アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 傷痕は眠らない 』 1ページ ■
2017年9月17日




 ●プリプレイ

 台風が直撃するセッション会場となる某カラオケにて。
 GMのマーサーの前に居るのは、本来は4人でのプレイを想定していた卓だったが、訳あって3人となったろってなちこ現空の姿だった……。

マーサー(以降、GM)/『アナザーワールドSRS(以降、AW)』セッションを始めます。まずはハンドアウトを渡すよ! 今日はシナリオをまた作ってきました、わーい!
一同/わーい! ありがとうございまーす!



 アナザーワールドSRS シナリオ『傷痕は眠らない』



【レギュレーション】
 キャラクターレベル5で開始。
 全員知り合い設定であること。PC1とPC2は、幼馴染 or 家族・親戚・身内設定とする。
 セッションは夏の1週間、NPC1の自宅(S市郊外の大屋敷)が舞台となる。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:年下のイトコ  関係:信頼  推奨クラス:前線系

 君には年下のイトコがいた。幼い頃一緒に過ごしてきた仲の良いイトコだった。
 親の都合で会わなくなった後も、挨拶をしてくれる親切なイトコから呼び出しをされた。
 「父が交通事故で亡くなりました。葬式でまたお会いできませんか。
 色んな話がしたいです。夏休みの間、暫く我が家でご一緒できませんか」
▼セカイのイベント:年下のイトコと1週間を過ごす。
▼コネクションNPC1:年下のイトコ

 PC1のイトコ。PC1と仲が良かった。
 丸丸百貨店グループの総帥『朱井 巻夫(あかい・まきお)』の子。非常に優秀で将来を期待されている。
▼コネクション解説:丸丸百貨店
 ファッションビル大手の大型商業施設。
 NPC1の父が総帥だったが、現在は副社長だった人物が代表取締役に就任している。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:年上のイトコ  関係:懐旧  推奨クラス:後衛系

 君には年上のイトコがいた。幼い頃一緒に過ごしてきた仲の良いイトコだった。
 君とPC1、NPC1、NPC2の4人でよく遊んだのも、もう数年前の話。
 PC1と共に葬式に出席した君は、NPC2とも再会するものだと思っていた。ある悲しい話を聞くまでは。
▼セカイのイベント:葬式にて、話を聞かされる。
▼コネクションNPC2:年上のイトコ

 NPC1『年下のイトコ』の兄。非常に誠実な性格で将来を期待されていた。

【ハンドアウト:PC3&PC4】
 コネクション:異端『ウルティオ』  関係:敵対  推奨クラス:聖職者 or 処刑人

 君は教会のエージェントだ。
 教会の仕事斡旋人 高坂から異端事件の調査を依頼された。
 「先日亡くなった丸丸百貨店の総帥。交通事故死と報道されたが……実は左胸に、牙が突き立てられた吸血痕があった。
 異端『ウルティオ』の仕業かもしれない。PC1達と一緒に、1週間の調査に行ってくれないか」
▼セカイのイベント:葬式にて、話を聞かされる。
▼コネクションNPC3:異端『ウルティオ』

 吸血種の悪魔。心臓の上に食らいつく特徴があるらしい。


【その他】
・追加クラス[アーティスト][イレギュラー]解禁。
・追加ライフパス「機関コネ」「組織コネ」解禁。




GM/今回メインテーマになるのは、『丸丸百貨店』です。2017年8月のルールブック更新で正式追加されたライフパス特技に詳細が掲載されているよ。

 丸丸百貨店。
 『AW』の舞台となるN市・A市・S市の真ん中にある『中央駅』から徒歩1分にある大型ショッピングモール。
 複数の小売店、飲食店、遊戯施設が集まっている巨大百貨店。駅併設の高層ビルで、屋上からは街並みを一望できるのが特徴。
 詳しくは、『追加ライフパス』ページの≪コネ「丸丸百貨店」≫を参照。


プレイヤー3・現空/うわー、NPCはそこの一番偉い人の子供! めっちゃ金持ちだ!(笑)
GM/亡くなった総帥・朱井 巻夫は50歳ぐらいの男性です。その子供達が今回のシナリオNPCですね。そのイトコなんだから必然的にPCの生活ランクも高くなりそうだ。
プレイヤー2・なちこ/『年下のイトコ』が「非常に優秀で将来を期待されている」で、『年上のイトコ』は「非常に優秀で将来を期待されていた」なんですね。過去形なのが怖い。
プレイヤー1・ろって/しかも、最初から葬式のシーンじゃないですか……。
GM/今回のシナリオは「亡くなった総帥の葬式に出席できるキャラクター達」に参加してもらいます。なのでPCハンドアウトの推奨を「イトコ関係」にしました。総帥の実の子供でも構わないけど、それだと「何故一緒に住んでないのか?」など疑問点が生じます。設定を煮詰めてくれるなら、実の親子設定でも構いません。
プレイヤー2・なちこ/もしかしたら腹違いの兄弟になるのかな!(笑)
GM/同様に、PC3&PC4の2人にも葬式に出席してもらわないとシナリオが進みません。PC達は「PC1達と同じく身内設定」か「夫婦関係や付き人など、PC1達の付き添いで来た」など設定してください。推奨は家族ですね。
プレイヤー3・現空/そうですね、お葬式に出るなら家族設定の方が行きやすい。
GM/なお、今回のシナリオは4人プレイを前提にしています。なので……本日プレイヤーが3人になってしまったので、GMが兼用PCとしてサポートキャラで参加します。
プレイヤー1・ろって/サポートキャラ! ありがたいです!
GM/あくまでGM兼用サポートPCです。PC4ポジションで「PC達にベッタリの付き添いキャラ」にさせてもらうよ。英霊かホムンクルス設定にしようかな? ……という訳で、舞台はS市の郊外にある朱井家にて「総帥が突然の交通事故! 謎の吸血事件! 一体何が!?」を探ってもらうセッションです。
プレイヤー2・なちこ/……吸血事件……吸血鬼……。
GM/……あ、言っておくけど。「左胸に牙を突き立てる」ってあるよね。実はこれ、魔王が好む吸血方法と同じなんだが……今回は魔王が犯人じゃないからな?
プレイヤー2・なちこ/良かった! てっきりアクセンさんが出てくるのかと想った! だって吸血鬼の始祖だしやり口が似てるから、つい!(笑)
プレイヤー3・現空/あー……吸血鬼の親玉なんですね(笑)
プレイヤー1・ろって/「冤罪です!」って顔をしてるー(笑)

 余談。なちこのPCは過去に3人ほど魔王に同じやり口で血を吸われている(または吸われそうになった)ことがある。もちろん3人ともまったく違うセッションで。
 そんなこんなで相談の結果、ろって→PC1ハンドアウト、なちこ→PC2ハンドアウト、現空→PC3ハンドアウト、マーサー→PC4ハンドアウトで作成することに。


GM/ではキャラクターメイキングが終わったので、やっていこうか自己紹介! PC1から順々にお願いします。

プレイヤー1・ろって(以降、恵瑠)/キャラクター名が、展木 恵瑠(ひらき・めぐる)。27歳の女です。
GM/メグルン!
恵瑠/早速ニックネームができたよ!(笑) クラス配分は[狩人]3レベル、[処刑人]2レベル。遠距離で弓矢を物理でバシバシ撃ちます。そこそこには動ける筈。職業はワイナリー経営。
GM/ワイナリー経営?
恵瑠/ワインを造っているところです。朱井さんのお家の人が嫁入りした会社なんでしょうね。ワインを一生懸命作っています。『ライフパス/特徴』は「紳士的である」。紳士的な女性を目指します!
プレイヤー3・現空/おー、カッコイイ大人の女性!
恵瑠/『ライフパス/特徴』は「○○を隠している」が出たんですが……何を隠していることにしよう?
GM/巨乳。
恵瑠/……巨乳を隠しています(一同笑) 女神アルテミスのような女性を目指す、そんなお淑やかな女の人をやりますね!

 展木 恵瑠(プレイヤー名:ろって)
 クラス:[狩人3/処刑人2]
  体力:12(+4)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:28  MP最大値:18
重要キーワード:英雄(アルテミス)  背景:巨乳を隠している
特徴:紳士的である  ボーナス効果:≪耐久力上昇・HP+4≫
職業:ワイナリー経営  性別:女  年齢:27
 スキルウェポン→≪無の射撃≫
 狂戦士→≪封印の牙≫ ≪血の配下≫ ≪薬物調合≫ ≪強力調合術≫
 処刑人→≪矢止めの胸当て≫ ≪弱点把握≫ ≪神域の耳≫ ≪技芸の雨≫ ≪ゼロの歩み≫ ≪零力射撃≫

プレイヤー2・なちこ(以降、晴瑠)/キャラクター名が、展木 晴瑠(ひらき・はれる)です。16歳、高校1年生の女の子です! クラスは[闘士]レベル5。
GM/[闘士]特化だ!
晴瑠/≪片手武器≫のサーベルで敵を斬ります。≪属性スイッチ≫を持っているので物理ダメージでも霊力ダメージでも頼れます。『ライフパス/重要キーワード』は、「嫌なことはすぐ忘れる」
プレイヤー3・現空/か、可愛い!
晴瑠/『ライフパス/背景』は、「悪い奴と戦いたい」! 『ライフパス/特徴』は「命知らずである」
GM/可愛い! 判りやすいライフパスだ!(笑)
晴瑠/ハンドアウトでPC間で家族関係が推奨ということで、PC1の恵瑠さんの妹にしました。メグ姉って呼ぶよ! メグ姉もあたしへの可愛い呼び方を考えてね!
恵瑠/妹が可愛いー! 私の晴瑠が可愛いよー!(笑)

 展木 晴瑠(プレイヤー名:なちこ)
 クラス:[闘士5]
  体力:15(+5)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 9(+3)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:34  MP最大値:17
重要キーワード:嫌なことはすぐ忘れる  背景:悪い奴と戦いたい
特徴:命知らずである  ボーナス効果:≪特技取得・属性スイッチ≫
職業:高校1年生  性別:女  年齢:16
 スキルウェポン→≪片手武器≫
 闘士→≪命の糧≫ ≪鋭敏感覚≫ ≪鬼の羽根≫ ≪軍神の知恵≫ ≪殺界≫ ≪武闘家の血≫ ≪聖戦士の血≫ ≪受芸≫ ≪希望の勇姿≫ ≪戦の申し子≫
 一般特技→≪属性スイッチ≫

プレイヤー3・現空(以降、境)/キャラクター名は、峰嶺 境(みねさか・きょう)。男性35歳です。クラス配分は[感応力師]1レベル、[領域遣い]3レベル、[稀人]1レベルです。今日は稀人のキャラがやりたかったんですよ!
GM/キャラメ前から熱く主張していたからね。どんな稀人なのかな?
境/「神隠しを擬人化した稀人」です。昔、「この辺りは神隠しが起きるから入っちゃダメだよ」と言われていた禁山に「もう神隠しを起こさないでね」とお地蔵さんを立てられて、信仰が募っていった結果……ヒトになりました。
GM/面白い設定のPCだな!(笑)
晴瑠/なりたてホヤホヤの稀人だー(笑)
境/『ライフパス/背景』は「神様志望である」。昔からS市に住んでいて、展木姉妹を近所のおじさんのごとく見守っています。
GM/見守ってくれているおじさんなんだ。昔から姉妹も兄弟も見守っている、良いポジションだね。
境/スケベ親父です。
恵瑠/そこ、重要なの!?(笑)

 峰嶺 境(プレイヤー名:現空)
 クラス:[感応力師1/領域遣い3/稀人1]
  体力: 9(+3)  反射: 9(+3)  知覚:12(+4)
  理知:15(+5)  意志:16(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:19  MP最大値:30
重要キーワード:禁山  背景:神様志望である
特徴:幼く見える  ボーナス効果:≪薬物取得・興奮剤≫
職業:神主  性別:男  年齢:35
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪空間知識≫ ≪ターニングセット≫
 領域遣い→≪元素の陣形≫ ≪自然の檻≫ ≪大地の勅命≫ ≪全方位視覚≫ ≪大地の守護者≫ ≪恵みの蔦≫ ≪生命の叫び≫
 稀人→≪さだめの解放≫ ≪マインドロスト≫

GM(以降、黒旋風の台詞は黒旋風と表記)/キャラクター名は、バーサーカーの英霊・黒旋風(こくせんぷう)。またの名を、天殺星 李逵(てんさつせい・りき)鉄牛(てつぎゅう)とも呼ばれています。
晴瑠/ふわぁ……天殺星、強そう!(笑)
黒旋風/実際強いんだぞー! キャラクターレベルは5だけどなー!(笑) クラス配分は[聖職者]1レベル、[処刑人]3レベル、[世界遣い]1レベル。≪躍動の呪歌≫で行動済になったPCを再行動化します。斧で道を切り開く!
境/おおお、なるほど。
黒旋風/出典は『水滸伝』です。どんな人物かと……一言で表わすなら子供のサイコパス。幼児がそのまま大人になった無邪気さがあり、善悪の区別ができず、幼児特有な残虐性を持っている暴れ牛のような男で、人を殺すことも何とも思っていません。主人が制してくれないと勝手に動きます。
恵瑠/う、うわ……。
黒旋風/でも主人には従順で、命を投げ出してでも役に立ちたいと考えている仲間意識の高い子です。『水滸伝』の最期では、死期を悟った主人が「自分が死んで李逵が暴れて人を殺したら大変だ」と李逵に毒を盛るのだけど、それを知った李逵は「そんなことしなくったって一緒にいるー!」って言って一緒に心中するぐらい、あるじガチ勢だよ。
境/か、悲しい……!
黒旋風/バーサーカーの英霊だけど、暴れたりするのは≪禍福のさざなみ≫ぐらい(笑) 身長は180センチ前後、色黒肌に筋肉ムキムキの大型ワンコ系男子ですが……姉妹に召喚されたいなぁ、拾ってください!
晴瑠/英霊って面白そう! でも……その性格でこの性格の晴瑠と組んだらヤバそう。
境/なんかメチャクチャなことになりそう!(笑)
恵瑠/えーと……ブドウ園を守ってもらおうかな。ということでうちで一緒に飼いましょう(笑)
晴瑠/じゃあ私が召喚するね! なんか召喚の無料券で画面が爆発したんだけどー!?
黒旋風/呼符1枚で来た系バーサーカーだよ。うおおおー! お腹見せるー! オレのお腹撫でろー! わふわふわふぅー!

 黒旋風(プレイヤー名:マーサー・NPC)
 クラス:[聖職者1/処刑人3/世界遣い1]
  体力:15(+5)  反射:13(+5)  知覚:10(+3)
  理知:11(+3)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:27  MP最大値:24  正気度:8
重要キーワード:奉仕  背景:(良い英霊)に選ばれた
特徴:熱血漢である  ボーナス効果:≪英霊「バーサーカー」≫
職業:バーサーカーの英霊  性別:男  年齢:外見20歳前後
 スキルウェポン→なし
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪叱咤激励≫ ≪物品調達≫
 処刑人→≪躍動の呪歌≫ ≪異端審問≫ ≪血の媚薬≫ ≪黒水晶の盾≫ ≪怪力無双≫
 世界遣い→≪リライト≫ ≪禍福のさざなみ≫
 一般特技→≪強化手術:意志≫ ≪+99狂化≫

GM/NPC1『年下のイトコ』の詳細が決定しました。16歳の男の子……名前は、朱井 友音(あかい・ともね)くんです。
恵瑠/漢字は「友の音」ですね。晴瑠と同い年設定にしました。
晴瑠/わーい。高校1年生の男の子だね!
GM/NPC2『年上のイトコ』の詳細は……名前は、朱井 昌久(あかい・まさひさ)さんになりました。年齢の設定は?
晴瑠/お姉ちゃんと同じぐらいで、27歳で! 同級生なら絡みがありそうだもんね。
GM/27歳同士の恵瑠と昌久、16歳同士の晴瑠と友音の4人でよく遊んだんだね。ではそろそろシナリオを始めていきましょう……。


 ●オープニングフェイズ1/夏の思い出

GM/みんなの過去シーンからオープニングを始めます。今から10年前。晴瑠が5歳、恵瑠が15歳の頃のお話です。メインはPC1の恵瑠とPC2の晴瑠ですが、昔から姉妹を知っている境さんも登場していいです。
境/チラッと出てきますね!
晴瑠/まだ晴瑠は小学校に入る前ぐらいの夏ですね。遊ぶぞー!(笑)
GM/ここはS市の郊外にある朱井家。会社の社長さんらしくお金持ちが住んでいる大きいお屋敷にて。時期はお盆、親御さんと一緒にお墓参りに来た姉妹です。……晴瑠ちゃんは5歳、恵瑠ちゃんは高校1年生の夏休み真っ只中だね。
恵瑠/晴瑠、お行儀良くしていなさいね。
晴瑠/はーい!
GM/恵瑠ちゃんと同じ高校1年生の朱井昌久が「宿題終わったか?」と尋ねます。
恵瑠/そこそこに。
GM/「まだ全部済ませてないのか? 俺は7月に終わらせたぞ」
恵瑠/昌久くんは優秀ね。
GM/そんな優秀な昌久くんの弟は、晴瑠ちゃんと同い年5歳の朱井友音くんです。同い年の親戚である晴瑠ちゃんが来てくれたことが嬉しくてニコニコしています。(友音になって)「晴瑠ちゃん〜、水羊羹食べよ〜! これみんなで食べなさいってお母さんが言ってくれた〜!」
晴瑠/水羊羹! ……ん? これ、お水に入ってないよ?
恵瑠/水羊羹はお水に入ってないわよ(笑) ありがとうね、友音くん。
GM/昌久は晴瑠ちゃんを膝の上に乗せて一緒に食べようとする。(昌久になって)「晴瑠ちゃんは餡子は好きか?」
晴瑠/うん! わーい! 水羊羹わーい!(笑)
GM/晴瑠ちゃんが昌久お兄ちゃんの膝の上に乗った。……友音は恵瑠の仲間になりたそうに見ている。
恵瑠/……く、来る? 私のお膝の上、座る?
GM/(友音になって)「座るー!」 
晴瑠/お兄ちゃんとお姉ちゃんを交換だね!
GM/夏の快晴、でも暑すぎない良い天気。広めなお庭がある縁側で、4人は水羊羹を食べる。……境さん、登場してもいいよ。
境/散歩がてらに通りかかります。おう、元気そうだな!
晴瑠/あっ! 境おじさんだー! 境おじさーん!
境/おう、夏休みを楽しんでるなー? しかも縁側で美味しそうな物を食べてるな?
晴瑠/境おじさんもおいでよー!
GM/友音くんは人見知りをするらしく、突然現れたおじさんにビクビクします。でも晴瑠ちゃんが仲良く話しているのを見て、境おじさんに水羊羹を投げます。
境/投げた!(笑)
恵瑠/水羊羹、投げちゃダメっ!(笑)
GM/……違います、水羊羹をあげます。一緒に食べたかったけどテンパっちゃったんです(笑)
晴瑠/境おじさん、あたしの水羊羹も食べる?
境/それはお前が食え食え。はい、おじさんの羊羹あーん。
晴瑠/あーん!
GM/それを見た友音くんも「恵瑠お姉ちゃん、あーんしたい! あーんして! あーん!」と無邪気に強請ります。
恵瑠/はいはい、お口開けて。あーん(笑)
GM/さて、縁側で5人が和気藹々としていると、外出していた大人達が朱井家のお屋敷に帰ってきます。恵瑠達のご両親と、友音達のご両親、その他親戚の大人達がゾロゾロとお帰りですね。
晴瑠/あっ、パパママー!
GM/晴瑠ちゃんのお母さんが「あら、水羊羹を頂いてたの? 美味しかった?」と笑って尋ねる。
晴瑠/うん、美味しかったー!
GM/そしてお父さんが、よく娘達と遊んでくれているご近所さんの境おじさんに「どうもどうも、いつもこの子達がお世話になっています」と頭を下げる。
境/いえいえこちらこそー。ごちそうさまでした!
GM/和やかに話をする展木夫妻ですが、その横には……朱井巻夫という男性がおります。50代ぐらいに見える威厳のある男で、このとき実業家として大成功を収めている……気難しそうな、いかにも厳しくて真面目そうな人です。
恵瑠/お、おう……怖そうだ。
GM/うん、怖そう。恵瑠ちゃん達を面と向かって叱ることはないよ。けど……昌久くんがダラけていたら、ギロッと睨んで「シャンとしなさい」と目で訴えてくる。睨まれた昌久くんは背筋を正す。
晴瑠/晴瑠もマサ兄のお膝の上でシュッとする!
境/か、可愛い!(笑)
GM/5歳の友音くんも晴瑠ちゃんの真似をしてシュッとしよう(笑)
恵瑠/あ、膝の重みが増した(笑)
GM/巻夫さん達がその場を去るまで、昌久くんは背筋を伸ばしたまま。……声が聞こえなくなるぐらい遠くに行って、ようやく肩の力を抜きます。友音くんもフニャッとします。
恵瑠/膝の重みが戻った(笑) ……大変そうね、昌久くん?
GM/(昌久になって)「うん……でも去年よりは良くなった。去年はもっと酷かったよ……高校受験があったから厳しくて厳しくて」 昌久が通っている高校は、県で一番偏差値の高い優秀な学校のようです。
恵瑠/でも、貴方はその期待に応えられる賢い人ね。
GM/「……そうだな。これからも父の期待に応えていくつもりだよ」 昌久は溜息を吐きます。そして恵瑠ちゃんの膝に乗っている友音くんも「……お受験、頑張る!」とキリッとします。
晴瑠/そっか、私立の頭の良い小学校に行くんだね。
GM/晴瑠ちゃん達のご両親は娘達をのびのび子育てしている人だけど、巻夫さんご夫妻は非常に厳しい生活を強いているみたい。晴瑠ちゃんがどんな小学校に行くかはプレイヤーが自由に決めてください。
晴瑠/友音くんほどではないけど、晴瑠も良い学校に行くのかなー?
GM/かもね。友音くんは5歳にして既に簡単な算数ならできるし、お箸だってきちんと持てるよ。ご挨拶やお気遣いの基本は全部叩き込められているね。
境/はー。まだまだチビなのに大変だなぁ。
GM/……そんな話をしたのは、もう10年前の話。その後は両家の事業が成功したこともあり、毎年のように遊びに行くことは無くなりました。葡萄園って8月は大変なんじゃない?
晴瑠/農作物系は家族総出で手伝ったりしますしね。
GM/朱井家もお盆時期は忙しいらしく、年末年始に会ったり年賀状を送り合うことをしても滅多に会わなくなってきます。
恵瑠/年賀状の写真を見て、友音くんの背が伸びたことを知っていくんですね。きっとすぐ抜かされるんだ(笑)
GM/友音くんはよく絵ハガキや年賀状を送ってくれたね。しかし昌久くんは筆不精なのか、お勉強に忙しいのか、全然交流が無くなります。
晴瑠/マサ兄、大変だぁ……。
GM/友音くんは毎年のように一家代表の年賀状を展木家に送ってくれるけど、昌久くんとはもう3年は会っていない……そんな今年の、8月13日の夜。
恵瑠/10年が経っちゃった。
GM/夜、恵瑠ちゃん達のお母さんがある電話を受けます。お母さんは高校1年生になった晴瑠ちゃんと、社会人として毎日働く恵瑠ちゃんに、真剣な顔でお話をします。「……巻夫おじさんがお亡くなりになったそうよ。交通事故ですって」
晴瑠/えっ!? えーっ! 交通事故!?
恵瑠/そんな……突然すぎて何も言葉が出ない……。
GM/あまりに突然のことでお母さんも動揺しているね。「車を運転していてハンドル操作を誤っての事故らしいの。……巻夫おじさんって大企業の社長さんでしょう、きっとニュースでも報道されるわ。お通夜とお葬式は明後日の8月15日ですって」
晴瑠/う、うん。何を持って行ったらいいかな? 学校の制服で行けばいいの?
GM/「ええ、晴瑠は学生だから制服でいいわよ。あちらもバタバタしているだろうから居てだけで心強いわ、女手は必要だもの……。だから暫く朱井さんのご自宅でお手伝いをしようと思うの。1週間ぐらいお世話になるって約束したけど、貴方達もついて来てくれる?」
恵瑠/判りました……すぐに支度をします。
GM/その後、葡萄園で働くお父さんが帰宅。お父さんも訃報を聞くと「エェ〜!?」とマスオさんみたいな声を出します。
境/マスオさんみたいな声!?(笑)
GM/すまない、今の一言でお母さんがサザエさん顔になっちゃったな(笑) お父さんは「マジで!? 巻夫さんが!? あんな刺しても死なないような人が!?」とビックリ仰天です。
晴瑠/パパ、なかなか言うな(笑)
GM/「交通事故かぁ。巻夫さんは車好きで何台も持っていたし、1人でよくドライブも行っていたのに……残念だ」 お金持ちと言えば車が趣味なイメージがあるのでこういう設定にしました。
境/判ります、車をいっぱい持ってるっぽい(笑)
GM/「お盆は親戚一同集まることになるだろうな。親戚だけじゃなく、仕事関係の人達も一斉に集まると思うぞ……」 さて、ここでNPCのご紹介をしましょうか。

 『NPC1:朱井友音』
 朱井巻夫の次男。現在15歳。昌久の弟で、恵瑠を実姉のように慕っていた。

 『NPC2:朱井昌久』
 朱井巻夫の長男。現在27歳。友音の兄で、晴瑠を実妹のように可愛がっていた。

 『NPC3:朱井巻夫』
 丸丸百貨店の総帥(故人。8月13日に事故死)。50代ぐらいの男性。

 『NPC4:展木夫妻』
 恵瑠と晴瑠の両親。お父さんが朱井家の出で、お母さんの家が葡萄園を所有。婿養子。


恵瑠/えっ……両親が、NPCとして登場している? マーサー先輩のシナリオにしてはこんなにいっぱいNPCがいるのは珍しいですね。
GM/私は「1セッションに登場していい主要NPCは3人まで」って方針でシナリオを作るからね。今回のシナリオは大人数なので判りやすくするためこのように表記しました。これからももっと増えていくよー。


 ●オープニングフェイズ2/不審な死

GM/お葬式のシーンの前に、PC3ハンドアウトに掲載されている「教会からの依頼のシーン」を先にします。……翌日8月14日、教会の仕事斡旋人・高坂が「依頼を渡したいから礼拝堂に来てくれ」という連絡がありました。

 高坂
 様々な事件の仲介屋(コーディネーター)をしている男。PCのような能力者達に「仕事」を紹介することを仕事とする斡旋人。
 教会は依頼はまず高坂から連絡が入り、礼拝堂で顔を合わせて仕事を受けるかの承諾をする。断る場合は詳細は教えず、書庫や資料庫の利用許可も下りない。セッションに参加するPC達は事件の説明を受ける前にある程度了解の手続きを取っているという前提で進めてもらっている。


GM/明日8月15日はお葬式がある朱井家へ向かいます。その前日に呼び出しをされましたが、高坂は恵瑠ちゃん達に「ぜひ来てほしい」と念押しをしていたよ。
晴瑠/前日に念押し?
恵瑠/私達もバタついてますが、短い時間であればお会いしますと返信します。事情ももちろん話した上でね。
晴瑠/でも教会から連絡があったんだよ? 何かあったんだよ。あたしは行くよ! 行くよ!
恵瑠/あっ、うん、晴瑠は一人にしておけないから私も……(笑)
黒旋風/教会! 何か事件!? 行く行くオレも行くー!
晴瑠/クロちゃんおいでー!
黒旋風/行くぜぇー! バタバタバタと尻尾ブンブン振り回した黒旋風も教会に行く!
恵瑠/ああ……クロちゃんは今日も元気だ(笑)
GM/呼ばれたのは恵瑠、晴瑠。黒旋風は晴瑠について行く形だね。それともう1人……境さんにも連絡がありました。恵瑠達が礼拝堂に向かったら先にいたって感じかな?
境/よう、久々だな。
恵瑠/あ……峰嶺さん!
境/姉妹2人がかなり成長したのを見て、驚きながら笑います。いやー、2人とも良い女になったなぁ!?
晴瑠/境おじさんだー! 久しぶりー!
黒旋風/黒旋風は晴瑠の後ろに隠れます。……なんだこいつ? 切っちまう?
晴瑠/クロちゃん、そのおじさんは切っちゃダメなおじさん。
黒旋風/切っちゃダメ? 食べてもダメ?
境/切るとか食べるとか何っ!?(笑) ……ハレ、こいつは?
晴瑠/クロちゃん!
黒旋風/クロちゃん!
晴瑠/カッコイイでしょ! あたしの英霊!
黒旋風/バーサーカーの英霊!
境/ば、バーサーカーの英霊……?(笑) ハレ、お前勉強したんだな? 英霊なんて紹介するとか……。
晴瑠/呼符1枚で来た!
黒旋風/呼符1枚で来た! ……ちなみに黒旋風は身長180オーバーで晴瑠ちゃんの後ろに隠れている。
晴瑠/晴瑠は身長150センチ。だから隠れていても全部出てる!(笑)
恵瑠/大きいのが小さいのに隠れている(笑)
黒旋風/仲間だな? じゃあ一緒に礼拝堂入るぞ! 扉バァーン! 道を切り開く!
境/扉が壊れる!(笑)
晴瑠/行くぞー!
黒旋風/おーっ!
恵瑠/ああ、扉が壊れた……ごめんなさい……高坂さんすみません(笑)
GM/(高坂になって)「ま、まあ、たびたび『AW』では教会の扉を壊すキャラが一定頻度で現れるし……(笑) は、晴瑠ちゃん、暑い中なのによく来てくれたねー!」
晴瑠/はーい! 高坂さんごめんなさーい!(笑)
GM/「境さん達も入ってください。中は冷房が効いています」 人当たり良く高坂は君達を招くけど、すぐに真面目な顔になって話をするよ。「すまないが恵瑠ちゃん、先に君達ご家族の事情を少しだけ調べさせてもらった」
恵瑠/はい? 何か関係が?
GM/「これから話す依頼は……君のご親戚、朱井巻夫さんが関わっていることなんだ」
境/おー? なんだってぇ?
恵瑠/……表情が険しくなります。
GM/「8月13日に丸丸百貨店の総帥・朱井巻夫が交通事故死した。表向きにはそう報道されたな」
晴瑠/表向き? ……本当は違うの?
GM/「事故に遭った車の中にいた朱井巻夫の遺体を確認したところ、左胸に血を吸われた痕があった」
晴瑠/えっ!? じ、じゃあ……?
恵瑠/事故が直接的な死因ではなく、吸血をされて……それで意識を失ったりして事故が起きてしまったのではないかという?
GM/「その通りだ。運転する前に吸われたか、もしくは運転中に吸われて動転してハンドル操作を見誤ったか……現状では判っていない。車が炎上して焼死体として発見されたが、人間ではないものに血を吸われているというのは疑いようもない事実。だから教会が調査することになった」
恵瑠/……なるほど、私達が呼ばれた理由が把握できました。
GM/「特徴からして『ウルティオ』と呼ばれる異端ではないかと推測されている。この辺りはもう少し深く調べてみないとだな。……それと、特命課は朱井巻夫周辺に『犯人として思い当たる人物がいないか』聞き込みをしてみたところ……実は既に、朱井巻夫の周りでは2件も傷害事件が起きていた。お客の評判が運営を左右するということで、大々的な報道を恐れた朱井巻夫自身が揉み消した事件がな」
境/2件も!? 傷害事件!?
晴瑠/あ、あったんだ……? それって被害者は全部巻夫おじさんの会社の人?
GM/「ああ、どちらも朱井一族の役員だった。基本会社経営は親族内で行なっているからな。そしてその2件とも犯人は捕まっていないが……昨夜で3件目。しかも吸血痕という異端らしき影がある。3件とも異端事件だと思われる。出来れば朱井家の事情を知っている者に調査してもらいたくて君達を呼んだんだ」
晴瑠/う、うん……。
GM/「……とはいえ、かなりデリケートな問題だ。恵瑠ちゃん達だってショックだろうし、これからお葬式とか忙しいだろう? もし任務を受けなくても警戒しておいてほしい」
恵瑠/自分の親戚の話ですもんね……。
境/いや、もしかしたらこれからメグやハレも襲われるかもしれないってことだろ。
晴瑠/あっ。……あたし、自分が襲われる可能性を全然考えてなかった(笑)
恵瑠/同じく朱井さんの家の話で自分が襲われるかもって考えなかった(笑)
境/き、気を付けろよ!(笑)
黒旋風/大丈夫! オレが守るよ!
晴瑠/あ、ありがとう……! なら、尚更あたし達がこの仕事を受けなきゃ! マサ兄やトモちゃんを守らなきゃだよ!
恵瑠/そうね……。巻夫さんってそんなに恨まれるようなことをしていた人でしたか?
GM/一企業のトップだもの、商売敵に恨まれることはいっぱいしているでしょう。10年前の印象からすると、巻夫という男性はそれを張り退けるぐらい厳しく先導していた人っぽい。強いけど、それによって敵を作ることはありそうだね。
恵瑠/思った以上に凄い人だった……。だとしたら余計にこれから友音くん達への風当たりは強くなりそうね。友音くん達を守るためにもこのお話は受けましょう。
境/俺も行こう。よろしく。
GM/「境さん。恵瑠ちゃん達は身内だから判ることもあるだろうけど、親族だからこそ見えないこともあるかもしれません。なので身近な存在である貴方が守ってあげてください」
境/もちろんだとも。俺は戦力にはならないかもしれないが、大切な姉妹を守ってあげるよ。任せろ。
晴瑠/境おじさん、大人だー。カッコイイ!
黒旋風/なんかこのオッサンすっげー凄くてスゴい奴だな!? きっとキャラクターレベル60ぐらいあるんだぜ!
境/俺レベル5だよ!?(笑)
黒旋風/だって人外のニオイするぜ。指先一つでダウンするぐらい強ぇんだろ? お前は既に死んでいるとか言っちゃうタイプのオッサンだろ!?
境/勝手に人を強い評価するのやめてくれる!?(一同笑)
GM/……ということで、君達はこれから警戒しつつ朱井家に向かってもらいますね(笑) 葬儀は全部描写すると面倒なので、通夜・告別式・通夜振る舞いも全部ひっくるめて「お葬式」と一言で称させていただきます!
恵瑠/何回やっても冠婚葬祭は慣れませんね(笑)


 ●オープニングフェイズ3/葬式

GM/8月15日、4人は久々にS市郊外にある大屋敷・朱井家にやってきます。葬儀には展木姉妹は親族として、境さんはかつてのお知り合いとして、黒旋風は晴瑠ちゃんのおつきとして出席します。
晴瑠/クロちゃんはおつきです!
黒旋風/おつきです!
恵瑠/……クロちゃんはスーツ、着られるの?
黒旋風/着る! スーツ羽織る! ……筋肉で前が締まらない!
境/パッツパツだな!?(笑)
晴瑠/あれー? オーダーメイドで作ったスーツなんだけどまた締まらなくなっちゃったねー?
黒旋風/オレは1日1センチずつ成長するからな!
恵瑠/せ、成長するんだ……?(笑)
GM/1センチずつ成長と言えば、久々に来た朱井家のお屋敷では、小さい頃に晴瑠ちゃん達の身長を測り合った柱の傷があったりするよ。10年前に遊んだお家、喪服の人達が大勢押しかけている場所だけどそんな懐かしいものも発見できます。
晴瑠/おー……この傷、懐かしいねー。
恵瑠/ああ、本当ね……。
GM/女の子の方が成長が早いから恵瑠ちゃんを表わす傷の方が高い。でも次第に友音くんを表わす傷の方が高くなっていき……そんな大きくなった友音くんがやって来ます。高校の学ランを着た15歳の友音くんがこの場では礼儀正しく頭を下げます。
晴瑠/わぁ、トモちゃーんっ! ……ハッ!(笑)
GM/「晴瑠ちゃんっ! ……ハッ!」(一同笑)
境/この場では礼儀正しくな!(笑)
晴瑠/お、オヒサシブリデス……。
GM/「オ、オヒサシブリデス……」(笑)
恵瑠/こ、このたびはお悔やみ申し上げます(笑)
GM/「ご、ゴシュウショウシャマです」ってマゴマゴしてる15歳だけど、人目があるからしっかり受け応えるよ(笑) 巻夫さんは立場上、参列者が多い。友音くんは慣れなくても、彼のお母さんと共にやって来た人のご挨拶をする仕事に就いています。
恵瑠/友音くん、頑張っているのね……。
GM/そんなご挨拶ばかりの友音くんの隣に立つお母さんは、とても綺麗な女性です。儚そうな、数日のバタバタで疲れている……いかにも未亡人という風な女性です。

 『NPC5:朱井夫人』
 亡くなった朱井巻夫の妻。50代の女性。喪主。


晴瑠/……トモちゃんママ、また痩せた?
GM/友音にそれを尋ねたなら「うん……痩せたね。お母さんもお仕事が大変な人だし」と答えます。元から線が細い女性でしたが、ここ数日間は寝られていない顔です。さすがにこれには晴瑠ちゃんのお母さんも察したのか、「お手伝いしますわ」とトモちゃんママを手助けします。
恵瑠/うん……。
GM/年齢的には恵瑠ちゃんもお母さん側の仕事を手伝うところですが、お母さんは気遣って「恵瑠。貴方は友音くんを見てあげていて。彼もだいぶ疲れてるみたいだから」と言います。
恵瑠/お気遣いありがとうございます。では友音くんの方を引き受けますね。
晴瑠/あ、そうだ。ねえトモちゃん。マサ兄は?
GM/(友音になって)「えっ!?」
晴瑠/うん?
GM/「あ、あれ……!? 恵瑠ちゃん、知らないの……?」
晴瑠/知らないって何が?
GM/「昌久兄さんは……2年ぐらい前に……」 友音くんはワタワタ慌てる。そのとき、ある男性がやって来ます。
境/おっ……?
GM/50歳すぎ、いや60歳ぐらいに見える年老いた喪服姿の男性です。動揺している友音くんに「友音さん、どうぞ水分補給に行ってください。今日は比較的涼しいですが夏場ですから、脱水症状に気を付けてくださいね」と、さりげなく気遣うように声を掛けます。明らかにドモっていた友音くんは「……わ、判りました。失礼します!」とその場を去ります。
境/お、おお……ゆっくりしてこい。
GM/去っていく友音を見送った男性は、「初めまして、丸山琥介(まるやま・こすけ)と申します」と自己紹介をします。

 『NPC6:丸山琥介』
 50〜60代の男性。朱井巻夫の側近・秘書。


晴瑠/ああっ、亡くなった巻夫おじさんの秘書さん?
GM/そうです。丸山琥介さんは一呼吸入れた後、「昌久さんは2年ほど前に行方不明になられました」と話します。
晴瑠/……はあ!?
恵瑠/は、初耳です。行方不明ですか……?
GM/「巻夫さんは報道をするなと言っていましたから一部しか知らないようにされていました。知らなくても仕方ありません」 ただでさえ2件の傷害事件すら揉み消すぐらい権力を持った人だからね。騒ぎにならないように近しい身内にも教えなかったのでしょう。
恵瑠/でも……2年ほど前から行方不明って……。
晴瑠/な、なんで!?
GM/丸山は「判りません」と首を振る。しかし確かにここ3年は昌久と会えなかったし、友音くんが送ってくる年賀状にも昌久の気配はありませんでした。「表向きには昌久さんは海外へ長期出張していることになっています。……このことはあまり公言はなさらないでください」
晴瑠/そ、そうですか……けど……えええ……。
GM/そんなことを話す丸山さんですが、晴瑠ちゃん達はとても優しそうな人だと思います。厳しく「公言するなよ!」と忠告するのではなく、「騒ぎを起こすと貴方達も気疲れしてしまいますので……葬儀にはテレビ局の方もいらっしゃっていますし」と晴瑠ちゃん達を気遣うように穏やかに言います。
恵瑠/それは……ありがとうございます。そこはお礼を言います。
GM/……そのとき彼はボソッと「大きくなったね」と言います。その発言から、どうやら昔から君達を知った人のようです。
晴瑠/あれ? あたし達のこと、知ってる人なんだ?
GM/見た目年齢的に昔からいる人っぽいよ。
晴瑠/はー……幼稚園ぐらいのときじゃ会ったかどうか覚えてないかなー?
恵瑠/私は覚えてますか?
GM/覚えてないです。
境/俺は覚えてない?
GM/覚えてないですね。あくまで巻夫さんのお仕事関係の人ですから。
黒旋風/オレは知らねぇ! 見たことねぇ!
晴瑠/クロちゃんはそうだよねー!(笑)
GM/さて、そんなことを話していると……続々と人がやって来ますよ。

 『NPC7:石丸総帥』
 丸丸百貨店の現代表取締役社長。巻夫が生きていた頃のナンバー2。40〜50代の女性。

 『NPC8:石丸聡』
 石丸総帥の息子。13歳、中学1年生。


晴瑠/現トップと……その息子だ!
恵瑠/現社長は女性なんですね。
GM/ええ、先日丸丸百貨店ナンバー1の地位になりました。巻夫さんが生きていた頃からトップの一人として働いていたバリバリのキャリアウーマンです。立場が変わっても動揺することなく、いかにも仕事が出来そうな働く女性の顔をしていますね。きっと巻夫さんよりも現場で働く実質トップだった人でしょう。
境/ほー、強そうな女性だ……。
GM/そして……「まーったく! こんな忙しい時期に交通事故だなんて、どんだけ迷惑な人ザマしょ!」
境/おっ?(笑)
GM/「あーんな刺しても死なないような肝っ玉の人が呆気ないザマスねぇ、それよりここ暑くありませんザマス!? お化粧が落ちちゃうザマス、来客の気遣いの出来てないお家ザマスねぇ!」

 『NPC9:朱井様子』
 朱井巻夫の妹。様子と書いてザマスと読む。


境/ザマス!? ザマスざます!(笑)
GM/「お盆時期は忙しいっていうの判ってないザマスねぇ! 死んだ後も迷惑掛けるなんて……!」とズバズバ言うおばさまザマス。
晴瑠/こ、これは……強烈なキャラのザマス!(笑)
境/ああ、イケすかないババァだ……(笑)
GM/ではザマスは苛め甲斐のありそうな恵瑠ちゃんを見つけるザマス。「あーら? アナタどこのお嬢さんザマスか?」
恵瑠/あ、えっと……。
GM/今から私は意地悪なロールをするぞ。
恵瑠/怖いよぉ!?(一同爆笑) ひ、展木恵瑠と申します……。
晴瑠/妹の晴瑠です、よろしくお願いします……(笑)
GM/「ドコの子ザマス? アンタ達みたいなお猿サンなんて知らないザマスよ!」
恵瑠/め、名刺を渡します!
GM/「アラお名刺! 礼儀ぐらいはちゃんと学んでいるザマスね!」 ……私が辛いのでキャラロールしてそろそろやめます。PCに優しいNPCの方が好きだ。
晴瑠/GM、お疲れ様ですっ!(笑)
黒旋風/グルルルルル。
晴瑠/クロちゃんステイステイ!(笑)
黒旋風/姉貴、イジめる奴、コロス!
晴瑠/切っちゃダメだからね!?
黒旋風/じゃあコロス!
恵瑠/ステイステイ!(一同笑)
GM/あともう一人……バーコードハゲ頭が印象的なおじさま、ザマスさんの旦那さんが現れます。

 『NPC10:朱井のりお』
 朱井巻夫の義弟。朱井様子の夫。60代。ハゲ親父。


恵瑠/わ、判りやすい……(笑) きっとザマスさんの尻に敷かれるタイプだ。
GM/「いやいやすまんやで〜。そっちも大変だったな〜、気を落とさんといてな〜」
恵瑠/出身は関西です!?(笑)
GM/他にも実際はもっといっぱい参列者がいますよ。彼らはその一部です。そして……最後に、君達のことも紹介しておきましょう。

 『PC1:展木恵瑠』
 27歳女性。父が朱井家から婿養子として展木家に嫁いだ。朱井巻夫の姪。

 『PC2:展木晴瑠』
 15歳女性、高校1年生。恵瑠の妹。朱井巻夫の姪。

 『PC3:峰嶺境』
 35歳男性(ただし外見年齢)。昔から朱井家の近くに住んでおり、たびたび朱井家に訪れていた。

 『PC4:黒旋風』
 20歳前後の男性(こちらも外見年齢)。恵瑠の付き人。


 実際にはこのようにPC達に提示

恵瑠/わー、今回のセッションは登場するキャラクターが大勢いますねー。
GM/一族ものサスペンスだと思って、いっぱい人がいることを楽しんでね。そうしてお葬式は進みます。お坊さんがお経を読んだり、お食事をしたり、嫌味を叩かれたり、ご挨拶を終えたり……。
晴瑠/……ご挨拶する人がいっぱいいる。メグ姉、覚えられた?
恵瑠/とりあえず身内だけは……(笑)
晴瑠/凄いや。境おじさんは?
境/何が? 興味ねー(笑)
晴瑠/晴瑠も早々に諦めたー(笑)
黒旋風/なぁなぁ! 暑いから後でカキ氷、食べに行こうぜ!
晴瑠/良いねクロちゃん、後で行こう!(笑)
GM/……夜になります。君達は暫く朱井家にお泊まりすることになります。展木夫妻は2人で1部屋を、姉妹も2人で1部屋を取ることになりました。……ご厚意でお泊まりできるようになった境おじさんは黒旋風と一緒に泊まってくれ。
境/クロ……お前、寝惚けて暴れたりしないよな?(笑)
晴瑠/大丈夫だってー!
黒旋風/大丈夫だってー! ダイスを振って偶数が出なきゃ寝惚けて斧を振り回さないって。
境/あぶねーよ!?(一同笑) こいつ縛っておいておけよ!
晴瑠/大丈夫だよ! クロちゃんはやれば出来る子だよ!
黒旋風/大丈夫だよ! 梁山泊の無頼漢をナメるなよ! 気が付いたら人が死んでいたり虎を殺したりしたことがあるだけだから!
境/ヤバそうになったら俺逃げるからな!?(笑)
恵瑠/……夜に、友音くんの様子を見に行こうかな? でも大変そうだったしやめておいた方がいいのかな?
GM/何かしますか?
晴瑠/うーん、本当はもっとトモちゃんとお話がしたいけど、なんか……忙しそうだし。
境/そうだな……あんまり邪魔しちゃ悪いし。
黒旋風/じゃあオレは遊ぶ。偶数が出たらどっか行く。(ころころ)……6が出たのでめっちゃ遊ぶー!
恵瑠/えっ!?(笑) 何するの!?
黒旋風/遊ぶったら遊んでくる!
境/待て待て待てぇ! 追いかけますっ!(笑)
GM/じゃあ、偶数が出たらボーナスイベントが起きることにする。
晴瑠/待って! 何が起きるの!?(笑) クロちゃん待ってぇ!
黒旋風/(ころころ)……1。しかも1。奇数なので良いことが起きねぇ!
境/うわぁーっ!?(笑) おいおい待て待て! クロにズルズル引き摺られる形で止めに入ります!
黒旋風/だってカキ氷ー! オレは今日カキ氷を食べてねぇーぞぉー!?
晴瑠/そうだったね。どうしよう。
境/どうしようじゃなくて止めろぉ!?(一同爆笑)
GM/えーと、奇数が出ちゃったのでPCが有利になるボーナスイベントは起きないけど……おまけイベントぐらいは起こそうか。友音くんとお屋敷の廊下でバッタリ会います。「あ、お疲れ様?」
晴瑠/あ、トモちゃんお疲れー!
境/ずーるずーるずーる。
恵瑠/なんだか騒いでいて申し訳ございませんっ!(笑)
晴瑠/クロちゃんクロちゃん、このシーンが終わったら一緒にコンビニ行こう。アイスを食べようね!
黒旋風/オッケー! 4人分のアイス荷物持ちするぜー! コンビニの冷凍ケース全部持ち帰りなー! 止まります。
境/腕が抜け落ちる前に止めてくれて良かった!(笑)
GM/1日お勤めを終えた友音くんが、こんなことを言います。「……みんな、戸締まりはしっかりしておいて」
恵瑠/え?
晴瑠/はーい……トモちゃんどうしたの?
GM/「……母さんが『悪いものが出る』って何度も何度も言うんだ」 君達はその言葉にピンとしますね。異端が朱井家を襲っているということを、どうやら朱井夫人は知っているようです。どこまで把握しているかは友音には判りませんが。
恵瑠/あっ……そっか。お母さんは知っているんだ。
GM/「母さんは念を押して何度も言うんだ……さっきもそれを散々聞かされたよ」 友音くんはゲッソリしています。
恵瑠/……友音くん、よしよし。頭なでなで。
GM/「ありがとう……。ってもう高1ですよ!? 頭なでなではちょっと!」 撫でられて気持ち良さそうな顔をした後に慌てます(笑)
境/そんな恥ずかしがらなくても……でもついニヤニヤしちゃうな(笑)
黒旋風/撫でられるの気持ち良いもんな! 判るよ! オレも毎日撫でてもらってるし! 撫でてもらわないと暴れる!
境/毎日!? それはちょっと自重しろ!(一同笑)
恵瑠/でも、私も年を考えるべきだったわね……ごめんなさい。
GM/謝られた友音は「い、いえ! その! もっと撫でてほしい……な……僕、恵瑠さんに撫でてもらうの嫌いじゃないし……」とマゴマゴします。
境/おっ、これは……(笑)
黒旋風/ヒューヒューッ! 応援すりゃいいんだな!? めちゃくちゃ応援するぜ! 廊下で旗ブン回すぞ!
境/うるさい! あと家の中っ!(一同笑)
GM/「こ、これからコンビニに行くなら気を付けてね。みんなで行くなら大丈夫だろうし、コンビニまで近いから危なくないと思うけど……」 そう晴瑠ちゃん達を気遣う友音でした。
晴瑠/うん、ありがとう! トモちゃんは朝早くから大変だったよね。おやすみー。
GM/「うん、おやすみ」 友音は自室に戻っていきます。
晴瑠/……ねえ、メグ姉。トモちゃんママって霊感があるのかな?
恵瑠/うーん、そうなのかな? 詳しくは聞いてないわ。でも事故でなく事件だって警察に聞かされていたら神経質になっているのかもしれないわね。
晴瑠/ちゃんと鍵を閉めて寝ようね!