アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ジェノサイド・デザート・ゼロ 』 4ページ ■
2018年1月16日




 ●プリプレイ

 ――それは、『ジェノサイド・デザート』をプレイするずっと前のこと。
 『ジェノサイド・デザート』のGMをしたマーサーが全滅したというセッションを振り返っていこう。


イガ(以降、GM)/では、セッションを始めていきます。
プレイヤー1・すがく/わーわー、よろしくお願いしますー。
プレイヤー3・マーサー/『AW』のプレイヤー参加やったー! しかも戦闘シナリオだ、やったー! 戦闘すっごく苦手だけど楽しみにしてきましたー!
プレイヤー2・銃撃戦/戦闘、苦手だったんだ?
プレイヤー3・マーサー/プレイヤーでやるのもGMでやるのも苦手だと思う。特にGMをすると……どうしても裁定が甘くなっちゃう性格なので、PCを生かす方向で進めちゃうんだよね。今日のGMみたいに笑って人を殺すこととかできない。
GM/人をサイコパスみたいに言うな。ただ自分が組んだコンボが決まると嬉しくなるだけだから(笑)
プレイヤー4・MASATOSHI/それは分かる(笑)
プレイヤー1・すがく/今日のGMは昔からデータを組むのがうまいんだよ。超強いデータのキャラとかいっぱいいる。
プレイヤー3・マーサー/一番はアレだよね。一本松。イニシアチブでモブを生やして範囲攻撃で≪修羅≫を使って無限行動をする通称「一本松打法」を編み出したときは「なんでそんな酷いこと思いつくの!?」って爆笑したわ。
プレイヤー2・銃撃戦/あれ何度か特技のデータ修正しようぜって話題に上がるよな……(笑)
プレイヤー3・マーサー/でも≪修羅≫のデータを修正すると、『ドロリア』で相馬さんがしたドラマティックな展開が無かったことになるんだよ。相馬さんの偉業を消したくないから、一本松のチート戦法が消せないんだよ……(笑)
プレイヤー4・MASATOSHI/一本松って、どんなキャラ?
プレイヤー3・マーサー/とあるセッションで某プレイヤーに「ナチュラルボーン頭おかしい」って言われたキャラで、先日私がPCを全滅させてしまってリベンジ戦をすることが決定したドSな敵です。
GM/(←一本松を当時作成したGM)ドSキャラ設定は俺の中には無かったんだが、GMが笑って人を殺していたらそういうキャラにされてしまいました。とりあえず今回のシナリオハンドアウトを読んでください。
プレイヤー1・すがく/GMが、戦闘中めちゃくちゃ笑いながらダイス振るからそう思われるんだと思うよ……(笑)
プレイヤー3・マーサー/今日のセッションが終わったら敵データちょうだいね! 後日違う卓で使わせて! 私が使いこなせるか判らないけど!
GM/代わりにGMにも今まで作った敵データをくれ。参考にするから。



 アナザーワールドSRS シナリオ名『ジェノサイド・デザート』



【レギュレーション】
 キャラクターレベル7で開始。
 舞台は2000年代初頭、機関解体事件前の日本。機関の息が掛かっている組織が主催するデスゲームに巻き込まれてしまうPCを作成すること。
 PC全員、初対面設定であること。

【ハンドアウト:PC共通】
 コネクション:デスゲーム  関係:自由  推奨クラス:自由

 君達は目を覚ます。
 目を覚ました先は、オフィスビルと思わしき白い空間。
 君達は……脱出ゲームに勝利しなければ生きて帰れない、デスゲームに参加することになってしまったのだった。
▼セカイのイベント:デスゲームの舞台で目を覚ます。
▼コネクション:デスゲーム

 ルールに従わなければ殺される、襲い来る仕掛けにも殺される、恐ろしいゲーム。
 君に拒否権は、無い。



プレイヤー1・すがく(以降、暁美)/キャラクター名は、火村 暁美(ひむら・あけみ)。[魔術師]の高校生です。
プレイヤー3・マーサー/めっちゃ炎属性っぽい名前。
暁美/≪火炎術式≫と≪火霊操作≫を持っているので炎使いの魔術師です。炎の猫を操って攻撃します。にゃー。
プレイヤー2・銃撃戦/お前は本当に猫が好きだな。
暁美/にゃー。攻撃特化の魔術師で、【命中値】が高めで確実に炎の猫をぶつけます。
GM/まさかの物理(猫)攻撃だった。
暁美/≪コネ「政治」≫を持っているので、政治家の娘……なんですけど、親は忙しくて構ってくれないから拗ねてます。何か問題を起こしたら、自分を放っておいてる親が振り向いてくれるかな……と思ってるけど、そんな不良娘じゃないです。
プレイヤー3・マーサー/不良娘じゃないんだ。
暁美/不良娘になりきれてない、普通の女子高生です。そんな女子高生が帰宅途中の道で攫われてデスゲームに参加したら……?
プレイヤー4・MASATOSHI/親が大慌てで探してくれる、のかな。
プレイヤー3・マーサー/一度家族のもとを離れることになってしまったゆえに、失いかけてた家族愛が深まってしまう……。非日常モノあるあるでいいね!(笑)

 火村 暁美(プレイヤー名:すがく)
 クラス:[魔術師5/霊媒師1/アーティスト1] ※アイコン「Student Maker」
  体力: 9(+3)  反射: 6(+2)  知覚:12(+4)
  理知:15(+5)  意志:19(+6)  幸運:12(+4)
  HP最大値:22  MP最大値:41  正気度:11
重要キーワード:償い  背景:火霊を大切にしたい  特徴:幼く見える
ボーナス効果:≪コネ「政治」≫  スキルウェポンのイメージ:炎の猫をぶつける
職業:高校3年生  性別:女  年齢:18  身長:158cm  髪色:やや明るい黒  瞳色:やや明るい黒
 スキルウェポン→≪魔導書≫
 魔術師→≪火炎術式≫ ≪タナトスの足枷≫ ≪魔の感知≫ ≪刻印増強≫ ≪本のクチ≫ ≪幻想式≫ ≪法則拡大≫ ≪千枚皮≫ ≪魔法のローブ≫ ≪魔道具≫
 霊媒師→≪火霊操作≫ ≪魂砕≫
 アーティスト→≪ミネルヴァ≫ ≪ステージドレス≫

プレイヤー2・銃撃戦(以降、雪子)/キャラクター名は、天草 雪子(あまくさ・ゆきこ)。教会のエージェントをやってる23歳女です。
プレイヤー3・マーサー/シンプルに良い名前だな〜。[聖職者]の女エージェントっぽい。
雪子/[聖職者]特化で作りました。『ライフパス背景』は、「マスコットが欲しい」! でも動物アレルギー体質です。
プレイヤー4・MASATOSHI/つらい(笑)
雪子/異能の猫なら大丈夫なので、炎の猫なら可愛がれる筈。
暁美/燃えるけど。
雪子/燃やすなよ(笑) 猫じゃなくても動物マスコットが好きです。グッズで言うと……けろけろけろっぴとか?
プレイヤー3・マーサー/なんでそこ微妙に古いチョイスなの!? リラックマとかじゃないの!?(笑)
GM/機関解体事件前の10年以上前だから仕方ない(笑)
雪子/機関の悪行はなんとなく聞いていて、危ない連中だな、倒さなきゃと思っています。なんで巻き込まれたんだろ……事件の真相を追っていたら「お前は知り過ぎたんだ……」と後ろからクロロホルムを嗅がされたとかかな。デスゲームから生きて帰って機関を潰します!

 天草 雪子(プレイヤー名:銃撃戦)
 クラス:[聖職者7] ※アイコン「鳩の私服女子駅」
  体力:16(+5)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:15(+5)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:33  MP最大値:27  正気度:9
重要キーワード:記憶  背景:マスコットが欲しい  特徴:天涯孤独である
ボーナス効果:≪コネ「教会」≫  スキルウェポンのイメージ:レイピア
職業:教会のエージェント  性別:女  年齢:23  身長:162cm  髪色:茶色  瞳色:青
 スキルウェポン→≪浄化の武器≫
 聖職者→≪戦闘聖衣≫ ≪悔改めよ≫ ≪寝台確保≫ ≪戦術指揮≫ ≪神託≫ ≪浄化の装具≫ ≪叱咤激励≫ ≪母の腕≫ ≪白き守り手たち≫ ≪物品調達≫ ≪小さな眼≫ ≪審判:善≫ ≪心霊医学知識≫
 一般特技→≪強化手術:意志≫

プレイヤー3・マーサー(以降、茂)/名前は、田中 茂(たなか・しげる)です。どっかで見たことあるようなオジサンです。
プレイヤー4・MASATOSHI/オジサンキャラだ。
茂/「田中 茂」って名前は、日本で一番多い「男性の同姓同名」らしいですよ。
暁美/へー、そんなにありそうな名前っぽくないのにな。
茂/回復サポート系で作ってみました。機関の異能研究部署『頭垓』の研究者で、バリバリの異能力研究白衣オジサンです! 機関の一員なのにデスゲームを参加させられることになった!
雪子/一体何したんだ、オジサン?(笑)
茂/僕にも判らない! どうしていらない実験体を使うようなゲームにこの僕が参加しなきゃいけないんだ!? こんなのおかしいだろ! ……という、デスフラグをいっぱい立てるヤラレ役っぽいモブオジサンを目指します。
暁美/仲間にいると迷惑!(一同笑)
茂/「こんな所にいられるか! 僕は出ていくぞ!」とか「君達のような怪しい連中と一緒にいるだと!? 一人で部屋に籠っていた方がマシだ!」とか「ハッ、これはまさか……判ったぞ真相が、あ、グアアアー!?」とか言いたいです。
プレイヤー4・MASATOSHI/最後! 死んでる!(笑)
茂/でも回復役としてしっかりパーティーの役目は果たします(笑) モブオジサンだけど優しくしてね!

 田中 茂(プレイヤー名:マーサー)
 クラス:[感応力師6/世界遣い1] ※アイコン「一癖おじさん」
  体力: 9(+3)  反射:12(+4)  知覚: 9(+3)
  理知:15(+5)  意志:16(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:24  MP最大値:36  正気度:10
重要キーワード:光  背景:被験体ハンターだ  特徴:特殊性癖がある
ボーナス効果:≪特技取得・肉体復元≫  スキルウェポンのイメージ:サイキック
職業:頭垓の研究者  性別:男  年齢:オジサン  身長:オジサンの背格好  髪色:焦げ茶  瞳色:黒
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪セルロイドの心≫ ≪空間知識≫ ≪念動障壁・1・2・3≫ ≪肉体復元1・2≫ ≪創まりの熱≫ ≪覚醒具≫ ≪空と心のリング1・2≫
 世界遣い→≪逆転運命≫ ≪禍福のさざなみ≫
 一般特技→≪興奮剤≫

プレイヤー4・MASATOSHI(以降、晃)/名前は、柾木 晃(まさき・あきら)。機関の一員がやりたかったので、ライフパス特技は取ってないんですが『アザーズ』になりました。

 『アザーズ』
 教会と機関の(秘密)合同組織「異端討伐部隊アザーズ」のこと。
 異端狩りを生業とした戦闘のプロ集団。退魔組織『教会』としては人々を守るために異端を狩る組織として、『機関』としては異能を研究材料として捕縛して持ち帰るための組織として、2つの顔を持っていた。
 隊員の多くが強化手術を受けた戦闘員であり、「フルアーマー・フルメットの全身甲冑姿」の重装備戦士であることが多く、『殲の刻』などの名称の騎士などが所属している。
 余談だがレジスタンスのリーダー・鶴瀬(のちの教会総支配人)は、かつてこの『アザーズ』で副隊長を務めた経歴がある。


晃/戦闘になると、ウズマキを展開して≪葬送の衣≫+≪闇の衣≫+≪黒水晶の盾≫を装着し、≪闇の勇姿≫で戦います。戦闘以外では鎧姿ではなく普通の21歳の男です。
茂/わー! アザーズだー! カッコイイー!
晃/薬物で身体能力を高めた強化人間で、≪強化手術≫を何回も繰り返してるし、≪最高調合術≫+≪興奮剤≫でさらにドーピングします。精神不安定で「お前を殺す……」って感じでそろそろお払い箱になる予定でした。
暁美/お、おう。
晃/なのでデスゲームの会場に放り込まれました。そういうことです。
雪子/厄介払いか……(笑)
晃/ゼロ・ムラサメって感じの強化人間ですが、『ライフパス特徴/生真面目である』なのでしっかりとPCの話は聞いて理性的に動けます。声のイメージは緑川 光。よろしくお願いします。
茂/マサキ・アンドーで、ヒイロ・ユイで、ゼロ・ムラサメか……そりゃグリリバ声になるわ(笑)

 柾木 晃(プレイヤー名:MASATOSHI)
 クラス:[狩人3/処刑人4] ※アイコン「suke男子メーカー」
  体力:15(+5)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:13(+4)  幸運:12(+4)
  HP最大値:32  MP最大値:24  正気度:8
重要キーワード:代償  背景:愛する社会的地位を失った  特徴:生真面目である
ボーナス効果:≪特技取得・決死の射弾≫  スキルウェポンのイメージ:長剣
職業:アザーズ  性別:男  年齢:21  身長:180cm  髪色:緑  瞳色:赤
 スキルウェポン→≪凶々しき武器≫
 狩人→≪圧縮撃≫ ≪神域の眼≫ ≪零力射撃≫ ≪痕跡発見≫ ≪狩猟の銀手≫ ≪覇魔矢≫
 処刑人→≪葬送の衣≫ ≪闇の衣≫ ≪黒水晶の盾≫ ≪闇の勇姿≫ ≪最高調合術≫ ≪負の空間≫
 一般特技→≪強化手術:体力≫ ≪強化手術:意志≫


 ●オープニングフェイズ 〜悪夢の始まり〜

 ――君達は、目を覚ました。
 白い空間。白い壁、白いテーブル、白ばかりの清潔感があるが……窓は無い、どこか分からない、見たこともない一室にて。
 暁美と雪子と茂と晃の4人は、謎の舞台の中で目覚めてしまう。


暁美/うーん……ここは?
GM/初顔合わせです。教会に所属している雪子と、一応は教会と縁があるアザーズの彰は……ワンチャン見たことあるかもしれない。
晃/俺は思いっきり機関の強化人間として使役されてる強化兵なんで、あまり表舞台には出ないと思います。だから根っからの教会エージェントとは会わないかな。
雪子/だそうです。うーんムニャムニャと寝惚けてウズマキからけろけろけろっぴのハンドタオルを出して朝みたいに顔を拭きます。
茂/常に持ち歩いてるんだ、けろけろけろっぴグッズ!(笑)
雪子/あれ、自宅の木ノ本アパートじゃない……? ここは……?
暁美/えっ……貴方達、誰……?
晃/なんだここ……新しい任務の場所か……?
茂/こ、ここは!? まさか、あのゲームの会場だと言うのか!?
晃/知っているのかオジサン!?(一同笑)
茂/認めん認めん! 僕がまさか……あの恐ろしいデスゲームの参加者に選ばれただと!? 自分には研究所でやらなくてはならない研究が待っているというのに! そんなことあってたまるか!?
雪子/こ、小物くせえ……(笑)
暁美/貴方達、何。誰? ここはどこ? 警戒して言います。
茂/れ、礼儀のなってない失礼な小娘だな! そんなに睨まないでください傷つきますワタクシの名前は田中 茂ですヨロシクね。
暁美/キャラ諦めるの早くない!?(一同笑)
茂/や、ヤラレ役のモブオジサンでいこうと思ったけど……わりとこれ、精神が削られる! みんなに優しくしていきたいのでキャラ変をしたい!(笑)
雪子/せめてオープニングシーンまでは頑張れよ!(笑) ……私は天草 雪子。教会のエージェントよ。機関を追っていたら眠らされてここで目覚めた。機関が何か関わっているというのは分かるわ。
暁美/機関……?
雪子/きっと貴方達、機関に誘拐されたのよ。
茂/な、なんだってー!?
暁美/誘拐……なんかまだ、実感がわかないな。……デリカシーの無いお父さんは娘が誘拐されたと聞いたら慌てるのかな。
晃/んー? なんか複雑な家庭環境か、お前?
GM/暁美は【理知】判定で難易度10に成功すれば、機関という組織について知っていていいことにする。
暁美/(ころころ)出目が良かった、達成値15で成功。……機関って、異能研究所で有名なあそこでしょ。[魔術師]の家系だから知ってるけど……。
茂/僕はその機関に所属している研究員の、田中 茂だ。早く研究所に戻って研究をしなくてはだな……!
晃/……一応名乗っておく。同じく機関に身を置いている、柾木 晃だ。
暁美/み、みんな名乗られた……。火村 暁美、です。……よろしく?
GM/全員が自己紹介を終えた、そのとき。……会議室の上部にあるブラウン管テレビがザザッと何かを映し出します。映像ではなく、何者かのシルエットと「サウンドオンリー」と書かれた何かが。
茂/なんだなんだ!?

 「おはよう、諸君。
 これから君達にはゲームをしてもらうよ。楽しい楽しい脱出ゲームを」


雪子/……なに?
晃/脱出ゲーム……しろってか?
茂/ふざけるな! この僕が脱出ゲームをしろって!? そんなのする理由がどこにいる! バカなことを言ってないで責任者は出てこい! 訴えてやるぞー!
雪子/うわ! このオジサン今すぐ死にそう!(笑)
晃/絶対ナイフを額に受けて死ぬやつだよ(笑)
GM/白い壁がウィーンと横に開きます。開いた先の壁だと思った場所は新たな部屋になっています。その白い部屋には、椅子に縛られた女の子がいます。
暁美/えっ……?
GM/手錠、足枷、猿轡を付けられ、恐怖で大量の涙をボロボロと零している女子高生ぐらいの女の子が現れました。そしてサウンドオンリーの声が言います。「彼女の首を見てくれ」
晃/首を……?
GM/少女の首には、首輪が付いています。
暁美/うわっ!
茂/あれ! 見たことある! 『バトルロワイヤル』で見たことあるー!(笑)
GM/「この首輪には、こんな仕掛けがある」 チッチッチ、ドォーン!
雪子/あ。
GM/目の前で少女の首が爆破され、弾け飛びます。
暁美/うわあああ!? い、いきなり!?
GM/いきなりですね。数メートル先の少女が目の前で爆破されました。
暁美/いきなり……人が、死んだ……!?
雪子/そ、その子を助けに駆け寄る……!
GM/即死です。縛られた少女は、参加者にこのデスゲームの舞台がいとも簡単に命のやり取りを行なっていることを見せつけるように、爆破されて殺されました。……そして気付きましょう。自分達の首にも、同じ首輪があるということを。
茂/うわああぁやっぱりー!(笑) なんでこんな首輪がー!?
晃/これ、もちろん無理矢理に外したら……ドォーンだよな?
GM/その通り。無理に外すものならそのまま【HP】が0になり、死亡します。「これは脱出ゲームである。君達はここから生き延びることができるか。ルールはそれだけ。では諸君、ゲームスタート。せいぜい我々『機関』を楽しませるよう、頑張ってくれたまえ」
雪子/やっぱり機関のせい……!
茂/ふ、ふざけるな! こんなゲームに参加するなんて、み、認めん! 助けてくださーい!(一同爆笑)
暁美/混乱して泣くしかできないぞ……。だ、脱出って……ここから出られれば助かるってこと?
GM/では、このゲームの詳細を説明します。

【脱出ゲーム(ミドルフェイズ)ルール】
(1)PC達は、このゲームから脱出しなければならない。施設から脱出できればゲームクリアーとなる。

(2)このデスゲームの舞台には、休まる場所など無い。指定されたエリア以外での『供給』は不可能である。
 ≪寝台確保≫や≪食料調達≫など供給系特技を取得しているキャラクターのみ【意志】判定(難易度:10)に成功することで、指定されたエリア以外で『供給』を宣言することができる。

(3)『契約』はミドルフェイズ開始前に相談で可能。以降は、マイナーアクションで宣言可能とする。

(4)PC達は、スタート地点でステージマップを入手することができる。基本的に隣接したマップにしか移動できない。

(5)PCには1人1つずつ、アイテムが配布される。トランプの柄でアイテム配給が行なわれるため、中身は完全ランダム。好きなトランプを選択すること。

【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(??の部屋)
Fの部屋
(??の部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/それではランダムアイテムのトランプを配布します。ジャック、クイーン、キングなど……どうぞお好きなものをお持ちください。
暁美/はーい。(アイテムを受け取る)……んん? これは?
GM/中身はランダムでPCに配布されています。中身を隠してもいいし、秘密にする必要が無いと思ったならPCに公開しても構いません。ご自由にどうぞ。
茂/えっ? あ? うーん? えーとー……?
雪子/凄く混乱してるけど、大丈夫?(笑)
茂/え、えっとねー……オジサン、≪興奮剤≫を貰ったよ。ラッキーかも。
雪子/あ、私は≪鎮静剤≫を貰いました。【HP】回復手段が増えたのは良いことだ。
晃/ええっ? そんなの貰えるの?
茂/君は貰えなかったの? じゃあ何を貰ったの?
晃/いや、何にも……むしろ何も書いてなかったっていうか……。
暁美/そんなのもあるんだ……?
雪子/……あー、私は全部公開していいかな。私のトランプには、こんなことが書いてあったよ。

 雪子が持っていたトランプのキング開錠条件:「狩人を討て」

雪子/狩人っていうキャラを倒せば首輪が取れるってことだと思う。これはクラスの[狩人]じゃなくて、後々狩人と名乗る敵が出てくるんじゃないかな?
晃/だよな。じゃなきゃ俺が[狩人]だから倒されちまう……(笑)
茂/……うん。僕も明かして平気だな。僕のトランプはこれだよ。

 茂が持っていたトランプのクイーン開錠条件:「灯を消せ」

茂/この部屋にロウソクとかあります?
GM/この部屋にはありません。
茂/灯を消すような場所が現れたら、僕にやらせてほしい! 僕がやらなかったら条件が達成できなくて死亡とかありそうだから、知っておいてね!
暁美/なるほど、そういう……。
茂/暁美ちゃんは公開する?
暁美/……ごめん、言わないでおく。ちょっと今は言わない方がいいっぽい秘密だ。
晃/俺のトランプは……読めないってことを言っておこう。
雪子/読めない?
晃/うん。今は言えない秘密ってことで。
茂/凄い気になるな〜。じゃあ、ゲームの探索を進める前に『契約』しておく?
暁美/……うーん。
晃/……うーん。
雪子/2人は……契約、あまりしたくない?
暁美/いや、した方がきっとラクになるのは分かるけど……現状、暁美は契約をしたがらないかな……。
晃/俺もおいそれと契約するって言い出さない……。でも、戦いも何もせずに爆破されて死ぬのは嫌だから、デスゲームを生き抜こうと思う。……協力しないか、って持ちかけます。
雪子/もちろん。生き残るために協力をしましょう。契約はあくまで手段の一つであって、選ばなかったからと言って決裂するってもんじゃない。
茂/そうだね。オジサンもしたくなったらするでいいと思うよ。でもするならオジサンをサーヴァントとして拾ってください! サポート役に令呪は必須だから!


 ●ミドルフェイズ1 〜探索開始〜

茂/研究所に帰るために頑張って生還するぞ〜。まずは……スタート地点のAの部屋と、隣の状況を確認しようか。
GM/【知覚】判定で詳しく調べることができます。基本的に達成値10以上で情報は出ますよ。
茂/クソッ、なんでこの僕がこんなことをしなきゃいけないんだブツクサ……! と嫌味なヤラレ役っぽいことを言いながら【知覚】判定をします。(ころころ)ピッタリ10で成功!
晃/やるじゃんオジサン。
GM/Aのスタート地点部屋の状況は、オープニングで話した通り。隣の部屋に繋がっており、そこには爆死した女の子が横たわっています。即死した女の子は、ブレザーの制服からして女子高校生だと分かります。
暁美/……同い年ぐらいの子の死体……。
GM/そして茂は、「何者かが自分達を見ている感覚」に気付きます。
茂/貴様ッ! 見ているな!?
GM/監視カメラは目視で発見できません。ですが思いっきり見られている……観察しているという感覚が生じます。≪千里眼≫や≪望遠鏡≫などの異能が用いられていると確信を持つでしょう。
雪子/どこかで監視されてるってことか。
GM/少女の遺体の近くに寄って魔力などを感知した場合、「この子は間違いなく一般人だ」と思います。
暁美/普通の女の子……。
GM/教会に所属しているPCなら「異能を用いられた危険な場所で一般人の犠牲者が! これは明らかに異端犯罪者! 処刑しなきゃ!」と思うでしょう。
雪子/……絶対に許されることではない。必ずこのゲームから生還して、鶴瀬リーダーに報告しなければ。
茂/こ、怖いことを考えたけど……自分、この脱出ゲームから生還しても、研究所に戻れるの!? 戻っていいの!?
晃/それはオジサンの今後に掛かってるんじゃね?(笑) こんな目に遭ってでも機関で研究を続けたいと思ったなら戻ればいいんじゃ? そんな性格か、オジサン?
茂/ぐぬぬ……どうして僕がこんなゲームに、ブツクサ!(笑)
暁美/次、スタート地点のAの部屋から移動します。
GM/Aの部屋から通路に出たなら、【知覚】判定をしてください。難易度は8。
暁美/(ころころ)8で成功。
GM/通路の先に誰かいる。
暁美/……火霊のニャー子に、どんな人がいるか見てもらう。
雪子/猫だ。可愛い〜。
茂/ニャー子っていうんだ、可愛い(笑)
晃/気を付けろよ。なんなら俺が行く。
GM/さっきの判定に成功したので問題は無い。Aの部屋の外は、窓の無い白い通路が続いている。そこに10歳ぐらいの小さな女の子が、泣きながら歩いていた。
雪子/小さい女の子……?
GM/首輪を付けた小学生ぐらいの女の子が、しくしくと泣きながら廊下を歩いています。

【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(??の部屋)
Fの部屋
(??の部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

晃/敵意はある?
GM/見た感じ、無い。能力者の4人なら……どっからどう見ても普通の一般人の女の子ではと思った。
晃/とはいえ、その周囲がトラップの可能性があるからな……。
雪子/……それでも声を掛けてみないと。君、どうしたの!?
GM/びくん! 「あ、あの……え、えーと……あたし、お姉ちゃんを探していて……見ませんでしたか、お姉ちゃん……」
雪子/お姉ちゃんを探しているの?
GM/「うん。●●高校に通っている、あおいお姉ちゃん……ブレザー服の学校で……」 
茂/えっ。……今の、爆発された子?
GM/「お姉ちゃん……どこ……どこ……?」 しくしく。泣きながら彼女は姉を探しています。
暁美/……お姉ちゃんなら、こっちに居るけど。
GM/「い、いるの!? お姉ちゃん……!」 涙目でもパァッと表情が明るくなり、タタタとそっちに駆け寄ってきます。
暁美/待って。……覚悟して。
GM/「えっ……覚悟……?」
茂/うん。お姉ちゃんに会いたいなら、それなりの覚悟が必要だ。酷なことを言うけどここはそういうゲームなんだ。
GM/「か、覚悟って……? 何言ってるの……? お姉ちゃんに、早く会いたい……」
茂/君、お名前は何て言うのかな? オジサン達に教えてくれる?
GM/「……みくら、あかり」
茂/あかりちゃんっていうのか、良い名前だね! ……あかりちゃん。落ち着いて、覚悟をして、本当に大丈夫なら……こっちに来るんだ。
雪子/…………。
晃/…………。
GM/あかりと名乗った少女は、立ち止まって、暫し悩んで……それでも姉に会いたいという思いで近寄ります。
暁美/部屋に入ろうとする子に、何か声を掛け……。いや、やめておこう。

 「お、お姉ちゃん……いる? あたしだよ、あかり……あかり、だ、よ……えっ……?
 え、あ……ああ……あああああ、うわああああああああん!」


GM/女の子は絶叫して、首から上が吹き飛んだ姉の遺体にしがみついている。
暁美/……震えながら、その泣き声を聞いている。
晃/震えてるなら、その背中をさすってやる。
GM/さて、PC達はどうする?
茂/どうするって……その……。
雪子/……デスゲームの舞台っていうのを思い知って、より一層「機関をなんとかしなきゃ」って思うようになります。あかりちゃんが泣きやむまで待ってあげて、それから……。
晃/連れて行くのか?
雪子/……ここで置いていくのも、何があるか判らない。一緒に行動するのが良いと思う。
晃/敵なら監視になるしな。
雪子/そう。……敵とは思えないけど、こんな小さな子。
暁美/……うう、どう声を掛けていいのか判らない。本当に人が死んだんだ……殺されたんだ……と絶望しておきます。
茂/……その! あかりちゃん! ……行こう! オジサン達と一緒に!
GM/オジサンが一番に声を上げた。
茂/いやだって子供がこんな所に居ちゃいけない! 君も首輪を付けられているってことは参加者の一人なんだよね? なら脱出すれば救われるってことだと思うんだ!
雪子/そう、そうだった。まずは脱出しないとダメだ!
茂/お姉ちゃんのことは……ざ、残念だけど、でも、ここにずっと居ちゃいけない! オジサン達と一緒に脱出するぞ! 泣き疲れて動きたくないっていうならオジサンがおぶってあげるけど、どうかな!?
晃/オジサン、ヤラレ役っていうか良い奴じゃん?
雪子/「悪そうな人が実は良い人だった」って一番の死亡フラグなんだけどね?(一同笑)
暁美/大人のオジサンが怖いなら女子校生の私が近寄ろう。ニャー子といっしょに。
GM/「あ、猫さん」
茂/ガーン! 猫に即堕ちされた!(笑)
暁美/あかりちゃん。……一緒に来られる? ここに居ると危ないから、私達と一緒に歩ける?
GM/「……うん……行く……」 名残惜しそうに姉の遺体を見た後、彼女はPC達について行くことにします。
茂/幼女ゲットだぜ! 疲れたらオジサンに言いなよ! オジサンはサポート要員だからまず【HP】削れないし! 死には一番遠いから安心安全だよー!
晃/何もかも死亡フラグにしか聞こえないんだよなあ……(笑)

【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(??の部屋)
Fの部屋
(??の部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/Bの部屋は、相変わらず白い壁の部屋。清潔感のある部屋であるのはAとまったく変わりませんが……段ボールがいくつも置いてあって、さっきより倉庫とか資材庫っぽいなと思います。
暁美/白い家だなあ……。
茂/懐かしいなぁ、『アークザラット2』かぁ……。あれは悲惨な研究所モノで実験体の強化人間少年少女萌えが育まれる性癖開発ゲームだったよなぁ。
GM/プレステ初期の名作ゲーになんて評価を。
茂/いやホントあれゲームとしても面白いけど萌えるんだって! 思春期にプレイして道を踏み外すぐらいには!(笑)
雪子/オジサン、実験体の子にハァハァしてた変態親父でしょ。
茂/中の人は研究所萌え性癖だけどオジサンは真っ当に研究者として実験体の子を性能で愛していたよ!?
雪子/ドン引きます。
暁美/あかりちゃんの耳を塞ぎます。
晃/目の前に俺という強化人間がいるんだけど?
茂/今さっき見直されたばっかなのに好感度ダダ落ちでござる。
GM/どう見ても茂オジサンが悪い(笑) ではそんな白い部屋を、探索することができます。

『AF判定:探索』
 ・使用能力値:【知覚】【幸運】
 ・難易度:30

※「探索に成功して物品を得る」演出に成功すること。
 成功した場合、物品を得ることができる。
※協調行動OK。難易度:6。

 【知覚】が高い晃がAF判定に挑戦。
 PC全員で協調行動をし合った結果、無事に探索を成功させた。

GM/AF判定成功です。まず……使えそうな物を発見しました。ここのマップでは≪物品調達≫を使用可能です。使用したいPCは宣言をお願いします。
雪子/なら≪物品調達≫を持っている雪子が使用を宣言します。≪興奮剤≫を入手しようと思ったけど……既にいくつかゲットできたんだよな?
暁美/無料で貰えたからね。
晃/でも≪最高調合術≫で複数使用が可能だ。あればあるだけ持っておいて損は無い。
雪子/……と思うので、≪興奮剤≫を入手しようと思います。
GM/了解。では後ほど≪興奮剤≫を配布します。そして……特別アイテムをゲットできます。

 ≪両手武器≫
 スキルウェポンを取得していないPCに配布する、戦闘シナリオの救済措置アイテム。
 対象1体に、[2D6]点の物理ダメージを与える。命中判定の際、ゾロ目で命中させた場合、ダメージが+1D6される。

 ≪魔法のローブ≫
 防具を取得していないPCに配布する、戦闘シナリオの救済措置アイテム。
 常時【物理防御点】と【霊力防御点】に各+2点。重ね着可能。


茂/わあ、スキルウェポンと防具の特別配布だ! ……そんだけ戦闘が厳しいってこと?
GM/というか、ダンジョンものっぽさを追求してみた。探索してアイテムをゲットできると嬉しいから(笑)
暁美/わかる。何も使えなくても嬉しい(笑) 無難に≪両手武器≫はダメージが入りやすい武器だし、誰が持っていてもいいと思う。……武器を持っていない茂オジサンが持っておく?
茂/判った! じゃあデスゲームっぽく包丁ゲットしておきまーす!
雪子/前線に【防御点】を高めさせておくのは良いと思う。雪子か晃が≪魔法のローブ≫を貰おう。
晃/それなら雪子に≪魔法のローブ≫をあげる。……鎧姿にローブを羽織らせるの、何か嫌だし……。
雪子/そこはマントとかで描写すればいいだろ(笑) まあ……雪子がローブを着ます。【防御点】ゲットしておきますね。
GM/そんなアイテムをゲットし……さらに、AF判定に成功した晃はあるレポートを発見します。異端者の≪忘却の末≫に関するレポートです。

 ≪忘却の末≫
 記憶を奪い取る[異端者]の特技。対象の特定の記憶、イベントキーを削除する。


茂/記憶を奪い取る特技……?
GM/これを使って記憶を奪うことで、ここがどこなのか、どうやって誘拐されてきたかを参加者から忘れさせるというものです。
暁美/なるほど、もし生還しても機関のことを忘れさせることができる……!

 『イベントキー:忘却の末レポート』
 異能を研究する組織が≪忘却の末≫を究明し、基本から応用までの技術を記したレポートを表わすイベントキー。
 レポートには以下のことが書かれている。
 「この秘術が完成すれば、記憶操作はお手の物! 無制限で、どんな人物が相手でも自由な記憶改変も可能となる筈だ。
 しかしまだ研究は途中段階。応用的な使用方法には、まだまだ時間が掛かるだろう……」


茂/フムフム! 良い研究だなー! めっちゃ興味あるー!
晃/これ、オジサンがいた所で研究されていたやつだろ(笑)
茂/同僚が記憶改変のレポートに追われていた気がするなー!(笑) でも「研究は途中段階」か。……そのうちまた記憶に関する資料が発見されるのかな?

【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(??の部屋)
Fの部屋
(??の部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

暁美/それでは、Cの部屋へ行きます。
GM/Cの部屋を開けると……砂漠のように広くて白い部屋だなと思います。
茂/白くて……広い施設だな、ここ。
GM/その中央に、大人が倒れています。
暁美/おわっ?
雪子/……生きてますか?
GM/それは、近寄ってみないと判らないな。
晃/俺が近寄ろう。オジサン、あかりを頼んだぜ。
茂/わ、分かっている! ……気を付けるんだぞ。
雪子/私も前に出る。晃と一緒に倒れている人を調べに行く。
暁美/私は後衛系だから……茂オジサンとあかりちゃんと一緒に後ろに下がっています。
GM/つまり、倒れている人に近づいたのは、晃と雪子の2名か。……晃と雪子の2名のみ【反射】判定をしてください。(ころころ)難易度は12です。
晃/(ころころ)達成値13で成功。
GM/シュッ! 晃と雪子の横を何かが掠めていく! 弓矢のような素早い攻撃をされたことが判ります。
茂/うわああああ!?
雪子/敵か!?
晃/敵だな。速攻ウズマキを展開。全身に黒い鎧を纏わせて、戦闘態勢を取る。ウズマキから2メートル以上ある≪凶々しき武器≫の大剣を出して敵に向ける!
茂/うわああああ! カッコイイー!(笑) でも、こんな危険なところにいられるかー!? 僕はこんなところから生きてみんなで出ていくぞー!
暁美/オジサン、さっさと戦闘準備して!(笑)

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:暁美、茂
 (↑5メートル離れている↓)
 エンゲージ2:雪子、晃
 (↑40メートル離れている↓)
 エンゲージ3:敵


GM/40メートル先からの遠距離攻撃です。敵の【行動値】は18。それでは戦闘開始します!

 第1回戦。
 完全攻撃特化の遠距離射撃系の敵が、隠密状態で襲い掛かるという戦闘が始まった。
 敵は1体のみ。だがその破壊力は……PCの予想を大きく上回る、途轍もないものだった。


晃/(ころころ)……て、敵に命中できない!
茂/令呪も無いからブーストもできないしね……! ためらいなく使っていくしかない、≪禍福のさざなみ≫を使用!
GM/ああ、1が出たら茂オジサンが死ぬやつ?
茂/(1D6ころころ)よっし6! 死なないもーん! オジサン死亡フラグまだまだ立ててから死ぬんだもーん!
暁美/いや、死んじゃダメだって。回復役なんだから(笑)

 シナリオ回数特技も、どんどんと連発していくPC一同。
 令呪が無い中でも高レベルの敵を、どうにかこうにか追い込んでいくのだった。

暁美/命中値の高い[魔術師]のキャラメで大正解だった。(ころころ)よし、期待値が出た。命中21。
雪子/さすが[魔術師]、安定して20越えの命中値が出る!
晃/ただの期待値で20越えだから凄いな。
暁美/一応≪魔道具≫で命中クリティカル値も下げてあるから、運が良かったらダメージアップもするよ。(ころころ)ダメージロール……やったぁ、出目が良い。霊力ダメージ25点!
茂/ニャー子がドーン! 突撃ー!
GM/暁美の炎を食らって、敵は落ちます。お疲れ様、戦闘終了だ。
茂/うおおー! 回復するぞー! みんな良くやった! 初戦から死にかけたけど良くやってくれた!  ……この戦い、勝ったな!
晃/実際勝ったのに、負けフラグが立った気がするのは何故だろう……(笑)
暁美/ニャー子、お疲れ。よしよし。にゃー。
雪子/にゃ、にゃー。かわいい。ウズウズ。
暁美/触る?
雪子/ありがとう。代わりにけろけろけろっぴのマグカップでも触る?
暁美/……なんでマグカップを持ち歩いてるの?(笑)
GM/これで1回戦は終了。ではマスターシーンを挟んで、次のイベントへ移行します。


 ●マスターシーン

 ――そこは、薄暗く豪勢な一室。壁一面に、様々な映像カットが映し出される。
 華々しいステージがあり、テーブルには高価なワインや煌びやかなフルーツが置かれていた。高級スーツに身を包んだ男性やドレスで着飾った女性が楽しそうに談笑しながら映像を眺める。

 映し出された映像には……傷を負った暁美、雪子、茂、晃の姿。
 血まみれで戦うさまを、セレブな彼らは普通のことのように笑って眺めていた。


茂/凄く……こういうシーン見たことあります……(笑)
暁美/私達を見ながら楽しんでいる人達のシーンだ(笑)

 一番ゴージャスで大きなソファーに悠々と腰掛けてるのは、ひとりの女性。
 金の髪に緑の目。豊満な体つきに、誰よりも美しい衣装を身に纏った彼女は、高級酒を口にしながら……つまらなそうにその映像を眺めている。

GM/彼女の名は、『金色の大太刀』。この世に邪神を降臨させるべく暗躍している邪神の装具。金髪碧眼の美女であり、超人類開発研究所機関の最高責任者・上門 狭山に力を与え、日本の一組織に過ぎなかった機関を巨大企業に押し上げた悪魔の女だ。
晃/おおおー、一番の元凶ってやつか。
茂/ですです。機関はちょっと危うい気配はあったけど普通に異能団体でした。狭山さんはその一員なだけだったけど、突如彼の前に現れた謎の美女の助力があって大企業になり、今の何でもあり実力主義の闇の組織になっちゃったのです。
晃/ほうほう。
茂/研究組織の金回りが良くなったのは謎の美女のおかげ。金さえあれば人が動き、どんどん事態は大きくなっていく。狭山さんが裏社会で暗躍できたのも謎の美女のおかげ。狭山の愛人という形で寄り添う謎の美女、その正体は邪神の遣い、世界を滅ぼそうとする者……というキャラです。
雪子/つまり……彼女を倒せば平和になる?
暁美/うーん、そう単純にいかなくなっちゃったのが今の機関なんだよな……。
GM/確かに邪神の眷属である『金色の大太刀』が、血は薄いけど邪神の末裔であった狭山に近寄って機関を魔の組織にしちゃったのはある。でも機関の悪行って言われているのは、そこで研究を続けていた研究員達の成果というか……。
茂/航先生が悪い。そして、茂オジサンのような研究員がだいたい悪いのでもう僕って死ぬしかないのでは?
GM/ぶっちゃけるとそうだな。
晃/……仲間PCなのに、フォローが無い(笑)

 「……はぁ。どうやら今夜のゲームはお気に召さないようですね。『金色の大太刀』様」

 彼女の前に、豪華絢爛な高級クラブには似つかわしくない白衣姿の男が現れる。名前は、夜須庭 航

 超人類開発研究所機関の第二部署『頭垓』の主任研究員。
 のちに史上最悪の大量殺戮事件『機関解体事件』の主犯として名を馳せる、有名な異能研究者である。


茂/ぎゃああああー!? 名前を出したらホントに出たああああー!?(一同笑)
雪子/うわ、真のラスボスが出たよ。
暁美/(←『ワンアンドアナザー』最終回のGM)わあ。なんて悪そうな敵なんだ。
GM/(←『ワンアンドアナザー』番外編のGM)お、おまいう……(笑)

 「ええ、つまらないわ。さすがに、n回目の開催となると。……同じことを繰り返してばかり。何度も何度も繰り返し。人間が死ぬところに何の変化も無し。つまらない死ばかり」
 「はあ。そうですか。
 こういうのが見たい、他人の手を使って手っ取り早く楽しみたい、そう希望したのは貴女だった筈ですが。もう飽きちゃいましたか。
 ……それにしても、意外ですね。千年前から狂気を愉しんでいるという貴女はともかく、ここにいらっしゃったセレブなお客様はみんな人間。
 だというのに、みんな愉快に笑っている。まるで異端のようですねぇ。全員祖先がそうだという訳でもなかろうに」

 「異端も人間も、何も変わらないということよ。知っておきなさい、学者。
 私達は本能として負の感情を求める。だから餌として死を頂く。『そういう生き物だから』という真っ当な理由。
 貴方達人間は、本能とは別に負の感情を求める。人より勝っていると嬉しいから。人が苦しんでいる様を見ると快楽を得られるから。
 理由は違えど、私達に違いは無い。同じ愉悦を求める者なんだから……仲良くしましょう。

 …………仲良く、手を取り合って、『我らの神』を、『我が愛』をこの地へ迎え入れましょう?」

GM/このデスゲームは、ただの遊び。君達が捕らわれて殺されるのは、誰かの愉悦。それだけのためにただただ繰り返される死の演戯。……そういうシナリオです、これは。
茂/うわー……最高ですねー(笑)
晃/これは、相容れない……倒さないとってなる。
雪子/機関を早く潰さないと……大変なことになるってシーンだった。
暁美/(←『ワンアンドアナザー』最終回のGM)どうしてこんなキャラを生んだんだろうなぁ。


 ●ミドルフェイズ2 〜手がかり〜

GM/戦闘が終了しました。すると、どこからともなく……スピーカーがあったのか声が響きます。
晃/お、何か放送が……?
GM/「開錠条件の達成を確認。プレイヤーを解放します」 その声と共に、雪子の首に付けられていた首輪がガチャンと崩れ落ちます。
雪子/えっ。
暁美/あっ。……そっか、「開錠条件:狩人を討て」だったから!
茂/そっかぁ! さっきの敵、40メートルの遠距離武器を持っていたもんね! あの敵の名前が「狩人」だったんだ!
晃/やったな。こうやって首輪を解除していけばいいんだ……。
GM/、「開錠条件の達成不可を確認。爆破します」 その声と共に、茂の隣にいたあかりの首に付けられていた首輪が爆破されます。
茂/……へ?
暁美/えっ?
GM/女の子、爆破されて死にました。
茂/え……えええええっ!?
GM/「開錠条件の達成を確認。プレイヤーを解放します」 その声と共に、茂の首輪がガチャンと落ちます。
茂/えっ? あっ? ……ふえっ!?
雪子/「灯を消せ」……が開錠条件だから?
茂/灯って……あかり……ええええあかりちゃん!? はあああああ!?
GM/スピーカーから声がします。「おめでとう、まさかあの狩人を倒せるなんて凄い子達だ。けれど、あかりちゃんは残念だったね。お姉ちゃんと同じところに行ったのだから幸せかな?
茂/うわあああ!? そういうことおおぉー!?
晃/うわっ、えげつなっ……。
GM/【幸運】判定難易度20に成功すれば救えます。失敗したままだと即死です。
茂/と、とりあえず【幸運】判定!(ころころ)だ、駄目……20なんて出る訳ない……。
一同/(ころころ)失敗。
暁美/そ、そんなの……救える訳ないじゃん……。
雪子/この、どうしようもないトラップで死んでいく姿を……カメラで見ている連中は、楽しんでいると。
茂/えええ……えええええ……。
GM/こうして彼女……美倉 灯は、小学4年生という短い生涯を終えたのであった。
茂/ひどい……ひどすぎる……こんなのってないよぉ。あまりの遺体のグロさに嘔吐します。
晃/……殺し殺されはアザーズにいる以上、慣れてはいる。だが、マジでこれはキた。不条理なデスゲームそのものって感じだ……。
茂/こ、こんな所に居られるかー……オジサンは……オジサンは帰るぞぉ……絶対に帰るぞぉ……。
雪子/機関の研究所に?
茂/……それは……。
雪子/帰らなくていい。そんな所。私達と一緒にここを出て、私達と一緒に機関の悪行を止める。これ以外に多くの酷い事件を起こしている期間を止めましょう。
茂/……う、ううう。……うん……。
暁美/…………。また体が、フルフル、震えてきた……。
晃/お前、大丈夫か。寒いのか。大声を出している茂と違って静かに震えている暁美に声を掛ける。
暁美/大丈夫……寒くない。ニャー子があったかいから寒くない……けど。震えは止まらない……どうしよう。
晃/止まらないのも仕方ないだろ。お前も、あのオジサンみたいに発散しておけ。じゃないとどんどん震えが止まらなくなって、何も出来なくなる。つまり、我慢してないで泣け。
暁美/…………。うう……ううううう……怖い、怖いよう……。
晃/……抱き寄せます。
暁美/私も、あんな風に死ぬの……? ……お父さん、助けて……。
晃/落ち着くまで、ぽんぽんと、抱きしめてます……。

 泣き叫ぶ茂と、ボロボロと静かに涙を流し続ける暁美。
 だが4人はここで止まっている訳にはいかない。先に進むために、茂は全員の【HP】と【MP】を一度だけ回復した。


【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(??の部屋)
Fの部屋
(??の部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/Cの部屋から通路に出ると、3つの部屋にそれぞれ行けるようです。そして所持しているマップでは、3つの部屋から次の通路に出られる扉があるみたいです。
雪子/どの部屋に入っても、Gの部屋に向かう通路へ続く道へ出られるのか。
GM/そうです。Dに入って通路に出てGに行くことも、Eからの通路でも、Fからの通路でも全部繋がっているみたいです。
茂/どこからでもいいなら、ダイスで行き先を決めていいよね? 1・2が出たらDの部屋、3・4が出たらEの部屋、5・6が出たらFの部屋に行こう。
暁美/特徴が見当たらないなら、そういう移動でいいと思う。
茂/(ころころ)お、4が出た……ということは、中央のEの部屋だね。行こうか!
GM/Eの部屋は……≪両手武器≫や≪魔法のローブ≫を見つけたあの部屋に似てますが、それよりもゴチャゴチャと木箱や棚や段ボールがいっぱいある雑多な部屋です。調査をしてみましょう。

『AF判定:調査』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:30

※「調査に成功して情報を得る」演出に成功すること。
 成功した場合、情報を得ることができる。
※協調行動OK。難易度:6。

 前の探索は晃がしたため、今度は【体力】が高い雪子が調査を開始。
 全員の協力のもと、無事に調査を終えることができた。

GM/探索をしていた雪子は、棚から……ではなく、棚と棚の隙間に、誰かが書いた手紙が挟んで隠してあることを発見します。
雪子/何か見つけた!
GM/「私はこのデスゲームに参加してしまった参加者。この手紙が、善良な誰かに渡ることを祈って……」から始まる、前回のデスゲーム参加者が隠れて置いていった手紙です。
茂/日記ターンだ! 「ああっ、窓に窓に!」みたいなアレ!(笑)
GM/本の隙間という見つかりにくい場所に隠したものを君達は読むことができます。「一緒に参加者として行動したAさんは、教会のエージェントだ。彼はこの悪しきゲームについて調べている人物だった。私は彼の信頼を得て、恐ろしいデスゲームの詳細を知った。この情報を今後の参加者にも伝えておきたい。……私は殺されるだろうから」
暁美/……殺される……。
GM/「別の参加者のBさんは、私を殺そうとしている。私は無事に外に出られる気がしない。高確率で死ぬかもしれない……」 どうやら「参加者の一人を殺せ」という開錠条件を持った参加者が、殺意に満ち溢れてこの手紙の主を殺そうとしていたらしい。和解ができなかった参加チームなんだろう。
茂/ううっ、ご愁傷様です……。
GM/「このゲームの詳細を出来るだけ記しておく。デスゲームの参加者になってしまった貴方、どうか参考にしてほしい」

 『イベントキー:神成会』
 新魔導生命体を観察・解析・解明することを目的にした団体。
 元は「通常の異端よりレベルの高い上級魔族や邪神の眷属を収集し、その生体を測る」ために組織された『頭垓』のチームだった。

 始めは魔族の生態を調べることを目的としていたが、欲望の波はとどまることを知らず、魔族に食べさせる餌として誘拐してきた人外種族や、魔族との配合や人体実験の被験者として誘拐していた人々を弄ぶようになった。
 彼らの実験で生み出した魔物と、餌や被験者として使う人間達を同じ空間に配置し、戦わせるデスゲームを『天足』が開催。それを安全な場所から観察して楽しむ高級クラブを開いている。
 至るところに異能カメラ(≪望遠鏡≫や≪千里眼≫を用いて作られた、能力者相手でも決して壊れない、録画を止められない監視カメラ)を設置。「恐ろしい状況下で戸惑い嘆く姿を見たい」セレブな客を招き、高額な配当金ギャンブルを行なったり、セレブの様々な要求を叶える楽しい会場となっている。

 現状は、非人道的な愉悦を楽しむ者達によって開催されたデスゲームの主催が『神成会』と呼ばれる団体ということだ。
 彼らは記憶改変の能力≪忘却の末≫を用いて、適当に集められた者達の記憶を改変し、スタート地点に放置。脱出ゲームを強要され、苦しむ彼らを肴に楽しんでいる。


晃/神成会。それが今回の犯人の名前ってことか。
茂/機関に所属していた設定の茂と晃に、神成会って名前に聞き覚えはある?
GM/記憶に無いな。
茂/そっかー。機関も今や大企業だからねー。小さな部署なら覚えてないかー。誰かさんのおかげで大企業だからねー!(笑)
暁美/カメラに聞こえるように言った(笑) じゃあ、次の部屋へ……。
GM/その前に、代表者1名は1D6を振ってください。
暁美/えっ?(ころころ)……1でした。
GM/おお、たったの1か。「ミシッ!」 なんだかどっかで亀裂が走ったような音が聞こえた。
雪子/……何? 今の音は。
茂/嫌な音がしたな……?
晃/……どこかが崩れようとしているのか?
GM/この3つの部屋近辺では、一定のダイス進行度で部屋が次々行けなくなる仕掛けがあります。早めに移動しないと、Gの部屋に行くのが困難になるかもしれません。
暁美/私の出目が低くて助かった。それならさっさと次の部屋に行こう。
晃/ちなみに、その「ミシッ」の音はどっちの方角からした? どっちの部屋が崩れて無くなりかけているか分かるか?
GM/それなら、【知覚】判定で難しめの……難易度12で分かることにする。
晃/≪神域の耳≫があればプラスができたが、素で振るしかないか。(ころころ)ぐ、達成値10……。
雪子/ここはちゃんと分かっていた方が良い! ≪叱咤激励≫を使用。達成値12にして、成功させます!
GM/それなら雪子の指示を受けた晃は分かる。……マップでいうところの右側、Fの部屋が危ういだろう。
晃/早めにFの部屋に行くぞ!