アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ハルスの悲鳴 -レベル5卓- 』 1ページ ■
2018年2月1日




 ●プリプレイ

GM/『アナザーワールドSRS』セッション、始めていきたいと思いまーす。
一同/わーわー! よろしくお願いしまーす!



 アナザーワールドSRS シナリオ名『ハルスの悲鳴』



【レギュレーション】
 キャラクターレベル5で開始。
 全員知り合い設定であり、何度か教会の仕事を一緒に受けたことがある。
 
【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:古徒海(ことみ)村  関係:懐旧  推奨クラス:闘士 or 狂戦士 or 異端者

 君は天涯孤独の少年or少女だ。両親は早くに他界し、教会の支援を受けてN市で過ごしている。
 8月1日。20歳の誕生日が近い君はとある悪夢を見た。
 恐ろしい化け物に殺されてしまう夢を見た君のもとに、「君の両親の親戚だ」と名乗る人物が現れる。
 彼に導かれるまま、君は見知らぬ故郷に帰ることになった。
▼世界のイベント:男についていく
▼コネクション:古徒海村

 激しい海と険しい山に挟まれた、小さな漁村。
 両親が共に生まれ育った村だが、君は物心ついた頃からN市で暮らしていたため、一度も行ったことがない。
▼公式NPC1:龍の聖剣
 人外。超越的な話題をする金髪の幼女。とってもふしぎ。
 君は既に何度か時間を跳躍してもらったことがある。彼女が目の前に現れるということは、世界が異端の手によって危機であるということだが……? 詳しくは4版ルルブP.82参照。
 
【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:(村の男)  関係:自由  推奨クラス:霊媒師 or 聖職者 or 世界遣い

 君はPC1の友人だ。
 PC1と「自分はPC1の親戚だ」と名乗る村の男の会話に偶然居合わせた君は、言葉では言い表せない感情を覚えた。なんだかこの男、只者ではない気がする。
 PC1のことが心配だ。君はPC1の帰郷に同行することにした。
▼世界のイベント:PC1を守ろうとする
▼NPC2:(村の男)

 PC1の両親の出身地に住んでいるという男。名前、性格設定はPC1とPC2が自由に決めてよい。
 年齢はPC1より年上であること。
 
【ハンドアウト:PC3】
 コネクション:古徒海村の事件  関係:不安  推奨クラス:狩人 or 聖職者 or 処刑人

 君は『教会』で活動しているエージェントだ。
 PC1の出身地という古徒海村に夏休みの旅行として同行することになったが、仕事斡旋人・高坂が神妙な面持ちで相談をしてきた。
 「ここ数年、古徒海村に訪れた一般人が変死体として発見されている。既に調査に行ったエージェントも行方不明だ。警戒して向かってくれ」
▼世界のイベント:古徒海村での事件を探る
▼公式NPC2:高坂

 退魔組織『教会』の仕事斡旋人。異能事件の仲介屋をしている男性。
 君は既に何度か『教会』の依頼を受けたことがある。詳しくは4版ルルブP.82参照。
 
【ハンドアウト:PC4・PC5】
 ハンドアウトパターン2〜3を兼用する。
 PC2の場合、PC2と共にNPC2の話を聞く。
 PC3の場合、PC3と共に高坂の話を聞く。
 なお、PC4はコネクションとして、『教会上層部と繋がりのある退魔一族の少年・佛田ときわ』か、『教会に協力している異端および禁書研究家・アクセン・ロズワルド』と繋がりを持つことができる。GMと要相談。詳しくは4版ルルブP.82、85参照。
 
【その他】
・「追加ライフパス:英霊」ルール解禁。PC3は英霊でも構わない。ただし、レベル4まで下がっている理由を考えること。4版ルルブP.9-D参照。
・「追加クラス:アーティスト&イレギュラー」ルール解禁。4版ルルブP.5参照。
・「追加ルール:異端堕ち」ルール解禁。4版ルルブP.98参照。

プレイヤー1・コトイ/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・水波/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・ピロ/PC3ハンドアウトを選択。

GM/それでは、キャラクターメイキングが終わったのでPC1から自己紹介をお願いします。

プレイヤー1・コトイ(以降、美織)/キャラクター名が、黄緑 美織(きみどり・みおり)です。……ちょっと言いづらい。
プレイヤー2・水波/早口言葉みたいな名前(笑)
美織/よく「ミドリちゃん」とかって言われます。ミ・オ・リ、でございます。
GM/ミノリさ〜ん。
美織/ミ・オ・リ、ですっ!
プレイヤー3・ピロ/それ、死ぬ間際になったらちゃんと「ミオリ」って言うやつでしょ?(一同笑)
美織/20歳の女性で、クラス配分は[闘士3/狂戦士1/世界遣い1]の大学生です。『ヘルプイベントキー』は、ルージィルさんと何故か友達になりまして……。
GM/ということで、龍の聖剣ではなくルージィルさんがオープニングシーンに登場することになりました。
プレイヤー3・ピロ/「ルージィルさんと友達」って、結構パワーワードだよね(笑)
美織/ロリに会いたかったなー!
GM/残念ですね〜、ルージィルなら「いつもそう言われるんですよね〜」って笑っていますよ〜。こんなにも仲良しなのにルージィル泣いちゃう。
美織/う、胡散臭い……(笑) 性格は、イエスマンです。善良な人をやりたいです。みんな助けてあげてください、お願いします!

NO IMAGE 黄緑 美織(プレイヤー名:コトイ)
 クラス:[闘士3/狂戦士1/世界遣い1]
  体力:16(+5)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 9(+3)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:28  MP最大値:16  正気度:6
重要キーワード:同業者  背景:母にとらわれている  特徴:世話好きである
ボーナス効果:≪限定回復力・MP≫  スキルウェポンのイメージ:刀
職業:大学生  性別:女  年齢:20  身長:?cm  髪色:?  瞳色:?
 スキルウェポン→≪片手武器≫
 闘士→≪撃滅≫ ≪殺法:重圧≫ ≪戦士の勘≫ ≪海の加護≫ ≪武闘家の血≫ ≪聖戦士の血≫
 狂戦士→≪乱舞≫ ≪失われた日々≫
 世界遣い→≪禍福のさざなみ≫ ≪逆転運命≫

プレイヤー2・水波(以降、橙子)/キャラクター名は、藤岡 橙子(ふじおか・とうこ)です。おばあちゃんです。
GM/おばあちゃんだ。
橙子/85歳のおばあちゃんです。まだまだ若いモンには負けんよ、フフフ。
プレイヤー3・ピロ/本当におばあちゃんの年齢だ……。
GM/未だに現役の教会エージェントをなさってくださっている。ボケてないのは凄いなぁ。……あのさ、水波ちゃん。さっきGMのメモにクラス情報を自分で書いてもらったけど、ここに「応2」って書いてあるんだよね。
橙子/はい?
プレイヤー3・ピロ/うん、私もそれ気になってた。
GM/これ、「感応力師レベル2」って意味なのかな?
美織/「感2」ではなく、「応2」?
橙子/か、書き間違いです! プレイヤーがボケていてすみませんでした!(笑) 昔から能力者で、教会にずっと協力しています。実家が道場もやっていたし、若い子を教えたりしてるのかな? 若い子はみんな子供や孫みたいなもんです〜。
GM/ああ……みんな息子さんみたいに育ててくれるんだね。良いおばあちゃんだ。
橙子/クラス配分は[感応力師2/聖職者3]です。[聖職者]がPC内に3人いるので≪聖者の友≫を取りました。これでクリティカル化ができます!
プレイヤー3・ピロ/はい、俺も[聖職者]です! 約束されたクリティカルです!
橙子/特技はみんな支援系、回復に専念します。『ヘルプイベントキー』は伊伏野 狛さんですね、誰かに使おうと思います〜。

 藤岡 橙子(プレイヤー名:水波)
 クラス:[感応力師2/聖職者3]
  体力:15(+5)  反射:12(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:13(+4)  幸運: 9(+3)
  HP最大値:27  MP最大値:25  正気度:8
重要キーワード:孤児  背景:愛する人達を救いたい  特徴:新米である
ボーナス効果:≪薬物取得・興奮剤≫  スキルウェポンのイメージ:??
職業:おばあちゃん  性別:女  年齢:85  身長:149cm  髪色:灰  瞳色:黒寄りの灰
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪肉体復元≫ ≪空間知識≫ ≪空と心のリング≫ ≪覚醒具≫
 聖職者→≪聖者の友≫ ≪悔改めよ≫ ≪神託≫ ≪叱咤激励≫ ≪さきもりの声≫ ≪霧暴き≫ ≪白き守り手たち≫

プレイヤー3・ピロ(以降、サジ)/キャラクター名が、サジテール・アマ・デトワール。サジと呼んでください。前に遊んだ『ジェノサイド・デザート』というセッションのリビルドPCです。後衛攻撃系で、サポートもできます。調べ物や探し物は得意です。……えー、魔王の部下です。でも悪い異端じゃないよ。
プレイヤー3・水波/ぷるぷる!(笑)
サジ/魔王側の人間だけど、悪い異端じゃないよ! 正体は、ケンタウロスの人外です。
GM/つまりサジくんを倒すと蹄がドロップできる。再臨素材をよこせ。
サジ/やめろぉー!(一同笑) 下半身はヒトにしてるもん! スキルのレベルアップ素材じゃありません!
美織/ちなみに、『ヘルプイベントキー』は?
サジ/青森さんです。なんか貸しの関係らしい。……よく判らんけど、それっぽいな(笑)
GM/『ジェノサイド・デザート』で魔王のもとで働き始めたサジくんなのは存じ上げておりますが、ハンドアウト指定の「ときわかアクセンと繋がりを持てるよ」の選択は、アクセンを選ぶのでよろしいですよね?
サジ/はい。命を救ってくれた恩人で上司で主人ですね……デスゲームの次は何されるんだろ(笑)

 サジテール・アマ・デトワール(プレイヤー名:ピロ)
 クラス:[聖職者1/稀人1/イレギュラー3]
  体力: 9(+3)  反射:15(+5)  知覚:15(+5)
  理知: 9(+3)  意志:10(+3)  幸運:15(+5)
  HP最大値:24  MP最大値:20  正気度:6
重要キーワード:敗北  背景:ケンタウロスに育てられた  特徴:器用貧乏である
ボーナス効果:≪コネ「魔王の落とし子」1・機関「チルドレン」≫ ≪コネ「魔王の落とし子」2・薬物取得・興奮剤≫  スキルウェポンのイメージ:銃
職業:元チルドレン  性別:男  年齢:18  身長:187cm  髪色:草色  瞳色:碧
 スキルウェポン→≪グロウカリバー≫
 聖職者→≪叱咤激励≫ ≪聖者の友≫
 稀人→≪光の一手≫ ≪見通す眼≫
 イレギュラー→≪ソウルデバイス≫ ≪ロキ≫ ≪インドラ≫ ≪ハスター≫ ≪パミュートメモリ≫ ≪ヒストリアー≫ ≪プロパゲイト:心身置換≫

GM(以降、黒旋風の台詞は黒旋風と表記)/本当なら今日はPC4人プレイで遊ぶつもりだったんですが、3人卓になってしまったのでGMが4人目のPCをご用意しました。名前は、天殺星 李逵(てんさつせい・りき)こと、黒旋風(こくせんぷう)です。バーサーカーの英霊です!
橙子/わー、英霊だー。
黒旋風/以前遊んだ『傷痕は眠らない』でGM兼用お助けNPCとして参加したキャラクターを連れてきたよー! 召喚主の女の子が教会のお手伝いをしているので、黒旋風もたまに教会の遊びにきた! 人懐っこいワンコ系です!
美織/ほうほう。
黒旋風/マスターがワイン農園をやってるんだー! ワインに興味はないかー! オレがいっぱい持ってきてやるぜー!
美織/可愛いー。ご飯をあげよう。
黒旋風/わーい! もぐもぐ!
サジ/完全に犬じゃないか(笑) ハイハイ、お手。……うちの上司がワインなら嗜むかな?
黒旋風/ワイン農園繋がり以外でも現れるぜ! よく教会の礼拝堂で、腹を出して寝てる!
橙子/こらこら、お腹を出して寝てたら風邪を引いちゃうよ〜。
サジ/おばあちゃん、腹巻をあげそう(笑)
橙子/編み物で腹巻を作ってプレゼントしよう〜。
黒旋風/データとしては、完全サポート型として作ってあるぜ! ≪物品調達≫を持っているから、誰かが「この物品を持ってきて」と言ってくれたら2シーン後に入手できるよ!
サジ/「取ってこーい」って、完全に犬じゃないか(笑) おー、よしよし。グッボーイ!
黒旋風/えへへ、グッボーイ! 褒められて嬉しいからいっぱい取ってくるー! 1シナリオに1回特技だけな!

 黒旋風(プレイヤー名:マーサー・NPC)
 クラス:[聖職者1/処刑人3/世界遣い1]
  体力:15(+5)  反射:13(+5)  知覚:10(+3)
  理知:11(+3)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:27  MP最大値:24  正気度:8
重要キーワード:奉仕  背景:良い英霊に選ばれた  特徴:熱血漢である
ボーナス効果:≪英霊「バーサーカー」≫  スキルウェポンのイメージ:両板斧
職業:バーサーカーの英霊  性別:男  年齢:外見22歳前後  身長:180cm  髪色:黒  瞳色:赤
 スキルウェポン→なし
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪叱咤激励≫ ≪物品調達≫
 処刑人→≪躍動の呪歌≫ ≪異端審問≫ ≪血の媚薬≫ ≪黒水晶の盾≫ ≪怪力無双≫
 世界遣い→≪リライト≫ ≪禍福のさざなみ≫
 一般特技→≪強化手術:意志≫ ≪+99狂化≫


 ●マスターシーン 〜悪夢〜

GM/まずはマスターシーンから。PC1の美織ちゃん、君は夢を見ます。
美織/はい。
GM/これは夢だという確信のある夢だ。いつかこの夢から目覚めるだろうという感覚のある夢。……そこは、真っ暗。見たことのない空間に君は立っている。目の前には自分より4倍も5倍も大きなイソギンチャクの姿。
美織/いそ、ぎんちゃく!?
橙子/うわぁ、おっきい!
GM/黒いイソギンチャクは大きくぬめっとした触手を持っている。タコなのかイカなのか判らない、この世界の生き物とは思えないほど恐ろしい化け物だ。
美織/も、もうちょっと小さいのがいいな……。
GM/にゅるっ! シュルシュルと触手が伸びる。ぬめり気のある触手が君の手を、足を、体を掴む。
サジ/うわー!? エロ同人みたい!
美織/エロ同人みたいに!?(笑)
GM/なりませんね。触手が穴という穴の中に入っていく。口の中とか鼻の穴とか耳の穴とか色んなところに触手が入っていく。
橙子/グロだー!?
美織/い、いやあ……ひいっ! ポカンとしたらグアーときてグアーとなって……。
GM/夢という実感があることが救いでしょう。
美織/とはいえ、気持ち悪いから絶叫はしてる……けど、言えないだろうな。
サジ/口の中にも触手が突っ込んでくるしね……。
GM/「だめ、にげて」
美織/ハッ。
GM/女性の声がする。そして君は目を覚ます。
美織/……は……。
GM/8月1日の真夏。君はクーラーをつけて寝るタイプですか?
美織/……はい。
GM/では自室はヒンヤリとした冷房の涼しさで快適な睡眠だった筈。なのに、真夏の熱帯夜の中を眠っていたかのように汗ビッショリだ。
美織/はあ……とりあえず起き上がって、ベタベタする体を拭う。放心状態……ショックでベッドの上から動けません。
GM/「落ち着いてください、黄緑美織さん」 ルージィルの声がします。
美織/ひえっ!?
GM/目を向けると、見たことがある金髪碧眼の男性が立っています。……女性の部屋に突然現れるの、アレだったかな?
サジ/ルージィルさんなら仕方なくない?(笑)
美織/でもなんで居るのって叫びますよ!(笑) 自分の体に毛布を巻きつけようかな……たとえ知り合いでも!
GM/「申し訳ございません、この登場の仕方はGMも悪かったと思います(一同笑) 貴方は一つの世界を歩んだ。恐ろしい記憶がありますね?」
美織/……ルージィルさん。
GM/「黄緑美織さん。貴方は死にました。だけど世界は、貴方の死を認めない。貴方の血を、運命を、見つめ直してください」
美織/今の状況に対するコメントは無いんですか?
サジ/謝罪と弁明を求める!(一同笑)
GM/「大変申し訳ございません。私が悪かったです」
美織/意外とちゃんと謝ってくれるものなんだなぁ……(笑) えっと、ルージィルさんがここに来たということは……状況はどうであれ、危険な状況だったということですね?
GM/「ええ。このままでいくと、貴方はきっと……悲しい運命を辿る。これをどうぞ」と言って、ある物を差し出します。
美織/はい?
GM/タオルです。
橙子/優しい!(笑)
サジ/重要アイテムをくれるのだと思った!(笑)
美織/ベッドから一度落ちていい!?(笑)
GM/ベッドからギャグマンガのようにスッテーンと落ちた君が顔を上げた頃には、ルージィルはその場から去っています。
美織/あ、逃げた! 逃げやがったあの人ー!(笑) 聖剣ちゃんの方が良いコメントを頂けた気がする! ……とりあえず頂いたタオルで拭きます……。
GM/大丈夫、君がちゃんと昨日洗濯していたタオルです。
美織/これをどこから手に入れた!?(笑)



 ANOTHER WORLD SRS
  「ハルスの悲鳴」




 ●オープニングフェイズ 〜懐かしき故郷〜

GM/8月1日、美織ちゃんの親戚の男性が現れるオープニングシーンをやります。美織ちゃんがいる場面に登場しますが、PC2とPC3もシーン参加可能です。みんなで集まる機会ってありますか?
美織/ルージィルさんがわざわざ忠告に来たのだから……教会へ報告に行きたいです。こんなことがあったんですって、おばあちゃんに相談しようかな?
橙子/はーい。おばあちゃんは礼拝堂の裏庭を掃いてるよ。
GM/おばあちゃん、夏場なのに外のお掃除大変ね?
橙子/朝早くだから大丈夫! 麦わら帽子もちゃんと被ってるから!
美織/じゃあ、太陽がまだ上がりきってない午前に……橙子おばあちゃーん。おはようございまーす。
橙子/ああ、おはようー。今日も良い天気だね、美織ちゃん。
美織/おばあちゃんも元気ですね。はい、ペットボトル。
橙子/わあ、ありがたいねー。いただくよー。
美織/世間話を少しした後……。橙子おばあちゃん、ちょっとだけ時間ない?
橙子/ババアの時間はいっぱいあるよ〜。
サジ/話をするんだったら中に入ればいいやろ。……サジは別のセッションでの報告書を出しに行く途中で声を掛けて礼拝堂に入りまーす(笑)
橙子/そうだね、せっかくお水も貰ったことだし。中でおしゃべりしよ?
美織/うん、お邪魔しまーす。
GM/礼拝堂の中はクーラーが効いてます。共有スペースや会議室みたいなレンタルルームもあって、自由にお菓子とお茶でおしゃべりできる場所もあるよ。
美織/おばあちゃんにはペットボトル飲料を渡したから……サジさんと高坂さんにもコンビニで買ってきたお菓子を渡そう。
黒旋風/礼拝堂の床で黒旋風が大の字で寝てます。
橙子/おおうっ!?(笑) ふ、踏んじゃった!?
黒旋風/ここヒンヤリ! キモチイイ! すぴー。
橙子/まーたこの子はお腹を出して寝ちゃってー! 腹巻をよいしょよいしょ!(笑)
サジ/クロちゃんをヒョイッと飛び越えて、何事も無く高坂さんへ報告書を提出に……。
黒旋風/ゴロンゴロン。ゴロンゴロゴンゴロン。寝がえりでついて行きます。
サジ/邪魔っ!(笑)
美織/クロちゃん、アイスいるー?
黒旋風/ガバッ! いるー! わーいアイスー! ミノリスキスキー!
美織/ミ・オ・リ! です!(笑)
黒旋風/ログインスタンプが押されます。
サジ/「ミオリ」って言い間違えると増えていくのか?(笑)
橙子/はいはい、おばあちゃんもクロちゃんにジュースをあげるよ。
黒旋風/わーい! おばあちゃんスキスキー! 腹巻は食えねーけどジュース飲むー!
橙子/腹巻は食うなー(笑)
GM/では美織ちゃんは今朝の話をおばあちゃん達に共有しました。そうやって話をしていると、教会の一般人シスターさんが「すみませーん、黄緑さんはいらっしゃいますかー?」と声を掛けてきます。
美織/おばあちゃんに慰められていたので、顔を上げます。
GM/呼んでいたシスターさんを見やると、隣に男性が立っていて「あちらが黄緑 美織さんですよ」と君を紹介している姿が見えます。美織ちゃんは一目見て思います……自分のお父さんそっくりな男性だと。
サジ/ほう?
GM/君は現在天涯孤独で、両親は既に他界しています。両親が死んだ理由は交通事故などプレイヤーが自由設定していいのですが、そんな亡くなった父とそっくりの男性が立っています。橙子おばあちゃんやサジくんから見ても、「美織ちゃんを男性にしたらこんな人になるんだろうな。親戚かな?」と思えます。
美織/それは……顔が強張りますね。息を呑みます。
サジ/あの人、美織ちゃんの親戚か。身寄りがないって言ってたけど?
橙子/どなたかな?
GM/ちなみに、美織ちゃんのお父さんとお母さんの名前は何ですか?
美織/えっと、娘の名前が美織だから……(暫し考えて)織姫と彦星でいい?
GM/おおっ、素敵な名前。しかも覚えやすい。
サジ/でも彦星だと名前として変だから、逆転して星彦はどう?
美織/そうですね、ではお父さんが星彦さんで、お母さんが織姫さんでお願いします。
GM/了解しました。君の前に現れた男性はペコッと会釈をします。「美織ちゃんだよね? 俺の兄の名前は星彦っていうんだ」
美織/父の……名前?
GM/「俺は星彦の弟、つまり君の叔父にあたる。俺は黄緑 数星(きみどり・かずぼし)
美織/数星さん……?
GM/「俺のことを覚えてないのは仕方ないと思う。君の両親は古徒海村という過疎化が進んでいた村の生まれなんだ。何も無い場所だったから二人は上京して……」 彼の表情は、やっと美織ちゃんという親戚に会えてとても嬉しそうなものです。荷物は遠出をしてきた風で、ちょっと長話になりそうです。
橙子/良い人そう……かな?
美織/……あの、近くにシャノアールという良い喫茶店があるんです。そちらに移動しませんか?
GM/「君が良いならぜひとも。色々話がしたかったんだ」 礼拝堂ではなく気軽に喋れる場所へ移動しますか。
美織/ちらっ。……敢えて、みんなに助けを求めるような目を向けます。
サジ/同席はしないけど近くの席に座ろうかな。……ばあちゃん、近くのシャノアールで休憩しない?
橙子/いいよいいよ!
黒旋風/グゴー。
サジ/ほら起きろ! さっさと来い!(笑)
黒旋風/オレもシャノアール行っていい!? シャノアールご飯食べていいの!? チョコレートサンデー食べたいっ!
サジ/奢ってやるから!(笑) という訳でついて行きまーす!
GM/では場所を変えて、シャノアールでお話をしましょう。ここなら長話もできる、大声を出すような客はクロちゃん以外はいない静かな喫茶店です。
サジ/クロちゃんステイっ!(一同笑)
GM/「話の続きをさせてもらうね。……君の両親、星彦兄さん達は残念ながら上京してから故郷である古徒海村に一度も戻ってくることはなかった。君は知らなかったかもしれないけど、古徒海村にはおじいちゃんもおばあちゃんもみんな居るんだよ」
美織/……はあ。突然な状況にまったくもってついていけないような顔になります。
GM/「ごめんな、脅かすような話をして。実は……探偵を雇って君達家族を探していたんだ」
美織/探偵ですか?
GM/純粋に弟夫婦に会いたいと思った数星さんは、探偵を使って足取りを探しました。ですが残念ながら2人は亡くなっていた。せめて墓参りだけでもしたいと思った彼は2人が眠るお寺を訪れたところ、一人娘である美織ちゃんがまだN市で生きていることを知り……ここに来たそうだ。「さっき、墓前にお線香をあげてきたんだよ」
美織/ああ、夏だから……。
GM/「たくさん探して、ようやく会えて……良かったよ。N市で元気に君が生きていてくれて良かった」 兄夫婦のお墓参りがしたかった彼は、兄が遺した娘さんに挨拶がしたくて色んな人を頼ってきたようです。
サジ/子供が生きていると知ったら、会いたいよね。
橙子/うんうん……。
美織/……そこまで聞いて、ようやく警戒心が薄れてきました。お墓参りをしてくれたのは、嬉しい。ありがとうございます。
GM/「君が元気だったこと、このことは俺の両親、君のおじいちゃんおばあちゃんに連絡しておくよ。……その、良かったら、一度うちに来てくれないかな?」
美織/うちというのは、古徒海村ですか?
GM/「ああ。君が生きていたということは既に電話で連絡している。みんなとても喜んでいたよ。それに美織ちゃんはそろそろ誕生日も近いそうだね?」
美織/あ、はい……。
GM/「良かったらら、うちで誕生日を祝わせてくれないか?」 誕生日に古徒海村に来ないかと誘われます。ではここで、PC1にのみイベントキーを配布します。

 『イベントキー:故郷に帰ろう』
 このシナリオキーは条件が揃ったPCのみ見ることができる(オープニング段階ではPC1のみ閲覧可能。特技の効果による譲渡は可能)。


美織/(イベントキーの中身を見る)…………。
サジ/……ばあちゃん、どう思う?
橙子/ええー……ちょっとねえー……ねえー?
黒旋風/全然怪しいところなんて無さそうだぜ?
サジ/怪しくないところが、怪しいんだよねー。どんどん疑り深くなっていく(笑)
GM/では美織ちゃん、判定をお願いします。
サジ/判定?
美織/はい。(ころころ)
GM/判定結果が成功か失敗か、それだけ宣言をお願いします。
美織/……失敗です。
GM/では、失敗のロールをお願いします。
美織/……判りました。私も、会いたかったです。本当は寂しくて……でも家族がいるなんて信じられない! 嬉しいです!
橙子/おっ? おっ、おっ?(笑)
美織/なので……行きたいです! 私、古徒海村に帰りたいです!
GM/「そうか、良かった! ありがとう! 新幹線のチケットはこちらで用意して用意しておくよ! 電車を乗り継いでやっと行けるような、海沿いで何にも無い村だけど……君の故郷だから良い所に決まってるよ。何より家族が待っているからね!」
美織/はい! ありがとうございます! 私、帰りますね! すぐに行きたいから、2〜3日ぐらいに行きますね!
サジ/な、なんか……急に態度が変わったぞ?
橙子/なんだろ!? 怖い! 気になるー!(笑)
GM/彼は美織ちゃんが帰郷することを喜んで何でもお教えします。彼はお世話になった檀家さんや教会のシスターさん達に挨拶をしてから古徒海村に帰ると言い、美織ちゃんと連絡先を交換して去っていきます。「家でご馳走を作って待っているからねー!」
美織/はーい!
サジ/……とりあえず、数星さんがシャノアールを出ていくのを見送る。見えなくなったのを見て、美織さんに言います。……急に、どうしたん? あんだけビックリしてたのに。
橙子/うんうん、どうしたの?
美織/話している最中で「彼は悪い人じゃない」って思ったの。私、はしゃぎすぎてないですかね?
黒旋風/はしゃいでた! オレのチョコレートサンデーに入ってたウエハースやるよ! それで落ち着け!
サジ/ウエハースだけあげるの?(笑)
美織/ありがとうクロくん! なでりこなでりこ!(笑) ……でも、どうしてでしょうね? どうして「悪い人じゃない」って急に思えたんだろう。
橙子/ふ、不安だ……(笑) 美織ちゃん、大丈夫? 何か変な魔術とかにかかってない?
美織/かかってない、かかってない。はーい、クロちゃんケーキあーん。
黒旋風/ケーキあーん! うまーい! ミノリスキスキー!
美織/ミ・オ・リ、ですっ!(笑)
黒旋風/ログインボーナスゲットだぜー!
サジ/……洗脳されている奴はみんな「かかっとらんわ」って言うんやで?(笑) こんなフワフワした状態で1人帰郷させるのは、不安だな。
橙子/ちょっとねえ……女の子1人で遠くに行くのはおばあちゃん心配よ。男なら世界各国あちこち行くのはまだしも、女の1人旅は怖いよ。
美織/やっぱ1人で行くのは怖いですかね? 私[闘士]ですけど。
黒旋風/ミノリ1人でも無双ごっこできるスペックだから平気だって。
サジ/脳味噌バスターの人は黙っててください!(笑)
黒旋風/1人で行くのが怖いの? じゃあオレ行くよ! 一緒に行く!
美織/えっ、クロちゃん来てくれるの!?
黒旋風/行く行く! 山賊が襲ってきてもオレが守ってやるし山賊から身ぐるみ剥がせば何日か生きられるぜ! それに車はアクセルってやつ踏めば動くって知ってるから行ける!
サジ/こいつら2人で行かせる訳にはいかない!(一同爆笑) 俺も行くから! サジも胃が痛くなるからついて行くよ!
黒旋風/じゃあサジはアクセル踏むの担当な!
サジ/アクセル踏むだけじゃなく俺が車は運転するから!(笑) 君達二人は後部座席に乗れや!
橙子/良かったわぁ、おばあちゃんそろそろ運転できない年だからねぇ。
サジ/おばあちゃんは助手席にいて!(笑)
美織/でもサジさん……サジさんのお仕事は?
サジ/禁書集めは自由業だから大丈夫(笑) 話の分かる上司だから大丈夫だって!
橙子/おばあちゃんも特に仕事してないから大丈夫大丈夫。でも若いもんにはまだまだ負けないよー。
黒旋風/ばあちゃんはプーッて鳴らす役な!
サジ/クラクションって無闇に押すと罰金案件になるんだぞ!(笑)


 ●オープニングフェイズ2 〜忠告〜

GM/高坂から古徒海村に関するお話をされるシーンをします。一度、礼拝堂のシーンをさせてください。
サジ/夏休みに古徒海村に行くことになったんで、教会の任務に出られませんという話をしに行こう。
橙子/高坂さーん、ちょっと出かけてくるよー。
GM/(高坂になって)「おや、みんなで旅行ですか?」
橙子/美織ちゃんの故郷に一緒に行くことになったんだよー。
黒旋風/マルタ村ってところなんだけど。あれ? ダビデ村だっけ?
サジ/3文字しかあってないよ!?(笑)
黒旋風/文字数3つもあってれば正解じゃん。
サジ/ガバガバ過ぎるだろ!(一同笑)
美織/えっと、確か、コトミネ村……。
サジ/惜しいけど怖い名前だなそれ!?(一同爆笑) えーと、古徒海村ってところらしいんですけどー。
GM/「えっ、そこって……。現在エージェントが向かっている場所じゃないか」
美織/えっ? きょとん。
GM/「……ごめん、君達にも古徒海群という地方で起きている話をしていいかな。実家に帰省する美織ちゃんに脅しをかけるつもりはないよ。ただ、古徒海村にエージェントを送り込んでいることは確かなんだ」
サジ/何か異端事件が起きているんですか?
GM/「ああ。古徒海群ではここ5年で4名もの変死体が発見されている」
橙子/ひゃっ、変死体がそんなに……?
GM/「被害者は旅行者4名。全員、恐怖を貼りつけたような表情で発見されている。死因は様々だ。だが4名とも内臓器官が滅茶苦茶にされていて……」
橙子/ひー、怖い……。
GM/高坂は女性がいるので話しにくそうな顔をしますが、エージェントなのでしっかりと隠さず話します。「被害者は……肛門が、女性なら女性器が、抉られて破壊されている」
サジ/ひゃんっ。ちょっとヒュンってなるね(笑)
美織/……嫌そうな顔をします。それと、今朝の夢を思い出しますね。
橙子/そうねぇ。美織ちゃんの背中をさすります……。
GM/「2日前に古徒海群にエージェントを2名派遣したんだ。しかしその2名が音信不通になっている。連絡が取れなくなってから170時間……1週間経ったら動き出すような規則にはなっている。けれど4名の犠牲者が出ているような場所だ。エージェント2名が連絡を一回も寄越さないのはおかしい。……第二陣を派遣すべきだと考え、再調査チームを編成する予定だった」
橙子/確かに、連絡が無ければ追って調査するものだよねぇ……。
サジ/行方不明状態ですか……異端のせいなのか。遭遇しちゃったらそれなりの対応をしないとな。
GM/「音信不通のエージェントの名前も教えておこうか。聖職者の清野(せいの)くんと、処刑人の祥子(しょうこ)ちゃんだ」
橙子/判りやすい名前!(笑)
サジ/あの聖職者と処刑人のペアがいなくなってしまったなんて!? とんでもない事件が起きているに違いない! ……きっと闘士の透児(とうじ)くんとかいるんだ(笑)
GM/魔術師のマーちゃんとか。
サジ/メイジだからメイちゃんじゃないの?
GM/ブルボンちゃんもいますね。
サジ/お菓子の話なんかしてねーよ!(一同笑) ま、まあ……事件に関わりそうなことが判ったら、すぐに教会にお話しますね。
GM/「ありがとう。けど、プチ旅行……帰郷は存分に楽しんでくるんだよ。実家に帰るなら何かお土産とか持っていってあげると喜ぶんじゃないかな?」 高坂は能天気に言ってシーン退場しますよ。……そして、別のNPCが登場します。赤い人です。
サジ/ぎゃあ(笑)
GM/高坂とは入れ違いに……礼拝堂の奥からヌッと、君の上司が現れます。彼の名前はアクセン。サジくんを「おいで」という目で見ています。
サジ/は、はい……お呼びでしょうか……。
GM/(アクセンになって)「何もそんなに固くなる必要は無い。君は異端を討伐する教会のエージェントで、私は教会で禁書に関わる翻訳作業を手伝っている協力者だ。ただの知り合いだろう?」 まあ、そう言ってるだけの異端の王なんですけどね。
橙子/教会に魔王がいる……(笑)
サジ/……は、はい……(笑) あ、あの、知人が帰省をすることになったので、それに同行することになりました……。という訳でN市から離れますのでお休みをいただきます!
GM/「頑張れ。古徒海村は神の恩恵を受けた集落だ」
美織/神の恩恵?
GM/なんでアクセンはサジくんが古徒海村に行くって知っているのかな。
サジ/知らねーよ!? でもなんでも知ってそうだよこの人!(一同笑) そ、そんな簡単な説明で片付けていいやつですか!?
GM/「1714年に大地震が起きたとき、相当海が荒れてあの一帯は壊滅状態に陥った。多くの町は海の藻屑になったと言われているが、古徒海村という漁村だけが助かったという伝説がある。知る人ぞ知るパワースポットという訳だ。おそらく良いモノが見つかるぞ」
橙子/パワースポット……便利な言葉ですね(笑)
サジ/つまりは……何かしらの強い加護が働いて地震や津波の被害から免れた地域だと?
GM/「その通り。何か私に訊きたいことができたなら随時連絡してくるがいい。私の連絡先は知っているな?」 PC達はアクセンと連絡を取る手段を持っています。
サジ/はい。もちろん魔王の連絡先を知っていますね?
GM/「ラインというものは便利だな」
美織/ラインやってるー(笑)
サジ/魔王の落とし子グループラインがあるんでしょー(笑) 充分に注意をして、かつ、主のお役に立てるものがあれば即時回収して参ります。……ここが教会じゃなかったら、かしずいてるところだった(笑)


 ●オープニングフェイズ/合流 〜古徒海村 到着〜

GM/それでは数日後。美織ちゃん達一同は古徒海村へ向かいます。高速道路を使ってN市から4〜5時間。休憩をサービスエリアで挟みながらドライブしてね。
美織/みんなで車に乗ってゴーですね。サジさんの運転で!
黒旋風/アクセル踏むなら任せろー!
サジ/犬用の大きなケージに入れるぞ!?(笑)
橙子/クロちゃん、チャイルドシートに座る? ……ちょっと大きすぎるか(笑)
黒旋風/サービスエリアでラーメン食べようぜ! 自販機の焼きおにぎり食べようぜ! あとフランクフルト食べようぜ! 唐揚げ食べようぜ!
サジ/食べてばっかりかよ(笑)
黒旋風/ミノリ! ピノあげる! あーん!
美織/ミ・オ・リ、ですっ!(笑) でもあーん。おいしー!
黒旋風/アイスの実あげる! あーん! 雪見だいふくやるよー! あーん!
美織/おいしー!
黒旋風/うわああああんオレの雪見だいふく半分も減ったああああぁー!
サジ/雪見だいふくを分け合うのはリスキーって言っただろぉ!?(一同笑) あとアイスばっか買うな! 腹壊すだろ!(笑)
美織/じゃあ……クロくんにはこれあげる。チョコパイ!
黒旋風/ごちそうだぁー!? 高級品だぁー!(一同笑) お、オレ! これ! ミノリだと思って大切に食べる!
橙子/判るよ、チョコパイはお菓子の中でも高級品だよねぇ……(笑)
美織/いいのいいの。でも私の名前、ミオリだからね?(笑) なんか……夏休みに車でわいわいとドライブって、家族みたい。
黒旋風/イイハナシダナー。
サジ/イイハナシダッタナー。そう、このときは……俺達の身にあんなことが起きるなんてこのときは思いもしなかったんだ(笑)
黒旋風/エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!
サジ/やめなさい! 忘れなさいソレ! 意味判らないで言ってるだろお前!?(一同笑)
橙子/サジくん、運転大変だよねぇ。おばあちゃんが代わろうか?
サジ/代われないんだよなー、怖くて(笑) でもおばあちゃんは一般道に入ったら交代しようか?
橙子/おっけー!
GM/どんぶらこどんぶらこと山を行き、谷を行き、朝から一生懸命車を走らせて、古徒海村に着いた頃には夕方。夏だから夕方でも明るいけど、北上したせいか気温も涼やかになっていく。
橙子/うんうん、ちょっと肌寒いかな〜。
GM/S字のクネクネ道路を走っていって、ようやく村に到着。後ろは山、前は海という村です。過疎化したという話の通り、昭和の看板が残っている地域だね。
サジ/あー、随分と寂れているなー。
GM/観光するにももっと良い海水浴場があるから敢えて行かないと来ないような場所だ。でも美織ちゃんはどこか懐かしい気分になる。もしかしたら赤ちゃんの頃に味わった風が吹いているのかもしれない。
美織/キョロキョロ見回していますね。
サジ/住所は教わっているから、まずは黄緑家に行くかな?
GM/そうだね。今の時刻は夕方……運転しているサジくんは黄緑家のお家の駐車場まで来れました。広い砂利の駐車場で、数星さんが「こっちこっち! こっちに停めてー!」と首からタオルを掛けたスタイルで手を振っています。
橙子/わー、田舎スタイルだー(笑)
サジ/ブルンブルーンと車を停めます。大所帯で失礼しまーす。
GM/「いやいやー、お友達が来るって事前に連絡を貰っていたから、ちゃんと人数分のお布団を用意しておいたよ。ご馳走も支度しておいたさ!」
橙子/すみませーん、ありがとうございますー。
GM/「まずはみんなの荷物を運ぶよー」 数星叔父さんはお家へと案内してくれます。そうすると……20歳以下ほどの男の子が走り寄ってきます。
美織/んっ? 
GM/「逃げろ! こんなところに居ちゃいけない!」
美織/えっ?
橙子/へ?
美織/……それは、どういう……ことですか?
GM/美織ちゃんと顔が似た男の子は言いました。そこに村のおじいさんらしき男性が現れ、いきなり叫んだ少年にゲンコツを落とします。
橙子/あらっ!?
美織/ちょっ!? な、何するんですか!
GM/「お客さんにいってぇ何言ってんべぇ!? 馬鹿なコト言っとんじゃねーぞぉ!?」
美織/あっ……。ま、まあまあ! いけません、暴力はいけません!
GM/「すみませんねぇ礼儀ななってなくってぇ! 長旅お疲れだったでしょう、こんな所に来てくださってありがとうございますよぉ!」
美織/ぺ、ペコペコいっしょになって言いますね。で、でもその子も何か……あったんでしょ?
サジ/……男の子の様子は?
GM/殴られてそのままです。おじいさんに怒られて黙っています。
サジ/……そんなにボコボコ叩くと彼も可哀想ですよー。男の子を庇うようにします。
GM/「おめーは家に戻っとんかぁ!」 おじいさんはプンスカ怒りながら、彼をズルズル違うお家へ引っ張って行きました。ここでは2人にはシーン退場してもらいます。(数星になって)「おーい、大広間に荷物を置いておいたよー」 戻ってきた何もしらない数星さんによって、何事もなくお家に招かれます。
橙子/……さっきの男の子は、ここの子かい?
GM/「さっきの子?」
美織/さっき……男の子が、来て……。
GM/「男の子? 若い奴かな? ああ、それは織部(おりべ)のことだな。過疎化が進んでいるから若者はいないし〜」 NPCの名前は、PC1の名前をもじって付けております。
美織/織部くん……。
GM/「……あの、織部が何か失礼なことでもしましたか?」
美織/…………。似ていたんです、私と。血縁かなって思って嬉しくなっちゃって、ねえ?
橙子/う、うんうん。顔が似ていたからねー。
GM/「そっか。織部は今年で18歳、年が近いからきっと美織ちゃんと仲良くできるよー。夜には美織ちゃんの誕生日祝いを兼ねて宴会を予定しているからね」
美織/そ、そんなそんな……。
GM/「皆さん、お酒は飲めますか? しっかりビールもお熱いやつもご用意してますよ。いっぱい飲んでくださいね!」
サジ/いえいえそんなそんな……。
黒旋風/飲めまーすっ!
サジ/クロ、めっちゃ飲みそう!(笑)
GM/そんなこんなで、宴会の時間になる20時までの間にミドルフェイズの情報収集をすることができます。PCの3人のターンが終わったら宴会の強制イベントが発生するよ。

【情報収集AF判定リスト】
▼ミドルフェイズ前に契約シーンを立てることができる。
▼供給は1日1回、マイナーアクション扱い。
▼1日1人1回、情報収集判定をすることができる。
▼協調行動の難易度は、全て8とする。

 『AF判定:「PC1の実家で過ごす」』
  ・使用能力値:【理知】【幸運】
  ・難易度:15
  ・ラウンド制限:なし

 ※「PC1の実家に訪れ、両親の残した家を眺める」演出に成功すること。成功した場合、家からある物を発見する。

 『AF判定:探索「先遣隊の捜索」』
  ・使用能力値:【体力】【知覚】
  ・難易度:50
  ・ラウンド制限:なし

 ※「古徒海村に来た先遣隊を探す」演出に成功すること。成功した場合、隠されたある物を発見する。

 『AF判定:探索「怪死事件の事故現場」』
  ・使用能力値:【知覚】【意志】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:なし

 ※「PC3の持つ資料を持って数年前に起きた事件現場を調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある情報を入手する.。

 『AF判定:調査「古徒海村」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:40
  ・ラウンド制限:なし

 ※「古徒海村について調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある人物を発見する。

 『判定:「資料を探してもらう」』
  ・使用能力値:【理知】【幸運】
  ・難易度:初回10 2回目12 3回目15  以後、難易度が2ずつアップ
  ・ラウンド制限:なし

 ※「教会にいるNPCに調べてもらう」演出に成功すること。成功した場合、NPCから情報を入手する。


サジ/うわー、魔王様に連絡しづれー(笑)
GM/そこはしてー(笑) では、『契約』はこの時点で相談してね。

 『契約』の相談の結果。
 美織がサジのマスターになり、サジが橙子のマスターになり、橙子が黒旋風のマスターになり、黒旋風が美織のマスターになった。


橙子/ばあちゃんがクロちゃんのマスターになったけど、これって完全に飼い犬と飼い主だな(笑) なんだかクロちゃんを見てると実家で飼っていた大きな犬を思い出すねー。
黒旋風/ばあちゃんタンポポ食べていい!? いや、食べたっ!
サジ/事後報告!?(一同笑)
橙子/こらこら、タンポポ食べちゃダメでしょー(笑) おばあちゃんが作った煮物をあげるからそっちを食べなさい。タッパーに入れて持ってきたよ!
サジ/わざわざタッパーに煮物を持ってきたのか……(笑)
美織/おばあちゃんが作った煮物、美味しいもんねー。
黒旋風/美味しいもんねー! あっ、オレもお土産として展木ワイナリー園のワインを持ってきた! 1人1本あるぜ!
サジ/多い多い(笑) ……AF判定だけど、PC1はPC1の実家で過ごしてほしいかな?
橙子/うんうん。美織ちゃんにはゆっくりしてほしいね。
美織/夜に何かある前に大きな情報を手に入れておきたいですね。……絶対に夜、何かあるでしょ。
黒旋風/宴会があるよー!
サジ/いや、宴会以外に絶対何かあるでしょ。古い村の宴って何かあるよ(笑)


 ●ミドルフェイズ1/橙子 〜介入〜

橙子/まずは古徒海村を調べていこうかねー。
サジ/そうだな、じゃあ協調行動をします。難易度は8だから……(ころころ)よし、ギリギリ成功です!
美織/(ころころ)達成値9で成功です、協調成功! お手伝いしまーす。

 『AF判定:調査「古徒海村」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:40
  ・ラウンド制限:なし

 ※「古徒海村について調べる」演出に成功すること。成功した場合、ある人物を発見する。


美織/少し村をまわってみようかな。赤い雨とか降らない?
サジ/それは羽生田村かな?(笑)
GM/AF判定はシーンプレイヤーが「赤い雨が降ります」と言ったら降ります。
橙子/なんでもありですからね、AF判定は!(笑)
サジ/降らせちゃダメだろそれは(笑) では……サジはウズマキから≪パミュートメモリ≫という名のるるぶを取り出す。この近辺の土地柄や逸話を調べます、≪ヒストリア≫!
黒旋風/ヒストリー!
サジ/移動しながら景観を見てなんとなく道を覚えよう、≪見通す眼≫。
黒旋風/オレあっち行きたいー! ああっ、もう商店が閉まるぜー!? まだ夕方なのにー!
サジ/俺達の買い物が≪光の一手≫で塞がれている!(笑) クロちゃんが道を勝手に行きそうになるのを≪叱咤激励≫でそこは違うと止めます!
橙子/おばあちゃんもぶらぶら歩きながら、この村はこんなものがあるんだねーと≪空間知識≫。歩いている中、夕方……急に霧が出てきた! ので、≪霧暴き≫を使います!
サジ/霧をかけ分けて行くんだね(笑)
橙子/あっ、こっちに道があった。こっちの道は危ないよ、≪神託≫。明るい道に戻ります。
黒旋風/あっちの道、犬が吠えてる! だめ!
美織/……うーん、やっぱりこの辺、虫が飛んでるね。
サジ/なんてこった、虫刺されでこんなボロボロの体に!(笑)
橙子/そこは≪白き守り手たち≫という名の虫よけスプレー!
黒旋風/オレのカレールーのような腹筋が虫刺されだらけに!?
橙子/まったくもー、≪肉体復元≫という名のムヒを取り出すよ!(笑)
美織/あっ、今度は蜂だ! 襲い掛かってきた蜂を≪片手武器≫という新聞を丸めたもので、≪乱舞≫しながら落とす! ≪殺法:重圧≫+≪撃滅≫!(笑)
サジ/その攻撃に≪インドラ≫!
橙子/≪魂装支援≫も使っちゃう!(笑) 虫退治をしていたら『現在難易度:8』だね、そろそろ判定やってみます。(ころころ)悪くない、達成値13です。
GM/村を探索判定に成功しました。それでは、夕方になって店じまいをしている村人が話し掛けてきます。「こんにちは、もしかして……貴方がミノリさんじゃ?
美織/美織です。ミ・オ・リ!(笑)
GM/地道にログインボーナスを稼ぐGMだよ。「ミオリさん!」「あー、あんたが美織ちゃんかー!」「おかえり、美織ちゃん!」 誰もが美織ちゃんの帰省を歓迎します。そんな村人達の顔は、みんな美織ちゃんに似てますね。
橙子/……うん……?
GM/この辺の一族しかいないのかってぐらい似ています。商店のおばあちゃんもきっと美織ちゃんがおばあちゃんになったらこういう顔をするんだろうなってぐらいそっくりです。
サジ/細胞分裂して増えたみたいだな。
美織/そんな、人を異端みたいに言って……(笑)
サジ/というか、美織ちゃんが来ている話が村で広まっているよな。村の放送で「村の皆さーん! ウチの美織が! なんと! 見つかりましたー!」とか流したか?
GM/はい。
美織/恥ずかしいーっ!(笑)
橙子/ほら、田舎って、横の情報はすぐに伝わるから……(笑)
GM/この村の人はみんな似ているってことと、そしてかなりフレンドリーで美織ちゃんを家族のように迎えているということが判ります。突然ですが【意志】判定で難易度15の難しい判定に挑戦してください。
サジ/【意志】か?(ころころ)んー、8で失敗です。
美織/(ころころ)私も8で失敗です。
橙子/(ころころ)達成値13で失敗です……。
サジ/あ、じゃあ……橙子おばあちゃんに≪叱咤激励≫!
橙子/それなら達成値15で成功です!
GM/とある条件を満たしているのでイベントが発生します。黒旋風が≪異端審問≫を使用。橙子さんを失敗させます。
橙子/……えっ?
サジ/……えっ、クロ!? 何をしてるんだお前!?
黒旋風/ふえ?
サジ/ふえ、じゃないよ! 俺が成功させた判定をなんでお前が失敗させた!?
美織/え……。クロちゃんは、実は敵……?
GM/いえ、これは不幸の事故です。「何かの条件があって」「その条件に見事合致してしまったPC達は」「失敗させられました」。黒旋風も自分が何をしたか判ってない様子です。どうして妨害行動をしたか判らない、キョトンとした顔をしています。
美織/クロちゃん? どうしたの、何も無いの……?
橙子/え……ええっ……?
サジ/何かがフラグが足りなかったってことか……? クロ、ダメだぞ、人の判定を妨害しちゃ。妨害していいのは敵の判定だけだからな。あと≪物品調達≫してもらえるかな?
黒旋風/おっと、忘れるとこだった! ≪物品調達≫を使用! 2シーン後に何を持ってきてもらいたい!?
美織/≪興奮剤≫ですかね?
サジ/≪興奮剤≫だな! 行ってこーい!
黒旋風/≪興奮剤≫を取ってくるぜー! ばたばたばたー!
サジ/宴会までには帰ってこいよー。……とりあえずこのシーンは、何か不安になることが判っただけでも良しとしよう。
GM/では、この失敗してしまったAF判定は難易度半減した状態でまた再挑戦できます。残念ながらこのシーンには情報が出なかったので、次のシーンにいきましょう。