アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第7ループ5話 『 Heavens Feel 』 7ページ ■
2010年6月8日




 ●プリプレイ

GM/それでは、『第7ループ』……完結編シナリオ始めましょう。
亜紀/長いシナリオになりましたね。今回で終わるかな……?
相馬/おそらくは今日で最終決戦になるだろう。気を引き締めていきますか。
GM/では、2回目になるハンドアウト公開から参ります。最初は、亜紀と青森のオッサンのハンドアウトから……。

『PC4&NPC5:早乙女亜紀&青森恐一 用 ハンドアウト』
 コネクション:三剣旭人  関係:ウマが合う


恐一/って、またお前か!?(笑)
亜紀/か、鎌倉帰れー!(笑)

 君達は、ライダーと契約していたキャスターと戦い、勝利したらしい。
 結界が消えたことで2人の悪がこの街から消えたことが判明した。
 手がかりを持っていたアーチャーも姿を消してしまった。おそらく昇華されたからだろう。
 八木沼盟の仇が討てたのか? いや、まだ君達の戦いは終わらない。聖杯戦争が無くなるそのときまで。
 そして……彼がまた、変な噂を持ってやって来た。


亜紀/ああ、アーチャー達がいなくなったことで手掛かりが一切無くなっちゃったんですよね。
GM/そこで古川財閥だよ。……では次、相馬さんのハンドアウト。

『PC2:相馬 用 ハンドアウト』
 コネクション:ランサー  関係:好意

 君とランサーは再度契約をした。先日までとは違う主従関係だが、再び繋がりを持てたことで安心感があった。
 聖杯戦争も終盤戦。ライダーが敗れ、結界が消えたことでキャスターがいなくなったという確信を持ち、亜紀達の前にアーチャーが姿を出さなくなったことから彼の昇華を知る。
 残すは、アサシンのサーヴァントのみ。君は本当に願いを、ランサーと共に手にすることを目指すのか?


相馬/うむ……まずはそこから始まりますよね。
恐一/何としてでも弁ちゃんの願いは阻止しろよ!
相馬/ああ、約束したから絶対に。……亜紀くんの中の人のためにも!(笑)

『PC1:秤谷航 用 ハンドアウト』
 コネクション:黒須柊  関係:自由

 君の元に黒須柊からメールが来た。
 君の保証人であり、10年前からの航を知る唯一の存在である彼。自分から過去を問い質しに行って数日、彼からの好意的な声。
「10年前の真実を話してやってもいい」


航/不幸になるフラグが立ったぜ!(笑)
恐一/ついでに黒須を爆発させてきて!(笑)


 ●オープニングフェイズ/亜紀&恐一 〜バレンタイン1〜

GM/亜紀くんと青森さんのオープニングから始めるよ。……あれから数日経ち、戦闘があったという報告が無く2月14日になってしまいました。ラブラブなシーンをやりたいんでバレンタインなイベントをしたいんだけど、14日は何をしていますか。
恐一/バレンタインなんだからデートに決まってんだろ!(笑)
GM/手作りを貰うのか。
恐一/……ああっ!? あ、亜紀の手作り頑張って食べるぜ!? 45歳の胃で頑張って食べるぜ!(笑)
亜紀/いえ、そこはお母さんに「亜紀ちゃん、買ってあげなさい……」って言われたんで大丈夫ですよ(笑)
GM/母の良心か。……それでは、2009年2月14日土曜日。時間は半日の学校が終わった頃がいいかな。
恐一/校門前に怪しい車が停まってます。≪+50明朗快活≫で「よおっ!」(笑)
亜紀/あ、青森さん!
恐一/今日は何の日か判るかなー!?
亜紀/バレンタインー!(笑)
恐一/愛の証をください!(笑)
亜紀/ウイスキーボンボンを昨日姉さんと一緒に買ってきました! 大人の味って書いてあったんで青森さんにピッタリだと思って。
恐一/胃薬を用意して凄い覚悟して来たのに! お姉さんありがとう!(笑) そしてありがとう亜紀!
GM/……そんな会話を校門前でやっているんだな。ヒソヒソ。
亜紀/ああっ、こんな人目がある場所で……!(笑)
恐一/恨み節をぶつけて来るような男子は無視して行くぞ亜紀ー! イイ雰囲気の隠れ家的カフェに入ります。
GM/亜紀くんがチョコあげるんだもの、青森さんだって勿論あげなきゃだよね。
恐一/ハートが描いてあるココアを注文します。この年でチョコレート買いに行くのはアレだからな、こんなんでスマン。
亜紀/あ、ありがとうございます! わーい、ごくごく、ウマー! ……なんか平和ですね。
GM/うん、平和だね。最近は結界が街を脅かすとか激しい戦闘があったっていう話も一切聞かないな。今のところは平和だ。
恐一/戦争なんて終わっちまったみたいだな。……まあ、続くんだろうけどな。
亜紀/まだ弁慶さんも、その相方のバーサーカーも残っていますし……アーチャーもあれから音沙汰無いから消えちゃったのかな……。
恐一/何者かがロストしたって弁慶は言ってたからな……。あーあ、手掛かりが消えちまったなー。どこかに歩いてこないかな、手掛かりー。
亜紀/そんなカンタンには……。
相馬/旭人が窓の外から「よおっ!」と≪+50明朗快活≫
GM/じゃあそれで。
亜紀/≪+50明朗快活≫って遺伝なの!?(笑)
GM/なら盟ちゃんも取らなきゃね。
恐一/そんなのいらない! もっと便利な副特技取るよ!(笑)
亜紀/あ、あの……外に居るのって、もしかして青森さんの親戚の方じゃ……。
恐一/デート中なのに何だ!?(笑)
GM/「どうもー!」……店に入ってきて、亜紀くんの隣に座ります。数日前に会った青森の親戚、旭人さんです。
恐一/……俺のデートを邪魔するからには、相当のネタを持っていなければ吊るし上げるぞ。
GM/「いや、単に面白そうだったから入ってきたんですけど」
恐一/≪浄化の一撃≫ぃ!(笑)
GM/≪両手武器≫ぃ!」
亜紀/こんなところで武器を出しちゃダメですよーっ!?(笑)
恐一/ホラ怒られたじゃないか! まったくこんな非常識な奴が親戚だと思うと情けないぜー!
GM/「一応聖杯戦争のことについて話しにわざわざ鎌倉から来たんですよ! ……平和みたいだけど、まだ戦争って終わっちゃないんでしょ?」
恐一/……そうだな。
GM/「俺だって頑張って色々情報を調べてるんですよ。……義人に血を吐いてもらって
恐一/……本家の方から咳が聞こえるんだが、気のせいか(笑)
航/いきなり義人っぽくなって)「青森のオジサン! そいつ殴っておいてください! 俺の残り【HP】2くらいしかないんだ!」
恐一/オーケー判ったゴスゥッ!(笑) ……じゃあ、調べたっていう情報を吐いてもらおうか。
GM/「いや、特に良い情報はありませんでし」
恐一/パァーン!
亜紀/台詞を言い終わらないうちに秒殺した!(一同爆笑) お店の中で殴り合いはやめてくださいーっ!?(笑)
GM/「でも、なんだか最近この街で、夜中に……コートと帽子の怪しい男が、刃物を出してニヤニヤ笑いながら徘徊しているという噂があるんですよ!」
恐一/……なんだそれ、完全に不審者だな。
GM/「ええ、不審者でしょう? そんな噂になるぐらいっていうのに表の警察は何もしていない。……夜中に危ない奴がうろつき回っているって言ったら、残ってるサーヴァントなんじゃないかって思ったんスよ」……ではコート帽子その他の外見情報を聞いて何かを思い出せるか、【意志】難易度8の判定をしてください。
恐一/(ころころ)……早速ファンブりました! 全然全く思い出せねぇ!
亜紀/(ころころ)亜紀は13でーす。
GM/では成功したら『以前、池で航がそんな男性と一緒に居たような』と思い出せます。オッサンは一切興味無かったけど、亜紀くんは航のことを意識していたもんね。
亜紀/……どんよりした顔になります。
恐一/どうした、亜紀?
亜紀/い、いえ……。
恐一/まさか……コートの前をガバッて見せられたことがあるとか!?
亜紀/そんな春の変態は見てません! まだ2月で寒いです!(笑)
GM/(いきなりアサシンになって)「俺の巨大武器を見せていいのはマスターだけだよッ!」(一同爆笑)
航/いやん!
GM/(アサシンになって)「あとワタルも見ていいからな」
航/きゃっ!(笑)
亜紀/……あの、覚えてないですか? 池でドクロを壊していたときに航と一緒に居た2人組の1人がそんな外見だったじゃないです。
恐一/そういえば渚さんの息子と……。つまり、渚さんの息子が危ない!?
GM/(旭人になって)「……この話が何か手掛かりになればいいんですけど。今平和でも、3日何も無ければそろそろ何かしらが動き始めるもんです。オジサン達への激励になりましたかね?」
恐一/で、お前が激励すると達成値はプラスいくつ来るんだ?
GM/「俺にそんな特技がある訳ないじゃないですか、自分特化型ですよ! 俺は嫁が支援してくれるからいいんです!」
恐一/敦盛……(笑) バレンタインなんだからさっさと帰ればいいんじゃないか?
GM/…………。
恐一/…………。
GM/なんで俺こんなところにいるんだッ!?」(一同爆笑)
相馬/今言われて気付いたのか!?(笑)
GM/なんとなくバレンタインのイチャラブイベントしたかったのと、旭人に情報言わせるシーンをいっしょにしたかっただけだけど……GMも今気付いちゃった!(笑)
航/今頃、鎌倉で敦盛がチョコ持って「……旭人、なんで居ないんだ……」って寂しそうにしてるんだな。
恐一/可愛い! なにそれ萌える!
相馬/そんな敦盛の肩に経正が手をポンと置いて「奴が居ないんだったらワタシが貰おう! お前のチョコをドブに捨てる男とは早く別れた方がいい!
恐一/ダメーッ!(笑) 旭人、さっさと帰って! せめてチョコ買って帰ってー!(一同笑)
GM/旭人が可哀想になってきたから帰ります! 旭人さんシーン退場!(笑)
航/パッと来て、パッと帰って行った……(笑)
亜紀/凄い賑やかな人でしたね……(笑) そういえば航、最近学校来てないっぽいしどうしたのかな……。
恐一/もしかしてそのアサシン野郎に操られているとか!?
亜紀/寧ろまだその方がマシっていうか……だって……。
恐一/どうしたんだ?
亜紀/……確信が持てなかったから言いたくなかったんだけど、言うね。盟ちゃんのお葬式のときに航が「苦しかったよね、ごめん」って言ってたんだ。
恐一/……。
亜紀/……聞き間違いかもしれないけど。
恐一/そうか。……亜紀、寄りたい場所が出来たんだがいいか?
亜紀/う、うん。いいよ。なに?
恐一/公園に行って≪断末魔の叫び≫を使う。

 ≪断末魔の叫び≫
 人が殺された場所で使用できる。殺された人間の最期を被害者の視点で見ることができる。事件が古いものであったりすると精度が低下する。

亜紀/おおっ!? そんな特技持っていたんですね!
恐一/今気付いたんだけどな、後半に使わないと(笑) ……GM、盟の殺された場所に行くシーンを作りたいんですが、いいですかね?
GM/うん。ではひとまず2人のオープニングは終わりにしよう。


 ●オープニングフェイズ/相馬 〜バレンタイン2〜

GM/相馬さんも亜紀くん達と同じくバレンタインのイベントをやりましょう。……昼間のシーンで何か希望はある?
相馬/じゃあ、ホテルでテレビをつけて2人でまったりしているシーンがやりたいです。……ベッドでテレビを見ると、どのチャンネルもバレンタイン一色ですよね。
航/「大切な人に贈り物を!」とか「バレンタインデーとはここがオススメ!」とかばっかだろうな。
相馬/ばれんたいん? 聖杯ルームから現代知識をインストールして、ぴこーん! ……ほほう、大陸の祭がこちらに入って来たのか。貯古齢糖を贈り合う、か。
恐一/つまり、『チョコを食べるイベント』!
相馬/なんと!(笑) なあ西白……貯古齢糖は……ないのか?
GM/弁慶さんはデスクに向かってずっとパソコンをカタカタしてます。(弁慶になって)「そのようなメニューはルームサービスではありませんね」
相馬/いや、ルームサービスではなくて。おぬしの用意したのが……。なんでもない。
亜紀/諦めちゃった!(笑) 相馬さんガンバってー!
GM/「……欲しいんですか?」
相馬/欲しいぞ!
GM/「それほどに空腹ですか」
相馬/腹が減ったとかそういう問題ではない!
GM/「高カロリーですから燃費の悪い貴方の体には効率的な食材でしょうね」
相馬/そうじゃの。……いやいやいや!(笑) そうではなくて、ワシは、愛しいおぬしから貰いたいのじゃ!
GM/「…………」。
相馬/ま、まあ、かと言って無理強いしておぬしから貰ってもな……。
GM/弁慶さんは黙りこみます。その顔が物語っているのは、「この私が、チョコレートを、買ってさしあげるだと!? ここで買ってきたら負けな気がする!」(一同笑)
航/プライドの問題なの!?(笑)
恐一/でも弁ちゃんって『お菓子業界の陰謀』とか考えてそうだよね(笑) 「ハヤリに流されるなんて……」とか。
相馬/弁ちゃんには屈辱だよね!(笑) うむ、気が向いたらで良い! 凄く欲しいけど……。
GM/「……判りました。気が向いたら持って来ましょう」
相馬/楽しみにしておるぞ!
GM/「……話を始めますよ!」と、テレビを消されます。「あれから数日、不穏な動きをしている者はいないようです。またこちらから動き出さない限り事は進まないでしょう」
相馬/ふむ、そうか……また夜の街をうろつかなければ現れんか。おそらく残っているだろうアサシンは、不意打ちが得意なサーヴァントじゃったな。
GM/「ええ、だから表立って待っていることはしたくなかったのですが、彼を討ち滅ぼさなければ聖杯戦争は」……言って、弁慶さんは言葉を止めます。
相馬/ん?
GM/「……。いえ、聖杯戦争はサーヴァントが最後の一人になるまで続くのでしたね」
相馬/あっ……むう。そういえばまだどちらも『強制終了』のことは知らないんだった。
恐一/知らないね。旭人が教えたのは青森にだったから。
GM/だから弁慶さんも『最後の一人になるまで戦わなきゃ』って思ってるよ。考えて黙ってるけど。
相馬/……なあ、西白。おぬし、まだ自分の消滅を願っているのか。
GM/「……」。そうだともいいえとも言いません。
相馬/言っておくがな、ワシはおぬしが消えるのは嫌だぞ。それでワシの身が危うくなろうとも嫌じゃ。
GM/「……ですが聖杯戦争は最後の1人になるまで終わりません。アサシンを倒したとしても、いつか私達は決着をつけなくてはなりません。そのときは……貴方は生きたいのですから、私が消えればいい話」
相馬/……そんなもの、おぬしが居らねば意味が無い。おぬしが居ぬこの世には……何の意味も無い。
GM/……言われて、俯きます。
相馬/向かい合って、抱きつきます。……何度でも言うぞ。ワシはおぬしが消えることなど絶対に嫌じゃ。おぬしにはワシの傍に居てもらいたいのじゃ。
GM/……。言われて、弁慶は顔を上げます。
相馬/……うむ。
GM/「今度こそ……貴方の言葉を信じ、ついていく。そう……今、決めました」
相馬/……そうか。
GM/「今の私は貴方の僕べです。貴方がそう命令してくれるのですから、貴方の言葉にどこまでもついていきましょう。いえ……ついていかせてください。でないと私は……」
相馬/……ずっとずっと傍に居てくれるな? 頼むから、ワシから離れてくれるなよ。
GM/「……貴方の許す限り、私はお傍に居ります」
亜紀/リンゴーンリンゴーン!
恐一/なにいきなりそのウェディングベルみたいな音は!?(一同笑) 結婚式かっ!
GM/「誰がウェディングドレスなんか着ますか!」
航/そうだな、弁慶さんが着るなら白無垢だろ。
GM/「そんなもの着ませんよ!」
相馬/着ないのか!? 着てはくれんのか!? 頼む、着てくれ!(笑)
GM/恥ずかしいからシーン退場しますよ!
相馬/ああっ、待ってくれーっ!(笑)


 ●オープニングフェイズ/航 〜バレンタイン3〜

GM/最後のオープニングはワッタルンルン。……2月13日、エルとアサシンと一緒に手を繋いで外を彷徨ってます。そのたびにアサシンがニヤニヤしながら「この辺に仕掛け作っておこうぜ」と言ったり言わなかったり。
航/その姿を噂されると(笑) 勝つためにトラップ仕掛けておくのは良いことだよね。あと残っているのは強そうな人達だろうし。
GM/強敵に備えて夜を歩くけど、毎日デート感覚だよ。
相馬/バレンタインだしね。チョコあげようよ!(笑)
GM/じゃあアサシンが言います。「最近さー、航の代わりにバイト行かせてるコフィンがヘトヘトになってマジ死にそうに帰ってきてるんだけど何やってんの?」
亜紀/コフィンくんがゼーゼーしてる!(笑)
航/バイト行かずにバイト代入ってくるって良いね(笑) ……バレンタインって言ってね、好きな人にチョコを贈る行事でスーパー的には駆け込み需要ホントやめてくださいってカンジ。
GM/「……チョコ、買ってきた方がいい?」
航/……か、買ってきたらエル喜ぶかな!?
GM/「マスター喜んでくれるかな!?」
航/ちょっとエル、行ってくる!
恐一/(エルになって)「えっ? お、俺も行くよ……!」
GM/「秘密にしなきゃだよな? 俺達だけで買ってこよーぜー!」
航/エルには内緒ー! ≪クリエイトゲイト≫ー!(笑)
恐一/(エルになって)「うわーん! 俺だけ仲間外れー!? でも追いかけてワタルに嫌われたくないし、どうしよーっ!?」(笑)
GM/「買ってきたぜ、イエーイ!」
航/頭の上からチョコをバサーッ! アメ横で1000円でいっぱい買ってきたぜー!
恐一/(エルになって)「え? わ? あ? ……バレンタイン?」
航/俺とアサシンからのプレゼント! 喜んでくれるかなって思って。
GM/(エルになって)「でもバレンタインって好きな人にあげるって……。ってことは……え、えへー
恐一/(エルになって)「やったよアサシン! 俺、ワタルの好きな人だって……。って、アサシンからも貰ったってことはアサシンも俺のこと好きなの!?」
航/ハイタッチしようぜ、アサシン!(笑)
GM/(アサシンになって)「イエーイ!」……なにこの幸せな空間。
恐一/(エルになって)「やったー、みんなで一緒に食べようかー」
航/聖杯戦争なんて知らない!(笑) 夜中の公園で不審者達がチョコ食べてまーす。
GM/……では誰も一般人が入ってこない公園のベンチで、君達3人はチョコレートを食べている……ときに、航のたくあんストラップが揺れます。
航/うん?
GM/ケータイにメールが受信されたようだ。……ディスプレイに映るのは、黒須の名前。
航/あ、ちょっとゴメンね。キャッキャウフフしてる2人から離れて、ケータイを開きます。
GM/黒須は航の保証人で親代わりだから、1ヶ月に数回は「生活はどうしてるか」などのメールが送られてきます。
航/「ちゃんと勉強してるか」とか言われるんですね。
GM/うん。……その文の最後に「前に言っていた10年前のこと、決心ができた。話してやってもいい」と打たれてます。
航/……。俺が忘れた頃に、来た。……ケータイ閉じます。
GM/日にちの指定はありません。来たいときに来いという内容でした。どうする?
航/……ちゃんと友達ともサヨナラしたんだから、10年前のこともケリをつけないと。じゃないと2人の足手まといになる……。
恐一/(エルになって)「アサシン、チョコレートおいしいねー。頭からチョコバサーッ!」
相馬/(アサシンになって)「うわっ、ダメージ入ったじゃねーか!」
恐一/(エルになって)「ご、ゴメン。供給する?」
相馬/(アサシンになって)「外でかよ!?」
恐一/(エルになって)「外、ダメなの? 風が当たってキモチイイよ。解放感あって」
相馬/(アサシンになって)「バカ、聖杯戦争中だろー!」(笑)
GM/(ケータイ閉じた後の航にエルになって)「ワタル、外ですることになったよ!
航/なんでっ!?(一同爆笑) 俺の知らない間に何が起きてたの!?(笑)
GM/という訳で外でするような流れになりましたとさ。大丈夫だよ、一般人はフツー入ってこないから(笑) その後、どうしますか。
航/……エルにちゃんと言います。さっき先生から呼び出しがあったから、教会に行ってくるね。
GM/エルの顔が変わります。
航/誤魔化そうとするよ。学校やバイトに行ってなかったからさ、お話があるみたい。
GM/「あ……そっか。そうだよね。じゃ、じゃあ教会まで送るよ」
航/判った、教会まで来てくれるかな。サーヴァントがマスターと離れるのは良くないしね。とことこ。
GM/教会に向かいます。では門のところまで来て「えっと……俺も一緒に入っちゃダメかな?」と、黒須にメッチャ警戒してるエルは言います。
亜紀/バラされたら嫌だし、「まさかバラされるんじゃ!?」ってずっと考えてるんですね。
航/……礼拝堂で待ってて。すぐ戻ってくるから。
GM/礼拝堂の前に来ますが……率先的には入ろうとはしません。「ワタル、何かあったら呼んでね」
恐一/……嫌な記憶があるから……。
航/大丈夫だよ、先生が危ないことなんかする訳ないし。
相馬/……エルはメッチャトラウマ持ち(笑)
GM/「……」。エルが、グイッと航の腕を引いていきなりキスします。
航/わっ!
GM/「ワタルは俺のだよ。忘れないでね」
航/……大丈夫だよ、俺はエルのだから。
GM/では教会に入りますか。……シーンが長くなりそうなので、一旦ここでオープニングを切っておきます。


 ●ミドルフェイズ1/February 14th Scene 1

GM/やって来た航を車椅子の黒須が迎えてくれます。(黒須になって)「……もう来たのか」
航/早めに話をしておいた方がいいかなって。
GM/部屋に通されます。コーヒーを淹れてもらったり、まずは学校に行ってないらしいなと言われたり世間話から始めます。
航/す、すみません。出来る限りマスターの傍に居た方がいいと思って……。
GM/「協力者としては良い心掛けだと思うぞ。……さて、話はこんなコトじゃなかったな」
航/……コクリ。
GM/黒須は車椅子から膝掛けを取ってラクな姿勢になります。「数日前、お前は『昔のことで何か知ってるなら教えろ』と言ってきた。……そろそろ真実を話してやってもいいと思い始めたから、なんでも話してやる」
航/……なんでも答える? でも……全部気になるけど、俺……何から切り出していいか判らない……。
GM/「俺が独り言を言ってもいい」
航/……先生の思うように話してください。
GM/「判った。簡潔に話そう。……俺は嘘を言わない」
航/……はい。
GM/「……10年前、この街で聖杯戦争をしていた。その戦争は、とある大火事で終幕を迎えた」
航/ピクッ。その火事って、もしかして……。
GM/「多くの人が死んだあの火事だ。1ヶ月続いた戦争はあの火事で終わった。と言っても火事は戦いによるものではない。あれは、聖杯の結果だ」
航/……あんなことを願った人がいたんですか? 街が滅びることを願った人がいたって言うんですか。
GM/「いいや。アレは、全部好意によって起きた事故だった。……とある英霊が少年と親しくなった。その少年がどこか遠くに行ってしまう。英霊は少年を手元に引き留めておくために……少年の親を殺した。英霊はあの火事を起こして両親を殺し、少年の傍に居るという願いを叶えた」
航/っ……。訊きたくなさそうな顔をします。……その、親って。
GM/「名を、秤谷港一と秤谷渚と言った。……その子は、誰だと思う?」
航/お……俺のこと、ですか。
GM/「英霊に殺意は無かったらしいが、聖杯は未完成で誤った願いを発動させてしまい、結果的には英霊が両親を殺したようなものになった。……その英霊は、セイバーのサーヴァントだった」
航/セイバーのサーヴァントと、俺は仲良くなった……? そんなの、全然覚えていない。
GM/「覚えてないだろうな。お前の記憶は俺が完全に消したから」
航/でも、微かに夢を見ました。記憶は少し残って……いや、完全に消したんだから夢を見るのもおかしい? じゃあ、あの夢って……。
GM/黒須は航の頭に手を当てます。……そして、脳内にとある人物の映像を出します。見えるのは、無表情なエルの顔です。
航/エ……。
GM/「これが10年前のセイバーの顔だ。……10年前、秤谷航は彼と深い友情を築いた」
航/……なんで記憶消したんですか。
GM/「事件が起きた後、お前は犯人を尋ねた。本気で捜す気でいたかは俺にも判らない。ただ、お前は犯人を探ろうとした」
恐一/……それは、しょうがないよね。「なんでこんなこと起きたんだって」当然の疑問だよね。
GM/「あのままではお前は両親を殺した犯人に対する憎しみで、復讐に燃えるだけの人生を歩むかもしれなかった。それよりは記憶を都合よく消して、悲しい事故で両親が死んでしまったとした方が……ずっと少年らしい10年間を送れると思ったんだ」
航/……先生も周りの人もみんな良くしてくれたし……ちゃんと生きてこられたのも、みんなのおかげだと思っています。けど……けど。
GM/「さて、次の話をするか。……セイバーは願いを叶えた。秤谷航の傍に居る権利を手に入れた。だが、教会も一応は事件の犯人探しをした。あれは未完成の聖杯が起こした、殺意の無い事故だとしても……セイバーは大災害を起こした危険分子として教会に追われることになった」
航/……エルは、10年間どうしてたんですか?
GM/「お前の中で暮らすことで姿を隠し、尚且つ、お前を守り続けることにした。……10年間1人で生きてきたことに疑問は無かったか? 悪夢に魘されることなく、何も事件も無く成長できたのは……誰かが傍にいると思わなかったか」
航/……俺と一緒に……居てくれた……?
GM/「罪滅ぼしがしたい。その為に生きたいとセイバーは言っていた。教会から身を隠す為にお前の目の前に現れることはなくても、お前をずっと見守っていきたいと言っていた」
航/10年間エルが一緒に居てくれたから……俺が生きてこられた……? エルは10年間、俺の為に……無駄にしたんですか。
GM/「無駄、そう思うか」
航/だ……って。あんなにニコニコ笑って人に愛されることができるのに、俺の為に10年間を費やして! エルは「友達の願いを叶えてあげたい」って言ってたけど、それって俺のことなんですか!?
GM/「そうに決まっているだろう。お前は心からの親友だった。アイツは10年間お前のことを考えて生きてきたらしい」
航/…………。
GM/「おそらくセイバーはお前に真実を一切話さないだろう。……そのままじゃ困るんだ」
航/……困る、って?
GM/「俺の勘だが、このままだとお前は身を滅ぼすだけで終わる。セイバーに騙され続け、ただただ真実を隠されたまま……人形にされ監禁されて生を終えるかもしれない」
恐一/……『第1ループ』のことか!?(笑)
GM/黒須は過去のループを知ってるんで『このままだと航は以前のループと同じになる』って言いたいんです。「おそらくアイツの求めている願いは、『航の願いを叶えてやる』だ。……お前の望みを訊きたがっていなかったか?」
航/……ちょっと変なぐらい訊きたがっていました。
GM/「それは聖杯を手に入れた後にお前の願いを言うために探りを入れていたんだな。……さあ、真実を知ったお前は、セイバーを拒絶するか?」
航/それは……。
GM/「お前がアイツを拒絶すれば、アイツはすぐさまお前の元を去っていくだろう。……セイバーがいなくなるということは、もう一人の同居人もいなくなるということだな」
航/あっ……。
GM/「折角出来た絆が全て無くなる。……今のお前には『彼らと一緒に居たい』とか『家族になってほしい』とか望みは無いのか」
航/……。黙り込んで、俯いて考えます。
GM/「セイバーは聖杯をお前に与えるだろう。そのとき、お前は望みを叶えてしまえ。但し、願うならば……『完全な願いでないと叶わない』だろうがな
恐一/ぶっ……!(笑)
GM/「あの火事は不完全な聖杯に願ったから起きたんだ」……ハイ、そろそろ黒須がやりたいコト判りました?
航/ハイ、『完全な聖杯を取りに行け』ってコトですね!(笑)
相馬/黒須はもうこの世に未練が無いから、「さっさと聖杯見て次のループ行こうぜ!」って言ってるんですね(笑)
恐一/くっそ、未練が無いからどんどん人を焚きつけてくる……!(笑)
航/じゃあ、頷いてから……判りましたって言います。
GM/「何が判った」
航/エルが俺をどう想っているのであれ、俺も2人の幸せを願っているのは、今も揺るぎない事実ですから……それを叶えるように、頑張って戦います。
GM/「……曖昧な返事をありがとう。お前が幸せになる未来を願っているよ」
航/……コクリ。頭を下げて、無言で出て行きます。
GM/では礼拝堂の前、盟ちゃんが以前のループで張り込んでいたベンチに、エルとアサシンが並んで座っています。
亜紀/全部知ってるアサシンが、エルをずっと慰めてそうですね。
GM/だね。航を見て、エルが走って近寄って来ます。(エルになって)「終わったんだね、大丈夫だった? 変なコトされてないよね?」
航/ちょっと怒られただけだだよ。神父様が変なコトなんてする訳ないじゃないか。
GM/「…………うん」
相馬/……エルのトラウマが(笑)
恐一/知ってるか、中世の教会って淫売宿だったんだぜ(笑)
GM/「じゃ、じゃあ……帰ろうか。俺達のお家に戻ろう」
航/……頷きます。ぎゅっと2人の手を掴んで……。大丈夫、俺、頑張るからねって言います。
GM/「うん、頑張ろうね」
航/……願いたいことが出来たから、俺頑張って聖杯取るよ。完全な聖杯に近付けてみせるから。
GM/完全な聖杯にという言葉に、エルが凄くやる気を見せます。
恐一/そのエルの後ろでアサシンが「おや……?」という顔をした(笑)
GM/3人はボロリアに戻ります。……では、マスターシーンをここで入れますね。

 教会から去って行く航。
 その後ろ姿を……2階の、先程まで話をしていた部屋から、黒須はじっと眺めていた。
 窓の外、暗闇に3人の姿が掻き消えていくまでの時間。キィと車椅子が軋む音以外は何も聞こえない。航が居なくなった部屋は無音……の筈だったが。
「もう……違う世界にいく……決心がついたか……?」
 沈黙を破る声が、黒須の耳に届いた。

「もっと直接的に……焚きつけた方が……良かったんじゃないか……? あれじゃあ……まだ、迷っているぞ……。
 では、そろそろ……オレも、動き出すか……。いや……オレが動く前に……アイツらだけでこの戦争が終わって……しまえば……オレの出番が無くて済むな……どうだろうか……」


恐一/……ラクしたいって言ってるぞ、コイツ!
亜紀/働いたら負けかな的な! なんだこのニート態勢は!(笑)
航/いや、カイルさんだからちゃんと仕事はするよ。ダウナーさんは寝てる印象がとても強いだけで……(笑)
恐一/ちゃんと仕事をするから怖い! ずっと寝てろーっ!(笑)


 ●ミドルフェイズ2/February 14th Scene 2

GM/それでは、亜紀くんと青森さんのオープニングの続きにいきます。……2人は、盟ちゃんの殺された現場にやって来ました。
亜紀/なんかイメージ的に少し霧がかかってる感じですね。……ちょっと寒いや。
恐一/寒いと言うなら、亜紀の手をポケットの中に入れながら行きます。コレが終わったらコーヒーでもなんでも買ってやるよ。
亜紀/……いらないから、このままでいいよ。
恐一/……うっ(笑) さ、さっさと迷いの無い足取りで現場に向かいます。盟の血だまりがあった場所まで……。
GM/では≪断末魔の叫び≫を使用しましょう。【理知】判定をしてください。
航/ファンブルなよ。
恐一/なにその呪い!? リアル世界遣いなんだからヤメロよ!(ころころ)ホラ、1・2が出たじゃないか……【理知】で9です(笑)
GM/自分の血が媒体になるとはいえ気が荒くなってるから冷静になれないってことにしよう(笑) ……亜紀くんも[霊媒師]なんだよね。
亜紀/はい。
GM/それに[感応力師]でもあるんだし、ある程度オッサンと同じビジョンを共有できることにしちゃおうか。ファンブラなければ成功にしよう。
亜紀/だからファンブラなければって言わないでくださいよ!(ころころ)……出目が1・2。ふう、お揃いですね俺達(笑)
恐一/我々グダグダだね(笑)
GM/……では、2人は盟の最期の視点を見ます。セイバーを操り、バーサーカーとランサーと戦う……そのシーンには、帽子とコートの男や、金髪の男と少年もいた。あやふやでピントが合ってないけど、少年は小柄で剣を振るっているのが見える。
恐一/ぼんやりとしか見えないな……。
GM/そしてナイフを投げられ、視界がグラリと揺れ、夜空が見える。近寄ってくるのは金髪の男性。だが少年が金髪の男性を止め、言い争う。そして……。

「……どうせもう助からない。殺せ。死ぬ覚悟ぐらいできてる……誰も恨まない」
 八木沼盟の声だけは、あやふやな記録の中、2人に鮮明に届く。
 それを聞いた少年は……苦痛に満ちた表情のまま、剣を振るった。
 最後の瞬間、ピントが合う。その顔は間違いなく……。


亜紀/……やっぱり、航だった。信じたくないけど……。
恐一/……あのバカッ! 汚くても生き残れ!
亜紀/でも盟ちゃん……「覚悟できてる」って言ってたね。
恐一/……そうだな。あんなガキでも覚悟できてたっていうのに……俺が一番覚悟できてなかったのか……。
亜紀/……俺、魔術師の家系だけど、家族が殺されたら俺だって青森さんみたいになるかもしれない。割り切れないことはあるよ……。
恐一/……亜紀の肩にぽふんと顔をやります。
亜紀/俺は、貴方が満足するまで……一緒に居るよ。
恐一/俺……お前の大事なものをもう一つ奪うかもしれない。
亜紀/……俺から航に聞いてみるよ! どうしてあんなことをしたのか……訊いてみたいから時間をちょうだい! それに、航のこと信じたいんだよ。友達だもん。
恐一/俺は……ヤボ用を済ませてくる。強制終了のやり方を……バーサーカーにだけ教えてこようと思うんだ。……頼んでもいいか?
亜紀/うん。訊いてくる! ……航のもとに行く前に、青森さんにチュッとします。