アナザーワールドSRS・リプレイ・アウトレイジエリア
■ 前半戦 2ページ ■
2013年6月30日




 ●オープニングフェイズ3/叡斗 〜相庭脩駕〜

GM/オープニングシーンが叡斗視点に戻ってきます。2人プレイのため単独シーンが多いため、シーンを小まめに区切って順々に進めていく方式です!
叡斗/了解しました!
GM/君はまだ飛行機の中、空の上に居ます。これからは叡斗くんがこれから向かう異端刑務所についてご説明しましょう。復習がてらファイルを見始めるシーンですね。
叡斗/はい。ファイルをパラリと読みます。
GM/今から叡斗くんが向かう場所は、青森県の平鷲島にある特定精神医療施設『シズ』です。全国で50ヶ所ある刑務所のうち10ヶ所、異端刑務所という能力者の犯罪者を収容している場所があります。
統十郎/はい。
GM/『シズ』は離島の異端刑務所ですが、比較的交通の便が安定している場所です。空港を降りて2時間程度で行ける立地ですよ。そこに居る能力者の犯罪者は数十名……君はその全員のリストを持っています。そのリストにある名前で、君は有名な名前を見つけます。
叡斗/ふむ。
GM/相庭脩駕。それは君のように能力を持った犯罪者について学んでいる人ならば、誰もが知っている名前かもしれません。
統十郎/そんなに大きい事件だったんだ?
GM/その説明なんですが……。能力者が引き起こした裏社会側の事件は、教会のエージェント達のような存在による隠蔽工作のおかげで公表されることはありません。[聖職者]の≪特権階級≫という特技の効果で露呈されないし、表に出てもいいような内容に改変されるんです。
統十郎/ふむふむ。
GM/さて、相庭脩駕の事件の内容なんですが。……彼は2年前、某病院の子供、老人、男女問わず8人の入院患者を斬り殺しました。その日のうちに取り押さえられましたが、捕まるまでの間、テレビ中継されていました。
叡斗/ほう……。
GM/確保された犯人は16歳の少年。それだけでも話題性抜群なのに、なんと彼は精神薄弱だったことが判明。解離性同一障害だったということも判り、少年に、精神病患者に罪が問えるのかとワイドショーを賑わすことになりました。
叡斗/はあ……。
GM/叡斗くんは「同い年の子が事件を起こした」ってことから印象強く覚えているんじゃないかな。たとえ自分が意識しなくても、周囲からは「16歳が」と安易に言われることもあるだろうし。
叡斗/そうですね。年が同じだと記憶にも残りやすいでしょうし、ちょっと悪い気になりますね。未成年だってことは顔は出なかったんですよね?
GM/ええ、顔と名前は公表されていません。ですが「16歳の多重人格者の猟奇殺人鬼」として有名になりました。……さて、この時点で詳しく資料を読むなら、【理知】判定で難易度8に成功してみてください。
叡斗/予習で読めるといいな。(ころころ)おおっ、クリティカル!
統十郎/メッチャ読み込んでるじゃん!(笑)
叡斗/ガッツリ読み込んでた! ファイルに顔が埋めり込みそうですよ!(笑)
GM/隣で陽向が「アメちゃん食べるー?」って言ってる声も聞こえないぐらい、君は資料を読みます。……ここまでなら相庭脩駕はただの殺人者、でも彼が異端刑務所に留置されている理由をご説明しましょう。
叡斗/はい。
GM/彼は祖先は、闇の衝動持ちの『鬼』と呼ばれている人外達、特に『食人鬼』『死食鬼』と呼ばれる異端の種族でした。
叡斗/うわっ。
GM/古の鬼が人間と交配を繰り返しているうちに、ごく普通に人間社会に溶け込んでいたという一族だったんです。彼はその先祖返りだということが判明しました。それが判った辺りから警察から教会に管轄が移り、報道は沈静化していきました。
統十郎/ああ、そういう……。
GM/ちなみに、ハンドアウトに書かれていることだけど相庭脩駕のクラス配分は[狂戦士/処刑人/異端者]。≪食鬼≫を持っていることは明らかです。
叡斗/確かに、そのデータだと≪仮面の暴君≫もありますね……。二重人格って厄介そうだなぁ。きっと何かがキッカケで眠っていた衝動がパーンといったのかな……。
GM/ライフパスの『特徴』に「闇の衝動を持つ」ってあるよね。きっとあるんだよ、『サークルビショップ』のまどかちゃんが持ってたアレが。
統十郎/あの子も闇の衝動持ちだったからチェーンソーブルルルルンだったんでしたっけ(笑)
叡斗/←一緒に『サークルビショップ』に参加したプレイヤー)うわ、アレもだったよ! まどかちゃんはアックンが何とかしてくれるから大丈夫だろうけど!(笑)
GM/その通りだね。そういった衝動は自分で抑え込んだり誰かに抑え込んでくれなきゃいけないものです。異端は他人の負の感情は美味だと本能的に知っていて、それを味わうことでレベルアップする者達です。ですが、その美味を味わうために人を害するようなことをする奴がいたら教会がとっちめます。
統十郎/……ですよねー。
GM/人を見境なく襲う化け物ならエージェント達によって退治されて終わりですが、社会に生きていた異端はそうはいきません。ごく普通に人間達と暮らしたいけど罪を犯してしまった彼らのために、異端刑務所があるんです。
叡斗/はい……。
GM/彼が8人もの罪の無い病院の患者達を殺してしまった事実は、許されないことです。ですが社会に生きる一員だった彼は、一先ず罪に問われず専用の医療施設に入れられることになりました。常に能力制御の装置を着けられてはいますが、ごく普通の囚人と同じように……人間として生きています。
叡斗/……話を聞ければ嬉しいことはないが、その辺りは実際の交渉次第か……。ブツブツ。
GM/ブツブツ言ってると、「そろそろPSPの電源入れていいかな……」と陽向がボヤく。
叡斗/ビクッ! あ、そうだ、こいつが居たんだった……(笑)
GM/「ダメかな?」
叡斗/そ、そうだな……通信対戦じゃなければいいんじゃないか?
GM/「お前、何持ってる? DSとか?」
叡斗/そういった物は持ってきてない。
GM/「ゲームとかあんまりやらない系か。ハッ、もしや『こ、これがファミコンという物なのか!?』とか言うタイプ!?」
叡斗/そこまでではない!(笑)
GM/大声を上げた君は、【知覚】判定難易度8であっちから不機嫌な視線を感じることに気付く。
統十郎/じぃー。またあいつらかよー(笑)
叡斗/ひ、引き攣った笑顔で会釈!(笑)
GM/そんな風にしていると1〜2時間ぐらい直ぐに経っちゃうね。そろそろ到着だろうかと時計を確認したとき、丁度良く「シートベルトを装着してください」というアナウンスが入る。そしてガタンと飛行機が揺れます。
叡斗/ん……?
GM/窓の外を見てみると……ああ、雪だね。深い雲の中に入っているのが判るよ。東北に来て寒くなってきたんだろう。
叡斗/雪か……いよいよだな……まだ12月1日なのに。
GM/北海道では10月には初雪観測されるよ。東京でもやや寒かったけど、こっちは尋常じゃないんだろうなと君は思う。シートベルトを締めろ、席に着け、そろそろ到着するよなどというアナウンスが流れるよ。
叡斗/シートベルトを確認し直して……。あ、そうだ。陽向。
GM/「んっ? あ、ちゃんとPSPの電源を消したよ」
叡斗/いや、そういう意味じゃなくて。ってやっぱゲームしてたのか、お前は(笑) ……手荷物の中からホッカイロを一つ渡します。
GM/「あ……?」
叡斗/……さっきのガムの礼だ。外は寒そうだから持って行け。
GM/「……あ、ありがとう。いいの?」
叡斗/構わん。これからスキーに行くんだろ」
GM/「お前、良い奴だな! 後でメアド交換しようぜ!」と陽向は笑います。
叡斗/あ、ああ……。連絡することも無いかもしれんが、それでも良かったら。
GM/「サンキュー!」 陽向は貰ったホッカイロをもうシャコシャコ暖めてやがります。
統十郎/早っ(笑)
叡斗/空港から出てからにしろよ、その頃には冷たくなるだろ(笑)
GM/雪の雲が深いのか、ガタガタと飛行機が揺れつつ地上に近くなっていくんでしょうね……というところで、シーンを終わりにします。


 ●オープニングフェイズ4/統十郎 〜田辺真奈〜

GM/統十郎のオープニング2回目です。13時に出勤した君は中番の仕事を終え、休憩室で一息ついています。夜勤でもなければ朝早い訳でもない、大きな事件も今のところ起きてない。とっても過ごしやすいシフトだね。
統十郎/晩御飯がカップラーメンになるけどフフーン♪(笑)
GM/12月初日の今日、雪が降り始め、どんどんと積もってきます。「今年は寒くなるって言うわよー」「やーねー」と誰とでも話すおしゃべり好きな事務のおばちゃん達が会話しているのが聞こえてきます。
統十郎/あー、今年も雪が綺麗だなー。夜になればもっと綺麗だろうなー!
GM/おばちゃん達が「渡瀬くんはアレかい、今年の暮れは実家に帰るのかい?」と訊いてくるよ。
統十郎/ええ、そろそろ実家に顔出しはしようかと思っています。
GM/「その前にクリスマスは予定無いのかい? それともおばちゃんと一緒に過ごすかいー?」と笑いながらおばちゃん達に絡まれる。
統十郎/はは、俺でも良いっすかー? 受けちゃいますよー!
GM/「やだー! もー!」と愉快そうなおばちゃん達との時間。そんなことをしていると上司が「渡瀬、ちょっといいか」と君を呼びます。
統十郎/はい。キリッとそっちに向かいます。
GM/「患者の搬送を行う。その警備を頼む。警備員の一人が大雪により出勤できなくなった」 空いてしまった警備員の穴を埋めてくれと頼まれるよ。
統十郎/はあ。患者の搬送ですか?
GM/「大したことではないんだが、それでももしものことがあったら困るからな」 君は囚人を収容している刑務所棟の方に連れて来られます。
統十郎/応援で来ました、宜しくお願いしますと礼をして来ます。先ほど聞いたばかりで話がまだ判っていないのですが、囚人の内容を確認できますか。
GM/では警備員として待機していた同僚さんが答えてくれます。「……相庭脩駕って知ってるか」
統十郎/え? あ? どういう人?
GM/「し、知らねーのかよ!?」
統十郎/えっと、ニュースに表立って名前が出てないし、職員だから調べれば判ることなんでしょうけど仕事に直接関係無かったら判らないかなって(笑)
GM/そ、そうだよな……(笑) 「囚人は相庭脩駕という18歳の能力者だ。刑務所棟から手術室のある病院棟に搬送する。その警備を行ってもらうぞ」
統十郎/はい。手術室へですか。何か手術を……?
GM/「心霊治療を受けるらしい」
叡斗/心霊治療ですか。
GM/棟に白衣の人達が何人もやって来ます。どうやら彼らが手術……心霊治療を行う人達のようですね。≪心霊治療≫というのは[聖職者]レベル3の特技で、普通の病気ではないような手術を行います。

 ≪心霊治療≫
 心霊医師の技術を持っていることを表わす[聖職者]の副特技。
 対象の怪我や病気を診察する。呪いの治療や令呪の強制除去などが可能。
 データ的には1シナリオに1回まで、対象の【HP】と【MP】を全回復する。戦闘中に使用はできない。

GM/運ばれる手術室も医療器具があるような場所ではなく、魔法陣が描いてあったり魔道具と呪文によって手術を行うような場所です。心霊治療は清められて準備の整った場所で慎重に行われなければ成功しないため、普段能力者を収容している場所では出来ません。なので搬送する必要があります。
統十郎/そっかそっか、心霊治療をするのか。あれ、うちの家系の十八番芸らしいんだよね。俺、そういう適性が無かったんだー(笑)
GM/あ、そういや由貴乃ちゃんは使ってたね! ……そのうち由貴乃ちゃんはそういう看護師になってもおかしくない(笑)
叡斗/わー、由貴乃ちゃんが将来看護師になるのはありそうー(笑)
GM/看護師と言えば、白衣のお医者さん達と一緒に現れた女性が統十郎さんのことを見てるよ。
統十郎/はい?
GM/「あれぇ? 話に聞いていた警備員さんの顔と違うなぁー?」 怪訝というよりはおかしいな、記憶違いかなという風に首を傾げている。
統十郎/あっ、どうも初めまして〜。看守の渡瀬統十郎と申しますー。元々来る予定だった○○さんが来られなくなりましてー。
GM/「ああ、そうだったんだぁ」 ふわっと笑う顔がとても幼い、140センチぐらいのちっちゃな看護師さん。
叡斗/ろ、ロリ妻……(笑)
GM/「ごめんねー、いきなり知らない顔がいたからビックリしたわー」 バシバシ、おばちゃんみたいな手の動きをする。
統十郎/動きは年相応らしい(笑) 宜しくお願いします〜。
GM/「私は田代真奈。宜しくねぇ」 人懐っこく笑う……実年齢35歳の女性と共に、君はとある囚人が居る部屋の前までやって来ます。
統十郎/はい。
GM/厳重な、何重にもプロテクトが掛かっているような扉の前に看守のリーダーが立ち、扉を解除をしていきます。同僚が統十郎さんにボソッと「多重人格の大量殺人鬼とか報道されてたけど、ここに来てから暴れ回ったりすることはなかったって」と言いますよ。
統十郎/ほうほう。今のところは大人しい方の性格が出ている、と?
GM/「そうらしい。この2年間騒ぎを聞いたことないしな」 でも警備員は君と同僚を含めあと3人はいるけどね。魔導書を持った白衣のお医者さんも何人も。
統十郎/見てるだけっていう話だけど……異端だし、気を付けるに越したことはないな。
GM/解除を終えた看守のリーダーが、部屋の中に優しく声を掛ける。「時間だから出ようか」 そうして部屋から出てきたのは……18歳の少年。
統十郎/……まだまだ子供だなぁ。
GM/鎖に繋がれてるとか、拘束具を付けているとかはなく、ごく普通に部屋の中で大人しく生活をしていたようです。相庭脩駕の外見は、染めることは出来ないから真っ黒い髪。その髪は肩ぐらいまで長く、一見大人しそうな顔だなと思います。
統十郎/うん……。
GM/物々しい空気ではなく、「じゃあ行こうか」というお医者さんのリーダーの声に「はい」と頷いた彼は、君達に囲まれながらトコトコと歩き始めます。統十郎さんと真奈さんはちょうど彼の後ろを歩くようになります。
統十郎/はい……。
GM/歩き始めて数秒後、相庭脩駕が君の方をじっと見る。
統十郎/やべ、目を合わせちゃった。
GM/それを見て、真奈さんが「どうしたの?」と脩駕に優しく話し掛ける。真奈さんに脩駕は「いや、見たことない顔だったから」と話す。
統十郎/あー……何かトラブルのもとになっても危ないしなぁ。ほっと胸を撫で下ろします。
GM/真奈さんは優しくお母さんのように「お部屋の中では何をしてたの?」と話しかけ、脩駕が大人しく「本を読んでた」と答える。「脩駕くんは読書好きで物知りだもんね。本って、前に読みたいって言ってた本かな?」とニコニコと笑うと、「うん」と頷く。そんなゆったりして穏やかな会話が続き、何事も無く搬送をしていきます。
叡斗/はい……。
GM/しかし。移動を続け、棟のやや端っこに来たときのことでした。……統十郎さんは何か嫌な予感がします。その嫌なものとは何だろう? 【意志】判定難易度10に成功すると判ります。
統十郎/ぶっ、【意志】は低いんだ。(ころころ)8で失敗です……しょぼん。
GM/嫌な感じがゾワッとした。でもそれは気のせいだ。
叡斗/「寒いからかなー?」という悪寒ですね(笑)
GM/現にここに来るまでに雪の降りは強くなってたしね。この棟には窓が無いけど、休憩室から棟に来るまでに超雪が降ってたのを見た。……脩駕くんは、真奈さんと話していたのに立ち止まる。
統十郎/ん……?
GM/(脩駕になって)「……何か音、しません?」
統十郎/音?
GM/「……何か、近付いてきてません?」
統十郎/え……と?
GM/「どんどん……音、大きくなってきてません?」 脩駕の顔は、何か不安なそうな顔です。流石におかしく思ったのか、真奈さんは「何かあったの?」と周囲に確認します。
統十郎/え、特に私には……。
GM/看守のリーダーやお医者さんが「こんなときに一大事!?」と焦り出す。いくら大人しいとはいえ相手は異端の少年、万が一のことを考えて動き出そう……としている間も、脩駕くんは「絶対……何かが……近付いてきていますよ」と言い出す。
統十郎/な、何……?
GM/脩駕と統十郎さんが目が合います。
統十郎/あ……。
GM/「聞こえてくるでしょう……? ゴゴゴゴゴという音が」
統十郎/ゴ、ゴゴゴ……?
GM/「耳を澄ませていると……ほら、近付いてきた……来る」 統十郎さんは、直前になるまで気付かなかった。ゴゴゴゴゴという地響きのような……いや、地は響いていない。空気が震えているような音がしたことに。
統十郎/な……?
GM/それは、何かがここに突撃してくるような感じだ。
統十郎/突撃? ……まさか……。
GM/一瞬、視界が真っ暗になる。
統十郎/うえっ!?
GM/……シーンを、終わりにします……。


 ●オープニングフェイズ5/叡斗 〜おわり〜

GM/さあ、最後のオープニングシーンです。やあ、まだ叡斗くんは飛行機だよ。「到着したらメアド交換しような」と雪が降る中飛び続けている飛行機内で話をしていると、突如機内がガクンと揺れます!
叡斗/ううんっ!?
GM/(陽向になって)「うわあっ!?」
叡斗/な、なんだ、あの危なっかしい揺れは……。肘掛を強く掴んで周りを見渡します。
GM/乗客にシートベルトの注意をしていた最中の添乗員さんが転んでいます。
叡斗/な、なんだ……。添乗員さんが転ぶって相当なことじゃ……。
GM/ですが彼女もプロ、添乗員さんは「失礼しました。皆さん、安全のためにシートベルトをお締めください」とあくまで冷静に対処をします。陽向もその光景にビックリしてたけど「雪、凄そうだなー。東京とは全然違うんだなー」と笑いながら着陸準備をし始めます。
叡斗/あ、ああ……。
GM/ガタガタガタガタ! 飛行機が大きく揺れる!
叡斗/ひいっ!? ま、まずいぞコレぇ!?
GM/あまりに酷い揺れにあっちに座る女の子が「きゃあ!」と悲鳴を上げたり、そっちに座るおじさんが「なんだなんだ!?」と慌てたり。そうしていると……叡斗の頭上に何か落ちてくる。
統十郎/……酸素マスクが!?
GM/正解。緊急時に自動的射出される酸素マスクが目の前に垂れ下がっているよ。
叡斗/ま、マジで!? これってホントにヤバイんじゃ……!?
GM/うん。ヤバイときに出てくるやつ。流石にそれが落ちてきた途端、乗客の顔が一斉にサーッと青くなります。
叡斗/て、添乗員さんは……?
GM/這いずるようにしながらも乗客の安全確認と、機長からの指示を待っているね。そうしている間にも……ガタガタガタガタと大きく飛行機が揺れる。
叡斗/……ひ、陽向……。
GM/「い、いいいい、ど、どうするんだっけ、どうすればいいんだっけこれ!?」と慌ててます。
叡斗/お、落ち着け。喋るな。舌を噛むぞ。こうやってマスクは着けるんだ……。
GM/「お、お前もさっさとマスクを着けろよ!」
叡斗/そ、そうだった!(笑) 自分も付けます!
GM/その間もガタガタ、ガウンガウンという揺れ。陽向が「は、早く機長さんが『安全です』って言ってくれればいいのに!」と叫ぶと、ブツッと照明が消える。
統十郎/ブツッ。機内が、真っ暗に……。
GM/恐怖のあまり乗客中が悲鳴を上げる。
叡斗/き、機内が阿鼻叫喚に……! でも、僕も動ける状態ではないので座ってるしかない……。
GM/陽向が「え……なにこれ、もしかして……墜落するの……?」と顔面蒼白で言います。
叡斗/こればっかりは……機長に運命を任せるしかなかろう……。
GM/「な、なかろうって! 武者みたいな喋り方で落ち着いてるな、お前!?」
叡斗/これが落ち着いているように見えるか!? 言ってる顔も蒼白だぞ! 肘掛けを掴んだ手もブルブル震えている!
GM/「な、泣くなよ! よしよしー!
叡斗/泣いてないっ!(笑)
GM/泣いてないと君は大声を出したけど、同じように大声を出している人は何人も居ます。……ガクンと震える機体。ついにはシートベルトを着けていなかった添乗員さんが天井に頭をぶつけるぐらいには揺れる。
叡斗/ひいっ!?
統十郎/え、えええ……!?
GM/彼女は頭をガンと打ち、そのまま床に叩き付けられ、血を流し始めます。その光景を目の当たりにする君達。
叡斗/か、回復を……って、できない! こんな状況じゃ……!
GM/不自然な揺れ、それと落ちていく感覚。急に頭が痛くなります。
統十郎/気圧が……!
叡斗/吹雪に巻き込まれて機械が故障したのかもしれない……!
GM/陽向は「こういうとき、頭を下げるんだった!」と叫んで、隣に居た君の頭をガッと掴んで抑え付けます。
叡斗/い、いきなり何をするんだ!?
GM/「これが一番良いんだ! 理由は判らないけど!」
叡斗/ならお前もそうするべきだ! 陽向の頭を下げさせます!
GM/お互い頭を下げます。周囲はどうなっているか見えなくなりましたが、ぎゃあぎゃあと悲鳴が聞こえてきます。
叡斗/ううっ……。
GM/その中で「や、やだな……死にたくないな……」という震えた声が聞こえてきます。
叡斗/……僕もだ……。こんなところで終わりたくない……。
GM/その声を聞いたら、「死にたくない」と言っていた陽向が黙ります。横目で君を見る。
叡斗/保証はできない……けれど、大丈夫だ……そう信じていれば……。
GM/「……う、うん!」 ガクッと落ちる角度が変わる。この機内に居た全員が叫び声を上げます。
叡斗/……っ!
GM/窓の外は既に吹雪。それと……海のようなものが見えた気がする。そのまま君の視界が真っ暗になります。……これで叡斗くんのオープニングシーンは終了です。
叡斗/……ふふ、もうエンディングフェイズに突入しそうです……(笑)


 ●オープニングフェイズ6/統十郎 〜はじまり〜

GM/シーンは変わりまして、統十郎さん。
統十郎/は、はい……。
GM/ゴゴゴゴゴという音が聞こえてきて、視界が真っ暗になったところだったね。君は……壁を突き破って「何か」がやって来るのが判った。
叡斗/もしかして……僕達を乗せた飛行機ですか。
GM/うん、そうです。
統十郎/え、ええええっ!?(笑)
GM/そこは窓の無い廊下でした。ですがいきなり真横から鋼の巨体が現れました。君の目の前を突っ切るかのように。
統十郎/ひいっ。
GM/目の前に居た看守のリーダー、同僚、お医者さん達は、それに巻き込まれ「ベシャッ」となります。
統十郎/うえっ!? い、嫌なバキだのゴキだのした音が……!?
GM/一体何が起きたか判らない。目の前に現れたこれは何だ? 一瞬で理解できるかどうか、【理知】判定の難易度8でどうぞ。
統十郎/(ころころ)13で成功です。
GM/君は瞬時に頭を働かせた結果、どうやら目の前に現れたのは……飛行機の羽であることが判ります。
統十郎/えええええ!?(笑)
GM/あと10メートル前進していたら、飛行機の羽の先っぽに引っかかって轢かれていたかもね。つまり前方にあった建物には機体の胴体部分が突撃して、そのまま押し潰しながら狭い有人島の建物を破壊し続け……。
統十郎/あ、あああ……(笑)
GM/数秒後、大爆発。
統十郎/ですよねー!(笑)
GM/君と話をしていた真奈と脩駕が巻き込まれなかったのは、後衛に居たから。本当に運が良かったとしか言えない。2人はというと統十郎さんのように【理知】判定に成功した訳ではないので、揃ってポカーンとした顔になってます。
叡斗/「な、なに?」って感じですよね……。
統十郎/い、移送中止! 無線で連絡をしつつ救助を要請を……!
GM/ドカン! 飛行機の爆発。ドゴン! 建物の爆発。
統十郎/両方ー!?(笑)
叡斗/ですよねー、エンジンボーンからの建物ボーンですよねー!?(笑)
GM/ついには無線もジジジと聞こえなくなる。……無線で送ってる方もドカンドカンしてるんじゃ?
統十郎/ま、まさか本部もー!?
GM/えっと、本土から3キロ離れているだけの島で、数十人しか隔離しないような施設なんです。そんなに大きくないってことですね。一般的な学校の校舎がいくつか並んだぐらいと思ってください。そこに……まあ、ジャンボじゃないけどそこそこの人数が乗れる飛行機が突っ込みました。お判り頂けただろうか。
統十郎/は、はい。どんどん悪い方向に考えていきます……。
GM/さて、【体力】判定をお願いします。ここで失敗すると爆発に巻き込まれてダメージが入ります。難易度は10です。
統十郎/ひい!?(ころころ)10です! 良かった!(笑)
GM/良かったね、スタート時点で無傷だ。……次々に施設が爆発していく中、君は目の前に少年と女性が唖然としている姿を見ます。
統十郎/これは……外に出るしかないと判断します! 2人の手を引いてここから脱出します!
GM/外は吹雪だけど?
統十郎/それでも! 爆発の現場から離れていて、尚且つ安全な所は……! ど、何処なんだろう!?
GM/小さな施設以外には九甲田山っていう山があるぐらいで、本当に小さな島です。まあ頑張れば安全な場所が見つかるよ、見つかるといいね。
叡斗/ここ、離れ小島だし、本土に行くにも船が無いよねー! そもそも吹雪だしー!(笑)
GM/なかなか緊張感が出てきたね。というところでオープニングフェイズが終了。『アウトレイジエリア』はっじまるよー!
統十郎/はっじまるよーっ!(笑)
叡斗/全てが終わり、そして始まるよーっ! 『AW』だから1回は死ぬかなと思ったけど、初っ端からこれだよ!(笑)
統十郎/わぁー、オラわくわくしてきたぞー!(笑)


 ●合流フェイズ1/叡斗 〜叡斗と少年と女性〜

GM/棚氷叡斗は、死を覚悟した。前方の席が爆発。焼き焦げた匂いがする。耳に入ってくるのは「死にたくない」の言葉。
叡斗/う、ああ……。
GM/視界が真っ暗になる。炎に巻き込まれるんだ……と思っていると、何故か「寒いなぁ」と感じる。シートベルトは衝撃で外れ、君は雪の中に放り出されたからだ。
統十郎/き、奇跡的に……?
GM/意識は遠くなり、『体から魂が抜けるような感覚』がする。吹雪が容赦無く雪の上で倒れる君の体に突き刺さる。……叡斗くん、雪の中ですが目を覚ましてください。
叡斗/う、うう……。んっ!? 思わずガバッと起き上がります。
GM/目を覚ますとそこは吹雪の中です。見上げると遠くにある建物が、赤く炎に染まっているのが見えます。
叡斗/い、一体、僕の身に何が……。そ、そうだ! 突然、飛行機が揺れだして……。
GM/その飛行機だけど、あの建物に突き刺さっているようだね。
叡斗/奇跡的に助かったとでも言うのか!? 立ち上がります!
GM/『体が自分のものとは思えない』ほど重いよ。巧く動かすことができない。データ的には【HP】を減らさなくてもいいけどね。
叡斗/急降下して、吹っ飛ばされて雪の中に放っぽり出されたんだから≪熱血の防壁≫≪黄金の身体≫が無かったら死んでいたかもしれない。……教会から貰う仕事にはちょっと自信はあった。でもこんな状況では自分は何も出来ない。自分の小ささを実感します。
GM/お前は良い子だなぁ(笑) 異端と戦う知識だったら10対1でも勝てるぐらい自信があったかもしれない。けど、流石にこの状況は計算外だ。未体験の出来事に君は唖然とする……だけかな?
叡斗/実感して……燃え上がる飛行機を見ています。そして周りを見渡します。……自分は一人なのか?
GM/周囲に何人かいるよ。上半身と下半身が分かれた人とか、腕が吹っ飛んでいる人とか。
叡斗/…………。みんな、息は?
GM/無いね。だけどそんな中、動いている影を確認できる。……中身が飛び出ている死体の中に、顔を埋めている人の姿が。
叡斗/え……?
GM/小柄な女性が、男性の穴の空いた体に顔を突っ込んで……ぴちゃ、ぴちゃ、くちゃ、くちゃっ……と水の音を立てている。
叡斗/……ざくざくと近寄って、その女性の肩を掴んでひっぺがす!
GM/ひっぺがすと、男性の傷口に頭を突っ込んでいた彼女が「あー?」と鳴く。女性の胸にあるネームプレートには『田代』と書かれている。
統十郎/……えっ?
GM/「あー? あー、あー?」 彼女は幼稚な声を上げている。
叡斗/な、なんだ?
GM/「あー」 叡斗くんに手を伸ばしてくるよ。
叡斗/やめろ。
GM/パシッと振り払われると、女性は「う? うえええん」と泣き始める。その姿はまるで赤ん坊にしか見えない。
叡斗/……大人の女性ですよね?
GM/小柄だけどどう見ても成人女性です。看護師さんみたいな格好をしています。
叡斗/……人は現実に耐えられなくなってしまったとき、子供のようになってしまうという。この地獄絵図の中で正気を失ってしまったのか?
GM/「うー、うー?」
叡斗/ここに置いていく訳にはいかない。来い。……僕を食べても美味しくないからな。
GM/女性は襲い掛かりはしないよ。ただ赤ん坊のように「うーうー」言うだけだ。……そのとき、あちらで「ううっ」と呻き声を上げる人影が見えた。今度は君と同い年ぐらいの少年のようだ。
叡斗/女性を引き摺って、今度はそっちの方に行きます!
GM/上着を着ていない薄着の少年は、見たことのない人物……ではない。とても見覚えがある。ずっと見ていた顔だ。
叡斗/もしかして、出来ることなら取材したいと思っていた……!? あ、相庭脩駕!? 思わず叫びます。
GM/「えっ……?」 名前を叫ばれて、少年は目を見開く。
叡斗/い、いきなり呼ばれたらそりゃ驚くか。自己紹介した方が良いのかな。
GM/「自己紹介は……いらない」 首を振るう少年。
叡斗/失礼な奴だな。お互いこの状況で生きていたんだ。お前の名前を知っていても、僕の名前をお前が知らないというのはフェアじゃないだろ。
GM/「でも……見れば判るし」
叡斗/あ?
GM/「えっ……そんな怖い声、出す人なんだ……?」
叡斗/怖くて悪かったな! 怒鳴りますが所詮≪−50粗野≫! キャンキャン!(笑)
GM/「ん……?」 少年は不思議そうな顔をします。
叡斗/僕は棚氷叡斗! 法学部の1年生だ! 異端刑務所シズに取材に来たんだが、まさかこのようなことになるとは……!
GM/吹雪の中、君の話を聞いている相庭脩駕は理解できないような顔をします。
叡斗/そう……だろうな。大学の授業の関係で……と言っても判らないか。言いながら自分のコートを脱いで相庭に掛けますね。
GM/君が猛吹雪の中、自分の身につけている上着を脱ごうとしたとき、上着に無線が付いていることに気付く。
叡斗/……ん?
GM/無線なんて持っていたか? いや、その前に自分はこんなコートを着ていたか? そう思う。
叡斗/……んん?
GM/自分の着ていた服じゃない、気がする。
叡斗/荷物は? 携帯電話は、ポケットにある筈!
GM/自分の物ではない携帯電話を発見します。
叡斗/……真っ暗な液晶を、鏡代わりにしてみます。
GM/このような顔が映ります。



統十郎/あっれえぇー!?(笑)
統十郎姿の叡斗/せ、制服に帽子!? いや……それ以前に、誰だこいつは!?(笑)
GM/突然携帯画面を見て叫び出した君を見て、脩駕はポカンとしてるよ。「アンタ、そんなにテンション高い人だったんだ……?」
統十郎姿の叡斗/漸く理解した! 彼の見ている僕は、そういうキャラクターではなかったんだ!?(笑)
GM/そんなところでシーンを切りまーす。
統十郎姿の叡斗/そういうことかぁー! って叫んでいるシーンで切っちゃってくださいー!(笑)


 ●合流フェイズ2/統十郎 〜統十郎と少年と青年〜

GM/渡瀬統十郎は、飛行機が激突した施設から2人を連れて逃げることができた。
統十郎/はい……。
GM/それでも炎は君達の背後から襲いかかってくる。ドカーンという爆音が君を包み込もうとしていた。だが、爆風に押されて君はごろごろと雪の中に転がり……。
統十郎/奇跡的に助かった……?
GM/君は意識を失ってしまう。この吹雪の中で。
統十郎/ぽつーん。と、凍死フラグだ!(笑)
GM/……目を覚ます。何故か飛行機のすぐ近くに君は倒れている。『体は自分のとは思えないほど重い』。君の頭は誰かによって雪の中に抑えつけられている状態だ。
統十郎/プハッと雪から顔を出して、手を退けます……。い、いてて、いてててて。周りを見るけど、どんな状況……?
GM/18歳ぐらいの少年が君の頭を守ろうとして、抱きかかえるようにしながらも君を雪の中に押し付けていた。雪に頭を突っ込んでいたから超寒い。
統十郎/……だ、誰? こ、この人、誰だろぉ!? あうあう!(笑) そうだ、相庭と田代さんは何処だぁ!?
GM/この人誰だろと言われた彼は、「だ……大丈夫か……?」と君にか細く声を上げます。
統十郎/だ、大丈夫ですか!? 意識があるんですね! よし、生きてる! 良かったぁ〜!
GM/「な、なんだよ……お前、そんな優しい声ぐらいできるじゃねーか」
統十郎/……そんな声、できる?
GM/君が周囲を見渡すと、あっちには腸が飛び出た人がいる、あっちには体があらぬ方向に曲がっている人がいる。
統十郎/うえっ。……げえっ! 思わずその光景を見て吐きます。
GM/君はそれなりな修羅場を潜り抜けてきただろう。でもこんな間近で地獄絵図を見てしまって正気でいられない。君の頭を掴んでいた子も「ううっ!」と呻きます。
統十郎/だ、大丈夫……?
GM/「お前こそ……」 彼は君が慌てたり吐いたりする姿を見て、自分はしっかりしなきゃと思ったのか肩を抱きます。「早くここを離れよう……また爆発が起きてもおかしくない」
統十郎/うわー、この子しっかりしてるなぁ〜!(笑) でもその前に辺りを見渡して……。
GM/そうだね。何かを発見できるか【知覚】判定どうぞ。難易度は6です。
統十郎/(ころころ)達成値12で成功です。
GM/良かった。成功して良かった。何故なら……生き残りがいたから。
統十郎/どこに!?
GM/ちょっと離れたところに。人と人とが折り重なっている下に男性が倒れています。大勢に潰されているようにも見えるけど、幸運なことに上に居る人達が彼の盾になったのでしょう。息があるようで、動いています。肩が変な方向に捻じれているけど……統十郎さんの知り合いに似ています。
統十郎/……ひょっとして、柏木くんですか!? 柏木くんの居る所に駆けつけます!
GM/君を抱いて飛行機から離れようとしていた金髪の彼は「も、戻るなよ!」と声を上げるよ。
統十郎/でも! 柏木くんが生きてる! 走って行きます! 上の人達は……生きてはいないんですよね……。その人を退かしつつ、声を掛けます。柏木くん!
GM/ピクッ。薫は声を掛けた君の方を見る。「とう……じゅうろ……?」 息苦しそうだ。
統十郎/柏木くんを引っ張り出して、怪我をしていない方の肩を担ぎます!
GM/さっきの少年も救助に加わるよ。薫は救出されますが、体が変な方向に曲がっていてなかなか会話できる状況ではありません。
統十郎/と、とりあえず3人でここから離れよう……!
GM/金髪の少年が「なあ、何処に行ったらいいと思う!? オレ、飛行機墜落したことねーからわかんねーよ!」と君に馴れ馴れしく声を掛けてくるよ。
統十郎/え、えっと……一般病棟があるからそこへ行こう!
GM/「流石! 頭良い奴は何でも知ってるな!」
統十郎/え? 頭良い? でも俺と君は初対面……あれ?
GM/「お前もここに来るのは初めてなんだよな? でもお前の言うことに従うからな、期待してるぜ!」
統十郎/……えっと、GM。柏木くんの身長設定を180センチぐらいにしたいんですが。
GM/柏木薫は身長180センチね。統十郎さんの身長は?
統十郎/柏木くんと同じぐらいの180センチぐらいです。で、叡斗くんは……?
叡斗/身長170センチです!
統十郎/つまり、柏木くんが……担ぎづらい。ってことに気付きますよね?(笑)
GM/そうだね。それに……「なんで自分、こんな高そうなコートを着てるんだろう?」って気付くかもしれない。
統十郎/バーバリーだ。
叡斗/叡斗、バーバリー着てそう!(笑)
統十郎/あれぇ、俺、なんでこんなコート着てるんだろ……とりあえず無線……あれ、無い?
GM/無線は無い。見たことない携帯電話を持っている。
統十郎/レグザだ。
叡斗/叡斗、レグザっぽい!(一同笑)
GM/肩を担ぐ君を見下ろす柏木くんは、「君……ありがとうね……」と大人びた口調で、他人行儀に話しかけてくる。
統十郎/あれ? 柏木くんってこんなに大きかったっけ? あれれ? ずるずると柏木くんを引き摺るけど……。
GM/さて、君と金髪の少年と薫は飛行機を離れ、辛うじて屋根のあるとある場所にやって来ます。そこは統十郎さんが1年半寝泊まりしていた宿舎の食堂です。
統十郎/それ以外の場所は?
GM/殆どの建物は、巨大な鋼の体にこそぎ取られて無くなってしまいました。
統十郎/飛行機が島に墜落して……シズ全体を直撃してしまったのか……。
GM/病棟も、刑務所も、君が1年半住んでいた宿舎の半分以上も、飛行機によって抉り取られ、炎によって燃えてしまいました。でも今居る食堂だけは屋根があり、辛うじて吹雪から身を守れそうです。
統十郎/……少しでも落ち着ける場所に来て、柏木くんを治療します! 応急手当を! 骨折したなら添え木をして、椅子の足をバキっとやって……。
GM/薫は血がドバドバ出している訳ではない。手当をしながら「命に別状は無い」と確信していい。
統十郎/布で固定するか。着ていたコートをベリッ!(笑) キュッキュッ! ふう、これで良し!
GM/隣で手当をする君を見ている金髪の男の子が、キョロキョロと周囲を見渡しています。「なあ、これからどうすればいいんだ?」 同い年に話しかけるように訊いてくるよ。
統十郎/本部に連絡を取るよ。君は待ってて。安心していいからね!
GM/「ほ、本部に連絡を取る……すぐコンタクト取れるぐらいのコネクションを持ってるのか、スゲー!」 しかし統十郎さん。君は本部があった施設すら飛行機によってこそげていることに気付くよ。しかも今、無線機は?
統十郎/……無線機ナッシング! レグザの電源を入れてみようか……って何で俺、知らない人の携帯電話を持ってるの?
GM/おおっと、こんな所に割れたガラスがあるぞー? 鏡が覗けるぞー?(笑)
統十郎/おおっ!(笑) その割れた鏡を見ます! 顔は……?



叡斗姿の統十郎/やっぱりこっちなんだ!(笑)
GM/ちなみに、セッションを始める前に「キャラクターシートにイラストを描いてきてね」って言ったよね。こうやってプレイヤーに顔を見せ合うためにお願いしたんだよ。
叡斗姿の統十郎/なるほどー! わー! 俺って若ーい!(一同笑) って、ええっ!? 誰!? 誰なんだ! 誰だよ〜!?(笑)
GM/金髪の子が「誰って、誰か居たのか?」って尋ねるけど。
叡斗姿の統十郎/俺、誰!?
GM/はあ!?(笑) お、お前の名前は……叡斗! まさかショックで自分の名前を忘れちまったのか!?」
叡斗姿の統十郎/いや! 俺は! 渡瀬統十郎です!
GM/「…………。叡斗だよ?」
叡斗姿の統十郎/ちちちちち違うんだって!(笑) 俺は渡瀬統十郎っていうんだって!
GM/「ちょっとケータイ貸せ」 彼はレグザを奪い、メニュー画面を開き、0ボタンを押して個人情報を表示しました。「ほら、『棚氷叡斗』って表示されてるぞ」
叡斗姿の統十郎/読めない。
GM/せやな(笑)
叡斗姿の統十郎/……う、うそ。俺……体が入れ替わったの……? ってことは俺の体どこだよぉー!?(笑)
GM/「お、落ち着けって! 落ち着けよ叡斗ー!」 ……一旦シーンを切りましょうか(笑)


 ●合流フェイズ3/叡斗 〜近付く少年〜

GM/叡斗くん。君は吹雪の中、薄着の少年と「うーうー」子供のように唸るだけの女性を目の前に、立ち尽くしております。
統十郎姿の叡斗/まだこの状況に頭を抱えています(笑) くそっ、なんということだ。肉体という器に魂という中身がある……その魂が元の器から出て、違う器に入った……? 僕の今までの経験は僕の魂に刻まれているものだから、今まで僕が培ってきた知識や技術は失われていない筈……。
GM/あ、ありがとう。まるでGMのような説明をしてくれた(笑) ルールページの『Q&A』にも、このようにロリが説明しているね。

 知識や経験はすべて魂に記録されるものなの。そこに肉体は関与しない。
 「成人までに鍛え抜かれた体があるから[闘士]レベルが高い」ではなく、「[闘士]としての経験が高いから[闘士]レベルが高い」と考えた方が良いわ。
 だから成人男性の魂を未熟な子供に入れてループする際も、元からある[闘士]のレベルが低下することは無いわ。


GM/なので、棚氷叡斗と渡瀬統十郎の体と魂が入れ替わっていますが、キャラクターシートに書かれたデータはちゃんと使えます。
統十郎姿の叡斗/このままならぬ状況でおさらいのように説明してしまった!(笑)
GM/まずはこの吹雪の中から動こうか。……でもここは見たことのない場所。燃えている建物には行けない。何より猛吹雪。隣に居るのはお荷物。どうしたらいいか判らないかな。
統十郎姿の叡斗/はあはあ……歩くのだけでも重労働だ。女性を抱えて歩くのも大変だし……とりあえず薄着の彼に上着を貸すが。
GM/警備員の外套を脩駕くんに貸してあげるんだ?
統十郎姿の叡斗/僕は≪熱血の防壁≫で熱さと寒さには異常に強いんだ。だから上着ぐらい貸してやる。でも……くそぉ! 雪で全然前に進まない!(笑)
GM/それでもようやく君達は、半壊してるけど屋根のある建物の中に入り込みました。
統十郎姿の叡斗/ふう……。少しここで休憩しよう。
GM/相庭脩駕は唇を震わせ、子供のような女性の田代はウトウトし始めます。
統十郎姿の叡斗/おい! この状態で寝るんじゃない、寝たら死ぬぞ! ネームプレートを見て……えっと、田代さん! 起きろ!
GM/「ううー……」と眠たそうにしている女性。上着を貸してもらった少年は、そんな君達を黙って見ています。
統十郎姿の叡斗/……墜落した飛行機が島に突っ込んだんだから、まずは連絡手段を探さないと。ここは本土から少し離れた孤島だ。海を渡るのは不可能……船があればいいんだが。他人の携帯電話の電源を入れてみる。
GM/電波は電波塔が無くなったので一本も立っていません。昨日までは三本立ってたんだけどね。
統十郎姿の叡斗/くっ、あのへし曲がっているのが電波塔か!(笑) そのまま0ボタンを押してみる。……名前は『渡瀬統十郎』か。この人、律儀だな。誕生日まで登録している。年齢は27歳か。
叡斗姿の統十郎/うん。水瓶座だよ!
統十郎姿の叡斗/水瓶座っぽい! 絶対にこいつ、B型だ!(笑)
GM/隣に居た少年が、ウズマキから大きな斧を出す。
統十郎姿の叡斗/えっ。
叡斗姿の統十郎/……あ、あれっ!? 刑務所だから、能力を使えないようにしてある筈だよね?
統十郎姿の叡斗/そのような施設が壊れたからか。……君、何をするつもりだ。
GM/(脩駕になって)「ウズマキから斧を出せた。久々だな。ここの機能は電波だけじゃなく、全部落ちちゃったみたいだね」 彼はウズマキの中に斧をポイと捨てます。
統十郎姿の叡斗/……君は能力者だったな。
GM/「うん。名前、もう知っちゃってたじゃん」
統十郎姿の叡斗/……相庭脩駕。薄々感づいていると思うが、僕は渡瀬統十郎とは別人だ。僕は渡瀬統十郎という人物と中身が入れ替わってしまったらしい。
GM/「……確かに、そんな声を出すような人には見えなかったよ」 辰巳はおっとりしたキャラロールをしていたからね(笑) 「……渡瀬さんは警備の人だから、無事なら本部か……本部が無かったら寝泊まりする場所に行くんじゃない?」
統十郎姿の叡斗/寝泊まりする場所……宿舎か。教えてくれてありがとう。脩駕の声に従って歩き始めます。田代さんを背負って……ふう。この渡瀬統十郎という人物が無駄にデカくて助かった。本来の身長だったら負けていたぞ。
GM/「……そんな人、置いていけば?」 脩駕は、ボソッと言います。
統十郎姿の叡斗/…………。君の言いたいことは判る。今の彼女は足手まといだ。振り返らずに言います。
GM/「なら」
統十郎姿の叡斗/一度助けてしまった以上、置いていくことなんて出来るか。
GM/「……お人好し」
統十郎姿の叡斗/何とでも言ってくれ。日本ではないが海外では見殺しは人殺しと同じだと罰せられる法律があるんだぞ。
GM/……と、叡斗くんは渋い27歳の声で言うと(笑) 脩駕は「そっか」と頷くと、田代さんを抱える君を助けようとします。
統十郎姿の叡斗/寒くて体力をかなり消耗しているんだろう? 気遣って訊きます。
GM/「これ以上罪は重ねられないもん」
統十郎姿の叡斗/……素直に助かると言って歩き始めます。資料では読んでいたが、悪い人物ではないのかな……。


 ●合流フェイズ4/統十郎 〜生き残った者達〜

GM/統十郎さんが陽向と薫と一緒に、宿舎の食堂でこれからどうしようかと相談しています。(陽向になって)「おーい、叡斗。大丈夫かー?」と、叡斗くんの顔した統十郎のほっぺをパシパシ。
叡斗姿の統十郎/う、うーんうーん!(笑)
GM/そのときですね。……叡斗くん、合流してください。
統十郎姿の叡斗/立てつけの悪い食堂のドアをぎいっと開けます。……陽向、僕の顔をそうパチパチ叩くな!
叡斗姿の統十郎/わあっ、俺だ! お、俺の体ーっ!(笑)
GM/陽向が統十郎さん姿の叡斗くんを見て、「え、叡斗……?」と動揺。「え、ホントに叡斗!? 頭悪くなったんじゃなかったの!?」 叡斗姿の統十郎さんをバシバシバシ。
叡斗姿の統十郎/あうあうあう!(笑)
統十郎姿の叡斗/だから僕の体を乱暴に扱うな!(笑) ……貴方が、渡瀬統十郎か。その体の持ち主、棚氷叡斗だ。
叡斗姿の統十郎/あ、どもどもご丁寧に。その体の持ち主の渡瀬統十郎です〜!
統十郎姿の叡斗/知っている。勝手ながら携帯を見させていただいた。
叡斗姿の統十郎/なるほどー! みんな考えることはいっしょだね〜!(笑)
統十郎姿の叡斗/今回こちらで勉強させていただく予定だったんだが……。渡瀬さんはこちらの看守だったか。まさかこんな形で宜しくお願いしますとご挨拶することになるとは。
叡斗姿の統十郎/本当ですね〜(笑)
統十郎姿の叡斗/陽向の他に……男性、柏木さんが居るのを確認します。
GM/薫は目を覚ましているので……統十郎顔の叡斗くんを驚いた顔で見ています。怪我をしているから元気は無いです。
統十郎姿の叡斗/自分のコートでグルグル巻きになっているのに気付いて、そういうことかと納得します。……もしかしてこの人、飛行機の中で「うるせーな」って顔をしながらチラチラ見てきた人?(笑)
GM/そうだよ。叡斗と陽向の側に座っていた男性だね。
統十郎姿の叡斗/貴方も生き残りか。座って安静にしている柏木さんの元にかつかつ歩いていきます。
GM/(薫になって)「と、統十郎……? よ、よく生きてた、良かった……」
叡斗姿の統十郎/と、統十郎はオレオレ〜!(笑)
GM/だがしかし薫は、叡斗顔の統十郎を無視する(笑)
叡斗姿の統十郎/じ、じわっ! ショックを受ける!(笑)
統十郎姿の叡斗/残念ながら貴方の統十郎はそちらだ。この際どちらでもいい。その怪我を見せてくれ。
GM/(薫になって)「怪我を……?」 添え木をしてある体を見せるよ。
統十郎姿の叡斗/完全に折れてるな。だけど「肩の関節が外れてるだけだ」と軽傷のような言い方をして、こっそり≪生命の叫び≫を使う。あまり無理は出来ないがこれで動かせる筈だ。
GM/おお、良いロールだね。演出だけでいいので【MP】減少はしなくていいよ。叡斗くんのおかげで薫の体の痛みは不思議と引いていき、「安定してきた」と言います。「……統十郎。お前、そんなことも出来たんだな」
統十郎姿の叡斗/……こういう反応をされるのも、仕方ないことだな。
叡斗姿の統十郎/そ、そんなぁ〜(笑)
GM/では、ここで一斉にNPCがダイスロールを行います。これは「超越的な事態に見舞われた人が理解し信用するか」の判定です。
統十郎姿の叡斗/ああ、ループしてたり能力者だったりすることを信じてくれるかどうかの判定ですか。『夢魔炎上』『ドロリア』でもありましたね。
GM/やり方は簡単! 2D6を振って25以上が出れば成功。
叡斗姿の統十郎/無理じゃないですか!? クリティカルが出ないとダメだー!(一同笑)
GM/ええ、クリティカルが出たりクリティカル化する特技を使ってくれない限り一般人は理解できません。(ころころ)薫はもちろん失敗、陽向も失敗、能力者である脩駕は理解はしているので振りません。もう一人、田代さんはダイスロールすることもできません。
統十郎姿の叡斗/な、なるほど……。
GM/そして薫の反応ですが、「目の前の少年が統十郎で、統十郎が別の人になった? 何を馬鹿なことを」と信用しません。
叡斗姿の統十郎/うぅ〜。違うんだよ〜(笑)
統十郎姿の叡斗/……貴方のことを一体何とお呼びしたらいいか。渡瀬さん、ですかね? 何だか妙な気分だ。自分の体に話しかけるなんて。
叡斗姿の統十郎/あ、うん。俺も妙な気分だよ〜。
GM/では、陽向が……統十郎の格好をした叡斗の方に近付きます。(陽向になって)「え、えっと……叡斗って呼んだ方がいい?」
統十郎姿の叡斗/その方が助かる。違う名前で呼ばれても反応しづらいからな。
GM/「そ、そうだよな」 今度は陽向は、叡斗の格好をした統十郎の方を向きます。「わ、渡瀬さん?」
叡斗姿の統十郎/うんうんっ!
GM/名前呼んだだけなのにめっちゃニコニコされた(笑)
統十郎姿の叡斗/はあ……。いや、なんでもない。
叡斗姿の統十郎/えっ、えっ?(笑)
GM/(陽向になって)「自己紹介が遅れました。橋守陽向です。専門学校生をやってます。来年から就活で忙しいから、今のうちに遊んでおかないと思ってスキーに行く予定でした」
統十郎姿の叡斗/……専門学校生っぽい(笑)
叡斗姿の統十郎/陽向くんだね、どうも宜しくね〜!
GM/脩駕は「自己紹介した方がいいのかな」と周囲を見渡した後、「相庭脩駕……です」と淡々と答える。それを聞いた陽向は「良かった! まだオレ達みたいに動ける人がいたんだー!」と安心して笑います。
統十郎姿の叡斗/陽向は「飛行機に乗っていた一人」程度に思っているんだろうな……。
GM/柏木が「柏木薫です。渡瀬統十郎と同じく、このシズで看守をしていました。宜しく」と大人しく頭を下げます。
統十郎姿の叡斗/あと……こちらの女性はどなたかご存知ですか?
叡斗姿の統十郎/あっ。彼女は田代真奈さんといって、相庭くんを看ていた看護師さんなんだけど……。
統十郎姿の叡斗/やはり施設の人でしたか。僕が発見したときにはすっかり……。
GM/彼女は「うー、うーうー」と赤ん坊のようになっています。手にした物を何でも口に入れようとしたりするね。
統十郎姿の叡斗/そ、そのまま食べるんじゃないっ!
GM/「うー!」 小さい体だったとはいえ成人女性の体でその光景はとても異様だと思います。
叡斗姿の統十郎/よ、幼児退行? うう、痛ましいな……。
統十郎姿の叡斗/僕が発見したとき、彼女は男性の頭に顔を突っ込んでいたんだ。……何かを齧っていたのは僕の気のせいだと思いたいが。
GM/……それでは、ここで人数が多いNPCの状態を確認しておきましょう。

 橋守陽向。
 18歳。専門学校生。スキーをしに遊びに来たという、明るい性格の少年。
 現状に混乱しているが、幸いにも傷一つ無い状態のため動くことが可能。
 このような危機的状態は初めてで、「これから自分達はどうなっちゃうんだろう」と顔青くしているが、「何かをしろ」と命じられれば従う。自主的に何かをする様子ではない。


叡斗姿の統十郎/陽向くんは五体満足だけど、混乱してるんだね。
統十郎姿の叡斗/唯一の知り合いである叡斗もこんな大変なことになってますしね……。

 相庭脩駕。
 18歳。能力者。
 一見大人しい印象を抱かせる。淡々とした口調で喋る少年。叡斗に上着を貸してもらったおかげか、好意的に接する様子がある。


叡斗姿の統十郎/大人しい性格ぽいですけど……彼の背景を考えると、あんまり信用できないな。

 柏木薫。
 27歳。シズの看守。一般人。声を荒げることのない受動的な青年。
 怪我を負っている。叡斗に辛うじて治療をしてもらい動くことは出来るが、大事を見て自ら何か作業をする様子ではない。

 田代真奈。
 35歳。看護師。元教会エージェントの能力者。
 以前は年相応の女性としての立ち振る舞いをしていたが、今はまるで赤ん坊のよう。言葉も通じず、まともな行動や判断が出来る状態ではない。


GM/そして、棚氷叡斗と渡瀬統十郎。君達は、魂が入れ替わってしまいました。
叡斗姿の統十郎/エクスチェンジ!(笑)
統十郎姿の叡斗/やりづらい……(笑) とりあえず、携帯だけでも入れ替えさせてくれ。
叡斗姿の統十郎/そっすね、はい! 交換!
GM/そんな異常な状況で、ミドルフェイズは開始されます。これから1人2回シーンプレイヤーになることができます。4シーン経過すると、GMが用意した強制イベントが発生します。4シーンまで自由に探索を行なってください。ミドルフェイズ1と2、ミドルフェイズ3と4は同時刻進行なので気を付けて。
叡斗姿の統十郎/それって、PC1とPC2で分かれて行動しろってことですか?
GM/分かれて行動を前提に考えています。同一シーンに登場したなら別時間カウントでもいいけど、手番が無くなると思うのでオススメしないな。
統十郎姿の叡斗/そうですね。普段の『AW』セッションのパターンだと……4シーン経過したらきっと死にます(笑)
GM/さあ、それはどうかな?(笑) 4シーン経過したまでのフラグでイベントは変化するよ。本日は2012年12月1日の夜。今居る場所は、統十郎さんが寝泊まりをしていた宿舎の食堂。外は吹雪。施設はここ以外全て破壊され、暖房器具は動いていません。電波も通じてません。
叡斗姿の統十郎/とりあえず食べ物は、収容者の食事を作っている厨房に行けばあるんじゃないかな?
統十郎姿の叡斗/背に腹は代えられん。漁ってこよう。
GM/そうそう、PC達は今の状況で何をするのが一番正解か、生き残るためにはどうしたらいいかを考えつつ、プレイヤーは以下の判定を行なうことができます。

 『AF判定:探索「特定精神医療施設シズ 施設内」』
  ・使用能力値:【体力】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:なし

※「シズを探索する」演出に成功すること。成功した場合、何かを発見する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:探索「飛行機墜落現場」』
  ・使用能力値:【体力】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:なし

※「飛行機墜落現場を探索する」演出に成功すること。成功した場合、現場の状況を把握することができる。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:調査「魂の入れ替えについて」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「イベントキー:剥奪の魔導書」を所持していなければこのAF判定は行なえない。
※「魔導書を解読する」演出に成功すること。成功した場合、魔導書に記載されていた項目を習得することができる。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:調査「橋守陽向」』
  ・使用能力値:【幸運】
  ・難易度:10
  ・ラウンド制限:なし

※「橋守陽向と交流したり、調査する」演出に成功すること。成功した場合、橋守陽向の秘密が判明する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:調査「相庭脩駕」』
  ・使用能力値:【意志】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「相庭脩駕と交流したり、調査する」演出に成功すること。成功した場合、相庭脩駕の心情が判明する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。

 『AF判定:調査「柏木薫」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:10
  ・ラウンド制限:なし

※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。
※この判定を行なうには、柏木薫と信頼関係でなければならない。そのため、元の姿に戻っていなければ行なえないものとする。
※「柏木薫と共に時間を過ごす」演出に成功すること。成功した場合、柏木薫がとある提案をしてくる。


 『AF判定:調査「田代真奈」』
  ・使用能力値:【幸運】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※「田代真奈と共に時間を過ごす」演出に成功すること。成功した場合、田代真奈が持つ情報を入手する。
※このAF判定を行なうと、同一シーン内では他のAF判定は行なえない。


GM/必ずシーンの開始時に、シーンプレイヤーはシーンに誰が登場しているか宣言をしてください。NPCが多いセッションなのでちゃんと把握しておきたいからです。気楽にシーンに同行するNPCを選んでくださいね。
叡斗姿の統十郎/はーい。
GM/シーン内ではAF判定の他に、1回だけメジャーアクションの能動的な行動を行なえます。また、今回の『契約』と『供給』はメジャーアクションで行なえます。
統十郎姿の叡斗/……あ。『AF判定:調査「魂の入れ替えについて」は『「イベントキー:剥奪の魔導書」を所持していなければ行なえない』って条件がある……今は調査できないんだ。
GM/見たことのない用語だろうけど、どこかを探せば出てくるものだよ。
叡斗姿の統十郎/それぞれNPCも調査できるんだ? ……田代さんがあまりにも様子がおかしいので気になるなぁ。
統十郎姿の叡斗/確かに。でもまずは野宿に必要な物を探すためにも、施設や事故現場を調べたい。なるべく1回で判定成功にしたいけど、難しそうな判定は難易度を低くするだけでも良いかな。
叡斗姿の統十郎/陽向くんと柏木くんのAF判定が難易度低くて、相庭くんと田代さんがやや高めか。
統十郎姿の叡斗/うーん……施設や現場を調べることより、相庭脩駕と田代真奈の難易度が高いのが怖い(笑)
叡斗姿の統十郎/……寝泊まりの準備をするためにも、まずは施設を探るのが妥当かな? そうだ、火を起こそう〜!
GM/ライターならどっかを探せば出てくるんじゃないかな? ライターを探すといった描写をAF判定内に組み込んで雪山ライフをエンジョイするといいよー(笑)