アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 神様のいうとおり 』 2ページ ■
2020年10月17日




 ●オープニングフェイズ2 〜みんなでゲームセット〜

GM/白鳳院刹那、君はエンディングフェイズを迎えた。
クラリサ/えっ!?
GM/ヒロインの七子を助けることができた君は、大切な3人の仲間達と悪しきモンスターを倒したのだ。
コリン/あっれ!?
GM/彼女はヒロインの七子。そして本日ゲームマスターをしている女子高生の七子さんだ。
一青/まじで!?
GM/PC1、君は白鳳院刹那。彼女は七子。ゲームマスターの女の子だ。復唱。
クラリサ/僕は白鳳院刹那。彼女はゲームマスター七子。……これ、今後はクラリサではなく、刹那としてロールしろと?
GM/なに言ってるんだ、君は白鳳院刹那だぞ。今日は良いセッションだった。君達の真実はそれだ。

 『イベントキー:君達の真実』
 君達はハッピーエンドを迎えた仲間達だ。
 それ以上に深い設定は無い。いいセッションだったね。(PCデータは作ってきたものをそのまま使用する)


コリン→ジョシュア/いやぁ、良いセッションでしたね!
茨→野薔薇/良いセッションだったな、展開も王道ゆえに熱かった。
一青→ひいな/特にラスボスに相対した時の皆さんの口上が格好良かった……!
クラリサ→刹那/口上なんて覚えてないな。……ヒロインの彼女を助けることで必死だったから。格好つける余裕すらなかった。とにかく、みんなが無事で良かった。
GM/(七子になって)「凄く楽しいセッションでしたね! 初心者だとは思わなかったですよ、刹那さん。まさか女子高生の女の子やりますって聞いたときは驚きましたけど、やっぱり色んな姿になれるのがTRPGの魅力ですねー」
刹那/……うわあ、こうなるのか。これ、これからの展開、エグすぎない!?
ひいな/あ……ああ、なるほど。楽しくなってきた!(笑)
ジョシュア/あそこで出したクリティカル熱かったナー!
野薔薇/初めてとは思えないほど凄かった。楽しかったよ。
刹那/いやあ、野薔薇さんの男性ロールめちゃくちゃ良かったです。参考にしたい!
野薔薇/ははは、照れるじゃないか。普段からあんなだからとくにキャラロールを頑張ったとかではない、毎回こういうキャラしかやらん。
刹那/ジョシュアさんのキャラのコリンくんのたぬき、凄く格好良かったです!
GM/「たぬき、格好良かったですよね!」
ジョシュア/たぬきは何やったんだ(笑) みんなには正体隠してる女装少年もかわいかったネー! 裏声ロールめっちゃ面白かったヨー!
野薔薇/女装少年の少年が露呈する瞬間、芸が細かくて良かった(笑)
ひいな/えへへ、普段やらない方向性のPCをやってみたくて……!
ジョシュア/野薔薇さんのPCとボクのPCが実は同僚だった、って判ったときは笑っちゃいましたネ。
野薔薇/笑った笑った! あいつらもこれを肴に飲んでると思う!
刹那/設定が被っちゃったからの事故でしたね。
ひいな/刹那さんはロールするるるってして格好良かったし、野薔薇さんのキリッとしたロールは憧れちゃうし、ジョシュアさんがやるコリンさんとたぬきのコンビネーションはふふっとなっちゃう清涼剤で! これは卓感想が捗りますね!
GM/「クラリサちゃんは凄く可愛かったですよ。刹那くん、初めてのPC1お疲れ様でした。また一緒に遊んでくださいね」
刹那/もちろん! みんな、これからもよろしく。
ジョシュア/おっと、未成年の子もいるしそろそろお開きにしましょう〜。また〜。
ひいな/はぁい! お疲れ様ですー! また遊びましょうね!
野薔薇/セッションお疲れー! またTLで会おう。あ、刹那くんフォローするね。
GM/みんなログアウトする。ゲームの画面が消える。楽しかった冒険はこれで終わりだ。明日から、君達には普通の生活が待っている。白鳳院刹那としての生活が、木ノ本アパートで、双子の姉のいる普通の生活が始まる。
刹那/そ、そこは同じなんだ? 成り代わりだから、本人しか変わってない世界創造で……。
ジョシュア/本人しか成り代わってないから、二卵性の双子とかになるのかな……。
GM/成り代わりって何のことやら?
野薔薇/キャラクターメイキング段階で言ってた「設定が近い方がいい」の理由、こういうことだったんですね(笑)
GM/さて、刹那はログアウトして一人になった夜、何をする?
刹那/刹那は……シャワーを浴びます。ヴィジュアル系なのでサービスカットを出します。
ひいな/ビジュアル系を何だと思ってんだよ(笑)
刹那/シャワーでぷはぁと今日の楽しさを思い出しながら、詫びイケメンします。
ひいな/詫び石みたいに言うんじゃないよ!(一同笑)
刹那/最近だと詫びBLという言葉もあるし。美しく前髪を掻き分けます。
GM/……なんだか、違和感がある。ゲームは楽しかった。楽しいメンバーと語り合って、ヒロインを助けて、ゲームマスター七子といっしょにハッピーエンドを迎えた。
刹那/違和感……。
GM/何が違うのかは、よく判らない。そんな変な不安が、疑念が、君を襲う。しかし考えても判らない。
刹那/オッドアイの片目が湯気の中に現れます。詫びカット。
ジョシュア/サービスカットが多い(笑)
刹那/なんだ、この……僕の心を覆う黒い靄のようなものは。あれだけ幸せだった時間が、妙な不安に覆われて潰れてしまいそうなほど苦しい、などと考えてます。
ひいな/詫びポエム?
ジョシュア/なんでそんな息するように中二台詞が出てくるの、凄くない?(一同笑)
刹那/すまない、ポエムは自重してる。
GM/自重してそれなのか(笑) ……違和感は、他のPC達も感じる。3人とも、ゲームは楽しかった、筈なのに、なんだか「これじゃない」って気分に襲われる。何が違うのか、考えたってちっとも判らない。
ジョシュア/ううん……? 何かおかしい? 判らん……判らんからビール飲もうっと。
野薔薇/セッション後のクリアアサヒ最高。
ひいな/そこは共通!(笑)
ジョシュア/「セッション後の一杯オイシイ!」ってギネスビールの缶の写真アップする(笑) 野薔薇さんに「今度飲み会しよ」ってDMを送りますわ。
野薔薇/賛成! いつがいい? 日程調整を始めます。楽しいセッションだった、アフターも楽しい。なんか違和感あるけど……よく判らん。
ひいな/あれだけ楽しかったのになあ……? うーん、一晩寝ればスッキリするでしょ! お化粧を落として、ちょっとボーイッシュなハンターらしい格好に着替えてから、トレーラーから出る。そしてふせったーで卓感想をドバーっと語りまくる。
刹那/ひいなちゃん、いっぱいツイートしそう(笑) 僕の考えすぎか。みんなもツイッターで楽しかったって感想を呟いているし。楽しい感想ツイートに、笑おう……。

【白鳳院刹那、野薔薇、木花ひいな、ジョシュア・オライオンの4名はそれぞれ、『AF判定1』か『AF判定2」のどちらか1つを選択すること】

『AF判定1:違和感を拭い、日常に戻る』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:20

※「君の人生を送る」演出に成功すること。
 成功した場合、『君』のエンディングフェイズに移行する。

『AF判定2:違和感に気付き、正体を知る』
 ・使用能力値:【知覚】【意志】
 ・難易度:20

※「自分が『この世界に本来いるべきではない存在だと気付く』」演出に成功すること。
 成功した場合、本来のPCを助けに行くことを決意する。


野薔薇/うっ……。
ひいな/きたか……
ジョシュア/やはりな……。
GM/AF判定を2つ提示します。PCは、お好きな方を1つだけ選択してください。
刹那/うわ……これ、『偽物が偽物の自覚が無い、我想う故に我あり系シナリオ』じゃん! エグいセッションをするなぁ!?
GM/シーンは誰からでも好きにやっていいよ。シーンはどこの時間でもいい。明日でも、来週でも、1年後でも。やった人から、エンディングフェイズになるか、誰かが消えて誰かが帰ってくる。
ひいな/面白いシナリオですね、これ!? 「どこの時間でもいい」っていうのが、また……。
刹那/えっぐい……。他のPCの動向を見たいので、後に動きたいです。
野薔薇/野薔薇は、3日後に『AF判定2』をします。
GM/真っ先に宣言してくれた野薔薇さん、1シーン目をしていきましょうか。
ジョシュア/あ、もし可能なら野薔薇さんと飲み会シーンやりたいな。
野薔薇/やりたいですね! ぜひともしましょう! ……しんどいけど(笑)


 ●ミドルフェイズ1/野薔薇 〜自覚〜

GM/野薔薇のシーン、どうぞ。

『AF判定2:違和感に気付き、正体を知る』
 ・使用能力値:【知覚】【意志】
 ・難易度:20

※「自分が『この世界に本来いるべきではない存在だと気付く』」演出に成功すること。
 成功した場合、本来のPCを助けに行くことを決意する。


刹那/飲み会シーンをするんですね。居酒屋……じゃなくて、野薔薇さん達はアダルティでカッコイイからバーに行くのかな?
ひいな/バー! 大人だ!(笑) 落ち着く雰囲気のバーに行ってください!
野薔薇/良い店を探す判定に≪幻想式≫。なんと≪魔杖≫の効果で【MP】消費が1点なのである、やったぜ! おっ、良いバー発見!
ひいな/雰囲気抜群、きっとお酒のメニューも豊富で美味しいんだ(笑)
GM/さすがコードネーム野薔薇だ(笑)
野薔薇/……まず、変だなと思ったのは翌日の朝でした。気のせいだろうと思って眠って、スッキリして起きて化粧をしてるとき。そう、≪幻惑の衣≫を身に纏う、もとい化粧をしているときです。
GM/化粧しているときに?
野薔薇/この化粧品のラインナップ、下地がないのである。ファンデもアイシャドウもアイラインとか口紅もある、でも下地、おっかしいなあ……何を使っていたっけ?
ひいな/下地は大事なのに……。
刹那/用意が、極端に薄い……。
野薔薇/凄く困った。とりあえずニベアの青缶を代わりに使うけど、なんだろう、この、化粧に詳しくない人がそれらしい化粧品を集めたような違和感は……。それはともかく、日曜ですが出勤です。≪コネ「現場復旧委員会」≫に参ります。
GM/礼拝堂が似合う女性だ。
野薔薇/異端は日曜日に休んでくれないから職員が常駐していなければならない。今日は人は少ないけど、まあ我、≪稀有なる才能≫があって仕事ができるから大丈夫だろ。≪賢者の脳髄≫があるので休み明けでもすいすい仕事ができて偉い!
刹那/こんな美しい人がいる教会は幸せだなー(笑)
ひいな/職場の士気が上がりそう(笑)
ジョシュア/野薔薇さんに憧れる後輩がいるに違いない。
野薔薇/野薔薇は後輩のことより飲みの店探しのほうが大事だ、ゴメンな。ジョシュアさんも教会の事務員になるんですかね?
ジョシュア/ジョシュアも教会の事務員ですネー。きっと「何かエセ外人みたいな話し方だっけ?」とか違和感を覚えるでしょう。
野薔薇/あれっ、ジョシュアさんって教会の人だっけ、それはセッションのコリンさんの話……あれ? とりあえず、DMして飲みに誘おう……。
ジョシュア/「雰囲気最高のバーだ! 行く行く〜! でも今日は久々に家族に会うヨ」
野薔薇/家族か、そういえば暫く里帰りしてないな。二世魔術師なので≪魔法剣≫に刻んでいる魔術とかも親の研究を引き継いで発展させて編んだんだけど、あれ、自分は普段どんな風に能力を生かして働いていたっけ……。
刹那/……これで特技を7つ使ったので、難易度が14減少。『現在難易度:6』だよ。
野薔薇/野薔薇の【意志】ボーナスは6、いける。違和感を一つ一つ集めて、確信を得ます。そしてジョシュアさんとの飲みの席で、きちんと個室を押さえて話します。
ジョシュア/個室だ! デキる女だ!(笑)
ひいな/絶対に居心地の良い個室だ(笑)
野薔薇/……あのさ、変な話していい? この間のセッションから、ずっと妙な違和感があってさ。
ジョシュア/あ、うん、実はボクもそれを相談したくて……。
野薔薇/一人暮らしなのに、まるで男の部屋に転がり込んだみたいな違和感があって……。化粧品が足りなかったり、箪笥の後ろから買った覚えのないヤングジャンプが出てきたり。
ジョシュア/金カムとか読んでたっけ?(笑)
茨/そうやってコリンさんのシーンと集約できるといいな、【意志】判定します!(ころころ)達成値11で成功しました。
GM/流れるように成功。『AF判定2』でゲットできるイベントキーを提示します。

『イベントキー:私は野薔薇じゃない、俺は茨だ』
 自分の正体に気付いたことを表わすイベントキー。
 君は目を閉じ、意識を閉ざすことで、キャラロストすることができる。
 そして、元のPCが復活する。世界は元通りに書き変わる。元のPCは、全てを知っていていい。


野薔薇/んっぐ……。
ひいな/おお……これは……。
GM/野薔薇は、ハッとする。そしてこのイベントキーに書かれたことをその通りして、シーンを終えることができる。
刹那/これは……その、「魂の自殺しろ」ってこと……?
野薔薇/……ハッとしました。……魔術師は好奇心で生きてる。ひとつでも気になることがあったら、追及せずにいられなかったんだ。
GM/実に魔術師らしい。
野薔薇/彼の存在を私に塗り替えて、生きることも可能なんだろう。私と彼は近いから。どうにでもなる、が……。
ジョシュア/……うん……。
野薔薇/……ああ、クソ、でもなあ。私もあいつも我が強い。『シノビガミ』なら「信念:我」ってキャラシに書くタイプのさ。そういう人間なんだよな。そんな人間が、他人の借り物の人生で満足できるわけがねぇッ! グラスをドンッ。
GM/ドンッと個室に音が鳴り響く。
ジョシュア/うん……うん。それで、野薔薇サンはどうするの……?
野薔薇/……ああ、美味い酒だった! 一緒に飲めて良かったよ。ジョシュアさんがどっちを選ぶかは判んないけどさ、どっちにしても、あいつとも飲み会してやってよ。そんで私の代わりに、あいつがまずそうにクリアアサヒ飲んでる顔見てプギャーしてやって。
刹那/強い。……悲しい。
GM/だが格好良い。
ひいな/凛々しい……美しいよ、野薔薇さん……。
野薔薇/じゃ、お先。野薔薇はクールに去るのさ。
ジョシュア/野薔薇さんを見送ります。伝票は、ジョシュアが持つよ。餞別にね。
GM/去った野薔薇は、どうする。閉じるか。……意識を。
野薔薇/閉じます。意識を閉ざします。
GM/おかえり、茨。
野薔薇→茨/炭酸が全抜けしたクリアアサヒを飲んだ時みたいな顔になります。
GM/ごく普通に、茨はそこに立っています。記憶は全部あります。次のシーンから茨は他のPC達の前に現れることができます。色んな人に「俺は茨です! 野薔薇じゃないです」と言っても「そうだよ?」って言われる。さっきまで一緒にいた筈のジョシュアですら、野薔薇がいたことを、忘れかけてます。世界は書き変わるから。
ジョシュア/野薔薇サン……中堂サン? あれ、印象が重なってブレるな……。
茨/家に帰ったら誰かが買い足したのであろう化粧下地が転がっているんですけど、それが何か茨にはよく判らないのでした。
ジョシュア/元カノの私物だったかもしれないしね……。
刹那/ひえ……なんやこれ……。
ひいな/プレイヤーは泣き笑いしてますよ、これ……。
GM/なお、次のシーンプレイヤーが「野薔薇のことを覚えている」と言ったら覚えています。シーンプレイヤーがAF判定で世界を作るから。
刹那/そう……『アナザーワールドSRS』というゲームは、シーンプレイヤーの妄言の権力が強いんだよ。『嵐のメロディ』『ラブシックス・ヤー!!』でも説明してるけど、シーンプレイヤーが「ある」と言ったものがあって、「そうだ」と設定したものがそうなる世界だから……。
GM/AF判定の中で「銀行強盗が起きました」と言えば本当に起こるし、「PC2とPC3は実の兄妹でした」と言えば血の繋がった兄妹になる。
茨/化粧下地もあると言えば、ある。……茨に戻っても、消えないままです……。
GM/「ジョシュアが野薔薇のことを覚えてる」と明言すれば覚えているけど、「言わない限りは覚えてない。世界が野薔薇なんていないと書き変わっているから」
ひいな/どっちを選んでもいいっていうのが、いいな……。
ジョシュア/……次に、ジョシュアが続けてシーンをしたいです。セッション翌日、まだちょっと疲れも残りつつ、でも家族に会うシーンをします。
ひいな/家族と……会うんですね。


 ●ミドルフェイズ2/ジョシュア 〜謝罪〜

ジョシュア/では、ジョシュアいきまーす! 『AF判定2』で、いきます。

『AF判定2:違和感に気付き、正体を知る』
 ・使用能力値:【知覚】【意志】
 ・難易度:20

※「自分が『この世界に本来いるべきではない存在だと気付く』」演出に成功すること。
 成功した場合、本来のPCを助けに行くことを決意する。


ジョシュア/セッション翌日、目が覚める。なんか、変な感じ。家具の配置とか衣服とか、変わってないのに何か違和感がある。まるで、魚眼レンズで世界を見てるような気分……≪空間歪曲≫。
刹那/眼精疲労かな?
ひいな/長時間パソコン画面を見てたからだ。
ジョシュア/≪清浄の使者≫のホットアイマスクして寝たのに〜! ≪気迫の盾≫のブルーライトカット眼鏡も着けてたのに〜!
茨/気迫のブルーライトカット眼鏡!(笑)
ジョシュア/あ、いや、ボク……眼鏡を掛けてないな? ブルーライト眼鏡イズどこ?
ひいな/あぁ……さらっとちくちく抉られていくAF判定(笑)
ジョシュア/段々不安が増してくるけど、いやこれは秋の低気圧のせいだ! そうだろハム太郎、≪いとしのシト≫!
茨/へけっ!(笑)
ジョシュア/意識を切り替えて、家族に会いに実家に行きます。同じ市内のちょっと離れた住宅街にある実家に戻る。日曜なので両親も弟妹もいる。
刹那/実家も日本なんですね。
ジョシュア/で、両親と最近の仕事の話をしたり、弟妹と学校の事とか最近ハマってるゲームの話とかするけど……なんとなく、噛み合わなさを感じる。
GM/(ジョシュアの母になって)「これハム太郎に合うと思って買ったキツネのぬいぐるみなんだけど……あれ?」
刹那/(ジョシュアの妹になって)「なんでお母さん、キツネなんて買ってるの? お兄ちゃんってキツネってキャラじゃないじゃん!」
茨/(ジョシュアの弟になって)「被食者と捕食者じゃん、ハム太郎が食われるよ(笑)」
ジョシュア/うん? というか、なんでハム太郎なんだ? だってうちは……狸の妖怪の筋だぞ。
ひいな/ぞっとしない……。
ジョシュア/不安感ばかり募るので、今日は実家に泊まる予定だったけど「急な仕事が入っちゃったから帰るね」と言って夜には帰宅した。本当は、自分が使ってた部屋に行って荷物とか片づけるつもりだったけど……もし自分が使っていた部屋にまで違和感を覚えたら怖かったから。
刹那/怖い……。
ジョシュア/……というタイミングで、野薔薇さんからDMが来る。酒を飲んだら、この得体のしれない不安感が拭えるかも……≪興奮剤≫。
GM/そんな感じで更に翌日。野薔薇とバーに行った。
刹那/そして野薔薇さんに、あんなことを言われる。
ジョシュア/そう、彼女を見送った。……やっぱり、この違和感は間違ってなかった。自分は、本当は、ここにいる人間じゃないと自覚する。……じゃあ、本当に此処に居るべき人間は、誰だ?
ひいな/ぞ、ぞくぞくしてくる……。
ジョシュア/自問しながら自宅に戻る。自室じゃない自室。何とはなしにパソコンを付ける。暗い部屋にぼんやりとモニターの光。そうすると、うっすらとパソコンの前に何かが見える。……たぬきだ。
GM/たぬ。
ひいな/なぬ?
ジョシュア/ぼんやりとしたたぬきが、何かを伝えるようにパソコンをぺしぺし叩いている。たぬき……お前、ボクに何か伝えたいんだな!? ≪電波受信≫!
茨/たぬたぬたぬたぬ!
GM/たぬきは何かを伝えたい目をしている!
ジョシュア/これで特技を6つ使ったから難易度が12下がって『現在難易度:8』だ。【意志】判定〜!(ころころ)達成値15、たぬきパワー!

『イベントキー:僕はジョシュアじゃない、俺はコリンだ』
 自分の正体に気付いたことを表わすイベントキー。
 君は目を閉じ、意識を閉ざすことで、キャラロストすることができる。
 そして、元のPCが復活する。世界は元通りに書き変わる。元のPCは、全てを知っていていい。


ジョシュア/…………。
刹那/ああ……もうううう……。
ジョシュア/……そうだ。このたぬきの主は、この家にいるべき者は、あの家族の元に帰る人間はボクじゃない。すとん、と今まで抱いていた不安が腑に落ちる。……たぬきに≪棺の門≫で実体を与え、モフる。
GM/モフられる。
ジョシュア/ごめんなぁ、お前のご主人様を取っちゃって。
茨/……んんん……。
ひいな/泣きそう……しんどい……。
GM/だが、たぬきは君を敵視などしない。
ジョシュア/たぬき……お前、優しいな。昨日会ったお父さんとお母さんと、弟と妹も、本当の兄さんと会えなくて、悪いことしたなぁ……。
ひいな/しんどい……無限にしんどい……。
ジョシュア/……今の自分が消えていなくなるのは感覚的に判る。正直、消えたくない気持ちが無い訳じゃないけど、でも、ここで天住・L・コリンを還さないと、ボクはきっと異端になってしまうんだろう。……本能的な恐怖の方が強い。
茨/んああ……。
ジョシュア/善良な人間を犠牲にして成り代わるのは良くない事だと言い聞かせる。だってボク、レジスタンスだからね! 異端に襲われた人は助けなきゃ!
ひいな/レジスタンスの鑑だ……。
刹那/あ、貴方も、善良なのに……!
ジョシュア/ぎゅっとたぬきを抱きしめる。じゃあ、君のご主人様によろしくね。目をつむり、意識を閉じる。
GM/意識を閉じた。コリンが帰ってくる。
ジョシュア→コリン/……腕の中には、もふもふたぬき。ああ、戻ってきたんだ。
GM/もふん。たぬ。ぎゅうううううう。
コリン/……一瞬だけ、机の上にハム太郎が見えた気がした。ごめんね、ありがとう。そう小さく呟いて、シーンを閉じます。
茨/へ、へけっ……。
ひいな/おかえり……さようなら……。


 ●マスターシーン 〜異空の会話〜

 ――上も下も右も左も、渦が巻いた空間。龍の聖剣が、ウズマキの中で呟く。

 GM/「……これ、おかしいわよね」

コリン/お、おロリ様だ〜!
ひいな/聖剣ちゃん! なんか凄くほっとする……!

 GM/ルージィルが、ウズマキの中で頷く。「はい、おかしいですね。貴方もお気づきでしたか」

茨/ルージィルさんもいらっしゃる!
コリン/そうなのだ! おかしいのだ!

 「いきなり2人が介入して、世界に馴染んできたのだから、さすがに気付くわよ」
 「……まさか『あの芸当』を使うなんて。あれには相当な魔力を消費します。それだけ『奴』が多くの魂を収集して『飛び越えさせる』ほどの魔力を使ったということは判ります。200MPや600MPじゃ賄えません……4人も5人も攫ってくるなんて、恐ろしい異端もいたのですねぇ」
 「これは……最後には、みんなに頑張ってもらうことになるかもしれないわ」

刹那/異端もいたのですね!
コリン/恐ろしい異端がいたんだ……。

 「さて、そのためには」
 「…………ちょっとばかり格上の相手。どうやって自分達が介入しましょうか」


コリン/2人よりも、格上!?
刹那/……あ〜! 『飛び越える』、『格上』、ああ〜!(笑) この2人が「何かあるよ」ってフラグをチラつかせてくれただけでもホッとした! きっとこれ、異端ソウルボックス以外に何かあるよ……!
GM/マスターシーンは以上です。後は残り2人のミドルフェイズのターンになるんだけど……。
刹那/あの……出来たら、ひいなちゃんと七子ちゃんとおしゃべりしたいな。それと戻ってきたコリンさんと茨さんと直面する刹那のシーンがやりたい!
茨/ああ、七子ちゃんも気になるところですね。
刹那/そう、七子ちゃんとしっかり描写しておくのって大事だと思うんですよね?
ひいな/そっか、おしゃべりしよっか。……みんなでお話しましょう。
GM/じゃあ個別のミドルフェイズとは別に、マスターシーンとして全員集合のシーンをしようか。
刹那/オフ会かな!
GM/大人組が誘ってくれたとか?
ひいな/でも大人組が誘ってくれたなら、こっそり和モダンな格好でオフ会いきますよ。
刹那/刹那も行きます。十字架をかいて魔術を操るオッドアイで朱い右目には封じられし古の魔がおりますがそれはまだこのとき開放されることはない普通の男子高校生ですからいつでもお会いしましょう。
ひいな/……ごく普通の?(笑)
茨/ごく普通の?(笑) どこで会いましょうか、駅前のシャノアールとか?
ひいな/実家のようなシャノアール!
コリン/みんな実は近所に住んでるんじゃーん! せっかくだからセッションの打ち上げも兼ねてちょっとご飯とか食べませんかってグループDMする!
GM/七子もそのオフ会には参加する。かわいいかわいい普通の学生のヒロインの彼女は、まるで何度もセッションをしてきたゲーマーのような貫録が、あったりなかったり。
コリン/七子ちゃんは女子高生っぽいのに、使うネットスラングがひと昔か下手するとふた昔ぐらい前なんだよな……(笑)
GM/(七子になって)「お招きいただきありがとうございます。実際こうやって会うのは初めてですよね、楽しみにしてました!」
コリン/初めまして〜。実際にお会いすると印象違いますね!
ひいな/お会いできて嬉しいです。なんだかすっごく緊張しちゃいますね……!
茨/刹那くんのインパクトが凄い。いつもその恰好? それとも……今日はお洒落してきた感じで?
刹那/かの預言者は言った、夢か現か、救世主たちの由縁は何処へ、飛び立てば其処は楽園。どうも、白鳳院刹那です。
茨/どうしてモノローグをつけた?
コリン/落語の前置きか?
ひいな/あっ、ネットと変わらないんだ……って顔します(笑)
刹那/すみません、ポエムは20パーセントぐらい自重してます。
ひいな/80パーセントは全力なんだ!?(一同笑)
刹那/実は……あれからですね、いっぱいやりたいTRPGシステムがありまして! 普通のゲームに目覚めた少年トークしますよ。
GM/「わあ、嬉しいですね。楽しんでもらえてゲームマスター冥利につきます!」 七子はニコニコしています。
コリン/『ドラクルージュ』とか遊んでみようか?
刹那/千年前の神に誓う、咲き誇る薔薇と孤独な君。こんな感じのテンションでいけますかね!?
GM/80パーセントも自重しろ。
茨/ゲームマスターもなんか熟練のゲームマスターって感じでしたが、意外と若かった。経験長いんですかね?
GM/「でも私、まだ16歳なんで熟練ゲームマスターって訳じゃあ……」
ひいな/16歳でそれだけスムーズな進行と手厚い配慮ができるのはビックリですよ!?
GM/ふと、みんなは「アラフォーつらいおwww引退かなーって考えてますwwwwww」という印象的な会話をうっすら思い出す。
コリン/……うん?
ひいな/言いながら……あれ……ってなる。
刹那/「引退する」と言った声と、「やめないでー!」ってみんなで止めたあのやり取りを覚えている……違和感。
ひいな/今、凄く楽しいのに……なんだか凄く、変な感じ。
GM/「あ、ちょっとお手洗いに行ってきますね」 七子は席を外します。PCだけのシーンを作りたいから七子をシーンから外しました。
刹那/……じゃあ、そこに。
コリン/おっ?

 刹那/「あれ、刹那! ここでオフ会してたのー!?」と、双子の姉が偶然現れます。

ひいな/アガサちゃんだ!
刹那/PC達の前に現れた刹那の姉。だが弟は、姉と全く似ていない。……クラリサは身バレ怖くないので、ネット上に顔も出していました。
コリン/……あれっ、なんか、コッチの子のが違和感が少ない気がする?
ひいな/あの子の方に既視感が、凄い……。
刹那/そういった周囲の反応に、刹那自身にも、どんどんと黒い靄が幾度となく積み重なる罪悪のように……。30パーセント自重します。
コリン/急にポエムを吐くな。
刹那/「私、双子の姉でーす! それじゃあ刹那、オフ会を楽しんできてねー!」と元気に姉はシーン退場します。
茨/……彼女、双子なんだ? 雰囲気が違うな。
刹那/……やっぱりなんか、おかしいですね。もう……大人の人は判っているのでは?
ひいな/刹那さん……?
コリン/…………。ちら、と中堂サンの方を見る。
茨/…………。天住さんに小さく頷いてみせます。
ひいな/「判っている?」 ひいなはまだ気付いていないので、首を傾げます。
コリン/単刀直入に言おう。君達、あのセッションの後から何か違和感を覚えていないか?
ひいな/えっと……そういえばセッション後になんだか変な感じがして。今も、ちょっとあります。七子さんとお話しした時と、刹那さんのお姉さんを見たときに。
茨/……俺達もそうだった。セッション後に違和感があって、そこから気づいたんだ。本来ここにいるのは自分じゃない、というか……自分の居場所はここではない、とでもいうか。
ひいな/え……本来、ここにいるのは自分じゃない?
刹那/その違和感の正体、自分で気付くべきですか。それとも、お二人が教えてくれますか?
茨/……気付いてしまえば決断を強いられる。キツいやつな。それでも知りたいなら、教えてもいいと思ってる。……よく考えてから決めるといい。
コリン/……選ばないのも、一つの正解だとは思う。
ひいな/……はい。持って帰って……よく考えてみます。
刹那/……ありがとうございます。教えてもらいたくなったら、お尋ねします。
茨/よし、今は美味いもん食おうか。ホットケーキ食う?
ひいな/ホットケーキ! 食べたいです!
刹那/いただきます、ベリーホットケーキわーい!
GM/では七子が「すみません、ちょっと混んでいました〜」とぱたぱた戻ってきます。
コリン/あ、おかえり。
ひいな/七子さんもホットケーキどうですか! ……今は、オフ会を楽しもう。せっかく、初めておめかしして、街に出たんだもの。
刹那/そうだ、みんなで分けられるでっかいハニトーを注文したいです! 無邪気にはしゃぎます。
ひいな/いっぱい頼んで、みんなでシェアしましょうね!
茨/好きなもん食え食え。奢りますね。
コリン/……自分の弟妹と大して年齢が変わらない子達に、あの決断をさせるのは酷だなあぁ……って内心で思う。
茨/それ……目の前の無邪気な子供たちを異端と思えない。淡々と処理できない……。
コリン/こうして見てると普通の子たちだもんな……。でも、あの暗闇でずっと待ってる子達もいるんだよな……という気持ちもある。出来ることなら、この子達も、切り捨ててしまった彼らも、助けられたらいいんだけど……。
茨/うむ。頑張れ、俺の胃。
刹那/運命の分岐点がそこにはあった、継ぎ接ぎを繰り返した空っぽの世界……。ハニトーにメープルかけすぎてカラになったボトルのことです。
GM/「日本語訳すると『ハニトーにメープルかけすぎた』だけですね」
コリン/翻訳ありがとう!(笑)
ひいな/翻訳難易度が高すぎるよ!(笑)
GM/「目の前の無邪気な子供達を異端と思えない」と考える茨。「助けられたらいいのに」と呟くコリン。そうして5人のオフ会が楽しく進んでいく。
刹那/……決断するミドルフェイズ前に、重要なシーンさせてくれてありがとうございます!
ひいな/ありがとうございました……私は、だいたい決意が固まりました。
GM/良かった。ところでまだセッションが終わってないけど、このシナリオを作った理由を言っていい?
ひいな/おっ、聞きたいです。
GM/先日「俺が優しい、善良だ」っていっぱい言われたから善良な異端しか出てこないシナリオを作ったぞ。
コリン/鬼なの?(一同爆笑)
茨/善良の解釈のふり幅がエグいんですよ!(笑)
ひいな/桐生さんは善良なんですが人の心が無いんですよね!?(笑) 今日の卓は心の傷害罪!
刹那/お前が初代航先生なの忘れてたわ。
ひいな/あ、初代! 大納得!(笑)
GM/「初代航先生」って言われるの令和一のショックなんだが? 善良な皆さん、ありがとうございます。
刹那/ど、どうしよう……実はどっちのAF判定にするかまだ結論が出てない。残酷すぎる決断だよ、どうしよ……!
コリン/未成年ズ、頑張れ……たぬきも応援してるぞ。
ひいな/たぬに癒される……もうズッタズタですよ、情緒……(笑)