アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 実家に帰省したら残念な英霊と暮らすことになってしまったんだが 』 1ページ ■
2018年5月11日/5月13日




 ●プリプレイ

 長いサブタイトルの付いたオンラインセッション第1回日、2018年5月11日。GMの桐生しゅうらMUMAぷぇマーサー、が「どどんとふ むせる」にログインしました。
 『アナザーワールドSRS』、始まります。


桐生(以降、GM)/無茶なレギュレーションのセッションなのによくメンバーが集まってくれた。
プレイヤー4・マーサー/ホンマそれな。
プレイヤー3・ぷぇ/卓を立てていただき感謝!
GM/それでは『AW』セッション始めます。今回は没PCをやってもらうセッションなんですが……『突然の死』をやっていたときに話していた「MUMAさんがダジャレを言いまくるPCをやりたがっているので見たかった」という叶いました。セッション内容よりもダジャレが楽しみ。
プレイヤー1・しゅうら/どちらも楽しみすぎて今からわくわくしてます!
プレイヤー2・MUMA/頑張ります、ダジャレもセッションも!(笑)



 アナザーワールドSRSシナリオ「実家に帰省したら残念な英霊と暮らすことになってしまったんだが」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル7で開始。PC1は人間、PC2は英霊であること。
 今回のシナリオは、別セッションのボツPC案であるぷぇのバーサーカーの英霊「ドン・キホーテ・オルタ・リリィ」と、マーサーのアヴェンジャーの英霊「天機星 呉用」をプレイしてもらうためのセッションである。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:おじいちゃん or おばあちゃん  関係:血縁  推奨クラス:魔術師 or 世界遣い

 君には去年100歳になった親戚がいる。
 そろそろ101歳の誕生日を迎えようとしていたが、老衰のため亡くなった。
 君は滅多に行かなかった実家に帰省することになる。
 懐かしい実家で君を待っていたのは、誰も近寄らなかった工房にいた英霊達だった!
▼セカイのイベント:葬式のため数年行ってない実家に帰省する。
▼コネクションNPC1:おじいちゃん or おばあちゃん

 PC1の血縁。10代なら曾祖父母ぐらい、20〜30代なら祖父母ぐらい?
 去年100歳の誕生日を迎え、盛大な祝いを市町村から受けたときも「そんなのしなくていい!」と言ってきかない、自分の趣味を優先するような頑固者だった。
 君は彼or彼女が魔術師であり、魔導書をいっぱい所有していたことを知っている。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:NPC1の工房  関係:家  推奨クラス:自由

 君はNPC1に召喚された「残念な」英霊だ。
 NPC1は下級の生き物(『ドラクエ』のスライム、『FF』のチョコボ、『聖剣伝説』のラビなど)ばかり召喚しては自宅の工房において一緒に住んでいた。君は、その一つだ。
 NPC1が死んで3日。そろそろ魔力の供給主がいないと自分は昇華されてしまう。
 葬式にやってきた能力者のPC1と手っ取り早く契約しよう。
▼セカイのイベント:PC1と契約する。
▼コネクション:NPC1の工房

 その名の通り。NPC1は工房に身近な人々を一切入れようとしなかった。君と仲間だけの空間。


【その他】
・このシナリオでは、契約をする際に「PC1とPC2」が契約関係になること推奨。兼用したハンドアウト同士は基本NG。
・ドラマ重視になるかも? パーティーバランスとか考えなくていい。キャラロールしたい人を作ってください。
・戦闘特化にはしないつもり。「戦闘はできる程度」だと楽しめるかも。AF判定重視です。
・元々がキャラ指定セッションだったので、クロスオーバーセッションや過去PC持ち込みも許可します。そういうノリのやりたい。過去のみんなのリプレイのキャラをお借りするかも。
・[アーティスト][イレギュラー]解禁。
・追加ライフパスは一通り解禁。
・『異端堕ちルール』解禁。


プレイヤー1・しゅうら/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・MUMA/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・ぷぇ/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・マーサー/PC2ハンドアウトを選択。

GM/自己紹介にいきます。PC1からどんなキャラクターか、データは変更点が無ければ主張したいことや意気込みをどうぞ。
プレイヤー1・しゅうら(以降、一)/本蔵 一(もとくら・はじめ)です! 頭が高くて声がでかいです! 皆様の兄として完膚なきまで愛すロールをしたいので率先して褒めて褒めて撫でにいきます!
プレイヤー2・MUMA/キャーお兄さま〜!(笑)
プレイヤー4・マーサー/早速この黄色い歓声である。頭が高くて声がでかいのか。
プレイヤー3・ぷぇ/登場シーンで高笑いするマンだ。
一/ふふふ、はっはっはっは! って仁王立ちします! CVイメージは杉田智和です! よろしくお願いします!
GM/……って、自己紹介が終わるの早かった! クラスやデータの主張は無いのか!?(笑)
一/あっ(笑) 魔術師らしいことできたらいいな! 唯我独尊というよりは、何とか自分という個を主張して虚勢を張らないとやっていけないタイプ。頼られると嬉しくなるし絶対に断らないので、大学の友人何人かの連帯保証人になっている系の残念マスターです。
プレイヤー3・ぷぇ/友人達の連帯保証人になってるの……心配。
一/「いくら必要だ!? 言ってみよ!」っていくらでも詐欺られそうです。人類の救済のためには連帯保証人になることも必要なことだったのだ。
プレイヤー2・MUMA/良い弁護士を紹介しなきゃ……。
プレイヤー4・マーサー/借金の取り立てが来たらPC2の我々が潰してあげましょう。
プレイヤー3・ぷぇ/潰そっ! 物理なら任せろ!(笑)
一/うちのサーヴァントは頼もしい!(笑) 人の期待に応えるためなら自分を二の次三の次にしてもいいという性格です。火力をメインにしたキャラメで、【防御点】≫無いので後ろで仁王立ちする予定です!

 本蔵 一(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[魔術師5/イレギュラー2]
  体力: 9(+3)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:16(+5)  幸運:15(+5)
  HP最大値:23  MP最大値:35  正気度:9
重要キーワード:専門  背景:長らく帰省していない  特徴:リーダー気質である
ボーナス効果:≪薬物取得・興奮剤≫  スキルウェポンのイメージ:言葉が実体化
職業:大学生  性別:男  年齢:21  身長:191cm  髪色:茶  瞳色:茶
 スキルウェポン→≪魔導書≫
 魔術師→≪賢者の脳髄≫ ≪刻印増強≫ ≪幻惑の衣≫ ≪幻想式≫ ≪心身置換≫ ≪紅蓮の指≫
 イレギュラー→≪オールラウンド≫ ≪プロパゲイト:禍福のさざなみ≫ ≪ヒストリアー≫ ≪ネゴシエイト≫ ≪インドラ≫ ≪ヘル≫
 一般特技→≪強化手術:意志≫ ≪興奮剤≫ ≪+50人をとりあえず納得させる≫

プレイヤー2・MUMA(以降、澄華)/加古 澄華(かこ・すみか)です! 言霊使いで、PC1の一さんとは親戚同士です。今回亡くなったNPC1は母方、父方の家系の加古家が言霊使いの一族で……。主張したいことですが、私はデータを組みながら≪掻取のしるべ≫で本蔵のお屋敷にダジャレを残すことばかり考えていました。
プレイヤー3・ぷぇ/ダジャレの痕跡?(笑)
澄華/ダジャレを残す場所がお屋敷? おや敷居が高いぞ。
一/完成されたダジャレの痕跡だ!?(笑)
澄華/ダジャレを言います。ダジャレは愛、そして芸術。
プレイヤー3・ぷぇ/ダジャレがさらっと出てくるMUMAちゃんマジ凄いよな。ウィットに富んだお嬢さん素敵。
澄華/ウィ! と言うしかない。ウィットだけに。
プレイヤー4・マーサー/(未知との遭遇をしたような顔で)なんだこれは。
GM/何故そうすぐ出る。
一/ダジャレの天才! 愛と芸術の塊で出来たような妹! 愛でるより他ない、可愛いぞ!(笑)
澄華/目標1シーン1ダジャレでいきます。ダジャレを言うのはダレジャ! 私よ! おーっほっほっほ!
プレイヤー4・マーサー/審議中。
GM/そのノルマでも余裕そう。やすやすとクリアしそうだ(笑)

 加古 澄華(プレイヤー名:MUMA)
 クラス:[領域遣い2/アーティスト5]
  体力: 9(+3)  反射: 9(+3)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:12(+4)  幸運:16(+5)
  HP最大値:23  MP最大値:532  正気度:8
重要キーワード:中毒者(ダジャレ中毒)  背景:お兄さまに憧れている  特徴:人間好きである
ボーナス効果:≪薬物取得・興奮剤≫  スキルウェポンのイメージ:言霊術
職業:大学生  性別:女  年齢:18  身長:158cm  髪色:プラチナブロンド  瞳色:金
 スキルウェポン→≪ツールマスタリー≫
 領域遣い→≪元素の陣形≫ ≪大地の勅命≫ ≪掻取のしるべ≫ ≪彼方の音≫
 アーティスト→≪アメノウズメ≫ ≪アメノウズメ2≫ ≪ミューズ≫ ≪オルフェウス≫ ≪ルー≫ ≪マイガーデン≫ ≪ステージドレス1・2・3≫ ≪トランキライザー≫
 一般特技→≪興奮剤≫ ≪−50シリアス≫

プレイヤー3・ぷぇ(以降、ドン・キホーテ・オルタ・リリィ)/ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ・オルタ・リリィことドルタです! バーサーカーの英霊です!
澄華/名前が長い!(笑)
一/略すと可愛い!(笑)

 ドン・キホーテ。
 スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスによる小説『ドン・キホーテ』の主人公。
 『ドン・キホーテ』は、『騎士道物語』の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった男が、自らを遍歴の騎士と名乗って冒険の旅に出かける物語。
 マーサーがGMをしたセッション『ピグマリオンの目覚め』では、別プレイヤーがドン・キホーテを
ランサーの英霊でプレイしている。

ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ランサーのドン・キホーテとは異なる英霊で、「ドン・キホーテが女性である」という世界線のオルタナティブな存在。8〜9歳くらいの男装少女で、自称「ライオンの騎士です! ライオンの騎士なので、よく工房周りで見回りのお散歩してます!
澄華/かわいい……(笑)
一/愛でるしかない……お膝の上においてなでなでしたい……。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/お膝に招かれるとえいって座ります! 騎士だからな、丁重にもてなされたら答えるのが礼儀!
一/はー! 騎士可愛いー! 推せるー!(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/褒めてくれるは嬉しいが、勇ましい方が嬉しいのだぞ? やんちゃざかりの猫みたいなものなのでハジメどのとスミカどのにも「わー!」って懐きます。ちなみに付け髭で、自前のつもりですがご飯のときは汚れちゃうので外します。
澄華/お口周り拭いてさしあげたい!(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/くるしゅうない。バーサーカーなので風車大のオブジェクト見たら「怪物だ! 成敗!」ってします。適度なところで転んで正気に戻るけど、チョップですぐ我に返れます。
澄華/こんな可愛い子にチョップできる自信が無い。
プレイヤー4・マーサー/頑張ってチョップしましょう。いや可愛いから無理。
澄華/でも誰もチョップしないと転んでお膝いたいいたいしてしまうかも!? ハグじゃダメですか!?
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/猫のように抱っこされるー! ハグは嬉しいからオッケー。身を挺してくれたからな、我に返らなければ! 騎士として!

 ドン・キホーテ・オルタ・リリィ(プレイヤー名:ぷぇ)
 クラス:[狂戦士4/アーティスト3]
  体力:18(+6)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 1(+1)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:36  MP最大値:34  正気度:6
重要キーワード:異世界  背景:自称ライオンの騎士だ  特徴:問題児である
ボーナス効果:≪耐久力上昇・MP+4≫  スキルウェポンのイメージ:槍
職業:騎士だ!  性別:見て判るであろ?  年齢:見ての通りだ!(外見8歳程度)  身長:145cm  髪色:茶橙  瞳色:若草色
 スキルウェポン→≪巨大武器≫
 狂戦士→≪未完の奥義≫ ≪会心の一撃≫ ≪失われた日々≫ ≪特攻≫ ≪破壊者の孤独≫ ≪心身解放≫ ≪単一化≫ ≪突貫≫
 アーティスト→ ≪ステージドレス≫ ≪オーバーパワー≫ ≪ミネルヴァ≫ ≪ヒーロータイム≫ ≪アテナ≫
 一般特技→≪+50めげない!≫

プレイヤー4・マーサー(以降、呉用)/名前は、天機星 呉用(てんきせい・ごよう)です。今から900年前の中国の宋時代が舞台の『水滸伝』に登場する、梁山泊の好漢108人中序列第三位、マフィアの知恵袋をやってました。

 呉用。
 『水滸伝』に登場する軍師。戦略や謀略の才には長けているが、手段を選ばない策・偽造工作・誘拐や強硬手段を用いたりとアウトローな策士として描かれた人物。
 桐生がGMをしたセッション『スワンソング』では、同じプレイヤーが
呉用が生前仕えた主人・宋江をルーラーの英霊としてプレイしている。

ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/凄い。ちゃんとした英霊だ。
呉用/貴方も英霊でしょう!?(一同笑) クラスは[狩人1/聖職者3/世界遣い3]で、ガチ支援系ですが攻撃もできます。軍師なのでビームを出します。
澄華/軍師ですもの、ビームを出しますよね。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/まぁ、軍師だもんなぁ。
一/軍師はビーム出しますね。
GM/共通認識かよ(笑) しかもスキルウェポンが≪落下する光≫だから拡散ビームじゃねえか……。
呉用/「呉用」という名前は中国的には「無用・誤用・うっかり」という扱いをされるそうです。実際うっかりエピソードがいくつかある人物なので、うっかりします。
一/これが後のフラグになるとは……誰がバーサーカーか判らなくなってきたぞう!(笑)
呉用/生前うっかり主人を謀殺されてしまい、自分も同僚の花栄と共に後追い自殺しました。その怨念でアヴェンジャーの英霊になった「主人ガチ勢」ってやつで、とにかく主人のためなら何でもします。特技は、詐欺と恐喝と誘拐計画で……。
澄華/恐喝で今日勝つ!
呉用/審議中。
GM/審議で立ち向かうな!(笑)
澄華/誘拐されたのはYOUかい!?
呉用/審議続行。
一/追いダジャレだぁー!?(一同笑)
呉用/以上です。
GM/自己紹介するのを諦めた!?(一同爆笑) いちいち審議するなよ!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/円卓会議で延々と呉用くんが審議するだけのあれだね。
澄華/たくさんの呉用さんが円卓を囲んで審議。可愛いのでは?
呉用/シール108ディシジョンスタート!
GM/多いわ!?(笑)
一/誰か承認しないと!(笑)
澄華/承認はしょうに合わないのよ〜、うそうそ♪ 承認してね♪
呉用/審……議……中……。か、完敗です……。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/呉用どの、これは勝てんぞ(笑) もういいんだ、頑張った……。
呉用/などと言うつもりはないッ! 審議続行だああああぁ!
GM/何故張り合った。
一/熱い戦いだな!?(一同爆笑)

 呉用(プレイヤー名:マーサー)
 クラス:[狩人1/聖職者3/世界遣い3]
  体力:15(+5)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:13(+4)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:31  MP最大値:26  正気度:8
重要キーワード:先生(ワケあって先生から軍師!)  背景:主人を救いたい  特徴:正々堂々している
ボーナス効果:≪英霊「アヴェンジャー」≫→≪EP:二回攻撃≫を取得  スキルウェポンのイメージ:鞭(鎖鎌)
職業:アヴェンジャーの英霊  性別:男  年齢:30  身長:175cm  髪色:黒  瞳色:黒
 スキルウェポン→≪落下する光≫
 狩人→≪交わる矢≫ ≪絶対の自信≫
 聖職者→≪緊急支援≫ ≪さきもりの声≫ ≪叱咤激励≫ ≪悔改めよ≫ ≪コネクト≫
 世界遣い→≪逆転運命≫ ≪未来の吐息≫ ≪未来視≫ ≪運命の予感≫
 一般特技→≪EP:二回攻撃≫ ≪+50うっかり≫

GM/NPCの紹介です。PC1に付けてもらった名前は、本蔵 百恵(もとくら・ももえ)。「かっこいい職人気質のおばあちゃんで、優しい寄りのやや厳しい人」という指定を貰いました。ドルタの姫であり、呉用の主人です。
澄華/百恵お祖母さまだ!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/姫ー! 格好良い凛としたおばあちゃまで、ドルタは「我が姫」って呼んで超慕ってた!
GM/一が21歳で澄華が18歳、百恵が100歳だから……おばあちゃんじゃなくて、正確にはひいおばあちゃんだ。提案なんですが、一達にとって本当のおばあちゃんであり百恵の実の子供である80歳ぐらいの人を、先に亡くなったことにしてもいいですか? そうすると孤独な老人感が増す。
呉用/悲しいが確かに。80歳で天寿を全うしてもおかしくないしな。
澄華/100歳が凄すぎますもんね……。了解です。
一/ひいおばあちゃんだけど、おばあちゃんって呼ぶぞ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/実の子供達は亡くなったとしても孤独じゃないぞ。工房内にはいっぱい家族がいた!
GM/そう、百恵はお手伝いさんや近所の親戚、英霊達と元気に住んでいました。年寄り独特の頑固さはあるし、勉強熱心で真面目な女性ですが、家族愛に溢れた、誠実で優しい人です。
一/これは尊敬に値する!
GM/彼女は魔術師であり、自宅から200m先にある離れの工房にて魔術書を読み漁る日々を送ってました。信頼してる者しか入れないその工房には、PC1達も10年ぐらい前まではよく遊んだことだろう。
澄華/それはもう毎週末のように入り浸っていました。
一/毎日のように入り浸っていた気がします。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/不思議な本がいっぱい……立派なお庭の日本家屋で読書……素敵な人だぁ。
GM/次に、百恵以外の登場するキャラクターの紹介です。『ドラクエ』のスライムがピキー。
一/スライムだ!?(笑)
GM/『FF』のチョコボがクエー。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/かわいい! チョコボもいる!(笑)
GM/『聖剣伝説』のラビがピー。
一/ナイストゥミートゥー! 初めましてだな!(笑)
澄華/ハジメだけにはじめまして?
GM/ピキー(審議中) クエー(審議中) ピー(審議中)
呉用/僕が議長です。審議を始めますよ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/呉用どのが議長ポジしてる!?(一同爆笑)
呉用/ドルタちゃんは裁判官カンカンの木槌をお持ちなさい。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/いいのか!? やってみたかった! 木槌を持って出番わくわく!(笑)
澄華/周りをちんまい生き物が取り囲まれるって幸せな位置なのでは?(笑)
一/……のっけからダジャレをかます我が妹にお小遣いをあげよう。
澄華/お兄さまったらお心遣いありがとうございます。でもお財布は仕舞ってくださいまし!(笑)


 ●オープニングフェイズ1/一&澄華 〜百恵と曾孫達の思い出〜

GM/まずはPC1の一と澄華のオープニング、10年前ぐらいのシーンです。澄華が小学3年生、一が小学6年生頃の夏休みに、百恵のいる田舎に来たときのことだ。
澄華/ドルタちゃんと同じくらいのちんまい澄華の時代ですね。
一/澄華リリィだ! まるで百合のように可愛らしい!(笑)
GM/お盆休みの君達は、90歳の誕生日を迎えた百恵の家に来た。親戚は多いが特に2人は年も近くよく遊ぶ仲だ。
一/親戚達がおばあちゃんの家にいっぱいいて、大人達の会話に飽きて2人で工房に行ってたとか?
澄華/澄華リリィは頻繁によく遊びに来て、ぐんぐんお兄さまと仲良くなる! お祖母さまのとこに行きましょうって2人で走っていく!
一/一はお兄ちゃんヅラして手を引っ張ってくんですね。
呉用/……親戚のおばさん達が「澄華ちゃん達。おばあちゃんの所に行くなら桃を持っていってくれる?」とフルーツを持たせてあげる。
GM/百恵以外は来ない、心を許した人しか入れない和室の本棚だらけの工房には魔術書がたくさん。巻き物とか魔道具とかもいっぱいある。百恵は「大事な本を汚すんじゃないよ、桃を食べるならちゃんと椅子に座って食べな」と言う。
澄華/はぁい、お祖母さま!
一/大人しく椅子に座って、桃を洗って剥いて、澄華ちゃんに差し出そう!
澄華/ありがとう、おにいさまー! ニコニコして椅子に座って足をぶらぶらしながら桃をぱくっと食べる、ご機嫌!
GM/百恵をオカルト趣味のある変な人と敬遠する親戚もいるかもしれない。でももう90歳で、旦那と息子達を早くに亡くし自由に生きてるおばあちゃんを止める人はいない。親戚一同は「おばあちゃんは90なのに元気だねえ」と能天気だ。
呉用/平和だ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/平和だね。不思議な物がいっぱいあるし、ちっちゃい子達にはわくわくする場所だろうなぁ。
GM/遊びにきた兄妹に、彼女は決して「来るな!」と言わない。むしろにこやかなに迎え入れ、チョコボに麦茶を出させている。
呉用/……チョコボが、どうやって?
GM/麦茶のボトルを背中に乗せてきたんだよ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/『チョコボの不思議なダンジョン』だと羽を手みたいにしても使えてたし!(笑)
一/器用な鳥ではないか! お礼にマーブルチョコをあげよう!
GM/クエーとチョコを食べるチョコボ。百恵は「アンタ達は桃を美味しそうに食べるねえ。○○のとこの坊主は良い土産を持ってきたみたいだ」と、書き物をしながら笑っている。「一も早くしないと澄華と……スライムに全部食べられちまうよ」 ピキーと桃に食らいつくスライム。
呉用/桃争奪戦争だ。
澄華/ぱくぱくぱくぱくもぐもぐぱくぱく!
一/愛しい妹が全て食べるなら本望というもの! しかしちょっとだけ欲しい! あせあせしながら一口もぐ。
GM/なおラビはうまく桃が食べられなくて、ピー……とションボリしている。
澄華/ラビちゃんにはちっちゃく切った桃を食べさせてあげる! いっしょに食べましょ、あーん!
GM/ピー! ラビは澄華の手から桃をぱくぱく。
一/我が妹の優しさは神話の女神を超越する……(笑)
GM/ピキー。スライムが一の桃をがぶがぶ。
一/ああー! 全部食べるでないぞ! 半分ことここは相場が決まっているのだ!
GM/ピキー! 桃を口に含んでスライムは逃げだした! ……とはいえ、スライムは工房からは出ない。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/逃げたー!(笑) みんな可愛い! 桃缶が食べたくなってきた!
澄華/本蔵の一族はもっと暗いと思ってた!? 残念! このテンションよ!
GM/まだ呉用がいないのでスライム達に「審議中」という文化が無い。
一/審議中の文化! 早く!(一同笑) 妹の語彙力の豊富さ天を仰ぎながら麦茶を飲み干します。桃はスライムにあげたのだ!
澄華/呉用さんがいないこの時代ならダジャレ言い放題なんですね!?
一/スーパーダジャレタイムか!?(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/誰もスミカどのを止められない!?(笑)
澄華/ここは居心地がいいわね! 澄華のすみか〜♪
呉用/呉用は……呼ばれるべくして呼ばれた……?(笑)
澄華/一お兄さまはじめんじゃなくて澄華のとなりに座る〜♪
GM/(百恵になって)「澄華。あんた……言葉に魔力を宿す者になったんだね」 理解のある魔術師顔になるばあちゃん。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/おっ、言霊使いの才能を見抜いたおばあちゃんだ。
澄華/無自覚にダジャレを言うのはダレジャ私じゃー! 澄華はキョトンとします。
呉用/澄華の猛攻は止まらない。君が! 笑うまで! ダジャレを! やめないッ!(一同爆笑)
GM/「私の血筋だ、将来有望な子が生まれても全然おかしい話じゃないさ」と笑う。「一はどうなんだい?」 一が持つ能力は、この年の時点ではどんな感じ?
一/……最近本を読んでいると、アルファベットのAの先端部分が手のひらに刺さるんです。
GM/「ほう?」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/Aが刺さる?
一/言いながら近くの魔術書を広げると、文字が扇状に広がってそのまま逃げていく。
GM/おおっ、言葉を実体化できるのか。
一/澄華ちゃんが言霊遣いなので、対比として「文字」を使うPCを考えました。魔導書の文字が飛んでいって鋭く相手に突き刺さるとかそんなイメージです。「剣」の右側とか特に刺さりやすいし抜けにくそう。
澄華/うわあ最高。って、お兄さまは英語のご本が読める!? 澄華、憧れます!(笑)
一/Aはよく刺さるしOはよく転がる! あと最近英検2級を取ったのだ!
澄華/お兄さま、すごいすごーい!
GM/珍しい能力に感心しながら、いくつか能力を使わせてみる百恵。まだ冴えないところはある、未熟ではある。だが凄まじい能力に「アンタ達は将来有望だねえ……私達なんかより立派な能力者になりそうだ」と嬉しそう。
一/ばあちゃんに褒められたのでとっても嬉しくなる〜! 褒められるとは嬉しいことだ! 嬉しいことだ! もっともっとお祖母さまに近づきたいぞ! どうすればなれるだろうか!
澄華/将来お祖母さまみたいになれるの!? 私も!
GM/「まずは英語以外の教科も磨くべきだね。体力が無いと詠唱もできたもんじゃないよ」
一/んぐっ。……体育がダメ。国語の音読で噛む。
澄華/お勉強頑張る。体力つける!
GM/「あとは、お母さんのお手伝いできないような悪い子には能力の使い方は教えられないねえ」
澄華/お手伝いいっぱいする!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ちゃんと能力発揮できる指導とさりげなくお手伝い推奨……さすがだ!(笑)
一/んぐぐ……善処するしかあるまい。洗濯物を畳む練習をしよう。
澄華/うん。もうふとんがふっとんだしない。
一/確かに吹っ飛んだら困る!(笑)
GM/「布団を畳むぐらいならそこのチョコボだって出来るんだよ、立派な手足があるんだから負けるんじゃないよ」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/チョコボ有能! ぱたくたクェー!
呉用/チョコボは布団も畳むのかよ。……この後に召喚されたドルタちゃん、ちゃんと布団は畳める?(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/できる! ちょっと不格好だけど!(笑)

 ひいおばあちゃんは優しくも厳しい、いつも背筋を伸ばした立派な人だった。
 90歳になっても元気、ずっと元気だろうと思われるような女性だった。
 幼い君達にはとても元気に見えた彼女も、10年経てば100歳。
 100歳のお祝いの席が設けられた。だが君達は、日常の慌ただしさに駆けつけることができなかった。
 ……彼女に次に会ったのは、101歳の誕生日を前にして訪れてしまった葬式になってしまった。

澄華/物心ついたときからずっと百恵お祖母さまはお祖母さまだった。なんとなく、ずっとお元気でいらっしゃるような気にすらなっていた……。
一/……あんなに大好きだったお祖母さまと、どうして最後の時間を十分に過ごせなかったのか。今になって悔やまれる。
呉用/きっと曾孫達は忙しくても、大勢の親戚達が100歳のお祝いに駆けつけたでしょう。それに行けなくても仕方ないよ……大学進学で忙しい時期なら特に。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/頑張っていたら、あっという間だよなぁ。
澄華/お手伝いをした。英語部に入ってお勉強を頑張ってた。運動もテニス部と兼部して頑張った。でも肝心のお祖母さまに会う機会が減って……。
一/……頑張ったけれど、一番見てほしかった人はもういない。
澄華/受験勉強真っ只中だったので……両親にお祝いのお手紙を届けてもらうくらいしかできなかっただろうな。
GM/手紙を送ったなら、お礼のギフトが返ってきたんじゃないかな?
呉用/ギフトがあったら良いね。形見にもなるし。
GM/おお、形見か。……ドルタ、女の子から贈り物を貰ったら何をお返しにしたい?
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ふな?
GM/100歳の誕生日を迎えた百恵のもとに曾孫の女の子から絵ハガキが届いた。百恵が既に召喚して一緒に過ごしているドルタに「女の子に何を贈ったらいいかねえ?」と相談するとしたら、何を贈ろうって言う?
澄華/「おめで鯛ですね(鯛の絵)」と書かれた絵ハガキを贈ります!
呉用/審議中。
澄華/あっ、もう呉用さんが召喚されているからお手紙にも審議されてしまう!(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/お嬢さんへの贈り物! 贈り物にはお花だけども……枯れてしまうか。いや、現代にはずっと取っておけるお花があるんだろう? 我が姫君、そういった品はどうだ?
GM/「ずっと取っておける花? ……ああ、『澄華』だしねぇ」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/そう! 名前にも入っているなら、きっと喜んでくれるだろうさ! どうかなどうかな名案かなライオン尻尾ぱったぱった。
GM/「ずっと咲いている花か、粋なこと考えるねえ」 ドルタを撫でる百恵。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/褒められた! ふふふ、粋であろ! 撫でられてぱあぁぁって嬉しそうにするー!(笑)
呉用/会ったことないのに贈り物を考えるのは難しいのに、名前とかけてのプレゼントなんて良いチョイスをしますね。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ふふん!
GM/「呉用、アマゾンですぐ検索して注文だ」
呉用/既にスマホで検索済みですよ、百恵様。花は5種類から選べますがいかがしましょう?
GM/「年頃の女の子なんだ。アンタが可愛い花を選んでやりな、色男。ああ、澄華は黄色のリボンがお気に入りだよ」
呉用/僕は女性を落とすスキルはサッパリなんですがね、まあ80点の合格ラインの花を選んでさしあげましょう。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/お嬢さんはお勉強を頑張っているんだったな。なら捗るような元気の出る色が良いかな!
澄華/わあぁー! 机の上に頂いたプリザーブドフラワーを置いて、受験勉強バリバリ頑張ります!(笑)
一/あっ、一が贈った絵ハガキは『相田みつを』ばりに字がデカいです!(笑)
GM/「……呉用。20歳の男から祝いの手紙が来たんだけど、何を贈ればいいと思う?」
呉用/こちらのサイトにある、誕生月の石をオプションで付けられる『名前入れオーダーメイド・フォトフレーム』はいかがですか。
GM/……シャレオツか?(笑)
呉用/ネクタイと名前入り万年筆と腕時計とで迷いましたが、そういう物は親父さんが贈りたがります。どんな子か知りませんが、子供ならキラキラしたものは好きですし、大人なら好きな子の写真でも入れたがるでしょう。
一/凄い、周囲の人のプレゼントチョイスの余地を残したうえで贈り物を選んでいる……! さすが軍師すぎる!
呉用/しかし一の誕生日を間違えて違う誕生石のやつを贈る。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/≪+50うっかり≫が発動!(一同笑)
澄華/呉用さん、さすがうっかり!(笑)
一/キラキラしている! 素晴らしい! そして写真も入る! これは1月の誕生石のようだが名前に一が入っている俺にとってなんら問題は無い!
澄華/どポジティブ! さすがですお兄さま(笑)
一/一も勉強のかたわら机に飾ったフォトフレームを眺めてニコニコします!
GM/英霊達に相談し、最終的には百恵が選んでメッセージを贈る。2人の元に届いた百寿のお返しが、形見の品になった。……それから数ヶ月後、一と澄華の元に今度は悲しい知らせが届く。
澄華/訃報を聞いて……「もう一度お会いしたかった。どうして無理を押してでも会いにいかなかったのかしら」と、手元に残された形見の花に視線を落としながら呟いて、しめやかに喪服の準備をします。
一/悲しい知らせを前に茫然と立ち尽くして……居ても立っても居られず荷物をまとめて工房のある実家へのチケットを取る!
GM/そんな4月25日の春のこと。以上でPC1のオープニングを終わりにします。


 ●オープニングフェイズ2/ドン・キホーテ・オルタ・リリィ&呉用 〜百恵と英霊達の思い出〜

GM/PC2とNPC2のシーンです。……さっき、NPC1が死ぬ前に日常っぽいことできて良かったな。
呉用/良かったね、さっきのプレゼント選択。大事な孫達へのプレゼントを相談する仲だったんだね。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/うん、良いシーンだった。大事な人への贈り物の話してくれたの、嬉しい!
一/プレゼントでみんなの性格がよく判って楽しかった!
GM/百恵は英霊達に大切な孫や曾孫の話をいっぱいしてるだろうな。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/話をいっぱい聞いてるよ! いつか会ってみたいなあって思ってたよー!
澄華/プレゼントとっても良かったぁ……早くみんなに出会いたいな〜。
GM/その前にオープニング2つ目です。まず最初に、呉用とドルタにはイベントキーを配布します。

 『イベントキー:百恵の令呪』
 百恵「令呪をもって命ずる。工房を守護せよ、工房を守るため一歩たりとも外へ出ることを禁ずる」
(1)PC2英霊は、基本的に工房の外には行くことができない。行ってもいいが、体が重くなりうまく行動ができないような強制力が働く。
 ※ドルタが工房周りを見回り散歩するという設定があったので、周囲はOKとする。
(2)令呪を施したマスターがいる状態で外に出ようとする場合、【意志】判定難易度20に成功すること。
(3)この制約は、令呪を施したマスターのことを忘却するか、≪心霊治療≫による令呪除去手術を行なうまで続く。マスターが死亡しても令呪の強制力は働く。だが、若干だから拘束は弱まる。【意志】判定難易度8に成功まで減少。

GM/これは召喚時にすぐ施された令呪です。PC2達は工房を離れられません。……でも、ドルタの見回りお散歩設定が可愛かったので若干OKとする(一同笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/お庭のお散歩が許された!(笑)
GM/ただし、本宅には行けない。100m範囲までの散歩なら許す。
呉用/本宅から工房までの距離が確か200mだったね。基本的に百恵様が寝泊まりしているのは本宅かな?
GM/工房は趣味の間で、本宅で寝泊まりや食事をしていたよ。ただし工房にもベッドがあるのでそこで寝ることもあり、蛇口やキッチンも完備しているので昼食を工房で取ることもあった。
一/本当に離れの屋敷……実に魔術師らしい。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/吾輩達は趣味の間が実質お家なのだな。たまに一緒にご飯を食べられるときが嬉しいやつ!
GM/工房には英霊2人の部屋も用意されているよ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/やったぁ! 『騎士道物語』全巻おいとこ!
呉用/百恵様が読み聞かせしてくれそうだ。
GM/英霊2人の部屋は……一応男女だし、別室がいい?
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ドルタはどっちでも気にしないよ! 8〜9歳だし!
呉用/僕も気にしません。軍師になる前は塾の先生でしたから子供は好きだし世話を見るものです。
GM/同室だ……(笑) そんな2人は、4月4日のことを思い出す。4月4日……百恵の工房にて、従者を召喚する儀式が行われようとしていた。術者はもちろん百恵。工房の一室には魔法陣が書き込まれている。あとは呪文を唱えて召喚するのみだ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ほわっ。支度を手伝う!
呉用/出来る限りのサポートは致しますとも。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/陣を描くのは苦手だけれども、必要な品を用意したりする! 今度はどんな仲間が来るんだろうなぁ?
呉用/百恵様がお呼びするのです、最高で最強の英霊に決まっておりますとも。我々がそうなのですから完璧で完全な召喚になるでしょう。あ、フラグ立てておきました!
GM/何故立てた?(一同笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/うむ、確かにそうだな! つつがなく現れたら、工房内の先輩として吾輩達で色々案内しなくてはな!
GM/華麗なる残念英霊のフラグ建築……(笑) 百恵は呪文を詠唱し、英霊召喚を始める。ちなみに英霊召喚は『AW』の世界的にはめちゃくちゃ難しい。一生に1度するのが普通、2度も3度もしている人はまずいない。『悔いなきセレクシオン』の神木麗子という高位の魔術師でさえも、その友であるリー=ホンファも、1体しか召喚できていない。
呉用/(←『セレクシオン』のGM)ああ……確かにキャラクターレベル20の麗子さんも1体しか召喚できてないね。
一/(←『セレクシオン』の麗子の中の人)召喚した英霊は最強の英霊でしたけどね!
澄華/(←『セレクシオン』の最強の英霊の中の人)最強に避けまくる英霊でしたね!
一/けど、それを考えると……お祖母さまは一体何者なんだ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/残念鯖とはいえ2体も召喚してるのだから凄いことだよなぁ。
呉用/『FGO』のおかげで数十体の英霊を使役する魔術師の構図が普通になっているけど、あのゲームの設定は「組織の力があるからマスター1人でも魔力を維持できる」というものだし、破格すぎるんだよな。元になった人物がいての再現とはいえ、本来世界にいる訳が無い生命を一から創造するなんて、普通の人間ならそう易々と出来るものじゃない。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/さすがは吾輩達の姫君よ!
GM/百恵は呪文を唱える。「魔の縁に従い、鼓動のいくらかを我が身のために。虚栄の夜を払い、真実なる貌あるがままに現せ」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/詠唱かっこいい……!
GM/そして召喚された。もくもくもくと煙が立つ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/わくわく! きらきら光るかな!?
GM/「ヒーホー」
呉用/ひほ?
GM/「召喚に応じ参上したヒホ。貴方がヒホのマスターかヒホ?」 英霊ジャックフロストが召喚された。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ジャックフロストー!?(笑)
呉用/ヒーホーくんだぁ!?

 ジャックフロスト。
 イングランドの民間伝承の妖精。寒さを具現化する霜の妖精、もしくは民話上の怪物。
 ゲーム『女神転生』シリーズでは雪だるまのような姿の妖精として登場し、製造メーカーであるアトラスのマスコットキャラクターとして愛されている。
 なお、上の画像は『ルリルラ・ノイシュタルトハイ・リプレイ〜異次元メルト』に登場した、『真・女神転生TRPG』の世界から異世界召喚されてしまったというNPCのものである。

ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/おお! 雪の妖精だな! 可愛いものが増えた!(笑)
一/喋れるタイプの英霊だー!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/鳴き声のみの子が多いので、お喋りできる子が増えるのは嬉しいね!
GM/ここでドルタと呉用は、【知覚】判定で難易度10を。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/おっ?(ころころ)達成値13で成功。
呉用/(ころころ)出目が1と3……達成値8で失敗。これはSSR間違いなしですねってうっかり顔をしてる! 丁寧にお辞儀してるので何も気付かぬ!
GM/呉用は現れた『ジャックフロスト』と呼ばれる英霊に挨拶してたことで何も気付けなかった。しかし成功したドルタは、気付いてしまう。百恵の表情に。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ほわっ、姫?
GM/百恵は声を出さなかった。だが百恵の表情は、「……ああ、また失敗だ……失敗した……」という、落胆したものだった。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……我が姫?
GM/ドルタが見てることに気付いた百恵は「初めまして、ジャックフロスト」と……いつも君達に向けていたような表情に戻る。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……呉用どの、呉用どの。呉用どのにしゃがんでーって手招き。
呉用/いかがしました? ここぞというときに聡い騎士殿。
GM/ここぞというときにうっかり軍師殿。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ん、ん、あのな……。姫がな、「失敗した」って、今そう言っててな。「また失敗した」と……今回の召喚、姫の狙いと逸れた者が来てしまったのかなあって思ったのだ。
呉用/ふむむ? 屈みながら話を聞く。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/心なしかお髭しょぼん。……はたして何を狙っていたのか。一助になりたいので、後で聞いてみようと思う。
呉用/失敗、何をおっしゃる小さき騎士殿、聡い貴方ならお判りでしょうに! この雪の妖精は知名度も高くご立派な英霊ジャックフロストでこれで失敗だと嘆いていたら我々はみーんな残念だって言われているようなものでしてまさかまさかそれに狙った英霊を狙い打って召喚するなんてできやしませんよそんなの難しすぎるしそんな大した技術できる能力者なんて聞いたことがありません! あ、フラグ立てておきました。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ありがとよッ!(一同笑)
一/一級フラグ建築士!(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/しかしだな、呉用どの。吾輩、姫の憂える表情と言葉が頭から離れぬのだ。あの方は、その難しすぎることに、挑戦していたのかもしれないのだ。
GM/……呉用に提案したドルタ、特別に【幸運】判定をどうぞ。難易度は若干高めの11。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ぴゃっ。(ころころ)達成値12で成功、やったー! お髭ぴーん!
澄華/お髭ぴん! かわいい!(笑)
GM/では百恵はその問いに対して、大変言いにくそうな顔で、ドルタにだけ、誰にも聞かせないような形で答えます。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/めげないぢから!
GM/「……間違ったものを……召喚したいのは、確かなんだけどねえ……」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……ふむ?
GM/「ジャックフロスト、あの子には悪いけど……私の求めていたものとは違う。ダメだった……ねえ……」 これ以上は話しません。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……そうか。言いにくいことを離してくれて有難うな、姫。その懐深さに感謝を。
GM/曖昧に笑って、その場は百恵は誤魔化した。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/姫よ。たとえ間違ったものだとしても一心に望んでいれば、いつかは叶うさ。
GM/「…………」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/何しろ、吾輩がそういう英霊ゆえな! ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャの名に掛けて、そう誓おう。
GM/「…………うん」 ドルタを撫でる百恵。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ふふふーっ。撫でられてニコニコする。
一/……んんん、これはかっこいい!(笑)
GM/これはかっこいい騎士だ。ドルタは可愛いだけじゃなかった(笑) ……シーンは変わって、20日後の4月24日。時刻は21時すぎ。百恵は夜まで工房にいましたが寝自宅のため本宅に戻っていきました。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/はいっ!
GM/もう夜だ、今日はあと寝るだけ。チョコボは草のベッドでふかふか。ラビとスライムは座布団でふかふか。ジャックフロストは冷蔵庫の中へバタン。
呉用/ここがあの雪だるまのハウスね!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/可愛い天国かよ。雪だるま つくーろー♪(笑)
GM/そのとき突然全員に消失感が襲う。令呪の繋がりの希薄さを覚えた。それぞれの刻印が疼き、「マスターの身が危うい」という直感が全身に走る。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ぴぃっ?
呉用/ううっ!?
GM/君達には直感的に判った。本宅でお手伝いさん達が騒いでいる。……百恵が最期を迎える時がきた。彼女はもう年齢的にも肉体的にも限界だ、それは自覚したくなくても霊的に繋がっている君達には判ってしまうものだった。
呉用/なっ……百恵様!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/姫っ! がばっと寝床から転がり落ちるように抜け出す! そのまま本宅の方へ!
呉用/こちらも駆け出す!
GM/その前に選択な。本宅、行く?
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/行く!
呉用/行きたい。……でも。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/判ってる、令呪があるのは! それでも少しでも近くに! 今駆けずにいつ駆ける!?
呉用/…………。
GM/ドルタは行くと即答だ。体は重いが、【意志】難易度8ぐらいの重さだ。行けないことはない。なおこのシーンの判定は結構です。凄く行きにくい体だという演出だけをします。それでも行く?
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/行く! ……呉用どの! 呉用どのは、どうする?
呉用/……行きたい、けど……。プレイヤーとして1人は工房に残っておきたい。ドルタが即答して行くなら、呉用は待っている選択でいいですか。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/なるほど! ……うん!
呉用/嫌な予感がして「絶対行かなきゃ後悔する」と判っているのに、その嫌な予感が……生前のトラウマをぶりかえして身動き取れない……という演出で工房に残ります。
GM/納得の流れだ。その場合、演出するシーンは1人ずつ分割します。
呉用/……ドルタちゃんなら任せてもいい。大丈夫でしょう、主人はきっと無事です、僕がいなくても大丈夫です。自分に言い聞かせて任せます。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/あい任された! ドルタは重い身体を振り払うようにして走ります! 「僕がいなくても」という言葉には異議があるけどもな!
GM/本宅に重い体で駆け寄ってきたドルタ。そこにはお手伝いさんが倒れている百恵を看病しながら救急車に電話を掛けていた。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/お手伝いさぁん!
GM/お手伝いさんのイメージは、銀髪褐色赤い外套を纏った料理が得意そうなCV諏訪部のお兄さんです。
一/エミヤ!?(一同笑)
呉用/料理が美味そうなお手伝いさんだな!?(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/使用人の男性が電話してる傍らの百恵おばあちゃんに駆け寄る! 姫っ! 手をぐっと握る!
GM/体が重い。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/うっ……! 手足に鉄や鉛の塊でも括られているのかと思う程の重さだけれども、構わない!
GM/「……あ……」 倒れていた百恵がドルタを見る。ぜえぜえ、今にも途切れそう。いや、途切れてしまう。でも君と目が合った。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/吾輩だ、ここにいる。最後までついているぞ。呉用ももうすぐ来る。しっかりと目を合わせる!
GM/彼女は、絞り出すようにして口を開く。「……赤ちゃん……」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……赤、ちゃん?
GM/彼女の……目の焦点が合い、「……ああ、ドン・キホーテ……ありがとう、来てくれたんだ……」 もう一度ドルタを見る。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……苦しい。悲しい。それでも、泣き顔で見送るなどしたくはない。
GM/「ありがとう……今まで、寂しい私のもとで、ずっといてくれて……ありがとう」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/此方こそ、呼んでくれて有難う。姫。ずっといる。寂しくなどさせやしない。
GM/安心したようにドルタの声を聞き、「……ごよう……みんな……はじめ……すみか……ありがとう……」 そうして彼女は、息を引き取った。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/「…………。暫しの別れだ。縁ができた。また、巡り、会えるさ」
GM/……4月24日。本蔵百恵、永眠。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/一滴だけ、帽子の下で静かに落とし、顔を上げて……最後にもう一度、眠る顔に「ありがとう」と言う。
GM/……その後、お手伝いさんの手によって救急車が到着。救急隊員により死亡が確認された。100歳まで生きた百恵が亡くなったという報せは、翌日25日に親戚一同に届くのだった。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/……工房に戻るよ。来なかった呉用どのの事も心配だから。
GM/さて呉用。ドルタが行っている間、工房でどうしてる?
呉用/入り口で出ようとして、体が重くて動けない状態です。行きたいけど行けない、でも……って立ち止まっています。
GM/令呪の強制力が完全に薄まる。この瞬間、主人である百恵が死んだのが呉用にも判った。
呉用/……ううう……。悩んでいるうちに……主人が自分のいないところで死んでしまったと直感で気づいて、口を抑えて、ぼろぼろと泣き始めます。
GM/そんなとき、声が聞こえた。工房の中にいる仲間達の声ではない。男性の声だ。
呉用/どなたです。涙を拭って尋ねます。キッ!
GM/呉用にとって一番恐怖することって何ですか?
呉用/……主人が死ぬこと、です。
GM/では、呉用の耳にこんな台詞が届く。「お前が近くにいれば助かったかもしれないのに。お前がすぐ駆けつけたら主人は死なずにすんだのに」と。まるで、君の心を抉るようなことを言う。工房に残っていた呉用のみ、【正気度】判定で難易度15をどうぞ。
呉用/なに? 心を抉られた……?(ころころ)出目が1・3で失敗するしよおおお!?
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/ぴいっ!? こ、こんにゃろフシャー! 呉用どのをいじめるなー!
GM/さっきから呉用の出目が低いな、でもオープニングなのでここで【正気度】判定が失敗してもロストはしない。ただペナルティとしてバッドステータスの放心と毒になる。……その声は、呉用が生前仕えた主人と同じ声で苛んできた。
呉用/え。
澄華/ひいっ……。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/えぐっ……えぐい! いじめ良くないガルルルルル!
呉用/…………。百恵様が亡くなったショックと、かつて愛していた主人に、絶対に言わないだろうけど「きっと心のどこかで言われるんじゃないか」と恐れていた声がして、耐えきれなくて口を抑えるのではなく頭を抱えて、ああああって泣きます。あああああ!
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ/あっ……絶叫する呉用どのを発見したら、何も言わずに抱え込む!
GM/叫び続ける呉用を発見するドルタで……このオープニングシーンを終えます。