アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 炎神 』 1ページ ■
2024年2月23日




 ●プリプレイ

桐生(以降、GM)/前やった『冥王卓』みたいに、昔10年前ぐらいにやったシナリオの版上げリメイクバージョンをやります。今回は2014年ぐらいに作ったシナリオのセッションをします。
一同/よろしくお願いしまーす!



 アナザーワールドSRS・シナリオ「炎神」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル9で開始。
 舞台は西暦2000年の日本。PC1は100〜500歳(西暦1500〜1900年生まれ)の人外種族であること。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:守りたい子供  関係:愛情  推奨クラス:稀人

 君は100〜500年前に生まれた日本人だ。
 君が持つ最古の記憶は「ここから逃げなければ」という強い気持ちと炎から逃げていたことだけ。
 それ以前の記憶は無いが、それ以後は不老の人生を送っている。
 そして現代、君は守りたい子供と出会った。穏やかな日々を過ごしていたある日、その子が吸血鬼に襲われたと聞く。
▼セカイのイベント:吸血鬼騒動から子供を守る。
▼コネクションNPC1:守りたい子供。

 現代の子供。PC1と仲良くしている母子家庭。
 社会的地位が低く(小学生〜中学生)、頼りになるPC1のことを兄や姉、父や母のように慕っている人間。
※年を決定すること。日本に生まれている日本人設定ならどの年代でも構わない。不老だが不死ではない(「トドメを刺す」をされたらキャラロストする)。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:守りたい子供  関係:友情  推奨クラス:聖職者or処刑人

 君には仲良しの友人がいる。よく一緒に過ごしていた友人は、最近は家庭の事情で忙しいらしい。
 自分も教会のエージェントをしているので忙しいが、またPC1達と一緒に過ごしたい……。
 そう思っていた矢先、干からびた人間の遺体が次々に発見されるという事件が発生する。友人や家族を守るために動かなければ。
▼セカイのイベント:吸血鬼討伐の仕事に就く。
▼コネクションNPC1:守りたい子供(PC1のコネクションと同一人物)

 君の友人。小学生〜中学生。頻繁に会っていた……が、最近はなかなか会えなかった(学校に来てない、忙しいなど)。
 一般人で、PC2が能力者(エージェント)であることは知らない。

【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:男の影  関係:不安  推奨クラス:闘士or狂戦士

 君は機関の強化人間だ。
 君が持つ最古の記憶は「ここから逃げなければ」という強い気持ちと炎と男の影から逃げていたことだけ。
 それ以前の記憶は無いが、それ以後は「自分は機関から逃げてきた」ことしか覚えてない状態でもなんとか生きている。
 ……とりあえず、「吸血鬼討伐」で動いているっぽいPC1とPC2を頼っていればいいか?
▼セカイのイベント:PC1とPC2を頼って生きる
▼コネクションNPC2:男の影

 君の脳裏に深く刻み込まれた、成人男性のシルエット。
 名称不明。敬意、服従、恐怖など部分的な記憶しかない。何故か忘れられないのに、忘れている。
※オープニングでPC1かPC2に拾われる→仲良くなるシーンをする予定。いつの間にか住み込んでいたとかでもOK。

【ハンドアウト:PC3】
 PC1〜PC3のいずれかから選択する。
 PC1兼用の場合、PC1と一緒に数百年を生きてきた人外種族。
 PC2兼用の場合、PC2と一緒に友人がいるエージェント。
 PC3兼用の場合、PC3と一緒に機関から逃走した記憶喪失。

【その他・注釈】
 英霊禁止。
 全員日本人であり、日本列島に住んでいること。
 PC3は機関ライフパス取得OK。PC1とPC2は機関ライフパス禁止。

 機関が現存しているハンドアウトから判る通り、舞台は2000年初頭の「機関解体事件前」の話。携帯電話の普及率が50%だった時代(NPCが携帯電話を持っているかは五分五分のダイスで決める)で、SNSやブログは無い。
 インターネットが今より敷居が低くない以外はあまり生活変わらないと思われ。物価も経済もさほど変わってない。



プレイヤー1・ぷぇ/ハンドアウト:PC1を選択。
プレイヤー2・MUMA/ハンドアウト:PC2を選択。
プレイヤー3・ピロ/ハンドアウト:PC3を選択。
プレイヤー4・しゅうら/ハンドアウト:PC3を選択。


 赤星(プレイヤー名:ぷぇ)
 クラス:[狂戦士5/稀人4]
  体力:27(+9)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志: 9(+3) 幸運: 1(+1)
  HP最大値:61  MP最大値:28  正気度:7
 分類:人外(MP+4)
 使用命中値:11  回避値:8  行動値:16  物理防御点:0  霊力防御点:0
重要キーワード:人ではないもの  背景:強くなりたい  特徴:人間好きである
ライフパス特技:≪コネ「特命課」≫  スキルウェポンのイメージ:燃える刀身の大太刀
職業:妖怪  性別:男性体  年齢:数えていない  身長:200cm  髪色:煤灰  瞳色:くすんだ赤
 スキルウェポン→≪巨大武器≫
 狂戦士→≪単一化1・2≫ ≪会心の一撃≫ ≪暴食鬼≫ ≪機能維持≫ ≪失われた日々≫ ≪戦神の巣≫ ≪活殺舞踏≫ ≪奈落堕ち≫
 稀人→≪獣の外套≫ ≪却奪:足≫ ≪夢の外套≫ ≪光の一手≫ ≪月の外套≫ ≪突然変異≫ ≪クローゼット≫

▼赤星(あかぼし)の設定
 「応、おれを呼んだか。ここに居るぞ」
 妖怪「油すまし」の青年体。本来無害な妖怪だった筈が、最古の記憶により在り方が歪み、「次は逃げまい」という意志の元、戦う力を身に着けた。
 子ども好きであり、仲のいいNPC(名前:尾ノ松 泪)のことを大切に見守っている。昔ながらの遊びも好き。今どきの“ぼぉどげぇむ”も好き。
 ひとを一人か二人くらい匿えそうな、一軒家を構えている。
 油瓶の代わりに背負った大鞘の中に油を仕込んでおり、抜刀と同時に燃える刀身を成す。
※油すましとは?
・熊本県に伝わる正体不明の妖怪。蓑を羽織り、澄ました顔をしているらしいが他は不明。
・「この辺りには昔、油すましが出たんだってよ」と話す通行人に、「今でも出るぞー」とどこからともなく返事をしてびっくりさせる。ただそれだけの無害な妖怪。
・『ゲゲゲの鬼太郎』では博識で囲碁好きとして描かれている。なお、赤星は遊び好きだが博識ではない。


 閖ヶ島 そら(プレイヤー名:MUMA)
 クラス:[聖職者9]
  体力:16(+5)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:12(+4)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:37  MP最大値:31  正気度:8
 分類:人間(MP+4)
 使用命中値:10  回避値:8  行動値:13  物理防御点:0  霊力防御点:0
重要キーワード:従者  背景:本当は資産家の令嬢だ  特徴:正義感が強い
ライフパス特技:≪L:特技取得≫  スキルウェポンのイメージ:ロザリオ
職業:学級委員長  性別:女子  年齢:12(小6)  身長:148cm  髪色:黒  瞳色:水色
 スキルウェポン→なし
 聖職者→≪聖なる刃針≫≪コネクト≫≪主の恵み≫≪情報隠蔽≫≪特権階級≫≪物品調達≫≪心霊治療≫≪紫神の宝玉≫≪見えざる手≫≪勝利への采配≫≪悔改めよ≫≪式神返し≫≪叱咤激励≫≪白き守り手たち≫≪戦術指揮≫≪献身の盾≫≪深き守り主≫≪審判:悪≫≪審判:善≫
 一般特技→≪コネ「丸丸百貨店」≫

▼閖ヶ島 そら(ゆりがじま・そら)の設定
 母親が大物女優で裕福な家庭。
 母のことは好きだがいつも「あの◎◎の娘さん!」って言われるのがイヤだなと思っていて、母のことを知らなかったNPC(尾ノ松 泪)という少年と仲良くなる。
 閖ヶ島 そら自身のことを認めてくれる教会のお仕事も大好き。熱中していたらいつのまにか9レベルになっていた。
 きまじめな性格。丸丸百貨店に家の担当の人がいて、頼むとなんでも用意してくれる。例えば、≪興奮剤EX≫を急遽8個とか。


 新月 兎花(プレイヤー名:ピロ)
 クラス:[領域遣い1/世界遣い3/アーティスト5]
  体力: 9(+3)  反射: 9(+3)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:13(+4)  幸運:15(+5)
  HP最大値:27  MP最大値:40  正気度:8
 分類:人間(MP+4)
 使用命中値:12  回避値:7  行動値:13  物理防御点:0  霊力防御点:0
重要キーワード:罪人  背景:外が見たい  特徴:保護動物的である
ライフパス特技:≪機関「頭垓 所属」≫  スキルウェポンのイメージ:なし
職業:逃亡者  性別:女  年齢:15  身長:150cm  髪色:緑青  瞳色:柘榴
 スキルウェポン→なし
 領域遣い→≪大地の勅命≫ ≪錬金術師の指≫
 世界遣い→≪逆転運命≫ ≪未来の吐息≫ ≪圧縮された世界≫ ≪禍福のさざなみ≫ ≪君に幸あれ≫
 アーティスト→≪アメノウズメ1・2≫ ≪セケル≫ ≪トート≫ ≪ミネルヴァ≫ ≪ミューズ≫ ≪オンリーワン≫ ≪アトリビュート≫ ≪トランキライザー≫ ≪マイガーデン≫ ≪ラブモーション≫
 一般特技→≪興奮剤EX≫

▼新月 兎花(にいげつ・とか)の設定
 頭垓に所属していた実験体の少女。実験体にされていたのも何か罪を犯したため、らしいが本人は覚えていない。
 よく覚えてないがもう一人のPC3と一緒に機関から逃亡したらしい。しらんけど。
 物を作ったり、隠れ家を創ったりするのが得意。
 正体は、月で餅を突く方の兎。餅をつまみ食いした相棒が地上に下ろされた後、同じく餅をつまみ食いして罰として地上に落とされた。
 その後、機関に捕まり実験体にされたのだが本人はハンドアウト通り記憶を失っているので覚えていない。


 綿貫 翡翠(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[闘士1/イレギュラー8]
  体力:13(+4)  反射:19(+6)  知覚:18(+6)
  理知:12(+4)  意志:12(+4)  幸運:18(+6)
  HP最大値:64  MP最大値:25  正気度:12
 分類:人間(HP+4)
 使用命中値:13  回避値:13  行動値:22  物理防御点:0  霊力防御点:0
重要キーワード:動物  背景:料理だけ上手  特徴:女装をしている
ライフパス特技:≪機関「食導 所属」≫  スキルウェポンのイメージ:銃
職業:脱走者  性別:男  年齢:19  身長:168cm  髪色:茶色+インナーカラー緑  瞳色:翡翠
 スキルウェポン→≪デスブリンガー≫
 闘士→≪命の糧≫≪鳥躍≫
 イレギュラー→≪ソウルデバイス≫ ≪シュテンドウジ≫ ≪ハスター1・2≫ ≪オールラウンド≫ ≪プロパゲイト:血の媚薬≫ ≪カーリー≫ ≪シヴァ≫ ≪インドラ≫ ≪トリックカーズ≫ ≪アシストオーブ≫ ≪マジックコスメ≫ ≪ネゴシエイト≫ ≪クイックコート≫

▼綿貫 翡翠(わたぬき・ひすい)の設定
 前世がたぬきのハイブリッド人間。先祖返りで変身とかできるのかもしれないが記憶がないので今はちょっと難しいですね!
 元々天足あたりで可愛い愛玩動物人間として売られていました。大きくなっちゃったしオスだったみたいだし、もう売れないね……ということで食導に転属になる。以降は美味しい謎の肉で汁物を作って生きていたけど、そこからの記憶は無いですね! なんででしょうね!
 兎花ちゃんと一緒に赤星さんに頼み込んで「ここではたらかせてください!」ってした。相方が餅をつくそうなので汁物を作ってお雑煮しましょうね! そらちゃんともNPCの子とも仲良くしたい!




GM/それでは『アナザーワールドSRS』シナリオ「炎神」第1回セッション、よろしくお願いします!
一同/よろしくお願いします!
GM/オンセやるの久々すぎて操作を間違えそうで怖い。
プレイヤー3・ピロ(以降、兎花)/オンセのBGMがFF6だ!(笑)
GM/はい。BGMはFF7リメイク2が楽しみなFFシリーズです。
兎花/いいですね〜。パッと見、セッション画面が赤星さんハーレム状態でかわいい。
GM/だが男だ。
プレイヤー4・しゅうら(以降、翡翠)/翡翠は男です。
プレイヤー2・MUMA(以降、そら)/男だから良い、良いのです。ヘキに刺さりっぱなしです(笑)
プレイヤー1・ぷぇ(以降、赤星)/男女比率トントンなのに実際は男、かわいいねえ(笑)
GM/ハンドアウト公開時にも言ってますが、このシナリオを作ったのは2014年で、今日は10年ぶりの再プレイになります。なので目新しいシナリオじゃないです。
兎花/今リメイクブームだから無問題!
翡翠/『忍たま』も映画やるって情報あったし、10年前に思いを馳せますね。
GM/『ゲゲゲの鬼太郎』も『ガンダムSEED』もやってるし、10年前ってことを念頭に置いてやってください。なお、同期は『悔いなきセレクシオン』『春を呼ぶ円環』『ダブルダウン』『ハルスの悲鳴 雫卓』だそうです。
そら/(←セレクシオン参加者)セレクシオンが10年前!?(笑) 10年前、つい最近では?
赤星/(←ハルス参加者)マジかぁ、怖い話をしてる(笑)
兎花/まだ比較的、徹夜ができた頃だ。
翡翠/若かりし頃じゃ。卓ゲーやった後に卓ゲーしてた時代です。老人卓みたいになってきちまった。
兎花/やめよっかこの話。
GM/今日のPC達、みんな若いからイケる。小学生と妖怪だし。
そら/PCは若い、【体力】が5もある。
赤星/外見は若い、【体力】が9もある(笑)
GM/たぬきとうさぎだから体力もある。それでは、『アナザーワールドSRS』シナリオ「炎神」、始めます。


 ●オープニングフェイズ/赤星 〜逃げた先〜

 君は炎から逃げている。
 次々に燃えていく木々を抜けて、生きる為に逃げている。
 生きねば、という意思が尽きる事はなかった。体が傷つこうが、疲労で足が上がらなくなろうが関係がない。最古の記憶の中の赤星は、逃げていた。
 「逃げなさい」 その声に則り、死にたくないから、生きようとしていた。


赤星/ホットスタートだな、燃えてるし。……荒い呼吸で成すすべもなく、ひたに足を動かしていた、そんな記憶。

 『イベントキー:愛しい家族』
 PC1・赤星の最古の記憶。「逃げなさい」と言っていた女の手を覚えている。
 母親、姉、妹、同種の恋人など、好きな関係を設定すること。


GM/赤星はその声が誰のものだったか決めてください。
赤星/……同種の恋人にしましょっかね。
GM/恋人ですか。……赤星は恋人の女に「逃げなさい」と言われて、逃げました。何に逃げろなのか、今となっては350〜400年前のことなので覚えてない。多分逃げなきゃ生きられないからだったでしょうね。
赤星/……きっと一緒に逃げようともしたのかもしれない、でもそれは叶わなかったのだろう。こうして一人落ち延びているのだから。記憶の中の自分はどれほど悔しかっただろう、無力感に苛まれていただろう。記憶も薄れるような大昔だけど、その光景だけは今も焼き付いている……。
GM/自分の最古の記憶は、1600年ぐらいのことです。油すましが江戸中期の妖怪らしく、江戸中期というのは西暦1600年からのことを差すらしいので。
兎花/1600年……関ヶ原だ。
そら/あ〜、関ヶ原。その時期かぁ。
翡翠/大炎上している場所もありましたね。
GM/あのときはSNSが大祭りでしたね。
兎花/つか関ヶ原の戦いってたった400年前の出来事なんだよな……。三成〜! がんばえ〜!
GM/#三成 #応援 #ハシビロコウ
兎花/ハシビロコウ!?(笑)
GM/あれから約400年、君は色んなことを記憶して生きてきた。妖怪である君はこの激動の日本を過ごしてきた。あんなことこんなことあったでしょう。
赤星/400年前……長いようで、歴史の中では短くもあるか。戦争とかあったもんな。
兎花/明治以降が激動すぎるんだよ、日本史。
翡翠/総理大臣もすぐ変わるしな。
そら/総理大臣なんて覚えられない、覚えたらクイズ王。
赤星/けど、どうにか現代に馴染んだ油すましです。
GM/そんな中でもここ20年ぐらいは落ち着いて腰を置く場所を見つけられた。現在は妖怪的にもつらかった時期を過ぎた頃……「油すましっていうのいたんだってー」
赤星/今でもいるぞ。SNSで「油すましとか今はもういないじゃん」って呟きに「今でもいるぞ」ってクソリプ飛ばすくらいには現代に馴染んでます。
翡翠/クソリプ判定になってる!(一同笑)
兎花/そういうアカウントなんだな、アボカド警察みたいな(笑)
赤星/田端でバタバタとかサイゼ警察とか。FF外からごめんな。
そら/油すまし警察だ(笑)
GM/シナリオの舞台は地方都市、都会すぎない田舎すぎない市です。畑もあるし裏山もある、ドラえもんみたいな感じの街です。
赤星/平屋の一軒家もって暮らしてます。
翡翠/夢のマイホームじゃん、いいな(笑)
赤星/身分とか偽って人の暮らししてます。税金も払ってるよ。
兎花/納税してる妖怪……?(笑)
そら/経済を回す妖怪、偉い。
翡翠/下手したらそこらへんの人間より偉い。
GM/君がその街に過ごし始めて数年……何気なく訪れた場所、ある新築の家の前に、男の子が座っていた。

 GM/ここには昔ながらの邸宅があったが、古かったこともあり新築になった。ぴかぴかの一軒家の前に、男の子が座っている。

赤星/……ん。うすらでかいのがふと立ち止まって見下ろす。どうした、人の子?
GM/「わっ。えっと……うち、新しく造り直したんですけど。全部にオートロックの鍵が掛かっていて、僕いつものくせで鍵無しで出かけちゃって……」 最新のお家になったので入れなくなっちゃったそうです。
そら/あぁ〜、引っ越したてあるある。
GM/無理矢理に開けようとすると警報とともに大騒ぎになるそうです。だから無理に入ろうとしたくないらしい。
兎花/セコム来ちゃう。
赤星/おーとろっく、か。ふむ。つまり締め出しをくらったというわけだな。
GM/昔ながらの家慣れしてたので、最新慣れしてないらしい。「そのうちお母さんが帰ってくる筈だから……仕事終わるの、今日は9時って言ってたからいつもより早いし」 お母さんはキャリアウーマンらしい。
赤星/9時って、夜ではないか。否、否よ。子どもがそんなに遅くまでいては良くはない。
翡翠/お母さん、絶対に月残業時間40時間超えてるやつ(笑)
兎花/いっそセコム呼んだ方が早くない!?(笑)
赤星/よう、子どもよ。こうはしないか。どっこいしょ、と目線を合わせるようにしゃがみこむ。
そら/子どもに目線合わせるの、大事!
赤星/良ければうちに遊びにくるか?
GM/現代だったら警戒しなさい……とか言われるけど、彼は「え、いいんですか?」と嬉しそう。君は善意で優しくしてくれるとすぐ分かったのだろう。
赤星/うちには色んなげぇむがある、おせろもとらんぷもある。てれびげーむ、とかもあるぞ。
翡翠/現代の文明取り入れてて良いな(笑)
赤星/9時まで暇を潰すにはもってこいだ。悪い話じゃなかろ?
GM/「……もしかして、聞いたことあるかも。ゲーマー妖怪!」 ファミコンを子供達を呼んでやってたじいさん的な。
兎花/「あそこんち、色んなゲームがあるんだぜ!」と近所で噂になってるやつだ(笑) ポケモンの交換とかやってた。
そら/「あそこんち通信ケーブルあるってさ!」(笑)
赤星/絶対噂になってた(笑) そう、己こそゲーマー妖怪の赤星だ。人の子、お前さんは?
GM/尾ノ松 泪(おのまつ・るい)
赤星/泪か、覚えやすくて良い響きだ。新作のゲームを手に入れるたびに「遊びにくるか!!」とかやってたよ。アーマードコアとか。
兎花/闘争を求めてんじゃん(笑)
GM/それが2人の出会いです。それから泪との付き合いはたくさん。尾ノ松という家の一人息子の彼の親は忙しく、真面目な子で勉強が得意。でも遊びも楽しいという子でした。
赤星/歴史の宿題が出たら手伝ってあげたりする。関ヶ原以降は任せろ。
GM/鎌倉室町は勘弁。
そら/しかし徳川将軍の治世を見てきてるのは強い……!(笑)
GM/泪は特にひきこもりという訳でもなく、お友達も多いし、近所付き合いもできる男児です。よく一緒にいる女子のクラスメイトもいます。
赤星/おっ。があるふれんど、というやつだな?
GM/そんな女子のクラスメイトとのオープニングを始めます。
そら/はーい!


 ●オープニングフェイズ/そら 〜クラスメイトといっしょに〜

 君には仲良しの友人がいる。君が通う小学校のクラスメイト、尾ノ松 泪だ。
 200×年11月1日。学校の先生が、今月の課題について話し始める。


そら/200×年……アッ、平成だ! 平成!
GM/平成です。『ガンダムSEED』とか放映してた頃です。
兎花/あんなに一緒だったのに……。
そら/ずっと一緒だし! ずっと一緒だし! 泪とは仲良し!(笑)

 「グループ学習で『みんなが住んでる場所のこと』を調べて発表してもらいます」
 グループ学習。一人で調べ物をするのではなく、2人以上でテーマを決めて大きな紙にまとめてみんなの前で発表する授業だ。
 A1サイズの模造紙に調べたものを手書きし、発表する。他の友人たちは「この小学校が開校した当時について」とか「街の流れてる河について」とか「人口の変移」を調べようとしていた。


そら/ふふ、探求学習の走りだな。まかせろ! 当然のように泪と同じグループになるわけです。
GM/空気の読めないジャイアンとスネオが「閖ヶ島はお母さんのこと発表すればいいんじゃないか、みんな見てくれるよww」「調べなくてもみんな知ってるwww」とか言います。
そら/……む、と口を尖らせます。プイッと無視。小6女児なので。
兎花/「ちょっと男子〜! そらちゃんイジメないでよね〜〜!」
翡翠/「そうよそうよ!」
GM/そらの設定を見たらこういうロールは必要かなって(笑) では、泪はジャイスネに「調べなくてもみんな知ってるならいいじゃん」と言います。「テレビ見ればいいよ。今度の××に出るからそれ見なよ」とかあしらう。
そら/ベストフレンド! 一生一緒にいよって思いました! テレビに出てるお母さんが一番かっこいいから、テレビ見てね。どやぁ……。
赤星/どやぁ、かわいいのう(笑)
GM/泪はのび太にはなってくれないようです。どっちかっていうと静ちゃんポジションだ。
翡翠/わかる、聡明で可愛らしい(笑)
そら/いつも守られてるけど肝心な時にはわたしが守らなきゃ! 俺がのび太だ!(一同笑) テーマ、何にしよっか? 地理の変化は調べやすいと思うけど……興味あることの方が楽しいよね。
GM/「そらちゃん。僕、昔、もう亡くなったおばあちゃんから郷土史をいくつか話してもらったことがあって……確か、数百年前ここでは合戦の地になったことがあるとか、埋蔵金みたいなお宝がいるとか話してたんだ」
そら/ふんふん、博識なおばあちゃんだね? 郷土史なら市立図書館にたくさん資料があるかも。
GM/「うん、図書館とか知ってる人とか探してみたりしたら面白いかも。そういうの見てみるの……そらちゃんは、どう?」
そら/わたしも興味ある。調べてみよ!
GM/やったー。そう2人で相談していると、先生が「発表は月末の30日です。1ヶ月間頑張りましょうね」と言います。1ヶ月もあるからゆっくり調べられるよ。
そら/一番良い発表にして優秀賞を貰おう!
GM/「うん!」
そら/いっしょに帰ろうね。いつもそうしてるけど。
GM/「もちろん!」 泪は了承の顔。そして先生は最後に、こんなことも言います。「毎日言っていることですが、皆さん登下校は気を付けましょう。保護者会や先生も見回りをしていますが、危険な所に一人で行ってはいけませんよ」

 『イベントキー:依頼』
 PC2・そらは教会から「吸血鬼討伐」の仕事があることを聞かされている。
 肉を食らい、血を吸われる事件が発生しており、犯人の異端は未だ討伐していない。発見次第討伐を頼むとのこと。


GM/教会のエージェントへの伝達です。もちろん一般人たちは吸血鬼の異端なんて知らないので、「夜間襲われる恐ろしい傷害事件が起きているので注意しましょう」と警戒を促しています。
そら/あっ……なるほど。キケンなタイプの吸血鬼が出ている。守らなきゃ。もし出てきてもわたしがついてたら吸血鬼のダメージなんてカッキンだ。
翡翠/頼りになる!
GM/赤星は教会のエージェントではなくても噂話や、知り合いのそらから聞いたとかで吸血鬼騒ぎがあるって知っていてもいいですよ。
赤星/ふむふむ、そらちゃんとも顔見知りだと思うのでその辺りは耳に入れてる筈!
GM/「図書館に行くとか、物知りの人に聞いてみるとか……1ヶ月あるけど色々調べたいね」 そう話しながら下校する。
そら/図書館の郷土資料コーナーに行けば調べられるし、小学生でも読める資料を司書さんに聞いてみたり……あとは、この辺りにに詳しい人に聞くとか。誰か心当たりある?
GM/「えっと……あっ、あの人! 僕の家の近所に住んでるあの人に聞いてみたら何か教えてくれるかもしれない。ずっとアパートで勉強してる人で……ずっと勉強してるから物知りでたまに勉強の息抜きに散歩してる……あっ」 誰かあっちの道から来ます。
そら/誰?
GM/小池勉三さん(仮)です。
そら/誰!?(一同笑) 「赤星さんに繋がるのかな?」って勝手に予想してたのに!?(笑)
GM/ラーメン大好き留年生っぽい男です。泪の知り合いらしいです。(小池勉三になって)「ん〜……あ。元気かい泪くん。……そっちの女の子は?」「えっと、僕のクラスメイトで……」
そら/そらです。
GM/「へー、やるじゃん」
兎花/何が?(笑)
GM/泪はかくかくしかじかとグループ学習のことを話します。小池勉三さん(仮)は「ふーん」とそれを聞きます。「むー、泪くんのおばあちゃんが話してたその……おそらく……時波戸山(じはどやま)のことかな」
そら/じはどやま……?
GM/小池勉三さん(仮)は「じはど。そう、あそこ」 裏山を指差します。標高は低い、ここから数十分行ったところにあるまさしく裏山です。
赤星/聖戦が起きそうな名前の山だ。
兎花/それ(笑)
GM/「あそこ、一部だけハゲ山になってるんだ」 ある一区画だけ、円形脱毛症みたいに木々が生えない場所があるそうです。
そら/なんて可哀想な山……!
翡翠/憐憫を誘う山(笑)
兎花/誰か塩でも撒いた?(笑)
GM/「UFOが停まったから変な宇宙物質のせいで木々が生えないんだとか、夜になると狸が集会をしているとか、逆に動物が怖がってあそこだけは何も近寄らなくて特殊な電磁波が出てるとか……深夜番組のネタに数年に一度なる所だよ」
そら/アヤシイ!
兎花/ムーとかでも特集されるとこだ。
GM/「行ってみたら面白いと思う。ただし、行くなら大人と行きな」 PCだから問題無いけど勉三さんは小学生相手に常識的にそう言います。
そら/あっ、小池さんちゃんとした大人だ(笑)
赤星/いい大人だな……。
GM/能力者のそらはともかく、一般人の泪は単独登頂はおすすめしません。もちろんそんなの勉三さんは関係なく女の子のそらちゃんにも言ってるけど。(泪になって)「じゃあ……赤星さんなら一緒に行ってくれるかな?」
そら/泪の発言に目から鱗! 行ってくれそう。お願いしよ?
赤星/いいよ。ゲーマー妖怪ならバイト以外は暇してっから!
兎花/バイトしてるんだ?(笑)
赤星/生活ありますけえの。
翡翠/えらすぎる(笑)
GM/「来週の土曜とか日曜とかに行ってみよう! デジカメを持って写真撮影しに行ったら面白いかもね」
そら/面白そう! 写真資料があると発表がもっと良くなる。一番取れるかも! それまでにちょっと下調べしていこう! 調べ学習への本気度が高い(笑)
GM/計画を練ったり泪の家で調べ物をしたり、「来週も楽しみ!」という約束をしたりします。
そら/楽しみだね! 指切りしました!
GM/そんな訳で……オープニングシーンを終わりにしたいところなんですが、もう少しシーンが続きます。夜になり、そらの家までは数分だし外灯がいっぱいある住宅地、怖くない夜道を泪は途中まで送ります。
赤星/ジェントルだ!(笑)
そら/優しい〜!(笑) 明るい大通りの道だから安全だよね。でもバイバイしたあと偶然勉三さん(仮)に会って泪くんを送っていってほしさはある。
GM/じゃあ偶然ラーメン屋からの帰りの勉三さん(仮)と会います。
兎花/フッ軽だな、勉三さん(笑)
GM/ラーメン大好き小池なので。(小池勉三になって)「そらちゃん、自家製チャーシューを買ったからあげる
そら/あ、ありがとう。いい人だ。警戒を解きました(笑)
兎花/ちょろい(笑)
そら/決してチャーシューにほだされたとかではなく大人として子どもを心配するまなざしとあと名前をちゃんと覚えて呼んでくれているところがですね!(笑)
GM/泪は勉三さん(仮)と一緒に、「じゃあね、そらちゃん」と家まであと数分の所でバイバイしました。
そら/またね、泪くん。ばいばーい。このチャーシューはばんごはんにしよっかな。るんるん!
GM/一人になったとき、突然女の声がする。「話には聞いていたけど、教会はこんな子供をアゴに使わないといけないぐらい金欠なのね。可愛そうに」
そら/……誰? 警戒します。
GM/声がした方を見ると、綺麗な女性が立っていた。自分のお母さんぐらいの年の女性が、そらを見ている。「それとも、やり手のエージェントだから姿形を欺いているのかしら」 教会、エージェント、その言葉で彼女が一般人でないことは分かる。
そら/……誰って聞いてる。きっ、と睨みつける。
GM/「私はモルガン。そう呼んでちょうだい。閖ヶ島そらさん。貴方にお願いがあって来たの。話だけでも聞いてくれるかしら?」
そら/魔女さんが、どうしてわたしの名前……。話くらいなら聞いてあげる。警戒はしています。
GM/ふふ。笑う。
そら/いつでも戦闘態勢を取れるように……。しかしそらにはスキルウェポンがないのである!(笑)
GM/「教会は巷の吸血鬼討伐をこの街のエージェントたちに呼びかけている。貴方もその一人。私はその吸血鬼に用があるの。もし貴方がその吸血鬼を発見したなら、私にその手柄を流してほしい。もちろん報酬は弾むわ」

 『イベントキー:連絡先』
 吸血鬼を発見したらワンコールするだけで駆けつける。


GM/吸血鬼を発見したら討伐しないでこの女に知らせてくれ、その吸血鬼は私が捕まえたいから……というお願いです。報酬は教会の提示したものの3〜4倍の額です。
そら/……報酬にはあんまりキョウミないんだけど。≪特権階級≫のお金持ちなので。貴方は、教会のエージェントじゃない? だからこんな回りくどい手段を取ってる?
GM/「そうよ、教会所属ではない。……貴方を選んだ理由は、貴方が優秀で吸血鬼捕縛の可能性が高いと思ったから声を掛けただけ。これはお願い。強制ではないわ。……吸血鬼は誰かしらに発見され討伐されるもの。だけど私は私の手でなんとか片付けたいの」
そら/……何か事情があるみたいだけど。貴方が吸血鬼の味方じゃないって証明、できる? 横流しして、逃がされたら、たまったもんじゃない。
GM/「証明……難しいわね。……吸血鬼との交戦で力を消耗してるの。本来の力の半分も出せない状態。でも個人的な因縁があるから自分の手で片付けたいってだけ。貴方達が跡形もなく消してくれるなら、それはそれでいいんだけど」
そら/……連絡先は受け取っておく。わたし一人で討伐する訳じゃないから、わたしの独断では貴方を呼べない。あんまり期待しないで。
GM/「頭の片隅においてくれるだけで嬉しいわ。……一応手助けってことで、持っている情報を一つ」 女は写真を見せます。「ここで騒がせている吸血鬼の特徴よ。体のどこかに、このような石が埋め込まれているわ。色はこの色ではないかもしれないけど、参考になればいいわね」
そら/石が……埋め込まれている? ……わかった。参考にする。連絡先はしっかり控えます。小6、夜道で会った怪しい人でも事情をちょっと聞いたら信じがちで危険。
GM/「ふふ、じゃあお願いね」 彼女は去っていきます。何歩か歩いたら、ブンッと霧になるかのように退散。
そら/あ、怪しい……! でもカッコイイ(笑) チャーシューと連絡先をしっかり抱えて足早に帰宅します。チャーシュー丼煮卵付きのオープニング終わり!(一同笑)


 ●オープニングフェイズ/兎花&翡翠 〜逃げた先その2〜

 君たちは炎から逃げている。
 次々に燃えていく木々を抜けて、生きる為に逃げている。
 生きねば、という意思が尽きる事はなかった。体が傷つこうが、疲労で足が上がらなくなろうが関係がない。
 「逃げるな」 その男声に逆らい、死にたくないから、生きようとしていた。


GM/君達は「機関」という研究所に飼われていた実験動物だ。そこでどうにか暮らしていた君達は、思った。「やべえ死ぬ逃げよう」と。
兎花/逃げよう!
翡翠/いつ逃げるの!? 今だよね!
GM/前後の記憶はスッパリ抜けたが多分実験か何かで殺されるの確定したっぽい! なので君達は研究所爆破して逃げた!
翡翠/爆破!?
赤星/爆破したんだ!?(一同笑)
兎花/カチカチ、チュドーン! カチカチ山なう!
そら/自らカチカチ山にしていくスタイル!?(笑)
翡翠/くらえ粉塵爆発! やべ、小麦粉使いすぎた!
兎花/ARMSなんか参考にするから〜!
翡翠/だってARMS最高なんだもーん!
GM/「待てー! うさぎとたぬきが逃げたぞー!」と声を無視して君達は走ります。山奥ずっと走ります。
そら/「アイツらだ! 追えーっ!」
赤星/「そのまま追い込めー!」
GM/2D6してください。うさぎ1D6、たぬき1D6ずつで出目を足すといいと思います。
翡翠/あわーっ!?(ころころ)1です。
兎花/はわー!? 翡翠ちゃんダッシュダッシュ!(ころころ)2です。
GM/2+1、つまり3日間……君達は追っ手を振り払って逃げています。最大で12日間逃げるところでした。
翡翠/3日でも体感長いよう!(笑)
GM/山とか田んぼとか森とか山とかそういうのを抜けてひたすら逃げます。3日経ったら時波戸とかいう山でPC1とPC2に遭いますんで逃げてください。
兎花/あ、あっちになんか良い感じに潜伏出来そうな山があるよ!
翡翠/あのお山! 麓の方はいい感じそう!
GM/その3日間の間ずっと殲の刻という朱指の暗殺者に死ぬまで追いかけられますが逃げてください。
兎花/殲の刻相手に12日間も逃げられたら偉業だよ。
翡翠/生きてる今が奇跡なんですわ(笑) ≪マジックコスメ≫で動物の姿になりながら逃げる!
兎花/道中≪圧縮された世界≫とかで隠れてた! ひいひい!
赤星/生きてるだけで偉すぎる(笑) がんばえー!
そら/ふれーっ! ふれーっ!
兎花/生きてて偉い! 生き残りたい! 生き残りたい!
GM/……一方その頃、赤星は「そらと泪と一緒に時波戸のハゲ山にハイキングをする」という約束をしました。
赤星/子ども達と山登り! 年甲斐なくわくわくしちゃう!
GM/今日はそのハイキングの日です。そらもハイキング支度をしました。
そら/動きやすい服装、デジカメ、ハンカチ、ティッシュ、いざというときの絆創膏、飲み物、備えは万全! カロリーメイトとかも持っていこう、リュック背負ってます!
GM/ところが、当日の直前になって……泪からそらへ電話が入ります。「ちょっと今日は行けない。僕から誘ったのにごめんなさい。2人で行ってきてOKです」
赤星/あれま?
そら/え!? 大丈夫? 体調悪い? 家の事情?
GM/電話の声は何かあったっぽいけど体調不良じゃなさそうです。という訳で、NPCは用事ができて行けなくなってしまったのでPC1とPC2だけでPC3と合流してください。
そら/無理しないでね、ばっちり取材してくるから大船に乗ったつもりで待ってて! ……赤星さーん! 泪くん来れないってー!
赤星/なるほどなるほど。ならば我々でしっかりと成果をあげねばな。
そら/久々にお母さんがゆっくり休み取れて遊園地とか行くことになったかもしれない。楽しんできてほしい!
赤星/うむ。そら、今日はよろしく頼むぞ! はいきんぐ、楽しみにしてきた!
そら/うん。よろしくね。赤星さんがいっしょなら安心!
GM/泪が来られないのは残念だけど、今日はハイキング日和だ。気を取り直して良い天気の山登りに行こうか。
そら/自然いっぱい。街では見ない植物。鳥の声がする〜。
赤星/あ、松ぼっくりがあるぞ。ピカピカのドングリも!」
そら/松ぼっくりは水に浸してカサを閉じてからペットボトルに入れると楽しい。拾っていこう!
赤星/ほうほう、そらは詳しいな! 持ってきたぺっとぼとるが空いたら試してみよう!
GM/時波戸山は標高が低めな山林で歩きやすい山だ。街が近いから山肌からみんなの家々が見えたりして楽しい。
そら/ハイキング楽しい! あの辺が赤星さんの家かな?
赤星/うむ、うむ! あの青い屋根が己の家だよ。目が利くな、そらよ。
兎花/……あっちほのぼのしてる、いいなー(笑)
翡翠/こっちは命を懸けた逃走中だからな(笑)
GM/という訳で……赤星&そらは、ハイキング中に脱走者の兎花&翡翠と出会います。どうぞ。
翡翠/山の奥の方でガサガサやってます!
赤星/……む? 野良のけものかな。
翡翠/ザザザザザザ!
そら/そろそろハゲ山のところ見えてくる……んん?
兎花/ぜえはあぜえはあ!
翡翠/もうちょっと! もうちょっとで人里!
そら/え? ……え?
兎花/人里まで行けば、ってギャアアアアアアアアア!?
そら/キャーッ!?(笑)
翡翠/人!? 人だ! 人じゃない! 人もいる!?
そら/大声にびっくりして叫びつつ赤星さんのうしろに隠れる!
赤星/……おおっ? これ、そこなお子ふたり。そんなに慌てて如何した?
翡翠/わ! わ! わ!?
兎花/あれ大丈夫な人!? こうあの、殲の刻の変装とかじゃない!? 子供の殲の刻だっているかもしれんじゃん!?
翡翠/わかんない! なんか2人ともただものじゃないってぽんぽこセンサーが言ってる! レベル9的な意味で。
兎花/ふえええええ翡翠ちゃんどうしよ〜!?
そら/身長2メートルの赤星さんの後ろからひょっこり顔を出して、目を白黒させてる……。
翡翠/どうしよう!? こんなか弱い子に殺されちゃったら! たぬき汁になっちゃったら!
兎花/うさぎ汁にされたらどうしよう!
赤星/汁にはせん、得意なのは揚げ物だ。
兎花/唐揚げにされる!?(笑)
翡翠/揚げられちゃううううう!?(笑) 兎花ちゃんと抱き合ってパニックになっている!
そら/最近わたし怪しい人によく会う……(笑)
赤星/隠れたそらをよしよし背中に庇いつつ……でも、無害そうな2人の様子に、どれどれとちょっと身を屈める。どうしたんだ、慌てて。ああ、我々ははいきんぐにきたものでな……。
そら/怪しい人は自己紹介をするべき。そら、思う。
赤星/取って食ったりはしないぞ、申して見よ。ちなみに己は赤星という。
そら/そらです。
翡翠/ぼくたちが何者か…? 何者……。
兎花/……何者?
GM/兎花と翡翠は「機関ってところで殺される実験動物でした。逃げてきました」と説明できます。どうして殺されるかは記憶が無いので説明できませんが。
兎花/説明しました。それ以外覚えてないです。
翡翠/小麦粉で爆破してきた記憶しかありません。
兎花/ちょっとそこの山をカチカチチュドンと。
赤星/あぐれっしぶだな?(笑)
そら/粉塵爆発! 『鋼の錬金術師』で見たやつ!(笑)
赤星/機関……聞いたことはある。耳に入ってくるのはあまり良くない噂ばかりだが……つまりそこから逃げてきたのだな、お主たちは?
翡翠/そうなの! ずっとここにいると2人とも巻き込まれちゃうかも! 逃したいけど縋りたいたい! えーん! ちなみに得意料理は汁物です!
兎花/得意料理は餅です!
そら/んっと……危ないところから逃げてきた。危ないところだったから、やむなく爆破してきた、って……コト? この山を爆破する予定はある?
兎花/追手が来たらやむなし。
翡翠/やれる前にやる。
赤星/つまりお主らがその前に助かれば、この山を爆破しなくていいのだな?
翡翠/そうそう。
兎花/つまり助けてください!
赤星/よし、助けよう!
そら/この山が爆破されたら困っちゃう。調べ学習やり直しになっちゃうし。
GM/山が人質にされた。
赤星/幸い、己の家はお子2人匿えるほどの広さがある。
そら/確かに。赤星さんちなら問題ない……かも?
兎花/お家の軒下を貸していただければ≪圧縮された世界≫で勝手に住み着きます!
翡翠/そして働きます! 身を粉にして! 粉になって爆発しないように頑張るね!
そら/粉ジョークだ(笑) ……追手、今も追ってきてる?
翡翠/来てる来てる!
そら/じゃあのんびりしてられない。急いで山、降りよう……こっちだよ!
赤星/退散は早いほうがいいな。実際困っている子らは捨て置けぬ。助けよう。
翡翠/ひいひい言いながらついて行きます!
兎花/良い人に出会えて良かった〜!
GM/そうして数日後。せっかくなので赤星は1D6+3を振ってください。1D6+3日経ったことにします。
赤星/お、数日後。(ころころ)4日経ちました。
そら/おお、4日後!
GM/赤星宅に匿われた兎花と翡翠は、4日間平和に過ごしました。
翡翠/ぼくたち助かったんだあ! ぽんぽこぽんぽこ!
兎花/ひい、やっとひとごこちつけたねえ!
そら/いっぱい様子を見にきます。泪くんには「山で傷ついたウサギとタヌキをみつけて動物病院に連れていったからハイキングやり直し」って言っておきました。
GM/泪に報告OKですし、そらは赤星宅の2匹の様子を見に行ってください。幸い、2匹は殲の刻に襲撃されることなく暮らしています。
赤星/軒下と言わず、部屋の中にいていい。好きに遊んでもいいからな。代わりに掃除や洗濯は手伝ってもらうぞ。
翡翠/なんでも任せて!
赤星/毎食揚げ物が出てきます。
兎花/揚げ物ばっかはバランス悪くない?(笑) お餅もつけようねえ。
翡翠/汁物も必要ですよ。
そら/カチカチ山のたぬきが汁物っていうのドキドキしちゃうな。なので百貨店のお惣菜を買ってきました。
赤星/おお、そら! 旨そうなお土産ありがとう。
そら/うむ、たんとお食べ! 恭しく総菜のパッケージを開けます。
兎花/おいしい!
翡翠/ありがとう! でもお餅も良いぞ。兎花ちゃんが作るお餅は美味しいのだ〜。
赤星/餅はラー油で食べるのが好きだ。
兎花/では隠し味に≪興奮剤≫を少々……。月の兎はお薬も作ってるんですよ〜。記憶無いから知らんけど(笑)
翡翠/豪華な食卓でにっこり、食導時代を思い出しちゃうね! みんな大はしゃぎだ。
そら/2人は……月のうさぎさんと、カチカチ山のたぬきさんなのですか?
翡翠/たぬきは前世がたぬきなだけで、山も燃やしてないしおばあちゃんも汁物にしてないんだあ。
兎花/わたくしもただの人間ですよう。多分。覚えてない。
そら/記憶喪失の人間さんと、安全なたぬきさん……?
赤星/お主ら、記憶ふわふわだな。案外長く生きているとかか?
兎花/記憶は機関に置いてきた。
翡翠/機関こわいとこ。記憶吸われる。
GM/機関というのを聞いて……PC2のそら的には「能力者の能力を研究している会社だっけ?」って認識ですね。
そら/機関ってそんな怖いとこなんだ? へー、安全な会社と思ってたけどなー。
兎花/あん……ぜん?
翡翠/あそこは安全じゃないよう。人も食べるし、動物も食べるし!
そら/……すきゃんだる、なのでは?
GM/いっぱい良い製品を売ってる日本有数の良い会社ですよ。PC1の赤星的には、人外の悪い噂を聞いていれば「なんか、危うい会社とか言われてたっけ……」という認識です。人外コミュニティ的には不穏なところという印象が強い。
赤星/機関なあ。長く生きてるとおっかない話が聞こえてくるばかりでな……。よく生きてあの山まで辿り着けたものよ。
兎花/よく覚えてないけどクソ眼鏡がクソ怖いことは覚えてます。ううううう、眼鏡怖い眼鏡怖い!
赤星/うちには眼鏡は無いから安心せよー(笑)
翡翠/ええんメガネと包丁……怖い!
GM/包丁を持った男に「早くご飯を食べなさい! 茶碗1杯も食べられないのですか! 栄養取らないと殺しますよ!」とか言われました。
翡翠/ひい!? 包丁! 怖い! お料理上手なのに! 怖い!(笑)
そら/んっと……よく判んないけど、怖い思いしたんだね。そら特製の煮卵もあげよう。いっぱい食べて。
翡翠/煮玉子おいしい! ぽんぽこ!
そら/ご飯はよく噛んで、ゆっくり味わって食べるものです。もう2人は、安心してご飯を食べていいのです。ね、赤星さん?
赤星/応、おう、その通りよ。急かす者はおらんからな、ゆっくり食うといい。おかわりもあるからなー。
兎花/ふえええ人参美味しいですう! うまい! うまい!
翡翠/ああ、優しい世界……追加でもう1品作っちゃおう! ぽこぽこ幸せ〜。
赤星/お子2人いて、そらも遊びに来てくれて。我が家も賑やかになったものだ……しみじみ。
そら/赤星さん、寂しかったなら言ってくれたらいいのに。泪くんと毎日来たのに。
赤星/お主らにもお主らの予定とかがあるだろ? 年寄りの寂しさに振り回しちゃいかんと思うてな。
GM/そんな風に4日間、たらふくぽんぽこできました。その間にも夜間に吸血鬼が……という事件があったそうですが、幸いエージェントたちに警戒を呼び掛けているおかげか死者は出ていません。捕縛や討伐完了の連絡は入ってませんが。
兎花/あらあら、そちらも大変そう?
そら/吸血鬼が出る事件が最近あってね〜。教会エージェント以外の人も追ってるみたいでね〜。
兎花/吸血鬼、なんか機関の人が狙って来そうですね。よく覚えてないけど。
翡翠/むしろ機関から逃げたとかありうるかもー、なんて。
兎花/ありそ〜。
そら/安全な吸血鬼もいるけど、この街をうろうろしてるはぐれ吸血鬼は危険。身体に石が埋まってるらしい。見かけたら教えて。
兎花/石が埋まってるんです?
GM/そら独自の情報網によるものですね。
翡翠/なるほど! 詳しいね、そらちゃん!
そら/えへへ。
赤星/身体に石。なるほど、頭に留めておく。
GM/事件は難航気味。そしてもう一つ、心配事があります。泪が学校に来なくなりました。
そら/大事件ですよ!?
GM/赤星も会ってません。なんでも学校には「インフルエンザになったため」という連絡が入ってるとのこと。感染する病気なのでたとえ仲良しでもそらも行かない方がいいということになってます。
そら/インフルエンザは出席停止だから仕方ない! けど、大事件だ!
赤星/心配すぎる……。
GM/もし赤星とそらが行こうとしても、玄関チャイム越しに泪の「ごめん、体調悪いから……」と憔悴しきった声が返ってきます。
赤星/お見舞いも難しいか……?
翡翠/クラスメイトくん、心配だねえ?
兎花/大丈夫? ≪興奮剤≫処方する?
そら/必要なのは≪鎮静剤≫かも……。ドアノブに食料とか掛けて「これだけ受け取って! 早く元気になってね!」って言って帰るしかない……?
赤星/ぷりんとかぜりーとか、ぽかりすえっととかを置いていこう……。
GM/そういうことしてくれるなら、また彼の家に行ったらその食糧が回収されているのを見たりして、ちゃんと居るんだなっていうのは分かります。そしてその日のうちに電話でそらに「ありがとう……」って言ってくれたりする。
そら/電話できるってことは喉がつらくないってことだ。良かった! ちゃんと栄養を摂って、早く治してね……。
赤星/人の子は回復が早いときいてるけれど、流行病は心配だよな……。
GM/そうして……泪にはしばらく会えないまま、赤星宅で2匹を迎えて数日。11月15日まで来てしまいました。