アナザーワールドSRS・リプレイ・ドロリア ゼロ
■ 『 ACT 3 』 2ページ ■
2011年11月5日




 ●エンディングフェイズ

GM/……沖田総司さん。君はアーチャーの一撃から藍さんを庇い、死にます。
ファム/怨霊総動員の攻撃に耐えることが出来ず、倒れるね。ゴハッと血を吐いて倒れ伏す沖田総司……。
GM/……君、戦闘で死ねたね。今度は。
サキ/ああ、そうだ……。
GM/本望ではないかもしれないけど、戦場で死ぬんだね。体が光に包まれ、薄れゆく君の視界には……魔法を打ちこもうとする藍さんの姿が見える。それが君が最期に見るものなんだ。
宗次郎/……絶対勝つんだという決意に満ちた藍さんを見る。
GM/(藍になって)「総司っ!」
宗次郎/……血をゴホゴホと吐きながら言います。マスター……すみません、最後までお守りすることが出来なくて……。
GM/「総司……。私に力を貸して!」 藍さんは≪還り名≫を使用し始めます。「バーサーカーの力を解放しなくていい。もう戦わなくていい。でも……貴方が見てきたこの戦いの全てを私に教えて!」 そうして君のアドバイス通りの結界を張り始めます。それは、[狂戦士]であるファントムを倒すための魔法です。
宗次郎/はい……。
GM/「アイツは私が絶対に落とすわ! ……だから……ここまで頑張ってくれて、ありがとう」 昇華されていく光をどうすることもできない藍さんは、それでも「勝ってみせる」という決意の目を変えません。
宗次郎/……マスター。貴方ならこの戦を勝てると信じています。ご武運をお祈りします……。
GM/「……私と戦ってくれてありがとう。それと……盟と遊んでくれて、ありがとう。あの子、人見知りが激しいから……あの子と貴方が一緒に笑い合っていたことが、何よりも嬉しかったわ……」
宗次郎/はい……坊ちゃんとまた一緒に遊んで差し上げたかったです……無念でなりません。
ファム/……「帰って来たら犬飼おうね」という盟ちゃんの声が脳裏に聞こえてくるんだろうね。
GM/「……さあ、総司。逝きなさい。そして……私の勝利を天から見守っていて……!」
宗次郎/……そうさせて頂きます……どうか、必ず勝ってください……!
GM/光が君の体を完全に包み込み、意識が薄れていきます……。
宗次郎/……近藤さん、土方さん……面目ねえ……。

 ――バーサーカー、ロスト――。

GM/オペラ座の怪人、ファントム。宗次郎さんのアドバイスによって作り上げた結界によって体が動けなくなっていきます。涙を流さぬ気丈な女性は必死に呪文を唱え、君を止めようと魔法を繰り出し……ついに、君の方が負ける。
ファム/昇華の光に包まれます……。
GM/……倒れ伏し、光に包まれると……君の元に声が聞こえてくる。
ファム/……なんだ……?
GM/「貴方の願いは何……?」という女性の声。でもその声は君に向けて言ってるのではないのが判る。聖杯が、誰かに向けて言っているようだ。
宗次郎/……エルか。
GM/その女性の声に対し、ある言葉が聞こえてくる。「……いっしょにいたい……ワタルといっしょにいたい……ワタルが、どこにも行かなくなればいい……!」
ファム/……そうだ、それでいい! 誰も幸せになどするものか! みんな不幸になればいい……そして俺を、あの闇から二度と抜け出させるな!
GM/君が空に向かって叫んだとき、何故か、君に差し伸ばされる手が現れる。……女性の手だ。
ファム/女神のような手を、闇に引き摺りこむように取ります! ……誰も幸せにするものか……二度と生など謳歌できなければいい! その方が、幸福の果実は甘いのだから……。
GM/聖杯は、セイバーの幼い願いを叶える。だけど未完成な彼女は、気紛れにアーチャーの願いも聞き入れた。……今回のセッションのフェイト獲得戦勝利者であるファムさんの願いを聞き入れます。
ファム/ファムが光に包まれた同時に、住宅地に正体不明の火が現れます。
GM/ファムのラストシーンのように、炎が全てを包んでいく。君の願いによって……。
ファム/……これでようやく眠れる…………クリスティーナ……。

 ――アーチャー、ロスト――。

GM/さて、壮絶な女同士の戦いは続いていく。先にアサシンが倒れ、残ったのはライダーとランサーのみ。
サキ/殺伐女子会、始まるよ!(笑)
ミズキ/あっち行ったりこっち行ったり大変な戦闘をしています……でもルッキーは40メートル離れた場所で全然動かないですけどね。
サキ/きっとルッキーは高い所にいたんだよ。橋の上に居たとかね。
GM/一方、巧さんはおサキさんの隣に居る。
サキ/キャーッ! 高い所に登れない主殿カッコイー!(一同笑) お互い満身創痍の長時間の戦いを続けます。
ミズキ/そして、「これで最後!」と令呪を乗せて大ダメージ! 射程内に入ったライダーのマスターを狙って攻撃……!
GM/遠くから戦場を把握していたルキーノが「今だ!」と令呪で命令。「駒を操る主を倒せ!」
ミズキ/マスターを狙う……!
サキ/……主殿が最期を覚悟し、目を伏せるけど何も起きない。瞼を開けると……そこにはライダーの金髪が広がっている。
ミズキ/……サーヴァントなんだからマスターを庇うと思っていたので、その行動にはビックリしません。倒れゆくライダーを見ています。
サキ/……ニヤリと笑います。この後のクリンナップのことは判っているから。そなたも只では済まない筈……!
ミズキ/……ええ、貴方も酷いお土産を残していってくれましたね。
サキ/何があっても妾は今生での主を死なせる訳にはいかぬ。主を守ること、それが妾がこの世に生を受けた意味! ……聖杯よりも貴いものを妾は既に得た。
ミズキ/…………。
サキ/……だが只一つ心残りは、主に勝利を持ち帰れぬこと……。ニッコリと笑って、言います。良き戦いであったぞ。妾も貴方の何分の一かでも……いや、やめておくわ。
ミズキ/……羨ましいぐらいサーヴァントの鑑ですわね。女性としても尊敬してましたの。
サキ/せめて主との別れを美しく済ませておきなさい。それが女の生き方よ。……倒れます。
GM/崩れゆくライダーをマスターは後ろから支え、胸に抱く。大丈夫かとか優しい言葉や、叱咤は飛ばず、何も言いません。
サキ/言いませんか。
GM/彼は言葉を失い呆然とします。これぐらい彼なら予想できた展開の一つだろうに、いざこのような場になってしまって全部吹き飛んでしまっているようです。
サキ/主殿は可愛いなぁ……どうか32歳にならないでくれ(一同爆笑)
ミズキ/どうか『アレ』にならないでくれ!(笑)
サキ/ていうか妾が男だったら間違いなく主殿を掘ってるわ!(笑) ……そっと手を伸ばします。主殿、申し訳御座いません。
GM/「おサキ」
サキ/……はい。
GM/「おサキ。死なないでほしい」
サキ/……主殿。
GM/「無理だと判っている。以前僕が言ったことと矛盾してるとも判っている。だが言わせてくれ。死なないでほしいんだ」 ……無様な顔で手を重ねます。
サキ/主殿を掘るだなんて言ってごめんなさい!(一同笑) ……そのようなことを私自身に願ってくれる人に初めて巡り合えたのに、叶えることも出来ないだなんて……最強のサーヴァント失格ですわね。
GM/目を閉じる。泣きそうな顔をするけど涙は流さない。そして目を開けて……「もう辛いだろう。眠れ。お前が天に導かれてゆく姿をこの目に焼きつけておく」
サキ/巧様。……どうか私の願いを聞き入れてくれますか。
GM/耳を傾けますよ。
サキ/生き延びてください。……生き延びて、次の戦いで……もう一度私と巡り合ってください。
GM/「……また、お前と……」
サキ/そのときに貴方との約束を私は果たしてみせます。……微笑みます。
GM/「……ああ。ああ……今度こそ僕が聖杯を手にし、我が一族の、この国の、いや……サキの王になってみせる」
サキ/ふぁぼッ!
ファム/星を付けるな!(一同爆笑)
宗次郎/巧さんに「お気に入りに追加されました」というメール通知が!?(一同爆笑)
サキ/……満足そうに笑みを浮かべて、金色に光りながら消えていきます。

 ――ライダー、ロスト――。

サキ/……次の聖杯戦争には巧さんはいないって判ってるんだけどね。
GM/……そういやさ。黒須が『ドロリア・ホロアタ』で言ってたよね。聖杯戦争反対派とは逆の、聖杯戦争継続派がいるって。これって巧さんの一族なんだろうね。
ファム/そっか、自分の切実な願いのために聖杯を手にしなきゃいけないから……!
宗次郎/聖杯を破壊されたら、おサキさんとの約束が果たせなくなる……。
GM/聖杯は『ドロリア・ホロアタ』で破壊されたけど、聖杯を復活させようとしている怪しい集団……とか、そのうち現れるかもしれないね。
サキ/というシナリオプロットを置いておきますね。
ファム/ロリループシナリオ集、出そうぜ!(一同笑)
GM/さて、ラストはミズキさん達です。ライダーロストを見守ったルキーノ的には「よっしゃー! 最後の1匹が倒れたー! マスターぐらいだったらボクもやれる筈ー!」と意欲満々に出て来ます。
ミズキ/ですよね。けど……。
GM/「これからライダーのマスターをフルボッコにすんぞー! でもって戦闘が終了したら供給してー、戦略を練り直してー、この場に居ないセイバーを倒すぞー! セイバーVSランサーだったらランサーが勝つ可能性もあるしー!」とテンション高く走り寄ってきます。
ミズキ/ルッキーが希望に満ちている……でも……。槍で地面を付いて、倒れそうになります。
GM/おっと、ライダーと激しい戦いをしたせいで君は傷付いてるんだね。だけど大丈夫。生き延びたんだから態勢を整え直してあともう少し頑張ろう。そう、勝利したと喜びを分かち合おうと、ミズキさんの元に走り寄り……。
ミズキ/……内部から蝕む毒で、肩で息をしながら……ルキーノを見ます。
GM/ヤッタネ、と声を掛けようとします。
ミズキ/……ごめんなさい……。そう口を動かして、消えちゃいます。
ファム/……ラブシーンというラブシーンが出来ないままか。
GM/……ごめんなさい、その口の動きは、勘の良い彼なら簡単に察することができるんじゃないかな。ルキーノの満面の笑みが固まり、目を見開かれる。「はぁ? 何言ってるの?」という軽口を言うこともできない。一瞬の表情、それを最期に君は消えてしまう。
宗次郎/……そして残されるルッキー。
ミズキ/…………ああ……あたしはまた、旦那様を幸せに出来なかった……。

 ――ランサー、ロスト――。

サキ/……最後の最後で「旦那様」って認めてくれたのに!
GM/ミズキさんが消えた。消えちゃった。ルキはきょろきょろと周囲を見渡します。「……へ? ……え……」
ファム/……なんかルッキー、このままだと……狂っちゃいそう。
サキ/このまま聖杯戦争継続派になっちゃうのかな……。
ファム/そしたら盟ちゃん達を倒しに来るといいよ。そして君も『幸せ嫌い教』に入ろう!(一同爆笑)
GM/さて、舞台裏です。……昇華された英霊達の為にコタツが用意されている聖杯ルームにランサーさん、来てください。
ミズキ/えっ?(笑)
サキ/ケロっとした態度で)チィーッス、お疲れ様でーす(笑)
宗次郎/ケロっとした態度で)うーっす、お疲れ様ッス!(笑)
サキ/はいはい、早くコタツに座って座って!
ミズキ/あ、は、はーい(笑)
GM/全員揃った……けど、聖杯サマがコタツのところにやって来ます。(聖杯になって)「ちょっとファントム、まだ一仕事あるから来てよ」
ファム/うーっす。
宗次郎/え、なんだよ、お前だけ呼び出しかー?
GM/「うん、まだファントムにはやってもらうことがあるからアンタ達はテレビでも見て待っててねー」
宗次郎/はーい。……いやぁ、まさかこんな部屋があるとは思わなかったッスねー(笑)
サキ/よく見ると沖田さん、貴方イケメンじゃない? 死に様が男のカッコ良さを5割加速させる! 流石、桜の国の男ね!
ミズキ/ああ、日本男児っていいわねー(笑)
宗次郎/はあ、そういうもんなんスか。そう言われるとテレテレ(笑)
GM/ちなみに壁に剣が立て掛けております。喋らないけど。
サキ/喋れよ!(笑)
GM/喋らないよ。
ミズキ/掴んだら喋るのかしら?
GM/(アサシンになって)「オ茶、飲ミタイ」
ミズキ/……これは掛けたらいいのかしら?(笑)
GM/ストームブリンガーはお茶に刺しておけば勝手に飲み始めます。ちゅー。
ミズキ/剣がお茶色になったよ!?(笑)
サキ/紅茶キノコみたい!(笑) さて、ここにライダーがいて、ランサー、バーサーカー、アサシンがいて、アーチャーがいたんだから……。
宗次郎/あれ、まだキャスターとセイバーがいないッスね。
サキ/残ったのはキャスターとセイバーかー。その2人の対決かー。これは無難にセイバーが勝つんじゃないかしらー? ……そんな舞台裏でした(笑)


 ●エンディング2

GM/黒須とセイバーは遺跡に乗り込み、7つのトラップを全部解除し、聖杯の祭壇の前に現れます。
宗次郎/2人で全てクリアしてきたんだ……。
GM/聖杯を目の前にして、黒須はその時点で自分の願いを叶えられて無言。だけどセイバーは叫ぶ……。「ワタルといっしょにいたい。ワタル、どこにも行かないで……!」
ミズキ/言っちゃった……。
GM/聖杯は目の前にいるセイバーの願いを承諾する。ついでに、フェイトの一番高いアーチャーの願いも叶え始める。
サキ/(聖杯になって)「セイバーとアーチャーの願い、半分ずつ叶えるんでいいよね? だって一番フェイト高いのアーチャーだし。両方の願いをこちらで検討して考慮した結果、通知は実行で返させていただきまーす」(笑)
GM/さあ、どうぞアーチャーさん。GMになった気分で住宅地を燃やしてください。
ファム/はい。……屋敷を出て行った命人さんは、少しでも多くの人達を助けようと大災害の中を走り回ります。だけど人々を守るために魔法を使い続けた結果、無理をしすぎて、病が悪化……ついには倒れてしまい、煙にまかれてしまう。
サキ/……盟ちゃんは≪テリトリー≫の中に居たから無事だったのか。
GM/能力者のヘンリーとロザリーが結界を必死に維持していたんだろうね。
ファム/聖杯の力のおかげで、どんどん火の手が上がっていく。しかもアサシンが仕掛けた爆弾に引火、更に大きな爆発が起こる。ガソリンスタンドに火が燃え移り大爆発。冬場だから軽油やガスストーブに引火。深夜だから逃げられない……。
宗次郎/酷い光景だ……。
ファム/夜間、騒ぎに目を覚ます人々。だがそこは火の海。だんだんと家々から聞こえてくる悲鳴。崩れていく家。押し潰される人々。子供を逃がそうとする母親。でも逃がす場も無い。ドアを開けてもその先は炎。必死に守ろうと抱きかかえる親達。火の中で死んでいく家族。煙にまかれて倒れる人々。母親を求める子供の声。……さあ航さん、出てきていいよ!
航/航さん出て来ていいよと言われたので、本編準拠に夜中に目を覚ます。……なんだか外が騒がしい。お父さん、お母さん……と下の部屋に下りていく。2人の部屋を開けると、2人が火達磨になっている……。
GM/航がエルの前からいなくなる原因が2人なので、集中的に炎が2人を殺しにかかっているのです。
ファム/家が燃えているのではなく、母親達が燃えているんだね。
航/「逃げなさい」と叫ぶ親。子供の理解を越えてしまって、呆然としちゃう俺。だんだんと部屋が炎に巻き込まれて……逃げられないと思ったところで。
GM/お母さん達に手を伸ばそうとした航の前に、バッと現れるエル。優しく君を宥める声が聞こえるけど、航には届かない。航は親から引き離される。
航/必死に助けてくれるエルに追い打ちをかけますね。……エル……お父さんとお母さんは……?
宗次郎/……エル、黙っちゃうだろうな。何を言っても航と自分を傷付けることになるし。
ファム/そんなエルに「お前が望んでいた結果はコレだろう……?」とファントムが言うよ。……冬彦さんは体育館に運ばれている怪我人の対応におわれてるんだろうな。もう手遅れな部下達の姿を見ちゃうんだ……。
ミズキ/お母さんやお姉ちゃんがバタバタしてるから亜紀も起きちゃうんだろうな……。窓から外を見て「お空が赤いよ?」って言っちゃう。
GM/……炎に包まれる街。その大火災は3〜4日は消えなかったという。10年後、街の景色は修復した。でも人々の記憶には大きな傷痕を残した。……ここで生き残った子供達の物語は、違うリプレイで語られることでしょう。


 ●エンディング3

GM/これで終わるのは辛気臭いので、最後のシーンを立てます。
ミズキ/まぁ、そうですね。このままこんなエンディングで終わるのは嫌です(笑)
ファム/サーセンした(笑)
GM/それは仕方ないんです、『ドロリア/Zero』は最後こうなると始めから決まってたんだから。では航さん、登場してください。
航/は、はい。出来れば祐希の最後の令呪のシーンをしたいんですけど……。
GM/はい、それをしましょう。……君は早めに助けられたため、怪我一つ負っていません。黒須が後見人になり、櫻庭邸に一時引き取られることになりました。このときの記憶は「こんな所に祐希は住んでいたっけ? こんな屋敷あったっけ?」って感じです。黒須が≪物品調達≫でキャスターに与えた屋敷です。
宗次郎/桜がある庭で検索したらここがヒットしたんですね(笑)
GM/とりあえずは暫く家屋敷風な櫻庭邸で住むことになりました。まだ学校には行けません。でもあと1ヶ月以上経って4月になれば新しい学校に行く生活が始まるでしょう。……もう会えない友達も多いけど。
航/ランドセル、燃えちゃったなぁ……とか考えてます。……まだ花の咲かない桜の木の下で、ぼんやりと立ってますね。
GM/祐希が心配して来ちゃうよ。(祐希になって)「……航。まだ寒いからあったかくしなきゃ駄目だよ」
航/……聞いてるのか聞いていないのか、ずっとぼんやり空を見ています。
GM/「やっと今日は青空になってくれたね。ここ最近……青空、見られなかったから……良かった」
航/……今日は騒がしいね。瓦礫の撤去で重機が動いてる音がする。
GM/「良い天気になったからみんな動き始めたんだよ。新しいお家を建てるために、大人達が頑張ってるんだ」
航/みんな燃えちゃったもんね。
GM/「……航。暫くは僕の家に居てね」と、祐希が昔からこの家に居たかのような暗示をかけながら君を気遣います。
航/……いつまで居ていいの?
GM/「いいんだよ」 ……僕のマスターなんだから、と言うかのように。
航/……黒須先生が言ってたよ。俺はいらない子だって。お父さんもお母さんもいなくなっちゃったけど、それって……俺がいらない子だからなの……?
GM/「また言ってる。そんなことないって言ったじゃないか……。僕が一緒にいるし、亜紀だって一緒にいてくれる。小学校に行って、中学校に行って、高校に行って、いっぱい友達を作ればみんな航のことを『いる』って言ってくれるよ……」 航の手を取ります。その手と手には、まだ残っている令呪の刻み。
航/……ホントかなぁ。……祐希、ずっと俺のことをいらないなんて言わないでね……一緒にいてね。そう言って、令呪を切ります。
GM/それで令呪を切るのか。
航/もう何度も言ってるかもしれないけど、それしか思い浮かばないと思います。
GM/切実な想い。祐希は令呪が無くても「一緒にいる」と言った。でも運命的な絆によって絶対に傍から離れないようになります。……今後、色んな人に出会うかもしれないけど、君の傍には必ず祐希がいる。祐希は真正面から航を抱きしめます。
航/ぎゅっと祐希にしがみ付いて、べそべそと泣きます。……でも寂しいよ……! お父さんとお母さんがいないのは、ヤだよぉ……!
GM/なら俺がワタルのお父さんになってあげるよっ!
宗次郎/…………来た(笑)
ファム/…………来たな(笑)
GM/航の視界は祐希の胸で覆われているけど、そんな声が聞こえてくる。「代わりになれないって判っているけど! でもお父さんになってあげるよ! ワタルのお父さんほどカッコ良くもないし大人っぽくもないけど! なら俺はお兄ちゃんになってあげる!」
航/……ゆっくりと、その声の方を見ます。
GM/エルがいます。
ミズキ/……エル、泣きそうな顔なんだろうなぁ(笑)
GM/「今から俺、ワタルのお兄ちゃんだから!」 涙ながらに叫ぶエルに……祐希が「はぁ?」って顔をします。
ファム/「何言ってるの、この人」って顔!(笑)
GM/「そうだ、これからワタルのお兄ちゃんになるよう……しゃかいてきなてつづきしてくるから!」
ファム/おい! 今、全部ひらがなで発音したぞ!(一同笑)
宗次郎/黒須に言われて音だけで覚えた言葉を使ったぞ(笑)
航/……しゃかいてきてつづき?(笑)
GM/「それをすればお兄ちゃんになれるんだよ! ていうかさせてくる!
宗次郎/強制!?(笑)
ファム/おい! 黒須も疲れてるんだから休ませろっ!(笑)
航/えっと……エルが、お兄ちゃんになってくれるの?
GM/なった!
ミズキ/もはや!?(一同笑)
GM/「俺は家族だよ!」 涙を流しながら叫びます。だばだばと泣きながら。
航/……ポケットからハンカチを出して、ぐしぐしと涙を拭いますね。……お兄ちゃんなら泣いてちゃダメだよ。言いながら、俺も泣いてます。
ファム/昔、そんなことをお母さんに言われたんだろうね。(渚になって)「航も小学生になったんだから泣いちゃだめよ。そしてダーリンみたいな素敵なカレになるのよ!」(一同笑)
航/俺も涙を拭きます。ぎゅっとエルの服の裾を掴む。……エル……一緒にいていい?
GM/「うん! 安心してご飯食べよう!」
航/きょとん。
GM/「ご飯食べて元気出そう! でもって新しく造られた公園に遊びに行こう! きっとそこに友達がいる筈だよ……友達を作りに行こう! よし、ご飯食べよー!」と航を抱き上げ、そのまま櫻庭邸に連れて行く。
航/頭にぎゅっとしがみ付きます。
GM/「ワタルは1人でご飯食べられるよねー!」と、まるでお父さん達が言っていたことのようなこと言う。
航/…………やだ。食べない。
GM/「えっ」
航/一緒じゃなきゃ食べないっ! 俺、ずっと一緒に居てくれなきゃ何もしないからっ! ……エルにぎゅーっと抱きつきます!
GM/「や、約束するよー!」と2人は賑やかに櫻庭邸に入って行く。その姿を祐希が見ている。航とエルが2人で泣いて、叫んで、そのうち笑顔になるまでずっと祐希がそれを見ている……。


 ANOTHER WORLD
  「 DROWNING/phantasmagoria/Zero 」

 Best Loop 『 ...start... 』






GM/エンディングのスタッフロールが流れている後ろの映像は、とある寺。とある和室にこもり、書物を漁っている和服の男性の姿。
サキ/あとは、綺麗な池の畔で座っている男性の光景ですね……後ろ姿でその表情は見えない感じの。
ミズキ/盟ちゃんはこの後、犬を飼わないんですよね。
ファム/盟は犬も猫も飼わないです。飼うとしたらウサギぐらいです(笑) 新撰組の作品を見ても「こんなに沖田総司がカッコイイ訳ないじゃん……」って言います。
サキ/……なんか、『夢魔炎上』のカツおばあちゃんみたいだ。カツおばあちゃんは「私の知ってる平清盛はこんなんじゃない」って言ってた人だから。
GM/そんなスタッフロールが流れ終わると、10年後の修復された町並みに画面が戻って来ます。『ドロリア』本編に時間が戻り、新たなるループが始まるということで……。『ドロリア/Zero』、お疲れ様でした!
一同/お疲れ様でしたー!




『ドロリア/Zero』 完

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