらいたい。
GM/無言になります。もし心当たりが何も無ければ「何のことだ?」などと話を続けるでしょう。だがアクセンは黙り、思案する。そして「気付いてしまったか。君は勘の良い男だな。今は黙っておくれ」と口にする。
アイザック/だが。
GM/「いや、違うな。『黙れ』」
アイザック/…………。ご命令とあらば。
えん/……ヒュー。カッコイイよ、2人とも!(笑)

 一方その頃。
 ヴィオラと話をすることになったえん&叡斗は……。

GM/ヴィオラちゃんという10歳ほどのヴァンピーラの女の子とお話をするターンです。「日本のことを聞かせてほしいのー」と大変興味がある好奇心旺盛な子のようです。
叡斗/ああ、僕で良ければ。
えん/おー、いっすよー。何でも聞いてー。ニコニコしましょう。
GM/「話すならお外がいいわ!」 そう言ってラウンジから出たお外は、綺麗な薔薇園です。
叡斗/綺麗なお庭なんでしょうね。イギリスはガーデニングの国なので、年中花が咲いていると言われています。
GM/良い景色だねぇ。「日本ってここと同じで海に囲まれていてると聞いたわ。水って怖いものよね? よく平気ね。塩水が攻め込んでくる大変な国なんでしょう?」
えん/そうだよ。
GM/「四方八方から元寇という賊が襲い来ると聞いたわ!」
えん/そうだよ。
叡斗/ちょ、ちょっと待って!(笑) 未東さん、嘘を教えちゃいけない!
えん/えー、嘘じゃないよー。最近は北朝鮮からも来るし、北方領土だってさー。
叡斗/何の話をしてるんですか!(笑) ヴィオラさんの英語は綺麗なんで聞き取りやすいんですが早口なので僕には止められなくなるからやめてください!(笑)
えん/あ、そっかー。でも人間の事情はオレにはよく判らないからなー。
叡斗/判らないことは僕に訊いてください。そして通訳してください。
えん/オッケー!
GM/「お二人はお強いの?」
えん/(ボビー・オロゴンのような口調で)オマエ! ツヨイカ!?
叡斗/そういう翻訳はいらないです!(一同笑) ……他に護衛で来た皆さんと同じぐらいにはできると思います。
GM/「みんなレベル10ぐらいなのね。じゃあこんなにあたしが気を張らなくて大丈夫かしら。……あ」 何かを口を滑らせてしまいました。【理知】判定難易度8で話をさせることができます。
えん/おっとぉ?(ころころ)達成値13です。
GM/余裕で聞き出すことができるよ。
えん/レディ、今……口を滑らせたねぇ? 何を言いたかったのかお兄さんに言ってごらん。
GM/「えっとね、ここのリゾート地一帯に結界を張っているんだけど……その監督役にあたしが任命されてるの」
叡斗/へ、へえ! 貴方が監督を!?
GM/どうやら彼女はこの年でとってもお強い[領域遣い]のようです。政府の重役である母の身を守るため、吸血鬼同盟に所属する父の威信を守るため、彼女がこの辺りにドーム状の結界を張って外界とシャットダウンしているとのことです。
叡斗/シャットダウン……。
GM/「もし何者かがここで大爆発させるようなことがあったとしても、このリゾート地だけが爆発して外には決して被害が出ないようにしているわ」
えん/なるほどね、ドンパチしてもオッケーって訳ね。やるねー、レディ!
叡斗/……吸血鬼の10歳って、きっと僕よりも年上ですよね(笑)
えん/マジか。菌換算で言うとどれくらいかな?
GM/菌換算のやり方が判んねーよ(一同笑) 吸血鬼の年齢は見ただけじゃ判んないね。外見年齢20代後半のアイザックさんが200〜300歳、20代半ばのアクセンが500歳ぐらいだし。
アイザック/アイザックは28歳のときに血を吸われてから年を取らなくなりましたからね。
えん/へー。……ということは、レディが襲われたら大変ってことだね?
GM/「そのために従者がいるのよ」 視線を外せば君達をじぃーっと見ている人達が数人いる。
叡斗/なんだかFBIみたいな人がいっぱいいますね!(笑)
えん/『逃走中』とかに出られる人っぽい格好が見てるよ! こえー!(笑)
GM/これからのタイムスケジュールですが、夜の21時ぐらいから舞踏会がはじまります。その後、朝の3時から調印式。夜に活動する人が多いのでこの時間帯だそうです。
アイザック/みんな夜行性なんだ……(笑)
GM/(ヴィオラになって)「色々とお話を聞かせてくれてありがとう。貴方達も舞踏会に出席するでしょう? お礼として、後であたしと踊る権利をあげるわ」 『イベントキー:ヴィオラ』を手に入れてください。
えん/お、レディのお誘いを貰っちゃった!
叡斗/……叡斗は果たして踊れるのか。フォークダンスが関の山ですよ(笑)
GM/えんくんは社交会のダンスできるの?
えん/できるんじゃないかな、菌なんで。くるくるしているやつでしょ、イケるイケる。
アイザック/あんまり踊ったことはないけど昔から見ていたからできるのかな?(笑) アイザックは人間時代……貴族の嗜みってやつでやったことがあります。苦手ですが。
GM/アクセンも嗜みとしてできることにしてます。……さて、アイザックさんとアクセン、えんくんと叡斗くんは、榛名くんの待つスイートルームにやって来ます。
アイザック/アクセンさんがいるから、めっちゃVIP待遇ですよね。
GM/一つの部屋がいくつも仕切られている豪華絢爛スイートルームです。ときわが教会の経費で出すと言ったら、アクセンが「私のポケットマネーから出す」って用意させた部屋です。
えん/ポケットマネー……だと……(笑)
GM/スイートルームに来ると、榛名くんが死んでます。どうやらお部屋で残ってひきこもっていようとしたら、ホテルマンさん達の会話を1人でしなくちゃいけなくって怖かったらしい。
アイザック/ああ、お部屋の説明をされたんですね……英語で(笑)
榛名/おっ、オーケーオーケー!? アーユーレディー!? イエェースゥ! オーライィ! グッジョブ! ハバナイスディ!?(一同笑)
アイザック/思わず痛ましげな顔をします……それはご苦労だったな(笑)
榛名/うっうっ、早く艦娘に会いたい……(笑)
GM/部屋に来て一息ついた頃。アクセンが「頼みがある」と4人に口を開きます。
アイザック/なんだ?
GM/「調印式は成功しなければならない。成功させろというときわ殿からのお達しだからな」
えん/まあ、そうだよね。
GM/「そこでだ。君達には……舞踏会を盛り上げてほしい
えん/なんと?
アイザック/盛り上げろぉ!?

 『AF判定:探索「舞踏会を盛り上げろ!」』
  ・使用能力値:【体力】【反射】
  ・難易度:70
  ・ラウンド制限:1ラウンド

※「舞踏会を盛り上げる」演出に成功すること。
※このAF判定に成功するとシナリオ中にボーナスが発生する。失敗してもストーリーに影響は無い。


GM/「アイザックは先ほどの婦人達の会話を聞いていたなら判るだろう。皆、心配をしているのだ。何か事が起きないように厳重な警備と護衛の準備は万全だ。ヴィオラの結界も問題無く作動しているしな」
アイザック/う、うむ……。
GM/「だがまだ周囲の気が重い。100年の1度の大きな舞台だ。ここは和やかにいきたいものだ。……そこでだ」(笑)
アイザック/あまりにも悪い笑い方をするので、思わず顔を顰める(笑)
えん/その笑い方(笑) 一体何をすればいいんですかね?
GM/「日本らしい宴会芸でも見せればいいんじゃないか」
えん/ハラキリとか!?(笑)
アイザック/求める相手が違うだろ……思わず頭を抱えます。とても業務とは思えん……。
GM/「言っただろ、護衛の任務ではなく普通に友人として来てほしいとな。友人ならこれぐらいの願いを聞き入れてくれ」
アイザック/……友人? 友人だから? 友人だから……新年会で何かをやれと? ここでもそんなことを言われるとは思ってなかったぞ!(笑)
GM/ちなみに教会でも忘年会や新年会は毎年開催されています。高坂は宴会とか大好きだからクリスマス会やハロウィンパーティーも開くよ!
えん/前の新年会は楽しかったねー! やんややんや!(笑)
アイザック/しかし、この場で滑れば大惨事だぞ……ただでさえ雪が多い場所だとというのに、これ以上凍りつかせてはならん。
えん/このイギリスアイランドを常冬にする訳にはいかないよねー。布団が吹っ飛んだって言ったらオレが吹っ飛ぶか!
アイザック/それを訳す私の身にもなってくれ……(笑)