アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 狂った果実 』 ５ページ ■
2023年9月3日
ＧＭ／せっかくだから３１日の朝まで進めます。という訳で７月３１日になりました。みんなで朝食を食べましょう。
陽子／朝だ〜。洋館モーニングうっまー！
奈奈緒／黒葉と教授に襲われたのよおって朝に話します。
縹／ぶは！？（笑） そんなん朝言われたらコーヒー吹いちゃう！ ３Ｐ未遂事件とか「昨夜Ｇが出てね」みたいなノリで話す内容かなあ！？
夢野／え〜めちゃめちゃヘキだなあ〜。って思うも我慢の子。
縹／我慢できて偉い！（笑） 貴瀬の件があったから注意しような、って話した矢先に……。ともあれ、奈奈緒ちゃんが無事で良かったよ。
奈奈緒／みんなの貞操が無事なのが何よりよ。他ルートも見たかったけど。だらしない全裸を若い男の見られちゃったのが心残りだわあ。
縹／心残り箇所、そこなの？
陽子／ミタさん、下着の上下があってなさそう。
奈奈緒／明日からダイエットするわ。今は山盛り食べている。
ＧＭ／なお、一緒に朝食を食べる紗々音は普通に振る舞っています。そして食事中にメイドがやって来ます。「皆様、お食事中失礼しますが、本日のスケジュールについてお話させていただきます」 バイトの時間割確認などを行ないます。
夢野／おや、愛宕嬢。確認有難う。
ＧＭ／「……という時間割になっております」 どのようなシーン進行かはプレイヤー次第なので、自由に演出してください。
陽子／あたしの授業は〇時からね！
縹／おじさんの授業は午前中かあ。……おじさん、何の授業を教えてるんだろうね？（笑）
陽子／国語・算数・理科・社会・体育・家庭科・音楽、色々ありますよ。小学校の先生って尊敬するわ〜（笑）
ＧＭ／「真白様の授業の時間割は以上ですが、今夜は１９時からパーティーを予定しております」
夢野／……オヤ。
ＧＭ／「月島邸では定期的にホームパーティーを開いています。大学ゼミの交流会も兼ねているとお聞きしています」 夏休みですから。「立食パーティーで美味しいものをたくさんご用意しますし、ビンゴゲーム大会も開催しますよ。真白様も毎回とても楽しみにされていますので、ぜひ皆様もご参加ください」
縹／パーティー……これか。
ＧＭ／「本日ご参加していただくのは、バイトでお泊まりしてくださっている皆様と、以前からご参加の約束をしてくださった方々で……だいたい４０名ほどがお集まりになられます」
陽子／７月３１日の火事で亡くなる４０名の犠牲者……。
奈奈緒／ここが肝ね。
ＧＭ／「もちろん皆さんもご参加してくれますよね？」 メイドが話すと、百合人達は「あらゴージャスで素敵！ モチロンよ、楽しみにしてるわ
」と了解します。
夢野／ああ、勿論。喜んで参加させていただくよ、楽しみだ。
陽子／これを期待してたのよワクワク！ 人脈作りパーティーが主目的で来たんだから！ めーっちゃ楽しみ！ パーティー大好き〜！
奈奈緒／陽子ちゃんが陽キャでめっちゃかわいい（笑）
夢野／存分に色んな人達と仲良くしておいで、ヨウ子（笑）
ＧＭ／バブル期の人間、すぐ会食する。宴会もする。懇親会もする。飲み会もする。
陽子／バブルのとき、お金配りが目的みたいなパーティーが山ほどあったらしいしね。
奈奈緒／バブル味わいたかったー！（笑）
縹／……メイドさんの話を聞いて、難しい顔をしちゃう。
奈奈緒／ま、裏を返せば時間がもう無いってことですもんねえ。みんなの生きる未来は守るためにもパーティー爆破阻止するわよ〜。
こうして始まる７月３１日。最初のシーンは、沖田と同マスになった縹のシーンから。
縹／実は真白ちゃんときちんと会うシーンをしてないんですよね。一度ぐらいは授業シーンをしておくべきか。それとも探偵っぽくコーヒータイムしゃれこむか悩むな。
ＧＭ／じゃあ、朝１の授業が終わってメイドがコーヒーを出しに行くシーンとかどうでしょうか？ もちろんメイドのシーンではないのですぐ退場します。
縹／よっしゃ、じゃあ授業後のコーヒータイムしよ！
陽子／朝一番の授業は花田さんだったんですね。小学生の授業だから朝９時から始まって、１０時には終わりかな？
縹／はい真白ちゃん、お疲れさん。
陽子／結局、花田さんは何の授業を担当なんです？
縹／……社会科かな。中の人が社会科ぐらいしか得意科目が無い（笑）
ＧＭ／（真白になって）「覚えることいっぱーい！」 （ユイになって）「花田先生、社会科の授業お疲れ様です。コーヒーをどうぞ。真白ちゃ……真白ちゃんは紅茶で」
縹／言い直しても言い直せてない！（笑）
ＧＭ／普通に間違えました！ 言い変えようとしたのに！（笑）
夢野／素が隠せてなくてかわいいね（笑）
縹／２人は仲が良いんだね？
ＧＭ／（真白になって）「えへへ。ユイちゃ……ユイさんは、最近来てくれた人の中で一番楽しいから好き！」
夢野／あ、勤めて長いとかじゃあないんだ？
縹／おや、わりと最近働き始めたんだ？ それにしてはしっかりしてるね。
ＧＭ／（ユイになって）「私は春からこちらのお屋敷にお世話になっております。３月頃からですね」 そう言う彼女をよくよくユイを見ると、確かに洗練されたメイドではないと思います。このシーンはユイのシーンじゃないのでこれ以上は言いませんが。
縹／ほーん。新人メイドさんなのか、把握……。
ＧＭ／ではユイさんは、真白と一緒にシーン退場します。授業が終わったので【知覚】判定で難易度１０をしてください。これは前回失敗した判定です。
縹／【知覚】は無いんですよ……ハッ！ ≪未来視≫で見たとかで何かボーナスくれませんか！？
ＧＭ／……３ＭＰの代償を払えば自動成功にするとか？ 判定ありの無料か、有料だけど自動成功どちらがいいですか？
縹／支払いできらあ！ ３ＭＰを払って自動成功にします！
陽子／お金があるから有料サービスに手が出せる大人っていいわね〜（笑）
ＧＭ／では……≪未来視≫で沖田がこそこそと屋敷探索をしている未来が見えました。その動きは、縹や奈奈緒と同じ動きだと思います。
縹／おっ、同業？
夢野／やだ……お屋敷に探偵がいっぱい……トゥンク。
縹／トゥンクしてる！（笑） ≪未来視≫で見たところを先回りして、気配を殺してそっと沖田に近づきます。そそそ……背後から近寄って、おーきーたーくーん！ 肩ポンします。
ＧＭ／沖田は驚きます。が、すぐに構えて取り繕います。その仕草が……潜入や交渉に慣れているものだと思います。
縹／この間もこの辺で会ったよね、奇遇だねえ。
ＧＭ／（沖田になって）「奇遇ですね。朝の散歩が気持ち良くって、つい」
縹／つい、ついでに探し物とか？
ＧＭ／「……そうですね。花田さんも探し物をしているような動きに思えますけど、見つかりましたか？ 俺の感想ですけど、花田さんってまるで探偵さんみたいだ」
縹／そういう沖田君も探偵物語みたいじゃない？
ＧＭ／「いえ、自分は本職の大学生ですよ。嘘じゃないです」
縹／おじさん、腹芸苦手だからさあ。お互いさっさと腹割って話さない？ 時間、無いでしょ。
ＧＭ／「…………」
陽子／クールだねえ。
夢野／かっこいいね！
ＧＭ／沖田はウズマキから学生証を出します。「ほら、俺しっかりと大学生してるでしょ」 その行為で能力者だと明かします。
縹／こりゃ親切にどーも。じゃあ俺も。同じようにウズマキから名刺を出しますね。
陽子／スタンド遣いは惹かれ合う！（笑）
縹／あ、でもそこの電話番号は通じないよ。今の時代は０８０から始まる電話番号なんて無いからね。
ＧＭ／「…………」 沖田は、花田さんが信頼に値する人物か見定めようとして、判定して……成功して、信用します！ 敵ではないと判断した沖田は、正体を明かします。
夢野／グッド！
縹／朝の庭散歩してるていで小声でお喋りする〜。
ＧＭ／「自分は教会に所属しているエージェントです。『異端犯罪者エンポニティス』を追いかけています」
奈奈緒／……実質の同業だ！
縹／エージェント枠だ！ 良いぞ沖田、俺は信じてたぞ！（笑）
夢野／……エンポニティスって造語かな？ ググってもどんな意味か出てこなかった。
ＧＭ／はい、「ギリシャ語のある言葉を略したもの」なのでＧＭの造語ですね。
縹／エンポニティス……聞き覚え無い名前ですよね？
ＧＭ／聞き覚えないですね。敢えて言うなら……ミタさんは、もしかしたら、あるかもしれません。「近頃、秩序を乱す異端テロリストや妨害工作員が増えています。世紀末が近いとかの不安感から終末思想、破滅思想を煽られ、自爆同然のテロを行なうテロリストが増えているようです」
陽子／うわ、時代〜！
ＧＭ／「異端テロリスト達の大抵は、逮捕しても末端の鉄砲玉で、足切り程度しかできない状態です。しかも思想で動くテロリスト達は団結力が強く、命を顧みない……自滅もする。なかなか本体の尻尾を掴ませてくれない状態が続いていました」
縹／厄介だな……。
ＧＭ／ちなみに、オウム真理教がテレビのバラエティー番組に出演していたのもこれぐらいの時代かと。
縹／９０年代になると統一教会とかも流行ってくる。時代的にも政治的な団体が鳴りを潜め始めて、宗教的な団体が表立ってきた頃か。
ＧＭ／「そんな『洗脳』された工作員らから、なんとか情報を感応力師の能力で引き出した結果……『とある男性魔術師』が頂点に立っていることが判明しました」
縹／……嫌な予感。
ＧＭ／「我々はその人物を『異端犯罪者エンポニティス』として仮称し、処断するため動いています。そして先日、この月島邸にエンポニティスが特に出入りしていると情報が入りました。しかも月島邸の主人である月島教授は日常的に若者を集めているという噂もあり……」
陽子／めっちゃ怪しい……！
ＧＭ／「娘の真白ちゃんのための家庭教師バイトのための集客とは言っていますが、だとしても十数人に声を掛けるなんておかしい。自分はこれを宗教セミナーや洗脳セミナーか何かだと勘ぐっています」
縹／なるほどね。月島教授がエンポニティス本人、あるいは重要な繋がりのある人物だと。
ＧＭ／「そうです。……残念ながら、月島邸の主人がエンポニティスとはまだ判断はできません。月島邸に集まった者向けにセミナーを開催して工作員を作り出しているのかも、まだ断定できません。でも、怪しいと思ったから俺は潜入しています」
縹／……そこまで教えてもらったならこっちも教えよう。今日のパーティーで参加者全員死ぬよ。
ＧＭ／「……！？」 それは、驚く。「それって、≪未来視≫か何かの結果ですか？」
縹／そんなもんだよ。おじさんはそれを防ぎに来たって訳。……実際、ゴミ置き場には大量の火薬があった。水浸しにしておいたけど、やる気なら代案ぐらい用意しておくだろうね。
ＧＭ／「あ、それ……俺のです。俺のスキルウェポンである火薬を隠しておいたやつです」
縹／ごめーん！（一同爆笑）
夢野／スキルウェポン水浸しにした！（笑）
縹／だって館が火事で燃えるって未来が見えたからね！（笑） でもスキルウェポンはウズマキにしまっておきな！？
ＧＭ／「ロッカー重くて……」
縹／ウズマキに重量制限ないでしょ！？ あるの！？（笑）
陽子／初めて聞いたわ。ウズマキに重い軽いの概念あるの！？（笑）
夢野／エレベーターみたいに警告音が鳴るとか。沖田君のウズマキはとっても小柄なのかもしれない（笑）
奈奈緒／ちゃんと掃除しないと汚ズマキになっちゃう。これは今年のウズマキ学会が盛り上がりますね（笑）
ＧＭ／「俺は屋敷を燃やす気なんて無いです！ でも……『未来では、俺が隠していた火薬を全部使って火事にしたかもしれない』？ あの火薬を全部使うぐらいの出来事が起きるってことか？」
縹／あの火事は首謀者がやったものじゃなくて、どうにもならなくなった沖田が放火したってこと……！？ どうにもならなくなる前に教会に通報……ダメだ！ この時代の教会に通報しても最悪揉み消される！
奈奈緒／ええん！ 鶴瀬さん早く教会リフレッシュしてえ〜！（笑）
陽子／早く鶴瀬には偉くなってもらわないと（笑） ……もしやロリが時間跳躍に消極的だったのって、沖田の頑張りを消さないようにするためとか……？
■火事フラグ
２：火事は教会のエージェント沖田が儀式を止めるために用意したことが発覚した。
異能事件を表沙汰にしたくない、または戦力増強のために沖田は火薬を地下に隠し持っている。ＰＣが火薬の場所が判れば火事の原因を消失させられるだろう。
ＧＭ／もう消失しました。
縹／消失させちゃった（笑）
ＧＭ／シーンは以上です。沖田は異端犯罪者を追って正義のために動いてるし、ＰＣ達の邪魔をしません。ただし放火はします。
夢野／ただし放火はします！？（一同爆笑）
縹／沖田君には教授部屋で見つけた情報を教えても良さそうだ。……あ、ふらふら歩いてると性的な意味で襲われるから気を付けな。マジ気を付けな。
ＧＭ／「ははは、俺は男ですよ」
陽子／お前ジャニーさんの前で同じこと言えんの？（一同爆笑）
夢野／お尻を守んな（笑）
縹／え〜ん、昭和〜（笑） でも良かった、沖田が正義に燃える（物理）青年で……。
ＧＭ／なお、沖田が工学部大学生というのは本当のことで、月島教授と同じ学部だからこそバイト潜入に選ばれたという設定です。教授とは今まで面識はありませんでした。
陽子／「沖田はデジタル工学部だから教授と密では……？」と思わせえるミスリード枠なのね。
夢野／ああ、成程。巧いミスリードだね。
続いて、奈奈緒のフラグマスイベント。
ＧＭ／奈奈緒が同行者を選べる冒険パートです。
陽子／わくわくななおの冒険２。
夢野／かわいい。絵本チック（笑）
奈奈緒／そろそろ供給がしたいので全員集合しましょう。
ＧＭ／真相フラグ１のときは書斎・研究室に忍び込みました。今度の探索場所は教授の私室です。もっとプライベートルームに忍び込めます。
奈奈緒／教授の部屋凸しまくりの我ら。
縹／教授のセキュリティがガバすぎて心配になるな。
ＧＭ／セキュリティを突破して忍び込んだんですよ。現にエージェントで潜入捜査している沖田ができない状態のところを抜けていくので。
陽子／カッコイイ探偵ムーブをしたんですね！ 教授のプライベートルームに入るためにはパスワードを入力しなきゃいけないとか！
奈奈緒／令和の時代から見たら昭和のセキュリティ概念はガバなのかもしれない。
縹／はい≪過去視≫〜。うわ、パスワード１２３４とかヒデーな。
陽子／でも１９８８年の人間は大はしゃぎですよ。わあキーコード入力しなきゃ入れないとか未来っぽい〜！ ００７みたーい！
夢野／探偵パワー格好いいねぇ！ トゥンク！（笑） ヨウ子はこういうの好きかい？
陽子／ＳＦみたいで訳判んなくて好き！ ……現にデジタル工学最先端の人の部屋だし、この時代的には凄い場所なんでしょうね。
ＧＭ／そんな月島裕次郎の部屋には、私物や家電が散乱してます。非常に物が多く、探索し甲斐があります。
奈奈緒／掃除して帰りたいわあ。
夢野／ミタ嬢の本領発揮だね。
ＧＭ／ＰＣ１が見たなら、「１９８８年にしては早すぎる小型商品」が見られます。ＣＤウォークマンじゃなくてiPodみたいな物があったり。
奈奈緒／アップル製品ある！？
縹／うわー！ 未来に生きてんな。
ＧＭ／ただし、さっきiPodだと思った物は、実際未来にあるアップル製品に比べるとかなり歪です。商品化してないからか洗練されていません。
陽子／ぶっちゃけ市場を意識していない商品はダサイよね。
夢野／私的に作ったものなんだね。
ＧＭ／探索の結果、月島裕次郎の手記や私物やプライベート写真などを発見しました。手書きの日記を読むことができます。
夢野／手記か。ミナで顔突き合わせて読もうじゃないか。
ＧＭ／手記は全部で４つ項目があります。まず１つ目から……。
■１つ目の手記
――３月に行なった儀式により召喚された神霊。
昨年、新開発されたアプリケーション『悪魔召喚プログラム』により応じたもの。
夢野／……メガテン？
陽子／あっ、時代的にあってる！ 中島朱実が開発した悪魔召喚プログラムの初出小説『女神転生』は１９８６〜１９８７年なの！
夢野／本当だ！ 時代的にぴったりなのか！
その真名は、ベルゼブブ。
縹／おい。
陽子／あー……悪魔召喚プログラムはロキとかルシファーが出てくるものだから、当然ベルゼブブも出るよね（笑）
ＧＭ／以下、ベルゼブブについてかなり調べたものが書き記されています。
ベルゼブブ。魔界の君主のひとり。サタン（ルシファー）の右腕。蠅の王。
神託・悪魔的助言を授ける者。嵐と慈雨の豊穣神バアルゼブルから名が来ている悪魔（元天使）であり、「気高き館の主」を意味するもの。
夢野／「館の主」……。
陽子／ベルゼブブも雨の神様なんだね。宋江と同じ雨仲間だ。
夢野／じぅとは仲良いかもね（笑）
「炎」と「治癒」、「雨嵐」、「時象の変化・固定」の能力を操る。非常に未来的で甘美なアドバイスを人間に授ける慈悲深き存在だが、その甘言は身を亡ぼすほどの危険性を孕むものとされる。
性的な儀式を行なうことでベルゼブブの力を得られる（ベルゼブブの加護を付与させる）ともいう。
奈奈緒／なんか身に覚えがある話だわ。
縹／この「性的な儀式」って……奈奈緒ちゃん、ほんと無事で良かったね。
また、この神霊は神話の中でも稀少と言われている伝承「収縮のイデス」を持つ。
古今東西、神話や伝説には「巨大化」や「膨張」「増殖」などのエピソードは存在する。だがその逆は無い。
「どんなものも小さくできる縮小化」「性能をそのままに生かしておける圧縮力」「美しく姿を整えることができる柔軟性」
これはデジタル工学の未来を切り開く者としては喉から手が出してでも欲しい能力である。
例えば……公衆電話を小型化したら。重いカメラを小型化したら。レコードも今や１０センチ以下に収められたが、まだできる。
万物を美しく圧縮する力が欲しい。その力を、授かることにした。
ＧＭ／注釈。ビッグライト的な伝説はあるけど、スモールライト的伝説って無い。
陽子／えっ、そうなの？
縹／ああ、増殖や巨大化は豊穣のメタファーだからね。小さいものは「貧しい」や「弱い」のイメージなんだよ。「未熟」という意味もあるから、古代では「未熟なものより成熟したものの方が正義」だからあまり良いものじゃない。
奈奈緒／思いつく縮小の逸話というと、一寸法師くらい？
縹／一寸法師は「小さいものが鬼を倒して、その褒美にデカくなる＝富む」という構図だよ。昔は「多ければ多い程いい」ってことよ。でも近未来において小型化・シンプル化は命題みたいなとこあるよな。
奈奈緒／確かに。未来ではなんでもかんでもミニマムだもんなあ。小型化は未来の象徴なんだ……？
陽子／小さくさせる、未熟にさせる、それに魅力を感じてさせる……言われてみれば逆行した「悪魔的」だ。
夢野／社会科の先生の勉強ありがたい（笑） 未来は、古代の神秘の世界とは逆をいってるんだね。
奈奈緒／最終的にはデカイが正義でデカければデカいほど良いってメロンが言ってた。
■２つ目の手記
――娘の真白にベルゼブブの加護を授けることにした。
縹／おいおいおいおい。
陽子／エッチなことしたんですね？ ……えっ、マジで文脈から察するにベルゼブブと真白ちゃんがヤってるじゃん！？
夢野／まあ、何かしらはやってたよなって……。
真白は色んな物品を、≪圧縮された世界≫＋≪組織変容≫の能力で小型化することに成功した。
彼女に物を渡すと加護の力を使って物品そのものを機能そのままに小さくできる。逸話通り、美しい形に変化したものになる。
真白は「求めていたものをそのまま出力できる存在」になってくれた。
しかし何事も代償が必要のようで、真白は極端なほど貧弱になってしまった。
縹／生きた３Ｄプリンターじゃん……。
ＧＭ／ここにある歪な未来的製品は、真白作のものです。そしてこの手記によると、「縮小の能力を使うたびに【体力基本値】、【反射基本値】、【知覚基本値】などが消費されていくようです。
夢野／ああ、それで「春頃からの体が弱くなった」になるのか。フィードバックがデカすぎるだろ……
陽子／「真白ちゃん、ＣＤウォークマンをちっちゃくして」「はーい！ ぽんっ（【体力基本値】−３）」ってか？
夢野／ぽんっ……って軽やかな音じゃない代償だよ？
陽子／そりゃ走るだけで倒れる体になるでしょ。つまり今【体力基本値】１でしょ。最大【ＨＰ】が１点しかないってことよ。
奈奈緒／１以下にはならないけど、転んでも大惨事だわ。生きてる方がつらいかもしれない……。
縹／【理知】や【意志】も下がるから【正気度】も下がる。だから危うい感じなのも納得かな。……家庭教師つけて勉強させようって言うのも、もしかしたら「経験値を稼いでレベルアップして≪強化手術≫を取ろう！」的な意図があったかもしれない。
■３つ目の手記
真白はよくやってくれているが、加護を使うたびに真白は衰弱する。これでは成長する前に製品が生めず生んでも真白がいつか擦り切れて使い物にならなくなる。
真白のように加護を授ける者を集めよう。
大学の人脈を使って数人なら集めることができる。その者達に加護を与え、小型化を実践して工学の近道を切り開いてもらおう。
幸い、機関の人脈も増えたからそちらも使えば人数集めに苦労はしない。
縹／３Ｄプリンター増産計画するな。
陽子／その３Ｄプリンター、セックスで増えるんですよ。「大学と機関の人脈で若い子を連れてこよう〜」ってヤダあたしのことじゃない！？
夢野／“……見よ……聞け……驚け……呆れよ。この脳髄のトリックの真相を……悪魔以上の悪魔の横道ぶりを……。” 呟いて、ため息を吐く。
縹／とんだ邪悪の森だったなァ。
奈奈緒／陽子ちゃんが３Ｄプリンターにならなくて良かったわあ。
陽子／直近でミタさんは３Ｄプリンターにされかけましたよ？ 未遂で良かった〜。
■４つ目の手記
写真を発見した。
「……あれ？」と、シーンプレイヤーの奈奈緒は思う。
奈奈緒／おろ？
男性が映った写真である。
これが、月島裕次郎である。
館の主人のように振る舞っている顔と、明らかに顔が違う。
奈奈緒／……見た目が違う？ 確かに一本松さんフェイスは奇跡の産物ですからね（一同笑）
ＧＭ／だが、どこかで見たことある顔にも思える。【知覚】か【意志】か【幸運】のどれかで判定、難易度８をどうぞ。
奈奈緒／おお、じゃあ【幸運】で！（ころころ）達成値９で成功。なんか気づいた！
奈奈緒は、「人ではないもの」で「この写真の男の顔」と「同じ顔」を昨日何度も見た。
真白が持っていた人形である。
縹／ギャーッ！？
奈奈緒／小型化されちまってるじゃーん！？
縹／お父さんを小型化……生き人形にされてる！ いや、２階からポイされてるが！？（笑）
夢野／……そういえば、昨日「その人形はもっとお父さんみたいな喋り方」って言ってましたね。
奈奈緒／真白ちゃんが自分の意思で小型化してたってこと！？ 「コロ……シテ……」って声が急に聞こえてくるな！？
陽子／もしかして、エンジンに詰められてた人形も……全部、元人間？
ＧＭ／小型化のイデアは、縮小して見栄え良くするものです。かわいい人形にもできるでしょう。
縹／確か、メイドの入れ替わりが多いような言い方もしてたよな。気に入ったメイドさんを小型化してお人形にしてお友達に……？
奈奈緒／お人形さんだから、また作ればいいかなって思ってるところありそう……。
縹／いやもう、それを考慮する【正気度】が無いんだよ……。
夢野／単に「これならずっと一緒に居られるね、遊べるね」って思っているぐらいだろうな……。
ＧＭ／以上の事実に気づいた――ＰＣ１で［感応力師］の縹。君達は、数年、数十年、この屋敷にあった遺品を大事に持ち続けた筈だ。
奈奈緒／あ。
陽子／えっ。……やだ、やだ……。
縹／……ウズマキから、人形を取り出す。
ＧＭ／取り出せます。それを見て、判定に成功した奈奈緒はこう思います。「ああこれ、ささねーちゃんに似てるかも」と。
奈奈緒／おねえ、ちゃん……。
夢野／うわあ、貴瀬嬢……。
縹／……≪過去視≫、します。
ＧＭ／それが貴瀬紗々音だと思いながら≪過去視≫したなら……何故か「君達を見ている記憶」が流れてきます。「人形の過去」なのに、「縹と奈奈緒と遊んだ記憶」が流れてきます。
縹／……貴瀬……。
ＧＭ／ 、 。途切れた声がする。そんだけ。
陽子／こ、これ……生きてるの？ ３０年も……？
縹／………生きてるかどうか調べる方法はある。
陽子／あ、あるんです……？
縹／≪断末魔の叫び≫を使う。
≪断末魔の叫び≫
殺された人物の最期を被害者の視点で見る［霊媒師］の副特技。
縹／殺された最期のの光景が見れれば貴瀬は死んでる。見れなければ生きてる。そういうことでは。
夢野／クレバーなやり方だ……。
縹／見ます。見なきゃなんないだろ。
ＧＭ／使いました。…………。≪断末魔の叫び≫、不発です。
夢野／……生き、てる！ ズット君たちとともに在ったのか……。
奈奈緒／ずっと生きてたんだ……。
陽子／……オープニングシーンで、ロリが最初、人形を切なそうに見てるんですよね。それって真相を知っているから……。
夢野／それ……介入できないもんなあ……。
ＧＭ／あ、「この人形をこの時代の紗々音に見せる」演出をすると、特別イベントが発生しますよ。
縹／……お前は、ずっと俺達といたんだな……。でも、どうして貴瀬を人形にしたんだ？ 教授は３Ｄプリンターを増やしたくてバイトを呼んでいるんだろ？
夢野／「真白ちゃんが貴瀬嬢を永遠のお友達にしたくてした」が有力じゃないかな。
奈奈緒／そもそも、ベルゼブブを使って３Ｄプリンターを増やそうとした教授はもう人形にされて居ないんですよ。今の一本松さんフェイスのあの人は誰？
縹／……あいつが異端犯罪者エンポニティスか！
奈奈緒／ん？ 聞き覚えがある名前ですぞ？
夢野／ミタ嬢、心当たりがあるのかい？
ＧＭ／エンポニティスという単語を聞いた奈奈緒、特別に【理知】判定で難易度１０をお願いします。
奈奈緒／エンポニティス……？（ころころ）達成値１１で成功。
■イベントキー情報：剣菱 武蔵
退魔組織『教会』に「異端犯罪者エンポニティス」と仮称された魔術師。
超人類開発研究所に１９９０年初頭まで所属していた能力者であり、『天足』という異能分野で活動を続けていた。召喚魔術・洗脳や人心掌握術・ホムンクルス操作・魔道具使役など多くの魔術的分野で名を馳せていた。
機関所属員だった奈奈緒なら、「１９９０年初頭ぐらいまで機関で成績優秀な所属員として魔術分野を牽引するほど名を上げていた」と噂で聞いていたかもしれない。
ＧＭ／なお、エンポニティスは「魂・根底の改竄者・調教者」をギリシャ語で縮めた言葉で造語です。
■真相フラグ
２：黒葉の正体は儀式で召喚された神霊ベルゼブブであり、教授の正体は月島裕次郎ではない。
真白が持っていた人形が月島裕次郎だと思われる。そしてＰＣ１が持っていた人形の正体は……。
陽子／……そういや教授、ずっと名前を名乗らなかった。ユリちゃんがＮＰＣまとめをしてくれたときも間接的に曖昧な紹介しかしてなかった！
夢野／なるほど、最初から「あの教授と月島教授は別物」って示唆されていたんだ。上手いねえ。
陽子／プレイヤー達は全員熟練『ＡＷ』プレイヤー達なので「一本松と同じ顔の男が普通じゃないのは決まってるだろ！」と判りきっていたけど、良いトリックね（笑）
ＧＭ／奈奈緒は年代と年齢と名前から、この武蔵という名前の男性が「自分が知っている男の父親だ」と判ります。機関の関係者だし、父親なら年代が合致するし、顔が似ていても仕方ないですよね。
奈奈緒／よく一本松様が凄い顔で応対されていた方だわあ。
陽子／そ、そうなんだ……（笑）
奈奈緒／かくかくしかじか。という訳でこの人、調教がお得意な方ですよお。
陽子／ギリシャ語的にそうだけど！（笑） まあ、先日『アワフェス２』に参加したみんななら知っているよね。アワフェスのスペースに来てた人だし。
夢野／（←たばさの中の人）たばさが作ったゲームを買ってくれた！ 良い人だ！（笑）
陽子／（←七那の中の人）私は『天塵』で調教メールを貰ったのが実際初対面でした！
縹／（←歌香の中の人）私は『月雫』が初接触ですけど、実際会ったのはこのシナリオでですね……。
奈奈緒／（←榛名の中の人）私は武蔵様の概念を初めて知ったの『アワフェス２』でしたよ！（笑） 水着鯖で初めてお会いしたら普通霊基と性格が違ったパターンみたい。
縹／夏イベントのトリスタンと、一部六章のトリスタンぐらいの温度差（一同笑）
陽子／話を戻そう！（笑） ……月島教授は機関の魔術師である武蔵様とコンタクトを取り、ベルゼブブを召喚した。
奈奈緒／はい。凄いタッグになっちゃった。
陽子／大学のコネと武蔵様のコネを利用して人を集め、ベルゼブブを使って３Ｄプリンターを増やしている。
縹／人集めするにも、人選ミスでは……（笑）
陽子／３Ｄプリンターにされた真白によって月島教授は人形に変えられ、教授のポジションにいる男が武蔵様である。沖田が捜索している「異端テロリスト製造マシーン・エンポニティス」とは武蔵様のことである……ってついつい武蔵様って呼んじゃうけど陽子は別に武蔵様とか言うキャラじゃないでしょお！？（一同笑）
夢野／“蛇の群れを生ませたならば……なぞ思ふ 取りすましてゐる少女を見つゝ” 凄い人なのは判った。すっごい取材したい。
ＧＭ／取材なら受け付けますよ。
夢野／しないー！ 我慢する！（笑）
奈奈緒／私が会った限りでは紳士な人でしたよお？
陽子／ちゃんと前戯してくれたし。
夢野／紳士はいきなりリアル３Ｐに持ち込まないんだよなあ！？（笑）
縹／紳士は３Ｐレイプとかしないでしょ！？（笑）
陽子／……そういや同じＧＭが作ったシナリオ『月雫』でもレイプ前にしっかり濡らせてくれましたよね？
夢野／優しい。前戯手厚いモブ、クリムゾンか？
ＧＭ／クリムゾン大好きです。
奈奈緒／前戯に性癖がアツいのでめっちゃ大はしゃぎでした（笑） ……こうなってくると他の人達もしっかり調べておいた方が良く思えてきましたね。メイドさんとか、百合人さんとか。
ＧＭ／（いきなり百合人になって）「そんなぁ〜！？ アタシは最初からお助けＮＰＣだって言ってるじゃない！(^ε^)-☆Chu!!」
陽子／洋館で小さな女の子に優しいオカマ枠ってギャリーかよ。ＧＭ、ギャリー好きでしょ？
ＧＭ／ギャリー嫌いな人間いる？
夢野／クソでっか主語ですけどいないね、この洋館を出たら一緒にマカロン食べよう！（笑）
奈奈緒／生き残ってほしい枠じゃん（笑） 百合人さんが良い人であるほどに真白ちゃんのヤバさが際立つシーンをされたからそういう役かな。
情報を整理するＰＣ達は、相談ついでにここで『供給』を行なうことに。
また、夢野が≪興奮剤≫を入手したため夢野から縹に≪興奮剤≫を３つ譲渡。それにより【ＭＰ】をまとめて回復することになった。
●ミドルフェイズ４／すごろく第４ラウンド
ＧＭ／では、４ラウンド目を始めます。（１Ｄ６ころころ）使用能力値は、【意志】です。【行動値】１６の陽子からどうぞ。
その前に、セットアッププロセスで縹が自身に≪魂装支援≫を使用。クリティカル値を下げ、ダイスロールにボーナスを与えた。
陽子／……メイドさんのバッググラウンドもしっかり調査するべきかもしれない。となると、まだ見ぬフラグマスに行くか、メイドさんと同マスになるか、ゴールするかの３択だ。
奈奈緒／そういえば私は黒葉さんと同マスになるためにフラグマスを飛ばして移動したの。だから「１２−２」のフラグマスのイベントを回収してないわ。
陽子／となると、未回収「１２−２」とメイドさんに近いのは……どっちも奈奈緒さん。２つとも奈奈緒さんに頑張ってもらうしかない？
ＧＭ／……うーん、そのことに関してＧＭもちょっと悩んでいます。奈奈緒だけにイベント集中はあまり良くないかなって……。
奈奈緒／そうなんですよ、私ばかり贅沢している！（笑） 負担ではないけどみんなにイベントをお裾分けしたい！ みんなエッチな目に遭ってほしい（一同笑）
ＧＭ／なので、進撃しやすくするためにルールを調整してもいいですか？ 「１マスにつき１Ｄ６点【ＨＰ】ダメージ」の追撃ルールを、【幸運】判定に成功することで代償を減らせるようにします。
【幸運】判定で成功し、達成値１０以上なら算出ダメージを÷２。
【幸運】判定で成功し、達成値１５以上なら算出ダメージを÷３。
【幸運】判定で成功し、達成値２０以上なら算出ダメージを÷４。（全て切り上げ）
夢野／いいですね！ このルールならレッツ進撃しやすい！
縹／【幸運】判定なら縹が≪君に幸あれ≫があるから助けることもできるぞ！
奈奈緒／先生さっすが頼りになる〜。
陽子／そうなると……花田さんがすごろく逆走してメイドさんに同マスになりやすくなりますし、陽子も全力でゴールを目指すことができる！ これは手番を遅らせた方が有利ね。なので、陽子は待機します！
ＧＭ／了解です。では、黒葉は動きます。（ころころ）２マス進んで、ゴールに到着。
陽子／１人目のゴール者が出ちゃったわ……。
縹／でも、これでスケベイベントに遭う危険が無くなったでは？
ＧＭ／今ゴールすればスケベできますよ。
縹／ゴールしたら強制スケベなの酷いッ！（一同爆笑） これだから悪魔は！（笑）
ＧＭ／次に、メイドは１マス移動。「１１−２」のマスに止まります。
縹／メイドと同じマスに行きます。≪コネ「居酒屋さきがけ」≫を使用。……さきがけの味方カウントは、ＰＣのみかな？ 沖田を仲間に含んでいい？
ＧＭ／沖田は味方でいいです。
陽子／放火魔を味方カウント？
奈奈緒／沖田はいい奴だよ！（笑）
夢野／もう安全だから！（笑）
縹／味方キャラは５人。だから５Ｄ６を振ってその中の２Ｄ６を選択します！（ころころ）おっ、６ゾロが出たのでクリティカル！
夢野／クリった！ すげーぜ！
縹／メイドまではあと３マス！ なので３マス分進もう。まずは【幸運】判定をします。（ころころ）達成値１５。
ＧＭ／【幸運】の達成値１５なら、ダメージは÷３だ！
奈奈緒／爆速！ 凄い！（笑）
縹／３マスブーストの代償を振ります。（ころころ）８点ダメージだから……３点ダメージ。【ＨＰ】を３点減らしてさらに３マス移動。メイドちゃんの同マスになります。
陽子／めっちゃエコじゃん〜。
ＧＭ／縹は無事にメイドと同じマスに来られました。……次、奈奈緒のターン。
奈奈緒／はーい。（ころころ）達成値１０。
ＧＭ／１マス移動ですね。
奈奈緒／まずは１マス後退して「１２−５」に移動！ するとフラグマスの「１２−２」まであと３マス進めばいい。先に【幸運】判定します。（ころころ）達成値１４……。
縹／≪君に幸あれ≫〜！ 【幸運】判定に＋４！
陽子／【幸運】の達成値１８になるから、代償÷３！ 幸ありましたね！
奈奈緒／それじゃ３マス分の３Ｄ６ダメージを受けます。（ころころ）１２点……÷３して、ダメージは４点！
ＧＭ／狂って前進しますか？
縹／一歩下がって三歩進むな！（笑）
奈奈緒／ムーンウォークでフラグマスに行きます！（笑）
ＧＭ／百合人は２マス進んで「２−５」に移動よ 次は夢９。
夢野／……えっとねー。今ゴールに行くと黒葉がいるねー。スケベが気になるねー。でも良心的には減った【ＨＰ】を回復だよねー。
奈奈緒／スケベイベント見たさに戦っている（笑）
夢野／ちょっと理性が負けないように応援してください。偶数が出たら回復、奇数が出たらゴールに行く。（ころころ）６！ 良かったー！ 理性が勝ったー！（笑）
陽子／ここで「理性の強い男」というのはアドよ！（笑） つよつよ夢Ｑにさらに陽子がデレデレになったわ！
夢野／これからクライマックス戦闘があることを見越して、前線に立つ花田氏とミタ嬢を回復します！ 花田氏に≪興奮剤≫を使用！（１Ｄ６ころころ）１。邪念が！ 邪念が！（一同笑）
縹／１点でも【ＭＰ】回復は貴重だよ！ ありがと！(^ε^)-☆Chu!!
夢野／優しい！(^ε^)-☆Chu!!
陽子／(^ε^)-☆Chu!!
奈奈緒／(^ε^)-☆Chu!!
ＧＭ／(^ε^)-☆Chu!!
夢野は奈奈緒に≪肉体復元≫を使用。【ＨＰ】を１４点回復した。
次に、沖田は２マス進んで「１−４」に移動。
待機していた陽子はゴールを目指して前進。９マス進んだ結果、最終的に【ＨＰ】を１０点減らすことになった。
陽子／……これで５ラウンドになったら夢野と陽子が前進することで、２人ゴール。計３人ゴールになって、クライマックスフェイズに進めるわ！
夢野／並んでゴールだ！
縹／調査をしてる探偵組と、順調にバイトしてる学生さんって感じで良い結果だな（笑）
ＧＭ／という訳で、４ラウンド目の結果は「奈奈緒→フラグマス 縹→メイドと同マス、黒葉→ゴール到達」、５ラウンド目で「陽子＆夢野→ゴール到達、で終了」になります。バランスが良い結果になりましたね！
陽子／やったぜ！
ＧＭ／ゴールが確定しましたが、順順に４ラウンドで発生したイベントをこなしていきましょう。……先に、メイドと同マスになった縹のシーンからします。
縹／はいはーい。
ＧＭ／ＮＰＣイベントは、同行者を選べない単独シーンになります。……最初に言っておきますが、ＧＭがする演出が嫌だったら言ってください。嫌ならいつでもスキップできるシナリオなので。
陽子／……察した！（笑）
ＧＭ／縹は単独で探索をしています。もう時間が無い状態ですから。
縹／少しでも手がかりを得ようと館の中を歩き回ってます。
ＧＭ／既にこの屋敷が、この館の人々が危険であるということは身に染みてきた頃でしょう。そんな中、見てしまいます。
縹／接触する相手も対応に気を付けないと……ん？
ＧＭ／教授とメイドの睦事を。
陽子／物陰でメイドさんが教授のをフェラしていてほしい。
縹／……おっとお。９０年前後のエロゲか？
奈奈緒／常にエッチなことしてるわあ（笑）
ＧＭ／その光景を見かけただけです。どうしますか？
縹／……スマホのカメラ機能で遠目から一枚証拠写真として撮影する。こういうのは浮気調査で何度もやっているから得意だ。
夢野／証拠を押さえた！
縹／ちなみに、ぱっと見た感じ合意か非合意っぽいかは判断できます？
ＧＭ／合意っぽいです。
縹／ふーむ。少なくともメイドちゃんは教授側の人間って感じかね。脅されて仕方なく合意してるだけかもしれんが。
ＧＭ／睦事、終わります。何やら２人は会話をした後に……教授が移動します。
縹／おっと、退散退散。さも今通りがかった風を装いますね。
ＧＭ／やや浮ついた足取りのメイドが、「ああ、花田様」と声を掛けにやって来ます。
縹／やあ。
ＧＭ／「すみません。その、お話をよろしいでしょうか。お時間は、今授業ではありませんので、ありますよね」
縹／ああ、大丈夫ですよ。
ＧＭ／「……あっ」 メイドが躓く。一見するとまるでドジな女のよう。男体に寄りかかる。
夢野／おっとお？
ＧＭ／抱きつきながら、言います。「花田様は、睦事はお好きでしょうか」 【意志】判定で難易度１０をどうぞ。失敗したらエロＣＧが手に入る目に遭います。
奈奈緒／やったあ！ やったあ！
陽子／失敗しろ！ 失敗しろ！
縹／外野の圧よ！（一同爆笑・ころころ）達成値１１です。意志の強い男！ ……身体は支えますが、すぐに身体を離しますね。おじさんもう歳なんでねえ、若い子の相手ができる体力は無いんですよ。
ＧＭ／この様子から、先ほどの教授の会話……命令は「この情事を見ていた客人を相手にしろ」というものなんじゃないかと邪推できます。つまりこの女は、教授の命令なら何でもできる女だと察せます。
夢野／もう調教済みだったか〜。
ＧＭ／その仕草、香り、誘い方、ユイは「体を尽くすメイド」だ。この女は、主人のために身を捧げている。心身ともに捧げており、どんな命令でも聞く。尋常ではない恐ろしい命令ですらきっと平然とこなしてしまうだろう。
縹／あ〜……がしがし頭を掻いちゃうな。
ＧＭ／……ここでＧＭは考えました。みんなで決めたエロ度の数値を生かせる機会はないかと！
陽子／ここで！？（笑）
ＧＭ／メイドの同マスイベントは、実は黒葉と同じトラップイベントです。なので判定に失敗すると『イベントキー：堕落』によってＰＣは自由を失います。あらためてその判定をするシーンにしましょう。例えば、ポイント５０だったら１Ｄ１００を振って５０以下で抵抗成功、５０以上だったら抵抗失敗で……。
縹／おじさんの数値、６だよ。
ＧＭ／……あっ、一番低かったんでしたっけ！？
縹／メイドちゃん９５。縹は６。天地だよ。
ＧＭ／……４０〜５０ぐらいだと思ってた。
奈奈緒／みんなのエロ視線により事象が改変されたな。
夢野／お部屋を暗くしておきますね。
縹／チャレンジだけでも！ チャレンジだけでもさせて！（ころころ）９８でした。
ＧＭ／クトゥルフＴＲＰＧだったらファンブルですよ！？（一同爆笑）
陽子／じれってーな！ やらしい空気にしてきます！
奈奈緒／エロに貪欲なもんで。酒をあけたわ！
夢野／人のエロは蜜の味！
縹／フロア盛り上がってんじゃん。
――夢心地を見た。
女の指は、目が覚めたまま夢を見せてくれた。
意識がはっきりしたまま、雲の中に包まれる。そのまま意識も体の自由も全て手放してしまいそうなぐらい。
良い体だ、異常なほど。そう思って身構えたときには遅かった。
陽子／いきなり官能小説が始まったな。
奈奈緒／あと１００００００００Ｐ読めちゃうな。
縹／分厚い！（笑） 毅然と断ろうとしたけど、って感じですかね！ ……だめだ、と思っていても、動けない……食われた。
■イベントキー：堕落
甘美な声に誘われて。甘美な指に踊らされ。君の心身はもう君のものではない。
（プレイヤーはＰＣのロール権を奪われる。プレイヤー発言は自由。ＰＣのシーン登場はＧＭが許可するまでできない）
縹／女の身体を自分の遺志に反して味わいながら、女郎蜘蛛に食われる餌の気分になってますね……。
ＧＭ／……ってところなんですけど、警戒しているし最後に【体力】で抵抗判定をするのはありなんじゃないかな。難易度１２で判定していいですよ。
陽子／温情じゃん。
ＧＭ／いや、呑まれても抵抗するのエロイなって。呑まれても抵抗するのエロイなって。
陽子／ヘキを二回言った（一同爆笑）
夢野／ヘキに素直でグッド！（笑）
ＧＭ／ちょっと裁定が甘いですか？ じゃあピンチ度を上げますね！ この判定に失敗したら教授が参戦します！
縹／参戦するなッ！？（一同爆笑）
夢野／教授、参戦！！ スマブラか？
縹／おじさん調教しても楽しくないでしょ！？ いや、楽しむ人だった！？（ころころ）達成値９……いやいやさすがにここでＰＣ１が１人脱落するのは駄目でしょ！？ 冷静になろう！ ≪コネ「古川財閥 古川家」≫を使って判定クリティカル成功にします！
ＧＭ／成功させて偉い。教授が参戦するような足音を聞いたメイドの攻撃が緩み、その隙をついて逃げ出せました。
縹／意識がどぷりと闇に落ちる瞬間、あの人形の事を思い出す……。愛宕の鳩尾に拳を入れて、ベッドから転げ落ちるようにして逃げる！
ＧＭ／「ウッ」 打たれてころん。
縹／女に乱暴するのはスマートじゃないんだが、悪いな！ ぜえはあ！ この年になってハニトラに遭うとは……逆レおじさんの逃避行とか、どこ向けのスチルだよ。
ＧＭ／去り際に、ある物を手に入れます。おや、これはメイドの所持品かな？ 持ってきちゃったのかな？
■イベントキー：赤い香水
すっきりしたリンゴの香りがする香水スプレー。その中身は、霧状で振りかけることができる「解毒剤」である。
タイミング：オート。対象：視界内味方。回数：３回。効果：バッドステータスを回復する。
夢野／解毒剤だ！ いい物を得た！
奈奈緒／最高なメイドさんでしたね！（笑）
縹／酷い目に遭ったが、収穫はあったかな……？ 香りにさっきの情事を一瞬思い出して、ぶんぶんと頭を振ろう。はあ、皆に会う前にシャワー浴びて着替えんとな……。
続いて、奈奈緒による最後のフラグマスイベント。
ＧＭ／最後のフラグマスです。シーン登場者は自由に選択できる冒険パートです。
陽子／奈奈緒の冒険３！
縹／シーズン３だ（笑）
奈奈緒／探偵先生にお話を伺いたいので先生にはシーン出ていただこう。先生〜先生〜。あ、シャワー浴びてたんですね？
縹／身なりは整えました。
奈奈緒／夕方にシャワーなんて珍しいですね〜。そんな汗まみれになるほど熱心に探索してたんだあ、感心感心。
縹／あー、まあ、色々あってな。そうそう、結論から言うとメイドちゃんはクロだ。
奈奈緒／真っ黒ですかあ。
縹／はいよ。スマホの証拠写真を見せる。
奈奈緒／口元に修正の黒ベタが。あんな清廉な見た目でエッチなことしてたんですねえ。
夢野／オヤ、二人とも何をご覧になっているんだい？
陽子／わあわあ！ それ未来のスパイグッズですかー！ なになにどんな写真撮ったの〜！？
縹／夢野せんせー！ 陽子ちゃんのお目目ガード！
夢野／おっと目隠し。ふむ、コレはちょっとヨウ子の好きそうな写真じゃないかなァ。
陽子／見ちゃいけない写真？ ハッ、ＳＡＮチェック案件ね！？ やめとくわ！
奈奈緒／陽子ちゃん推せる〜（笑） 写真はしまっちゃいましょうね。
縹／せんせーと陽子ちゃんにもメイドはクロだと共有しました。拾った解毒剤のことも共有しよう。問題が無ければ俺がこのまま持っておくが？
陽子／花田先生が持っておいていいと思います。何に使えるかあたしには皆目見当もつかないわ〜。
奈奈緒／……今夜のパーティーで毒でも撒く気なのかしら？ 集団で昏倒せて、儀式の生贄にさせるっていう流れじゃない？
陽子／大人数のパーティーで洗脳するとか！？ 『雫』の仰げば尊しエンドか？
夢野／催淫剤とか撒いて乱交させる可能性？
奈奈緒／『フラテルニテ』……友愛クラブ最高。エロゲに造詣の深い卓ですね。
ＧＭ／平成のオタクの嗜みなんで。
奈奈緒／その解毒剤は強靭な意志を持つ先生が適役よ。先生はどんな誘惑にも負けないかっこいい男ですからね〜。
陽子／どんな敵にも負けないカッコイイ強い探偵さんの敵なんていないわ！ 花田先生って百戦錬磨なんでしょ、ミタさん！？
奈奈緒／そうよ〜。
夢野／貴方をモデルにした主役の探偵小説、帰ったら絶対に書こう。
縹／止めて！ もう止めて！（笑）
奈奈緒／友愛エンドは避けたいので探索よ探索。さて、今度はどこに行くかしらねえ？
真に恐ろしい儀式がどこに行われているか、止める為には、退治するためにはどうしたらいいか。
考える。そして探索をし尽くした結果、そこへ辿り着いた。
神霊の召喚儀式が行われたのはどこか。少女の代償を供った研究の場所はどこか。
それは初めてこの屋敷に来て通された広間。ディナーやモーニングをした食卓。今宵のパーティーの会場。
……目を凝らしてみれば浮かび上がる、魔法陣があった。
奈奈緒／あるわねえ。
陽子／ミタさんが見つけた！
常に自分らが行き来し、今宵もまた宴が開かれるこここそが、大魔術の現場である。
巧妙に隠されていたが、いつでも魔法が展開できるようになっていることに気づく。
陽子／探し物のプロの探偵組が冒険パートを引き当てるの、本当に百戦錬磨の探偵コンビって感じで良いですね！
夢野／探偵として格好良く活動していてとても良い。
縹／まあ……一番ヒトが集まれて、何かを仕掛けておいて効率が良い場所っていったらここだよな。
奈奈緒／消せるかしら、これ？
『ＡＦ判定：儀式基盤破壊』
・使用能力値：【体力】【意志】
・難易度：３０
※「恐ろしい儀式の準備がされた魔法陣を無力化する」演出に成功すること。
成功した場合、魔法陣を無力化できる。
奈奈緒／おっ、みんなで来て正解なやつだ！ 破壊していきましょう〜。
陽子／それならまずは≪スポットライト≫！ この会場、まだライトアップされてないですよね？ 暗い！ 見にくい！ ぴっかー！
ＧＭ／目立つ！（笑）
夢野／ヤア、明るくなったね。手元が見やすいよ、良い働きだヨウ子。ほめほめ（笑）
陽子／ちょっと今はひらひらした服を着ていたので……≪ステージドレス≫を使用。動きやすい衣装にモデルチェンジ！ スパイ映画の女スパイ風に変身！
夢野／おお、衣装チェンジ！ ボンドガールみたいで可愛らしいよ。
奈奈緒／おしゃれね〜。
縹／陽子ちゃんが明るくしてくれたから、こっちは調度品に≪過去視≫をして、どういう風に魔法陣が敷かれてるかや基点はどこかを調べましょうかね。
ＧＭ／≪過去視≫で見た結果、どうやらここは３月から魔力が込められている……など背景が判明します。
縹／ふうん、手の込んだ準備してら。得た情報を≪一心同体≫でみんなに共有。あそこの壺と、あっちの絵画に魔力が集まってるっぽいな。
奈奈緒／かなりの期間、準備してるのねえ。
陽子／そう、召喚儀式ってあれやこれや大変……だが呼符は違うギュッ！（一同笑） 呼符召喚ならなんと一回で召喚可能！ もちろん運が悪いと麻婆豆腐やお弁当が召喚されたりするけどね！
奈奈緒／丘を召喚する魔術師もいるそうね。
縹／ぬいぐるみも召喚されるらしいぞ。
夢野／寺とか、時計を召喚する人もいるね。
ＧＭ／魔術師が召喚する麻婆豆腐って何なんだろ……（笑）
奈奈緒／そういえばこんな大規模な召喚儀式を見るなんて機関時代以来だわあ。≪機関「チルドレン」≫。
夢野／経験者かァ（笑）
奈奈緒／魔術にはあまり明るくないけど、こういうときって魔法陣のこの辺りを消すといいって上司から教わったわ。≪邪の道は此方≫、ごしごし。
陽子／けしけし〜。あ〜、魔法陣が台無しになっていく〜！ 頑張ったのに〜！
縹／魔法陣の書き換え、なんかこう、尊厳凌辱みがあるよね（笑）
夢野／みんなで数ヶ月の支度を台無しにしてやろうぜ！ ≪＋５０人知作成≫……“爆薬と人形と 美人達凄腕の探偵達を積んだ フルスピードの探偵小説” 台無しになった魔法陣を更に台無しに。主導権を、内容を、強引に描きかえる。復元すらもできないくらいに。
陽子／さすがキャスターの英霊！ 書き換えはバッチリね！
夢野／≪偏執：異端≫……相手方のやり口は知っている。他に陣の補助道具がないかをざっと調べて、完了！ 誤字脱字無し！
陽子／先生、進捗いかがですか？
縹／それデバフじゃん（笑）
陽子／……私だって魔術師。夢Ｑを召喚した魔術師。この魔法陣を作った大魔術師には到底足元にも及ばないだろうけど、それでも危険な未来はこのまま放っておく嫌な魔術師じゃない！ 持てる知識、今まで集めた知識は全部引っ張り出すわ！ ≪Ｌ：情報収集力≫！
ＧＭ／おおーっ。
陽子／夢Ｑ、魔力を全部渡す！ 破壊を頼むわよ！
縹／夢野せんせーに≪魂装支援≫。マスターがあんだけ啖呵を切ったんだから頑張らないとなあ、色男。
奈奈緒／屋敷なんてそれこそ魔術師の工房、敵の腹の中みたいものだけれど、貴方のマスターと先生が活躍したんだから相手の≪狩場≫も形なしよね。ということで夢野先生、よろしく頼むわよー！
夢野／……小説の中では、無辜の少女を何度も犯し、何度も狂わせた。それが俺の嗜好だ。どうしようもなく、付いて回る、甘美な空想。それでもだ、俺は自尊心だけは持っている良心だけは、しっかりと持っているつもりなんだよ。皆にも力添えを貰った。だから、惨劇はここで止める！
陽子／やっちゃえキャスター！
夢野／『現在難易度：６』で【意志】判定！（ころころ）達成値１２、成功！
ＧＭ／成功ですね。
陽子／さっすがー！ 夢Ｑ、ハイタッチ！ ぱーん！
夢野／ああ、やったなヨウ子！ ハイタッチ！
魔力がこもった文様が、ただの線の群れになる。魔法陣なんて無くなる。ただの模様になる。
元から、他の者達には見向きもされなかった床だ。君達も目にも留めなかったぐらいだ。
おめでとう、ここはただのパーティー会場になった。
夢野／やった……！
ＧＭ／「やめてくれないか。これ以上、彼の大事な舞台を壊してしまうのは」 男性の声がする。
陽子／……誰！？
縹／声のした方を振り返る。
ＧＭ／「ごきげんよう。月が出るにはまだ早い、パーティー会場に乗り込むには早すぎる時間だよ」
夢野／……悪魔だね。ごきげんよう。
奈奈緒／あらあら、お元気そうで。
縹／いやなに、下見ってやつさ。黒葉、いやベルゼブブだったか。
奈奈緒／パーティーにせっかく参加するなら準備は入念しないといけないでしょう？
陽子／待ち合わせ時間には余裕をもって行くタイプよ！ テレホンカードそんなに持ってないから！
縹／時代！（一同爆笑）
ＧＭ／「少し話をしようか。探偵諸君らは色々と調べてきた。答え合わせが欲しいだろう？」 ゆっくり貴方達に近寄ってきます。
夢野／オヤ、ご指南くれるのかい？ ……ヨウ子の前にやんわりと立つ。
陽子／フシャーッ！ 威嚇！
縹／こっちは年若い女性がいるんだ。あんまり近付かれちゃあ困るぜ。答え合わせの対価に何を要求されるかも判らないからな。
ＧＭ／「何もかも判らない暗闇に堕ちるなんてつまらないだろう？」
陽子／全て判って絶望しろって！？
奈奈緒／前戯以外も丁寧なのねえ。
縹／奈奈緒ちゃん！ こら！（笑）
奈奈緒／あら私ったらあ〜。
ＧＭ／「……初めに、月島裕次郎は願った。自分の技術を、才を、未来を発展させることを。そのために私は召喚された。召喚された以上は、召喚主の願いを叶えてあげないといけない。それが召喚儀式というものだ」
夢野／……マア、英霊と言うものはそういうもの。主の願いを叶えるために居る。その点においては理解できるね。
縹／それで、そのアンタを召喚したマスターはどうした？
ＧＭ／「月島教授は物言わぬ形になった。姿が変わったが、生きている。契約は永遠に続行した。月島真白が変えた」
夢野／……真白チャン。
ＧＭ／「変えた理由は、とても簡単。頑張っても頑張っても代償を払って頑張っても、月島裕次郎は月島真白に顧みなかった。だから少女らしく短絡的な頭で願った……『いつでも一緒に居て』と」
縹／……月島教授にとって、月島真白はあくまで道具の一つだった、んだろうな。
陽子／確かに月島教授の手記を見ても、プライベートな日記なのにあまりに機械的で……愛が無かった。真白ちゃんを道具以上の意味で大事にしているようには思えない文章だった。真白ちゃんはあんなに朗らかな子なのに……。
奈奈緒／皮肉ねえ。道具のように使っていた娘に、おもちゃの道具に変えられちゃうなんて。
夢野／巧いね、ミタ嬢。
ＧＭ／「単純な脳味噌にまで落ちた可愛い少女は、とっても判りやすい愛情の末……月島裕次郎を『抱きしめられる可愛らしいサイズ』にした」 それらを話す悪魔の顔は、とても楽しそうだ。とても愉しそうだ。愉しくて返ってこられないようだ。
陽子／愉悦を感じている顔……。
夢野／……いい顔だね。君がもしも小説を書いたとしたら、サゾヤ素晴らしい話になっていただろう。
縹／で、めでたしめでたし、って終わらないんだろ？
ＧＭ／「最高責任者が……生きたままいなくなったとなれば、月島裕次郎に近しかった『娘』と『協力者』と『召喚されたモノ』が彼の意思を継がなければ切ないだろう？ 彼に対する好意ゆえに続けることにしたのだよ。『娘』と『協力者』と『召喚されたモノ』はね」
縹／マスターを戻そうとは思わなかったわけだ？
ＧＭ／「彼は生きているからね。死んだなら『契約』が切れて召喚英霊としての存在意義が消失、昇華されるものだが」
夢野／……マスターが生きていれば、どんな形でも良いというのかい？
ＧＭ／「ああ。月島裕次郎はずっと、ずううううっと真っ暗闇の中で身動きできず生き続ける。ある意味、私をこの世に留める楔としてちょうどいい」
陽子／人形化すると……ずっと身動きできずに、生き続けるのね。
奈奈緒／おねえちゃん……。
縹／そうか……召喚者が死ぬと召喚されたモノは消えるが、人形化したものは生き続けるから英霊としては都合が良いのか。
陽子／人形にされた人間が戻る方法は無いの！？
ＧＭ／「人形を人間のように殺してあげればいいのかもね。例えば、灰になるほど燃やすとか」
奈奈緒／今の話だと、契約者たる教授の人形を燃やしちゃえば貴方はお役目ごめんってことかしら？
縹／……なんだ、言うほど悪魔も万能じゃないんだな。
ＧＭ／「そう、万能じゃない。自分はただの悪魔、魔族だよ。魔族として、異端としての役目を現界し続ける限り果たそうとする。それは召喚された目的とは別の、私の本能」
陽子／本能……？
ＧＭ／「月島真白は父親に言われた通り、自分の存在意義をこなす。私、ベルゼブブは召喚された願い通り、人間に加護を授け続ける。そして魔族・異端の本能の通りに動く。そんな私が大変興味を持ったのが……ありとあらゆる大魔術を手を出す超人類能力開発研究所の研究員」
縹／エンポニティス……。
ＧＭ／「彼と私は利害一致した。我が主・邪神を召喚するという利害が」
陽子／あの魔法陣は……邪神召喚のもの！？
奈奈緒／……機関って、本当に愚かよねえ。
ＧＭ／「機関の魔術師は考えていた。我が主の召喚を。我が主を手中に収めることを。不敬な考えだが、派手なのは面白くていい」
縹／……だが、未来ではそれは失敗する。
陽子／そ、そうよね！？ 花田さん達が未来人なら世界が終わっていないってこと！ 邪神召喚は失敗するのよね！？
ＧＭ／「どうかな？ まだ私がいる限り失敗とは限らないさ。……私も『ただの召喚儀式をする』だけなら面白いねと鼻で笑っただろう。だが、彼はさらに面白いことを考えている。だから成功するよう協力しているのさ」
夢野／ホウ、邪神召喚ときて、この上さらに面白い事かい。興味があるね。
「武蔵は邪神を召喚すると言った。私は尋ねたさ。何を召喚する気だ？ ドーマサキエルか、トゥルウスタリアルゥスかって。
そして彼は答えたさ。『邪神八柱の召喚を』と。
…………思わず開いた口が塞がらなくなるほどの冗談だ」
縹／は？
夢野／……八柱全てを？
陽子／何考えてるの。……何を考えてたの剣菱武蔵は！？ 嘘でしょ！？ 航先生と憲子だって１柱だけで大山様だって２柱が限界だろうって設定だったんだよ！？ 邪神１匹だけで世界が滅ぶゲームで何言ってるの！？
縹／っていうか、そんなの、一人の魔術師じゃ無理だろ……？ ４０人の生贄があれば試せるのか？
ＧＭ／「贄はいくらでもある。３月からずっと貯めてきた生きた贄がこの屋敷にはあるからね」
夢野／そうか、人形はその為に……。
奈奈緒／どんだけの数いるっていうのよ……？
夢野／“脳髄が二つ在つたらばと思ふ 考へてはならぬ事を考へるため” 八柱の召喚に、数多の犠牲……考えるだけで、留まらなかったのは魔術師の性、なのかね……。
ＧＭ／「武蔵は『呼符●枚ぐらい集めれば８人全員コンプできるだろって言ってた」
夢野／無理だっつの。
縹／武蔵さん、単発教なの？
奈奈緒／発想がユーチューバーですね！？（笑）
陽子／３ヶ月ぐらいの無料貯蓄で夏イベント水着鯖＋ピックアップ男性鯖を全員引けるとでも思ってるの！？（笑）
縹／一方、大山様は絶対「天井まで回せば出るもんね☆」と言いながら課金するタイプだよ（一同爆笑）
陽子／……これ、事情を知った沖田が「邪神八柱全部召喚！？ アカーン！」って全部爆破したのが火災の正体なのね。
縹／放火で生贄人形が燃えて、結果的に儀式がおじゃんに……って感じなのかな。
奈奈緒／私達が駄目だったらもう沖田に手持ちの火薬で頑張ってもらうしかない（笑）
縹／ともかく、邪神八柱召喚なんて正気の沙汰じゃねえだろ。
ＧＭ／「正気だと思うかい？ 悪魔の私とあの娘が」
奈奈緒／気が狂ってるってはっきり分かるわ。
夢野／正常と異常とを分け隔てる境界線など既になくなっている、それが俺の持論だよ。だからあとは、己の琴線に、良心に、添っているかどうかの話だ。全員どっかしら壊れてるもんだ……。
ＧＭ／「全員壊れて狂っていると思うなら、君達もぜひ我らの一部になってほしい。魔法陣を壊してしまったなら、尚更ね」
夢野／……だが、御免被るよ。そんな宴はフィクションの中だけで充分だ。
陽子／そうよ！ なれと言われてなると思って！？
奈奈緒／残念だけど、こちらはそんなものをぶっ壊すために来てるのよ。
縹／儀式だけじゃなく、お前らのバカげた計画で死んだ人達を助けるために来てるんだ。んな話乗れるかよ。今の話を聞いてしなだれかかってくる奴が居るかバカ。
ＧＭ／「みんなフラれてしまった。では……少し、踊ろうか」
→続