アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第4ループ1話 『 interlude 3 』 1ページ ■
2010年2月22日




 ●プリプレイ

GM/ドロリア『第4ループ』、インタールード編を始めまーす。
一同/わーぱちぱちー。
GM/本当なら『第4ループ』をスタートするんですが、相馬さんの中の人が途中参入ということになったので……『聖杯戦争が始まる2月以前の話』をやってもらおうと、相馬さん以外の3人が集まっております!
亜紀/まだ相馬さんは召喚されてないんですね。
GM/うん、しかも今回は……以下のことをやっていきます。

 @航と盟が、2月段階で親友の状態でスタートする。
 A亜紀が、教会の一員として聖杯戦争に参加する。


GM/@は前々から話してたんだよね。盟ちゃんがツンデレ故に干渉を拒んだり、一人夢を持っているから他のプレイヤーと関われなかったりしたから……ハンドアウト上で仕方ないことだけど、あまりに心苦しかったので今回は『航と既に親友になった状態』で進んでもらいます。
航/盟ちゃんとはテスト期間に一緒に勉強したとかで仲良くなるってことで。最初から友達なら情報収集も円滑にいきそうだし!
GM/同じ理由で、亜紀くんも曖昧な立ち位置のハンドアウトから積極的に聖杯戦争に参加できる教会の立場になればもっと円滑にシナリオが進むと思うので、今回はテストで教会メンバーになってもらいます。
亜紀/小さい頃に洗礼は受けてますからね。親とも交流があるし、お手伝いってことで参加できるんじゃないかと。
GM/レベルアップ報告は……全員が集まってからでいいや。でも自己紹介として何か喋れ。
航/どうも、航でーす。幸せになりたいでーす。
盟/八木沼盟でーす。幸せになりたいでーす。
亜紀/早乙女亜紀です。今回は教会サイドでやっていきまーす。
盟/亜紀だけ目標が明確だ。我々、幸せになりたいという恨み節だったな(笑)
航/だって一度もハッピーエンドになったことないもん(笑)


 ●オープニング/亜紀 〜教会〜

 祝・大学合格。
 高校3年生の亜紀は、ついに輝かしい未来を手に入れた!
 友人から届く祝いのメール、母の炊く美味しい赤飯。
 おめでとう、おめでとう!


亜紀/おめでとう俺ー! これでやっと遊べるんだぁー!
GM/良い大学に受かり、あとは卒業を待つだけ。……ところで亜紀くんの家族は全員能力者だけど、普段は普通の一般人として過ごしています。お母さんはとあるGMのもとで『ゴーストハンター』のセッションをしているかもしれないし、お姉ちゃんもどっかの『ダブルクロス』でUGNとして活躍してるかもしれないけど。
盟/なんかお姉さん、モルフェウスなイメージがあるな……(笑)
GM/そんな一家のお父さんが、ある日……暗い部屋でパソコンをカタカタといじっているのを亜紀くんは見かけます。
航/あ、ウィンター関係のお父様だ。
亜紀/コーヒーを持って部屋に入ります。お父さんー、コーヒー入ったよー。なんだよ、こんな暗い部屋で電気もつけないで……何を見てるの?
GM/亜紀くんにコーヒーを貰いながら「……聖杯戦争についてだ」と答えます。「ウチにも忠告が来た。どうやら聖杯戦争は近々行われるらしい」
亜紀/えっ。……もう始まるの?
GM/「確実に何日に始まるかは判らない。だが、多くの能力者がこの街に流れ始めたらしい……裏社会のコミュニティから注意を促された。聖杯戦争のこと、亜紀にはちゃんと説明したよな?」
亜紀/う、うん。確か10年単位でやるんだっけ。
GM/「ああ。……そうだ、お前には話しておくか。10年前に秤谷君のお母さん達が亡くなった大火事の事故があるだろ。あれも、戦争の影響を受けたものなんだ」
亜紀/そ、そうなの? 航のお母さんは一般人だったんだよね!?
GM/「だが教会がカバーできない程の大規模な事故になってしまった。基本的には能力者が一般人を巻き込むことは許されない。そんな奴がいたら教会に取り締まられるが、サーヴァントという時代の違う英霊達がちゃんとそれを理解出来ている訳がないから……被害が出ることもあるんだ」
亜紀/……そんな。
GM/「お前も能力者だ、気を付けておけ。……これから遊びまわるんだろ?」
亜紀/よく判ってんなー(笑) 今遊ばなきゃどうするんだよ!
GM/「精一杯遊んでおけ。4月になったら勉強してもらうんだから」……と話をしていると、亜紀はお母さんに呼ばれます。「亜紀ちゃん! お夕飯に食べた煮物、すっごく作り過ぎちゃったみたい。教会の黒須さんにお裾分けしたいんだけど、持って行ってくれる?」
亜紀/うん、行ってきまーす。
GM/――そうして夜。礼拝者の居ない教会に亜紀はやって来ます。黒須さんは教会の裏に住んでいるよ。
亜紀/ドアをコンコン、黒須さーん。お母さんの作った煮物を持ってきましたー! 黒須さーん!
GM/「あいよー!」と、40代ぐらいの男性が元気良く出てくる。
亜紀/わっ、想像してた人と違うのが出てきた。
盟/いきなりオッサンのロールを奪って)「やーん、カワイコちゃんの来襲ー! 入れよ! おーい黒須、カワイコちゃん来たぞー!」(笑)
GM/オッサンの声に呼ばれ、黒須がスッとやって来る。「……いつもありがとう。青森、お前も食べるか?」
盟/(青森になって)「いやいや、いいよ俺は。2人で食えよ!」
亜紀/俺は家で食べてきました。お母さんの煮物はとっても美味しいですよ!
盟/(青森になって)「じゃあ……しょうがないなー、俺も頂くとするかぁ!」
GM/「…………」。黒須が暫し亜紀を見る。
亜紀/はい?
GM/亜紀を見た後、青森の目も見る。「……亜紀。お前、人助けを手伝う気はないか」
亜紀/人助けですか?
GM/「詳しい話は、お前が『やる』と言うまで言えない。だが、もしかしたらお前の力で百人、千人、それ以上の人間が救えるかもしれん。亜紀の力を借りたいと思ったんだが……どうだ?」
亜紀/お手伝いできるならやりますよ。だって俺は教会の子ですし! それに教会に来たのもお手伝いすることがあったら手伝おうかなって思ってたんです。
GM/「……青森、どう思う。お前に話したバイトをコイツにやらせるというのは」
盟/(青森になって)「いいんじゃねーの? 素直そうだし、裏も無さそうだし。美味いモンを持ってくる奴に悪い奴はいねーよ」。亜紀の髪の毛をグシャグシャーって撫でて「いやあ、いいコだなー!」って言います(笑)
GM/「そうだな。亜紀、詳しい話をしよう。聖杯戦争の話だ」。……こうして亜紀は『教会のエージェント』になったのでした。教会のメンバーとして青森と一緒に問題を解決する日々が始まります。
航/おめでとう、キャラクターシートの『職業』にこっそりエージェントって書いておくといいよ!(笑)
盟/(青森になって)「よーし新人! さあ、夕陽に向かって走るんだぁー!」
亜紀/えー!? ちょ、待ってくださいよー!(笑)


 ●オープニング/航&盟 〜協力〜

 1月。放課後。高校の18時。
 教室で2人きり、テスト期間が近い今日。2人で発表するタイプの課題を航と盟は涙ながらにこなしていた……。


航/
……寒い。
盟/……暗い。
亜紀/見周りに来た先生が「そろそろストーブ切るぞー」って言っちゃう(笑)
盟/待ってー! もう少しで終わるからー!(笑)
航/ちゃんと帰りますから……先生、なんかゴハンちょうだい!
亜紀/(先生になって)「ゴハンはやらないが、糖分補給にジュースはやろう」
航/わあっ、ありがとうございまーす!(笑)
GM/【理知】判定で、2人の達成値合計が18になったら成功にしようか。
盟/(ころころ)あ、15です。
航/よし、俺は頑張らなくていい!(ころころ)おっ、14だ……合計29!? メチャクチャ良いレポートが出来た! やったー、ちゃんとこれで進級できる! 誉めて誉めて!(笑)
盟/教師にお前と組まされたときはどうなることかと思ったがなんとかなったよ。お前にしては良くやったな、これで恥をかかなくて済む!
航/その言い方はヤメロよ、俺のせいで恥かくみたいじゃん!(笑) やるときはやるよ、【体力】で!(笑)
GM/レポートが完成して一息入れます。……早速ですけれど、誰か1D6を振ってください。今回はまた『アルシャードガイア』より「シナリオパターンテンプレート:学校の怪談」というシナリオクラフトを使用していきます。
航/終わった終わったーとレポートを眺めながら……(ころころ)5です。

 『噂5:プールで誰かに足を引っ張られる』

GM/「キャー!」……裏庭にあるプールの方から、女の子の叫び声が聞こえる。
航/プール? こんな真冬に? 窓を開けてそっちを見る。
GM/見てみると……そこには、真冬なのにプールで女の子がバシャバシャもがきながら沈んでいくのが見える。
航/し、沈んでる!? バッと階段へ走り出します!
盟/なんだ? 冬にプール……くそ、【体力】は無いけど追いかけるか。
GM/2人は走ります。掃除がされていない緑色のプールに辿り着きました。……でも、誰も居ない。バシャバシャやった形跡も無い。
航/覗き込んで見ても……見つからない。あ、あれ?
盟/はぁはぁと息を切らしながら追いかけて、人の気配を見ます……≪魔の感知≫! 僕はこんなに【体力】を使ってきたんだ、何も無いとか腹立つ!
航/え、八木沼って霊感とかある人?
盟/3代前はイギリスで魔術師をやっていた。
航/どこまでホント?
盟/イギリスには「職業:魔術師」があるんだぞ、知らないのか。(ころころ)達成値は18です。
GM/物凄い勢いで調べたな。盟ちゃんが[霊媒師]の勘で調べると……ここに何らかの霊がいるのが感じる。それと、生きている人間は2人しかいないことを確信する。
盟/…………。秤谷、気のせいだ。帰るぞ。
航/え? 俺、沈んでいくのを絶対見たぞ。
盟/お前は、こんな真冬のプールで幽霊に会いたいのか。
航/幽霊はイヤだけど人間だったらもっとイヤだろ!
盟/……じゃあどうするんだ。プールの水を抜くのか。中に飛び込むのか。見た感じプールには形跡が無いし……帰ろう。もし本当に見たとしたら、アレは幽霊だ。
航/うっ……。寒いから教室戻ろうか!(笑) 職員室に提出して帰る!
盟/そういえば学校の怪談って知ってるか、3階のトイレがな……。
航/ヤメて怖がらせないで!(笑) 家帰ったら一人なんだから思い出させるなよ!
GM/そうして盟ちゃんは、航のアパートの前を通るのです。……盟ちゃんは見る。航が、こんな遺跡に住んでいるだなんて。
盟/遺跡!?(笑) ……秤谷、辛いことがあったら何でも言っていいぞ!
航/何がっ!?(笑) なにその同情みたいなの! ……そういえば八木沼の家って何処なんだ。
盟/坂の上にある豪邸だ。……ウチ部屋空いてるけど、下宿する?
航/ヤだよ、ちゃんと自分の家があるんだから自分の城で暮らすよ。それに……あそこ、博物館か何かじゃなかったんだ(笑) あ、折角だしレポート終わったんだから家に上がっていけよ! お茶ぐらいなら出すよ!
盟/あ、ありがと……アパートに入ります。
航/あっ、その階段3段目が抜けるから気を付けて。
盟/えっ!?(笑)
航/4段目も滑るから上る度に【反射】判定必要だから。あと大声出すと下のヤクザが怒鳴って来るから気を付けて。幽霊は居ないから平気。
盟/だから【体力】高いのか!(笑) いいのか、こんな所に住んでて!
航/いや、春になったら桜がキレイだから。
盟/良い台詞だ!(笑) お茶をご馳走になりながら……魔力感知します(笑)
GM/なんで?
盟/あまりに遺跡すぎて、何か居るんじゃねーのって思って(笑)
GM/魔力感知どうぞ。
盟/……あれ、GM許可が出たぞ。何かあるぞ、コレ!(ころころ)14です。
GM/さっき「幽霊はいない」って言ったけど……「いないことはないぞ」って思った。姿は視えないけど何かがいるみたいだ。
盟/あ、いるんだ。
GM/……正直に言いましょう。エルが居ます。正確にはエルは航の中を[領域遣い]の≪テリトリー≫として使って居るんだけど、航の部屋に誰か入って来たことで警戒したんでしょう。だから盟ちゃんにも軽く察知できました。
盟/……秤谷。お前、肩が凝ることはあるか? 金縛りとかは無いか?
航/肩って凝らないんだよね。悪い夢も全然見たことないし健康だよ。……多分守護霊が強いんだよ、俺の場合!
盟/守護霊って言うには重い気がするぞ……とり殺されることはないだろうから、ガンバレ(笑)
航/意味深なのやめろよ!(笑) 金縛りとかになったら盟ちゃんちに逃げ込むわー。
盟/ああ、いつでも来ていいぞー(笑)


 ●ミドルフェイズ1/January 23th Scene 1

GM/学校で3人が接触するシーンがやりたいね。昼食のシーンでもやろうか。
盟/じゃあ昨日……お茶をご馳走されるという盟ちゃんには一大事があったので、ロザリーに「盟様にお友達が! 感激してお弁当をご用意しました!」と重箱を持たされました(笑)
航/なにこれ、つづり?
盟/御重というやつだな。ウチのばあやが盛大に作ってくれた。お前に是非食べさせたいと言ってきたんだが……。
航/へえ、ばあやとか居るウチなんだ。
亜紀/そこにガラガラと航の教室にお弁当持ってやって来ます。航ー、ごはんーっ! あ、お友達と一緒かー。どうもどうも、航の幼馴染で早乙女亜紀ですー!
盟/先輩か。……八木沼盟です。ぺこり
亜紀/なんだかスッゴイ量の弁当だね! 屋上で航ともう一人でお昼を食べるんだけど、良かったら君も来ない?
盟/よし、行こう秤谷!
航/わあ、リードされてる!(笑)
GM/3人で屋上に向かうと、先に着いていた祐希が日当たりの良い場所を確保して待っています。盟ちゃんのことを説明すると納得し、「……2年の櫻庭です」と自己紹介してくれます。
亜紀/見て見て祐希、ホラ……八木沼くんのお弁当、凄いんだよ! 食べてもいいんだってー。みんなで食べようー!
航/なんか……お花見みたい。
GM/まるでエロゲのCGだ。
盟/料理好きの女の子が作ってくれたみたいだ。作ったのはばあやだけどな!(笑)
航/女はいつまでも乙女だよ!(笑) やべー、ポテトサラダうめー。好感度上がっちゃう!
GM/ロザリーのな。
亜紀/うわー、凄いなー。八木沼くんのばあやさんに料理教わりたいー。
盟/……く、来るか?
亜紀/いいの!?
航/……うん、教わっておけよ。うん。
亜紀/なにその微妙な顔!(笑)
GM/ロザリーも盟ちゃんの家に遊びに来てくれたら喜んで教えてくれるだろうね。「盟様にお友達が! お友達がお屋敷に! 感激でございます! パーティーの準備をしなければー!」ってことになるよ。
盟/そ、そういえば……今度秤谷を家に連れて来いとばあやに言われていてだな……来てくれるのならウチの者も喜ぶし、僕も嬉しい。
航/ま、マジで!?
亜紀/待ってろよ! 色んな料理作ってやるからな!
航/出来る限りヤメて!(笑)
亜紀/祐希! 航があんなこと言う!
GM/(祐希になって)「料理教室に通うのは一般的に良いことだと思う」
盟/一般的な意見だ!(笑)
GM/では……この辺で誰か1D6を振ってみて。
盟/(ころころ)4です。

 『嫌な雰囲気4:外で雷が鳴り響いた』

GM/盟ちゃんは気付いた。空に……雷がピシャンと横に薙いだことに。
盟/わ……第1ループにもあったな。何だったんだ。
GM/屋上でみんなワイワイできるぐらい良い天気だったのに……嫌な予感がする。それは……今後起きることを物語っているかのような。楽しく騒いでたのに、いきなりシリアスになってしまう盟ちゃん。
盟/……そろそろ聖杯戦争だしな。
航/ん、どうしたん? 処理落ちしてるよ、大丈夫?
盟/バックアップはちゃんと取ってあるから平気だ!(笑) ……で、ウチにはいつ遊びに来る? 準備しなきゃいけないだろ。
亜紀/じゃあ、明日で! 突然だけど平気かな?
盟/うん、出来れば早い方がいい。……そういや、昨日あんなコトがあったんだって亜紀達にも話しておきます。
航/そうそう、昨日プールに幽霊みたいなのがいたんだよ!
亜紀/へー……ウチにもあったんだ、そういう話……。
GM/そんなこんなで怪談の話をし、明日遊びに行くという約束をして昼食の時間は終わります。では教室に戻るときに……1D6を振った人は、こんな不吉な噂を聞いたのでした。
亜紀/順番的に俺かな。(ころころ)3!

 『不吉な噂3:裏門の公衆電話に出ると異世界につながる』。

亜紀/い、異世界……?(笑) よし、話のネタは仕入れたから後で航達に話してやろう!
GM/そんな亜紀くんにメールが届きます。メールの相手は……青森恐一。
亜紀/あ、あの人か。絵文字もいっぱい使ってるなー(笑) 内容は?
GM/『昨日の任務お疲れ様。それとは別件で相談がしたい。公園で待ってる』……呼び出しのようです。
亜紀/明日は予定あるけど今日ならいいか。公園にいきますよ。
GM/……約束の時間になって暗くなった公園に向かってみると……オッサンが既に待っています。「よお! とりあえずどっかレストランに入ろうか」とお高い場所に連れて行かれる。
亜紀/あ、あの! 俺、ファミレスとかでも全然いいんですけど!
盟/(青森になって)「これでも金持ってるんだぜ、使わないからな! 青少年は食えよ、オッサンはもう食が細くなっちゃってさー!」
航/……高そうなレストランに、制服の男子を連れ込むオッサンか。
GM/ちゃんと個室っぽい部屋に通してくれるよ。重要な話をするからね。
亜紀/遠慮なく頂きます、もぐもぐ……う、ウマーイ!(笑)
盟/(青森になって)「金とか気にするなよ。山盛り食えよ。オッサンはケーキめっちゃ食ってるから!
亜紀/あ、甘党なんですね! まずデザートのページを見てるんですね(笑)
GM/本題に入ろうか(笑) 「昨晩の任務は俺が片付けておいた。細かいところは黒須がなんとかしてくれる筈だ。……ところで、重要な話がある」
亜紀/はい?
GM/「既にお前とパーティーを組んで、2回ほど任務を片付けた。本調子も出てきた頃で、お前も慣れ始めたと思うけど……俺、バイトを降りることにしたよ」
亜紀/えっ! やめる……んですか? 本業がお忙しくなりましたか?
GM/「…………出てこいよ」
亜紀/え。
GM/青森が言った瞬間、誰も居なかった空間にいきなりバッと男性が現れる。……霊体化を解除したかのように。
亜紀/び、びくー!?
GM/その姿は、なんだか人形劇に出てくるような、古風な格好をした……大柄で目の細い、中の人が好きそうな男性(一同笑) 魔力感知してみると、物凄く強い魔力を秘めているのが判る。
亜紀/魔力ゲージが振り切ったー!?(笑) こ、これって……まさか!
GM/「英霊だ。……判ってくれるな? 俺、聖杯戦争に参加することにした」
亜紀/……だから、バイトをやめる?
GM/「けど、カモフラージュとして教会にいることにする」
亜紀/おお……って、俺にそのことをバラしていいんですか!?
GM/「2回ぐらい任務やってメッチャ仲良くなったじゃん。任務以外のお付き合いもいっぱいしたし、ちょっと目を瞑って協力してくれたら嬉しいな? 出来ないなら記憶を消すんだが、それをするにも……能力者だから一般人と違って高い達成値を出さなきゃ成功しないしな」
亜紀/て、抵抗しちゃいますよ。
GM/「めんどくさいじゃん、そういうの。それだったらお前、素直だし……教えておいた方がいいと思ってさ」
亜紀/……黒須さんには内緒にしておけってコトですよね。
GM/「もしかしたらバレてるかもしれないけどー……まっ、バレないようにする自信はあるけどね!」
亜紀/うん……危険なコトをしないって言うならいいですよ。
GM/「そりゃ言えねーな。だって、戦争だぜ?」
亜紀/ですけど! 出来るなら一般人を巻き込まないように……。
GM/「それはもう確実に! 一般人を巻き込むことは絶対にやんねーよ」
亜紀/そうですか。……この間、10年前の大火事は聖杯戦争のもので一般人も多く巻き込まれちゃったってお父さんに訊いて。
GM/「(いきなり低いオッサンの声で)嫌な事件だったね」
盟/……意味深!? 今のなに!? 半目みたいに目を伏せて言ったよね!(笑)
GM/だって10年前でも30歳だからバリバリ現役で覚えてるよ。「教会の任務を一緒にするのはカモフラージュだ。けれど、それを怠るつもりはない。だって俺、完璧超人だし?(笑) だからこれからも宜しくな!」
亜紀/は、はい……判りました。
GM/「あと、コイツも仲良くしてやってくれよ!」
盟/(青森になって)「えーと、コイツの名前は……そうだな、ミスターBだ!
亜紀/ミスターB!?(笑)
盟/(青森になって)「今決めた!
亜紀/今ぁ!?(笑) それは失礼じゃないんですか……。
盟/(青森になって)「いいよな!」……令呪をここで使用しておきます!(一同爆笑)
GM/1つ目令呪を使用されました、パーン。(ミスターBになって)「……初めまして、ミスターBと申します。貴方の話は彼から聞いております」
盟/(青森になって)「今のは令呪って言って、嫌なことでも3回までなら強制的に従わせることができるんだ」
亜紀/今の、嫌なことですよね(笑)
盟/(青森になって)「ここまでする俺なら協力してくれるだろ? 納得させる材料として使ったんだよ」
亜紀/な、なるほどー。……はい、大丈夫です。
盟/(青森になって)「じゃあ帰るぞ、車に乗れ! 送ってやる!」
GM/では食事も終わり、ミスターBと呼ばれた男は霊体化して見えなくなり、青森のオッサンに連れられて、家の前まで送り届けられます。(青森になって)「きっと……あと10日もしないで聖杯戦争が始まる」
亜紀/もう……ですか?
GM/「俺みたいにさっさと召喚しちまった奴も居るだろ。きっと気の早い連中はもうこの街に入ってるさ」
亜紀/じゃあ……頑張らないとですね。
GM/「そうだな。一般人を守る為に教会はあるんだからな、危ないコトすんなよー!」
亜紀/しませんよ! そうならないように気を付けるんですから!
GM/「マスターに関わるなよー……俺は例外だけど(笑) 俺みたいに友好的な相手ばかりじゃない。敵意持って寝首掻くような連中ばっかかもしれないんだ」
亜紀/き、気を付けます。
GM/「よし、お前んち着いたぞー」と、車を出るとき……「お気をつけて」と低い声で言った気がした。霊体化をしているので声だけが聞こえる。
亜紀/あ、ミスターBさん。……ありがとうございます。
航/……この2人、2月前の段階で既に契約してたんだ。


 ●ミドルフェイズ2/January 24th Scene 1

GM/航と亜紀と祐希が盟の家にやって来ました。八木沼邸の前でデーン。
亜紀/でかーい。ぽかーん。
航/……これ、なに?
GM/入って見えるのはデッカイシャンデリア。天井が吹き抜け。(ヘンリーになって)「おかえりなさいませ、盟様」
盟/ウチのハウススチュワードのヘンリーだ。
航/なんだって!?
盟/日本語に訳すならば、家令だ。
亜紀/カレーライスがチーンと出てきた!(笑) お、お邪魔しまーす。凄いなー、こんな豪邸入ったことないよー。
航/玄関ホール、壁紙、超キレイ。そしてどっかから聴こえてくるクラシックは何!?
盟/なんでそんな固まっているんだ……嫌だったか? 不安そうに訊きます。
亜紀/いや、豪華すぎて小市民の俺達にはビックリしちゃって! 凄い所に住んでるんだな、八木沼くん!
航/スゲー、ソファやわらけー。ふっかふっか!(笑)
GM/(ロザリーになって)「まあまあ、ようこそいらっしゃいました……厨房のご用意も出来ておりますよ、早速ですがお料理をしましょうか。何を作りますか?」
亜紀/……シーフードカレーとか良さそうじゃね?
航/もう今日はカレーの気分なんだな(笑)
GM/「それでしたらスパイスをすぐにご用意できますよ」
亜紀/そこから作るんですか!(笑)
盟/(いきなりロザリーになって)「欧風カレーと言うものがありますでしょう? インド風とはちょっと違うものですねぇ、あれはイギリスから発祥したものでございましてシチューにカレーをブチ込んだのでドロッとしたカレーが出来上がったのです」
亜紀/ブチ込んだって!(笑) ロザリーさんって携帯持ってますか、メアド交換しませんか!?
GM/ということで、シーフードカレーを作ることになりました。料理をしましょう。器用の判定は……【反射】かな?
航/あ、イケる。(ころころ)出目が5・6で【反射】をプラスだから……16です。
盟/なんだとう!?(笑) 航は自炊してるもんね……。
GM/亜紀くんに関しては、料理下手の設定があるのでマイナス2のペナルティで判定してね。
亜紀/はーい。(ころころ)8でした。ロザリーさん、コレ入れていいんだよねー? ざららららー!
盟/(ロザリーになって)「ああっ、そんなにガラムマサラを入れてしまっては……! シーフードは別鍋で炒めてくださいね。あ、そんな、同じお鍋じゃ生臭く……」(笑)
航/八木沼ー、コレ切ってー!
盟/う、うん! 作ってやるよ、別に一人で座ってるのが寂しい訳じゃないんだからな! 【反射】は2で料理とかやったことないけど!(ころころ)6だよ!
GM/低っ!(笑)
航/ま、初めてだし仕方ないよな。合宿のカレーってみんなで作るから美味しいんだよね。
GM/祐希も一応判定しておきます。(ころころ)13だ。
亜紀/祐希うまいなー。みんなで作れば結構美味しくできたんじゃないかな?
GM/そんな感じでカレーが完成します。とりあえず料理をしたことかった盟ちゃんが下手だってことも判った。いただきまーすとみんなでモグモグ作ったカレーを食べます。
盟/ふ、フシギな味がするな……。
亜紀/そんなことないよー。味オンチなんでもぐもぐー(笑)
航/うん、7割ぐらいは美味しいよ!(笑)
GM/……では、盟ちゃんは≪テリトリー≫の効果で誰か客人がが屋敷に入って来たことに一足先に気付く。
盟/誰か訪問者か。
GM/気付いたヘンリーが出て行き、戻って来て、お友達に伏せるように「……黒須様でございます」と耳打ちします。
盟/すまない、客人が来たようだ。ちょっと抜ける。……違う応接間に向かいます。
GM/別の部屋で黒須が待っています。「……前に言っていた召喚の儀のことに関して調べたいことがある。八木沼の書庫を貸してくれないか。以前貸してもらったのと同じやり方でいいんだが」
盟/ああ、黒須ならば信頼できるから貸そう。鍵を渡します。……そんなに黒須が気になることって何なんだ?
GM/「……聖杯戦争関係だ」
盟/だからそれは何なんだって訊いている。
GM/「……些細なことだ。黒須の家と八木沼の家は繋がりがあって、昔からここで勉強させてもらっている。俺の今住んでいる所よりずっと資料があるからな、図書館に調べに来たと思ってくれ」
盟/ふうん。……あ、そうだ。今日、カレーを作ったんだが食べていくか?
GM/「ロザリーがカレーを作るなんて珍しいな」
盟/むっ(笑) 僕が、友達と作ったんだよ……。
GM/「……まず、『僕が』と『友達と』のどっちがダウトだ?」(一同笑)
盟/両方とも真実だ。
GM/「春は早いな。もう4月1日か」
盟/エイプリルフールでもねーよ!(笑) だーから、僕が作ったんだってば! ああもう、食べたくないなら食べなければいい! どうせ僕が作った料理なんてマズイよー! 黒須のバカー!(笑)
GM/……ということで、航達は盟ちゃんが違う部屋で声を荒げているのが聞こえます。
航/なになに? 黒須先生いるのー?
亜紀/あ、盟ちゃんが真っ赤だー。
盟/≪火炎術式≫! ≪ヒュプノスの枝≫! 寝ろ! 記憶を消せー!
亜紀/ヤメてー!(笑) って違う違う……あれ、黒須さんじゃないですか?
航/先生来てるんですか。……盟ちゃんに妬かせたいので、「先生久しぶりー!」と抱きつきます(笑)
盟/じりじりぃ……!(笑)
航/俺達、カレー作ったんだよ! 食べていけば?
GM/「盟の……友人?」
航/うん。
GM/「盟の……友人?」
亜紀/なんでそんなに感慨深げにすんの!(笑) 先生と八木沼くんってどういう関係?
盟/家の付き合いだから仕方なく付き合っているだけだ、コノヤロー!(笑)
航/先生、あんなコト言ってますよ! ツンデレですよ!(笑)
GM/「図書館代わりに使わせてもらっているだけだ」
航/明らかに盟ちゃんヘコんでますよ!?(笑)
GM/「こっちは仕事がすぐにあるんでな。失礼する」……と黒須は書物庫に去っていきます。そんな風で夜まで君達の騒ぎは続くんですね。……夜になったらロザリーが「お泊りなさっていきますか?」と訊くよ。
亜紀/え、そんな。……明日休日だけど、いいの?
盟/……コクッと頷きながら枕をそっと渡します。使わない部屋だったらいくらでもあるから……。
亜紀/やったー! みんなで夜更かししよう!
盟/でもTVゲームとかは無いからみんなで遊べるものは……。
GM/じゃあ4人でオセロをしよう。2対2のチーム制で。折角だから【理知】で判定してみようか。
亜紀/俺、祐希と組む!
航/よし負けねーぞ、盟ちゃん!
盟/う、うん……!(ころころ)ああっ、ファンブった!
航/盟ちゃんが!? しかし盟ちゃんのその運命が翻る! ≪逆転運命≫!(笑)
盟/やった、振り直してみるね!(ころころ)11です。
亜紀/(ころころ)11です。
航/(ころころ)俺も11……おっ、五分五分だ。結果は祐希にかかってる!
GM/(ころころ)13……。
亜紀/やったー! 祐希ありがとー!
盟/……だってオセロって日本のゲームじゃん! やったことないよ! この雪辱を枕投げで晴らすぞ、秤谷!
航/こんな高そうな家具がある部屋でやっていいの!? 弁償できないよ!(笑) でも【体力】なら負けねーぞ!(ころころ)15です。
GM/(ころころ)祐希は9。
亜紀/(ころころ)8です。うわぁーっ!
盟/(ころころ)13……ここで隠れるんだ秤谷! そこで投げろ! 「黒須のバカヤロー!」って思いながら投げる!(笑)
亜紀/なんか恨み篭ってるよ、八木沼くん!(笑)
GM/(ロザリーになって)「ああ……盟様があんなに楽しくはしゃいでいらっしゃるなんて」(笑)

 何ラウンドも繰り返される枕投げ。良い汗を流して、みんなで入る大浴場。
 綺麗に掃除された部屋で、ふかふかの布団に飛び乗る夜。
 修学旅行のようにカレーを作り、共に遊んだ結果……皆の好感度はお互いに上がっていた。


GM/盟ちゃんは個人部屋だよね? 他の3人は客間かな。
亜紀/えー、八木沼くんも一緒のところで寝ようよ。ずるずるー。
盟/べ、ベッドは3つしかないんだぞ?
航/秤谷のここ、空いてますよ?
盟/ぼ、僕が小さいと言いたいのか!?
航/俺はいつも狭いところで寝てるから寝相はいいんだよ。ベッド3つつなげれば4人で寝られるぜ?
GM/みんなでまとまって寝るのか。じゃあ……真夜中、みんなが眠りについた頃、盟の元に来訪者が来る。……黒須が盟と話がしたくて来るんだけど、【知覚】判定で気付いてね。盟ちゃんは難易度8、他は10で。
盟/(ころころ)お、13で成功。
航/14です。
亜紀/12です。
盟/みんな判っちゃった!(笑) 黒須が呼んでるのに気付いて……立ち上がろうとして、秤谷の足に引っ掛けてコケる!
亜紀/横になってる亜紀の上にドスッと落ちてきて、ううーん……?
航/なにー……あ、先生だー……?
盟/……恥ずかしそうに出ていきます。くそ、コケた一部始終を見られた……黒須、何のようだ!? 八つ当たりのように言います!(笑)
GM/違う部屋に行ってから口を開くよ。「……お前、これから聖杯戦争に参加するんじゃなかったのか」
盟/……超馴れ合ってました!(笑)
GM/「誰かと親しくしている姿を敵に見られたら? ……近しいNPCはGMが誘拐したがるものだぞ」と、シリアスに言います(一同笑)
盟/ああ……確かに。一般人と仲良くなるなんて弱味いっぱい握られたもんだね。
GM/「それ以上の関係になったらお前が苦しくなるだけだ。今はただの友人どまりで済むが、親友になったらそれこそ……」
盟/でも……親しくなった人間を切るなんてことは出来ない。
GM/「お前の為を思って言ってやったんだが。言わない方が良かったか?」
盟/……守れるぐらい僕が強くなればいいだけだ! いざとなればここは僕のテリトリーだ、彼らを匿うことだってできる! それに親しいという点だったら、柊……お前だっていっしょだぞ!
GM/「…………。そうか、こんな夜遅くまで書庫を使わせてくれてすまなかったな。もう行く」
盟/そういうことを言ってるんじゃないと……! もだもだ。
GM/「おそらくは……2月になればお前の世界は変わる。それまでには……」
盟/……関係を切っておけ、と?
GM/柊はね、キミのコトを思って言ってるんだよ? 柊は盟ちゃんのコトが心配なの!
盟/知ってる! 凄く判る! でもマイメロチックに言うのはやめろ!(一同笑)
GM/「本をいくつか借りていくぞ。ヘンリーには告げてある。……カレー、美味かったぞ」
盟/……僕の分、食べてないくせに。
GM/「ちゃんと後で食べておいたから言うんだ」
盟/好感度上がりまーす!(一同笑) バ、バカ! 不味かっただろ、何食ってんだよ! そりゃ初めて作ったんだから食べてほしいに決まってるけどコノヤロー!(笑)
GM/「予想以上に美味かったからビックリだよコノヤロー」
亜紀/……なに、このツンデレのデレ合戦(笑)
航/攻撃的デレ合戦だ。可愛いな、お前ら!(笑)
盟/僕は友達のことも諦めないし、聖杯戦争だって負けるもんか……!
GM/「……お前は、今までそんなに甘ったるい奴だったかな」
盟/……甘ったるいって。諦めないってことは……我儘なことなのかな。
GM/(またマイメロ風に)「柊はね! ホントはね! キミのコトを想ってるんだよ!」(一同爆笑)


 ●ミドルフェイズ3/January 25th Scene 1

GM/えーと、シナリオクラフトが『学校の怪談』だから……学校でイベントを作らなきゃだね。でも日曜日だからなー。
亜紀/あ、それなら裏の公衆電話のことを言います。そういえばこんな噂を聞いたんだよーって。
盟/やはり行くならば黄昏時か、もしくは夜だろう。
亜紀/おお、判ってるね、八木沼くん!(笑)
航/なんでノリノリなの! なんでノリノリなの!?(笑)
盟/なによりも秤谷が面白そうだ!(笑) よし、行こうじゃないか!
GM/……祐希が「航、怖くないよ?」と言ってあげます。
航/祐希、お嫁さんにして!(一同笑) でもみんなが行くなら俺も行くよ! 一人はイヤだよ!(笑)
GM/では、夜になる時間に学校に向かいます。学校の裏には旧校舎があり、そこには2009年の世の中に取り残されたかのような公衆電話がポツンと一つ。
航/タウンページが80年になってたりするんだな。古いなー……。
GM/旧校舎は老朽化が進んでいるからあまり近寄る人はいない。一部部活しか使ってないし、そういう部活は廃れてない教室を使ってるんだろう。……こんなに古いと電話なんて通じないだろうと君達は思う。
航/使えんの? っていうか、誰かテレホンカード持ってる?
亜紀/持ってる持ってる。今も普通に財布の中に入ってます。
GM/持ってるんだ、携帯電話があるのに……。ってことは、亜紀がかけるの?
亜紀/……ゆ、祐希! 一緒に入らないか!
GM/「……狭い」
亜紀/一緒に入ってくれよー! 旅は道づれって言うじゃないか、ぎゅむー!(笑)
航/俺達は外に居るから。そういう怖いの無理だし!
GM/……では、亜紀と祐希の2人が公衆電話に入ります。外は暗く、電灯も届かない場所で、ひどく中は汚れている。
亜紀/祐希、テレホンカードを入れてくれる? 俺は受話器持ってるから。
GM/「う、うん、入れるだけなら。時報サービスでも聞こうか?」……では『異変トラップ』表1D6を判定しよう。振るのは亜紀だな。
亜紀/(ころころ)2です。

 『異変2:全員が体調の不良を訴えだす』

GM/この場合の『全員』は、電話ボックスの中に入ってる2人かな。祐希が不調を訴えます。「やっぱ、空気が通ってなかったからじゃないかな……?」
亜紀/う、なんか気持ち悪い……電話は117で……どうだ?
GM/…………ぷるるるる、ぷるるるる。
亜紀/……鳴った!?
航/鳴った! 耳を近づけます!
GM/(搾りだすような小さな声で)「…………だれ……?」
盟/誰!? 誰って!?
亜紀/あ、あ……亜紀と申します!
航/言っちゃった!(笑)
GM/「……亜紀……? ……迎えに、行くから……」ガチャッ!
亜紀/む、迎えに行くから!? えぇーっ!?
航/なんで答えちゃったのー!?(笑) とりあえず2人とも出てー! 答えちゃったけど大丈夫!?
GM/では『不安なひと時』表を振りましょう。
航/ビビリの航が振ります。(ころころ)4です!

 『不安なひと時4:カサカサッ、という音』

GM/あっちの木々がカサッとざわめいている。と思ったら逆方向がガサガサッ!
航/びくん!? 迎えに来てる!? コオロギ!?
盟/コオロギでかくね!?(笑) もしくは集団か!?
航/集団のコオロギとかめっちゃ怖い! 明らかに幽霊より怖かった!(笑) 絶対ヤバイよ、帰ろうよ! 黒須先生にお祓いしてもらおうよ!
GM/航的にはゾワゾワと音が近づいてくるような気がするし、電話ボックスに入った2人は気分が悪い。そんなとき……校庭に、黒い影がフッと現れる。
亜紀/うんっ!?
GM/黒いマントに覆われた何かが現れ、スッと消える……そしてまた学校の中にスッと影が現れ……。
盟/……よし、このまま帰っても目覚めが悪いだけだ。原因を追究し解明、解消するんだ!
亜紀/そっか! あの電話ボックスを破壊すればいいのか!
航/破壊っ!?(笑) 余計呪われそうだからヤだよ!
盟/バカ、秤谷……このまま帰ったところでお前のアパートには幽霊がいるんだぞ!(笑) 一人で帰るならスッキリして帰った方がラクだろ!?
航/いないもん、何もいないもんっ! バイバイ俺の日常!(笑)
GM/では『校内移動チャート』を振ってみよう。1D6で、「ここに行こう!」と思います。
盟/(ころころ)6です。

 『校内移動チャート6:旧校舎/給食センター』

盟/怖いトコ来たー!(笑) よし、旧校舎を夜の探検だ! さあ秤谷、黒い影は見ただろ、行くぞー!
航/……見たよ、見たよ、ああ見たさ! もうなんでもいいよ、あの黒い影をぶっ飛ばせばいいんだろぉ!? 俺の安眠のために!
亜紀/航、ヤケ起こさないで!(笑)
GM/という訳で君達は旧校舎にやって来る。美術部が閉め忘れた部室の窓から入れるね。ばあやさんが持って行けって言ってくれた懐中電灯を照らせば歩けるね。
盟/ばあや、用意いいな!(笑) ……顎の下にライトを照らして怪談を言っていけば幽霊が出てくるんじゃ!? 霊って怖い話に集まるって言うし!
航/なんで余計に怖くさせるの!?(笑) ……ライトで周りを照らして歩きます。
GM/ガタン!
亜紀/あっ!?
GM/……みんなで廊下を歩いていると、とある教室で……何やら音がした気がした。
盟/よし、秤谷。行くぞ。
航/行くの!? 祐希、なんとかして!
GM/……僕、NPCだから
航/だよねー!(笑) ガラッと開けて、ライトで照らしながら教室を見てみます……。
GM/パッと照らすと、奥の方で黒いマントが蠢いていた!
航/あ、いた! 何かいたー! 黒い人っ!?
盟/おめでとう!
航/なにが!? 俺がNPCだったらこのまま気絶してるよ!?(笑)
GM/良かったね、PCで。……黒い影を中心に、突然炎がボッと舞う。ヒトダマだ。
航/リアルヒトダマ!? ま、待って……冷静に話し合いましょう! ねっ!?
GM/『異変トラップ』表を1D6振ってみようか。
航/(ころころ)6です。

 『異変トラップ6:どこからともなくナイフが飛んでくる』

GM/これは「ヒトダマが襲いかかって来る」っていう演出の方がいいな。ヒュードロドロ……と航の横を掠めた!
亜紀/き、気を付けろ! アレに当たると取り憑かれるぞ!
GM/火が舞っているけれど、舞っている最中に黒い影はいなくなります。
盟/あー……逃げちゃったな。じゃあ追いかけよう、安眠の為に!

 『校内移動チャート1:教室/屋上』

盟/ここは屋上だろ! 屋上に入ったら扉がガタンて閉まって開けられなくなったときの絶望感が良いよね!
亜紀/良いねー! 気が合うねー! 盟ちゃんって呼んでいい!?(笑)
盟/僕は早乙女先輩のことを亜紀って呼びます!(笑)
航/この2人は……!(笑) でもさっき高い所にも黒い影が見えたし、屋上……行こうか。
GM/ではでは屋上にやって来ます。屋上の扉を上げると……奥のフェンスに寄りかかるように黒い影……布を纏った影が浮いて立っているね。
航/……もう無理! なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないの!? 俺は今からこのモップを投げる!
亜紀/目が座ってるよ、航!(笑)
GM/『ゴーストハンター』で言うところのそろそろMP1桁だな。……黒い影がぷぷーって笑った気がした。黒い影が君達と遊ぶかのように揺らめき始めます。
航/アイツ、ムカついてきた! 逃げてねーでコッチ来いやぁー!
亜紀/遊ばれてるし、こっちも全力で遊ぶぞー! 見えない飛び道具を使ってパーンと撃ちます!
盟/一方、盟ちゃんは魔導書を取り出します。
航/なにそれ!? 判った、近未来のiPhoneだ!?(笑)

 3人の戦いに遊ぶように付き合う黒い小さな影。
 周りに炎が舞いつつ、戦闘が始まり……あっという間に終了する。
 フェンスの上に軽々乗る影は、フラリと揺れると跡形も無く消え去った。そして……マントだけがヒラヒラと航の前に舞った。


航/がしっ。掴みます。
GM/……おや、よく見ると黒い布じゃなくてこれは赤い布っぽいぞ。夜だから気付かなかったのかな。その布もすぐに風に吹かれて消えていく。そこにババーンと誰かが屋上の扉を開ける!
亜紀/だ、誰だっ!?
GM/オッサンと大柄な男性の2人組だ。(低い声で)「うん……盟と亜紀じゃねーか?」
盟/……どうしたんだ、青森。
GM/(青森になって)「お前らこそどうしたんだ。日曜の夜に……何やってんだ?」
亜紀/よ、夜の怪談をやっていました。肝試し?
GM/「……教会の使い魔が『夜の学校で魔術の反応がした』って報告を入れて、他にも≪無の射撃≫が使われたとかで騒いでな、大変なことが起きたんじゃないかと急いできたんだが……」
亜紀/わ、ご、ごめんなさいー!(笑)
GM/……と、航の目の前で、変なことを言っているオッサンが居ます。
航/判った、これも幽霊だな。モップを構えます。
盟/ガンバレ秤谷!(一同爆笑)
GM/……オッサン達は異常事態だと思って駆けつけました。ちなみに、オッサンの後ろには航と盟ちゃんは知らない、眼鏡を掛けたスーツの男性が立っている。
盟/……青森、後ろの人は?
GM/「教会の人だ」
盟/……嘘をつくな。
亜紀/ほ、ホントだよ! 俺も見たことあるし!
GM/「ほーら、教会に馴染みのある亜紀がそう言ってるぞ!」
盟/お前が言うと嘘くさいんだよ、全部!
GM/お前の台詞だ、全部!
盟/知ってまーす!(一同爆笑)
亜紀/あれ……盟ちゃんとお知り合いなんですか?
GM/「盟と俺は親戚で血縁だ。同じ血だよ」
亜紀/なんか凄く盟ちゃんが嫌そうな顔をしてますよ!?
盟/クソォ、コイツと血が繋がってるとか隠しておきたかった!(笑) なんでそんな弱味を僕が握られなきゃいけないんだ!?
GM/弱味なんだ。「とりあえず簡単にここを調べて……重大なことだったら亜紀と盟にも教えてやるよ。とりあえず帰るぞ」


 ●クライマックスフェイズ/January 25th Scene 2

GM/帰宅のシーンは、オッサンと航と盟ちゃん組、亜紀と祐希とミスターB組に分かれます。青森のオッサンに連れられながら「怖かったなー、一人で寝られるかぁ?」と言われたり。
航/寝られるよ、大丈夫だよ! ……なにこのオッサン、腹立つんだけど!
盟/すまない。
航/ごめん、親戚なのにごめん!(笑)
盟/いや、僕も常日頃から滅べって思ってる。
GM/「アパートに到着したな。盟、別れの挨拶したらコッチ来いよー」……ひとまずオッサンはシーン退場します。
盟/……秤谷、大丈夫か。幽霊がいるけど一人で眠れるか。
航/いないもん!(笑) いたらその時は盟ちゃんの家に逃げ込むよ! 今日はもう疲れたから寝る! ……今度、一体何があったんだか説明しろよ!
盟/本当に知ってしまってもいいのか……覚悟はあるのか?
航/ただの幽霊話じゃん! 何かあったらそれこそ盟ちゃんのことを頼るから。
盟/それにはキョトンとした顔になる。……あ、ああ。でも本当に危ないかもしれないし……。
航/なんでここで態度が軟化するんだよ!
盟/う、うるさいなぁ! こういう状況下に陥ったことがない設定だから頼られるのに慣れてないんだよ!
航/設定って!(笑) いいよ、頼りにしちゃうからな! しちゃうからなぁ!?
盟/されてやりますよー! されちゃうよぉ! な、何かあったらちゃんと僕に電話するんだぞ!?
航/判った。電話する。メールもする。≪クリエイトゲイト≫も使っちゃう。
盟/お風呂場だけは無しな。
GM/一度行ったからこれで風呂場に「キャー! のB太さんのエッチー!」が出来るようになったな(笑) ……盟ちゃんとバイバイをして、鍵を閉めた瞬間、航にムズムズとした感覚が走ります。
航/うう……変な悪寒が。な、なんもないって!
GM/そうして、盟ちゃんは青森のオッサンと一緒に八木沼邸に向かいます。(青森になって)「……友達できたんだな、お前?」
盟/うっ……うるさいなぁ! 悪い!? 友達できちゃあ!
GM/「いやあ……友達っていいもんだぞぉ、俺もさぁ以下略!
盟/オジサンの青春話なんて聞きたくないし役に立たないよ!
GM/「ちゃんと友達は守ってやるんだぞー。……ところで俺、教会の方でバイトしてるんだ」と、半分本当の嘘をつきます。
盟/なに、住所不定無職になったの? これだから不規則な仕事の人間は……。
GM/「ちゃんと新座市に住所ありますぅー! マンション買ってますぅー! そういやお前って聖杯戦争に参加する気なんだって? ちょっと黒須を叩いたら吐きやがったぜ!」
盟/く、黒須の奴ぅ……(笑)
GM/「いいじゃん、アイツ超心配してたぜ。ラブラブじゃんか。まっ、そんなつもりはアイツは無いだろうけどよ、ハッハッハ!」
盟/うるさいよぉー! 魔導書を投げつけながらシーンアウトします!(笑)
GM/盟ちゃんにとってお友達がいっぱいできた一週間なのでしたー。

 ……一方その頃。
 祐希と亜紀は、ミスターBという男性に連れられ、まずは祐希の家へ歩いていた。


GM/亜紀も何回か遊びに来たことがある日本家屋に着きます。(祐希になって)「先輩……ここまでありがとうございます。気を付けてくださいね。さっきも色んなことがありましたし……」
亜紀/ありがとな、祐希。
GM/「そ、それに……。あっ、なんでもないです……」
亜紀/うん? 言えよ、言いたいことがあったら言えよ。
GM/「また新しいバイトを始めたって黒須さんに聞きました……先輩のことが、心配です」
亜紀/か、可愛いなー! よしよし!(笑) ちょっと教会のお手伝いしてるだけだよ、何かあったら祐希に相談するよ。
盟/……亜紀くんの言う『教会のお手伝い』って、日曜教室の準備をしてる雰囲気だよね。
GM/そう航にも言ってるんじゃない? 亜紀のことを心配しつつ祐希は「また明日、月曜日に……」と言って家に入っていきました。
亜紀/ふう、明日から学校かー……花屋も教会もあるし、頑張ろ!
GM/では早乙女家の方に向かいますか。……ミスターBという男と一緒に。
亜紀/あ、あの……今日は騒ぎを起こしてしまって申し訳なかったです。
GM/「…………」。
亜紀/お、怒ってますか?
GM/「……貴方は、学校にいた霊体を感知し、それから彼らを守ろうとして戦っていた……のですよね? そういうことなんですよね」
盟/それ以外の答えは許さんぞ!」ってカンジだな(笑)
亜紀/うう……ちょっと盟ちゃんとハシャギましたが、大体概ねそうです(笑)
GM/「学校と言う所は多くの人間が、生気に溢れた少年少女達が集まる場所です。生気を求める者達が狙うこともあるのだと覚えておいてください。……もしかしたら、先程貴方達が戦ったのはその手の輩だったのかもしれません」
亜紀/案外オオゴトに関わっていたかも? 気をつけなきゃですね……。
GM/「聖杯戦争が本格化してきたら、貴方も学校組織から離れた方が良いかもしれません。それぐらいの緊張感は持った方が良いということです」
亜紀/そう……ですか……しゅん。
GM/「…………。怒ったのではなく、これは忠告ですよ」
亜紀/……心配してくれたんですか?
GM/「もちろん。……貴方は、マスターの知り合いですから」
亜紀/デレた! その後にツンもきた!(一同笑)
GM/「貴方とはこれからもこうして隣を歩くことになるでしょう。もっと私と仲良くしてやってください。それと、前回あの人の前で出来なかったことがあります。……初めまして」。握手を求めます。
亜紀/は、初めまして。
GM/「……これから、貴方の事をもっと知っていきたい。どうか私を許してやってくださいね」と……少し笑って言います。
亜紀/あ……笑顔が垣間見た! やったね!(笑)
GM/「そうだ、貴方にだけ教えておきましょうか。これからあの人ともきっと仲良くやっていくのですから、話しておきます。――私の名は、武蔵坊弁慶といいます」
亜紀/……あっ!
航/……初めて、確証が取れた。
亜紀/あ、あの武蔵坊弁慶!? 弁慶って、九郎義経公と一緒に史実に出てくる……?
GM/「ええ。もう私のような異形の者がこの世界に現れているのです。緊張感を持ってくださいね……」

 ――黒い影、身体を覆うマントを無くした影が、ビルの上に立つ。
 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、先程まで自分が居た……遠くの学校を見た。
「あちゃー……ううー、なんか邪魔されたー。それに学校を本拠地にするのは良くないな。あちゃー!」
 小さな影は大きく飛び跳ねる。その身体にはいつの間にか、一度手放した筈の赤い布を纏っていた。
「あんな目立つトコロはダメだな。……違うトコ探さないとー!」

 ……誰もいなくなった学校。
 霊体が、いくつも揺らめく学校。
 そこに新しく訪れたのは……グルルの唸り声を上げる獣と、ある人物だった。


亜紀/本拠地にしようとしていたのか、アーチャー……(笑)
GM/アーチャーはマスターの命令で学校を基地として使えるかどうかの偵察をしていた、そこに航達がやって来て……というのを想定していました。
盟/なるほど、この後に藤原がドクロの結界を作りに来るんですね。
亜紀/……あ。じゃあ、電話ボックスやプールの女の子は何だったんですか?
盟/……本物だったんじゃね?
航/これから藤原さんが来るんだよな……なら「キャー! 冥府の王様が来るわー!」「キャー! ハーデス様カッコイー!」とかしていたんじゃね?(一同爆笑)