アナザーワールドSRS・リプレイ・ドロリアホロアタ
■ 『 hollow 』 2ページ ■
2011年2月1日




 そんな騒々しい事件は、昼間のほんの数分のこと。
 放課後になり、夜になる。時刻は21時。エルがパブの仕事を終える頃の時間に合わせて、航と盟は『今夜の会場』となる教会に向かった……。


航/おかしいな、パブって夜からが仕事の筈なのにどうして帰れるんだ……(笑)
GM/昔から夜になると従業員のオカンさんが「アンタには小さい子が待ってるんだろ? 早く帰りな!」って言ってるんだよ。
航/航はもう小さくないよ!? ……全長2メートルの人から見たら大抵の人間は小さく感じるだろうけど(笑)
GM/……では、2人は教会で待っている。すると祐希とエルが現れ、全員集合したとき奥の部屋から黒須が出てくる。そして黒須が言う。「予定通り、祐希とエルの能力を消滅させる心霊手術を行う」
航/うん……。
GM/「手術と言ってもメスを入れるものではない。力を封印……消滅させる術をかけるだけだ。……航、お前の望み通り行うが、構わんな?」
航/そのとき、それまでに至った喧嘩などの回想シーンが脳内にバーッと流れます。
GM/……何したの?
航/演出されてないから俺も知らない!(笑)
GM/そうだな……。エルも祐希も、元々一般人になることを望んでいたと思うよ。戦争を離れて10年が経って、今年の戦争もなんとか決着がついた。もう自分達が人間とは違う力を持っている必要は無い……そんな話し合いをしたんじゃないかな。
盟/そのときになんか色々あったのか。……黒須、僕が手伝えることはある?
GM/(黒須になって)「疲れた俺を後で癒せ」
盟/キャーッ!(笑)
航/…………。カッコ良かったけどなんか今、カイルさん臭がしてスッゴイ腹が立った(笑)
盟/判るー! 若干「決まった!」っていう顔をしてたー!(笑)

 GMがドヤ顔をしてたようです。なんかごめん。

盟/でも、「決まった!」って顔をする黒須は愛おしい!(笑) 頑張って言ったのが見え隠れする黒須は好きなんだ……!
GM/じゃあ……言った後に、黒須は目を逸らして眼鏡を上げる、と。
航/マイナーアクションで目を逸らし、メジャーアクションで眼鏡を上げる!(笑)
GM/そんな照れ隠しは置いといて。「行くぞ」と黒須が手術室になる儀式の部屋に入って行くとき、エルも航に「傷付いた俺を後で癒してくれ!」って言う。
航/手術なのに傷付くの?
GM/「……ごめん、黒須神父のマネッコしたの」
航/出来ない【理知】高そうなマネをしなくていいよ。
GM/「うん……。じゃあまた後でね。能力値2以下にしてくる!」
亜紀/ああ、完璧な一般人化だー(笑)
航/……礼拝堂で剣をいじりながら、2人の手術が終わるのを待ってます。
盟/大丈夫だよ、黒須だったらなんとかしてくれる。……明け方にうつらうつらしているときに、戻ってくるのかな。
GM/ではそれぐらいに。2人が椅子に座ってウトウトしていると「こんな所で寝たらダメだよ、起きて……八木沼くんも……」と祐希の声が聞こえる。
航/ん……祐希……?
GM/目を開けて見ると、数時間前と同じ祐希が立っている。
航/……祐希、痛くなかった? 疲れてない?
GM/「どこか不思議な感覚はする。でも……それだけだよ」
盟/記憶はそのままなんだね。……力、全部使えなくなっちゃったんだ。
GM/「もう僕達は使い方も判らない。一般人とか能力者とかどうでもいいんだ。普通に生きていくだけの力がある……それだけで充分だから、僕らは特殊な能力を捨ててもいいと思ったんだよ。だから……安心して……」
盟/そっか。なんか最終回みたいな台詞だね。祐希の「……安心して……」は何か怖いよ(笑)
航/祐希に抱きついて、ぎゅーっとします。
GM/普通の祐希の香りがします。
航/お洗濯物の香りがしそうだ(笑) ……何かあったら俺が守ってあげるからね。祐希にはそう言うよ。
亜紀/……エルには?(笑) 「俺には? 俺には?」ってジーッて兄ちゃんが見てるよ!
相馬/そわそわ! そわそわ!(笑)
航/俺は冷たい反応されてシューンってやってるエルが大好きなんだ。だから冷たい反応がしたくてたまらないんだ!(笑)
相馬/(エルになって)「ワタル! 俺、手を広げてワタルが来るの待ってるよ! 俺も太陽の香りがするよ! そわそわ!」(笑)
航/……じっと待ってます。
相馬/(エルになって)「来ないの?」
航/なんで抱きしめに来ないの!?
GM/(エルになって)「ハッ!? ……わ、わーい!」と航に突撃するエル。ぎゅーと抱きしめてくる力は、普通の男性の力の強さになってます。
盟/(エルになって)「わーい! ぎゅーっとしてもワタルが潰れなーい! 苦しくないっ? 大丈夫っ?」ってぎゅーぎゅーしてるんだろうね。
相馬/力加減、難しかったんだろうな。うっかりしたらプチッとやっちゃうし。
GM/ぎゅーぎゅー抱きしめ合っている中、黒須がキコキコやって来ます。疲れた様子で眼鏡を上げながら「重要な話がしたい。一般人である『お前ら』は出て行け」と2人に冷たく言う。
盟/エルがシュンっとして、祐希が「ほらエル、行くよ……」と連れて行くのかな。(エルになって)「ワタル、後でね?」
航/うん、後でね。……エル達が出て行ったのを見て、黒須先生に頭を下げます。ありがとうございます。
GM/「ああ。……さて、大事な話があるんだ。聖杯戦争の話をするぞ」
盟/……何か、動きがあったの?
GM/「……俺は2月から約半年、聖杯戦争を終結させる方法を探した。そして辿り着いた考えがある。……最も良いやり方と思ったものを言うぞ」
盟/うん。
GM/「……『聖杯を壊す』。その最も短絡的な考えが、一番良い手段だった」
盟/心の中でヤッター!(笑)
亜紀/黒須さんが「聖杯を壊す」って言うなんて、盟ちゃん的には嬉しいですよね!(笑)
GM/現界している7体の英霊を消さずに戦争を終わらせる方法を探した結果、報酬である聖杯を無くしてしまえば聖杯戦争終結になると黒須は考えました。英霊は戦争をしなくても魔力さえ払い続ければ現界し続けられるんだしね。
航/「メダルが作れないのでオリンピックはやめました!」って感じか(笑)
盟/「でも選手の育成は続けます!」みたいな?(笑)
GM/それに……教会の中でも、数多い退魔組織の中でも、『聖杯戦争があるといつもヤバイ事件が起きるよね。いいかげんこんなイベントを廃止した方がいいよ!』と言っている声は、少なからずある。「俺はその勢力をこの半年間……なんとか味方につけることは出来た」
航/おおっ、それは力強い……。
盟/もちろん僕の家は反対派代表だよ!
GM/反対派が動き出せばイベントも廃止せざるをえなくなるから、味方につけたことは武器になります。……でも、反対勢力は全体の半数にも満たないからイベント廃止にはならないんだけどね。
航/魔術師なんて研究と己の欲望の為に生きる人が大半だからね……「事件が起きても続けようぜ!」っていう人がいっぱい居るのは判るよ。
GM/「今回、アヴェンジャーによる一般人大虐殺があった。最悪の事態は未遂で終わったが、それでも多くの被害が出した。それにこの地は、聖杯戦争によって10年前も恐ろしい事件の被害にあっている。反対派は増えていく一方だ。……だが正式に聖杯戦争が廃止されるのを待っていたら、最低でも10年は掛かってしまう。お役所仕事はすぐに動き出さないのが鉄板だからな」
航/……すぐに壊せないなら、参加者の事故で壊してしまえばいいよ!
GM/「ああ、その意見は……悪くない」と黒須は頷きます。「力のある英霊が長時間に渡って戦争を続けている。どのような事件が起きてもおかしくない」
盟/聖杯を壊す……。黒須は、本当にそれでいいの?
GM/「俺は構わない。……2月に俺が監督官でなくなって宿舎を出て行くことになったらお前はどうすると言った。覚えているか?」
盟/……僕の家に来ればいいよって言った。
GM/「それに俺は頷いた。俺は聖杯戦争から離れる気でいるってことだ。……ああ、八木沼の屋敷に行くのもいいが、お前と一緒に別の部屋を借りてもいいな。盟の独り立ちになる」
盟/いやっほー!(笑) ……僕だって壊せるものなら壊したいよ……黒須の一番だったものが在り続けるのは嫌だ。形が残っていたら黒須がもう一回そっちに向いちゃうんじゃないかって不安だもん!
航/……盟ちゃん、なんだかカッコイイよ!(笑)
盟/ありがとう航。黒須の次に好き!(笑)
GM/ノロケ台詞を言ってしまったので、黒須はマイナーで目を逸らしメジャーで眼鏡を上げます(笑) 「さっき航が冗談のように言ったが、短気な俺は事故に見せかけて壊すのは良いアイディアだと思う」……黒須は、聖杯が保管されている場所について話します。今回のループでは初めての話題だね。
亜紀/遺跡のことですね。
GM/「遺跡の場所は知っているな? そこに聖杯が封印されている。聖杯は、厳重なトラップ、結界によって守られている。この結界は英霊が1体昇華されるたびに少しずつ解除されていくが、現在英霊は1体も欠けていない状態だから……」
航/結界は全部生きていて、なかなか聖杯に辿り着けないんだね……。
GM/なお、この結界は[魔術師]の≪鍵の番人≫があれば解除することが可能です。
盟/……持とうと思ったけど結局取得してないんだよな、その特技。
GM/「今回の聖杯は、例外である8体目のアヴェンジャーも召喚した。7つだけの結界である普段の遺跡よりも切り抜けるのが難しいということは、判ってくれるか」
航/……聖杯を壊すのは、いつもの聖杯戦争よりも難しい、と。
GM/「だが我々は聖杯を壊さなければならない。……まずは聖杯を守る結界を壊すんだ。その結界は……『鍵』を使えば簡単に解放できるとされている」
盟/鍵?
GM/「聖杯を守る結界、結界を守る鍵。……鍵を手にし、一時的に結界を解放する。解放すれば聖杯まで直通だ。そこで聖杯を破壊する」
航/裏ルートを開く鍵を探せばいいってことだね!
盟/その鍵はどこに?
GM/「この地から遠く離れた場所にある。少しでも遠くに鍵を隠せば、戦争の舞台となっている場所よりも危険は無いと判断されてのことだろう。……鍵は、亜紀が居るところにある」
盟/鎌倉?
GM/「ああ。偶然にも亜紀が進学のために向かった土地にあるという記述を見た」
航/鎌倉は昔から攻めて良し守って良しの、幕府を置くには大変良い地形だし、大切な物を置いておくのも納得できるよ。
GM/「尚且つ、教会に協力してくれる一族が拠点にしている土地だしな」
航/珍しい一族もあったもんだな(笑)
盟/それって……ああ、古川家か(笑) 将人おじさんが何かやってるんだろうなぁ……義人兄さんは全然知らなそうだ。
航/いきなり義人になって)「異端? ははは、そんなオカルトみたいなことがあってたまるか。なあ、与一?」(一同爆笑)
GM/「鎌倉に向かって、結界を解く鍵を探すぞ。鍵を使って結界を解いた後は聖杯を破壊するのみだ。……破壊工作を事故に見せかける隠蔽は、俺がなんとかやってみせよう」
航/10年間「聖杯戦争なう!」してたらいつか事故が起きるよね……。それに見せ掛けるのか。よし、早く鎌倉に行って鍵を探してこよう! ちょうど亜紀から「夏休みに遊びに来い」っていうメールを貰ったんです。亜紀に言えばきっと手伝ってくれる筈だ!
盟/それに鎌倉に行けば青森もいるし。……青森か、めんどくさーい(笑)
GM/でも、青森さんも反対派の一味でしょ?
盟/絶対「聖杯潰す」って言うよ。
航/……そういえば、藤原さんと相馬さんってどうしてるの?
GM/「あいつらは先に鎌倉に向かっている」
盟/なんだ、心が休まると思ったらあいつらが居ないからか!
相馬/なんでそんなに敵視するんだよ!(笑)
GM/「まとまった話は亜紀や藤原、そのサーヴァントが揃ったときに話そう」……この話は内密にと言います。ちなみに、黒須も鎌倉の旅行について行っていいのかな?
航/保護者同伴なんだから何もおかしくないよ!
GM/そっか、なら旅行について行きます。話が終わって外で待機していた祐希とエルを呼びますか。(エルになって)「おつかれー。お話長かったけど大丈夫ー?」
航/……一般人には言わない方がいいのかな。
盟/しない方がいいよ。旅行に行く話はちょろっとしようよ。
航/そうだね。亜紀のところに行くなら祐希も行くよね!?
GM/祐希は頷きます。(エルになって)「ワタル達、旅行に行くんだ? そっかー、アキくんのところかー。3人仲良く行っておいでよ!」
航/……エルも一緒に行きたいとか、言わないんだね。
GM/「え、だって……祐希とメイくんとの旅行に俺なんかが行ったら邪魔者でしょ?」
航/パーン! ビンタ!(笑)
相馬/喧嘩タイミングだ!(笑)
航/なんでそんな遠慮してばっかなんだよ!?
GM/「だ、だって! 手術したし、俺もう一般人だし! ワタルのお友達同士の付き合いだし、そういう深いところには関わらない方がいいって思ったから……!」
航/なんで普通に生きていけるようになったのに、普通に我儘言ってくれないの!?
GM/「う、うー……。俺……行っていいの?」
航/俺と一緒に旅行したくないの!?
GM/「……ホントに行っていいの? 用意、しちゃうからね?」……もう一度言う。
盟/なんで旅行一つでこんなに重くなるの!?(笑)
航/喧嘩慣れしてない兄弟だからだよ!(笑) スッゴイくだらないことで意地の張り合いするんだよ!
盟/航……押して押すんだよ。年上男は押すんだよ! 既成事実って大事だよ! 約束の取り付けもな!
航/盟ちゃんからのありがたいお言葉だー!(一同笑)


 ●オープニングフェイズ/相馬&亜紀 〜黒い砂〜

GM/相馬さんと亜紀くんのオープニングシーンにいきまーす。……相馬さんは藤原に連れられ、七里ヶ浜と呼ばれる土地にやって来ます。そこは海が近く、自然と人々の暮らしが密着した土地で……。
盟/≪籠脱け≫で行くの? タクシーで行くの? 電車で行くの?(笑)
GM/セレブなんだし、数万円かけてタクシーで行くんじゃない?
相馬/タクシーか。……なあ、藤原よ。コストを少し考えた方が良いんじゃないかのぉ。教会に領収書を切らせるとはいえ……。
亜紀/相馬さんが現代知識を覚え始めてる!(笑)
相馬/これでも藤原の手伝いで色々し始めてはいるからな。
航/半年間ニートだった訳じゃないようだ。……相馬さんって、普段はどんな格好しているの?
相馬/Tシャツジーパン。
航/そこはスーツでカッコ良く決めておこうよ!(笑) ……まあ、夏だし仕方ないか。
GM/藤原さんは夏でもスーツだけどね。タクシーに乗って相馬さんはある場所に到着します。そこは亜紀くんの住んでいる場所なんだけど……。亜紀くん、どんな家?
亜紀/アパートやマンションより一軒家の方がみんなを呼べて楽しいですよね。青森さんと弁慶さんと俺の3人で暮らしているんだし、一軒家でお願いします。
盟/オッサンが用意した家だからな。(青森になって)「いよぉ!」
GM/相馬さんを出迎えたのは、亜紀の声ではなく青森でした。
盟/(青森になって)「ごめんなぁ、オッサンで! 入れよ!」
相馬/う、うむ。上がらせてもらうぞ。
亜紀/青森さん……今、呼び鈴が鳴らなかったんですけど、どうして外に出たんですか(笑)
盟/(青森になって)「ハッハッハ、遠くから紫スーツが乗ってる車がやって来るなっていうオーラを感じたんだよ!」
相馬/紫スーツは禁句じゃ!(笑) 藤原、おぬし……王のオーラがダダ漏れていたようじゃのぉ。
GM/では相馬さんは亜紀くんの家に通される。久々に2人は再会します。もちろんそこには弁慶さんも居るんですが。……弁慶さんの私服ってどんななの?
盟/なんか……シャツに、腰だけのエプロンで料理していそうだ。
亜紀/キャー、弁慶さーん!(笑)
航/開始10分で亜紀くんにご褒美が来たぞ(笑)

 これだから弁慶厨……キャー、弁慶さーん!

亜紀/(テンションが上がりきった声で)お茶淹れるの手伝いまーす! テーブルにどうぞー!
相馬/ふむ、失礼致す。して、此度は如何なる用にて?
GM/「呼んだのは私です」と言い出したのは、弁慶さんです。
相馬/うむ……。
盟/青森はケーキを食べてます!
亜紀/相馬さんにはケーキ3つ用意しましたのでどうぞ!
相馬/かたじけない! もっくもっく!(笑)
盟/(青森になって)「だがオッサンは既に5つもケーキを食べているからなー! いやぁ、最近ここのケーキ屋にハマっていてさ!
GM/「私はランサーを倒しました」
盟/「もぐもぐ!」…………。なんか、オッサンと相馬さんがケーキで争っているときに重要なこと言ったな?(笑)
亜紀/ええ、GMがサラッと重要なこと言いましたよ!(笑)
相馬/す、すまん!(笑) ……なんじゃと、と聞き返します。
GM/「2ヶ月前からこの地に『黒い砂』なる物が降っているという話は聞いておりますか」
亜紀/……ああ、リアルで『神奈川で謎の黒い砂が降った』ってニュースがありましたよね。
GM/うん、それが元ネタです。火山灰や黄砂、隕石や飛行機から降ってきたなど様々な理由が考えられたのに結局は原因不明の、『謎の黒い砂が降る』という事件がありました。
盟/あったなぁ、そんな事件……特に人に害が無いそうだからあまり問題にならなかったらしいけど。
GM/「ええ、確かにその黒い砂は人に害を及ぼさなかった。しかし、どうやらその砂は……一定量溜まり積もったときに、合体し形になり、魔物として変化したというのです」
相馬/合体して変化?
GM/「ええ、その魔物が人を襲う事件がこの1週間で2件生じております」
亜紀/うわっ。や、ヤバくないですかそれ……。
GM/「黒い砂は数センチ以上積もったとき別の作用が働き、合体します。ですが風が吹けば砂は吹き飛ばされます。……始めは問題無いと思われていましたが、降り積り始めて数ヶ月経ったある日、とても危険性の高いものだと発覚したのです。……例えば森の奥底。風も吹かずに積り続ければ……」
亜紀/……魔物が大量に生まれてしまう。
航/……森じゃなくて、岩場や海の底にも溜まって魔物が巨大化するとかあるんじゃ?
盟/ありうる! (青森になって)「人が住んでいれば積もらないから平気だけど、必ず吹き溜まりになる場所はあるから……次々魔物は生まれちまうな」
GM/「ええ、恐ろしい話です。ですが、それだけではありません。……その魔物、どのような形をしていたかと言うと……私に似ていました」と、弁慶さんが言います。
相馬/な、なにっ?
亜紀/……黒い砂が合体して生まれた魔物が、弁慶さんにそっくりだった?
GM/「ええ、私と同じ姿をしていた。私そのものだった。攻撃手段も同じだったのです」
盟/(青森になって)「……聖杯戦争と何らかの関係がある? もしくは、その場に居た強いものに形を模した……?」
GM/「そして、これが最も重要で気がかりなことなのですが……」と言いながら、弁慶さんは相馬さんを見る。
相馬/うぬ?
GM/「貴方は気付きましたか。本当に些細なことでしたが……」 では、相馬さん限定で【幸運】判定をお願いします。難易度は10。
相馬/(ころころ)……出目は5、達成値は9です。しょぼん(笑)
盟/藤原さんからの令呪を使っておく?
相馬/いや、ここではまだ使わないでおこう(笑)
GM/では藤原さんが信じられないといった顔をして言います。(藤原になって)「まさか……あの日の『アレ』は、本物の昇華だったというのですか!?」
相馬/昇華? ……どういうことじゃっ?
GM/(弁慶になって)「私はランサーに似た魔物と抗戦し、激闘の末、討ち破りました。そのとき……まるで1体の英霊が昇華したときと同じ感覚が湧き上がったのです」
相馬/な……なんだと!?
GM/藤原さんが口を挟みます。「私もそのような感覚に気付きました。だがとても小さなものだった。黒須柊も『誰も英霊は欠けていない』と仰ったので、気のせいかと思っていたのです……」
相馬/……英霊達は誰も消えていないというのに、1体昇華されたように感じた……?
盟/でもみんな、楽しそうに暮らしているよな?
GM/もちろん。ジャックさんも楽しそうに鎌倉旅行の準備してるし、弥生だって水着をるんるん用意してるよ。
相馬/女の子用の水着を用意してるのか、キャスター……(笑)
航/スクール水着じゃなくて良かったね。いくら男の娘でもしんどいぞ(笑)
亜紀/倒されて昇華された……ってことは、聖杯に溜まってるんでしょうか?
盟/(青森になって)「聖杯に、英霊の魂と同じものが溜まっている可能性が高い? 偽物が入って歪まないか不安だよな」
亜紀/偽物でも、全部昇華されたら聖杯は完成……するんでしょうか。
盟/(青森になって)「誰かが聖杯を完成させるために、偽物を作った……っていうのか?」
GM/「判りません。偽物が生じたことも問題ですが、偽物の魂を聖杯が取り込んでいることもおかしい話。……これは話し合わなければならないことです。黒い砂は今もまだ降り続けている。また黒い魔物が生じる可能性が高く、黒い魔物が英霊の形を模すのかもしれない。その英霊を倒し続ければ……昇華が進むのかもしれない」
盟/(青森になって)「弁ちゃん、最初に『2体魔物が出た』って言ったよな。もう1体は?」
GM/「……逃しました」
盟/(青森になって)「姿はどんなだった?」
GM/「アーチャーにとても似ていました」
相馬/そういえば、アーチャーは今は?
GM/藤原邸でお留守番です。カロンおじいちゃんとベイブレードのDVDを見てます。
相馬/お父ちゃん達が居ない間に全部見ちゃうんだもんねー! 夜更かしもしちゃうんだからねー!」って言ってそうだ……(笑)
GM/ではそのとき、藤原の携帯電話が鳴ります。藤原は携帯のメールを見て……「どうやら、黒須柊達もこちらに来るそうです」と言います。「彼らが来たときにまとまった話をしましょう」
亜紀/ああ、俺も航達に夏休みになったらこっちに来いって約束したからきっとみんな集まりますよ。
盟/(青森になって)「おお、秤谷の遺伝子も来るのか
亜紀/航をそんな目で見ないでくださいよ!(笑)
航/『そんな目』が性的とかじゃなくてコレクション欲っぽいのが気持ち悪いよ!(笑)
盟/大丈夫、青森は渚さんの息子の成長を楽しく見守っているだけだから! 観賞欲だけだから!
相馬/どっちにしろ、あまり航には好ましいものではないな……(笑) 藤原、黒須から来たというメールを見せてもらってもいいかのぉ。
GM/「どうぞ」……ただの事務的なメールですが?
相馬/む、文字が小さい。もう少し字を大きくできんのかのぉ。あ、電源切っちゃった。すまぬ、どうやって元の画面に……。
盟/お前はお父さんか!? もしくはおじいちゃんか!?(笑) ……なんか、青森って女子高生のごとく早く携帯打ちそうだよね。
GM/青森はジャーナリストさんだもの、外で活動するから携帯ぐらい使いこなさないと駄目でしょ。
盟/ああ、多分スマートフォン持ってるね。……相馬さん、黒須が真っ先に藤原さんにメールしたことにモヤモヤしていいんだよ!(笑)
相馬/してるよ! 実はモヤモヤしてた!(笑) う、うむ、まずおぬしに連絡が行くのか、あの神父は……。
GM/(藤原になって)「主従ですからね」
盟/(青森になって)「そういえばお前ら、宿は決まってるのか?」
相馬/うぬ? これから探すつもりじゃ。
盟/(青森になって)「なんならウチで生活するか?」
亜紀/部屋、余ってそうですしね。和室もありますからそこにお布団を敷きましょうか。
相馬/これからまた客人が来るのじゃろう? ワシらは経費で落とせるから心配をしなくてもよいぞ。
亜紀/教会の負担を少しでも減らそうとしてくださいよ!(笑)
盟/その負担を処理する黒須の気持ちにもなれよ! 上層部から「なんでこんなに経費が多いんだ」って責められてる黒須とか考えろよ!
航/知ってるか。聖杯戦争って事業仕分けされて経費が減ったんだぞ。
相馬/そ、そうだったのか!?(一同爆笑)
亜紀/海の眺めも良いですし、ここで泊まっていっていいですよ。2人で使えるお部屋を用意しますね。お2人御一緒でそれでいいですよね?
相馬/当たり前じゃ!
盟/(青森になって)「エッチなこと、禁止だからなー」
相馬/ぎ、ギリッ!(笑)
GM/(青森になって)「でも、供給は仕方ないよなー!」……っていうか、全カップル分部屋が用意出来る一軒家なのか。青森さんの仕事部屋もありそうだし……良い物件を探してきたねぇ。
盟/息子の為に用意した、将来を見据えた二世代物件です。俺が税金とローン払った一軒家だからな!
航/神奈川県のクソ高い税金を……って、二世代って「青森さんと弁慶さん」って意味か!?(笑)
盟/そうだよ。ああ、埼玉は安かったなぁ……でも新座のあのマンションは『パラつば』のメンバーの為に残してある……家賃収入しようと思ったけどさ!(笑)
相馬/(いきなり村上昌幸になって)「ヤだヤだ! オッサンの部屋、残しておかなくちゃヤだー!」(笑)


 ●ミドルフェイズ1 〜全力で遊べ!〜

GM/とっても青空が綺麗な7月の晴れの日。夏休み。航と盟ちゃん一同は、亜紀くんの誘い通り鎌倉駅を降り立ちました。さあ、好きに合流して家まで辿り着いてください。
航/着いたーっ!
亜紀/おーい航、こっちこっちー! 大声で航達を呼びます! 大きい人がいるから目立つだろー!?(笑)
相馬/おーい、こっちじゃー。
盟/わっ。ホントだ、ホントに相馬がいたー!
相馬/ホントにって何じゃ。私服姿のワシじゃぞ。アジダスと書かれたTシャツを着て現代に馴染んでおるぞ!
盟/な、なんか、服装がダサイ!?(笑)
相馬/なんじゃ、この格好はいかすじゃろう!?(笑)
亜紀/相馬さん……今度、甚平を買いましょうか(笑)
相馬/あれは職人の作業着だろう。
航/現代では甚平は寝巻として使われてるんだよ。
相馬/寝巻で出歩くのも如何なものか。
盟/なんでそんなダサイ服を着てるのに感覚がマトモなの!? ダサイのにどうツッコんでいいか判らなくなっちゃったよ! だってダサイよ!?
相馬/ダサイダサイ連呼するでない!(笑)
航/全てを無視する勢いで)亜紀、久しぶりー。ぎゅー!
亜紀/わーい航ー。じゃあみんな集まったところで、江ノ電に乗るよー。
航/はーい。……なんかすっごく、電車が短いね。
盟/ねえ、電車のホームが半分ぐらいしか無いけど、大丈夫なの? 電車が電車とも思えないスピードで走ってるんだけど……。
航/わあ、メッチャ民家の横を通ってる……と思ったら、海だぁー!(笑)
盟/わー! 航、そんなにハシャぐなよー! わくわくーっ!(笑)
航/良い景色だなー! わあ、浜キレー! ……内陸生まれだから海なんて滅多に行かないし、超テンション上がるよね!
盟/都内の海なんて楽しくないもんね。海浜公園は泳げないし、砂浜ってあんまり見たことないよ。
航/わー! すげー! 水平線だー! サーファーがいるー! ……そしてジャックさんが真っ先に砂浜をダッシュしたー!(笑)
亜紀/じゃあ電車を降りて浜辺に行ってみようか。
航/途中下車しちゃってたね!(笑) 稲村ケ崎で江ノ電を降りて、歩いて七里ヶ浜まで行くつもりなんだよ。
亜紀/おーい、ちゃんと水着は持ってきたかー?
盟/……うん、弥生に用意させられたよ。
航/そんな弥生は麦わら帽子に真っ白いワンピースが可愛いです。バスケットを持って日傘を……。
盟/(弥生になって)「ガングロって僕的にはナイから日焼け対策はバッチリです、盟さん!」(笑)
航/ガングロって……エル兄ちゃんのことか(笑)
盟/エルがボード持ってると、どう見てもサーファーにしか見えないよね(笑)
相馬/でもサーフィンなんて高等なことは出来ないから、でかいビート板にしか見えない(笑)
航/兄ちゃんって泳げるの?
GM/エンキドゥの獣成分で泳げるよ。
航/犬かきだー! なんか犬かきで物凄いスピード出して泳ぎ始めたー?!(笑)
盟/早く海に下りようよーってことになったんだね。……サンダルを外して、浜辺をシャランラと歩く弥生!(笑)
相馬/おー、白ワンピが絵になるのぉー(笑)
盟/一方、盟はサンダルに砂が入ったようです。うわぁ、歩きずらいっ!(笑)
亜紀/もうサンダル脱いじゃったら?
盟/そうしよっかな……。あ、でも車椅子の黒須は浜辺には行けないんだ。どうしよう。
GM/そこは黒須も大人だし「行ってこい」って自分を気遣わないようにするよ。祐希も「行っておいで……」って言ってくれるだろうしね。
航/これはみんな荷物を黒須の車椅子に置いて遊びに行っちゃうよ。
GM/保護者の役割だと判ってる黒須は待ってるよ。「みんなで楽しんでこい」って言ってくれるさ。
盟/う、うん。ごめんね黒須、遊んでくる! ひゃっほーい!(笑)
亜紀/わー! 貝殻ホーイ!(笑)
航/水ばっしゃーん! ……相馬さんは海に入らないの?
相馬/うぬぅ、スニーカーで来ていると思っ……。
盟/(すぐさま)相馬さんに水ばっしゃーん!
相馬/な、なんじゃあっ!?(笑) お、おぬしのせいかぁ!? 全力移動で追いかけるぞ!?
盟/わー! 追いかけてきたー! ≪天空の羽≫ー!(笑) 対抗判定するなら【意志】で振るぞ!?(ころころ)14でーす。
相馬/【体力】で!(ころころ)14……ああ、受動側優先! もうちょっとのところで小童を捕まえられない!(笑)
航/良い勝負だ! ……で、いつの間にか2人とも服がびしょ濡れになると。やーいやーい。
盟/うぐ、シャツがズブ濡れ……。えーい! 航にも水かけてやるー!(笑)
航/うわ、ヒドイ!(笑)
亜紀/これは家に戻ったらすぐにシャワー浴びなきゃだねー。
GM/……優しい笑顔の祐希。楽しそうに遊んでいる盟を見ている黒須。弥生は1人で絵になることをして、エルは浜で遊んでいる子供達と既に仲良くなっている。
盟/ええいっ、「波打ち際に佇むボクって可愛い」って顔をするな、弥生!(笑)
航/つーか兄ちゃん、友達になるの早いな!?(笑) ……兄ちゃんはサーファーと見分けがつかないから一瞬見失った。なんで既に上半身裸なの?
盟/(エルになって)「だって、濡れちゃったんだもん」
航/そっか、濡れたから裸なんだ。……ないわー(笑)
亜紀/上ならセーフだしいいじゃん。
盟/下ならアウトだよ!(笑)
GM/……そんな感じで君達はジャバジャバと浜辺に遊びながら七里ヶ浜を目指し、亜紀くんの家に辿り着く。そうして玄関で待っているのは弁慶さんなんですが……。
航/……弁慶さんに無言で「庭のホースで砂を落とせ」というアクションをされる、と(笑)
GM/ジャックさんが「えーい、≪乱舞≫ー!」とホースの水で全員を範囲攻撃。……ま、ジャックさん達英霊は変身すれば服は戻るから航達だけが対象ね。
航/えっ。そっか、英霊って衣装登録制だから、その気になったらいつもの格好にすぐ変身できるんだっけ!
亜紀/うわ、便利だなー。
相馬/おう、忘れておった!(笑)
盟/忘れてたのかよ。つまり……相馬さんのあのアジダスは、登録制!?(笑)
航/ま、まさかね!(笑) 長いキャッキャウフフだった……到着して、いきなり着替えるという楽しいシーンでした(笑)


 ●ミドルフェイズ2 〜集合、会議〜

GM/濡れた服から着替えて、一息ついた君達。黒須を中心にこれからの会議を始めます。一般人は会議に参加出来ないので、祐希とエルは「買い出しに行ってくるね」とシーン退場します。
盟/弁慶さんに貰ったメモに従い、行ってらっしゃーい。
航/エル……大丈夫かな。祐希がいるから大丈夫だよね。
相馬/ホントにお母さんと子供だな……(笑)
盟/きょろきょろと亜紀の家を見回します。へー、この家で亜紀は2人暮らししてるんだねー。
亜紀/ううん、青森さんも一緒だよ。
盟/……青森が迷惑だったら家賃だけ払わせて追い払っていいんだからね!?
亜紀/いやいやいや!? 住まわせてもらっているからそんなことしないよ!(笑)
GM/(笑) ……では、黒須が全員を前に話し始めます。2つのオープニングで話したことを……。

 簡単に黒須がまとめて全員に話したことは、以下の通り。

【オープニング1】
・聖杯戦争参加者が全員聖杯を求めない今、聖杯を破壊することを共通の目的とする。
・聖杯は、厳重なトラップと結界によって守られている。結界を解除しなければ聖杯を破壊できない。
・鎌倉に、聖杯の守る結界の『鍵』があるらしい。
・その『鍵』を全て解放し、結界を崩し、聖杯を破壊するという秘密工作を行う。

【オープニング2】
・この地に黒い砂が降っている。
・黒い砂が溜まると、黒い魔物になる。
・黒い魔物が英霊の姿を模す。
・黒い魔物の1体がランサーになり、そのランサーを倒したら昇華の感覚が生じた、だがランサー・武蔵坊弁慶は生きている。
・アーチャーの形を模した黒い魔物は逃亡中。
・今もなお、黒い砂は降り続けている。


航/ふむふむ。
盟/話し合いで10年待ってたら、この前みたいな能力者が街に悪さをしに来るかもしれない……だから一刻も早く聖杯を破壊して、戦争状態を終わらせないと。
GM/「それで、鍵の場所なんだが……申し訳無いが、俺の力で調べきることが出来なかった。だが候補を上げることはできたぞ」と黒須が地図を出します。(ガサガサとマップをプレイヤー達に公開)

※実際のプレイでは、「るるぶ横浜・鎌倉」を使用してセッションを行なっておりました。
【行くことができるマップリスト】
・北鎌倉駅
・円覚寺
・建長寺
・鎌倉駅(教会支部あり)
・銭洗弁財天
・鶴岡八幡宮
・報国寺
・和田塚駅
・由比ヶ浜駅
・長谷駅
・長谷寺
・鎌倉大仏
・極楽寺駅
・稲村ケ崎駅
・七里ヶ浜(亜紀宅あり)
・鎌倉高校前駅
・腰越駅
・江ノ島駅
・江ノ島
・湘南海岸公園駅
・鵠沼駅
・柳小路駅
・石上駅
・藤沢駅
・本鵠沼駅
・鵠沼海岸駅
・片瀬江ノ島駅


亜紀/す、凄くいっぱいマップがありますよー!?
GM/いっぱいありすぎるぐらいだね。(黒須になって)「必要な鍵は全部で4つだ。鍵の形状だが……」と、黒須はとある写真を見せます。そこには、過去のループで遺跡で見ることができた『杯』が写っています。
亜紀/鍵が、杯の形をしているんですか?
GM/「鍵と言い表しているから混乱させるかもしれないな。鍵とは正確には『結界を作成する為の部品』に過ぎない。……これは、一般人には見えないマジックアイテムだ。発見次第、動かさず、その場で鍵を解放してくれ」
盟/見えないって……不可視の物なの?
GM/「ああ、普通の人間では知覚することすら無理だ」……ゲーム的に言うなら、【意志】判定で達成値5以上を出さないと見ることができません。でもどんなキャラメをしてもPCの能力値ボーナスは2です。だから大抵のエキストラ以外のキャラクターは感知することが出来ます。
相馬/ほう、ファンブらなければ見えるんじゃな。
盟/お前が言うな。
相馬/……ごめん(笑)
GM/一般人はまず見えませんが、クリティカルを出せば……霊感が強い人ならば見えることがあります。黒須は「鍵の解除の仕方はこうしてくれ」と、呪文の唱え方……鍵のオフの仕方を教えます。黒須から教わった特定の呪文を唱えれば鍵を解除できます。
航/呪文って、合い言葉みたいなもんか。
盟/『バルス』とか?
GM/それ採用。「そう、呪文は音声で表わすとしたら『バルス』だ……」
航/手を取り合って『バルス』と言えば鍵は解除できる! ……って、2人以上で行動しなきゃいけなくなったじゃないですか!(笑)
GM/いいじゃん、NPCいっぱい居るんだし。「言っておくが、鍵は建物内にあるとは限らない。その地にあるだけで、もしかしたら『駅の3ホーム目にある』とかかもしれないからな」
航/地下深くに埋まっているかもしれないし……飛んでるトンビが首から下げてるかもしれない……
盟/それ、難易度高けーよ!(笑) ハンバーガーを買った後にトンビ待ちして【体力】判定に成功してから『バルス!』とかしなきゃ解放できねーよ!
航/……しまった、迂闊なことを言うとGMに採用されそうだからヤメよう!(笑)
亜紀/ヤメましょう! 『バルス』も2人以上でやらないといけないことになっちゃいましたから!(笑)
GM/いや、元々「団体で行動しろ」とは言うつもりだったからアドリブじゃないよ(笑) でもプレイヤーの意見を最優先にする素敵なGMです。「……ああ、土地勘の無いお前達に教えておくな。鎌倉駅から数十分歩いた場所に、現地の教会がある。そこで書物を調べれば絞り込めるかもしれない。あとは……コネを有効活用するんだな」
盟/コネか。……古川家とか使えそうだな。
GM/古川家なら北鎌倉にあるね。情報収集は、裏社会、教会、政治、旧き一族、ウズマキなどの分野で区切って調べます。一般特技の≪コネ「○○」≫を取得していなくても、ボーナスが付かないだけで普通に範囲を選択し調べることは可能です。
盟/まずはマップを絞り込むことが大事だね。……旧き一族ってことで、古川家の蔵を探れば何か出てくるだろ。調べてみよう。
相馬/あとは、手当たり次第判定して行くというローラー作戦も出来なくはないな。

【情報収集の仕方、まとめ】

・聖杯を守る結界を解放するため、4つの鍵を探さなければならない。
・表示されたマップのどこかに4つの鍵がある。
・4つの鍵を見付けだすには、見えるかどうかの【意志】難易度5の成功、その後、発見できるかの能力値判定を行なわなければならない(発見後は黒須から習った『バルス!』を唱えれば、鍵は自動解除される)。
・1人、1日2回まで行動可能。描写は「昼」と「夜」となる。


航/時間によってイベントが変更されるとかありますか?
GM/マップが多すぎるのでそれはありません。時間が違えば若干描写が変化する程度です。
航/昼間の浜辺は楽しく遊べて、夜の浜辺はロマンチック……ってだけかぁ。
盟/弥生がずっと「浜辺でジェラート食べたーい!」って言ってウルサイな(笑) ……あと、『腰越』って地名を見ると、つい弁ちゃんを見ちゃう(笑)
航/あ、腰越って武蔵坊弁慶と義経が隠れてたお寺だよねー。チラッ(笑)
盟/武蔵坊弁慶の書いた手紙が保管されてるんだってー。チラッ(笑)
亜紀/……チラッ(笑)
相馬/ほほう、おぬしはなかなか学のある武士じゃのぉ。
GM/……溜息をつきながら、弁慶さんが口を開きます。「……私はあの方を大変説得したんですが、≪+50明朗快活≫に負けて私が手紙を書くことになりました」
盟/流石、義経プー……(笑)
GM/……あ、もちろん情報収集だけじゃなく、観光気分で遊んでね。夏休みが舞台のシナリオなんだから!
航/まあ、半分観光で来てるんだから遊ぶよね!(笑)
亜紀/うーん、とりあえず亜紀は教会に行くべきかなー?
航/……ロリに情報を貰うのもアリだな。誰か≪コネ「ウズマキ」≫って持ってたよね?
相馬/相馬と亜紀が持ってるぞ。……ロリと掛け合えば結構良い情報が出てきそうじゃな。
亜紀/そうだ、ロリ様に土下座して教えてもらおうー(笑)
GM/しかも≪コネ「ウズマキ」≫は、ちゃんと取得した特技だから情報の達成値に+4が来るしね。……1日1人2回まで行動が出来るので、バラバラに行動すれば1日で8回マップを移動できます。ただし、各マップで判定を行なわせる個所もあるので、PCは2人以上で行動することをオススメします。NPCは自由に連れて歩けるけど判定は出来ません。注意して1回目の情報収集何をやるか考えてください。
亜紀/……最初ぐらいはみんなで観光したいですね。
航/よし、それなら……みんなで江ノ島に行こう!(笑)
盟/情報収集1日目昼のターン、みんなで江ノ島へ向かおうと思います!
GM/では次に、連れて行くNPCの確認をしておきましょう。弥生とジャックはPCと一緒に行くと名乗り出ます。
盟/弥生は「行きたい行きたーい!」ってうるさく言うだろうけど、黒須は……坂道多いから車椅子は大変だよな。
GM/ちなみに、NPCが行って変わるイベントは特にありません。単独行動が得意な藤原と黒須は「自分達も独自に情報を集めるとしましょう」と言い出すよ。
相馬/むぅ、藤原も来ないのか……。
盟/賑やかしでエルを入れようよ!
航/エルと祐希はいた方が家族旅行みたいな感じがして楽しいよね。祐希は「亜紀から誘われた旅行」っていう名目なんだし連れて行きます。……それに、完全にエキストラだから近くにいないと守れないよ。
GM/では、祐希とエルは連れて行くことは確定しました。……大地くんはどうする? 盟ちゃんの戦闘能力に関わるから所在をハッキリさせておきたいんだけど。
盟/大地くんはモブ顔で気付かないけどみんなの中に紛れています。集合写真の後ろを横切ってるような扱いでお願いします(笑)
亜紀/うーん、PC4人とジャックと弥生、エルと祐希がいるなら……連れて行くNPCは以上でいいかな。
航/弁慶さんは連れて行かなくていいの?
亜紀/地元民ですから観光は済んでます。だから今回は良いです。……後でも楽しいですし!
航/……なに、この信頼感(笑)