アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ジェノサイド・デザート・ゼロ 』 5ページ ■
2018年1月16日




【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(雑多な部屋)
Fの部屋
(不穏な部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/Fの部屋に続く扉を開けます。Eの部屋のような、棚や木箱や段ボールのある雑多な部屋……ですが血まみれ。大変激しい戦闘の痕跡が残り、ボロボロになって、なんだか天井が崩れてきそうな気がします。
茂/わー、危なそうだー。こんな所に居られるか!
暁美/もうそれ言いたいだけじゃん(笑)
GM/まだ時間に余裕があるので、部屋を調べることが可能です。でも危険であることには変わりないので、入室するとき【HP】を1D6点消費し、退室するときも【HP】を1D6点消費しなければなりません。
晃/よし、≪痕跡発見≫もあることだし俺は入る。(ころころ)【HP】を4点減少。
茂/オジサンも気になる、入りたい!(ころころ)やった、1点減少だけだ。
雪子/(ころころ)3点減少して入る。
暁美/……一人で取り残されるのは嫌だな。ニャー子を抱えながら(ころころ)うっ、【HP】4点代償。
GM/全員Fの部屋に入ったか。では……血まみれで不穏な空気が漂う部屋で情報が入手できるのか、連続作業判定をしよう。

 『イベントキー:Fの部屋』
 Fの部屋を捜索する連続作業判定を表わすイベントキー。
 【反射】判定(難易度10)→【知覚】判定(難易度10)→【幸運】判定(難易度10)に全て成功すれば、Fの部屋での情報が入手できる。
 一度でも失敗したら【HP】に1D6点のダメージを受け、シーン退場。3回連続して成功しなければならない。ファンブルした場合、【HP】に2D6点のダメージを受ける。


GM/それでは3回連続で判定をしてください。順々にお願いします!
茂/ひい、難易度自体は簡単だけど1回でも失敗したらダメージはつらいぞー!

 と、言っていたが……なんと、4人全員3回連続成功を収める。
 全員無傷で、Fの部屋の探索を終了することができた。


雪子/やった、ラッキー!
晃/1回につき1D6点ダメージとはいえ、無傷クリアーはラッキーだな!
GM/まさか全員成功するとはGMも予想外だ(笑) では4人は……殺戮が行なわれ、血まみれの遺体を発見。その体の下に、とあるレポートがあることに気付きます。
晃/すまん、貰うぞ。レポートを引っこ抜く。
GM/≪忘却の末≫に関するレポート2を入手しました。

 『イベントキー:忘却の末レポート2』
 異端を捕らえた組織が≪忘却の末≫を究明し終えた完全なるレポートを表わすイベントキー。
 レポートには以下のことが書かれている。
 「対象:単体、射程:至近、代償:1D6MPで『奪った記憶を蘇らせる』ことができるようになった。
 これにより≪忘却の末≫で記憶を消した人物の記憶をまた思い出させることができる。応用的な使用方法がさらに可能になったぞ!」


茂/あ、記憶を戻す手段がゲットできる。
暁美/重要なレポートっぽいね。何に使うか判らないけど。
茂/うーん、これから記憶を奪われた参加者が出てくるんじゃないかな。だって厳しい判定をさせてゲットできるアイテムだもの。重要に違いないよ。
GM/部屋に入ったので、代表者は1D6をダイスロールしてください。
晃/じゃあ今度は晃が振っておく。(ころころ)2だ。
GM/現在の経過時間は、合計3。まだ部屋が崩れ落ちることはない。このシーンに登場しているPCは、【幸運】判定難易度10に挑戦することができる。
茂/おおっ?(ころころ)11で成功。
雪子/(ころころ)9で失敗。
暁美/(ころころ)達成値13で成功。
晃/(ころころ)12で成功だ。
GM/雪子は血糊に足を取られないように踏ん張って必死だったから判らない。だが他の4人は、Gの部屋から隠し通路があって別の空間に行けることに気が付いた。
茂/なんと!? 隠し部屋に行けるようになった!
暁美/今からそこに行けますか?
GM/崩れる様子はまだ無い。全員シーンに登場しているし、行くことができるよ。
暁美/雪子さん、こっちへ! 隠し部屋があります。……ひとまずこっちを確かめてみましょう!

【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(雑多な部屋)
Fの部屋
(不穏な部屋)
隠し部屋
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/Fの部屋から続く隠し部屋に入ったPC達。そこはまるで、警備室を思わせる場所だった。施設の部屋を監視するカメラの映像が一挙に確認できる。
晃/ほう?
GM/あるテレビには、スタート地点のAの部屋が映し出されている。あるテレビには、爆破された女子高生の遺体が映し出されている。あるテレビには、砂漠のような部屋に小さな女の子の遺体が……。
茂/ううっ……。全体を見ることができるのか。
GM/まだ行ってないDの部屋を見ることができる。Dの部屋にはベッドがあり、シャワールームがある。冷蔵庫もあって中にはきっと飲食できる物が入っているだろう。休憩スペースです。
暁美/安全部屋だ。
雪子/あそこでなら休憩ができそうだ。
GM/まだ行ってないGの部屋も見ることができる。……なんだか怪しい影が、4体いる。
雪子/怪しい影?
GM/全身甲冑姿の4体が、ひとりの人間を取り囲んで殺している。
晃/なんだ、あれは……仲間か? 見覚えは?
GM/無い。そしてその動きは、人間というより化け物のような不穏なものを抱かせる。正気の人間ならあんな煩雑で残酷な殺し方はしない。……狂気に陥った、恐ろしい相手に思えた。
茂/……正気度ゼロの、異端堕ちした何かかな。4体敵がいるって思っていいかも。
GM/そして、監視カメラを映す映像には……その他の影も発見する。
雪子/まだ何か?

【ステージマップ】がPCの現在地点、が影の現在地点
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(雑多な部屋)
Fの部屋
(不穏な部屋)
隠し部屋
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/突如、≪クリエイトゲイト≫だか≪籠抜け≫だかワープ特技を使ってきたのか、何者かの集団がザザザッと現れる。場所は、女子高生が死んだ部屋だ。
暁美/えっ!? なに、何が出たの……?
雪子/ワープで、現れた? なんだ、敵が追加されたとか?
GM/Gの部屋にいた者達とは違い、理性的で統率の取れた集団だと分かる。非常に人間らしい動きだ。
茂/なんだなんだっ? か、カメラを映し出す警備室っぽい場所なら……映像を拡大して何者か判別することはできないかな?
晃/Gの部屋の連中と違って人間っぽいと言っても、助けに来た奴かどうか確かめないと安心できないからな……。
GM/じゃあ、茂が機械をカタカタッと動かして映像を拡大して誰か判ったことにしよう。
茂/やったぁ。キーボードをカタカタッ、ターンッ!

 GM/こういう顔です。

茂/はあああああああ!?(笑)
暁美/え……あの……。
雪子/……なんでこいつが?(笑)
茂/なんでそういうことするの!? GMぅ!? どうしてそこで伏線回収するのぉ!?
晃/えっと、これは……?
茂/プリプレイで「ナチュラルボーン頭おかしい」って言っていたドSのチートキャラだよ! さっきマスターシーンが始まる前GMに「一本松のキャラシを持ってるなら貸して。見たいから」って渡したけど……渡したけど、まさか!?
雪子/……戦うの? 一本松と? マジで?(笑)
暁美/え。無理だよ。こいつ連勝無敗のボスキャラだよ。
茂/私が知っている限り、現在8勝0敗という謎の強さを誇るNPCですね! 「機関最強の戦士」ですよ彼は!
GM/一応ここで解説しておこう。……彼の名前は、剣菱 一本松。機関の荒事を担当する戦闘集団『朱指』の頭領をしている、無敗の能力者です。
晃/なんか、凄い人だって判る……(笑)
GM/機関一の強さを誇る戦士で、彼が率いるのは戦闘に特化した武力集団だから……アザーズの晃も知っているんじゃないかな。機関を調べていた雪子も知っていていい。
晃/言われてぱっと気付かなかったけど、まさかあの噂の……って感じか。
茂/オジサンはバリバリ知ってますね! だって提出してくる数値が異常で有名な人だもん! 凄い能力者は大歓迎の機関だけどアレは凄すぎて畏怖の対象だよ!(笑) 襲い掛かられたら即死ボスだよ!
暁美/えっと……その凄い能力者が、現れて、何をしに?
茂/……こ、殺しにきた? 全部闇に葬るためにここにあるもの全部消しにきた、とか?
GM/映像の中の一本松がカメラ目線になります。
暁美/ひいっ!?
茂/ひゃっ!? カメラの存在を気付かれた!?
GM/「…………」 まるで、カメラ越しに君達を見つめた後……。

 ――口元を歪め、手にしていた銃でカメラに一発弾丸命中。
 映像はジジジと乱れ、真っ暗になって停止した。


雪子/怖っ!?(一同笑)
茂/えっ!? 何!? 今の!? 「お前を殺す」ってこと!? 何なの怖いよぉー!?(笑)
GM/なんでそんなことをしたのか。どうして彼らが現れたのか。まったくもって何も思いつかない、記憶にございませんね。
暁美/……カメラを潰したのは、一か所だけだよね? 他の映像を見れば動きが分かるんじゃ?

【ステージマップ】がPCの現在地点、が集団の現在地点
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(雑多な部屋)
Fの部屋
(不穏な部屋)
隠し部屋
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/現在、彼らはAの部屋に移動してます。
茂/近づいてきてるー!? 死が近づいてきてるよぉー!?(笑)
晃/ええっと、これは……早めに移動した方がいいんじゃないかな?
雪子/こっちがDの部屋に行って、回復して、Gの部屋に行っている間に彼らに追いつかれることはない?
GM/んー、それは無いことにしよう。彼らが「A→通路→C→通路→D→通路→G」が最短ルートで、PCは「Fと繋がってる隠し部屋→通路→D→通路→G」がだから。鉢合わせる心配は無い。
暁美/そっか、GMがそう言ってくれるなら安心……。
茂/Dは休憩部屋だけど、全然休憩できる気がしないな……(笑) でもこれからのクライマックス戦闘の為に、早めにDの部屋に向かおうか。
GM/では、さっさとDの部屋に行こう。Dは『供給』が可能な場所です。ボーナスエリアですので、ここで回復行為を行なってください。
茂/よーし、再度回復するぞー!
雪子/『供給』をする前に、『契約』をしよう。……もうここまで一緒だったら、『契約』関係になってもいいよね?
暁美/……うん。お互い信頼し合った方がいいと思う。
晃/じゃないと、さっきの狩人のような戦闘に勝てない。これからもっと強い敵が4体……いや、それ以上待ち受けているかもしれないからな。
茂/みんなで助け合い、してくれるよね? 後ろから恐ろしい週案も近寄っているしね!? みんなで生還するため、『契約』しよう!

 『契約』の相談をした結果……。
 暁美が雪子のマスターに、雪子が茂のマスターに、茂が晃のマスターに、晃が暁美のマスターとなった。
 そして『契約』関係になった一同は、3D6点の『供給』を行なった。


GM/他に何かしておくこと、宣言しておくことはありますか?
暁美/とりあえず≪興奮剤≫の受け渡しをしてもらったし、ひとまずはこれで対策を練るしかないかな……。
雪子/……Gの部屋に行けば戦闘が起きるでしょう。その後のことはどうなるか判らない。けど、脱出しろというゲームなんだから、最後の部屋に到達できればゴールが見えてくると思う。
茂/そうでもないと、ゲームにならないからな……。
晃/今はGの部屋に行って、クリアーを目指す。ゴールを目指す。……生き残ることを優先する。そんな単純な方針で固めていくでいいよな。
暁美/OK。……そろそろゴールなのかな。ニャー子を撫でておく。
晃/安心しろ。契約して俺がマスターになったんだ。ピンチのときは助けてやる。
暁美/助けてやるとか、それ、格好良すぎてフラグっぽい。……そうニャー子が言ってる。
晃/死亡フラグいっぱい立てておけよ。虫の知らせでお前のお父さんが「娘が、危険なのでは?」って異変に気付いて助けに来てくれるかもしれないぜ。
暁美/そんなこと、しない人だよ……と言いながら、そうだったらいいのにな、もしかしたらそうなるかも、って笑う。
晃/よし、笑って元気が出たな。行くぞ。
暁美/んっ……。それじゃあ、足早めにGの部屋に、行こうか。


 ●クライマックスフェイズ 〜死のステージ〜

【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(結界の部屋)
Eの部屋
(雑多な部屋)
Fの部屋
(不穏な部屋)
隠し部屋
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/Gの部屋はこれまた砂漠のように地平線彼方見える白くて広く、狩人と戦闘をしたCの部屋に似ています。……中には4つの影。床に倒れたひとりの人間を、グチャグチャぬちゃぬちゃとこねくり回している。
雪子/……殺し続けるのか。
GM/何度も何度も、死んでいるのに殺し続けている。「無限に殺せ」と命令されたロボットのように。
暁美/殺人ロボットだったなら、そう表現してるよね。
雪子/ロボットのように、って表現してるってことは……そうされた強化人間とかかしら。機関ならそういうの造っているだろ。
茂/はい、造ってます……(笑)
GM/4体の全身鎧の影は、表情も兜をしているので判らない。楽しんでいるのかも、サッパリ伝わっていない。ただ残酷な死を与えていることは確かだ。その視線が、Gの部屋に入室してきたPC達に向かう。
茂/こっち見んなー!
晃/奴らと同じように、全身鎧を装着する。さっきよりも鎧の強度を高めた状態で……いくぞ。
GM/スチャッと、4体の敵はPC達に向き直る。それでは、クライマックス戦闘開始だ。

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:暁美、雪子、茂、晃
 (↑20メートル離れている↓)
 エンゲージ2:黒い戦士×2、赤い戦士×2

【行動値】
 黒い戦士×2:20
 赤い戦士×2:17
 晃:14
 雪子:13
 暁美:12
 茂:12


GM/一目で「奴らはめっちゃ強い。勝てるかどうか判らない」と思えます。
茂/明らかに描写が強そうだしね!
GM/倒さなくても戦闘は終了できます。AF判定に成功すれば、部屋の奥にある「出口」に逃げることができるからです。

『AF判定:すりぬけ』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:200

※「敵をすりぬけていく」演出に成功すること。
 成功した場合、狩人を追いこして戦闘回避することができる。
※協調行動NG。
※ただし、PC4人のうち1人は「囮」にならなければ他3人はAF判定ができないものとする。「囮」になったPCは通常のメジャーアクション行動が可能だが、集中砲火を受ける。


GM/AF判定はメジャーアクションです。攻撃することを、または茂オジサンなら回復することを放棄して、AF判定に挑戦することができます。
暁美/囮か……。
雪子/1人で敵を引きつけておいて、3人で逃げる準備を進める……。
茂/カッコイイから「俺にここは任せろ! お前らは先に行け!」って最高の死亡フラグを立てたいけど、残念ながらオジサンは【HP】も【回避値】も高くないんだよなぁ(笑)
晃/【HP】が高いのは、俺と雪子。高いと言ってもさほど変わらない……。
暁美/敵を倒す方向でいく? それともAF判定をする?
茂/個人的には逃げる方向を推したいけど、それよりも……敵4体全てに先手を取られている。自分達のターンが来るまでにどんだけリソースを削られるかで、方向性を決めたいな。
雪子/どんだけ令呪が残るかによって、戦うか逃げるかが決まるしね。
GM/それでは戦闘を始めます。第1ラウンド、セットアッププロセスから!

 セットアッププロセスで、黒い戦士2体は≪空の片足≫。全員同じエンゲージに入った。
 そして赤い戦士は、セットアッププロセスに≪瞬間思考≫+≪啓発の鎖≫+≪魅了の魔眼≫を使用を宣言。
 2体は命中対象に晃と雪子を選択した。


茂/≪啓発の鎖≫はこの際、無視をしていい! 問題は≪魅了の魔眼≫だ。これで【MP】をマイナスされたら困る……!
晃/(ころころ)≪啓発の鎖≫は回避成功。≪魅了の魔眼≫は……(ころころ)よし、こちらも回避成功!
雪子/(ころころ)うっ、≪啓発の鎖≫は回避失敗。
GM/それでは、雪子の【行動値】が−9されます。
雪子/≪魅了の魔眼≫を回避!(ころころ)ダメ、回避失敗……。
暁美/令呪を使おう! 回避して!

 敵のセットアップ特技を回避した後、晃はセットアップに≪闇の衣≫を宣言。【HP】を+20点、【防御点】を各+2点する。
 暁美は≪魂砕≫でダメージアップを宣言、茂は≪空間知識≫で味方を守る準備を整えた。


GM/1体目の黒い戦士は、晃に≪英気の法力≫+≪毒の魔弾≫+≪革命の旗≫+≪神霊の一撃≫+≪蒼の衝撃≫で攻撃します。
茂/えええ……? めちゃくちゃ殺意高くない!?
GM/殺す気でいくからな。(ころころ)命中19。
晃/(ころころ)……出目が低い。さすがにこれは無理だ、令呪が欲しい!
茂/あげるあげる! 令呪ポーイ、避けて!
GM/2体目も、さっきと同じコンボをまた晃にやります。(ころころ)命中18。
晃/(ころころ)17……1たりない!
雪子/≪叱咤激励≫! 達成値を+2して、回避19にして避ける!
GM/赤い戦士が≪零力射撃≫を使用。回避ファンブルにする。
暁美/早々に使ってきた!?
GM/ファンブルになったので達成値アップ特技を使って足すこともできない。ダメージロールをいくぞ。
晃/う、うん……。
GM/(ころころ)ダメージロールに、≪禍福のさざなみ≫を使用。
茂/ひえっ!?
GM/71点霊力ダメージ!
茂/≪念動障壁≫!(ころころ)18点軽減だろ、それで今の晃くんの【HP】は上昇してる訳だから……!
晃/……【HP】8点は、残っている。
雪子/ギリギリだ。それなら≪白き守り手たち≫は保留しておこう……。
GM/攻撃を受けてしまった晃は、「バッドステータス:毒」になってくれ。続いて、【行動値】17の赤い戦士のターン。

 赤い戦士は≪浄発≫+≪アンドショック≫+≪浄化の一撃≫+≪EP:武器射程≫で、PC4人全員を狙う。
 1体目の命中は18で攻撃を行なった。
 PC4人は全員回避失敗。令呪を1つずつ使用し、全員回避成功させた。
 2体目の命中は、なんと
クリティカル成功してしまう

晃/≪零力射撃≫を使用! 命中判定を失敗にさせる!
茂/グッド! 一番良い使い方だー!
暁美/えっと、どうしますかこれ……。戦闘で勝つのは、令呪がどんどん無くなっている今、難しいんじゃ……。
茂/難しいね。……残りのリソースを全部AF判定につぎ込もう! それで逃げ切るんだ!
GM/AF判定に挑戦するなら、PC1名を「囮」に指定してください。誰にしますか?
晃/俺でいく。
雪子/晃さん……!
晃/キャラクター的にも、俺が一番あってるから。ウズマキをさらに展開。装着した鎧をよりパワーアップさせて、凶々しい鎧姿になって敵に立ち塞がる。
暁美/晃さん、お願いします……!
茂/ひええ……晃くん、頼んだよ!

 メインプロセスを得たがAF判定が行えない晃は、目の前に来た黒い戦士に攻撃を行なう。
 ≪覇魔矢≫+≪凶々しき武器≫+≪圧縮撃≫で、同じように黒い甲冑を纏った敵に突撃。命中は……。


晃/(ころころ)悪くない、命中19!
GM/(ころころ)黒い戦士は回避失敗、当たります。
晃/ダメージロール!(ころころ)物理ダメージ31点……。令呪は後々のために残すから、31点で斬りかかる!
GM/……31点では、一撃死には至らない。鎧の戦士は少しバランスを崩したが、再度晃に襲い掛かってくる!
雪子/もう少し堪えて! 今すぐ逃げ道を確保する! ……AF判定をします。
茂/雪子ちゃん、頑張れー!
雪子/まず、けろけろけろっぴのハンドタオルで汗を拭います。≪戦闘聖衣≫。
GM/ハンドタオルが≪戦闘聖衣≫!?(一同笑)
雪子/それ、≪物品調達≫で買いました。逃げ道を作るため囮になれと頼んだ晃さんの支援を飛ばす! 結界を張る≪母の腕≫+≪白き守り手たち≫! 晃さんが失敗しかけたら≪悔改めよ≫!
茂/どんどん支援を飛ばしていこー!
雪子/もしこっちに戦士が襲い掛かってきたら、≪コネ「教会」≫によって支給された≪浄化の武器≫+≪浄化の装具≫で強化してあるレイピアで応戦する。≪小さな眼≫のけろけろけろっぴのおかげでどんな攻撃でも見逃さない。
茂/あ、けろけろけろっぴって使い魔だったんですね(笑)
雪子/暁美ちゃんが危ないと≪神託≫が下る。≪審判:善≫+≪戦術指揮≫で回避させる。
暁美/ありがとうございます!
雪子/≪寝台確保≫があるけどこんなところで寝てらんない。
茂/うん、寝ちゃダメだよ!(笑)
雪子/≪強化手術:意志≫によって寝ません。≪心霊医学知識≫があるので気絶してもすぐ起きる心得があります。……これで使用特技16個。難易度32減少……。
晃/よし、振れ!
雪子/(ころころ)……は?
暁美/えっ?
雪子/え……えっ、1ゾロ。ファンブル!?
GM/は!? AF判定で、ファンブル!?
茂/オジサン≪逆転運命≫があるけど、これはファンブルには使用不可だから振り直せない……!
暁美/≪悔改めよ≫は……!?
雪子/……雪子自身には、≪悔改めよ≫は使用できない。
茂/本来AF判定でファンブルが出ると自動失敗どころか、完全失敗扱いで、もう二度とAF判定ができなくなる……んだけど! ここはGM裁定で「難易度減少が無かったことに」とかに改変していいよ!
暁美/むしろ、そうしよ!(笑)
GM/……えーと、その案でいきます。難易度減少率が無かったことに。さらに達成値も0。なので『難易度:200』のまま、変化無しです。
雪子/……ごめん……マジでごめん……。
茂/大丈夫! まだ挽回できる! むしろ今1ゾロ出しておいて良かったと考えよう! 決戦前夜の死亡フラグは本当に死ぬけど、決戦時に死亡フラグを立てまくると逆に生還フラグになるんだよ!
晃/死亡フラグ立てまくったオジサンが言うと、なんだかな(笑)
暁美/次は、暁美がAF判定に挑戦する……。大丈夫、雪子さん。私とニャー子がなんとかするから。変わらず支援を。
雪子/……お願い。

 ≪魔導書≫を構え、≪魔法のローブ≫を羽織り、≪刻印増強≫で自身の能力を高めていく。そんな戦闘を行なう暁美。
 ≪火炎術式≫+≪火霊操作≫であるニャー子を更なる姿に進化させつつ、戦士達を打ち払う戦法を取るが……。


暁美/取得した特技を全部使用して、難易度32減少。判定します! ……ここに、≪コネ「政治」≫を使用。
茂/ダイスロール直前に+3D6するやつだ!
暁美/≪コネ「政治」≫の演出は……もちろん、政治家のお父さん。……あまり良い印象が無かったお父さん。でもそれは、敢えてお父さんのことを考えないようにしていたから。
GM/実際は……?
暁美/実際のお父さんは、優しい。確かに私の為に時間を取ってくれないけど、それはお仕事を頑張っているから。……死の間際に家族のことを考えれば考えるほど、「なんで私からお父さんに会おうとしなかったんだろう」って後悔が募る。このままじゃ、死ねない!
茂/その想いをぶつけろー!
暁美/(ころころ)達成値21……! ここに令呪を使用したい!
晃/もちろんやる。令呪使用、その願いを叶えろ!
暁美/達成値、41!
茂/なんか晃、精神不安定な強化人間って言ってたわりには良いお兄さんだな……(笑)
晃/まだまだ窮地に陥ってないからだ。
雪子/もう残り【HP】8点だけどな……(笑)
暁美/……そう、まだまだ私達はいける。だから私は、≪ミネルヴァ≫を使用!(ころころ)……1点上昇。
茂/あっ、≪ミネルヴァ≫があった!?
暁美/晃さん! ここに最後の令呪を!
晃/3つ目の令呪を使用! 絶対に! その願いを叶えろ!
暁美/ありがとう晃さん……最終的な達成値は、62!
GM/『現在難易度:168分の62』。いきなり半分近くいった! この調子で逃げ切ることができるか。

 続いて、茂のAF判定のターン。

茂/すげえ……雪子ちゃんへのフォローからの、今の暁美ちゃんのAF判定と晃くんの令呪連発の流れ、めちゃくちゃ格好良かった! 最期ぐらいオジサンもシリアスやりたい。
雪子/最期って言うな(笑)
茂/オジサンだってみんなを守りたいんだよ! 戦う力なんて無くても、博打で勝負する力しか無くても! ≪禍福のさざなみ≫。
晃/でもその博打≪禍福のさざなみ≫も成功させたじゃないか。
茂/そう、成功させまくったのである。今もなお、必死こいて汗水垂らしながら≪空間知識≫+≪念動障壁・1・2・3≫で敵からの攻撃から守っています。
暁美/オジサン、頑張って……!
茂/結婚指輪を嵌めた手を、ぎゅっと握り締める。≪空と心のリング1・2≫。
雪子/オジサン、既婚者だったの?(笑)
茂/オジサンだからね、既婚者だよ。でも同じ頭垓で研究者をしていた奥さんは危険な実験の最中に帰らぬ人になりました。奥さんの形見の品がこの力の源、≪覚醒具≫!
暁美/おおー……。
茂/だからね、奥さんと出会って恋して一緒に2人で頑張った職場だからね、機関に戻る気満々でいたんだよ! 彼女が実験中の事故で亡くなった後も≪セルロイドの心≫のように無心で働き続けました!
暁美/オジサン……悲しい人だ……。
茂/……もちろん機関の研究所だからね、酷いことをしている自覚はあったさ! 晃くんみたいな強化人間の子が死にかけるたびに≪創まりの熱≫で無理にでも蘇生させて戦わせたり! 気が狂うぐらい薬物……≪興奮剤≫を投与させて本当に気を狂わせてしまったり! それが、僕の仕事だからね! 愛した妻との思い出の場所だからね! エスカレートしていく機関の中でも離れられなかったさ!
晃/最初はそうでもなかったけど、どんどんと深刻度がエスカレートしていった……?
暁美/……きっと「謎の美女」のせいだ。度の過ぎた研究が浸透していったのは。
茂/最初は「こんなのっていけないと思います」って忠言することもあった、≪逆転運命≫。でも殺しかける実験は一向に止まらず、そしてオジサンも心が弱くて完全に止めさせることはできず、ずっと強化人間達に戦え戦えと≪特技取得・肉体復元1・2≫を掛け続ける日々。…………。
GM/……どうした?
茂/普通に中の人の気分が落ち込んでオチが思いつかない(一同笑) それでもとりあえずオジサンは生きなきゃなんだ! こんな所に居られるか! オジサンはGの部屋を出ていくぞーっ!
雪子/特技16個使用で、特技32減少だ。
茂/振ります。(ころころ)よし、達成値14……!
雪子/そこに、令呪を使用! ……生きたい、帰りたいって最初から言い続けている茂オジサンを、生かして帰してあげたい!
茂/ありがとう。達成値は34になるから……『現在難易度:136分の96』になる筈!
晃/あともう少しだ……!
GM/全員が行動済みになったな。敵全員≪二回行動≫の宣言。もう1回ずつ敵4体が行動をする。
暁美/ええええっ!?
茂/うそ……えっ。じゃあ、あともう1回でクリアーできそうなのに、合計8回分攻撃を避けきらないといけない!?

 黒い戦士は、≪革命の旗≫+≪神霊の一撃≫+≪蒼の衝撃≫を晃に攻撃。
 命中は19。晃の回避は、失敗。振り直しでクリティカル回避狙いで挑戦するが、命中してしまう。


GM/ダメージロール!(ころころ)……55点の霊力ダメージ!
茂/ああ……それは……!
晃/……【HP】0。戦闘不能になる。黒い戦士の剣を受けて、甲冑姿のままガシャーンと倒れ伏す。
暁美/晃さん……!
晃/だがこのままじゃやられない。≪決死の射弾≫を使用。【HP】が減ってる黒い戦士に反撃する!
雪子/ただじゃ死なない……!
晃/≪興奮剤≫+≪最高調合術≫+≪覇魔矢≫+≪凶々しき武器≫!(ころころ)命中は低い……フラフラになりながら、命中15で剣を突き刺しに行く!
GM/(ころころ)……当たる。
晃/当たった? なら、ゾロ目命中なので【物理防御点】無視の素通しダメージ!
茂/おおおおー!? カッコイイ! アザーズの本気カッコイイよー!
晃/【HP】コストが払えないから≪圧縮撃≫は使えない。でも、死の物狂いで薬物を打ちこんで全身のリミッターを解除して突貫する!(ころころ)こっちの出目が良い! 25点貫通ダメージ!
GM/強化人間の本気……!(笑) 黒い戦士A、晃の一撃を受けて、戦闘不能になる!
雪子/やったぁ! 敵を1体減らした……!
晃/それで……ガクッと倒れる。
GM/黒い戦士B、晃にトドメを刺す宣言。
暁美/うっ……!?
晃/…………。そうなるよな。
GM/メジャーアクションでトドメを刺す。晃、死亡。
晃/…………。
暁美/あ……晃さん……。
晃/……死にます。……くそ、結局は、こういう最期か……。
GM/「開錠条件の達成を確認。プレイヤーを解放します」 その声と共に、暁美の首に付けられていた首輪がガチャンと崩れ落ちた。
暁美/……あ、ああ……。
茂/え。このタイミングで……?
暁美/ああ……そっか、私の開錠条件……そうだった……。

 暁美が持っていたトランプのジャック開錠条件:「参加者の一人の殺害」
 晃が持っていたトランプのジョーカー開錠条件:「参加者の一人の殺害」

GM/晃が死んだ。それによって、暁美は助かります。
晃/良かったな。
暁美/良くない……良くない、良くないよ。晃が嘘じゃなく、見間違えなんかじゃなく、本当に死んだんだって、実感させられたじゃないか……!

 悲しむ暇を与えず、赤い戦士は、暁美と雪子と茂を狙う。
 ≪浄化の一撃≫によるエンゲージ関係無い総攻撃を受け……。


茂/令呪が残っている人は……いない?
雪子/振り直し特技も、このラウンドは使い切ってる……。
暁美/……奇跡を信じて、≪幻想式≫を使って回避判定を振ります。(ころころ)回避、成功!
雪子/やった!(ころころ)私は、駄目でした。
茂/(ころころ)ううう! オジサンも避けられない!
GM/全員に攻撃をします。(ころころ)ダメージロールに、最後の≪禍福のさざなみ≫を使用。
茂/1! 1が出て……!
GM/(1D6ころころ)……3。ダメージに+20した結果、霊力ダメージぴったり60点です。
茂/≪念動障壁≫を使用!(ころころ)19点軽減……! 生きられる人は、いる!?
雪子/雪子が≪白き守り手たち≫を使用。(ころころ)14点軽減! これで雪子は【HP】8点で立ってます。
茂/オジサンも大丈夫!
暁美/……暁美は、無理です。ギリギリ【HP】0。戦闘不能になります。
茂/ま、マジか……。
GM/2体目の赤い戦士が、暁美にトドメを刺す宣言。
茂/ま……待って……。
晃/……くそ……。
GM/暁美に近づいて、その体に剣を振り落とす。
暁美/……おとう……さん。
GM/暁美、死亡。
暁美/……死にます。ニャー子も、ぷしゅんと、火が消えます。
雪子/……こ、このぉ……!
GM/全ターンが終わったので、クリンナッププロセスに移行します。黒い戦士がクリンナップに≪多重跳躍≫を使用。シーンを強制終了させ、シーン回数特技が全回復させます。≪魅了の魔眼≫などが回復しました。
茂/は……はあ……!?
雪子/嘘だろ、ここで……!?

 第2ラウンド、セットアッププロセスが開始。
 赤い戦士が、使用回数が回復した≪瞬間思考≫+≪啓発の鎖≫+≪魅了の魔眼≫の宣言をした。


GM/茂に≪啓発の鎖≫を使用。(ころころ)命中15です、回避してください。当たると【行動値】が9下がります。
茂/(ころころ)……回避失敗。鎖に捕まります。
GM/続きまして、≪魅了の魔眼≫を茂に使用。(ころころ)命中16でした。
茂/クリティカル……出てくれ!(ころころ)ふぁ!? 出目良い! これって……16の同値回避!
暁美/やった!
晃/やったぞ!
GM/赤い戦士はもう1体いる。今度は雪子に≪啓発の鎖≫と≪魅了の魔眼≫で攻撃だ。
雪子/(ころころ)……≪魅了の魔眼≫、当たります。
GM/ダメージロール。(ころころ)【MP】を……11点減少してくれ。
雪子/……まだ生きてる。けど、もう≪白き守り手たち≫も≪悔改めよ≫も、≪叱咤激励≫も、使えない。……無気力だ……。
茂/それでも、まだ生きてるよ! 雪子ちゃんはまだ行ける!
GM/メインプロセスに、黒い戦士が……茂を狙う。(ころころ)命中16。
茂/(ころころ)……回避14、当たります。
GM/(ころころ)霊力ダメージ、42点です。
茂/ごめん……もう……。戦闘不能になります。
雪子/…………。
GM/赤い戦士1体目のターン。茂にトドメを刺します。
雪子/…………。
GM/茂、死亡しました。
茂/ごめん……ごめんよ、雪子ちゃん。君が回避成功すれば、次は君のAF判定だから……まだ勝てるよ!
雪子/…………。
GM/赤い戦士2体目のターン。(ころころ)雪子に、命中16。
雪子/(ころころ)……回避、失敗……。
GM/(ころころ)……霊力ダメージは……。
雪子/…………。

 雪子の【HP】……0。
 戦闘不能になり、残った敵3体は≪二回行動≫を宣言。
 黒い戦士は、ゆっくりと雪子に近づき……最後の一撃を与えた。



 ●エンディングフェイズ 〜ゲームオーバー〜

茂/死んだわー……全滅エンドだわー。
晃/あと1回AF判定ができたら、逃げられたかもなー……。
雪子/つまり……雪子のファンブルが敗因だ。ごめん……。
暁美/ファンブルは仕方ない……。正直、1ゾロが出たとき全員爆笑して20分ぐらいセッションが全然進められなかったぐらい面白かったよ。
雪子/それ!(一同笑) ファンブル出してから全員のテンションおかしくなった!
茂/もしこのセッションをリプレイにするときは超シリアスに編集するね。
GM/PCが全滅した卓は、基本的にリプレイ公開しないんじゃなかったっけ?(笑)
茂/しないつもりだったけど、先日全滅した卓もリプレイを作ることにしたから……(笑) 戦闘重視卓はリプレイ編集するの大変だからね。気が向いたら超シリアスっぽい戦闘リプレイにするよ! そのうち作るかもね!

 作りました。こうなりました。

GM/では、1人ずつ好きな風に死ぬエンディングシーンを演出していこう。特に希望が無いなら……一番最後まで残った雪子の演出をしたい。
雪子/はい。初手でいいです。
GM/暁美も茂も晃もみんな死んだ。雪子の前に、3体の戦士がゆっくりとやって来る。……今、まさに殺される瞬間だ。
雪子/……悔しい。死ぬしかないなんて……。何も一矢報いることもできない。……晃のように、1体でも返り討ちにしたい!
GM/それは、今の雪子には無理だった。
雪子/……ボロボロと涙を流しながら、ギッと睨みつけます。……戦士じゃなくて、どっかのカメラに。
晃/カメラに……。
雪子/……いつか、お前達の悪事は暴かれる! 絶対に、お前達を糾す者が現れる! それが……私じゃなかっただけ!
GM/ブンッ。……全身鎧の重戦士が、剣を振り下ろし、君はトドメを刺された。
雪子/……覚えておけッ! そう言って……死にます。
GM/ザザザッ。Gの部屋に集団が入ってくる。
雪子/え。
茂/……えっ?
GM/黒づくめの集団は、統率が取れた動きで駆ける。特に、『ある男』の動きは速い。全身鎧の重戦士を一刀両断。鎧は斬られ、よろめいて兜が外れ、人間の苦悶の表情を見せた後……あっけなく倒れる。
暁美/助けて……くれた?

 GM/雪子は初めて会う顔だ。こういう顔の男は、いとも簡単に残りの2体の戦士を薙ぎ払い、倒す。

茂/えっ……!?
GM/その間も違う隊員が、隠しカメラを射撃。おそらく録画していただろうカメラを機能停止させる。……鎧兵を倒した男が、倒した鎧兵に近づく。
雪子/……トドメを、刺そうとしている?
GM/ああ、トドメを刺そうとしている。でも兜が外れて生身が出てきた中の人物に、刀を突き立てながら……一言。

 「……助けてやれなくて、すまなかった」

GM/ザンッ。そうやって、鎧の中身にトドメを刺した。
雪子/…………。貴方達は……。
GM/「…………」 無言で、瀕死の雪子を見る。そして近づき、呟く。「もっと早く会えていれば、お前も助けることができたか」
雪子/え。
茂/え……え、えええええ。ちょ、ちょっと待って……なんで、なんで、一本松さんが助け……え……?
GM/なあ。そもそも……GMは一言も「一本松は助けてくれない、PC達を殺そうとしている」とは言ってないぞ。
茂/あ。
暁美/うん。
晃/言ってないな。
茂/あああああ!? ごめんなさいいいいいいい!? 私がナチュラルボーン頭おかしいとかドSとか言いまくってごめんなさいいいいい! ……は、恥ずかしい! 普通に私の勘違いでミスじゃん! こんなのリプレイにできるか、残せねえええぇー!

 作りました。こうなりました。

茂/あの……マジですか……ほんと……ごめんなさい……土下座します……マジで死ぬ……ごめんよおおお……。
暁美/ほ、本気でマーサーが泣いてる……(笑)
雪子/ガチ泣きしてる……(笑)
茂/だって、「仲間の可能性を考えて交流しておけば、全滅は免れたかもしれない」んでしょ……。なのに、ずっと会ったら殺されるってみんなに言って……。
晃/まあ、それに賛同したのも俺達だし。
茂/私ずっと一本松さんのこと誤解してた……誤解したままセッションでGMしたりドSキャラとして小説を書いたりしてた……。今後! 私がGMで! 一本松NPC運用するときは! 「実は良い人」なキャラロールを絶対させていただきます!
GM/いや、マーサーがしたいシナリオのNPCロールでいいと思うよ(笑) 話を戻して……雪子に近づいて救助活動をしようとする、が、致命傷だと悟る。
雪子/トドメを刺されたのは変わりないから……もう私は助からないか。……貴方は、私達を助けに来た人? 尋ねます。
GM/「……ああ」
雪子/どうして? 貴方、機関の戦士なんでしょ……ここ、機関のゲームじゃなかった?
GM/「……機関の所属員を不当に扱っている神成会は、機関の利益にならない。だから機関の荒事を担当している『朱指』が正式に糾弾する」 既に別チームが、神成会の主催を取り押さえております。ただし夜須庭 航と金色の大太刀は『世界の抑止力ルール』で死亡はしません、処刑対象から外されています。
雪子/所属員を不当に扱ってる? ……晃と茂オジサンのこと?
GM/「今日の参加者になった2人もだが……『こいつら』もだ」 目を向けた先には、さっきまで戦っていた戦士の遺体がある。頑丈な鎧の下は、晃と同じく普通の青年や少年。機関の一員として一本松の下で働いていたのに、むりやり洗脳されてゲームの駒にされた者達。「狩人」もその一人です。
雪子/ああ……なるほど、『神成会に誘拐された部下を助けに来た』のか。……そんなことをする人だったんだ。
GM/「助けに来た筈なのに、助けられなかったが。……いや、せめて、一人だけでも」 最後まで戦った雪子が【幸運】判定難易度12に成功したら、生還フラグを立てます。
雪子/おっ。(ころころ)まあ、達成値9で失敗なんですけどね。
暁美/うわ、失敗かー……。
茂/ううう、≪逆転運命≫してあげたいー……!
晃/残念……。
雪子/……でも、良かった。もう二度と、このデスゲームは起きないのね……。
GM/「そうしたいが、何とも言えない。俺が出来るのは、今日のデスゲームの参加者を、こうやって……トドメを刺して助けてやることぐらいだ」 まだまだこの死の饗宴が繰り返されるかもしれない。PC達が勝利できなかったので、そこは濁しておきます。

 「そっか。それでも、真相を教えてくれてありがとう。
 少しだけスッキリした。じゃあ、私……もう疲れたから……逝くわね。
 ……次に生まれ変わったときは、絶対に悔しい想いなんてしない。あいつら、ぶっ飛ばしてやるんだから」


    ◆

茂/……雪子ちゃんと一本松の会話を、聞いているのは可能ですか。
GM/可能です。……好きな回想シーンをしてエンディングを終わらせることもできるけど、このシーン継続でOK?
茂/雪子ちゃんのシーン継続がいいです。瀕死の状態で……駆けつけた朱指の司令と雪子ちゃんの会話を聞いています。
GM/隊員の一人が「頭領。こっちに、まだ息がある参加者が。こちらももう助かりそうにないですが」と一本松に告げます。
茂/トドメを刺されているから……ゲホッと血反吐を散らしながら……。ああ、復讐に来たのかい……って言います。
GM/「…………」
茂/あれだろ? 君、昔、頭垓の実験になっていた子だろ? 確かナンバーは何だったっけな……ジーピーなんとかだったかな……ああそうだ、あのとき強化人間だろ!
GM/「…………」
茂/なんだ、幼い頃のつらかった実験をした研究員に復讐をしに、殺しにきたのか、こんな問答無用に殺せる場所で、あの地獄のような日々をよく送らせてくれたな畜生って殺しにきたんだろ! プレイヤーも勘違いしたのでPCも勘違いしたままにします。
暁美/なんでわざわざつらいキャラロールをするの?(一同笑)
茂/謝らないぞー! 僕は謝らないぞー! あの実験は正しかった! 非人道的だの酷い実験だって言われたがこんなに強ーい強化人間が生み出せたんだからな! そこの黒騎士も赤騎士も、お前みたいな化け物も! そんなに強くなれたのも、みーんな機関のおかげなんだからなー! 僕と妻と当時のメンバーは凄かったんだー! もっと凄い研究しなきゃなー! だから彼女がいたあそこに戻って早く研究を……!
雪子/(朱指の隊員になって)「頭領。こいつ……もう頭がイカれちまって」(笑)
GM/「ラクにしてやれ」

 ――ザシュッ。茂の脳天に、隊員の武器が振り落とされる。
 ただの研究員は、それきりピクリも動かなくなった。

 「……研究員に復讐。そんな手段もあったか。考えつかなかった。
 俺はただ、自分の手が届く部下を救いにきただけだ。……俺と同じで、機関というこんな狭い世界でも生きていかなきゃいけない奴らを救いに……。
 ……俺の手が届くなら、救えるなら、『俺が正気でいられる最期まで』救ってみたいと……そう思っただけなんだ……。
 …………そういう真似を、してみたかっただけなんだ」


茂/死んだ。
暁美/マーサーが死んだ。
茂/茂も死んだし、中の人も死んだ。
晃/普通に、善人じゃないか。
暁美/殺人はしてるけど良い人じゃないか。
GM/良い人かどうか判らんが。いや善人ではないな。機関の幹部だし。殺人してるし。
茂/でもでも、あああ、誤解しててごめんなさいいいいい……。そっか、一本松さんの最期は狂気に落ちるけど、それまでは……近くにいる人達を、救おうとしてくれる人なんだね……。
GM/あくまで誰かの真似だけどな。マーサーが蹲って動かなくなったので、茂のエンディングは以上にしておきます(笑)
茂/……あ、ところで。≪忘却の末≫のレポートってどこで使えば良かったの?
雪子/そういやそんな物もあった。
GM/PCに使うと記憶が蘇るよ。誘拐された前後の記憶が蘇って、この施設がある場所とかが分かる。持ち帰って生還して記憶が蘇れば、神成会を完全撲滅することができる。
雪子/生還エンドを迎えられたら使えたのか! くう、使いたかった〜!

    ◆

暁美/死亡したらエンディングシーンって好きに演出していいんだよね? 晃といっしょにエンディングすることってOKですか。
GM/OKです。好きな演出をどうぞ。
暁美/暁美からの希望……やりたいことは、ただ一つ。晃に手を伸ばして、その手を掴んで死にたい。
晃/……それだけ?
暁美/それだけ。……晃は、願いを叶えろって言ってくれた。絶対に叶えろって言ってくれた。でも、叶えられなかった。……謝罪したくて傍に寄って、死んでる彼の手を握って、謝りながら死にたい。
晃/…………。倒れているので、腕が放り出されている。
暁美/死にかけで、じりじりと近寄って……必死に、籠手の付いた手に指を回します。
晃/…………。
暁美/……ごめん。無理だった。……令呪でも、叶えられないんだね。……私が弱かったからだ。ごめん……なさい。
晃/俺からの希望も一つ。近寄ってきた暁美に手を伸ばして、ぎゅっと体を抱き締めて死にたい。
暁美/…………。
晃/抱き締めた。それで、息を引き取ります。
暁美/…………。
晃/でも、最期に……謝るなよ、もう謝らなくていいから。……そう言って、逝きます。
暁美/…………。判った。もう言わない。もう謝らないよ。

 「もう謝らないけど、もうちょっとだけ……。
 もうちょっと、強く抱き締めてくれる? 痛いと、ほら、デリカシーの無いお父さんが抱きついてきたときみたいで、なんだか落ち着くから。
 ……聞いてる? ……うん、ありがとう。…………私もいっしょに逝くね……」



 アナザーワールドSRS
    『 ジェノサイド・デザート・ゼロ 』   END





END

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