アナザーワールドSRS・リプレイ・永遠も九つを過ぎて
■ 『 第1話 』 1ページ ■
2017年9月23日




 ●プリプレイ

GM/『アナザーワールドSRS』キャンペーン、『永遠も九つを過ぎて』第1話セッションを始めます。
一同/イェーイ! よろしくお願いしますー!
アリィ/ちゃんと成長したぞー。
エンジ/ちゃんと知性が芽生えたぞー(笑)
GM/ちゃんと10年経ってキャラクターレベルが6になったPCの自己紹介から参りましょう。どのように変わったか、主張したいことを教えてください!

エンジ/遠江 エンジです。10年経って18歳になりましたー!
ミト/18歳の園児だー!
エンジ/さんざんそのネタでいじられてきた10年間でした!(笑) 相変わらずと回復と振り直し特技を取っています。後衛支援としてパーフェクトな組み合わせを目指しました。完全にスターターパックですね!
ミト/「回復系ならこれがあれば大丈夫!」って特技しかないね(笑) ありがたい話だ。
エンジ/アリィに比べると普通の男子高校生になりました。歩んできた道も凄く普通。着々と教会の仕事を受け……その過程で『現場復旧委員会』に入りました。
GM/『現場復旧委員会』というのは教会の部署で、事件で破壊された街並みを復興したり記憶隠蔽をしたりするチームだね。
エンジ/物を直すことに特化しました。癒し系なのは変わらず、マイナスイオンが出てそう。現在の身長は168センチ。あんまり伸びなかったです。
祢莉/充分高いよ!
エンジ/特に変わったところはないけど……最近アリィくんが帰国したので、ちょっと先輩ツラしたい。日本の高校のこと教えようー!
アリィ/わー! 学食があるー! 300円でラーメンが食べられるって凄いなー!(一同笑)

 遠江 エンジ(プレイヤー名:せいさん)
 キャラクターレベル6:クラス[感応力師3/聖職者2/世界遣い1]
 感応力師より、主特技≪肉体復元2≫ ≪空間知識≫ 、副特技≪超越感覚≫ ≪テレキネシス≫を取得。
 聖職者より、主特技≪叱咤激励≫、副特技≪主の恵み≫を取得。

アリィ/アリィ・マイヤーです。10年経って15歳になりました。新しく[イレギュラー]のクラスになり、≪インドラ≫で【反射基本値】点ダメージをプラスしたり、≪覇魔矢≫で毒攻撃ができるようになりました。【HP】もようやく20点を越えたので≪突然変異≫が使えるようになりました!
エンジ/やったー、≪突然変異≫解禁!(笑)
アリィ/それと【行動値】は25になりました。
ミト/いやー、早い。人間をやめましたね(笑)
アリィ/あとレベルが3つぐらい上がれば【行動値】30になれるね! こんなに上げてどこにいくのか、楽しいだけだ(笑)
GM/その楽しさはどんどん追求していってほしい。
エンジ/そして宇宙へ!(笑)
アリィ/10年間イギリスの『リリルラケシス』に行って力の使い方を学んだり、足を速くしたりしました。
GM/『リリルラケシス』というのは、ロンドンを本拠地にしたヨーロッパの人外同盟です。吸血種が中心となった人外の人達の能力者集団で、主に「現代社会は人間みたいに馴れ合わないと大変だから集まろうぜ」という連中です。
アリィ/海外で充実した10年間を過ごしており、その間もエンちゃんとは連絡を取り合っていました。日本からピザポテトを送ってもらったりしました。
エンジ/国産のお菓子を送るよ!(笑) ドラえもんやピカチュウのぬいぐるみもイギリスへ送りました!
アリィ/そんな日本が恋しくてついに戻ってきました。高校も日本で通うことになったよ!
GM/シナリオの舞台は3月後半を考えていたので、「来月から日本の高校生だよ」ができるんだね。帰国してすぐに教会に呼ばれることになるけど頑張ってー。

 アルカード・マイヤー(プレイヤー名:すずか)
 キャラクターレベル6:クラス[狩人3/稀人2/イレギュラー1]
 狩人より、主特技≪覇魔矢≫ ≪零力射撃≫、副特技≪狩猟の銀手1・2≫を取得。
 イレギュラーより、主特技≪ヘル≫ 、副特技≪マジックコスメ≫を取得。

ミト/はーい、ミトちゃんでーす! 変わったことといえば、10年間でオカマになりました。
GM/レベルアップの結果がオカマです!(笑)
ミト/「男の子って神様に持っていかれちゃうのかなー」と考えたミトちゃんはセーラー服を着始めました。
祢莉/なるほど。
アリィ/なるほ……ど?(笑)
祢莉/ミトちゃん、確かユーチューバーになったんだっけ? [アーティスト]になるって言ってたし。
ミト/いや……[アーティスト]はなかなか特技の噛み合わせが難しくて保留にしました。クラス的には[アーティスト]にならなかったけど、ユーチューバーはやってそう。
アリィ/趣味で?(笑)
ミト/化粧講座を配信しています! インスタでコーデをよくあげてるよ!
GM/ああ、私はそういう番組をよく観るよ。いつもお世話になっています(笑)
ミト/身長がコンプレックスで、高校1年生にして171センチです。160センチぐらいで止まりたかった!
エンジ/15歳で170センチ越え……これは大きくなるね。
祢莉/モデル体型で格好良いよ。
ミト/そう言ってくれるのは祢莉ちゃんだけよ! みんなゴリラって言うんだから! 筋肉で挟むわよ!?(一同笑) ≪命の糧≫という牛乳で筋力つけちゃったのが悪かったわ!
アリィ/ああ、筋トレして頑丈になっちゃったんだ(笑)
ミト/15歳で孤児院を出て、教会の宿舎……木ノ本アパートにお世話になっています。でも祢莉ちゃんのとこに遊びに行くー!

 神戸中 慎弥(プレイヤー名:しゅうら)
 キャラクターレベル6:クラス[闘士3/処刑人3]
 闘士より、主特技≪戦乙女の知恵≫ ≪命の糧≫ 、副特技≪浸蝕≫ ≪護りの契り≫を取得。
 処刑人より、主特技≪薬物調合≫ 、副特技≪血の媚薬≫を取得。

祢莉/八沼 祢莉です。新しくクラスは[霊媒師]を取得しました。やれることは自分の強化です。≪魔道具≫のレベルが上がったので≪魂装支援≫も加わってバンバンとクリティカルを出せるようになりました。
ミト/ネリリ! 凄い!
エンジ/クリティカル8で命中とか強い!
GM/命中もただでさえ高いのに確実に当てるマンになったね。
祢莉/だってもう……失くしたくないもの。神様にあげるものなんて何も無いよ。
ミト/10年間で強くなったのね。
祢莉/というか、この10年間でスレたね。15歳で孤児院を出た後に八木沼家に出会い、遠縁の人に魔術を教えてもらいました。
GM/祢莉ちゃんが15歳頃に、古川財閥の一つで魔法使いの家系である八木沼家の人が「実は貴方は親戚なのよ」と名乗り出てくれたのかな。という訳で優しいロザリーおばあさんから魔法を教わったんじゃないでしょうか。
祢莉/修行の成果で……「神様が大切なものを持っていくなら、私は悪魔にだって縋って抵抗するよ」と思うようになりました。黒魔術師にでもなったのかな?
アリィ/まさに魔女……。
祢莉/18歳ですが、まだ孤児院『止まり木』に住んでいますね。進学ではなく就職する予定です。未だにミトちゃんとずっと絡んでいます。……ミトちゃんまでいなくなったら壊れるよ。
ミト/大丈夫、ミトちゃんは丈夫だから!(笑)

 八沼 祢莉(プレイヤー名:ろって)
 キャラクターレベル6:クラス[魔術師5/霊媒師1]
 魔術師より、主特技≪魔の寵児≫ ≪幻想式≫、副特技≪魔道具2≫ ≪飛行の札≫を取得。
 霊媒師より、主特技≪魂装支援≫、副特技≪火霊操作≫を取得。

GM/さて、NPC・久永 春乃ちゃんのご紹介です。祢莉ちゃんとミトちゃんが住むオメガ世界線の住人で、現在18歳の高校3年生になりました。相変わらず今も孤児院『止まり木』に入り浸っています。10年で変化したことといえば……2年前にお母さんが乳癌で病死しました。
ミト/あー、そうなんだ……。
GM/大学進学が決定している彼女ですが、お父さんとの仲はあまり良好とは言えません。明らかにコミュニケーションが不足しているようです。お父さんが一層お仕事に行くようになったからでしょう。
エンジ/難しい仲ですね。
GM/けど反抗期というより「父も娘もどちらも素直になれない」ぐらいかな。……そんな彼女の居場所は今も教会です。昔から退魔組織『教会』に通っていた彼女は、本から異能や異端の知識を得ています。能力者に関してもかなり理解があり、戦うことができない一般人ですがクラスは[イレギュラー]です。
アリィ/なるほど、[イレギュラー]と[アーティスト]は一般人カウントしますしね!
GM/アリィくんのように人外の力を持っていたり、祢莉ちゃんのように魔法を使える訳ではありません。異端を討伐する依頼も受けてません。だけど教会で司書のバイトを始めました。ルリチカという司書のお兄さんを慕ってお手伝いをしています。

 二木 ルリチカ
 教会の書物庫で、司書としてバイトをしている大学生。
 異能や異端事件の記録を保管している書庫での書物貸出には小難しい手続きだが、その大変な作業を助けてくれる頼れる存在。詳しくは、『狂気の使者は我にくる』参照。


アリィ/ルリチカの後輩だ! 良いっすねー、笑顔でみんなのお手伝いをしてくれそう!(笑)
ミト/進学する大学もルリチカと同じかな? これにはルリチカもニッコリ!(笑)
GM/10年経ちましたが、祢莉ちゃんとミトちゃんのことが大好きなのは変わりません! 実家暮らしの裕福な彼女は一人暮らしを始めたミトちゃんの家に頻繁に遊びに行き、お夕飯のお裾分けもしに行きます。
祢莉/お裾分け! みんなで鍋パーティーでもしようか!(笑)
GM/そして、エンジくんとアリィくんのことも、大好きでした。
ミト/……でした……。
GM/春乃にとってアリィとエンジの2人は過去形で話すしかないからね。
アリィ/……そうだ。みんな、春乃ちゃんから貰ったアクセサリーの形状は何にしたの?
GM/あ、それGMも聞きたかったんだ。出来ればここで明言してほしいな。
アリィ/アリィはクロスのネックレスを貰ったことにします。吸血鬼だけど十字架なんて平気だよ!(笑) 目の色と同じ緑色の石が入っています。
エンジ/エンジはキーホルダーかな? スマホに付けたり、鞄に付けたり、転々としています。近くに置けるようにしたいね。色は……えんじ色で。
祢莉/祢莉は……ブックマーカーかな。いつも魔導書に挟んでいる。
ミト/ミトちゃんは、紫色の石を貰って今はスマホケースのデコパーツとして加工してそう。手帳型のスマホでいつも持っているよ!
GM/みんなそれっぽくて良いね。じゃあ春乃は……判りやすくネックレスかな。アリィくんと同じような形でお揃いにしたい。
アリィ/でも春乃ちゃんの色はピンク色の石がいいな! 春っぽい色で!
GM/了解です、ピンクのネックレスで(笑) それではオープニングを……それぞれの世界線ごとに進めていきましょう!


 ●オープニングフェイズ1/ミト&祢莉 〜オメガ世界線・3月25日〜

GM/最初はミトちゃんとネリちゃんのオープニングシーンです。まずは2人のハンドアウトを改めて確認しようか。

【第1話 ハンドアウト:PC1→ミト −オメガ世界線】
 コネクション:教会の礼拝堂  関係:自由

 君は教会のエージェントだ。
 アリィとエンジが死んで10年が経った君は、昔よく来た礼拝堂にエージェントとして訪れるようになった。
 さて、教会の仕事斡旋人・高坂からのとあるお願いをされた。
 「3月は事件が多い。事件を起こす人も、自殺者も多くなる。負の感情を求めに異端が蔓延る時期だ。
 何か起きてからだと危ないから、街のパトロールを強化しようと思う。君も参加してくれないかい?」
▼セカイのイベント:教会の礼拝堂に訪れ、高坂の依頼を受ける。
▼コネクションイベントキー:教会の礼拝堂

 退魔組織『教会』が間借りしている仕事のスペース。礼拝堂の中央には壮大で厳かなマリア像がある。
 ▼公式NPC1:高坂
 退魔組織『教会』の仕事斡旋人。異能事件の仲介屋をしている男性。
 君は既に何度か『教会』の依頼を受けたことがある。詳しくは4版ルルブP.82参照。

【第1話 ハンドアウト:PC2→祢莉 −オメガ世界線】
 コネクション:孤児院にいる親友<春乃>  関係:友情

 君はアリィとエンジが死んで10年経った今も、ミトと春乃にはよく会っている。
 ミトが街のパトロールをすることを知った春乃は、自分もボランティア参加を申し出ていた。
 「みんなと一緒にパトロールすれば怖くないよ。そうだ……10年目の今日、あの2人が亡くなったあの場所へ、手を合わせに行きたい」
▼セカイのイベント:川へ向かう。
▼コネクションNPC:孤児院にいる親友<春乃>

 18歳の親友。一般人。10年が経ち、教会に能力者が集まることを知り、異端事件のことも把握するようになった。
 異能や異端について秘匿義務があることも、ミトと祢莉が能力者であることも理解している。

GM/今日は3月25日。桜も咲いてきた時期、春うらら、昼寝したらきっと気持ち良い天気の日。教会の仕事斡旋人・高坂から「もし良かったらボランティアに参加してくれないか」という和やかなテンションで礼拝堂に呼ばれます。
ミト/高坂くんのお呼ばれだったら行くしかないわね!
GM/高坂……くん?(笑)
アリィ/高坂に強いキャラだな(笑)
GM/(高坂になって)「やあ、ミトちゃん。よく来てくれたね? 春休みは遊び放題かな……あ、来月から高校生になるんだっけ?」
ミト/そうなのよ、また年取っちゃうわー!
GM/「何言ってるんだよ、これからいっぱい色んな経験をして、良い………………オンナになっていくんだろ?」
ミト/まあ! 大人ってうまいこと言うわよねー! でも今の溜めは何?
GM/「『良い』を強調したんだよ」
アリィ/……高坂って良い人だなー!(一同笑)
GM/「えっと、確かこの時間でミトちゃん以外に来るのを約束していた子は……」と言っているときに、祢莉ちゃんもシーンに登場しませんか?
祢莉/はい。祢莉もパタパタパタと来ます。パタパタ。こてんっ。
ミト/転んだ!?(笑) 祢莉ー! こんな所でコケちゃダメじゃない! ちょっとぉ! なんで段差なんてあるのよぉ!? リノベーションが必要じゃないぃ!?
エンジ/段差にキレた!(笑)
GM/「ご、ごめんよ!」(笑)
祢莉/ごめんなさい、祢莉がウッカリしてたからいけないの……(笑)
ミト/かーわーいーいー! 祢莉は謝らなくていいのよぉー!(笑)
GM/「そろそろ本題に入ろうか。……君達もキャラクターレベル6になる能力者なら何となく判るだろ? この時期は何かと異端が出没して大変でね」
ミト/異端事件が一番多い時期なのよね? 人手も足りなくなっちゃうわねー。
GM/「そうなんだよ。異端は感情の揺れ動きを求めて出現する。3月は人々にとって何かと変化が多い時期、よって事件は3月に多くなる……。何か起きないようにパトロールはしておかないとね」 高坂はほんわかと穏やかに言います。
ミト/もちろん協力するわよ。
祢莉/まずは、みんなが幸せにならないとだし。パトロール、引き受けます。
GM/「ありがとう。……けど、自分達の時間を大切にしてくれよ。祢莉ちゃんは来月から社会人、ミトちゃんは義務教育最後の春なんだから」
ミト/判ってるじゃなーい! 高坂くん、好・き!(笑)
GM/「俺もミトちゃんの素直に気持ちを伝えられるところ、好きだよ」
エンジ/高坂さん、さらっと言った……(笑)
ミト/あーんイケズな男! ふぁぼ!(一同笑)
GM/教会の礼拝堂は終始、穏やかなムードです。中央には綺麗なマリア像が君達を見つめていて、春の陽気もあってかとても気持ち良いねー。「君に担当してもらいたいのは25日から31日。2人とも4月1日からは忙しくなるしね。あ、何かあったらまず俺に連絡してくれよ!

 『イベントキー:高坂の依頼〜オメガ世界線』
 タイミング:オート  対象:本文  射程:シーン  代償:1MP
 何かあったら高坂に連絡をすると約束したことを表わすイベントキー。
 異常事態が起きたり、何かを発見したら自分で対処したり実行するよりも高坂への連絡を最優先とすること。代償を消費すれば、連絡が完了したことになる。

ミト/高坂の依頼……『オメガ世界線』!?
アリィ/お目が高い!
ミト/リストにイン(一同笑)
GM/イベントキーの説明にもありますが、「MPを消費する行為で、GMは高坂に連絡を入れた」と判断します。口にしただけだと判断しないので、データでしっかりと管理します。
祢莉/はい。……なんだか気になるイベントキーですね。
GM/そんな風に話をしていると、礼拝堂から書庫へ続く廊下に、バイト中の春乃ちゃんが書類や本を運んでいる姿が見えます。
祢莉/あ、春乃ちゃんだ!
GM/「ルリチカさん! この本はあっちに移動で良いですか?」「うん、そっちの本はあっちで、あっちの本はこっちに移動で……」 年度末の書物整理のバイト中です。彼女はやや危険なパトロールのバイトはできません。なので今日も安全な司書バイトをしています。
ミト/あらあら、あんな重い荷物も持っちゃって!
GM/(高坂になって)「ルリチカくんも女の子に力仕事をさせられないって止めていたけどね、春乃ちゃんが『やります! やらせてください!』って言うからさ……。彼女の笑顔を見ていると、無碍にしたくないだろ?」
祢莉/そうですね。春乃ちゃん、良い子だ……。
ミト/きっと大丈夫よ。なんてったって相手はルリチカだからね! 後輩には優しいわよ!(笑)
アリィ/中の人がMUMAちゃんだからね、心配無い(一同笑)
GM/そんなルリチカが「お疲れ、春乃ちゃん。上がっていいよー」と声を掛ける。春乃は「はい、ありがとうございます。先に上がりまーす!」と言って……。
祢莉/あ、バイトが終わった……。
GM/パタパタパタとミトちゃん達の所に行きます。パタパタ。ドーン!
祢莉/ドーン!? こ、転んだ!?(笑)
GM/転んだというより、飛びつきにいった……かな?(笑・春乃になって)「バイト終わったー! 大掃除をやってきたよー! そっちはー!?」
ミト/春乃ちゃんをキャッチ!(笑) お疲れ様ねー! あんな重い物を持っちゃって平気だった? よーしよしよしよし!
祢莉/ミトちゃん。そんなに撫でたら髪の毛がボサボサになっちゃう(笑)
GM/「昨日今日って忙しかったけど、もうおしまいだって! ミトちゃん達はこれからお仕事なの? ……何か事件があったの?」
ミト/何も起きてないわよ。
祢莉/うん。起きないように、パトロールをするの。
GM/「そっか! ……あ、そういやアイザックさん燐音ちゃんがパトロールが必要って話をしてたなぁ」 春のは教会にいるエージェントさん達の名前を挙げます。それぐらい色んな人と知り合いのようですね。
ミト/まあ、情報通なのね!
GM/「ううん、別に情報通ってほどじゃないよ。コーヒーを出しに行ったときに話を聞いたぐらいだから」
祢莉/そういうの、大事だよ。そこから仲良くなれるんだから(笑)
GM/「事件が起きてないなら……私も一緒に行こうか!?」
祢莉/……何か起こってからじゃ遅いよ。
ミト/そうよ、エージェントは夜中にパトロールすることもあるのよ。女の子には危険よ!
GM/「それを言ったら祢莉ちゃん達だって危険だよ! それに……どうせお父さんは夜に出歩いたって私のことなんて気にしないし」
ミト/……アタシが気にするわ!
祢莉/ミトちゃんって春乃ちゃんのお父さんみたいだよね。
ミト/せめてお母さんみたいって言って!(一同爆笑)
祢莉/ご、ごめんなさいママン!(笑)
GM/「むー、私は2人と一緒にいたいのにー! 春休みに予定なんて無いし……」と話した途端、春乃は礼拝堂の中央にそびえ立つマリア像を見上げます。春休みという言葉にあることを思い出した春乃は、ゆっくりと口を開きます。「……もう、10年経っちゃうんだね」
ミト/……そうね。
祢莉/……同じようにマリア像を見上げて、睨みます。
GM/「あ、あのさ……お花見に、2人に手を合わせに行かない?」 おそるおそる口にします。大好きだったエンジくんとアリィくんの存在は、デリケートな問題だから。
祢莉/……お花見だったら行きます。ニッコリと笑って言います。お花見、行きたい!
ミト/2人が行くならアタシも行くわ! お団子を持って行きましょう!
祢莉/花より団子!(笑)
GM/「判った! じゃあ駅前で美味しいのを買ってさー……!」 君達3人は笑顔で、河川敷へ向かいます。やって来た河川敷は桜満開、花見客も何人かいるような穏やかな場所になっています。……10年前と違うのは、子供向けに平仮名で書かれた『かわあそび ちゅうい!』という看板があるぐらい。
ミト/あの事件から立てられたのね……。
アリィ/ちょっとした柵が立てられたりしてるんだ……。
GM/そうだね、柵も看板も大きくなった身からすると些細なものに見える。けどN市は子供達を守るための対策はしているみたいだ。……しっとりと花見でもしようか?
ミト/今年も綺麗な花が咲いてるわー。そういや昔、エンジが言ってたわね。
祢莉/なんて?
ミト/「花の精が! 花の精が! 花の精があああぁっ!?」って。
祢莉/叫びながら川辺を駆け回っていたね。
エンジ/俺は何をしていたの!?(一同爆笑)
ミト/アリィくんが走り回ると花吹雪が起きたわね。
祢莉/「花散らしのアリィ」の二つ名は伊達じゃなかったよね。
GM/「うん、お遊戯会のとき『あー!? おやめくださいアリィくんあーあーおやめくださいあーアリィくんおやめくださいあーあーあーおやめください!』って保母さん全員大混乱の大惨事になったよね!」 さあ、ここにいない男子達のの思い出を捏造するんだ。
エンジ/やたらめったら変な記憶を作りやがって!(笑)
アリィ/我々が口を出せないうちに!? 覚えてろよ!(一同爆笑)
祢莉/エンジくんは……いっぱい花弁を集めてきたよね。
GM/「懐かしいな。『これでボックスガチャが回せる!』って言っていっぱい花弁を掻き集めていた
ミト/花弁20枚で10連ガチャが回せたわ!(笑) アリィくんも次から次へと花弁を取っては走り取っては走り……。
GM/「右に走っていったと思ったら、横スクロール式に左から現れた」(一同笑) さて突然ですが春乃が、河川敷の川へと下り始めます。
祢莉/えっ!?
ミト/ちょちょちょっ!(笑) 危ないわよ!?
GM/子供には危険な水位ですが、大人からすると深い場所でも腰より下ぐらいの水カサしかないです。「ね、ねえ、あれ……あれ何だろう!?」 春乃は、水の底で光る緑色を指差しています。
ミト/うん? あれって……?
祢莉/緑色の……光?
GM/「あれ……アリィくんにあげたネックレスじゃない!?」 春乃は、自分の首から下げているネックレスを出します。それを握りしめながら、果敢な彼女はタイツも履いているというのに水の中へ入っていく。
ミト/さ、寒いわよ! まだ3月よ!?(笑)
祢莉/春乃ちゃんが行くなら私も……!
ミト/やめなさーい!(笑)
GM/春乃が水底に沈むそれを掴んだ。そのとき、突然……。シーンを終わりにします。


 ●オープニングフェイズ2/アリィ&エンジ 〜アルファ世界線・3月25日〜

GM/次は、アリィくんとエンジくんの番だよ。男子組のオープニングシーンをやるよー。
アリィ/はーい。
エンジ/へっへっへ、こっちではどんなことを言ってやろうか!?(笑)

【第1話 ハンドアウト:PC3→アリィ −アルファ世界線】
 コネクション:教会の礼拝堂  関係:自由

 君は教会のエージェントだ。
 ミトと祢莉と春乃が死んで10年が経った君は、昔よく来た礼拝堂にエージェントとして訪れるようになった。
 さて、教会の仕事斡旋人・高坂からのとあるお願いをされた。
 「3月は事件が多い。謎の異端によって人々が襲われ、魂を抜かれる事件が起こっている。
 これ以上事件を起こしてはならない。街のパトロールを強化しようと思う。君も参加してくれないかい?」
▼セカイのイベント:教会の礼拝堂に訪れ、高坂の依頼を受ける。
▼コネクションイベントキー:教会の礼拝堂

 退魔組織『教会』が間借りしている仕事のスペース。よく教会所属のエージェント達が和気藹々とたむろしている。

【第1話 ハンドアウト:PC4→エンジ −アルファ世界線】
 コネクション:龍の聖剣  関係:信頼

 君はミトと祢莉と春乃が死んで10年経った今も、アリィとよく会っている。
 アリィが街のパトロールをすることを知った君のもとに、最近仲良くなった龍の聖剣が現れた。
 「今、大変な存在が貴方達の世界を侵略しようとしているわ。
 もし世界を救いたいなら……10年前の今日、貴方達の運命を変えた場所へ向かうといい」
▼セカイのイベント:川へ向かう。
 ▼公式NPC1:龍の聖剣

 人外。超越的な話題をする金髪の幼女。とってもふしぎ。
 アリィとエンジは既に何度か時間を跳躍してもらったことがある。詳しくは4版ルルブP.82参照。


GM/アリィくん、君は……イギリスから10年ぶりに日本へ戻ってきました。懐かしの日本へようこそ。
アリィ/空港だ……。10年前の日本へ、キャリーを引いてやって来ます。迎えに来てくれたエンジくんに「エンちゃーん!」とデカイ声!
エンジ/ヒエッ!?
アリィ/素のビビリだった!(一同笑)
エンジ/帰国アリィだー! 思ったより、海外人っぽい!
ミト/何故なら外人だからである!(一同爆笑)
アリィ/そうだよ外人だよ!?(笑) エンちゃんに駆け寄って、ガッシーと腕を組む!
エンジ/おかえりー! 10年ぶりの案内は任せろー!
GM/アリィくんは10年ぶりの日本だけど、この10年間エンジくんとはインターネットや国際電話などやり取りのおかげで久しぶりじゃない気分だね。……さて、再会から時間を経て3月25日のお昼頃。10年ぶりのN市をエンジくんに案内してもらいながら、教会の仕事斡旋人・高坂の元に行く日でもあります。
アリィ/うわー! 駅が改装してるー! 駅前が広くなっているのに小さく見える……ボクが大きくなったからかな?
エンジ/10年前っていったらあの店なんて無かっただろー?
アリィ/うんっ。でもこの道は懐かしいね。教会までの道は変わってないんだ?
エンジ/そうだね。教会まで一緒に行こうか。久しぶりの礼拝堂に行こう!
アリィ/そうだ、教会に来てくれって言われてた! 忘れてた!(笑) 駅前でお菓子を買って行こう!
エンジ/……良いぞ良いぞー。俺はずっと地元に住んでいたから、帰ってきた人の反応を見るのが凄く楽しい!(笑)
GM/わいわいと2人で教会の礼拝堂にやって来ます。そしてエージェントと話をしている高坂を発見。……アリィくんは高坂と会うのは初めて?
エンジ/電話やメールでやり取りしたことあるけど、実際に会うのは初めてかな。
GM/ではそのようにロールをしよう。(高坂になって)「あ、エンジくん。いらっしゃい……おおっ!? もしかしてそこのイケメンが例の彼かな!?」
アリィ/イェーイ、イケメン! そうでしょう!?(一同笑)
エンジ/は、はい。ここにおりますのが……(笑)
GM/「アルカード=マイヤーくん、だろ?」
アリィ/はい。アリィで結構です! 日本の教会に……エージェントとして来るのは初めてです。
GM/「イギリスでエージェントとして既に何度も仕事を受けているって聞いているよ。頼りになるなぁ! それと、エンジくんから昔N市に住んでいたって話をしていたけど……」
アリィ/そう、ボク達幼馴染なんです!
GM/「そっか、じゃあ心細くなんてないね。来月からこっちの高校に通うんだっけ、これからよろしく頼むよ!」
アリィ/はーい!
GM/……ところで、いきなりですがプレイヤーの皆さんにアンケートを取ります。お土産としてフルーツを貰うなら、何が良い?
エンジ/はい? フルーツですか……メロンとか、リンゴとか?
アリィ/3月に貰うならイチゴとか?
祢莉/イチゴ、良いですね。美味しいし。
ミト/春ならイチゴ狩りとかあるし。
GM/じゃあイチゴで決定。「エンジくん達はイチゴは好きかい? さっき……孤児院の日与子先生が来てね。『お客さんからいっぱいイチゴを貰ったから食べて』って持ってきてくれたんだ」
アリィ/わー、イチゴだ! やったー!
GM/「昔『止まり木』によく来ていた女の子のお父さんが、お墓参りに来てくれたらしくって。10年前ぐらいまでN市に住んでいた久永さんっていう人なんだけど……」
アリィ/久永……あっ。
エンジ/……俺達も知ってる人だね。
GM/ではここで、久永 春乃のお父さんのご紹介をします。名前を、久永 靖秋(ひさなが・やすあき)さんと申します。

 久永 靖秋。
 久永 春乃の父親。現在38歳(第0話、10年前は28歳。春乃は20歳のときに生まれた一人娘)。
 娘は10年前に事故死。妻は2年前に乳癌で病死している。
 10年前に起きた娘の事故死がキッカケで、アーティスト(クリエイター)の仕事を辞めて、実家のイチゴ農家を継いで働いている。


アリィ/あ、アーティスト……やめちゃったんだ。
祢莉/本当だ。娘の事故死がキッカケで、イチゴ農家になってる……。
GM/久永さんの実家は大きなイチゴ農家。20代の頃は上京してデザイナーとして夫婦一緒に頑張っていたけど、色々心境が変化したのか田舎の家業を継いだそうだ。アリィくん達は「このイチゴは春乃のお父さんがプレゼントしたものだ」と察してくれてOKです。
エンジ/そっか、このイチゴは……春乃のお父さんが作ったのか。
アリィ/……しょぼーん。10年経ったんだね……いただきます。
エンジ/それはそれとして、イチゴをいただきます。でかい! 甘い!(笑)
アリィ/美味しい! ホントに美味しい! 新鮮な国産の果物、美味しい!(笑)
GM/どんな悲惨な食生活だったんだ、アリィくんの10年は。
アリィ/もうボクは日本に帰ってきたからね! 勝訴!(笑)
エンジ/そうだね、美味しい日本食をいっぱい食べようね! 米が食えるぞー!(笑)
GM/イチゴを食したところで真面目な仕事モードに入ろう(笑) 「3月は事件が多くなるというのは、レベル6の能力者である君達も判ると思うけど……。ここ最近全国的に、何者かによって人々の魂が抜かれ、目覚めなくなるという事件が起きている。君達2人を呼んだのは他でもない、この事件に協力してほしいからだ」
エンジ/なんだって。全国的に?
アリィ/お話を聞く態勢になります。
GM/「一般人が数人犠牲になって、このN市でもついに事件が起きた。……昨日まさに、N市で活動しているエージェントが襲われ、意識不明になった」
アリィ/えええ……?
GM/「証言者として呼んでいる。……入ってきてくれるかい?」 高坂の言葉に従って、12歳ぐらいの女の子が現れます。名前を、琴子(ことこ)ちゃんと言います。

 琴子
 教会のエージェントをしている小学生女子。職業は「プロ妹」。血の繋がらない兄と共に暮らしている。
 中の人は、すずか(アリィの中の人)。詳しくは『ラブアゲインシンドローム』参照。


ミト/琴子ちゃんだー!?(笑)
祢莉/(←かつて琴子の血の繋がらない兄をやったプレイヤー)ふえー!? 琴子だー!?(笑)
アリィ/おっと、見覚えがあるキャラだ! なんて感応力師っぽい顔をしている子だ!?(一同笑)
GM/「初めまして、琴子と申します。私は兄と一緒に暮らしているのですが、昨晩兄は何者かと戦っていたみたいなんです。私が気付いて駆けつけたときには、もう既に兄は目を覚まさなくなっていました……」
アリィ/な、なんということだ……!?(笑)
エンジ/あのお兄ちゃんが……目覚めなくなってしまった、なんて!(笑)
GM/「でも私もエージェントとして全国的に発生している事件は知っていました。倒れている兄を見つけた私は動転していましたが、咄嗟に≪過去視≫を使って状況を確認しました」
アリィ/偉いぞ。
ミト/偉いな。
エンジ/感応力師の鑑。
GM/真夜中。物音がして起きる琴子。「ハッ!? お兄ちゃんの危機! わあ!? お兄ちゃんが倒れてる! お兄ちゃん、しっかりし…………≪過去視≫」(一同爆笑)
祢莉/(泣きそうな声で)琴子、お前……しっかりしてるなぁ……琴子は強い(笑)
GM/「超能力は落ち着いた状態じゃないと成功率は半減します。慌てて使ったので曖昧な記憶しか見られませんでした。でも、『兄が武器を振るって何かと戦う姿』、武器の軌道からして『空を飛ぶモノが相手だったこと』、それと敵が『人型ではないもの』なのは判りました」
アリィ/……琴子が、優秀だ……(笑)
エンジ/空を飛ぶ……飛行能力持ちか。
GM/「そうです。空飛ぶそれは、倒れた兄から青い光を抜き取って、姿を消しました」 よく昇華されるとき『蒼い光が舞った』と表現しますが、『AW』での魂の色は青色としています。琴子ちゃんは何者かがお兄ちゃんの魂を抜き取られたことを知り、教会に報告。こうして今、エージェント達を緊急召集しております。
エンジ/これが12歳……見習わなくちゃ(笑)
GM/しっかり者の琴子ちゃんですが、その表情はとても悲しそうです。「お兄ちゃんは……病院のベッドで眠ったままです。魂を抜かれた器は死亡し、死亡した体は腐敗が始まります……今は魔術的な措置で進行を食い止めてますが、早く魂を戻さないと……お兄ちゃんは……」 泣きそうです。
祢莉/(←かつて琴子の血の繋がらない兄をやったプレイヤー)ああああ!? ごめんよ琴子おおおおぉ!?(一同笑)
GM/「他にも能力者の被害者が出ています。N市近辺で昨晩襲われたエージェントは……」

 夜鷹 奏志(よだか・そうじ)
 ストリートミュージシャンをしている職業「夢追い人」。血の繋がらない妹・琴子と共に暮らしている23歳の青年。
 中の人は、ろって(祢莉の中の人)。詳しくは『ラブアゲインシンドローム』参照。同卓の仲間に、すずか(アリィの中の人)演じる琴子がいる。


 橘 萌々花(たちばな・ももか)
 教会のエージェントをしている中学3年生女子。両親から魔法を受け継いで、部活感覚で教会のお仕事を受けている元気な少女。
 中の人は、すずか(アリィの中の人)。詳しくは『春を呼ぶ円環』参照。同卓の仲間に、しゅうら(ミトの中の人)演じる榛名がいる。


 千代反田 宗次(ちよたんだ・そうじ)
 高校3年生。親が病院関係者で医療に近い世界で生きてきたため、自分も医療関係に進むべく勉強に励んでいる。
 中の人は、せいさん(エンジの中の人)。詳しくは『ダブルダウン』参照。同卓の仲間に、しゅうら(ミトの中の人)演じるナツメがいる。


 湯澤 邦樹(ゆざわ・くにしげ)
 科学部に所属している高校1年生。両親が海外出張中のため、実姉と、ネオオスマン兵率いる英霊と3人暮らしをしている。
 中の人は、しゅうら(ミトの中の人)。詳しくは『突然の死』。参照同卓の仲間に、GM(マーサー)演じるメフメトがいる。


GM/プレイヤーの皆さんの、過去のキャラクターに被害に遭ってもらいました。
アリィ/うわー!? 見覚えがある人達だー!(笑)
ミト/邦樹が被害者って判るー! 突然の死ー!(笑) あああっ!? 萌々花まで被害に遭ってるー!?
アリィ/も、萌々花まで……!? なんかアリィと萌々花ってめっちゃ仲良くなれそう(笑)
GM/なお、元PCの皆さんは『世界の抑止力ルール』という「シナリオ中にピンチになるけどセッションの間は死なないよ」ルールによって守られているので無事です。だけど、周りの人達はみんな悲しんでいるので早めに救ってあげてください。
祢莉/で、ですよねー。みんなさめざめしてる(笑)
アリィ/(琴子の口調で)奏志お兄ちゃんは元気が取り柄だったのに……琴子一人のお家は静かだなぁ……。
祢莉/ごめん、ごめんねぇ……(笑) 4人とも共通点は無いのかな、老若男女問わず襲われているね。
エンジ/一般人だけじゃなく能力者もバタバタとやられている……大変だ。こんなに多くの被害者が出るなんて、面白くなってきちゃった! 許せねぇ!(一同爆笑)
GM/高坂が「アリィくん、エンジくん、ぜひとも協力してほしい」と改めて君達に頼み込みます。「今は何でも手掛かりが欲しい状態なんだ。これだけ被害を出しているということは犯人もまだ近辺に潜んでいるに違いない……」
エンジ/パトロールに加わりますよ。
アリィ/もちろんボクも!
エンジ/初仕事だね。
アリィ/うんっ!
GM/詳しい話を始めます。そして全ての話が終わった頃、みんなを救うべくナツメくん榛名くん美森ちゃんとメフメトが高坂の情報を聞きに現れたりして、高坂は慌ただしく彼らのもとへ向かっていくのでした。エンジくん達にもイベントキーを渡しておくよ。

 『イベントキー:高坂の依頼〜アルファ世界線』
 高坂から依頼があったことを表わすイベントキー。魂を奪った何者かを倒そう! 頑張れ!

アリィ/「頑張れ!」……って、それだけかい!?(笑)
GM/それだけだよ。
祢莉/アルファ世界線はオメガ世界線と違って、事件は既に起こっているし……連絡の必要が無い、とか?
GM/さて、慌ただしい礼拝堂を出た君達。……外は桜が綺麗に満開、実に春らしい季節だね。事件なんて無かったら散歩の末にお昼寝をしてもいいぐらいだ。
エンジ/春だなぁ……団子が食べたいなぁ。
アリィ/食べたいねー……。
GM/「はい、お団子」 三色団子を渡している小さな6歳ぐらいの金髪ツインテールの女の子がいます。
エンジ/わあっ、美味しそう!
アリィ/ありがとう! …………ロリぃ!?(一同爆笑) ろ、ロンドンぶり?(笑)
エンジ/ひ、久しぶり? 季節感ある登場だね!?(笑) 
GM/「アリィ=マイヤー。遠江エンジ。久しぶりのロンドンぶりね」 どうも、龍の聖剣です。ハンドアウトで明記されている通り、PC3とPC4の君達は顔見知りです。
エンジ/どうしたの……これ、差し入れ?
GM/「ええ、それは差し入れ。……今日はちょっとした忠告をしようと思ったの」
アリィ/忠告? お団子もぐもぐ。
エンジ/……君がわざわざ言いにくるなんてオオゴトだね。お団子もぐもぐ。
GM/「その通りよ」 お団子もぐもぐ。
エンジ/どうしたの? お団子もぐもぐ。
GM/「今」 お団子もぐもぐ。「大変な存在が」 もぐもぐ。「この世界を侵略しようとしているわ」 もぐもぐ。
エンジ/……大変な存在? もぐもぐ。
GM/「それ以上は」 もぐもぐ。「言えないのだけど」 もぐもぐ。「もし世界を救いたいのなら」 もぐもぐ。「10年前」 もぐ。「貴方達の運命を変えた場所に行くといいわ」 ごっくん。
アリィ/(超シリアスな声で)……もぐっ。
祢莉/か、かわいい!(一同笑)
ミト/効果音で会話してる!(笑)
エンジ/ハンドアウトの内容から、こんな流れになるとは全然思わなかった(笑)
GM/GMも悪ノリでやった、申し訳無い(笑)
アリィ/スットコドッコイなシリアスになっちゃった(笑) 10年前……運命を変えた場所って?
エンジ/……俺らの10年前って言ったら、一つしかないだろう? 行く?
アリィ/……何も無くても、お墓参りに行くつもりではあったしね。そのためにお菓子をいっぱい買ってきたのだ。
エンジ/そっか。……じゃあ、龍の聖剣。俺達はあそこに行ってみるよ。
GM/ロリはお団子がいっぱい入ったタッパーを持ってその場を去ります。
エンジ/それ、他の人にもあげるの!?(笑)
GM/「いいえ……私は貴方達ぐらいしか、このお団子をあげられなかったのよ」 彼女は消える前、そんなことを言います。
アリィ/えっ……? どういう意味だろう……なんか今日はいつも以上に意味深だったね? とにかく、ごちそうさまでした。
エンジ/ごちそうさまでした、ありがとう。……行こうか。
アリィ/うん。よろしくね、先輩!
エンジ/んーっ! 先輩って言ってくれた! 良い笑顔になっちゃう!(笑) 先輩って言われてウキウキしちゃうよ! ……ミトちゃんが生きていたら「せーんぱいっ」とか言ってくれたんだね。
アリィ/ミトちゃんは昔からスカートを履いていたし、高校生になったらセーラー服とか着たのかなぁ? 綺麗な顔の子だったからきっと似合ったよね。
エンジ/みんなで花弁を集めてさ、お金の代わりにしてお店屋さんをしたね。
アリィ/集めて、祢莉ちゃんにあげるんだ。そうするとお話を読み聞かせしてくれた。
エンジ/読み聞かせガチャだね。
アリィ/桃太郎は当たりだった。
エンジ/大当たりも出ると2本も読んでもらえる。
GM/さらにレアだと春乃が「裁判長の話をしようか!?」と横から乱入アピールチャンスしてきた。
エンジ/なんかあの頃の春乃って裁判長ばっかだったよな(笑)
アリィ/マイブームだったんだろうね(笑) 「勝訴ー!」って言いながら走るのが好きだったみたい。
エンジ/あの頃の俺、「勝訴」って漢字が読めなかったよー(笑)
GM/そんなこんなでやって来た河川敷は超お花見びより。花見客はワイワイしているし、子供達も遊んでいる。「かわあそび おとなといっしょに!」と書かれた看板が立っているのを発見できるね。
アリィ/お菓子を供えて、手を合わせます。
GM/そのときだった。川の中で紫色に光った。
エンジ/えっ? ……なんか光ったね? 何だろう?
アリィ/戦闘移動30メートルの男がすぐ行きます!
エンジ/ゆ、ゆっくりでいいぞ!(笑)
GM/アリィくんがピョーンと川へ飛んで行く!(笑) すると、紫色の石が川の中で光っているのが判るね。捨てられたビー玉やビーズでもあるのかな?
エンジ/なにー? なんだそれー!
アリィ/裾を捲って靴ポーン! ザブザブと川の中に入っていきます!
GM/行動が早い(笑) アリィくんがザブザブと川へと入り、光るそれを掴んだ……そのときだった。君達の視界が真っ暗になり、シーンが途切れます。