アナザーワールドSRS

AW 3rd edition

◆ 行為判定ルール ◆ 戦闘ルール ◆ 供給ルール ◆ 契約ルール
◆ イベントキールール ◆ フォーカスシステムルール

行為判定ルール

 ゲーム中に、キャラクターの取った行動がうまくいったのかどうか判別するためのルールが行為判定である。
 なお、以降の文中で「判定する」「判定を行なう」とあった場合、行為判定を行なうという意味である。行為判定は、GMがキャラクターの行動に行為判定が必要だ、と考えた場合に初めて行なうことができる。
 GMは必要のない判定を行わせる必要はない。

■行為判定の手順
 判定することが決まった場合、左の図の流れで行なわれる。ここでは、判定中に使用される各用語と行為判定の方法を解説する。

●難易度
 [難易度]は、行なう行為の難しさを表わす指標となる数値だ。データやルールなどによって自動的に決定される時もあれば、GMが任意に決定する場合もある。
 難易度以上の達成値を出すことができれば、行為判定は成功となる。なお、GMは難易度を特に告げず、PCの達成値のみを求めてもよい。

●難易度と行為のイメージ表
 難易度 行為のイメージ
 6〜8 簡単な行為
 9〜11 できるのが普通の行為
 12〜15 難しい行為
 16〜 至難な行為
 
●判定値
 [判定値]とは、判定に使用する能力ボーナスや戦闘値のことである。GMは判定に使用する判定値を決定し、プレイヤーに伝えること。プレイヤーは特技や装備などの修正を行なった最終的な判定値をGMに宣言せよ。

●ダイスロール
 プレイヤーは、2D6を振る。この時に振った2D6がクリティカル値以上だった場合はクリティカルが発生する。それに対して、2D6がファンブル値以下だった場合はファンブルが発生する。

●クリティカル
 振ったダイスの目がクリティカル値以上だった場合、その判定は[自動成功]となる。[自動成功]が成立したら、判定は自動的に成功となる。以降の処理は行なわれず達成値を算出する必要はない。クリティカル値は12である。

●ファンブル
 振ったダイスの目がファンブル値以下だった場合、その判定は[自動失敗]となる。[自動失敗]が成立したら、判定は自動的に失敗となる。以降の処理は行なわれない。よって、達成値を算出する必要はない。ファンブル値は2である。

●達成値
 ダイスロールを行ない、クリティカルもファンブルも発生しなかったら、出た目に判定値と修正を加える。これが「判定がどの程度うまくいったのか」を表わす数値である。
 この数値を[達成値]と呼ぶ。
  達成値=判定値+ダイスの出目+修正

●行為の成否を決定
 算出された達成値と難易度を比べる。結果、達成値が難易度以上であった場合、行為判定は成功となる。難易度未満であった場合、行為判定は失敗となる。
  難易度≦達成値=行為判定成功
  難易度>達成値=行為判定失敗

●行為判定の終了
 行為判定は、これで終了となる。GMは、プレイヤーの出した結果を見て、その結果に合わせて行為の成否を演出すること。クリティカルやファンブルの場合は、失敗や成功をより強調して演出するとよいだろう。

●修正を与える
 GMは、状況に応じて難易度、判定値、達成値などに修正を行なうことができる。
 修正は−3〜+3程度の範囲で行なうこと。
 この範囲を超えてしまうような修正を行なうと、ダイスひとつ分の期待値(3.5である)を上回ってしまい、判定を行なう意味それ自体を失わせる可能性があるのだ。

■対決による判定
 [対決]とは、行為を行なうキャラクターに対して、別のキャラクターがそれを妨害した場合に発生するルールを指す。

●アクションとリアクション
 対決を行なう場合、それに関わるキャラクターは[アクション側]と[リアクション側]に分けられる。アクション側は能動的に行動を行なうキャラクター、リアクション側はアクション側に対応して行動を行なうキャラクターである。
 対決はアクション側、リアクション側の順番に判定を行なう。判定値や修正値などは通常の行為判定と同じようにGMが決定する。続いてアクション側、リアクション側の順番で必要な判定を行ない、達成値を算出する。
 もし、対決でどちらがアクション側か決定できないことがあったなら、先に言い出した方をアクション側とすればよいだろう。

●判定ができない
 リアクション側が何らかの理由で判定が行なえないことがある。
 その場合のリアクション側の達成値は、判定値に特技や装備などによる修正を行なったもので算出される。

●勝利
 両者の達成値が確定したら、対決の勝敗を決定する。対決では、より高い達成値を出した方が[勝利]したものとされ、勝利したキャラクターの行為が採用される。
 アクション側の達成値が高ければ、行なおうとした行為に成功したことになる。その行為が攻撃なら、それは命中するわけだ。
 リアクション側の達成値が高ければ、アクション側の行なおうとした行為を妨害し、その影響を受けなかったことになる。攻撃されたのであれば、その攻撃を避けるわけだ。

●リアクション優先
 対決で互いの達成値が等しい場合、リアクション側が[勝利]したものとする。
 これを“リアクション優先の法則”と呼ぶ。

●クリティカル
 アクション側がクリティカルを発生させた場合、リアクション側がクリティカルを発生させない限り、アクション側の[勝利]となる。逆にリアクション側もクリティカルであった場合は、“リアクション優先の法則”により、リアクション側の勝利となる。

●ファンブル
 アクション側がファンブルした場合は、リアクション側は判定を行なう必要はない。
 逆にリアクション側がファンブルした場合は、アクション側の勝利となる。


戦闘ルール

■戦闘ルール
戦闘の開始をGMが宣言することで、セッションはラウンドと呼ばれるゲーム内時間単位で処理されることになる。通常のシーン進行と区別するために、これをラウンド進行と呼ぶ。ラウンドは一定の手順にしたがって進行していく。

●ラウンドの進行
ラウンド進行の詳細な手順、各プロセスのルールと解説を行なっていく。

@セットアッププロセス
 GMは新しいラウンドの開始を宣言し、シーンに存在するキャラクターを確認する。

Aイニシアチブプロセス
 [未行動]のキャラクターの中で、誰が次のメインプロセスでアクションを行なうかを決定するプロセス。もっとも【行動値】の高いキャラクターがアクションを行なう。
 もっとも【行動値】の高いキャラクターが複数存在する場合は、PC、NPCの順番でアクションを行なうこと。PC同士で【行動値】が同じなら、GMが決定する(原則、【反射】→【知覚】→【幸運】が高い順に行動する)。
 もし、すべてのキャラクターが[行動済]であれば、クリンナッププロセスに移る。

Bメインプロセス
 イニシアチブプロセスで決定されたキャラクターがアクションを行なう。キャラクターは、マイナーアクション、メジャーアクションの順番でおのおの一回ずつ行なえる。
▼マイナーアクション:戦闘移動
 [【行動値】+5]mまでの距離を移動する。ただし、敵キャラクターや移動を妨害するものと同じエンゲージに入っている場合は行なえない。
▼マイナーアクション:特技使用
 「タイミング:マイナー」の特技を使用できる。
▼メジャーアクション:全力移動
 戦闘移動の2倍までの距離を全力で移動する。ただし、敵キャラクターや移動を妨害するものと同じエンゲージに入っている場合は行なえない。
▼メジャーアクション:攻撃
 武器や特技などを使って、敵にダメージを与える。
▼メジャーアクション:特技使用
 「タイミング:メジャー」の特技を使用できる。
▼メジャーアクション:エンゲージ離脱
 敵や移動を妨害するキャラクター、いわゆる敵とのエンゲージにある場合、通常の戦闘移動と全力移動はできない。敵とのエンゲージから離れるためには、メジャーアクションとして[離脱]を宣言する必要がある。離脱を宣言したキャラクターは、エンゲージから離れて[【行動値】+5m]まで移動できる。
▼メジャーアクション:対象識別
 【理知】判定で[難易度:10+GMの設定した難易度]に成功することで、敵のデータを公表することができる。
▼メジャーアクション:とどめを刺す
 戦闘不能のキャラクターを死亡させる。

Cクリンナッププロセス
 クリンナッププロセスでは、ラウンドの終了にともなう処理を行なう。処理の順番は次のとおり。それらの処理が終わった後に、まだ戦闘が継続するならば次のラウンドのセットアッププロセスへ移行する。

●エンゲージ封鎖
 敵の横をすりぬけるといった、移動が制限される状況を[封鎖]と呼ぶ。エンゲージが封鎖されている場合、GMはエンゲージから離脱を行なうキャラクターとそれを妨害する敵キャラクターとによる【行動値】同士の対決を行なわせてもよい。
 離脱を行なうキャラクターは、これに勝利する必要がある。複数の敵とエンゲージしている場合は、そのすべてに勝利しなければならない。

●逃走
 戦闘が行なわれているシーンから退場したい場合、GMに逃走を宣言する。メジャーアクションとして、エンゲージされていない状態で全力移動すること。


供給ルール

■供給ルール
 【HP】と【MP】とは、本来『特殊な能力を使うための生命力』のことを表わす。一般人には【HP】、【MP】といった概念は無く、ルールの便宜上、【HP】【MP】ともに「1以上はある」とされている。
能力者達にとって生命力は、異端と戦う日常生活の中で日々減少するものである。一般人から見れば「生命力が無い」ということは、いわゆる「ストレスが溜まっている」と思われるだろう。
 特に、特別な儀式で召喚された存在(精霊など、稀人とされるもの)は、随時生命力を確保していなければ消滅してしまう。
通常、生命力は以下の4つの方法で回復できるとされている。
@能力者の特技を使用する
 【HP】や【MP】を回復する効果を持った特技を使用すれば生命力は回復する。ただし、多くの特技は代償を消費しなければならない。
A充分量の食事を摂る
 24時間以内に一定の量の食事を摂取することで生命力は回復する。
 逆に、24時間以上食事ができない場合は、自動的に【HP】と【MP】は1〜5D6点減少する。
B6時間以上の睡眠を取る
 6時間以上の睡眠を取ることで生命力は回復する。
 逆に、6時間以下の睡眠しか取れなかった、徹夜したなどの場合は、自動的に【HP】と【MP】は1〜5D6点減少する。
C供給を行なう
 2人以上のキャラクターが体液を交換する、または、エクスタシーを得ることで生命力は回復する。
 このときの体液の交換の仕方は、握手で汗の交換、吸血、性行為など様々な方法がある。プレイヤーとGMはシーンの雰囲気にあった行為を提示すること。
 供給の回復量は、通常なら1〜2D6点回復、契約状態にあるキャラクター同士の供給ならば3〜4D6点回復が望ましい。


契約ルール

■契約ルール
 人が、他人と関わり合うことなく生きていくことなどできない。どんなに孤独な人間でも親があり、思い出がある。その思い出の大半は、超越的存在から強制的に授けられたイベントではなく、人ひとりが自分の意志で作り上げていくものである。
 関わり合い、絆が時PCを救う切り札となるだろう。その繋がり合いの方法として、『契約』というルールがある。
 『契約』とは、超越的な力を持って主従の関係を結ぶ専属契約のことを表わす。主従といっても込められた意味は様々であり、親兄弟の契り、恋人同士の契り、義兄弟の契りなど人によって違うものである。霊的な力で2人の絆を結びあうことによって、魂は力を合わせ合い、通常では引き出すことのできない力を何倍にも高めることができる。
 主になる人物を「マスター」と呼び、従者になる人物を「サーヴァント」と呼ぶ。以下、契約のルールについて説明する。

●共通ルール
▼絶対服従

 サーヴァントは自我と自由意志を持っているが、基本的にマスターの命令には絶対服従となる。イメージとしては、命令に逆らおうとすると「逆らえなくはないがヤル気が起きない」、もしくは、「体が一段と重くなる」など、意見はできても苦痛を伴うようなロールプレイを心がけることが望ましい。
▼契約対象
 マスターは複数のサーヴァントと契約することができるが、サーヴァントは複数のマスターと契約することができない。
 また、サーヴァントがサーヴァントを従えることは可能である。つまり、サーヴァントは複数のサーヴァントを従えることもできる。
▼令呪
 令呪は、1シナリオに3回まで使用できる「マスターからのサーヴァントへの絶対命令」である。
 契約が完了したマスターとサーヴァントは、「令呪刻印」が身体のどこかに現れる。この刻印は刺青のような形状をしており、身体のどこに現れるかはキャラクターが自由に設定してよい。

●令呪の使用方法
 マスターは令呪を使用することで、以下の内容を1シナリオに3回まで行使できる。令呪はセッションが終了したとき、最大値まで回復する。
@サーヴァントの意に添わない命令を強要する
 サーヴァントが「絶対にしたくない」と拒否する事柄を、無理矢理実行させることができる。
Aサーヴァントをシーンに登場させる
 「タイミング:オート」で、シーンに登場していないサーヴァントを瞬間的に呼び出すことができる。
 戦闘中で令呪によるシーン登場を行なった場合、そのラウンドは即座にクリンナッププロセスに移行する。(強大な戦力が明確な形で呼び出されたことで、一端仕切り直しの形になる)。
Bサーヴァントをシーンから退場させる
 「タイミング:オート」で、既にシーンに登場しているサーヴァントを、強制的に退場させる事ができる。
 サーヴァントが回避判定に失敗したときにこの効果を使用し、ダメージを受ける前に戦闘から退場させる事ができる。また、この効果を使用するとき、他の特技などによる「戦闘から離脱できない」という効果を無視する。
Cサーヴァントの行動を成功させる
 サーヴァントが行う行為判定の達成値を+20する。
 この効果を使用するとき、通常は達成不可能な行動に対しても挑戦することができる。GMは自由に目標値を設定し、判定を行わせること(この目標値は20を目安)
 例えば、一瞬でビルの屋上まで駆け上がるとか、数キロ先まで跳躍するといった判定は、通常は「不可能」として行わせるべきでないが、令呪を用いれば判定に成功させることができる。

●マスターとサーヴァントとの契約
▼契約の方法

 マスターになるキャラクターとサーヴァントになるキャラクターが契約に合意した時点で、マスターの身体に令呪刻印が浮かび上がり、契約完了となる。
 キャラクターシートに、マスターとなったキャラクター、サーヴァントとして従えたキャラクターの名前を記入すること。
▼契約破棄の方法
 契約破棄の方法は、以下の通り。
@令呪で契約破棄の命令を下す
 セッション中に令呪を使用し、マスターが「契約を破棄する」とサーヴァントに命じれば、令呪刻印は消滅し、お互い対等の関係に戻る。
A令呪刻印のある肉体を切り離し消滅させる
 令呪刻印のある箇所を、肉体から切り離す。本体から離れた刻印は「本体に込められた魂」からの供給を受けることができなくなるので消滅する。
B教会の聖職者による《心霊治療》を施す
 心霊治療が行える神霊医師によって手術を受ければ、肉体を切断することなく、苦痛を伴わず令呪の刻印を消滅させることができる。
Cその他
 特別な力が働いたとき、特例として契約破棄が生じる。

※「AW2版」から「AW3版」のバージョンアップにあたって、契約解除は「令呪を3回使い切った時点で契約は解除される」から「シナリオ中に令呪を3回使い切っても、シナリオ終了後に回復する。契約状態は続行する」というルールに変更されました。ご注意ください。

▼再契約
 一度、マスターとサーヴァントになったキャラクターがもう一度同じ契約することは不可能である。
 ただし、マスターだったキャラクターが今度はサーヴァントに、サーヴァントだったキャラクターがマスターになることで、同じキャラクター同士でも契約関係を結ぶことはできる。


イベントキールール

■イベントキールール
 PCが、シナリオで設定された重要な情報、または重要な物、場所、人などを総称してイベントキーと呼ぶ。イベントキーはその名の通り、人生の分岐点であるイベントに関わる重要な鍵のことである。
 イベントキーは、「PCがどこまでの情報を得ているか」を明確にするためのシステムである。セッションの最中、シーンに登場していないPCはそのシーンで生じた情報を得ることができない。プレイヤーは知っていても、PCは知らない現象が起きる。その現象を回避するためのシステムがイベントキーだ。
 例えば、PC1は学校で不審な人物に出会ったとする。その不審な人物の特徴は、実際に対象を見たPC1にしか判らない。このとき、GMはPC1に「イベントキー:不審な人物」を与える。別のシーンでGMが「学校に居た不審な人物が現れた」と発言しても、PC1を操るプレイヤーしか率先的に行動は起こせない。GMは、『「イベントキー:不審な人物」を持っているPCのみ判定を行なうこと』などと指示を出すことができる。
 イベントキーを得るための行動は、特定の場所に単純に行くだけで良かったり、その場所で何かを探す判定に成功したりと様々なパターンが考えられる。明確に情報をPCに伝える為に、GMは「イベントキー:○○」という形でプレイヤーに掲示していくこと。
 また、イベントキーは他人に譲渡することは基本的には出来ない。上の例で言えば、PC1は他のPC達に「不審な人物がいた」ということは口頭で説明できても、具体的な特徴や記憶は他人に与えることは難しいからだ。イベントキーは特定のイベントを起こした者だけが得られる特権であり、譲渡するためには特殊な特技を使用しなければならない。

●ストーリーの進行手順
@プレイヤーは行きたいステージを確認する

 各場所の確認をする。
AGMはステージを演出する
 そのステージの様子を描写する。
Bイベントを起こす
 もしイベントの発生条件を見たしていた場合、PCがそのステージで何をしていたかに関わらず、イベントを起こすこと。
Cステージで取りたい行動を確認する
 そのステージで取りたい行動をPCごとに確認する。
Dイベントキーを渡す
 PCの行動がイベントキーを得るものであった場合、イベントキーをPCに明示する。
 以上、@〜Dを繰り返すことでセッションは進行していく。


フォーカスシステムルール

■フォーカスシステムルール
 フォーカスシステムとは、複雑な作業をゲーム内で表現するための「一連の判定処理」である。「一連の作業に焦点をあてる」ことから、フォーカスシステムと呼称される。
 たとえば、バイクで相手を追いかける場面や、錯乱状態になった対象を説得するなど長時間にわたる場面などは、このフォーカスシステムで表現できる。
 通常の行為判定とフォーカスシステムの違いは、ダイスロールを何回振るか、という点にある。通常の行為判定の場合、行動の成否を原則1回のダイスロールで決定するのに対し、フォーカスシステムの場合、複数回のダイスロールや行為判定を通じてその結果を決定する。

●アナザーフォーカス判定
 ここでは、『AW』で使用される特別なフォーカスシステム「アナザーフォーカス判定(以下、AF判定)」の説明を記述する。
 大規模な判定であるAF判定の難易度は、通常の判定の難易度が6〜20に対し、50以上と非常に高く設定されている。PC達は一筋縄ではいかない事象に対抗していく演出ができる。AF判定の進行手順は以下の通り。
@GMはAF判定を宣言し、長期に渡る大規模行為判定の目標を明示する
 たとえば、「会話している相手を説得して何か情報を得る」という目標をPC達に明示する。
AそのAF判定の「使用能力値」「難易度」「ラウンド制限」を宣言する
 その判定を成功させるための難易度を明示する。上の例では、「使用能力値:【理知】」「難易度:100」「ラウンド制限:2ラウンド」とした。
 このとき、GMはシーンの状態に合わせて「特別ルール」を設定してもよい。
Bラウンドごとに達成値合計を算出する
通常の戦闘のように【行動値】順にラウンドを進行させ、判定を行なう。このときPC達が算出した「達成値」をすべて合計し、ラウンド制限までに難易度に合計値が達すれば判定はAF判定は成功となる。
たとえば、PC3人で例のAF判定を行なうとする。
 PC1は、【理知】判定で達成値10を算出した。
 PC2は、【理知】判定で達成値12を算出した。
 PC3は、【理知】判定で達成値15を算出した。
 3人は、1ラウンドに10+12+15=37の達成値を算出したことになる。
 2ラウンドまでに難易度である100に到達できれば、PC達はAF判定に勝利したことになる。

●AF判定の特殊ルール
 AF判定では、他の行為判定ルールとは違い、独自のルールが存在する。
@ラウンド中にクリティカルを出した場合、達成値は「30」として扱う
 「クリティカル値:12、【理知】4のPC」が6ゾロ(12)を出しても、通常であれば4+12=16しか算出できないが、特別に「30」として達成値を算出する。
Aラウンド中にファンブルを出した場合、AF判定自体の自動失敗となり、AF判定は終了する
 AF判定は大掛かりだが「説得」という1つの行動を複数のダイスロールで演出しているシステムである。そのため、一度の失敗は行為判定自体の失敗を意味する。直後にファンブル打ち消し効果を持つ特技を使用しなければ、AF判定は即座に終了される。
B判定前に特技を1つ以上所持宣言するごとに、「難易度」を−2減少することができる(このとき、本来の特技自体は使用されず、代償も支払われない)
 たとえば、PC1が取得している副特技《本のクチ》によって相手を楽しませ、説得に有利にはたらこうとした。このとき難易度は「100−2=98」になり、成功へ近付いたことになる。
 PCは特技の所持宣言を一度に何度でも行なって構わない。《本のクチ》の他に《千枚皮》《魔法のローブ》の2つも使用し、相手に好印象を持たせる格好をしつつ魔術で楽しませたというキャラロールをしたなら、「難易度:100−(2×3)=94」になる。その後、PCは「難易度:94」になった状態で【理知】判定を行なうことができるのだ。
 特技宣言ごとにその特技の演出をいかしたキャラロールをすること。また、このとき宣言した特技の代償は消費しなくていい。判定自体に達成値をプラスするなど(例:《幻想式》を使用して【理知】判定の達成値に+4する)でなければ、特技は宣言だけで発動したことにしてもよい。
 原則として一度の行為で使用した特技は使用できない。ラウンドが経過した、別の演出で特技を使用したなどであれば、GM判断で特技使用が許可される。

●AF判定の設定
 PC1体が、1度の判定で算出する達成値は、平均10である。1パーティPC4人であれば、1ラウンドに算出される達成値は30〜50と見てよい。
 PC1体が、1度の宣言で難易度を減少できる値は、平均6である。1パーティPC4人いれば、1ラウンドに減少される難易度は20〜30と見てよい。
 AF判定難易度・低:80〜100、3ラウンド以上
 AF判定難易度・中:100〜120、2ラウンド以下
 AF判定難易度・高:120以上、1ラウンド

●AF判定の例
 ここではいくつかAF判定の例を挙げておく。

▼AF判定1『相手を説得する』
 ・使用能力値:【理知】
 ・難易度:80
 ・ラウンド制限:2ラウンド

 NPCを説得できるかAF判定を行なう。成功した場合、そのNPCはPCの意見を聞き入れる。失敗した場合、以後そのNPCの説得はできない。
 特技宣言例:《コネクション》で相手を信用させる名を言う、など。

▼AF判定2『隠されたものを探索する』
 ・使用能力値:【知覚】
 ・難易度:100
 ・ラウンド制限:3ラウンド
 ・特別ルール1:PCが令呪を1つ消費すればこのAF判定自動成功となる

 隠匿物を見付けられるどうかをAF判定で行なう。成功した場合、隠されたものを発見する。失敗した場合、何も見付からない。このとき隠された物品は霊的な存在に深く影響を及ぼすため、令呪使用が捜索の鍵となる。
 特技宣言例:《鳥躍》で高所を捜索する、など。

▼AF判定3『敵の基地に潜入する』
 ・使用能力値:【反射】
 ・難易度:120
 ・ラウンド制限:5ラウンド
 ・特別ルール1:達成値50をクリアすると、セキュリティ解除のイベントが発生する。それ以後、【反射】の他に【理知】での判定が可能となる。

 ・特別ルール2:達成値100をクリアすると、NPCが援助をしてくれるようになり、PC達の【HP】と【MP】を1D6点回復する。
 成功した場合、敵の基地に潜りこめる。失敗した場合、潜入に失敗する。
 特技宣言例:《すりぬけの式》で壁をすりぬける、など。

▼AF判定4『相手から逃げのびる』
 ・使用能力値:【体力】
 ・難易度:50
 ・ラウンド制限:1ラウンド
 ・特別ルール1:PC1人でAF判定を行なう。

 成功した場合、相手から逃げのびる。失敗した場合、相手に追いつかれる。
 特技宣言例:《テレキネシス》で相手を気を引く、など。


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