アナザーワールドSRS・リプレイ・ワンアンドアナザー
■ 第3話『 苛烈を極めるコンティニュー・前編 』 1ページ ■
1998年〜2004年(仮想リプレイ公開2017年10月24日)




 ●プリプレイ

プレイヤー6・すがく/俺もPC作ってみたー!
プレイヤー7・銃撃戦/俺も俺もー!
GM/へえ、見せて見せて! 良かったら次のセッションで一緒に使おうよ!

プレイヤー6・すがく(以降、ユーキ)/名前は、ユーキ。他のPC達にいなかった[聖職者]のキャラで作ってみた。
GM/他のキャラと被らない作りをしてくれるのはありがたいね。どんなキャラ?
ユーキ/ねこです。にゃー。
GM/どんなキャラ?
ユーキ/にゃー。
GM/どんなキャラ?
ユーキ/にゃー。
GM/どんなキャラ?
ユーキ/にゃー。
GM/…………。ありがとう、次にいこうか(笑)

 ユーキ
 クラス:[聖職者3/稀人2] ※アイコン「ちびメーカー」
  体力:16(+5)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:12(+4)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:28  MP最大値:23  正気度:8
重要キーワード:ねこ  背景:昼寝が好き  特徴:ふんわりしている
ボーナス効果:≪ファンブル無効化≫  スキルウェポンのイメージ:大剣
職業:猫  性別:男  年齢:16  身長:168cm  髪色:茶  瞳色:橙
 スキルウェポン→≪浄化の武器≫
 聖職者→≪コネクト≫ ≪啓発の鎖≫ ≪小さな眼≫ ≪式神返し≫ ≪母の腕≫ ≪心霊治療≫
 稀人→≪獣の外套≫ ≪日常の復元≫ ≪お守り≫ ≪無音の外套≫

プレイヤー7・銃撃戦(以降、トンプソン)/名前は、トンプソン。完全前線タイプで作ってみた。
GM/おおお……見事に戦闘しか出来ないキャラだ! 【体力基本値】が8で【HP】が50越え、≪突貫≫に≪特攻≫でとにかく殴る脳筋キャラ! ここまで捻りが無いと清々しい!
トンプソン/ユーキが猫だから俺は犬の獣人。いつも腹が減って仕方ないから何かを食べないとやっていけない。だから手近にあった物はみんな食う。
GM/2人は知り合いなの?
ユーキ/にゃー。
トンプソン/俺は改造された!
GM/改造?
トンプソン/目を覚めると手術台の上に寝かされていて謎の科学者によってこのような体にされてしまった改造人間! 俺に何をした!? よく判らないが目が覚めてしまったので近くにいたユーキと一緒に研究所を出るぜ!
ユーキ/にゃー。
GM/何の研究所?
ユーキ/にゃー。
GM/GMに設定を丸投げするタイプだ。まあいいや、次のセッションのGMは私じゃないし。

 トンプソン
 クラス:[狂戦士5] ※アイコン「ちびメーカー」
  体力:24(+8)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 1(+1)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:44  MP最大値:15  正気度:5
重要キーワード:再生  背景:空腹が手放せない  特徴:無計画である
ボーナス効果:≪移動力上昇≫  スキルウェポンのイメージ:ダガー
職業:犬  性別:男  年齢:17  身長:173cm  髪色:焦げ茶  瞳色:橙
 スキルウェポン→≪殺戮の身体≫
 狂戦士→≪暴食≫ ≪食鬼≫ ≪特攻≫ ≪突貫≫ ≪単一化≫ ≪乱舞≫ ≪生気吸収≫ ≪獣化≫ ≪戦神の巣≫ ≪破壊者の孤独≫

 前回2話ラストで語られた通り、訳あってドレークの中の人が3話セッションに欠席。
 それまでメインGMだった
マーサーはGM席を下り、サブGM席へ。そして交代で今回のGMをすることになったのは、スウィフトの中の人である桐生となった。
 欠席者が3名もいる訳だが、続編ではあるのでキャラクターレベルはそれぞれ1ずつ上昇することに。
 レベルアップ報告は、以下の通り。『アナザー』第3話は、ジークオーウェルドリスユーキトンプソンの5名ですることになった。


▼PC1:ジーク(キャラクターレベル5)
 クラス[感応力師2/霊媒師3/異端者1]
 霊媒師より、主特技≪黄泉がえり≫、副特技≪妖精使役≫を取得。

▼PC2:スウィフト(キャラクターレベル5) ※今回3話は欠席
 クラス[魔術師5]
 魔術師より、主特技≪法則拡大≫、副特技≪本のクチ≫を取得。

▼PC3:オーウェル(キャラクターレベル5)
 クラス[闘士4/稀人1]
 闘士より、主特技≪戦乙女の知恵≫、副特技≪受芸≫を取得。

▼PC4:ドリス(キャラクターレベル5)
 クラス[闘士2/世界遣い2/処刑人1]
 処刑人より、主特技≪薬物調合≫、副特技≪血の媚薬≫を取得。

▼PC5:ドレーク(キャラクターレベル5) ※今回3話は欠席
 クラス[狩人1/異端者4]
 異端者より、主特技≪御供の舞≫、副特技≪負の感染≫を取得。



 「アナザーワールドSRS・シナリオ〜ワンアンドアナザー第3話〜苛烈を極めるコンティニュー・前編」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル5で開始。

【ハンドアウト:ジーク&オーウェル&ドリス】
 コネクション:錬金術師協会エルス  関係:依頼主

 ハンターである君達のところに、「錬金術師協会エルス」のメンバーが依頼をしてきた。
 「廃村である硲村というところに、回収したい貴重なアーティファクトがある。ハンターを数人雇いたい」
 経験豊富なハンターを探していたエルスの代表者の話を聞いた君達は、硲村に向かった。
▼セカイのイベント:依頼を受けて硲村に向かう。
▼コネクション:錬金術師協会エルス

 能力の研究・記録保存を目的にした錬金術師の連合。依頼を持ってきたのはサクラという代表者の女性。


【ハンドアウト:ユーキ&トンプソン】
 コネクション:硲村  関係:自由

 君達は、手術台の上で目を覚ました。
 自分達以外の人はいない。周囲の機械は全て機能停止しており、生きている者もいなかった。
 どうやらここは「硲村」と呼ばれる村落らしい。自分達はどうするか、とりあえず起き上がることにした。
▼セカイのイベント:外に出て生き残る。
▼コネクション:硲村

 自分達が眠っていた手術室を出た場所で見つけた村のマップで知った、建物のある村落の名前。田舎の村らしい。



 ●オープニングフェイズ1/ジーク&オーウェル&ドリス 〜その1・出発前〜

スウィフト→GM/まず、今回のセッション参加者であるジークとオーウェルとドリスに登場してもらいたいんだけど。ハンター協会から仕事の斡旋があって、3人で依頼人に会える状況になってくれるかな。
オーウェル/なんで今回スウィフトとドレークはいないことになっているんだ?
GM/スウィフトは実家に戻ったよ。スウィフトの実家はわりと大きな家で、親も怖い人で厳しくて定期的に帰省しろと連絡が来る。一人暮らしをしないでジークの家に居候してるのも、ずっと外に居られないからかも。
ジーク/じゃあ俺のアパートにみんなで集まろうよ。大家さんが家賃徴収しに来たら払っておいて! 俺は帰らないから!
オーウェル/自然に払わせる気か!?(笑)
ジーク/その通りだよ!
オーウェル/何の言い訳も無く押し付けようとした!?(笑) 依頼主のためにもちゃんとした場所で集合するぞ! どっかのホテルの部屋を取るとか!
GM/ドリスってまだ若いけど、実家暮らし?
ドリス/うん。お父さんと双子のきょうだいと一緒に住んでる。お母さんは小さい頃に死んじゃった設定……。
GM/確かドリスのお父さんが海外出張が多くて、それがキッカケでイギリス人のドレークと出会って同じハンターの仕事を、だったよな。そのドレークは今回、本国のイギリスで仕事があるので欠席という設定です。
ドリス/……集まったドザエモンズはどうしてるの?
ジーク/俺んちに全員集まってるよ〜。今いるのは……。
GM/1話で会ったエルマタドーザとドザニコフ、2話で合流したドザメット3世とドザザキットの4人。じゃなくて4だぬき。
ジーク/すっかりアパートの住人が増えたな! みんなで集まって寝れば暖かいし暖房いらずでいいよな〜!
オーウェル/なんで普通にドザエモンズを迎え入れているんだよ(笑) いまいちこいつらが何者なのかよく判らないんだよな。ドザエモンズと話はできるか?
GM/一緒に住んでるジークなら話をしてみてもいいけど。【幸運】判定の交渉で試せるけど、難易度10に失敗したら、依頼主との待ち合わせに遅刻しちゃうことにするよ。オーウェルとドリスが話したいならドザエモンズにちゃんと会ってからね。
ジーク/おー、俺だけダイス振ろうー!(ころころ)うん、ファンブった! 遅刻した上に話も聞けねーな!
オーウェル/じゃあ何してたんだよ!?
ジーク/みんなで缶蹴りしてたんだよ。
GM/缶蹴りは楽しいもんな。仕方ないな。
ジーク/ドザエモンズ達の足が短いからすっげぇ白熱した。
ドリス/ジークって身長2メートルぐらいなかったっけ……凄いリーチの差……(笑)
GM/スウィフトもいないジークは誰も止めることなくドザエモンズと缶蹴りをして、盛大な遅刻をかました。一方でオーウェルとドリスは某所で依頼主と待ち合わせをする。
ジーク/(2D6ころころ)出目が3。缶蹴りで、3時間ぐらい遅刻するけどよろしくな!
オーウェル/12が出たら12時間遅刻するつもりだったのかよ!?(笑)
ドリス/(笑) ……依頼人ってどういう人ですか?
GM/君達も聞いたことがあるだろう、ハンターが集まるハンター協会のように、錬金術師が集まる組織がある。名前は『エルス』、異能の研究をしている団体だ。錬金術師と名がつく通り金を生み出そうとする者や、特殊な金属の加工、スキルウェポンの製造する者、魔力を込めた物質から高度な魔道具の開発を行なっている。
オーウェル/魔法使いの組織か。
GM/ドイツを本拠地にしていて、日本でもそこそこ支部を置いている。どっかの町工場や重化学オフィスがエルスの手に関わっているものはいるかもしれない。
ジーク/おー、かっこいい! やっぱドイツっていいよな、ジャーマンだもんな!
オーウェル/ジークの中の人は「とりあえずドイツはかっこいいもの」としか認識が無いもんな(笑)
GM/そのエルスのメンバーである依頼主がホテルの一室に現れる。スーツ姿で眼鏡、長い髪の厳格そうな女性だ。開口一番に言った台詞が「……ハンター協会から派遣された能力者は3人だと聞いていたが?」。
ジーク/3時間の遅刻でーす!
オーウェル/お直接連絡を受けるのは俺達2人だ、こちらにも都合があってな……。「遅刻だ」とは言わない、依頼人の為にも(笑)
GM/「そうか。手短に済ませよう」とスーツの女性はオーウェルとドリスの2人に話を進める。「私の名前は、サクラ。母親が日本出身なのでな、日本語が出来るという理由でこちらに飛ばされた。階級は飛竜法師だ」とキビキビ話す。
ドリス/飛竜法師って?
GM/エルスという錬金術師の団体には厳しいランク付けがある。その中でもトップだということだ。「某県某群に、硲村という廃村がある。名前は聞いたことがあるか?」 【理知】判定で難易度8に成功すれば、あるニュースが報道されていたことを思い出していい。
ドリス/(ころころ)あ、ファンブル。全然知らないなぁ……。
ジーク&オーウェル/(ころころ)成功。
GM/硲村は山奥にある集落だったが、1950年代にあったダム建設によって廃村が決定し、住民達は住処を奪われた。20年後の1970年代にダムは建設される筈だったが、その頃は硲ダム以外にも多くのダム建設が同時に進められていた。現存している大抵のダムは70年初期には建設されたが、中には90年代になった今も完成せず工事も進んでいない場所もある。
オーウェル/ダムに消える予定の廃村……でもまだ消えていない村、と?
GM/金を掛けて村人を退かしたにも関わらず、約束を守らないとは何事だ。そのようなニュース番組が以前放映されたから知っていたのかもしれない。
ジーク/俺のアパートは電気が繋がってないのによくニュース見られたなぁー。
GM/電気が繋がってないのになんで前のセッションに鍋とか食べてたんだよ(笑)
ジーク/オーウェルもエルフなのにニュース見てるとか、おかしくね?
オーウェル/俺は普通に人間生活に馴染んでいるからな! ってジーク、前のセッションからエルフに対して風当たり厳しくないか!? 俺も普通に現代に生きてるから!(笑)
ドリス/で……その硲村が、何か?
GM/「暫くは廃村として人の立ち入りは禁じられていた。とは言っても、檻で囲んで誰も入らないようにしている訳ではない。無人の土地があれば、許可が無くても勝手に入って悪さをする人間がいる」
ジーク/アパートに居座る俺みたいな?
GM/いや、ジークもさすがは家賃は払うだろ。……払えよ?(一同笑) 「無人の土地を利用して、いくつかの団体が魔道具の試験を行なった」
オーウェル/魔道具の?
GM/「我々研究者は、物を造ったら動作テストを行なう。ダム建設の音沙汰が無かった約10年間、硲村では魔道具の試験が行なわれていたようだ」
ドリス/10年間も!
ジーク/よくまぁ、気付かなかったなー。
GM/「きっと気付いていた能力者も数人いただろう。だが一般人に迷惑が掛からなければ、誰かの不利益でなければいいと誰も口を出さなかったのだろう」 自分の私有地じゃない道路とかでキャッチボールしていても、ボールが当たって危ないとかじゃなければ注意しないだろ?
オーウェル/国が住人を退かした廃村……でも工事はストップしてるなら、それこそ政府や管理会社でもない限り手を出そうとしないか。
GM/「しかしついに国家が動き始めた。正式にダムが建設されるか中止するかという再議論がようやくこの2年で動き出し、硲村に足を踏み入れる一般人の役人も多くなってきた。勝手に魔道具の動作テストなんてしていた団体達は総じて出ていったさ」
ジーク/許可なく無断でやってた訳なら当然だよね〜。
GM/「10年間、身勝手に廃村へと集まっていた人達が再び消えて無人となった。……そこで依頼だ。『硲村で放置されたアーティファクトを回収してほしい』
オーウェル/アーティファクト?
GM/「某団体が魔道具開発の際に使っていた、レアなマジックアイテムだな。貴重な魔晶石のカケラ、聖遺物、幻獣の体の一部など多くの物がある。我々が求めているのは、『オネ』と呼ばれるアーティファクトだ。魔道具の動作テストをしていた団体が硲村を立ち去るに放棄していったゴミの中に、非常に貴重なアーティファクト『オネ』が置き去りにされていることが判った。それを回収してきてほしい」
オーウェル/オネ……。それがどんなお宝かよく判らないが、放置された物なんだろ? ゴミじゃないのか?
GM/「無価値だと思われたからゴミとして廃棄されたのだろうが、それでも貴重な価値のあるアーティファクトだったんだ」
ドリス/なるほど、説明してくれてありがとうございます……。依頼は、硲村に行ってそのアーティファクト回収ですね。オネってどんな形なんですか?
GM/「魔力の塊……我々とは比べ物にならないほど【MP】を保有した物体ではあるが、大体1メートル以上ある大きさで」
オーウェル/でかっ。
GM/「短い手足が生えていて、猫の耳が生えている」
オーウェル/…………。
GM/「我々の探しているオネは、オレンジ色で『アチョーッ!』と機敏な動きをするものだ
ドリス/王ドラだ!
GM/王ドザだ。「今はどのような形になっているか判らないが、私達が把握している限りはそのような姿をしている自立型のたぬきらしい」
ドリス/ドザエモンズ、『オネ』っていう名称だったんだ……(笑)
オーウェル/魔力の塊……アーティファクト……やっぱりあいつら何なんだ?(笑)
ジーク/あー、判りやすい依頼で良かったー! 物探しって賞金稼ぎっぽくて良いよね! でもさ、どうして自分で探しに行かないの?
GM/その質問をここにいるオーウェルとドリスが尋ねたなら、エルスのサクラは「自立型と言っただろう。どのような姿でどこに放置されたか判らないし、体力が余っていたら動いている可能性がある。一つの村落で物探しには人手が必要だ」と答えるよ。
オーウェル/それもそうだな……。この依頼を受けたのは、俺達だけか?
GM/「……いや」
ドリス/いや……? 他にもハンターを雇っているのですか?
GM/「元々は賞金稼ぎなど雇うつもりは無かったのだ。主にスキルウェポンを開発している我々にも戦闘行為に長けたエージェントはいる。しかし、朱凰法師の一人が一週間前にオネ回収に硲村へ向かって帰っていない
ジーク/おや!? それって大事件じゃないの!?
ドリス/……第二陣なんですね、オレ達は。その人からの連絡はまだ……?
GM/「無い。もしその朱凰法師の遺体を発見したなら、そのランクの勲章を服に着けている筈だ。勲章を回収してきてくれ」 ちなみに、『朱凰法師』というのはエルス内のランクのこと。そういった役職の人だと思ってくれ。
ジーク/おー。その朱凰法師って人、何かに襲われてくたばっちゃったのか!?
オーウェル/判らない……気を引き締めて村に向かえということだな。


 ●オープニングフェイズ2/ユーキ&トンプソン 〜目覚め〜

GM/お待たせ。ユーキとトンプソンのオープニングシーンいくぞ。
トンプソン/やったー!
ユーキ/にゃー。
GM/2人は目を覚ました。そこは手術室と言うのが相応しいような部屋だった。ただ普通の手術室と違うのは、周囲にあるのは科学による機械ではなく魔法によって動く謎の物体だ。
トンプソン/おおおお!? 俺は改造人間にされちまったのかああああ!
オーウェル/理解が早いなっ!?(笑)
トンプソン/体を繋いでいたケーブルを引き千切り手術台から飛び降りる! しゅたっ!
GM/体を繋ぐケーブルを……取ることはできるけど、ケーブルはトンプソンの体に引っ付いていただけで、何も機械は動いていないな。電気が通ってない。
トンプソン/んん? 周りに人は?
GM/いない。
トンプソン/俺を改造した科学者は!?
GM/いない。いるのは同じように目覚めたユーキだけがいる。
ユーキ/にゃー。
トンプソン/ユーキに声を掛ける! お前! 何者だ!?
ユーキ/にゃー。
トンプソン/にゃー!
ユーキ/にゃー。
トンプソン/にゃー!
ユーキ/にゃー。
トンプソン/周囲に目星。
GM/あいよ(笑) 魔法で動くっぽい機械らしきものには、3〜5メートルぐらいある大きな透明な筒がいくつか壁沿いに立っている。人が入れるぐらいの大きな試験管がいくつも並んでいるな。でもそれはことごとくガラスが割られていて、中には何も無い。そして床は変な液体でビショビショだ。
トンプソン/俺と同じような改造人間が筒の中でプカプカ浮いていたとかかな!?
ユーキ/にゃー。
トンプソン/筒はいくつある?
GM/壁沿いいっぱい、10個ぐらいかな? 全部粉々に割れていて、透明な筒の中を満たしていただろう水が床に広がっている。排水口があるので浸水はしてないが、歩くたびにビチャビチャするぐらいには濡れていて……ここが異常事態であることは察せられる。
トンプソン/誰も居ない非常事態! 実験動物のような奴らは全部外に出てしまった! 凄い状況だな!?
ユーキ/にゃー。
トンプソン/で、何で俺達はこんな所にいるんだ!?
GM/それは覚えていない……と言いたいところだけど、【意志】判定の難易度15に成功したら何かを思い出すかも?
トンプソン/【意志】ならそこそこだ。(ころころ)うぅー、達成値13。悪くないけど届かないな。
ユーキ/(ころころ)12。にゃー。
GM/じゃあ今は何も思い出せないな。手術室の扉を開けて部屋を出ると、廊下の壁に大きな紙が貼ってある。
トンプソン/見る!
ユーキ/にゃー。
GM/どうやらどこかの村の全体図みたいだ。地図の端には「硲村」と書かれていて、マップの中央に小学校のマークらしき大きな建物があり『現在位置』と書かれている。
ユーキ/にゃー。
トンプソン/ここは硲村って所の学校なのか。……学校? 手術室があるのに学校?
ユーキ/にゃー?
GM/村の地図だから学校の他にも建物が記されているよ。神社とか村長の家とか。廊下は結構長く、窓は一つも無く、一見どこまでも続くような通路にこの建物が大きいことは把握できる。廊下の端には登り階段があるよ。
トンプソン/窓が無くて登り階段……ここは地下なのか? 行ってみるか!
ユーキ/にゃー。
トンプソン/行くぞー!
ユーキ/にゃー。


 ●オープニングフェイズ3/ジーク&オーウェル&ドリス 〜その2・出発後〜

GM/シーンをジーク達ハンター組の方に移そう。ジーク達は某県某群にある、人が一切居なくなった集落……硲村にやって来る。依頼人に朝会って別れてからすぐに村にやって来たから、そろそろ時間は16時。日が落ち始めた頃だ。
オーウェル/ここまではどうやって来たんだ?
GM/電車とバスが通っている所まで乗り継いで、そこからは歩いてかな?
ジーク/車で来ようぜ、その方が足があっていいよ。俺、無免許だけど運転したい!
GM/自然に犯罪行為を口にしないでくれますかね。
ジーク/えー、今から何で判定すれば免許取れる?
オーウェル/【幸運】で免許を既に持っていたことにすればいいだろ!?(笑)
ジーク/(ころころ)あー、出目が1・2だから無理。いざ運転席に乗ったらクラクション押すのが面白くって自分には運転が向いてないって気付いた!
ドリス/……ともかく、ここには車で来たことでいいかな? 村の中を移動するのも、退散するのも大変だし……。そう言うけどオレは子供だから運転は、ちょっと……。
オーウェル/(ころころ)はい、俺が【幸運】達成値14だから余裕で免許を持ってるって。運転技能も器用さなら【反射】が5もあるし平気だろ。
ジーク/エルフなのに免許持ってるー! すげぇー!
オーウェル/人間社会に紛れてるエルフだって言ってるだろが! お前はもうちょっと馴染めよドイツ人!(笑)
GM/3人は硲村まで車で来たってことで。山奥の集落で、人が離れてもう10年どころか40年近く経っている未開の地だから車の運転は大変そうだ。
ドリス/……けど、色んな能力者の人達が来ていた村なんだよね? 野外でテストをするほどの大きな魔道具を運ぶにも、車が必要だろうし……タイヤ痕で出来た道がないかな?
GM/あ、そっか。ともあれ3人はオーウェルの車に乗って硲村にやって来た。突然だけど【反射】判定を3人とも頼む。難易度は11。
一同/(ころころ)成功。
GM/全員成功か。暫く3人は田舎道特有の舗装されていない道にオーウェルの車を走らせていたが、突然その車が3メートルほどの巨人に押し潰されてぺしゃんこになる。
オーウェル/……はあっ!?
GM/しかし下敷きになる前に君達は全員車から飛び出すことができた。なのでダメージは無し。
ジーク/わわわわわっ!?
GM/車から飛び降りた3人が車へ振り返ると、車の上には……『リューナイト』のリューぐらいの大きさの生体ロボット兵器らしきものが乗っかって車を潰している。
オーウェル/俺の車がっ!?(笑)
ドリス/か、間一髪……!? 巨人って、何!?
GM/外見は……説明するのも大変なので、リューみたいなものね。3メートルぐらいで、人型ではあって生き物みたいに自在に動く……球体関節で人形みたいな形をしている、けど武装したロボット。動きは、明らかに車に乗っている人達を押し殺すようだった。
ジーク/どーどーどー! いきなりなんてご挨拶だなー!? ……話は出来る?
GM/近寄ってみればいいんじゃない?
ジーク/こーんにちはー! 第一村人発見ー!?
GM/本当に来た。(ころころ)ジークに向かって命中16。回避しないと炎がジークを焼く。
オーウェル/うわあああ問答無用!?(笑)
ジーク/わー、回避だー!(ころころ)ハハッ、1・1! 避ける気なんて無く「何をなされてますかー!?」って尋ねて行っちゃうやつ!
GM/空気読み過ぎだろジークのダイス!?(笑) まさかのファンブルに思わずGMが動揺するんだが!? えーとえーと! ダメージロール……!
ドリス/本当にGMがファンブルに戸惑っている……(笑)
GM/(ころころ)あっ、こっちもダイスが低い! 良かった! ダメージロールだから固定値あるけど……という訳で、物理ダメージ26点!
ジーク/おお、ほぼピッタリ死ぬな〜。
ドリス/あ、あのっ! オレ、まだ何もしてないから……≪他人をかばう≫ことはできますか? 【体力】や【反射】が高いからパッと体が動いちゃったとかで……回復役のジークより、オレの方が【HP】高いし!
GM/おお、良いな。でも……ジークの自業自得だし庇う必要なんて無いんじゃ?(笑)
ジーク/そうそう、自業自得だし!
オーウェル/自分で言うなよ……でも、自業自得だし(笑)
ドリス/そ、そんなぁ……仲間を放っておけないですよ……(笑) オレの方が体力もあるし、頑丈だから、ジークさん危ないって庇います!
GM/優しいなぁ。じゃあジークの前に躍り出て、リューが出した炎を受けることになってしまう訳だが……。
ジーク/もちろん陰陽術バリアーで守るよ! 妖精さん来ーい、出番だー! ≪念動障壁≫!(ころころ)6点ダメージ軽減!
ドリス/【防御点】をマイナスして、残り【HP】は19……。まだまだ大丈夫! ジークの【HP】が1桁になるよりはいい……。
GM/では、リュー……じゃなくて巨人との戦闘ルールを説明しよう。

【巨人との戦闘】
・PCの代表者1名と、巨人側で2D6勝負をしてどちらが先制を取れるか対決する。同値だった場合、どちらから上回るまで振り直す。
・PC達は3人で一斉にダメージ値の合計を算出する。命中判定の必要は無い。例:ジークのダメージ5+オーウェルのダメージ10+ドリスのダメージ7=3人合計で22点のダメージ。特技の使用はOK。
・巨人は、偶数が出たらランダム1人を大ダメージの攻撃、奇数が出たら3人全員に小ダメージの攻撃を行なう。


GM/それでは第1ラウンド目……代表者、先手が取れるかの判定をしよう。(ころころ)GMの2D6出目は6だったぞ。
オーウェル/さっき出目が良かったから俺が2D6を振ろう!(ころころ)……よし、出目が8! 先に俺達から攻撃だ!
GM/ダメージの合計を出してくれ。オーウェルが指示を出して、一斉に巨人に対して攻撃を仕掛けているイメージだ。
オーウェル/必殺技の≪戦乙女の知恵≫は……いや、さすがに今は様子見で使えないな。≪撃滅≫の使用を宣言。(ころころ)16点のダメージ!
ドリス/オレも何も特技は使わない。(ころころ)うう、出目が1・2だ……でも9点のダメージ!
ジーク/えー、俺はスキルウェポンを持ってないんだよなー。だから【攻撃力】の素値で1点だけダメージ! えーい石投げてやるー! ぽかっ!
GM/1点だけダメージが入りました。
オーウェル/1点……ええええっ!? こいつ、【防御点】が25点もあるのか!
ドリス/さ、さっきはオレの出目も振るわなかったし……特技も何も使わなかったし……もう少し頑張ればダメージはもっと入るかな?
GM/次に、巨人の行動だ。(ころころ)奇数が出たから全員に攻撃を行なう。全員に17点のダメージだ。
ドリス/小ダメージで全員に17点!?
オーウェル/ヤバイヤバイ! これは死ぬ! えっと……≪念動障壁≫は1体だけなら……一番【HP】が減ってるドリスに使うべきか!?
ジーク/へーい! ドリスに≪念動障壁≫ー!(ころころ)よっしゃ、10点の軽減!
GM/次に第2ラウンド目……いこうか?
オーウェル/……逃げることは可能?
GM/じゃあ全員【反射】判定で。難易度は……1ラウンド平気だったから、簡単な判定で難易度8でいいかな?
オーウェル/(ころころ)11で成功! みんな、ひとまず退散するぞ! 走り出す!
ジーク/逃げるのだったら任せろ、得意だー!(ころころ)10で成功! すたたたたー!
ドリス/(ころころ)……あああっ!? 出目が1・2で……達成値7で逃亡失敗!
オーウェル/えええっ!?
GM/えええええ!?
ジーク/あー、GMが一番悲鳴を上げてるー(笑) 特技を使って判定ダイスを振り直せば?
ドリス/そ、そうだ……≪逆転運命≫を使います!(ころころ)えっ、出目が2・1……? 逆になっただけで、達成値は7のまま……。
オーウェル/逃げられないっ!?
GM/……3メートルほどの巨人の手が、ドリスの小柄な体を鷲掴みにした。
ドリス/うぐうううっ!? 火傷で痛い上に体を掴まれて、痛くて呻き声を上げます……。
オーウェル/ど、ドリスを助けることはできるか!?
GM/じゃあ……一旦は逃げてきたけど駆けつけて攻撃を仕掛けるオーウェルの【体力】判定と、巨人に掴まれたところから脱出できるかの【幸運】判定をしようか。結構難しいよね……でも難易度は10でいいか?
オーウェル/【体力】は一番高い能力値なんだ! 今、助けてやる!(ころころ)11……成功!
ドリス/【幸運】は一番高い能力値だから……! す、すみません! お願いします!(ころころ)駄目……達成値9で、逃げる力が失われていく……。
GM/無理だった! ドリスの体を鷲掴みにした巨人はその手の力を緩めない。オーウェルの剣のダメージを受けながらも、1人だけの攻撃では装甲を打ち払えない。
ジーク/あー、えーと。俺は武器を持ってないからダメージで応戦はできないから……ドリスの代行判定ってことで【幸運】で振らせてくれないかな?
GM/お、OK! それじゃあジークも【幸運】で……!
ジーク/(ころころ)うん! 無理! 達成値9で失敗!
オーウェル/おいいいいい!?(笑)
ドリス/ぎ、≪逆転運命≫……あ、1ラウンド1回までだから無理だ……逃げられない……。
マーサー(サブGM)/(隣で卓の様子を見ながら)あー……そうだ、前に話していた『契約の令呪ルール』、最初にPC内で相談タイムを作っておけば良かったねぇ。
オーウェル/令呪?
サブGM/2人1組でセットを作ってね、マスターとサーヴァントになる契約をしてもらうの。マスターはサーヴァントになったPCにオートタイミングで何でもダイスロール+20というボーナスが、1シナリオに3回まで使えるようになるやつ。「絶対にその命令を成功させろ!」って魂の負荷を掛けて無理矢理強制力を高めて成功させるっていうルールがあるんだけど……。
GM/今回のセッションからそれを採用しようか迷ってたが、「スウィフトとドレークが欠席だから敢えて3話でやる必要は無い」って思っていた。でもいつでも契約はいつでも解除できるんだし、話しておけば良かったな。
ジーク/それって今からでも出来るの?
サブGM/出来ない。マスターとサーヴァントになる契約は、お互いが落ち着いた場所で至近で接触して契りを交わさなきゃいけない。それとサーヴァントになったキャラクターはマスターに霊的な力で絶対服従になるし、「死ね」と言えば死ななければならない。それに2人の完全同意ができない儀式だから……。
オーウェル/くっ、後でやろう……! 今は出来ないからどうしようもない!
ジーク/で、今はどうするかだけど?
ドリス/……オレは……オーウェルとジークに……逃げて……2人だけでも逃げてって言うかな。
オーウェル/俺達が逃げたら、リューはドリスをどうするつもりなんだ?
GM/食べる。
ジーク/食べるの!? リューってロボットじゃなかったっけ!?
GM/後は判らない。まだオーウェル達が襲い掛かってくるなら2ラウンド目のダメージ判定と反撃をするかな。ただし捕まっているドリスはダメージロールができないから……。
ジーク/俺は攻撃できないし、実質オーウェルだけで25点以上ダメージを出さなきゃいけない。
ドリス/それなら……オレ、逃げて……って言うよ……。
オーウェル/…………。俺には、ダメージロールにプラスができる≪戦乙女の知恵≫がある。
ジーク/オーウェルの【意志基本値】9点だよ? スキルウェポンの2D6の最大値が出ても、21点しか出せないよ? 勝てないじゃん? なら【MP】払わずに逃げた方がいいんじゃないかな?
GM/……ジークってそういうところ、冷徹だよな。
ジーク/回復はできるけどそれ以外はできないからなぁ。という訳で俺は逃げるよ! GM、もう一回逃亡判定した方がいい?
GM/ジークとオーウェルは既に判定成功しているからOK。ドリスを置いてこの場から遠くへ逃げることはできるよ。
ジーク/うん、じゃあ逃げるよ。……助けられそうだったらまた来るねー! リューが入ってこられなそうな山の森へ逃げます!
オーウェル/…………。後で、助けに来る。同じくオーウェルも逃亡します!
GM/……では、巨人は……ドリスの体をそのまま……。
ドリス/うう……怖いよぉ……。
GM/……そこでドリスの視界は暗転。意識を失う。オープニングでこんな展開になるとは思わなかったんだが(笑)
ジーク/いやー、判定させている以上こういう展開にはなるよー!(笑)
GM/……オーウェルとジークは、巨人から離れるべく走り続けた。森の中を駆け、一旦呼吸を落ち着ける。
ジーク/はーはー……。あー、なんか凄いことになったなー?
オーウェル/…………。昔のトラウマが思い出して、オーウェルはずっと黙ってる。
ジーク/あー、うん。そういや『奴ら』に村を焼かれたんだっけ、オーウェルって? えー……で、どうする? 車が潰れちゃったしバス停まで歩くー?
GM/えっと、2人は村の中へ走って行きました。そう逃げるしかないからね。……という訳で、シナリオマップを提示します。

【硲村マップ】
 1:小学校 地下2階←ユーキ&トンプソンの現在地
 2:小学校 地下1階
 3:小学校 地上
 4:広場
 5:平屋の建物群(住宅)
 6:村外れ(林)←ジーク&オーウェルの現在地
 7:神社


GM/調べたいマップに行き、1つ1つ調べていくことができる。分担して調べてもいい。ユーキ達は1番の小学校地下2階からスタート、ジーク達は6番の林からスタートです。今は2人1組でそれぞれ行動しているけど、二手に分かれることもできます。
トンプソン/へー、いつかみんなと合流できそうだなー。
オーウェル/ドリスを連れていった巨人は、どこに行った……?
GM/判らない。移動しているからね。キャラクターは独自の考えでマップを移動する可能性がある。敵に遭うかもしれないから気を付けて行動してくれ。
ジーク/またそっちもいずれ合流できそうだよ。俺達の目的は、何だったっけ?
オーウェル/……アーティファクトのオネを発見して回収することだな。あと、エルスの朱凰法師の遺体を確認して勲章も回収することも入っている。オネっていうのは……あのリューなんじゃないかと思ったが。
ジーク/リューに乗ってるのがドザエモンズとか? そもそもあれ、『リューナイト』のリューって言ってるけど中に人が乗ってるリューでいいの?
GM/それは判らない。……GMが説明しやすいようにリューって言ってるだけで、メカメカしいけどやけに生きてる巨人ってことにしておいてくれ(笑)
オーウェル/ひとまず休憩して回復と……情報を集めよう。なんであんな危険な物が村にうろついているとか判るかもしれない。
ジーク/もしかしたら人がいるかもしれないしね! 猫とか!
ユーキ/にゃー。


 ●ミドルフェイズ1/1ターン目

【硲村マップ】
 1:小学校 地下2階←ユーキ&トンプソンの現在地
 2:小学校 地下1階
 3:小学校 地上
 4:広場
 5:平屋の建物群(住宅)
 6:村外れ(林)←ジーク&オーウェルの現在地
 7:神社


ジーク/先に俺とオーウェルの方から行動するかー! どうする、別れて行動する?
オーウェル/いや、さっきから出目が悪い。一緒に行動した方が成功率も上がるだろう。
ジーク/そうだね。まずは……現在地である『6:林』の捜索でもしようか。
GM/現在地の捜索をするなら、難易度10の【知覚】か【幸運】に成功することで情報を得ることができる。それぞれ探索が終わったら次のチームにシーンが移行する。
ジーク/はーい。俺は【幸運】で振る。(ころころ)失敗。
オーウェル/俺は【知覚】で振る。(ころころ)失敗。
GM/おいいいいいぃ!?(一同爆笑)
ジーク/(爆笑しながら)も、もう駄目……! 今日は絶不調! 何やっても無理だわー!
オーウェル/いいかげんこの流れを変えないと駄目だな……(笑) GM、≪ダイス振り直し≫をするぞ。もう一度【知覚】判定で(ころころ)よし、達成値12で成功!
GM/こ、これで流れが変わると良いな!(笑) では『6:林』を捜索した結果、以下のことが判明する。

 『6:林』を捜索した結果
(1)この林はどうやら硲村の中央地らしい。北側の『1〜3:小学校』に向かうほど谷が深くなり標高は低く、南側の『7:神社』に行くほど山が深く標高が高くなる。
(2)硲村は四方を山や森に囲まれている。そして何故か結界が張られており、外から中へは入れるが中から外へ出るのは難しくなっている。この村から脱出するためには、来た道を戻り『6:村外れ』で【体力】判定(難易度:10)に成功しなければならない。ただし、敵対している対象がいないことが前提である。戦闘中の場合、村から出る判定をすることができない。
(3)巨人の大きな足跡から、先ほど自分達を襲ったリューは南側の『7:神社』の方角へ向かった(6〜7にいる可能性が高い)。もしこのまま南下すれば、あの巨人と再度鉢合わせをして戦闘してしまうかも……。


ジーク/うわー、『判定しないと村から脱出できない』だってー!
ドリス/結界なんてあるんだ?
オーウェル/あのリューが張ったものかな? ドリスを救出しなきゃいけないし、ドザエモンズを見つけなきゃいけないし、朱凰法師の勲章も拾わなきゃいけない。まだ村を出るには早いが……そのうちリューとは戦う羽目になるだろうな。

 続いて、ユーキ&トンプソンチームのターン。

トンプソン/まずは一番端っこの現在地『1:小学校 地下2階』を調べるかー! 【知覚】判定で!(ころころ)達成値10でピッタリ成功!
ユーキ/にゃー。(ころころ)9、失敗。
GM/小学校の地下2階は窓が無い。電気も微かに豆電球が点いている程度で暗い。廃墟の地下室で、変な研究所っぽい……廃病院の怖さのある中を、2人は探索する。
トンプソン/ホラーだー! うりゃー! 変なもんは無いかー!?
ユーキ/にゃー。

 『1:小学校 地下2階』を捜索した結果
(1)電話を発見する。親機の隣には、2つのメモがある。1つ目には『ここで働くにあたって:判らないことがあったら判る人に訊くこと』という教訓のようなメモが、2つ目には『苺が2つ』と雑に書かれたメモがある。


トンプソン/おっ、情報は以上? 電話があるけど……これ使えるの?
GM/その電話のある棚の上には豆電球がチカチカと点滅している。完全に灯りが消えてないということは、辛うじて電気が通っているということだ。ちなみにメモにはそれしか書いてない。
ユーキ/にゃー。
トンプソン/どうする?
ユーキ/にゃー。
トンプソン/電話! してみるか! でもどこに!?
GM/どこに?
ユーキ/『#1515』の短縮ダイヤルに電話。
トンプソン/お……おおおおーっ!?
GM/……うわぁ……さすがにこれは知っていたか。某ゲームのネタを真似てみたんだがそのまますぎたかな(笑)
オーウェル/えっ? 今ので正解なの!? ……どこに繋がっているかも判らないのに電話していいのか?
トンプソン/電話してみなきゃ誰が出るかも判らないじゃん! というわけで1515に掛ける! ユーキが電話やる?
ユーキ/にゃー。
GM/そこは普通に喋るトプさんが電話を掛けたってことで(笑) 暫し待った後、ガチャリと誰かが電話を取る。40〜50歳ぐらいの男性の声だ。「……もしもし?」
トンプソン/もしもし? アンタ誰?
GM/「はぁ……? うん、誰だろうねぇ? えっとぉ……坊や、イタズラ電話かな?」
トンプソン/イタズラする気はねーよ! 電話があったから掛けたんだよ! 俺、トンプソンって言うんだけどアンタは!? どうしてここに俺がいるのかアンタ、知ってる!?
ユーキ/にゃー。
GM/「…………」
オーウェル/GMが難しい顔をしているぞ?

 ――のちに、GMはこのときのことを、こう語る。
 「普通……誰かも判らない番号に真っ先に掛けるか? もう少し情報収集してからにしない?
 そうでなくても『苺が2つ』の意味に時間が掛かると思っていて、その意味が判るまで違う場所へ情報収集すると思っていた……。
 それにいきなり『アンタ誰?』と『俺を知っているか?』って……。いやいきなり言えないし……でも話を進めた方がいいし、この場合このキャラクターは、こう答えるしかないかなって……」


GM/「はぁ……僕の記憶が確かならば、おそらく君は……(いきなりD66をころころ)『B−45』。なるほど、改造手術から目覚めたのは君だけかい?」
トンプソン/びー、よんごー?
ユーキ/にゃー。
トンプソン/B−45って俺のことか? やっぱり俺はこの研究所っぽいところで改造人間にされて目覚めたんだな!? ……あ、俺以外にもいるぜ!
ユーキ/にゃー。
GM/「猫? はて……他に獣人族の被験者というと、ふむ、『B−46』か。はぁ、2体とも、今の調子はどうだい? どうやって受話器を持っているのかな?」 おっさんは、電話先の君達に様子を知りたくて次々と声を掛けてくる。
トンプソン/どうやってって……普通に右手で持って電話をしているんだけど?
ユーキ/にゃー。
GM/「右手で? 電話を持って? はぁ、本当に?」
トンプソン/他にどうやって電話を掛けるんだよ。
ユーキ/にゃー。
GM/「なるほど、はぁ……君達は失敗作か。『ギガース』が電話なんて人間じみた行為を出来る訳が無いもんなぁ。『ギガース』の核には出来なかったから廃棄された獣人族だな。廃棄されたにも関わらず目覚めてしまって、そのまま自由に動いちゃっているのか。はぁ、面倒なことになっているなぁ……」
トンプソン/……なんだってぇ?
ユーキ/にゃー?
GM/ブツブツと神経質そうな男の声は独り言を言っている。会話をする気は無さそうに勝手なことを言っている。……もう少しおっさんから有力な情報を聞きたいなら、【理知】判定に成功してもらおう。判定できるのは電話をしているトプさんだけな。難易度は10で。
トンプソン/おうっ!(ころころ)達成値10、ピッタリOK!
ユーキ/にゃー!
GM/「君は、『俺のことを知っているか』と尋ねてきたね。それを教えてあげようか? 僕は知っていることは何でも教えてあげられる先生だからね、話してあげてもいいよ」
トンプソン/おっ、お前ってば話が判る奴だな! 教えてくれるのか!
GM/「君達は『ギガース』の核になるべく用意された人外。そして『ギガース』になれなかったということは、不要品となった人外だろう」
ジーク/ウェーイ、カッコイイー!
オーウェル/……な、なんか凄い話がいきなり出ているぞ?(笑)
トンプソン/で、ギガースって何だ? なんかカッコイイ響きだけど!
ユーキ/巨人。
GM/うん、直訳すると巨人。「僕らがエルスと共同開発した人造兵器。血と肉と魔力をコネて創って武装した巨人さ。そこに魂を入れて動かす。巨大ロボットにはそれを動かすパイロットが必要だろう? 君達はそのパイロットに……生体ユニットコアとして入れられる予定だった。だけど、きっとギガースの適正に合わなかったんだろう。無理に乗せて大事なギガースの素体を無題にしたくないからね。廃棄されたんじゃないかな?」
トンプソン/……へー!
ユーキ/にゃー。
トンプソン/じゃあ、つまり俺らは……巨人に乗せられる前に助かったってことか?
GM/「うん。そうだよ」
トンプソン/へー! ……なんでそんなの作ったんだ?
GM/「それはねー……」 おっさんがそう言うと、あちらの電話口から「先生、硲村のミサイル発射の予定ですが!」と別人の声がする。「あぁ……そうかい。もしもし、そこの君。お話はこれぐらいでいいかな?」
トンプソン/えーっ!?
ユーキ/にゃー。
GM/「とりあえず僕から言えることは……『その村であと1日ぐらい、ゆっくりしていなさい』。じゃあね」 ガチャン。おっさんは電話を切りました。
トンプソン/……へー。
ユーキ/にゃー。
GM/はい、ここで電話の話を聞いたトプさん……と、もしユーキも電話の内容を聞いていたなら。【幸運】判定難易度11に成功して。
トンプソン/(ころころ)達成値14で成功!
ユーキ/(ころころ)8、失敗。
GM/トプさんは出目が安定して成功してくれるな……(笑) 電話先で、おっさんの隣から聞こえてきた「硲村のミサイル発射の予定ですが」という言葉がヤケに気になった。それと、「その村であと1日ぐらい、ゆっくりしていなさい」という言葉。とても嫌な予感がする。その言葉の通りにしていたらいけない気がしたよ。
トンプソン/……嫌な予感がした!
ユーキ/にゃー?

 続いて、本当はチーム分けするつもりなんてなかった……ドリスのシーン。

GM/えっと、まずドリスだけど……君はどこにいるか判らない。真っ暗で、身動きが取れなくって……意識が朦朧だし、ガタガタと揺れて車酔いみたいになるし、何が何だか判らないし。
ドリス/う、うん……。オレ、どこのマップに来たんだろ……?
GM/でもある所でガタガタとした揺れは無くなり、ぺいっと巨人の手から放される。
ドリス/痛っ!
GM/巨人から吐き出されて、周囲を見渡すと……標高が高いのか何だか寒い。ここはちょっと広めでボロボロな神社っぽい。古びた神社だ。
ドリス/『7:神社』まで連れてこられたんだ……?
GM/さて、ドリスは大きな敵から逃れるかの判定をすることができる。【体力】判定難易度10で逃げよう! そうすれば調べ物ができるかもしれない。
ドリス/は、はい……。(ころころ)無理です、達成値9で失敗です。
GM/…………。

 ――のちに、GMはこのときのことを、こう語る。
 「GMをするの、初めてだったから……『失敗してもらいたくないシーンでは判定をさせない』というやり方が思いつかなかった。
 最初からジーク&オーウェルと分かれるとは思ってなかったし、それにこんなに失敗するとか思わなかったし……どうしよう(笑)」


GM/……ドリスは、巨人から逃げられないと思った。次の機会を待とうと思った。
ドリス/うん、まだ巨人の近くで大人しくしているね……。みんなが無事だと良いなぁ……。