ANOTHER WORLD SRS
AW 2nd edition/ オリジナルTRPG / スタンダードRPGシステムを使用した「演出過多RPG」
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   更新履歴:2010/5/16 「クラスデータ」に「上級特技」&「一般特技:+50副特技」を追加
 ※現在、『アナザーワールドSRS 2nd edition』は更新停止中。
   新版『3rd edition』に移行しています。




◆ はじめに ◆

 このページは、オリジナルTRPG『アナザーワールドSRS(以下AW)』のルールを紹介している。
 『AW』は、「シーン演出用ゲームシステム」として作成された。このTRPGシステムの目的は、勝者を決めることではなく、トークを楽しむことである。
ゲームマスター(以下GM)はルールの決定や結果の提案、棄却の権限と能力を与えられる。GMが、最も重視するべきことは「参加者全員が楽しめるセッション」を行うことである。
 『AW』では本書に書かれたルールから外した行動を「シーンに相応しく、美しいシナリオだと思ったならば」特例として許可するものとする。(例えば、消費MPが足りなくても奇跡的に使えるものとする、など)
 しかし当然のことながら、GMは誰に対しても公平なルーリングをお願いしたい。
 また、『AW』の世界観は宗教的、思想的な問題に触れている点が多く、セクシャルな問題に関った描写もルール上に生じているので、GMが雰囲気に合っているゴールデンルールを自由に採用するよう心がけてもらいたい。


◆ 世界『ゼフィロス』 ◆

 この世界『ゼフィロス』に住む人々は『神』と呼ばれる超越的存在によって作成された。その運命は、既に大まかにだが決定されている。人生におけるターニングポイントは『神』によって最初に設定され、逃れることのできないものとされている。
 しかし、『神』は個々の意思を無視しているのではない。『神』は人々に『イベント(生きているうちに通らなければならないポイント)』と『大まかな寿命』を設定し、自由に生かしている。人は、超越的存在が設定した最低限のイベントさえこなせば、残す人生をそれぞれの意思で生きていくようシステムされているのだ。
 例えば、Aさんという男性はある世界では美大の生徒だった。しかし、人生のある出会いをこなしてしまったがために別の世界(いわゆるパラレルワールド)では、美術の専門学校に通っている。2つの生き方は、似たように見えて、そのひと個人にとって大きく違う生き方になるだろう。些細な出会いの違いによって人格に差異が発生するからだ。だが、「Aさんは美術の分野を得意とする」や「18歳のときには学生である」という『特定のイベント(神の決定事項)』からズレることはない。どんな些細な出来事が起きても変わらぬ運命もあり、変わる運命を個々が作り出していく。これが『神』による『ゼフィロス』のシステムである。Aさんにとって『最低限こなさなければならないイベント』は、「美術に関ること」だったのだ。
 ここで、決して「運命は既に他者によって決められている」と悲観してはならない。決定している事項というものは、「蛙の子は蛙」程度の強制力しかない。その蛙がいかなる人格なのか、オタマジャクシからどう成長して蛙になるのかは、そのときの視点(プレイヤー)に全て委ねられるのである。
 そして、「何が正統な記憶なのか」迷ってはいけない。どの世界の自分が本物なのか、いくつもある自分は何者なのか――この世界の答えは、「どの世界も本物であり、自分が本物だと思ったものが本物とする」。正否は無く、我が視点が正しいと認識できたものこそが正解となるのだ。
 無限の可能性の中から一つ、自分が正しいと思えるものがあったなら、それが最高の自分だ。
 <眠っている者が誤ることはありうる、ということをいったい誰が否定するか>


◆ 悪しき『異端』 ◆

 『神』によって設定した寿命を邪魔する者達がいる。
 それが『異端』。悪霊・怨霊と呼ばれる存在だ。
 彼らは他人を害する。その理由は快楽のため、自己目的のためと様々だが、決まってそれには不幸がまとわりつく。
 平和に80歳まで生きる運命だったAさんは、悪霊の気まぐれな攻撃により事故に巻き込まれ20歳で亡くなってしまうかもしれない。20歳で亡くなれば、本来設定されている筈の60年に計算違いが生じ、無理に設定を根詰めていくことで、いつしか彼の周囲に『大きな事件』が発生してしまうだろう(その『大きな事件』が何なのかは『神』達によって伏せられている。この世界の存亡に関わってくるのは確かだ)。
 世界が「1人の誤った死」で振り向くことは、まずない。悪霊の気まぐれで殺されてしまったとしても、世界は急ごしらえの計算を済まして世界は何事も無かったかのように進んでいく。だが、複数人数が大量に予定を乱されたなど無視することのできない状態に追い込まれたとき、『神』は『特例』を出す。
 時間を巻き戻してでもその失態を無かったことにし、人々の平和的な運命を邪魔する悪霊を退治する力を与えるのだ。

●能力者
 能力者とは、一般人とは違う不思議な力を持っている人々のことである。大半は『神』の『特例』によって一般人以上の力を得た者達を差す。
 能力者には様々な種類があり、突如不思議な力を得てしまった者、代々血に力が宿ることを設定された者、生まれたときから『特例』として力を扱うことを認められた者などがいる。彼らの力は、傷を癒したり、炎を自在に操ったり、霊体と会話できたりと、これも人によって様々だ。世間一般で「することができない」とされている力を行使することから、能力者内ではその存在を隠すように働きかけている。人々はそういった不思議な力が『異端』と畏れられてきた歴史を知っているからだ。能力者は基本的に一般人を傷つけてはならず、また、『特例』として特異な能力を使い、一般人を傷つける者を罰する権利を得ている。
 異端へ攻撃できる手段が能力者。そして、能力者が一般人を傷つけることがあれば、その能力者こそが異端と見なされるだろう。もし、体を失い霊体になり、誰かを傷つけるような能力者がいたら、それは悪霊と呼ばれるだろう。不思議な力には不思議な力しか対抗手段は無いのだから。

●不干渉の式
 能力者の最大の利点と、神から与えられたものとして『不干渉の式』と呼ばれる概念を持っている。これは一般人には不可視の領域で、能力者以外には立ち入ることも触れることもできない異空間『ウズマキ』に干渉する力である。能力者は『ウズマキ』に、『異端』を倒すための武器などを保管し、自由なタイミングで取り出すことができる。いわば異界の貯蔵庫の鍵を持っているということである。
 『ウズマキ』は「咄嗟に物を呼び出すことができる倉庫」と考えると判りやすいだろう。空間なのだから、人も入ることができる。だが『ウズマキ』に時間の流れは無く、上下左右といった感覚も無く、どこに繋がりどこへ行くということも定まってはいない。どこにも繋がらず何も決まっていない曖昧な空間だからこそ、どこでもすぐに物を取り出せたりできるのである。超越的存在の許可無しに『ウズマキ』に入れば、とんでもないことが起こるのは確定事項とも言えよう。あらぬ時代や世界に飛ばされたりするかもしれない。

●『ゼフィロス』に存在するモノ
 存在するモノの区分は、大きく5つに分かれている。
▼一般人
 何も不思議な力を持っていない、その能力が存在していることも知らない、一般的な考えの人々。人によっては不思議な力を信じていたりするが、多くはフィクションの産物や幼い頃の憧れにしか過ぎない。彼らの言う神は、一般知識としての「優秀な人」をさしたり、どこかの聖書の聖人や蓮から生まれた人をさす。
▼能力者
 特異能力を使用することを超越的存在から許可された者達。突然与えられることもあれば、一族全員に与えられた事例や、突如力を剥奪されることもある。この世界のシステムを理解していない能力者も少なくなく、無自覚に力を使用している者達も多々いる。だが決まって、どの世界でも一般人を傷つけることは禁忌とされている。破れば他の能力者達から殲滅対象となるだろう。
▼一般霊・稀人
 一般人でもなく、特異能力の使い手でもない。まだ成仏せずに留まっている平和的な霊や、人間ではない者達のことをさす。例えば、一族を守っている守護霊や、危害を加えぬ妖精や精霊などはここにあてはまる。また、稀人とは、普通ではない人々のことをさす。例えば、土地を守るために山奥に住んでいる鬼や、優雅な貴族の生活で人間世界にとけこんでいる吸血鬼、人々に夢を与える存在サンタクロース、都市伝説の種、宇宙人といった者達がここにあてはまる。共通しているのは「一般人ではなく」、「一般人を傷つける者ではない」ことだ。
▼異端・悪霊・怨霊
 他者を傷つけることで己の欲望を満たそうとする者達。人々を不幸に陥れる理由は様々だが、悪霊が蔓延る世界は崩壊が近づくとされる。能力者が人を傷つければ、異端とされるだろう。
▼超越的存在・神
 他の存在と同じく、この世界『ゼフィロス』に住む者の一つ。彼らはどんな姿をしているのかは不明。この世界に「存在する者」を管理している役割ではあるが、彼ら自身が異端や悪霊達を討伐することはない。創る身が否定を繰り返したらこの世界自体が否定されることとなり、消滅の道を辿ってしまうからだという。彼らは丹念に世界に住む人々を生み、一人一人に運命を設定し、全員が平和的に過ごすように祈っている。……おそらくは。

●おまけ1:聖剣の言語録
「世界は振り向いた。『間違いは正そう』と動きを見せたのです。しかし、世界が一つずつ修正を零すには手が足りない。そこで、……これは特例なのです。『貴方達の力で誤りを正すことができたら、死した貴方達の世界を直してやろう』。言葉を砕いて更に言うならば、『死ぬ前に貴方達の死を食い止めることができたら、免除してやろう』……わかる?」
「貴方達には寿命まで生きてほしかった。そう最初に決めたんだから予定通りになってほしいと思ってる」
「本当は絶対的な権力者『神様』とも呼べる力が世界に干渉するのはいけないことなの。けれどなによりも望んでいたことは……1人でも多くの人が幸せを掴んでほしかったということ。たとえ1人でも6人でもしあわせになってくれればいいと思った。悲しい死なんて迎えてほしくなかった。それは私と世界だけじゃなく、世界中のみんなが思っていることかもしれないわね」
(『パラドックスの椿』より)

「神様が降臨するなんて良いことだと思うけどな。……いや、逸脱した存在と共存するなんて恐ろしくて人々が絶望しちゃうか」
「……不幸な人間なんて救ってたらお金がいくらあっても足りないわ。全員が幸福になれないなら、自分達だけでも幸せになりなさい」
(『前のめり☆乙女団』より)

「神様は創る身だから。創る身が修正したら世界自身を否定することになって世界は消滅してしまう。『貴方が作ったのに間違えたって認めるの? じゃあ全部削除しようよ』って流れになってしまうからね」
「貴方の出来る範囲で『みんながそれなりに満足して一番良い選択』をしてみて。そうすれば、この世界自体が救われることになるわ」
「まずは貴方が幸せになってみせてよ。……これから何が起こるか知っているのだから貴方は不幸にはならないでしょ。そして、貴方自身回避できるんだから、他の人達の不幸も回避してあげるだけの力がある」
(『夢魔炎上』より)


◆ ルールの処理 ◆

 『AW』の中で使用するゲーム用語やルール処理の原則について、必要な情報をここにまとめて解説しておく。

●端数の処理
 割り算などの計算の結果として端数が発生した場合、基本的に切り捨てとする。

●ダイスの読み方
 『AW』では、キャラクターの行為がうまくいったかどうかや乱数を表現するためにダイス(6面体のサイコロ)を使用する。『AW』では、ダイスには次のふたつの振り方が存在する。
▼nD6
 n個(nは1以上の整数)のサイコロ(DはDiceの略)を振って出た目を合計すること。2D6とあった場合、2〜12の結果を得られる。
▼D66
 サイコロをふたつ振り、一方を10位、もう一方を1の位として読む振り方。11〜66までの結果を得られる。
 D66を行なう際は、あらかじめどちらが10の位(もしくは1の位)であるかを決めてから、ダイスを振ること。

●ROC
 ROCとは Roll Or Choice(ロール・オア・チョイス)の略で、表の項目についてダイスを振って決定しても、任意に選択してもよいことを表わす。もちろん、振った後に改めて選択しても構わない。
 チャートなどで、ROCするとあった場合、前記のようにして項目をひとつ決定することを意味している。また、表に0のようにダイスでは出ない数値に項目が存在する場合、その項目は任意に選択しなければならないことを意味している。

●表記形式
 『AW』では、本文中で次の記号を使ってゲーム用語を表わしている。これらの用語が計算式などに使用されている場合は、その数値を代入して式とすること。
 ・能力値、戦闘値名は【 】 例:【体力基本値】
 ・計算式、及びゲーム用語として使用する言葉は[ ]
 例:[達成値]、[1+レベル]分


◆ 用語集 ◆

▼GM
 ゲームマスターの略。このゲームにおけるホストプレイヤー。ゲーム中の演出やさまざまなデータ処理、ルールの裁定などを行なう。
▼NPC
 ノンプレイヤーキャラクターの略。GMが管理するPC“ではない”キャラクターの総称。
▼PC
 プレイヤーキャラクターの略。プレイヤーの扱うキャラクターのこと。基本的にひとりのプレイヤーはひとりのキャラクターを扱う。
▼クラス
 キャラクターの戦闘におけるノウハウ、能力、種族を表わす。
▼攻撃
 【スキルウェポン】で攻撃や特技などを使用して、対象にダメージなどを与える行動のこと。使用する武器や手段によって複数設定できる。
▼シナリオ
 『AW』をプレイするために、事前に設定するプレイ進行の指針。
▼セッション
 デザイナーが制作したゲームの、1回のゲームプレイのこと。
▼特技
 キャラクターの持つ、魔術や特殊な技を表わす。対戦格闘ゲームにおける必殺技、コンピュータRPGにおける魔術や特殊能力のようなもの。
▼能力値
 キャラクターの力の強さや頭のよさなどを表わす数値。
▼プレイヤー
 このゲームの参加者のこと。プレイヤーごとに個別にキャラクター(PC)をひとり担当して、セッションに参加する。
▼レベル
 強さの段階を表わす数字。高い方がより強いといえる。


◆ SRSの目的及び権利の表記 ◆

 スタンダードRPGシステム(SRS)は有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチ並びに井上純弌の著作物を利用したサービスです。
 SRSの目的は、標準化したRPGの制作及びプレイ環境を共有し、より便利で快適なTRPG環境を作り上げ発展させることです。
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