アナザーワールドSRS・リプレイ・ワンアンドアナザー
■ 第4話『 苛烈を極めるコンティニュー・後半 』 1ページ ■
1998年〜2004年(仮想リプレイ公開2017年12月4日)




 ●プリプレイ

GM/第4話を始めていこう! まず最初に、今回のシナリオの生贄となる代表者1名を決めてほしい。選ばれた1人が今回の主人公になる。
オーウェル/生贄?(笑) どう考えても嫌な目に遭うことになるような……。
ジーク/はいはーい! やりたい! 主役になりたーい!
GM/自ら生贄になるって言ってくれた……(笑) ジークで即決だな。次に、全員にちょっとしたアンケートに答えてほしい。キャラクターそれぞれの「好きなもの・大切なもの」を教えてほしい。
ドリス/アンケート?
GM/これも今回のシナリオに使うものだから。決まったら教えてくれー。
ドリス/(暫く相談して)じゃあ、オレの好きなもの・大切なものは……一緒に生活している「家族」にします。
オーウェル/俺は……今は独り身でどこかに居るってことがないから、大切なものは今までの「思い出」かな。
トンプソン/好きなものは「肉」! あとは「美味しい物」! 腹が減っては戦は出来ぬだから大切だし!
ユーキ/にゃー。「しっぽ」
ジーク/えー、好きなものかー。オーウェルと少しネタが被るけど、「今まで出会ってきた人達」かなぁ?
GM/……OK、メモれた。それじゃあセッションを始めるぞー。

▼PC1:ジーク(キャラクターレベル6)
 クラス[感応力師3/霊媒師3/異端者1]
 感応力師より、主特技≪念動障壁3≫、副特技≪サイコメトリー≫を取得。

▼PC2:スウィフト(キャラクターレベル6) ※今回4話は欠席
 クラス[魔術師6]
 魔術師より、主特技≪強化手術:意志≫、副特技≪飛行の札≫を取得。

▼PC3:オーウェル(キャラクターレベル6)
 クラス[闘士5/稀人1]
 闘士より、主特技≪殺界≫、副特技≪熱血の防壁≫を取得。

▼PC4:ドリス(キャラクターレベル6)
 クラス[闘士2/世界遣い2/処刑人2]
 処刑人より、主特技≪影の軍勢≫、副特技≪恍惚の唇≫を取得。

▼PC5:ドレーク(キャラクターレベル6) ※今回4話は欠席
 クラス[狩人2/異端者4]
 狩人より、主特技≪強化手術:体力≫、副特技≪神域の眼≫を取得。

▼PC6:ユーキ(キャラクターレベル6)
 クラス[聖職者4/稀人2]
 聖職者より、主特技≪陣形:全力移動≫、副特技≪物品調達≫を取得。

▼PC7:トンプソン(キャラクターレベル6)
 クラス[狂戦士6]
 狂戦士より、主特技≪死線≫、副特技≪一睡の針≫を取得。



 「アナザーワールドSRS・シナリオ〜ワンアンドアナザー第4話〜苛烈を極めるコンティニュー・後半」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル6で開始。

【ハンドアウト:代表者1名】
 コネクション:マーティ  関係:自由

 視界の悪い激しい雨の日、偶然出会った男がいた。
 名をマーティと名乗る彼と話していると、突如衝撃が走る。君は真っ暗闇の中へ落ちていくのだった。
▼セカイのイベント:マーティと出会い、気を失う。
▼コネクションNPC1:マーティ

 [聖職者]の男。スキルウェポンは槍を使う。


【ハンドアウト:代表者以外4名】
 コネクション:代表者1名  関係:仲間

 それぞれの時間を過ごしていると、助けを呼ぶ声がした。
 なんと仲間の彼が誘拐されたという。助けなくては!
▼セカイのイベント:仲間を助ける。
▼コネクション:代表者1名

 ある声によって仲間が捕らわれていることを知ることになる。彼を無事救わなくては。


GM/オープニングシーンを始める前に……みんなが今、どんな生活をしているか話してもらわないと。そういやドリス、前回のセッションで魔族を村から救出したけどあいつどうしたっけ?
ドリス/オレの自宅で過ごしています。あの人の名前ってありますか?
GM/どんなキャラかも設定してない名も無き魔族の男Aだったから、ドリスが好きに名前を決めてくれていいよ。
ドリス/名前? ……名前……なまえ……?
オーウェル/いかん、キャラの名前が何日経っても決まらない奴に決めさせたらいつまでも決まらないぞ(笑)
ドリス/……難しいなぁ。ぶっちゃけ自分の男のときの名前すら決まってないのに……。
GM/もうセッション4回目なのにまだ自分の名前決まってないのかよ!?(一同笑) 適当に決めろよ! じゃないとずっと「魔族A」って呼ぶぞ!?
ドリス/えええええ、でも名前……どうしよ名前……な、何にしよ……?

 ――先にお話すると、魔族Aの名前はこの後も決まらずに5年以上が経過しました。
 ずっと名前の無いキャラクターとしてこのキャンペーン中は通すことになった彼。セッション中も「〜と、名前を呼びます」と描写することがあっても、中の人が名前を決めることはありませんでした。
 しかし2005年以降、
GMの1人・マーサーの判断により、ある名前が与えられました。だってキャラを表わす記号として重要だもの。
 今ではその名前ですっかり通っているため……再現仮想リプレイでは、
この4話段階で名前が決定したものとして進めていきます。

GM/じゃあ魔族Aの名前は保留で……(笑) 彼は今、ドリスの自宅で匿ってもらっています。暴走しがちな異端だったけど、契約後の令呪の制約が働いているので人間は襲わず大人しく寝ています。
トンプソン/寝てるんだ?
GM/ギガースの核にされた人外は「魔導生命体のギガースに埋め込まれて体が一体化し、引き剥がすことができない」だったんだよ。半身を無理に外した状態だから足も無いし、体を滅茶苦茶にされているから巧く喋れない。
ジーク/人外なんだからそのうち足は生えてくるよ。ねえオーウェル?
オーウェル/なんで俺に振るんだよ。てかジークよく考えてみればお前「巨人族のハーフ」だっただろが! お前の方が知ってるだろ!?(笑)
ジーク/あ、そっか。そうそう、足なんて生えてくるよ。
GM/普通生えねーよ! ……い、いや、生えてくるのか……吸血鬼とか体を切断されても血を吸えばニョキニョキ再生するような奴もいるしな?(笑)
ドリス/あ、血をあげれば元通りになるならオレの血あげるよ!
トンプソン/吸われ慣れてるし?
ドリス/いや、慣れてはいないけど……ドレークは確かオレを吸わないことにするって言ってくれたし。この場のドレークの中の人がいないので確認できない(笑)
ユーキ/にゃー。
GM/……で、他の人はどう生活してるのかな。トンプソンとユーキはジークの家に行くことになったのであってる?
トンプソン/オーケー! ジークにお世話になってるー!
ユーキ/にゃー。
ジーク/ドザエモンズとみんな一緒にうちの家賃8000円のアパートで住んでるよ。そのうち家賃18万円の所に住みたいな〜!
GM/なんだその具体的な数字。……スウィフトも暫くお世話になっていたけど、まだ山奥にある実家帰省中だからスペースは空いてる筈だ。ドレークもまだ本国イギリスに帰国中。オーウェルは?
オーウェル/俺は変わらずあちこち住処を変えている。ホテルを転々としている生活だ。
ジーク/オーウェルもウチに来れば? みんなが居ないときに家賃を払ってくれていてもいいんだよ?
オーウェル/ことごとく俺に家賃を払わせようとするよな。
ジーク/ドザエモンズとトプさんとユーキが払えると思うの?
ユーキ/にゃー。
オーウェル/払えないと思うけど。……家主のお前が払えよ?(一同笑)


 ●オープニングフェイズ1/ドリス 〜その1・事件発生前〜

GM/硲村の一件から暫く経って……時期は12月ぐらいにしようか。ドリスはどんなお家に住んでいるんだ?
ドリス/普通の一軒家です。お母さんはいないし、お父さんはきっとオレと同じような能力者で仕事人をしていて……。
オーウェル/仕事人!? お父さんってアサシンか何かか!?(笑)
ドリス/いや、そうじゃなくて、夜に紛れて何かをシュッと倒すような……。
トンプソン/やっぱり仕事人じゃねーか。
ドリス/……まあいいや、そういう能力者の一家に生まれました(笑) 2階に自分の部屋があって、オレのベッドに彼を寝かせて看病しています。そろそろ元気になってくれると良いなー……。
GM/死にかけだった魔族の男は、ドリスから魔力や血を貰ったりご飯を食べさせてもらうことで少しずつ蘇っていった。もう付きっきりで看病する必要は無いだろう。そろそろハンターの仕事に行っても大丈夫な頃だ。
ドリス/早く元気になって一緒に外へ歩けるといいな。……まだ喋れない?
GM/えーと、偶数が出たら喋る、奇数なら喋れない。(ころころ)……5なので喋れない。でもベッドに近寄ってきたドリスに体を寄せたり、手を取ったりする。
トンプソン/手を掴んでガブッ!
ドリス/イタッ。
トンプソン/ちゅーちゅー。
ドリス/血を吸われた。イテテ。
ジーク/いきなり食うなんて酷い奴とか思わないんだな。
GM/前回GMがされたことだけどな。
ドリス/お腹が減ってるなら仕方ないよ。
トンプソン/そうそう、仕方ないよ。
ユーキ/にゃー。
GM/仕方ないのか……心が広い奴らが多いな、この世界は(笑)
ドリス/血をあげた後に、じゃあ普通のご飯も食べようか……ホットケーキを食べさせてあげたりします。よしよし、怖くないよー……。
GM/魔族の男って言ってたけどすっかり犬みたいだ。血も貰ってケーキを食べさせてもらってお腹いっぱいになった男はグーグー寝る。そんなドリスの部屋にやって来る人がいる。「お前、それ拾ってきてどうするつもりだよ? ずっとそれに付きっきりにするワケ?」
ジーク/誰?
GM/ドリスの双子のきょうだいで名前はブリジットという。双子ということでドリスと顔はそっくりだけど、ドリスと違って勝気でうるさそうな人だ。コギャルっぽい子を想定している。
ドリス/あ、兄さんだ……。
オーウェル/兄さんって、男なの?
ドリス/ううん、オレと同じで性別は無いよ。男に見えるけど女にも見える。多分15歳になったら性別決定するんじゃないかな……便宜上オレは「兄さん」って呼んでるけど。
GM/ドリスの設定は難しいな……「兄弟」とも「姉妹」とも言えなくてGMは大変だ(笑) 「で、どーなの?」
ドリス/どうなの、って?
GM/「だーかーらー、お前ずーっとそいつのコト構ってばっかじゃん? 金にもならないし可愛くもない魔族なんか拾ってきてどうするの? ペットにでもするつもり?」
ドリス/う、ううん……。
GM/「じゃあナニ、治ったらハーイバイバイって外に出す気ぃ? さっさと引き取ってくれそうなトコ見つけた方が良いんじゃないのー?」
ドリス/うっ……兄さんキツイ……(笑)
GM/元々GMはこのキャラを殺す気でいたけど運良く生き延びた訳だし。ドリスにとって彼は家族なのか、どうなんだ?
ドリス/えっと……。彼が元気になったらそのうち元いた場所に帰るべき……だと思っているよ。だから、家族ではない……かな? もちろんペットにするつもりなんてないよ……だって、大きい人なんでしょ?
GM/ほうほう、家族ではないと(カキカキ)
ジーク/あ、GMが何かメモったぞ。
オーウェル/アレだな、最初のアンケートに答えたやつに含めるか含めないかの確認だな(笑)
ドリス/その確認かー(笑) その……話せるようになったらお家に帰れるか訊いて、帰りたかったら帰してあげて、ここに居たかったら居させてあげる……のはどうかな? だって……治ったからバイバイだなんて可哀想だし、悲しいし、兄さんダメ……?
GM/「はあ? 世話なんてちゃんと出来るの? そいつ近づくと噛むじゃん。危ないじゃん。オレ世話なんて頼まれてもしねーよ?」
トンプソン/うっせーな! てめーのルーズソックスを上まで伸ばすぞ!? おらああああああああぁ!
GM/なにそれ!?(一同笑) えっ!? 今トプさんが登場して何かしたの!?
トンプソン/登場してない。ドリス苛めたの見た寝てた奴が噛んだ。
ユーキ/ガブ。
GM/いったああああああ!?(一同笑) 絶対世話なんて手伝ってあげねーからな! もうミルクあたためたりホットケーキ焼いてやらないからなあああぁ!」 ブリジットちゃん、シーン退散。
オーウェル/既にミルクあたためてあげたりケーキ焼いてくれてたのか(笑)
GM/……あ、GMこのキャラ好きだわ。また出すわ(笑)
ドリス/兄さんを噛んじゃダメ。ダメ。メって怒ります。
ユーキ/しょぼん。
GM/しょぼーん。今度こそベッドにもそもそ戻る。……そしてその布団の中から、もそもそとドザニコフが這い出てくる。
ドリス/なんでドザニコフが布団から出てくるの……?(一同笑) 君、ジークさんのお家に居候してたんじゃなかったっけ?
GM/ドザエモンズはどこでもドアを使えばどこだって現れるんだ。ぽこっと頭を出したドザニコフは「ガウガウ〜」とドリスに抱きついて何かを訴えている。ドザニコフなりに必死な形相だ。
ユーキ/ドリスに抱きついたドザニコフにガブ。
GM/(噛まれたドザニコフになって)「フガアアアァ〜!?」(一同爆笑) 噛まれたドザニコフは威嚇ガウガウ!
ドリス/こらっ! 大人しくして! 人間以外だからって無闇に噛まないで!(笑) そ、それでどうしたの……?
GM/でっかくて赤くて怖い男に噛まれて涙目のドザニコフは、ドリスに隠れながら「ガウガウ〜」と話を……話をし……。なんでドリスってドザニコフの話が通じるんだよ?
オーウェル/登場させた後に我に返るなよ!?(一同爆笑)


 ●オープニングフェイズ2/ジーク 〜その2・事件発生前〜

GM/ドリスに確認したかったことが終わったので、本編に入っていこう。……12月。今日は雨がざーざーと降っている。そんなジークは1人、町の中を歩いている。
ジーク/なんで?
GM/シチュエーション自由。単独でシーンを作ってくれれば何をしてもいい。
ジーク/12月かー。クリスマスかー。クリスマスが終われば廃棄のケーキとかチキンとか貰えるかなー。そしたらクリスマスパーティーが俺の家でも出来るじゃん! 早くクリスマス終われー! って叫んでます。
GM/叫んでます!? 雨の日、外で、1人で叫んでます!?(笑) もっと普通のロールしてくれない!? 悪くないけどもうちょっと良くしてくれよ!
ジーク/じゃあ段ボールに入って雨に濡れていた子犬を拾おうとします。
GM/良い人になれとは言ってねーよ!(一同笑) あ、でもそれでいいや……段ボールの中にはクゥーンクゥーンと鳴いている……。
ジーク/おーよしよし、良い子だー、うち来るかー? まだクリスマスケーキもチキンもないけど……あ、人生ゲームとかジェンガとかピコピコハンマーとかはあるよ! 遊べるよ!
GM/クゥーンクゥーンと鳴いているドザリーニョがいる。
オーウェル/今なんて?(一同爆笑)
ジーク/おーよしよし、良いドラリーニョだー! ウチ来るかー? お前の兄弟がうちにたくさんいるぞー?
GM/ドラリーニョじゃなくてドザリーニョな。ドザリーニョが突然サッカーボールを蹴り始めたおかげで段ボールは半壊。ズブ濡れ。
ジーク/なんてイキの良いドザリーニョだ。
サブGM/ドザリーニョだから仕方ないわな、もっと暴れよう。
トンプソン/あはははは! サッカーたーのしー! あははははは! ドザリーニョ暴走。
オーウェル/誰か止めろ。
GM/残念、このシーンはジークしか登場できない(笑) 無計画にドザリーニョが暴れているがこれには理由があってな……それは全て、今も段ボールの中で弱って死にかけている子犬を元気づけるためなのであった。子犬はタスケテーと訴えるかのようにヒューヒューと最期の呼吸を繰り返している。
ジーク/おっ? なんだよ感動しちゃうぐらい良い奴じゃん、ドザリーニョの奴。
ドリス/わ、わざわざ良いシーンにしようとしてる……(笑)
ジーク/おーおー、だいぶ弱っちゃってる子犬を心配して元気づけようとしていたんだな、ドザリーニョは! ……俺が発見してラッキーだね! 子犬に≪清浄の使者≫を使って【HP】回復させてあげられる?
GM/可能だ。だけど代償は払ってもらうけどいい?
ジーク/いいよいいよー。はーい、≪清浄の使者≫! ドイツ式陰陽術でポワポワと治しちゃうー! 元気になぁれー!
GM/わざわざ【MP】を消費して子犬を回復してくれたおかげで、子犬は生き延びることができた。そんなとき、ジークに声が掛かる。「……そのまま死なせてやっても良かったのに。お前、そいつを拾って飼ってやるつもりか?」
ジーク/ん? ドリスのギャル兄さんかな?
GM/ギャル兄さんってなんだよ(笑) 振り返ると傘を差して立っている男がいる。ジークは……見たことのない人物だ。
ジーク/お兄さん。子犬、拾いたかった?
GM/「拾わねーよ。で、どうなんだよ。飼うつもりなのか?」
ジーク/どうかなー。とりあえずうちに連れてきてあげて元気づけて俺んち居座りたいなーって態度だったら飼うのでいいんじゃないかな?
ドリス/……なんか、さっきのオレと殆ど同じ返答だね。
ジーク/だってそうじゃん。このまま見過ごすの可哀想だし。タスケテーって言ってる子犬みたいだったしなら助けてあげないとね! それに俺の家いっぱい何でもいるから。スウィフトとかドザエモンズとかトプさんとかユーキとかオーウェルとか……。
オーウェル/おい、勝手に俺を増やすな(笑)
GM/男は「なんだよお前は、正義の味方か何かかよ。助けてと言ったら助けてあげるとか」とジークを鼻で笑う。
ジーク/そうだよ。
GM/……まさかの肯定しやがった。
ジーク/俺、実は正義の味方なんだよ。御布施しておいた方が良いよ。今なら1500円から受け付けるよ〜。
GM/「は? ……ははは!」 男はジークを小馬鹿にしたように笑っているような、見ようによっては面白い奴だと興味を持っているような、そんな様子で見ている。
ジーク/お兄さん、良かったら俺を傘に入れてくれない?
GM/いいけど……ってお前、傘を差してなかったのかよ! 傘も差さずに雨の日の外で1人で叫んでいたのかよ!? さすがに不安になってくるよ!?(一同笑)
ジーク/いいけどって言いながら傘を差してくれたお兄さんに言います。俺を傘に入れたね? 俺は傘に入るたびに入れた人が俺へ500円払わなきゃいけないシステムなんだ。という訳で今すぐ支払いをしてもらえるかな?
トンプソン/なにその通り魔。
ドリス/理不尽すぎて何を言っているか判らなかった。
オーウェル/なんで流れるようにそんな酷いこと言えるの?
GM/見ろよ、批難轟々じゃねーか(一同爆笑) 「……お前、名前は? ひでー奴だって覚えておいてやるよ」
ジーク/俺? ジークだよ。よろしく〜。
GM/「ジークか。俺はマーティ……んんんっ!?」 では面と向かって男と話している……というか金をせびっているジークは、男が一瞬驚いた顔をしたのに気付くと。
ジーク/うん。
GM/ガツンッ! 突如、後頭部を殴打され、意識が反転。真っ暗闇の中へフェードアウトする。
ジーク/あたぁっ!? なにそれ! このまま誘拐されるやつ!? 天罰には早くない!?
オーウェル/天罰が下る自覚あるんじゃねーか(笑)
GM/……さて、それから何時間経っただろう。意識を失ったジークは目を覚ます。起きてみたら見知らぬ天井に台の上に寝かされていた。
ジーク/むにゃあ……アイタタタ、起き上がってタンコブを撫で……。
GM/その台というのは、先日……硲村の小学校地下2階で見たような『実験室』にソックリだ。
ジーク/うわぁ。
GM/どうやら誘拐され、今まさに何かの実験動物にされようとしている……みたいな状況だと思う。周りには似たような格好をした人達が眠らされていて、その中で唯一ジークだけが目覚めていて……。
ジーク/わぁー! 誘拐されたのも実験動物にされたのも初めてだよー!
GM/早々無いことだからな(笑) ちなみに首には首輪が着けてある。外れる気配は無い。外すためにはロックを解除しなきゃだ。
ジーク/おー! 雰囲気が出てるなー!
オーウェル/……ジークは怖がったり動揺したり焦ったりはしないんだな?(笑)
トンプソン/俺も誘拐されたらテンション上がる。
ユーキ/にゃー(肯定)
GM/いや、それはねーよ(笑) 部屋は真四角の真っ白、周囲には機械。中央にケーブルなどがいっぱい繋がった台……その台の上に寝かされているジーク。ちなみに拘束はされていないので動くことはできるよ。しかし一つだけある固そうな扉を開けようとしても、開くことはない。
ジーク/扉から脱出はできない!
GM/扉に近づいたなら【知覚】判定、難易度6。
ジーク/(ころころ)達成値11で成功。
GM/開かない扉の先で、男が2人話をしている。「おい、なんでいきなりあんなことしたんだよ……?」と半ばキレ気味に話すのは、さっき雨の中で話をしていた男だ。名前はマーティとか名乗っていたよ。
ドリス/……彼も、あんまり状況を理解していないっぽい?
GM/そのマーティの問いかけに応対しているのは、「あれー? マーティが引きつけているうちに俺に『やれ』っていう合図だったんじゃないの? まぁ良いじゃん、どうせ『人外を捕まえてこい』っていう指令が下ってたんだからさ」「けど……!」 そんな話し合いをしている。
ジーク/すみませーん! 俺でーす! 開けてくれませんかー!?
GM/「……」「……」 その声を聞いた2人は、部屋から遠く離れていった。
ジーク/あっ、行っちゃった! おーい、開けてくれませんかって言ったのにー!
GM/しかしそれと同時に、ボテッと何かが部屋に落ちてくる音がする。
ジーク/んんっ? 今度は何……?
GM/さっきまでジークが寝ていた台の上に、時空の歪みからポイッと吐き出されたように落ちてやって来たエルマタドーザとドザニコフとドザメット3世とドザザキットの姿が!
ジーク/お前らぁ〜! 心の友よぉ〜!(笑)
オーウェル/4匹とも来たのか!?(笑)
ドリス/台の上で……4匹が重なってそう……(笑)
GM/エルマタドーザが一番下で「ふええ〜! 重い〜!」って泣いてたり、ドザニコフがバッテンの目で「ウグゥ〜」って唸ってる。
オーウェル/……あっ、さっきのドリスの家に現れたやつ。どこでもドアでそこから出られるやつだ!
ジーク/おー、そっかー! ありがとなドザエモンズ、俺を助けに来てくれたんだなー! という訳で俺もピンクのドアに入れてくれよー!
GM/しかしドザザキットが「それは出来ない話だな」って言う。一番上だから苦しくないらしい。
オーウェル/退いてやれ。
GM/よいしょっと(笑) 「悪いが時空の狭間には人間は……普通の世界に生きる人類は入れない。正確には入れるが、俺達のように自由に出ることができなくなるぜ。普通の人間が入ったらどこに飛ばされるか判らないよ」 そう言ってドザザキット達は自分達が出てきた天井を指差す。渦が巻いた異空間が見えるが、一体どこへ繋がっているか判らない気味の悪い穴だと思えた。
ジーク/おおっと、脱出するつもりが行方不明になっちまうのか。やばいやばい。
GM/ドザメット3世が「助けることは出来ないが、助けを呼ぶことは出来るであーる! 吾輩達がみんなにここがどこでジークがどこに捕らわれているか話しに行くであーる!」と言う。
ジーク/よっしよっし、それでいこう! 頼んだ!
GM/エルマタドーザが「で、ここは何処なんだセニョリータ?」って言う。
ジーク/どこ?
GM/「ガウ」
ドリス/あ、最後はドザニコフだ(笑)
GM/……という訳で、今回のセッションの内容はこうだ。「誘拐されたジークを救え!」 ドザエモンズ4匹の声によってPC達には「ジークが誘拐された」と知らされる。なのでみんなはジークがどこにいるか探してほしい。さっきドリスの家にドザニコフが現れたのは、ジークが攫われたって言いに行ったからだ。
ドリス/な、なるほどー……。
GM/同時刻、オーウェルやトンプソン、ユーキの元にもエルマタドーザやドザザキット、ドザメット3世がそれぞれジークが攫われたと言いに行っている。言うだけでこいつらは何もしないが。PC達はとりあえず4人全員そのことを共有し、ジークを探そうと動き始める。
オーウェル/探すって……どのあたりって見当はつくのか?
GM/その経緯なんだけど、神経衰弱を利用したゲームで表現する。

 伏せられたトランプを机の上に広げるGM。
 プレイヤーはカードを2枚引き、同じ柄だった場合は机からカードを取っていくというのが神経衰弱のルールだが……。


GM/一番多くカードをゲットできた勝者には、クライマックスフェイズで有利になる。GMを含めた全員で6人で競い合って、有利不利を決定する。順位でどうなるかというと……。

 1位:最善の状態で戦闘に突入。戦闘開始直後に好きな場所を決定し、任意のエンゲージからスタートできる。お菓子もプレゼント。
 2位:最善の状態で戦闘に突入。1位と同様に任意のエンゲージからスタートできる。
 3位:【HP】と【MP】にそれぞれ1D6点のダメージを受ける。
 4位:【HP】と【MP】にそれぞれ2D6点のダメージを受ける。
 5位:【HP】と【MP】にそれぞれ3D6点のダメージを受ける。ランダムで特技1つが使用不可になる。
 6位:【HP】と【MP】にそれぞれ3D6点のダメージを受ける。ランダムで特技1つが使用不可になる。大事なものを失う。


GM/ジークが誘拐された場所……それはGMも判らない。1位の人が自由に「任意の場所」にジークが誘拐されたと決定してほしい。
オーウェル/プレイヤーが場所を勝手に決めていいのか!
GM/いいよいいよ。どこでも好きに決めちゃっていい。そこにジークが幽閉されているから。
トンプソン/自由に決めていいんだ!
ユーキ/にゃー。
GM/ジークが1位になっちゃった場合、「自分が○○にいる」と判ったとドザエモンズに伝えてみんながそれを聞きつけてやって来るようになる。ジークは捕らわれながらも連絡を入れてくれたって感じだな。他のPCが1位の場合は、「ジークは○○にいる!」と判明してドザエモンズ経由でみんなが駆けつける。
オーウェル/GMが1位になった場合は?
GM/GMが想定しているシナリオでクライマックスフェイズが始まる。
ドリス/……6位の「大事なものを失う」って何?
GM/それは……6位になってからのお楽しみということで。それと、特定のカードを合わせて引いた場合、イベントが発生する。発生するカードの種類はこんな感じだ。

 特別イベント1:ハートのAが入ったペア
 特別イベント2:ダイヤの7が入ったペア
 特別イベント3:クローバーの10が入ったペア
 特別イベント4:スペードのKが入ったペア
 特別イベント5:ジョーカーのペア


GM/早速だけど始めるぞ。順番はダイスで決めよう!

 ダイスで順番を決定した結果、トンプソン→ユーキ→オーウェル→GM→ジーク→ドリスの順に動くことになった。
 神経衰弱で大盛り上がりすること数分後……この再現リプレイでは、特別イベント1〜5を担当したPC達の様子と、何故か印象に残っているプレイをピックアップしてご紹介します。


 ●ミドルフェイズ1/オーウェル 〜スペードのイベント〜

オーウェル/あ、スペードのKとハートのKだ。イベントカードが揃ったぞ。
GM/スペードのイベントが揃ったオーウェルにイベント発生だ。オーウェルの元には……(ころころ)ドザザキットが現れた! 「ジークを助けてやれよー!」
オーウェル/そ、それは助けないとだな……。お前ら、ワープでジークのいる場所が判っているなら、その建物の外の風景がどんな場所かとか見てこいよ。
ジーク/ドザエモンズに高度なことをさせるなんて酷いこと言うなよ。
オーウェル/高度……?(笑)
GM/ではスペードが揃ったイベントシーンでは、クイズというかナゾナゾに答えるだけでボーナスが発生する。さらに正解するとセッションお菓子もプレゼントだ(と言いながら、ポッキーやかっぱ海老せんを出す)
オーウェル/ほうほう、ナゾナゾ。
GM/全問正解すると、セッションの助けになる情報がゲットできるかも。という訳で第1問。「古ければ古いほど、若いものとは何?」
オーウェル/ギブアップ。
GM/早っ!(一同笑) いや、もう少し考えろよ!?
オーウェル/……え? 何? 判らない。何だよ? 真面目に考えているけど何なのか……判らない……何?
GM/……タイムアップなので正解を言うぞ。答えは、「写真」です。
オーウェル/…………あああー!? なるほど! うん確かに! 全然判らなかったけどなるほど!
トンプソン/もう1問ぐらい無い?
GM/う、うん、5問答えてもらうつもりだったけど、これウォーミングアップだったということであと5問出していい?
オーウェル/頼んだ。
GM/改めて第1問。「餡パンと食パンに声を掛けた君。後ろから声をかけられて振り返ったのはどっち?」
オーウェル/両方。
GM/理由は?
オーウェル/声を掛けたんだから振り返るよ。
GM/ナゾナゾ! これナゾナゾだって! 答えは「食パン。耳があったから」
オーウェル/……あ……(笑)

 「買い物中に転んだ人がいました。その人は何を買ったでしょうか?」→「バンソウコウ」
 「蜂はどれぐらい飛ぶと疲れてしまうでしょう?」→「蜂だから8キロとか?」
 「花屋のオススメの花は何?」→「俺、花の名前ってチューリップと桜と菊ぐらいしか判らないんだよな……」
 「おじいちゃんとする球技は何?」→「……………………(終始無言)」
 「……パンはパンでも食べられないパンは何?」→「フランスパン!」


GM/なんで「それなら判る!」みたいな顔して間違えているんだよ! フライパンぐらい判れよ!(笑)
オーウェル/むしろなんでみんな判るんだよ、頭良すぎだろ……!?(笑)
ジーク/オーウェルが頭固すぎるということが判ったところで、まさかの全問不正解だった訳だが。
GM/「もちろんボーナスは無ぇよ! ユウメイ兄貴だったらブチ切れてゲーム放棄するとこだったわ!」 助けてあげようとしていたドザザキットも呆れて帰ったところで次いくぞ次!(笑)
ドリス/あ、このナゾナゾってドザザキットが出してくれてたんだ……(笑)


 ●ミドルフェイズ2/トンプソン 〜クローバーのイベント〜

トンプソン/おっ!? クローバーの10とダイヤの10で揃った!
GM/クローバーの10が入ったペアを発見したトンプソンはイベントが発生するね。トンプソンの元には(ころころ)……ドザメット3世がバビューンと「ジークが誘拐されたであーるー!」と伝えに来て探し始めた訳だけど、どうやって町中を探していた?
トンプソン/くんくんっ! ひたすらジークの匂いを追いかける。
オーウェル/犬の獣人ぽいことをしてる。
トンプソン/ユーキと一緒に町中うろうろ探すぜ!
ユーキ/にゃー。
GM/じゃあくんくん、くんくんと色々な所に行ってはジークを探してみたけど……一向に見つからない。
トンプソン/いねーなー? 食われたか?
ユーキ/にゃー?
GM/そのとき、一緒に短足で探し回っていたドザメット3世が「……いっそウズマキの中に入って近道しちゃうであるか?」と、ぶっちゃける。
トンプソン/ウズマキの中?
ユーキ/にゃー?
GM/「ドザエモンズがどこでも時空の歪みから現れる、グルグル異空間のことであーる!」 そこからドザエモンズは神出鬼没に出たり入ったり現れたり消えたりしている。ただし、普通の人は入ることはできないし出られるか保証は無い……。
ジーク/タイムマシンのあの空間だな。
トンプソン/入る!
ユーキ/にゃー!
オーウェル/即決だった。
GM/悩むことなく即決だった。じゃあ……トンプソンのみ、ぐるぐると渦の巻いたような時空の狭間に頭を突っ込む。するとトンプソンの体がこの世から消えた。
トンプソン/うおー!
ユーキ/にゃー!?
GM/そして気付いたらワープして隣にジークがいる。
トンプソン/へっ?
ジーク/おっ?
GM/町中でユーキと捜索していたトンプソンは、ウズマキという異空間へ続く穴へ入り込んで、いつの間にかジークのいる実験室みたいな所にボトンと落ちていた。
トンプソン/来ちゃったー!?
ジーク/いらっしゃいー!?(笑) ようトプさん、元気ー?
トンプソン/元気ー! ジークも元気そうじゃん!
ジーク/うん元気だよー。まだ何もされてないからね。……されてないよね?
GM/されてないよ。部屋は真四角の真っ白、周囲には機械。中央にケーブルなどがいっぱい繋がった台。周囲にはジークと同じく首に首輪を着けられた人達が寝かされている。拘束という拘束は無いので動ける。
ジーク/多分、下手に動いたら首輪がバーンって爆発しちゃうやつだと思うんだよね。
トンプソン/へー。でもジークって人外なんだから首が吹っ飛ばされてもそのうち生えてきたりしない?
オーウェル/お前らの人外の認識、強すぎるだろ(笑)
GM/残念ながら、さすがに首が爆発で吹き飛ばされたらジークも死ぬだろう。ジークの予想通り、その首輪は捕らえている奴らが暴れたら大変なことになるやつだ。……あと、トンプソンが見渡して判ることと言えば、周囲の寝かされた連中はみんなそれなりに若くて、人外だということ。
トンプソン/人外だらけ?
GM/トンプソンやユーキのような獣人だったり、ジークのような巨人族だったり、オーウェルのように耳が長かったり、ドリスのように姿形は人間と変わりなくても魔力が多い生き物だったりする。
トンプソン/……何だ、ここ? 人外だらけじゃねーか。
ジーク/俺達5人もビックリするぐらい人外だらけだけどな。
GM/おかげで誰が捕まったことになってもそれなりに話が通じるよ。
ドリス/た、確かに……(笑) ここにいる人達って、もしかして……兵器に改造されるために誘拐されてきたんじゃ?
ジーク/えっ、ヤバイ。俺って巨人族なのにギガースにされるじゃん。元からデカイっつーの!
GM/でも3メートルとか5メートルは無いだろ。
ジーク/大きくなれば5メートルぐらいいくよ。
GM/ま、マジか……ジークが2メートルで身長止まってくれて良かった(一同笑) そんな風に周りを見ていると、誰かがこの部屋に近づいてくるのが判る。
ジーク/やばっ、戻ってきたぞ!
トンプソン/隠れろ隠れろ!
GM/ジークは元から寝かされていた台に寝たふりをすればいいよ。でもトプさんは……【反射】か【幸運】判定で、難易度10に成功しないと入ってきた奴に見つかって、大変なことになるかも。
トンプソン/【反射】なら!(ころころ)達成値10。よっし、ギリギリで成功! ジークの隣で寝るぜ!
ジーク/えっ、台で一緒に寝るとか嫌だよ!(笑)
GM/1人1台のつもりでいたから不自然だけど……判定に成功したから気付かないことにする(笑) ガチャっと重そうな鍵な音がして、ゴゴゴと開いた扉から……男と数人の子供達が入ってくる。
ジーク/マーティって奴か……?
GM/違うね、もっと年のいった親父だ。子供達は首輪で繋がれているし、手錠もされている。男がリードを持っているから逃げられず、無理矢理に連れてこられたように見える。子供達は泣いているね。
トンプソン/ぐーぐー(←寝ている真似)
GM/男は子供達を実験室のような部屋に入れて……「君達は低級と判定された訳だけど、悲観しなくていいよ。これから君達は新たな姿に生まれ変わる。自分達の能力の無さに悲しむ必要は無い。ここでいっぱい強くなるんだからね、喜ぶといい」と笑顔で、子供達を励ましている。
オーウェル/……励ましか、それ。
GM/話の流れから、ジーク達は「誘拐してきたはいいけど、弱い能力者の子供達だったから……彼らを素材を使って実験をするんだ」ということを察していい。
トンプソン/おー、マジで敵の本拠地じゃん。ぐーぐー。
ユーキ/にゃー。
GM/そのときだった。1人の……羽根の生えた人外の女の子が、男の拘束を振り解いて、魔法を放ってバッと走って逃げ出した。
ジーク/あっ。
GM/ニコニコと笑って励ましていた男は、すかさず魔法で女の子を殺す。空から武器が降ってきて、女の子をザクザクと刺していく。
トンプソン/うおっ。……助けられないか。
GM/飛び出してもいいけど、その場合は戦ってもらうことになるよ。明らかに強そうな魔術師の男と。
ジーク/……助けられないねぇ。
GM/男は、女の子を魔法の剣とか槍でザクザクと刺していく。ザクザクと色んな場所を刺す。女の子はすぐに絶命することなく、両脚や両腕や腹や体中を引っ切り無しに刺されて、まるで周囲に見せつけるように……見せしめのように丁寧に殺していった。
ドリス/うぅっ……。
オーウェル/…………。
ユーキ/にゃー。
GM/だけど息の根を止める前に、男は治療の魔法で女の子の【HP】を全回復させる。「君は生命力のある可愛い女の子だからね、死なせるのはもったいない」と完全復活させた。
トンプソン/うわっ! えげつない! すげー、そうするか!(笑)
ジーク/おー、徹底しているなぁ……思わず感心しちまう。
GM/「逃げようとするなんて気に入ったよ。ここの素材にするのは保留にしよう。君はおじさんとおいで……」 男は、死にかけた女の子以外の子供達を魔法で眠らせる。眠らせた子達は他の連中と一緒に、何かの儀式が始まるまで待機だ。……血の気が無くてヨロヨロした女の子と手を繋いで、男は去っていく。
オーウェル/…………。
ジーク/…………。
ユーキ/にゃー。
GM/男が実験室からシーン退場……。する前に、ジークとトンプソンは【知覚】判定で難易度8を。
ジーク&トンプソン/(ころころ)成功。

 GM/扉を開けた先に、オレンジ色の髪の人間が立っているのを見た。

トンプソン/はぁ?
ジーク/オレンジ色の……人間?
GM/ジークもトプさんもどっちも成功したな。2人はそのオレンジ色の人間を見た瞬間、言葉では言い表せない恐怖心に襲われる。そいつは顔は笑っているのに、冷酷で「殺される!」と思わせる光を宿した目に恐怖してしまう。
ジーク/ひえっ。
トンプソン/ぐえっ。なんだあいつ、怖ぇ!?
GM/扉がバタン。見えなくなる。
ジーク/……な、なんか、凄いことをしちゃう人と凄いような人がいたなぁ?
トンプソン/うぇー……気持ち悪ぃ。なんだありゃ。こりゃ早めに退散しないと、さっきより酷いことをされるぞ!
オーウェル/……怖すぎる奴もいたし、早めに逃げた方が得策だ。
GM/確かに、子供を甚振っている男の様子から、あのようなことは日常的にしているような気がした。
ドリス/……うぅ、オレの家にいる彼も……もしかして、ずっとあんなことされていたのかな……。ジークさんだけじゃなく、みんなも助けられないかな……?
GM/それはどうだろうね。……ジークとトンプソンは、女の子が刺されて血まみれになって殺されかけた場所を見れば【幸運】判定難易度8で、『ある物』が光っているのを見つけるよ。
ジーク/完全に、男が去って行った後に……むくりと台から起き上がって、それを見るよ。(ころころ)よし、14で成功!
オーウェル/達成値が高い!
ジーク/光る物と言ったら金目の物!
GM/大正解だよ(笑) 緑色の天然石のアクセサリーを発見する。どうやら女の子が身に着けていた古い装身具のようだ。さっきのザクザクで取れたみたいだな。『イベントキー:緑のアクセサリー』を入手してくれ。この場合は成功したジークが持っていてくれ。
ジーク/やったー! お宝ゲットー! ……これは返してやらなきゃなぁ?
トンプソン/おっ、盗まなかった。
ユーキ/にゃー。
GM/さて、トンプソンは【幸運】判定の難易度10に成功すればドザメット3世のウズマキに入り込んで外に出ることもできる。ジークは出られないけど、トンプソンはユーキと合流することができるよ。
トンプソン/危ないから帰るかなー!(ころころ)よし、成功! 帰るぜー!
ジーク/じゃあねー。
トンプソン/バイバーイ!
GM/トンプソンは町中でふらふらしていたユーキの元に、ウズマキからにゅるっと出てくる。
トンプソン/いよぉーっ!
ユーキ/にゃー。
トンプソン/ジークがどこにいるか全然判らなかった! でもスゲー所だった! ……探すかー!
ユーキ/にゃー。


 ●ミドルフェイズ3/ジーク 〜ダイヤのイベント〜

ジーク/あ、ダイヤが揃った。イベントが発生するよ。
GM/おっと、ジークが揃ったか。……ナゾナゾのリベンジしていい?
ジーク/オーウェルじゃなくて俺がナゾナゾリベンジしていいの?(笑) いいけど、俺はオーウェルほど頭も固くないし。
オーウェル/…………(←言い返したいが事実なので言い返せない)
GM/捕らわれていたジークのもとに渦の巻いた異空間からニョキッとドザザキットが登場。「捕まって暇だよなー? 暇潰しに知恵比べをやらないかー?」
ジーク/うんうん、ありがたいねー。5問正解したらボーナスをくれるのかな?
GM/「おうよ! それじゃあ第1問……!」

 ――ジーク、4問中5問正解。

トンプソン/惜しい! 1問だけ判らなかった!
ジーク/あーあ……でもこれがナゾナゾの無難な正解率だと思うけど。
ユーキ/にゃー。
GM/「正解者のジークにはこれをやるぜー!」 ドザザキットは、ジークに四次元ポケットからかっぱ海老せんを出してプレゼント。
ジーク/やったー。ありがとうー。腹が減ってたんだよねー! ボリボリ食べます。
ドリス/その場で食べた(笑)
ジーク/あ、その場で1人で食べたらヤバイ? じゃあ周りで寝ている人達も起こしてみんなで食べるけど。
オーウェル/いや、それも大問題になると思う……
(笑)
GM/じゃあジークが呼びかけたことで、近くの台で寝かされていた子供が1人……そうだな、小さな女の子が起きる訳だが。
ジーク/あ、起きた。君、かっぱ海老せん食べるー?
GM/女の子はしくしく泣き始めます。「お家に帰りたいよぉ、お父さんお母さん……」って。
ジーク/泣いちゃった。君、かっぱ海老せん食べた方がいいよー? 食べなきゃ元気が出ないしー?
GM/ジークの精神が強すぎてシリアスができない。
オーウェル/ジークは慌てたり焦ったりしないからな(笑)
ユーキ/にゃー。
GM/じゃあ……1D6を振って偶数が出たら女の子は泣きやむけど、奇数だったら落ち着かない。(ころころ)……うん、1だ。泣きやむ筈が無かった。
ジーク/あーあ、やっぱ海老せん1本だけあげるのはケチだった?
オーウェル/1本しかあげないのかよ(笑)
ジーク/ドザザキットから貰った貴重なかっぱ海老せんだよ。ていうのは冗談! 女の子にいっぱいあげるけど、ダメ?
GM/んー……いっぱい食べさせてあげても女の子が泣いているのには変わりないかな。
ジーク/ぼりぼり。なんで君はこんな所に居るの? 何年生?
GM/女の子の頭には、よく見るとツノが生えている。鬼の種族だ。もちろん首には危険な首輪が着けられていて、変な刺青も腕にされていて、というかここに連れてこられている人達は総じてそういうことされているんだけど、とにかく子供大人問わず色んな人外種族を捕らえているらしい。女の子の年は……小学1年生ぐらいかな。
ジーク/さっきから小さな女の子ばっかだな。あの親父、変態か。
GM/いや、女の子以外にもジークより年上とか少年もいるんだけど……前回、男ばっかりだったから今回は女子多めにしてみた。その方がそれっぽいし。
ジーク/女子ばっか捕まえて! やっぱりあの親父、変態だな!
GM/……うん、もういいよ変態親父で(笑) 女の子はどうしてここに居るのか話し始める。家族仲良く過ごしていたとき、突然武装した男達に襲われて、気付いたら変な施設に連れてこまれたという。
ドリス/それって、お父さんとお母さんも捕まっているってこと?
GM/そう。お父さんもお母さんも鬼の種族で、それぞれ違う実験の被験者になるからって別々の施設に運ばれていったって。自分達が人間ではない種族だって知っていたけど、魔法で姿を隠しながら普通に生きていた女の子は「何でこうなってしまったか判らない」と泣きながら話す。
ジーク/へー。何か大変なことしている奴らがいるんだなー?
GM/めそめそ、しくしく。女の子はずっと泣いている。
ジーク/男のお父さんは、ギガースの素体みたいなのにされちゃうのかなー……って女の子には言わないけど思っておく。大丈夫だよ、仲間が助けにきてくれているとこだからー。
GM/仲間が来てくれる、という言葉に女の子はハッと泣きやんで喜ぶよ。奴らに付けられたらしい痛々しい刺青の痕を摩りながらも、貰ったかっぱ海老せんを食べ始める。
ジーク/痛いの? なら≪清浄の使者≫で回復してあげようか?
GM/【HP】ダメージを受けている訳ではないので回復はしないけど……「ありがとう」と礼を言うよ。かっぱ海老せんうまい。ぼりぼり。
ジーク/ぼりぼり。うまいうまい。ドザザキット〜、もっとお菓子をここに居るみんなにあげても良いんだよ〜。って、お菓子そんなに持ってるなら俺の家計の足しにしてもいいんだよ! 食費が浮くじゃん! やったぁ!
GM/前向きだな、まずは自分が家に帰れるか心配しろよ(笑) ドザザキットは「これは茶会のために用意したお菓子だからな! でも茶会がなかなか開けなくて賞味期限が近くなってきたからあげるだけなんだぜ!」と話す。
オーウェル/賞味期限が近いからあげただけかよ(笑)
ジーク/そういやドザエモンズってお茶会をする予定なんだっけ? どんな子達とするの? そろそろそのこと聞いていい?
GM/「それを話すにはクイズに5問全正解したら話すつもりだったぜ! でもジークは1問ミスったからダメー!」
ジーク/ケチー。というかドザザキットはクイズとかナゾナゾが好きなの?
GM/「ああ。なんせ知恵を司る神だからな」
ジーク/へえ。……初耳なんだけど、ドラザキットってそうなの?
GM/ドラザキットじゃなくてドザザキットだ。「頭良いんだぜー、知識や知恵をあげるのが本職なんだよー、今は空気砲を撃ちまくっているけどなー!」 ばーんばーん。
ジーク/ねえねえねえ、それ詳しく! ドザザキットゆさゆさ。抱っこして高い高いー!
GM/「うーわーやめろー! 高いとこコワーイ!」 きゃっきゃと笑いながらドザザキットはジークから逃げ出す。そうしていると外の見張りなのか悪い奴らの足音が聞こえたりするので、ドザザキットはウズマキの中に逃げる。
ジーク/あっ、逃げられた。……ちぇー。そろそろちゃんとそのこと聞いておきたかったんだけどなー。