アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 2012年度OG誌『王子の試練』 ■
2012年4月14日




 ●プリプレイ

マーサー(以降、GM)/OG誌掲載用『アナザーワールドSRS・リプレイ〜王子の試練』を始めていきましょう。
プレイヤー1・ユウプレイヤー2・すずか/宜しくお願いしまーす!
GM/初OG誌リプレイです。マーサーが制作したオリジナルTRPG『アナザーワールドSRS』をやらせていただきます。「3つのお題で作るシナリオ」ということだったけど、その3つというのが……。
プレイヤー2・すずか/「ケモミミ」、「超正統派王子キャラ」、「リドル」ですね。
GM/なかなかにオーソドックス過ぎて、シナリオを作るにも逆に困るというものでした(笑) 早速だけど、私なりに考えたシナリオのハンドアウトを配布するよー。

【レギュレーション】
 キャラクターレベル5で開始。
 2人とも知り合い同士のスタート。「NPCと共に遊園地に来ることができる仲良し設定」であること。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:王子の試練   関係:対抗    推奨クラス:世界遣い

 君は、遊園地シャイニアにPC2とNPC1と共にやって来た。だが楽しい時間の中、君達はアトラクションの崩落事故に巻き込まれ死んでしまう。
 気が付いたら、君とPC2は渦を巻いたような不思議な空間に立っていた。
 そこで知ったのは、平和な人々を喰らうために異端が事件を起こしたということ。そして、異端を倒さない限り、君達は死ぬ運命にあると言うことだ。
 君達は死の直前まで時を戻し、異端に立ち向かうことにした。異端の巣窟と化したシャイニアで、無事に生き延びることができるか。運命は、君達にかかっている。
▼PC1限定・特別配布特技
 ≪コネ「王子の試練」≫。タイミング:オート。判定:自動成功。対象:自身。射程:なし。代償:3HP。効果:シャイニア内で行なうあらゆる判定の達成値に+4。1シナリオ1回まで使用可。


【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:NPC1(大切な人)  関係:自由   推奨クラス:魔術師

 君は、遊園地シャイニアにPC1とNPC1と共にやって来た。
 だが君達はアトラクションの崩落事故に巻き込まれ死んでしまう。
 時間は事故の直前まで巻き戻り、君とPC1は運命をやり直す機会を得た。
 何も知らずにキャラクターグッズのネコミミを買っているNPC1を助けられるのは、君達しかいない。
▼NPC1:(大切な人)
 名前、性別、年齢は自由に設定してよい。親友、恋人、親族関係など自由に決定していいが、親密な関係であること。
 PC達を遊園地シャイニアに誘った張本人。遊園地で楽しい時間を過ごすことを望んでいる。世界がループしていることを知らない一般人。


 ハンドアウト配布後、相談を始める2人。
 ユウがPC1のハンドアウトで、すずかがPC2のハンドアウトでキャラクターを作ることに決定した。
 相談しながらキャラクターメイキングをすること数時間。2人のPCが完成し、セッションは開始された――。


GM/じゃあ、キャラクターの自己紹介をしようか。PC1からどうぞ!

プレイヤー1・ユウ(以降、十子)/キャラクター名、赤林十子(あかばやし・とうこ)です。23歳の女性。「青森」にしようと思ったけど、面倒なことになりそうなんで変えた(笑) クラス配分は[聖職者]レベル3と[異端者]レベル2。職業は旅人。
プレイヤー2・すずか/旅人ってどういうことなの?(笑)
十子/バイクで旅をしています。人生の旅人!(笑) 異端退治の依頼があったら仕事に出るエージェントです。

 エージェント
 異端を討伐する退魔組織『教会』に所属している能力者のこと。教会にエージェントとして名を登録しておけば、定期的に依頼が入ってくるようになる。


GM/主張したいことはある?
十子/『±50副特技』で、≪+50粗野≫と≪+50おっぱい≫を取りました! 身長167センチ、峰不二子と同じ身長のボンキュッボーンのお姉さんです!(笑) あと≪小さな眼≫で使い魔を連れているので、犬をつれてることにします。
GM/どんな犬? 名前は?
十子/『マルモ』みたいな感じで……うーん、サモエド犬がいいかな。名前は……「十」を傾けて「×」、「ペケ」でいいや。
プレイヤー2・すずか/なにその可愛いネーミング(笑)
十子/ペケはいつもサイドカーに乗ってます(笑) ライフパスの『ボーナス効果』は「1シナリオ1回、【HP】を2D6点回復できる」にした。
プレイヤー2・すずか/【HP】高いのに【HP】回復を取ったんだ。
十子/【HP】をどんどん削っていく戦法だからね。回復はPC2に任せるけど、どうしても間に合わなかったときのためにこの『ボーナス効果』にした。
GM/どんなキャラにする?
十子/おっぱいです! おっぱいをメインに頑張る! おっぱいおっぱい!
プレイヤー2・すずか/よく判らないよ!(笑)

 ▼赤林 十子 (プレイヤー名:ユウ)
クラス:[聖職者3/異端者2]
  体力:16(+5)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:12(+4)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:29   MP最大値:23
重要キーワード:生き残り   背景:家族のために全力になれる  特徴:世話焼きである
ボーナス効果:1シナリオ1回【HP】2D6点回復  スキルウェポンのイメージ:??
職業:旅人   性別:女   年齢:23歳  身長:167cm  髪色:黒  瞳色:黒
≪浄化の一撃≫→射程:20m/クラスレベル体の対象に、[2D6+1]点の霊力ダメージ(数値計算済)。
≪叱咤激励≫→タイミング:オート/射程:10m/ダイスを振って求める効果に+2。
≪信義の盾≫→タイミング:ダメージロール直後/射程:15m/対象の実ダメージ4D6点軽減。同値分、自身も受ける。
≪小さな眼≫→未登場のシーンでも五感を共感する使い魔を登場させることができることを表わす特技。
≪母の腕≫→エキストラを無力化する特技。
≪物品調達≫→注文した物品を入手できる特技。
≪鬼の肌膚≫→常時【物理防御点】50、【霊力防御点】0になる特技。
≪毒の魔弾≫→タイミング:マイナー/【命中値】+2。その攻撃で1点でもダメージを与えたら対象に毒(クリンナップに1D6点の実ダメージ)を与える。
≪忘却の末≫→記憶を奪い取る特技。
●≪+50粗野≫→粗野な性格を演出する判定達成値に+50。
●≪+50おっぱい≫→おっぱいに関するロールをする判定達成値に+50。
●≪コネ「王子の試練」≫→シャイニアでの判定達成値に+4。

GM/次に、PC2の自己紹介をしようか。
プレイヤー2・すずか(以降、イツキ)/はい。キャラクター名は、赤林イツキ(あかばやし・いつき)。クラスは[魔術師]レベル3、[感応力師]レベル2。職業は小学生男子9歳!
GM/小学3年生ぐらいか。どんな子?
イツキ/≪−50天真爛漫≫を取りました。子供っぽくない。ライフパスの『重要キーワード』は「失敗作」。『背景』は「私の父は研究者だ」。『特徴』は「優等生」にした。
十子/「私の父は」?
イツキ/何かしらの研究者でした。双子の妹がいて、自分は優等生、妹が失敗作です。なのでいつも妹を庇うように生きてます。
GM/妹が失敗作なんだ。その妹がハンドアウトのNPC?
イツキ/名前は赤林フタバ(あかばやし・ふたば)です。ハンドアウトに一般人って書いてあるから、きっと能力が目覚めなかったんですよ。だから「妹は僕が守るんだ!」って周囲にツンツンしてる男子です。
GM/十子さんにもツンツンするんだね。
イツキ/そのうちデレるよ。
十子/やったー!(笑) 十子の『重要キーワード』が「生き残り」だから、何かしらの事件に巻き込まれて身内を亡くして、師匠のような存在の人に拾われたっていうことを考えてたんだけど……。
GM/その師匠って、イツキ君達のお父さんなんじゃない?
十子/じゃあお父さんに引き取られて育てられてきた。だから双子とあたしの間には血縁関係が無い。お父さんは死んじゃったから「今度は返す番だ!」。
イツキ/お父さん、殺されちゃった!?(笑)
GM/うんうん、お父さんは良い人だったね(笑) そんな事件が前にあったから、君達のキャラクターレベルは5なんだよ。
十子/そうそう、架空の前回のセッションであんなことがあったから!(笑)
イツキ/うん、あんなところでファンブルを出しちゃったからあんなことに……(笑)
十子/お父さん、ごめんね……あたし達、ダイスを振り直せる特技を持っていなかったんだ……GMがあんな出目だったからお父さんは死んじゃうハメに!(笑)
イツキ/イツキの『ボーナス効果』は「1シナリオに1回、自身の振ったダイスを振り直すことができる」にしました。
GM/「振り直しが大事」だと学んでる!(笑)

 ▼赤林 イツキ (プレイヤー名:すずか)
クラス:[魔術師3/感応力師2]
  体力: 9(+3)  反射: 8(+2)  知覚:11(+3)
  理知:18(+6)  意志:18(+6)  幸運:12(+4)
  HP最大値:19   MP最大値:34
重要キーワード:失敗作   背景:私の父は研究者だ  特徴:優等生である
ボーナス効果:1シナリオに1回、自身の振ったダイスを振り直すことができる  スキルウェポンのイメージ:??
職業:小学生  性別:男  年齢:9歳  身長:?  髪色:黒  瞳色:緑
≪魔導書≫→射程:20m/対象1体に[1D6+6]点の霊力ダメージ(数値計算済)。
≪肉体復元≫→タイミング:メジャー/射程:15m/対象の【HP】を[2D6+6]点回復(数値計算済)。
≪瞬足≫→タイミング:セットアップ/射程:20m/そのラウンドの間、【行動値】に+[2D6]点。
≪幻想式≫→タイミング:判定直前/射程:20m/あらゆる達成値に+4。1シナリオに3回まで。
≪鍵の番人≫→鍵を1つ開けることができる特技。
≪賢者の脳髄≫→目にしたものを細部に至るまで記憶する特技。
≪望淵鏡≫→離れた場所を覗く特技。
≪サイコメトリー≫→接触した人物の感情を奪い、自分が引き受ける特技。
≪過去視≫→知らない過去を見ることができる特技。
≪強化手術:理知≫→【理知基本値】に+3。
≪−50天真爛漫≫→天真爛漫な演出の判定達成値に−50。つまり、天真爛漫では無い演出の判定達成値に+50。

十子/前回のセッションそんなことがあったから、今回は「あたし達、家族になろう!」というテンションで始めます(笑)
GM/了解した(笑) 実際の血縁関係ではないんだね?
十子/血縁じゃない家族の方が萌えるよね。中の人が疑似家族萌えなんだよ!(笑)
イツキ/「姉さん」って呼んだ方がいいの? それとも「十子さん」がいい?
十子/すずかさんが萌える方でいいよ。十子は「姉さんって呼んでくれ!」って言ってるけど。
イツキ/じゃあ最初は「十子さん」でそのうち「姉さん」って呼ぶイベントを発生させる(笑) 双子の妹の性格は、ほにゃ〜っとして天然の入った、ほっとけない感じでお願いします。十子さんが明るくてイツキがムスッとしたタイプなので。


 ●オープニング/楽しい時間の先に

GM/さて、君達3人が行く遊園地「シャイニア」ですが……イメージは、ナンジャタウンです。

 ナンジャタウン
 東京・池袋サンシャインシティ内にある屋内型テーマパーク。併設する「池袋餃子スタジアム」「アイスクリームシティ」「東京デザート共和国」などのフードテーマパークが有名。


イツキ/ハンドアウトで「アトラクション崩落」って書いてあるけど……よく遊園地って崩壊するなぁ。
GM/TRPGじゃなくてもゲームやアニメの舞台になる遊園地はよく爆発するもんだよ(笑) シャイニアは遊園地と言ってますが、体感ゲームで遊んだりジャンクフードを食べ歩いたりする「大きなゲームセンター」って感じの場所です。小学生から参加できる簡単なゲームのアトラクションがいくつもあります。
十子/アトラクションにはそれぞれ設定があるんだよな。「君達はガンナーだからこの銃を持って戦うんだ!」みたいな(笑)
GM/他にも餃子コーナーとかあります。スイーツコーナーや占いコーナーもあるよ。
イツキ/ふーん。……そんな説明を妹に見せられながら「子供騙しだな」って思っておきます。占いの何が楽しいんだ。
GM/(妹のフタバになって)「でも占い師さんがいっぱいいるんだよ! 手相とか手相とか手相とか見てくれるんだよ!」
イツキ/手相しかないのかよ!?(笑)
GM/「おいしい餃子もいっぱいあるよー」
十子/イイね! ビール片手にシャイニア中をまわりたいね!
GM/シャイニアに入場しようか。入場口に入ってすぐ、美味しそうな餃子の香りがしてくるよ。餃子コーナーの次にはデザートに丁度良いケーキコーナーがあって、ケーキに飽きたら口直しにさわやかなアイスクリームコーナーに行って、アイスで寒くなったら餃子コーナーに戻るという……。
イツキ/恐ろしい食物連鎖だ!?(一同笑)
GM/ビール片手にまわれるゲーセンだから凄い楽しいんだよ(笑)
十子/友達が「戻ったら終わりだ……」って言いながら戻って行ったのを思い出したよ(笑) よーし、餃子食べ尽くすぞー!
GM/(フタバになって)「ギョーザ! ギョーザ!」(笑)
イツキ/色気より食い気か……2人とも、いつもだったら体重を気にするのに(笑)
GM/イツキ君、人混みが嫌いそうだね。
イツキ/≪−50天真爛漫≫ですから。
GM/入場すると、猫のマスコットの着ぐるみが目の前に現れる。
十子/シャイニアの猫だから、「シャイにゃん」!(笑)
GM/シャイにゃん が あらわれた!
イツキ/…………。
GM/たたかう まほう にげる?
イツキ/ぼうぎょ!(笑)
GM/ノーセンキューのポーズを握手だと勘違いして、抱きしめてくる巨大猫の着ぐるみ。
イツキ/ギャーッ!?(笑)
十子/イツキ、抱っこしてもらって良かったなぁ!(笑) フタバも一緒に並べー、写真撮ってやるよー!
GM/ぎゅむぎゅむとフレンドリーにイツキを巨大猫がガッチリホールド。
イツキ/恐怖!(笑)
十子/ひきつるイツキを撮りまくる!(笑) なんとかしてほしかったら「助けてください、お姉様」って言えー。
イツキ/ぜ、絶対言うもんかーっ!(笑)
GM/まだここは入場口だからね。ご挨拶を終えたシャイにゃんは、次のお客さんのところに行きます。
十子/ほら、イツキ。シャイにゃんにバイバイは?
イツキ/……もう二度と来るな……(笑)
GM/フタバは既に大きなネコミミを頭に付けている。
イツキ/早っ!?(笑)
十子/早っ!(笑) 可愛いね、この光景!
イツキ/もう……フタバは子供なんだから。フタバの頭を撫でます。
GM/(フタバになって)「やだ! 撫でたらネコミミが落ちちゃうでしょ!」
イツキ/ガーン!? し、ションボリ!(笑)
十子/よーし、餃子を食べに行くぞー! バイク乗りの魂であるバイクを置いてきたんだ! ビール飲むぞグビグビ!(笑)
イツキ/お願いだから飲み過ぎないで!(笑)
GM/「お兄ちゃん、餃子おいしいよ〜」とチーズ餃子を、あーん。
イツキ/……もぐもぐ。
GM/水餃子とか。
イツキ/……もぐもぐ。
GM/揚げ餃子とか。
イツキ/餃子ばっかじゃねーか!
十子/餃子コーナーだからな!(笑) かーっ、やっぱビールがウマイっ!
GM/食べ終わって餃子コーナーを出ると……占いコーナーや飲食コーナーとは別に、小学生から参加できるアトラクションコーナーにやって来ました。
十子/ほら、何で遊ぶんだい? グビグビ!
イツキ/十子さん、飲酒しながらまわるのはやめよう(笑) えーと、どこにしようか……。
GM/「……あそこがいい! 『王子の試練』!」と、フタバがとあるアトラクションを指差します。
十子/どんなの?
GM/新しくできたばっかりのアトラクションらしいね。ファンタジックな洞窟に、剣やモンスターで装飾のされた入り口だ。パンフレットには「なぞなぞ&体感ゲーム。対象年齢10歳から」と書かれてます。
十子/10歳だと2人には1歳足りない。フタバとイツキには難しいんじゃないか?
イツキ/ムッとします。うん、フタバにはまだ早いよ。
GM/「フタバ、アタマ良いもん!」
イツキ/信用ならねー!(笑)
GM/「嘘じゃないもん! 天才少女だもん!」
イツキ/7×6は?
GM/「まだ英語は喋れないもん」
イツキ/英語じゃないよ、算数だよ!(一同笑)
GM/もしNPCが恋人キャラなら、占いコーナーで恋愛相談をしようかって言えるんだけどね。子供のフタバは早く遊びに行こうって誘うよ。
イツキ/十子さんにはカレシ、いないの?
十子/姉さんにはサモエド犬しかいないよ。その犬は一般人には見えない形で隣にいる≪小さな眼≫だから。
イツキ/でっかい≪小さな眼≫だなぁ!(笑) じゃあ……フタバに連れられてアトラクション『王子の試練』に入ります。
GM/入ると、数人の団体様とご一緒に説明を受けます。案内役のセクシー衣装のお姉さんが、謎のモンスターの鳴き声っぽいSEの流れている入口で……魔導書っぽい形の機械を渡してくれます。
十子/魔導書っぽい機械?
GM/一見、ニンテンドーDSみたいな端子。前方の男の子集団はそれを持って超テンション上がっちゃってる。1チームにつき1つ、携帯端子を配布されるよ。
イツキ/なんだ、偽物の魔導書か。
十子/本物を渡されても困るわ(笑)
GM/その機械がスタンプラリーの用紙の役割をします。アトラクション内のミッションをクリアーすると、電子スタンプが押されていくという仕組みです。現代のスタンプラリーは凄いんだよ!
十子/光るし鳴る! 超ハイテク! 楽しそう!(笑)
イツキ/ほ、本格的だな……。一瞬楽しそうな顔をした後に、≪−50天真爛漫≫で表情を戻します。
GM/おお、良い演出を挟んだ(笑) 案内役のお姉さんが一通り、操作の説明をし終えると……周囲が暗くなります。
十子/おっ。
GM/「やあ、よく来てくれた!」 前方に、映写機によるホログラム映像で……王子様の格好をした男性が現れます。「ボクの名前は、ミッチェル王子!
十子/ミ、ミッチェル!?(笑)
イツキ/超正統派王子ネームだった!(笑)
GM/「ボクはこの洞窟の先にある国に住んでいる王子さ! そこはとても良い国だ! キミ達にも是非遊びに来てほしい、とっても素敵な場所さ!」
十子/……う、胡散臭ぇ(笑)
GM/子供向けのアトラクションだから。だがしかし、子供のフタバちゃんは「王子様……ポッ」。
イツキ/お、お兄ちゃんは許しませんよ!?(一同笑) ……あ、でも相手は王子だから玉の輿か。
十子/落ち着け、イツキ。本物の王子じゃねーから(笑)
GM/「でもボクの国に行くまでは、通らなくてはならない試練があるんだ! ここから先の試練を全部クリアーしなければボクの国には辿り着けない! でもみんなだったら大丈夫だよね? さあおいで、ボクと一緒に冒険だ!」
イツキ/……良い国なら、迎えぐらい出してよ(笑)
十子/まったくだ。王子自ら呼び出しとか、胡散臭いにも程があるわ(笑)
GM/周りを暗くして映写機による派手な演出、壮大な音楽と手元のハイテク機器。こういうアトラクションって、最初は冷ややかでもテンションは上がるもんだよ。
イツキ/確かに。……王子のCVイメージは、宮野真守。
GM/そりゃ納得の王子声だ……(笑) ミッチェル王子が「冒険だ!」と言うと同時に、前方の扉が開きます。「おいで」とは言ってるけど、前のチームから順々に入っていきます。
十子/フタバが「早く行こうよ〜!」って言ったりする(笑)
イツキ/じ、順番だから!(笑)
GM/やっと自分達の順番になって、アトラクション内に入っていきます。周囲は草木の洞窟……のフェイク。
十子/おお、凝ってるなぁ。本物みたいだ。
GM/「さあ、最初の試練だ! キミ達の知恵を試そう。この謎が解けるかな!?」
十子/なぞなぞかよ。化け物が出るとかだったら良かったのに!
イツキ/アトラクションを破壊したら、王子の国じゃなくて刑務所行きだからね(笑)

 問題です。
 おわりがはじまりになるものって なあに?


イツキ/…………。
十子/…………。
イツキ/……『戦い』? 終わり無き戦い。人の太古の昔から刻まれた本能! そうか、これは理想郷という有り得ないものに辿り着く為の試練だったのか!
GM/お兄ちゃんの言っていること、漢字がいっぱいでよく判らないよ(一同爆笑) お姉ちゃん判る? フタバは判ったよ」
十子/姉ちゃんはな……頭脳班じゃねーんだ! だから判らん!(笑)
GM/「これ、答えは『しりとり』だよ」
十子/え?
イツキ/あ……言葉の終わりが次の言葉の始まりになる? な、なるほど。

 次の問題です。
 ねててもたつものって なぁに?


十子/朝の。
イツキ/十子さん。
十子/なんでもねえ。下ネタにしか考えられねえ。
GM/「これ、答えは『時間』だよ」
イツキ/……ああっ、そっか! そうだよな、何もしなくても時間は過ぎていっちゃうもんな……フタバ、賢いな。
GM/「えへへ、NPCだからね!」(一同笑)

 第3問です。
 てんをとると おおきくなるどうぶつって なぁに?


十子/『犬』! と、サモエド犬のペケを出しながら!
GM/「正解! ところでペットのご入場はご遠慮ください!」(一同笑)
イツキ/なるほど……漢字で「大」→「犬」だからか……ブツブツ言ってます。
GM/なぞなぞコーナーは以上です。そこを抜けると……次は、水がサラサラ流れるようなSEが流れます。「すごーい! 光の川があるよー!」
イツキ/ガラスが張った下にライトをチラチラ光らせて水を流しているように見せかけているだけだから。
十子/可愛くない子供だ! でもってフタバは間違いなく≪+50天真爛漫≫を持ってる!(笑)
GM/すると、君達の前に、掌サイズの妖精の映像が浮かび上がります。
イツキ/わっ……。
GM/「さあ、妖精さん達と一緒にダンスを踊ろう! 音楽に合わせて、光ったところに手を叩くんだ!」 体感ゲームのコーナーです。ここは簡単に【体力】判定で8以上が出たら成功します。
イツキ/【体力】判定か……仕方ないなぁ、なけなしの体力でやるよ!(ころころ)やった、12。
十子/(ころころ)出目だけで11、ほぼクリティカル成功でイケた。
GM/十子さんは当然クリア、全力出しすぎだよ(笑) イツキ君もクリアしたね。ちなみにフタバちゃんは(ころころ)出目が1・2だったので、ほぼファンブルで失敗。一生懸命やってるけど、音ゲーの仕組みを判ってない。
イツキ/普通の9歳だもん。光った後に叩いてもダメなんだって(笑)
GM/さっきのなぞなぞと今回のダンスに成功したので、魔導書には綺麗なスタンプが浮かび上がっています。そのとき。「痛っ!」という男の子の声。
イツキ/えっ。
GM/前方の男子小学生チームの方からしました。
十子/ん? どっかにぶつけたのかな。世話焼きなので見に行きますよ。
GM/「うわ、お前! 血出てるじゃねーか!」 男の子の腕が、ザックリ切れてる。
十子/うわっ!
GM/服も切られちゃってるね。案内役のお姉さんが現れて「医務室に行こうね」と、傷を負った男の子とその友人達を連れて行きます。
十子/何があったんだ、一体……。
イツキ/……さっきの男の子、怪我したんですよね。血って飛び散ってますか?
GM/そうだね……スタッフさんはまず怪我人を連れて行くことを優先するだろうから、血はそのままかな。残ってるね。
イツキ/その血に触って≪過去視≫を使用します。
GM/了解。……イツキ君の脳内に、とある映像が広がります。男の子達が光の妖精達と一緒に楽しそうに踊っている光景だけど……ある妖精の顔が、つまらなそうな表情になります。
イツキ/ん……?
GM/その妖精が腕を上げると、シュインと鋭い風が立つ。その風が、男の子の腕を切り裂いた。
イツキ/……かまいたち、のようなもの?
GM/映像はそれで終わり。でもそんな危険な仕掛けがある訳が無い。周りを探してみても何もありません。そもそも妖精は映像なんだし、あんなことが起こる筈が無い。
イツキ/……ヒソヒソと、十子さんにそのことを話しておきます。
GM/前の男の子チームが居なくなったけど、君達は先に進んで行きます。……妖精の水辺を抜けると、次は崖と崖に挟まれた長い道に出ました。道を進んでいくと国が見えてくるというセットです。進むにつれて夜になっていくようにライトとSEが設定されています。
十子/遠近法を使ったセットか。……何かあったら怖いので、フタバの手を握っておきます。イツキは握ってくれないのか?
イツキ/……ポケットに突っ込んでいた手を、出します。
十子/よーし、行くかー! って張り切ったらセットにガンっと頭をぶつける! でも≪鬼の肌膚≫だから痛くない!
イツキ/だから≪+50粗野≫なんじゃないか(笑)
GM/いきなり目の前にミッチェル王子が現れる。
十子/わっ!?
GM/にこやかに現れる。
イツキ/ミッチェル王子?
GM/にこにこ。にこにこ。
イツキ/……ミッチェル王子?
GM/口ぱくぱく。にこにこ。笑っているけど、音声が流れない。
十子/……こ、怖っ!(笑)
イツキ/怖っ。スピーカーの故障かな?
GM/「問題だよ。王子って誰?」
十子/王子? 王子って、今までミッチェル以外に王子キャラって出てないだろ……。
GM/(突然声色を変えて凄みをきかせて)「答えられないの!?」
イツキ/えっ。
GM/「答えられないの!? じゃあボクの国には来られないね!」
十子/え……?
GM/そのとき、フタバが「危ない!」と叫ぶ。上を見ると、ゴツゴツとした岩がイツキ君に向かって落ちてくる!(ころころ)命中判定をしました、命中値は16です。
イツキ/か、回避判定!(ころころ)回避値は……9です。
GM/(ころころ)ダメージは、17点! 崖のセットなんて作り物なんだから軽い筈……なのに、本物の岩のように重い。
十子/ええい、≪信義の盾≫を使用!(ころころ)10点削ります! 手を繋いでいたので、2人の上から覆い被さります!
GM/十子さんの上に重い瓦礫が降ってくる。こんな物で頭を打ったら、首の骨がグキッといっちゃうね。十子さんに守られながら倒れるイツキとフタバ。
イツキ/ぐあっ……!
十子/おっぱいがゴメン、重くて!(笑)
GM/……イツキの枕元に、王子の足下。
イツキ/……ガシッと掴む!
GM/掴めます。
十子/……実体化してる!? こ、このまま攻撃すんぞ!?
GM/ところが、君達の上に次々と瓦礫が落ちてくる。
十子/うあっ!?
GM/2回目のダメージ17点、3回目のダメージ17点、4回目の……。明らかにハリボテではない重さの攻撃が繰り返されます。

 「どうだ……怖いだろう……?」
 聞こえてくる、普通ではない王子の笑い声。
 どんどんと重なる瓦礫の重み。潰されていく身体。
 次第に視界が、真っ暗になっていくのだった――。



 ●ミドル1/時間跳躍

GM/2人とも目を覚ましてください。もう息苦しくありません。2人は目を覚ますと、……上も下も右も左も判らないような、渦を巻いたような不思議な空間に居ます。
イツキ/起き上がって……フタバを探します。フタバ!?
GM/フタバは居ません。
十子/んっ……ここは? イツキ、そこに居るのか!
イツキ/十子さん……。
十子/だから姉さんって呼べって……いや、今はそれどころじゃない。フタバはどこだ? あの後、どうなったんだ!?
GM/「赤林十子、赤林イツキ。貴方達は死んだわ」と、突然女の子の声がする。研究者である[魔術師]とループのことを知る[世界遣い]だったらその声を知っ……。
十子/ちゃうねん。姉さん、ハンドアウトの推奨クラスを無視して[異端者]になっちゃったねん。
GM/……イツキ君は知ってていいよ(一同笑)
イツキ/以前のセッションのハンドアウトで知ったってことにします(笑) 声がした方を見て……王子様の次はお姫様かと思ったよ、って睨みつけます。
GM/そこに立っているのは、金髪ツインテールゴシックロリータ服の女の子、龍の聖剣です。

 龍の聖剣。
 時間を戻す力を持った、ゴスロリ姿の幼女。「異端に狙われ殺されてしまうPC達を助ける」という仕事をしている。


GM/(龍の聖剣になって)「先程迎えた貴方達の死は、異端によるもの。それは覚えているかしら?」
十子/あたしも異端なんだけど!?
イツキ/[異端者]は人と一緒に過ごすことを決めた異端だから、十子さんは大丈夫!(笑)
GM/解説ありがとう(笑)「あのアトラクションは、既にとある異端によっておかしな空間になっている。実体を持った何者かに襲われたりするような空間にね」
十子/ああ……あたし達がやられる前に、子供が襲われたりしてたな。
GM/「異端によって貴方達は『新装開店したばかりのアトラクション崩落事故によって死んだ被害者8名』になってしまったわ。だけどこれから、事件が起きる前まで時間を戻す。だから、大切な人が傷付く前に、運命を乗り越えて」と、お願いしてきます。
イツキ/お願いされるまでもない。チャンスをくれてありがとう。
十子/難しい話はいい、ブチのめせばいいんだろ! 脳筋バリバリなことを言います!(笑)
GM/「時間を戻すことはできるけど……既に貴方達が『異端の巣窟となったアトラクションに入る』ことは運命づけられ、逃れることができない。だから奴の領域であるアトラクションの中で、奴を倒さなければならないの」
十子/ああっ、めんどくせーなー!
GM/「奴は≪贄の儀式≫を発動させて、事件を起こそうとしているわ」

 ≪贄の儀式≫
 キャラクターの1体を犠牲(戦闘不能や死亡)にすることで、GMの設定した値分、消費しなければならない代償を減らしたり、制限を無くすことができる。
 例えば、「NPC1人死亡につき特技の消費MPをマイナス1する」など。


イツキ/8名犠牲者が出たってことは、8MPも減らされたってこと?
GM/データ演出としてはそうなってます。ですがここはもっと単純に、「PC達が試練に負けるたびに、異端に力が溜まっていく」と考えてください。人々が試練に負ければ負けるほど異端は強くなり、最終的には異端が大きな力を得て、みんなを殺してしまう……という世界を作り出したのです。
十子/要するに、試練に勝てばいいと!
GM/異端にも色々と制約があるらしく、最初から強い状態で人々を襲うことは出来ないそうです。だから地道にコスト下げからやっているようだね。もちろん最終的には異端を退治する戦闘をしなくてはいけないけど、その前に試練に勝利しないと……。
イツキ/異端が強くなってしまう、と。あいつらが定めたルールの中で勝たなきゃいけないんだな。
GM/「あの異端の巣窟の中で、奴に対抗できるのは貴方達2人だけ。どうか異端の試練を乗り越え、運命を変えてほしい。やってくれる?」
イツキ/……コクリと頷きます!
GM/「私の手を取って」と、小さな女の子の手が、2人に差し伸べられる。
十子/手を握ります!
GM/……次の瞬間、何事も無かったかのように君達2人は、とあるアトラクションの前で立っている。
十子/……イツキに視線を合わせる。
GM/(フタバになって)「このアトラクション、面白そうだよ〜!」
イツキ/……フタバの手をギュッと握る。そうだな、面白そうだ。行こうか!
GM/やる気のお兄ちゃんの顔にちょっと驚きながらも、フタバは「うんっ!」と笑顔で、中に入って行きます。

【『王子の試練』内でのルール】
@アトラクション内でのリドルに回答する、または判定に成功することで先に進むことが出来る。
A失敗するごとにペナルティを受ける。「ひどく疲労した」という演出でのダメージなど。
Bリドルの答えが判らなかった、またシンキングタイムとして与えられた1分間を過ぎても回答できなかった場合、【理知】判定を行なう事で答えを求めることができる。ただし判定の難易度は高い。
Cリドルに回答できるのはPCのみである。NPCフタバは、リドルの答えを知っているが話さない。GMからのヒントを彼女の口で言わせることはある。
D≪コネ「王子の試練」≫は、いかなる判定にも使用することができる。リドル解明判定に使用してもよい。



 ●ミドル2/王子の試練

GM/君達は洞窟の中に入ります。……第一の試練、なぞなぞの間にやってきました。
十子/よし、行くぞ!

 問題です。
 やくことができるのにたべることができないパンって なぁに?


イツキ/……えっと……。
十子/『フライパン』!
GM/正解! 電子魔導書が光ります。
イツキ/え? ……あ、ホントだ!
十子/「食べることができないパンってなぁに?」って、割となぞなぞではスタンダードな問題だから知ってた!
イツキ/その調子でどんどんいこう。何も貢献していないのに言います(笑)

 次の問題だ。
 ふくにもけいたいにもついているはなって なぁに?


イツキ/……『ぼたん』。
GM/正解! ……凄いなぁ。オープニングとは打って変わってパパッと言えてる!(フタバになって)「2人とも、早いよ〜」
イツキ/イエーイ、1人ずつ正解したぜ! フタバも早く答えないと置いていくぞー(笑)
GM/「わ、判ってたもん! お兄ちゃんが言う前に判ってたもん! 言わなかっただけだもーん!」
十子/ああ、妹が可愛い……しかも言うたびにネコミミ姿でジタバタしてるイメージが(笑)
イツキ/俺の妹がこんなに可愛い!(笑)

 第三問。
 わるとやくにたたないけどおるとやくにたたないものって なぁに?


イツキ/…………。
十子/…………。判った。『割り箸』だ。
GM/正解!
イツキ/……ああ、成程! 割るってところからか!
GM/冴えてるなー。前の世界とは大違いだ!(笑)
イツキ/一回目とは違うのだよ、一回目とは!(笑)
GM/でもこのなぞなぞ、1問不正解するごとに【MP】1D6点ダメージだからね。確実に成功しないと恐ろしいことになるよ。
十子/3つ間違えたら3D6点ダメージかよ!(笑)



イツキ/う、これは面倒な問題だ。……地道に数えていくしかないか。
十子/いーち、にー、さーん……えーと。
イツキ/この四角の中だけで4つ……。あー、ホントこういうの脳が疲れる!(笑)
十子/えーと、これとこれとこれと……21個? あと、ここと、ここが……。ああっ、もう訳判んなくなる!
イツキ/……えっと、あ、ここも数え忘れてた……これも1つの三角形だよな……計算が疲れてきた。
GM/シンキングタイム1分経過しました。
十子/えええーっ!?(笑)
GM/君達は、一生懸命考えたけど疲れてしまった……という演出で、ペナルティが発生します。【MP】にダメージ1D6点を受けます。
イツキ/(ころころ)うわっ、【MP】が5点減った……。
十子/(ころころ)こっちも5点も減った!
GM/では、GMからのヒントを与えます。フタバちゃんが「あっ」と口を開きます。「ちゃんと見なきゃダメだよ!」
イツキ/ちゃんとって……。ん? これって、なぞなぞ? 
十子/…………。
イツキ/……右に円、無いよ?
十子/あれ? ホントだ。
イツキ/下にしか円、無いよ。……だとしたら答えは「0」だけど。
GM/正解!
十子/…………ああっ!? ホントだ! 円なんて無い! メチャクチャ計算してた! くっそ、こんなんアリかよ!? 【MP】が5点も削れた! もう駄目だ、あたし死ぬー!(笑)
イツキ/十子さん、大丈夫?(笑) 【MP】は無くなっても倒れるだけだから!
十子/餃子ー! ビールー!(笑)
イツキ/出たらね!(笑)


 ●ミドル3/妖精と一緒に

GM/川のSEがサラサラと流れる水辺にやって来ました。「さあ、妖精さんとダンスを踊ろう!」
十子/よーし、ここからがあたしの出番だな! 「決闘」って書いて「ダンス」な!
イツキ/そんなヤンキーなこと……(笑)
GM/君達の前に現れた妖精は……映像にしてはやけにハッキリと見えた。まるで実体化しているかのようだ。
イツキ/これは……。
GM/君達の耳元に、可愛らしい声でコソッと囁いてくる。「さあ、ボク達を楽しませて」 それでは『AF判定』に参ります!

 AF判定
 高難易度の複雑な関門を、複数人で、複数ラウンドに分けて演出し成功させるという特別な判定。判定ロールの前にどの特技でどんな風に判定するかを演出することで、難易度を「1特技につき2ずつ」減少させることができる(このとき代償は消費されない)。クリティカルを出した場合達成値は30、ファンブルを出した場合はAF判定自体が自動失敗となる。


『AF判定:妖精と踊れ』
 ・使用能力値:任意の能力
 ・難易度:80
 ・ラウンド制限:3ラウンド

※「妖精と一緒に踊り、楽しませる」演出に成功すること。
※クリンナッププロセスに、妖精が「踊りに飽きた」と風を起こし、2D6点の【HP】ダメージを生じさせる。この対象はPC達限定とする。


イツキ/うーん、2D6点の【HP】ダメージが来ると下手したら一撃で倒れる。参ったな……。
GM/では、判定開始! セットアッププロセスに何かする人は?
イツキ/【行動値】を上げても何も無いので、しません。
GM/それなら今後、セットアッププロセスを省略するね。【行動値】は十子さんとイツキ君、どちらも11なので……【反射】の高い十子さんからどうぞ! 妖精達は「一緒に踊ろうよ!」って言ってくるよ。
十子/じゃあ……くそ、ダンスなんてどうやって踊ればいいんだよ! と言いながら、≪+50粗野≫。揺れる、≪+50おっぱい≫!
GM/周りの男の子達が鼻血を吹く!(一同笑)
イツキ/(男の子達になって)「うわ、すげえ!」「おっぱいだー!」(笑)
十子/ええい、忘れろ! ≪忘却の末≫! 男子達の『イベントキー:おっぱい』を奪い取る!(笑)
イツキ/(男の子達になって)「いいもの見た気がするけど思い出せねー!」(笑)
十子/あたしだけ踊るのも癪だ。ペケ、お前も踊れ! と≪小さな眼≫
GM/(男の子達になって)「い、犬が出た! 犬が出たぞー!」と大騒ぎ(笑)
イツキ/おっぱいと犬……子供が大好きな組み合わせだな(笑)
十子/踊るペケに対して≪叱咤激励≫。もっと可愛く踊るんだ!
GM/(ペケになって)「わ、わふっ! わふ!」 マルマルモリモリー……犬も一緒に踊り始めました。特技宣言は以上でいいかな?
十子/はい、≪+50粗野≫と≪+50おっぱい≫、≪忘却の末≫≪小さな眼≫≪叱咤激励≫で……全部で5つです。
GM/特技を5つ使ったので、難易度が10下がり、『現在難易度:70』になります。
十子/判定は【体力】でいきます!(ころころ)達成値は……11でした。
GM/『現在難易度:70分の11』です。では、イツキ君のターンどうぞ。現在の状況ですが、おっぱいを見ていた男の子達がサモエド犬に夢中になっています。
イツキ/……≪−50天真爛漫≫を使用。あんな楽しそうに踊れない。
十子/イツキがショックを受けた!(笑)
イツキ/でも僕は僕の出来る範囲で頑張るんだ! ≪強化手術:理知≫で自分の頭をフル回転させます。≪賢者の脳髄≫で、今の十子さんの動きを完璧に覚える。
GM/おおーっ!
イツキ/ちょっと遠くで踊っている男の子達を≪望淵鏡≫で感知してトレースする。……あの運動量は僕の体力では無理なので、≪瞬足≫を使います。
GM/おおお、ウマイなぁ! 特技を5つ使用したので、『難易度:60』まで下がりました。
イツキ/判定は【理知】でいきます。(ころころ)お、悪くない。達成値は15!
GM/『難易度:60分の26』になります。では第1ラウンド終了しました。男の子達は超大盛り上がり、「なんだ、アイツやるじゃん!」 ……だけどそれは、男の子達が喜んだに過ぎなかった。
十子/そうだね、おっぱいと犬もお姉ちゃんに夢中だっただけだよね!(笑)
GM/だから妖精は「……つまんない。なんだよ、帰れよ!」と手を上げる。すると君達の体の一部が切り裂かれる。2人とも、2D6点のダメージを受けてください。
十子/(ころころ)残り【HP】11です。
イツキ/(ころころ)……残り【HP】が8になりました。
GM/第2ラウンドに移行します。十子さんのメインプロセス、どうぞ!
十子/まず……風で攻撃が当たったので、≪鬼の肌膚≫を使用。別にこんなん、屁でもねーよ! 気にしないで踊ります。
GM/おお……強いお姉ちゃんだ。
十子/妖精って実体化してるんだっけ?
GM/うん、掴めるぐらいハッキリしてる。
十子/じゃあ……そんな所で見てるからつまんないんだろ? と、≪母の腕≫で抱きこむ。触ったときに触れる≪+50おっぱい≫。
GM/妖精が幸福そうな顔をする! 「実体化、悪くない!」(一同笑)
十子/≪物品調達≫で懐から飴玉を出す! 女と子供は甘い物に弱い!
イツキ/ズルイ!(笑) まあ、妖精なら飴かミルクで満足しそうだけど……。
十子/取り出した飴玉を≪浄化の一撃≫の要領で、妖精に向かって投げる!(笑) 具体的に言うとクラスレベル体だから3匹!
GM/3匹の口にポポポポーンと飴玉が投げ込まれる! 「うまい、うますぎる!」(笑)
十子/1体はおっぱいで確保! 3体には飴玉! これでもつまんないって言えるのかぁ! これで特技5つ、難易度が10下がった。【体力】でいきます。出目が良くなーれ!(ころころ)おお、達成値16だ!
GM/『現在難易度:50分の42』です!
イツキ/ということは……残りは8か。
「うまい、うますぎる!」
 埼玉銘菓十万石饅頭のテレビCMで流れるキャッチフレーズ。今回のプレイヤー、ユウとすずかが生粋の埼玉県民であることとは直接の関係は無い。
GM/実質、あと達成値8以上が出れば成功ですが……妖精を満足させる結果じゃないと判定成功にはならないから、頑張って満足させてね。
イツキ/……では、さっきの切り傷を≪肉体復元≫で修復する。妖精と触れ合ったので、≪サイコメトリー≫を使用。妖精から「つまんない」という感情を一時的に抜きます。
GM/おお、うまいー!
イツキ/でもって≪過去視≫で、妖精の好きそうな踊りのデータを盗む。
十子/あ、頭良いなぁ!
イツキ/僕は体力で勝負するのは無理だからね。……自分の基礎的な能力では足りないというのが判るので、≪魔導書≫を開いて≪幻想式≫を自分に使います。これで難易度10マイナス!
GM/では『難易度:40分の42』になりますが、判定に成功させなければいけないのでダイスを振ってください。ここでファンブルが出ると失敗になります。
イツキ/ここでファンブルが出たら逆においしいよ!(ころころ)OK、達成値14で成功!
GM/『難易度:40分の56』。難易度以上の達成値が出たのでAF判定成功です! 素晴らしいダンスを……最終的にイツキ君が踊りました。
十子/カッコイイぞ、イツキー!(笑)
GM/「つまんない」という感情を抜いたのもあるけど、純粋にイツキ君のダンスに妖精達は感動してます。十子さん、男の子達、妖精達のデータを集結させたダンスに大拍手。男の子達もフタバも大歓声です。
イツキ/同じことは二度も出来ないよ!
GM/(男の子達になって)「スゲーな、おめー! 後で教えてくれよー!」と、男の子達を誰1人傷付けることなく……シーンを終わりにします。
イツキ/いや、ちょっと待って。シーンを終わらせる前に! 妖精! お前ら何者なんだよー!?(笑)
GM/おっと(笑) ではフタバちゃんと男の子達だけ仲良くシーン退場させることにします。
イツキ/フタバに変な虫がついたら殺す勢いで≪魔導書≫をセットしておく!(笑)
十子/おっぱいに挟まってる妖精を尋問するか?
イツキ/た、楽しそうに「はにゃ〜ん」って感じの笑顔で挟まってやがる(笑)
GM/(妖精になって)「はにゃ〜ん、上機嫌だからなんでも教えちゃうぞ〜」
イツキ/やった、友好的だ。王子について知っていることがあったら可及的速やかにゲロっちゃいなよ。
GM/「えっと、王子って……ミッチェル王子っていう設定だっけ?」
十子/設定って言っちゃった!(笑)
GM/「異端の本名はミッチェルじゃないもん。……あの異端は、『楽しい』という正の感情から『怖い』や『死ぬ』という負の感情に転がり落ちる人を食べるのがスッゴイ好きなんだ!」
イツキ/なんと。……「恐怖というものには鮮度があります」って言いそうだな(笑) 切り替わる瞬間の静的ではない動的な恐怖が好きな異端か。
十子/絶頂から「ヒャッハー!」ってジェットコースターのように落ちていくのが楽しいんだろうね。高低があればあるほどおいしいのか?
GM/「うん。まずはいっぱい楽しませておいて、キョトンとした瞬間を頂くのが良いんだって」
イツキ/それじゃあ……どこまでもどこまでも「楽しい!」って思っちゃってるフタバなんて、格好の獲物じゃないか!
GM/その妖精の話を聞けば、君達も思い出せる筈だ。……前の世界、王子はいきなり現れたよね。意味の判らないことを言ってきたりしたよね。しかも唐突に声を変えたり、怖かった筈。
十子/そして、意味も判らず押し潰されて死んだ……。
GM/美味かったです。仕事明けのビールぐらいにな!
十子/……この、外道(笑)
GM/「ボク達は楽しい気分でお腹いっぱいになれる単なる[稀人]の妖精だから、ただバイトしてただけなんだよ〜」
十子/バイトかい!(笑)
GM/「害は無いよ〜。真空波を起こしたのは……つまんなかっただけだも〜ん」
イツキ/前の世界で怪我をしていた男の子も、あの中では一番どんくさそうだったもんなぁ……(笑)
十子/おい、つまんなかったってだけであたしの【HP】が8点も減ったんだぞ! おっぱいで圧死させんぞ!
GM/「や、やっぱ実体化って良くな……ぐえっ」(笑)
イツキ/やめて、妖精の逆襲は怖いんだよ!(笑) ……アイツはアトラクションの王子の姿を借りて、客を楽しませたり驚かせたりする異端か。質問をしてきても惑わせるのが目的で、回答することには意味は無い……。
十子/よし、有無も言わせず殴りゃいいんだね!(笑)
GM/「うん、それがほぼ正解。怖がったり驚いたり『負の感情』を生じさせたら異端は強くなっちゃうんだよ。だから身構えていけばいいんだよ〜」
十子/腹の立つ異端だね。瞬殺するぞ!
GM/まあ、ぶっちゃけ……『リドルシナリオでアハ体験をしたら負け』というネタでした。
十子/なんてオチだ!(一同爆笑)
イツキ/ああっ、脳が痒い!(一同笑)

 異端への対処法を得た2人。
 イツキは≪肉体復元≫で、十子は自身の『ボーナス効果』を利用して【HP】を回復した。
 十子 :現在HP16  MP16
 イツキ:現在HP17  MP24


GM/2人が相談を終えて先に向かうと……男の子達に囲まれてアイドル状態のフタバちゃんが見えてきます。
十子/……おい、イツキ。ちょっとアイツら、殲滅すんぞ(笑)
イツキ/フタバの手を引っ張ります!(笑) もう行くよっ!
GM/「わっ」と驚くフタバちゃんは、仲良くなった男の子達に笑顔で手を振ります。それと……「あのね! みんなね、お兄ちゃんのことスゴイスゴイって言ってくれたんだよ! 嬉しい! お兄ちゃんのこと褒められるの凄い嬉しいよ!」
イツキ/は、恥ずかしい!(笑) 十子さん、助けて!
十子/微笑ましい顔をしてます(笑)
GM/「お兄ちゃん、ダンスサークルに入ろうよ! 凄くカッコイイと思うよ〜」
イツキ/僕はあんなものには全然興味が無いんだから!(笑)
GM/そんな感じでフタバは元気です。次の試練に向かおうか。
十子/……そろそろイツキと『契約』しておきたい。イツキの目を見ます。

 契約
 PCが2人以上で主従の契約を交わすこと。どちらかをマスター(主)、どちらかをサーヴァント(従者)になるか決定する。マスターになったPCはサーヴァントのPCに1シナリオ3回だけ「絶対服従の命令」「シーンの強制登場・強制退場」「達成値+20」をすることができる。

十子/……イツキ、おそらく次が正念場だ。
イツキ/……コクリと頷く。
十子/全力で行く必要がある。判るな? あたしみたいな異端とするのは嫌かもしれないけどさ……契約してくれるかい?
イツキ/そんなことはない。信頼してる。手を出します。……まだ「姉さん」って言わない(笑)
十子/い、言うの待ってたのに!(笑)
GM/ではお互い握手を交わして、契約完了。キャラクターシートのマスターとサーヴァントの欄に、お互いの名前を記入してください。
イツキ/十子さんをマスター、イツキをサーヴァントにします。
GM/契約完了。犬が「イツキよ。オレ達、同僚になったな……」という顔をする。
イツキ/そういう訳じゃなーい!(笑)


 ●クライマックス/王子と対決

GM/君達は、国に続く長い道を歩いていきます。フタバちゃんもルンルン楽しそうに歩いています。
イツキ/ルンルン楽しそう……(笑)
十子/あたしが一番前、ペケを一番後ろにして、2人を守ります。
イツキ/真ん中で、フタバと手を繋いで歩いています。
GM/歩いていると突然、持っていた電子魔導書がパァーッと光り出……。
十子/(GMが言い終わる前に)魔導書を叩き割る!
イツキ/えっ!?(笑)
GM/…………。パリーンと、機械が割れました。
十子/捨てる。
イツキ/……と、十子さん(笑)
GM/フタバちゃん、オロオロ。「こ、壊しちゃったよ?」
十子/妖精が言ってただろ? 驚いたら駄目だって。真っ先に異変は排除した方がいい!
イツキ/十子さんの行動に驚いたよ!?(一同笑) 異変は解明して知識として蓄えた方が驚かないよ!
GM/次に、携帯電話がキラキラと光り出す。
十子/バキィッ!
GM/やっぱり! やると思ったから言ったよ!(笑)
イツキ/今度は驚かなかったぞ!(笑) 十子さん、電子魔導書はセットにぶつけて落として踏んで壊したという死のピタゴラスイッチが発動したって言えば怒られないから!
十子/流石イツキ、頭良いな!
GM/君達の前に、いつの間にか王子風の男が立っている。
十子/先手必勝ッ! 実体があるから殴れる筈だバキィーッ!
GM/クライマックスの演出ぐらいさせろ!(一同爆笑) 正統派王子らしく華麗に綺麗にシャランラーと避ける。「まったく、随分野蛮な冒険者さんだね……」
十子/≪+50粗野≫だからな!
GM/「これから試練を受けてもらう……つもりだったけど、キミ達は試練に必要なマジックアイテムを壊してしまったよ。どうしようねぇ?」
十子/そもそもなんでお前の土俵で戦わなきゃいけないんだよ! 解せぬ! 能書きはいいからかかって来いよ!
GM/「オヤオヤ、キミ達は思った以上に下衆な食材だったようだ。……でも、こうすると美味しくなるかな?」 王子が優雅に右手を上げると、金色の風が舞い上がる。すると……イツキ君の隣に居たフタバちゃんが、ピンッと背筋を伸ばす。
イツキ/フタバ!?
GM/シャイニアに来たときから付けられていたネコミミが風と同じ、金色に光る。そのネコミミに操られるように……フタバの目に光が無くなっていきます。
十子/ネコミミを取る!
GM/取ろうとすると、王子が華麗に避けたときのようにスッと素早い動きをする。
十子/≪母の腕≫でエキストラ無力化! 驚いて抱きとめる!
GM/「驚いたね」
十子/あっ。
GM/「美味しいよ」
イツキ/これは……確かにおいしい!(笑)
GM/習得していた特技を使ってくれたので、無事フタバは敵側にまわることなく……保護することができます。すぐにネコミミを外すことができるよ。
十子/……随分ナメた真似してくれるじゃねーか! ドスのきいた声で言います!
GM/「ああ、気持ち良い声だ。その震える声が聞きたかったんだよ……」と綺麗な王子の声でうっとり言います。
十子/このドM!(笑)
イツキ/ある意味ドS。CVイメージ宮野真守じゃ仕方ないな(笑)
GM/「オヤ、少年の方も怖がってくれないかな? 今、大切な妹さんが虚ろな目になったんだよ」と、イツキ君の方を見ます。
イツキ/……驚くより先に、アンタへの怒りが湧くね。帽子で表情を隠して、≪−50天真爛漫≫で心をガードします。
GM/おおっ、凄いカッコイイ演出。「残念だ。……もっと苦しんでくれれば良かったのに!」 王子はシャランラと綺麗な光を起こすと、すぐ傍に兵士を2体出現させます。では戦闘開始します!

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:イツキ
 エンゲージ2:十子
  (↑5メートル離れている↓)
 エンゲージ3:兵士×2体
  (↑3メートル離れている↓)
 エンゲージ4:王子

【行動値】
 十子:11
 イツキ:11
 王子:10
 兵士×2体:6


GM/(王子になって)「ここはボクの領域。ボクは魔法が使えるんだ。うまく動けると思うなよ」と、クリンナッププロセスごとに何かをするという伏線をまいておきます。
イツキ/ひー(笑) でも2人とも遠距離攻撃なんだ、何が来ても大丈夫!
十子/フタバはペケが守っていることにします。≪小さな眼≫で視覚を共有してるから、フタバに異変があったらいつでも対処できるようにする!
GM/では第1ラウンド、セットアップ。王子は≪闇の血統≫を使用。ダメージに+1D6をします。
十子/こちらはセットアップに何も行動しません。
GM/セットアップは今後省略するね。メインプロセス、【行動値】と【反射】の高い十子さんからターンどうぞ。
十子/マイナーアクションで≪毒の魔弾≫を使用、≪浄化の一撃≫で3体全員に攻撃します! 命中判定!(ころころ)命中値16です!
GM/3体は回避判定をします。(ころころ)うう、3体とも全員回避失敗だ。
十子/おっしゃ!(ころころ)ダメージは、7点! 範囲攻撃だからダメージは少ないけど……1点でもダメージが入った?
GM/うん、全員1点以上は受けました。
十子/毒のバッドステータスを食らえ! クリンナッププロセスごとに、1D6点の実ダメージが入ります!
イツキ/やった! 十子さん、強い!
十子/でも≪毒の魔弾≫はコストが高いんだ……命中とバステが乗るけど、何度も使えない!
GM/3体とも毒になりました。次は、イツキ君のターンだよ。
イツキ/うーん……イツキは待機します。これからダメージが来るかもしれないから。
GM/待機か。じゃあ王子のターンだね。1D6を振って偶数が出たら十子さん、奇数が出たらイツキ君を攻撃します。(ころころ)……4。
十子/偶数だからあたしだ!
GM/十子さんを狙って、≪幻の射撃≫。霊力ダメージの攻撃をします。
十子/【霊力防御点】は0だからヤバイな。(ころころ)……回避、ファンブルだった。
イツキ/……ファンブルを振り直せるような特技は無いよ。
GM/(ころころ)こっちは普通に成功したので当たってね。(ころころ)12点の霊力ダメージです。
十子/……【霊力防御点】は0です。全部受けると残り【HP】は4点になる。
イツキ/……マズイね。
GM/次にモブ兵士Aのターン。(ころころ)奇数が出たので、イツキ君の居るエンゲージにマイナーアクションで移動します。
イツキ/お、こっちに来た!
GM/兵士が≪片手武器≫で命中判定!(ころころ)命中12でイツキ君に当てようとします。
十子/イツキの回避判定に≪叱咤激励≫! 達成値に+2をして!
イツキ/(ころころ)お、12ピッタリで避けた! 十子さん、ありがとうー!
GM/今度はモブ兵士Bのターン。(ころころ)また奇数だ。イツキ君のエンゲージに移動して命中判定をします。(ころころ)11で当てるよ。
イツキ/なんとか……!(ころころ)12で成功!
GM/避けられたー。……では、待機してたイツキ君のターンどうぞ。
イツキ/姉さんを≪肉体復元≫で回復します。
十子/頼んだよ、イツキ! 令呪を使用! その達成値に+20をしてくれ!
イツキ/(ころころ)11+20は……31点【HP】を回復! 頑張って、姉さん!
十子/ああっ、デレた!(笑) これは【MP】も回復してもいい!
GM/しねーよ(笑) ではクリンナッププロセスに、王子は綺麗な声で魔法を唱え始めます。すると君達の周りに……先程の妖精よりずっと禍々しいモノが纏わり付いてきます。
十子/ええい、とっとと帰れよ派遣社員!(笑)
GM/【体力】判定、難易度10に成功してね。これに失敗すると【MP】が減るよ!
十子/【MP】が減ったら生きていけない!(ころころ)よし、余裕で成功!
イツキ/(ころころ)やった、こっちも11で成功!
GM/フタバにも禍々しい化け物が襲い掛かりますが、ペケが「ガルルルー!」と彼女を守る……という演出をしておきます。
十子/可愛いー!(笑)

 クリンナッププロセスに、毒の効果で兵士Aは6点、兵士Bは4点、王子は3点の実ダメージを受けた。
 第2ラウンドのセットアッププロセスに移行し、すぐさまメインプロセスへ。十子のターンとなった。


イツキ/姉さん……僕のエンゲージに来てくれると嬉しいかな。兵士は≪片手武器≫での攻撃しかしてこないから、【物理防御点】50の姉さんが居てくれると心強い!
十子/判った。マイナーアクションでイツキの居るエンゲージまで移動します。その後に≪浄化の一撃≫で3体に攻撃!(ころころ)おっ、命中判定でクリティカルが出た!
イツキ/凄い!(笑)
GM/(ころころ)3体とも回避できませんでした。1セッション中にファンブルとクリティカルが出た。「姉さん」って言われたから力が出たんだよね、ダメージに+1D6してねー(笑)
十子/さっきの回避は駄目だったけど、ここで挽回!(ころころ)ダメージは6点です。……うーん、ちょっと低かったな。
イツキ/でも、足せる特技は無いんだ……。
GM/けれど、毒で大きなダメージを負っていた兵士Aが、光になって消えます。1体撃退!
イツキ/よし、それなら今度は僕が兵士Bを攻撃します。≪魔導書≫!(ころころ)命中は17。
GM/(ころころ)回避失敗、当たります。
イツキ/(ころころ)ダメージは……霊力10点!
GM/パーン。兵士Bも光になって弾けていなくなりました。……では次に王子のターン。2人が同じエンゲージに入ったので、攻撃を範囲化させる≪乱舞≫を使用して≪幻の射撃≫で攻撃します。その命中判定に、≪失われた日々≫を使用。
十子/うえーっ!?
GM/「確かにボクは、君達を美味しく食べた……筈だった。しかしキミ達は生きている。どういうコトだろう? まあいい、またボクの食卓に並べてあげるよ!」……と、世界がループしたせいで彼の有意義な時間が失われた、という演出をします。
イツキ/なるほど。でもって異端は世界が巻き戻ったことには気付いていないんだ……。
GM/命中判定、ほい!(ころころ)ピッタリ20でした。
イツキ/……令呪を使用して達成値+20してもらえれば、何とか避けられる。
十子/それでいこう! イツキ、避けな! 令呪使用!
イツキ/指示に従って、屈みこむように避けます!(ころころ)よし、ファンブルじゃないので+20を貰って確実に避けた! ……十子さん、≪幻想式≫を使って避けてみる?
十子/うーん……回避値が5で、≪コネ「王子の試練」≫を使っても難しいと思うからヤメておくよ。(ころころ)あ、クリティカル。
イツキ/マジでぇ!?(笑)
GM/「イツキ、避けな!」って言いながら、姉ちゃんも華麗に避けたね!(笑)
十子/今日の出目おいしいな! 流石、PC1!(笑)
GM/「また食卓に並べてやるよ」なんて王子が狂ったことを言ってるけど、そんなの君達には届かない! ≪幻の射撃≫によって実体化した瓦礫が落ちて来たけど……全部避けきった!
イツキ/その攻撃は、前の世界で一度見ているからね。
十子/もう二度目は驚かないな!

 クリンナッププロセスの悪霊達による精神攻撃は、十子の≪叱咤激励≫で援助することで、2人とも無事成功した。
 王子は毒のバッドステータスを受け、第3ラウンドに移行する。

十子/相も変わらず≪浄化の一撃≫で攻撃いきます。(ころころ)命中は14!
GM/(ころころ)回避12で当たります。
十子/(ころころ)ダメージは5点です。……軽戦士みたいな出目だね。
イツキ/軽戦士って出目が軽いワケじゃないからね!(笑) イツキも≪魔導書≫で攻撃します。(ころころ)命中18!
GM/(ころころ)回避失敗、当たります。
イツキ/(ころころ)……出目が低い。『ボーナス効果』のダイス振り直しを遣います!
十子/お、振り直した!
イツキ/(ころころ)さっきより上がった! 9点ダメージです。
GM/「ジジジジ……」と、王子を形成していた光がどんどん荒くなっていきます。

 王子は≪乱舞≫≪幻の射撃≫の範囲攻撃で、何度も2人を窮地に落とそうとする。
 だが、そのたびにイツキの≪幻想式≫や、十子の≪叱咤激励≫で回避し続けた。
 王子の光による攻撃だけではない、瓦礫による攻撃もなんとか回避し、毒により王子の動きを止め……。


十子/予想出来れば怖いもんじゃねえ! イツキ、やっちゃいな! 令呪を使え!
イツキ/命中判定に≪幻想式≫を使用。(ころころ)命中は19!
GM/(ころころ)……回避失敗。
イツキ/ダメージに令呪を貰います! 達成値に+20をして(ころころ)……27点の霊力ダメージ!
GM/……その一撃で王子の【HP】は0になる! ジジジジと荒くなっていた王子の光が、ついにパーンと弾ける!
イツキ/やった……。
GM/はて、周りを見ると発砲スチロールのような軽いセットの瓦礫が散乱してるよ。
十子/本物じゃなくなってる。……よし、電子魔導書はこのハリボテが落ちてきて壊れたことにしよう!(笑)
GM/そして……フタバちゃんは、サモエド犬の背中に乗っかって寝ています。
イツキ/か、かわいい(笑)
GM/そのとき、「さあ、第3の試練だ!」と王子が現れる。
十子/あ……もう、普通だよな?(笑)
GM/普通の綺麗な声の王子だね。その声を聞いて、フタバはパッと目を開ける。(フタバになって)「……わ、寝ちゃってた」
イツキ/さっきのダンスで疲れちゃったんだよ。まだ寝てる?
GM/「お、起きるー! ちゃんと最後まで試練するー!」……では、最後の試練始めようか。


 ●エンディング/試練を抜けて

GM/こうして王子からの最後の試練を越え、君達は無事……王子の国にやって来ることができました。
イツキ/なんか最後の試練は『ネプリーグ』的なものを想像した(笑)
十子/トロッコに乗ってクイズに答える的な(笑) そのときに≪コネ「王子の試練」≫を使って答えました!
GM/無事正解した君達は、全てのスタンプが押されたキラキラの魔導書を持って……観音開きの国の門を開きます。「全部クリアしてくれた君達は、僕の国の招待客に相応しい!」 その先は……綺麗でファンシーなレストランでした!
イツキ/おおーっ!
十子/レストランに繋がってたんだ。
GM/レストランの入り口は別にあるけど、ここはアトラクションをゴールした人専用のVIPレストランです。普通のレストランコーナーから入れない特別な場所だよ!
イツキ/あとお菓子1品とドリンク1本が無料配布プレゼントしてくれる、みたいな?(笑)
十子/入場料とトントン、みたいな?(笑)
GM/そうそう(笑) お城のようなレストランで、王子様仕様になっているシャイにゃんにドリンクと可愛いお菓子をプレゼントされます。(フタバになって)「わーい! シャイにゃん、ありがとー!」
イツキ/疲れた……。でも、ちゃんと笑ってありがとうって言いながらお菓子を受け取ります。
GM/「あのねあのね、シャイにゃんー! お兄ちゃんねー、すっごいダンスをしたんだよー!」
十子/(着ぐるみのシャイにゃんになって、大袈裟なアクションで)「わあーっ! スゴーイ! ホーントォー!?」(笑)
イツキ/は、恥ずかしい!(笑)
GM/先にゴールした男の子達もイツキ君達の元にやって来ます。「おい、ダンス教えろよー」
イツキ/だから何度も出来ないって!(笑)
GM/(男の子になって)「面白かったよな、最後のクイズ! 答えがウルトラマンだったやつさー」
十子/そんなクイズだったんだ。
GM/それを聞いたフタバちゃんがキョトンとします。「最後の答え、ウルトラマンじゃなかったよ。変わるんだね。……ねえ、もう一回やろ!
イツキ/ええーっ!?(笑)
GM/「だって毎回なぞなぞが変わるんだよ! もう一回やろーよー!」
十子/フタバ、他にももっと面白いアトラクションがいっぱいあるよ!(笑)
イツキ/そうそう、同じことしたって面白くないよ……(笑)
GM/「えー、何度遊んだってきっと面白いよー」……と、『ループって面白いよね』とループ大好きなGMが言っておきます(一同笑)
イツキ/……でも先に……お腹も空いたし、餃子を食べに行こうか。
GM/「疲れちゃったの? じゃあ、餃子コーナーに戻ろうか!」
十子/ビールがウマイ!
イツキ/また飲むのか!(笑)
GM/「お腹いっぱいになったらまた遊びに行くよ! あと……お兄ちゃんの行きたいところ、考えておいてね!」
イツキ/うん、判ったよ……。笑いながら、手を引かれて行きます。


 アナザーワールドSRS・リプレイ
  〜 王子の試練 〜





END


 ●反省会/お疲れ様でした!

イツキ/姉ちゃん、カッコ良かったよ。あと、妹カワイイよ!(笑)
GM/クリティカルとファンブル、どっちも出たのは良かったな。リプレイとして華があったよ(笑)
イツキ/あの……電子魔導書を壊しちゃいましたけど、あれって最初はどういう予定だったんですか?
GM/いきなり光り出して、魔導書の中からモンスターが出てきて驚いちゃうという予定でした。
十子/でもバキーンしちゃった。だって妖精さんがアドバイスしてくれたから(笑)
イツキ/寧ろ、僕は姉ちゃんのバキーンに驚いたよ(笑)
GM/あと予定では、遊園地のアイテムであるネコミミを付けていたNPCが王子側の味方として操られちゃって襲い掛かってくる……とか考えてた。そのときはモブ兵士のデータ流用で、もちろん死亡はしない扱いね。エキストラ無効化の特技を持っていたのでこうなったけど。
十子/妹と戦うのは苦しいな……!
GM/あまり私は得意じゃないリドルは『子供向けのなぞなぞ』ということで消化させていただきました。ネコミミを付けられて、なぞなぞ対決ができて、王子に会えるっていったら……私の頭に真っ先に浮かんだのが、ナンジャタウンでした!(笑)
十子/なんだか行きたくなってきましたよ(笑)
イツキ/敵が『超正統派王子キャラ』でしたね。
GM/王子だよ。私の男NPCなのに、32歳じゃなかったよ。私、32歳大好きなのに。
十子/32歳で王子だったら、「はよ嫁取ってこいや!」って言うよ!(笑)
GM/GMお気に入りは、ダンスのシーンで体力派の十子さんとは反対に、イツキ君が理知的なロールでクリアーするところです。あの演出は凄く好き!
十子/うん、アレは良かった!
イツキ/副特技をいっぱい取った甲斐がありました。ありがとうございます。
GM十子イツキ/それでは、お疲れ様でしたーっ!




END

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