アナザーワールドSRS・リプレイ・人外夜会
■ 第1話 『 リリルラケシスの宴 』 2ページ ■
2015年1月16日




 ●ミドルフェイズ2 〜舞踏会と思惑〜

GM/夜、舞踏会が開かれます。美しいドレスを着て踊る女性がいれば、女性をエスコートする男性もいる煌びやかな立食パーティー会場にやって来ました。
えん/わくわくするぜー、これだけ人が居るとな! 2〜3日後が楽しみだぜー! 熱が出てから12時間後ぐらい経たないと判らないからな!
アイザック/もうこの時点でテロみたいになってる……(笑)
GM/しかしトキリンの編み出した魔法を唱える榛名くんの手によって、えんくんのインフルエンザ菌は完全にシャットダウンされたのだった。
えん/トキリンさん、これじゃあ感染ができないよぉ!?(笑)
アイザック/その魔法のおかげで感染を最小限に食い止められるんだな。ここに体調が悪い人が来てないことを祈るしかない(笑)
えん/くそー! 体調の悪い人を探してアタックしていくしかないなー!
GM/そろそろAF判定を始めましょうか。『難易度:70』だから失敗するかもしれないぐらいの難易度だよ。どっちから判定を行なう?
えん/えんからいきます。……いつもはTシャツやクロックスでとてもラフな格好なんですが、今回は舞踏会なので黒いスーツを着ます。ということで≪黒のヨロイ≫。
GM/新たな鎧を身に纏いました。
アイザック/ワイシャツも黒いんだな、マニア大喜び!(笑)
えん/≪強化手術:体力≫があるのでダンスに使う体力には自信があります。≪鬼の肌膚:物理≫もあるしね。今年はインフルエンザが蔓延しているから鬼に金棒です。乾燥した空気も相まって、これは≪射法訓1・2・3≫になりますね。今のえんは最強です。
GM/大丈夫、オレのインフルエンザは最強なんだ!(笑)
えん/体が弱っている人を見抜いてピンポイントに接触することができます。≪的抜き≫!
アイザック/誰か……ここにテロリストがいるぞ。バイオテロだ、戦争で禁止されてるやつだ(笑)
えん/体の弱っていそうなレディの隣にススッと狙いをつけて行きます。レディ、一曲どうですかとお声を掛けつつ≪器の支配≫で操ります。
GM/えんくんが声を掛けた彼女もどうやら耳の長い妖精族の人外でした。(レディになって)「あら、声を掛けてくれるなんてステキな人ね」
えん/ステキな菌でしょう!? 2〜3日後はメンゴ!(笑) レディのハートを居抜くためにも≪覇魔矢≫を使います。
アイザック/バステ:毒じゃないか(笑)
えん/レディ、少し体調が悪そうですね? 介抱をする素振りを見せます。あまり無理をされてはダメですよと言いながら救護室に運びます。
GM/こういうの、狼って言うんだよ。
えん/アオーン(笑) しかし救護室に運んでもらってお医者さんに診てもらう中で≪−50ファブリーズ≫をされてしまう!
アイザック/あっ、浄化された!(笑)
えん/まさかそこのお医者さん、トキリンさんからオレのことを聞いてますね!? トキリンさん関係者でしょう!? ということで≪コネ「教会」≫!(笑)
GM/どうやら教会日本支部からインフルエンザ対策マニュアルが送られてきていました(笑)
えん/たとえ範囲攻撃ができるファブリーズでも≪契機惑乱≫があるから当たらない! そのまま救護室を颯爽と去って行きます!
アイザック/……ただただ救護室に届けただけの、本物の紳士みたい(笑)
えん/ファブリーズが功を奏しましたね!(笑) 人と関わるのはダメだなぁ、ファブリーズという対策もされてるしなぁ。一応舞踏会には参加しておかないとな。≪異常鉱物≫で自分そっくりの菌を作り出します。
GM/カビルンルン!
えん/……えんは意地悪なことを考えてしまいました。≪闇の血統≫、異端の証ですね。
アイザック/ほう、何だ?
えん/ニヨニヨしながら舞台の裏、照明をいじる管理室に向かいましょう。≪ハヤテの爪先≫でそこを管理をしている人達に攻撃しに行きます!
アイザック/攻撃!?
えん/指で銃を作って≪無の射撃≫+≪悪雨≫でバキューン。菌を飛ばして警備員を眠らせます。物理より霊力の方が効きそうだから≪属性スイッチ≫で変換しておこーっと! ≪闇纏い≫で隠れていたので気付かれずに眠らせました。グッスリです。
アイザック/一体何をする気なんだ?
えん/舞台をいじろうかなって。色々いじってボタンを押すと、パーンと紙吹雪が会場を舞う。このパーンが≪圧縮撃≫です。紙吹雪が舞ったと思いきや、それがサーッと解けて雪のように降り注ぐ。
GM/おおっ、フローズンファンタジー!(笑)
えん/ただこれはな……雪のように見えて、菌なんだ。
アイザック/やっぱバイオテロだ!?(一同爆笑)
えん/「あれ? これって雪じゃないよね? ……菌じゃね?」って気付きそうになっている人に対しては≪零力射撃≫! そんなものは無かったー! ということでファンタジーな舞台を提供しました。
GM/菌だけどな!(笑)
えん/菌だけどね! フローズンファンタジーウイルスですよ! 多分アイザックさんは気付いているかもしれない、という≪交わる矢≫です。
アイザック/後でちゃんと≪光の一手≫をしておくからな!?(笑)
GM/これで使用特技は23個か。難易度が46も減って、『現在難易度:24』まで減りました。細菌テロを行なったえんくん、どうするの?
えん/【体力】で振りまーす。(ころころ)達成値15です。後は任せました、アイザックさん! やりきった男の顔をしちゃう!(笑)
アイザック/……会場に居たアイザックは「これはまさか、あいつか」と焦ります(笑)
榛名/すごーい、でもなんか喉が痛くなってきたー!
GM/叡斗くんも「ああ、綺麗だなー」って言ってる中。アイザックさんのAF判定のターンをどうぞ。
アイザック/≪光の一手≫を使ってその菌を無かったことにします! 閃光で目くらましをする特技なので、強い光を一瞬放って打ち消します。
えん/わー、雪が解けたー。キレイだなー(笑)
アイザック/「あれってまさか、実は悪いものだったんじゃ……」と怪しまれそうなところは≪情報隠蔽≫しておきます(笑)
GM/なんだかアイザックさんってえんくんの悪行と相性が良いぞ(笑)
アイザック/えんくん、≪悔改めよ≫(笑)
えん/はーいオッケー、最近調子乗ってましたー!(笑)
アイザック/パーティー会場では神父服では目立つので、アクセンの護衛という立場ですから≪戦闘聖衣1・2・3≫相当のスーツを着ております。
えん/キャー、立ち絵が変わったわよー。ありがとうございまーす!(笑)
アイザック/楽しんでくれと言われたが装備品は忘れないように≪浄化の装具≫+≪浄化の一撃≫でいつでも撃てるようにしている。ひとまず綺麗に会場が盛り上がった訳だが……。
GM/会場は拍手で包まれております。
アイザック/≪無音の外套≫+≪虚空の翼≫で、姿を消して辺りを見回ります。今のところは大丈夫……いや、一ヵ所異常を見つけた。倒れている人がいたな?
えん/あ、さっきオレが倒した人(笑)
アイザック/大丈夫ですか、しっかりしてくださいと≪叱咤激励≫。
えん/(警備員になって)「ううっ、き、菌が……菌が……」(笑)
アイザック/大変申し訳ございませんでしたと≪懺悔室≫+≪情報隠蔽≫!(笑)
GM/そう言っている警備員さんはネコミミの青年です。彼も人外で、キャラクターレベル10ぐらいのエキストラです。
えん/か、カワイイ! にゃーん!(笑)
アイザック/頑張ってくれと≪洗礼付与≫をしておいて、≪興奮剤≫もそっと1本渡しておきます(笑) ……舞踏会に戻ってきます。
GM/会場に戻ってきたね。
アイザック/≪瞬間思考≫で、ここでできることは何だと考える。すると≪友の華≫で偶然知人に会いました。
GM/おー、お友達がいた!
アイザック/まだイギリスに居たときに吸血鬼の顔見知りに面倒を見てもらったことがあるでしょう。「久しぶり、今仕事は何をしているんだ?」と訊かれて、日本の教会で働いてるんだと≪十字軍≫で異端狩りをしているんだよとお話します。
GM/「ジャパニーズ? ワーオ!」
えん/「サムラーイ! フジヤマ、カップヌードル!」(笑)
GM/……ではこれで特技は24個使ったから、『現在難易度:1』まで減少できたよ。ファンブルしなければ成功だ。
アイザック/知り合いに話を聞けたらな、【反射】で振ってみますか。何か気付くことはあるかな。(ころころ)おお、達成値10ですね。
えん/オレの尻拭い、ありがとうございます!(笑)
GM/無事AF判定クリアーです。アイザックさんの友人は、「良い演出をするものね。事件があったから凝った演出ができないと聞いていたけど、なかなか良いじゃない」と微笑んでおります。
アイザック/ああ、派手なことはできなかったからな。……えんくんのやらかしたことは、そっと伏せておく(笑)
GM/リリルラケシス側も政府側も、みんな和やかに笑っております。この調子なら午前3時の調印も無事終わることでしょう
アイザック/だといいな……。しかし、こういう場所だから荒らすことに意味があると考える輩もいるかもしれない。そう安心しきれないが。
GM/「今はこの和やかなパーティーを楽しむことにしましょうよ」 盛り上げてくれてありがとうと感謝の言葉を述べて、知人さんは去っていきます。
えん/イエーイ! 頑張った甲斐があったね!
アイザック/結果としては上々だ。
GM/今回のAF判定は成功と。なので、次のイベントでとあるボーナスが発生しますー。


 ●ミドルフェイズ3 〜危機と余裕〜

GM/髪を上げ正装に身を包んだアクセンは、ちゃんと大勢の応対をしています。彼よりもずっと年上な人達は何人もいる中、若くても堂々としている彼の振る舞いは遠くから見ていても目立ちます。
アイザック/あれだけを見ると、まるで立派な若者のようだ……。
えん/普段は立派な若者じゃないって思っているんだね?(笑)
アイザック/……まるで頑固な年寄りのように感じることもあれば、融通の利かない子供のように感じることもあるからな。
えん/うふふふ、その通りだと思うな! 判ってるね、アイザックさん。傍に居るのが長いからかな?
アイザック/……複雑そうな顔をします(笑) 本当に「舞踏会を盛り上げろ」と言われたときはどうしようかと。帰ったらときわに報告させてもらおう。
えん/まったくもって無茶ぶりだよね。ここイギリスだよー!(笑)
GM/「エン? エン!」 女の子に声を掛けられるよ。
えん/おっすおっす。
GM/「おっすおっす!」 それが日本風の挨拶だと教わったヴィオラが、お姫様のようなドレス姿で登場です。
えん/よく覚えたね、レディ!(笑)
GM/(ヴィオラになって)「さっき素晴らしい雪の演出があったわね。あれのおかげでみんなの雰囲気がずっと明るくなったわ! 今が楽しくお話をするタイミングってやつね!」
えん/そうだね、ライオンには気を付けるんだよー?
GM/「はーい。エン、あたしと踊って……と言いたいところだけど、お母様からご挨拶をしなくちゃいけない人がたくさんいるでしょって言われているの。ちょっと待っててね!」 ドレスを身に纏った彼女は、挨拶まわりに向かいます。
えん/あんなに幼くても貴族のお嬢様なんだなー。
アイザック/社交界は知り合いを作るのが目的だ。自分が今後有利な立ち回りをするためのコネクションを作るのに必死なんだろう。……だからアクセンは挨拶する人の数が半端ないと思うぞ。アクセン自身が鬱陶しいなと思うレベルで(笑)
GM/だから何度もアクセンは「お前ら、友人として来いよ」って言ってたんだよ。
アイザック/友人を言い訳に抜けることができるからですね。
えん/なるほどー! 凄く判りやすい!(笑)
GM/ところでヴィオラはアクセンに挨拶をしに行くとヴィオラちゃんの腕が巨大化してアクセンを襲います。
アイザック/……は?
えん/えっ?
GM/先ほどのAF判定に成功した君達は、そのことに気付きました。
アイザック/……えっ!?(笑)
GM/次に「気付いた君達がアクセンを庇えるか」の判定をしましょう。【体力】判定難易度10に成功したら、何の前兆もなくニコニコと近寄っていったヴィオラがアクセンを襲う前に庇うことができます。
アイザック/おい!?(ころころ)……達成値9だ!
えん/いきなりぃ!?(ころころ)達成値11です!
GM/アイザックさんは気付けたけれど間に合わなかった。けどえんくんは、ヴィオラちゃんと話したばかりだったからせいか彼女の変化に気付くことができた。……ヴィオラちゃんの腕が突如膨れ上がり、小さな彼女の体よりも何倍も大きくなっていく。彼女自身「あれ? あれあれあれ?」と何が起こったか判らない顔になり……。
えん/お、おおお!?
GM/「な、なに!? なんなの!?」 彼女は一瞬の悲鳴を上げる。気味悪い形に膨れ上がった腕は目の前にいたグラスを持つアクセンを襲う。……でも、えんくんは庇えます。
えん/アクセンを突き飛ばします! よいしょっとぉー!?
アイザック/突き飛ばした!?(笑)
GM/身長140センチの小さな体には似つかわない、右腕だけで2〜3メートルある不格好な一撃。ガシャンと抉れる会場。ダメージは全てテーブルに行き、アクセンと君は無事です。
アイザック/よ、良かった……!
えん/木っ端みじんになるところだった! ギリギリ成功だったから間一髪だったね! ……ってなんだこの状態はー!?
GM/一瞬呆気にとられる会場。さらに彼女の腕が肥大化する、肥大化する、肥大化する……ぶくぶくぶくぶくぶく!
アイザック/何っ!?
GM/風船のように膨れ上がり、パァーンと破裂した! 肉が弾け飛ぶ。重役達も、従者達も、警戒していた人達すらも放心してしまう。【正気度】判定を難易度10。失敗した場合、バッドステータス:放心になります。
アイザック/(ころころ)14で大丈夫です!
えん/(ころころ)15で成功です!
GM/他のエキストラキャラクター達は全員失敗して、放心状態になりました。「は?」「はあ?」ってみんな固まってしまったので、君達2人だけが対応できたようです。
アイザック/……現場慣れだな(笑)
GM/あ、NPCである叡斗くんと榛名くんも失敗したことにします。
榛名/もおおおおおおおお日本に帰るうううううううううぅ!(一同笑)
叡斗/ああああ明石さん落ち着いて! ……叫びながら、叡斗は榛名くんの服をガッシリ掴んじゃって動けなくしてます(笑)
GM/可愛いな、お前らは(笑) 弾けた肉から血煙が舞い始める。もくもくと赤い煙の中から何かの影が現れた。破裂した腕の中から何かが生まれる。大きくなっていく影の正体は……空飛ぶ蜥蜴、赤い竜だ。
えん/うええぇい!?
GM/体長は3〜4メートルぐらい、会場のホール内でも動けるぐらいの小型のドラゴンです。キシャーとアクセンの方に向いて口を開く。
アイザック/や、ヤバイ……!? アクセンに駆け寄る!
GM/アクセンを助ける判定をしましょう。……この場合はアクセンの近くに寄ったと発言したアイザックさんに判定してもらおう。【反射】でGMと対抗判定です。(ころころ)難易度は11、失敗したら今回はダメージが発生します。
アイザック/(ころころ)低いな、達成値8です!
えん/アイザックさんに≪交わる矢≫を使用します! 難易度11だから1D6で3を出せばいい成功だ。(ころころ)4が出た、成功です! 菌を固めて銃弾の形にして、竜の顎にクリーンヒット!
アイザック/確かにそこに当たれば軌道が逸れる!(笑)
GM/ドラゴンブレスを吐こうとした竜は、あらぬ方向に血煙を吐き出します。燃える会場。
アイザック/おおっと!? そんなの受けたらほぼほぼ丸焦げだな!(笑)
GM/君達の活躍のおかげでアクセンは無事です。そのブレスの攻撃……ようは1ラウンドが経過すれば、他の人達も動き出す。周囲に居るのは君達と同じキャラクターレベル10の護衛達だ。次々とドラゴンへ立ち向かっていく。
えん/マジかー! つえー!(笑)
GM/≪片手武器≫を持ったとある異端者の執事さんが竜に斬りかかる。だが……竜の鱗はおそろしく硬く、キンッと弾いてしまう。攻撃が効かないようだ。
アイザック/な、なんだ……?
GM/妖精の女性が使う魔法も効かない。ネコミミ警備員の放つ銃弾も全部弾いてしまう。これは一体……? 【理知】判定難易度15で正体が判ります。もし『対象識別』系の特技を取得している場合、達成値プラス4してください。
アイザック/≪霧暴き≫を持っているから固定値8で振るぞ!(ころころ)達成値15、ピッタリ! 危ないよ!(笑)
GM/何故あの竜には攻撃が効かないのか。アイザックさんはとある能力を思い出した。これは≪EP:緋色の戦鬼≫だ。
えん/で、出たー!?

 ≪EP:緋色の戦鬼≫
 妨害をものともせず行動するエネミーパワー。
 効果を「失敗させることができないもの」として扱う特技。設定された「解除条件と解除判定」に成功すれば、この特技を無効化できる。


GM/つまり≪片手武器≫や≪魔導書≫を無効する効果が設定されていて、それを解除しなければダメージの通らない作りをしているドラゴンだということです。そんなエネミーパワーを持っているとは判らず戦っている護衛達は、「なんだこれ!?」「全然攻撃が効かないぞ!」と焦っております。
アイザック/声を張ります! 落ち着け、それは≪緋色の戦鬼≫だ! 無暗に攻撃するんじゃない! あらゆる効果を無効化してしまう!
えん/解除判定が必要だ! 今は逃げろー! まずは下がろうー!
GM/エキストラ達は竜と応戦します。数人の護衛達が竜を引き寄せ、戦えない人達を守る数人の護衛達が誘導を始めます。
えん/さすがプロ集団、手慣れてる!(笑)
GM/アイザックさんとさっき話をした友人が叫びます。「君達はアクセン様の護衛でしょう!? まずは逃げなさい! アクセン様をお守りするんだ! ……一旦ここから離れて!」
アイザック/敵の目標はおそらくアクセン……一旦引き離すべきだな!
えん/ヴィオラちゃんは? 中央で倒れたままだよね!?
GM/ヴィオラなら、空飛ぶドラゴンが現れたちょうど下に倒れている。痛みに顔を歪ませているよ。
えん/ヴィオラちゃん!? すぐに駆け寄ります! ヴィオラちゃんの腕はありますか?
GM/右腕が半分無いです。
アイザック/早く治療しないとまずいな! ……もしかしたら体内にアレが入り込んでいたのか。そうすれば結界なんて意味が無いからな!
GM/ではヴィオラを救いたい場合は、難易度13の【体力】か【幸運】判定に成功してください。なお、『イベントキー:ヴィオラ』を持っている人は、達成値にプラス4することができます。失敗した場合は「彼女は置いていくしかない」と判断します。
えん/能力値が5だから、5+4=9で4が出れば成功です! ほぼほぼ成功です! ……いや、こういうことを言うと成功しないな(笑)
アイザック/大丈夫だよ、≪叱咤激励≫もあるし。
えん/ヴィオラちゃんへの判定!(ころころ)……1・2!? 1足りないです!
アイザック/……≪叱咤激励≫を使用します、達成値プラス2してください(笑)
えん/14で成功。怖い! 人という字は支え合って作られているんだね!?(笑)
GM/ギリギリだな(笑) えんくんは咄嗟の判断でヴィオラちゃんを抱え上げて逃げることができます。竜は護衛達に向かってブレスを吐きます。高レベルキャラ達の凄まじい戦闘が始まります。


 ●ミドルフェイズ4 〜謎と謎〜

GM/ここでフラグの確認をします。……アクセンはちゃんと生きてますか?
アイザック/生きてます。
GM/では生きてるルートで進めます。……もし今までの判定で失敗していると、昏倒して話が変わったんですが。
えん/気を失っているアクセンさん美しいなぁ! 額からスーッと血を流してほしいなぁ!(笑)
アイザック/嗚呼なんて美しい! ……じゃなくて!(笑)
GM/もしアクセンの体力が削がれている場合、滅多に血を吸わない真祖が手近な配下であるアイザックさんの血を吸って復活するシーンを予定していたんですが。
アイザック/えっ、なにそれ見たい。なんで成功しちゃったのぉ!?(一同爆笑)
GM/「君達のおかげで私は無傷だ」 無事だったアクセンは少し乱れた赤毛を整えて、正装に付いた埃を払っております。
アイザック/アアンごちそうさまです! ……中の人、帰って!(一同笑)
GM/中の人が帰ったらセッション続けられなくなるよ(笑)
アイザック/……アイザックは思わずアクセンの胸倉を掴みます。真正面から訊きます! 貴方は知っていたのではないか? 貴方が黙っていたことはこれだったんだな。
GM/胸倉を掴まれても涼しそうな顔で「私もあんな唐突な登場をしてくるとは思わなかったよ」と……日本語で喋ります。周りは大慌てで何で騒がれてもおかしくない雰囲気だからね。
アイザック/今から話す内容次第ではブッ飛ばされる恐れもあるし、日本語ですね(笑) 彼女の腕の中にはいつからアレが潜んでいた? ……最初からか?
GM/「最初からだ」
アイザック/気付いていたなら……何故早く言わなかった?
GM/「どうなるか興味があったから」
アイザック/……興味だと?
GM/「前々から私の元に脅迫状が届いていてな。『条約を破棄せよ』という匿名の手紙だ。『破棄しなければ多くの命が失われる』と書いてあった」
アイザック/……それは初耳だな。
GM/「初耳だろう。言ってないからな。その手紙を見たから私はときわ殿に助言をしたのだよ。『護衛をつけ、警備を強化すべき』とな。だからお前達がイギリスに来ることになった。ときわ殿が的確な人員配置をしてくれたからおそらく政府の人間も無傷で済んだだろう」
アイザック/……貴方の好奇心の強さにはたびたびうんざりさせられる! 手を放します。こんなところで掴み合いをやっている場合じゃなかったな!
えん/……ニヤニヤしながらその様子を見ています。アイザックさんのイライラ、超美味しいなー。
アイザック/クソォ、えんは[異端者]だからこの状況はさぞ美味しいだろうな!(笑)
GM/ちなみにヴィオラは回復役の榛名がすぐに止血したので無事です。彼女は人外であり、そこそこ栄養を与えれば……そのうち腕は生えてきます。
えん/腕が生えてくるんだ!? 良かった!(笑)
GM/しかしもし助けられず、【HP】が0のままあの会場で放っておかれたら、暴れたドラゴンに踏まれてトドメを刺されて……。
えん/し、死んでいたかもしれないんだね。この子が死んだら結界が……。
アイザック/そうだよ、この子が死んだら結界が無くなっちゃうところだった!
えん/ダメじゃん! アクセンさん、それってダメでしょー!?
GM/アクセンは相変わらず涼しい顔で「≪緋色の戦鬼≫か。あれには確か解除判定が必要だったな……」とメタまじりにドラゴン対策について話し始めます。そしてアクセンは「榛名殿」に声を掛ける。
榛名/は、はひぃ!?
GM/「君が私の荷物を部屋に持って行ってくれたんだったな。一旦部屋に行くぞ」
えん/……持ってきた資料があるんだ?
アイザック/イライラしながら部屋に戻るぞ!
GM/あっちではドカーン、こっちではキシャーという音がする中、君達はスイートルームへ向かう。部屋に帰ると榛名くんがすぐさまアクセンに荷物を渡します。
榛名/こ、これですかアクセンさん!?
GM/それはどっからどう見ても普通のスーツケースです。ですが中はウズマキになっております。
アイザック/なんと!?(笑) な、なんて効率の良い……。
GM/「普段から情報収集の資料を作れとときわ殿に言われることが多くてな。何かと便利なので特注で取り寄せてもらったよ」 これは≪異次元バッグ≫というものですね。

 ≪異次元バッグ≫
 ウズマキに入れた物品を他者でも自由に取り出すことができる魔法のバッグを持っていることを表わす一般特技。
 本来、ウズマキは入れた本人しか物品を引き出せないと言われる。しかしこのバッグに入れた物は入れた本人に関係無く物品を手に入れることができる。


GM/アクセンはバッグからとある紙を取り出します。呪文のようなものが掛かれた羊皮紙ですね。
アイザック/紙……呪文?
GM/この≪異次元バッグ≫はセキュリティの甘さを補うために、特定の呪文を唱えながらでないと物品が取り出せないようになっています。パスワードを入力しないとアクセスできないようなもんですね。なので≪緋色の戦鬼≫を解除判定に必要な物を取り出すためには、とある呪文を唱えることが必要です。
えん/へえ。アクセンさん、どんな呪文なの?
GM/「…………」
えん/アクセンさん?
GM/「飽きた」
えん/……飽きた!?
アイザック/飽きたぁ!? 膝から崩れ落ちそうになったぞ!?(笑)
GM/それは、唐突でした。アクセンは紙を君達に渡します。「調べたければ君達が調べたまえ」
アイザック/なんだと。
GM/「あの竜は珍しい。観察してみたい。珍しいものは観察するべきだろう? 私は竜が今後することの方が気になる。それに……」 なんだかんだ言って、赤い竜を倒すことを渋り始めます。
アイザック/もう充分暴れているだろ!? それで手を付けられなくなったら元も子もない。貴方の気分の問題ではない!
えん/それに……このままだとアクセンさんが殺されちゃうぞ?
GM/「何を言っている、私は死なないぞ。『お前達が守ってくれるのだろう』?」
アイザック/……は?
GM/「君達は私の護衛なんだろう? 私を守るものなんだろう? ならば君達がいる限り私は死なないということではないか」 それは君達を信頼しているからというより、「○○とは、○○なのだろう」という事実を機械的に語っているだけに過ぎません。キョトンとしているぐらいです。
えん/あ……ああー、さすがアクセンさんって感じです(笑)
GM/……すまない、GMも今キャラロールしていてめっちゃ腹が立った。
アイザック/大好きですっ!(笑) でもアイザックは言いますね……。そのうち? 悠長なことを言っている場合ではない。やっていただかなくては困るんだ!
GM/アクセンはやり方を教えます。……この紙に書かれている歌から、ある一小節だけ正解の呪文を唱えてください。そうすればあの竜を倒す方法が見つかります。

【羊皮紙に書かれた歌】
 1は射手で、蛙を射た。
 2は肉屋で、大きな犬を飼っていた。
 3は千町で、モールで被われていた。
 4は大酒飲みで、赤ら顔だった。
 5は郷士で、顔つきに誇りがあった。
 6は農夫で、スキを押していた。
 7は賭博好きで、いつもついていなかった。
 8は猟師で、雄ジカ狩りをした。
 9は居酒屋の主人で、飲むのが好きだった。
 10は建具屋で、家を建てた。
 11は王で、かつてこの国を統治した。
 12は貴婦人で、白い手をしていた。
 13は守銭奴で、金を貯め込んでいた。
 14は貴族で、勇猛果敢だった。
 15はカキ売り娘で、町中を歩き回った。
 16は牧師で、黒いガウンを着ていた。
 17は女王で、絹を身につけていた。
 18は強盗で、ムチを欲しがった。
 19は水夫で、持ち金を使ってしまった。
 20は鋳掛け屋で、ポットを直した。
 21は高利貸しで、あわれな小人だった。
 22はブドウ酒商で、自分で飲んだ。
 23は番人で、戸口を見張っていた。
 24はぜいたくで、貧乏になった。
 25は若者で、学校が好きになれなかった。
 26はおどけ者で、罪の無い馬鹿だった。


GM/マザーグースの歌は怖いねぇ。なお、今回のシナリオギミックは『MEI-SAKU'S BIZARRE ADVENTURE』を参考にさせていただきました。ジョジョ1部ネタと吸血鬼ものでとても面白かったので、その中のネタを使わせていただきます。
アイザック/マザーグースってポップに人が死ぬから怖いですよね(笑)
えん/うわ、すげぇ……面白いけど、26種類もある……。
GM/1ラウンドに1人1回まで呪文を唱えることができます。13ラウンドかければ全部唱えられるよ。
アイザック/そんな時間は無いな(笑) もし間違うと、違う物が出てきちゃうんですね?
GM/うん、ドラえもんの道具のように関係無い物がぴょこぴょこ出てきます。今ここで見つけるべきものは、あの竜を倒すものです。
えん/ワーオ。ヒントは貰えるんですか?
GM/今までの会話の中でもヒントは1割ぐらい出してきました。
えん/マジかよ!?
GM/1割だからね、これで判られたらGMもビビる(笑) メジャーアクションで呪文を唱えることを放棄して、ヒントを探すこともできます。

 『AF判定:ヒントを探る』
  ・使用能力値:【理知】【幸運】
  ・難易度:100
  ・ラウンド制限:なし

 ※「ヒントを探る」演出に成功すること。
 ※クリアーしなくても一定の達成値に到達すればヒントが出る。


アイザック/まずはAF判定をした方がいいな。さすがに26分の1を当てる自信が無い……。
えん/オレからAF判定をしたいと思います!
GM/では竜が攻撃します。
えん/えっ!?
GM/(ころころ)……失敗。早く対策をしないと、倒せないドラゴンが襲い掛かってくるので気を付けてね。
えん/ひ、ヒントが出ればなんとかいける筈! ……えっと、スイートルームの場所はどこなんでしょう?
アイザック/スイートルームの鉄板は眺め良い最上階か、小さな別館のフロア丸ごとのどちらかですかね。
GM/後者でいいですか。下の階でドンパチやってるのに上の階で悠々としていたらおかしいから(笑)
えん/じゃあオレ達は今、別館にいるのかぁ。……≪黒のヨロイ≫で竜の攻撃に備える菌になります。≪強化手術:体力≫を取得してるからヴィオラちゃんを運んでも息も切れていないよ!
GM/強いカビルンルンになった!
えん/≪射法訓1・2・3≫があるので、ブレスが飛んできても対処できるでしょう。と思っていた矢先、こんな所までブレスが飛んできたー!
アイザック/もう来たの!?(笑)
えん/≪闇纏い≫を使って霧状になり、次のブレスに対して薙ぎ払うために≪属性スイッチ≫で霊力ダメージにした≪無の射撃≫で相殺をする!
GM/おお、応戦した。カッコイイ!
えん/時間が惜しいので≪ハヤテの爪先≫で瞬時にスイートルームまで戻ります。≪的抜き≫で……「飽きた」って言ってるアクセンのご機嫌を取るようなアクションをします!(笑)
GM/太鼓持ちをした(笑)
えん/マジでさー、こういう楽しいことが起こるかもしれないけどさー、逆にさ、オレ達がこういうことが出来た方が楽しくねー!?
アイザック/ありがとう、落とすアイザックに対して上げておいてくれると助かる(笑)
GM/いや、アイザックさんはとても必要なことを言ってくれたよ……(笑)
えん/ペラペラと話す情報は≪コネ「教会」≫でアクセンさんと触れ合って結果身につけたものです。でもアクセンさんはオレに範囲攻撃的な容赦のない言葉の攻撃を言うんです。≪契機惑乱≫で効かないけどね!
GM/ベラベラ喋られても全然大丈夫なえんくんでした(笑) アクセンは「これからの異端事件でいつドラゴンが出てきてもいいように様々なケースを見ておくことは大事だ、知識を高めるためにも……」と尤もらしいことを言います。
えん/でも死ぬのは良くないでーす! 負の感情って凄く好物なのは判るけどさー! そうだ、アイザックさんの負の感情を冗長させたらすげぇワクワクするかな!? 試してみましょう!
アイザック/試された!? 確かに今溜まってるけどさ!(笑)
えん/どうでしょう、アクセンさん!?
GM/「うまいっ!」
えん/テーレテレーッ! って違うわい! ≪悪雨≫を持っているので至近でツッコミができます(一同笑) ≪覇魔矢≫も使って毒のあることも言うよ!
GM/おっと、これは痛い痛い。
えん/そういうことを言っていると、アクセンさんからファブリーズが飛んでくる。
GM/「痛いことを言ってくれるなシュッ……。こうやって君はときわ殿とコミュニケーションを取っていたな」
えん/≪−50ファブリーズ≫でアッー! ……そっか、今のってトキリンジョークだったのかぁ(笑) でもそのファブリーズに対して≪零力射撃≫! ≪器の支配≫で、それやめてください!(笑) アイザックさんに対して≪交わる矢≫でフォローを飛ばします。これ以上モタモタしているとこういうが起きるんですよ……と≪異常鉱物≫を使って人形劇を始めます。
アイザック/可愛い(笑)
GM/「ふむふむ、君の説明は実に判りやすいな」 人形劇に見入ります(笑) 特技を23個使ったので、難易度は46まで減ったよ。
えん/何が出るかな。(ころころ)……1・2。達成値は7です。
GM/『現在難易度:54分の7』です。……ヒントは特に出ませんでした。
えん/……7ですもんね。
GM/ではドラゴンの攻撃。(ころころ)失敗。今はまだ成功率は低めだけど、当たると痛いやつが少しずつ近づいてきているよ。
アイザック/マジか。……とんでもない状況になってしまったので、≪瞬間思考≫で色んなことを一度で考えます。たまーに火の粉が飛んでくるので≪緊急支援≫と≪戦術指揮≫で妨害を見つつ、叡斗達に状況を見ていてくれと頼みます。
榛名/ひえー! 頑張りまーす!
アイザック/いくら別館とはいえ揺れたりする。破片が飛んできても≪戦闘聖衣1・2・3≫の三枚重ねだから大丈夫だ。≪浄化の一撃≫+≪浄化の装具≫で破片を弾き飛ばす。
GM/対策を練るだけじゃなく、戦闘もしているね。
アイザック/ヴィオラが意識の無い状態だ。≪情報隠蔽≫は物やキャラクターを隠す特技なので、安全な場所に避難させておきます。
えん/いいぞいいぞ!
アイザック/再度アクセンに≪懺悔室≫と≪叱咤激励≫で説得を試みます。……でも使っても駄目と。
えん/根気強く頑張っているねー(笑)
アイザック/ヒントがあると言っていたが、今までのことでヒントになるようなものとは一体……。≪十字軍≫の知識を総動員し、≪友の華≫で魔術師の友人が話していたことを思い出そうとします。
えん/完全にアクセンさんを使うことをやめましたね(笑)
アイザック/やめましたね(笑) ところで≪虚空の翼≫と≪無音の外套≫を使うと【HP】が使う。その反動でジワジワきてるな。
えん/おおう、ピンチだ。
アイザック/スタミナ切れを感じているので≪興奮剤≫を散布。情報収集に強い≪コネクト≫も使っていると、アクセンが「やっぱりこのまま様子を見よう」と言い始める。そんな発言には≪光の一手≫! 手を貸してくれないなら黙っていろ!(一同笑)
えん/わー、お口チャックされてるよー(笑)
GM/バッテンマスクを着けておくねー(笑)
アイザック/アクセンのせいで一回行動を駄目にしちゃいましたが≪洗礼付与≫でもう一回メインプロセスを得る!(笑) 対象識別の≪霧暴き≫も使って、最後の≪審判:善≫でクリティカルを下げつつ……思いつく限り考えてみる!
GM/ほう、これで使用特技は22個、難易度が44も減ります。『現在難易度:10分の7』まで減りました。
えん/このままクリアーできれば大きなヒントが手に入るね!
GM/成功すればな。「頑張ってください!」と叡斗くんや榛名くんが応援するよ。
えん/頑張って、アイザックさん!
アイザック/ファンブルしそうで怖い!(笑) あ、これって情報収集なら≪コネクト≫の効果は適用できますか?
GM/できますね。
アイザック/保険は払っておく!(ころころ)おお、達成値18でした!
GM/『現在難易度:10分の18』でAF判定成功しました。ヒントが全部出ます。ちなみにヒントは達成値10、15、20と5刻みで出てくるものでした。

 ▼達成値10で出るヒント
 奴の攻撃スタイルが判ってくる。
 竜は血煙ブレスを吐く。どうやら吐いたブレスをまた飲み込んでいる。あのブレスによって傷付けられた人物の生気を吸い取っているのだろうか。
 形は大きな空飛ぶ蜥蜴だが、あの竜もまた吸血種のようだ。ならば吸血種の倒し方と同じでいいのでは?

 ▼達成値15で出るヒント
 ヴィオラが目を覚ます。
 「あたしを助けてくれてありがとう。助け出してくれなかったらきっとあたしは死んで、結界が破れて、あの竜は外に飛び出すところだった」
 「あの竜は強力ではあるけど、『道具』さえあれば必ず倒せるものよ。そう、竜を倒すには『道具』が必要なの! 解除判定には『道具』を間違えてはいけないわ!」

 ▼達成値20で出るヒント(AF判定クリアーで出るヒント)
 ヴィオラが話し始める。
 「吸血種が怖いもの……? 吸血鬼はその名のメジャーさから『世界で最も弱点の多い化け物』と呼ばれているわ。だから好き嫌いも個体差があるの」
 「でも、その中で吸血鬼に一番怖がられていたり、逆に吸血鬼の興味を惹いて夢中にさせるものといったら……水ね」
 「アクセン様も海が好きでしょう? あたしは水が怖いけど……」


アイザック/ああ、そういや2人とも水の話をしてた!
えん/あっ、そっか! 川とか海の話、してたじゃん! ……水の関係しているやつって。

 19は水夫で、持ち金を使ってしまった。
 20は鋳掛け屋で、ポットを直した。
 22はブドウ酒商で、自分で飲んだ。

アイザック/この3つじゃないか? だとすると……?
えん/……道具って強調されたよね? 道具で……水?
アイザック/……ポットか?
えん/お金は道具じゃないよね。ブドウ酒は水だけど、道具要素は無いし。
アイザック/20番が一番可能性が高い! それでいこう!
GM/それでは、何番で何という呪文を唱えますか。お読みください。
えん/…………。ごめんなさい、漢字が自信無いです(笑)
アイザック/20番で!(笑)
GM/「いかけや」だね!(笑) では君達が呪文を唱えながら≪異次元バッグ≫に手を突っ込むと、中からにゅるっとあるファイルが出てきました。『吸血鬼の弱点について』と書かれています。正解です!
えん/やったー! おめでとうございます! 字が読めなかったからどうなるかと思いましたが!
アイザック/私もちょっと自信無かったよ……(笑)
GM/「道具と水」という関連のある歌が正解でした。19番の水夫だと答えたら「近いんじゃない?」とは言うつもりでした。さて、取り出したレポートを君達は読むことができます。

 ▼『ロンドン神智学大説』より
 吸血鬼の名を持つ悪魔に真なる死を与えるには、先を黒く焼き、鋭く尖らせた木の杭をもって、聖句を唱えながらその心臓を穿つよりほかに無い。

 ▼『幻想都市アムステルダム』より
 太陽が降り注いでいる間、バンパイアは棺のなかで眠りについている。勇敢なる者よ! かの悪鬼を滅ぼすには、その隙に口の中へ聖餅を入れる以外、何の手段もありはせぬのだ!!

 ▼『ウィーンの童歌』より
 ニンニクの花飾りを吸血鬼にかけてごらん。たちまち消えてしまうから。これが吸血鬼をやっつける、たった一つの冴えたやり方。

 ▼『栄光の都ベルリン、その神秘』より
 魔人、狂戦士、あるいは吸血鬼と呼ばれる怪物を倒すには、銃弾が必要である。それも、鉛ではなく銀の銃弾でなければならない。銀の弾丸を用いずして、吸血鬼を倒すことは不可能である。

 ▼『ブカレストに伝わる伝承』より
 聖句を唱えながら鋳造した銀の十字架を、その忌まわしき身に押し当てることこそ、ノスフェラトゥを滅ぼす唯一の方法なり。

 ▼『ダブリンの魔法と狂気』より
 その不死者は、あらゆる手を尽くしてなお倒れることはなかった。だが、朝の陽光に照らされたとたん、瞬く間に塵と化した。


えん/凄い! 参考文献が載ってる!
GM/この中から1つだけ、あの吸血竜の倒し方を選んでください。なお、欲しいものを思い浮かべながら≪異次元バッグ≫に手を突っ込めば欲しい道具が手に入ります。さっきと同じAF判定に始めから成功すれば、またヒントが出てきます。
アイザック/……「杭を心臓に穿つ」は普通の人間だって死ぬだろと毎回思うんだ(笑)
えん/アイザックさん、餅がアカンらしいですよ。アイザックさんは餅食えるんですか?
アイザック/餅……あまり美味いとは思わないがな(笑)
GM/聖餅ってパンのことだって。……もちもちしたパンを寝ているうちに口に詰め込められたら死ぬね(笑)
えん/アイザックさん、棺桶に入ってるときに気を付けてください。
アイザック/私は遮光カーテンが登場してから棺の中で寝るのをやめた。
えん/あ、ニンニク! 榛名が持っているやつじゃん! これで効果2倍とかならない!?
アイザック/あ、本当だ。やっぱりニンニクって効くんだ(笑) ……でも全部に効くとは限らないか。イギリスの吸血鬼には十字架が効くが、日本生まれには効くとは思えない。
えん/だよねー……。ヴィオラちゃんから生まれた竜だし、花飾りが良いんじゃない?
アイザック/花飾り? ……そっか、ハンガリー出身だからオーストリアなのか!
えん/答えは6分の1の確率だし、いってみるか!
アイザック/せっかくハンガリーの女の子というヒントがあったし、これで正解なら嬉しいなぐらいの感覚でオーストリアのニンニクの花飾りを選んでみます。
GM/≪異次元バッグ≫に手を突っ込むと、テグスでしっかりと編まれたニンニクの髪飾りが出てきます。そこにスイートルームにドーンと竜が現れます。狙っているのがアクセンだからか、結界を作っているヴィオラがいるからかは判りませんがやって来ちゃいました。
えん/うわー!? 嗅ぎつけてきたー!? アイザックさん、髪飾りを投げちゃいましょー!
アイザック/ああ! ≪瞬間思考≫でセットアップで投げつけるー!
GM/髪飾りが投げつけられます。
えん/…………。
アイザック/…………。
GM/…………。
えん/……ヒントも何も無い状態って、怖いですね(笑)
アイザック/う、うん。何も情報が無いままクライマックスに行ったようで怖い(笑)
GM/……ドラゴンの鼻の上に、ニンニクの髪飾りがスッポリジャストフィットします。その香りに、ひどく怯え始めます。キュイキュイと悲しそうな声で蜥蜴さんが震え始めました。
えん/か、カワイイ!(笑)
GM/おののき引き下がっていきます。……思いっきり弱点だと判ります! ≪緋色の戦鬼≫が解除されました。プルプルと震えて弱体化した竜と戦闘を始めることができます!
えん/わー、すごーい! 正解したー!(笑)
アイザック/良かった! ……じゃないとハンガリー生まれだなんてわざわざ言わないもんな!(笑) 実家で拾って来たドラゴンだったんだ、これ……。「オーストリア」って言ってくれなかったらイギリスで拾ってきたと思ったよ。
えん/言って良かったー(笑) じゃあ≪闇纏い≫+≪覇魔矢≫+≪無の射撃≫で攻撃しまーす! キンキキーン!
アイザック/≪審判:善≫でクリティカル化して、≪戦術指揮≫でダメージアップをするぞ!

 クライマックス戦闘が始まる。
 だが、その結果は言うまでもない。無敵状態だった姿はどこにもなく、弱体化して血煙ブレスを吐くことができなくなった竜。
 あっという間に、2人の手で昇華の光を纏うことになった。



 ●エンディングフェイズ 〜野望と心〜

GM/戦闘が終了します。お疲れ様でした。アイザックさんとえんくんの攻撃により、竜は赤い霧になって消滅しました。榛名くんと叡斗くんがアクセンとヴィオラを守ってくれていたおかげで、すっかりヴィオラの手は復活しました。
えん/すごい、腕が生えてるー(笑)
アイザック/この回復量は凄まじいな……(笑)
GM/で、血煙が完全に引いた後……霧の中からボトッと小太りのおっさんが出てきます。
えん/お? ……妖精?
アイザック/……ひょいっと捕まえます。
GM/「ギャッギャ! ギャギャギャ!」 不気味な声を上げながら掴まれた妖精は暴れます。えーと、小物っぽいロールをするね。
えん/小物っぽいんだ、こいつ(笑)
GM/「チクショーめ! 穏健派と過激派の争いをもっと激しいものにすることができれば、このままこのロンドンの地を死の都にすることができたというのに……!」 口の悪い英語で小鬼は叫びます。尖った鼻に赤い目に赤帽子。レッドキャップです。

 レッドキャップ
 イギリスの民間伝承にある、きわめて危険な妖精。
 極めて強烈な殺意を抱いており、出会った人間を惨殺する加害性の高い悪鬼。犠牲者の血で染めた赤い帽子を被っている。


アイザック/ああ、そんな狂暴な妖精もいましたね(笑)
えん/ロンドンは霧の街でいいんだよ、血煙はアカンよ。ワンパンでとっちめてやる!(笑)
GM/この場でドスッと殺れば竜と同じく昇華されることでしょう。
アイザック/……異端め、然るべき裁きを受けてもらう。
えん/え? いいの、殺さなくて? だってこいつ悪いことをしたんでしょ。
アイザック/それを決めるのは私ではない。然るべき場所で裁きを受けてもらおう。
えん/ふえぇー……。アイザックさんが言うならそうなのかなー。
アイザック/≪異次元バッグ≫に手を入れて、鉄製の籠に子鬼をポイッと入れます。……妖精の類は金属が大嫌いなのでこれで出られない筈。
GM/よくぞご存知で。……ドラゴンが倒されたことで、他のキャラクターレベル10の護衛や警備達は「救護を!」と的確に行動をし始めます。
えん/うわー、プロフェッショナルだー(笑)
アイザック/榛名や叡斗も傷ついた人達を回復に向かうだろうな。
GM/そうだね、若者2人は他の人達の救助に向かった。……一方で、アイザックさんとえんくんは、アクセンとレッドキャップの会話を聞くことができる。
アイザック/なんだと。
えん/なんか話しているね?
GM/アクセンは「大量の人の血が流れた。これは条件が満たされたな」とレッドキャップに話しかける。「こんなんじゃ足りませんぜ。ドラゴンは完全に生気を吸いきる前にやられちゃいました。大勢吸い取ってはいましたけど一人も殺せませんでした。こんなんじゃ条件は満たしたって言えないもんでっせ」とレッドキャップ。
えん/……お前、なに話してるの?
GM/アクセンは懐から手紙……送られたという脅迫状を取り出します。
アイザック/……受け取ります。中を読む。
GM/内容は「テロをします」という脅迫。その下に、「魔王様へ」とレッドキャップがしたためた手紙があります。

 「パーティーに参加する者達は、全員高名な吸血種、強敵と謳われた稀人、名を馳せた人外達である。
 全てが人間ではない。魔力によって身体を構成する、強力な素材となる肉体を持った上級魔族達だ。
 彼ら血肉で≪贄の儀式≫を行なえば、恐ろしく精巧な≪世界創造≫が完成することだろう。
 これをどう思うかは貴方次第だ。パーティーをお楽しみに!」

えん/……はあ?
アイザック/はあ?
えん/……あ、あああっ!? なるほどぉ! それで渋ったんだー! あはははは、ひでーなぁ!(笑)
GM/まず、『AW』名物≪贄の儀式≫と≪世界創造≫の説明をしましょう。

 ≪贄の儀式≫
 キャラクターの1体を犠牲(戦闘不能や死亡)にすることで、GMの設定した値分、消費しなければならない代償を減らしたり、制限を無くすことができる[異端者]の主特技。
 例えば、「NPC1人死亡につき特技の消費MPを−1する」など。1度設定された儀式はシナリオ終了時に効果を無くす。

 ≪世界創造≫
 高次の存在が持つような、奇跡の力を行使する[世界遣い]の主特技。
 3D6をを振って3つ全ダイス目が「6」だったら、願いが叶う。≪贄の儀式≫のような代償を書き換える特技と併用して使用可能。


えん/ねえ、アクセンさん。どんな世界が作りたかったの?
GM/「知らないのか」
えん/判っているけど、言わせたいじゃん。
GM/それまで何があっても涼しい顔で笑っていたような男の目が、変わる。まるで人の心など無いような無感情な目になり、その後……憂いを帯びて悲しそうな顔になる。「……私は、会いたい人間がいる」
アイザック/…………。
GM/「その人は……今はこの世にいない。だけど、私はそんなの認めない」
アイザック/……だから、ここで≪世界創造≫を行なって、死んだ誰かを蘇らせようとしたのか。
GM/「……どうしても会いたい。だがその人は……死ぬ前に、私に約束をした。令呪で……私に、『人を犠牲にして≪世界創造≫をしてはいけない』と、命じたんだ」
えん/その人がマスターで、アクセンがサーヴァントだったんだよね。えんはニヤニヤしてますよ。超大爆笑してる。
アイザック/…………。
GM/「……人を犠牲にして世界創造をしてはならない。そう、『人間』を犠牲に世界創造をしてはならないと命じたんだ。だから私は、揚げ足取りをすることにした」
アイザック/……ここにいる者達は、獣人や幽霊や妖精だったな。探せばいくらでも狼男や吸血鬼も山のように出てくるだろう。異端なら犠牲にしてもオッケー、ということか。
えん/ここ、世界ドッキリ博覧会だもんねー!
GM/なおかつ、『AW』の基本的な設定は覚えてますでしょうか。……龍の聖剣ことロリはどうしてPC達をループさせるんだっけ?
アイザック/異端に殺された人間を救うためにループをする……ああああっ!?(笑)
えん/異端しかいないじゃん、ここ!(笑)
GM/そう、異端に殺された『人間』を救うロリ達。異端であるだけで救済する候補から外れる。……つまり、アクセンがNGとされた≪世界創造≫も可能な上に、大量殺戮になったとしてもロリが「そんな世界認めないー!」って駆けつけることはない。
アイザック/ほ、本当だ……この場で≪世界創造≫をしたら、やったもん勝ちなんだ(笑)
えん/うまいなぁ、ホント! ……でもそんなことをして好きな人を蘇らせたら、蘇った人に今頃怒られてたんじゃない?(笑)
GM/「…………」 そのことを指摘されて、アクセンは辛そうな顔をします。
アイザック/……強制力で縛りつける男が、その程度のことで苦しんでいるんだから笑えるな。冷たい目で、全然笑っていない顔で言います。
えん/プフー! 超良い顔をしているね、アイザックさん!(笑)
アイザック/始めからこの脅迫状について話していえれば私の対応も少しは変わっていたかもしれないぞ。手紙を突き返します。
GM/アクセンは沈痛な面持ちで手紙を受け取ります。「……すまなかったな」
アイザック/心にも思わないことを言わないでほしい。
GM/「……将来有望の少女もいた。罪の無い者達も多くいた。だが……私は……彼女達を傷つけてでも、私は……会いたい人がいるんだ。会いたいんだ……会いたかったんだよ……」 今までの余裕な姿はどこに行ったか、感情の無い機械的な姿もどこに行ったか。アクセンは泣きそうな声で呟きます。
アイザック/……くそっ。
えん/わかーるわかるよ、君のキモチ!(笑) 歌うぐらい笑い転げて、肩をポンポンします!
アイザック/……ふうと溜息を吐く。この話は、この辺でいいだろう。現場を見てくる。……そう言ってその場を離れて行こうとします。
えん/あー、素直じゃないねー!
GM/普段であればアクセンはえんくんと同じように、笑ったり楽しそうだったり気持ち良さそうな顔をするかもしれません。でもその顔はとても苦痛に歪んだままです。
えん/ふう。……なんだかんだで約束を守れてるじゃん? 良かったんじゃない?
GM/「……肩を貸してくれないか」 えんくんに、ベソベソします。
えん/おー、よしよしー。どうぞどうぞ、菌の体で良ければ!
アイザック/まあ、アクセンさんの体は丈夫だから平気だろ(笑)
GM/アクセンは……左胸を抑えながらも、項垂れます。さて、周囲は有能な人達ばかりだし、優秀な榛名くんや叡斗くんのおかげでこの場は収まるでしょう。このような騒ぎが起きたことで本日予定されていた調印式は中止になります。
アイザック/そうなるな。
GM/だけれども騒ぎの犯人が捕まりました。実は、リリルラケシスで穏健派と過激派の戦いなんて……。
アイザック/……無かった?
GM/ええ、ありませんでした。
アイザック/小鬼が引っ掻き回していただけだったか……。もし過激派がいたとしても、そこまで過激でもなかったか。
GM/そう。そして「改めて連携を取るべきだ!」という声が大きくなり、翌々日には調印式は再開されました。アクセンが代表者として、政府と連携を取りこの条約は無事結ばれましたとさ。
えん/いやー、無事終わって良かったねー。楽しい旅行ができました!
アイザック/……ときわには逐一報告させていただくぞ(笑)
GM/では報告を受けたときわは、「さすがアイザックさんですね! グッドな仕事ぶりです。リーダーの任もアイザックさんに全てを頼んで良かったです」とエキサイティングしてます。「ルールブックの『NPCパーソナリティーズ』に掲載されているだけのことはあります!」
アイザック/同じように『NPCパーソナリティーズ』に掲載されている男のせいで酷い目に遭ったよ(笑)
GM/「大きな事件だったと聞いています。でもベストフレンドの貴方達がなんとかしてくれたおかげで死傷者ゼロですよ。エクセレントじゃないですか」
アイザック/……ベストフレンド……。正直、私は暫く彼の顔を見たくない……。
えん/プフー、そんなこと言っちゃってー(笑)
GM/そんなアイザックさんとえんくんの元に、アクセンから「酒に付き合ってくれないか」というお誘いが入ります。
アイザック/言ってるそばから!?(笑)
えん/結構すぐだったね!?(笑)
GM/ちょっと愚痴って、ちょっと叱られて、ちょっと慰められたアクセンは、何か不満があったら「これはいかんな、ストレスを発散しなければならない」と覚えたようです。だから飲みに行こう!
えん/わーい、オレ達ったら立派な世界の抑止力になってるよー!(笑)
アイザック/……もう既に会場は予約済みなんだろ。はぁ、良いレストランを予約してるんだろうなぁ……(笑)
えん/イエーイ、美味しいもんがタダで食えるー!(笑)


 アナザーワールドSRS・リプレイ
  〜 人外夜会 第1話 『リリルラケシスの宴』 〜





END

GM/今日もどこかで、真夜中に酒宴が開かれる……。という訳で、『人外夜会』以上で終わりにしたいと思います。お疲れ様でした!
一同/お疲れ様でしたー!
GM/ここでちょっとだけネタ明かしをしますが、「異端しかいない場所だからループが発生しない!」と言いましたが……実は、ループはします。
アイザック/あ、するんだ。
GM/ええ、あのまま大事件になったら「明石 榛名と棚氷 叡斗という罪の無い少年達を異端の手によって殺されてしまう」からね。せっかく違うセッションで生き残った榛名くんと叡斗くんを救うために、ロリが現れます。あの場にNPC4達である2人はどうしても必要でした。
えん/ろ、ロリ……優しい!(笑)
アイザック/人間だもの! 救ってくれるんだ!(笑)
GM/ロリと一緒にループしてこんな悪い異端を倒すようなセッションを後でやろう(笑) レッドキャップは、異端の王なのに私欲のために異端ぽいことしないアクセンに本気を出させるために手紙を送りました。教会の協力者であるうちはこんなことがたびたび起きるのかもね。ではまた違う夜会をお楽しみに――。




第2話に続く

AWリプレイページ・トップページへ戻る