アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 実家に帰省したら残念な英霊と暮らすことになってしまったんだが 』 ４ページ ■
2018年6月24日/7月6日/7月13日
●ミドルフェイズ４／澄華 〜お祖母さまと、お祖父さま〜
ＧＭ／澄華のターンになる。お夕食後の時間だ。
澄華／淡々とターンが始まる！ 景気良くパンケーキを食べて出発出発！
呉用／スターティング審議加速モードキュイイイイイイン！ 審議をしようにも、早すぎて見えないだと！？
一／初めからフルスロットルだ、まだシーンを開始して数分しか経ってないのに！（一同笑）
『ＡＦ判定：本宅にて「親戚との会話」』
・使用能力値：【理知】【幸運】
・難易度：２０
※「親戚と話をして百恵の情報を得る」演出に成功すること。成功した場合、百恵の過去が判明する。
澄華／自分の≪ツールマスタリー≫が正常に使えることを確認して、工房を後にしました。景気良くパンケーキを食べたことで気分は上々、まるで≪トランキライザー≫の効果を得たような心持ちです。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／パンケーキでごきげんトランキライザー、かわいい！（笑）
一／……もしやこれは、一つの特技につき一つダジャレが出る可能性？（笑）
呉用／さすがにＡＦ判定中に審議でお邪魔は自重しましょう。呉用を袋に詰めておきます。
一／呉用さん詰め放題。
ＧＭ／そのまま袋詰めされて湖に連れていかれてしまえ（笑）
澄華／袋詰めだなんて、呉用さん……ふっ、苦労をかけるわね。これは≪彼方の音≫でシーン外から届けました。加古だけにカッコつけて≪ステージドレス１・２・３≫。１・頭のリボンを直して、２・スカートの裾を整えて、３・ヒールを直す！ ≪マイガーデン≫こと本蔵の家を歩き親戚がつどうお部屋に行きます。
ＧＭ／綺麗だなぁ。
一／我が妹の正装は清楚！
ＧＭ／…………。なんだって？
澄華／お兄さまッ！ 最高ッ！ 素晴らしいですッ！（一同爆笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／兄妹のダジャレタッグが見られるとは、お祝いの赤飯が炊かれるレベル！（笑）
澄華／本邸の廊下を歩いているとそこは、小さい頃に遊び場にしていた懐かしい場所。思い出が色々蘇ります。具体的には≪掻取のしるべ≫であちこちにダジャレの痕跡を残していたので、小さい頃の拙いダジャレに照れ照れしながら≪掻取のしるべ≫を買い取り……じゃなくて解除しながら廊下を綺麗にしました。
呉用／こまやかなダジャレだ。
澄華／これからお祖母さまについて調べるというのに微笑ましい感じにしてしまう≪−５０シリアス≫。拙いダジャレの心理的ダメージは≪大地の勅命≫＋≪元素の陣形≫で無かったことに！
一／ダメージ、受けるんだ（笑）
ＧＭ／そこは今のレベルのプライドがあるんだ（笑）
澄華／台所からおせんべいを持って親戚の集いに参加します。そしてお祖母さまの思い出話をしながら情報を探ろう。せんべいはよく噛んで食べないといけませんべい！
呉用／袋の中から審議中をしなければいけませんべい！
一／これは流行る！（笑）
澄華／特技１１個使ったので難易度は２２減少、【幸運】で振ります！（ころころ）達成値１１で、ばっちり成功しました！
ＧＭ／和やかな夜の団欒に突入して成功した澄華であった。では、ＡＦ判定結果を貼っていこう。
『ＡＦ判定：本宅にて「親戚との会話」』で判明する情報。
（１）親戚のおばさんが話す。
「百恵さんは元気そうに見えて、もう１００歳だったから、病院にもいってたしお薬だって貰っていたのよ。先月までは普通に見えたんだけどね、４月になってから……お薬を飲む気力も無かったみたい。そう、４月になって……４〜５日ぐらいには特に元気が無くなっていたの」
呉用／４月４〜５日……つまりはジャックフロスト召喚頃か。
ＧＭ／その通り。
（２）６体目のジャックフロストに召喚した儀式の日には元気が無くなっていたという確実な情報を手に入れる。主治医からの薬を飲まないなんて、百恵の死は半ば自殺のような行為だったと発覚する。
ＧＭ／ここで明言しておきます。百恵は「殺された」や「他殺だった」という事実ではない。ＮＰＣの死だからしっかりと言っておくな。
澄華／……んん……。
一／そうか……。変に勘繰らなくて済むけど、寂しいな。
呉用／ＧＭからのしっかりとした明言は、ありがたいよ。プレイヤー達が情報を深読みしなくて済むからね。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／大事なことです。大事だけど……しんどさはあるな。
（３）年配の親戚によって若い頃の百恵と赤太郎の写真が見つかり、彼ら夫婦の話を聞かされる。
本蔵赤太郎は、かつて文学部の大学に通っていた優秀な学生であった。民間伝承や民俗学・海外の小説や逸話を学んでいたらしく、また、赤太郎自身も[魔術師]であった。
もとはと言うと、百恵は赤太郎の影響で[魔術師]になったのであったと知る。
ＧＭ／赤太郎は魔術というか……海外の伝承、妖精、召喚術を調べていた。百恵はその夫の影響を受けた。「出会った当時は赤太郎の方がＰＣのレベルが上で、教わってた」イメージだ。
呉用／同じ趣味を持った仲良し夫婦だったのか。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／良いな、そういう影響。
澄華／お祖母さま……大事な人の大事なものを好きになったんですかね。茶々はいれずにお茶を入れます。
ＧＭ／ちなみに、こちらが赤太郎さんの写真です。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／あっ。これって……。
ＧＭ／あくまで赤太郎のイメージ画像という意味ですが、リプレイ『ピグマリオンの目覚め』で、ろってさんのＰＣとして出演していました「ランサーの英霊ドン・キホーテ」さんの画像を使わせていただきます。
一／（←『ピグマリオンの目覚め』参加プレイヤー）ですよね！ 懐かしい！
澄華／どこかで見たことのある絵柄だと思ったら、なるほど！（笑）
ＧＭ／年配の親戚は話します。「赤太郎さんは騎士道物語とかアーサー王伝説とか英雄ベーオウルフとか好きだったなぁ。『そういう人達に会いたい』とか夢見たいなことを話していたよ」
一／これは英霊召喚する道の人だー！（笑）
呉用／ふむ……「赤太郎さんと英霊ドン・キホーテの魂が似ていて、それに引かれる形でドルタちゃんが召喚された」というところかな。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／……姫は最期にドルタのことを見て「赤ちゃん？」って呼んだ。朦朧とした意識の中で、重ねて見えたぐらいだから……優しい夢を渡せてあげたなら、少し報われるかも。
呉用／「旦那様に似ている男に似ている女の子」だけど、縁あっての出会いと別れだったと思うよ。……あ、そういやドン・キホーテはファンタジーの人間だけどさ、『水滸伝』の登場人物である呉用も架空の存在だ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／うん。
呉用／スライムもラビもチョコボもジャックフロストも、全部幻想の創作物だ……。ドルタも呉用もジャックフロスト達も、みんな赤太郎さん達の研究分野だ。２人の大好きなものだったんだ……。
ＧＭ／違う親戚が言う。「でもね、そのうち子供ができて、家族が増えてきて。ファンタジー小説の研究よりも家族の健康を第一に考えるようになったのよ」 親戚達は次々話す。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／家族の健康、か……。
一／一家の主らしくなっていったんだなぁ。
澄華／お祖父さま……ソフトになったんですね。祖父だけに。
ＧＭ／当時を知っている人達は話す。「そんな人が……突然いなくなる訳がないんだよなぁ」「もうその話はやめましょうよ……」「そうだな……警察もお手上げだったって話だし」「ひいばあちゃんはひきこもりになっちまったし……」 親戚達はあまり触れてはいけない話と認識しているようだ。
澄華／……あ、ああー……。
呉用／だからＰＣ１達は赤太郎の名前すら知らなかったのか。進んで話そうとしなかった、触れてはいけない話題だったから。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／……心が苦しい。
澄華／自分からいなくなるとは考えられない状況だった訳ですね。……えーと、お祖父さまがいなくなってから何年でしたっけ？
ＧＭ／百恵が３０代後半の頃。４０歳だったとしたら、６０年前の失踪だ。
呉用／……百恵様が５０年ぐらい前から召喚を始めたそうです。「彼女は５〜７年に１度は召喚儀式を行なっている」とＡＦ判定の情報でありましたからね。
（４）お手伝いさんが登場する。登場し、話す内容は『ＡＦ判定：本宅にて「私室の捜索」』と同じ。「ポルターガイストは百恵の悪行のツケだ」ということと、『イベントキー：クライマックスフェイズへの声』をＰＣに配布する。
お手伝いさんが既に登場していた場合、敢えてお話がしたいという場合は【知覚】か【幸運】判定判定で難易度１０に成功すること。用が無ければ登場はしない。
澄華／笑谷さん！（笑） ＣＶイメージ諏訪部のエミヤさんだ！
一／声が良いエミヤ再登場！（笑）
ＧＭ／お手伝いさんの登場は……呉用のミドルフェイズにキャラロールしたため詳細は省略します。このシーンでも『クライマックスフェイズに移行できる手段』が入手できたということです。ＡＦ判定の結果は以上になるけど、何か話しておくことはある？
澄華／……エミヤさんに尋ねておくべきことはありますかね！？
呉用／「エミヤさんって怪しくありません！？」
ＧＭ／本人に訊くんかい！？（笑）
澄華／直球ですか！？（笑） ……アリですね。
ＧＭ／アリなのかよ。
澄華／「どうしてそんなにお詳しいんですか？」はアリだと思います。
一／確かにエミヤさんの台詞は怪しい……。確実に何かを知っている！ 謎の家政婦だし！（笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ここは一度怪しんでみるべき？
澄華／【知覚】でエミヤさんの言葉に嘘がないかどうか見ます。（ころころ）達成値１４。澄華、聞きたがりすぎない？
ＧＭ／なんか達成値が高いぞ！？（一同笑）
澄華／エミヤさん、最近いらしたのにどうしてそんなにお祖母さまのことに詳しいんですか？ あとこのおひたしのレシピを教えてください。
ＧＭ／「ホウレン草のおひたしの材料 ４人分ならホウレン草２束、だし汁２００ミリリットル、濃口醤油小さじ５、みりん小さじ５だ」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ガチのレシピを教えてくれた！？（一同爆笑）
澄華／だし汁はやっぱり顆粒よりも白だしとか買った方が美味しいですよね！ それともご自分でだしを取って！？（笑） 決めてはだし汁だし！
ＧＭ／……彼は、判定を行ないます。２Ｄ６＋４＋３＋４で（ころころ）達成値２１。
一／えっ！？ ……高い！？
ＧＭ／（笑谷になって）「何故自分が詳しいのかって？ 自分は百恵さん以外の親戚の人達とも話をしているからね。さっき澄華さんが話をしていた彼らのことだよ。彼らと話していれば、その会話も聞いていてもおかしくないだろう？」 笑谷は普通の受け答えをします。
澄華／ぷ、プラスの補正がなんか凄い……≪ミネルヴァ≫を足してもダイスを割らないと勝てない数値だよ……？
一／や、やり手のお手伝いさんだった……何者なんだ？
呉用／……行為判定の２Ｄ６に、【理知】能力値の平均値４と、交渉判定に用いる副特技≪絶対の自信≫を使ったとして……残りの＋４は何だ？
一／達成値＋４なら、≪幻想式≫ですかね？
呉用／……いや、それ以前に問題がある。この男、その程度の情報など無条件で教えればいいのに抵抗判定をしやがった。
一／確かに！ お手伝いさんが抵抗した！(笑)
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／怪しい！ 能力者か……英霊！？
澄華／もおーっ！ 盗み聞きなんていけない人！（笑） キャッキャ！
呉用／ＣＶ諏訪部も「キャッキャ」（一同笑） ……ここで呉用が≪運命の予感≫を使っていいですかね？
≪運命の予感≫
ほんの偶然やひらめきにより手掛かりを得る［世界遣い］の副特技。
ＧＭに対して疑問点を直接尋ねることができる。
呉用／使うとしたら「貴方は英霊ですか」とか？
一／正直、気になりますよね。
澄華／英霊の多い卓ですし、英霊かどうか尋ねておくのはアリアリのアリという感じがします。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／良いと思う！ ありあり！ 有能な軍師み！
ＧＭ／≪運命の予感≫か……。使用回数を減らしてくれれば使えるぞ。先に確認していいかな。呉用は今、どこにいる？
呉用／えっと、工房ですかね。
ＧＭ／ちなみに、一とドルタはどこにいる？
一／澄華ちゃんが親戚のところにいるなら、同じ建物内にいます。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ドルタも工房ですね！ パンケーキを食べ終えたお皿を洗いながらひらめいたのを、横で見てました！
ＧＭ／……では呉用は、ドルタ達が食べたパンケーキを洗っていた。そこで閃いた。
呉用／閃いた。ふふふ、［世界遣い］の軍師っぽいでしょう！
ＧＭ／ところがどっこい。……閃いた、と思った瞬間に。
『イベントキー：接触』
あるものを接触したときに、発狂しないかどうかを決定するイベントキー。
【正気度】判定難易度３０をすること。失敗すると、【正気度】に３Ｄ６点のダメージ。０になった場合、ＧＭの支配下におかれる。
呉用／は？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／難易度３０！？
一／まさかの急展開！？
呉用／（ころころ）達成値１４……失敗、想定外です！ あと１６たりません！
澄華／マジか。令呪でないと成功しない数値です！
ＧＭ／しかしマスターである２人はどちらも本宅にいる。令呪の使用は不可能だ。
呉用／そんな……僕ができることは……≪逆転運命≫で振り直すか、≪未来の吐息≫でクリティカル化するか、≪禍福のさざなみ≫で達成値＋２０をするか、ＧＭに許してもらって≪＋５０うっかり≫でうっかり成功にするかです。
一／選択肢が想像以上に豊富な軍師様！（一同笑）
呉用／当然です、貴方達の軍師ですもの。……よし、ここでは美味しい澄華お嬢様のおひたしを食べる未来を楽しみにしながら≪未来の吐息≫を使用します。
一／未来へのおひたし！（笑）
澄華／お願いします！ おひたしをみんなに振る舞いますから呉用さんご無事でー！（笑）
呉用／という訳で【正気度】判定クリティカル成功です！ クリティカルなので！ 素敵な情報をください！
ＧＭ／……クリティカルなら全部情報を出すべきかな。ＧＭとしては最初に笑谷を怪しんだ澄華は凄いよ。まさかこんなところからバレるとは。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／気付きにくいところピンポイントで怪しんだの凄い！
呉用／有能なお嬢様ですから当然です！（笑）
澄華／だ、だって……「最近来たお手伝いさんなのに本蔵家の過去のことに詳しい」って、このＧＭがやるとは思えない破綻だったんですもん（笑）
ＧＭ／……呉用の【正気度】は０にならず、とある者の支配下におかれなかった。その、『ある姿』を幻視する。炎の鳥だ。
一／ちょ……炎の鳥……？
ＧＭ／「笑谷は英霊であるか」という問いかけに対し、「笑谷は英霊である」という答えを得ます。しかもその英霊は「呉用の認識しているような英霊ではない」と確証がつきます。
呉用／なんですと。
ＧＭ／……昼間のうちに会っていたあの男。どうして最近来た家政婦なのに本蔵家の過去に詳しかったのか……そう言っていた澄華の言葉が気になっていた。
呉用／積極的にプレイヤーの言葉を拾うＧＭだ（笑）
ＧＭ／あの男は何者か、改めて呉用は気付いてしまう。彼が人間ではないこと。普通の英霊ではない、「エクストラクラスと呼ばれる、呉用自身と同じような特殊な英霊である」こと。
呉用／エクストラクラスって、アヴェンジャーとか……？
一／もしくはルーラー……？
『イベントキー：英霊「フォーリナー」』
「神を降ろした者」の英霊であることを表わすライフパス特技。
正五神か邪神八柱を１体を選択する。現界した英霊の器の中に、選択した神霊の魂を降ろす。
一／フォーリナー！？
呉用／フォーリナーで、ユウメイイスタディオを召喚したのか！ なるほど、『ＡＷ』的にはアリだな！？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／やっぱりユウメイさんですよね、火の鳥ですもの！
『邪神ユウメイイスタディオ』
光、生命を司る『不死鳥』の欺く神。
光を操り命の力を扱う美しい鳥として崇められているが、異端を生み出す邪神八柱の一柱。命を自由に生み出せるからこその残酷さを備えている。
現世に堕天する際の性格は、ゲーム好きのサディストだったり、快楽犯だったり、鬼畜だったりすることが多い。
リプレイ『ワンアンドアナザー』４話、『アウトロウファミリア』１話、『ノーゲームユアタイム』、サンプルシナリオ『夜より暗き桜』を参照。
ＧＭ／呉用が以前解説したのを覚えているかな。邪神はそのまま降ろすと、地球が物理的に壊れる。しかし、人型である英霊と共存するなら……。
呉用／人の形で世界に降りて、悪さをすることができる。……そうだ、ユウメイイスタディオは生命の神だから「健康」要素もある。じゃあアレか、百恵様は……「家族の健康を願って生命の神を降ろした」のか！？
澄華／あっ、なるほど！？
ＧＭ／正解だ。ただし、「一部正解」と言うべきか。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／一部？ ……赤太郎さんが召喚した、って可能性もありえるな！
一／魔術の研究をしてたのは元々お祖父さまだったもんな！
ＧＭ／これもクリティカルだから教えていいかな。……呉用はもう一つハッと気付く。「ユウメイイスタディオは、生命の神ではあるが、『邪神』である。そんな邪神が……そう簡単に優しい家族の繁栄に手を貸すだろうか？」 直感的に思った。
呉用／……あのですね、ユウメイイスタディオは邪悪なんですよ。『ワンアンドアナザー』も、『アウトロウファミリア』と『ノーゲームユアタイム』も、ユウメイイスタディオが凄く邪悪なことして、尻拭いする話なんですよ。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／（←『アウトロウファミリア』参加プレイヤー）ユウメイさん、ゲーム好きの邪神なんだよね。以前やったセッションだと「怪我を治す代わりに、人に闇のゲームを課す鳥」としてお会いしました……ゲスの極み不死鳥（笑）
呉用／「生命を創り出すことができる神様」という特性から、「命なんてすぐ創ればいいから殺して遊んでもいいよね！」っていう性格なんです。人間の命を遊びに使う、まさしく異端の神なんです。
澄華／人に闇のゲームを課す鳥って凄いパワーワードですね！？ ユウメイさん、邪神として有能……！（笑）
一／お祖父さまが行方不明になったのって……もしかして……。
澄華／……あっ、まるで神隠しのように消えてしまったお祖父さまって、もしや……！
ＧＭ／呉用は思います。「そんな危ない奴の近くにいるマスター達が危ない」と。
呉用／す、澄華お嬢様……！？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／あ、危ない……！？ 煽り鳥、色んな意味での炎上鳥！ ホントさーあの鳥ー！ 槍の錆にしたのち、塩だれでおいしくいただく！ ぶっとば！（笑）
呉用／ドルタちゃん！ すぐに声を掛けます！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／呉用どのどうした？ 卓袱台を拭き終わったぞーってぺったぺったキッチンに近づいていく！
呉用／黒幕の可能性である男の検討がつきました！ 今すぐ本宅に向かいましょう！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／おう、誠か！？ でかしたぞ呉用どの、となると本宅へいかなければ……！
澄華／澄華はそこまでの存在とは思わずおひたしでキャッキャしています。
ＧＭ／ＣＶ諏訪部のユウメイイスタディオがキャッキャ。
呉用／新設定が付きすぎだろ！？（一同笑）
一／鳥の人、おひたしでキャッキャしてる！（笑） 我が妹は純粋だ……楽しそうになにを話しているのだって言いながら混ざっておこう！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／巻き込まれに行った！（笑） スミカどのもハジメどのも、無事でいてくれ……！
ＧＭ／……それではシーンの終わりに、『残念英霊ランダム行動タイム』を挟みたい。ここでこのルールの説明ですが、『英霊限定パラメータ：感情』を蓄積していくことでＧＭ側のデータがパワーアップしたり、もしくは値次第でＰＣ側が有利になるものです。
澄華／あっ、ありましたね……。
ＧＭ／判りやすいように、ここでネタ明かししようかと。現在の感情値は１１点です。ルールの詳細は以下の通り。
『英霊限定パラメータ：感情』ルール解説
残念英霊達は条件が揃うことで死亡（昇華）する。
（１）トリガーイベントのポルターガイスト発生時、ＰＣ達が３人以上失敗したら『親戚達を守るために力を使い果たし、魔力供給が絶たれてしまった』ということで１体ランダムで死亡。
（２）感情値の合計が『２０点以上→２５点以上→……』になったら１体ずつランダムで死亡。
（３）感情値の上昇は、シーンの最後に入る『残念英霊ランダム行動タイム』か、ＰＣ達が明らかに英霊達を軽視する行動を取ったら上昇する。
（４）感情値の減少は、「令呪を持ったＰＣ１が令呪を１つ消費する」ことで、１Ｄ６点回復することができる。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／令呪で回復れできる！
ＧＭ／シーンの終わりなので澄華は１Ｄ６を振ってください。まずはチャートを振って何が起きるか決めよう。
『イベントキー：残念英霊ランダム行動タイム』
・１→全員が寄り添い合って百恵の昔話や一と澄華の思い出話を語って賑やか。『英霊限定パラメータ：感情』に−１する。
・２→ラビがふるふる泣いている。悲しんでいるっぽい。『英霊限定パラメータ：感情』に＋[１Ｄ６]する。
・３→スライムがぷるぷる震えている。何か考えがまとまらないようだ。『英霊限定パラメータ：感情』に＋[１Ｄ６＋１]する。
・４→チョコボが毛繕いをひっきりなしにしている。不安らしい。『英霊限定パラメータ：感情』に＋[１Ｄ６＋２]する。
・５→ジャックフロストがイライラして周りを涼しくさせてしまう。４月なのに寒い。『英霊限定パラメータ：感情』に＋[１Ｄ６＋３]する。
・６→全員の百恵に対する不安、不審感が募る。『英霊限定パラメータ：感情』に＋[２Ｄ６]する。
ＧＭ／うっかり６が出て、２Ｄ６で９以上を出せば、感情値２０点以上で英霊ロストがワンチャンある。
呉用／嫌なワンチャンだ。
澄華／ひえ……（１Ｄ６ころころ）６、やめて！？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／おわぁ！？
一／出目がー！？
ＧＭ／あっ……。では２Ｄ６をしてくれ。その出目分、感情値が上昇する。
澄華／ここで８以下であれば！ 低い出目を出すダイスにダイスキ！（ころころ）……１１。
一／おう、出目が高い！？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ダイスは時の運と言うけれども……。
呉用／現在、１１＋１１で２２点。令呪を１つ使って１Ｄ６点減少だから、１Ｄ６で３以上が出ればいい。
澄華／今日は走りますね……令呪を切りましょう。澄華の令呪を使います。
一／出目次第では２つ消費しよう！ お願いする！
澄華／では参ります、令呪消費！（１Ｄ６ころころ）５！ セーフセーフ！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／やったー！ 出目が走ってる！ 家族の安否を確認！
呉用／さっきから出目が高いですねお嬢様！？ おめでとうございます、みんな生きてます！
一／良かった、ひとまず良かった……！
ＧＭ／２２−５で、感情値の合計が１７になった。ミドルフェイズ４のシーン終わりの処理はこれでおしまい、これから移動のトリガーイベントとなります。
●トリガーイベント２
ＧＭ／澄華と一が笑谷の前でキャッキャしていると……。ガタ、ガタガタ、と、本宅にいた澄華と一は揺れを感じる。
澄華／地震……？
ＧＭ／地震か？ いや、何者か……下級霊のような視えない者達が、その場を揺らし攻撃をしている。ある人物が「悪行のツケ」と言った者達の行為だ。親戚達は「なんだ、また地震か……？」と不安がる。
一／落ち着いてください、以前と同じような地震ですから！
澄華／お兄さまと同じように揺れに備えます！
一／背を低く屈んで、頑丈な机の横で待機して……この前に麗子さんがしていた指示から学んで声を掛ける！
澄華／最近多いですわね、本宅って耐震リフォームしてるのかしら？ 日常の話のように言って、この地震が特別怖いではないと思わせておきたいです。
ＧＭ／「そ、そうよね」「危ないなぁ……」「耐震工事とかどうなってるんだ……」 慌てはしたものの、騒ぎはしない親戚一同。一と澄華の家族は、適切なアドバイスに安心する。
一／……地震が起こるってことは、そうか、もう時間が無いんだな。
ＧＭ／その様子を見ていたお手伝いさんが、みんなが静かになっていくのを見て、一と澄華に近寄る。
一／お手伝いさんの存在についてめちゃくちゃ言及したい！ けど……！（笑）
ＧＭ／（笑谷になって）「ポルターガイストの原因だと思われる怨霊の群れが集まりそうな所を知っている。連れて行ってあげることができるぞ。今の様子だと、早くした方がいい！ でないと！」 お手伝いさんは、一と澄華を急かす。
一／これは、素直についていった方がいいのか……？
【一と澄華のみが選べる選択肢】
（１）一と澄華はお手伝いさんと別れ、この場を離れる。
（２）一と澄華はお手伝いさんと一緒に、笑谷が知っている場所に向かう。
（３）一と澄華はお手伝いさんと一緒に、この場にとどまる。
澄華／選択肢が出た！ 場所が完全にユウメイさんの思うがままって感じなんですけど、ユウメイさんの思惑が……。
一／このシナリオは「悪意を多く込めた物語である」って言葉が引っかかる……。≪彼方の声≫があれば、先に移動していたとしても英霊達とうまく合流できるチャンスがあるのでは！？
≪彼方の音≫
音を操作する力があることを表わす［領域遣い］の副特技。
雑踏の中で秘密の会話をすることも、［クラスレベル］キロメートル向こうまで音を届かせることもできる。
澄華／「怨霊だらけの場所に本当に行っちゃっていいの！？」とプレイヤーの心がストップをかけているけど、ＰＣは行きそう。
一／きっとこの兄妹ならいくんだろうなって思いました。
澄華／誰も止めない（笑） では、２キロ圏内まで声が届く≪彼方の音≫を使います。「お手伝いさんが怨霊たちのたまり場を知ってるって言うの！ 今も地震があったでしょう？ 危ないから向かいます！ 出来ればお二人とも合流してくださいまし！ 場所は……」と喋りながら、選択肢（２）を選びます。
一／我が妹の手際の良さに胸を打たれながらついて行くぞ！（笑） どうせガチンコバトルするんだから敵の巣に潜ってもオールオッケーって感じだ！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／怨霊だらけの場所に黒幕と行くなら色々手間が省けるしね（笑） 逆境で得る勝利こそ、騎士の誉れ！
呉用／ナイスなピンチは面白いものですしね。
ＧＭ／一と澄華は、本宅を出た。そのまま、林が深い裏山の方へ向かう。つまりは『イベントキー：クライマックスフェイズへの声』を使用したということになる。
澄華／ですね……（笑）
一／使っちゃったね……（笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ぴぴーんと受信します！ ちょうど工房から駆けつけ始めた頃に受け取って行くよー！
ＧＭ／なお、≪運命の予感≫あたりからＧＭはアドリブでやっているので超焦っている。
澄華／そうだったんですね！？（一同笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ＧＭ、お疲れ様です！（笑） アドリブと思わなかったほど進行スムーズに感じましたよ！
◆
ＧＭ／では、本蔵家の裏山に到着。林が深い裏山だ。一や澄華は幼少期に遊びに来たことがあったかもしれない。だが日付が変わる夜には、たとえ大人になった後でも背筋が凍るほど、暗く妖しい。
澄華／本蔵家の蔵よりももっと暗い裏山。
一／クライマックスにさらに加速する我が妹のダジャレ力よ！（笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／クライマックスに相応しい舞台と、電光石火のダジャレ（笑）
呉用／（怨霊の群れになって）「……シ……シンギ……シンギチュ……」
澄華／怨霊にまで審議される！？（笑） クライマックスくらいマックスの音量で審議していいんですよ、怨霊さん！
呉用／（怨霊の群れになって）「くらい……クライ……音量、怨霊……？ シンギ、チュ、グ、グアアアアアアアアアアアアアアアア！？」
ＧＭ／怨霊がもう出てるし既にダメージを受けている！？（一同笑） 少しずつ近づくと、［霊媒師］でなくても視える下級霊達が漂っている。まだ襲い掛かってこないが、裏山に近づけば近づくほど数は増していく。
一／これは……さらに奥深くまで足を運ぶのは、さすがに緊張するな。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／おどろおどろしい！ まっくら森だ……。
一／まっくら森にびっくら兄です。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／韻を踏むびっくらハジメどの。
呉用／やはり男はラップか。
澄華／裏山に、こんなにたくさん霊がいたんですのね……。ですがここで≪−５０シリアス≫です、お兄さま！
一／ダジャレがあるからこそ怨霊は手を出せないのだろうな！ ポジティブに行くぞ！
ＧＭ／お手伝いさんは懐中電灯を持っている。ＰＣ達も明かりを持っていて構わない。魔法で点けても良い。
一／なんと≪火炎術式≫など無いので物理的にライターで明かりを点けながら、ダジャレを連発して光度を上げてもらおう。
澄華／暗いと困っちゃうからライトをつけなくっちゃ！ ダジャレで明るくします。
呉用／（怨霊の群れになって）「く、らいと、こまっちゃ、審議が追いつか、な、い、グアアアアアアアアアアア！？ 昇華されました」
ＧＭ／はえーよ。（お手伝いさんになって）「君達を連れてきたいと提案したのは、他でもない。自分一人では、百恵さんの悪行のツケを浄化することが不可能だったからだ。そのうち教会のような退魔組織に依頼を出すつもりだったが、まさか百恵さんが亡くなって数日でこれほど怨霊の数が増えるとは思わなかった……」
一／つまり明日を越す前に我々でどうにかすべき、ということだな？
ＧＭ／「ああ。ダジャレにこんなに反応する怨霊がこれほど多いとはな」
呉用／設定を付け加えるな。
一／そんなダジャレによって増殖したみたいに言わないで！？（笑）
澄華／ダジャレバトルで火花を散らした怨霊さん達が次々に浄化する可能性ですか！？ ダジャレはスキルウェポンなのである意味間違ってない！（笑）
一／なんとクライマックスはダジャレバトル！？ やっぱりここはライム刻んでラップするしかないな！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ダジャレバトルが最終戦闘、斬新すぎる。
ＧＭ／ＧＭにそんな力は無い（笑） 「このままだと６時間ごとに起きていたポルターガイストも、明日にはとんでもないことになってしまうかもしれない。早く、退治しなければ！ 手段は……」
『イベントキー：お手伝いさん「これはクライマックスフェイズだ！」』
『クライマックスフェイズへの声』を使用した場合に発生するシーンを表わすイベントキー。
【意志】もしくは【幸運】判定で難易度１２に成功すれば、裏山で群れをなす霊達を全て浄化することができる。
判定するＰＣのクラスが［魔術師］［霊媒師］［世界遣い］いずれかの場合、達成値にボーナス＋３点。
成功した場合、親戚達を襲う幽霊の騒動は起きなくなる。失敗しても特に何も起きない。
お手伝いさん「こいつらを全部倒せばポルターガイストは収まってくれる！ 頼んだ！」
ＧＭ／判定したければどうぞ。したくなければスルーしていい。判定ができるのは、この場にいる一と澄華のみとする。
澄華／お手伝いさんは「これはクライマックスフェイズだ！」って言いますけど、プレイヤーは「本当に？」って感じです（笑）
一／「したくなければスルーができるの〜？ ううん迷っちゃうな〜？」ってゴールデンカムイみたいな顔します。でも、一は判定しない理由が無いんだよな。
澄華／澄華は【幸運】で振ります！（ころころ）１０……失敗。ダジャレを言わなかったから出目が下がった！
一／ダジャレはエンチャント！（笑） 一も振りますよ。［魔術師］の＋３ボーナス付きで、【意志】判定！（ころころ）達成値１６！ イエーイ遺影にしてやるー！ そう言ってる背後にイエーイって文字が横切っていきます。
呉用／怨霊達のイエーイによる交通事故現場。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／怨霊を轢き倒すイエーイ（笑）
澄華／お兄さまのダジャレは澄華の心のメモに書き留めましたッ！ 澄華も判定前に「幸運はこう運用するんです！」って言っていれば成功したのに！
ＧＭ／この場の霊達が、一の魔術によって次々に討伐されていく。一のスキルウェポンで群れを成していた霊たちは、１つまた１つと消えていく。……呉用、審議中はしないのか？
呉用／遺影は喋らないから審議しませんよ。
ＧＭ／……遺影は喋らんもんな……（一同笑） 一の手により一掃されていく霊。本蔵の土地を脅かす下級霊達はいなくなった。
一／我が妹が喜んでくれて兄は嬉しいぞ！ いっそ一掃してしまおうか！
澄華／お兄さまッ！ 最高ですッ！
呉用／「……しん……ぎ……ちゅ……」 森が審議します。
ＧＭ／森は喋るな！（一同笑） 怨霊討伐を終えたところでそろそろカメラを英霊組に移そう。ドルタと呉用のシーンになる。向かう前に、令呪によって縛られた工房を出られたかの判定だ。英霊の２人は【意志】判定難易度８に成功してほしい。もし失敗してもペナルティを与えるのでシーンには登場できる、
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／おっ、了解です！（ころころ）出目で８が出た。達成値１３で成功。
呉用／（ころころ）出目で８。達成値１２で成功です。
澄華／２人とも出目で８！ 凄い！
一／末広がりで幸先が良い！（笑）
ＧＭ／百恵の「工房を守れ」という命令を忘れた訳ではない。だが新たなマスターを守るため、ドルタと呉用は外へ出る。
呉用／百恵様の命令を軽視するのではありませんよ。百恵様の大事な孫達を守れなかったら、ねえ？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／呉用どのの言葉に、はっきりと頷く。
ＧＭ／裏山はもちろん１００ｍ以上先だ。本宅よりも場所が遠い。それでも≪彼方の音≫で居場所が判っている２人は、無事マスターのもとへ向かうことができる。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／全力で走りながら！ どったんばったん！
ＧＭ／むしろロシナンテに乗ってるのでは？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ウズマキの中に放牧しているロシナンテを引っ張り出す！ すっごいポンコツな走り方で行きます！
一／ウズマキで放牧という新概念！？（笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ウズマキの水場のある草原地帯にロープで繋いでいるよ。草をもっしゃもっしゃ食ってるよ。「ごしゅじん重っ！ 槍重っ！ 鎧重っ！」とか思われてそう。
呉用／ロシナンテの頭の上にウサンチョも乗せよう。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／装備が重いので兎１羽でもなんとなく重みが増した感あるね！（笑） どったんばったん駆けつけるよ！
ＧＭ／一と澄華とお手伝いさんがいる場所へ到着する……呉用とドルタとロシナンテとウサンチョ。一がイエーイで怨霊を討伐した後だ。無事ポルターガイストを起こしていた霊達は、全て消えていった。
一／イエーイ！ ピースピース！
澄華／さすがですお兄さま！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／やあやあ我こそはドン・キホーテ……！ って名乗りをあげようとした、けど。
呉用／お坊ちゃまが怨霊をイエーイしてますね。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／綺麗になってるのを見て、ビックリアンド凄いぞ！
ＧＭ／しかし裏山の空気が変わる。
呉用／……空気が、変わった？
澄華／え？ キョロキョロと見渡します。
一／空気が変わってしまった？ なんだなんだ？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／快哉を叫ぶには早かったか？ 槍をスチャッと構える。
呉用／お手伝いさんを見ます。
ＧＭ／見られます。
呉用／ドルタちゃん。先程、お話しましたね。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／１・２・３、手ぽん。あ、無論だ！ 覚えておるぞ！
呉用／一お坊ちゃま、澄華お嬢様、その男から離れてください。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／という訳で仕切り直しだ、其処のおぬし！ 正々堂々、本性を表せ！ 何者ぞ！
ＧＭ／（お手伝いさんになって）「…………」
澄華／呉用さん、ドルタちゃん……？ 突然のことに戸惑いながらも、お手伝いさんから距離を取ります。
一／む、頼れる我々の英霊たちがこんな大層な剣幕とは、何かあるのだな……。察して構える。
ＧＭ／「怪しいところなんてないぞ」
澄華／笑谷さんを怪しいとは思わなくても、私達の英霊が敵意を向けている。それが全てなのです。……戸惑ってはいますが、距離を取るのです。
一／我が妹の言う通りだな。頼れる軍師と騎士の言うことに間違いなどあろうものか！
ＧＭ／「ほう」
呉用／……ＧＭ。ブフクリスタルを取り出します。
ＧＭ／ジャックフロストからの貰った氷の結晶を手に取る呉用。
呉用／≪絆の断層≫を使用。お手伝いさんの刻印の有無を確かめます。
≪絆の断層≫
相手の纏う強大な絆の力を読み取ることができる［世界遣い］の副特技。
対象が『契約』を行なっているか、令呪刻印があるか感知することができる。
ＧＭ／笑谷と名乗った彼の左胸が、カッと光る。令呪を使用したときに光る、カッと眩しい赤い光だ。令呪刻印が、男の体にあると判明する。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／あっ……！？
ＧＭ／その刻印は、ドルタや呉用の体に「今は無いけどかつてあったもの」と全く同じ。『ＡＷ』のルールブックの『令呪の刻印』の項目には、このような記述がされている。
「マスターになるキャラクターとサーヴァントになるキャラクターが契約時点で、マスターとサーヴァントの体の一部に令呪刻印が浮かび上がり、契約完了となる」
ＧＭ／今の呉用とドルタには、百恵との契約時の模様は無い。あるのは一と澄華の模様だからだ。しかし……男の左胸には、かつて百恵と結ばれていたときに呉用達が毎日見ていた、あの赤い模様があった。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／笑谷の体には、姫との契約時の刻印がある……！
呉用／ブフクリスタルはセッション内のどこかで使うタイミングがあると信じていた。……貴方は、百恵様が召喚した英霊ですね？
澄華／ご、呉用さんとお手伝いさんの顔を見比べちゃう……！
ＧＭ／「……その通り」 胸を光らせ、頷くお手伝いさん。見比べられた彼は、薄ら笑いを浮かべている。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／……答えよ。貴様の目的は、なんだ？ 怒りを抑えて、向けていた槍先を一旦上げる。
ＧＭ／「そんな目的だなんて……。マスター百恵は英霊を研究のために召喚していた、強いては世界創造の餌にするために。その悪行のツケが彼女の罪の無い家族に押し寄せられている。英霊として、供給を絶たれ昇華される前に人々を救いたいと思うのは当然だと思うが？」
呉用／お嬢様達。あれは、邪悪な英霊です。百恵様に信頼されていない邪悪な存在です。
澄華／そ、そうなの！？
ＧＭ／「ほう、そこまで言うか？」
呉用／ＧＭはオープニング段階で「信頼している者しか工房には入れない」と言ってます。愛する孫達は入れており、他の者は入れないと明言している。魔術師の研究成果が詰まった工房を令呪で命じるぐらいです、あの場を任せられたのは信頼された我々だけ。光る刻印が示す通り百恵様に召喚された英霊でありながら、あの場に入れてもらえてない時点で、貴方はイレギュラーな英霊に他なりません。
ＧＭ／「…………」
呉用／弁解するならどうぞ。真名や正体を明かさない、どうしても言えなかった理由があるというなら、今すぐ言ってしまいなさい。事情次第では信用してやりますよ。
ＧＭ／「…………」
呉用／第一、貴方……ずっと百恵様のことを悪く言い過ぎなんですよ。親戚達は百恵様を残念がりはしますが嫌ってはいません。しかし貴方は確実に、百恵様を悪人にしようとしている。訳があってのことなら、自ら良い子だと宣言しなさいな。
一／確かに、ずっと長いこと「悪行」って言ってましたもんね！
澄華／澄華も同じところで引っかかりを覚えてたので、呉用さんの反論に同意です！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／呉用どのの言う通りにせよ。槍の先をぐっと掴んで堪える。
ＧＭ／「…………」
澄華／……よく判りませんけど、私はお祖母さまを愛しています。お祖母さまが愛に溢れた人だと知っています。お祖母さまのためなら私は、お祖母さまがしたことを背負うくらい苦でもなんでもありませんのよ。孫の私達を被害者呼ばわりするのだけはおやめになって。ぷんすこ。
一／その通りだ。お祖母さまのやったことを罪や悪行と呼ぶのは納得がいかないな。我々は寧ろ、お祖母さまのおかげで素晴らしい英霊達に会えた。素晴らしい縁を結んでもらえたのだから！ 隣でぷんぷんすこすこしよ！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／世界創造の餌？ 笑わせてくれる！ それを出来る姫が、その道を選ばなかったから、我等はこの地に生きているのだ！ 槍を向けて、睨みつける！
ＧＭ／「…………」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／悪行だ！？ それを悪と口にするお前を、吾輩は悪だと断じるぞ！
ＧＭ／「…………」
澄華／……笑谷さん、何かおっしゃって。ほうれん草のおひたしでひとしきり盛り上がった澄華は少し仲間意識を感じていたので、しょんぼりと笑谷さんを見ます。
ＧＭ／「…………。ふっ」 ＣＶ諏訪部が笑う。
呉用／あのヤロウ！ イケボだ！ 諏訪部声の鼻で笑うイケメンロールだ！（一同笑）
澄華／あんなに優しい味のおひたしを作れる笑谷さんが、まさか、そんな……！？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／濁すな！ 言え！ 言わぬならば、いかな事情であろうと吾輩はこの槍を留めておくことなどできない！
ＧＭ／「『悪と口にするお前を、悪と断じる』か。騎士でもない狂乱で愚者が何を格好つけたことを。ククッ……」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／吾輩は、バーサーカーだ！ 狂える大馬鹿者と謗られてなお夢を目指した、ラマンチャの騎士にして……願いを目指した姫の腹心、ドン・キホーテだ！ 一歩も引かぬぞ！
ＧＭ／「面白い。面白いゲームになってきた。ＧＭの予想したクライマックス導入とは少し違ったが、面白い展開だ」
一／すごいメタだった！（一同爆笑）
ＧＭ／「そこの軍師が≪運命の予感≫なんて使いやがったから神木麗子の出番が削られたが、予想外の展開に面白かったから良しとしよう」
呉用／全国の麗子さんファンごめん！（一同爆笑）
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／≪運命の予感≫はナイスムーブだったから！（笑）
ＧＭ／「最後に、ドルタの超かっこいいロールがあったから予定に無いけど敵の白状ターンにするか」
澄華／メタ！ お手伝いさん、正直すぎる！（一同笑）
ＧＭ／「まず、『何が目的だ』だったか？ ……そこのお坊ちゃまとお嬢様を連れてきた理由は、既にお話した通り。ここにいる霊達を退治してもらいたかったのさ」
呉用／霊を退治しないと、危ないから？
ＧＭ／「ああ……俺が、危ないから」
一／貴様が、か！
ＧＭ／「あの女は『使い魔である下級霊達』に、何百体という大勢の使い魔達に、『俺を暴れないよう封じろ』と命じていた。あの女が亡くなった今、【意志】判定難易度８程度の拘束力で動けるようになったのに、大量の霊達が俺を封じようと、数を成して襲い掛かってくるんだ。いくらザコ達でも大勢いたのでは、俺も骨が折れるからな」
呉用／ポルターガイストの霊は……我々の味方だった？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／味方だったのか……。こいつを抑えようとした余波でポルターガイストが起きたってこと……？
ＧＭ／そうです。
澄華／あー！ あーっ！？
一／本気の出せるお手伝いさんに進化してしまったー！？
ＧＭ／判っていて例の判定成功したんだろ？
一／そうなんですよね。
澄華／絶対そういうことだなと思いながら判定しました（笑） でも澄華は初めてこのことを知ったので、物凄くショックを受けます！ 私達……お祖母さまの使い魔を？ 脳裏を駆け抜けていくダジャレバトルの思い出……！
一／お祖母さまが必死に守ろうとしたものを……俺達は……。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ショックを受けた顔を見て、咄嗟に一歩前に出る！ そのまま虚空に向かって叫ぶ！ ぬし達、今までありがとう！ 後は我々が引き受ける！ 長き戦いご苦労だった、おぬしらは暫し休むと良い！
ＧＭ／おおおっ！？
呉用／……まさかの、激励。
一／ドルタちゃんの声にハッとする。
澄華／ハッとした顔でドルタちゃんを見ます。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／倒したよりも、バトンを受け取ったということだ！ こくんと頷いて、胸を張る！
呉用／眼鏡をクイッと上げて、ドルタちゃんの声に頷きます。
ＧＭ／「……さて次は、『正体』を話そうか。俺の名前は、ユウメイイスタディオ。６０年ほど前に本蔵赤太郎と百恵は研究の成果を見せようと、夫婦一緒に合同で一世一代の大召喚を試みた」
呉用／夫婦合同で召喚したのですね。
ＧＭ／「夢を叶えたかったとか？ 凄いものを見せたかったという意地からか？ 家族の将来を何だ……とかいう、理由なんて覚えちゃいないが……未熟な魔術師だったあの男は、誤った詠唱方法で、お見事、神々がいる『上階』にいた俺という大当たりを引いた」
澄華／有名な神様なんでしょうね。
呉用／ユウメイな神様なんですよ。
一／ユー、メイビー、有名。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／審議ではなく……便乗だと……！？（笑）
ＧＭ／「ビックリしたマスター達は急いで俺を送り返そうとしたんだが。慌てていたからかな、俺じゃなくて赤太郎と『上階』に行かせちゃったんだ。かっこわらい」
澄華／かっこわらい、じゃない！
一／フランクに重大なこと言うー！？（笑） ……そうか、それで上階に行った赤太郎さんを取り戻そうと、お祖母さまは頑張ってたんだな？
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／それは、生涯をも懸けよう……。
呉用／……待て。普通の人間が別次元に行くって、例えるなら『宇宙服無しで火星に行かされちゃった』に近い状態だぞ。それはズバリ、死だぞ。
澄華／ひえ……！？
ＧＭ／それ、良い表現だな。「そのときの、赤太郎をあっち側に行かせちゃった本蔵百恵の表情が、あまりに傑作でかっこわらい。思わずこの世に来たら何かしてやろうと考えていたけど全部忘れちゃうぐらい可愛くてかっこわらい」
澄華／こんなに殺意を感じる『かっこわらい』、見たことない。
ＧＭ／「だから良いことを本蔵百恵に教えてあげた。『あの誤った呪文で上階とこの世を繋ぐゲイトを開いて俺を呼び出したのだから、また１０年かけて同じ呪文でゲイトを開いてあっちに行った赤太郎を呼び寄せればいいだろう』って」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／……英霊ガチャゲーム……。
呉用／そして、お目当てじゃない英霊を引いた後の確定ガチャ権……無記名霊基……。
ＧＭ／「１０年に１回でも成功したら赤太郎が呼べる、失敗したら誤った召喚呪文だから残念な英霊が出てくる、もし大成功したら……俺の兄弟が出てくるだけだからかっこわらい」
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／あのさぁ……あのさぁ……。
呉用／俺の兄弟って、ドーマサキエルとかツヴァイククウォターとかですか。
一／で、ですよね……！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／英霊ガチャゲームは楽しかったか、そうですか……このやろう。……あの、誰か止めて、我慢がね、もうね、ドルタがね、限界でね……。
澄華／ううう……ドルタちゃんを止められる余裕が澄華には無い……。
一／……止めてやりたいのはやまやまなんだが、もう俺も我慢の限界だ。
ＧＭ／「もし６０年間失敗し続けても、大丈夫、６０年後も生きてたら『最後の手段』があることも教えてあげる。そう言って今年６０年目。話しちゃったかっこわらい かっこわらい かっこわらい」 ユウメイイスタディオは今月始め、６体英霊を召喚したとき最後の手段『確定世界創造』を教えた。何故かそれは百恵は使わなかった訳だが。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／何故か、じゃねえよ……。
一／……何故か、それは貴様には一生判らないだろうよ。
澄華／……それは、人らしい善良な心を持つ者にしか判らないことです。貴方には判らずとも、私達はみんな当たり前に理解すること。
「マスターである百恵は死んだ。だから自分は『上階』に帰ることもできる。
でも……この世界には、未だ使われていない『確定世界創造』がある。
誰も使わないなら、使いたいんだよ。
召喚されている英霊６体、そのまま昇華しておしまいにするんじゃなくて。工房に用意された儀式の間にくべて、願いを叶えたいじゃないか。そうすれば無駄にならない。
そのためには工房を守っている英霊達には全部自殺してもらって、俺の行動を縛る下級霊達も全部退場してもらわないといけなかったんだ」
ＧＭ／「不安感に苛まれて全員自殺してくれたなら、理想的だったんだがな。『主人を亡くした悲しみで首を吊る』とか、『姫に会えない悲しみで正気に戻って病で床に着いてくれた』なら、最高だった」 オープニングの声による精神ダメージや、『ランダム行動』で英霊がロストする可能性は、こういう「自殺させたい」という意図があったからです。
澄華／悪趣味ね。吐き捨てます。
呉用／あまりに徹底しているので感激すらしますね。下衆にも程があるでしょう。
澄華／……もう私も我慢の限界です。これ以上の侮辱は許しません。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／スミカどのぉ……。
澄華／お祖父さま、お祖母さま、呉用さんやドルタちゃん、そして私達。誇り高き本蔵の一族は、貴方の玩具になどならない。恥を知りなさい。
一／ドルタ、我慢なんてしなくていい。全力でこいつを倒す！ 声を張り上げます！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ハジメどの……！
澄華／ええ、全力を持って排除します！ お兄さまを追うように、澄華も声を張り上げます！
ＧＭ／夜の森に響く一の強い、叫び声。
一／霊に縛られて身動きすら取れなかった、悪あがきのような囁きに我らの英霊が屈するものか。……現にどの英霊たちも生き延びている！ 誰一人として死など選ばなかった！ それはつまり、貴様の囁きに打ち勝ったということ！ つまり貴様の敗北はこの時点で決まったも同然！
澄華／その通りね、お兄さま！
一／自らの愚かさを嘆き！ ここで倒されるがいい！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／数多の侮辱の言の葉など、我が主らの、我が仲間の言霊ひとつにも満たぬ！ 二人の声に弾かれたように、噛み締めていた唇を離して、上体を低く、槍を構える戦闘態勢を取る！
呉用／だそうです。貴方はひとまず先に天に戻るといい。
ＧＭ／お手伝いさんは、いや邪神を器に降ろした男は、喚く４人を見て笑みを浮かびながらその手に……武器を持つ。「俺と戦いたいみたいなら、同じフィールドで遊んであげないとな」
呉用／元々『上階』に帰る気だったのなら、お先に一人で行ってくださいませセンパイ？ では、始めましょうか。
ＧＭ／「始めようか、ゲームのクライマックスを」 そう言って彼は……弓矢を取り出した。
呉用／エミヤだけに？
一／エミヤがユミヤを？
澄華／座布団１枚。
ＧＭ／あ、呉用はその弓矢に見覚えがあっていいよ。生前に。
呉用／おいやめろ。……おい、やめろ……。
一／え……あ、察した。
澄華／あっ……器になっている英霊が、もしかして、あのその……。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／……もしかして、花栄くんです？
ＧＭ／ドルタ、するどい。
澄華／花栄さんかえい？ おばあちゃんみたいな声で。
呉用／どこかのファンタジーの創作キャラを連れてくるとは思ったけど！ 『フォーリナーの花栄でユウメイイスタディオで融合』とかヤメろやオイ！ ……あああああ！？ 回想シーンで呉用が「そういうのは花栄にやらせます」と言ったとき百恵様が何故か大爆笑してた理由って！？
ＧＭ／おっ、よく気付いたな。
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／うっわぁ！ 細かい！？（笑） 邪神を降ろされてパッと見は元仲間だと判らなくされていたけど、武器で気付いたって感じか！
花栄。
『水滸伝』に登場する、梁山泊の好漢１０８人中序列第９位。天英星の生まれかわり。
弓・槍など武術に秀でて、軍略に通じたインテリで、超美男子で、義に厚いが冷酷にもなれるという弱点らしい弱点が無い負け知らず。
無敗の戦績であったが最期は、友であった宋江を失ったことで呉用と共に宋江の後を追い、自殺した。
呉用／弓術チート、妖術もちょっと頑張れば使えるようになる、鳥とのエピソードもある、そんな『神がかった』無敗の英雄ですがどうぞよろしくお願いします！（笑）
一／こ、これから……そんな人と戦うんですね？（笑） 我々めっちゃメンチ切りましたしね！
澄華／イエーイ、ハイタッチ！ 初めての黒星を付けてやりましょう！
ドン・キホーテ・オルタ・リリィ／ハイタッチ！ でも刺せば倒れる！
一／花栄さん！ 刺せば倒れる！ 何者も！
澄華／って、花栄さんも最期は自害なんですね？ 呉用さんもお祖母さまも、あまりにもあまり……エグいとエモいをいったりきたり……（笑）
ＧＭ／ということで、クライマックス戦闘の開始だ！
クライマックス戦闘開始前に、オープニングフェイズでバッドステータス：毒になっていた呉用はラウンド最後に１Ｄ６点ダメージを受ける。
【ＨＰ】に５点のダメージを受けた。
→続
