アナザーワールドSRS・リプレイ・人外夜会
■ 第4話 『 ロストワールド・前編 』 2ページ ■
2015年7月19日




 ●ミドルフェイズ1/榛名 〜人間側〜

榛名/まず、榛名が安全な所を発見しに行きます!

『AF判定:敵を蹴散らし、仲間を探して安全を確保する』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:30

※「敵をまいて仲間を探す」演出に成功すること。
 成功した場合、安全な場所を発見する。


榛名/叡斗くん、ここまで来るのにもきっと異端と戦ってくれたよね? 彼の回復をします。≪肉体復元1・2・3≫+≪覚醒具≫!
叡斗/ありがとうございます。全快!
榛名/【MP】も減ってるよね、朝から戦闘したなら……。≪強力調合術≫で調合した≪興奮剤≫を≪最高調合術≫を使ってバカスカ胃薬を飲んでもらいます。
GM/「ウズマキの中に紅茶セットを用意しておいて良かったです!」
榛名/今から紅茶を淹れますんで〜!
叡斗/まさか荒野で紅茶を飲むとは……(笑)
榛名/本当にここら辺、異端が居ないよな? ≪空間知識≫で周りを見ます。叡斗くんが凄く頑張ってくださったんで異端らしい異端は居ない! ほっとした! ……今トキリンさんはどんな顔をしてる?
GM/「OH……」という顔をしてます。
叡斗/+50で察した?(笑)
榛名/トキリンさん、あのときの行動をめっちゃ悔いてる……≪+50トキリンさんの意図を察する≫。ま、まさかこんなことになるとはね! 宝クジに当たるぐらいの確率だったんですから、気にしないでくださいよ!
叡斗/そ、そうですね、運が無かっただけですよ……。たまたまでこんなことになっちゃうなんて驚きだけど(笑)
榛名/頑張れば協力してくれる人も見付かるかもしれないっすよ! なので、キリキリ働いて偵察してみますか!
GM/「ミスター榛名の口から『キリキリと働く』という言葉が出るなんて……」
榛名/俺は出来ないんで2人にキリキリと働いていただきます。≪躍動の呪歌≫+≪紅蓮の指≫!(笑)
叡斗/24時間戦えますよ、キリキリ働くぜ!(笑)
榛名/俺も頑丈な方なんで、ばあちゃんから貰った布団も全然綺麗! ≪魔法のローブ1・2≫+≪念動障壁1・2≫。ほら、この≪空と心のリング1・2・3≫もあるし、ちゃんと揃っているから力になれるんじゃないかな? いざとなったら血管を切ります、≪血の媚薬≫+≪幻想式≫。
GM/フランクに血管を切る(笑)
榛名/人手はあった方がいいですよね、≪血の彫像≫+≪血の配下≫でモブを作ります。何かあったら≪ターニングセット≫でモブが見つけたものの所に駆けつけられます。……ケータイ無いと不便だよねー。そう言いながら【幸運】にも人が見つかるでしょうか。(ころころ)達成値11で成功、良かった!
GM/AF判定成功ですね。では3人が安全な場所を探していると……。「ハルナ? ハルナー!」 聞き覚えがある女の子の声が聞こえます。
榛名/……その声は、萌々花?
GM/サバイバルな格好をした萌々花ちゃんが立っています。
榛名/って萌々花も働いてるー!?(笑)
GM/「もうっ! ハルナったらどこ行ってたのー!? ハルナがいつも居る避難所シェルターにも居なくなってたしハルナのお母さんも凄く心配してたよ〜!」
榛名/ご、ごめんごめん。ちょっと異端に襲われてたもんで、それを退治……してもらいました!(笑)
GM/「あっ! 最近ハルナと一緒に……おんも出てる人!」
叡斗/こっちの世界でも明石さんはそんな認識なのか(笑) 萌々花さん、いつも明石さんからお話を伺っています。
GM/「ハルナ、おばあちゃんちがあった場所に行きたかったの? 気持ちは判るけど……みんな心配してるから一旦シェルターに戻ろうよ。ご飯だって食べてないでしょ?」 彼女は君達が『いつも帰っている場所』に行こうと提案をします。
叡斗/
あ、ああ、あそこですね……。知っている顔で萌々花ちゃんの後ろを歩きます(笑)
GM/萌々花が先を歩く形で避難所まで向かいます。……そこは、瓦礫と瓦礫と瓦礫が折り重なってできているような廃墟。外から見るとただのゴミ山のようにしか見えないけど、近づいて瓦礫の狭間を歩いて行けば地下都市が形成されているのが確認できます。
榛名/う、うわー……。
GM/100人ぐらいの人間が集落を作っていて、そこの[領域遣い]が結界を作り、モンスターから目を欺いているようです。「この隠れ集落も、そろそろ移動させなきゃだね。『九州に逃げたい』って人達がたくさん居るけど、今は本州以外も異端が出没しているらしいよ……」
榛名/日本全土に異端が出るようになったのか……。
GM/「うん。サトルくんも『まさか日本がこんな時代になるなんて』って言ってた」 現在80歳近いおじいちゃんのサトルくんの言葉ですね。
榛名/うわ、戦争2回目みたいなことを言わせちゃったなあ……!(笑)
GM/「第二次大戦のときよりずっとタチが悪いって言ってたよ。だって……異端は殺しても殺しても沸いてくるから」
榛名/……相手が人間じゃないしな。
GM/しゅーんとしている中、現れる人がいます。高坂です。
叡斗/た、高坂さんだ! 高坂さんを見てちょっとホッとしちゃいます。
GM/高坂が気遣いの言葉を言うより前に、ときわが「高坂さん! 僕らは現在、記憶喪失なんです!」と言い放ちます。
叡斗/お、おおっ?(笑)
GM/「なので記憶が曖昧でデンジャーな状態です! 現在の状況を話してください!」と情報を得ようとします。
榛名/俺もです俺もです! 叡斗くんも記憶喪失なので教えてください!(笑)
GM/(高坂になって)「≪マインドロスト≫でもかけられたのか……? とりあえず今朝ときわに話した通りなんだが」
叡斗/すみません、念のためお話を聞かせてもらってもよろしいですか?
GM/「ああ、もちろん。……10年前に活動を始めた魔物は、多くの異端を呼び寄せた。そして今、魔物にとって活動しやすい霊地らしいN市……かつて教会の礼拝堂があったところで、休眠期間に入っている」
叡斗/眠っているんです?
GM/「そうだ。そのままずっと眠っていてほしいものだが、ただの仮眠だろう。そのうちまた積極的な活動を始める。だから現在、邪神の側近……魔王が中心になってモンスター達を率いている
榛名/……アクセンさんが……。
GM/「休眠中でも邪神は数々の異端を生み出し、ここを中心地として日本全土に異端を飛ばしていく。だからN市が防衛最前線みたいになっている。つまりここは敵前の作戦本拠地だ」 この集落に、異端と戦える能力者、仲間達がみんな集まっています。
榛名/仲間がいっぱい! 頼もしい!
叡斗/モンスター達に教会礼拝堂は支配されているということでいいんですかね? 実は僕達、礼拝堂に行きたいんですが……。
GM/「あまり外に出てくれるなよ?」 心配顔で言います。ラスボス城に突入なんてとんでもないって顔です。
榛名/うん……そりゃそうだよね。
GM/だけどときわは、高坂に聞こえない声でボソッと「……教会の書庫に行き、イースの禁書を手に入れなければ……」と決意を言い放ちます。
榛名/そ、そうですよね……。
GM/さて、無事に「仲間を発見! 安全な場所に来た!」というAF判定を成功してもらいました。今後『供給』が可能となり、陽向や萌々花など見知った仲間が犠牲になって【正気度】が下がる襲撃イベントがカットされます。
叡斗/よ、良かったー!(笑)
榛名/襲撃されない! 良かったー!(笑)
GM/……萌々花ちゃんが榛名くんの腕を引きます。(萌々花になって)「ねえハルナ、しっかり休まなきゃダメだよ? 頭がまだスッカラカンなら萌々花が一から教えてあげる!」
榛名/わー、それはありがたいなー(笑)
GM/安心できる地下都市でみんな一息入れましょう。「関西から物資が届いたんだって! 食糧が来たんだよー!」
叡斗/ああ、ありがとうございます。
GM/「ところで織絵ちゃんがトモくんに『この戦いが終わったら俺達結婚しような……』って言われたらしくってねー!
榛名/それフラグって言うんだよ!?(一同笑) でもピロ先輩ならフラグ叩き折ってくれそうだから大丈夫か!?(笑)
GM/わいわいと話が盛り上がります。それはとても自然の空気。ご飯を食べたり……色んな話を聞いたり……荒廃した世界を把握したところで。日が暮れた頃、【意志】判定をしてください。GMとの対抗判定です。(ころころ)難易度は14。
榛名/なんと!?(ころころ)達成値14です。
叡斗/(ころころ)うっ、8で失敗です……。
GM/【意志】判定に成功した榛名くんは、「叡斗くんがまるで自然な雰囲気で集落の外に出ようとしていること」に気付きます。
叡斗/……え?
榛名/……あれ?
GM/誰かに操られて勝手に動き出したような叡斗くんの存在に気付けます。
榛名/ちょっ!?
叡斗/……何も考えずにてくてく歩いて行こうとしたところだったんでしょうね。
GM/では、榛名くんは……集落の外、寸前、結界が張ってある直前の場所で、野外に出ようとしている叡斗くんの腕を掴んで止めます。
榛名/叡斗くん、どこ行くの?
叡斗/え? どこって……。
GM/叡斗くんはそんなことを聞かれても、何もかも無意識で答えられません。
叡斗/……やっとそこで出入り口に近いことに気付きます。なんで僕は、ここに……?
榛名/それは俺も聞きたい! ……誰かに操られている!?
GM/改めて【理知】判定をすることで、それの正体を探ることができます。難易度は10。
叡斗/(ころころ)達成値12が出ました!
GM/知識はやっぱり叡斗くんは強い。[感応力師]の≪愉悦の波≫によるものだと判ります。
叡斗/これは……。『供給』の効率を上げるために使う者も多い≪愉悦の波≫だが、本来は相手の意思を弱めて思い通りに人を操る能力だ!
榛名/まるでルールブックのような解説だ(笑) ……一体、誰が?
叡斗/使う者の心当たりは、今……一人しかいない。明石さんも初っ端いきなりかけられたでしょう。
榛名/あ。確かにかけられた……すっげえ刺激的だった(一同笑)
叡斗/助けてくれてありがとう。とりあえず中に戻り……。
GM/中に戻ろうと叡斗くんが外へ背を向けたとき、「おや? オレの術がかからないなんておかしいな?」と叡斗くんの背中をすっと抱きしめる誰かがいます。
叡斗/ヒエッ!? 背負い投げッ!
GM/投げられた!?(一同爆笑) 投げられたのは……ブリジットです。
叡斗/ななな!? なぜ貴方が!?(笑)
榛名/あばば!?(笑) なんでここにー!?
GM/投げられたブリジットの今の格好は……サバイバル生活を強いられている周囲の人達に比べると、とても綺麗な服装をしています。
叡斗/アクセンさんのサーヴァントですからね!?(笑)
GM/(ブリジットになって)「いやあ、見たことがある顔が今日あちこちバタバタと走り回っていたのが見えたからね。懐かしい顔だなって思ったら声を掛けたくなっちゃってさ」
叡斗/……そうだろう。僕は貴方が見た10年前とまったく変わらない姿をしているから。で、何しに来たんだ?
GM/「お前らを構いに来たんだよ。あのとき食えなかったから」
榛名/そうは問屋が卸さないぜー!?
叡斗/ああ、言っただろう。タイプじゃないって。
GM/「フラれちゃったか! ……お前ら、今日になって最前線に送られてきた可哀想な能力者なんだろ? 無駄な足掻きなんてしてないで、さっさと死んじまった方が綺麗なままくたばれると思うよ。そうみんなにも伝えてやれよ」
榛名/み……みんな無駄じゃない! 今みんながやっていることは何も無駄じゃないし、みんなここで頑張っているのは今後形勢逆転する大きな手掛かりになるかもしれないんだよ!
叡斗/……まだ抗えない手段が無い訳じゃない。今は不利な状況かもしれないが、そちらが余裕な顔をしていられるのは今日までかもしれないんだぞ。
GM/「……そうだね、いつかは倒されるかもしれない。そうやって諦めない人間がここには多いから」 【理知】判定をどうぞ。いわゆる交渉判定になります。難易度は10。
叡斗/叡斗には交渉スキルなんて無いよ!(ころころ)9で失敗でした。
榛名/(ころころ)11で成功です。いっぱい喋った!(笑)
GM/のらりくらりと愉快犯のような口調で話すブリジット。だけれども、榛名くんの目には「なんだか無理している」ように見えます。
榛名/……え?
GM/判定成功した榛名くんには、「ブリジットはわざと軽薄そうに演技をしている」ように見えます。
榛名/お前つらそうなんだから安静にしてろよって言います!
GM/ビックリした顔をする。
叡斗/こっちもビックリする!(笑) ……でもそのビックリした表情に、図星だなって思います。……ブリジット、貴方は本当に何をしに来たんだ?
GM/「…………。オレは、忠告したからな。死ぬなら早めに死んだ方がいい。言うこと聞かない連中のコトなんて知らねーよ」 ふいっ。ぴょーんと飛んでどっかに行ってしまいます。
叡斗/……てっきりアクセンさんのサーヴァントだから、ここに来て何かをしでかすかと思ったんだが。様子が違うのか?
GM/では……早速ですがマスターシーンをさせてください。

 ――荒野がどこまでも続く夜のN市。
 ブリジットは榛名に思わぬ指摘をされて、苛立ち、瓦礫に八つ当たりの蹴りを入れていた。
 アクセンからの縛令呪が刻まれた腕を抑えながらも、イライラを隠しきれず、瓦礫を見つめるのみ。
 「あーあ、そんなのキレちゃって! なんでご機嫌斜めなの〜?」
 そんなブリジットに声を掛ける男がいた。名前は、未東 えん。


榛名/なんと!?(笑)
GM/前にしゅうらちゃんが「GMがキャラロールするえんはシャフ度で話しそう」と言っていたので、このときもシャフトな作画でお話しております。
叡斗/本当だ、なんかGMが傾いて喋ってる(笑)

 「一応ブリジットさんはアクセンさんのサーヴァントでしょ〜?
 マスターに命令されている通り、異端側として活発に人々に危害を加えてなきゃ〜。でもって人間の本拠地がどこにあるか分かったなら、報告して殺さなきゃいけないんじゃなかったっけ?
 結界で隠されている場所、教えてくれない?」
 えんは人間を殲滅する異端側として当然の発言で、ブリジットに釘を刺す。

 「……あいつらなんてすぐにブッ潰せる。他の連中だって本拠地の場所なんてすぐ気付く。いいんだよ、オレが報告なんてしなくたって!」
 他の者を試すような言いぶり。
 それは余裕を見せているように思えて――まるで人間を見過ごしているような発言だった。


 「え〜? それってなーに? アクセンさんが最近構ってくれないから拗ねちゃってそんなコト言ってるの〜?」
 「ファブリーズぷしゅっ」


榛名/ああん!(一同笑)
叡斗/この世界でファブリーズはなかなか貴重品だろ(笑)

 「……お前は、人間の本拠地を見つけたら、菌をバラまくんだろ」
 「そりゃそうだね、菌だもん! ……ブリジットさんは何か考えがあってそういうことしてるんだよね? じゃあオレも報告とかしなーい!」
 「いいんだよ、それで。
 今は魔物が眠りに落ちている。教会の地下で。でも、数日したらまた目覚める。そうなったら、ここに居る人間なんて全滅だ。
 ちまちまオレ達が人間をぶっ潰さなくても、数日後にはみんな死ぬんだ。……そういう世界になっちまったんだ。なっちまったんだから、いつ死のうがどうでもいい……仕方ないだろ……」


叡斗/……やっぱりブリジットは、この世界に想うことがあるのか? そして、えんくんは……集落を見つけたら集団感染させてくる異端になってるのか。
GM/菌的には「あまり衛生環境が宜しくないにも関わらず100人もの人間が密集している地域」なんて見つけちゃったら、どう思う?
えん/美味しいですねー! でも今はブリジットさんの葛藤の感情が超美味しくて集落を探すどころじゃなく満たされてますね。スキップしちゃうよ〜!(笑)
叡斗/……そうだ。集落に戻ったら、ときわさんにブリジットさんと会ったことを報告します。
GM/了解です。その話をときわが聞いたなら、「ブリジットさんが生きている!?」と驚きます。何故ならときわの中では「ブリジットは10年前に死んでいる人」カウントですから。
榛名/そうですよね……。やっぱりアクセンさん側が勝利したから、生き残ったのかな?
GM/「ブリジットさんは訳あってアクセンさんのサーヴァント。機関に所属しながらレジスタンスとリリルラケシスにも通じていたダブル、いや、トリプルスパイ。元から能力者として優秀でしたが、三陣営を渡り歩いていた方ですから、どんな力とコネをつけているか判りません。……味方になってくれれば心強いんですが」
叡斗/ブリジットを仲間に引き入れる……か。あの出会いに見た性格を見てしまうと少し考えてしまうものがあるが。
榛名/でも、さっきも異端側ぽくない感じはしていたよね? こっち側の意見を聞いてくれる可能性だって不思議じゃないんだな……。


 ●ミドルフェイズ2/叡斗 〜異端側〜

叡斗/では、今度は叡斗が荒野を駆け抜けていきます!
榛名/怒りのデスロードだ!

『AF判定:敵と攻防し、奪われた禁書を探しに教会へ向かう』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:50

※「禁書を探しに荒野行く」演出に成功すること。
 成功した場合、ある場所へ辿り着く。


叡斗/≪全方位視覚≫で、周囲の状況を確認します。瓦礫ばかりだー! すると敵を発見……。
GM/「ぴぎゃーぴぎゃー!」 人を殺すためだけにいる生き物達が空を飛んでいます。
叡斗/安全な場所を行かなければいけない……。≪魔法剣≫を取りつつ、≪戦乙女の知恵≫を使ってフル活動させて24時間戦えます! 敵も多いので≪疾風迅雷≫! どの敵もバサバサ斬っていきます!
GM/下級の異端もいれば、「こんなのが街中に現れるなんてありえないんだけど!?」と思われるような奴もいます。普通に「今日は何を食べたの? 口元が赤いけど」という奴もいる。
榛名/うわあ、カゴメケチャップかなー!?
叡斗/反撃をされても≪鬼の羽根≫+≪鳥躍≫で非常に身軽なのでスイスイ避けていきます。≪鬼の肌膚≫で丈夫だから反撃を食らっても大丈夫!
GM/「ぴぎゃーぴぎゃー!」
榛名/うえええ!? ちょっとー! 布団を突かないでくださーい!(笑)
叡斗/仲間達を≪元素の陣形≫で庇いつつ、全員を守っていく! ≪生命の叫び≫!
榛名/ああー!? なんか上から降ってきたー!?
叡斗/≪氷河の城≫で氷の壁を作ってカキンと庇います! ひとまずは……≪望淵鏡≫を使って、他のエリアを見渡します。
GM/どこまでも続く瓦礫、荒野、地獄絵図。
叡斗/ああ、あっちにも異端、異端、異端……。
榛名/異端がこんなに居たんかーい!? 1ターンじゃこの異端はやりきれないなー!(笑)
叡斗/……よし、こっちだ! 安全な場所を見つけた! そっちにみんなを誘導します。走って行ったところで≪不可視の領域≫を使用。自分達が居る所を敵に見付からないように隠します。
GM/これで『現在難易度:6』ですね。
叡斗/そしたらファンブルさえしなければ大丈夫! 死ぬほど走りまわったし、【体力】でダイスを振ります。(ころころ)達成値10、ダイス1出るのヤメれ!(一同笑)
GM/敵を無事撒けました。≪不可視の領域≫のおかげで異端の目からは完全に逃れることができたね。
叡斗/これでなんとかコツは掴んだから、移動するたびに≪不可視の領域≫を駆使すれば殆ど見つかることはない筈だ……。
榛名/た、頼もしいー!
GM/そんな訳で走り回った結果、得られた情報は……「N市の教会に近づけば近づくほど、異端の数が多い」ということ。
叡斗/ふむふむ。
GM/「人は異端から逃げるように生きているため、N市の教会があった場所から遠くで生きている」ということ。「せめて武装していなければ人間はN市を歩くことができない」ということ。
叡斗/陽向は能力者だから、他の一般人に比べれば武装していれば動けるんだろうな。
GM/仮にも陽向はキャラクターレベル3だからね。
榛名/き、キャラクターレベル3の人が異端と積極的に戦わなきゃいけない世界なのか……。
叡斗/そうみたいだ。……早く世界を元に戻さなければ……。
GM/そうして君達は……モンスターだらけの荒野で人が近寄らなくなった、N市教会礼拝堂に辿り着きます。普段の認識ならトキリンやアクセンがよく居る書庫ブースにすんなりと入っていけるものですが、暗い室内からコツコツコツと足音が聞こえてくる。
叡斗/や、ヤバイ……!? 見付かるのが怖いので、【MP】を使う覚悟で≪不可視の領域≫を宣言します!
GM/演出発言だけでOKですよ。では……暗めでおどろおどろしい書庫で君達はコソコソとしていると「侵入者がまさかここまで入ってくるとはな」とCVイメージ:置鮎龍太郎の声がします。
榛名/うわあああー!?(笑)
叡斗/やっぱりぃー!? アイザック、『そっち側』の人ですよねー!?(笑)
GM/君達が目を向けた先には、悪役仕様のカラーリングのアイザックが立っています。
榛名/デビルメイクラーイ!?(一同爆笑)
アイザック/あ、本物の吸血鬼になったアイザックは髪の毛が真っ黒になって目も真っ赤になります。18世紀ぐらいの古めかしい格好をしていてください。あと聖書じゃなくて魔導書で攻撃してください。
GM/カッコイイー!(一同笑) 間違いなくアイザックさんですがアイザックさんではない人が、魔術の矢を飛ばして襲い掛かってきます。
榛名/≪念動障壁≫ー!
GM/(アイザックになって)「フン。まさかモンスターの叫びで起こされるとは思わなかったぞ。ネズミにしては大きい。逃げられると思うな……」
叡斗/≪英雄の宣言≫で一人だけ対象にする!
GM/範囲攻撃である≪浄化の一撃≫の総攻撃を榛名くんによってパワーアップした叡斗くんがアイスソードで防いで……良いスチルだなぁ!(一同笑) ……さて、なちこさん。本日はアイザックさんのキャラクターシートをお持ちです?
叡斗/はい、あります。
GM/アイザックさんのデータを使ってデジャブ判定、【意志】判定で難易度10をしてくれませんか? もし成功した場合、「敵である筈のアイザックは何故か見知らぬ筈の榛名と叡斗を味方のように思ってしまう」演出をしたいです。
叡斗/はーい。(ころころ)出目が高い!? 達成値15で成功ですよ!?
榛名/本気を出しましたね!?(笑)
叡斗/うわ、アイザックってデジャブ判定とか世界のループ関係に疎いPCなんですよ。そういうのに関わらないハンドアウトだったので……。それなのに、デジャブに成功しちゃうんだ?(笑)
GM/良いね。圧倒的な攻撃を仕掛けてきたアイザックさんの動きが、急に止まります。……全然知らない筈の2人を見て、何故か「可愛がる、保護してやる、味方として扱う」などの感情が湧き、無言で戸惑っております。
アイザック/横暴なアクセンさんと自由人なえんくんの代わりに「自分がこの子らの面倒を見なきゃ……」と思っていましたから。
GM/凄く優しい!(一同笑) ある筈の無い、別世界の記憶を得てしまったアイザックさんは、眉を顰めて……頭を抱えます。そして「こんな調子で戦えば返り討ちに遭う」と判断したでしょう。引きます。「……死にたくなければ早々に立ち去れ。貴様らもここを墓場にしたくはないだろう?」
榛名/は、はい……。
叡斗/……無言で睨んだまま、去っていきます。あの人は≪浄化の一撃≫で無双するタイプだから助かった……。さすがにあそこまで本来の姿をあらわにすると恐ろしいな。
榛名/そういや人間じゃなかったって思い知らされたね! ……難を逃れた〜。
GM/「よくもまあ、こんな状態で生きてられるねえ」 突然えんくんの声がします。
叡斗/うっ!?
榛名/うわあああっ!?(笑)
GM/どうやら君達の戦闘一部始終を見ていたらしい、本棚に凭れかかっているえんくんが居ます。格好は、普段君達が見ているえんくんとさほど変わりません。
榛名/菌はいつもと変わらないな!?(笑)
GM/「あれれ〜? 魔王に近しいアイザックさんを引かせるなんて、もしかして君達って相当な手練れ〜? 一体どんな技を使ったの〜?」
叡斗/アイザックのこの出目を見て(一同笑) ……あ、貴方は……一体これからどうするつもりですか?
榛名/アイザックさんみたいに……襲い掛かってきますか!?
GM/「いいや、あのアイザックさんが勝てないと判断した相手に勝負できる訳ないって。ところで、書庫にわざわざ来てるなんて、何かの本をお探し?」
榛名/うっ……。
GM/「宝探しに来たのかな? でも残念、重要なお宝は厳重に保管してあるものだからね、お目当てな物は書庫には無いと思うよ。……この世界ではどんな手段で物を隠すのが一番良いか、知ってる?」
榛名/……ウズマキに物を入れる、とか?
GM/「正解! ウズマキに物を入れられたら、その物を入れた本人しか取り出すことができないからね!」
叡斗/……大事な宝物クラスの禁書が隠されているとしたら、誰かのウズマキの中だと言うのか。
GM/「うんうん。例えば……魔王様の側近さんのとかかなぁ?」
叡斗/もしかして……ブリジットか。
GM/正解という顔をします。
叡斗/確かに、ブリジットはアクセンさんと契約したサーヴァントだ。何か重要な物を持っていてもおかしくない。
榛名/けどさ……あの人に「ください」って言ってもそう簡単にくれないとは思うけど。
GM/「言ってみれば? 実際会って話をしてみたらいいんじゃない?」 おいで。そう言うかのように、えんくんは歩き始めます。
叡斗/つ、連れて行ってくれるんですか!?
GM/「いいよー。だって、アイザックさんを負かせた君らにオレみたいな下っ端異端が勝てる訳ないじゃん! 言うこと聞いちゃうよ〜」 まるで茶化すような笑みをシャフ度で浮かべて、えんくんは楽しそうに魔王城となった教会礼拝堂をご案内します。
叡斗/つ、掴みどころのない人だ……。
榛名/でも……菌ならそういうこと、する! 楽しいこと、する!(笑)
GM/という訳で、えんくんのご案内で魔王城いらっしゃーい!


 ●クライマックスフェイズ 〜異世界の城〜

GM/えんくんが連れてきてくれたのは、教会の礼拝堂です。いつも『AW』のPC達が高坂に依頼を貰ったりしているあの礼拝堂と全く同じ場所です。ただ雰囲気とカラーリングとBGMが悪役仕様になっています。
榛名/完全に異端アレンジになってる〜(笑)
GM/周囲に居るのは仲間の教会所属PC達ではなく、異端達ですね。……クラス[異端者]で『闇の衝動』に負けて反転、異端堕ちしてしまった面々がいるかもしれません。
叡斗/うわ、見たことある人達が居る……?
GM/プレイヤーが「うちのPCは[異端者]だけど異端側につかないよ!」と宣言しない限り、この世界では闇堕ちしてることになります。そんなダークカラーな礼拝堂の長椅子に座っている少女が一人……。
榛名/誰……?
GM/ちょっと近寄らないと見えない位置に座っているかな? 【知覚】判定、難易度8をどうぞ。
叡斗/(ころころ)達成値12で成功です。
榛名/(ころころ)わっ、ギリギリ8で成功です。
GM/ころころころころ。少女が持っていた丸くてかわいい包装のチョコレート菓子が床を転がる。【知覚】判定にギリギリ成功した榛名くんはそれを爆弾だと気付かず拾って死ぬこともなく回避できました。
榛名/ふえっ!?

 GM/「ぷっ、あははは! ラッキーだね〜! 戦時中でチョコ欲しさに寄ってきてたら一発で死ぬとこだったよ! 惜しいな〜!」 キャンディ爆弾で攻撃する[異端者]の少女が愉快そうに笑います。

叡斗/うわ……これは、これは(笑)
GM/別卓では異端になりたくなくていじらしかった可愛いあの子も、この世界・ロストワールドでは異端であることを受け入れてイキイキと人を害するようになっている。それを知らしめるシーンです。
叡斗/……戻さなきゃ。絶対に、世界を元に戻さなきゃ。
GM/前を行くえんくんも、ニヤニヤ笑っています。わざと彼女の前を通り、君達を試したみたいだ。
榛名/菌! そういうことする!(笑)
GM/そうして君達は……大勢の愉しそうな視線に襲われながらも、最奥に辿り着く。そこに居るのは、アクセン。吸血鬼の王だ。隣にはアイザックもいる。ブリジットもいる。
叡斗/……ブリジット。
榛名/あ、アクセンさん……ど、どうも。
GM/アクセンは、残念ながら挨拶をされても反応しません。見知らぬ榛名くん達に興味を持たないようです。ですが、ときわに対してはちょっと違うようです。NPC同士の会話なので簡単に澄ませます。

 ときわ「アクセンさん。……お久しぶりのようですね」
 アクセン「君は、ときわ殿か。姿形が少し違うようだが、魂の形で分かったぞ。久しいな。10年ぶりかね」
 ときわ「ええ、10年ぶりらしいです。貴方が外見ではなく魂で他人を判別するヒトで良かった。いきなり襲い掛かってこなくてホッとしています」
 アクセン「何を言う、私とときわ殿はベストフレンドではないか。久々に出会えたのだから客人として持て成すぞ。ほら、ブリッドも喜んでいる」


GM/そう言ってアクセンは、礼拝堂最奥の上部……神々しい飾りつけがされている筈の上部へ視線をやる。上に、何かがある。
叡斗/……見ます。
榛名/し、【正気度】判定がある気がするけど……見ます。
GM/2人は見る。神々しい天井に潜んでいた、赤くて黒くて紫色の塊を。巨大な暗黒の渦。闇。混沌。肉塊から飛び出す腕と腕と腕と腕と腕。その無数の腕がまるで飛び掛かってくる……ようなという幻視を見てしまう。【正気度】判定をどうぞ、難易度は15!
榛名/うえええーんやっぱりぃー!? いきまーす!(ころころ)15で成功です! 逆流性胃腸炎になりかけました!
叡斗/(ころころ)高いな、達成値18で成功! 冷や汗は凄いです!(笑) 前回のセッションで掴まれかけたあの肉を見て……再び取り込まれるんじゃないかって思って、震えますよ!
GM/なお、ときわは……【正気度】判定自動失敗します。まあホムンクルスなので。
榛名/うえっ!? トキリンさーん!?
GM/放心して……そのまま凝視。そして、見つけてしまいます。アクセンが指差していた存在を。磔になり、恐ろしい魔物の一部になってしまっているベストフレンドの姿を。
叡斗/あっ……。

 ときわ「………………」
 アクセン「10年ぶりに友と会えたのだ。再会に喜ぶ、感激のあまり声が出ない。そういうものであろう?」

 ときわ「…………。アクセンさんは、あの顔を……あのつらそうな表情を、感激だと言うのですか……」
 アクセン「む? ときわ殿。今の声は小さすぎて私には聞こえなかったぞ。何て言ったのかね?」
 ときわ「……ありがとうございました。お二人にお会いできて嬉しかったです。……アクセンさん、再会したばかりの僕の頼みを聞いてくれませんか。そちらの、ブリジットさんと、話がしたいのでレンタルさせてください」
 アクセン「ふむ、いいぞ。ベストフレンドである君の頼みなら聞かねばならない。
 我が配下の誰かが『人間どもの集落を発見できたなら、壊滅作戦に乗り出す』ところだった。無傷な今のうちにレンタルできるなんて幸運だぞ? ――さあブリジット、行くがいい」


GM/以上で、NPC同士のやり取りは終了です。魔王城となっている礼拝堂を、PC達はブリジットを連れて無事に出ることが可能です。
榛名/……トキリンさん、つらそう。
叡斗/僕達だって、ご飯とか食べられない状態ですよ……。
榛名/平和になったらケーキとお茶が飲みたい……。
叡斗/この世界、カンパンが主食みたいですからね……(笑)
GM/では……暫く歩いて魔王城も遠くなった荒野にて。ブリジットが口を開きます。(ブリジットになって)「で? オレをお持ち帰りして何をしようって言うの?」
叡斗/……お前は、イースの禁書を持っているか?
GM/「あん? あー……持っているね。どんな内容だかよく知らないけど、凄い力を持っている魔導書だから保管しろって言われているやつだ」 ウズマキから本を出します。見覚えのあるアレです。
叡斗/それを僕達にくれないか。
GM/「魔王様に凄い力を持っているから保管しろって言われてるんだよ。そう簡単に渡すと思うか? 見返りとか思いつかないの?」
榛名/脱げばいいのか?
GM/「うん。脱げよ」
榛名/ひきこもりの俺の裸で良ければ脱ぎます! シャツの1枚や2枚破れたところで俺の操がどうなるという訳でもない!
GM/操をどうにかしてもいいならするが?
榛名/好きにしてください優しくしてください痛いことだけはしないでくださいお願いしますッ!
叡斗/やめてください明石さん!(笑) 脱いだところで貴方は渡すという保証が無い! ……それと、もう一つ話したいことがあった。本来であれば昨日のうちに僕達に会ったとき集落に一発ブチ込むか異端達を連れてくれば良かったのに、それもしなかった。どういう意図だ?
榛名/それもしなかったってことは、何か……?
叡斗/何か……今のアクセンさんのやり方に、不満があるんじゃないか。あそこに居るのが、嫌なんじゃないか……?
GM/拳銃でバンッと叡斗くんを撃つ。……掠める銃弾。
叡斗/動じない。はぐらかすでも否定するでもなく、それか。
GM/カッコイイー(笑) 「うるせーよ殺すぞ。別にオレはこの本がどうなろうが構わないけど、魔王に保管を頼まれた以上、戦って負けたとかじゃない限り渡せねーな」
榛名/戦って勝てば……渡してくれるのか?
GM/「そりゃ、暴力が支配する異端優勢の世界だからねえ? タダで渡したら嗤われるだろうけどな、この戦闘や敗北からの強奪には魔王もその側近達も文句は言わないだろうさ」
叡斗/……こちらもなりふり構わずにはいられない。歴史を書き換えなきゃいけないんだ。気が変わらないのなら、いかせてもらうぞ。

 向かい合う叡斗と榛名、ときわ……ブリジット。クライマックス戦闘が開始される。
 ブリジットは使い魔を召喚し、PC達と対決。[感応力師/聖職者/異端者]のブリジットは、デバフを駆使した遠距離攻撃でPC達とぶつかり合った。
 ……そうして、戦闘の結果は。


GM/ブリジット、【HP】0です。お疲れ様です、クライマックス戦闘終了です! 「……あー、やめだやめ! 降参!」 両手を上げたブリジットは、ぽいっとイースの禁書を榛名くん達に投げつけます。
榛名/おっとっとぉ!?
叡斗/渡してくれたか。……潔いな。
GM/死にたい戦いじゃないからね。「はー、だりぃ。なんなんだよ、そんな必死になって読みたい本って? お前らにとって大事な本だったのか?」
叡斗/歴史を書き換えるためには、必要なものだ。
GM/「……歴史を、書き換える?」 ブリジットは、真剣な顔で訊き返します。
叡斗/……うっ。あまり話さない方がいいかな?
榛名/でも……何も話さず去っていくのも、ちょっと気分悪いよね?(笑)
GM/「別に話さなくてもいいけど。オレは負けたから話させる資格も無いし。……なあ、お前ら、確か未来からやってきたんだよな?」
榛名/うん……。
GM/「驚きはしないよ。でも……せっかく未来人に会えたんだから、知りたいな。この先の未来はどうなってるの? アクセンは幸せになれたの?」 茶化すことなく、真剣な眼差しで、尋ねる。
叡斗/うう、ハンドアウトと同じ台詞を……(笑)
榛名/……正直、判らない。この世界のアクセンさんが幸せなのかも、俺には判らない。だって……トキリンさんのあの顔を見て、幸せって思えるか!? トキリンさんがあんな顔になっているんだぞ、そんなの……ブリッドさんも幸せじゃないってことだろ!
GM/「…………」
榛名/俺は、ブリッドさんのことよく知らないけど、絶対この世界を幸せだと思える人じゃないってことは分かる。少なくともトキリンさんが悲しんでいるのも分かるし! ……その2人とベストフレンドのアクセンさんが幸せだって、言い切れない。
叡斗/僕も、同意見だ。アクセンさんは何を考えているかよく判らない人だが、アクセンさんの傍に居たときわさんが苦しんでいる以上、彼一人幸せになっているか、断言できない。……一人でも幸せでいいって言い出す人でなければいいが。
榛名/第一、あんたは、今アクセンさんの隣に居て……「幸せになれてない」って思っているんじゃないのかよ?
GM/「…………。あーあ、めんどくせえ話になってきたな。イースの禁書が何なのか、自分で調べるわ。じゃあな、行けよ」 そう、逃げるようにブリジットは背を向ける。
叡斗/凄い……モヤモヤするラストだ。早く戻りたい……。
榛名/うん、戻ろう。イースの禁書を手に入れたんだから、戻ろう!
GM/ときわが「10年前行きと同じようにお二人が呪文を読んでくださればタイムスリップできる筈です」と言います。では、再び10年前に行きますか?
叡斗/はい! 戻ろう! 禁書をパラパラパラ!
榛名/えいおー!
GM/目を開けると……そこは、10年前にブリジットに襲われた直後の君達が目の前に居る場所です。
叡斗/あっ?(笑)
GM/バッチーン! 爆発ホワイトアウト! 『今からときわが悪だくみをしようとする前の3人』にバッタリ会った『魂が強い3人』。経験値が君達より低いオープニングフェイズの3人を強制送還します!
榛名/ぎゃあ!? 一発で消した!(笑)
叡斗/あっちの自分ら、「あ、自分ら死んだわ」って思ってますよ!(笑)
GM/グッドです! ナイスタイミング! これでマンションに向かう僕達は消えました! さあ、さっさと元の時代に戻りますよー!」
榛名/うわー! あっという間の終っちゃったなー!(笑)
叡斗/うっかり歴史を書き換えてしまった3人組にぶつかって、これで歴史が変わらなかったことになる……。はあ、すぐに帰れて何よりと思うべきか。
GM/「はい、お二人には多大なお手間とご迷惑をお掛けしました。こんなことに貴方達を巻き込んでしまってごめんなさい」 ときわは改めて、深く深く頭を下げます。
榛名/も、もう過ぎた話だしさ! こうして全部取り返せた話じゃん? 気にしなくていいよ!
叡斗/恐ろしい世界の可能性を体験しました。ひどく難しい問題でしたが、勉強になりましたよ。
GM/「本当にお二人には感謝しなければならない! ……という訳で、帰ったら目一杯ティータイムをご馳走させてくださいね!」 それでは、本日のエンディングフェイズに参りましょう。


 ●エンディングフェイズ 〜元通りの世界……?〜

GM/そうして君達は無事に元の時代、元の世界に帰ってくるのでした。7月19日、日曜日。無事に3人は魂が強い側としてこの世界に居ます。
榛名/い、生きてる……ちゃんと現代日本にいる。はー、死ぬかと思った!(笑)
叡斗/恐ろしい体験だったな(笑)
GM/そう3人がほっと胸を撫で下ろしていると、「ここに居たのか、ときわ殿」とアクセンの声がします。(ときわになって)「は、はい、アクセンさん!?」
榛名/机の下に隠れます!
GM/(アクセンになって)「かくれんぼの練習かね?」
榛名/いえ、避難訓練ですね!(笑)
叡斗/……思わず僕も隠れちゃったけど、恥ずかしそうに出てきます(笑)
GM/「うむ。実は、さっきから高坂殿が『ときわが大変な禁書を持ち出した気がする。申請してたっけ?』と気にしていてな」 (ときわになって)「いや〜これは失敬! 実は間違った本をレンタルしてしまったようで! さっき気付いたばかりで今すぐ返そうと思ってたところなんですよ〜!」
叡斗/そ、そうです! 間違えてしまいました!(笑)
榛名/い、今すぐ返します〜!
GM/(アクセンになって)「それなら良い。高坂殿も安心するだろう」 アクセンは普通の顔で、平凡な会話をして、何事もなく去っていきます。教会の一協力者として。
榛名/……ふええ、魔王じゃない。長い旅は終わったんだな〜(笑)
GM/何言ってるの、まだ正午12時2分だよ。この会議室に来てまだ2分しか経ってないよ。
叡斗/実質2日分ぐらいのフル稼働していたがな(笑)
榛名/帰って寝よう!(笑) あー……あの人、大丈夫かな?
叡斗/……ブリジットさんのことか?
GM/(ときわになって)「ブリジットさんは……10年前、機関解体事件で戦死しました。確か、魔物に食べられて遺体も行方不明だと聞いています」
榛名/……はー。
叡斗/……ううう。
榛名/……居た堪れなくて、出て行こうかな。
叡斗/……ときわさん、禁書を帰しに行きますか?
GM/「はい、行きますね!」 3人は会議室から出て行く……というところで、【幸運】判定をしてもらえますか? 成否を決める判定ではなく、出目が高かった方を優先します。
叡斗/はい?(ころころ)10でした。
榛名/(ころころ)おお、15ですね。
GM/出目が高いのは榛名くんか。「ミスター榛名は禁書を戻す手続きの書類を、ミスター叡斗は禁書を書庫に直接戻してください! 僕は高坂さんや司書の皆さんに謝罪の旅という一番つらいやつに行ってきます!」
叡斗/はい。みんなで手早く終わらせましょう。
GM/という訳で……榛名くん。君は一人、教会の書庫にやって来ます。MUMAちゃんの顔の司書が「ハンコ押しまーす」と言ったり。
榛名/ハンコくださーい!
GM/「あ、この禁書って……凄く重要な禁書だ。なるほど、貸出人はときわさんだったんですね……でも確か他にも借りて行こうとした人がいたような?」
榛名/え? 誰が?
GM/「それは……あれ? 誰だったっけ?」 覚えていないと言う司書さん。
榛名/……記憶が操作されている?
GM/それは[魔術師]としての直感か。……榛名くん。【意志】判定をお願いします。(ころころ)難易度は12です
榛名/(ころころ)ファンブルです。
叡斗/えっ!
GM/おっ!?(笑)
榛名/振り直しが無い。失敗ですね。アカーン!?(笑)
GM/えっと……叡斗くん、代わりに【幸運】判定ができることにします。難易度は同じく12で……これに成功すれば、ピンチにはならないことにします。
叡斗/(ころころ)9ですって!? 無理だ無理だ!
GM/…………。一人きりになった榛名くんの背後には、とある人物が立っていた。不意打ちを食らった榛名くんも、意識がふわふわしている司書さんも抵抗はできず。何故なら≪愉悦の波≫のせいで主導権を奪われたから。
榛名/あ。……これ、知ってるー!?(笑)
GM/部外者が侵入し、異能を使っている現場。それに叡斗くんも気付くこともできず……。愉悦られた榛名くんは禁書ごと誘拐されます。
榛名/マジかー!?(笑)
叡斗/えええっ!? ど、どうしようー!?(笑)
GM/……榛名くんは、目を覚ます。目を開けてみると、知らない天井が見える。ここは知らないベッドの上。どこのホテルだろう?
榛名/ど……どこだここは? これは、同人誌とかで見た光景!?
GM/縛り付けられて動けない状態です。どんな格好かは自由です。
榛名/奇数が出たら着衣してる、偶数が出たら無しで。(ころころ)6、無し!
叡斗/なんてこったい!? 服が無いんだけど!?(笑)
榛名/1・2が出たら全裸、3・4ならパンツのみ、5・6は開けてる程度。(ころころ)1。全裸マジかー!?(一同笑)
GM/榛名くんの事務所は大らかだなぁ(笑) 枕元に腰が置かれます。「おはよう」
榛名/えっ……。
GM/「まさか『一瞬だけ≪過去視≫で見た禁書』がこんなに簡単に盗めるとは思わなかった。もちろん厳重に保管されていて盗めたもんじゃねえって思っていたけど、あんたっていうとびきりの隙のおかげで何とかなったよ」
榛名/そっすね……俺もファンブルで油断してたんですけど。……生きてたんすね、ブリジットさん。
GM/「おっ? オレの名前を知って……? まさか、あのときの……いや、機関解体事件の関係者か?」
榛名/ち、ちょっと聞きかじった程度ですよ。まず服を……。
GM/「この禁書を解読するには少し時間が必要なんだよね。もしあそこでお前を放置していたら、お前に≪過去視≫して誰が盗んだかバレちまう。だから連れてきた。それに……『供給』の餌になるし」 榛名くんの全裸さわさわ。
榛名/餌かい!? そんなところを触らないでくださいダメダメー! アッー!?
叡斗/一体どこを触ったんでしょうね(笑) ……あ、そっか、[魔術師]じゃないから時間が掛かるんだ!?
GM/そうです。「ああ……この本さえあれば、失った10年の時間を変えられる……オレはラッキーだ。あんたに会えてラッキーだ」
榛名/……それは、やめた方がいいっすよ。絶対やめた方がいいっすよ! 多分そんなことしても、あんたが……いいような世界は作れない。
GM/「いいような世界が作れないなら、作るまで時間を戻して頑張ればいい」
榛名/そんなことしてもダメだよ! あんたが変わらなきゃ、世界も変わらない! 知った風に言います。
GM/「自分なりに抗ってあいつの幸せを考えてみた結果、やっと『やれる手段』を見つけたんだ。……どうやらあいつは、自分の正体を隠しながらも10年経っても頑張ってやがる。じゃあ……オレがなんとかしてやらないとダメなんだよ」 ブリジットは禁書を読み始めます。
榛名/なるほど! でもアカーン! ブリジットさんを睨みつけておきまーす! でもまずは服を探すAF判定をさせてくれー!
GM/いや、君が勝手に脱いだだけだからね?(一同爆笑)