アナザーワールドSRS・リプレイ・人外夜会
■ 第4話 『 ロストワールド・前編 』 1ページ ■
2015年7月19日




 ●プリプレイ

 叡斗と榛名が活躍する『人外夜会 第3話』セッション終了後。お疲れ様会を兼ねた居酒屋での飲み会にて。

GM/この前『ビクティムガール』のしをんちゃんの中の人が「アクセンさんを埋めてその上でヘビーローテーション踊ろう〜」って話していて爆笑した。
叡斗&榛名/(爆笑)
GM/あの言語センスは狡い。やばい。あれにはアクセンも勝てる気がしない。……まあ、設定を考えると実際しをんちゃんにアクセンが勝てやしないと思うけど。
叡斗/そうなんですか?
GM/えっとね、『アリアンロッドRe』を含む『AW』の色んな卓を経由するネタだから判りにくいのだけど……。アクセンの祖父の奥さんと、しをんちゃんと重なるボスキャラが、同一存在なんですよ。大きな括りだけで見ればアクセンのおばあちゃんはしをんちゃんになる。
榛名/そうなんだ!?
GM/さらに言うと、『機関が召喚してしまった神』こと、教会の地下に封印されている『魔物』も同じ存在。なので、「アリアンReのラスボス=機関が呼んだ邪神=教会地下の魔物=アクセンの祖母=ビクガルのラスボス=実はほぼしをんちゃん」という構図でもある。
榛名/凄いですね! 魔物ってそういう存在だったのか……あの魔物に直面する『THE MOVIE』、凄く面白かったですね〜。今度は『人外夜会』で長めのシナリオがやりたいです!
GM/榛名くんも『春を呼ぶ円環』から約1年、成長するキャラクターになってきたしね。違う状況でさらなる成長を見せてほしいよ。……次に何かシナリオをやるとしたら、やってみたいことや見てみたい展開とかある?
叡斗/また叡斗と榛名くんでセッションしてみたいかもです。あとは……色んなゲストキャラクターに会えたら楽しそうですね。
GM/そうだなあ……個人的には『人外夜会』と言えばアクセンだから、アクセンの従者だったブリジットとか、ときわ繋がりで考えると、高坂の兄の悟司とかが登場するシナリオは面白そうかもしれない。
叡斗/ブリジット! ブリジットさんに会いたいですね!
榛名/自分はあまりブリジットさんのこと知らないので、気になります〜。
GM/……よし。この場で簡単な概要だけ作って、次回それ用のシナリオを作って持ってきます! 『人外夜会 第4話』、やりましょう。



 アナザーワールドSRS『人外夜会 第4章 ロストワールド・前編』



【レギュレーション】
 キャラクターレベル13で開始。
 舞台は『人外夜会 THE MOVIE』から数日後。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:『イースの禁書』   関係:好意

 「今日、お二人をお呼びしたのは僕の個人的な願いを叶えてほしいからです。
 お二人に批難されることを承知です。それでも僕は貴方達にお願いしたい。
 『イースの禁書』を使って、10年前へ時間跳躍をしてほしい。
 たった一瞬でいい、狂気に陥っているアクセンさんに『幸せな時間』を作ってあげたい。それだけなんです」
▼イベント:ときわの願いを聞き入れる
▼コネクション:『イースの禁書』

 時間超越ができる『イースの大いなる種族』によって書かれた魔導書。自由な時間超越が可能となる。
 セッション『春を呼ぶ円環』の異端ナーブリム討伐任務後、橘 萌々花の手で教会へ提出された。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:青年   関係:自由

 「未来からやってきた? まあ、そういうことができる能力者がいてもおかしくないよな。驚きはしないよ。
 せっかく未来人に会えたんだから知りたいな。この先の未来はどうなってるの?
 誰が死んで誰が生きた未来が広がっている? あの人は幸せになれたの?」
▼イベント:元の世界に戻る
▼コネクション:青年

 時を超えて訪れた2005年の世界で、「アクセンのサーヴァント」として生きていた青年。
 言葉を濁したときわ曰く、現代では彼は死んでいるらしい。



GM/今回のシナリオでは、アクセンが関わっている10年前に起きた「機関解体事件」関連の、とある人物をメインに扱います。戦闘もそこそこあるような2人プレイで、想定だと榛名くんと叡斗くんの2人で遊んでもらいます。レベルアップ作業をお願いね!
榛名/わー、すごーい。榛名は13レベルになりますよ! 最近アウトドア派になったね(笑)

 棚氷 叡斗(プレイヤー名:なちこ)
 キャラクターレベル13:クラス[感応力師7/処刑人3/魔術師3]
 闘士より、主特技≪疾風迅雷≫、副特技≪浸蝕≫を取得。

 明石 榛名(プレイヤー名:しゅうら)
 キャラクターレベル13:クラス[魔術師3/感応力師7/処刑人3]
 感応力師より、主特技≪致命葉≫、副特技≪絆の星≫を取得。


 ●オープニングフェイズ1 〜相談〜

GM/本日は7月19日、日曜日の正午12時。榛名くんと叡斗くんは、ときわに呼ばれて教会の会議室に集まっています。どうやら教会の仕事ではないようで、しかもときわに「このことはご内密に」と念押しされています。
叡斗/ほう、内緒の集合だ?
榛名/暑いっすね、暑いー! って言いながら会議室に行きます。
GM/トキリン以外居ない会議室にいらっしゃいませ。(ときわになって)「おはようございます、お暑い中すみません。すぐにアイスティーを淹れますね」
叡斗/ありがとうございます。いただきます。
GM/クーラーが効いている会議室は、教会ということもあり聞かれてはいけない話もされる場所のため防音設備バッチリ。扉も窓もしっかり鍵を掛けられました。
榛名/教会の扉ってみんな重いんだよなぁ〜(笑) しかし厳重だな……こりゃ何かあるぞ?
GM/お茶や茶菓子を出し、世間話もしますけど、ときわの顔は晴れることなく。彼にしては珍しく「仕事ですから話を始めましょう!」と素早く切り出すこともなく。
榛名/ほえー……何か、言い渋ってる?
叡斗/……何か話しにくいことなんですか? 正直に訊いてしまいます。
GM/アイスティーのコップを両手に持ち、手を冷やしながら……ふうと軽く溜息を吐く。
榛名/だ、大丈夫ですよ、何でも話してください! 俺「さっきの無し!」って言えば忘れられるんで!
叡斗/こっちは≪賢者の脳髄≫を持っているんだが?(笑)
GM/「……では、いいかげん本題に入りましょう。今日お二人をお呼びしたのは、僕の個人的な願いを叶えてほしいからです」
榛名/個人的な?
GM/「きっとお二人に非難されるでしょう。それでも僕は……貴方達にお願いしたい」 そう言って、ときわはウズマキから1冊の本を取り出します。2人とも[魔術師]なので魔導書だとすぐ判ります。そして榛名くんはその本を見たことあります。
榛名/あれ? それってもしかして……。
GM/「以前、ミスター榛名が任務で手にした本。ミズ・萌々花が報告書と共に提出してくれた『イースの禁書』でございます」 自由の時間跳躍が可能となる、イースの大いなる種族の力を記した禁書です。「自由な時間跳躍が可能となる魔導書」と言っていいでしょう。
榛名/イースの禁書……。
叡斗/何故それを貴方が?
GM/「これを個人的に使いたいんです。僕の個人的な願いのために」
叡斗/なんと。それでこんな、会議室で? ちょっと大袈裟だとは思ったんですが……。
GM/「これの使用許可など下りる筈などありません。タイムスリップを自由自在に使えるようになったら、それこそ世界の歴史はひっちゃかめっちゃかになりますから」
榛名/そうっすよね……地球の法則すら変わるかもしれない。少しだけ歴史を変えちゃった人間が言うのもアレなんですけど……。
叡斗/そちらの歴史改竄は「世界に大した影響が無かったから」許されたんだろうな……。
GM/おさらいですが、『セカイのイベントとそれ以外』についての解説をします。ヒトの人生には必ず『セカイのイベント』と呼ばれる「人生において絶対しなければいけない事象」が決められています。ただし、そのイベント以外は自由に行動していいとされています。
叡斗/「東京から大阪に行くまで新幹線でも飛行機でも何を使っても行けばいい」というやつだな。
GM/叡斗くん、判りやすい!(笑) 例えば、榛名くんが活躍したセッション『春を呼ぶ円環』に登場したおばあちゃんの話。
榛名/はい……。
叡斗/榛名くんのおばあちゃんは、おじいちゃんとは戦時中に離れ離れで死別しました。ですがセッション内の影響で、おじいちゃんは日本に帰国し、おばあちゃんと再会して幸せな時間を過ごし、戦争で負った怪我の影響で死去しました。最終的に「おじいちゃんは戦争のせいで死んだ」には変わりませんが……。
榛名/結果として「おじいちゃんが戦争の影響で死ぬ」には変わりないけど、過程がちょっと変わったんですよね。
GM/ええ。榛名くんのおばあちゃんは元の世界だと「ひきこもりの女性」でしたが、その世界の変化のおかげか「やや内気な女性」ぐらいに変化しました。物静かな女性であることは変わりなく、その後の榛名くんが生まれるなどの歴史には何の影響もありません。
叡斗/多少、歴史をいじっても……支障は無いってことですね。
GM/「はい。おそらくは」
榛名/今回もそれが期待できるようなことですか?
GM/「……はい」
叡斗/何故、その禁書を使おうと思ったんです?
GM/「……僕のベストフレンドであるアクセンさんは、10年前に好きな人を失っています」
叡斗/好きな人……。
榛名/あ、あの、柔らかげな聖母のような笑みを浮かべた人!
GM/「はい、聖母です」
叡斗/聖母です!? 「ような」って言ったのに「です」って断言した!(一同爆笑)
GM/「アクセンさんは10年前、『機関』という組織に捕らわれた好きな人を救おうとしていました。でも、救えなかった。好きな人だったにも関わらず……会話という会話もままならない状態で、死に別れてしまったんです」
叡斗/うん……。
GM/「だから、たった一瞬だけでもいい。アクセンさんに幸せな時間を作ってあげたい。……記憶を持った僕が先導して、あの2人を会わせる時間を設けたいのです!」
叡斗/…………。
GM/「僕が時間跳躍さえできれば2人を『数時間だけ会話させるチャンス』を生み出せます! ……ミスター榛名&叡斗の両名にお願いしたいのは、『僕と一緒に10年前に飛んでほしい』。そしてまた、10年後に飛んでこの時代に戻ってこられる足になってほしいのです」
榛名/……その……。
GM/「1日だけでいい。2人に、1日だけ話をできる時間をプレゼントしてあげたいのです」 無断に持ってきてしまった禁書を、テーブルに置きます。「僕はこの禁書を使いこなせません。メタな説明をすると、僕はホムンクルスなので判定すると全達成値が−4されます
叡斗/あ、そっか! 他のキャラクターと達成値算出がちょっと違うんですね。
GM/そうです。時間跳躍するための判定があるのに、ときわはその判定を成功させることができません。「僕には使えませんが、[魔術師]であるお二人なら……。身勝手なお願いだって判ってます。僕は2人に、罪を被せようとしているのですから」
榛名/俺、全然トキリンさんのこと責められないっすよ! 世界を変えちゃった側の人間なので! ……そ、それに、ちょっとぐらいなら、いいんじゃないかな、叡斗くん……?
叡斗/黙って話を聞いていました。
榛名/ちょっと話をするだけでいいんだぜ? なら……。榛名は行く気満々の顔をしてますよ!
叡斗/……もし僕達がたまたま花を踏み潰したとする。その花が、もし絶滅危惧種だったら? その気がなくても、世界を大幅に変えてしまう可能性はある。
榛名/ううっ。
叡斗/大丈夫かもしれないし、大丈夫じゃないかもしれない。歴史を書き換えるということは恐ろしいものだと判った上でやらせるなんてもってのほかだと僕は思う。……が。
榛名/が?
叡斗/……叡斗も「世界の影響が無い範囲で生きていることを許してもらった」身です。
GM/そうだね。『アウトレイジエリア』はそういうシナリオでした。
叡斗/……僕はそのイースの禁書が「持ち出してはいけない物」だとということを聞いていなかった。それでもいいなら、協力しても、構いませんよ。
榛名/叡斗くんは頼んだらヤらせてくれるタイプだ!(一同爆笑)
GM/土下座したらヤらせてくれるタイプだ。
叡斗/それに……このまま榛名くん1人で行かせる訳にはいかない!(笑)
GM/保護者の顔をしている(笑) ときわは深く頭を下げ、感謝を述べます。
榛名/トキリンさんが教会のために色々してきたことを知っているし、アクセンさんのためにこれだけ頑張りたいと思っているならご褒美ぐらいあげてもいいじゃないですか!
GM/本題に入ればときわは早い。禁書を君達に授けます。「お二人を犯罪行為に長々と付き合わせる訳にはいきません。今すぐにも時間跳躍し、また、この時間に戻ってきましょう」
叡斗/はい。荒事の可能性もあると思っていましたので、いつでも準備はできています。
榛名/は、榛名も大丈夫だと思うよ! 着替えは持ってるよ!(笑)
GM/では……2人が先導する形で簡単な魔術儀式を行ないます。10年前にタイムスリップしましょう!
叡斗/行くぞ、オーッ!


 ●オープニングフェイズ2 〜10年前〜

GM/目を開けると、そこは10年前の世界。君達は『イースの禁書』を使ってトキリンを連れて10年前にやって来た。
叡斗/……ここが、10年前?
GM/たった10年だと、街並みが劇的に変わることはないかな? (ときわになって)「まずは、10年前のアクセンさんに会いに行きましょう」
榛名/なんかドキドキですね……。この頃のアクセンさんって「跪け、愚弄な民」とか言う吸血鬼なんですか?(笑)
GM/「お二人が想像している以上に、余裕が無い人かもしれませんね……」 そんな話をしながら、とある高層マンションに到着します。アクセンの弟が使っているマンションです。
叡斗/おー、あのマンションだ。
GM/アクセンさんの弟さんが日本に長期滞在するために使っていたマンションです。そこの最上階にアクセンさんも住むようになり、現代に至ります」
でもありますね。
榛名/……今回、爆発したりしませんか?
GM/「僕がいるから大丈夫です」
榛名/頼もしいなー!(笑)
叡斗/前回、大変だったからな……(笑)
GM/トキリンは慣れた顔で受付で内線を繋ぎ、「客人を連れてきたので彼らも同行させてください」と嘘をつかずに宣言。途中で「アクセンさん、そちらに『僕』がいませんよね? 意味が判らないなら答えなくて結構です」と言います。
叡斗/ああ……過去の自分と会ったらダメですもんね。
GM/はい。同一人物同士が同じ世界で出会ってしまった場合、『魂の強度』が低い方が消滅し、元の世界に戻ります。「この世界に居るべき人が残り、居ないべき人は帰れと排除される」システムです。
榛名/今のトキリンさんに会ったら、一瞬で帰されるんですね……。
GM/しっかりとトキリンが居ないことを確認したトキリンは、マンションの最上階……アクセンが居る階層まで向かいます。エレベーターに上がっていく間に、アクセンの過去話でもしましょうか。「アクセンさんは……好きな人を助けるために、本当に頑張っていたんですよ。報われなかったですけど」
榛名/ズシッとくるな……。
GM/「世の中、報われる人と報われない人がいる。それは必然ですけど、僕はそれが許せなかった」
叡斗/うーん……どちらかが報われて、どちらかが報われない。そればかりは神のお導きと言うしかないんじゃないですかね。
GM/「そうですね。……これからお二人は『絶対に死ぬ人』『絶対に報われない人』と会うかもしれません。もし10年前の僕に会ったとしても、その僕は死ぬ運命の僕です。死人と会ったとしても気を落とさないでください」
榛名/……そっか。
GM/「僕は今日のことを何度もシミュレートしてきました。なので必ず成功させて、すぐにお二人と一緒に元の時代に帰ります」 チーン、最上階に到着しました。セバスチャンが出迎えてくると思いきや、普通にアクセンが現れます。
叡斗/おや……?
GM/(アクセンになって)「君達がときわ殿のベストフレンドか。初めまして。私はアクセンという」
榛名/は、初めまして……。あ、明石、榛名、ですっ。
叡斗/初めまして。棚氷 叡斗です。
GM/「アクセンさん、こんにちは。こちらはとても信頼できる人達です。キャラクターレベル13の優秀な能力者達なんですよ」「ほう、ときわ殿が連れてきたフレンズなら信用できるな」
叡斗/ふ、普通の反応だ……。良かった、「跪け」とか言われなくて良かった(笑)
GM/「ところでときわ殿、いきなり現れるとはどうしたのだ?」「実は僕、追われているんです! 緊急事態が発生ナウです!」
叡斗/え、ええっ!?(笑)
GM/「だからアクセンさんに匿ってほしいんです! 今日は誰もここに立ち入らせないでください! ……まずはアクセンさん、僕と2人きりで話をしましょう!」 トキリンはずるずるとアクセンを彼の私室へと連れて行きます。「僕とアクセンさんが大切なお話をしている間、お二人はそこのリビングで待っていてください!」
榛名/は、はいっ!
叡斗/し、心配ではありますが……ときわさんなら大丈夫だろう。
GM/リビングと言われたそこは、高級マンションの最上階。セレブな一室です。超お高いソファでワインでも飲みながら街を一望できる絶景を楽しめる最高級の空間です。
榛名/凄い空間だ! 執事さんとか居ませんかね!?
GM/アクセンのじいやことセバスチャンが「お茶をお淹れしますぞ〜」と後ろから現れます。
叡斗/ひえっ!? いつの間に!?(笑) あ、ありがとうございます!
GM/スヤ。
叡斗/ひっ?
GM/セバスチャンとは別の息遣いが聞こえた。あっちのソファで人が寝ている。
榛名/アカンもう無理やぁ!
GM/人見知りが発動!(笑) 「……ん?」 ソファの上で寝ていた人物が、ぐしぐしと目を擦りながら起き上がります。
叡斗/あっ……さっき話していたアクセンさんの弟さんか? その、お休み中に失礼します。ときわさんの友人の棚氷 叡斗と申します。
榛名/ととととトキリンさんの友人だと思いますうううう榛名ですうう!

 GM/むくりと起き上がる影。2人は「あ、前回会ったあの人だ」と思います。ときわさんが「聖母です」って言った人ですね。

叡斗/ちょっと安心します。あんまり怖い人じゃないと思ってますんで……。
GM/スッと立ち上がり、叡斗くんの方に近寄る。じぃっ。
叡斗/ど、どうも……。
GM/口付けます。
叡斗/ほわ。
榛名/ズキュウウウウン!?(笑)
叡斗/……ちょっ!? まっ!? い!? いきなり何ですかぁ!?(笑)
榛名/そそそそんな叡斗くん!? 俺が知らない間ににこの人とそんな仲だったんですかぁ!?
叡斗/この短時間でそんな仲になれるかぁ!?(笑) あ、挨拶ですよね!? 今の挨拶のキスとかですよね!?
榛名/外人さんの挨拶的な!? 挨拶で熱烈なチューって凄いなー!?(笑)
GM/今度は榛名くんの腕をグイッと引きます。
榛名/ひえっ!?
GM/見た感じ「普通の人間じゃないな」と察してください。魔力が凄く高い種族……イメージ的にはサキュバスみたいなやつかな? 体液を貰うのがお得意そうな顔です。
榛名/やめてくださいやめてくださいそんなコトはできないぃー!(笑)
GM/できないじゃなくてやるんだよ。[感応力師]の≪愉悦の波≫を使用。頭をトロトロにさせて洗脳させるエロ特技を使います。
榛名/らめぇー!?(笑)
叡斗/警戒! ジロッと思わず睨む!(笑) ……失礼ですが、お名前は? 僕らは既に名乗りましたけど!?
GM/「名前ぇ? オレの名前はブリジットだよ」
叡斗/ブリジット……さん?
榛名/アクセンさんの……いいひと、じゃない?
GM/「あん? なんだよ、アイツのコト知ってるのか? アイツとは双子だよ」
榛名/ふ、双子なんだ。瓜二つだな……。
GM/「出会ったことだし仲良くなろうとエッチな気分に襲わせてあげようとしただけなんだけど」
叡斗/出会い頭にされたくなかったわ!(笑)
GM/≪愉悦の波≫と言ってたけど腕を触った榛名くんに≪過去視≫を使用。
榛名/あっ!?
GM/榛名くんの記憶を引き出し、見ます。
叡斗/なっ、いきなり何を!?
GM/「へえ。なに……お前ら、なんか凄い禁書を使って……『未来からやって来た』の?」
榛名/ぎくっ!?
GM/改めてここでブリジットという、かつてアクセンの弟が登場した卓のNPCを紹介しますね。このブリジットという人物は、10年前……まだ機関があった頃、レジスタンスに協力していたアクセンのサーヴァントであり、機関とレジスタンス(アクセンはリリルラケシス所属)のダブルスパイ・諜報員です。身のこなしが軽やかで、対人の情報収集と暗殺に長けたアサシンなんですよ。
榛名/す、すげー! でも臨戦態勢!(笑)
GM/「お前ら、未来人って言っても20年とか50年後の人間じゃないだろ? 10年ぐらい先の人間かな?」
叡斗/……余計なことは言わない。
GM/「時間を行き来できる能力者がいるって話は聞いたことがある。驚きはしないよ。せっかく未来人に会えたんだから知りたいな。この先の未来はどうなってるの?」
榛名/え、えー……なんか話せる範囲で話してあげた方がいいのかな?
叡斗/…………。叡斗は嘘が得意な方ではないので、余計なことは言わないように黙っている。
GM/「誰が死んで誰が生きた未来がとか話してくれないか。……アクセンは、どうなった?」
榛名/…………。
叡斗/…………。
GM/「『いいとも!』って続いてる? あ、その顔を見るとタモさんがくたばった?」
叡斗/いや、タモリは生きてはいる!(一同笑)
GM/「アクセンは生きてるか? ……うん、気落ちした顔をしないから、生きてはいるな」
叡斗/叡斗、これ顔に全部出てるな?(笑)
榛名/叡斗くん可愛いなー!(笑)
GM/「幸せにしてるか?」
叡斗/……すっと目を逸らす。
GM/「微妙かー」
叡斗/……正直なところ、本当に幸せかなんて久しい友人でも判らないものだろ」
GM/「…………。オレはそのとき、隣にいない? いない、か。……もうちょっと傍に居てやりたいのにな」 そんな話をしていると、奥の部屋からときわとアクセンが出てきます。
叡斗/と、トキリンが戻ってきてくれてホッとした……(笑)
GM/(ときわになって)「どうしたんですか、そんなトロ顔になって?」
叡斗/なってないです! この人が変なことしたんです!(笑) 被害は最小限に食い止めましたけど!
榛名/スナック感覚で供給してきたんですよこの人ー! 俺の貞操がヤバかったんですよー!?(笑)
GM/2人とも拗ねてる(笑) ブリジットと話していた知ったトキリンは、ボソッとお二人にだけ聞こえる声で、「……その人、ブリジットさんは、アクセンさんの協力者です。そして、10年前の機関解体事件で亡くなる人です」と教えます。
叡斗/…………。そうですか。言わなくて、良かった。
榛名/危なかった……。
GM/「そ、それでですね、お二人とも! 僕らはこれから、僕の実家……機関がある仏田寺にアクセンさんと一緒に行ってきます。僕らだけで出かけてきますので、お二人はもう暫くブリジットさんとおしゃべりしていてください!」
榛名/えっ。
叡斗/ええっ!?
GM/「僕は『機関の最高権力者の息子』という立場を最大限生かしてワガママ通してアクセンさんを仏田寺に突入させてきます! 大丈夫です、歴史は変えません! あくまでアクセンさんを会いたい人に1日だけ会わせてくるだけです! アデュー!」 ときわとアクセンは退場します。
叡斗/え、えー!? ……だ、大丈夫かな?(笑)
GM/そして取り残される榛名くんと叡斗くんとブリジット。これから5時間ぐらい自由時間になります。(ブリジットになって)「とりあえず脱げよ」
榛名/なんで!?(笑)
GM/(いきなり逆ギレ気味に)「脱がねえと供給できねーだろがッ! そんなコトいちいち言われないと判らないのか!?」
榛名/あっ!? ハイ!? すみません!? 脱ぎます!
叡斗/待って待って!(笑) なんで僕達がそれしなきゃいけない理由はありませんから! 大声で圧倒されて言われた通りにしちゃダメです! 相手の思うつぼだから!(笑)
GM/「うら若いボディを使わないなんて何考えてるの? そんなに怯えなくてもただただエロイことがしたいだけだよ。また≪愉悦の波≫とか≪セルロイドの心≫とか使って操って脱がせればいいだけなんだけど
榛名/このヒト怖いッ!?(笑) あと5時間ぐらいこの人と一緒にいなきゃいけないんですかトキリンさんー!?
叡斗/で、でも……おいそれと外に出て何らかの原因で僕達だけ10年前に戻ってしまったら、ときわさんが戻ることができなくなる訳だし……我慢しないと!(笑)
GM/「セバスチャン、コーラだコーラ! あとピザ!」「かしこまりましたですぞ〜」「ついでにエッチな気分になるアロマとか媚薬とかオモチャとかそういうの!」「かしこまりましたですぞ〜」
叡斗/じいやさんも止めて!(笑)


 ●オープニングフェイズ3 〜帰ってきた10年〜

GM/そうして5時間が経過。夜になった頃にトキリンとアクセンは帰ってきますよ。
叡斗/お……終わりましたか?
GM/(ときわになって)「はい! ありがとうございますっ!」 涙を拭った顔で、とても感謝して頭を下げてきます。「無事にアクセンさん達を会わせることができました。アクセンさんも久々に会えてとっても幸せそうでした!」
榛名/そっか、良かったね……。
GM/「ずっと会えなかった2人が再会する、こんな感動的なエンディングを迎えられるだなんて……! これでこのセッションは終わりです! このままエンディングフェイズに行きましょう!
榛名/ふ、フラグだ……!(笑) さ、早速帰っちゃう感じですかね?
GM/「はい。……アクセンさん、今日は楽しい時間をありがとうございましたー! 明日の僕が『え? 昨日? 何かありました?』とか言っても楽しすぎてテンション上がりまくって記憶喪失になったと思ってくださいー!」(笑)
叡斗/ちゃっかりしてるなぁ(笑)
GM/ブリジットやセバスチャンが待っていたリビングにアクセンを置いて、3人はマンションを後にします。
榛名/これでやっと帰れる……。
GM/「アッシーになってくれて誠にありがとうございました! それでは『ミスター榛名達と待ち合わせした12時』よりも6時間早い『7月19日午前6時』にタイムスリップをしましょう。魂が強い僕が、禁書を盗もうとする僕に上書きすることで、禁書を強奪する僕は無くなります。上書きされた貴方達はそのまま普通の生活を送れる筈です!」
叡斗/ほー、なるほど。
榛名/おいすー。現代の7月19日の朝に戻ればいいんですねー!
GM/「はいっ。……2人を会わせるだけでこんなに幸せになれるとは思いませんでした。本当にお付き合いありがとうございます。元の時代に戻りましょう!」 それでは、君達は時を駆けます。
叡斗/戻るぞー! ザッ!
GM/意識が一瞬ホワイトアウト。そして目を覚ます。……榛名くんは、7月19日の朝6時頃だと何をしていますか?
榛名/榛名は寝ていますね。じゃあガバッと起きて……。
GM/君は屋根が全部吹っ飛んだ瓦礫の下にいます。
榛名/え?
叡斗/はい?
榛名/…………。えっ? えっ? ええっ? ……ここは? 俺、家に居た筈……。
GM/7月19日の朝、君は家の中に居る筈。しかし今の君は、瓦礫の下で毛布にくるまって寝ています。
榛名/えーっと……? け、携帯電話はあるかな!?
GM/無いね。そんな高度な物は無い。
榛名/「高度な物は無い」……?
GM/パソコンなども無い。君は、かろうじて雨風が凌げる場所にいる。周囲はひっちゃかめっちゃで現代とは到底思えない状況だ。
榛名/えええ……えええ!?
GM/外に出ると、外も瓦礫の街並みが続いている。まるで爆撃を受けたように何も無い。ただここが完全に知らない場所ではない。爆撃を受けて無くなった先には、花壇があったようだから。
榛名/おばあちゃんの、花。これって……つまり、帰ってきたら荒廃した世界が広がってたー!?(笑)
GM/一方その頃、叡斗くんの方も見てみよう。……叡斗くん、朝はお家に居るかな?
叡斗/家に居ますね……その時間だと朝の支度をしている最中だと思います。
GM/朝ご飯を食べているところかな? 叡斗くんは目を覚ますとボロボロの限界避難所みたいな所で乾パンを食べています。
叡斗/もそ。…………。お、落ち着け落ち着け! 落ち着け!?
榛名/動揺してる(笑)
叡斗/僕らはときわさんに言われた通り、現代の7月19日に戻って来た筈だ! ……座標は間違えていない、筈だ!
GM/うん。[魔術師]の君達がしっかり禁書の魔術を成功させた。絶対に間違えていない筈だ。
榛名/じゃあ、これは!?
叡斗/……歴史が変わったんだ。10年後の世界が、別物になってしまったんだ!?
GM/「おーいおーい、叡斗ー」 あっちから陽向の声がします。
叡斗/陽向!? 顔を上げます!
GM/「やっほー今日も生きてるかー? くたばってないかー?」 迷彩服っぽい格好で、マシンガンを肩に背負っている陽向が朝の挨拶をします。
叡斗/少年兵か!?(笑)
GM/「たまたま叡斗が避難している区間に来たから遊びに来ちゃった。今日も生きてるなー、モンスターに襲われてないか?」 まるで毎日のことのように話し掛けてきます。
叡斗/モンスター……?
GM/外を見渡してみると……荒野というか、「荒廃した市街地」って感じ。イメージは『咎狗の血』とか『スクライド』とか『真・女神転生2』みたいなロケーションです。「最近はモンスターの動きが活発だって聞いてるからさ、元気かなって」
叡斗/…………。
GM/「……叡斗? 顔色が悪いぞ。最近流行り病が蔓延してるって話があるけど、まさかそれか!?」 心配顔くぅーんくぅーんペロペロって感じのワンコ顔をします。
榛名/今日のわんこだ(笑)
叡斗/……教会は、どこだ? 教会は……あるのか?
GM/「教会? あるけど……なんでそんな危険な所に行くんだよ?」
叡斗/危険?
GM/「危険だろ? 教会ってめっちゃ怖いところじゃん! あんなモンスターの巣窟みたいなところ……」
叡斗/そういう所になっているのか……。教会が近寄れない雰囲気だと察します。ときわさんはどうしているんだろう?
GM/失礼! エクスキューズミー! ミスター棚氷! いらっしゃいますかー!?」 この特徴的な話し方は……。
叡斗/ときわさん!?
GM/顔面蒼白のときわが来ます。叡斗くんと同じ顔色です。「おはようございます! これから僕はミスター榛名も探しに行きます! 彼はおそらく『元の7月19日朝7時』の場所に居る筈! 座標は変わらない筈なので、元の明石家の住所を辿ればいらっしゃる筈です!」
叡斗/まずは明石さんを探しに行きましょう! 彼のことだから怯えて何も出来ていない筈!(笑)
GM/「はい、明石家の座標に向かいましょう! この時間なら彼はまだ寝ているので動いていない!
榛名/みんなよく判ってるな〜(笑)
叡斗/すまないな陽向、僕はときわさんと行く所があるから行ってくる! 気を付けるんだぞ!
GM/(陽向になって)「叡斗こそ気を付けろよ。空を飛んでるモンスターだって出没してるんだから。トランシーバーを渡しておくから何かあったら呼べよ〜」
叡斗/ありがとう! ……ときわさん。その、要するに、「この世界は異端が支配している世の中になっている」んですね? 歴史が、変わってしまったんですね?
GM/「そのようです」
叡斗/……やってしまいましたね。
GM/「そのようです」
榛名/今、荒廃した背景に『人外夜会 第4話』ってタイトルロゴが出ている感じですよ!?(一同笑) なるほどなー! なお榛名は「これは夢だな!」と思って二度寝します!
GM/荒野の真ん中で二度寝してる榛名くんを発見。
叡斗/いた!(笑) 明石さん! 明石さーん!
榛名/うーんむにゃむにゃ、夢の中で叡斗くんが呼びかけている〜。次に目を開けたときには自室でパソコンに囲まれている世界に、じゃなーい!?(一同笑) うええーん叡斗くーん!? 風が吹き抜けるよぉー!?(笑)
叡斗/明石さん、無事だったんですね! って酷いな……僕の家以上の廃墟だ!(笑) 
榛名/良かったー! トキリンさんもちゃんと居るー!
GM/トキリンは土下座します。
榛名/俺も土下座します!(笑)
叡斗/土下座します!(笑) ぼ、僕らは……楽天的すぎたんです! まさかこんなことになるとは!?
GM/「み、ミスター叡斗の言葉は、本当でした……。僕らが何気なく踏んでしまった花が絶滅危惧種だった可能性は、大いにあったのです!」
叡斗/さっき、陽向にトランシーバーを渡されました。日常の象徴であるあの陽向が! マシンガンに迷彩服姿なんて……!(笑)
榛名/トキリンさん、一体何したんです!? 何をしたら10年のうちに世界が滅ぶんですか!? こんな恐ろしいことになるもんなんですか!?(笑)
GM/「僕は、ただ……アクセンさんと、僕のベストフレンドの……ブリッドさんをたった1日だけ、デートに誘っただけです。1日というか、ほんの半日、また3人でティータイムをしました。とても楽しい時間でした……」
叡斗/本当にそれだけ……?
GM/「ええ、それだけです! ……それぐらいしか僕にはしてあげることはできませんでした。そして戻ってきたらこの世界の状況。僕は高坂さんに会い、朝イチで話を伺い、現在の世界状況についてまとめた資料を作成してきました」 ドンッと手書き書類を出します。
榛名/ああっ、パソコンで作業ができないから(笑) 携帯電話すら使えないですもんね……。
GM/つまり今日は『艦これ』ログインできないよ。
榛名/ログインボーナスぅー!?(一同笑)

 【崩壊した世界『ロストワールド』についての説明】
(1)ここは「異端が表立って支配している世界」である。
(2)10年前の12月31日に『機関解体事件』が発生。機関に対抗するレジスタンスが機関の本丸『北関東にある陵珊山の仏田寺』で激突。機関側が邪神召喚に成功。本来の歴史であれば、当時の能力者達によって邪神は封印されるが、この世界では邪神が封印されることなく活動を開始。異端側が優勢となる世界となった。
(3)翌年1月1日の時点で、邪神は多くの異端を率いて関東地方を統一。教会日本支部の発信により事態を重く受けとめた教会海外支部は「日本はアカンわ。島国だし海外への被害が出る前に日本ごと封印しよう!」と判断。外からの魔術結界が発動。日本は完全に閉鎖。出没した邪神と異端は日本から出られなくなった。
(4)日本にいた異端が総じて本格始動した邪神の影響を受け、暴走。次々と殺戮を開始。中部、東北と魔の手が伸び、ひと月のうちに日本は崩壊した。

榛名/な、なんという!?(笑)
GM/「幸いなことに、高坂さんは生きてました。橋守 陽向さんも、橘 萌々花さんもいました。教会に所属している皆さんは生きているようです」
榛名/ほっ、良かった……。
GM/「ですが……」

(5)日本にいた異端や人外種族は、本格的に活動を始めた邪神の影響を受けているという設定。
 そのため、クラス[稀人]や[異端者]、異端に準ずるキャラクターはほぼ『闇の衝動』に駆られ、闇堕ちしているものとする。
 『AW』セッションでPCとして活動していたキャラクターも「プレイヤーが抵抗の意思を示さない限り」、異端側につく設定に変更される。

叡斗/どうしてこんなにも欺く神が優勢になったんですか? まさか、邪神を動かした人がいたとか……。
GM/「アクセンさんです!」
榛名/ですよねー! ここってアクセンさんを止められなかった世界なんですね!?
GM/はい。『アナザーワールドSRS』の正規の歴史では……機関のマッドサイエンティスト・夜須庭 航によって召喚されてしまった邪神は、当時の能力者達により封印されます。そのとき、邪神を守るように動いたのが、邪神を信奉する異端の王であり「邪神に好きな人を取り込まれていた=邪神を死ぬと恋人も死ぬことになる」アクセンさんです。
榛名/う、うわあ……。
GM/このときアクセンの暴走を止めた一番の功績が……ブリッドことドリスが使ったアクセンへの令呪です。令呪でアクセンに「やめろ」と命じたことで、アクセンは敗北。無事に邪神はレジスタンスの手で封印されました。ですが……この世界では、アクセンはブリッドと深く交流をしている。好感度不足による拒絶エンドではなく……。
叡斗/好感度がある状態での……。つまり、情に絆された!
榛名/つ、つれぇー!?
GM/接点が少ない人が助けてくれるのとは訳が違います。近しい人が、正直に、情熱的に、愛を込めて助けてくれるとしたら? その結果、アクセンへの令呪は使われなかった。だからレジスタンスは不利になり、封印はできず……。
榛名/アクセンさんの世界ができちゃった! マジかー、アクセンさんって何をやっても幸せにしちゃいけないのかなー!?(笑)
叡斗/……ど、どうすればいいんですか、これ?
GM/「……率先的に世界を陥れているアクセンさんを倒すことで、世界は変わるでしょう」
叡斗/無理ですよ!? 欺く神を味方につけた吸血鬼の真祖なんて勝てるか!?
榛名/無理っすよ無理! 叡斗くんが分かりやすいNPCみたいな説明をしてくれた通りです!(一同笑)
GM/「本格始動した邪神は、数億のキャラクターシートを使いこなす恐ろしい存在。無理です! GMも10枚以上のキャラシ同時運用の敵なんて面倒で嫌です!(一同爆笑) ……しかし、まさか世界が消滅することなく続いているだなんて」
叡斗/最低限のセカイのイベントは通過した上で、この世界は続いてしまっているんですね……。しかしこれが「正規の歴史ではない」とセカイが判断した場合、何らかの処置が行われている筈では?
榛名/まるでNPCみたいな発言だ!(笑) でもその通りだと思う!
GM/「ええ。とんでもない過ちや歪みが生じたなら、セカイは逆行する筈なんです。『こんな世界は認めないー!』って。……ですが、これでは、まさか」
叡斗/まさか?
GM/「日本人って、大地震があっても『昨日震度6だって〜』『めっちゃ揺れたね〜』で終わるじゃないですか。大ごとがあっても慣れるの早いしすぐ日常に戻るじゃないですか。『今日異端出たね〜』『学校休みだヤッター!』って順応しちゃって、セカイ的にも『なんか普通に生活できてるね?』『じゃあそのままで良くない?』ってなったのでは!?
榛名/良かねーよ!(笑) 見ろよ空! 空飛ぶモンスターがいるんだぞぉ!?
叡斗/どこまでもどんより雲だし地球の終わりっぽいよぉ!?(笑)

(6)10年経った今も、日本は解放されていない。
 未だに危機を脱することができずにいるが、日本の人々は普通に生きている。

GM/「こうなったら、歴史をさらに改変しましょう! 僕らが戻るにはこれしかない!」
叡斗/このような歴史になる前に、また歴史を変えると?
GM/「そうです。再び10年前の7月19日に行き、『僕がしたこと』を無かったことにして、10年後に戻ってくる。何もしなければ、何もしてない世界に戻っている筈です! ですが……そのためには、この時代の『イースの禁書』が必要です」 今、君達の手元に禁書はございません。
榛名/そ、その禁書は、今はどこに……?
GM/「この世界の7月19日8時段階で保管されている場所。なんでも高坂さんが言うには……本来の歴史と同じ、N市の教会の書庫に厳重保管されているそうです」
榛名/今朝みたいに教会に行けばいいんですね!
GM/「ですが、今のN市教会は……モンスターが蔓延る大変危険な場所になっているそうです。陵珊山から移動した邪神とアクセンさんは、非常に居心地の良い霊地であるN市を本拠地として根城にしているらしいです」 これは本来の歴史でも「N市の教会の地下に邪神が眠っている」のと重なっているようですね。この世界では眠っていないで活動中ですが。
榛名/N市に邪神がいるの!? 鶴瀬さんは一体どこへー!?(笑)
叡斗/鶴瀬さんは教会の総支配人だろ? 世界にとってはそこそこ重要なポジションだ。生きているとは思います。
GM/「そうですね。ですが協力は期待できません。3人でどうするか考えなければ……」 そう話しながら、ミドルフェイズのAF判定に参りましょう。

『AF判定:敵を蹴散らし、仲間を探して安全を確保する』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:30

※「敵をまいて仲間を探す」演出に成功すること。
 成功した場合、安全な場所を発見する。

『AF判定:敵と攻防し、奪われた禁書を探しに教会へ向かう』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:50

※「禁書を探しに荒野行く」演出に成功すること。
 成功した場合、ある場所へ辿り着く。


GM/荒野にモンスターが蔓延る、一般市民ですら魔物に打ち勝つべく武装している世界。そんな世界で敵に追われつつ、味方を探しつつ、魔王城を探しつつ、禁書を探して再び10年前にタイムスリップしてください。
榛名/悪魔城ドラキュラ探しだー!(笑)
GM/事前情報として「助けてくれる退魔組織『教会』は無い」ということを覚えておいてね。……あと、アイザックさんとえんくんの扱いは完全にNPCとして扱わせていただきます。だって2人ともアクセンさんと仲良しですもんねー?
榛名/わー、どこにいるのかなー!(笑)
叡斗/あの2人はめっちゃ異端寄りな気がする……(笑)