アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第8ループ2話 『 NEO 2 』 2ページ ■
2010年6月29日




 ●プリプレイ

GM/では、ドロリア第8ループ2回目を始めまーす。ハンドアウトを読み上げるよ。まずは、PC4の亜紀くんから。
亜紀/お、いきなり亜紀から?

『PC4:早乙女亜紀 用 ハンドアウト』
 コネクション:聖剣  関係:自由

 聖杯戦争が始まった。ミスターBからの電話では街の異変を報じられ、ジークも戦いの予感を口にする。
 一人今後を思い悩んでいると、金髪碧眼ツインテール幼女が現れた。
「改めて訊くわ、貴方、生きたい?」
 突然、先日訊かれたことをもう一度問われる。どこか真剣な眼差しで。
「その返答次第では、私もこれから言うことを変えるから」


亜紀/なんだってー!? なんか重要そうなの来たぞー……。

『PC1:秤谷航 用 ハンドアウト』
 コネクション:心臓発作事件  関係:恐怖

 兄のエルの前にアサシンと名乗る奇妙な男が現れた。君はこれからこの街で起こることを知らされる。
 ただでさえ近頃街中では事件が起きていると思っていたが、その原因が聖杯戦争によるものだったのか。
 君はこの戦争に首を突っ込むか、それとも……。


航/『兄のエル』……スッゴイ良い響きだな(笑) 大体ハンドアウト内容は予想通りな感じ。

『PC2:相馬 用 ハンドアウト』
 コネクション:アーチャー  関係:自由

 マスターである藤原と別れて、24時間が過ぎてしまった。
 普通の人間のように食事を摂ることで難を逃れることは出来たが、このままではいけない。
 微かな危機感を抱いているとき、君は見た。いつかに戦った少年――アーチャーが、女性を殺害するシーンを。


相馬/お? アーチャールートにいかなくてもそのシーンを見てしまうんですね。
GM/今回はね。……では、最後にPC3のハンドアウトを読みます。

『PC3:八木沼盟 用 ハンドアウト』
 コネクション:青森恐一  関係:ウマが合う

 君は昔からよく知る青森恐一が、教会のエージェントとして聖杯戦争に関わっていることを知っていた。
 その青森が、苦々しい顔つきで八木沼邸を訪れた。
 聖杯戦争に参加しようとしていた君に、親切心でという前置きをしながら。
「もしや、今までの聖杯戦争とは比べ物にならないぐらい大変なことが起きているのかもしれない」と。


盟/おおー……なんか重要そうなコトを言ってくるぞ。
GM/時間系列は、2月4日の夜以降です。盟ちゃんだけは2月5日の朝でも構いません。
航/航は前回のエンディング直後ですね。


 ●オープニングフェイズ/亜紀 〜2度目の事件〜

GM/いきなりですがPC4。君は青森から電話を受けました。『公園で女性が死んでいる』とエージェントの連絡として受けます。
亜紀/気になるから……ちょっと公園に戻ってみよう! 外に出ます。
GM/そのとき、セイちゃんも一緒に外に出ます。ジークになって)「アキちゃん、そろそろオレ……出ようと思うんだ。もう3日もお世話になったからさ」
亜紀/そっか。……セイちゃん、これから頑張ってね。
GM/「勝って終わらせてくるよ。アキちゃんも教会のエージェントさんとして全力を尽くしてほしい。この街の人々を守ってやってくれよ」
亜紀/ああ、俺だって頑張る。
GM/シュタッと飛んでいきます。ジークを見送る亜紀くんは、青森さん達の報告があった公園に向かいます。
亜紀/一体何があったんだろうな……てくてく。
GM/てくてく、てくてく。うにょん。
亜紀/うにょん?
GM/世界が歪む。上も下も右も左も判らぬ空間にいつの間にかなっている。
亜紀/……まさか、あの子が来るんじゃ。
GM/来るんじゃないかと思ったときには、目の前にロリが居ます。
亜紀/うわっ! 前触れとかないの!? ビックリしたんだけど!(笑)
GM/「私を表す効果音って言ったら、足音がロリロリ言うぐらいかしらね」……目の前の金髪ツインテール幼女が言います。
亜紀/いきなりどうしたの?
GM/「……気にせず私の言葉を聞いてほしいの」
亜紀/うん?
GM/「2月1日でも尋ねたけど、改めて訊くわ。貴方、生きたい? その返答次第では、私もこれから言うことを変えるから」
亜紀/……そりゃ、これから聖杯戦争が始まるし……この街でやるからさ、一般人は巻き込まないようにする為にも、みんなを守る為にも生きたいよ!
GM/「……もう聖杯戦争は始まっている。誰かと誰かが殺し合ってもおかしくない。けれども……今回の聖杯戦争は、今までのものとは一味違う」
亜紀/今まで……?
GM/「ええ、これまでの経験とは違うものなの」
亜紀/……10年前とは違うってこと? ただでさえ契約解除なんて異例な事が起きてるからな。
GM/答えません。ニュアンス的には10年前、20年前のものと違うって言いたいのかね。「……貴方達が成長しているように、貴方達以外も成長しているから起きたことなの」
亜紀/……誰のこと?
盟/……爆発しろ。
航/もう名指しだね!(笑)
GM/「貴方達は強くなっているわ。実感は無いものだろうけど、同じ2月4日でもかつての貴方と今の貴方は比べ物ではない。それが他の人にも起きているから、違う力に目覚めて今までにないことをやり始めている人がいる」
亜紀/……へえ。
GM/「今回はそれが、とても大きな形になった。だから、違う事件が起きた」
亜紀/違う事件……?
GM/「貴方は一般人を守るという自分のスタンスを崩さずにいけばいいわ。そのことに関しては全面的に応援する。一般人を傷付ける異端は私も嫌だから、何かあったらすぐに呼んでちょうだい。手を貸すわ」……協力宣言をします。
亜紀/わあ、ロリ様が味方についた! ロリがとう!(笑)
GM/そう思っている瞬間にも、亜紀くんは公園に辿り着きます。
亜紀/おわっ、いつの間に(笑)
GM/警察がキープアウトしている現場の中へ、まるで刑事さんのように入って行けます。中に入るとミスターBが現れます。「わざわざ来てくれたのですね」
亜紀/ちょっと気になったので来ちゃいました。キャーッ!
盟/萌えるの早いよ!?(笑)
GM/これだから弁慶厨は。「女性は、所持品から我々と同業者……能力者であることの確証は取れました。聖杯戦争に関わっていた人物の可能性が大いにあります。ですが女性の体に外傷は無く、ナイフで斬られたなどの傷も何一つありませんでした。……先日貴方が見た男性の死と全く同じなのですよ」
亜紀/あの事件といっしょ? なん……だろう? 心臓発作か、そういう魔術……?
GM/「生気や魂を抜き取るサーヴァントが暴れているのかもしれませんね」
亜紀/怖いですね……一般人の被害は?
GM/「現在はありません。ですが……一般人ではないが聖杯戦争の直接参加者でもない私達教会のメンバーが狙われる可能性は大いにある。気を付けなさい」
亜紀/だ、大丈夫ですよ。俺は強いですから!
GM/「……その強さを失うには惜しいですから。励みなさい」
航/デレの後にツンが来た。
亜紀/コレです。
航/「コレです」って、なんでそんな誇らしげなの!?(一同笑)
盟/言った後にドヤ顔したよね!? そんなみっこが我々は大好きですっ!(笑)


 ●オープニングフェイズ/航 〜2度目の出会い〜

GM/航のオープニングです。……君は、外人さんを連れてボロリアに帰宅します。エルお兄ちゃんが「ワタルは休んでいて。すぐにお茶淹れるから」と言ってくれる。
航/知らない外国人がいる。この状況は何だろう……。
GM/「ハイ、お茶。……ワタルにも説明したいから座っていてくれる?」
航/正座して座ります。……怒られるときの態勢みたいだ。
GM/エルは比較的リラックスな状況で話します。「これから、聖杯戦争ってものが始まる」……そう、7人の英霊のこと、殺し合って勝者が願いを叶えること、教会のこと、黒須が監督官をしていることを言います。必要最低限の、『第1ループ』で黒須が話してくれたようなことは全部言います。
航/は、はあ……。
GM/能力者という自覚のある航さん、話を聞いた印象はどうでしょうか?
航/えーと……一生懸命情報を整理しようとします。お隣の、コートを着ている人を見る。この人もサーヴァントって呼ばれる人なの?
GM/「さっきちょっとだけ彼と話したんだけど、クラスはアサシンらしいよ」……そうエルが言うと、親しげに頭を下げてくれるアサシンさん。
航/あ、ども。
GM/「実はね……俺。聖杯戦争に参加したいと思っていたんだ」
航/え。参加するってことは……彼と契約して、戦いたいの?
GM/コクリと頷きます。「だって、わざわざ契約できる機会が来てくれるなんて! 俺、戦争に参加するよ!」
航/やめてよ、そんなの危ないよ! ……言っても聞かないだろうけど言います。
GM/エルは負けそうになります。
航/早っ!?(笑)
GM/だって、10年間航と一緒に過ごしているから。そんなに強烈な願いでもないらしい。
航/そっか……召喚するまではしなかったけど渡りに船だからやっちゃおう的なやつなんだね。
盟/棚からボタ餅ならぬ、棚からアサシンやーんよ!(笑)
航/楽しそうだな!?(笑)
GM/しかし、エルが「参加するよ!」と言うと、座っていた男性が口を開きます。「いや、すぐに契約しなくていい」
航/……え?
GM/「少し悩んでくれ。すっげえ叶えたい願いがある訳でもないんだろ? 参加したくないと思ったなら、俺は違う能力者のところに行くから」
航/……いいんですか、それで?
GM/「偶然能力者っぽい人に会えたから契約してくれって言ったんだよ。……俺は……お前達にもう一度会えただけで嬉しいから」と、航を見ながら言います。
航/え……。
亜紀/悩む時間くれるってことですね。……切ないな、アサシン。
GM/という訳で、アサシンは強制的に契約をしません。「俺は2日ぐらいブラブラしてるから。拾いたかったら拾ってくれよ」
航/俺にはありがたいけど……。一応確認しとく意味合いで、貴方の願いは何なの? 参加したからには正体と願いがあるんだよね。
GM/ばばっと言っちゃいます。「俺には記憶が無い。自分が誰だか判らないんだ。このキーワードでどんな願いを聖杯で叶えたいか判ってくれる?」
航/自分が何者か知りたい……ってこと?
GM/「過去に一度、それが手に入る瞬間があった。でもそのとき願いを手放してしまったから……今度こそはってことでリベンジ戦さ。……だけど、俺の願いなんてそれほど重要でも無いって思っている。サーヴァントである以上闘争心はあるけど、簡単に死にたくはないって思ってるぐらいさ」
航/……生き残りたいってこと?
GM/「死にたかないね。いや、本音は『この世を楽しみたい』んだ。2週間だけでも俺は本気で生きる。……ということでバイトでも始めよっかなー!
航/人生楽しむ気満々だ!?(笑)
相馬/アサシンのスチルがいっぱい増えるフラグだ!(笑)
盟/センセイ! マックとかでバイトしていてほしいです!(笑)
GM/アサシンならマックと工事現場と居酒屋とか掛け持ち3つぐらいするぞ。
盟/やったー! 絵師が死んだー!(一同笑)
GM/「今日は仮予約。お前ら兄弟悩めよ」と言って、ガラッと窓を開ける。「呼べばすぐ来るからなー」……ちなみにエルは、航に止められて悩んでいます。
航/寛大なご処置感謝します……。生き残りたいって言うなら、気を付けてね。
GM/「3日ぐらいは何も起きないと思うけどなー」……窓からピョーンと出て行きます。
亜紀/意味深……。前回のループでの記憶ですか。
航/……飛んでいく姿を見て、本当に人間じゃないんだなと思っておきます。
GM/エルが窓を閉めてカーテンを引きます。反省した声で「ゴメンね、ワタル。ちょっと俺、突っ走りすぎた」と頭を下げる。「この前、亜紀くんが事件に鉢合わせしちゃったって言ってたよね。あれも聖杯戦争の影響だと思うんだ。この街で何かが起こり始めてるのは事実だから、気を付けてね。自分を守る為なら能力を使ってもいいから」
航/……スッゴイお兄さんらしいことを言った。
GM/秤谷エルさんには、人差し指で「めっ!」としてくれる立ち絵があります(笑) 「棚からボタ餅良くないよね……ちゃんと賞味期限とか確認しなきゃ
航/なにその過去の事例を持ち出すようなことは(笑) エルが何でも美味しそうに食べようとするよね! ……それはおいといて。エルは、自分の力で守らなきゃいけないぐらい危ない戦争の当事者になるって言うの?
GM/「う、うん……」
航/そこまでして叶えたい願いがあるんだ?
GM/「……ごめんね。俺は……もっと幸せになりたい。ただそれだけなんだよ」
航/……。生々しく『自分を一生懸命育ててくれたお兄ちゃんが苦労している現状』を受け留めてしまって航がザクゥ!(笑)
盟/しかも「もっと幸せになりたい」って……2人きりじゃ不満ってこと!?(笑)
GM/そういうつもりで言ったんじゃないよ。辛い状況で10年間暮らしているから、『もっと航を裕福にしてあげたい』ということをお兄ちゃん心に考えたんだよ。
盟/でもそこに主語が大きく抜けたから……!
航/航はしっかり勘違いしておきますね!(一同笑)
GM/「もし俺が参加することになったら、ワタルを危険な目に遭わせないためにも……俺は出て行くよ」
亜紀/っ!? なにそれ!?
相馬/それは、航にとってそれは……『もっと幸せになりたい』&『出て行くよ』のコンボは……。
GM/一応釈明しておくけど、大切な弟を守る為と思えば妥当な判断だと思うよ。
盟/大丈夫です、これはわざとネガティブに受け取って楽しむ会です!(笑)
航/そんなこと言われたら反射的にヤだって答えます! ……あー、甘えん坊はラクで楽しいな(笑)
GM/「じゃ、じゃあ俺出ていかない!」
航/陥落早いな!(笑)
盟/心の壁が無いからね(笑)
航/うう……言いたいことがいっぱいあるけど、何から話したらいいか判らないや。
GM/寝るといいと思うよ!
航/誤魔化すな!(笑) エル、お茶を飲んで!
GM/「ごくり」
航/落ち着いて、航も落ち着いて(笑) ……エルはもっと幸せになりたい?
GM/「不幸せより、ずっとそっちの方がいいよ」
航/……じゃあ今は幸せじゃないんだね。俺、幸せになるためにやり直したのにな……と、ループしてる自覚が無いのにポロッと言っておきます。
GM/「……え?」
航/……言ってから、自分でも変な顔をします。
GM/「……べ、別に幸せじゃない訳じゃなくって!」と、航の言ったことの意味が判らないので元の話に戻そうとします。
航/こっちも言ったけど意味が判らないので話を戻します。……一応デジャブ判定には成功しているからの演出でした。明日色んな人に相談してみようかな。隣で眠るエルにバカバカコツンコツンしながら寝ます。居なくなるのが一番嫌なんだからね……。


 ●オープニングフェイズ/相馬 〜2度目の対立〜

GM/次は相馬さんのオープニングです。相馬さんは小童どもと別れました。ご飯は食べたからそんなに急ではないけれど、また明日生き残れるのかな……。
相馬/明日の飯はあるのかな……このままだとヤバイのぉ。公園ではもう聖杯戦争が始まっているようだし、早くマスターを捜さなければ……公園を離れます。
GM/キィン。……遠くで、でも感じることが出来るぐらい近場で、結界が張られたような気がした。
相馬/おや?
GM/クシャミをしてたら気付かなかったぐらい小さな違和感。……それが、ビル街からする。
相馬/何か新しい情報が得られるかもしれん。行ってみるか。向かいます。
GM/気配のするビルにシュタッと飛んで行く。ここでもない、ここでもないと走ると……あるビルのオフィス一室で、炎が舞っているのが見えた。普通の火事ではないな。
相馬/……なるべく物音を立てないように、近寄って行ってみます。
GM/女性と少年が戦っている光景を見ます。
相馬/ややや? どんな2人ですか。
GM/少年とは以前戦ったことがある。棒のような物を振り回しては、チャクラムを飛ばしつつ、必死な顔で本気になって女性と戦っている。
相馬/あの小童か。
GM/女性は女性で対抗すべく少年に魔術を使って戦っているんだけど、見るからに押され気味。チャイナ服で、凄く気の強そうな……レベルの高そうな魔術師っぽいね。
相馬/あれは能力者か。つまりあやつも聖杯戦争の参加者。
GM/アーチャーが炎に纏わせた槍を女性に投げつける。女性は槍によって腹を貫かれ、盛大にデスクへ転がり、倒れる。……そのまま血を流して動かなく女性。昇華の光が出ないところを見ると、やはり彼女は英霊ではなく単なる能力者だったようだ。
相馬/ほほう。……なら、あの女が使っているサーヴァントはどこじゃ?
GM/ぜはーぜはーとアーチャーが息切れした後、「終わったから入ってきていいよー!」と声を上げます。
相馬/……なんじゃ、気付いておったのか。おぬしが殺したのは、只の能力者か?
GM/アーチャーは、令呪があったところらしい腕を手でゴシゴシ払い除けているような仕草をする。「……オレを召喚したんだもの。強いマスターだったよ」
相馬/おぬし……此奴と契約していたのか?
GM/「つい数時間前まではね」
相馬/それが、何故このようなことに。
GM/「この人、危険人物だったから! この人はね……『街中の人達を生贄にする』とか言い出したんだ! みんなの命を貰っちゃうとか吸い取っちゃうとか抜き取っちゃうとか言い出したんだよ、ホントに危険な人だった!」
相馬/それは……。
GM/「このままにしておいたら絶対にいけないと思った! ……契約解除された理由が何なのか判らないけど、されて良かったよ。今も後悔はしてないね」
相馬/……ほほう。そうか。おぬしは自分の利益より、誰か他人の利益を守ったか。
GM/「当然でしょ? 力あるヒーローは無力な人間を守ってあげるものだもん。これから死ぬ気で戦っていくのに、心許せない人に自分の背中を任せられないじゃん」
相馬/そういった概念は無かったから、と感心します。
航/……アーチャーって男前だよね。10年ぐらい経ったら凄くカッコ良くなると思う。
GM/きっと声が子安っぽくなってるよ。
盟/私のアーチャーを返せ!(一同爆笑)
GM/「凄く優秀な魔術師だったみたい。人を犠牲にすればなんでも叶えちゃうぐらい……それぐらい力もあったし野心もあった人だから、もしかしたら聖杯戦争に勝ち残れたかもしれないけど、もうこの人と契約するのは嫌だ」と言いながら、アーチャーは死体を片付け始めます。
相馬/その様子を見ています。
GM/背中を思いっきり相馬さんに見せながら、「襲わないでねー」
相馬/安心しろ。先程の話を聞くに、おぬしの事を背中から討つ気にはなれん。
GM/「惚れてもいいんだよー」
相馬/また唐突な事をおぬしは言うのぉ。
GM/ある程度アーチャーは彼女を片付けます。「ふう、終わった。……マスターと戦うのに傷付いちゃったけど、バトルロワイヤル戦なら仕方ないよね」と言って、相馬さんに武器を向けます。
相馬/……いや、今日のところはやめておこう。
GM/「……今、そんな言葉言われたら嬉しく思っちゃうよ」
相馬/構わん。おぬしは悪い奴ではないようだしの。それになかなかのツワモノと見た。出来る事なら万全な状態で戦いたい。
GM/「ありがたーい」……時空鞘に武器をしまいます。霊体化して窓の外に出ます。「名前、何だっけ?」
相馬/ワシは相馬じゃ。おぬしの名も教えるがいい。
GM/「アーチャーだよ。名前は、親しくなってからじゃないと教えちゃダメなんだよー? ……じゃあね、お父ちゃん!」
相馬/おぬし程デッカイ子供を持った覚えは無いわぁ! ……ワシはそんなに老けておらんぞ(笑)
GM/「あちゃちゃちゃーっ!」と楽しげに去って行きます。……そのとき、誰かがこの階層にやって来るのが聞こえてくる。おそらく教会のエージェントだろう。
相馬/あの連中に訊かれるのは面倒だしのぉ。ワシもさっさと退散するか。シュインの消えます。
GM/……誰も居なくなるオフィス。数分後、グチャグチャになった部屋に入って来る教会のエージェント。
盟/ボロボロな階層に溜息をつくエージェント達(笑)
GM/そして男は口を開く。
亜紀/……男?
GM/超低い、暗い声で)「……大変な……崩れよう……だな」
亜紀/死にそうな声がキター!(笑)

 エージェント達が周囲の復元をし始める。そんな中、1人の男が女性の死体に近付いた。
「……やはりオマエは……ココで倒れる……運命だったか」
 哀れむような目をし、微かに口元を歪める。
「その運命は……変わらないか……たとえオマエが変わったとしても」


航/…………。
相馬/……なんだよ。
航/……ダウナーさんが、立って歩いてる(一同爆笑)
GM/ダウナーさんだって立って歩くよ!?(笑)
盟/でもダウナーさんって黒須の車椅子を見て「……それは、ラクそうだな……」って言いそうだよね(笑)
GM/車椅子はラクだよ。なんせDCC製だからな。
盟/DCC製!? ボブかよ!?(笑)
GM/ちなみに、現在DCCは古川財閥の傘下である。
航/そんな企業を買収するなよ古川財閥ッ!(一同爆笑)

 DCCについては、『ガンドッグ・リプレイ〜Answer the Voice』参照のこと。
 どんだけクロスオーバーすれば気が済むのだろうか。



 ●オープニングフェイズ/盟 〜2度目どころじゃない〜

GM/盟ちゃんのオープニングシーンです。プリプレイでも言ったけど、4日の夜と5日の朝、どっちがいい?
盟/相馬さん達と別れた後に「おかえりぃ〜」って言うオッサンと、朝起きて「おはよぉ〜」って言うオッサンか……。寝起きの方が殴りたくなるので、朝にします。
GM/では夜にします
盟/なんでぇ!?(声をガラリと変えて)判りました、全力でいきますね。
航/なんて挑戦的なGMとプレイヤーだ!(一同笑)
GM/盟ちゃんはサーヴァントと思わしき霊と別れた後、八木沼邸の敷地に入ります。
盟/おもむろに屋敷に対して感知!(ころころ)【知覚】で10です!
GM/忌わしいモノが居ると思った。
盟/魔導書を構えて≪魂砕≫を使用します。
GM/青森もセットアップで≪魂砕≫使用します。
盟/事前にマイナーで≪幻惑の衣≫を使用します。
GM/イザとなったら令呪を使って英霊を召喚します。
盟/クッ、それは僕にサーヴァントがいないと知ってのことか! 愚弄するな青森っ!
航/まだ出会ってもいないのに会話すんなよお前ら! ニュータイプ同士か!?(一同爆笑)

 全て古川の血筋である。

GM/ロザリーの「お帰りなさいませ」の言葉も無視して応接間に向かう盟。そこに座っているのは、≪+50英姿颯爽≫と≪+50明朗快活≫でケーキを5皿ぐらい優雅に食べている青森恐一、45歳。
盟/全然優雅じゃねー!(いきなりころころ)4D振って、ダメージは24点です!
相馬/殺意高ぇ! ロリが言ってたね、「みんな成長してるのよ」……って(笑)
GM/青森は≪気迫の盾≫で【MP】24点消費してダメージ0にします。
盟/は、腹立つ! 魔導書のカドで殴る!
GM/「に、2回攻撃とは……チートな……ガクリ!」 青森さんが気絶してしまったので、盟ちゃんのオープニングが終わります(一同笑)
盟/それはそれで構わない!(笑)
GM/そうしてプレイヤーの言った通り、シーンは2月5日の朝になります(一同爆笑) +50で「いよぉ!」
盟/大丈夫か、頭の傷。
GM/「大丈夫か、【MP】」
盟/大丈夫だ。この屋敷はいつか≪スーパーテリトリー≫になるからな。これくらいなんということはない。
GM/「という訳で、オッサンと一緒に朝食を取ろうな」
盟/ロザリー、来てくれ。変質者がいる。
GM/「どうも、八木沼盟の親戚の変質者です」
盟/ええい、縁を切れ!
GM/「ええい、≪魂掬び≫!」
盟/お前の【HP】なんぞいらんわぁ!
GM/「じゃあ、お前が俺の話を聞きたくなるようなことを言ってやるよ!」
盟/なんだ!? ちょっとやそっとじゃ食い付かないぞ!
GM/俺はGMが用意したNPCだ
盟/…………話を、聞こうか!(一同爆笑)
亜紀/完全敗北宣言っ!?(笑)
航/一旦終了しますか(笑) 画面が一瞬暗くなって、背景が朝食のシーンになりまーす。
GM/という訳で、話し始める青森です。「お前、自分のサーヴァントはどうした?」
盟/いなくなった。
GM/「だろうな。……知ってるだろ、俺が教会のエージェントだって。契約解除のことは聞いてるぜ」
盟/ああ、知っている。僕を嘲笑いに来たのか。
GM/「このまま聖杯戦争を降りるって言うなら教会として支援してやるよ。だけれども、親心というか親戚心というか……」
盟/ロザリー、紅茶おかわり。
GM/「俺も苺ジャムを1瓶おかわり」
盟/お前はウチの台所を食い潰す気か!?(笑) さっきメープルシロップを1瓶空けたところだろ!
GM/「教会の関係者として忠告しておきたいことがあるんだ。……ここ5日間で事件がメッチャ起きてる。その事件が聖杯戦争と関係があるっていうのも、なんとなく予想はつくだろ」
盟/……ああ。事件はやはり夜に起こっているのか。
GM/「大半は夜だ。その事件の被害者は、魂が抜かれたかのように綺麗に事切れてる。それぐらいしか今は判ってない。今のところ被害者は能力者だから、教会も本腰入れて探りを入れられない。教会は聖杯戦争参加者に被害が及んでも干渉はできないからな」
盟/ああ……。
GM/「1人でも一般人に被害が出たら動き出すけどな。……そんなの願わないけどな。出なければ出ない方が良いと思うし」
盟/教会の本意として調べないのはいいが、……お前自身は調べる気は無いのか?
GM/「……興味あるから調べておこうかなぁ」と匂わせる言い方をします。
航/ズルイ言い方だな。……血の繋がった会話だ(笑)
GM/「俺の調子が良かったら情報流してやるよ」……では、【理知】判定難易度6。
盟/(ころころ)16で成功。
GM/余裕だね。「昨晩、ビル街でマスターと思わしき能力者の女が死んだ。海外から来た能力者、武装、下準備、何から見ても『この街に戦いに来た女』であることから、マスターで間違いないと思われる。胸を刺されて死んでいた」
盟/……変死事件とは別件だな。
GM/「やっべー、口滑らせちゃったー」と笑って言います。「まあ、心優しい青森のオッサンは親戚の男の子に合わせてあげますよ!」
盟/腹が立つがここは我慢だ、盟!(笑) 今はサーヴァントは無いがそのうち優秀な僕は聖杯戦争に参加する! だからもっと情報を吐くんだ!
GM/「やっぱ戦争参加する気なんだな。……黒須が聞いたらどんな顔するだろうな」
盟/…………。
GM/「ごちそーさんでーす。ま、連絡先教えておくから何かあったら呼べよ。『コネクション:青森』として使えるから」
盟/……そのまま見送ります。


 ●ミドルフェイズ1/February 5rd Scene 1

GM/2月5日、学校に登校する学生達。午前の授業が終わり、みんなでご飯を食べる為にいつも通り屋上に行きましょう。
亜紀/わーい、ご飯だー!
盟/重箱持って行きます。うう、ロザリーが「今日は量を多めに作っておきましょう」って言ってた……何があるか判らないって何だろう(笑)
航/ロザリー、≪未来視≫持ってるね(笑)
亜紀/俺、ロザリーさんの料理大好きー!
航/わあ、祐希! コレ美味しそうだね!
GM/(祐希になって)「エルの作ったお弁当も美味しそうだね」……そんな天気の良い2月の屋上。「あ、僕……体育の時間があるから早めに食べて行くね」
亜紀/そっか、祐希は働き者だなぁ。
GM/祐希は早々にシーン退場します。屋上での平和な風景。……相馬さん、シーン登場する?
相馬/はい、是非とも! ……くんくん、ここは美味そうなニオイがするのぉ……。
亜紀/う。なんか、禍々しい物体がふわーんとやって来て霊感がビシビシする……。
盟/カゴの下に卵焼きを置く。ロープで棒を縛る。待つ。
航/……盟ちゃん、何待ち? 卵焼き貰うよ。
相馬/おぬしら、何をしているんじゃ。
盟/お前が引っかからないから航が引っかかったじゃないか!
航/えっ!? 相馬さんを捕まえる仕掛けのつもりだったの!?(笑)
相馬/何故ワシが怒られなきゃいけないんじゃ!?(笑)
亜紀/どうもどうもこんにちは、幽霊さん。お腹が空いてますか。どうぞ。
相馬/うむ、良き心掛けじゃ! 頂くとしよう。ぱくぱく! うむ、美味いのぉ! この肉は美味じゃ。
航/幽霊も食べるんだね。
盟/ああもうっ、航の分まで食べないでよ! ちゃんと数を数えて食べてよね!
亜紀/あ、じゃあ俺の卵焼きあげるよ。自作の。
相馬/もちゃもちゃ。……う、うむ。重箱の方をパクパク(笑)
航/え、エルの弁当はやんねーからな!(笑)
盟/人様の物を強請るなんて、まったく……躾のなってないサーヴァントだなぁ!
相馬/ああん? なんじゃと、この童が……ぎりぎり。
航/適当に話振っておくけど。……昨日捜していた人、見付かったの?
相馬/いや、見付からん。
盟/ドンマイ、捨てられたって落ち込むなよ。
航/盟ちゃん、八つ当たりすんなよ!(笑) 大丈夫だよ、居なくなった猫だって盟ちゃんのこと捜してるよ!
亜紀/幽霊さん、紅茶どうぞ。コーラをブレンドしてありますけど。
相馬/混ぜてはいけない物が混ざってる! しかも水筒だから温いし炭酸も微妙!(笑) う、うむ……馳走になった。ではワシはこの辺で。
航/ご飯食べに来ただけだ!?(笑)
盟/コイツ、たかりに来ただけだぞ! 何しに来たの、コイツ!?(笑)
亜紀/本当に何しに来たんですか(笑) そうだなぁ……紫の人は、学校には居ないと思います。そんな人が居たら目立ちますし。
相馬/そうか。違う筋を当たってみよう。情報と飯、感謝致す。
GM/これで君は今日も生き延びたね。
相馬/ふう……いつまでもこのような生活を続ける訳にはいくまい。早くマスターを見付けなければ。
盟/僕、空いてるよー!
相馬/おぬしのような幼子をマスターにして巻き込むのはな……。この先、ワシがマスターを見付けだすことが出来なければまた考えようぞ。
盟/後で吠え面かいたって知らないんだからね!
亜紀/だから、そういう話はヨソでやってって言ってるじゃないですかー!(笑) 無関係者がいるんですからー!
相馬/ではワシは失礼するぞ。
航/俺を蚊帳の外にしないでよー! ……おもむろに【理知】判定しておきます。(ころころ)ああ、今のサーヴァントか!
GM/では、航さん。そろそろ授業だね。
航/はい。俺、英語の係だからそろそろいくね!
亜紀/判った。お疲れ様ー。
盟/ごめん、疲れたから後で行く……。重箱ガチャガチャ。
航/ガチャっと屋上出るとき。あ、そうだ。俺、今夜から聖杯戦争参加するから!
亜紀/はあっ!?
盟/ええっ!?
航/ドアがちゃん。≪クリエイトゲイト≫ー!(笑)
盟/か、≪籠抜け≫すんぞ!?
航/やってみろ、俺は逃げ技いっぱいあるぞー!(笑)


 ●ミドルフェイズ2/February 5rd Scene 2

GM/航さん、英語の授業の時間です。職員室の先生の元へプリントを取りに行きます。先生は男がいい? 女がいい?
航/……女で! 母性を感じる女性で!(笑)
GM/「じゃあ秤谷くん、これ持ってね」と熊谷ミモザ先生が言います。
航/……アンタか!?(笑)
盟/またスターシステムか!
GM/「ちょっとプリント重いかもしれないけど、秤谷くんなら元気だし大丈夫ね。……あ」
航/はい?
GM/ミモザ先生は目の色が一瞬変わり「……先に教室へ行っててね」と言って、ふらふらどっかに行ってしまいました。
航/ん? 教室に向かいます。プリント配布するぞー、おらオメーら座れー! ≪勇者の声≫使うぞ、座れー!(笑)
GM/屋上から盟ちゃんも戻って来るよね? それとほぼ同時に、教室にミモザ先生が……男性を連れて入って来る。
盟/男性?
GM/航からすれば、さっきまでミモザ先生1人だったのにね。なんでスーツを着て眼鏡を掛けたアサシンがいるんだろ。
航/プリント全部ばっさーと落とします。
盟/あれ……AET、オーストラリア人だったような気がするのに。新しい先生に変わったんだな?
GM/そして、ごく普通に授業が始まります。
航/え? ……えっ!?(笑)
GM/授業は普通に進みます。基本日本人のミモザ先生が進めて、男性の先生は綺麗で流暢な英国英語を聞かせてくれる。
相馬/そんなカッコイイ声の先生に女子生徒達が隠れて「キャーッ!」(笑)
航/なんで≪魅了の眼≫使ってるんだ!?(笑)
盟/良い発音だな……今度のAETは使えるな、コイツ悪くない(笑)
航/なんでみんな説明も無く授業受けてるの!? と、とりあえず盟ちゃんの方を見ておきます!
盟/普通にノートを取って、満足そうに笑っておきます。本場の英語は良いな、クイーンズイングリッシュが一番だ!(笑)
航/スッゴイ良い笑顔してる!(笑) 前の席の男子にツンツン! ……あのさ、AETってもっとボンキュッポンじゃなかったっけ!?
GM/(男子生徒になって)「ふぇ? あー、あの先生も胸囲ありそうだな」
航/そうじゃなくて!(笑)
GM/(女子生徒になって)「ちょっとぉ、男子ウルサイんですけどー!」
航/ごめんなさいー!(笑) 半分はコイツですぅー!
GM/ミモザ先生が「あらあらうふふ」。……そして航に近付いて来る男の先生。丸めた教科書でポフッと頭を殴って、「いつもウルサイ奴だなぁ」とからかうように言う。
航/いつもって、お前初めて教室来たじゃないか!?(笑) ……ノートに「いつもって何だよ!?」と書いて、アサシン先生に見せます!
GM/アサシン先生は、ノートに綺麗な筆記体で返事を書きます。
航/読めなーい!(笑) 字がメッチャ綺麗じゃねーか! 流石ジャック・ザ・リッパー!
盟/なんだ航、判らないところでもあったのか?
航/盟ちゃん、俺の代わりに【理知】判定して!
盟/ファンブらなかったら成功だな。(ころころ)15です。
GM/『お前の思っている通りだよ』。
盟/……だそうだ。ユーアーオールライトじゃないか。
航/あ、後で校舎裏に来ーい!(笑) ノートに書いてアサシン先生に投げつけます!
盟/それは航の頭をポカン! 授業中に紙ヒコーキとか何だ!? 学級崩壊か!(笑)
航/もう俺の常識が崩壊してるよ!(笑)
GM/ではではそんな感じで1時間。キンコンカンコーンと鐘が鳴り、授業が終わります。
航/プリント回収します! ミモザ先生に渡します! 黒板消します! ……先生、ちょっと! 学級崩壊しようぜ!(笑)
GM/「キャー、連れて行かれるー」と……校舎裏の、人の居ない所に来ました。「どうしたんだい、秤谷くん?」
航/先生……何してんすか。
GM/「眼鏡、黒ブチの方が良かったか?」
航/フレーム無しだったのか!?(笑) どこで何をどう用意したー!? しかも結構楽しんでるんじゃねーよ!
GM/「楽しむって言ったじゃーん」
航/その通りだ!(笑) 満喫し過ぎでビックリしたよ!
GM/「午前中はコンビニの店員をしてたんだぜ」
航/どうでもいいよ! 48時間の自分探しの旅か!?(笑)
GM/「自分探しと言えば、ワタルはどうなんだよ。お兄ちゃんと喧嘩しちゃった?」
航/喧嘩はしてないけど……準喧嘩みたいな状態にはなってるよ。
GM/頭撫でます。
航/わしゃ。……なに?
GM/「ふふーん」
航/なにそれ。……俺、ブラコンだから撫でられるとなびくんだよ!(笑) そういうことするのは小学校の先生ぐらいだよ。
GM/「先生っつーか、弟を見守る兄っぽいかなーって思ったから。こっちはお前達に優しくしたいんだよ」
航/……。優しくしてくれるついでに、ちょっと話を聞いてくれない?
GM/「なんだよ」
航/あんまり笑わないで聞いてね。……俺、小さいときからの夢があるんだ。
GM/「何だ?」
航/兄ちゃん……エルを、幸せにすること。
GM/……凄い良い笑顔になります。「良い願いだな」
航/なんでか判らないけど、使命感みたいにずっとそう思ってるんだ。エルがお兄ちゃんになったあの日から10年間ずっと。……だから、昨日の話は正直ショックだった。
GM/「ショック?」
航/エルは「もっと幸せになりたい」って言ってたから、今があんまり幸せじゃないんだって思って……。
GM/「それは違うと思うぞ」
航/でも……。パッと剣を出します!
GM/「おっと」
航/俺はこの通り、それなりに能力のある人間だ! 何にもしないで見てるだけじゃない、ちゃんとエルを幸せにする為に力を使える! だから……俺に出来ることをやろうと思うんだ。
GM/「……出来ること?」
航/手を出します。……俺が聖杯戦争に参加する! それで、エルの願いを叶える。そうすれば……俺は『エルを幸せにする』という自分の願いも、エルの願いも叶えられる! 良い手だと思うんだ。
GM/「……聖杯戦争に参加する決意は出来たんだな、弟さん?」
航/俺はこの街のことには詳しいし、魔法は使えないけど充分に戦っていけるだけの力はある。……でも、アサシンがこんな無能な俺が嫌だって言うならこの話は無かったことにしても……。
GM/グイッ。アサシンが航の手を引きます。
航/わっ。
GM/抱き寄せて、ぽんぽんと頭を撫でます。「宜しく頼む。俺と一緒になってくれ。もう一度、契約してくれるか」
航/……うん! 「もう一度」っていうのはよく判らないけど……契約してほしいんだ!
GM/契約完了。マスターが航、サーヴァントがアサシンになります。「宜しく、マスター」
航/航でいいよ。
GM/「じゃ、ワタル」……親しげに呼びます。「お前とまた仲良く出来て嬉しいよ。判らないことがあったらいつでも俺に言えよ。……あと一応、お前には話しておくな」
航/……うん?
GM/「俺は、元はあるマスターに召喚されたんだ。女のマスターだった。生まれはソ連かどっかじゃね?」
航/は、はあ……。
GM/「2月3日の夜、一斉にサーヴァント達の契約が解除された。あのとき、俺がマスターのところに駆け寄ったときにはもう……彼女は事切れていたんだ」
航/死んでた……の?
GM/「外傷は一切無い。眠るように死んでいた。その後にすぐに教会のエージェントが来やがった。警察が来る感覚はちょっとトラウマっていうか……このまま現場に居たらヤバイと思って逃げ出したんだ」
盟/……とりあえず逃げてみたんだ? 「俺はやってない!」って言いたいんだね。
GM/「ああ。だってサーヴァントが居て、死んでる能力者がいたら……普通は怪しまれるだろ」
航/確かに……。
GM/「……俺だって、二度もあの過ちを犯したくなかったのに。俺が変わればなんとかなると思ったけど、それは運命が許してくれなかったみたいだ」
航/……ん? ……召喚してくれた人が死んじゃって、辛かったよね。さあ、帰ったらどうやってエルに言おうか考えておきます。