アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第4ループ3話 『Transient snow palm』 4ページ ■
2010年3月4日




 ●プリプレイ

航/前のプレイからもう1週間経ったんですけど、これから藤原につくか、盟ちゃん達といっしょにいくか……正直、まだ悩んでます。
相馬/相馬も、流されるように盟のサーヴァントになりましたがあんまり巧く動けないんで……いっそのことアサシンルートを目指した方がプレイしやすいって考えてました。
GM/どのルートにいってもそれなりに面白そうだとは思うけどね。……相馬さん、アサシンルートに行くことにする?
相馬/うーん……やっぱそうします。いつまでもアレコレ考えているよりは一つに対象を絞っちゃった方がいいと思うんですよね。
盟/結局は「なるようになれ」になるよ。
GM/(暫くシナリオ整理をして)……ではでは、ある程度プレイヤーの中で相談が終わったみたいなんで、今回のハンドアウトを読むぞー。まずはPC1の航からー。

『PC1:秤谷航 用 ハンドアウト』
 コネクション:金髪の男  関係:不安

 君は夢を見る。今までに見たことのない怖ろしい悪夢を。
 目を覚ますと、そこは住み始めて数日が経つ八木沼邸の部屋だった。
 今まで過ごしてきた部屋とは違う、広くて、それでも一人だけの部屋。
 そんな君のもとに金髪の男は現れた。


航/え……『金髪の男』って、エルが現れるの!?
盟/エルって昇華されたよね? なんで復活してるの!?
GM/で、PC2相馬さんの急遽変更したハンドアウトはー……。

『PC2:相馬 用 ハンドアウト』
 コネクション:アサシン  関係:自由

 夜、八木沼邸の屋根の上で周囲を見渡している。
 すると、同じように八木沼盟を守る男が君の前に現れた。
 本来では戦う運命であるその男と、君は視線を交わす。


亜紀/おおー……アサシンだー。
相馬/わくてかわくてか。
GM/このシーンが終わった後に相馬さんは盟ちゃんの夢を見てもらいます。で、盟ちゃんのハンドアウトだが……。

『PC3:八木沼盟 用 ハンドアウト』
 コネクション:青森恐一  関係:ウマが合う

 君は夢を見た。それは契約した相手の過去だ。君は相馬の夢を見る。
 さて、君が起床すると朝イチで来訪者が居た。
 彼は声を小さくして話し出す。「聖杯のこと、お前には話しておきたいと思って……」
 そのとき、隕石が君の庭を直撃した。


盟/ええええー!?(一同爆笑)
亜紀/隕石がじゅどーん!?(笑)
盟/青森を設置するからそこに隕石落ちてこい!(笑)
GM/青森に指定するな! ≪麗しき犠牲の盾≫か!(笑)
盟/麗しき青森の盾!(笑) って、八木沼邸で寝起きしてるから航達も隕石に巻き込まれるね。

『PC4:早乙女亜紀 用 ハンドアウト』
 コネクション:ランサー  関係:親愛

 君は夢を見た。そういえば黒須が言っていたかもしれない。契約した相手の過去を見る夢があると。
 目を覚ますと、君は時折仕事後に使っていた教会近くの宿舎に居た。
 少しだけ休むつもりがどうやら本格的に眠ってしまったらしい。隣には、契約したばかりの彼がいた。……夢の中にいた彼が。


亜紀/カッコイイ……やったー。弁慶さんの夢は初めてだー。しかも俺、サーヴァントの夢を見るの初めてなんですよ!
GM/(ハンドアウトを読みきって)……ふう。
航/GMがやりきった顔をしてるぞ。
GM/ハンドアウト作るときが一番ドキドキするんだ。それでは皆さん、セッションお疲れ様でしたー。
一同/あれー!?(笑)


 ●オープニング/航 〜笑顔〜

GM/一番最初のシーンはPC1の航から。……いきなり疲れた顔をしてるけど、頑張って。

 航は夢を見た。「これは夢だ」というのを自覚している夢だった。
 15歳の君が10年前の火事の中に居る。
 10年間思い出すこともなかった、見たくもないと思い続けてきた悪夢の中。全てが燃えていく怖ろしい世界の中に――。


航/黒須先生が昔のことを思い出させてくれたからこんな夢を見たのかな……。ビクビクしながら辺りを見渡しておきます。
GM/君の過ごして来た家が燃えている。小さな体で炎から逃げようとすると……遠くに、丸焦げになって倒れるお父さんとお母さんが見える。
航/い、嫌な記憶だ……。叫びながらそこから逃げ出します。
GM/逃げていると、何者かが君を小脇に抱えた。どうやら助けてくれるみたいだ。
航/小脇に抱えて? ……エルですか。
GM/うん。今の君には名前も知らない金髪の男が助けてくれます。けど一瞬君が目を伏せると、助けてくれた人が黒須に変わっている。
航/ああ、2人で助けてくれたんだな……と認識します。
GM/黒須がなんとか体育館に君を連れてくると、そこは死屍累々。周囲は熱く、今にも死にそうな人、今死んだ人が溢れている場所だ。
盟/悲鳴だらけのBGMなんだな。「お父ちゃーん!」とか「逝くな!」とか聞こえてくるんだ。
航/うう、あまり思い出したくない……。さっきの金髪の男を探そうとしてみます。黒須先生……さっきの人は?
GM/(黒須になって)「今はそんなこと考えなくていい」
航/……そんなこと言わないで教えて! 俺、あの人に会いに行かなきゃ!
GM/「そんなに会いたいか」
航/……うん。
GM/「もう奴は遠くに行ってしまった。お前は会えない。それでも会いたいなら……会いに行くといい、あっちだ」と黒須が指を差すところには、光。そこに金髪の彼がいる。
航/……。
GM/彼の姿を目が捉えた瞬間、光がバッと広り……目を覚ます。真夜中の、八木沼邸です。
航/……。怖い夢を見たので心臓を抑えます。
GM/今まで悪い夢なんて見たことなかったのに、何でだろうね。
航/エルが消えて≪夢の王≫の効果が切れたからですね。……もう一回頑張って眠ろうとしてみます。
GM/カタン。窓の外で音がした。
航/ぴくん。……誰? 盟ちゃんの≪テリトリー≫だから怪しい人が入って来る訳が無いよね……。
GM/そうだね。その相手は君に敵意を向けず、ただ窓際に立って、月明かりの下で立っている。……それは、あの金髪の男だ。
航/ビックリして、布団を払い除けて飛び起きる! 窓を開けてみますが……。
GM/「入れてくれるの?」……あの人の声だ。
航/……貴方、誰ですか?
GM/「君の大切な人、だといいな。覚えていないの?」
航/……貴方が大切だったことも思い出したけど、子供の頃すぎて……よく覚えてないんだ。
GM/金髪の男は部屋の中に入ります。「……俺のコト、好いてくれる?」
航/う……。
GM/「どれだけ俺のことが好きなのか、教えてくれるかな?」
航/…………。もう一回、一緒に過ごしたいと思うよ。それが……愛情なのか友情なのか、家族愛なのか判らない。
GM/「そうなんだ」
航/けど! 今の俺は……貴方を取り戻したいと思っている。
GM/「……」。長身の金髪の男が航に近寄って来て、頭を撫でる。……では【知覚】判定をお願いします。難易度は8。
航/(ころころ)12で成功です。
GM/金髪の男は撫でながら優しく笑って「ありがとう」と言う。そして君は思う。……『絶対この人は金髪の彼なんかじゃない』と。
航/んっ!? この人は違う! ≪片手武器≫をバッと出します!
GM/いきなり乱暴そうな口調で)「おおっとぉ!? ふぅー、何すん? 折角アサシン様が良い想いをさせてあげようと思ったのにー」
航/アサシン、お前かっ!(笑)
GM/「いやぁ、そんなに大切な過去があるっていいねぇー」……第一、まず侵入者が入ったら盟ちゃんに判定してもらうよ。
盟/そうだよね、ずっと「判定しなくていいのかな」って思ってたんだ!(笑) ≪日常の復元≫でエルに変身してたね。
航/お、俺だって……ちょっと前までそんなの無かったよ。なんでそんなことするんだよ!?
GM/「気になったから。昇華したサーヴァントが何者なのか疑問だったんだ。一番の手掛かりはお前だと思ったから夢の中を調べてみたら……面白くなるかなって思って」。ニヤニヤ笑いながらアサシンは近寄って来ます。
航/他人事だと思って……綺麗な思い出を汚されたような状況だ、ギリッ(笑)
GM/「だって他人事だもん」……ちなみに姿はまだエルのままです。
航/なにそれ萌える!(一同爆笑)
GM/「『誰かに会いたい』だなんて優しい記憶か。良いねぇ。どうよ、その優しい記憶に溺れてみたくはない? 今の俺はお前の大切な人だぜ」
航/やめろ、ふざけんな! ……出て行ってくれ。
GM/「お前さん、怪しい動きしてない?」
航/どきー。つい数時間前に藤原さんと高級なイタ飯を食べてきました(笑)
GM/「してるワケ、ないよね?」
航/……お前にだって知ってる通り、俺は力なんか無いから何も出来る訳ないだろ。
GM/「そうだね、お前さんはただ守られるだけの弱っちい奴だ。でもお前さんが白と言えばウチのマスターは白と言う。お前さんがどうなろうが俺は興味無いが、忠告だ。立場ハッキリさせた方がいいぜ?」
航/……ご忠告ありがとう、しっし!(笑)
GM/「一応忠告したからなー。……早くハッキリさせろよ、お前のせいでみんな死んでいくぜ」


 ●オープニング/相馬 〜主君〜

GM/次は、PC2相馬さんのオープニングです。屋根の上で……。
相馬/酒を飲んでいていいですか。
GM/月見か、なんと優雅な!(笑) 今日はCG映えするぐらい良い月だしね。
相馬/しかし若干酒が不味い。うぬぅ、なんなんじゃ航は……ワシが折角守ってやろうとしているのに下手な嘘を吐きおってごっくごっく!(笑) 大体盟も盟じゃ、なんであんなに甘いのじゃ!
亜紀/ヤケ酒か! お父さんの総愚痴り大会だ(笑)
相馬/これではワシは結局誰のサーヴァントなのかよう判らんではないか、ううう!(笑) ……と溜息を吐きながら月を見ています。
GM/酒を煽って月を見ていると……カッと足音がする。誰かがやって来たようだ。
相馬/んっ? 刀を構えて、誰じゃ!
GM/……屋根の先に男が立っている。その姿は、君をこの世に喚び、数日間だけだが共に暮らした男――藤原だ。
相馬/お、おぬし!?
GM/彼は無言で君を見ています。
相馬/おぬし、今まで何処にいた!? ズカズカと近寄って首辺りを引っ掴んで揺さぶります!
GM/「オヤ、そんなに大事にしてくれましたか? 今のマスターには恵まれていないようですね」
相馬/それは……仕方あるまい。ワシの見る目が無かったということじゃ。
GM/「今のマスターが気に入らないのなら、さっさと殺してしまえば良いのでは? 貴方程の人であれば穴を突くことなど可能でしょう。なのにしない貴方は単なるお人好しか」
相馬/ワシとてこれでも武の士の端くれじゃ。主と決めた奴にそのようなことをすることは出来ん!
GM/「ではもし『オレ』が敵として現れたら、迷い無く刀を向けられますか」
相馬/ああ……ワシはおぬしを斬る!
GM/「そうですか。そのときが来たら本気で『オレ』と戦ってくださいよ……本気でね」
相馬/……。おぬし、誰じゃ。
GM/「…………ちょっと似てなかったか?」
相馬/彼奴は自分自身のことを『オレ』とは言わんかったわ。大体彼奴はもっと偉そうな奴でワシがどんだけ態度を改めよと言うても尊大不遜なものが悶々と出てきおって……(笑)
GM/じゃあ『アタクシ』?
相馬/ぶはぁっ!(笑)
GM/「『ボクチン』の方が良かった?」……と諏訪部っぽい声で言います。
相馬/やめろ! 今すぐやめろ! その姿で言うのはやめろ!(笑)
GM/「あいよ」……藤原の姿が変わり、アサシンになります。
相馬/なんじゃ、おぬしだったのか!
航/……なにこの、アサシンによる昔の男祭(一同爆笑) でもアサシンにはそういう人はいないから、やった後でイライラするんだろうね。
亜紀/「どうせそんな奴は居ないよ! 過去のある人はいいよねぇ!」みたいなことを言うんですね(笑)
相馬/……嫌なものを見た……意外とダメージでかいのぉ(笑) 非常に気持ちが悪いわ。
GM/「過去にいる知っている奴に会うと楽しいかなと思ってやってあげたんだけど」
相馬/全然楽しくなかったわ。……それにおぬしの手の上で踊らされているようで腹が立つのぉ! 無礼じゃぞ!
GM/「お前さんと仲良くするつもりは今のところは無いからなぁ。共闘って言われてるけど……殺さない程度に痛めつけたって問題無いだろうなぁ?」
相馬/ほぉ、このワシと殺れるとでも?
GM/「いや、今はやんねー」……サッとアサシンが動くと、コートに血糊が付いているのが判ります。
相馬/おぬしも影でコソコソやっておるのか。
GM/「アサシンですから!」
相馬/……そうか、アサシンか。
GM/「あ、言っちゃった」……言っても慌てません。自分の立ち位置にあまり興味は無いらしい。「変身は俺の特技の一つさ。お前さんにだって自身の力やそれぞれサーヴァントの力があんだろ?」
相馬/……サーヴァントの力? そんなものがあるのか?
GM/「……知らないの?」
相馬/なにそれ? なんなんじゃ。
GM/「え、知らない? キャラクターシートに書かれている特技以外にも『アーチャーが単独行動ができる』とかあるだろ」
相馬/なんじゃと!? 初耳じゃ!
GM/「……召喚されたときに記憶の混濁を起こしている?」。そういえば、ハンドアウトでも記憶が何とかとか書いてましたね。
相馬/ハンドアウトぉ?(ガサガサと探って)えっと、コレか? 『記憶まで曖昧になっている』……?
航/そんなのあったねえ! メンズナックルとか食べてるだけの人じゃなかった!(笑)
GM/「もしかしたらお前、イレギュラーな召喚の仕方をされたのかもな」
相馬/い、いれぎゅらー?
GM/「万全な状態で召喚されていないサーヴァントかもしれないってコトだよ。ホラ、計算式が間違ってたらちゃんとした答えが出る筈ないだろ。お前さんは完璧な状態で聖杯戦争に参加してないみたいだな」
相馬/……隠された能力か、気になるのぉ。知ろうにも彼奴は何処に居るのかも判らんが。
GM/「あれ、やっぱ元のマスターのコトが気になる? 戻りたい?」
相馬/……未練にならないと言えば嘘にはなる。彼奴は嫌な奴ではあったが思い切りは良かった。今のマスターを見ているとな……若さ故仕方の無いこととはいえ、本当にこの聖杯戦争を勝つ気があるのか疑問じゃ。
GM/「なんで聖杯を取りたいの? そんなに叶えたい望みなの? 命を懸けてでも叶えたいもの?」
相馬/……。無言になります。
GM/「俺は刹那的に生きる快楽主義者だから、どんな生き方でも死に方でもキモチ良くなりたいんだよね。だから……苦悩してる奴はダイッキライだ」
相馬/……皆、おぬしほど潔くはなれんのじゃ。
GM/「まったく、聖杯戦争を早く終わらせる手段は無いのかねぇ。いっそのこと、この街に居る奴を全員殺しちゃえば全部済むのかなぁ」
相馬/何を物騒なことを。もしそのようなことになった場合、ワシは全力でおぬしを止めなければならん。
GM/「冗談、だって令呪で縛られてるもん。ありがたいとは思うけどね」
相馬/…………。ホイっと酒をあげます。……ワシは暫くここに居る。
GM/「……俺が早く終わらせたいって言ったのに、何が言いたいの?」
相馬/いや。たまには月の下の酒も悪くは無いということじゃ。
GM/「それってアレ? 『月が綺麗ですね』って言いたいの?」
相馬/違う。クイッと酒を飲みます。……焦って死に急いでも何も得られんぞ。
GM/「……。酒飲んで、寝て、夢を見て……キモチイイ夢だけ見られていたらいいのにね」
相馬/微妙な距離を取りつつ……酒を飲みます。


 ●オープニング/盟 〜離反〜

GM/では盟ちゃんは2月11日の朝を迎えます。――夜、君は相馬さんの夢を見た。
盟/うう、眉間痛い……矢傷は嫌だ。なんだよアイツ、正体判るかな。
相馬/難易度11ぐらいで判るんじゃないですか?
盟/じゃ【理知】で調べます。(ころころ)やった、14で成功だ。
相馬/それなら判るな。(淡々とした声で)――彼の名前は平将門、平安時代中期の関東の豪族。通称は相馬小次郎、あるいは滝口小次郎。
盟/平将門か、首には注意しなきゃ! ……それに、まるでポケモン図鑑を読んでいるみたいだったな(一同笑) 
GM/(ロザリーになって)「盟様、朝食の準備が出来ておりますが……首を痛めたのですか? ずっと首が首がと仰っておられますし」
盟/いや、どっちかっていうと額が……。
GM/「頭でも打ちましたか?」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
盟/さっさと通せウルサイ!(笑)
GM/「よっ!」と現れる男は青森恐一45歳、三日原望彦22歳。
盟/誰だミカハラって!(笑)
GM/「俺の枕詞みたいなもんだ!」
盟/ええい、そんなことはどうでもいい! ところで何か用があって来たんじゃないのか!
GM/「もちろん用があって来たさ!」
盟/用が無いならば庭にでも立ってろ!
GM/さりげなく誘導!(一同爆笑) 「じゃあ庭に出て話そうか!」
盟/なんか嫌な予感がするから僕はここ聞いている!
GM/「どうやって話をすればいいんだよ!?」
盟/大声で話せと言っている!
GM/「大声で話したら色んな人に聞かれるだろが!」
盟/お前を隕石で潰したいだけだ!
GM/お前も隕石に巻き込みたいだけだ!」(一同爆笑)
航/お互い潰しあってるんじゃねーよ、嫌な血筋だなぁ!(笑)
GM/古川の血筋ですよ。
亜紀/のーのーのーのー! 義人さんも千晶も違いますから!(笑)
GM/「ぜーはー……とりあえず今から重要な話をしたいからせめて2人で話せる距離でいたいんだ! 外に出ようか!」
盟/判ったよ……なんで朝からこんなに疲れなきゃいけないんだ!(笑)
GM/「実は最近タチの悪い連中が多いってことをスキップスキップ
盟/ああそうかスキップスキップ(笑)
GM/「スキップスキップ……遺跡に行けば聖杯があって強制終了ができるんだ」と青森は説明します。「けどその方法は易しくはないだろう。中にはトラップが待ち構えているに違いない」
盟/聖杯を守るぐらいだしな、設置されてるトラップも強力なものだな。で、隕石まだ?(一同爆笑)
GM/「あと黒須を叩いたら教えてくれたんだが……聖杯戦争を降りる気があるならさっさと降りろ。一応親戚だからな、心配してやらんこともない。……いや、心配している」
盟/うっ。
GM/「俺に守られたっていいんだぜ。冗談はさておき、戦う気の無い奴がいる場所じゃない。願いが無いなら降りろ」
盟/好感度がマイナス20からマイナス19になりました。
航/1!? その反応で1なのっ!?(笑)
盟/でも……うう、聞いているうちにどんどんシュンとなってきます。……まだ僕には決断出来ない。
GM/「さっき秤谷って奴と挨拶したとき、アイツも何か言いたがっている顔をしてた。ちゃんと話さなきゃいけないことがあるんだろ? ……秤谷、来いよ」と、航を呼びます。あと相馬さんもシーン登場をお願いします。
航/……はい。茂みの中からガサッ!
相馬/うむ、一体なんじゃ。
盟/何故お前ら、葉っぱを付けて出てきた!?(笑)
航/ちょっとソロ活動のかくれんぼを……。
相馬/ワシは屋根の上で月見をしていたら何故か花壇に居たのじゃ。
航/それは落ちたんだよ!(一同笑) 絶対アサシンは今頃優雅に朝ゴハン食べてるよ!(笑)
GM/「お前ら、これから聖杯戦争に参加するのかどうかちゃんと話をつけておけ。……俺が邪魔ならあっちに行ってるから」
盟/そっちで隕石に当たっておいて! ねえ青森、隕石に当たって!(一同爆笑)
航/盟ちゃん、朝から隕石隕石言い過ぎだよ!(笑)
GM/では、青森さんは3人の声が聞こえない距離に行ったことにします。どうぞ話をしてください。
航/……盟ちゃん、ちょっとお話があります。
盟/な、なんですか……バラをいじりながら聞こう。
航/最初に結論から言うけど、俺は聖杯戦争に参加する。
盟/な、なんだって! 聖杯戦争に参加するってことが何なのか判ってるのか!? 死ぬかもしれないんだぞ!?
航/この前、あの金髪の人を見たよね。
相馬/……あやつか。
航/あの人、俺のことを小さい頃から知っていて、守ってくれていた人らしいんだ。でも俺……そのことをすっかり忘れていて、酷いことした。
盟/で、でも! アイツは航を斬ったし!
航/……今回も俺は盟ちゃんに忘れさせて生かしてもらった。10年前も同じことが起こっていたというなら、盟ちゃんを裏切りたくない気持ちと同じくあの人を裏切りたくない。だから、本当に守ってくれたのに申し訳ないけど、俺は聖杯戦争に参加する。
盟/つ、つまり……僕と敵対するってことでいいの?
航/……そういうことになる。だって「協力して」なんてムシが良すぎるよね。そんなこと出来ないよ、盟ちゃんに対する裏切りだと思うから。
盟/じゃあ僕が勝手に動く分には問題無いんだね!?
航/……え?
盟/僕が勝手に航の為に動く分には関係無いんだよね!?
航/それも嫌だ! あの人みたいに俺の為に時間を使わなくていい! 盟ちゃんは盟ちゃんの夢があるんだからそれを叶えてくれ。
盟/……航達が居るから毎日楽しかったんだ。自分の目的とかどうでも良くなるぐらいに。航達が居てくれたから僕はこんなに迷っているんだ! 僕をこんな状態にしたのに、それを放っておくだなんて僕は許さないぞ!
航/う、反撃が来た……(笑)
盟/これは僕の気持ちで、航の気持ちとは別のところにある。その意思を貫くことぐらい僕にだって許される筈だ!
航/……。「立場をハッキリ決めろ」ってあの人に言われた。
盟/あの人って?
相馬/……今、朝食を取っているサーヴァントか。
盟/薔薇ぃ!(笑) 余計なことをという目で食堂を見ます! ……くそぉ、僕の分のマフィンまで食ってやがる!(笑)
航/俺の立場が曖昧でヤバイってことは判る。一緒に居たら俺のせいで死ぬ。だから俺は自分で動くことを決めたんだ。
盟/でも、サーヴァントも何もいないのに……!
航/これから頑張りますっ! まだ1体ぐらい余ってるんじゃないかな!?
盟/それのアテはあるの!?
航/無いけど! 無いなら無いなりに、マスターに従うなりして何か行動をしなきゃいけないと思ってたんだ……! 結論だけ決めて方法決めてなかっただけだけど!(笑)
盟/いいじゃん! 僕が傍に居るじゃん! 何の力も無いまま外に出すのは心配だよ!
航/だからって頼り過ぎるのは盟ちゃんに対して酷いと思いますっ!
盟/僕がそれでいいって言ってるんだからいいでしょ!
航/義理とか人情とかあるじゃん!
盟/じゃあ聖杯戦争やーめた! やめてやらぁ! やめたらいいんでしょ! そうしたら敵同士にならなくて済むんでしょお!? そういうコトでしょ!?
航/……言っちゃったよ!?(笑) なんか俺の方が冷静になってきちゃった! 痴話喧嘩みたいになってるよ! マックでこういうことしてる高校生いるよね!?(笑)
相馬/お、おい、おぬし! ワシやあやつはどうなるのじゃ!? ワシが何のために骨折りだの我慢だのをしてきたと思っておるのじゃゴゴゴゴ!(笑) 
航/日本三大怨霊のオーラが!(笑)
盟/僕じゃなくなってもそこにマスターがいるじゃない! 僕のサーヴァント2体をあげる! それでいいでしょ!?
航/……2体も貰っちゃった!?
相馬/ええっ!?(笑) おぬし、まるで甲斐甲斐しい妻のようじゃな……。
盟/サポートいっぱいするよ! お弁当とか持っていくよ! サーヴァント2体を航に譲れば航も危なくなくなるし、敵対しなくて済むし、友達のままでいられる。僕の夢は……ただみんなが生きていてくれればいいんだ! 友情が欲しいの!(笑)
GM/つまりは、盟と航の立場を交換するってことだね。
航/あ、なるほど。……その条件を呑めば、俺が聖杯戦争に参加することを許してくれる?
盟/こくっ! その代わり、この屋敷から聖杯戦争が終わるまで出ないで。≪テリトリー≫で安全な場所を確保するぐらいなら聖杯戦争を下りた僕にも出来るから。なんだったら僕が君のサーヴァントになったっていい!
航/……最後のは断る。だって友達だろ?
盟/……う、うん。
相馬/まったく、なんなんじゃ……呆然としてしまうぞ……。
盟/相馬。マスターは変わるけど聖杯を取ることに変わりは無い。僕も出来る限りのサポートはする。ここは安全だし、大概の襲撃には耐えられる。何より……もう誰かを失うのは嫌なんだ。
相馬/……。盟の頭に手をポンと置き、ワシャワシャと撫でます。
盟/わあっ?
相馬/仕方あるまい……。おい、航。世話になるぞ。
航/こちらこそお願いします。頭をぺこっと下げます。……でも、サーヴァントを2体も持っていたらそのうち殺し合わせなきゃいけなくなるんじゃ?
盟/さっき青森に聞いたけど、聖杯戦争を終結させる為には全員を殺さなくていいんだ! だから2体持っていても大丈夫! ……薔薇、それでいいよな?
GM/紅茶片手にアサシンが現れます。「あいよ、仕方ねーな」
相馬/確認しておくが、おぬしの願いとはなんじゃ。言っておくがワシはこの日ノ本を支配することじゃぞ。
航/支配してどうするの?
相馬/それは……支配してから考えればいいのじゃ!
航/今、超平和じゃん! 日本とかいらないからあげるよ!(笑) ……薔薇さんは?
GM/(アサシンになって)「実は、相馬と同じ願いなんだ。だからお前さんが勝てば俺の願いも叶うんだよ」
航/……え? 日本が欲しいの?
GM/「そうそう」と嘘を吐きます。まるで相馬さんの意見に合わせたみたいだね。
相馬/なにぃ……底の知れん奴じゃのぉ。
航/そっかぁ、日本のマクドナルド美味しいもんなぁ……イギリスじゃミシュランで三ツ星が付いたとか言ってたよな(笑) 判った、日本はあげるから。俺の願いはシンプルでメチャクチャ些細なことだけど、この前の金髪の人に会うことだよ。
相馬/……そうか。彼奴はそこまでおぬしの心の中に強い位置を占めておるのか。
航/多分、あの人は俺を助けてくれた人だから。10年前に俺が死ななかったのは、きっとあの人のおかげだ。
盟/……そんな人を殺してしまったのか。
相馬/……よし。航、よろしく頼むぞ。
GM/(アサシンになって)「じゃ、今のマスター。令呪を消費してくれないかな。それでないと契約が出来ないぜ」
盟/判った。相馬、薔薇……『航のことを大切にして』。それと……『お前の願いが叶うように』。令呪を消費します!
相馬/よし……契約するぞ、航! 航と握手をします。
GM/アサシンは航にハイタッチをします。キャラクターシートの『サーヴァント』の欄にバーサーカーとアサシンと書いてください。
亜紀/すげー……バーサーカーとアサシンですよ。悪いNPCっぽい!(笑)
GM/ひゅう。
航/ひゅう?
GM/ひゅう、ううううううううううううううううううう。わあ、あれは隕石だ! 【体力】判定、難易度は8!
盟/【体力】ぅ!?
GM/ちなみに青森は失敗します。
相馬/ああっ、尊い犠牲が!(ころころ)13!
盟/(ころころ)10!
航/(ころころ)12!
GM/結局当たるのオッサンだけじゃねーか。……コツーンと弁慶の手玉石ぐらいの大きさの石がオッサンに直撃する! オッサンはギャグキャラなので死にません!
盟/良かった、みんなが無事で!
航/ちょっと待って、一人無事じゃないからー!(一同爆笑)


 ●オープニング/亜紀 〜参戦〜

GM/亜紀くん、お待たせしました。君のオープニングを始めまーす。

 亜紀は夢を見た。「これは夢だ」という確信がある夢の中で……君の身体はボロボロだった。
 他人の返り血を浴び、自身の血を流し、それでも立っている自分。
 夢の中なのにとても苦しかった。苦しかったのは傷を負っているだけではない。……心が、悲鳴を上げていた。


GM/古い日本の建物の中で、死にかけの君の前に男性が立っている。建物の外では雄叫びが聞こえ、まるで戦をしているかのようだと思った。
相馬/カキンカキンと「隠れてないで出てこーい!」とか「勝ち取って名を上げろー!」って聞こえてくるんだな。
GM/そう。……君は、男性の前で膝をついていた。その男は「今までよくやってくれた」と凛々しい中にどこか諦めも含んだ声で話す。
亜紀/そっか、武蔵坊弁慶なら……あのシーンか。俺、歴史を覗き見してるんだ。
GM/その通り。(男性になって)「本当によくやってくれた。俺達の戦いはここで終わる。だが、今まで戦ってきたこの路を悔いるつもりはない。俺達は間違っていなかったと信じたい……」
亜紀/……弁慶さんぽくないけど言います! 今からでも逃げませんか、まだ生きる道はある筈です!
GM/「いいや、ここで清々しく兄上に負けておこう。俺達はよく戦った。兄上の為に、兄上に討たれるとしよう」
亜紀/この兄上バカ……! 兄の為に頑張って来たんですね、義経は……。
GM/「最期は誰かに首を取られるのではなく、自分の手で終わらせる。だから……部屋を出て行ってくれ」。そう言われると、体がオートで動き出します。
盟/介錯とかいらないの? 1人でやったら苦しいよ……。
相馬/主の願いを邪魔されないように余計な奴を蹴散らしたんじゃないかな。
GM/そうかもしれないね。……部屋を去る間際、男は最後に言います。「ありがとう、ランサー……」
亜紀/……ランサー?
GM/そして君は屋敷の外に出る。槍を持って表に立ち、襲いかかる大軍に武器を向け戦い始める。戦いの中、矢が飛んできても君は怒涛の勢いで蹴散らす!
亜紀/す、凄い……!
GM/たとえその中に『魔物』がいても蹴散らす。
亜紀/……魔物?
GM/そのとき、女性の声が響く。「おうや、まだそんな息で生きてるのかい!?」
亜紀/だ、誰っ?
GM/声のした方を見ると、ドクロの首飾りを付けて、斬り落とした人間の腕を腰に巻いている女性が見える。
亜紀/怖っ!?(笑)
GM/「しかしオマエが最後の1体のようだねぇ! オマエはアタシの手によってここで死ぬ運命なのさ! ほぅら、オマエの腕の令呪も消えていく!」
亜紀/……令呪!?
GM/「冥土の土産に教えてやろうかなぁ! ……アタシの名はカーリー。今回のライダーだよ!」
盟/カーリーって……インドの女神様の?

 『カーリー』。
 インド神話の女神。「黒き者」とも呼ばれる、血と酒と殺戮を好む戦いの女神。シヴァの妻の1人であり、髑髏を繋いだ首飾りを付け、切り取った手足で腰を被った姿で表される。またの名を「パールヴァティー」、仏教名は「大黒天女」という。


亜紀/こっちでも聖杯戦争をしてたってこと!?
GM/「逝きな!」……女性が術を放つ。それを受けた君は、同時に大きな矢を受け……息を引き取る。
亜紀/ああ……立ったまま死ぬんですね。
GM/死ぬ寸前、女性が叫びます。「さあ、今回の勝者はアタシだ! どういう風にこの世界を変えていこうかね……聖杯、見ているんだろう!? 最期の1人までアタシは生き残ったよッ!」――ゴッと光が舞う。
亜紀/なっ……。
GM/君は見る。……カーリーという女性の先に、突如光を纏って……美しい金髪の女性が現れた光景を。
亜紀/これが……完全な聖杯!?
GM/目を覚まします。……見えるのは教会の天井。青森と任務のときに使っていた教会の宿舎だ。時刻は朝2時ぐらい。
亜紀/……んん? 初夢がこれ……って何これ!? それと家に連絡しなきゃ!(笑)
GM/「連絡なら私からしておきました」……あらぬ所から声がします。
亜紀/あ、弁慶さん……?
GM/部屋はパイプベッドが2つあって、テーブルに……ライトも付けず椅子に座りパソコンに向かっている弁慶さんがいます。服装は着替えることもなくスーツのままです。
亜紀/家に連絡してくれたんですか……ありがとうございます。
GM/「飛び起きるだなんて、何か嫌な夢でも見ましたか?」
亜紀/嫌な夢っていうか……その、参加者特有のアレです。弁慶さんの夢を見ました。
GM/「そうですか、どのシーンですかね」
亜紀/多分、最期かと……。
GM/「どの最期ですかね」
亜紀/どの最期? えっと、義経らしい人がいて……。
GM/「どの義経様でしょうね」
亜紀/ええええっ!? お、おおうっ!? なんだってえー!?(笑)
GM/「疑問がありますか。言って下されば答えられる範囲内なら何でもお答えしましょう」
亜紀/え。……あ、あの、カーリーっていう人と戦っていたとき、金髪の女性がいたんですけど……アレって誰ですか?
GM/「ああ、その戦争を見たのですか」
亜紀/その戦争って!? ……弁慶さん、色んな世界にいっているんですか?
GM/ふぅ、と溜息をつきます。「先に質問に答えましょう。きっと夢の中での私が見たのは聖杯の具現化です。と言っても私は直接拝見してません。カーリーは完全体の聖杯に出会いましたが、私が死んだことで完全な聖杯が現れたのですから本当に一瞬でした」
盟/おうっ、完全になったからボンキュッポーン!?(笑)
航/ボンキュッポンに限らないだろ!(一同爆笑)
亜紀/(笑) そ、そうなんですか……聖杯は全てのサーヴァントを封印すると完全体になるんだ。
GM/「聖杯は簡単に出現することは出来ません。そういえば『念の具現化』についてはご存知ですか。概念の具現化、俗に言う神のことです」
亜紀/む、難しい話だ……。

 このときの『神』はハーデスやカーリーなどといった『人物』ではなく『全能の念』として捉えてください。重要なのは『ヒトではなく、概念』です。名詞と形容詞の違いと考えてください。
 例えば名詞『美形』はイケメン・美女が世界各国おりますが、『美しい』は単なる形容詞(イメージ)なので言葉があってもこの世に存在していません。その『美しい』を概念から人型へ変身させれば、『美という念の具現化』になります。


GM/「この世界では『念』が人の形をとることがある。理由は、人の形をとれば人と交流できるからですね。たとえ意志が通わせ合えたとしても、人の形をしているかいないかでコミュニケーションの取りやすさが変わるのです」
盟/確かに……『パラつば』のとき、剣のままだと交流が取りずらかったな。(←かつてのプレイヤー)
相馬/ああ、剣の状態で喋られたとき何が何だか判らなかった。(←同じく、かつてのプレイヤー)
GM/だから途中からロリになったんだよ。「聖杯は人々の願いを叶えるシステム。『願望』の具現化。それは『叶えてくれる事象』とだけ捉えるよりも、『叶えてくれる人が居る』と思った方が人間はより理解が深くなるでしょう?」
亜紀/ですね。ランプの魔人でも泉の女神でも叶えてくれる対象が目の前に居るから判りやすくなるのかもしれませんね。
GM/「サーヴァントも聖杯と同じようなもので、『人々の憧れ』が具現化したものです」
亜紀/憧れ……?
GM/「実在に居る人物もいます。ですが大半が、伝説を擬人化したもの。人々の持つイメージが英霊として人の形を模して出現するのです。そして、それらは聖杯戦争に使われます。聖杯を完成させる道具として。……私は、様々な聖杯に喚び出されてきました」
亜紀/……何度も色んな聖杯戦争に参加した、と?
GM/「現在はランサーとして、時にはセイバーとして喚ばれたこともありました」。このゲームのナタクだってランサーになることもありうるし、平将門もセイバーになる可能性もあるよね。「私は何度も聖杯戦争を生きてきました。同時に、死んできました」
亜紀/……ずっとですか。
GM/「記憶の限り私が勝利したことはありません。……私自身が『負けることが伝説になった人間』ですからね。ただただ私自身の力不足なのかもしれませんが」
亜紀/そう……なのかな。あの、弁慶さんの叶えたい夢ってなんですか。
GM/「当初の夢は、私の一番の主が幸せになるようにと考えていました」
亜紀/いまし……た?
GM/「もう何百回も戦争を繰り返していると考えが変わりましてね。今は……『聖杯戦争自体を消滅させること』『英霊というシステムを失くすこと』を願っています」
亜紀/……。
GM/「そうすれば……もう、死ななくて済むじゃないですか」
盟/うわ……ムゴイよね、聖杯戦争って。普通の人生だったら一回死んで終わりなのにさ。
相馬/勝手に喚び出されて勝手に戦わされて、永遠に……。
航/何回も死ぬ。しかも、何回も本気で戦って死ぬ。喚び出されては死ぬし、そのたびに主も死ぬし……無力感だけが募っていく。
GM/「私は多くの人の下で聖杯戦争を戦ってきました。義経様以外にも……今回の戦争もそうです」
盟/……オッサン?
GM/「どうやら彼は源氏に関わりのある一族らしい」
航/……古川家! ああっ、それでか!(一同爆笑)
GM/「召喚は自分と関わりがある、もしくは召喚の媒体に英霊と関わりのある物を使えばより良く召喚することができるのです」……詳しくは『夢魔炎上』参照です。
航/つまり、壇ノ浦で召喚すればトモリンが出るかもしれないんだな!
GM/ちなみにこじつけですが、ハーデスは冥府の王だから怨霊的なもの……平将門を召喚したと後付けしました。
盟/禍々しいし、日本で強そうな怨霊で検索したら日本三大怨霊が来ちゃったんだな(笑)
GM/「私の願いは聖杯戦争自体を終わらせること。そして、青森恐一の願いもそうでした」……オッサンは何度も何度も『一般人を巻き込むような戦争は強制終了してでも!』って言ってるよね。
航/10年前のことも「嫌な事件だったね」って言ってるし。
盟/「戦いとかさ、くだらないじゃん!」って言いそうだよな。
GM/「私の願いは彼の願いと同じ。私が勝利すれば彼を裏切ることにもならない。結論、マスターの願いが余ったから貴方にあげることができる。私達が組むのは効率が良く都合も良いと言った理由はそれです」
亜紀/なるほど。……俺も青森さんと賛成です。戦争が起きるたびに一般人を巻き込むんだから、根本的な問題を無くせばみんな幸せに生きていける。聖杯戦争が無ければ航の両親も死なずに済んだかもしれない……。
GM/「私の願い、判って頂けましたね。……そして確認しておきたい。貴方の願いは何になりましたか?」
亜紀/う……実はまだ決まってないんです。どうしようかな……。
GM/「そのうち教えてください。願いが叶うだなんて機会は滅多にありませんからよく考えて。……では、お眠りなさい」
亜紀/……はい、おやすみなさい。


 ●ミドルフェイズ1/February 11th Scene 1

GM/航、相馬、盟の3人のシーンに戻ってきます。(青森になって)「うーわうーわうーわぁ……!
盟/ヘンリー、穴を掘れ!
相馬/埋める気か!(一同爆笑) まだ生きておるぞ!? 起きろペチペチ!
GM/そのとき、石からボイスチェンジャーを使ったかのような乱れた音が聞こえてくる。「テステス。ちゃあんと私の声が聞こえているかな……?」
相馬/おぬし、何者じゃあ!
GM/「私は、これから君らと戦う……とある参加者の一人だ。お話がしたかったんだよ、バーサーカーとアサシンのマスター」」
航/お、俺か!? キサマ、何のつもりだ!
GM/「これから戦っていく君らに、プレゼントを私から用意させてもらった。見たまえ、空を」……ピシャン。空に、異様な魔方陣が現れます。
盟/でもドクロを1個潰したから途中で線が止まるんだね。
GM/うん。魔方陣が完成する寸前のところで止まります。そして相馬さんは思う。「お、【HP】が少しだけだが回復した気がするな」と。
相馬/な、なんじゃこれは?
GM/「どうだ、これで聖杯戦争を戦いやすくなっただろう? もっと効率的に、そして手っ取り早く戦いを終わらせるには、私達戦う者の力を溜めていくことだ。そのために、この街を一つのリングとした。雰囲気が出来て良いだろう?」
相馬/一般人の命を吸い上げて……サーヴァント達に分け与えパワーアップか。何やらおぬしは良いこと尽くめのように言っておるが、胡散臭くて仕方ないのぉ!
航/……アンタ達は、一般人を巻き込むのか?
GM/「戦争の舞台になっている街だ。多少の犠牲のことなど考えていられるものか」
航/その程度って言った……かちーん。石を思い切りガッと蹴り飛ばします!
GM/「なお、このメッセージが終わ」略(笑)
航/やめてぇー!?(笑)
盟/航伏せろー!(笑)
GM/ドカーン。では盟ちゃん、難易度12の【意志】判定をして。
盟/はい、最後の≪幻想式≫使っておきます。(ころころ)達成値13、セーフ!
GM/君は思った。「この喋り方、ワザとらしく作った喋りをしているけど……なんだか一番最初に手を取った奴のように聞こえるぞ」。
盟/弥生……か。
相馬/誰じゃ、それは。
盟/キャスターだ。……僕の最初のサーヴァントの。
相馬/ほう……キャスターか。キャスターであればこの魔方陣のようなものを完成させるのも難しいことではなかろうな。
盟/そうだろうな。多分学校であったドクロもそいつの仕業だろう。
航/プレイヤー知識でしかないけど、『第1ループ』でこれが出て、今回までこれが出なかった理由って……藤原さんとキャスターが手を組んだからだな。
盟/ああ、キャスターが組むと石が出るのか! 藤原さんは魔方陣を普通に作っているだけで。……なんで石なの?
GM/それはアリスのネタなんだ。白ウサギは何も無い所からピョンと出てきたり、音を変えて欺いたりするのを再現してるんだ。
相馬/何はともあれ厄介な物が増えたのには変わりないな……。
盟/ていうか隕石が落ちて倒れているんだから青森、アフロだね!(青森になって)「いやあ、死ぬかと思った。やべー、DJオズマじゃん!
相馬/毛髪が死んでおるぞ!(笑)
GM/しかもチョイスがちょっと古い! 若者に合わせてるものね、ライターさん!(笑) 青森は上を見て言います。「後で黒須に確認を取るが、ありゃ完成させちゃいけないヤバイもんだな。一刻も早く壊さないと……」
盟/ドクロがあってどうのこうのというのを青森にもしておきます。
GM/前回のループでは黒須に説明してもらったけど手っ取り早いんでしちゃいますね。「……おそらく、そのドクロを5つ完全に集まっていたらもっと怖ろしいことになっていただろうな」
盟/街の住民、全部あぼーん? つまり亜紀とか祐希とか危ないってことだよね……。
相馬/早く潰すに越したことはないのだな。
航/一般人が巻き込まれるのは俺だって避けたいし……。
GM/青森が亜紀や教会に連絡を渡します。そして朝起きた亜紀の元へも連絡が届きます。……亜紀くん、航達と合流する?
亜紀/します。弁慶さんを連れてみんなと協力したいです。
GM/では全員集合しよう。航、相馬、盟、薔薇の元へ亜紀とミスターBが合流して……一緒にドクロを潰しましょう。
亜紀/街を守るためだ、探すのも壊すのも手伝うよ!
盟/アレがあると航も気が散って戦えないだろう? だからドクロを探そう。という訳でキャスターはコレコレこういう感じの男の娘だってことを話します。
GM/具体的に言うと、赤チェック柄の服装をしたアルビノの女性のような男性だと話すんだね。
航/……俺、その人にこの前に会いました!
相馬/会ったぁ!?
盟/どんなマスターと一緒に居た!?
航/紫のスーツを着た胡散臭い顔の男と一緒に!
相馬/お、おいっ!?(笑) 其奴、もしや常に偉そうな感じで慇懃無礼な男ではなかったか……!
航/「自分、王様ですからー」って余裕ある感じの人でしたよ。若い子と一緒にご飯食べてました(笑)
相馬/其奴はワシの元マスターじゃ! あの男、ワシがあれほど探したというのに何故じゃあ!? ただでさえワシが支配する日ノ本で好き勝手やりおって……腹が立っていたところじゃったが壊すぞ! 絶対に壊すぞ! 全部壊すぞ!(笑)
亜紀/ま、まあ参加者少ないしね、世間は狭いっていうし……。
盟/なにこの昔の男がくっついていたコンビ。モチベーションがガッと上がったね(笑)

 4人で相談した結果、以下の行動を取ることに。
 航→『池』に、アサシンを連れて移動。
 相馬→『公園』に、移動。
 盟→『駅』に、移動。
 亜紀→『白銀神社郡』に、ミスターBを連れて移動。



 ●ミドルフェイズ2/February 11th Scene 2

GM/では最初のドクロ破壊は……相馬さんのシーンから。公園にやって来ますと、そこは昼間だから人やハトがいっぱいいる賑やかな場所です。
相馬/おう、久しぶりじゃのお。
GM/何かおかしな物を探すのなら、【知覚】判定で難易度8以上を出してください。
相馬/頼むから良い出目が出てくれ。(ころころ)達成値は9。どこじゃ!
GM/公園の中にある観音堂的な所に、シャレコウベが鎮座されていました。
相馬/あった。おのれ藤原バキィ! アノヤロ粉砕粉砕!
航/負のエネルギーによって負のエネルギーが破壊された!(笑)
GM/ドクロを破壊します。……ああ、なんて綺麗な空気なんだろうと君は思います(笑)
相馬/ふう、良い仕事した(笑) うむ、次のところに行くかの!
GM/あっという間にドクロ2つ目が破壊されました。次は……航と薔薇さんのシーンいこうか。
航/はい。池まで歩きながらアサシンに……そういや本名を聞いてなかったよね。盟ちゃんには悪いけど、『薔薇』ってちょっと恥ずかしい(笑)
GM/「なに、元マスターの付けた名前が気に食わない?」
航/そ、そういう訳じゃないけど……。
GM/略して、元マスター気に食わない?
航/そこ略しちゃダメ!(笑) 仲間なら本当の名前を知っておきたいと思ったんだ。……そっちはそう思ってないかもしれないけど」
GM/「別に教えてもいいよ。俺の名前はジャックだ」
航/……スッゴイ判りやすいけど、それ『名無し』って意味だよね。
GM/「だってそれしか呼び名が無いからなー」。ではドクロを探すなら【知覚】判定難易度8です。
航/(ころころ)14だから成功です。
GM/それだと余裕で発見できる。……とあるベンチの足元に「何故みんなコレに気付かない?」と思ってしまうほどの場所に隠蔽されている。(アサシンになって)「マスター、持って」
航/よいしょっと。
GM/カシャン! ナイフが飛んで、ドクロが破壊される。
盟/……今、頸動脈的な横を通ったよ。
GM/「回避判定素値で成功したんだからいいじゃん」
航/そっか、俺やるじゃん。だんだん薔薇さんの扱い方が判ってきたぞー(笑) これで3つ目破壊!
GM/そうやってドクロを破壊していると……薔薇さんが、池と隣接したビル街の方へふっと視線を向けたような気がする。
航/どうした?
GM/「なんでもねー。……そろそろ死んだかなー」と小さく呟く。
航/なんだよ、何か気付いたことがあるなら言えよ。
GM/「そこの売店でクレープ買っていかね?」
航/……お金が無いからいいよ。
GM/「金なんていくらでも作れるだろ」と葉っぱをプチっと取って≪葉っぱのお金≫
航/ポイ! 池に投げ込む!(笑) モラルレス良くない! そんなに食べたいならクレープ買ってあげるから!(笑)
GM/一方その頃。……亜紀くんはミスターBと共に白銀神社郡に向かいます。ここは昔から霊気が溜まる所だからか、神社が沢山あるからか、あちこちで多くの霊が視えます。
亜紀/あらぬ所に見ながら)あ、こんにちはー、今日もお元気ですねー(笑)
GM/そんな多くの中から見極めなきゃいけないので、探すには【意志】判定で難易度13出さなきゃいけません。
亜紀/ドクロは一度見ているから≪超越感覚≫を使います。(ころころ)良かった、15で成功だ。
GM/お見事。……特に古い、昔ながらの森に近い神社にコッソリと、それでいて堂々と「こんな物はあるべきじゃない」と思われるシャレコウベさんが顔を出してます。
亜紀/いくら森の中でも白骨死体は無い……コレ、壊した方がいいですよね。銃でバーンと撃ちます!
GM/ぱきーん。ドクロが破壊されると……森林がごく普通の綺麗な空気に戻ります。
亜紀/オドロオドロしい感じが消えて……わっ、さわやかだー。呪詛返しみたいになったらいいんですけど。
GM/そして一方その頃。……盟ちゃんは駅でドクロを探します。駅と言っても上野駅はとても広く人がいっぱいいるので【体力】判定で難易度10です。
盟/うわ、【体力】か。(ころころ)ちょうど10だね、成功しました!
GM/人混み嫌いなのによく頑張った。……駅も古い所も沢山あったし出口があることから探すのは大変だった。……その結果、見つかりません。
盟/はあ!? くそ、探し損だぁ!
GM/ここには確実に無いなという確信が取れただけいいじゃないか。言っちゃえば……どっかのフラミンゴさんが言ってたね。
亜紀/そういえば『第1ループ』でフラミンゴさんが「騒ガシイ所ニハ無イワネ」って言ってましたね。
航/駅は超騒がしいわな(笑) ……となると、ドクロがあるのは新住宅地かな。『第1ループ』のinterlude編で藤原さんもいたし。
GM/盟ちゃんはハァハァ言いながら駅から出てくると……みんなが集まって来ているのが見えます。そろそろ夜になる前の時間帯で合流しましょう。
航/やったよ、ドクロ壊してきたよー。
亜紀/俺達も1個見付けたー。
相馬/うむー。
盟/ペットボトルのお茶不味いですって顔をしながら……収穫無しだ、すまない。
GM/そのとき。――相馬さんは、いきなり喪失感に襲われる。
相馬/あれ?
GM/ミスターBも隠れて胸のあたりを手でグッと抑えます。で、アサシンが言う。「あっ、1人サーヴァントがいなくなったな?」
相馬/……うむ。
盟/誰だろうな……? 今のところキャスターは生きているよな。
航/見たことないのはライダーとアーチャーとランサーか。……ランサーって何者なんだろうな?(笑)
盟/きっと毛むくじゃらの大男だよ! 槍を持ったマサイ族的なヤツだ!(笑)
亜紀/すっごい好き勝手言われてるなー……(笑) 薔薇さん、口笛を吹いているけど何か良いことでもありました?
GM/「いやぁー、ワタルと一緒にクレープを食べてさ。仲良くなっちまったよー」
盟/……そうか。
航/なんで盟ちゃん、複雑な顔をするの。
盟/ううん、そんなことないよ。別に航と一緒にクレープ食べたかったなんてそんなことないもん!(笑)

 ――そうして迎える夜。
 亜紀&ミスターB組と別れた航は、盟から離れてこっそりとサーヴァント達と今後の相談タイムに入った。

航/藤原さんへの連絡先は知ってるから……藤原に『投降してください』って言いに行きたいです。協力するって言ったけど一般人を巻き込むやり方は許せない。
GM/それは電話で済ます? 直接会う?
航/そこは……待ち合わせして会いに行くことにします。相馬と薔薇を連れて戦いに行こう。
GM/では簡単にメールで連絡ができます。『公園で、夜の12時に、直接会ってお話がしたい』という用件に、OKの返信が来ました。
航/……相馬さん、いいね?
相馬/連れて行け。……モチベーションは上がりまくっている。あやつの顔を殴れると思うと楽しみじゃ。
航/殴っちゃダメだからね!(笑) 基本的には……投降してもらいに行くんだ。戦いになったら仕方ないと思うけど……。
相馬/あやつだって目的があって参加してしているのだから「投降しろ」と言って「判りました」と言う訳がなかろう。
航/それでも交渉しに行く! 決裂したら……が、頑張りましょう。
GM/質問です。盟ちゃんに戦いに行くことを話しますか?
航/……キャスターのマスターに会うって言った方がいいのかもしれないけど、「ちょっと出かけてくる」とだけ言って、凛々しい横顔で出て行きます(笑)
GM/次に、亜紀くんには伝えますか?
航/亜紀は教会の人間だけど……隠しておきます。
GM/航と相馬の動きは決まりました。同じ時間帯で、亜紀くんは何をしていますか?
亜紀/……聖杯戦争の強制終了の仕方を知らないので調べておきたいです。
GM/なら亜紀くんはミスターBと共に情報収集をしましょう。同じように、盟ちゃんは何をしてますか。
盟/航とは別れたので……亜紀のところに行って「今、教会でどういう動きを掴んでいるのか」を訊きに行きたいかな。
GM/……判りました。それぞれのシーンに移りましょう。